JP2000001230A - 記録装置および給送制御方法 - Google Patents

記録装置および給送制御方法

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JP2000001230A
JP2000001230A JP11105625A JP10562599A JP2000001230A JP 2000001230 A JP2000001230 A JP 2000001230A JP 11105625 A JP11105625 A JP 11105625A JP 10562599 A JP10562599 A JP 10562599A JP 2000001230 A JP2000001230 A JP 2000001230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体の手差し給送、および自動給送の双
方の信頼性が高い記録装置、および給送制御方法を提供
すること。 【解決手段】 記録媒体としてのシート200を手差し
により給紙する場合は、シート200の先端を、記録ヘ
ッド115の紙パス下流側に位置する排紙センサ113
に送るために充分な量だけ、LFローラ109によって
シート200を搬送し、排紙センサ113がシート20
0を検知したか否かによって、給紙の成否を判断する。
また、自動給紙装置を用いて自動給紙する場合は、排紙
センサ113の位置までシート200を一旦搬送させる
動作は行なわない。これにより、自動給紙の場合は、記
録開始前にシート200を搬送方向の反対方向に戻す必
要をなくして、LFローラ109の回転量を小さい量に
とどめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理装置で処
理された文書や画像などの情報を紙などの記録媒体に記
録する記録装置、および記録媒体の給送制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】記録装置としてのプリンタに対する小型
化・軽量化への市場要望は、他の多くの機器と同様に大
きく、これを反映してプリンタの小型化・軽量化が進ん
でいる。このようなプリンタの小型化を追求するため
に、例えば、特開平4−303336号公報などに示さ
れるように、画像記録を行うプリンタ本体部分と、複数
枚積載した被記録媒体としてのシートを1枚ずつプリン
タの画像形成部に送り込む自動給紙装置(オートシート
フィーダ;以下「ASF」という)部分とを分離し、プ
リンタに対してASFを外付け可能に独立させたものが
提案されている。また、小型のプリンタに限らず、複数
の給紙口を持つプリンタや手差し給紙しかできないプリ
ンタに対して、外側から装着して使用することができる
ASFも従来から存在している。なお、記録媒体には、
紙以外の種々の媒体が含まれる。
【0003】このような、外付けASFが装着されるプ
リンタにおいては、外付けのASFを装着していないと
きに、手差しでシートの供給ができるものが多い。とこ
ろが、このような手差しでは、ASFのように安定した
シートの供給が行えないため、搬送ローラとピンチロー
ラとの成すニップ部にシートが斜めに押しつけられてシ
ートの斜行が発生したり、そのニップ部へのシートの押
しつけが弱かったり少なかったりして、シートの先端余
白(頭出し)量の不足が発生しやすいという問題があっ
た。
【0004】このような問題に対処するために、例えば
記録ヘッドのシート搬送方向下流側の位置に排紙センサ
を備えたものがある。このプリンタの場合は、記録動作
を行う際に、まず、シート先端を、記録ヘッドによる記
録開始位置よりもさらに搬送方向下流側まで引き込む。
そして、排紙センサがシートを検出した場合は、給紙成
功と判断してシート先端を記録開始位置まで戻し、一
方、排紙センサがシートを検出しなかった場合は、給紙
失敗と判断してシートを排出する。これにより、手差し
を行う際に、シートが斜めに入ったり、先端余白が不足
したりする問題を回避することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来のプリンタには、次のような課題があった。
【0006】すなわち、上記のような排紙センサを備え
たプリンタにおいて、外付けASFの装着時の自動給紙
に際しても、排紙センサによるシート検出の有無に応じ
た制御を実施した場合には、次のような問題が生じる。
つまり、排紙センサがシートを検出した後に、シート先
端を記録開始位置まで戻す動作を行わせた場合には、そ
の戻し動作分、時間が余分に必要となってスループット
が低下してしまう。さらに、シートが搬送方向の反対方
向に戻される際に、シート後端が外付けASF内部の機
構部品などと衝突して、シートの折れやミスフィードの
原因となるおそれがあった。
【0007】本発明の目的は、手差しによる紙などの記
録媒体の給送時においては信頼性の高い給送を実現し、
かつ自動給送装置などを用いた自動給紙においては、ス
ループットの低下を防止すると共に、記録媒体の折れや
ミスフィードを防ぎ、より信頼性の高い給送を実現する
ことができる記録装置および給送制御方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の記録装置は、自
動給送された記録媒体、および手差しによって給送され
た記録媒体に、記録ヘッドを用いて画像の記録が可能な
記録装置において、前記記録媒体の搬送方向の上流側か
ら下流側に向かって、前記記録媒体を搬送する搬送ロー
ラ、前記記録ヘッド、および前記記録媒体を検出するセ
ンサを順次配備し、前記記録媒体が手差しによって給送
されるときに、前記記録媒体の先端が前記センサの検出
位置に達するのに充分な量だけ、前記搬送ローラによっ
て前記記録媒体を搬送させて、前記センサが前記記録媒
体を検知するか否かによって給送の成否を判定する給送
確認処理を実行させ、また前記記録媒体が自動給送され
るときは、前記給送確認処理を実行させない制御手段を
備えたことを特徴とする。
【0009】また、本発明の記録装置は、記録媒体を給
送する自動給送装置に装着可能とされ、前記自動給送装
置に装着されたときは、該自動給送装置から給送された
前記記録媒体に記録ヘッドを用いて画像の記録が可能で
あり、前記自動給送装置に装着されていないときは、手
差しによって給送された前記記録媒体に前記記録ヘッド
を用いて画像の記録が可能な記録装置において、前記記
録媒体の搬送方向の上流側から下流側に向かって、前記
記録媒体を搬送する搬送ローラ、前記記録ヘッド、およ
び前記記録媒体を検出するセンサを順次配備し、前記記
録媒体が手差しによって給送されるときに、前記記録媒
体の先端が前記センサの検出位置に達するのに充分な量
だけ、前記搬送ローラによって前記記録媒体を搬送させ
て、前記センサが前記記録媒体を検知するか否かによっ
て給送の成否を判定する給送確認処理を実行させ、また
前記記録媒体が前記自動給送装置によって給送されると
きは、前記給送確認処理を実行させない制御手段を備え
たことを特徴とする。
【0010】本発明の給送制御方法は、記録媒体の搬送
方向の上流側から下流側に向かって、前記記録媒体を搬
送する搬送ローラ、前記記録ヘッド、および前記記録媒
体を検出するセンサが順次配備され、給送された前記記
録媒体に、前記記録ヘッドを用いて画像の記録が可能な
記録装置の給送制御方法において、前記記録媒体を自動
給送および手差しによって給送するステップと、前記記
録媒体が手差しによって給送されるときに、前記記録媒
体の先端が前記センサの検出位置に達するのに充分な量
だけ、前記搬送ローラによって前記記録媒体を搬送させ
て、前記センサが前記記録媒体を検知するか否かによっ
て給送の成否を判定する給送確認処理を実行させ、また
前記記録媒体が自動給送されるときは、前記給送確認処
理を実行させないステップとを有することを特徴とす
る。
【0011】本発明は、具体的には、外付け自動給送装
置などを用いての自動給送の場合は、記録媒体の給紙時
に、記録ヘッドの下流側に位置する排紙センサまで記録
媒体を一旦を送り出す動作はしない。そのため、自動給
送装置などを用いた自動給送の場合は、記録媒体を記録
開始位置まで戻す必要がない。したがって、記録装置の
後端が外付け自動給送装置などの内部機構部品に衝突す
ることがなく、記録媒体の折れやミスフィードを引き起
こすこともない。また、記録媒体を搬送方向の反対方向
に余分に戻さないため、スループットの向上に貢献す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0013】図1、図2は、自動給送装置としての自動
給紙装置(オートシートフィーダ;以下「ASF」とい
う)、およびASFにより自動給送された記録媒体とし
ての記録紙に記録を行う記録装置の一実施形態を示す斜
視図である。図3は記録装置の断面、図4は記録装置と
ASFの断面を示している。
【0014】(ASFの構成について)まず、これらの
図1から図4を用いて、自動給送装置としてのASFの
概略を説明する。1はASFであり、101は記録装置
としてのプリンタである。本例において、ASF1とプ
リンタ101とは分離されており、ASF1に対してプ
リンタ101が着脱可能に構成されている。プリンタ1
01はバッテリーを備え、小形で携帯可能ないわゆるモ
バイルプリンタである。本例の場合、プリンタ101内
部にはASFを内蔵せず、プリンタ101単体ではいわ
ゆる手差し給紙のみで給紙を行う構成となっている。こ
のように構成することで、プリンタ101単体としての
小型化、簡素化、低コスト化が実現でき、モバイルプリ
ンタとして最適な形態をなしている。もちろん、プリン
タ101が小型ASFを内蔵していても本発明が適用で
きることはいうまでもない。このような小型、携帯可能
なプリンタ101が使用される場面としては、特に、屋
外、車内、あるいはセールスマンが相手先に出向いた際
の相手先オフィスなどがある。このような場面では、必
要とされるプリント枚数は比較的少なく、前記のように
手差しのみ、あるいは容量の少ない簡易的なASF内蔵
で十分である。しかし、このプリンタ101を自分のオ
フィスで使用する場合には、多種多様なプリント媒体と
しての記録紙を比較的大量にプリントするニーズが存在
する。このようなニーズに対し、プリンタ101とは分
離したASF1は非常に好適である。すなわちASF1
は、オフィスの机上に常に置かれているようないわゆる
デスクトップタイプの形態をなし、プリンタ101をA
SF1に装着することによって、プリンタ101はデス
クトッププリンタの性格を持つことができる。ASF1
は、後述するような構成により、普通紙からはがき、封
筒、プラスチックフィルムや布に至るまで様々な種類の
記録媒体(以下、「プリント媒体」ともいう)を自動給
紙することが可能である。
【0015】このように本例においては、プリンタ単体
としては超小型のモバイルプリンタ101をASF1に
装着することによって、ハイパフォーマンスを持ったデ
スクトッププリンタとして使用するという、極めて付加
価値の高いプリンタを提供することができる。この場
合、ASF1は、プリンタ101が単体として使用され
ていないときに、そのプリンタ101の収納場所として
も機能する。したがって、ASF1へのプリンタ101
の収納時に、そのプリンタ101に自動給紙機能が付加
されることになり、ASF1は、いわゆるドッキングス
テーションとしての役割を持つといえる。ここで、本発
明によるASFは、プリンタが装着されていないときは
ASF単体として安定自立でき、さらにプリント媒体と
してのシートを積載したままで、プリンタと分離ができ
る。ユーザーは、分離したプリンタを自立したASFに
装着するだけで、そのプリンタをデスクトッププリンタ
として動作スタンバイ状態とすることができる。このこ
とは、ユーザーにとって、極めて使い勝手の良いドッキ
ングステーションとして機能することを意味している。
【0016】さて、上記のようにプリンタをモバイルと
デスクトップとして使い分けようとする場合、ASF1
とプリンタ101との装着、分離の作業を極めて簡単に
行えることが重要である。なぜなら、毎日のようにAS
F1から分離したプリンタ101を室外にて持ち歩き、
室内に帰ってきたときにプリンタ101をASF1に合
体させるユーザーにとっては、ASF1とプリンタ10
1との装着、分離作業が複雑であったり時間がかかった
りすると非常に煩わしいからである。
【0017】本例では、図3に示すように、ASF1の
前方(図3中の左方)に大きな開口部が設けられてお
り、この前方開口部がプリンタ101の収納部になって
いる。プリンタ101において、プリント媒体としての
シートの通過経路はほぼ水平のいわゆる水平パスとなっ
ている。プリンタ101の後方におけるシート供給側
を、図1のようにASF1に向けほぼ水平に移動させ、
そして、そのシート供給側を、図2のようにASF1の
前方開口部に押し込むことにより、後述するような紙パ
スが形成される。すなわち、本例では、水平パスのプリ
ンタ101をASF1へほぼ水平方向に押し込み装着す
る構成となっている。そして、プリンタ101をほぼ水
平にASF1に押し込んだとき、プリンタ101はAS
F1に自動的に固定される。プリンタ101のASF1
への装着時におけるそれら双方の固定方法は後に詳述す
る。
【0018】また、ASF1からプリンタ101を分離
