JP2000003645A - 真空遮断器用電極の製造方法 - Google Patents

真空遮断器用電極の製造方法

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JP2000003645A JP16714998A JP16714998A JP2000003645A JP 2000003645 A JP2000003645 A JP 2000003645A JP 16714998 A JP16714998 A JP 16714998A JP 16714998 A JP16714998 A JP 16714998A JP 2000003645 A JP2000003645 A JP 2000003645A
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洋一 久森
Taku Sekiya
卓 関谷
Kenichi Koyama
健一 小山
Katsutoshi Kamakura
克壽 釜倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 品質および生産性の向上を図ることが可能な
真空遮断器用電極の製造方法を提供する。 【解決手段】 所定の粉末材料を円柱状に加圧成形して
加圧成形部材4を形成する工程と、加圧成形部材4の外
周部または底部のうち少なくともいずれか一方の部位を
残してスパイラル溝6を形成する工程と、スパイラル溝
6が形成された加圧成形部材4を焼結して焼結部材7を
形成する工程と、焼結部材7の外周部または底部の残留
部位7a、7bを除去する工程とを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に遮断性能を
向上させた磁気駆動形真空遮断器の電極の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】真空遮断器の大電流遮断性能を向上させ
るためには、電極の材質および磁気駆動効果の改良が特
に重要とされている。そして、後者については従来から
各種方式が実用されているが、中でもスパイラル形状を
備えた電極による自己磁気駆動方式が特に大電流遮断性
能を向上させるにあたって有効とされている。従来のス
パイラル形電極は鋳造法によって得られた粉末材料を円
板状に加圧成形し、その後、加圧成形部材を切削加工す
ることにより製造されていた。
【0003】しかしながら、スパイラル状の溝を切削加
工で形成することが特に困難であり、下記のような欠点
があった。 (1)スパイラル溝加工に長時間を要し、フライス加工
を行う場合は、細い溝幅に合わせてエンドミルの径が決
まるため、工具寿命も短く加工費が高価となる。 (2)鋸盤などでスパイラル溝加工を行う場合は、任意
のスパイラル溝形状が選択し難く、鋸盤で加工可能な曲
率程度の溝加工しかできず、自動化も困難であった。
【0004】そこで、上記のような欠点を解消するため
に、例えば特開昭53−149676号公報では図5お
よび図6に示すように、所定の電極材料となる例えば銅
とクロム等のような金属の粉末材料に、スパイラル溝1
によって分割された接点材の風車部2を形成することに
よりスパイラル形電極形状に加圧成形し、これを焼結し
て焼結体3を形成し、さらに必要に応じて簡単な最終仕
上切削加工を施して、スパイラル電極を得ることが提示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スパイラル電極は以上のような方法で製造されているの
で、スパイラル形電極形状に加圧成形する際に、スパイ
ラル溝1の近傍の部位と溝のない中央の部位で、焼結粉
末の密度に差が生じ品質の低下が生じるという問題点が
あった。又、最終形状どおりにスパイラル溝1を加圧成
形した後に焼結すると、図7に示すように軸方向と径方
向に変形する量が異なるため、スパイラル溝1により分
割された風車部2がそれぞれ不規則に反り曲がり、焼結
後の仕上加工が複雑になり、変形の程度によっては簡単
な最終仕上切削加工だけでは最終形状に修正できないこ
とも起こり、生産性が悪くなるという問題点があった。
