JP2000003585A - ハードディスク装置 - Google Patents

ハードディスク装置

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JP2000003585A
JP2000003585A JP29569298A JP29569298A JP2000003585A JP 2000003585 A JP2000003585 A JP 2000003585A JP 29569298 A JP29569298 A JP 29569298A JP 29569298 A JP29569298 A JP 29569298A JP 2000003585 A JP2000003585 A JP 2000003585A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーンチャンバー内に使用されるステンレ
ス鋼からのイオウを含むガスの発生を抑え耐食性低下を
防止しかつステンレス材表面の介在物によるパーティク
ルコンタミネーションを防止する。 【解決手段】 スピンドルモータにより回転されるハー
ドディスク8,これに対してアクセスする磁気ヘッド3
2等をクリーンチャンバー内に収容してなるハードディ
スク装置において、クリーンチャンバーの内部空間で構
成される部材のうち、ステンレス鋼は快削性ステンレス
鋼からなり、この快削性ステンレス鋼は、組成成分に関
してイオウを0.25%以上含有し、マンガンとイオウ
の比率Mn/Sが1.8以下であり、かつ、快削性ステ
ンレス鋼が脱脂後に化学的な脱錆、スケール除去処理さ
れていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータシス
テムにおける補助記憶装置として用いられるハードディ
スク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ハードディスク装置は、ベース部
材とカバー部材とでクリーンチャンバーを構成し、クリ
ーンチャンバー内の清浄空間内にハードディスクを収容
し、ヘッドアームにより支持された磁気ヘッドによりハ
ードディスクに対するアクセスを行うように構成されて
いる。
【0003】より具体的には、クリーンチャンバー内
に、スピンドルモータの少なくともロータハブを回転自
在に収容し、これに1枚或いは複数枚のハードディスク
を装着している。また、クリーンチャンバー内に、ボイ
スコイルモータを含むヘッドアッセンブリが収容され、
ボイスコイルモータにより回動されるアームの先端の磁
気ヘッドをハードディスク表面に対してトレースするこ
とによりデータの読み書きを可能にしている。
【0004】この種ハードディスク装置においては、ヘ
ッドとディスク表面間への塵埃粒子の噛み込みに起因す
るクラッシュを防止する必要上、クリーンチャンバー内
における空気の清浄度を高いレベルに保持する必要があ
り、大気と遮蔽して塵埃の流入を阻止するだけでなく、
チャンバー内における塵埃粒子いわゆるコンタミネーシ
ョンの発生を抑制する必要がある。
【0005】クリーンチャンバー内の構成部品,例えば
スピンドルモータにおけるシャフトやロータハブ、ヘッ
ドアッセンブリのシャフトやアーム部材或いは各種の止
めねじ等の部品として、一般的な鉄や構造用鋼に比べて
錆びにくいステンレス鋼が多用されるようになっている
のもこのような理由によるところが大きい。
【0006】一方、ハードディスク装置のような精密機
械に使用される部品には、高い寸法精度が要求されるこ
とから、材料自体が優れた成形加工性を有することが求
められている。中でも切削加工は最もよく利用される加
工法であり、材料の被削性を改善する為に種々快削元素
を添加した快削鋼が多用されている。上述したステンレ
ス鋼は比較的削りにくい材料であるが、快削元素として
イオウ(S)や,テルル(Te)、セレン(Se)等を
添加することにより被削性を改善している。快削性成分
としてイオウを0.25%以上含有するステンレス鋼は
コストが安くて良好な切削性が得られることから一般に
よく使用されている。このイオウは主にマンガンサルフ
ァイド(MnS)として鋼中に存在し、このマンガンと
イオウとの比率Mn/Sは製造安定面,切削加工面から