する際は、ASF1の上面に設けられたプッシュレバー
40を押すだけでASF1に対するプリンタ101の固
定が解除されて、ASF1が前方へ押し出される構成と
なっている。
【0019】このように構成することによって、ユーザ
ーは極めて簡単にプリンタ101とASF1との装着、
分離を行うことができ、モバイルとデスクトップとして
のプリンタの使い分けができる。
【0020】本例では、このような装着、分離作業を簡
単でやりやすいものとするために、ASF1の前方にテ
ーブル部45cを備えている。プリンタ101をASF
1に装着する際には、まず、このテーブル部45cにプ
リンタ101を載置する。このとき、ユーザーは、プリ
ンタ101の手前側(排紙側;図4中の左側)の中央付
近の上面と下面を片手で握り、テーブル部45cの上
に、プリンタ101の奥側(給紙側;図4中の右側)を
軽く添えるように置くだけでよい(両手でプリンタ10
1の両側部を持ってもよい)。そして、このようにプリ
ンタ101をテーブル部45c上に置いたまま、ユーザ
ーが手でプリンタ101を奥へ押し込む。これにより、
プリンタ101は、その両側面がテーブル部45cの両
側端部に設けられたプリンタサイドガイド部45aにガ
イドされながら、後述する位置決めボスへ導かれて、後
述するプリンタ101の位置決め穴と嵌合し位置決めさ
れる。この場合、プリンタ101をテーブル部45cの
ほぼ中央部に置いて押し込むだけでよく、面倒な位置合
わせなどは不要である。
【0021】テーブル部45cは、両側にプリンタ摺動
部45bを備えている。この摺動部45bは、プリンタ
101がASF1に押し込まれる際に、そのプリンタ1
01の裏面と摺動する部分である。両側のプリンタ摺動
部45bの相互間は、1段階低い段差部分となってお
り、この段差部分においては、プリンタ101とASF
1とは接触しない。プリンタ101の裏面には複数のゴ
ム足が設けられている。このゴム足は、プリンタ101
単体を机等の上に載置して使用するときに、外力によっ
て移動しにくくするものである。このプリンタ101を
ASF1に装着する際に、仮りに、このゴム足がテーブ
ル部45cと接触した場合には、プリンタ101をユー
ザーが手でASF1に押し込むために要する力が大きく
なって、非常に作業しにくくなる。そこで、このゴム足
とテーブル部45cとが接触しないように、摺動部45
bの相互間の段差部分をゴム足の高さより大きな深さの
段差としている。
【0022】また、47aは、ASF1の上ケース47
に形成されたひさし部47aである。このひさし部47
aはテーブル部45cとほぼ平行に形成されており、テ
ーブル部45cとの間に、プリンタ101をくわえ込む
ようなポケット部を形成している。このように形成され
たポケット部は、プリンタ101をASF1に対して押
し込む方向が、ほぼ水平であることをユーザーに形状的
に示しており、また、その方向にしか、プリンタ101
を押し込むことができないようになっている。この押し
込み方向は、後述するプリンタ101とASF1とを電
気的に接続するための双方のコネクタのコンタクト方向
と一致しており、プリンタ101をASF1へ押し込ん
でセットする動作中に、コネクタの接続が行われるよう
になっている。このように構成することにより、コネク
タの接続のための別作業が必要なくて操作性が良くな
り、またコネクタのコンタクト方向と異なる方向からの
プリンタ101の押し込みを回避して、コネクタ同士の
異常干渉およびコネクタ破損が防止されることになる。
さらに、このようなポケット部の構成は、ASF1への
プリンタ101の装着がなされた後に、プリンタ101
の前方(排紙側)が上方にあおられるような力を受けた
ときの不具合、つまり装着部の破損や装着の解除を防止
する。なお、本例のひさし部47aは、その両側部にお
いて最も張り出し量が大きく、中央はひさし凹部47b
となっている。したがって、本例のようにプリンタ10
1の上面に電源スイッチなどの操作部が設けられている
場合、ひさし部47aは、その操作部を覆ってしまわな
いようなひさし形状とすることができる。また、ひさし
部47aとプリンタ101の上面との間クリアランスを
0.5mm〜2mm程度とすることにより、上記のよう
なASF1のあおり防止等に十分な効果を発揮する。こ
のクリアランスが大過ぎた場合には、所望の効果が得ら
れない。
【0023】ここで、図4に示すように、プリンタ10
1の奥行き方向の長さをL1(mm)、テーブル部45
cの奥行き方向の長さをL2(mm)、ひさし部47a
の奥行き方向の長さをL3(mm)とすると、本例の場
合、それらには次のような関係が成り立っている。
【0024】
【数1】L1/2≦L2≦(L1−15)mm まず、テーブル部45cの奥行きL2をプリンタ奥行き
L1の半分L1/2よりも大きくすることにより、プリ
ンタ101がASF1に装着された際の安定状態を確保
できる。仮りに、L1/2>L2の関係とした場合に
は、装着状態のプリンタ101がASF1から大きく突
出する状態となり、その突出部分に対して下方への外力
が加わったときなどは、プリンタ101が装着されたA
SF1全体の後方が持ち上がったりすることもあって非
常に不安定となる。なお、テーブル部45cの一部にお
いて、この関係(L1/2≦L2)が成り立っていれば
よく、テーブル部45c全体において成り立つ必要はな
い。
【0025】また、テーブル部45cの奥行きL2をプ
リンタ101の奥行きL1よりも15mm以下とするこ
とにより、プリンタ101の下の部分の手前側に、ユー
ザーの指が入るスペースを確保することができる。この
ことによりユーザーは、プリンタ101を装着、分離す
る際に、プリンタ101の上下面を片手で持って作業す
ることができる(もちろん両手でも持てる)。このよう
なL2≦(L1−15)mmの条件は、テーブル部45
cの幅方向全域において満たす必要はなく、例えば、中
央付近もしくは両側部だけにおいて満たすように、部分
的に凹部が形成されているだけでもよい。また、プリン
タ101の手前の下部分にスペースが形成されるため、
視覚的に高さ方向の大きさを感じさせないデザインが可
能となる。また、テーブル部45c厚み(高さ)は、ユ
ーザーの指をプリンタ101の下に入れやすくするため
に10mm程度以上とすることが望ましい。
【0026】さらに、本例では、次のような関係も成り
立っている。
【0027】
【数2】L1/4≦L3≦L1/2 ひさし部47aの張り出し長さL3をプリンタ101の
奥行きL1の1/4以上とすることにより、プリンタの
上方へのあおりが防止でき、しかもプリンタ101の押
し込み方向の限定効果も十分であることが分った。仮り
に、ひさし部47aの張り出し長さL3がプリンタ10
1の奥行きL1の1/2以上であると、プリンタの奥行
きに対して、プリンタ装着時の押し込み量が相対的に大
きすぎて、操作感を損なうことが分った。また、このよ
うなひさし部47aの必要以上の大きな張り出しは、視
覚的にも装置全体を大きく見せ、ユーザーに圧迫感を与
えるなど不具合を生じた。さらに、ひさし部47aの必
要以上の大きな張り出しは、プリンタ101の上面での
操作に干渉することがある。ひさし部47aの張り出し
長さは、プリンタ101の奥行きの1/2以下であるこ
とが最も望ましいことが分った。また、この程度の張り
出し量であれば、張り出したひさし部47aの強度も十
分保たれ、装置としての堅牢性を十分持つことができ
る。
【0028】このような条件でテーブル部45cおよび
ひさし47aを構成することにより、極めて操作性がよ
く、プリンタの押し込み方向の限定効果や、プリンタ1
01のあおり防止などの効果を十分に発揮する形態が提
供できる。
【0029】また、テーブル部45cとひさし部47a
との間の側面部には大きな開口部が形成されており、プ
リンタサイドガイド部45aの高さは、ひさし部47a
とプリンタ101上面との間のクリアランス以上であれ
ばよい。このように、側面部に大きく形成された開口部
は、プリンタ101の側面に、電源コードやインターフ
ェースコネクタ、あるいは赤外線通信の送受光部が設け
られている場合に、これと干渉することがない。すなわ
ち、電源コードやインターフェースコネクタがプリンタ
101に取り付けられたままでもプリンタ101をAS
F1に装着することができ、また、そのまま分離するこ
ともできる。
【0030】(コネクタカバーについて)次に、前述し
たプリンタ101とASF1との電気的接続を行うコネ
クタ部の、コネクタカバーについて説明する。
【0031】プリンタ101をASF1から分離したま
ま長時間使用する場合などは、それらのコネクタは各々
単体で存在し、接続されない状態を保っている。このよ
うなとき、コネクタ部にゴミやほこりが入ったり、ある
いは過大な静電気がコネクタを伝って内部の電気回路を
破壊したりすることがある。このようなことを防止する
ために、本例では、各々のコネクタにコネクタ保護用の
コネクタカバーを設けている。このコネクタカバーは、
それぞれ単品として存在し、プリンタ101をASF1
に装着する際に取り外されるようになっている。モバイ
ルプリンタのような超小型プリンタではスペースが極め
て制限されることから、極めて安価で最もスペースを必
要としないコネクタカバーとして、上記のような取り外
し形のコネクタカバーが最適である。
【0032】例えば、プリンタ101は、図6に示すよ
うに、装着時にASF1と対向する後方面の上方に、プ
リンタコネクタ117を有している。プリンタ101を
ASF1に装着するときは、給紙トレイ116を図6の
ような開状態として、プリンタコネクタカバー119を
プリンタコネクタ117から離脱させる。同様に、AS
F1側のASFコネクタ44(図11参照)に取り付け
られているASFコネクタカバー57を離脱させる。コ
ネクタ接続時には、図4に示すように、取り外した双方
のコネクタカバー119,57をテーブル部45cのコ
ネクタカバー収納部45d,45eへ収納できるように
なっている。この収納部45d,45eは、テーブル部
45cの厚みを利用して、その中にコネクタと同等寸法
の突起部を設けた構成となっている。プリンタ101を
ASF1へ装着している間は、このコネクタカバー収納
部45d,45eにコネクタカバー119,57を収納
しておくことにより、コネクタカバー119,57の紛
失を防止することができる。コネクタカバー収納部45
d,45eは、コネクタカバー119,57をただ収納
しておくだけであれば、ASF1、あるいはプリンタ1
01のどの部分にあってもよい。しかし、本例のよう
に、テーブル部45c上にコネクタカバー収納部45
d,45eを設けることにより、プリンタ装着状態にお
いては、ASF1とプリンタ101との間にコネクタカ
バー119,57が収納されることになるため、それら
が脱落するおそれがなく、しかも、それらが外部から見
えなくなるため外観上も好ましい。また、プリンタ10
1を分離した際、再びコネクタカバー119,57が現
れることになるため、コネクタ117,44にコネクタ
カバー119,57を取り付けるその後の作業が喚起さ
れて、それらの付け忘れを防止できる。
【0033】本例のように、複数のコネクタカバーの各
々に対して、コネクタカバー収納部を設けることができ
る。なお、コネクタカバーに関しては、プリンタとAS
Fは、例えばノートパソコンとステーションといった関
係であっても同様である。
【0034】(給紙およびプリント動作の概略につい
て)次に、プリンタ101がASF1に装着された状態
における給紙およびプリント動作の概略について説明す
る(詳細は後述する)。
【0035】図4は、ASF1にプリンタ101が装着
されている状態の断面図であり、圧板26の上に、記録
媒体としてのシート200が図25のように所定の枚数
セットされる。圧板26は、その上側の一端部がASF
シャーシ11に回転自在に支持されており、圧板バネ1
3によって、給送ローラとしてのピックアップローラ1
9に巻装されたピックアップゴム23に向かって、時計
回転方向に付勢されている。シート200のセット時
は、圧板26が不図示のカムによって、給送ローラとし
てのピックアップゴム23から離反する方向へ変位され
て保持されている。このとき、ピックアップゴム23と
圧板26との間には所定のクリアランスが形成され、こ
のクリアランス内にシート200が挿入されてセットさ
れる。シート200の先端は、土手に設けられたプラス
チックフィルム状の土手シート37に突き当たって位置
決めされる。シート200の後端方向の大部分はASF
紙トレイ2に支持される。ASF給紙トレイ2は、その
下側の一端部がASF上ケース47に回転自在に支持さ
れており、シート200を支持するときは、図4のよう
に所定の角度をなして保持される。
【0036】ASF1がプリンタ101より給紙命令を
受信したときに、ピックアップローラ19が時計方向の
回転を開始し、同時に、不図示のカムが圧板26の保持
を解除し、圧板26がシート200をピックアップゴム
23に圧接させる。シート200は、ピックアップゴム
23の表面摩擦により移動を開始し、土手シート37に
よって一枚だけ分離されてから、土手36および位置決
めベース39によって形成されるASFシート経路58
(図3参照)に搬送される。その後、シート200は、
ASFシート排出部56(図3参照)からプリンタ10
1のシート経路へと受け渡される。そのシート200
は、プリンタ101内部において、プラテン105とバ
ッテリー107の下面とで構成されるシート経路に搬送
