JP2000002678A - ヒータのばらつき補正方法及びヒータのばらつき補正装置 - Google Patents

ヒータのばらつき補正方法及びヒータのばらつき補正装置

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JP2000002678A
JP2000002678A JP10171420A JP17142098A JP2000002678A JP 2000002678 A JP2000002678 A JP 2000002678A JP 10171420 A JP10171420 A JP 10171420A JP 17142098 A JP17142098 A JP 17142098A JP 2000002678 A JP2000002678 A JP 2000002678A
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heater
resistance value
voltage
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JP10171420A
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Toshiya Matsuoka
俊也 松岡
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成を複雑化することなく、好適にヒータの
ばらつきを補正できるヒータのばらつき補正方法及びヒ
ータのばらつき補正方法を提供すること。 【解決手段】 空燃比センサのセンサ素子部1を加熱す
るヒータ3のばらつき補正方法であって、ヒータ3に電
圧を印加した直後の突入電流と印加電圧とから、常温に
おけるヒータ3の抵抗値を推定する。次に、この推定し
たヒータ3の抵抗値に基づいて、センサ素子部1の実際
の作動時におけるヒータ3の抵抗値をマップ等から求め
る。次に、この作動時のヒータ3の抵抗値を用い、セン
サ素子部1が所望の温度となる様に、ヒータ3に印加す
る電圧を調節することにより、ヒータ3の発熱状態のば
らつきを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば全領域空燃
比センサやNOXセンサ等において、そのセンサ素子部
を測定に好適な温度に加熱するヒータのばらつき補正方
法及びヒータのばらつき補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば内燃機関の排ガス中の
酸素濃度から内燃機関に供給された燃料混合気の空燃比
を検出する空燃比センサとして、ジルコニア等からなる
板状の固体電解質の両面に多孔質電極を設けたセンサ素
子を用いた酸素センサが知られている。
【0003】この種の酸素センサとしては、センサ素子
の各電極側雰囲気中の酸素分圧が異なる場合に、各電極
間にその酸素分圧比に応じた起電力が発生する所謂電池
素子や、各電極を利用してセンサ素子に電流を流すと、
その電流に応じて一方の電極側(負極)から他方の電極
側(正極)に酸素が汲み出される所謂ポンプ素子を利用
して、周囲雰囲気中の酸素濃度を検出するものがある。
【0004】何れにしても、こうしたセンサ素子を利用
して酸素濃度を検出するには、その素子温度を、600
℃前後の所定の活性温度まで上昇させて、センサ素子を
活性化させる必要がある。そこで、従来では、この種の
酸素センサには、センサ素子を加熱するために、センサ
素子の近傍にヒータが別途設けられており、ヒータに通
電してセンサ素子の加熱を開始し、センサ素子が活性化
した後に、酸素濃度の検出を行なうようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したヒータとして
は、通常、セラミックヒータが使用されているが、この
セラミックヒータは、セラミックグリーンシート上に、
ヒータパターンを印刷し、その後焼成する工程にて製作
されるために、どうしてもヒータの抵抗値(R)にばら
つきが生じるという問題があった。
【0006】そのため、ヒータに同じ電圧(V)を印加
しても、消費電力(=V2/R)が異なるので、センサ
素子の温度にもばらつきが生じてしまい、結果として、
