JP2000005134A - 角層標本の作成方法 - Google Patents

角層標本の作成方法

Info

Publication number
JP2000005134A
JP2000005134A JP10186964A JP18696498A JP2000005134A JP 2000005134 A JP2000005134 A JP 2000005134A JP 10186964 A JP10186964 A JP 10186964A JP 18696498 A JP18696498 A JP 18696498A JP 2000005134 A JP2000005134 A JP 2000005134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
skin
specimen
transparent
peeled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10186964A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3667530B2 (ja
Inventor
Norio Fujiwara
典雄 藤原
Nobuo Kashibuchi
暢夫 橿淵
Masakazu Miyazawa
雅一 宮沢
Yoshikazu Hirai
義和 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pola Chemical Industries Inc filed Critical Pola Chemical Industries Inc
Priority to JP18696498A priority Critical patent/JP3667530B2/ja
Publication of JP2000005134A publication Critical patent/JP2000005134A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3667530B2 publication Critical patent/JP3667530B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、生体の皮
膚の情報を省力化して速やかに入手する手段を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 粘着剤を少なくとも片面に塗布したディ
スクを採取対象の皮膚に貼付した後、剥離し、当該粘着
部を、透明な材質であって、且つ少なくとも片面に粘着
剤を塗布してある標本用材料の粘着部に貼付して剥離
し、皮膚より剥離した皮膚の被観察検体を標本用材料に
転写することを特徴とする、皮膚の観察用の標本の作成
方法を提供する。本発明によれば、生体の皮膚の情報を
省力化して速やかに入手する手段を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術範囲】本発明は、肌の診断・分析・
鑑別などに有用な、角層などの皮膚の観察用の標本の作
成方法及びその作成に有用な当該標本の作成キットに関
する。
【0002】
【従来の技術】角層などの皮膚の顕微鏡観察用の標本
は、その皮膚を有する生体の皮膚状態を知る上で非常に
重要である。この為、これらの標本の作成の仕方が工夫
されてきており、例えば、粘着剤を塗布したフィルムな
どで角層を採取しこのものをスライドグラスに転写した
後フィルムを除去したり、粘着剤付き透明フィルムを皮
膚に貼付しこのフィルムを直接染色し標本を作成した
り、実体顕微鏡下皮膚を観察したりすることが行われて
いた。又、粘着テープを皮膚に貼付し、これを別の粘着
テープ上に転写し、この転写物を角層標本とする方法も
行われていた。この様にして得られた皮膚情報は、生体
がヒトであれば化粧料の選択のカウンセリング用の標本
作りなどに応用されており、この様な皮膚情報により適
切な化粧料選択が可能になっていることは、昨今のデパ
ートの化粧品売場のカウンターへ出向いてみれば一目瞭
然である。しかしながら、かかる皮膚標本の作成は、何
れの方法によっても、その検体採取より、標本作成、観
察終了までに多大な時間と人手を要する問題があった。
この理由としては、前者においては、フィルム除去作業
に有機溶媒による軟化を用いるため、多大な時間と人手
が必要なこと、標本の中の情報が多すぎるため、これを
整理して正確に鑑別するためには知識と経験を要するこ
と等が欠点として挙げられ、フィルムの直接染色や粘着
テープからの転写物の染色においては、採取と転写の際
の貼付効率の問題より綺麗な一層の角層標本が得られに
くいこと或いは皮膚角質細胞が採取側の粘着剤に多く残