さらに又、電極の中心部と外周部とでは変形量、すなわ
ち収縮量が異なるので、焼結後には図8に示すように外
周側のスパイラル溝1の幅が狭くなるため、エンドミル
を使用したフライス加工等で修正加工を行う必要があ
り、多くの加工時間を要するという問題点があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、品質および生産性の向上を図る
ことが可能な真空遮断器用電極の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る真空遮断器用電極の製造方法は、所定の粉末材料を円
柱状に加圧成形して加圧成形部材を形成する工程と、加
圧成形部材の外周部または底部のうち少なくともいずれ
か一方の部位を残してスパイラル溝を形成する工程と、
スパイラル溝が形成された加圧成形部材を焼結して焼結
部材を形成する工程と、焼結部材の外周部または底部の
残留部位を除去する工程とを包含したものである。
【0008】又、この発明の請求項2に係る真空遮断器
用電極の製造方法は、請求項1において、スパイラル溝
は予め求められる各部位の収縮量に応じて幅広に形成す
るようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態を図に基づいて説明する。図1はこの発明の
実施の形態1における真空遮断器用電極の製造方法の各
工程を示す斜視図である。以下、この発明の実施の形態
1における真空遮断器用電極の製造方法を図に基づいて
説明する。まず、例えば70μm程度の銅粒子およびク
ロム粒子を、重量比で7.5対2.5程度の割合で混合
し、油圧プレスにより成形型を用いて図1(a)に示す
ように、後述の焼結部材より大きめの直径および厚さの
円柱状の加圧成形部材4を形成する。
【0010】次に、図1(b)に示すようにこの加圧成
形部材4の中心に穴5をドリル等で加工後、この穴5を
加圧成形部材4の固定に用いて、エンドミル等の工具を
用いたフライス加工によりスパイラル溝6を形成する。
そして、この状態で例えば水素雰囲気中で約1050℃
まで昇温し、この温度で3時間保持した後、炉内で徐冷
を行い図1(c)に示すような焼結部材7を形成する。
この時、加圧成形部材4は焼結により径方向で約20
%、軸方向で約10%それぞれ収縮する。次いで、旋盤
によりこの焼結部材7の焼結時における変形を防止する
ための底部の残留部位7aを図1(d)に示すように除
去加工する。最後に、同じく旋盤によりこの焼結部材7
の焼結時における変形を防止するための外周部の残留部
位7bを図1(e)に示すように除去加工してスパイラ
ル溝6間に風車部8を形成した後、必要に応じて旋削時
に発生したバリ取りや表面磨き加工を行って、真空遮断
器用電極9が完成する。
【0011】このように上記実施の形態1によれば、焼
結部材7より大きめの直径および厚さの円柱状の加圧成
形部材4を加圧成形により形成し、これにスパイラル溝
6を形成した後、焼結を行って焼結部材7を形成すると
ともに、焼結部材7の底部および外周部に焼結時におけ
る変形を防止するために残留する各残留部位7a、7b
を除去加工することにより真空遮断器用電極9を得るよ
うにしているので、加圧成形部材4は機械加工により崩
れることなく加工性も良いため、図1(b)に示す状態
に仕上げるまでの時間が短縮され、且つ焼結後の変形も
各残留部位7a、7bによって抑制されるため、風車部
8がそれぞれ不規則に反り曲がることもなく、加工効率
の良い旋盤による簡単な切削加工だけで真空遮断器用電
極9を得ることができ、生産性の向上を図ることができ
る。又、加圧成形部材4を円柱形状に加圧成形している
ので、焼結粉末に密度差が生じることもなくなり品質の
低下を防止することができる。
【0012】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形
態2における真空遮断器用電極の製造方法の各工程を示
す斜視図である。以下、この発明の実施の形態2におけ
る真空遮断器用電極の製造方法を図に基づいて説明す
る。まず、上記実施の形態1におけると同様に例えば7
0μm程度の銅粒子およびクロム粒子を、重量比で7.