される。そのシート経路は、プリンタ101単体のとき
は、いわゆる手差し口と呼ばれる。その後、ペーパーエ
ンドセンサ108がシート200を検出することによ
り、プリンタ101は、ASF1からシート200が搬
送されてきたことを認識し、シート200は、その先端
が搬送ローラ(以下、「LFローラ」という)109と
ピンチローラ110との圧接部分に突き当てられる。A
SF1は、プリンタ101からペーパーエンドセンサ1
08の検出情報を受け取り、所定のタイミングでプリン
タ101側に給紙終了を示す応答信号を送信する。この
とき、シート200は、シート200自身の腰の強さに
応じた所定の圧力を持ってLFローラ109とピンチロ
ーラ110との間に押しつけられており、シート先端の
いわゆるレジ取りが行われている。この状態において、
ASF1から給紙終了を示す応答信号を受信したプリン
タ101は、所定のタイミングでLFローラ109を回
転させて、シート200を記録部へと送り出す。シート
200の所定の送り動作を伴いながら、ヘッド115が
シート200のプリント面へのプリントを行っていく。
さらにシート200は、排紙ローラ112と拍車111
との間を搬送されて排出される。
【0037】本例においては、プリンタ101がASF
1のへ装着状態にあるときに、上記のような紙パスが構
成され、プリンタ101の紙パスとコネクタ44,11
7の装着方向はほぼ平行となる。ASF1からプリンタ
101へのシート200の受け渡しのために、ASF1
およびプリンタ101の両方に股がってシート200が
存在しているときに、いずれかの部分においてシートつ
まりが生じた場合には、ASF1からプリンタ101を
分離する必要がある。紙パスとコネクタ接続方向とがほ
ぼ平行であることは、このような場面での双方の分離を
可能とする。仮りに、紙パスとコネクタ接続方向とが直
角方向であった場合には、コネクタ接続方向にプリンタ
101を分離する必要があるため、シート200をその
厚み方向などに移動させなければならず、シート200
に破れが生じたり、さらに破れたシート200が装置の
中に残留するおそれがある。しかも、破れることが困難
な厚いシート200などの場合には、プリンタ101を
分離することが不可能になるおそれもある。本例では、
紙パスとコネクタ接続方向をほぼ平行に設定しているた
め、シートつまりの際、シート200が抜ける方向に、
プリンタ101を移動して分離でき、シートつまり時の
処理が極めて簡単となり、またシート200を破った
り、シート200が装置内に残留したりすることがな
い。
【0038】(シートの幅方向基準について)次に、前
述のような紙パスにおけるシートの幅方向の基準位置に
ついて説明する。
【0039】まず、プリンタ101のシートの幅方向基
準について説明する。
【0040】図5および図6のように、プリンタ101
には、一端部が所定の位置に軸支された回転自在の給紙
トレイ116が備えられている。この給紙トレイ116
は、プリンタ101を単体で使用する際、手差しによる
シートの給紙作業を安定化させるものである。給紙トレ
イ116を図6のような開いた状態にすると、給紙トレ
イ116の一端に垂直に設けられた基準ガイド116a
が現れる。シート200は、この基準ガイド116aに
沿って挿入される。本例では、シートの幅方向基準が基
準ガイド116aによって定まり、この基準ガイド11
6aにシート側端部を沿わせながらシート200を挿入
することによって、シート200の幅方向の位置決めが
なされる。本例におけるプリンタ101内部には、シー
トの幅方向における基準ガイド116aと同じ位置に、
それと同様の基準ガイドが設けられており、その基準ガ
イドが基準ガイド116aと共にシートの幅方向の位置
決めを行う。シートの幅方向の位置決めをする基準ガイ
ドは、シートの搬送方向において長い方が、シート20
0を安定させる上において有利である。そのような基準
ガイドとして、給紙トレイ116に設けられた基準ガイ
ド116aを用いることにより、シートの幅方向位置決
めが安定し、さらに斜行も防止されることになる。な
お、プリンタ101内部の基準ガイドをなくして、可動
の給紙トレイ116に設けられた基準ガイド116aの
みでシート200をガイドすることも可能である。
【0041】ところで、特に、超小型のモバイルプリン
タにおいては、手差し給紙の給紙口とASFからの給紙
口を別々として、それらに別々のシートガイドを持たせ
ることは、スペース等の問題から極めて困難である。そ
のため、それらの給紙口を共通化する必要がある。
【0042】そのため、プリンタ101をASF1に装
着した場合には、手差し給紙時のシート基準である基準
ガイド116aを、ASF1からの給紙時にも使用する
ことが必要となる。しかし、ASF1から自動給紙され
たシートの側端部を、この基準ガイド116aに沿って
給紙させることは困難である。なぜなら、手差し給紙の
作業、つまりユーザーがシートを手で調節しながらシー
ト側端部を基準ガイド116aに沿わせる作業、と同じ
ことをASF1が行うには、プリンタ101とASF1
のシート基準を完全に一致させなければならないからで
ある。ASF1のシート基準は、圧板26に設けられた
ASFシート基準26a(図25参照)であり、これに
シート側端部を沿わせることにより、シートは所定の位
置決めをされて給紙される。ところが、ASFシート基
準26aの位置と基準ガイド116aの位置は、構成上
公差が多く積み上がるため、これらを一致させることは
極めて困難であり、それを実現するためには非常に高い
コストと複雑な機構が必要となる。もしも、それらのシ
ート基準が一致しない場合には、シート側端部と基準ガ
イド116aとが干渉してシートが斜行してしまった
り、あるいはシート側端部が損傷したり、シート先端が
基準ガイド116aに激突してシートつまりが発生した
りする。
【0043】そこで、基準ガイド116aがプリンタ1
01の手差し給紙部分における給紙方向の比較的上流側
にのみ設けられている場合、すなわち図6に示されてい
るように、給紙トレイ116を開いたときに現れる基準
ガイド116aだけでシートの幅方向基準を決定し、そ
れよりも給紙方向下流側の位置ではシートの幅方向位置
を規制する部材がない場合には、プリンタ101をAS
F1に装着した際、基準ガイド116aの上方をシート
が通過するように紙パスを設定する。これにより、AS
F1のシート基準26aによりなされるシートの位置決
めのみが有効となり、プリンタ101のシート基準と干
渉することが避けられる。
【0044】プリンタ101単体では、図6で示されて
いるように給紙トレイ116が開いた状態すなわち手差
し給紙する状態において、シートをガイドする給紙トレ
イ16の面はほぼ水平となる。一方、ASF1にプリン
タ101を装着した状態では、図4のように、可動の給
紙トレイ116が、プリンタ単体での図6の位置からさ
らに下方へ回転して待避され、これにより、紙パスがよ
り手差し給紙の時に近い紙パスとなる。ASF1には、
下方へ回転した給紙トレイ116を収納するスペースと
して、基準ガイド収納部36bが形成されている。AS
F1に対してプリンタ101を押し込んでいくと、基準
ガイド部116aは、基準ガイド収納部36bを形成す
る基準ガイドガイド部36cによってガイドされつつ下
方へ回動して、基準ガイド収納部36bに収納される。
この結果、基準ガイド116aと紙パスの干渉を避ける
ために必要な移動量、つまり手差し時の紙パスに対する
ASF1の紙パスの移動量を小さくでき、不自然な紙パ
スによる不具合(シートへのバックテンションなど)が
防止できる。
【0045】さらに、プリンタ101側の給紙トレイ1
16には、図6のように、シートの基準側とは反対側の
側端部をガイドする右端ガイド122が設けられてい
る。この右端ガイド122は、給紙トレイ116に、シ
ートの幅方向に摺動自在に設けられており、シート幅に
合わせて、シートの基準側とは反対側の側端部をガイド
する。紙パスにおけるシート厚み方向から見た右端ガイ
ド122の形状は、基準ガイド116aとほぼ同じ形状
をなしている。右端ガイド122は、ASF1にプリン
タ101を装着する際に、給紙トレイ116および基準
ガイド116aと共に基準ガイド収納部36bに収納さ
れるようになっている。右端ガイド122は、給紙トレ
イ116において所定の範囲内で任意の位置に移動可能
であり、その所定範囲内のどこにあったとしても基準ガ
イド収納部36bに収納可能である。
【0046】このように、プリンタがASFに装着され
た際に、ASF側の基準ガイドを避けた位置に紙パスを
設定することにより、プリンタ本体側のシート基準を無
効にし、ASF側のシート基準のみを有効にすることが
できる。したがって、プリンタとASFの双方のシート
基準を一致させるための装置の複雑化、およびコストア
ップを回避することができる。そして、ASFから給紙
されたシートがプリンタ本体側のシート基準と干渉した
場合の問題、つまりシートが斜行したり、シート側端部
が損傷したり、シートがシート基準に激突してシートつ
まりを発生したりする不具合を防止することができる。
【0047】一方、プリンタ101としては、その内部
に、シートの幅方向において、基準ガイド116aと同
じ位置に基準ガイド部を持ち、かつその基準ガイド部に
よって、シート位置決めを安定させるべく、シートのガ
イド部分を長くしたものがある。このようなプリンタに
おいては、全ての基準ガイド部を避けた位置に紙パスを
設定することは困難である。そこで、この場合には、プ
リンタ本体側のシート基準とASF側のシート基準とを
予めずらした位置に設定する。すなわち、図7に示すよ
うに、プリンタ側シート基準の内側、すなわちヘッドに
よる記録位置側に距離tだけずらした位置に、ASF側
のシート基準を設定して、ASFから給紙したシートが
プリンタ側のシート基準と干渉しないようにしている。
シート基準をずらす量tは、プリンタとASFとのシー
ト幅方向の位置決め公差以上であり、さらにASFから
シートが斜めに給紙された場合などを考慮して決定され
る。本例では、ずらし量tは0.6mm程度である。
【0048】この場合、プリンタ単体で記録を行うとき
と、ASF装着状態で記録を行うときとでは、シート基
準がずれる。仮りに、それらのずれを考慮せずに、それ
らの双方の記録時においてヘッドによる同様の記録を行
うと、それらの双方において、シート側端部から記録位
置までの距離が異なってしまう。そこで、本例では、プ
リンタ単体とASF装着状態とにおけるシート基準位置
のずらし量と同じ量tだけ、記録位置をもずらしてい
る。本例では、プリンタ101とASF1とがコネクタ
によって電気的に接続されるので、プリンタ101は電
気的にASF1の装着/非装着を検出することができ
る。この検出結果によって、上記の記録位置をずらす判
断をすることができる。この判断は、電気的接続によっ
て行う方法の他、ASF検出スイッチなどを設けて行っ
ても良い。このようにして、プリンタ単体とASF装着
状態とにおいてシート基準をずらすことにより、基準ガ
イドの干渉をなくしつつ、シートへの記録位置を同じも
のとする。したがって、プリンタ単体とASF装着状態
の双方での記録において、記録位置の違いによる不具合
(例えば、プレプリント紙への記録位置の違いなど)が
解消される。ここで、それら双方のシート基準のずらし
量tと記録位置ずらし量とは全く同じ量でなくてもよ
く、許容される範囲において異なる値に設定しても良
い。
【0049】(ASF給紙トレイについて)次に、積載
されたシートを支持するASF給紙トレイについて説明
する。
【0050】図1から図4に示されているように、AS
F給紙トレイ2は、その一端がASF上ケース47に支
持されて、この支持部分を中心として回転自在となって
いる。図8は、ASF給紙トレイ2を閉じた状態を示
す。ASF給紙トレイ2は、シートを積載しているとき
は所定の角度を持って開かれており、シートを積載して
いないときは閉じることができる。このことは、本例に
よるASF1が、携帯型プリンタ101をデスクトップ
形として使用するためだけのものではなく、ASF1に
プリンタ101を装着した状態でも非常にコンパクトと
なって、その状態でも携帯が可能であることを意味して
いる。このような使用形態を実現させるためには、AS
F給紙トレイ2を閉状態にしたときに、それができるだ
け、プリンタ装着状態のASF1の外形に沿った形で閉
じられる必要がある。このために、ASF給紙トレイ2
は薄い板状の形態をなしている。また、本例の給紙トレ
イ2は、それが閉じられた場合、図10に示すように、
プリンタ101の操作部を覆い隠すような形状となって
いる。そのため、ASF1にプリンタ101を装着した
状態のまま、給紙トレイ2を閉じて携帯するときに、不
用意に操作部をさわって、プリンタ101を動作させて
しまうおそれがない。また、給紙トレイ2を閉じたとき
に、その任意の部分をASF上ケース47と係合させる
ことにより、携帯するときに給紙トレイ2が不用意に開
くことがなくなる。
【0051】一方、図9に示すように、ASF1によっ
て封筒200aを縦方向に給紙する場合、封筒200a
のタブが通常左側になることが多い。本例のASF1な
どでは、この封筒タブの湿気による膨らみなどのため
に、その給紙時に、封筒200aのタブ側(左側)によ
る強い抵抗を受ける。これにより、封筒200aは、時
計方向に回転するような力を受けることになる。本例で