ってしまうこと、この角質細胞を観察することが不可能
であること等の問題点が挙げられる。これらを省力化す
ることは速やかに且つ安価で正確に皮膚情報を提供でき
るという点で好ましいことであり、この様な技術の出現
が待たれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
下行われたものであり、生体の皮膚の情報を省力化して
速やかに入手する手段を提供することを課題とする。
【0004】
【課題の解決手段】本発明者らは上記実状に鑑み、生体
の皮膚の情報を省力化して速やかに入手する手段を求め
て、次の2つの面からのアプローチを行った。 1)従来の検体の採取方法を、もっと有益な情報が得易
くする様に改善すること。即ち、従来の方法では不必要
な情報までもが混在したサンプルであったため、その情
報の解析に手間取ったと考えられ、この不要な情報を除
去することにつとめる。 2)染色等組み合わせの仕方や方法を改良することによ
り時間の短縮と省力化につとめる。この結果、粘着剤を
塗布したディスクを採取対象の皮膚に貼付した後、剥離
し、当該粘着部を、透明な材質であって、且つ少なくと
も片面に粘着剤を塗布してある標本用材料の粘着部に貼
付して剥離し、皮膚より剥離した皮膚の被観察検体を標
本用材料に転写することにより、1)の時間の短縮と省
力化が可能となり、結果得たサンプルが驚くべきこと
に、従来のサンプリングでは到底染色し得なかった標本
でも、2)で検討した時間短縮・省力化条件であっても
染色しうる上、綺麗な一層のサンプルであるため観察も
容易で適切に行えることを見いだし発明を完成させるに
至った。更に、本発明に於いては、使用したディスク
も、それから角質細胞を転写した粘着剤を塗布した検体
保持体自身も観察用の標本として使用できるというメリ
ットもある。以下、本発明について実施の形態を中心に
詳細に説明を加える。
【0005】
【発明の実施の形態】(1)本発明の標本の作成法 本発明の標本の作成法は、粘着剤を少なくとも片面に塗
布したディスクを採取対象の皮膚に貼付した後、剥離
し、当該粘着部を、透明な材質であって、且つ少なくと
も片面に粘着剤を塗布してある標本用材料の粘着部に貼
付して剥離し、皮膚より剥離した皮膚の被観察検体を標
本用材料に転写することを特徴とする。ここで、ディス
クとは、多少の変形性を有しながらも通常の応力に対し
ては形態維持性を発揮する薄板材料であって、角のない
形状、即ち、円形や楕円形等の形状をした材料を意味す
る。ここで転写とは、本発明に於いては、角層などのサ
ンプルの一部又は全部の物理的な移動を意味する。この
様な作業を行うことにより、綺麗な一層の角層サンプル
を採取することができる。角層を一層にすることによ
り、従来法では重なり合っていて多重の角層の透視像し
か見られなかったものが、角質細胞一個一個を明瞭に観
察しうる様になった。又、薄い角質細胞一層のサンプル
であるため、色黒やシミ等の原因となるメラニン分布の
不全も如述に感知しうる。更に、染色についても従来の
サンプリング法に比較して容易に染色しうる。従って、
観察・細胞などの鑑別の精度を上げ、標本作成時間を大
幅に短縮することが可能になった。又、透明な材質であ
って粘着剤の塗布してある標本用材料を採集対象の皮膚
に塗布して剥離させ、標本用材料上に付着した皮膚の標
本に粘着剤を少なくとも片面に塗布したフィルムを貼付
して剥離させることにより、余分な皮膚標本を除去しサ
ンプルとする方法も上述の方法と同様に観察・細胞など
の鑑別の精度を上げ、標本作成時間を大幅に短縮するこ
とができ、この方法も本発明の技術範囲に属するが、後
操作での鑑別の容易さと正確さの点で最初に述べた、粘
着剤を少なくとも片面に塗布した標本用材料を採取対象
の皮膚に貼付した後、剥離し、当該粘着部を、透明な材
質であって、且つ少なくとも片面に粘着剤を塗布してあ
るディスクの粘着部に貼付して剥離し、皮膚より剥離し
た皮膚の被観察検体を標本用材料に転写する方法の方が
好ましい。即ち、本発明の標本の作成方法は大まかには
次の二種に表される。 1)粘着剤を少なくとも片面に塗布したディスクを採取
対象の皮膚に貼付した後、剥離し、当該粘着部を、透明
な材質であって、且つ少なくとも片面に粘着剤を塗布し
てある標本用材料の粘着部に貼付して剥離し、皮膚より
剥離した皮膚の被観察検体を標本用材料に転写する方法
(第一法) 2)透明な材質であって粘着剤の塗布してある標本用材
料を採集対象の皮膚に塗布して剥離させ、標本用材料上
に付着した皮膚の標本に粘着剤を少なくとも片面に塗布
したフィルムを貼付して剥離させることにより、余分な
皮膚標本を除去しサンプルとする方法(第二法) 本発明の標本作成方法で作成された標本は、皮膚の余分
な部分がない綺麗な一層の角層サンプルであるので、従