センサの測定精度が低下するという問題があった。この
対策として、例えば完成したヒータの抵抗値を測定し
て、ヒータのランク分けを行ない、そのランクに応じた
抵抗をセンサのコネクタに入れて、ヒータのばらつきを
補正する方法が知られているが、この場合は、補正抵抗
が別途必要となり、構成が複雑化するとともに、コスト
アップにつながるので、必ずしも好ましくない。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みてなされた
ものであり、構成を複雑化することなく、好適にヒータ
のばらつきを補正できるヒータのばらつき補正方法及び
ヒータのばらつき補正方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の発明は、外界の状態を検出
するために用いられるセンサ素子部を加熱するヒータの
ばらつき補正方法であって、前記ヒータに電圧を印加し
た直後の突入電流と印加電圧とから、該ヒータの抵抗値
を推定し、該推定したヒータの抵抗値に基づいて、該ヒ
ータの発熱状態のばらつきを補正することを特徴とする
ヒータのばらつき補正方法を要旨とする。
【0009】一般に、ヒータの電流値は、図3に例示す
る様に、ヒータに電圧を印加した後の時間の経過に伴っ
て変化するが、電圧の印加直後には、非常に大きな電流
が(突入電流)流れる。この突入電流は、ヒータの個々
の特性(主としてヒータの抵抗値)により大きく影響さ
れるので、突入電流を測定することにより、例えば下記
式(1)に基づいて、ヒータの抵抗値を推定することが
できる。
【0010】 ヒータ抵抗値=印加電圧/突入電流 ・・・(1) 従って、本発明では、ヒータに電圧を印加した直後のい
わゆる突入電流とその時の印加電圧とに基づいて、ヒー
タの抵抗値を推定するので、この推定によりヒータの抵
抗値が得られた後には、推定した抵抗値に基づいて、ヒ
ータのばらつきを補正することが可能となる。
【0011】例えば、推定したヒータの抵抗値が目標と
する抵抗値より小さい(又は大きい)場合には、同じ電
圧を加えた場合でも、ヒータの消費電力が目標値より少
ない(又は多い)ので、消費電力(従って発熱量)を増
加(又は減少)するような制御、例えば印加電圧の増加
(又は減少)の制御を行なうことにより、結果として、
ヒータの抵抗値のばらつきを補正して、ヒータの発熱状
態を均一化することができる。
【0012】この方法により、従来の様な補正抵抗を用
いなくても、製造時や経時変化によるヒータの抵抗値の
個々のばらつきを補正することができる。即ち、簡易な
構成でヒータのばらつきを補正できるので、コスト低減
に寄与する。請求項2の発明は、前記推定したヒータの
抵抗値に基づいて、該ヒータに印加する電力を調節する
ことにより、該ヒータの発熱状態のばらつきを補正する
ことを特徴とする前記請求項1に記載のヒータのばらつ
き補正方法を要旨とする。
【0013】本発明は、前記請求項1の発明を例示した
ものであり、ここでは、例えばセンサ素子部の温度を目
標温度とするように、推定したヒータの抵抗値に基づい
て、ヒータに印加する電力を調節することにより、ヒー
タの発熱状態のばらつきを補正する。
【0014】例えば、下記式(2)に示す様に、推定し
たヒータの抵抗値が目標とする抵抗値より小さい(又は
大きい)場合には、同じ印加電圧であっても、ヒータの
消費電力(従って発熱量)が目標値より少ない(又は多
い)ので、印加電圧を高める(又は低める)ことによ
り、消費電力を増加(又は減少)させる制御を行う。
【0015】 消費電力=(印加電圧)2/ヒータ抵抗値・・・(2) これにより、ヒータは目的とする電力の消費が行われる
ので、ヒータの実際の抵抗値にばらつきがあっても、セ
ンサ素子部を所望の好適な温度に加熱することができ
る。
【0016】請求項3の発明は、前記ヒータに印加する
電力の調節を、該ヒータに印加する電圧の調節により行
なうことを特徴とする前記請求項2に記載のヒータのば
らつき補正方法を要旨とする。
【0017】本発明は、前記請求項2の発明を例示した
ものであり、ヒータに印加する電圧を調節することによ
り、所望のヒータの発熱状態とすることができる。請求
項4の発明は、前記ヒータの抵抗値を推定する際の温度
条件と、前記センサ素子部の作動時の加熱の温度条件と
の違いを加味して、前記推定したヒータの抵抗値を補正