は、この封筒200aの時計方向の回転を防止するため
に、ASF給紙トレイ2の給紙方向の上流部に、ASF
給紙トレイサイドガイド部2a(以下「サイドガイド
部」と記す)を設けている。ASF1に封筒200aを
縦にセットすると、封筒200aの後端右側はサイドガ
イド部2aに沿って位置し、それ以上の時計方向の回転
が防止される。封筒200aの縦方向給紙では、特に、
封筒200aを送り出すタイミングにてタブの抵抗を受
ける。本例では、封筒200aが土手シート37を越え
るときと、その直後に封筒200aの先端が土手36の
斜面に沿って持ち上げられるときに、タブの抵抗を受け
る。このタイミングを過ぎると、封筒タブの抵抗の影響
は小さくなり、サイドガイド部2aがなくても時計方向
の回転は発生しない。このような理由から、本例では、
封筒200aの後端付近の一部にサイドガイド部2aを
設けて、封筒200aの時計方向の回転を防止してお
り、封筒200aの縦方向全域に渡るようなサイドガイ
ドは設けていない。このように一部に設けられたサイド
ガイド部2aは、給紙トレイ2を閉じたときに、ASF
上ケース47とプリンタ101との間に生じている段差
部に納まる。このように、給紙トレイ2を閉じたとき
に、サイドガイド部2aが他の部分と干渉しないため、
ASF給紙トレイ2をASF1の外形に沿った形で収納
できて、携帯性が損なわれない。
【0052】また、サイドガイド部2aの高さは封筒等
を積載したときの厚み以上であれば効果を発揮すること
ができ、これに対応して、その積載の厚さ以上の段差部
をASF上ケース47とプリンタ101との間に設けて
おけばよい。
【0053】本例の給紙トレイ2は、封筒の縦送りにお
ける時計方向の回転防止の効果があるが、封筒と同程度
の長さを持つ他のシートに対しても、何らかの原因によ
って時計方向の回転力が生じた場合に、その時計方向の
回転を防止することができる。
【0054】また、サイドガイド部2aは、ASF給紙
トレイ2に対して一体に形成されているので、低コスト
化を図ることができる。
【0055】なお、サイドガイド部2aは、給紙トレイ
2が閉じられたときに、前記の段差部に納まるのでな
く、プリンタ101あるいはASF1予め設けられた凹
部に収納されるように構成しても良い。
【0056】(ASFとプリンタとの着脱機構につい
て)図11は、ASF1におけるプリンタ着脱機構に関
連する部品の配置を示す斜視図である。また、図12
は、プリンタにおけるASFへの着脱に関連する部品配
置を示す斜視図である。
【0057】図11において、位置決めベース39は、
ASF1とプリンタ101との間の紙パスの位置決め、
およびASF1のASFコネクタ44とプリンタ側コネ
クタ117との接続の位置決めを行うための部材であ
る。すなわち、位置決めベース39には2つの位置決め
ボス39d, 39eが設けられており、ASF1にプリ
ンタ101が装着されると際に、ASFコネクタ44と
コネクタ117が接続される前に、位置決めボス39d
がプリンタ101の基板ホルダ118に設けられた位置
決め穴118aに、また、位置決めボス39eが位置決
め長穴118bにそれぞれ嵌合する。よって、コネクタ
44,117同士の接続は、それらが位置決めされた後
に行われて、それらの間の位相ずれによるコネクタ4
4,117の破損を防ぐ構成となっている。また、ボス
39d,39eと穴118a,118bとの嵌合によっ
て、ASF1とプリンタ101との間のxおよびz方向
の位置決めが行われるので、プリンタ101とASF1
との間の紙パスの位置決めも同時に達成される。
【0058】ASF1には、それに装着された後のプリ
ンタ101のy方向の位置決めするために、フック
(左)16およびフック(右)17が設けられている。
また、プリンタ101のベース103の両側には、2つ
のフック16,17と嵌合するフック固定穴103y,
103zが設けられている。プリンタ101がASF1
に装着されると、プリンタ101に設けられたフック固
定穴103y, 103zに、ASFに設けられたフック
(左)16, フック(右)17がそれぞれ嵌合して、プ
リンタ101のy方向の位置決めが行われる。
【0059】ASF1からのプリンタ101の取り外し
は、ユーザがプッシュレバー40を矢印40A方向に押
すことにより達成される。すなわち、プッシュレバー4
0を矢印40A方向に押すと、後述するようにフック
(左)16, フック(右)17が矢印40A方向に退避
し、それらとプリンタ101のフック固定穴103y,
103zとの嵌合が解除される。そして、ASF1に設
けられたポップアップ43a, 43bによって、プリン
タ101の部分102aが矢印43A(y)方向に押さ
れることにより、コネクタ44,117間の接続が解除
される。ポップアップ43a, 43bは、図示しない弾
性部材によって矢印43A(y)方向に付勢されてお
り、y方向に摺動可能な構成となっている。ポップアッ
プ43a,43bの付勢力は、プリンタ101をASF
1に装着する時には反力として作用する。よって、ポッ
プアップ43a,43bの付勢力が強過ぎると、プリン
タ101をASF1に押し込むことができずに、プリン
タ101の装着が不可能になってしまうため、適当な付
勢力に設定されている(例えば、プリンタ101をAS
F1に装着する時に、ASF1が付勢力によって動かな
い程度)。
【0060】コネクタ44,117間の抜去に要する力
がポップアップ43a,43bの付勢力を上回ってしま
うと、ポップアップ43a,43bだけではコネクタ4
4,117間の接続が解除されなくなる。そこで、本構
成においては、プッシュレバー40を矢印40A方向に
押すことにより、後述するように、プッシュレバー40
の部分40bが矢印y方向に突き出てくる構成となって
いる。よって、プッシュレバー40の部分40bが突き
出てプリンタ101の部分102bを矢印y方向に押す
ことにより、コネクタ44,117間の接続が解除され
る。したがって、ユーザは、プリンタ101とASF1
のy方向の嵌合およびコネクタ44,117間の接続が
解除された状態から、プリンタ101をASF1から矢
印y方向に容易に引き出し可能となる。
【0061】図13〜図18は、上述したASF1とプ
リンタ101との着脱機構を更に詳細に説明するための
断面図である。
【0062】図13は、ASF1へのプリンタ101の
着脱に関連する機構部品の配置を示した断面図である。
同図において、プッシュレバー40は、位置決めベース
39に固定されているレバーシャフト42に、矢印40
A,40B方向に移動自在かつ矢印40C方向に回動自
在に取り付けられている。また、フックレバー40とシ
ャーシ11との間には、プッシュレバーばね7が張設さ
れている。プッシュレバー40には回転止めとしてのボ
ス40cが設けられ、また位置決めベース39には、ボ
ス40cをガイドするためのスライド面39a,39
b,39cが設けられている。図においては、スライド
面39a,39b,39cを構成が分かりやすいように
二点鎖線で示す。この構成により、レバーシャフト42
を回転中心としたプッシュレバー40の回転は、プッシ
ュレバー40のボス40cがガイド面39bに突き当た
ることにより規制されている。
【0063】フック(左)16は、ASFシャーシ11
に回動自在に取り付けられたフックシャフト18に固定
されている。図示しないフック(右)17も同様にフッ
クシャフト18に固定されており、フック(左)16,
フック(右)17は連動する構成となっている。また、
フック(左)16とプッシュレバー40は、コネクティ
ングばね9によって互いに接近する方向に付勢されてお
り、プッシュレバー40の摺動面40eとフック(左)
16の部分16bは常に当接状態にある。また、フック
(左)16とASFベース45との間にはフックばね3
が圧縮して介在されており、その付勢力によって、フッ
ク(左)16の爪部16aがベース45のプリンタ摺動
部45b面から突き出される構成となっている。
【0064】(プリンタの装着動作)図14は、ASF
1にプリンタ101を装着すべく、プリンタ摺動45b
にプリンタ101が載せられた状態を示している。同図
においては、機構を分かりやすく説明するために、プリ
ンタ101を二点鎖線で示し、そのプリンタ101のベ
ース103を断面によって示している。
【0065】プリンタ101は、ASFベース45のプ
リンタ摺動部45bに沿って矢印A方向から移動してく
る。この図14の状態から、プリンタ101をさらに矢
印A方向に押し込んでいくと、フック(左)16の爪部
斜面16a1がプリンタ101のベース底面103wに
当接する。
【0066】さらに、プリンタ101を押し込んでいく
と、フック(左)16は、フックシャフト18を回転軸
として矢印16A方向に押し下げられて、フック(左)
16の爪部平面16a2がベース底面103wに当接す
る状態となる。これと同時に、コネクティングばね9に
よりフック(左)16と関連付けられているプッシュレ
バー40は、矢印40A方向に下降していく。このプリ
ンタ101の押し込み位置において、図15のように、
位置決めボス39dおよび39eがプリンタ101の位
置決め穴118aおよび位置決め長穴118b(図12
参照)と嵌合状態となり、ASFコネクタ44とプリン
タ側コネクタ117との接続前に、それらのコネクタ4
4,117の間の位置決めがなされる。
【0067】プリンタ101を更に矢印A方向に押し続
けると、ASFコネクタ44とコネクタ117とが接続
されていく。そして、プリンタ101のフック固定穴1
03yとの対向位置に、フック(左)16の爪部16a
が到達すると、図16のように、フックばね3の付勢力
によって、フック(左)16が矢印16B方向に上昇す
る。そして、プリンタ101のフック固定穴103yの
壁にフック(左)16の爪部固定面16a3が突き当た
って、それらが嵌合状態となる。それと同時に、プッシ
ュレバー40も連動して、40B方向に上昇し、これに
より、ユーザは、ASF1にプリンタ101が装着(固
定)されたことを確認できる。
【0068】ところで、フック(左)16とフック
(右)17は、フックシャフト18に固定されているの
で、それらのフック16,17が共に対応するプリンタ
101のフック固定穴103y,103zに入らない限
り、プッシュレバー40は矢印40B方向に上昇するこ
とはない。よって、フック16,17の一方がプリンタ
101の固定穴103yまたは103zに嵌合されない
場合、例えば、プリンタ101がASF1に対して斜め
に装着されるような装着不良の場合は、ユーザは、プッ
シュレバー40の高さ位置を確認することによって、そ
の装着不良を防ぐことができる。また、本構成におい
て、フック16,17とプリンタ1との嵌合位置は、フ
ック16,17の回転中心と同じ高さ位置、または、そ
の回転中心位置よりもわずかに高い位置に設定されてい
る。このことにより、プリンタ101をASF1から強
引に取り外そうとした場合、フック16,17は、力の
釣り合い位置、つまりフック16,17の回転中心の高
さと同じ高さ位置に止まるので、ASF1からプリンタ
101が外れることはない。
【0069】(プリンタの取り外し動作))次に、プリ
ンタ101をASF1から取り外す場合について説明す
る。
【0070】ユーザは、プリンタ101をASF1から
取り外したい時に、まず、プッシュレバー40のプッシ
ュ部40aを矢印40A方向に指で押しつける。このと
き、プッシュレバー40のボス40cは、位置決めベー
ス39に設けられたガイド面39a, 39bの間に挟ま
れている。そのため、プッシュレバー40は、そのボス
部40cがガイド面39bの下方に外れるまで、レバー
シャフト42を中心として回動することができずに、矢
印40A方向に下降していく。一方、プッシュレバー4
0とフック(左)16は連動しているので、プッシュレ
バー40の下降と同時に、フック(左)16がフックシ
ャフト18を中心として16A方向に回動する。これに
より、図17のように、プリンタ1のフック固定穴10
3yとフック(左)16の爪部固定面16a3との嵌合
が解除される。また、プリンタ101は、ポップアップ
当接部102aが図17中破線で示されているポップア
ップ43(43a,43b)によって押されて、矢印B
方向に押し出される。それと同時に、ASFコネクタ4
4とコネクタ117の接続も解除される。この状態にお
いて、ユーザがプッシュレバー40の矢印40A方向の
押しつけを解くと、図15に示すような状態となる。こ
の状態は、コネクタ44,117の接続が解除され、ま
たフック16,17とプリンタ101との嵌合も解除さ
れた状態であり、この状態から、ユーザは容易にASF
1からプリンタ101を取り外すことができる。
【0071】ところで、ポップアップ43の押し出し力
よりも、コネクタ44,117間の抜去に要する力が上
回ってしまう場合がある。このような状態では、いくら
フック16,17とプリンタ101との嵌合を解除して
もプリンタ101が動かず、図15のような状態にする
ことができないため、ユーザがASF1からプリンタ1
01を取り外せない状況になってしまう。そこで、本構
成においては、ユーザによる押し出し機能が追加されて
いる。
【0072】すなわち、図17に示すような状態におい
ては、フック(左)16がフック固定穴103yとの嵌
合を解除された位置にあり、プッシュレバー40のボス
40cは、位置決めベース39のガイド面39bから下
