JP2000001991A - ベランダ外壁建て込み装置及びその建て込み方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人手を用いず外壁パネルを搬送供給し、外壁
パネルを損傷することなく、安全且つ簡単に、短時間で
ベランダ外壁を構築するための装置、及びその方法を提
供する。 【解決手段】 ベランダスラブ２に設けたレール１３上
を移動する基台１１と、基台１１に移動可能に支持され
た架台１５とを備えた装置を使用して、この架台１５に
外壁パネル４を載置し、第１及び第２の架台駆動装置１
７、１８により架台１５を傾動させて垂直に保持すると
共に受板駆動装置により高さを調節し、更に架台１５を
前進させて布基礎６上に外壁パネル４を搬送供給し、ベ
ランダ外壁の建て込み作業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、共同住宅や各種ビ
ル等のベランダを有する建築物を建築するにあたり、そ
のベランダ外壁を構築する際に用いるベランダ外壁の建
て込み装置及びその建て込み方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】多層階からなる建築物の各階の構造は、
例えば図１に示すように、床スラブ１の上に床パネル又
はコンクリート板が載置され、床スラブ１の外部延長上
に若干下方に傾斜したベランダスラブ２が設けられ、こ
のベランダスラブ２の先端に垂直方向に手摺壁３が取り
着けられている。床スラブ１とベランダスラブ２の間の
ビル本体には開口部分５が設けてあり、この開口部分５
に後から外壁パネルを固定することにより、窓部を有す
るベランダ外壁を構築している。

【０００３】このように建築物にベランダ外壁を構築す
る場合、従来から一般に行われている方法では、外壁パ
ネルをクレーン等により吊り上げてベランダスラブ上に
引き込んだ後、複数の作業者により外壁パネルを狭いベ
ランダを通って搬送し、外壁パネルを布基礎の上に載せ
て金具等で固定していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、ベラ
ンダ外壁を構築するためには、外壁パネルを１枚ずつ人
手によって建て込み位置の布基礎上に搬送しなければな
らなかった。そのため、この建て込み作業が危険である
うえ、繁雑で長時間を要していた。また、建て込み作業
中に、外壁パネルが手摺壁等にあたって損傷しやすかっ
た。

【０００５】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
人手を用いないで外壁パネルを建て込み位置に搬送供給
でき、外壁パネルを損傷することなく、安全且つ簡単
に、短時間でベランダ外壁を構築することができる、ベ
ランダ外壁建て込み装置及びその建て込み方法を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明が提供する装置は、建築物のベランダ外壁の
建て込み位置に外壁パネルを搬送供給するベランダ外壁
の建て込み装置であって、レール上を移動可能な基台
と、下端部を基台の前面に且つ上端部を基台の上方に位
置せしめて基台に移動可能に支持された、外壁パネルを
載置する四角枠状の架台と、架台の両側枠の間の下端に
設けられた外壁パネルの受板と、架台の両側枠に固定さ
れ、受板を両側枠に沿い上下移動させる受板駆動装置
と、架台の下端部を支持して移動させる基台に固定され
た第１の架台駆動装置と、架台の中間部又は上端部を支
持して移動させる基台に固定された第２の架台駆動装置
とを備え、該第１及び第２の架台駆動装置により架台が
傾動及び前後動することを特徴とする。

【０００７】このベランダ外壁建て込み装置は、前記基
台がレール上を走行する車輪を備えると共に、該レール
の凹部に係合するＬ字状の転倒防止ストッパーを有する
ものであってよい。また、この装置は、前記基台の両側
部に立設した支柱と、両側の支柱の間に固定された横梁
とからなり、前記架台の上端部を受け止める支持フレー
ムを備えることができる。

【０００８】本発明のベランダ外壁建て込み方法は、上
記のベランダ外壁建て込み装置を建築物のベランダスラ
ブに付設したレール上に架台を内側に向けて据え付け、
傾斜させた架台に外壁パネルを載置し、該装置をベラン
ダ外壁の建て込み位置の前に移動させた後、架台上の外
壁パネルを第１及び第２の架台駆動装置により傾動させ
て垂直に保持すると共に受板駆動装置により高さを調節
し、更に第１及び第２の架台駆動装置により布基礎上に
前進させて、外壁パネルを建て込むことを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明では、ベランダ外壁建て込
み装置を建築物のベランダスラブ上に設置して、その架
台に外壁パネルを保持し、建て込み位置に機械的に搬送
して供給するので、外壁パネルを損傷することがなく、
安全且つ簡単にベランダ外壁を構築することができる。