することを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記
載のヒータのばらつき補正方法を要旨とする。
【0018】上述した突入電流とは、ヒータに電圧を印
加した際に最初に流れる電流であるので、即ち通常はそ
れまでにヒータによる加熱が行われていないので、図4
に例示する様に、ヒータの抵抗値の推定の際には、ヒー
タ及びセンサ素子部の温度は低い(例えば常温)と見な
すことができる。よって、推定されるヒータの抵抗値
も、常温時の小さな値となる。つまり、単に、突入電流
及びその時の印加電圧を用いてヒータの抵抗値を推定し
ても、その抵抗値は、センサ素子部の使用温度における
ヒータの抵抗値よりも低い可能性がある。
【0019】従って、本発明では、例えば図4に示す様
なヒータ抵抗値の温度特性を考慮し、例えば常温にて推
定したヒータの抵抗値を、センサ素子部の使用温度を考
慮して、例えば高めに補正している。これにより、実際
のセンサ素子部の作動時におけるヒータの抵抗値を正確
に求めることができるので、この作動時における抵抗値
に基づいて、例えば印加電圧を調節することにより、よ
り正確にヒータのばらつきを補正することができる。
【0020】請求項5の発明は、前記ヒータの抵抗値の
推定は、前記センサ素子部が十分に冷えている場合に行
なうことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記
載のヒータのばらつき補正方法を要旨とする。
【0021】図4に例示する様に、ヒータの抵抗値(ヒ
ータ抵抗値)は温度により変化するため、ヒータ抵抗値
を推定するためにはセンサ素子部の温度(素子温度)を
知る必要がある。その手法として、水温センサや排温セ
ンサを用いることが考えられるが、車体が十分に冷え、
大気温度まで下がっていないと、前記センサの温度を素
子温度とすることができない。このため、十分に冷えた
状態で素子温度を推定することで、低温時のヒータ抵抗
値と素子温度とを正確に読み取り、目標とする高温時の
ヒータ抵抗値をより正確に決めることができる。
【0022】ここで、センサ素子部が十分に冷えている
場合とは、例えばヒータがオンの前の状態や、例えば測
定対象である内燃機関が所定期間停止していることによ
り、常温又は常温に近い値にまで低下している状態を示
している。請求項6の発明は、前記ヒータは、セラミッ
クグリーンシート上に、ヒータパターンを形成し、その
後焼成されるセラミックヒータであることを特徴とする
前記請求項1〜4のいずれかに記載のヒータのばらつき
補正方法を要旨とする。
【0023】本発明は、ヒータを例示したものであり、
ここでは、例えばヒータパターンの印刷等の工程により
形成されるセラミックヒータを示している。つまり、印
刷等によりヒータパターンが形成されるタイプのヒータ
は、どうしても抵抗値のばらつきが発生するが、本発明
によれば、ヒータにばらつきがあっても容易に補正する
ことができるので、セラミックヒータの高生産性という
利点を生かすことができる。
【0024】請求項7の発明は、外界の状態を検出する
ために用いられるセンサ素子部を加熱するヒータのばら
つき補正装置であって、前記ヒータに印加する電圧を検
出する電圧検出手段と、前記ヒータに流れる電流を検出
する電流検出手段と、該電流検出手段によって検出され
た電流に基づき、該電流が前記ヒータに電圧を印加した
直後に流れる突入電流か否かを判定する電流判定手段
と、該電流判定手段によって前記突入電流であると判定
された場合には、該突入電流と前記電圧検出手段によっ
て検出された該突入電流に対応する電圧とに基づいて、
前記ヒータの抵抗値を推定する抵抗推定手段と、該抵抗
推定手段によって推定された前記ヒータの抵抗値に基づ
いて、該ヒータの発熱状態のばらつきを補正する補正手
段と、を備えたことを特徴とするヒータのばらつき補正
装置を要旨とする。
【0025】本発明は、前記請求項1の発明を実現する
装置を示したものである。ここでは、電流判定手段(例
えば電流計)により、電流がヒータに電圧を印加した直
後に流れる突入電流か否かを判定し、突入電流であると
判定された場合には、抵抗推定手段により、突入電流と
その時の(例えば電圧計で測定した)印加電圧とに基づ
いてヒータの抵抗値を推定する。そして、補正手段によ