来のサンプリング法で作成された標本よりも染色性がよ
いので、従来の染色液の1/10程度の濃度で充分染色
する事ができ、この様な染色法法と共に使用するのが好
ましい。又、本発明では下記に示すような使用機材を組
み合わせてキットとすることもできる。本発明のキット
としては、透明であって粘着剤が塗布されている検体保
持部を有する標本用材料と少なくとも片面に粘着剤が塗
布された皮膚検体採集用のディスクからなる、皮膚の観
察用の標本作成用のキット及び透明であって粘着剤が塗
布されている検体保持部を有する標本用材料と少なくと
も片面に粘着剤が塗布された皮膚検体採集用のディスク
からなる、皮膚の観察用の標本作成用のキットが好まし
く例示できる。本発明の標本作成方法及びキットは皮膚
の内、角層の標本を作成するのに特に好適である。
【0006】(2)本発明の標本作成方法で使用する機
材 以下に、第一法で用いる機材の説明をする。 (粘着剤を少なくとも片面に塗布したディスク)使用で
きるディスクの要件としては、柔軟性を有しながらも形
態維持性を有し、粘着剤の一様な塗布が可能であること
である。第一法では、このディスクは皮膚サンプルの採
取のみに使用されるので、ディスク自体に透明性は要求
されない。勿論透明であることも可能であるが、皮膚の
サンプリングが効率よく行えるように柔軟性を有しなが
らも形態維持性を有していることが大切である。これは
押しつけて皮膚を多少変形させて角層を採取することに
より、一層になった角層を採取することが出来る。又、
皮膚から容易に剥離できる程度の強度を備えていること
も必要である。この様なディスク材料としては、例え
ば、ライニングされていても良い厚紙、ポリ塩化ビニル
板、ポリエチレンテレフタレート、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、セルロイドやアセチルセル
ロースなどのセルロース誘導体などの高分子薄板、これ
らの複合材料等が好適に例示できる。この中で好ましい
ものは、コストの面からポリエチレンをライニングした
厚紙乃至はポリエチレンテレフタレート薄板である。
又、粘着剤としては、通常皮膚に対する粘着剤として使
用されているものであれば特段の限定なく使用すること
が可能であり、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、アクリル系、
天然、SBR系、NBR系、ブタジエン−ビニルピリジ
ン系、ブチル系、再生、シアノアクリレート系及びクロ
ロプレン系等のゴムとその誘導体、トラガカントガム、
アラビアガム等の多糖類の粘着剤等が好ましく例示でき
る。これら粘着剤を塗布したディスクは、粘着部をシリ
コーン含浸紙等の剥離紙でカバーし、埃などで粘着力が
低下することを防ぐこともできる。又、形状としては貼
付した際に刺激を発生させにくい、角のないものが好ま
しい。具体的には、円や楕円の形状が好ましく例示でき
る。更に、剥離用の小突起を有することが、使用性の面
で好ましい。 (標本用材料)透明な材質であって、且つ少なくとも片
面に粘着剤を塗布してある標本用材料としては、ポリプ
ロピレンなどの構造材料の中央部に穴を設け、ここに粘
着剤を一様に塗布した透明フィルムを貼付するタイプの
もの、透明の板状の材料の中に粘着剤を塗布し、皮膚材
料を転写する部分を設けたタイプのもの等が例示でき
る。かかるフィルムや透明板の材料としては、透明性が
要求され、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタ
クリル酸エステル、テトロン等が好ましく例示できる。
これらの内では、テトロンが柔軟性と形態維持性のバラ
ンスから特に好ましい。又、中央に穴を設けた構造材料
の材料としては、ガラス、木材、ポリ塩化ビニルやポリ
スチレン、ポリプロピレンなどの高分子材料が好適に例
示できる。これらは透明である必要はないが透明であっ
ても良い。かかるフィルムや透明板に塗布する粘着剤と
しては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリビニルエーテル、アクリル系、天然、
SBR系、NBR系、ブタジエン−ビニルピリジン系、
ブチル系、再生、シアノアクリレート系及びクロロプレ
ン系等のゴムとその誘導体、トラガカントガム、アラビ
アガム等の多糖類の粘着剤等が好ましく例示できる。こ
れらは塗布する際に、使用した溶剤がフィルム材料や透
明板を損なわないように注意する必要がある。又、粘着
剤塗布部にはシリコーン含浸紙等の剥離紙でカバーを行
い、埃などで粘着力が低下することを防ぐこともでき
る。本標本用材料の粘着剤の粘着力は上記皮膚サンプル
採集用フィルムの粘着力より強いことが必要である。
【0007】以下に、第二法に使用する機材について説
