JP2000001358A - 常温固化無機材料調合物 - Google Patents

常温固化無機材料調合物

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JP2000001358A JP29536698A JP29536698A JP2000001358A JP 2000001358 A JP2000001358 A JP 2000001358A JP 29536698 A JP29536698 A JP 29536698A JP 29536698 A JP29536698 A JP 29536698A JP 2000001358 A JP2000001358 A JP 2000001358A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温に加熱する必要なく固化体とし得る無機材
料調合物を提供する。 【解決手段】消石灰と、Al23が7〜17質量%、ア
ルカリ金属酸化物又は/及びアルカリ土類金属酸化物が
2〜10質量%、灼熱減量が1〜6質量%、SiO2
実質残部の組成を有する風化した花崗岩の粉末とが混合
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温下で固化して
固化体とし得る常温固化無機材料調合物に関する。この
常温固化無機材料調合物は、土木工事又は建築工事にお
いて、水等と混練して所定形状に成形し、これを固化し
て得られる固化体として利用可能である。また、固化体
は、内装材、外装材等として製品化されたり、壁、床、
建造物等として製品化され得る。
【0002】
【従来の技術】内装材や外装材等に用いられるタイル等
の陶磁器や煉瓦等の耐火物に代表される従来のセラミッ
クス製品は、一般的には、天然に産出される粘土等の無
機材料原料を水とともに所定割合で調合・混練して所定
形状に成形し、こうして得られる成形体を高温に加熱す
ることにより固相反応、焼結、溶融、結晶成長等を生じ
しめて固化させている。
【0003】また、ブロックを成形したり、生コン等と
して壁や床等を施工する際に用いられたりするセメント
は、一般的には、SiO2、Al23、Fe23、Ca
Oを含む原料を所定割合で調合し、こうして得られる調
合物を溶融するまで高温に加熱することによりクリンカ
ーとし、このクリンカーをセッコウ(CaSO4・2H2
O)とともに粉末状に粉砕してなる。このセメントは、
砂や小石等を骨材とし、水等とともに混練されてセメン
トペーストとされる。そして、セメントペーストは、セ
メント中のC2S(2CaO・SiO2)、C3S(3C
aO・SiO2)等の化合物が水和反応してC32
3(3CaO・2SiO2・3H2O)等の固体水和物を
生じ、凝結及び硬化により固化する。この際、セッコウ
は凝結の時間調整を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のセラミ
ックス製品は所定形状で固化させるため、またセメント
はクリンカーを得るために、調合物を高温に加熱しなけ
ればならない。このため、これらにより内装材、外装
材、壁、床、建造物等の固化体を得ようとする場合に
は、大量のエネルギーの消費を生じ、環境上好ましくな
い。
【0005】本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされ
たものであって、高温に加熱する必要なく固化体とし得
る無機材料調合物を提供することを解決すべき課題とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の常温固化無機材
料調合物は、消石灰と、Al23が7〜17質量%、ア
ルカリ金属酸化物又は/及びアルカリ土類金属酸化物が
2〜10質量%、灼熱減量が1〜6質量%、SiO2
実質残部の組成を有する風化した花崗岩の粉末とが混合
されてなることを特徴とする。
【0007】本発明の常温固化無機材料調合物では、消
石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH)2)が常温下で
炭酸化反応により炭酸カルシウム(CaCO3)を生成
する。また、風化した花崗岩の粉末(砂婆土、真砂土、
ヘナ土ともいう。)は常温下で水和反応してCSH(C
xSyHz;xCaO・ySiO2・zH2Oの意であ
る。x、y及びzは固体水和物として存在し得る正
数。)、CAH(CxAyHz;xCaO・yAl23