通常4前後に設定されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】ところで、被削性を向上させるために多用
されているイオウは、上述したとおり主にマンガンと結
合してマンガンサルファイドとして存在するが、このマ
ンガンサルファイドは大気中の水分と反応して腐食性ガ
スである硫化水素(H2S)を発生することがあり、比
率Mn/Sを4前後に設定した通常のステンレス鋼では
上述したハードディスク装置のクリーンチャンバー内で
の使用に支障がある。
【0008】一方、比率Mn/Sが1.8以下のステン
レス鋼にあっては、前述したようなイオウを含むガスの
発生はほとんどない。これは比率Mn/Sを下げること
で、Mnの組成が少なく、化学的に活性なマンガンサル
ファイドが生成しにくくなり量が減ると同時に安定なク
ロムサルファイド(CrS)が増加するためである。
【0009】しかし、比率Mn/Sが1.8以下のステ
ンレス鋼の場合、湿潤環境下での化学的安定性が増すも
のの、そのままの状態では錆の発生の問題がある。しか
も、快削性成分であるイオウを含むパーティクルの発生
もあり、腐食性パーティクルによるコンタミネーション
の可能性がある。
【0010】そこで、上述したような快削性成分として
イオウを0.25%以上含有し比率Mn/Sが4前後の
ステンレス鋼に対し、パッシベイト処理を施して耐食性
の向上とパーティクルの除去を行い、その後熱処理いわ
ゆるベーキングすれば、イオウガスを強制的に放出さ
せ、コンタミネーションを抑制することはできるが、量
産性が悪く、しかも設備コストに問題がある。また、快
削性ステンレス鋼として、組成成分中のイオウ含有率が
0.25%以上で、マンガンとイオウの比率Mn/Sが
1.8以下のものを用いても、酸濃度が15%を超える
ような酸処理を行うと、化学的に安定なCrSの増加し
た快削粒子が溶解し、H2Sが発生するという問題があ
る。
【0011】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に留意して成されたものであり、その目的とする
ところは、クリーンチャンバー内に使用されるステンレ
ス鋼からのイオウを含むガスの発生を抑え耐食性低下を
防止でき、しかもステンレス材表面の介在物によるパー
ティクルコンタミネーションを防止したハードディスク
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のハードディスク装置にあっては、スピンド
ルモータにより回転されるハードディスク、該ハードデ
ィスクに対してアクセスする磁気ヘッド等をクリーンチ
ャンバー内に収容してなるハードディスク装置であっ
て、前記クリーンチャンバーの内部空間に露出する部材
のうち、ステンレス鋼は快削性ステンレス鋼からなり、
該快削性ステンレス鋼は、組成成分としてイオウを0.
25%以上含有しかつマンガンとイオウの比率Mn/S
が1.8以下であり、かつ、該快削性ステンレス鋼が脱
脂洗浄後に化学的な脱錆、スケール除去されていること
を特徴とするものである(請求項1)。
【0013】快削性ステンレス鋼におけるマンガンとイ
オウの比率Mn/Sを1.8以下に下げることにより、
鋼材中のイオウ化合物が安定化し、大気中の湿気等によ
りイオウ化合物よりイオウガスが発生することが抑えら
れ、耐食性が高まる。また、酸処理による快削成分の溶
解がないので、これによるガス、パーティクルの発生を
防止できることになる。この場合、化学的な脱錆、スケ
ール除去処理は、快削性ステンレス鋼の表面に残存する
汚れ,錆,スケールを除去することが可能で、耐食性を
向上することができる。この場合、快削性ステンレス鋼
中に含まれる快削性成分を溶解しにくい穏やかな条件で
処理すればよく、例えば、3%以下の濃度の酸水溶液で
行うのがよく(請求項2)、或いはアルカリ電解洗浄で
行うのがよい(請求項3)。また、快削性ステンレス鋼
は、前記化学的な脱錆、スケール除去処理後に、クロメ
ート処理すると耐食性がなお一層向上する(請求項
4)。
【0014】また、本発明のハードディスク装置は、ス
ピンドルモータにより回転されるハードディスク、該ハ
ードディスクに対してアクセスする磁気ヘッド等をクリ
ーンチャンバー内に収容してなるハードディスク装置で