明を加える。 (標本用材料)透明な材質であって、且つ少なくとも片
面に粘着剤を塗布してある標本用材料としては、ポリプ
ロピレンなどの構造材料の中央部に穴を設け、ここに粘
着剤を一様に塗布した透明フィルムを貼付するタイプの
もの、透明の板状の材料の中に粘着剤を塗布し、皮膚材
料を採取する部分を設けたタイプのもの等が例示でき
る。かかるフィルムや透明板の材料としては、透明性と
皮膚サンプルの採集適性が要求され、多少の柔軟性が必
要であり、テトロン、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル等が好ましく例示できる。こ
れらの内では、透明性、柔軟性、形態維持性のバランス
からテトロンが特に好ましい。又、中央に穴を設けた構
造材料の材料としては、ガラス、木材、ポリ塩化ビニル
やポリスチレン、ポリプロピレンなどの高分子材料が好
適に例示できる。これらは透明である必要はないが透明
であっても良い。かかるフィルムや透明板に塗布する粘
着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、アクリル系、
天然、SBR系、NBR系、ブタジエン−ビニルピリジ
ン系、ブチル系、再生、シアノアクリレート系及びクロ
ロプレン系等のゴムとその誘導体、トラガカントガム、
アラビアガム等の多糖類の粘着剤等が好ましく例示でき
る。使用勝手からは、透明な柔軟な粘着剤塗布フィルム
を単独で皮膚サンプルの採集に用い、これを中央部に穴
を設けた構造材料に貼付固定し、粘着剤付きのフィルム
で不要な皮膚サンプルを貼付除去するのが好ましい。こ
れらは塗布する際に、使用した溶剤がフィルム材料や透
明板を損なわないように注意する必要がある。又、粘着
剤塗布部にはシリコーン含浸紙等の剥離紙でカバーを行
い、埃などで粘着力が低下することを防ぐこともでき
る。 (粘着剤塗布フィルム)使用できるフィルムの要件とし
ては、柔軟性を有し、粘着剤の一様な塗布が可能である
ことである。第二法では、このフィルムは皮膚サンプル
の余分な部分の除去のみに使用されるので、フィルム自
体に透明性は要求されない。勿論透明であることも可能
であるが、皮膚のサンプルの調整が効率よく行えるよう
に、標本用材料の粘着部と密着できるよう、柔軟性を有
していることが大切である。又、皮膚サンプルを除去し
すぎないよう適度の粘着力であること、即ち、標本用材
料の粘着力よりやや弱い粘着力であることも必要であ
る。この様なフィルム材料としては、例えば、ライニン
グされていても良い不織布、紙又は布、ポリエステル、
ポリエチレンテレフタレート、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステルなどの高分子フィルム、これらの複
合材料等が好適に例示できる。この中で好ましいもの
は、コストの面からポリエチレンをライニングした紙で
ある。又、粘着剤としては、通常粘着剤として使用され
ているものであれば特段の限定なく使用することが可能
であり、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリビニルエーテル、アクリル系、天然、
SBR系、NBR系、ブタジエン−ビニルピリジン系、
ブチル系、再生、シアノアクリレート系及びクロロプレ
ン系等のゴムとその誘導体、トラガカントガム、アラビ
アガム等の多糖類の粘着剤等が好ましく例示できる。こ
れら粘着剤を塗布したフィルムは、粘着部をシリコーン
含浸紙等の剥離紙でカバーし、埃などで粘着力が低下す
ることを防ぐこともできる。
【0008】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明について更に詳
細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定
を受けないことは言うまでもない。
【0009】<実施例1>実施例1の実施に先立ち次の
ものを用意した。 1.図1に示す如く中央に切除部(穴)2を設け、透明
粘着剤3を片面全面に塗布した透明テープ4を貼付した
標本用材料1(この透明テープ4としては住友スリーエ
ム製のテピアテープを使用した。標本用材料はポリプロ
ピレン製)。 2.皮膚サンプル採集用ディスクとして、両面テープ
(幅1インチ)を長さ2.5cmに切ったものをポリエ
チレンテレフタレートに貼付し、これを直径1.5cm
のパンチで打ち抜きディスクを得た。上記材料を用い、
まず、このディスクを頬に貼付し2回指で圧迫した後、
剥離させ、このディスクの粘着部を透明テープ4を貼付
した標本用材料1の切除部に粘着部が現れている透明テ
ープ4の粘着部に貼付して剥離させ、透明テープ上に皮
膚サンプルを転写し、標本を得た。この標本は、0.5
%の硝酸銀水溶液にアンモニア水を滴下しpHを10に
