JP2000007678A - スピログリコールの精製方法 - Google Patents
スピログリコールの精製方法Info
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- JP2000007678A JP2000007678A JP10169770A JP16977098A JP2000007678A JP 2000007678 A JP2000007678 A JP 2000007678A JP 10169770 A JP10169770 A JP 10169770A JP 16977098 A JP16977098 A JP 16977098A JP 2000007678 A JP2000007678 A JP 2000007678A
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- Japan
- Prior art keywords
- spiroglycol
- alcohol
- purifying
- solution
- crude
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- Pending
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ポリマー原料などのより高純度が要求されると
ころに使用されるスピログリコールの精製法を提供する
こと。 【解決手段】スピログリコールを炭素数1〜10のアル
コールを溶媒として、再結晶する
ころに使用されるスピログリコールの精製法を提供する
こと。 【解決手段】スピログリコールを炭素数1〜10のアル
コールを溶媒として、再結晶する
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として樹脂原料
として用いられる高純度のβ,β,β',β'-テトラメチル
-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン-
3,9-ジエタノール(以下スピログリコールという)
を製造する方法に関する。スピログリコールは分子内に
環式アセタールを有する多価アルコールであり、ポリウ
レタン、ポリエステル、ポリエーテルポリオール、ポリ
カーボネート、エポキシ樹脂等の高分子化合物の中間
体、あるいはモノマーとして、更に合成潤滑油、可塑
剤、接着剤等の原料して有用な物質である。
として用いられる高純度のβ,β,β',β'-テトラメチル
-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン-
3,9-ジエタノール(以下スピログリコールという)
を製造する方法に関する。スピログリコールは分子内に
環式アセタールを有する多価アルコールであり、ポリウ
レタン、ポリエステル、ポリエーテルポリオール、ポリ
カーボネート、エポキシ樹脂等の高分子化合物の中間
体、あるいはモノマーとして、更に合成潤滑油、可塑
剤、接着剤等の原料して有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】従来スピログリコールはヒドロキシピバ
ルアルデヒドとペンタエリスリトールを酸触媒存在下、
水溶液中にてアセタール化反応させて合成され、反応液
中に析出してくるスピログリコールの結晶を濾過、水
洗、乾燥のプロセスを経て製品とされていた。この方法
で得られるスピログリコールは、何ら精製操作が施され
ていないため用途によっては純度が十分とは言えず、特
にポリマー原料などに用いる場合には、生成するポリマ
ーが着色するなどの問題点があった。例えば、本発明者
らが特願平8−276260公報において提案したビス
フェノールAとスピログリコールの共重合ポリカーボネ
ートは、優れた光学特性と耐衝撃性を有し、各種の光学
用途に用いられる樹脂として有用なものであるが、市販
のスピログリコールを用いて重合したポリマーは着色が
激しく、光学用途に用いるには不十分な特性であった。
ルアルデヒドとペンタエリスリトールを酸触媒存在下、
水溶液中にてアセタール化反応させて合成され、反応液
中に析出してくるスピログリコールの結晶を濾過、水
洗、乾燥のプロセスを経て製品とされていた。この方法
で得られるスピログリコールは、何ら精製操作が施され
ていないため用途によっては純度が十分とは言えず、特
にポリマー原料などに用いる場合には、生成するポリマ
ーが着色するなどの問題点があった。例えば、本発明者
らが特願平8−276260公報において提案したビス
フェノールAとスピログリコールの共重合ポリカーボネ
ートは、優れた光学特性と耐衝撃性を有し、各種の光学
用途に用いられる樹脂として有用なものであるが、市販
のスピログリコールを用いて重合したポリマーは着色が
激しく、光学用途に用いるには不十分な特性であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであ
り、ポリマー原料等として用いるに十分な純度のスピロ
グリコールを精製する方法を提供することを目的として
いる。
な従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであ
り、ポリマー原料等として用いるに十分な純度のスピロ
グリコールを精製する方法を提供することを目的として
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するためにスピログリコールの精製方法につい
て鋭意検討を行った結果、スピログリコールを炭素数1
〜10のアルコールに加熱溶解後、冷却して再結晶させ
ることにより、大気中260℃で5時間保持後の溶融ハ
ーゼン色数が40番以下にすることが可能であることを
見いだしたものである。このような精製スピログリコー
ルは樹脂原料として用いる場合においても十分な純度と
なることを見いだし本発明に至ったものである。
点を解決するためにスピログリコールの精製方法につい
て鋭意検討を行った結果、スピログリコールを炭素数1
〜10のアルコールに加熱溶解後、冷却して再結晶させ
ることにより、大気中260℃で5時間保持後の溶融ハ
ーゼン色数が40番以下にすることが可能であることを
見いだしたものである。このような精製スピログリコー
ルは樹脂原料として用いる場合においても十分な純度と
なることを見いだし本発明に至ったものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関わるスピログリ
コールの精製方法を具体的に説明する。
コールの精製方法を具体的に説明する。
【0006】再結晶に用いる溶媒としては、スピログリ
コールの溶解度が高温において十分に高く、かつ工業的
に実施可能な冷却温度における溶解度が十分低いことが
望ましい。さらに、この再結晶操作によって不純物成分
が効果的に除去されることが必要である。かかる特性を
持つ溶媒としては、アルコール、エーテル、エステル、
ケトン、芳香族炭化水素化合物、等が挙げられるが、好
ましくはアルコール類、より好ましくは炭素数1〜10
のアルコール類である。更に具体的には、アルコール系
溶媒として、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノ
ール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコ
ール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オク
チルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコー
ル、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリ
ルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコー
ル、プロパギルアルコール、シクロペンタノール、シク
ロヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、等を挙げることができ
る。これらの溶媒の中でも特に好ましい溶媒として、メ
タノール、イソブタノール、2−エトキシエタノール、
エチレングリコールを挙げることができる。
コールの溶解度が高温において十分に高く、かつ工業的