【００１０】本発明のベランダ外壁建て込み装置につい
て、図２に示す具体例を参照して詳しく説明する。この
装置の基台１１は車輪１２を備え、ベランダスラブ２上
に付設したレール１３に沿って移動できるようになって
いる。この場合、レール１３の凹部に係合するＬ字状の
転倒防止ストッパー１４を基台１１に取り付けることが
好ましい。尚、車輪１２の代わりに基台１１の下面に連
続した溝部を設け、この溝部にレール１３を係合させた
状態で、基台１１をレール１３に沿って移動させること
も可能である。

【００１１】外壁パネル４を載置する架台１５は、鋼製
の角材を四角枠状に組み合わせたものであり、その下端
部１５ａを基台１１の前面に且つ上端部１５ｃを基台１
１の上方に位置せしめた状態で配置されている。また、
この架台１５の下端には、両側枠の間の横（幅）方向全
長にわたって外壁パネル４の受板１６が設けてあり、架
台１５の両側枠に沿い上下に移動できるようになってい
る。

【００１２】この四角枠状の架台１５は、基台１１に固
定した第１の架台駆動装置１７及び第２の架台駆動装置
１８によって、基台１１に対して移動できるように支持
されている。即ち、架台１５の下端部１５ａは第１の架
台駆動装置１７に、及び中間部１５ｂ又は上端部１５ｃ
は第２の架台駆動装置１８にそれぞれ連結され、第１及
び第２の架台駆動装置１７、１８を駆動することによ
り、架台１５の傾斜角度を変えるように傾動させ、また
架台１５を前後に移動させることができる。架台１５の
両側枠には受板駆動装置１９が固定してあり、架台１５
の下端に設けた受板１６を両側枠に沿い上下に移動でき
るようになっている。

【００１３】これらの第１及び第２の架台駆動装置１
７、１８、及び受板駆動装置１９としては、油圧シリン
ダー等の通常の駆動装置を使用できる。ただし、図２の
具体例では、第１の架台駆動装置１７として、モータ１
７ａによってギヤ駆動するシリンダーが図示してある。

【００１４】このベランダ外壁建て込み装置には、基台
１１の両側部に鋼製角材の支柱２０ａを立設し、この両
側の支柱２０ａの間に横梁２０ｂを差し渡して固定する
ことにより、架台１５の上端部１５ｃが当接し得る支持
フレーム２０を設けることができる。架台１５に外壁パ
ネル４を載置する際に、支持フレーム２０の横梁２０ｂ
に架台１５の上端部１５ｃを当接させておけば、外壁パ
ネル４の重量や衝撃を受け止めて、架台１５及び第２の
架台駆動装置１８の損傷を防ぎ、あるいは基台１１がレ
ール１３に乗せてある場合にも装置全体が架台１５の反
対側に転倒することを防止できる。

【００１５】尚、前記Ｌ字状の転倒防止ストッパー１４
も装置の転倒を防ぐものであり、図２には架台１５側へ
の転倒を防止できる位置に転倒防止ストッパー１４を設
けた装置が図示されているが、上記支持フレーム２０の
場合と同様に架台１５と反対側への転倒を防止するよう
に逆の位置に取り付けることも可能である。また、図２
では第２の架台駆動装置１８を基台１１に固定してある
が、この第２の架台駆動装置１８を支持フレーム２０に
固定して、架台１５の上端部１５ｃに連結支持すること
もできる。

【００１６】次に、本発明のベランダ外壁の建て込み方
法を、図２のレール上を走行する装置を例にとって具体
的に説明する。まず、図１に示すように、マンション等
の建築物のベランダスラブ２上に、２本のレール１３を
ほぼ水平に施設する。その後、手摺壁３を一部開放した
箇所からクレーン等によって本装置を搬入し、レール１
３上に車輪１２を乗せて据え付ける。この場合、外壁パ
ネル４を載置する架台１５が建築物の内側に来るように
する。

