JPH0632642A - セメント組成物 - Google Patents

セメント組成物

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JPH0632642A
JPH0632642A JP20702692A JP20702692A JPH0632642A JP H0632642 A JPH0632642 A JP H0632642A JP 20702692 A JP20702692 A JP 20702692A JP 20702692 A JP20702692 A JP 20702692A JP H0632642 A JPH0632642 A JP H0632642A
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acid
pts
carbonate
calcium aluminate
parts
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JP20702692A
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English (en)
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Yukio Sasagawa
幸男 笹川
Kazuhiro Kaizaki
和弘 海崎
Sumio Ogawa
澄夫 小川
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • C04B28/06Aluminous cements

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐火コンクリートや耐火キャスタブルなど
の耐火物分野を初めとし、土木・建材分野などに広く使
用可能である、流動性、可使時間、硬化時間、及び強度
発現性を確保するセメント組成物を提供すること。 【構成】 カルシウムアルミネート、ポリアクリル酸
類、ホウ酸類、炭酸塩、及びカルボン酸類を含有してな
るセメント組成物を構成とする。 【効果】 本発明のセメント組成物は、従来品では達
成することが出来なかった、セメントが本来要求されて
いる機能、特に流動性と可使時間が長く取れ、適度な硬
化時間と良好な強度発現といった機能を十分満足出来
る。等の効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント組成物に関
し、さらに詳しくは、流動性、可使時間、硬化時間、及
び強度発現性を確保するセメント組成物に関する。
【0002】本発明のセメント組成物を使用したセメン
トは、耐火コンクリートや耐火キャスタブルなどの耐火
物分野を初めとし、土木・建材分野などに広く使用可能
である。
【0003】
【従来の技術とその課題】従来から、アルミナセメント
の流動性、可使時間、硬化時間、及び強度発現性を良好
にするために、糖類、カルボン酸類、リン酸類、及びホ
ウ酸類等のアルミナセメントの硬化調整剤を併用したア
ルミナセメント(1962年発行、HIGH-ALUMINA CEMENTS AN
D CONCRETES、T.D.ROBSON、P129-133)が提案されてい
る。しかしながら、このアルミナセメントは、可使時
間、流動性、及び強度発現性に欠けるものなどの課題が
あった。
【0004】また、クエン酸、酒石酸、及びスルホン酸
系アニオン界面活性剤からなる凝結調整剤を併用したア
ルミナセメント(特開昭49-52216号公報)、ヒドロオキシ
カルボン酸と無機炭酸塩からなる凝結調整剤を併用した
アルミナセメント(特開昭50-28090号公報)、水溶性のポ
リアクリル酸類と、アルカリ金属炭酸塩及び/又はヒド
ロオキシカルボン酸類とを併用したアルミナセメント
(特開昭55-75947号公報)、水溶性ポリメタクリル酸と、
メタクリル酸−アクリル酸共重合体叉はこれらの塩と、
アルカリ金属炭酸塩及び/又はヒドロオキシカルボン酸
類を含有してなるアルミナセメント(特開昭55-75948号
公報)、並びに、水溶性ポリアクリル酸及び/又はポリ
メタクリル酸、ヒドロオキシカルボン酸、及び無機炭酸
塩からなる分散剤を併用したアルミナセメント(特開昭5
5-121933号公報)等も提案されている。
【0005】しかしながら、これらもアルミナセメント
が本来要求されている機能、特に、流動性がよく可使時
間が長く取れ、適度な硬化時間と良好な強度発現性を確
保するといった機能が十分満足されるものではなかっ
た。即ち、流動性と可使時間を向上させると硬化が遅
れ、強度発現性も悪くなり、逆に硬化時間と強度発現性
を向上させようとすると流動性と可使時間が取れなくな
るといった相反する傾向が強く見られるなどの課題があ
った。