あって、前記クリーンチャンバーの内部空間に露出する
部材のうち、ステンレス鋼は快削性ステンレス鋼からな
り、該快削性ステンレス鋼は、組成成分としてイオウを
0.25%以上含有しかつマンガンとイオウの比率Mn
/Sが1.8以下であり、かつ、該快削性ステンレス鋼
が脱脂洗浄後にクロメート処理することを特徴とするも
のである(請求項5)。
【0015】上述したように、快削性ステンレス鋼にお
けるマンガンとイオウの比率Mn/Sを1.8以下に下
げることにより、鋼材中のイオウ化合物が安定化し、耐
食性が高まり、イオウガスの発生が抑えられる。このス
テンレス鋼にクロメート処理を施すことにより、イオウ
化合物からのイオウガスの発生や快削成分の溶解等の影
響を受けることがなく、耐食性を向上することが可能と
なる。この場合、快削性ステンレス鋼の脱脂洗浄前に、
加工時に生じた汚れ、酸化スケールをメカニカルデスケ
ーリングで除去するのがよく(請求項6)、鋼材表面の
スケールを除去でき、その後のクロメート処理による耐
食性がさらに良好となる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照しつつ説明する。図1はハードディスク装置の一部
(カバー部材)を取り除いた状態の概略の平面構成を,
図2は断面構成を示している。
【0017】このハードディスク装置は、ベース部材2
とこの上面を覆うカバー部材4とからなるクリーンチャ
ンバーを有し、このクリーンチャンバー内に清浄環境が
保たれるよう外部より隔離された内部空間6が形成され
ている。クリーンチャンバー内の内部空間6には中央開
口を有する少なくとも1枚(具体例では2枚)のハード
ディスク8がスピンドルモータ10により回転出来るよ
うに収容されている。
【0018】スピンドルモータ10は、ベース部材2に
植設されたシャフト12と、このシャフト12の上部に
一対の軸受14により回転自在に支持されたカップ状の
ロータハブ16と、シャフト12の下部に固着されロー
タハブ16に装着されたロータマグネット18に僅かな
間隙を介して対向したステータ20とを備えており、シ
ャフト12の上端がねじによりカバー部材4に固着され
支持されている。2枚のハードディスク8はその中央開
口をロータハブ16の外周面に嵌合させ、両者間にスペ
ーサ22を介在させた状態でクランプ部材24を用いて
ロータハブ16に固定されている。
【0019】また、クリーンチャンバーの内部空間6内
には、ヘッドアッセンブリ26が収容されている。この
ヘッドアッセンブリ26は、ベース部材2に植設された
ピボットシャフト28に複数対(具体例では2対)のヘ
ッドアーム30を回動自在に支持すると共に、各ヘッド
アーム30の先端に磁気ヘッド32を取付け、ヘッドア
ーム30の基部側に設けたボイスコイル34への通電に
より上下固定ヨーク板36に対してヘッドアーム30を
揺動操作する構成になっており、ヘッドアーム30が揺
動することにより、磁気ヘッド32がハードディスク8
表面上をトレースし、ハードディスク8に対するデータ
の読み書きを可能にしている。
【0020】上記内部空間6内には、上述したように、
ハードディスク8を回転駆動するためのスピンドルモー
タ10やハードディスク8に対する磁気ヘッド32のト
レースを駆動制御するヘッドアッセンブリ26等が収容
されているが、これらの収容部品の内、ロータハブ16
やシャフト12,28等、ステンレス鋼で構成されてい
るもの、つまり内部空間6内で構成されるステンレス部
品には、快削性ステンレス鋼材が用いられている。
【0021】この快削性ステンレス鋼材は、組成成分と
してイオウ(S)を0.25%以上含有し、良好な快削
性を得ている。この快削性元素であるイオウは主にマン
ガンサルファイド(MnS)等として鋼中に存在する
が、このマンガン(Mn)とイオウとの比率Mn/Sは
1.8以下、望ましくは1.5以下に設定され、化学的
に活性なマンガンサルファイドの量が少なくなる状態に
保たれている。
【0022】さらに上記条件に設定されたステンレス鋼
材は、所望形状になるように切削加工が施された後、塩
化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ンなどの塩素系溶剤や炭化水素系溶剤あるいは水酸化ナ
