JP2000002705A - センサー及びその製造方法 - Google Patents

センサー及びその製造方法

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JP2000002705A JP10165762A JP16576298A JP2000002705A JP 2000002705 A JP2000002705 A JP 2000002705A JP 10165762 A JP10165762 A JP 10165762A JP 16576298 A JP16576298 A JP 16576298A JP 2000002705 A JP2000002705 A JP 2000002705A
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孝典 穴澤
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哲生 高田
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幸 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な検出感度を有し、かつ、センシング工
程における洗浄時間を大幅に短縮することができ、測定
や検査の効率化が計られたセンサーを提供すること。 【解決手段】 有機高分子からなる基材に分子認識機能
を有する成分が固定又は担持されたセンサーであって、
該基材は、その表面に多孔質層を有する非多孔質体から
なり、該多孔質層は厚さ1〜50μmの範囲にある凝集
粒子状もしくは網目状の構造を有し、かつ、該多孔質層
に分子認識機能を有する成分が固定又は担持されている
センサー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療診断や生化学
的試験などの分野で有用なセンサーに関し、更に詳しく
は、液体に含まれる特定成分の存在/非存在、存在量又
は存在濃度を検知するセンサーに関する。本発明のセン
サーは、特に、生体由来の物質又はその類似物質を分子
認識機能を有する成分として利用した、いわゆるバイオ
センサーに応用でき、1測定で複数の項目の検査が可能
なマルチ検査機能を有するセンサーとしても応用でき
る。
【0002】
【従来の技術】基材に分子認識機能を有する成分を固定
又は担持させたセンサーにおいて、高感度のセンサーと
するためには、分子認識機能を有する成分をなるべく高
濃度に固定又は担持する必要がある。この目的のため、
基材として、ニトロセルロース膜、ナイロン膜などのミ
クロフィルター、紙、不織布、糸などの多孔質体を使用
する方法が知られている。多孔質体は、実質表面積が見
かけの表面積の千倍〜一万倍にも上るため、表面に多く
の分子認識機能を有する成分を固定又は担持することが
できる。例えば、多孔質体として木綿糸を使用し、異な
る種類の抗原を担持させた複数の木綿糸をスティック状
の基材に貼り付けたマルチアレルゲン検査薬が知られて
おり、「アレルギー」(第38巻第6号第478頁(1
989年))には、マストイムノシステムズ社製のマル
チアレルゲン診断薬の例が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような多孔質体を基材として用いたセンサーを使用して
測定や検査を行なう際、検査の各工程間で実施される洗
浄に多大な時間を要していた。例えば、上記のマルチア
レルゲン検査薬の例では、センサーを被検体である血漿
に接触させ、被検体に含まれる抗体をセンサーに担持さ
れた抗原と反応させた後、余分な血漿成分を洗浄除去す
る工程と、引き続きペルオキシダーゼ標識抗体と反応さ
せた後、余分な標識抗体を洗浄除去する工程とにおい
て、各1時間以上もの長時間の洗浄が必要であった。こ
のため、検査の効率は著しく低いものであった。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、十分な
検出感度を有し、かつ、センシング工程における洗浄時
間を大幅に短縮することができ、測定や検査の効率化が
計れるセンサーならびにそのようなセンサーの製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の構
造を有する基材を用いることによって、十分な検出感度
を保持しながら、洗浄時間を大幅に短縮することができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(I)有機高分子からなる基材に分子認識機能を有
する成分が固定又は担持されたセンサーであって、該基
材は、その表面に多孔質層を有する非多孔質体からな
り、該多孔質層は厚さ1〜50μmの範囲にある凝集粒
子状もしくは網目状の構造を有し、かつ、該多孔質層に
分子認識機能を有する成分が固定又は担持されているセ
ンサーを提供する。
【0007】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(II)(1)可溶性ポリマーを材料とする非多孔質
体の表面に、該可溶性ポリマーを溶解させる溶剤を塗布
した後、該溶剤と混和する凝固液であって、該可溶性ポ
リマーを溶解させない凝固液と接触させることによっ
て、被多孔質体の表面に多孔質層を有するセンサー基材
となす第1工程、及び(2)第1工程で得たセンサー基
材の多孔質層に、分子認識機能を有する成分を固定又は
担持させる第2工程を有するセンサーの製造方法を提供
する。
【0008】さらに、本発明は上記課題を解決するため
に、 (III)(1)ポリマー(P)で構成された成形物
の表面に、ポリマー(P)を溶解又は膨潤させ得る溶剤
(S)と溶剤(S)に溶解するポリマー(Q)とを含有
する溶液(I)であって、溶液(I)中のポリマー
(Q)含有量が0.1〜10重量%の範囲にある溶液
(I)を塗布した後、該成形物を、ポリマー(P)及び
ポリマー(Q)の両者を溶解しない凝固液(N)と接触
させることにより、該成形物の表面に多孔質層を有する
センサー基材となす第1工程、及び(2)第1工程で得
たセンサー基材の多孔質層に、分子認識機能を有する成
分を固定又は担持させる第2工程を有するセンサーの製
造方法を提供する。
【0009】さらにまた、本発明は上記課題を解決する
ために、(IV)(1)重合性不飽和二重結合を有する化
合物(a)を含有する光重合性組成物(A)を基材状に
賦形した賦形物(B)を形成する第1工程、(2)重合
性不飽和二重結合を有する化合物(a)とは相溶する
が、光重合性組成物(A)の重合物を溶解又は膨潤させ
ない溶剤(C)と、未硬化の賦形物(B)とを接触させ
た状態で、未硬化の賦形物(B)に活性光線を照射する
ことによって、重合性不飽和二重結合を有する化合物
(a)を重合させて、賦形物(B)の硬化物の表面に多
孔質層を有するセンサー基材となす第2工程、及び
(3)第2工程で得たセンサー基材の多孔質層に、分子
認識機能を有する成分を固定又は担持させる第3工程を
有するセンサーの製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のセンサーに用いる基材
は、非多孔質体の表面に厚さ1〜50μmの凝集粒子状
もしくは網目状の多孔質層が形成された、有機高分子で
構成されたものであることを特徴とする。
【0011】本発明に用いる基材の材料としては、任意
の有機高分子材料、例えば、熱可塑性ポリマーや熱硬化
性ポリマーが使用できる。これらの中でも、安価で、成
形性にも優れているので、熱可塑性ポリマーが好まし
い。
【0012】そのような熱可塑性ポリマーとしては、例
えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレンの如き
スチレン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ポリ
アクリロニトリルの如きアクリル系ポリマー;ポリカー
ボネート系ポリマー;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如
き塩素含有ポリマー;ポルスルホン、ポリエーテルスル
ホンの如きポリスルホン系ポリマー;ポリアミド系ポリ
マー:ポリイミド系ポリマー:ポリエチレン、ポリプロ
ピレンの如きポリオレフィン系ポリマー;ポリフッ化ビ
ニリデンの如きフッ素含有ポリマー;ポリエーテルエー
テルケトンの如きポリエーテル系ポリマー;ポリフェニ
レンオキサイド、ポリフェニレンスルフィドの如きポリ
エーテル系あるいはポリチオエーテル系ポリマー、など
が挙げられる。
【0013】本発明における「非多孔質体」は、表面に
細孔が存在しない材料であって、表面に影響しない限り
材料内部に独立気泡などの細孔を有していても良い。本
発明では、非多孔質材料の表面に多孔質層を形成してセ
ンサーの基材とするが、非多孔質材料と多孔質層の構成
素材は有機高分子材料であれば、同じであっても、異な
る種類であっても良い。
【0014】本発明のセンサーあるいはセンサーを構成
する非多孔質体又は基材の形状は任意であり、例えば、
シート、フィルム、リボン、スティック、ビーズ、板、
容器、マルチホールウェル、キャピラリー、スポイド等