り、この推定されたヒータの抵抗値に基づいて、ヒータ
の発熱状態のばらつきを補正する。
【0026】これにより、前記請求項1の発明と同様な
効果を奏する。即ち、簡易な構成でヒータのばらつきを
補正できる。請求項8の発明は、前記補正手段は、前記
推定したヒータの抵抗値に基づき、前記ヒータに印加す
る電圧を調節して、前記ヒータの発熱状態のばらつきを
補正することを特徴とする前記請求項7に記載のヒータ
のばらつき補正装置を要旨とする。
【0027】本発明は、前記請求項2の発明を実現する
装置を示したものである。ここでは、補正手段により、
推定したヒータの抵抗値に基づいて、例えばセンサ素子
部を目標温度とするように、ヒータに印加する電圧を調
節する。これにより、ヒータの抵抗値に固体差があって
も、センサ素子部に対する加熱状態を均一化することが
できる。即ち、ヒータのばらつきを補正できる。
【0028】ここで、本発明が適用されるヒータを備え
たセンサとしては、例えば内燃機関の排ガスの状態を検
知するセンサ、例えば全領域空燃比センサ(酸素セン
サ)、NOXセンサが挙げられる。また、これ以外に
も、温度によりセンサ素子部の性能が変化する例えば吸
気温センサ、水温センサなどが挙げられる。
【0029】尚、センサ素子部とは、ヒータによる加熱
が必要な箇所を示し、例えばセンサ素子が単一な場合は
その素子を示し、複数のセンサ素子が組み合わされてい
る場合は、組み合わされた構成を示す。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明のヒータのばらつき
補正方法及びヒータのばらつき補正装置の例(実施例)
について、図面に基づいて説明する。 (実施例)本実施例に用いられるヒータは、酸素センサ
である空燃比センサ(全領域空燃比センサ)のセンサ素
子部を活性化温度まで加熱するものである。また、この
空燃比センサは、内燃機関の排気管に取り付けられ、排
気中の酸素濃度から内燃機関に供給された燃料混合気の
空燃比を検出するセンサである。
【0031】a)まず、本実施例のヒータのばらつき補
正装置の構成について、図1に基づいて説明する。図1
に示す様に、センサ素子部1の近傍に配置されたヒータ
3は、バッテリ5から、イグニッションスイッチ7、ヒ
ータ3への印加電圧を調節するヒータドライバ9を介す
る回路11に接続されている。この回路11には、ヒー
タ3に流れる電流を測定するために、電流計13が接続
されている。
【0032】前記電流計13は、周知のマイクロコンピ
ュータとして構成されている電子制御装置(ECU)1
5に接続されている。このECU15には、バッテリ5
の電圧を検出する電圧検出回路17が接続されるととも
に、例えば吸気温センサ19や水温センサ21等の各種
のセンサが接続されている。従って、ECU15には、
バッテリ5の電圧を示す信号、ヒータ3に流れる電流を
示す信号などの各種のセンサ信号等が入力される。
【0033】一方、ECU15には、前記ヒータドライ
バ9が接続されており、ECU15からは、ヒータドラ
イバ9に対して、ヒータ3の印加電圧を調節するための
制御信号が出力される。この電圧の調節には、Duty
制御などを用いることができる。
【0034】b)次に、前記ヒータ3が配置されたセン
サ素子部1について、図2に基づいて説明する。図2に
示す様に、空燃比センサのセンサ素子部1は、固体電解
質基板31aの両側に多孔質電極31b,31cを形成
したセンサ素子(電池素子)31と、同じく固体電解質
基板33aの両側に多孔質電極33b,33cを形成し
た第2のセンサ素子(ポンプ素子)33と、これらの両
素子31,33の間に積層されて測定ガス室35を形成
するスペーサ37とを備えている。そして、ポンプ素子
33の外側には、スペーサ39により所定間隔を空け
て、両素子31,33を加熱するヒータ3が取り付けら
れている。
【0035】前記ポンプ素子33の外側は、多孔質電極
33cに対応する中空部41aを有した絶縁層41に覆
われている。この中空部41aには、多孔質電極33c
を覆う多孔質の電極保護層43が形成されている。一
方、前記電池素子31の外側には、多孔質電極31bを
覆うように固体電解質からなる遮蔽体45が貼り付けら
れている。
【0036】また、ヒータ3の一方の側、即ちポンプ素