【0006】本発明者は、これらの課題を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、特定の材料を組み合わせることに
よって、流動性と可使時間を損なうことなく良好な硬化
時間と優れた強度発現性が確保できる知見を得て本発明
を完成するに至った。
【0007】
【発明を解決するための手段】即ち、本発明は、カルシ
ウムアルミネート、ポリアクリル酸類、ホウ酸類、炭酸
塩、及びカルボン酸類を含有してなるセメント組成物で
ある。
【0008】以下本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明に係るカルシウムアルミネートと
は、アルミナ源として、ボーキサイト、アルミ残灰、並
びに、バイヤーアルミナ、電融アルミナ、及び焼結アル
ミナ等の精製アルミナや、カルシア源として、石灰石、
炭酸カルシウム、生石灰、及び水酸化カルシウム等を、
所定の鉱物が生成するように配合し、電気炉、反射炉、
平炉、転炉、及びロータリーキルン等で溶融及び/叉は
焼成して得られた水硬性鉱物を、ボールミル、チューブ
ミル、振動ミル、ローラーミル、及びタワーミル等の粉
砕機で粉砕して得られるものである。
【0010】カルシウムアルミネートの鉱物組成は、Ca
OをC、Al2O3をAとすると、通常C5A3、CA2、CA、C12A7
C3A5、及びCA2等と示される水硬性カルシウムアルミネ
ートを主体とする物で、結晶質、非晶質いずれも使用可
能である。
【0011】本発明のカルシウムアルミネートは、特に
制限されるものではないが、CAとC12A7を主体とし、CA
とC12A7の生成比が粉末X線回折分析法による回折強度
比でC12A7/CA=0.1〜10の範囲であることが好ましく、
O.3〜5がより好ましく、0.5〜3が優れた硬化時間と強
度発現性を示すので好ましい。回折強度比が0.1以下で
は硬化遅延しやすく、逆に10を越えると可使時間と流動
性が確保できないおそれがある。
【0012】ここでいう回折強度比とは、Cu−Kα線の
X線を照射した時の回折強度で、CAの結晶格子数d値4.
67ÅとC12A7の結晶格子数d値4.89Åそれぞれの回折強
度比である。
【0013】本発明のカルシウムアルミネートの製造法
は特に制限されるものではないが、例えば、CAとC12A7
の生成比がC12A7/CA=0.1〜10の範囲になるように、CA
とC12A7を個別に製造して配合しても良く、CAとC12A7
前記生成比になるように一度に製造することも可能であ
る。中でも焼成法によって製造したカルシウムアルミネ
ートは強度発現性が優れるため好ましい。
【0014】焼成法で製造する場合は、重量比でCaOが2
0〜60%、Al2O3が80〜40%の割合になるように原料を配
合することが好ましく、CaOが30〜40%、Al2O3が70〜60
%の割合になるように原料を配合することがより好まし
い。
【0015】カルシウムアルミネートの焼成温度として
は、1,000〜1,600℃が好ましく、1,200〜1,500℃がより
好ましい。
【0016】本発明のカルシウムアルミネートとして
は、不純物として、2CaO・Al2O3・SiO2、CaO・2Al2O3、及
びCaO・TiO2等を含有するカルシウムアルミネートの使用
も可能であが、CaOとAl2O3以外の成分、例えば、SiO2
TiO2、Fe2O3、及びMgO等の不純物はキャスタブルとして
使用した際、高温時の収縮や低融点化合物の生成などの
不都合が発生するため、これらの不純物の含有量は少な
い方が好ましい。
【0017】カルシウムアルミネートの粒度は細かい方
が流動性と強度発現性に優れるため好ましく、JIS R 25
21規定のブーレーン法による測定で、比表面積が3,000c
m2/g以上が好ましく、4,000cm2/g以上がより好ましく、
6,000cm2/g以上が最も好ましい。
【0018】また、平均粒子径は20μm以下が好まし
く、5μm以下がより好ましい。平均粒子径が小さいほ
ど水と混練りして使用する際にチクソトロピックな高流
動性が発揮できるため好ましい。
【0019】本発明に係るポリアクリル酸類とは、ポリ
アクリル酸やその誘導体又はそれらのアルカリ塩であっ
て、具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタク
リル酸アンモニウム、及びポリメタクリル酸メチル又は
そのアルカリ塩等であって、共重合体としては、架橋分
岐型が好ましい。ポリアクリル酸のアルカリ塩とは、ナ
トリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が使用可
能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好
ましい。
【0020】特に、本発明では、ポリアクリル酸ナトリ
ウムの使用が好ましく、なかでも、低重合度の水可溶性
重合体で、固形分95%以上、40%濃度の水性スラリーの