の形状が挙げられる。非多孔質体又は基材の形状は、本
発明のセンサー形状と同じであっても良いし異なってい
ても良い。例えば、多数のセンサーとなる基材を一体成
形し、切断してセンサーとしての用途に供しても良い。
また、基材は任意の形状の他の支持体、例えばガラス
板、金属棒などと一体化されていても良い。
【0015】非多孔質体上の多孔質層の形成部位及び形
状は、センサーに必要とされる任意の形状とすることが
でき、例えば、非多孔質材料の全表面、非多孔質材料の
片面全面、複数の独立した領域などであり得るし、線
状、円形、矩形、櫛形などでありうる。多孔質層部の面
積も任意であり、独立した複数の領域である場合には、
0.1〜30mm2の範囲が好ましく、0.5〜10m
2の範囲が特に好ましい。
【0016】本発明のセンサーの基材表面に形成された
多孔質層の多孔質の形状は、凝集粒子状又は網目状であ
る。表面多孔質層の形状は、これらの他に、例えば、研
磨剤で荒らされたような不定形や、井戸状の細孔もあり
うるが、このような形状は、分子認識機能を有する分子
の固定又は担持量が少なく、センサーの感度低下をもた
らすので好ましくない。
【0017】本発明のセンサーにおける多孔質層は、そ
の平均孔径が0.1〜10μmの範囲にあるものが望ま
しい。このような基材は、非多孔質体から成る基材と比
較して非常に大きい表面積を有することになり、その結
果、このような基材を用いた本発明のセンサーは、非多
孔質体から成る基材を有するセンサーと比較して、高い
検出感度を確保することができる。さらに、本発明のセ
ンサーは、非多孔質体の上に非常に薄い多孔質体を有す
る基材を用いているので、ニトロセルロース膜などに代
表される従来の多孔質体を基材として用いたセンサーと
比較して、非常に短時間で未反応物質や非特異的物質の
洗浄除去を行なうことができる。
【0018】本発明のセンサーの基材表面に形成された
多孔質層の厚さは、1〜50μmの範囲が好ましく、3
〜30μmの範囲が特に好ましく、3〜10μmの範囲
が更に好ましい。多孔質層の厚さが1μmよりも薄い場
合、センサーとしての感度が低下する傾向にあり、多孔
質層の厚さが50μmより厚い場合、洗浄時間が長くな
る傾向にあるので好ましくない。なお、多孔質層の厚さ
は、走査型電子顕微鏡を用いて、その断面の顕微鏡観察
により測定することができる。
【0019】本発明のセンサーの基材表面に形成された
多孔質層の平均孔径は、センサー感度と洗浄時間短縮の
関係から、0.1〜10μmの範囲が好ましい。多孔質
層の平均孔径が0.1μmよりも小さい場合、センサー
の感度が低下し、かつ洗浄時間が増加する傾向にあるの
で、好ましくない。多孔質層の平均孔径が10μmより
も大きい場合、洗浄時間が短縮されるものの、センサー
感度が低下する傾向にあるので好ましくない。勿論、基
材が複数の多孔質領域を有する場合や、積層された多孔
質部を有する場合には、それぞれの多孔質部で異なる孔
径とすることも可能である。
【0020】なお、本発明における「平均孔径」とは、
水銀圧入法にて測定した孔径分布の10μm以下の範囲
に於けるピーク孔径のことを言う。10μm以下とした
のは、水銀ポロシメーター法では、測定時の基材間や基
材と容器間の隙間も細孔として測定され、これらは通常
10〜300μmにピークを示すことから、これを除外
するためである。
【0021】本発明のセンサーで使用する分子認識機能
を有する成分は、被検体中の特定成分の選択に係わる物
質であり、例えば、被検体中の特定成分と選択的に反応
する物質(いわゆるレセプター)、検出すべき成分との
反応に係わる物質、被検体中の特定成分以外の物質を不
活性化する物質である。この分子認識機能を有する成分
は、また、検出の有無や程度の表示に係わる機能、例え
ば、レセプターが放出する物質や残余の物質と反応し発
色する機能を兼ねるものであってもよい。なお、本発明
のセンサーにおいて、抗原や疑似抗原も、抗体を認識す
る機能を有することから、本発明のセンサーで使用する
分子認識機能を有する成分とする。
【0022】分子認識機能を有する成分は、例えば、共
有結合、イオン結合、吸着、包括などによって、多孔質
層に固定又は担持される。
【0023】共有結合方式は、多孔質層部に存在する残
基と分子認識機能を有する成分とを反応させる方式であ
って、例えば、多孔質層に、アミノ基、アミド基、カル
ボキシル基、水酸基、メトキシ基、エポキシ基、アルデ
ヒド基、イソシアナト基、二重結合、アジド基など官能
基を導入し、これらの官能基と分子認識機能を有する成
分とを結合させる方式が挙げられる。
【0024】イオン結合による方式は、カルボキシル基
やスルホン基などのイオン性の基を導入した多孔質層
と、カルボキシル基などのイオン性の残基を有する分子
認識機能を有する成分とを、多価陽イオンにて結合させ
る方法;第四級アンモニウム塩による方法、などが挙げ
られる。
【0025】吸着による方式は、水素結合、分極による
クーロン力、ファンデルワールス力などの吸着力を用い
る方式であって、例えば、分子認識機能を有する成分
と、基材の素材である可溶性ポリマーとの組み合わせに
より、適当な親和性を有する組み合わせを選択すればよ
い。
【0026】多孔質層に上記のような官能基を導入する
には、これらの官能基を有する可溶性ポリマーを使用す
る方法、製造された多孔質層部を後処理する方法、など
が挙げられる。
【0027】また、包括による方法は、分子認識機能を
有する成分を含有させた多孔質層構成材料を用いて多孔
質層を形成する方法である。
【0028】これらの分子認識機能を有する成分の固定
又は担持方法の中でも、吸着による方法が最も簡単で、
応用範囲が広く、好ましい。
【0029】本発明のセンサーにおいて、1つのセンサ
ーに固定又は担持される分子認識機能を有する成分の数
は単数であっても複数であっても良い。即ち、複数種の
成分が固定又は担持されていることもあり得るし、1つ
の成分が複数の濃度(もしくは密度)で固定又は担持さ
れていることもあり得る。この時、基材の多孔質層の1
領域に1種又は1濃度が固定又は担持されていても良い
し、1領域に複数種又は複数濃度が固定又は担持されて
いても良い。勿論、コントロールとして、該成分が担持
されていない多孔質層領域が存在しても良い。本発明の
センサーは、1つのセンサーに複数種及び/又は複数濃
度の分子認識機能を有する成分が固定されたものが好ま
しい。また、1つのセンサーに固定又は担持された分子
認識機能を有する成分の種類及び/又は濃度の数は、2
〜50の範囲が好ましく、5〜20の範囲が特に好まし
い。
【0030】本発明に使用される分子認識機能を有する
成分には、特に制約はないが、分子認識機能を有する成
分としては、例えば、酵素、触媒、抗体、抗原、オルガ
ネラ(小器官)、微生物、呈色試薬、などが挙げられ
る。
【0031】そのような酵素としては、例えば、アルコ
ールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、LD
H(乳酸脱水素酵素)、G−6−PDH(グルコース−
6−リン酸脱水素酵素)、GOD(グルコース酸化酵
素)、ウリカーゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼの如
き酸化還元酵素;GOT(グルタミン酸−オキザロ酢酸
トランスアミラーゼ)、GPT(グルタミン酸−ピルビ
ン酸トランスアミラーゼ)の如き転移酵素;リパーゼ、
アミラーゼ、キモトリプシン、トロンビン、ウレアー
ゼ、アルギナーゼ、コレステロールエステラーゼの如き
加水分解酵素;アルドラーゼの如き分解酵素;ホスホヘ
キソースイソメラーゼの如き異性化酵素;アセチル−C
oA−シンセターゼの如き合成酵素、などが挙げられ
る。
【0032】触媒としては、例えば、白金、ロジウム、
鉄、銅の如き金属やそれらのイオン;錯体;スルホン基
の如き酸残基を有する化合物、などが挙げられる。
【0033】抗体や抗原としては、例えば、梅毒センサ
ー用のトレポネーマ又は疑似脂質抗原;血液型センサー
用の血液型決定物質;抗免疫グロブリンG、A、M、E
抗体;癌センサー用のAFP(α−フェトプロテイン)
抗体;杉花粉、ダニ、ユスリカなどの抗原、などが挙げ
られる。
【0034】オルガネラとしては、例えば、細胞、ミト
コンドリア、上皮組織、などが挙げられる。
【0035】微生物としては、例えば、かび、酵母、細
菌、放線菌、などが挙げられる。
【0036】呈色試薬としては、例えば、ブルーデキス
トリン標識物質;オーラミンの如き色素標識物質;フル
オレシンの如き蛍光色素標識物質、などが挙げられる。
【0037】勿論、上記の分子認識機能を有する成分
は、複合して使用することも可能であり、例えば、複合
酵素センサー、抗体−酵素センサー、酵素−微生物ハイ
ブリッドセンサー、などを構成することも可能である。
【0038】これらの中でも、本発明の効果が特に発揮
されるので、本発明のセンサーで用いる分子認識機能を
有する成分は、体液に含有される成分に対して分子認識
機能を有するものであることが好ましく、抗原又は抗体
であることがさらに好ましい。
【0039】本発明のセンサーの検知方式は、任意であ
り、比色方式によるもの、例えば、発色、退色、色相変
化により検知するもの;螢光発光や螢光消光を検知する