調整した銀染色液を用い、45℃10分間処理し銀染色
した後、3回水洗し0.8%ゲンチアナバイオレット液
で10分処理した。この標本を水洗、乾燥させ、透明シ
リコーン剤を染色済みの部分を覆うように流し込みカバ
ーグラスをのせてサンプルとした。この顕微鏡写真を図
2に示す。比較例1として、テピアテープを頬に貼付し
て皮膚サンプルを採取し、これを中央に切除部を設けた
標本用材料に貼付して実施例と同様に染色を行い、比較
例1とした。この顕微鏡写真を図3に示す。比較例2と
して、テピアテープを頬に貼付して皮膚サンプルを採取
し、これを中央に切除部を設けた標本用材料に粘着テー
プを張り付けたものの粘着テープ上に貼付して転写し、
従来法に従い染色を行い、比較例2とした。即ち、5%
硝酸銀水溶液にアンモニア水を加えてpHを10に調整
し、これに室温で1昼夜浸漬し、銀染色を行い、水洗を
10回繰り返した。その後、10%ゲンチアナバイオレ
ット液に10分間浸漬し、水洗した後、透明シリコーン
を充填しカバーグラスをおき標本を得た。この顕微鏡写
真を図4に示す。これら図2〜4から判るように、本発
明の標本作成方法によって作成された標本は短時間で鮮
明にメラニンを染色しうる。更に、顕微鏡像も解析しや
すい。これは細胞や染色の重なりによって顕微鏡像の解
析が妨げられないためである。更に、染色時間も14時
間から60分に大幅に短縮できた。
【0010】<実施例2>実施例2の実施に先立ち次の
ものを用意した。 1.図5に示す如く中央に切除部(穴)6を設けた標本
用材料5(ポリプロピレン製)。 2.皮膚サンプル採集用ディスクとして、住友スリーエ
ム製のテピアテープ。 3.皮膚サンプルの調整テープとして、住友スリーエム
製サージカルテープ(幅1インチ)を長さ2.5cmに
切ったもの。頬にテピアテープを貼付し、指で2回圧迫
して剥離させた。これを切除部6を塞ぐように標本用材
料5に貼付した。このテピアテープの粘着部にサージカ
ルテープを貼付し剥離させる作業を2回行い、標本を得
た。この標本は、0.5%の硝酸銀水溶液にアンモニア
水を滴下しpHを10に調整した銀染色液を用い、45
℃10分間処理し銀染色した後、3回水洗し0.8%ゲ
ンチアナバイオレット液で10分処理した。この標本を
水洗、乾燥させ、透明シリコーン剤を染色済みの部分を
覆うように流し込みカバーグラスをのせてサンプルとし
た。このものは実施例1には及ばないが極めて鮮明な顕
微鏡標本であった。
【0011】<実施例3>実施例3の実施に先立ち次の
ものを用意した。 1.図6に示す如く、中央に粘着剤8を塗布した粘着剤
塗布部9を設けた標本用材料7(ポリエチレンテレフタ
レート製、粘着剤はポリアクリル酸エステル)。 2.皮膚サンプルの調整テープとしての住友スリーエム
製サージカルテープ(幅1インチ)を長さ2.5cmに
切ったもの。標本用材料7の粘着剤塗布部分9を頬に押
しつけ剥離させ、これの粘着部にサージカルテープを貼
付して剥がしこの作業を2回行った。標本用材料を実施
例2と同様に染色したところ、やはり実施例1には及ば
ないが鮮明な標本が得られた。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、生体の皮膚の情報を省
力化して速やかに入手する手段を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で用いる標本用材料を示す図であ
る。
【図2】 実施例1で作成した標本の顕微鏡写真であ
る。(図面代用写真)
【図3】 比較例1で作成した標本の顕微鏡写真であ
る。(図面代用写真)
【図4】 比較例2で作成した標本の顕微鏡写真であ
る。(図面代用写真)
【図5】 実施例2で用いる標本用材料を示す図であ
る。
【図6】 実施例3で用いる標本用材料を示す図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/28 G01N 1/28 M (72)発明者 平井 義和 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 4C038 VA05 VB22 VC20 4C083 CC02 DD01 DD12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着剤を少なくとも片面に塗布したディ
    スクを採取対象の皮膚に貼付した後、剥離し、当該粘着
    部を、透明な材質であって、且つ少なくとも片面に粘着
    剤を塗布してある標本用材料の粘着部に貼付して剥離
    し、皮膚より剥離した皮膚の被観察検体を標本用材料に
    転写することを特徴とする、皮膚の観察用の標本の作成
    方法。
  2. 【請求項2】 皮膚の被観察検体に角層が含まれること