子33側には、ヒータパターン3aが設けられ、他方の
側には周知のマイグレーション防止パターン3bが形成
されている。尚、前記スペーサ37には、測定ガス室3
5と外部とを連通するガス拡散制限層47が形成されて
いる。
【0037】上述したヒータ3を製造する場合には、
(ヒータ基板となる)セラミックグリーンシート上に、
例えばタングステンペーストを使用して、印刷によって
ヒータパターン3a(及びマイグレーション防止パター
ン3b)を形成し、その後、各パターン3a,3bを覆
うようにセラミックグリーンシートを積層し、その後焼
成して、セラミックヒータとする。
【0038】c)次に、上述した装置を用いて行われる
ヒータのばらつき補正方法について説明する。 まず、ヒータのばらつきの補正の原理について簡単に
説明する。常温のヒータ抵抗値をRH1、ヒータ3の印加
電圧をVH、電圧VHを印加した場合に到達するヒータ抵
抗値をRH2とする。
【0039】常温で、図3に示す様に、ヒータ3に電圧
VHを印加した場合、ヒータ3には、まずヒータ電流
(突入電流)IH1=VH/RH1が流れ、その後、ヒータ
3の自己発熱と排ガスからの受熱によって、ヒータ3の
温度が上昇する。それに従って、ヒータ抵抗値RHが大
きくなるので、ヒータ3に流れるヒータ電流IHは減少
してゆく。
【0040】このため、ヒータ3に電圧を印加した直後
のヒータ電流(突入電流)IH1と印加電圧VHを読み取
り、それから、周知の下記式(1)に基づいて、ヒータ
抵抗値を算出することができる。 ヒータ抵抗値(RH1)=印加電圧(VH)/突入電流(IH1)・・・(1) 一方、予め、図4に示す様に、常温でのヒータ抵抗値
と、そのヒータ抵抗値がセンサ素子の温度(素子温度)
によりどの様に変化するかという関係(テーブル又は
式)を求めておく。また、図5に示す様に、ヒータに与
える電力(消費電力)と、その電力により素子温度がど
の様に変化するかという関係も求めておく。
【0041】従って、前記式(1)により、常温でのヒ
ータ抵抗値RH1が求まると、例えば図4に示す関係か
ら、センサ動作時の温度における(即ち最終の)ヒータ
抵抗値RH2が求まる。そして、前記図5に示す、ヒータ
3に与える電力と素子温度との関係から、必要な印加電
力を求め、下記式(2)に、センサ動作時の温度におけ
るヒータ抵抗値RH2を用いて、その電力(消費電力)に
対応した印加電圧を求めることができる。
【0042】 消費電力=(印加電圧)2/ヒータ抵抗値・・・(2) よって、この印加すべき電圧をヒータ3に加えることに
より、素子温度を所望の推奨温度、即ち好適にセンサ素
子部1を加熱する温度(活性化温度以上)に調節するこ
とができる。
【0043】この方法によれば、個々のヒータ3毎に、
ヒータ作動時におけるヒータ抵抗値を求めてから、その
ヒータ抵抗値に応じた電圧を印加するので、結果とし
て、ヒータ3の発熱状態のばらつきを補正して、センサ
素子部1を好適な温度に制御することが可能となる。
【0044】次に、実際のヒータのばらつき補正方法
の手順を、図6のフローチャートに基づいて、具体的に
説明する。まず、ステップ100にて、イグニッション
(IG)スイッチ5がオンであるか否かを判定する。こ
こで肯定判断されるとステップ110に進み、一方否定
判断されると一旦本処理を終了する。
【0045】ステップ110では、電流計13の測定値
から、突入電流を検出する。この突入電流の検出は、電
流値の変化が、例えば図3に示す様に、急激に変化した
か否かによって突入電流であるか否かを判定し、この最
大値を突入電流の値IH1とする。
【0046】続くステップ120では、バッテリ5の電
圧検出回路7の出力から、突入電流IH1が発生した際の
印加電圧VHを求める。具体的には、電圧検出回路7に
より検出した電圧(バッテリ電圧)から所定の電圧降下
分を引いたものを印加電圧VHとする。これは、ヒータ
3には大きな電流が流れるので、バッテリ5とヒータ3
との間のハーネスやヒータドライバ9内での電圧降下な
どのために、実際には、バッテリ電圧よりかなり低い電
圧がヒータ3にかかるからである。
【0047】続くステップ130では、前記式(1)を
用い、前記突入電流と印加電圧とから、常温におけるヒ
ータ抵抗値RH1を求める(推定する)。続くステップ1
40では、例えば図4から、センサ作動時の推奨温度に