・zH2Oの意である。x、y及びzは固体水和物とし
て存在し得る正数。)、CASH(CwAxSyHz;
wCaO・xAl23・ySiO2・zH2Oの意であ
る。w、x、y及びzは固体水和物として存在し得る正
数。)等の固体水和物を生成する。この固体水和物は、
CSH、CAH、CASH等におけるCa、Si又はA
lの一部がアルカリ金属、アルカリ土類金属、非金属元
素又は遷移元素と置換されたものである場合もあり得
る。これら消石灰と風化した花崗岩の粉末とは混合され
てなることから、両反応は同時期又はほぼ同時期に進行
し、互いに他方の反応を促進し合うと考えられる。ま
た、これらの反応により生じる炭酸カルシウムと固体水
和物とは、一方が他方の相間を補強し合ったり、新たな
固体水和物を生じたりして固化体になると考えられる。
新たな固体水和物は、結晶である場合の他、非結晶であ
る場合もあり得、消石灰及び風化した花崗岩の粉末から
生じる炭酸カルシウム及び固体水和物の中間的な組成を
有する場合もあり得る。
【0008】こうして、この常温固化無機材料調合物で
は常温下で固化が進行する。このため、この常温固化無
機材料調合物によれば、高温に加熱する必要なく内装
材、外装材、壁、床、建造物等の固化体を得ることがで
きることから、固化体を得るためのエネルギーの消費を
極力抑制することができ、優れた環境保全性を発揮する
ことができる。
【0009】発明者らの試験結果によれば、本発明の常
温固化無機材料調合物はNaCl、MgCl2、Fe2
3及びAl(OH)3及びの少なくとも1種を含むことが
好ましい。NaCl及びMgCl2は固化体の強度を向
上させる。
【0010】
【発明の実施の形態】消石灰としては工業用のものを採
用することができる。他方、風化した花崗岩の粉末とし
て容易に入手可能なものの組成(質量%)を表1に示
す。
【0011】
【表1】
【0012】表1より、風化した花崗岩の粉末の組成
は、Al23が7〜17質量%、アルカリ金属酸化物又
は/及びアルカリ土類金属酸化物が2〜10質量%、灼
熱減量(Ignition loss。以下、Iglo
ssという。)が1〜6質量%、SiO2が実質残部
と、認識できる。実質とはFe23、TiO2等を含み
得る意である。このうち、発明者らの試験結果によれ
ば、風化した花崗岩の粉末の組成は、Al23が9〜1
5質量%、アルカリ金属酸化物又は/及びアルカリ土類
金属酸化物が3〜9質量%、Iglossが1〜3質量
%、SiO2が実質残部であることが固化体の強度確保
の点で好ましい。なお、風化した花崗岩の粉末は、アル
カリ金属酸化物としてはNa2O及びK2Oを含み、アル
カリ土類金属酸化物としてはCaO及びMgOを含む。
なお、アルカリ金属酸化物としてLi2Oを含むもの、
アルカリ土類金属酸化物としてBeO、SrO又はBa
Oを含むものも採用し得る。また、風化した花崗岩の粉
末の主な構成相は、XRD観察によれば、石英、ソーダ
長石、正長石、雲母、カオリン鉱物及び緑泥石である。
また、この粉末は角閃石を構成相として含むこともでき
る。また、表1に示した風化した花崗岩の粉末の一部の
粒度分布(頻度(%)、積算量(%))を図1に示す。
【0013】発明者らが確認した結果、花崗岩の粉末は
風化の程度の小さいものであることが固化体の強度確保
の点で好ましい。風化とは、風雨や気温の変化等の影響
及び植物やバクテリアの存在により岩石が変質し、分解
される過程である。この風化は構成相の部分的な粘土化
として表れていると考えられる。構成相の部分的な粘土
化は、まず大きな粒径の粉末の表面で水和物の生成を生
じ、これにより小さな粒径の粉末を生じ、さらに全体の
粉末の表面で水和物を生じて進行していくものと考えら
れる。このため、表1に示すIglossが粉末の表面
に存在する水和物の量を相対的に示すと考えられ、Ig
lossの量が多い程、風化が進行していると考えられ
る。また、発明者らがTG−DTA観察により上記花崗
岩の粉末の脱水挙動を確認した結果、60°C付近及び
150°C付近にピークをもつ脱水反応が得られたこと
から、これら花崗岩の粉末の風化は粉末の表面にハロイ
サイト又はモンモリロライトを生成することで進行して
いると考えられる。
【0014】また、本発明の常温固化無機材料調合物
は、砂、小石、ガラス繊維、タイル廃材、カレット等の
骨材を含むことにより固化体の強度を向上し得ると考え
られる。この意味において、風化した花崗岩の粉末の最
大粒径が固化体に作用する荷重方向の寸法に対して1/
5程度であることが固化体の強度確保の点で好ましい。