5対2.5程度の割合で混合し、油圧プレスにより成形
型を用いて図2(a)に示すように、後述の焼結部材よ
り大きめの直径および厚さの円柱状の加圧成形部材10
を形成する。なお、この加圧成形部材10の直径は実施
の形態1における加圧成形部材4の直径より、残留部位
7bが必要でないだけ小さくする。
【0013】次に、図2(b)に示すようにこの加圧成
形部材10の中心に穴11をドリル等で加工後、この穴
11を加圧成形部材10の固定に用いて、エンドミル等
の工具を用いたフライス加工によりスパイラル溝12を
形成する。そして、この状態で例えば水素雰囲気中で約
1050℃まで昇温し、この温度で3時間保持した後、
炉内で徐冷を行い図2(c)に示すような焼結部材13
を形成する。この時、加圧成形部材10は焼結により径
方向で約20%、軸方向で約10%それぞれ収縮する。
次いで、旋盤によりこの焼結部材7の焼結時における変
形を防止するための底部の残留部位13aを図2(d)
に示すように除去加工してスパイラル溝12間に風車部
14を形成した後、必要に応じて旋削時に発生したバリ
取りや表面磨き加工を行って、真空遮断器用電極15が
完成する。
【0014】このように上記実施の形態2によれば、焼
結部材13より大きい直径の円柱状の加圧成形部材10
を加圧成形により形成し、これにスパイラル溝12を形
成した後、焼結を行って焼結部材13を形成するととも
に、焼結部材13の底部に焼結時における変形を防止す
るために残留する残留部位13aを除去加工することに
より真空遮断器用電極15を得るようにしているので、
加圧成形部材10は機械加工により崩れることなく加工
性も良いため、図2(b)に示す状態に仕上げるまでの
時間が短縮され、且つ焼結後の変形も残留部位13aに
よって抑制されるため、風車部14がそれぞれ不規則に
反り曲がることもなく、加工効率の良い旋盤による簡単
な切削加工だけで真空遮断器用電極15を得ることがで
き、実施の形態1における外周部の残留部位7bの除去
加工が不要となる分、さらに生産性の向上を図ることが
できる。又、加圧成形部材10を円柱形状に加圧成形し
ているので、焼結粉末に密度差が生じることもなくなり
品質の低下を防止することができる。
【0015】実施の形態3.図3はこの発明の実施の形
態3における真空遮断器用電極の製造方法の各工程を示
す斜視図である。以下、この発明の実施の形態3におけ
る真空遮断器用電極の製造方法を図に基づいて説明す
る。まず、上記実施の形態1におけると同様に例えば7
0μm程度の銅粒子およびクロム粒子を、重量比で7.
5対2.5程度の割合で混合し、油圧プレスにより成形
型を用いて図3aに示すように、後述の焼結部材より大
きめの直径および厚さの円柱状の加圧成形部材16を形
成する。なお、この加圧成形部材16の厚さは実施の形
態1における加圧成形部材4の厚さより、残留部位7a
が必要でないだけ若干薄くする。
【0016】次に、図3(b)に示すようにこの加圧成
形部材16の中心に穴17をドリル等で加工後、この穴
17を加圧成形部材16の固定に用いて、エンドミル等
の工具を用いたフライス加工によりスパイラル溝18を
形成する。そして、この状態で例えば水素雰囲気中で約
1050℃まで昇温し、この温度で3時間保持した後、
炉内で徐冷を行い図3(c)に示すような焼結部材29
を形成する。この時、加圧成形部材16は焼結により径
方向で約20%、軸方向で約10%それぞれ収縮する。
次いで、旋盤によりこの焼結部材19の焼結時における
変形を防止するための外周部の残留部位19aを図3
(d)に示すように除去加工してスパイラル溝18間に
風車部20を形成した後、必要に応じて旋削時に発生し
たバリ取りや表面磨き加工を行って、真空遮断器用電極
21が完成する。
【0017】このように上記実施の形態3によれば、焼
結部材19より大きい厚さの円柱状の加圧成形部材16
を加圧成形により形成し、これにスパイラル溝18を形
成した後、焼結を行って焼結部材19を形成するととも
に、焼結部材19の外周部に焼結時における変形を防止
するために残留する残留部位19aを除去加工すること
により真空遮断器用電極21を得るようにしているの
で、加圧成形部材16は機械加工により崩れることなく
加工性も良いため、図3(b)に示す状態に仕上げるま
での時間が短縮され、且つ焼結後の変形も残留部位19
aによって抑制されるため、風車部20がそれぞれ不規
則に反り曲がることもなく、加工効率の良い旋盤による
簡単な切削加工だけで真空遮断器用電極9を得ることが
でき、実施の形態1における底部の残留部位7aの除去
加工が不要となる分、さらに生産性の向上を図ることが
できる。又、加圧成形部材16を円柱形状に加圧成形し
ているので、焼結粉末に密度差が生じることもなくなり
品質の低下を防止することができる。
【0018】実施の形態4.図4はこの発明の実施の形
態4における真空遮断器用電極の製造方法の各工程を示