おけるヒータ抵抗値RH2を推定する。例えば、図4には
上下の2本の線で挟まれた範囲にて、その範囲を上下に
複数の領域に区分する様に複数の補助線が引かれてお
り、この補助線を利用した内挿により、センサ作動時の
推奨温度におけるヒータ抵抗値RH2を求めるのである。
【0048】続くステップ150では、この作動時のヒ
ータ抵抗値RH2に応じて、ヒータ3に加える印加電圧を
調節して、ヒータ3の消費電力を設定し、一旦本処理を
終了する。これにより、所望の素子温度が得られる。具
体的には、例えば前記式(2)によりヒータ3の電力が
決まり、また、目的とする素子温度からヒータ3が消費
すべき電力(従って発熱量)が決まるので、この電力を
加える様に、ヒータ3への印加電圧を調節するのであ
る。
【0049】この様に、本実施例では、突入電流と印加
電圧とから、常温におけるヒータ抵抗値を推定し、この
推定値を用いて、センサ作動時の温度におけるヒータ抵
抗値を補正して求め、このヒータ抵抗値に基づいて、ヒ
ータ3に印加する電圧を設定しているので、ヒータ3の
抵抗値(従って発熱状態)がばらつくような場合でも、
好適に素子温度を所望の温度に加熱することができる。
【0050】つまり、本実施例により、ヒータ3のばら
つきを補正できるので、製造時の個体差や経時変化によ
り、ヒータ3の抵抗値が目標からずれたとしても、ヒー
タ3の発熱状態を常に好適な状態に制御することができ
る。特に、本実施例では、従来の様に、補助抵抗を必要
としないので、構造を簡易化でき、コスト低減に寄与す
るという利点がある。
【0051】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。 (1)例えば、本実施例では、バッテリ電圧を常にモニ
タし、そのバッテリ電圧から予め測定しておいた電圧降
下分を差し引いたものを突入電流を検出する際の印加電
圧としたが、例えば、電圧計等により直接にヒータにお
ける印加電圧を測定してもよい。
【0052】(2)また、本実施例では、常温における
ヒータ抵抗値を例に挙げたが、常温にはかなりの温度範
囲があるので、実際にヒータ抵抗値を推定する際には、
温度センサ(例えば吸気温センサ)により、素子温度を
推定し(吸気温を素子温度とする)、その温度を用い
て、ヒータ抵抗値を推定すると、一層好適である。
【0053】従って、センサ素子部が十分に冷えている
かどうかを判定し、十分に冷えていると判定された場合
に、ヒータ抵抗値を推定することが望ましい。ここで、
センサ素子部が十分に冷えているかの判定条件として
は、例えば、エンジン停止後、所定時間経過していると
いう条件が挙げられる。又は、センサ素子温度を直接又
は間接的に測定し、その測定結果から、センサ素子部の
温度判定を行なってもよい。例えば触媒の温度を検出す
るセンサや、エンジンの冷却水の温度を測定する水温セ
ンサの検出結果から、センサ素子部の温度を推定しても
よい。
【0054】(3)尚、ヒータ抵抗値は、急激な変化は
しないので、ヒータ抵抗値の測定は、頻繁に行なう必要
はない。従って、通常は、前回の値を使用し、前記条件
(即ち精度のよいヒータ抵抗値の推定の条件)が満たさ
れた場合に、ヒータ抵抗値の推定を実施すればよい。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明では、ヒータ
に電圧を印加した直後の突入電流と印加電圧とから、ヒ
ータの抵抗値を推定するので、この推定したヒータの抵
抗値に基づいて、ヒータの発熱状態のばらつきを補正す
ることができる。
【0056】つまり、ヒータの抵抗値が、製造時の個体
差や経時変化によりばらついている場合でも、例えばヒ
ータに印加する電圧を調節することにより、ヒータの発
熱状態を所望の状態とすることができ、それによって、
センサ素子部を所望の温度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のヒータのばらつき補正装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】 空燃比センサのセンサ素子部の一部破断斜視
図である。
【図3】 ヒータ電流の経時変化を示すグラフである。
【図4】 ヒータ抵抗と温度との関係を示すグラフであ
る。
【図5】 ヒータに印加する電力と素子温度と温度との