もの;化学発光を検知するもの;発生酸素量を検知する
もの;ポテンショメトリー、アンペロメトリーなどの電
気化学的に検知するもの、などが挙げられる。例えば、
抗体に標識物として、西洋ワサビペルオキシダーゼを用
いた場合、発色基質として、N,N,N’,N’−テト
ラメチルベンチジン、ジアミノベンチジンなどを使用す
ることにより、その発色量からセンサーに結合した標識
抗体の量を比色法により測定することができる。また、
この方法で基質としてルミノールを用いれば、標識抗体
が結合したセンサー部分から化学発光が起こるので、そ
の発光量を高感度CCDカメラやX線フィルムなどで検
出し、センサーへの標識抗体結合量を測定することがで
きる。
【0040】本発明のセンサーの測定対象は、例えば、
ナトリウム、カリウム、燐酸、鉄、塩素などの無機物や
無機イオン;グルコースなどの糖;総脂質、コレステロ
ール、中性脂質、リン脂質などの脂質;アルブミンなど
の蛋白質、アミノ酸(フェニルアラニン、ロイシンな
ど);インスリン、HCG(ヒト絨毛性腺刺激ホルモ
ン)、TSH(甲状腺刺激ホルモン)などのホルモン;
免疫グロブリンなどの抗体;抗原や疑似抗原;ビタミ
ン;抗性物質、ドーピング剤などの薬物;ケトン体;肝
汁成分;ウロビリン体;総窒素、尿素、尿酸、アンモニ
ア、クレアチニン、クレアチンなど代謝物質;病原菌、
ウィルス、細胞膜などの生物及びその関連物質や病原体
由来の有毒物質といった体液に含有される成分の他、S
Ox(イオウ酸化物)、NOx(窒素酸化物)、フェノ
ールなどの有毒物質;水中に溶存するガス、酸類などの
化学物質;味覚・臭覚物質などが挙げられる。これらの
中でも、本発明の効果が特に発揮されるので、本発明の
センサーの測定対象は、血液、尿、汗、唾液、精液の如
き体液に含まれる成分であることが好ましく、抗原又は
抗体であることがさらに好ましい。
【0041】本発明のセンサーの利用目的としては、診
断用分析や治療用分析、例えば、妊娠診断、各種感染症
診断、癌診断、免疫不全疾患や自己免疫疾患診断、肝炎
診断、肝・腎機能診断などのほか、生体活動のモニタ
ー、人工臓器などの運転制御、環境計測、環境制御、防
災、各種プロセスの運転、管理、制御などが挙げられ
る。本発明のセンサーが用いられる産業分野としては、
例えば、医療機関、健康診断産業、製薬工業、化学工
業、食品工業、電気・電子工業、機械工業、エンジニア
リング工業、警備・防災産業などが挙げられる。本発明
のセンサーは、被検体が少量である場合において、特に
好ましく利用される。
【0042】本発明のセンサーは、例えば、以下の方法
によって製造することができる。
【0043】本発明のセンサーの第1の製造方法は、可
溶性ポリマーを材料とする非多孔質体の表面に、可溶性
ポリマーを溶解させる溶剤を塗布した後、該溶剤と混和
する凝固液であって、該可溶性ポリマーを溶解させない
凝固液中に浸漬することによって、非多孔質体の表面に
多孔質層を有するセンサー基材と成し、該センサー基材
の多孔質層に分子認識機能を有する成分を固定又は担持
させる方法である。
【0044】センサー基材の材料となる非多孔質体の例
としては、溶剤に可溶なポリマーを材料とする成形物で
あれば任意のものが使用できる。その形状は、本発明の
センサーの形状として述べた形状と同じである。
【0045】第1の製造方法で用いられる可溶性ポリマ
ーとしては、溶剤に10重量%以上、好ましくは20重
量%以上溶解するポリマーであれば任意のものを使用す
ることができる。そのような可溶性ポリマーとしては、
例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレンの如
きスチレン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ポ
リアクリロニトリルの如きアクリル系ポリマー;ポリカ
ーボネート系ポリマー;塩化ビニル、塩化ビニリデンの
如き塩素含有ポリマー;ポルスルホン、ポリエーテルス
ルホンの如きポリスルホン系ポリマー;ポリアミド系ポ
リマー;ポリイミド系ポリマー;ポリフッ化ビニリデン
の如きフッ素含有ポリマー、などが挙げられる。これら
の中でも、抗原や抗体に対して適度の吸着力を示すこと
から、ポリスチレン、スチレン−マレイン酸共重合体、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホンが好ましい。
【0046】第1の製造方法で用いられる可溶性ポリマ
ーを溶解させる溶剤には、特に制約はなく、例えば、ジ
クロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロル
ベンゼン、o−クロロフェノール、p−クロロフェノー
ル、ジクロロフェノールの如き塩素系溶剤;N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドンの如きアミド系溶剤;ジメチルス
ルホキシド、スルホランの如き硫黄含有系溶剤;酢酸メ
チル、酢酸エチルの如きエステル系溶剤;ヘキサメチル
リン酸トリアミドの如き燐酸系溶剤;アセトン、2−ブ
タノン、γ−ブチロラクトンの如きケトン系溶剤;ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルの如きエーテル系溶剤、などが挙
げられる。これらの溶剤は、単独で用いることもでき、
2種以上混合して用いることもできる。これらの溶剤の
中でも、工業的には、水に可溶な溶剤が好ましく、ま
た、これらの溶剤の中でも、多孔質層表面の細孔径を必
要以上に小さくしないことから、高沸点溶剤が好まし
い。好ましく用いられる溶剤としては、例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、な
どの水溶性の高沸点有機溶剤が挙げられる。また、可溶
性ポリマーを溶解させる溶剤には、他の成分、例えば、
増粘剤、酸、アルカリ、塩、などを添加しても良い。
【0047】第1の製造方法で用いる凝固液は、可溶性
ポリマーを溶解させる溶剤と混和し、可溶性ポリマーを
溶解させない常温で液体のものであれば、特に制約はな
い。凝固液は、使用する溶剤と可溶性ポリマーに応じて
適宜選択して用いれば良い。そのような凝固剤として
は、例えば、デカン酸メチルの如き脂肪酸エステル類;
ジイソブチルケトンの如きジアルキルケトン類;液状ポ
リエチレングリコール、ポリエチレングリコールのモノ
エステル、ポリエチレングリコールのモノエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、ブタノールの如き低級アルコール;水、など
が挙げられる。これらの凝固液は、単独で用いることも
でき、2種類以上を混合して用いることもできる。な
お、水は、水溶性溶剤、ポリマー、酸、アルカリ、塩等
を溶解した水溶液であり得る。凝固液には、増粘剤、
酸、アルカリ、塩などを添加することもできる。これら
の凝固剤の中でも、工業的生産の面から、水又は水溶液
が好ましい。
【0048】多孔質層の厚さは、支持体上に塗布した溶
剤の種類、溶剤塗布厚、塗布温度、塗布から凝固液との
接触までの時間により、調節することができる。溶剤の
溶解度が高いほど、温度が高いほど、時間が長いほど、
多孔質部の厚さは厚くなる傾向にある。溶剤塗布厚は、
1〜500μmの範囲が好ましく、10〜200μmの
範囲が特に好ましい。塗布から凝固液との接触まで時間
は、0.1秒〜1時間の範囲が好ましく、1〜60秒の
範囲が特に好ましい。塗布温度は、0〜100℃の範囲
が好ましく、10〜30℃の範囲が特に好ましい。
【0049】凝固液との接触方法は任意であり、凝固液
への浸漬、ミストやシャワーとの接触、蒸気との接触な
どが採用しうるが、凝固液への浸漬が好ましい。
【0050】多孔質層部の平均孔径は、溶剤の種類、凝
固液温度、凝固液の種類の選択で調節することができ
る。
【0051】複数の多孔質層領域を形成する方法は任意
であり、例えば、溶剤をパターニングして塗布した後、
凝固液と接触させる方法を採用できる。パターニング
は、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジ
ェット法等により実施できる。また、別の方法として
は、溶剤を可溶性ポリマー支持体に塗布した後、不要な
部分をレーザーなどにより加熱して溶剤を蒸発させ、そ
の後、凝固液と接触させる方法を採ることもできる。
【0052】本発明の製造方法を用いて、溶剤の種類、
凝固液の種類、溶剤塗布厚、塗布温度、塗布から凝固液
との接触までの時間を、調節することにより、凝集粒子
状構造及び/又は網目状構造を有する多孔質層を形成す
ることができる。これらの条件は、用いる可溶性ポリマ
ーと溶剤の種類により異なるため、包括的な条件範囲を
限定することは困難であるが、可溶性ポリマーと溶剤の
組み合わせを決定した後、何回かの実験によって、比較
的容易に条件を見い出すことができる。後述する実施例
において、具体例を示すが、一般的傾向としては、塗布
温度が高すぎる場合や塗布から凝固液との接触までの時
間が長すぎる場合には、井戸型の細孔となる傾向にあ
り、逆に、塗布温度が低すぎる場合や塗布から凝固液と
の接触までの時間が短すぎる場合には、凝集粒子型の細