トリウム、などのアルカリ水溶液により脱脂洗浄を行う
ことで、ステンレス鋼表面が洗浄される。すなわち加工
時に使用する切削油中の塩素やイオウの除去、加工時に
付着した埃、切り粉の除去、並びに快削成分である硫化
物等の微細子が除去される。しかしこれだけではステン
レス表面に付着したスケール、錆、さらに複雑な加工表
面の凹凸中に存在するパーティクルを完全に除去するこ
とは困難で、充分な耐食性が得られない。
【0023】そこで前述のごとく脱脂洗浄されたステン
レス鋼材は、第1の発明では、化学的な錆、スケール除
去処理される。この化学的な錆、スケール除去処理は硝
酸、硫酸、塩酸などの酸水溶液、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、
グルコン酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液による電解
洗浄を用いることができる。これらの化学的な錆、スケ
ール除去処理を行うことで、前述の汚れ、スケール、パ
ーティクルが完全に除去でき、ステンレス鋼材に特有の
高耐食性が発揮され並びにパーティクルによるコンタミ
ネーションの発生が防止される。
【0024】ここで化学的な錆、スケール除去は前述に
示す一般的ないずれの手法を用いても良いが、比較的穏
やかな条件で行うことが望ましい。マンガンとイオウの
比率Mn/Sが1.8以下のステンレス鋼を用いること
で、化学的に安定なCrSが増加し、これらの処理によ
ってH2Sの発生を減少させることができるが、通常に
使用される15%以上の酸溶液では溶解され、イオウを
含むガスの発生が見られることもある。よって特に3%
以下の酸水溶液により錆、スケール除去することが好ま
しい。またアルカリ水溶液による電解洗浄は一般にイオ
ウを含む快削成分を溶解させにくく好ましい。
【0025】化学的な錆、スケール除去処理が施された
ステンレス鋼は、上述したように、耐食性を向上し、パ
ーティクルコンタミネーションを防止することが出来る
が、耐食性を更に向上させる場合には、錆、スケール除
去処理後のステンレス鋼に対し、クロメート処理すれ
ば、ステンレス鋼表面に強制的に酸化皮膜を形成でき、
耐食性が格段に高まる。
【0026】次に、本発明(第1の発明)の効果を以下
の実施例にて説明する。 〔実施例1〕イオウ0.3%,マンガン0.4%(Mn
/S=1.33)を含有する18クロムステンレス鋼を
切削加工して、図3に示す形状のロータハブ40すなわ
ちハードディスク装置のクリーンチャンバー内に収容さ
れるスピンドルモータのロータハブを形成する。このロ
ータハブ40を塩化メチレンと水酸化ナトリウムで脱脂
洗浄した後、常温の2%塩酸水溶液に3分間浸漬し、脱
錆、スケール除去を行う。その後水洗、純湯洗、純水洗
を行い、熱風乾燥させる。こうして得られたロータハブ
を銀板(ステンレス板に銀メッキしたもの)と共に、密
閉可能な100ml容器の内に入れ、純水の水滴2〜3
滴を滴下した後、密閉し、90℃の雰囲気下に12時間
保存する。その後銀板を取り出し、変色の度合いを目視
にて調査する(銀板変色実験)。
【0027】次に、錆、スケール除去処理したロータハ
ブ20個を80℃×90%の雰囲気下に360時間保存
した後、ロータハブを取り出し、光学顕微鏡にて錆の有
無を調査する。さらに錆、スケール除去処理したロータ
ハブ3個の表面を導電性テープにて脱着し、テープ上に
付着した異物を任意に50個走査型電子顕微鏡/エネル
ギー分散X線解析装置(SEM/EDX)にて分析し、
イオウを含むパーティクルの数を調査する。以上の評価
を行ったところ図4のa)の結果を得た。図4におい
て、錆の発生数とは、20個のロータハブのうち錆を発
生したロータハブの個数のことであり、また、イオウを
含むパーティクル数とは、50個の異物のうちその異物
がイオウを含むパーティクルであった場合の個数のこと
である。
【0028】〔実施例2〕実施例1で作成したロータハ
ブをアルカリ脱脂後、陽極に接続し、オルソけい酸ナト
リウム3%、水酸化ナトリウム2%、炭酸ナトリウム2
%から成るアルカリ水溶液によって2分間電解洗浄す
る。その後水洗、純湯洗、純水洗を行い、熱風乾燥させ
る。こうして得られたロータハブを同様に評価したとこ
ろ図4のb)の結果を得た。
【0029】〔実施例3〕実施例2で作成したロータハ