25℃におけるスラリー粘度が10,000cps以下の可溶性重
合度タイプのものの使用が、カルシウムアルミネートの
流動性を向上する面から好ましい。
【0021】ここで、この水性スラリーの粘度はB型粘
度計によって測定できるもので、重合度を表しており、
重合度が高い程粘度も高くなる傾向にあり、本発明で
は、100〜2,000cpsの粘度のものを使用することが好ま
しい。
【0022】本発明において、ポリアクリル酸類の水性
スラリーのイオン性やpHは特に限定されるものではない
が、カルシウムアルミネートと配合した際、より大きな
流動性を得るために、ポリアクリル酸類がアニオン性
で、かつ、25℃における1%濃度の水性スラリーのpHが
中性からアルカリ性であることが好ましく、特に、pH=
7.5〜10の範囲のものがより好ましい。
【0023】本発明に係るホウ酸類とは、ホウ酸やその
アルカリ塩である。ここで、ホウ酸とは、別名ボール
酸、正ホウ酸、又はオルソホウ酸と呼ばれるもので、H3
BO4の化学式で表され、ピロホウ酸、テトラホウ酸、及
びメタホウ酸を含有するものである。
【0024】ホウ酸の製造方法は、特に限定されるもの
ではないが、通常、ホウ酸の原鉱石に硫酸を加えて加熱
分解し、生成したホウ酸を遊離させて分離抽出後、精製
して得られる。
【0025】ホウ酸のアルカリ塩とは、ナトリウム塩、
カリウム塩、及びカルシウム塩等であって、そのうち、
ナトリウム塩又はカリウム塩の使用が好ましく、その含
水化合物や無水化合物のいづれの使用も可能である。
【0026】ホウ酸類の粒度は、カルシウムアルミネー
トと混和した際、水に溶解しやすいように細かいもの程
好ましい。
【0027】また、ホウ酸類の純度は、特に限定される
ものではないが、現在、工業的に精製されているホウ酸
類が使用可能であって、ホウ酸類中のBO4分が80%程度
以上のものの使用が好ましい。
【0028】本発明に係る炭酸塩としては、無機炭酸塩
のいずれの使用も可能であるが、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、及び
炭酸水素カリウム等の炭酸アルカリ塩の使用が好まし
く、含水塩や無水塩のいずれの使用も可能である。これ
らのうち、炭酸ナトリウムの使用が好ましく、JIS K 12
01、JIS K 8624、及びJIS K 8625で規定される炭酸ナト
リウムが使用できる。
【0029】炭酸塩の粒度は、カルシウムアルミネート
と混和した際、水に溶解しやすいように細かい程好まし
く、100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下がよ
り好ましい。
【0030】炭酸塩の純度は、特に限定されるものでは
なく、現在、工業的に精製されている炭酸塩が使用可能
であって、目的とする炭酸塩の純度が80%程度以上のも
のの使用が好ましい。
【0031】本発明に係るカルボン酸類とは、カルボン
酸とそのアルカリ塩である。ここで、カルボン酸とは、
オキシカルボン酸であって、具体的には、クエン酸、酒
石酸、コハク酸、乳酸、及びグルコン酸等が挙げられ
る。また、カルボン酸のアルカリ塩としては、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられる。
これらのうち、クエン酸叉はそのアルカリ塩、中でもク
エン酸ナトリウムやクエン酸カリウムの使用が好まし
い。
【0032】カルボン酸類の粒度は、カルシウムアルミ
ネートと混和した際、水に溶解しやすいように、細かい
程好ましく、100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ
以下がより好ましい。
【0033】カルボン酸類の純度は、特に限定されるも
のではないが、現在、工業的に精製されているカルボン
酸類の使用が可能であって、目的とするカルボン酸類の
純度が80%程度以上のものの使用が好ましい。中でも、
不純物としての硫酸塩が0.05%以下のクエン酸叉はその
塩や、20℃における1%水溶液のpHが7〜10の範囲であ
るクエン酸叉はその塩を使用することは、可使時間に優
れるためより好ましい。
【0034】本発明では、上記各材料を使用するが、そ
の使用量は、ポリアクリル酸類100重量部に対して、ホ
ウ酸類10〜60重量部、炭酸塩40〜100重量部、及びカル
ボン酸類5〜40重量部が好ましく、ホウ酸類25〜45重量
部、炭酸塩55〜80重量部、及びカルボン酸類10〜30重量
部がより好ましい。この範囲外では、カルシウムアルミ
ネートと配合した際、可使時間、流動性、硬化時間、及
び強度発現性のバランスが取れず、可使時間や流動性が
不足したり、硬化が遅延する傾向がある。なかでも、ポ
リアクリル酸ナトリウムと、ホウ酸ナトリウム及び/叉
はホウ酸カリウムのホウ酸塩、炭酸ナトリウム及び/叉
は炭酸カリウムの炭酸アルカリ、並びに、クエン酸及び
/叉はクエン酸ナトリウムのクエン酸類の組合せが好ま