    を特徴とする、請求項1に記載の皮膚の観察用の標本の
    作成方法。
  3. 【請求項3】 採取用の粘着剤を少なくとも片面に塗布
    したディスクの粘着剤の粘着力が標本用材料に塗布され
    た粘着剤の粘着力より小さいことを特徴とする、請求項
    1又は2に記載の皮膚の観察用の標本の作成方法。
  4. 【請求項4】 透明であって粘着剤が塗布されている検
    体保持部を有する標本用材料と少なくとも片面に粘着剤
    が塗布された皮膚検体採集用のディスクからなる、皮膚
    の観察用の標本作成用のキット。
  5. 【請求項5】 標本用材料の検体保持部に塗布されてい
    る粘着剤の粘着性が皮膚検体採集用のディスクに塗布さ
    れている粘着剤より強いことを特徴とする、請求項4に
    記載の皮膚の観察用の標本作成用のキット。
  6. 【請求項6】 粘着剤を少なくとも片面に塗布した透明
    ディスクを採取対象の皮膚に貼付した後、剥離し、当該
    粘着部に、少なくとも片面に粘着剤を塗布してある粘着
    テープを貼付して剥離し、付着皮膚量を調整して透明デ
    ィスクを標本とすることを特徴とする、皮膚の観察用の
    標本の作成方法。
JP18696498A 1998-06-17 1998-06-17 角層標本の作成方法 Expired - Lifetime JP3667530B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18696498A JP3667530B2 (ja) 1998-06-17 1998-06-17 角層標本の作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18696498A JP3667530B2 (ja) 1998-06-17 1998-06-17 角層標本の作成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000005134A true JP2000005134A (ja) 2000-01-11
JP3667530B2 JP3667530B2 (ja) 2005-07-06

Family

ID=16197817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18696498A Expired - Lifetime JP3667530B2 (ja) 1998-06-17 1998-06-17 角層標本の作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3667530B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322265A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Kawamura Inst Of Chem Res 多孔質体の固着方法
US7421105B2 (en) 2001-10-29 2008-09-02 Pola Chemical Industries Inc. Method for staining corneocytes, method for preparing corneocytes specimen and skin analysis system
JP2011064542A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Sysmex Corp 組織液収集方法並びに該方法に用いる組織液収集キット及び組織液収集シート
JP2012093144A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Kao Corp 角層細胞の物性測定方法
WO2013105363A1 (ja) * 2012-01-13 2013-07-18 ポーラ化成工業株式会社 細胞の封入方法及び細胞の観察方法
JP2017181143A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 株式会社コーセー 角層採取方法および採取した角層の観察方法
CN109642856A (zh) * 2016-08-31 2019-04-16 株式会社益力多本社 皮肤分析或观察用样品的制备方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7421105B2 (en) 2001-10-29 2008-09-02 Pola Chemical Industries Inc. Method for staining corneocytes, method for preparing corneocytes specimen and skin analysis system