孔となるものの多孔質層の厚さが薄く成り過ぎる傾向に
あり、いずれの場合もセンサー感度が低下する傾向にあ
るので、好ましくない。
【0053】なお、本発明の製造方法によって製造され
たセンサーの基材は、多くの場合、多孔質層の厚さ方向
に構造が変化し、表面から深部に向かって、凝集粒子構
造、網目構造、井戸型細孔構造となる。このように、多
孔質層の深部では井戸型細孔構造となっているが、浅部
が凝集粒子構造及び網目構造を採っているため、十分な
感度を有するセンサーとすることができる。
【0054】本発明のセンサーの第2の製造方法は、ポ
リマー(P)で構成された成形物の表面に、ポリマー
(P)を溶解又は膨潤させ得る溶剤(S)と溶剤(S)
に溶解するポリマー(Q)を含有する溶液(I)であっ
て、溶液(I)中のポリマー(Q)含有量が0.1〜1
0重量%の範囲にある溶液(I)を塗布した後、該成形
物を、ポリマー(P)及びポリマー(Q)の両者を溶解
しない凝固液(N)と接触させることにより、該成形物
の表面に多孔質の層を形成したセンサー基材となす第1
工程、及び該センサー基材の多孔質層に、分子認識機能
を有する成分を固定又は担持させる第2工程を有するこ
とを特徴とする、非多孔質体の表面に厚さ1〜50μm
の凝集粒子状もしくは網目状の構造を有する多孔質層に
分子認識機能を有する成分を固定又は担持させる方法で
ある。
【0055】第2の製造方法で使用するポリマー(P)
は、本発明の第1の製造方法で使用できる可溶性ポリマ
ーと同様である。
【0056】第2の製造方法で使用するポリマー(Q)
は、溶剤に溶解するポリマーであれば任意であり、これ
も本発明の第1の製造方法で使用できるポリマーと同様
である。ポリマー(P)とポリマー(Q)とは、同じポ
リマーであっても、異なるものであっても良い。
【0057】第2の製造方法で使用する溶剤(S)に関
しても、本発明の第1の製造方法で使用する溶剤として
述べたものと同様である。
【0058】本発明の第2の製造方法では、第1の製造
方法で用いた溶剤に代えて、ポリマー(Q)を含有する
溶液(I)を使用したので、多孔質構造の調節が容易と
なり、センサーとして、高感度と易洗浄性を兼ね備えた
好ましい特性の基材を生産性良く製造することができ
る。
【0059】本発明のセンサーの第3の製造方法は、重
合性不飽和二重結合を有する化合物(a)を含有する光
重合性組成物(A)を基材状に賦形した賦形物(B)を
形成する第1工程、重合性不飽和二重結合を有する化合
物(a)とは相溶するが、光重合性組成物(A)の重合
物を溶解又は膨潤させない溶剤(C)と未硬化の賦形物
(B)とを接触させた状態で、未硬化の賦形物(B)に
活性光線を照射することによって、重合性不飽和二重結
合を有する化合物(a)を重合させて、賦形物(B)の
硬化物の表面に多孔質層を形成したセンサー基材となす
第2工程、及び該センサー基材の多孔質層に、分子認識
機能を有する成分を固定又は担持させる方法である。
【0060】第3の製造方法で使用する重合性不飽和二
重結合を有する化合物(a)としては、重合速度が速い
点で(メタ)アクリル酸系、(メタ)アクリル酸エステ
ル系、(メタ)アクリルアミド系の如き(メタ)アクリ
ロイル基を有する化合物及びそれらの混合物が好まし
い。また、架橋構造の導入によって、強度、寸法精度、
寸法安定性の向上が計れるため、1分子内に1から6個
の重合性不飽和二重結合を有するもの、即ち、2〜6官
能のモノマー及び/又はオリゴマー又はその混合物が好
ましい。
【0061】重合性不飽和二重結合を有する化合物
(a)としては、例えば、エチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)
アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレー
ト、n−ビニルピロリドン、イソボルニル(メタ)アク
リレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、
アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミドの如き単
官能モノマー;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリ
エチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス
(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキ
シフェニル)プロパンの如き2官能モノマー;トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールエタントリ(メタ)アクリレートの如き3官能モノ
マー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
トの如き4官能モノマー;ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレートの如き6官能モノマー、などが
挙げられる。これらの化合物は、単独で用いることもで
き、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0062】また、重合性不飽和二重結合を有する化合
物(a)として、オリゴマーも用いることもでき、例え
ば、重量平均分子量が500〜50000のものが挙げ
られる。そのようなオリゴマーしては、例えば、エポキ
シ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹
脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂
の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)ア
クリロイル基を有するポリウレタン樹脂などを挙げられ
る。これらのオリゴマーは、単独で使用することもで
き、2種類以上のものを混合して使用することもでき、
あるいは、モノマーと混合して使用することもできる。
【0063】抗原、抗体、酵素等の特定の物質との相互
作用を高めたり、タンパク質等との相互作用を低くした
り、更に、特定の置換基(例えば水酸基、アミノ基、エ
ポキシ基等)を介して酵素やタンパク質等を固定化した
りするため、多孔質部に機能性置換基を導入することが
好ましい場合、重合性不飽和二重結合を有する化合物
(a)として、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、
アミノ基、アミド基、アンモニウム基、ポリエチレング
リコール鎖、エポキシ基、燐酸基、リン脂質類似構造、
糖構造、Cl、F、Siの如き機能性官能基を有するモ
ノマー及び/又はオリゴマーを単独又は混合して用いる
ことができる。これらの置換基の種類、導入量等を調節
することにより、表面多孔質部に要求される親水性、撥
水性、耐汚染性、タンパク質(選択)吸着性、低タンパ
ク質吸着性、生体適合性等の性質を幅広く調節すること
ができる。
【0064】水酸基を有するモノマー及び/又はオリゴ
マーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリ
レート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピレン(メタ)アク
リレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2
−ヒドロキシプロピリフタレート、などが挙げられる。
【0065】カルボキシル基を有するモノマー及び/又
はオリゴマーとしては、例えば、エチレンオキサイド変
性フタール酸モノ(メタ)アクリレート、プロピレンオ
キサイド変性フタール酸モノ(メタ)アクリレート、w
−カルボキシカプロラクトンモノ(メタ)アクリレー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、
などが挙げられる。
【0066】スルホン基を有するモノマー及び/又はオ
リゴマーとしては、例えば、スルホン酸ソーダエトキシ
メタクリレート、スルホン酸−2−メチルプロパン−2
−アクリルアミド、スチレンスルホン酸、などが挙げら
れる。
【0067】アミノ基を有するモノマー及び/又はオリ
ゴマーとしては、例えば、ジメチルアミノメチルメタク
リレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、など
が挙げられる。
【0068】アミド基を有するモノマー及び/又はオリ
ゴマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−アルキ
ルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミ
ド、などが挙げられる。
【0069】アンモニウム基を有するモノマー及び/又
はオリゴマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル
メタクリレート4級化物、ジアリルジメチルアンモニウ
ム、などが挙げられる。
【0070】ポリエチレングリコール鎖を有するモノマ
