JP2000007527A - 鼻用パック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート状パックがどのような形状の鼻でも完
全に密着接触してしっかりと固定され、使用中に何らか
の行為が顔面に作用して顔面が運動を生起しても、その
運動を吸収してシート状パックが鼻から剥離するのを防
止し、かつ、使用後のシート状パックの剥離作用を簡易
になし得るようにした鼻用パックを提供する。 【解決手段】 パック剤層と透湿・透気性支持体とから
なるシート状パックとパック剤面保護体とを積層したも
のであって、前記シート状パックが、その上縁部の中央
部に、該上縁部から突出する凸部と該凸部の両側から下
方に延びてその端が中央側に曲がっている２本の切り込
み線とで区画される舌状片を備えると共に、下縁部の中
央部に凸部を備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】本発明は、鼻用パック、特に、貼
り付け時に鼻の形状に充分に密着し得るようにしたシー
ト状の鼻用パックに関する。

【０００２】

【従来の技術】人間の皮膚の毛穴には、油分等の分泌物
やゴミ、埃等により角栓が形成され、この角栓が、肌の
健康上もしくは美容上好ましくない状態を生じさせてい
る。このような角栓の発生を予防し、除去する手段とし
て、各種の洗顔剤を用いて洗顔すること、あるいは、チ
ューブに入った液状のパック剤を顔に塗布することが従
来から行われている。

【０００３】前記の如き洗顔は、短時間で行え、角栓の
形成を予防できるが、毛穴内に一旦形成された角栓を取
り除くことは、ほとんど不可能であり、一方、前記パッ
ク剤の使用は、液状のパック剤を顔の皮膚に塗布し、そ
のパック剤が乾燥した後、該皮膚上に形成された皮膜を
剥離し、皮膜の接着力により毛穴内にある角栓を接着除
去するものであるが、角栓の除去性能は、まだ充分では
なく、液状のパック剤の顔の皮膚への塗布や剥離が面倒
である。

【０００４】更に、前記の如き塗布型のパック剤は、使
用者が自己の皮膚に対して均一に塗布することが困難で
あると共に、乾燥が不十分な場合には、皮膚からの剥離
に際して、部分的にパック剤が皮膚に残ることもあり、
その除去に多大な手間がかかるという問題があった。近
年、前記の如き顔の皮膚への塗布型のパックの欠点を補
うために、パック剤を予め支持体に塗布したシート状パ
ックが開発されていると共に、顔の鼻部分のみをパック
するシート状の鼻用パックも開発されている。

【０００５】これらのシート状の鼻用パックの一例とし
て登録実用新案第３０４６９２９号公報、登録実用新案
第３０３７０２１号公報、及び、登録実用新案第３０３
７４６０号公報に記載のものがある。前記登録実用新案
第３０４６９２９号公報に記載された鼻用パックは、パ
ック剤を塗布した支持体が、上縁部の中央部近傍に間隙
を空けて２本のスリットを形成する形状とし、前記２本
のスリットにより鼻用パックの支持体を鼻の左右に偏る
ことなく貼り付けするものである。

【０００６】また、登録実用新案第３０３７０２１号公
報に記載の鼻用パックは、パック剤を塗布した支持体
が、その上縁部の中央部に凸部を形成し、この凸部が鼻
筋に位置するように用いて鼻用パックの貼り付けを行う
ものであり、更に、登録実用新案第３０３７４６０号公
報に記載の鼻用パックは、パック剤を塗布した支持体
が、上縁部の中央部に凹部を形成すると共に下縁部の中
央部にも凸部を形成し、該凸部と凹部が鼻尖を覆うよう
したものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、シート状の
鼻用パックを、使用者が鼻に適用した場合には、支持体
に塗布したパック剤の効果を引き出すために、できるだ
け、その鼻の皮膚に前記支持体の全面が完全に密着接触
し、皺のない状態でしっかりと固定されていなければな
らないし、支持体を鼻から剥離後に、鼻の皮膚にパック
剤が残らないようにしなければならない。即ち、シート
状の鼻パックは、そのパック剤を塗布された支持体(以
下、シート状パックという。)の貼着時の初期貼付性が
良い、皮膚からの浮きやしわの発生がない、毛穴内の角
栓の除去性が良い、及び、パック剤の皮膚残存が少ない
ことが望まれるものである。

【０００８】しかし、前記公報に記載のシート状パック
は、その上縁部と下縁部との中央に各々一個の凹部もし
くは凸部が形成したか、中央の両側にスリットを形成し
ているのみであるので、突起状の形状をしており、か
つ、個々の人間によって、その形状も微妙に異なる鼻
に、前記シート状パックの全面を密着接触させ、しかも
浮きや皺が無いように固定するには、充分なものとは云
えない。