方に外れて、そのガイド面39bによる矢印40A方向
の移動規制が解除された状態にある。また、プッシュレ
バー40は、その穴部40dの上端面がレバーシャフト
42に押し付けられた状態にあり、フック16,17の
押し下げが規制されている。プッシュレバー40におけ
るフックとの摺動面40eは、レバーシャフト42を回
転中心とした円弧形状となっているため、プッシュレバ
ー40が回動してもフック(左)16の位置は変わらな
い。
【0073】このような図17の状態において、ユーザ
がプッシュレバー40のプッシュ部40aを矢印40A
方向にさらに押し続けると、プッシュレバー40は、図
18のように、レバーシャフト42を回転中心として矢
印40D(図17参照)方向に回動する。そして、フッ
ク16,17とプリンタ101との嵌合が解除されたま
ま、プッシュレバー40の押し出し部40bがプリンタ
の当接部102bに当接して、プリンタ101が矢印B
方向に押し出される。プッシュレバー40は、図18の
ように、そのストッパ部40fが位置決めベース39の
ストッパ部39fに突き当たることによって、回動が規
制される。ここで、プッシュレバー40によるプリンタ
101の押し出し量は、フック16,17とプリンタ1
01との嵌合の解除と、コネクタ44,117の接続の
解除がなされる量に設定されている。
【0074】プリンタ101を押し出した後、ユーザ
は、プッシュレバー40におけるプッシュ部40aの押
し込みを解除する。その押し込み力が解除されると、フ
ックばね3によって、フック(左)16が矢印16B方
向に上昇する。それと同時に、プッシュレバー40もフ
ック(左)16によって押し上げられ、プッシュレバー
40のボス40cが位置決めベース39のガイド面39
cに当接する。そして、プッシュレバーばね7の引っ張
り力によって、プッシュレバー40が矢印40E方向に
回動していく。そして、プッシュレバー40のボス部4
0cが位置決めベース39のガイド面39aに突き当た
ることにより、プッシュレバー40の回動が規制され、
そして、フックばね3のバネ力によってプッシュレバー
が40B方向に上昇する。そして最終的には、図15の
ような状態、つまりコネクタ44,117の接続が解除
され、またフック16,17とプリンタ101との嵌合
も解除された状態となり、ユーザは、ASF1から容易
にプリンタ101を取り外すことができる。
【0075】このように、本構成においては、プッシュ
レバー40が略鉛直方向に押され、またプリンタ101
が略水平方向に取り出される。プッシュレバー40が略
鉛直方向に押されることによって、ASF1自体に鉛直
方向の力が作用するため、プリンタ101が略水平方向
に押し出されてもASF1は水平方向にずれない。ま
た、プリンタ101は、略水平方向に押し出されるの
で、それが自重によって装着方向に戻るように動くこと
がなく、その取り外し不良の発生もない。
【0076】(ASFとプリンタとの着脱機構の配置関
係等)図19は、本構成におけるプッシュレバー40、
ポップアップ43a,43b、位置決めボス39d,3
9e、フック(右)16,フック(左)17およびAS
Fコネクタ44の配置関係の説明図である。また、図2
0から図23は、プリンタ101を簡略化した上面図で
ある。
【0077】プリンタ101の位置決めボス39d, 3
9eおよびフック16,17は、プリンタ101の幅方
向の両端部近傍に設けられている。ASFコネクタ44
は、位置決めボス39e,39dの間において、ボス3
9e寄りに配置されている。プッシュレバー40および
ポップアップ43bは、位置決めボス39dからみてA
SFコネクタ44よりも離れた位置に配置されている。
このような構成において、プリンタ101をASF1か
ら取り外す場合、プッシュレバー40を矢印40A方向
に押し込み、フック16,17をプリンタ101の固定
穴103y,103zから解除した状態で、プッシュレ
バー40の押し出し部46bをプリンタ101に押し当
ててプリンタ101を突き出す。これにより、コネクタ
44,117の接続の解除、およびフック16,17と
プリンタのフック固定穴103y,103zとの嵌合解
除が達成される。
【0078】ポップアップ43a,43bは、ユーザが
プッシュレバー40を押す力を軽減させるための補助部
材であり、図示しない弾性部材によって、プリンタ10
1の押し出し方向に付勢されている。本構成において、
プリンタ101の押し出しに際しては、後述するよう
に、プリンタ101が、位置決めボス39d, 39eを
回動支点としてプリンタ摺動部45b上を滑りながら押
し出されていく。位置決めボス39dと嵌合するプリン
タ101の位置決め穴118aは丸穴とされ、また、位
置決めボス39eと嵌合するプリンタ101の位置決め
穴118bは長穴とされている。
【0079】ここで、図20の状態から、プリンタ10
1を、位置決めボス39dを回動支点としてASF1か
ら取り外そうとした場合には、プリンタ101とASF
1との位置関係は図21のようになる。しかし、この図
21のような状態になると、位置決めボス39dと位置
決め穴118aとの間で食いつきが発生して、ポップア
ップ43aの押し出し力だけでは、プリンタ101を動
かすことができなくなってしまう。また、ユーザが強引
にプリンタ101をASF1から取り外そうとした場
合、位置決めボス39dが変形および破壊されるおそれ
がある。
【0080】そこで、本構成においては、プッシュレバ
ー40およびポップアップ43bがプリンタ101を押
し出す前に、ポップアップ43aの押し出し力によっ
て、プリンタの回動支点となる位置決めボス39dと位
置決め穴118aとの嵌合位置を、コネクタ44,11
7の解除方向にずらす。これにより、位置決めボスと位
置決め穴との間の食いつきの発生を防止している。
【0081】すなわち、図19のような配置関係におい
て、ポップアップ43aの押し出し力によって、位置決
めボス39eを回動支点としてプリンタ101を押し出
すために必要な力F1は、下式の関係となる。
【0082】
【数3】F1>(X1/X2)×P1+P2 ここで、F1はポップアップ43aによるプリンタ10
1の押し出し力、P1はコネクタの抜去に要する力、P
2はプリンタ101とプリンタ摺動面45bとの間の摩
擦力、X1は回動支点となる位置決めボス39eからコ
ネクタ44までの距離、X2は回動支点となる位置決め
ボス39eからポップアップ43aまでの距離である。
【0083】上式から明らかなように、ポップアップ4
3aとASFコネクタ44との間の距離が大きくなるほ
ど、つまり(X1/X2)の値が小さくなるほど、ポッ
プアップ43aの押し出し力F1を小さく設定できる。
ポップアップ43aの押し出し力F1は、プリンタ10
1をASF1に装着するときは反力としてはたらく。一
般に、コネクタの抜去に要する力が1〜2kgfである
ことを考慮すると、(X1/X2)の値としては0.5
以下が適当である。
【0084】さらに、フック(右)17の爪部17a高
さは、フック(左)16の爪部の高さよりも低く設定さ
れている。よって、フック16,17がプリンタ101
のフック固定穴103y,103zとの嵌合状態から解
除され時点は、フック(左)16の方がフック(右)1
7よりも先となる。
【0085】このことにより、プリンタ101は、フッ
ク(右)17が、プリンタ1のフック固定穴103zと
の嵌合位置から解除された瞬間、図22のように、ポッ
プアップ43aの押し出し力によって、プリンタが位置
決めボス39eを回動支点として回動し、位置決めボス
39dと位置決め穴118aとが、コネクタ44,11
7(図22中不図示)の接続解除方向において相対的に
離間移動する。その後、フック(左)16とプリンタ1
01のフック固定穴103yとの嵌合が解除されてか
ら、図23のように、プッシュレバー40およびポップ
アップ43bによって、プリンタが押し出される。この
結果、位置決めボス39a,39bと位置決めボス穴1
18a,118bとの食いつきがない状態で、プリンタ
101をASF1から取り外すことが可能となる。
【0086】ここで、仮りに、プッシュレバー40およ
びポップアップ43bを位置決めボス39dとASFコ
ネクタ44との間に配置した場合には、コネクタ44,
117間の接続力が大きいと、コネクタ44がプリンタ
101の回動支点となってしまう。そのため、丸穴嵌合
となっている位置決めボス39dと位置決め穴118a
との間で食いつきが発生して、食いつきによるボス39
dの変形および破壊が懸念される。よって、プッシュレ
バー40およびポップアップ43bは、プリンタ101
の回動支点となる位置決めボス39dからみて、ASF
コネクタ44よりも離れた位置に配置する必要がある。
【0087】(制御部)図24は、プリンタ101の本
体制御部202、および外付けASF1の制御部201
のブロック構成図である。
【0088】プリンタ101を制御する本体制御部20
2は、図4に示す本体基板123上に配置され、CPU
203、ROM204およびRAM205がバスによっ
て接続されたマイクロコンピュータを備えている。プリ
ンタ101が記録を行う場合、本体制御部202は、R
OM204に格納された本体制御プログラムに基づき、
次のように機能する。まず、モータドライバ208を介
して、図示しないキャリッジを移動させるためのキャリ
ッジモータ121を駆動すると共に、その図示しないキ
ャリッジに装着された記録ヘッド115をヘッドドライ
バ210を介して駆動することによって、シート上に1
行分の記録を行う。その後、本体制御部202は、モー
タドライバ206を介して紙送りモータ120を駆動す
ることにより、シートを所定量送る。その後、再び、キ
ャリッジモータ121と記録ヘッド115を駆動して、
1行分の記録を行う。そして、このような記録とシート
の送りとを繰り返すことにより、シートへの記録を完了
する。
【0089】117はコネクタであり、本体制御部のC
PU203からの命令信号を外部に出力し、また、外部
からの応答信号をCPU203に入力すべく、双方向通
信可能な通信ポートとして機能する。このコネクタ11
7は、後述するように外部への電源供給を行うことも可
能である。108は、プリンタ本体内部に備えられて、
光学的スイッチまたは機械的スイッチを有するペーパエ
ンドセンサである。シート200がプリンタ本体に挿入
されると、ペーパエンドセンサ108の出力電圧は" L
O" 状態から" HIGH" 状態に変化する。また、11
3は、ペーパエンドセンサ108と同様の機能を有する
排紙センサであり、画像記録後のシート200がプリン
タ本体内部に残っていると、出力電圧が" HIGH" 状
態となる。ペーパエンドセンサ108および排紙センサ
113の出力電圧は、共にCPU203により監視可能
であり、さらにペーパエンドセンサ108の出力電圧
は、コネクタ117を介して直接外部へ出力可能となっ
ている。
【0090】外付けASF1を制御するASF制御部2
01は、プリンタ本体制御部202と同様に、CPU2
13、ROM214およびRAM215がバスによって
接続されたマイクロコンピュータを備えている。CPU
213は、ROM214に格納されたASF制御プログ
ラムに基づき、モータドライバ216を介して給紙モー
タ27を駆動する。44はASFコネクタであり、プリ
ンタ101などの外部機器からの信号を受信し、またA
SF制御部201のCPU213からの信号を出力すべ
く、双方向通信可能な通信ポートとして機能する。
【0091】(通信ポート部)図35は、コネクタ11
7およびASFコネクタ44の詳細な構成を模式的に示
したものである。
【0092】コネクタ117およびASFコネクタ44
は各々8個のポート117a〜117h、44a〜44
hを有しており、ASF1がプリンタ101に装着され
ると、英数字の対応するポート同士が電気的に接続され
る。ポート44a,117aはGNDライン、ポート4
4b,117bは信号用5v電源ライン、ポート44
e,117eは給紙モータ27の駆動用となる24v電
源ラインを成す。また、ポート44fは、ポート117
fへ信号を送信する送信ポート、ポート44gは、ポー
ト117gからの信号を受信する受信ポート、ポート4
4hは、ポート117hからペーパエンドセンサ108
の出力電圧を受けるポートとなっている。なお、ポート
44c,44dの間は短絡されているため、プリンタ1
01側にて、ポート117c,117dを利用して、外
部に機器が接続されているか否かを認識できる構成にな
っている。
【0093】(ASF分離、搬送機構部)図25は、外
付けASF1がプリンタ101に装着された状態を示す
断面図である。
【0094】19は、シート200を送り出す給紙ロー
ラである。給紙ローラ19には給紙ゴム23が嵌着され
ており、給紙ローラ19が回転すると、給紙ゴム23の
摩擦力によりシート200が搬送される。26はシート
200が積載される圧板であり、シート搬送方向におけ
る上流側の両端が、ASFシャーシ11に回転可能に軸
支されている。圧板26は、圧板ばね13により給紙ゴ
ム23の方向へ付勢されている。初期状態においては、
給紙ローラ19の両端に設けられたカム部19cと、圧
板26の両端に設けられたカム部26aとが噛み合っ
て、給紙ゴム23と圧板26とが離間されていることに
より、シート200をスムーズにセットできるようにな
っている。土手36は、圧板26のシート搬送方向の延