ー及び/又はオリゴマーとしては、例えば、フェノキシ
(ポリエチレングリコール)(メタ)アクリレート;メ
トキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、ペンチルオキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ヘキシルオキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、オクチルオキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、デカニルオキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、ドデカニ
ルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
の如き炭素原子数1〜20のアルコキシル基を有するポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート;ポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
【0071】エポキシ基を有するモノマー及び/又はオ
リゴマーとしては、例えば、メタクリル酸グリシジル、
アクリル酸付加エポキシオリゴマー、などが挙げられ
る。
【0072】燐酸基を有するモノマー及び/又はオリゴ
マーとしては、例えば、燐酸モノ(2−アクリロイルオ
キシエチル)、燐酸ビス(メタクリルオキシエチル)、
などが挙げられる。
【0073】リン脂質類似構造を有するモノマー及び/
又はオリゴマーとしては、例えば、2−((メタ)アク
リロイルオキシ)エチル−2’(トリメチルアンモニ
オ)エチル燐酸、2−((メタ)アクリロイルオキシ)
エチル−2’(トリエチルアンモニオ)エチル燐酸、2
−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2’(ト
リメチルアンモニオ)プロピル燐酸、2−((メタ)ア
クリロイルオキシ)プロピル−2’(トリエチルアンモ
ニオ)プロピル燐酸の如き2−((メタ)アクリロイル
オキシ)アルキル−2’(トリアルキルアンモニオ)ア
ルキル燐酸、などが挙げられる。
【0074】糖構造を有するモノマー及び/又はオリゴ
マーとしては、例えば、グルコース、ガラクトース、マ
ンノースの如き単糖類およびこれらの誘導体の(メタ)
アクリレート;マルトース、セルビオース、ラクトー
ス、スクロースの如き二糖類およびこれらの誘導体の
(メタ)アクリレート;スクロデキストリンの如きオリ
ゴ糖およびこれらの誘導体の(メタ)アクリレート;澱
粉、ヘパリンの如き多糖類およびこれらの誘導体の(メ
タ)アクリレート、などが挙げられる。
【0075】Cl又はFを有するモノマー及び/又はオ
リゴマーとしては、例えば、トリフルオロエチル(メ
タ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)ア
クリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレ
ート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレー
ト、メチル−2−クロロアクリレート、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、などが挙
げられる。
【0076】Siを有するモノマー及び/又はオリゴマ
ーとしては、例えば、3−メタクリロキシエチルトリス
(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリロキシプ
ロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、などが挙
げられる。
【0077】光重合性組成物(A)は、必須成分として
重合性不飽和二重結合を有する化合物(a)を含有する
以外に、必要に応じて、その他の成分を含有することも
できる。その他の成分としては、例えば、光重合開始
剤、有機酸や界面活性剤の如き孔径調節剤、非反応性ポ
リマーや無機粉末などの増粘剤、着色剤、形成される表
面多孔質体に固定されるべきリガンド等が挙げられる。
【0078】必要に応じて光重合性組成物(A)に用い
ることができる光重合開始剤は、本発明で使用する活性
光線に対して活性であり、化合物(a)を重合させるこ
とが可能なものであれば、特に制限がない。そのような
光重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤、
アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤が挙げられ、
具体的には、p−tert−ブチルトリクロロアセトフ
ェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ンの如きアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4,4’
−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオ
キサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチ
オキサントン2−イソプロピルチオキサントンの如きケ
トン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ
ーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチル
ケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの
如きベンジルケタール類、などが挙げられる。
【0079】必要に応じて光重合性組成物(A)に用い
ることができる有機酸としては、例えば、酢酸、シュウ
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、コハク酸、酒石酸、
安息香酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウ
リン酸の如きカルボン酸;フェノール類;メタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸の如きアルキルスルホン酸、な
どが挙げられる。
【0080】必要に応じて光重合性組成物(A)に用い
ることができる界面活性剤としては、任意の界面活性
剤、例えば、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、
アルキルスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸エステ
ルナトリウム、高級脂肪酸ナトリウムの如きアニオン性
界面活性剤;高級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アル
キルピリジニウム、第四アンモニウム塩の如きカチオン
性界面活性剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテ
ル、ポリエチレングリコール脂肪線エステル、ソルビン
酸脂肪酸エステル、シボウ酸モノグリセリドの如きノニ
オン系界面活性剤;アミノ酸の如き両性界面活性剤、な
どが挙げられる。
【0081】必要に応じて光重合性組成物(A)に用い
ることができる非反応性ポリマーとしては、光重合性組
成物(A)に溶解する任意のポリマーを用いることがで
き、例えば、ポリスチレンの如きスチレン系ポリマー;
ポリメチルメタクリレートの如き(メタ)アクリレート
系ポリマー;ポリスルホン系ポリマー;ポリイミド;ポ
リカーボネート;酢酸セルロース、ニトロセルロースの
如きセルロース系ポリマー;ポリ塩化ビニルの如き塩素
系ポリマー;ポリビニルピロリドン、などが挙げられ
る。
【0082】必要に応じて光重合性組成物(A)に用い
ることができる無機粉末としては、特に制約はなく、例
えば、クレイ、ゼオライト、活性炭、酸化チタン、酸化
アルミ、シリカゲル、などが挙げられる。
【0083】必要に応じて光重合性組成物(A)に用い
ることができる着色剤としては、例えば、ブルーデキス
トリンのほか、公知の色素や顔料が挙げられる。
【0084】必要に応じて光重合性組成物(A)に用い
ることができる、形成される表面多孔質体に固定される
べきリガンドとしては、例えば、本発明のセンサーの多
孔質層分に固定される分子認識機能を有する成分が挙げ
られる。
【0085】第3の製造方法で用いる賦形物(B)の形
状は、活性光線の照射によって成形可能なものであれば
特に限定されないが、例えば、フィルム状、板状、塗膜
状、糸状、中空糸状、管状、円筒状、粒子状、カプセル
状、その他任意の形状であってよい。成形しやすさの面
から、賦形物(B)はフィルム状又は塗膜状であること
が好ましい。また、賦形物(B)が更に別の支持体等と
一体化された形態であってもよい。この場合の支持体の
素材は任意であり、例えば、プラスチック、ゴム、ガラ
ス、セラムック、金属、紙、布等であって良い。また、