【０００９】シート状パックが鼻に密着接触してしっか
りと固定されていないと、そのこと自体で、パック剤の
皮膚への浸透が十分に行われず、毛穴内に形成された油
分等の分泌物やゴミ、埃等からなる角栓をその接着力で
取り除くことができないばかりか、使用者が、前記シー
ト状パックを鼻の皮膚に固定した状態で、会話やその他
の顔を動かす行動等をした場合には、これらの行動が柔
軟な鼻部の皮膚に作用し、該皮膚を蠢かせてしまい、シ
ート状パックが鼻部の皮膚から剥れて、パック剤自体の
機能効果を充分に発揮できていない場合も生じるとの問
題がある。

【００１０】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、シート状パックが
どのような形状の鼻でも完全に密着接触してしっかりと
固定され、使用中に何らかの行為が顔面に作用して顔面
が運動を生起しても、その運動を吸収してシート状パッ
クが鼻から剥離するのを防止し、かつ、使用後のシート
状パックの剥離作用を簡易になし得るようにした鼻用パ
ックを提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係る鼻用パックは、パック剤層と透湿・透気性
支持体とからなるシート状パックとパック剤面保護体と
を積層したものであって、前記シート状パックが、その
上縁部の中央部に、該上縁部から突出する凸部と該凸部
の両側から下方に延びてその端が中央側に曲がっている
２本の切り込み線とで区画される舌状片を備えると共
に、下縁部の中央部に凸部を備えたことを特徴としてい
る。

【００１２】前述の如く構成された本発明に係る鼻用パ
ックは、そのシート状パックの上縁部の中央部に、凸部
と該凸部の両側から下方に延びてその端が中央側に曲が
っている２本の切り込み線とで区画される舌状片を備え
たことで、貼着時に、鼻の小鼻周辺部に、その形状の変
化に基づいてシート状パックに形成され易い歪を、前記
舌状片の切り込み線部分で吸収して、前記シート状パッ
クの浮き・しわを抑えて、該シート状パックの全体を鼻
の皮膚に完全に密着接触することがで、鼻からの安易な
剥離が防止される。

【００１３】また、鼻用パックの貼着時、鼻用パックの
上縁部の中央の前記舌状片と下縁部の中央の凸部とを鼻
筋と鼻尖に合わせることで、容易にその位置決めをする
ことができる。更に、前記シート状パックは前記舌状片
を有するので、使用後、剥がれ易い該舌状片の端部を爪
等で剥離することで、簡易に剥離することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の鼻用パ
ックに係る一実施形態について説明する。図１は、本実
施形態の鼻用パック１０のパック剤面保護体６から剥離
したシート状パック１の平面図であり、該鼻用パック１
０は、シート状をしており、パック剤層１ｂと透湿、透
気等の性質を保有する不織布たる支持体１ａとからなる
シート状パック１とパック剤面保護体６（図４参照）と
を積層して形成したもので、前記シート状パック１の形
状は、その上縁部の中央部に、該上縁部から突出する凸
部４と該凸部４の両側から下方に延びてその端が中央側
に曲がっている２本の切り込み線５、５とで区画される
舌状片３を備えると共に、下縁部の中央部に凸部２を形
成している。

【００１５】ここで、斜視図である図２に従って、前記
鼻用パック１０の鼻への適用について述べる。前記鼻用
パック１０は、前記パック剤面保護体６からパック剤を
塗布されているシート状パック１を剥して、該シート状
パック１を鼻に貼着するものであるが、そのシート状パ
ック１の下縁部の凸部２が顔の中央部に位置する鼻７の
鼻尖８に位置合わせした上で押圧され、鼻７を覆うよう
に貼り付ける。鼻７の小鼻周辺部で、その形状の変化に
基づいてシート状パック１に形成され易い歪部分を、指
等で押圧して前記舌状片３の切り込み線部分５、５で吸
収して、前記シート状パック１の浮き・しわを抑えて、
該シート状パック１の全体を鼻の皮膚に完全に密着接触
する。

【００１６】また、このように貼り付けられたシート状
パック１は、使用中に生起した何らかの行為によって顔
面の皮膚が動かされ、目の周辺の皮膚に皺を生起させる
動きが生じても、この皮膚の動きが前記シート状パック
１に形成された上縁部の舌状片３の切り込み線部分５、
５によって吸収する。この吸収作用は、目の周辺の皮膚
の動きによって鼻７からシート状パック１が容易に剥離
することを防止することとなり、パック剤のパック機能
が十分に発揮されるものである。

【００１７】更に、使用後に前記シート状パック１を鼻
７から剥離する場合には、該シート状パック１における
前記舌状片３の端を指先または指の爪で引き剥し、その
端部の適宜の範囲を部分的に剥離した後、この剥離部分
を指先で摘みながら引き下げる。前記シート状パック１
の引き下げによる剥離作動は、人間生理学上、顔面を痛
めることがなくスムーズに行われる。図３は、四個のシ
ート状の鼻用パック１０、１０・・・を配列した状態を示
した平面図であり、図４は、パック剤層１ｂと透湿・透
気性支持体１ａとからなるシート状パック１とパック剤
面保護体６とを積層した状態を示した図３のＡ−Ａ断面
図である。