長上に位置する突き当て面36aを有しており、シート
200は、この突き当て面36aに先端を突き当てるよ
うにしてセットされる。突き当て面36aには、シート
分離部材である土手シート37が取り付けられている。
土手シート37は、プラスチックフィルムなどの弾性体
から成るシートであり、撓む際に生じる弾性力を利用し
て、シート200を1枚ずつ分離する作用を持つ。
【0095】(プリンタ搬送機構、記録機構)次に、図
25におけるプリンタ101の搬送機構部および記録機
構部について説明する。
【0096】109は、シート200を搬送するLFロ
ーラである。LFローラ109は、金属パイプの表面に
ウレタン樹脂などの摩擦係数の高い素材の塗膜を形成し
たものである。このLFローラ109は、図25に示し
た紙送りモータ120により回転駆動されて、ピンチロ
ーラ110と共にシート200を挟持して搬送する。1
15は、LFローラ109により搬送されたシート20
0に画像を記録する記録ヘッドであり、LFローラ10
9の長手方向に往復自在な図示しないキャリッジに搭載
されている。記録ヘッド115は、図25におけるキャ
リッジモータ121により駆動されるキャリッジと共
に、シート200の紙幅方向(図25の紙面の表裏方
向)に往復動可能である。
【0097】拍車111および排紙ローラ112は、L
Fローラ109および記録ヘッド115のシート搬送方
向下流側に位置して、画像の記録の終わったシート20
0を搬送するための2組のローラ対を成している。排紙
ローラ112は、図示しない駆動伝達部材を介してLF
ローラ109に接続され、LFローラ109を駆動源と
して、LFローラ109による搬送方向と同一方向にシ
ート200を搬送するように回転する。シート搬送方向
においてLFローラ109よりも上流側の紙パス上に
は、ペーパエンドセンサ108が備えられ、また2組の
排紙ローラ112,112の間には排紙センサ113が
備えられている。それらのセンサ108,109は、シ
ート200が横切ることにより、出力電圧が" LO" 状
態から" HIGH" 状態に変化する。
【0098】(ASF駆動機構部)図26、図27に、
外付けASF1の駆動機構を示す。給紙モータ27は、
正転・逆転可能なステッピングモータである。28はア
イドルギアであり、給紙モータ27のモータギア27a
と噛み合っている。29は、大小径の異なる二段のギア
29a,29bを有するASFダブルギアであり、大径
ギア29aがアイドルギア28と噛み合っている。31
は正転遊星ギアであり、ASFダブルギア29の小径ギ
ア29bと噛み合って、ASFダブルギア29の周囲を
公転する。33は、大小径の異なる二段のギア33a,
33bを有する逆転太陽ギアであり、その大径ギア33
aがASFダブルギア28の小径ギア29bと噛み合っ
ている。35は逆転遊星ギアであり、逆転太陽ギア33
の小径ギア33bと噛み合って、逆転太陽ギア33の周
囲を公転する。19aは、給紙ローラ19の軸端に設け
られた給紙ローラギアであり、欠歯部分19bを有す
る。給紙ローラギア19aは、正転遊星ギア31および
逆転遊星ギア35の公転軌道上にあり、それらのギア3
1,35に噛み合う位置に配置されている。
【0099】次に、各ギアの動作について説明する。
【0100】図26において、給紙モータ27が矢印b
方向に回転(逆転駆動)したとき、各ギアは同図中の矢
印方向にそれぞれ回転する。すなわち、逆転遊星ギア3
5は、アイドルギア28およびASFダブルギア29を
介して、逆転太陽ギア33の小径ギア33bの周囲を図
26中の2点鎖線の位置から、時計回り方向の実線の位
置に向かって公転し、給紙ローラギア19aと噛み合
う。これにより、給紙ローラ19は、時計回りの矢印方
向(圧板26に積載されたシート200をプリンタ10
1に送り出す方向)に回転する。逆転遊星ギア35と噛
み合い回転する給紙ローラギア19aは、欠歯部分19
bが逆転遊星ギア35と対向する位置まで回転したとき
に、その逆転遊星ギア35との噛み合いが外れ、それ以
上は、給紙モータ27が逆転駆動されても回転しなくな
る。このとき、正転遊星ギア31は、図26中の2点鎖
線の位置から、反時計回り方向の実線の位置に向かって
公転し、図示しないストッパに突き当たって停止してい
るため、給紙ローラ19の回転には影響しない。
【0101】次に、図27において、給紙モータ27が
矢印f方向に回転(正転駆動)したとき、各ギヤは同図
中の矢印方向にそれぞれ回転する。すなわち、正転遊星
ギア31は、アイドルギア28およびASFダブルギア
29を介して、ASFダブルギア29の小径ギア29b
の周囲を図27中の2点鎖線の位置から、時計回り方向
の実線の位置に向かって公転し、給紙ローラギア19a
と噛み合う。これにより、給紙ローラ19は、時計回り
の矢印方向(圧板26に積載されたシート200をプリ
ンタ101に送り出す方向)に回転する。正転遊星ギア
31と噛み合い回転する給紙ローラ19aは、欠歯部分
19bが正転遊星ギア31と対向する位置まで回転した
ときに、その正転遊星ギア31との噛み合いが外れ、そ
れ以上は、給紙モータ27が正転駆動されても回転しな
くなる。このとき、逆転遊星ギア33は、図27中の2
点鎖線の位置から、反時計回り方向の実線の位置に向か
って公転し、図示しないストッパに突き当たって停止し
ているため、給紙ローラ19の回転には影響しない。
【0102】さらに、給紙ローラギア19aの欠歯部分
19bが正転遊星ギア31と対向するときには、図25
のように、給紙ローラ19のカム部19cが圧板26の
カム部26aと噛み合って初期状態と同じ位相となり、
圧板26が給紙ゴム23から離間する。したがって、給
紙モータ27が連続して正転駆動すると、給紙ローラカ
ム部19cと圧板カム部26aとの噛み合いによって圧
板26が給紙ゴム23から離間した状態となったまま、
給紙ローラ19が初期状態と同じ位相で回転を停止す
る。その後は、正転遊星ギア33も逆転遊星ギア35も
図27中の実線の位置で空転するため、給紙ローラ19
に回転を伝達しない状態で安定する。
【0103】(給紙動作および記録動作(プリンタ
側))次に、プリンタ101およびASF1によるシー
ト200の給紙、搬送、および記録後の排出の動作につ
いて説明する。
【0104】プリンタ101は、コンピュータなどの外
部情報機器からの記録命令を受けると、まず給紙動作を
行い、次いで記録動作を行う。図28は、プリンタ10
1の給紙動作を説明するためのフローチャートである。
【0105】まず、プリンタ101の本体制御部202
は、サブフローC1を実行する。そのサブフローC1
は、図35に示すポート117f,117gを介してプ
リンタ外部に装着された機種の判別を行うためのもので
あり、その詳細は図32を用いて後述する。
【0106】次いでS1に進み、サブフローC1による
判別結果が、プリンタ101に対するASF1の装着を
示していた場合は、ASF給紙となるためS2に進む。
S2において、本体制御部202はASF1に初期化命
令信号を送信し、それからS3に進む。S3において、
初期化完了を示すASF1からの応答信号を待ち、その
応答信号を受信してS4に進む。S4において、本体制
御部202は給紙命令信号、および給紙するシートの種
類(普通紙、コート紙、はがき、光沢フィルムなど)を
表す紙種信号をASF1に送信し、それからS5に進
む。
【0107】S5において、ASF1からの応答信号が
受信されていないときはS8に進み、そのS8におい
て、予め定められた制限時間t2秒が経過していなけれ
ばS5に戻る。S8において、給紙開始時から制限時間
t2秒が経過した場合はS9に進み、本体制御部202
が給紙エラーを出して給紙動作を終了する。
【0108】S5において、ASF1からの応答信号が
あり、それが給紙完了を示す信号のときはS7へ進む。
ステップS7は、シート200のいわゆる頭出し動作を
行うステップである。このステップS7において、本体
制御部202は紙送りモータ120を駆動して、LFロ
ーラ109を、記録時のシート搬送方向(正転方向)に
所定量R3だけ回転させることによって、給紙動作を終
了する。所定量R3は、シート200先端部が排紙セン
サ113のシート検出可能領域には届かずに、それが記
録ヘッド115の真下に至る程度の大きさに設定されて
いる。したがって、プリンタ101がシート200への
記録を開始をする際には、シート200を搬送方向上流
側に戻す必要がない。したがって、シート200の後端
がASF1の内部の機構部品に衝突することがなくて、
シート200の折れやミスフィードを引き起こすことが
ない。
【0109】また、S5において、ASF1からの応答
信号があり、それが給紙エラーを示す信号ならばS9に
進み、本体制御部202は、給紙エラーを出して給紙動
作を終了する。
【0110】S1において、サブフローC1による判別
結果が、プリンタ101に対するASF1の非装着を示
していた場合は、手差し給紙となるためS10に進む。
S10において、ペーパエンドセンサ108によるシー
トの検知を待つ。ユーザがシートを挿入していない場合
は、ペーパエンドセンサ108はシート200を検出せ
ず、その出力電圧は" LO" 状態である。ユーザがシー
ト200をプリンタ101内に挿入して、それをLFロ
ーラ109に突き当てると、ペーパエンドセンサ108
の出力電圧が" HIGH" 状態となり、シート200が
検出されて、S11に進む。S11において、本体制御
手段202は、LFローラ109を所定量R4だけ正転
(記録時の搬送方向にシート200を搬送する回転方
向)させるように、紙送りモータドライバ206を介し
て紙送りモータ120を駆動する。所定量R4は、シー
ト200の先端部が、排紙センサ113のシート検出可
能領域に到達する程度の大きさに設定されている。
【0111】次にS12に進み、排紙センサ113がシ
ート200を検出していた場合は、給紙成功と判断して
S13に進む。S13において、本体制御手段202
は、LFローラ109を所定量R5だけ逆転(記録時の
搬送方向と反対の方向にシート200を搬送する回転方
向)させるように、紙送りモータドライバ206を介し
て紙送りモータ120を駆動する。所定量R5は、排紙
センサ113の検出可能領域まで搬送されたシート20
0を記録開始位置まで戻し、かつシート200の先端が
LFローラ109とピンチローラ110の間から抜け出
ない程度の量に設定されている。
【0112】また、S12において、排紙センサ113
がシート200を検出しない場合、例えば、LFローラ
109への突き当てが弱いためにLFローラ109とピ
ンチローラ110の間にシート200が良好に噛み込ま
なかった場合や、シート200をLFローラ108に斜
めに突き当てたために、所定量R4だけ搬送しても排紙
センサ113のシート検出可能領域までシート200先
端が届かなかった場合、本体制御部202は手差し給紙
が失敗だったと判断してS14に進む。S14におい
て、本体制御手段202は、LFローラ109を所定量
R6だけ逆転させるように、紙送りモータドライバ20
6を介して紙送りモータ120を駆動する。所定量R6
は、排紙センサ113の検出可能領域まで搬送されたシ
ート200の先端を、LFローラ109とピンチローラ
110の間から抜け出すために十分大きな量に設定され
ている。
【0113】このように、手差し給紙時においては、排
紙センサ113がシート200を検出したか否かを判定
することによって、うまく給紙できたことを確実に確認
できる。さらに給紙に失敗したときは、シート200が
LFローラ109に噛み込まない位置まで戻されるた
め、シート200を容易に取り去って、再び手差し給紙
を行うことができる。
【0114】なお、手差し給紙時は、ASF1の装着時
とは異なって、衝突する機構部品などが存在しないた
め、シート200を反対方向に搬送しても折れやミスフ
ィードを引き起こすことはない。
【0115】以上のように、図28の制御フローにより
給紙動作を終了したプリンタ101は、その後、記録動
作を行う。本体制御部202は、モータドライバ208
を介してキャリッジモータ121を駆動して、そのキャ
リッジモータ121に連結された図示しないキャリッジ
を移動させると共に、そのキャリッジに装着された記録
ヘッド115をヘッドドライバ210を介して駆動し
て、シート200に1行分の記録を行う。その後、本体
制御部202は、モータドライバ206を介して紙送り
モータ120を駆動することにより、シート200を1
行記録分だけ搬送する。その後、再びキャリッジモータ
121と記録ヘッド115を駆動して1行分の記録を行
う。以上の動作を繰り返すことにより、シート200へ
の記録を完了する。記録が完了すると、本体制御部20
2は、紙送りモータ120を駆動してLFローラ109
を正転させる。これにより排紙ローラ112が回転し、
シート200がプリンタ101の機外に排出される。
【0116】(給紙動作(ASF側))図29は、AS
F1のメイン制御フローを示す。
【0117】ASF1の制御部201は、プリンタ10
1に接続された状態において、通常は待機状態にあり、
S37にて、プリンタ101からの命令信号の受信を待
っている。図35のシリアル受信ポート44gを介し
て、制御部201がプリンタ101からの命令信号を受
信すると、その命令信号の内容に応じて、以下のサブフ
ローまたはステップに進む。
【0118】すなわち、プリンタ101からの命令信号
が「給紙命令」を示す場合にはASF給紙動作を制御す