固化体は、通常、5MPa以上の圧縮強度を必要とする
ため、本発明の常温固化無機材料調合物は消石灰が5重
量%以上混合されてなることが好ましい。他方、消石灰
は比較的高価であり、消石灰が30重量%程度で固化体
の圧縮強度はほぼ飽和状態となるため、本発明の常温固
化無機材料調合物は消石灰が30重量%以下混合されて
なることが好ましい。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例1、2を図
面を参照しつつ説明する。 (実施例1) 「調合物の調製」表2に示す割合(質量%)で原料1と
消石灰とをモルタル混合用のミキサーを用いて混合し、
各調合物1〜17を得る。このときに、一度に混合する
量は最大5kgとした。ここで、原料1は表1に組成を
示す風化した花崗岩の粉末である。
【0016】但し、調合物13、14では、粉末状の水
酸化アルミニウム5質量部を85質量部の原料1及び1
0質量部の消石灰に対して同時に添加した。
【0017】
【表2】
【0018】「混練物の調製」次いで、ミキサー中の調
合物1〜17に水等を添加する。このとき、各調合物1
〜17に対して水が8質量%となるようにしている。そ
して、ミキサーにて混練し、各調合物1〜17に対応し
て各混練物1〜17を得る。但し、調合物3、6、14
では、水82.5gにNaCl15g及びMgCl
22.5gを溶解した水溶液としてNaCl及びMgC
2を添加した。この水溶液は海水を濃縮したものに近
い組成を有しており、無尽蔵にある海水の有効利用及び
製造コストの低減を図るために用いている。
【0019】調合物5では、水96.5gにNaCl3
g及びMgCl20.5gを溶解した水溶液としてNa
Cl及びMgCl2を添加した。この水溶液も海水に近
い組成を有している。調合物7では、水96.5gにM
gCl23.5gを溶解した水溶液としてMgCl2を添
加した。
【0020】調合物8では、水82.5gにMgCl2
17.5gを溶解した水溶液としてMgCl2を添加し
た。調合物9では、濃度0.12%で水中にSiO2
含む水溶液として珪酸イオンを添加した。この水溶液は
スラグを処理して生じる高Si液である。調合物10で
は、上記高Si液96.5gにNaCl3g及びMgC
20.5gを溶解した水溶液として珪酸イオン、Na
Cl及びMgCl2を添加した。
【0021】調合物11では、上記高Si液82.5g
にNaCl15g及びMgCl22.5gを溶解した水
溶液として珪酸イオン、NaCl及びMgCl2を添加
した。調合物12では、上記高Si液82.5gにNa
Cl15g、MgCl22.5g及び濃度30%でNH3
を含むアンモニア水2gを溶解した水溶液として珪酸イ
オン、NaCl、MgCl2及びNH4OHを添加した。
【0022】調合物15に添加した硬化剤はコンクリー
トの硬化のために用いられる液体(pH10.5程度で
あり、水中にCl-、Na+、K+、NH4 +、NO3 -等を
含み、pH緩衝能力を有する。)であり、調合物15に
よる混練物15が酸性条件下で炭酸カルシウム及び固体
水和物を生成しにくくなることを防止するために用いて
いる。硬化剤中の水分が100質量部の調合物15に対
して3質量部となるように、市販の原液を混練時に添加
した。
【0023】調合物16では、濃度50%で市販の水ガ
ラス(JIS K1408の3号に準ずるソーダ系水ガ
ラス;SiO2が28〜30質量%、Na2Oが9〜10
質量%、Fe23が0.02質量%未満、水が残部)を
含む水溶液として水ガラスを添加した。調合物17で
は、水82.5gにNaCl15g、MgCl22.5
g及び濃度30%でNH3を含むアンモニア水2gを溶
解した水溶液としてNaCl、MgCl2及びNH4OH
を添加した。 「混練物の成形・固化」各混練物1〜17をモルタル試
験用の160×40×40mm3の容積の3連型に同一
質量充填し、油圧式プレスにより30MPaで1軸加圧
成形する。これにより各混練物1〜17の粒子間の間隙
を小さくして粒子の界面を接近させる。こうして、各混
練物1〜17に対応して160×40×約20mm3
成形体1〜17を得る。
【0024】そして、温度25°C、湿度(RH)80
%の恒温恒湿器中において、7〜28日間、各成形体1
〜17の養生を行う。こうして、各成形体1〜17に対
応して固化体1〜17を得る。 「評価」各固化体1〜17について、養生日数の増加に
伴う曲げ強度(MPa)、圧縮強度(MPa)及び嵩密
度(g/cm3)の測定並びに生成相の確認を行った。