に実施可能な冷却温度における溶解度が十分低いことが
望ましい。さらに、この再結晶操作によって不純物成分
が効果的に除去されることが必要である。かかる特性を
持つ溶媒としては、アルコール、エーテル、エステル、
ケトン、芳香族炭化水素化合物、等が挙げられるが、好
ましくはアルコール類、より好ましくは炭素数1〜10
のアルコール類である。更に具体的には、アルコール系
溶媒として、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノ
ール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコ
ール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オク
チルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコー
ル、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリ
ルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコー
ル、プロパギルアルコール、シクロペンタノール、シク
ロヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、等を挙げることができ
る。これらの溶媒の中でも特に好ましい溶媒として、メ
タノール、イソブタノール、2−エトキシエタノール、
エチレングリコールを挙げることができる。
【0007】再結晶操作は、公知の方法によって行うこ
とができる。すなわち、スピログリコールを溶媒に加熱
溶解後、冷却することによって結晶を析出させ、濾過に
よって溶液と結晶を分離し、必要であれば結晶を溶媒に
よってリンスし、乾燥によって溶媒を除去することによ
って高純度スピログリコールを得ることができる。さら
に、必要であれば再結晶操作を2回以上実施することに
よってより高純度のスピログリコールを得ることも可能
である。
とができる。すなわち、スピログリコールを溶媒に加熱
溶解後、冷却することによって結晶を析出させ、濾過に
よって溶液と結晶を分離し、必要であれば結晶を溶媒に
よってリンスし、乾燥によって溶媒を除去することによ
って高純度スピログリコールを得ることができる。さら
に、必要であれば再結晶操作を2回以上実施することに
よってより高純度のスピログリコールを得ることも可能
である。
【0008】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に何らの制限を受けるも
のではない。
するが、本発明は以下の実施例に何らの制限を受けるも
のではない。
【0009】
【実施例1】市販のスピログリコール800gをメタノ
ール10リットル中に温度60℃で完全に溶解させた
後、室温に冷却しスピログリコールを再結晶させた。結
晶をヌッチェを用いて溶液と分離し、結晶を1リットル
のメタノールでリンスした後、真空乾燥機で60℃で乾
燥させて精製スピログリコール560gを得た。得られ
たスピログリコールの大気中260℃、5時間保持後の
溶融ハーゼン色数は40番であった。
ール10リットル中に温度60℃で完全に溶解させた
後、室温に冷却しスピログリコールを再結晶させた。結
晶をヌッチェを用いて溶液と分離し、結晶を1リットル
のメタノールでリンスした後、真空乾燥機で60℃で乾
燥させて精製スピログリコール560gを得た。得られ
たスピログリコールの大気中260℃、5時間保持後の
溶融ハーゼン色数は40番であった。
【0010】
【実施例2】市販のスピログリコール800gをイソブ
タノール10リットル中に温度90℃で完全に溶解させ
た後、室温に冷却しスピログリコールを再結晶させた。
結晶をヌッチェを用いて溶液と分離し、結晶を1リット
ルのイソブタノールでリンスした後、真空乾燥機で60
℃で乾燥させて精製スピログリコール720gを得た。
得られたスピログリコールの大気中260℃、5時間保
持後の溶融ハーゼン色数は30番であった。
タノール10リットル中に温度90℃で完全に溶解させ
た後、室温に冷却しスピログリコールを再結晶させた。
結晶をヌッチェを用いて溶液と分離し、結晶を1リット
ルのイソブタノールでリンスした後、真空乾燥機で60
℃で乾燥させて精製スピログリコール720gを得た。
得られたスピログリコールの大気中260℃、5時間保
持後の溶融ハーゼン色数は30番であった。
【0011】
【比較例1】市販のスピログリコールの大気中260
℃、5時間保持後の溶融ハーゼン色数は150番であっ
た。
℃、5時間保持後の溶融ハーゼン色数は150番であっ
た。
【0012】
【発明の効果】本発明のスピログリコール精製法は、再
結晶操作により大気中260℃、5時間保持後の溶融ハ
ーゼン色数が40番以下とするものであり、特にポリマ
ー原料として用いるに十分な純度が得られ、工業的に有
用な方法である。
結晶操作により大気中260℃、5時間保持後の溶融ハ
ーゼン色数が40番以下とするものであり、特にポリマ
ー原料として用いるに十分な純度が得られ、工業的に有
用な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊佐早 禎則 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4C071 AA04 BB01 CC14 DD27 EE06 FF16 GG03 KK16 LL03
Claims (1)
- 【請求項1】 スピログリコールを炭素数1〜10のア
ルコールに加熱溶解後、冷却して再結晶させることによ
り、大気中260℃で5時間保持後の溶融ハーゼン色数
が40番以下とすることを特徴とするスピログリコール
の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10169770A JP2000007678A (ja) | 1998-06-17 | 1998-06-17 | スピログリコールの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10169770A JP2000007678A (ja) | 1998-06-17 | 1998-06-17 | スピログリコールの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000007678A true JP2000007678A (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=15892545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10169770A Pending JP2000007678A (ja) | 1998-06-17 | 1998-06-17 | スピログリコールの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000007678A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3431523A4 (en) * | 2016-03-15 | 2019-10-09 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | POLYESTER RESIN |
-
1998
- 1998-06-17 JP JP10169770A patent/JP2000007678A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3431523A4 (en) * | 2016-03-15 | 2019-10-09 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | POLYESTER RESIN |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050615 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090311 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090701 |