るサブフローC2に進み、「初期化命令」を示す場合に
は初期化動作を制御するサブフローC3に進む。そし
て、それぞれのサブフローが終了すると再びS37へ戻
って待機状態となる。また、プリンタ101からの命令
信号が「機種判別命令」を示す場合はステップS6に進
み、ASF1自身の機種を表すコードIDをシリアル送
信ポート44fを介してプリンタ101に送信してか
ら、再びS37へ戻って待機状態となる。
【0119】上述した2つのサブフローC2,C3の
内、ここでは、まずASF給紙動作を制御するサブフロ
ーC2について説明し、初期化動作を制御するサブフロ
ーC3の詳細については後述する。
【0120】図30は、ASF1において給紙動作制御
を行うサブフローC2の説明図である。
【0121】ASF制御部201は、まずS15におい
て、給紙命令信号と共にプリンタ101から受信した紙
種情報に基づき、給紙する紙種に最適な給紙モータ27
の駆動テーブルTを、ROM214からCPU213に
読み込む。駆動テーブルTは、パルスモータである給紙
モータ27の駆動速度や、後述するS22におけるレジ
取り動作時に、紙種に応じて給紙ローラ19を最適な量
だけ回転させるためのレジ取りパルス数P5などの情報
を含んでいる。駆動テーブルTは、想定されるシートの
特性に応じ、複数の種類が用意されている。
【0122】駆動テーブルTを読み込んだ後、ASF制
御部201は、S16において、「INIT」、
「n」、「Pc」で定義される各変数の初期値として"
0" を設定する。各変数はRAM215に格納される変
数であり、「INIT」は、給紙ローラ19の回転方向
の位相が初期位置にあるか否かを示すフラグ、「n」
は、給紙フローC2を開始してから給紙ローラ19が何
回転したかを示す回転数カウンタ、「Pc」は、給紙モ
ータ27を逆転方向に何パルス駆動させたかを示すパル
ス数カウンタである。
【0123】次にS17に進み、ASF制御部201
は、給紙モータドライバ216を介して、給紙ローラ1
9を逆転方向に1パルス駆動する。次にS18に進み、
パルス数カウンタ「Pc」の値を1だけカウントアップ
してS19に進む。S19において、ASF制御部20
1は、パルス数カウンタ「Pc」の値と許容パルス数P
maxの大きさを比較する。許容パルス数Pmaxは、
給紙モータ27が逆転を開始してから、給紙ローラギア
19aの欠歯部19bが前述したように逆転遊星ギア3
5と対向するまでの、給紙ローラ19の駆動パルス数で
ある。給紙開始直後は、Pc<Pmaxの関係が成り立
っているためS20に進む。S20において、ASF制
御手段201は、図35のポート44hを介してプリン
タ101内のペーパエンドセンサ108の出力電圧を判
定する。給紙動作開始直後は、まだシート200がプリ
ンタ101の内部までは到達せずに、ペーパエンドセン
サ108の出力電圧が" LO" 状態であるため、S17
に戻る。
【0124】上記のようにS17〜S20を繰り返す
と、図26の逆転遊星ギア35が2点鎖線の位置から実
線の位置まで公転して給紙ローラギア19aと噛み合
い、給紙ローラ19が回転を開始する。給紙ローラ19
が初期状態の位相から回転を開始すると、給紙ローラカ
ム部19cと圧板カム部26aとの噛み合いが外れ、圧
板26が圧板ばね13により上方へ引き上げられて、圧
板26上に積載されたシート200が給紙ゴム23に圧
接される。このとき、土手36の突き当て面36aに突
き当てられていたシート200の先端部も上方へ引き上
げられて、土手シート37の中央近傍に当接する。
【0125】S17〜S20をさらに繰り返して、給紙
モータ27の逆転駆動を続けて給紙ローラ19を回転さ
せると、給紙ゴム23の摩擦力によりシート200の搬
送が開始される。シート200は、その先端部が弾性体
の土手シート37を撓ませることにより生じる反力によ
って、その下のシート200と分離されて1枚だけが送
り出される。
【0126】そして、給紙モータ27の逆転駆動を続け
て、Pc<Pmaxの関係が成立しなくなったときに、
S19から分岐してS24へ進む。S24において、A
SF制御部201は、給紙モータ27を所定パルス数P
4だけ正転方向に駆動する。所定パルス数P4は、正転
遊星ギア31によって給紙ローラ19を初期位置まで回
転させるのに十分なパルス数である。すなわち、S24
を実行することにより、給紙ローラ19が初期位置から
丁度1回転し、給紙ローラギア19aの欠歯部19bが
正転遊星ギア31と対向して噛み合いが解除されて、給
紙ローラ19が停止する。次にS25に進み、パルス数
カウンタPcを" 0" に戻し、回転数カウンタnを1だ
けカウントアップしてS26に進む。この時点では、ま
だn=1であるため、S26からS17に戻り、再び給
紙モータ27の逆転駆動を開始する。
【0127】ASF制御部201は、再び、S17〜S
20を繰り返し実行し、給紙ローラ19が2回転目の回
転を開始し、シート200がさらに搬送される。そし
て、シート200の先端部がプリンタ101内部のペー
パエンドセンサ108まで到達すると、ペーパエンドセ
ンサ108の出力電圧は" HIGH" 状態になり、S2
0からS21へ進む。S21において、ASF制御部2
01は、パルス数カウンタPcの値に、読み込んだ駆動
テーブルT中のレジ取り用パルス数P5を加算した値
と、許容パルス数Pmaxの大きさとを比較する。Pc
+P5≦Pmaxの関係であれば、給紙モータ27をさ
らにP5パルスだけ逆転駆動させたとしても、その逆転
駆動の途中において伝達が解除されることはない。そこ
で、Pc+P5≦Pmaxの場合は、S22に進んで給
紙モータ27をP5パルスだけ逆転駆動させる。
【0128】Pc+P5>Pmaxの関係であれば、仮
りに、給紙モータ27をさらにP5パルスだけ逆転駆動
させた場合には、その途中で給紙ローラギア19aの欠
歯部分19bが逆転遊星ギア35と対向して、給紙ロー
ラ19への駆動伝達が途切れてしまう。そこで、Pc+
P5>Pmaxの場合は、S24に進む。S24では、
再び給紙モータ27をP4パルスだけ正転駆動して給紙
ローラ19を初期位置に戻す。次いでS25にて、Pc
を" 0" 、nをn+1としてからS26に進む。通常
は、給紙ローラ19の2回転目にペーパエンドセンサ1
08がシート200を検出するため、この時点(n=
2)ではS17に戻る。この時点では、すでにペーパエ
ンドセンサ108の出力電圧が" HIGH" 状態になっ
ている上、パルス数カウンタPcがリセット直後である
ため、S17からS18,S19,S20,S21と進
む。今度のS21では、Pc+P5≦Pmaxの関係も
満たすためS22に進む。
【0129】S22は、いわゆるレジ取り動作を行うス
テップであり、ASF制御部201は、読み込んだ駆動
テーブルT中のパルス数P5だけ給紙モータ27を逆転
駆動させて、給紙ローラ19を回転させる。このとき、
シート200の先端は、ペーパエンドセンサ108によ
って検出された位置からさらにプリンタ101内部に送
り込まれ、停止しているLFローラ109およびピンチ
ローラ110により形成されるニップに突き当たって停
止する。しかし、シート200の後方は、さらに給紙ロ
ーラ19により押し込まれる。このため、シート200
の先端は、LFローラ109およびピンチローラ110
により形成されるニップ部と平行に揃えられる。
【0130】次にステップS23に進み、ASF制御部
201は、図35のシリアル送信ポート44fを介し
て、プリンタ101に給紙完了を示す信号を送信して動
作を完了する。
【0131】なお、圧板26にシート200が積載され
ていない場合は、給紙ローラ19が何回転しても、ペー
パエンドセンサ108の出力電圧が" HIGH" 状態に
なることはない。その場合、ASF制御部201は、ス
テップS17からS18,S19,S20を経てS17
に戻るループをある回数繰り返してから、S19,S2
4,S25,S26を経てS17に戻る動作を2回繰り
返す。S19,S24,S25,S26を経てS17に
戻る動作の3回目のS26の時点で、給紙ローラ19の
回転数カウンタn=3となるため、そのS26からS2
7に進む。そのS27にて、給紙エラー信号をプリンタ
101に送信して動作を完了する。
【0132】(その他の動作(プリンタ側、ASF
側))図31は、ASF1の初期化動作を制御するサブ
フローC3の説明図である。
【0133】ASF制御部201は、プリンタ101か
ら初期化命令信号を受信するとS28へ進み、給紙ロー
ラ19の回転方向の位相が初期位置にあるか否かを示す
フラグ「INIT」の値を確認する。INIT=1であ
れば、給紙ローラ19は既に初期位置にあることを示し
ているため、ステップS31へ進む。S31では、初期
化完了信号をプリンタ101に送信して動作を終了す
る。また、INIT=0であればステップS29に進
み、給紙ローラモータ27を正転方向に所定パルス数P
0だけ駆動する。所定パルス数P0は、給紙ローラ19
がどの回転位置にあっても、給紙ローラギア19aの欠
歯部19bを正転遊星ギア31と対向させるまで、つま
り給紙ローラ19を初期位置とするまで回転させること
が十分にできるような値に設定されている。したがっ
て、S29を実行することにより、給紙ローラ19は回
転して初期位置に戻り、圧板26と給紙ゴム23は離間
して、シート200をスムーズにセット可能な状態とな
る。次いでステップS30に進み、給紙ローラが初期位
置にあることを示すようにフラグINITを" 1" とす
る。それから、S31にて、初期化完了信号をプリンタ
101に送信して動作を終了する。
【0134】図32は、プリンタ101が、図35に示
すポート117f、117gを介して、プリンタ外部に
装着された機種の判別を行うためのサブフローC1の説
明図である。
【0135】本体制御部202は、まずステップS32
において、ポート117gを介して外部機器に機種判別
命令信号を送信する。次いでS33に進み、外部機器か
らの応答信号がポート117fを介して受信されなけれ
ばS35へ進み、所定の制限時間t1が経過していなけ
ればS33に戻る。S35において、制限時間t1が経
過していればS36に進み、外部機器が装着されていな
いと判断して動作を終了する。また、S33において、
外部機器からの応答信号が受信された場合はS34に進
む。S34において、本体制御部202は、受信した応
答信号から装着された機種を示すコードIDを読み取っ
て動作を終了する。
【0136】(他の実施形態)図33および図34は、
プリンタ101およびプリンタ101に装着可能な外付
けASF1における、制御フローの第2の実施形態の説
明図である。なお、前述した第1の実施形態と同一の機
能・形状を有する部分や同一の動作については、同一の
記号を用いることとし、詳細な説明は省略する。
【0137】前述した第1の実施形態においては、図3
0に示すように、ASF制御部201が、S22で給紙
モータ27をP5パルスだけ逆転駆動した後、S23で
給紙完了信号をプリンタ101に送信していた。しか
し、この場合、給紙ローラ19が初期位置には戻ってい
ないため、図37に示すように、給紙ローラ19がシー
ト200と圧接した状態のままになってしまう。この状
態で単純に、LFローラ109だけでプリンタ本体側の
頭出し動作や記録動作を行うと、給紙ローラ19による
バックテンションが発生し、シート200の搬送精度が
悪くなってしまうおそれがある。
【0138】第2の実施形態は、このような問題を解消
するものである。
【0139】すなわち、図34に示すように、ASF制
御部201は、S22においてレジ取り動作を行った後
にS38に進み、給紙モータ27を所定パルス数P6パ
ルスだけ正転駆動する。このパルス数P6は、正転遊星
ギア31によって、給紙ローラ19を初期位置まで回転
させるのに十分なパルス数である。また、このように給
紙モータ27の正転駆動を開始すると同時に、その駆動
開始からの経過時間を測定するカウンタを作動させる。
その経過時間が所定時間t3に達したところでS39に
進み、プリンタ本体101側に同期駆動依頼信号を送信
する。所定時間t3は、S38において給紙モータ27
が回転を始めてから、正転遊星ギア31が給紙ローラギ
ア19aと噛み合って給紙ローラ19を回転開始させる
までの時間よりも、わずかに大きい時間である。さら
に、S38において給紙モータ27を駆動する速度は、
給紙ローラ19に装着された給紙ゴム23の周速が、プ
リンタのLFローラ109がS7において回転するとき
の周速よりも、わずかに大きくなるように設定されてい
る。
【0140】S38が完了した時点において、給紙ロー
ラ19は初期位置と同じ位相まで回転し、それからS4
0に進む。S40において、ASF制御部201は、I
NITフラグを" 1" として、給紙ローラ19の回転方
向位相が初期状態にあることを示してから動作を終了す
る。一方、ASF制御部201がS39において送信し
た同期駆動依頼信号を受信したプリンタ本体制御部20
2は、図33のS5からS7に進み、LFローラ109
の正転を開始する。
【0141】図36は、本実施形態におけるプリンタ1
01とASF1との関連動作の概略をまとめたタイムチ
ャートである。
【0142】プリンタ101が給紙動作を開始すると、
まず機種判別命令信号がASF1側に送信される(S3
2)。ASF1は、それ自身の機種コードを示す信号I
Dをプリンタ101側に送信する(S37)。次に、プ