【００１８】図３の四個の鼻用パック１０、１０・・・
は、通常は、切断線１１、１２に沿って切断されてお
り、各々単体として、販売・使用されるものであるが、
場合によっては、複数個を一体として販売するようにし
ても良い。図４に示されているように、鼻用パック１０
は、前記支持体１とパック剤面保護体６とのシート状積
層体で、該シート状パック１は、パック剤層１ｂとパッ
ク剤の付着した不織布１ａから成っている。前記シート
状パック１は、その外形輪部１３に沿って、鼻用パック
素材から切断され、該シート状パック１以外の前記鼻用
パック素材の不要部分を除去した状態で、かつパック剤
の面がパック剤面保護体６側に位置するように、パック
剤面保護体６と積層貼着されている。鼻７への貼着時に
は、シート状パック１を、積層状態（実線状態）にある
ものを、前記パック剤面保護体６から剥離（点線状態）
することで、分離して使用するものである。前記実施形
態の形状のシート状パック１を実施例１として、比較例
１、比較例２と比較して、初期貼付性、浮き・しわの発
生、角栓の除去性、パック剤の残肌について評価した。

【００１９】［実施例１］パック剤は、ビニルピロリド
ンー酢酸ビニル共重合体、無機充填剤、防腐剤、及び水
とを混合したものとすると共に、剥離処理したポリエチ
レンテレフタレートフイルムに前記パック剤を塗布して
パック剤が乾燥後、ポリエステル製不織布を積層してシ
ート状の鼻用パック素材を形成した。該シート状の鼻用
パック素材から図１の形状にカットしてシート状パック
１を形成した。そして、鼻に水を付けて、該シート状パ
ック１を貼着し、１５分間保持して乾燥後に剥離した。

【００２０】［比較例１］比較例１は、図１のシート状
パック１の上縁部の舌状片３から切り込み線部分（スリ
ット部）５、５を無くした以外は、実施例１と形状を同
じにすると共に、それ以外のパック剤の組成、シート状
パック１の構造、貼着方法も同じにした。

【００２１】［比較例２］比較例２は、図１のシート状
パック１の上縁部の舌状片を無くし、直線状とした以外
は、実施例１と形状を同じにすると共に、それ以外のパ
ック剤の組成、シート状パック１の構造、貼着方法も同
じにした。実施例１と比較例１、２とは、ボランティア
のパネラー１０名について調査したもので、評価の結果
を表１に示す。

【００２２】

【表１】

【００２３】表１から理解されるように、シート状パッ
クの上縁部の中央に舌状片を備えた実施例１は、シート
状パックの上縁部の中央に凸部のみを備えた比較例１に
比べて、そのシート状パック１の初期貼付性、浮き・し
わの発生、角栓除去性、及び、パック剤肌残りが少ない
点で優れている。これは、シート状パック１の上縁部の
舌状片の切り込み線部分（スリット部）５、５によっ
て、シート状パックの貼着時に、シート状パックの歪を
吸収して、鼻の皮膚にシート状パック１の全体を密着状
に接触して貼着したことによるものと解される。また、
前記実施例１は、シート状パック１の上縁部が直線状の
比較例２に対しては、前記調査のいずれの面において
も、優れており、舌状片を備えたことによる前記調査の
如き有用な機能を明確にしている。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発
明の鼻用パックは、シート状パックの上縁部の中央に舌
状片を備えたので、シート状パックに形成され易い歪
を、前記舌状片の切り込み線部分で吸収して、前記シー
ト状パックの浮き・しわを抑えて、該シート状パックの
全体を鼻の皮膚に完全に密着接触することができる。ま
た、貼着時の鼻への位置合わせも容易にでき、使用後の
剥離も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るシート状パックの平
面図。

【図２】図１で示したシート状パックを鼻に適用した状
態に係る斜視図。

【図３】複数のシート状の鼻用パックを配列した状態の
平面図。

【図４】図３で示したシート状の鼻用パックＡ−Ａ断面
図。

【符号の説明】

１ シート状パック ２ 凸部 ３ 舌状片 ４ 凸部 ５ 切り込み線 ６ パック剤面保護体 ７ 鼻 ８ 鼻尖 １０ 鼻用パック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パック剤層と透湿・透気性支持体とから
   なるシート状パックとパック剤面保護体とを積層したシ
   ート状の鼻用パックにおいて、 前記シート状パックは、その上縁部の中央部に、該上縁
   部から突出する凸部と該凸部の両側から下方に延びてそ
   の端が中央側に曲がっている２本の切り込み線とで区画
   される舌状片を備えると共に、下縁部の中央部に凸部を
   備えたことを特徴とするシート状の鼻用パック。