しく、その配合割合は、ポリアクリル酸ナトリウム100
重量部に対して、ホウ酸塩25〜45重量部、炭酸アルカリ
55〜80重量部、及びクエン酸類10〜30重量部の範囲であ
ることが好ましい。入手しやすさからナトリウム塩の組
み合わせが実用的である。
【0035】そして、ポリアクリル酸類、ホウ酸類、炭
酸塩、及びカルボン酸類の混合物の使用量は、カルシウ
ムアルミネート100重量部に対して、0.1〜10重量部が好
ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。10重量部を越
えると、硬化遅延傾向が強くなり、0.1重量部より少な
いと可使時間と流動性が短くなる傾向がある。
【0036】本発明のセメント組成物を、高耐火性、高
耐食性、及び耐火物の用途に使用する際の中間温度域、
即ち、700〜1,200℃近辺の高強度を得るためには、α−
アルミナをさらに配合することは好ましい。
【0037】ここでα−アルミナとは、ボーキサイトか
らバイヤープロセス等で精製して得られた水酸化アルミ
ニウムを、ロータリーキルン等の焼成設備で焼成した物
であって、バイヤーアルミナ、易焼結アルミナ、又は仮
焼アルミナ等と称されるものである。α−アルミナのα
化率は70%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、
95%以上が高温強度が優れるためもっとも好ましい。ま
た、α−アルミナのAl2O3含有量は95%以上が好まし
く、99%以上がより好ましい。また、α−アルミナのNa
2O含有量は1.O%以下が好ましく、0.5%以下がより好ま
しい。さらに、α−アルミナの窒素ガス吸着によるB.E.
T.法で測定した比表面積は0.1〜100m2/gが好ましく、0.
5〜20m2/gがより好ましく、2〜10m2/gがもっとも好ま
しい。そして、その平均粒子径は20〜100μmのアルミナ
粒子を平均粒子径が0.5〜10μmになるように粉砕加工し
たものが好ましい。
【0038】ここで、アルミナの粉砕加工は、アルミナ
粒子を構成するα結晶の粒子径より小さく粉砕すること
が本発明のセメント組成物を使用した際の作業性、可使
時間、及び高温焼成強度確保等の物性面から好ましい。
【0039】本発明のセメント組成物にα−アルミナを
配合する方法として、ナウタミキサー、パン型ミキサ
ー、及びコーンブレンダー等で混合し、あるいは、各々
秤量後、ボールミル、チューブミル、振動ミル、ローラ
ーミル、及びタワーミル等の粉砕機で混合粉砕する方法
や、本発明のアルミナを粉砕機で単独粉砕したのち、混
合機で所定の粒度に粉砕したカルシウムアルミネートな
どの材料と混合する方法などが挙げられる。
【0040】アルミナの配合量は、カルシウムアルミネ
ート100重量部に対して、50〜500重量部が養生強度や乾
燥強度の低下が少なく好ましく、30〜300重量部がより
好ましい。
【0041】さらに、本発明では、前記材料各々を、又
は、その混合物を100〜300℃の温度で30分以上、好まし
くは60分以上乾燥又は軽焼の処理をすることは、流動性
が向上するため好ましく、特に、150〜200℃で処理した
ものを使用したものの効果が著しい。
【0042】本発明の各材料は、GC−MS、C13−N
MR、HPLC、及びFT−IR等の機器分析や放射化
分析法などで特定化することが可能である。
【0043】本発明を構成する各材料の配合方法は、特
に規定されるものではなく、各材料を所定の割合になる
ように配合し、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナ
ウタミキサー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等
の混合機を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割
合で配合した後、振動ミル、チューブミル、及びボール
ミル等の粉砕機で混合粉砕することが可能である。
【0044】本発明では、カルシウムアルミネートのク
リンカーを粉砕後、他の材料を後添加する方法より、カ
ルシウムアルミネートのクリンカー粉砕時に他の材料を
配合し、混合粉砕する方法がその効果を十分に発揮でき
好ましい。
【0045】さらに、本発明では、必要に応じて、通常
セメントに使用する減水剤、AE剤、及び分散剤等の各
種セメント添加剤の併用も可能である。また、耐火物用
に使用する場合は、さらに、シリカヒュームや微粉アル
ミナなどの粒径3μm程度以下の各種超微粉との組み合
わせも有効である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明する。
【0047】実施例1 アルミナ源として、比表面積8m2/g、Al2O3が99.6%、N
a2Oが0.35%、α化率が96%、平均粒子径が45μmの日本