す平面図である。図において、上記実施の形態2におけ
ると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。こ
の発明の実施の形態4では、図8に示すように電極中心
部と外周部とでは変形量、すなわち収縮量が異なるた
め、焼結後には、スパイラル溝3の外周側の幅が狭くな
ることに注目したものである。
【0019】すなわち、この収縮量の関係は電極の径と
厚さにより異なるため、予め実験で各種電極形状におけ
る外周側および中心部のそれぞれの収縮量を求めてお
き、このデータを基に図4(a)に示すように、スパイ
ラル溝22の大きく収縮する外周側の幅を広く加工して
おき、図4(b)に示すように焼結後、すなわち焼結部
材13の状態で所定の溝幅となるようにしておき、底部
の残留部位13aを除去加工することにより、図4
(c)に示すようにスパイラル溝22間に風車部23を
形成し、その後、必要に応じて旋削時に発生したバリ取
りや表面磨き加工を行って、真空遮断器用電極24が完
成する。
【0020】このように上記実施の形態4によれば、ス
パイラル溝22の幅を各部位の収縮量に応じて幅広に形
成するようにしているので、焼結後に所定の溝形状を容
易に得ることができ、上記各実施の形態1ないし3と比
較し、さらに生産性の向上を図ることができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、所定の粉末材料を円柱状に加圧成形して加圧成形
部材を形成する工程と、加圧成形部材の外周部または底
部のうち少なくともいずれか一方の部位を残してスパイ
ラル溝を形成する工程と、スパイラル溝が形成された加
圧成形部材を焼結して焼結部材を形成する工程と、焼結
部材の外周部または底部の残留部位を除去する工程とを
包含したので、品質および生産性の向上を図ることが可
能な真空遮断器用電極の製造方法を提供することができ
る。
【0022】又、この発明の請求項2によれば、請求項
1において、スパイラル溝は予め求められる各部位の収
縮量に応じて幅広に形成するようにしたので、さらに生
産性の向上を図ることが可能な真空遮断器用電極の製造
方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における真空遮断器
用電極の製造方法の各工程を示す斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態2における真空遮断器
用電極の製造方法の各工程を示す斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態3における真空遮断器
用電極の製造方法の各工程を示す斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態4における真空遮断器
用電極の製造方法の各工程を示す平面図である。
【図5】 従来の真空遮断器用電極の製造方法を示す平
面図である。
【図6】 図5における遮断器用電極を示す側面図であ
る。
【図7】 従来の真空遮断器用電極の問題点を説明する
ための斜視図である。
【図8】 従来の真空遮断器用電極の図7とは異なる問
題点を説明するための平面図である。
【符号の説明】
4,10,16 加圧成形部材、6,12,18,22
スパイラル溝、7,13,19 焼結部材、7a,7
b,13a,19a 残留部位、8,14,20,23
風車部、9,15,21,24 真空遮断器用電極。
フロントページの続き (72)発明者 小山 健一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 釜倉 克壽 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5G026 BA05 BB02 BB14 BC09 CA01 CB02 DA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の粉末材料を円柱状に加圧成形して
    加圧成形部材を形成する工程と、上記加圧成形部材の外
    周部または底部のうち少なくともいずれか一方の部位を
    残してスパイラル溝を形成する工程と、上記スパイラル
    溝が形成された加圧成形部材を焼結して焼結部材を形成
    する工程と、上記焼結部材の外周部または底部の残留部
    位を除去する工程とを包含したことを特徴とする真空遮
    断器用電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 スパイラル溝は予め求められる各部位の
    収縮量に応じて幅広に形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の真空遮断器用電極の製造方法。
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