ブを電解洗浄後、70℃の5%重クロム酸ナトリウム水
溶液に30分間浸漬し、クロメート処理した後、同様の
評価を行ったところ図4のc)の結果を得た。
【0030】〔実施例4〕実施例1で作成したロータハ
ブを常温の50%硝酸溶液に20分間浸漬して錆、スケ
ール除去を行い、水洗、純湯洗、純水洗浄後乾燥させて
同様の評価を行ったところ図4のd)の結果を得た。
【0031】〔比較例1〕イオウ0.3%、マンガン
1.2%(Mn/S=4)を含有する18クロムステン
レス鋼を用いて切削加工し,実施例1に示すと同様の処
理を行った後評価したところ、図4のe)の結果を得
た。 〔比較例2〕イオウ0.3%、マンガン1.2%(Mn
/S=4)を含有する18クロムステンレス鋼を用いて
切削加工し、実施例2に示すと同様の処理を行った後、
評価したところ図4のf)の結果を得た。 〔比較例3〕イオウ0.3%、マンガン1.2%(Mn
/S=4)を含有する18クロムステンレス鋼を用いて
切削加工し,図3に示す形状のロータハブ40を作成
し、塩化メチレンにて洗浄したものを同様の評価を行っ
たところ、図4のg)の結果を得た。
【0032】図4a)〜図4g)の結果から明らかなよ
うに実施例1〜4は、比較例と比べてイオウガスによる
銀板の変色がなく、あるいは小さく、耐食性が向上して
いる。そして、ハードディスク装置に悪影響のあるイオ
ウを含むガスの発生もなく、本発明の効果は顕著であっ
た。
【0033】次に、第2の発明を説明する。前述したよ
うに、組成成分としてイオウ(S)を0.25%以上含
有すると共にマンガン(Mn)とイオウとの比率Mn/
Sを1.8以下、望ましくは1.5以下に設定した快削
性ステンレス鋼材を、アルカリ水溶液により脱脂洗浄を
行った後、クロメート処理する。このクロメート処理に
よりステンレス鋼表面に強制的に酸化皮膜を形成でき、
耐食性が格段に高まる。
【0034】次に、本発明(第2の発明)の効果を以下
の実施例にて説明する。 〔実施例5〕実施例1で作成したロータハブをアルカリ
水溶液により脱脂洗浄を行った後、70゜Cの5%重ク
ロム酸ナトリウム水溶液に30分間浸漬し、クロメート
処理したものを同様に評価を行ったところ図4のh)の
結果を得た。
【0035】〔実施例6〕実施例1で作成したロータハ
ブを塩化メチレンにて洗浄した後、ディスクを搭載する
側の表面全体を5分間ハブ研磨する。そしてその後脱脂
洗浄を行い、さらに実施例5と同様にクロメート処理し
たものを評価したところ図4のi)の結果を得た。
【0036】図4h)及び図4i)の結果から明らかな
ように実施例5及び6は、比較例と比べてイオウガスに
よる銀板の変色がなく、耐食性が向上している。そし
て、ハードディスク装置に悪影響のあるイオウを含むガ
スの発生もなく、本発明の効果は顕著であった。
【0037】以上、本発明の具体例について説明した
が、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱することなく種々の変更、修正が可能
である。
【0038】
【発明の効果】本発明のハードディスク装置は、以上説
明したように構成されているので、次に記載の効果を奏
する。請求項1記載のハードディスク装置にあっては、
クリーンチャンバーの内部空間で構成される部材のうち
ステンレス鋼が、快削成分としてイオウを0.25%以
上含有する快削性ステンレス鋼により構成されているの
で、被削性が良好となり、所望形状の部材が高精度に得
られ、しかも組成成分のマンガンとイオウの比率Mn/
Sが1.8以下に抑えられているので、ステンレス鋼中
における化学的に活性なマンガンサルファイドの量が少
なくなる状態に保たれ、ステンレス鋼単独でのイオウを
含むガスの発生を抑えることができる。加えて、ステン
レス鋼は脱脂洗浄後に化学的な脱錆、スケール除去処理
されるので、加工時のスケールや快削成分である微粒子
をステンレス鋼表面より除去することができ、耐食性の
向上と共にパーティクルによるコンタミネーションを防
止することができる。
【0039】また、請求項4記載のハードディスク装置
にあっては、脱脂洗浄後に化学的な脱錆、スケール除去
処理された前記快削性ステンレス鋼に対し、クロメート
処理を施すようにしているので、ステンレス鋼の耐食性