軽金属社製アルミナ、商品名「NMA20」を用い、カルシア
源として、電気化学工業社のベッケンバッハ炉で製造し
た生石灰を用い、それぞれを生成物中のC12A7とCAのピ
ーク比が2.0になるように配合し、シリコニット電気炉
で焼成し、カルシウムアルミネートクリンカーを製造
し、バッチ式ボールミルでブレーン比表面積6,000cm2/g
に粉砕してカルシウムアルミネートdを製造した。
【0048】このポリアクリル酸100重量部に対して、
表1に示すカルボン酸類を20重量部と表1に示す各種材
料を配合した混合物を、カルシウムアルミネートd100
重量部に対して、0.8重量部配合し、千代田技研工業製
オムニミキサー10型で30分間混合してセメント組成物を
作製した。作製したセメント組成物を次の方法に従っ
て、各物性を30℃の恒温室内で測定した。結果を表1に
併記する。
【0049】<測定方法> 流動性 :豊浦標準砂200重量部、セメント組成物100重
量部、水60重量部を練り鍋にて3分間混合して作製した
JIS R 2521記載のモルタルを用いて、所定温度で所定時
間放置後、30秒間練り返しを行い、フローテーブルによ
り15回タップした後の広がり径をJIS R 2521に準じて測
定し、この所定時間経過後のフロー値を流動性とした。 可使時間:作製したモルタルをポリ袋に入れ、触指にて
モルタルの柔らかさがなくなるまでに要した時間を可使
時間とした。 硬化時間:作製したモルタルを少量ポリビーカーに移し
取り、白金測温抵抗体と打点記録計によって測定し、注
水から発熱ピークまでにかかった時間を硬化時間とし
た。 強度 :作製したモルタルを4×4×16cmの型枠に打
設し、24時間養生後の圧縮強度を油圧測定機にて測定し
た。 鉱物組成:リガク社製X線回折装置「RAD−2B」によ
り測定。C12A7=4.89Å、C3A=4.22Å、CA=4.67Å、及びC
A2=4.44Åの回折強度比を測定。
【0050】<使用材料>カルシウムアルミネート d:CaO35%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=2.0ホ゜リアクリル 酸類:ポリアクリル酸、日本純薬社製商品名
「ジュリマーAC-10P」ホ゜リアクリル 酸類:ポリアクリル酸ナトリウム、日本純薬
社製商品名「ジュリマーAC-10NP」 ホウ酸類α:ホウ酸ナトリウム ホウ酸類β:ホウ酸カリウム ホウ酸類γ:ホウ酸 炭酸塩 イ:炭酸ナトリウム 炭酸塩 ロ:炭酸カリウム 炭酸塩 ハ:炭酸水素ナトリウム カルボン酸類A:クエン酸ナトリウム カルボン酸類B:クエン酸カリウム カルボン酸類C:酒石酸 カルボン酸類D:酒石酸ナトリウム カルボン酸類E:コハク酸 カルボン酸類F:コハク酸ナトリウム カルボン酸類G:乳酸 カルボン酸類H:乳酸ナトリウム カルボン酸類I:グルコン酸 カルボン酸類J:グルコン酸ナトリウム なお、ホウ酸類、炭酸塩、及びカルボン酸類は全て石津
製薬社製試薬1級を使用した。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように本発明のセメント
組成物は、優れた可使時間と流動性を持ち、適度な硬化
時間や高い強度発現性を示し、従来品には無かった優れ
た特性を持っている。
【0053】実施例2 ポリアクリル酸100重量部に対して、ホウ酸ナトリウム3
5重量部、炭酸ナトリウム70重量部、及びクエン酸ナト
リウム20重量部を配合した混合物を、表2に示す各種カ
ルシウムアルミネート100重量部に対して、表2に示す
割合で配合したこと以外は実施例1と同様に行った。結
果を表2に併記する。
【0054】<使用材料>カルシウムアルミネート a:CaO20%、主鉱物CAとCA2、CA2/CA=1.0カルシウムアルミネート b:CaO25%、主鉱物CAとCA2、CA2/CA=0.3カルシウムアルミネート c:CaO30%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=0.1カルシウムアルミネート e:CaO35%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=0.3カルシウムアルミネート f:CaO35%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=0.5カルシウムアルミネート g:CaO35%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=1.0カルシウムアルミネート h:CaO35%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=3.0カルシウムアルミネート i:CaO35%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=5.0カルシウムアルミネート j:CaO35%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=10カルシウムアルミネート k:CaO40%、主鉱物CAとC12A7、C12A7/CA