関係を示すグラフである。
【図6】 ヒータのばらつき補正方法の手順を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1…センサ素子部 3…ヒータ 5…バッテリ 7…電圧検出回路 9…ヒータドライバ 13…電流計 15…電子制御装置(ECU)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外界の状態を検出するために用いられる
    センサ素子部を加熱するヒータのばらつき補正方法であ
    って、 前記ヒータに電圧を印加した直後の突入電流と印加電圧
    とから、該ヒータの抵抗値を推定し、該推定したヒータ
    の抵抗値に基づいて、該ヒータの発熱状態のばらつきを
    補正することを特徴とするヒータのばらつき補正方法。
  2. 【請求項2】 前記推定したヒータの抵抗値に基づい
    て、該ヒータに印加する電力を調節することにより、該
    ヒータの発熱状態のばらつきを補正することを特徴とす
    る前記請求項1に記載のヒータのばらつき補正方法。
  3. 【請求項3】 前記ヒータに印加する電力の調節を、該
    ヒータに印加する電圧の調節により行なうことを特徴と
    する前記請求項2に記載のヒータのばらつき補正方法。
  4. 【請求項4】 前記ヒータの抵抗値を推定する際の温度
    条件と、前記センサ素子部の作動時の加熱の温度条件と
    の違いを加味して、前記推定したヒータの抵抗値を補正
    することを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記
    載のヒータのばらつき補正方法。
  5. 【請求項5】 前記ヒータの抵抗値の推定は、前記セン
    サ素子部が十分に冷えている場合に行なうことを特徴と
    する前記請求項1〜4のいずれかに記載のヒータのばら
    つき補正方法。
  6. 【請求項6】 前記ヒータは、セラミックグリーンシー
    ト上に、ヒータパターンを形成し、その後焼成されるセ
    ラミックヒータであることを特徴とする前記請求項1〜
    5のいずれかに記載のヒータのばらつき補正方法。
  7. 【請求項7】 外界の状態を検出するために用いられる
    センサ素子部を加熱するヒータのばらつき補正装置であ
    って、 前記ヒータに印加する電圧を検出する電圧検出手段と、 前記ヒータに流れる電流を検出する電流検出手段と、 該電流検出手段によって検出された電流に基づき、該電
    流が前記ヒータに電圧を印加した直後に流れる突入電流
    か否かを判定する電流判定手段と、 該電流判定手段によって前記突入電流であると判定され
    た場合には、該突入電流と前記電圧検出手段によって検
    出された該突入電流に対応する電圧とに基づいて、前記
    ヒータの抵抗値を推定する抵抗推定手段と、 該抵抗推定手段によって推定された前記ヒータの抵抗値
    に基づいて、該ヒータの発熱状態のばらつきを補正する
    補正手段と、 を備えたことを特徴とするヒータのばらつき補正装置。
  8. 【請求項8】 前記補正手段は、前記推定したヒータの
    抵抗値に基づき、前記ヒータに印加する電圧を調節し
    て、前記ヒータの発熱状態のばらつきを補正することを
    特徴とする前記請求項7に記載のヒータのばらつき補正
    装置。
JP10171420A 1998-06-18 1998-06-18 ヒータのばらつき補正方法及びヒータのばらつき補正装置 Pending JP2000002678A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009014652A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ制御装置
EP2023132A2 (en) 2007-08-08 2009-02-11 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Gas sensor and air-fuel ratio controller

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