形状も任意であり、例えば、フィルム状、棒(スチッ
ク)状、糸状、中空糸状、管状、粒状、容器、紙、布、
不織布等の形状の他、マルチウェルプレートのような複
雑な形状であって良い。更に、賦形物(B)は、支持体
全面を覆うもののみならず、パターニング物、その他の
構造を有するものであってよい。
【0086】光重合性組成物(A)を賦形する方法に
は、特に制限はない。例えば、コーター、スプレー、浸
漬等による塗布;ノズルからの押し出し;鋳型への注型
などの方法が挙げられる。光重合性組成物(A)を賦形
するに当たり、光重合性組成物(A)の硬化後に除去可
能な支持体を一時的に使用することも可能である。ま
た、光重合性組成物(A)を薄く均一に塗布する必要が
ある場合や形状の複雑な物体、不織布や織物等の(繊
維)表面に塗布する場合には、光重合性組成物(A)を
溶剤に溶解して塗布した後、該溶剤を揮発させる方法を
採用することもできる。この場合の溶剤は、光重合性組
成物(A)を溶解できるものであれば、如何なるもので
あってよいが、塗布後の物体を乾燥させる必要性から、
揮発性が比較的高い溶剤がより好ましい。そのような溶
剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノールの如きアルコール類;アセトン、メチルエチルケ
トンの如きケトン類;ジエチルエーテルの如きエーテル
類;酢酸エチルの如きエステル類;トルエンの如き芳香
族系炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタンの如き
塩素系溶剤、などが挙げられる。
【0087】本発明のセンサーの第3の製造方法の第2
工程は、光重合性組成物(A)の賦形物(B)を、重合
性不飽和二重結合を有する化合物(a)と相溶するが、
光重合性組成物(A)の重合物を膨潤又は溶解しない溶
剤(C)(このような溶剤を貧溶剤とも言う)と接触さ
せた状態で活性光線を照射して、表面に多孔質層を有す
るセンサー基材を得る工程である。
【0088】ここで使用できる溶剤(C)としては、例
えば、アジピン酸ジイソブチル、カプリル酸メチル、カ
プリン酸メチル、ラウリン酸メチルの如き脂肪酸のアル
キルエステル;ジイソブチルケトンの如きケトン類;ポ
リエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレング
リコールモノラウリルエーテルの如き界面活性剤類;界
面活性剤と水の混合液;エタノール、プロパノールの如
きアルコール類;アルコールと水の混合液、などが挙げ
られる。これらの溶剤は単独で使用することもでき、2
種類以上を混合して使用することもできる。
【0089】溶剤(C)中には、必要に応じて、その他
の成分を含有させることもできる。その他の成分として
は、例えば、有機酸や非反応性ポリマーの如き増粘剤、
着色剤、形成される表面多孔質体に固定されるべきリガ
ンド等が挙げられる。
【0090】必要に応じて溶剤(C)に用いることがで
きる有機酸、非反応性ポリマー、着色剤、リガンドとし
ては、光重合性組成物(A)に必要に応じて用いること
ができる材料として掲げたものが使用できる。
【0091】本発明のセンサーの第3の製造方法の第2
工程において、賦形物(B)を溶剤(C)と接触させる
と、接触界面において、光重合性組成物(A)は溶剤
(C)と部分的に混合する。光重合性組成物(A)に活
性光線を照射すると、重合性不飽和二重結合を有する化
合物(a)が重合すると同時に、溶剤(C)との相溶性
がなくなるため、相分離が生じて多孔質状に凝固し、賦
形物(B)の表面に、互いに連通した多孔質層が形成さ
れる。この際、賦形物(B)を溶剤(C)と接触させ、
賦形物(B)が完全には溶剤(C)中に溶解しない内に
活性光線を照射して重合硬化させることが必要である。
この方法により、賦形物(B)の形状が実質的に保持さ
れ、賦形物(B)の表面にのみ多孔質層が形成される。
【0092】賦形物(B)と溶剤(C)との接触方法は
任意であり、例えば、賦形物(B)の溶剤(C)中への
浸漬、賦形物(B)表面への溶剤(C)の流延又はスプ
レー、賦形物(B)と溶剤(C)の共押し出し等の方法
が挙げられ、中でも賦形物(B)の溶剤(C)中への浸
漬が好ましい。賦形物(B)と接触する溶剤(C)は、
気相(蒸気)であっても良い。
【0093】表面多孔質部分の孔径や多孔質層の厚さ
は、溶剤(C)と重合性不飽和二重結合を有する化合物
(a)との相溶性、溶剤(C)中での浸漬時間、活性光
線照射時の溶剤(C)の温度、光重合性組成物(A)の
粘度などを調節することにより、調節することができ
る。例えば、化合物(a)と相溶性の低い溶剤(C)を
採用すれば、多孔質層の孔径が大きくなる傾向にある。
浸漬時間を長くし、活性光線照射時の溶剤(C)の温度
を高くすると、多孔質層の厚さが厚くなる傾向にある。
しかし、活性光線照射時の溶剤(C)の温度が高すぎる
と、溶剤の蒸発や、賦形物(B)の形状維持が困難とな
る可能性があるので、活性光線照射時の溶剤(C)の温
度は、0℃〜70℃の範囲が好ましく、15℃〜50℃
の範囲が特に好ましい。
【0094】本発明のセンサーの第3の製造方法では、
印刷やフォトリソグラフ等の手法を用いることにより、
表面の必要部位のみ多孔質層が形成され、その他の部分
は非多孔質表面となる表面多孔質体を容易に製造するこ
とができる。
【0095】活性光線としては、紫外線、可視光、赤外
線が挙げられる。これらの活性光線の中でも、重合硬化
速度の面から、紫外線及び可視光が好ましく、紫外線が
特に好ましい。活性光線のほかに、電子線、エックス
線、γ線等のエネルギー線を使用することもできる。ま
た、重合硬化速度を速め、重合を完全に行う目的で、溶
剤(C)中に溶解している酸素を除去しておくことが好
ましい。
【0096】本発明のセンサーの第1〜第3の製造方法
により、多孔質層の厚さが0.1〜50μmの範囲にあ
り、多孔質の平均孔径が0.1〜10μmの範囲にある
表面多孔質体を製造することができる。多孔質部分の形
状は製造条件によって変化し、凝集粒子状、網目状、孔
状などの構造をとりうる。また、深さ方向に構造が変化
する傾斜構造も形成しうる。多くの利用分野において、
表面の孔径が大きく、深くなるほど孔径が小さくなる傾
斜構造が好ましいが、本発明の製造方法は、このような
傾斜構造を形成し易い特徴を有する。
【0097】特に、本発明の第3の製造方法は、重合性
不飽和二重結合を有する化合物(a)の選択範囲が広い
ため、多孔質層の吸着性のコントロールが容易になり、
センサーとして、高感度と易洗浄性を兼ね備えた好まし
い特性の基材を生産性良く得ることができる。
【0098】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明の範囲が、これらの実
施例の範囲に限定されるものではない。なお、例中の
「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0099】[実施例1]厚さ200μmのポリスチレ
ン2軸延伸シート(大日本インキ化学工業(株)製)の表
面に、20℃にて、125μm厚用のコーティングバー
を用いてN,N−ジメチルアセトアミド(関東化学(株)
製)を塗布し、20℃にて60秒間無風下に放置した
後、17℃の蒸留水に浸漬することにより、ポリスチレ
ン製の非多孔質材料の表面に多孔質層が形成された基材
を得た。
【0100】このようにして得た基材の表面及び断面を
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、
多孔質層の極表面は孔径約5μmの網目状になってお
り、その下部は孔径約1μmの井戸状の細孔が疎らに形
成されていた。また、多孔質層の厚さは約4μmであっ
た。この基材を約5mm角に切断し、その50枚をサン
プルとして使用して水銀ポロシメーター(カルロエルバ
社製2000型)にて細孔測定を行った結果、約5.6
μmに孔径分布のピークが存在していた。
【0101】実施例1で得た多孔質層が形成された基
材をハサミで切断し、約7mm幅の短冊状にした後、カ
ラス口(ボーデン社製)を用いて、短冊状に切断した基
材の多孔質層に、ヤケヒョウヒダニより抽出したアレル
ゲンエキス(鳥居製薬社製)を1mm幅の線状に塗布し
た。そのまま室温にて静置して、十分乾燥させて多孔質
層にアレルゲンを固定した。次に、アレルゲンを固定し
た短冊状の多孔質層を有する基材を約7mm角に切断し
た。
【0102】これを細胞培養用24穴ウェル(コーニ
ング社製)に、多孔質層を上にして入れた。1ウェルあ
たり500μLの10%ウシ胎児血清/リン酸緩衝液を
入れ、30分間振とうしてアレルゲンの固定していない
部分をブロッキングした。ブロッキング終了後、溶液を
アスピレーターを用いて吸い出した。
【0103】次いで、1ウェルあたり500μLの1
%「ツイーン(Tween) 20」(ワコー社製)/リン酸
緩衝液(以下、これを洗浄液と称する)を加えて、振と
うして洗浄した。アスピレーターを用いて洗浄液を吸い
出し、洗浄は1回当たり3分で2回繰り返えすことによ
ってアレルギー診断機能を有するセンサーを得た。
【0104】洗浄後、3%ウシ血清アルブミン(生化
学工業(株)製)/リン酸緩衝液(0.1M、pH7.