ピーク比=50カルシウムアルミネート l:CaO50%、主鉱物C12A7カルシウムアルミネート m:CaO60%、主鉱物C12A7とC3A、C12A7/C3
Aピーク比=0.2
【0055】
【表2】
【0056】実施例3 ホウ酸ナトリウム35重量部、炭酸ナトリウム70重量部を
用い、カルボン酸類の量を変化したこと以外は実施例1
と同様に行った。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】実施例4 ホウ酸ナトリウム35重量部、炭酸ナトリウム70重量部、
及びクエン酸ナトリウム20重量部を用い、表4に示すよ
うに粘度の異なるポリアクリル酸類を使用したこと以外
は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】表4から明らかなように、ポリアクリル酸
類の粘度、即ち、重合度を変えることで、可使時間、流
動性、硬化性、及び強度を調整することが可能である。
【0061】実施例5 ポリアクリル酸100重量部に対して、ホウ酸ナトリウム1
5重量部、炭酸ナトリウム40重量部、及びクエン酸ナト
リウム100重量部を配合した混合物を、α−アルミナ50
重量部とカルシウムアルミネート50重量部との混合物に
対して、1.6重量部配合し、川崎重工製15型振動ミル
で所定の粒度まで混合粉砕し、本発明のセメント組成物
を製造し、その物性を測定した。結果を表5に併記す
る。物性の測定は次のように行ったこと以外は実施例1
と同様に行った。
【0062】<測定方法> ブレーン比表面積:JIS R 2521記載の測定方法に準じ
た。 平均粒子径:島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定
機「SALD1000 Aレンヂ」により測定した。 高温強度 :セメント組成物を20重量部、骨材として、
昭和電工社製焼結アルミナの粒度3.36〜1.68mmを24重量
部、1.68〜0.71mmを16重量部、0.71〜0.297mmを20重量
部、及び0.297mm下を20重量部、並びに、水を8重量部
配合して、モルタルミキサーで5分間混練りし、4×4
×16cmの型枠に詰め、24時間養生した後脱枠した。さら
に、110℃で20時間、その後400℃で3時間乾燥して得ら
れたテストピースをシリコニット型電気炉で所定の温度
で3時間焼成した後、室温まで放冷し圧縮強度を測定し
た。
【0063】<使用材料> α−アルミナ:日本軽金属社製アルミナ、商品名「NMA20
B」、B.E.T.法比表面積8m2/g、Al2O399.7%、Na2O0.33
%、α化率98%、平均粒子径45μm
【0064】
【表5】
【0065】表5に示すように本発明のセメント組成物
にアルミナを配合すると、高温強度が高くなり、耐火物
として優れた性能を有する。
【0066】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明のセメント組成物は、従来品では達成することが出来
なかった、セメントが本来要求されている機能、特に流
動性と可使時間が長く取れ、適度な硬化時間と良好な強
度発現性といった機能を十分満足出来る。そして、耐火
性や高温強度に優れるため、アルミナ、マグネシア、ス
ピネル、シャモット、ボーキサイト、及び煉瓦くず等の
耐火骨材と配合して、耐火コンクリート、不定形キャス
ダブル、及びプレキャストブロック等の耐火物として、
或いは、砂、砂利、及び砕石等と配合したり、さらに
は、各種ポリマーエマルジョンやラテックスなどと配合
・混練りしたコンクリートやモルタルなどの土木・建築
材料として使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:02 Z 2102−4G 22:10) 2102−4G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウムアルミネート、ポリアクリル
    酸類、ホウ酸類、炭酸塩、及びカルボン酸類を含有して
    なるセメント組成物。
JP20702692A 1992-07-13 1992-07-13 セメント組成物 Pending JPH0632642A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214172A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Mitsubishi Materials Corp NOx浄化舗装用粉体及びセメント組成物

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