【0025】なお、曲げ強度の測定は、材料試験機(A
&D TENSILON RTM−500)を使用し、
支点間隔120mm、クロスヘッドスピード0.5mm
/分で3点曲げにて行った。圧縮強度の測定は、電子式
万能試験機(CATY YONEKURA)を用い、曲
げ強度試験後の一の固化体を使用し、クロスヘッドスピ
ード0.5mm/分で行った。生成相の確認は、粉末X
線回折装置(RIGAKU RAD−B)を用いてXR
Dにより行った。
【0026】測定した曲げ強度を表3及び図2に示す。
【0027】
【表3】
【0028】測定した圧縮強度を表4及び図3に示す。
【0029】
【表4】
【0030】表3、4及び図2、3より、何ら添加物を
添加していない調合物1に比して、他の調合物では時間
の経過とともに固化体の圧縮強度が向上していくことが
わかる。また、固化体3、5、6、7、8、10、1
1、12、14、17では、これらの調合物に塩化物を
添加しているため、高い圧縮強度を発揮できることもわ
かる。さらに、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金
属化合物を添加すれば、時間の経過による固化体の圧縮
強度の向上度合いを小さくしつつ、炭酸化反応の促進に
より安定した固化体の圧縮強度を確保できることもわか
る。また、ケイ酸塩又はアルミン酸を添加すれば、時間
の経過による固化体の圧縮強度の向上度合いを大きくし
つつ、水和反応の促進により安定した固化体の圧縮強度
を確保できることもわかる。
【0031】測定した密度を表5及び図4に示す。
【0032】
【表5】
【0033】表5及び図4より、原料1に対して消石灰
の量が増すと、消石灰の真比重に起因して固化体の嵩比
重が低下することがわかる。また、原料1に10質量%
消石灰を混合した調合物による固化体では、28日間養
生することにより、嵩密度が1.97〜2.02g/c
3であり、消石灰を10質量%混合すれば、固化体の
嵩密度は1.95〜2.05g/cm3で落ち着くと思
われる。こうして消石灰を10質量%混合すれば固化体
の嵩密度にさほどの変化はないが、他の成分の含有、特
にAl(OH)3の添加により、固化体の強度が著しく
増加する。これにより、他の成分、特にAl(OH)3
が固体水和物の生成に起因する可能性がある。
【0034】生成相を確認したところ、全固化体1〜1
7において、Ca4Al26CO311H2Oの生成が確
認された。こうしてこれら固化体1〜17は、原料1か
らは本来生じ得ない新たな固体水和物を生じて高い強度
を発揮していると考えられる。また、固化体1、2、4
では、Ca(OH)2及びCaCO3のピーク強度が増加
していた。これは消石灰の含有割合が増加しているため
である。他方、固化体3、5、6、7、8、10、1
1、12、14、17では、Ca4Al26Cl210H
2Oの生成が確認された。これは塩化物を添加している
からである。また、これらCaCO3のピーク強度か
ら、塩化物の添加により定性的にCaCO3の生成が促
進されていると思われる。
【0035】したがって、各調合物1〜17によれば、
常温下で固化が進行して固化体1〜17を得ることがで
きることがわかる。このため、かかる調合物1〜17を
用いれば、高温に加熱する必要なく内装材等の固化体を
得ることができることから、固化体を得るためのエネル
ギーの消費を極力抑制することができ、優れた環境保全
性を発揮することができる。
【0036】養生7日の固化体1、8について、CO2
定量(JIS R9011)を行い、添加物による炭酸
化促進の有無を評価した。CO2定量は各固化体1、8
のCO2質量含有率(%)で求めた。また、各固化体
1、8中のCO2が全てCaと反応していると仮定して
計算したCaとCO2とのモル反応率(%)も求めた。
結果を表6に示す。
【0037】
【表6】
【0038】表6等より、塩化物による固化体の強度発
現の傾向として、塩化物添加により固化体の強度が増強
し、塩化物の添加量を増すことで固化体の養生初期の強
度発現を促進できることがわかる。この理由として、調
合物への塩化物の添加により、固化体は炭酸化物の生成
が促進されることが考えられる。海中における炭酸化物
の生成は溶解しているアルカリ等が原因となってCO2
の溶解度が上昇するために起こると考えられているた
め、塩化物を添加した調合物中のNa、Mgにより、調
合物中でCO2の溶解度が上昇し、Ca2+とCO3 2-との