2)を1ウェルあたり235μL加え、更にヤケヒョウ
ヒダニに特異的な免疫グロブリンE(IgE)を含むヒ
ト血清を1ウェルあたり15μL加えた。また、対照と
して、ヤケヒョウヒダニに対するIgE抗体を含まない
ヒト血清も用いた。ウェルをシールして溶液の蒸発を防
ぎ、一昼夜室温にて振とう反応させた。
【0105】反応終了後、1ウェルあたり500μL
の洗浄液を加えて洗浄した。洗浄液はアスピレーターを
用いて吸い出し、洗浄は1回当たり3分で4回繰り返し
た。
【0106】洗浄終了後、ペルオキシダーゼを結合さ
せた抗ヒトIgE抗体(KPL社製)を3%ウシ血清ア
ルブミン(生化学工業(株)製)/リン酸緩衝液(0.1
M、pH7.2)にて稀釈したものを1ウェルあたり2
50μL加えた。ウェルをシールして室温にて2時間振
とうして反応させた。
【0107】反応終了後、1ウェルあたり500μL
の洗浄液を加えて洗浄した。洗浄液はアスピレーターを
用いて吸い出し、洗浄は1回当たり3分で4回繰り返し
た。
【0108】洗浄終了後、ペルオキシダーゼの基質と
して、ECLキット(アマシャム社製)を用いた。キッ
トの第1液と第2液を等量混合したものを準備し、これ
を1ウェルあたり250μL加え、3分間振とう反応さ
せた。
【0109】反応終了後、ウェルから多孔質層を取り
出して濾紙に「セロテープ」(ニチバン社製のセロファ
ン粘着テープ)を用いて固定し、それをフィルム現像用
のカセットホルダーに「セロテープ」で固定した。暗室
内で化学発光検出用フィルム(アマシャム社製)を、反
応が終了した多孔質層に重ねた後、カセットホルダーを
しっかりと閉じた。10〜30分間反応させた後、暗室
内でカセットホルダーからフィルムを取り出し、X線フ
ィルム用現像液及び停止液を使用して現像処理した。既
知濃度のヤケヒョウヒダニ特異IgE抗体を持つ検体の
シグナル強度とゼロ濃度の検体のシグナルを比較するこ
とにより、特異IgEの検出感度を測定した。その結
果、特異IgEの検出感度は3IU/mlであった。
【0110】[実施例2]実施例1において、ポリスチ
レン2軸延伸シートの表面に溶剤を塗布した後の放置時
間を60秒から5分に延長した以外は、実施例1と同様
にして、非多孔質材料表面に多孔質層が形成された基材
を得た。
【0111】このようにして得た基材の表面及び断面を
SEMを用いて観察したところ、多孔質層の極表面は孔
径約3μmの網目状構造になっており、その下部は孔径
約0.5μmの井戸型細孔が疎らに形成されている様子
が観察された。また、多孔質層の厚さは約5μmであっ
た。実施例1と同様にして測定した細孔測定の結果は、
約3.2μmに孔径分布のピークが存在した。
【0112】この基材を用いて、実施例1と同様の方法
でセンサーを作製し、実施例1と同様の方法でヤケヒョ
ウヒダニ特異IgEの検出を行なったところ、1IU/
mlの特異IgEの検出が可能であった。
【0113】[実施例3]実施例1において、ポリスチ
レン2軸延伸シートの表面に塗布する溶剤の温度と溶剤
を塗布した後の放置温度を20℃から35℃に昇温した
以外は、実施例1と同様にして、非多孔質材料表面に多
孔質層が形成された基材を得た。
【0114】このようにして得た基材の表面及び断面を
SEMを用いて観察したところ、多孔質層の表面は孔径
約2μmの網目状になっており、その下は井戸型の細孔
が疎らに形成されている様子が観察された。また、多孔
質層の厚さは約10μmであった。実施例1と同様にし
て測定した細孔測定の結果は、約2.1μmに孔径分布
のピークが存在した。
【0115】この基材を用いて、実施例1と同様の方法
でヤケヒョウヒダニ特異IgEの検出を行なったとこ
ろ、1IU/mlの特異IgEの検出が可能であった。
【0116】[実施例4]ガラス板上に、ポリスルホン
(アモコケミカル社製の「P−1700」)のN,N−
ジメチルアセトアミド(関東化学(株)製)30重量%溶
液を250μmのコーティングバーを用いて塗布した
後、100℃で1時間の熱風乾燥させ、更に140℃で
2時間の真空乾燥させて、ガラス上に約77μmの厚さ
に成形されたポリスルホン塗膜を得た。
【0117】実施例1において、ポリスチレン2軸延伸
シートに代えて、ポリスルホン塗膜を有するガラス板を
用い、かつ、溶剤の塗布温度を20℃から24℃に昇温
した以外は、実施例1と同様にして、多孔質層を形成し
た後、多孔質層を有するポリスルホン塗膜をガラス板か
ら剥離して多孔質層が形成されたフィルム状の基材を得
た。
【0118】このようにして得た基材の表面及び断面を
SEMを用いて観察したところ、多孔質層の極表面は孔
径約2μmの網目状構造になっており、その下部は孔径
約0.5μmの井戸型細孔が疎らに形成されている様子
が観察された。また、多孔質層の厚さは約6μmであっ
た。この基材を実施例1と同様にして細孔測定を行った
ところ、約2.4μmに孔径分布のピークが存在した。
【0119】この基材を用いて、実施例1と同様の方法
でヤケヒョウヒダニ特異IgEの検出を行なったとこ
ろ、特異IgEの検出感度は3IU/mlであった。
【0120】[実施例5]実施例1において、カラス口
を用いてアレルゲンエキスの塗布形状を、1mm幅に線
状から、幅1mmの線を1mm間隔に3本並べたパター
ン状に変更した以外は、実施例1と同様にして、基材表
面に幅1mm、長さ7mmのアレルゲンが固定された表
面多孔質領域が1mm間隔に3本並んだ構造を有する約
7mm角のセンサー用基材を得た。
【0121】このようにして得た基材の表面及び断面を
SEMを用いて観察したところ、実施例1と同様で、多
孔質層の極表面は孔径約5μmの網目状になっており、
その下部は孔径約1μmの井戸状の細孔が疎らに形成さ
れていた。一方、この基材の透明部分には、細孔は全く
観察されず非多孔質の状態を保っていることが確認され
た。この基材を実施例1と同様にして、細孔測定を行っ
た結果、約5.4μmに孔径分布のピークが存在した。
【0122】この基材の3つの表面多孔質領域にそれぞ
れ、ヤケヒョウダニ、卵白、牛乳のアレルゲンエキスを
塗布した以外は、実施例1と同様の方法で、センサーを
製造した。このセンサーを用いて、ヤケヒョウヒダニ特
異IgE、卵白特異IgE及び牛乳特異IgEの検出を
同時に行なったところ、検出感度は、ヤケヒョウヒダニ
特異IgEに関して3IU/ml、卵白特異IgEに関
して5IU/ml、牛乳特異IgEに関して5IU/m
lであった。
【0123】[比較例1]実施例1において、N,N−
ジメチルアセチルアミドを塗布してから凝固液である水
に浸漬するまでの時間を60秒間から5秒に短縮した以
外は、実施例1と同様にして、非多孔質材料表面に多孔
質層が形成された基材を得た。
【0124】このようにして得た基材の表面及び断面を
SEMにて観察したところ、多孔質層は直径約0.5μ
mの疎らな井戸型細孔構造であり、多孔質層の厚さは約
0.5μm以下であった。この基材を実施例1と同様に
して細孔測定を行ったところ、孔径分布のピークは観測
されなかった。
【0125】実施例1において、この基材を用いた以外
は、実施例1と同様にして、センサーを製造した。この
センサーを用いて、実施例1と同様にして、ヤケヒョウ
ヒダニ特異IgEの検出を行なったところ、特異IgE
の検出感度は5IU/mlであった。
【0126】[比較例2]実施例1において、125μ
m厚用のコーティングバーに代えて、塗布厚70μm用
のコーティングバーを用い、かつ、溶剤を塗布してから
凝固液に浸漬するまでの時間を60秒間から5分間に延
長した以外は実施例1と同様にして、非多孔質材料表面
に多孔質層が形成された基材を得た。
【0127】このようにして得た基材の表面及び断面を
SEMにて観察したところ、多孔質層は直径約0.8μ
mの井戸型の細孔であり、多孔質層の厚さは約11μm
であった。この基材を実施例1と同様にして細孔測定を
行ったところ、孔径分布のピークは約0.78μmであ
った。
【0128】実施例1において、この基材を用いた以外
は、実施例1と同様にして、センサーを製造した。この
センサーを用いて、実施例1と同様にして、ヤケヒョウ
ヒダニ特異IgEの検出を行なったところ、非常に高い
バックグラウウンド(非特異的シグナル)が観察され、
十分な検出感度を得るには、実施例1における及び
の洗浄に於いて、30分×4回以上の洗浄が必要であっ
た。実施例1と同様の方法での特異IgEの検出感度は
10IU/mlであったが、十分な洗浄を行うと検出感
度1IU/mlが得られた。
【0129】[比較例3]非多孔質材料として実施例1
で用いた厚さ200μmのポリスチレン2軸延伸シート
を用い、その表面をサンドペーパーにて研磨することに
よって、非多孔質材料の表面を荒らした基材を得た。
【0130】このようにして得た基材の表面及び断面を
SEMにて観察したところ、表面層は不規則な凹凸のあ
る構造であり、表面層の厚さは100μm以上の極めて
大きな寸法の凹凸があるため判然としなかった。この基
材を実施例1と同様にして細孔測定を行ったところ、
0.5〜200μmの範囲にわたる孔径分布を示し、1
0μm以下の範囲に明瞭なピークは観測されなかった。
【0131】この基材を用いて、実施例1と同様の方法
でヤケヒョウヒダニ特異IgEの検出を行なったとこ
ろ、特異IgEの検出感度は10IU/mlであった。
【0132】[比較例4]実施例1において、非多孔質
材料表面に多孔質層が形成された基材として、市販の厚
さ約160μm、平均孔径0.45μmのポリアミド多
孔質膜(ポール社製の「バイオダイン」品番ZNXG2020)