を更に向上することができる。
【0040】請求項5記載のハードディスク装置にあっ
ては、クリーンチャンバーの内部空間で構成される部材
のうちステンレス鋼が、快削成分としてイオウを0.2
5%以上含有する快削性ステンレス鋼により構成されて
いるので、被削性が良好となり、所望形状の部材が高精
度に得られ、しかも組成成分のマンガンとイオウの比率
Mn/Sが1.8以下に抑えられているので、ステンレ
ス鋼中における化学的に活性なマンガンサルファイドの
量が少なくなる状態に保たれ、ステンレス鋼単独でのイ
オウを含むガスの発生を抑えることができる。加えて、
ステンレス鋼は脱脂洗浄後にクロメート処理されるの
で、鋼材表面におけるイオウガス発生や溶解等に影響を
及ぼすことがなく、耐食性が向上する。
【0041】さらに、請求項6記載のハードディスク装
置にあっては、快削性ステンレス鋼の脱脂洗浄前に、メ
カニカルデスケーリングが行われるので、ステンレス鋼
表面のスケールを除去でき、耐食性を更に向上すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するハードディスク装
置のカバー部材を取り除いた状態の平面図である。
【図2】同ハードディスク装置の切断正面図である。
【図3】実験試料であるスピンドルモータのロータハブ
の一部除去した正面図である。
【図4】実施例及び比較例の実験結果を示す図である。
【符号の説明】
2 ベース部材 4 カバー部材 6 内部空間 8 ハードディスク 10 スピンドルモータ 40 ロータハブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドルモータにより回転されるハー
    ドディスク、該ハードディスクに対してアクセスする磁
    気ヘッド等をクリーンチャンバー内に収容してなるハー
    ドディスク装置であって、 前記クリーンチャンバーの内部空間で構成される部材の
    うち、ステンレス鋼は快削性ステンレス鋼からなり、 該快削性ステンレス鋼は、組成成分に関してイオウを
    0.25%以上含有し、マンガンとイオウの比率Mn/
    Sが1.8以下であり、 かつ、該快削性ステンレス鋼が脱脂洗浄後に化学的な脱
    錆、スケール除去処理されていることを特徴とするハー
    ドディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記化学的な脱錆、スケール除去処理が
    3%以下の濃度の酸水溶液で行われることを特徴とする
    請求項1記載のハードディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記化学的な脱錆、スケール除去処理が
    アルカリ電解洗浄で行われることを特徴とする請求項1
    記載のハードディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記快削性ステンレス鋼が、前記化学的
    な脱錆、スケール除去処理後にさらにクロメート処理さ
    れることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    ハードディスク装置。
  5. 【請求項5】 スピンドルモータにより回転されるハー
    ドディスク、該ハードディスクに対してアクセスする磁
    気ヘッド等をクリーンチャンバー内に収容してなるハー
    ドディスク装置であって、 前記クリーンチャンバーの内部空間で構成される部材の
    うち、ステンレス鋼は快削性ステンレス鋼からなり、 該快削性ステンレス鋼は、組成成分に関してイオウを
    0.25%以上含有し、マンガンとイオウの比率Mn/
    Sが1.8以下であり、 かつ、該快削性ステンレス鋼が脱脂洗浄後にクロメート
    処理されていることを特徴とするハードディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記快削性ステンレス鋼は、脱脂洗浄前
    に、メカニカルデスケーリング処理されていることを特
    徴とする請求項5記載のハードディスク装置。
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