US7425427B2 (en) 2001-10-29 2008-09-16 Pola Chemical Industries Inc. Method for staining corneocytes, method for preparing corneocytes specimen and skin analysis system
JP2007322265A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Kawamura Inst Of Chem Res 多孔質体の固着方法
JP2011064542A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Sysmex Corp 組織液収集方法並びに該方法に用いる組織液収集キット及び組織液収集シート
JP2012093144A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Kao Corp 角層細胞の物性測定方法
WO2013105363A1 (ja) * 2012-01-13 2013-07-18 ポーラ化成工業株式会社 細胞の封入方法及び細胞の観察方法
JP2017181143A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 株式会社コーセー 角層採取方法および採取した角層の観察方法
CN109642856A (zh) * 2016-08-31 2019-04-16 株式会社益力多本社 皮肤分析或观察用样品的制备方法
CN109642856B (zh) * 2016-08-31 2022-10-14 株式会社益力多本社 皮肤分析或观察用样品的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3667530B2 (ja) 2005-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011050733A (ja) 組織液抽出用デバイス、その製造方法、及び該デバイスを用いた組織液の分析方法
JPH03505047A (ja) 接着性シート
JP2000005134A (ja) 角層標本の作成方法
CN1961078B (zh) 直接分析通过胶带剥离获得的皮肤样品中的皮肤胆固醇
CN101194022A (zh) 通过胶带剥离获得的皮肤样品中的皮肤蛋白质的直接分析
JPWO2008123410A1 (ja) 検体薄片の保存具及びこれを備えた顕微鏡観察用具
Keddie et al. Direct staining on vinyl plastic tape, demonstration of the cutaneous flora of the epidermis by the strip method
JP2007003413A (ja) 粘着性材料及び角層採取方法
CN102018536B (zh) 收集组织液的收集体粘贴方法及其试剂盒和收集条
Goldschmidt et al. Quantitative analysis of skin color from melanin content of superficial skin cells
JP4763975B2 (ja) 画像表示方法
JP3262443B2 (ja) 皮膚角質細胞のダメージ度の測定法
JP4162951B2 (ja) 角質採取シート及び角質撮像方法
JP2006194848A (ja) 微小試料片採取方法
JP2545085B2 (ja) 標本ユニットとその標本ユニットを用いた標本作成方法
JP3709382B2 (ja) 角質細胞の鑑別方法
JP2006038847A (ja) 凍結薄切片を粘着支持するのに適した粘着性プラスチックフィルム
JPH11344489A (ja) 角層のメラニンの定量方法
JP2801106B2 (ja) 簡易細胞数測定方法及び測定装置
JP3635742B2 (ja) 角質細胞採取用シート
CN110455604A (zh) 表皮真菌取样染色方法
JPH11299792A (ja) 肌年齢の推定方法
RU120043U1 (ru) Двусторонний клейкий лист для временного крепления его к различным поверхностям и к нему других материалов
JP2004053491A5 (ja)
JP2002142797A (ja) 固体表面の微生物試験法およびそのためのキット

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term