を使用した以外は、実施例1と同様にして、センサーを
作製した。
【0133】このセンサーを用いて、実施例1と同様に
して、ヤケヒョウヒダニ特異IgEの検出を行なったと
ころ、非常に高いバックグラウンド(非特異的シグナ
ル)が観察され、このバックグラウンドを十分に下げる
には、実施例1における及びの洗浄に於いて、1時
間×4回以上の洗浄が必要であった。十分な洗浄を行え
ば、特異IgEの検出感度は1IU/mlの検出が可能
であった。
【0134】[実施例6]ポリスチレン(大日本インキ
化学工業(株)製の「ディックスチレン XC−52
0」)1部及びN,N−ジメチルアセトアミド(東京化
成工業(株)製)99部を混合して樹脂溶液(I−6)を
得た。
【0135】実施例1において、N,N−ジメチルアセ
トアミドに代えて、樹脂溶液(I−6)を用い、かつ、
カラス口を用いてアレルゲンエキスの塗布形状を、1m
m幅に線状から、幅1mmの線を1mm間隔に3本並べ
たパターン状に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、基材表面に幅1mm、長さ7mmのアレルゲンが固
定された表面多孔質領域が1mm間隔に3本並んだ構造
を有する約7mm角のセンサー用基材を得た。
【0136】このようにして得た基材の表面及び断面を
SEMを用いて観察したところ、直径約0.1μmの凝
集粒子状の最外層と、その下に孔径2〜5μmの網目状
の構造の層があり、更にその下層に直径約1μm、深さ
約0.5μmの井戸状の細孔からなる、厚さ約5μmの
多孔質構造を観察することができた。一方、この表面多
孔体の表面多孔質層領域以外の部分は透明で、SEMに
よっても細孔は全く観察されなかった。実施例1と同様
にしてこの基材の細孔測定を行ったところ、約5.4μ
mに孔径分布のピークが存在した。
【0137】このようにして得た基材を用いた以外は、
実施例5と同様の方法で、ヤケヒョウヒダニ特異Ig
E、卵白特異IgE、及び牛乳特異IgEの検出を同時
に行なったところ、検出感度は、ヤケヒョウヒダニ特異
IgEに関して1IU/ml、卵白特異IgEに関して
3IU/ml、牛乳特異IgEに関して3IU/mlで
あった。
【0138】[実施例7]1分子内に平均して3個のア
クリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー
(大日本インキ化学工業株式会社製の「ユニディックV
−4263」)70部、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート(日本化薬株式会社製の「カヤラッドHDD
A」)30部及び「イルガキュアー184」(チバガイ
ギー社製の光重合開始剤)2部を均一に混合して、光重
合性組成物(A−7)を得た。
【0139】一方、カプリン酸メチル(和光純薬工業株
式会社製)200mlをシャーレに入れて、溶剤(C−
7)とした。
【0140】次に、ガラス板上に光重合性組成物(A−
7)を厚さ250μmのコーターで塗布した後、溶剤
(C−7)中に投入し、直ちに60mW/cm2 の紫外線
を40秒間照射した。紫外線を照射した後、白色の塗膜
状の賦形物を有するガラス板をヘキサン中に3分間浸漬
し、多孔質層中のカプリル酸メチルを除去した。次い
で、空気中でヘキサンを揮発させた後、ガラス板から剥
がしして、フィルム状の表面多孔質体を得た。
【0141】このようにして得た表面多孔質体の表面及
び断面をSEMを用いて観察した結果、表面が網目状の
多孔質構造になっており、孔径が約1μmであった。断
面のSEM観察より、多孔質層の厚さは約0.7μmで
あった。水銀ポロシメーター(カルロエルバ社2000
型)を用いて、この表面多孔質体の細孔径分布を測定し
たところ、孔径0.9μmにピークを有していた。
【0142】実施例1において、この基材を用いた以外
は、実施例1と同様にして、センサーを製造した。この
センサーを用いて、実施例1と同様にして、ヤケヒョウ
ヒダニ特異IgEの検出を行なったところ、検出感度は
1IU/mlであった。
【0143】
【発明の効果】本発明のセンサーは、センサーとしての
十分な検出感度を有しながら、センシング工程に必要な
洗浄の時間を大幅に短縮することができるので、本発明
のセンサーによれば、測定や検査の効率化が計れる。ま
た、本発明のセンサーの製造方法によれば、センサーと
しての十分な検出感度を有しながら、センシング工程に
必要な洗浄の時間を大幅に短縮することができるセンサ
ーを容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 301Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子からなる基材に分子認識機能
    を有する成分が固定又は担持されたセンサーであって、
    該基材は、その表面に多孔質層を有する非多孔質体から
    なり、該多孔質層は厚さ1〜50μmの範囲にある凝集
    粒子状もしくは網目状の構造を有し、かつ、該多孔質層
    に分子認識機能を有する成分が固定又は担持されている
    ことを特徴とするセンサー。
  2. 【請求項2】 多孔質層の厚さが、3〜30μmの範囲
    にある請求項1記載のセンサー。
  3. 【請求項3】 多孔質層の平均孔径が0.1〜10μm
    の範囲にある請求項1又は2記載のセンサー。
  4. 【請求項4】 分子認識機能を有する成分が、体液に含
    有される成分に対して分子認識機能を有するものである
    請求項1、2又は3記載のセンサー。
  5. 【請求項5】 分子認識機能を有する成分が、抗原又は
    抗体である請求項1、2、3又は4記載のセンサー。
  6. 【請求項6】 1つの基材にもしくは1つの基材中の同
    一被検体に接触する部分に、複数種及び/又は複数濃度
    の分子認識機能を有する成分が固定又は担持された請求
    項1、2、3、4又は5記載のセンサー。
  7. 【請求項7】 基材が、非多孔質体の表面に、平面方向
    に互いに独立した複数の多孔質層領域が形成されてお
    り、複数の該多孔質層領域にそれぞれ異なった種類及び
    /又は濃度の分子認識機能を有する成分が固定又は担持
    された請求項6記載のセンサー。
  8. 【請求項8】 一つの多孔質領域の面積が0.5〜10
    mm2 の範囲にある請求項7記載のセンサー。
  9. 【請求項9】 センサーに固定又は担持された分子認識
    機能領域に被検体を接触させる第1工程、被検体が付着
    したセンサーを洗浄する第2工程、センサーに固定又は
    担持された分子認識機能領域に標識抗体を接触させる第
    3工程、標識抗体を接触させたセンサーを洗浄する第4
    工程、及び、分子認識機能領域における標識抗体の存在
    量を直接又は間接的に測定することにより、測定対象物
    の有無及び/又は存在量を測定する第5工程を含む分析
    方法に使用する請求項1〜9のいずれか1項に記載のセ
    ンサー。
  10. 【請求項10】 (1)可溶性ポリマーを材料とする非
    多孔質体の表面に、該可溶性ポリマーを溶解させる溶剤
    を塗布した後、該溶剤と混和する凝固液であって、該可
    溶性ポリマーを溶解させない凝固液と接触させることに
    よって、被多孔質体の表面に多孔質層を有するセンサー
    基材となす第1工程、及び(2)第1工程で得たセンサ
    ー基材の多孔質層に、分子認識機能を有する成分を固定
    又は担持させる第2工程を有することを特徴とする請求
    項1に記載されたセンサーの製造方法。
  11. 【請求項11】 (1)ポリマー(P)で構成された成
    形物の表面に、ポリマー(P)を溶解又は膨潤させ得る
    溶剤(S)と溶剤(S)に溶解するポリマー(Q)とを
    含有する溶液(I)であって、溶液(I)中のポリマー
    (Q)含有量が0.1〜10重量%の範囲にある溶液
    (I)を塗布した後、該成形物を、ポリマー(P)及び
    ポリマー(Q)の両者を溶解しない凝固液(N)と接触
    させることにより、該成形物の表面に多孔質層を有する
    センサー基材となす第1工程、及び(2)第1工程で得
    たセンサー基材の多孔質層に、分子認識機能を有する成
    分を固定又は担持させる第2工程を有することを特徴と
    する請求項1に記載されたセンサーの製造方法。
  12. 【請求項12】 (1)重合性不飽和二重結合を有する
    化合物(a)を含有する光重合性組成物(A)を基材状
    に賦形した賦形物(B)を形成する第1工程、(2)重
    合性不飽和二重結合を有する化合物(a)とは相溶する
    が、光重合性組成物(A)の重合物を溶解又は膨潤させ
    ない溶剤(C)と、未硬化の賦形物(B)とを接触させ
    た状態で、未硬化の賦形物(B)に活性光線を照射する
    ことによって、重合性不飽和二重結合を有する化合物
    (a)を重合させて、賦形物(B)の硬化物の表面に多
    孔質層を有するセンサー基材となす第2工程、及び
    (3)第2工程で得たセンサー基材の多孔質層に、分子
    認識機能を有する成分を固定又は担持させる第3工程を
    有することを特徴とする請求項1に記載されたセンサー
    の製造方法。
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