反応析出が促進されたものと考えられる。 (実施例2) 「調合物の調製」実施例1と同様、表7に示す割合(質
量%)で原料1と消石灰とを混合し、各調合物18〜2
3を得る。ここで、原料1は表1に組成を示す風化した
花崗岩の粉末である。
【0039】
【表7】
【0040】「混練物の調製」次いで、実施例1と同
様、各調合物18〜23に対して水が8質量%となるよ
うに調合物18〜23に水を添加し、各調合物18〜2
3に対応して各混練物18〜23を得る。 「混練物の成形・固化」また、実施例1と同様、各混練
物18〜23を1軸加圧成形し、各混練物18〜23に
対応して成形体18〜23を得る。
【0041】そして、温度25°C、湿度(RH)80
%の恒温恒湿器中において、7日間、各成形体18〜2
3の養生を行う。こうして、各成形体18〜23に対応
して固化体18〜23を得る(n=3)。 「評価」各固化体18〜23により、消石灰の割合(質
量%)と圧縮強度(MPa)との関係を求めた。結果を
表7及び図5に示す。図5中のエラーバーはn=3にお
ける最大値及び最小値を示している。なお、圧縮強度の
測定は、電子式万能試験機(CATY YONEKUR
A)を用い、クロスヘッドスピード0.5mm/分で行
った。
【0042】表7及び図5より、固化体18では圧縮強
度が非実用的な1.0MPaであるのに対し、固化体1
9〜23では圧縮強度が実用的な5MPa以上である。
また、消石灰が30重量%の固化体21付近で圧縮強度
がほぼ飽和状態となっている。このため、消石灰が5重
量%以上混合されてなる調合物で固化体を製造すること
が好ましいことがわかる。特に、消石灰は比較的高価で
あるため、消石灰が30重量%以下混合されてなる調合
物により固化体を製造することが好ましいことがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】風化した花崗岩の粉末の粒度分布に係り、
(A)は粒径と頻度との関係を示すグラフ、(B)は粒
径と積算量との関係を示すグラフである。
【図2】実施例1に係り、養生日数の増加に伴う固化体
の曲げ強度の変化を示すグラフである。
【図3】実施例1に係り、養生日数の増加に伴う固化体
の圧縮強度の変化を示すグラフである。
【図4】実施例1に係り、養生日数の増加に伴う固化体
の嵩密度の変化を示すグラフである。
【図5】実施例2に係り、消石灰の割合と固化体の圧縮
強度との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前浪 洋輝 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 Fターム(参考) 4G012 PA03 PA04 PA06 PA08 PA11 PA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消石灰と、Al23が7〜17質量%、ア
    ルカリ金属酸化物又は/及びアルカリ土類金属酸化物が
    2〜10質量%、灼熱減量が1〜6質量%、SiO2
    実質残部の組成を有する風化した花崗岩の粉末とが混合
    されてなることを特徴とする常温固化無機材料調合物。
  2. 【請求項2】風化した花崗岩の粉末の組成は、Al23
    が9〜15質量%、アルカリ金属酸化物又は/及びアル
    カリ土類金属酸化物が3〜9質量%、灼熱減量が1〜3
    質量%、SiO2が実質残部であることを特徴とする請
    求項1記載の常温固化無機材料調合物。
  3. 【請求項3】風化した花崗岩の粉末の構成相は、石英、
    ソーダ長石、正長石、雲母、カオリン鉱物及び緑泥石で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の常温固化無
    機材料調合物。
  4. 【請求項4】NaCl、MgCl2、Fe23及びAl
    (OH)3の少なくとも1種を含むことを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の常温固化無機材料調合物。
  5. 【請求項5】消石灰が5重量%以上混合されてなること
    を特徴とする請求項1、2、3又は4記載の常温固化無
    機材料調合物。
  6. 【請求項6】消石灰が30重量%以下混合されてなるこ
    とを特徴とする請求項5記載の常温固化無機材料調合
    物。
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