【００１７】外壁パネル４は、例えば長さ４２００ｍ
ｍ、幅２４００ｍｍ、厚さ１５８ｍｍ程度のＡＬＣパネ
ルからなる。この外壁パネル４をクレーン等で手摺壁３
の一部開放された箇所から引き込み、本装置の架台１５
に載置する。このときの架台１５は、図２に示すように
支持フレーム２０の横梁２０ｂに当接した状態とし、架
台１５と基台１１の表面のなす角度を６０〜７５度とす
ることが好ましい。

【００１８】その後、架台１５に保持された外壁パネル
４を基台１１ごとレール１３上を移動させ、ベランダ外
壁の建て込み位置に対向させて停止させる。この位置
で、第１及び第２の架台駆動装置１７、１８により架台
１５を傾動させて垂直に保持し、更に受板駆動装置１９
により架台を上昇させて外壁パネル４の下端を建て込み
位置の布基礎６に合わせる。最後に、第１及び第２の架
台駆動装置１７、１８により架台１５を前進させ、外壁
パネル４を布基礎６の上に供給し、金具等で固定してベ
ランダ外壁を構築する。

【００１９】このようにして１枚の外壁パネル４の建て
込みが終了したら、架台１５を後退及び傾動させて元の
位置に戻し、本装置を外壁パネル４の受け取り位置まで
移動させる。この作業を繰り返して、全てのベランダ側
の開口部分５に外壁パネル４を建て込むことができる。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、人手によらず機械的に
外壁パネルを建て込み位置に搬送供給できるので、外壁
パネルを損傷することなく、安全且つ簡単に、短時間で
ベランダ外壁を構築することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるベランダ外壁の建て込みを説明す
るための概略の一部切欠側面図である。

【図２】本発明のベランダ外壁建て込み装置の具体例を
示す概略の側面図である。

【符号の説明】

１ 床スラブ ２ ベランダスラブ ３ 手摺壁 ４ 外壁パネル ５ 開口部分 ６ 布基礎 １１ 基台 １３ レール １４ 転倒防止ストッパー １５ 架台 １６ 受板 １７ 第１の架台駆動装置 １８ 第２の架台駆動装置 １９ 受板駆動装置 ２０ 支持フレーム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2E174 AA03 BA01 CA03 CA06 CA12 CA24 CA25 CA30 CA42 CA43 DA11 DA14 DA51 DA67 EA02

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築物のベランダ外壁の建て込み位置に
   外壁パネルを搬送供給するベランダ外壁の建て込み装置
   であって、レール上を移動可能な基台と、下端部を基台
   の前面に且つ上端部を基台の上方に位置せしめて基台に
   移動可能に支持された、外壁パネルを載置する四角枠状
   の架台と、架台の両側枠の間の下端に設けられた外壁パ
   ネルの受板と、架台の両側枠に固定され、受板を両側枠
   に沿い上下移動させる受板駆動装置と、架台の下端部を
   支持して移動させる基台に固定された第１の架台駆動装
   置と、架台の中間部又は上端部を支持して移動させる基
   台に固定された第２の架台駆動装置とを備え、該第１及
   び第２の架台駆動装置により架台が傾動及び前後動する
   ことを特徴とするベランダ外壁建て込み装置。
2. 【請求項２】 前記基台がレール上を走行する車輪を備
   えると共に、該レールの凹部に係合するＬ字状の転倒防
   止ストッパーを有することを特徴とする、請求項１に記
   載のベランダ外壁建て込み装置。
3. 【請求項３】 前記基台の両側部に立設した支柱と、両
   側の支柱の間に固定された横梁とからなり、前記架台の
   上端部を受け止める支持フレームを備えることを特徴と
   する、請求項１又は２に記載のベランダ外壁建て込み装
   置。
4. 【請求項４】 請求項１に記載のベランダ外壁建て込み
   装置を建築物のベランダスラブに付設したレール上に架
   台を内側に向けて据え付け、傾斜させた架台に外壁パネ
   ルを載置し、該装置をベランダ外壁の建て込み位置の前
   に移動させた後、架台上の外壁パネルを第１及び第２の
   架台駆動装置により傾動させて垂直に保持すると共に受
   板駆動装置により高さを調節し、更に第１及び第２の架
   台駆動装置により布基礎上に前進させて、外壁パネルを
   建て込むことを特徴とするベランダ外壁建て込み方法。