リンタ101は、ASF1の初期化命令信号をASF1
側に送信する(S2)。ASF1は、初期化状態になけ
れば給紙ローラ19を回転して初期化動作を行い(S2
9)、初期化完了信号をプリンタ101側に送信する
(S31)。次に、プリンタ101は給紙命令信号をA
SF1側に送信する(S4)。ASF1は、給紙命令信
号と共に送られた紙種情報をもとに、最適な駆動テーブ
ルTを読み込んだ後(S15、図36においては図示
略)、給紙動作制御フローC2に基づいて給紙モータ2
7を駆動することにより、給紙ローラ19が回転する
(S17)。プリンタ101側に設けられたペーパエン
ドセンサ108の出力電圧が" HIGH" 状態になって
シート200を検知すると、ASF1は、給紙ローラ1
9を前述したパルス数P5に基づく回転量R1だけさら
に回転させ、いわゆるレジ取り動作を行う(S22)。
このレジ取り動作が完了した後、ASF1は、給紙ロー
ラ19を初期状態と同じ位置となる回転量R3だけさら
に回転させる(S38)と共に、給紙モータ27の駆動
を開始してからt3だけ時間が経過した時点で、同期駆
動依頼信号をプリンタ101側に送信する(S39)。
【0143】ASF1からの同期駆動依頼信号を受信し
たプリンタ101は、LFローラ109を回転量R3だ
け回転させて、いわゆる頭出し動作を行う(S7)。
【0144】以上の説明からも明らかなように、本実施
形態においては、図36のように、S22が完了した状
態において給紙ローラ19が回転を開始し、わずかに遅
れてLFローラ109が回転を開始する。このときのL
Fローラ109の周速よりも、給紙ゴム23の周速の方
がわずかに早い。したがって、LFローラ109が、S
7における頭出し動作のための回転を始めたときは、シ
ート200に圧接された給紙ゴム23がわずかに先に回
転を始めているため、バックテンションは生じない。し
かも、給紙ゴム23の周速がLFローラ109の周速よ
りわずかに早いため、周速差に起因するバックテンショ
ンも生じなくなり、シート200の頭出し時の搬送精度
が安定する。
【0145】なお、t3が小さすぎると、給紙ローラ1
9に給紙モータ27の駆動力伝達が開始される前に、L
Fローラ109が回転を始めてしまうおそれがある。一
方、t3が大きすぎると、LFローラ109が回転を開
始する前に給紙ローラ19が多く回転し、シート200
が途中で変形したり、そのシート200の先端が、LF
ローラ109とピンチローラ110との間の形成される
ニップと平行に揃わなくなったりするおそれがある。本
実施形態においては、t3の値は10ms〜100ms
程度が最適な大きさであった。
【0146】また、LFローラ109の周速に対して、
給紙ローラ19に装着された給紙ゴム23の周速があま
り早くなっていない場合には、シート200の種類や周
囲の環境により給紙ゴム23がスリップしたときに、や
はりバックテンションを発生するおそれがある。逆に、
給紙ゴム23の周速が早すぎた場合は、シート200の
変形を引き起こすおそれがある。本実施形態のS38に
おける給紙ゴム23の周速は、S7におけるLFローラ
109の周速に対し、5%〜50%程度早いことが最適
な条件であった。
【0147】また、本実施形態においては、第1の実施
形態における「給紙完了信号」に相当する信号の名称と
して、動作の意味合いの違いから「同期駆動依頼信号」
という名称を用いて説明した。実際には、「同期駆動依
頼信号」として、「給紙完了信号」と同一の信号を使用
してもなんら不都合を生じない。したがって、第1の実
施形態および第2の実施形態におけるプリンタの給紙動
作制御フロー(図28および図33)は、本質的に全く
同じものとなる。すなわち、第1の実施形態におけるプ
リンタ101は、第1の実施形態および第2の実施形態
におけるASF1のどちらに装着しても使用可能であ
る。
【0148】ここで、第2の実施形態における複数の駆
動テーブルTの内容について、図38を用いて説明す
る。
【0149】例えば、ASF1が受信した紙種情報が普
通紙を表していた場合、ASF制御部201は駆動テー
ブルT1を選択する。普通紙においては、図34のS2
2におけるレジ取り動作時の抵抗力は小さいため、駆動
速度は中速に設定される。また、共通紙は、給紙中に斜
めに搬送されることは少ないため、LFローラ109に
押しつける量を大きく取る必要はなく、レジ取りパルス
数P5として小さい値が設定される。
【0150】また、ASF1が受信した紙種情報が封筒
を表していた場合、ASF制御部201は駆動テーブル
T3を選択する。封筒は給紙されるときの抵抗力が強
く、特にS22におけるレジ取り動作時の抵抗力が大き
い。そのため、封筒の給紙時は、給紙モータ27が脱調
を起こさないように、その駆動速度が普通紙に比較して
低速に設定されて、大きなトルクを確保する。一方、封
筒は、他の紙種と比較して給紙途中で斜めになりやすい
(斜行しやすい)ため、S22におけるレジ取りパルス
数P5として、普通紙のテーブルT1よりは大きい中程
度の値が設定される。これにより、封筒の先端部がLF
ローラ109に押しつけられる量が増えて、より確実に
封筒の先端が揃えられる。
【0151】また、紙種情報が光沢紙を表していた場
合、ASF制御部201は駆動テーブルT4を選択す
る。光沢紙は、レジ取り動作時の抵抗力は大きいが斜行
は発生しにくい。そのため、テーブルT4においては、
レジ取り時の駆動速度が低速に設定され、レジ取りパル
ス数P5が普通紙と同等の小さい値に設定される。
【0152】また、紙種情報がはがきを表していた場
合、ASF制御部201は駆動テーブルT2を選択す
る。はがきは、レジ取り動作時の抵抗力が大きくないた
め、レジ取り時の駆動速度は普通紙と同様に中速に設定
される。
【0153】一方、図36において、プリンタ101側
のLFローラ109とASF1側の給紙ローラ19が同
時に回転するとき、シートがはがきのように剛性が高く
て途中で変形しにくいものであった場合には、次のよう
な問題を生じるおそれがある。すなわち、周速の大きい
給紙ローラ19が、LFローラ109の摩擦力に抗し
て、はがきを押し込んでしまい、LFローラ109の回
転量R3以上に、はがきの先端が搬送されて、適正な記
録結果が得られないおそれがある。これを回避するた
め、テーブルT2においては、S22におけるレジ取り
パルス数P5が可能な限り大きな値に設定される。具体
的には、P5=Pmax−Pcとして設定される。つま
り、パルス数P5は、ペーパエンドセンサ108がシー
ト200を検出するまでに要した給紙モータ27の逆転
駆動パルス数によって定まる変数として設定される。こ
れにより、いつペーパエンドセンサ108がシート20
0を検出しても、図34のステップS22の実行終了時
点においては、給紙モータ27が逆転駆動されたパルス
数の合計はPmaxとなる。すなわち、給紙ローラギア
19aの欠歯部19bは、逆転遊星ギア35と対向して
噛み合いが外れる位置まで確実に回転する。そのため、
ステップS22の終了後の給紙ローラ19の回転方向の
位相は、初期位置から大きく進んだ位置になり、ステッ
プS40において給紙ローラ19が回転しても、速やか
に給紙ローラ19の位相は初期位置に戻る。したがっ
て、圧板26に積載されたはがきと給紙ゴム23との間
は、LFローラ109と給紙ローラ19が同期駆動を開
始した直後に速やかに離間される。そのため、給紙ロー
ラ19がLFローラ109の摩擦力に抗してはがきを押
し込むことはなくなる。
【0154】また、ASF1がプリンタ101から受信
した紙種情報がASF1の対応しない紙種であったり、
紙種が指定されていなかった場合、ASF制御部201
は駆動テーブルT5を選択する。本実施形態による駆動
テーブルT5には、はがき用の駆動テーブルT2と同じ
値が格納されている。しかし、想定される条件によって
は、テーブルT5に、他の紙種のテーブルと同じ値を格
納したり、他の紙種のテーブルとは全く一致しない値を
格納することももちろん可能である。
【0155】(その他)記録装置としてのプリンタ10
1は、インクを吐出するインクジェット方式や熱転写方
式などの種々の記録方式のものであってもよい。インク
ジェット方式の場合には、インクを吐出させるためのエ
ネルギーとして、インクに膜沸騰を生じさせる熱エネル
ギーを発生する電気熱変換体を備えることができる。ま
た、プリンタ101は、記録媒体としてのシート200
の搬送方向と交差する方向に、記録ヘッド115を往復
移動させるシリアルタイプの他、シート200の最大幅
に対応した長さを有する記録ヘッドを備えたフルライン
タイプなどであってもよい。シリアルタイプの場合に
は、シート200の搬送方向と交差する方向に往復移動
可能なキャリッジに、記録ヘッド115を着脱自在に搭
載することが可能である。
【0156】また、本発明は、プリンタ101とASF
1とを一体的に構成した記録装置に対しても適用するこ
とができる。この場合には、プリンタ101に対するシ
ート200の給紙方法を自動給紙または手差し給紙に選
択的に切り換えるように構成する。その上、前述した場
合と同様に、手差し給紙のときには、記録ヘッドの給紙
方向下流側に位置するセンサ113を用いて給紙の成否
を判定し、自動給紙のときには、そのようなセンサ11
3を用いての給紙の成否の判定をしないようにすればよ
い。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録媒体の自動給送の場合は、記録ヘッドの下流側に位
置するセンサまで記録媒体を一旦を送り出す動作はしな
い。そのため、自動給送装置などを用いた自動給送の場
合は、記録媒体を、そのセンサの位置から記録開始位置
まで戻す必要がない。したがって、記録媒体の後端が外
付け自動給送装置などの内部機構部品に衝突することが
なく、記録媒体の折れやミスフィードを引き起こすこと
もない。また、記録媒体を搬送方向の反対方向に余分に
戻さないため、スループットの向上に貢献する。もちろ
ん、自動給送装置などを使用して自動給送を行う場合
は、手差しの給送時に比べてはるかに動作が安定するた
め、センサの位置まで記録媒体を一旦送り出して確認し
なくても、記録媒体の斜行や先端余白の不足が発生する
おそれはない。
【0158】さらに、手差しによる給送時においては、
従来と同様にセンサを利用して給送の成否を判断するこ
とにより、記録媒体の斜行や先端余白の不足などの発生
が減少する。
【0159】これらの結果、本発明は、より信頼性の高
い記録装置および給送制御方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における記録装置と自
動給送装置との分離状態の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における記録装置と自
動給送装置との結合状態の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における自動給送装置
の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における記録装置と自
動給送装置との結合状態の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における記録装置の斜
視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における記録装置の給
紙トレイ開動時の斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態におけるシート基準位
置の模式的平面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における記録装置と自
動給送装置との結合状態の断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における記録装置と自
動給送装置との斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施形態における自動給送装
置の着脱関連部品の配置を示す斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施形態における記録装置の
着脱関連部品の配置を示す斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施形態における自動給送装
置の断面図である。
【図14】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との結合途中の断面図である。
【図15】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との結合途中の断面図である。
【図16】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との結合時の断面図である。
【図17】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との分離開始時の断面図である。
【図18】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との分離途中の断面図である。
【図19】本発明の第1の実施形態における自動給送装
置の着脱関連部品の配置と力関係を説明するための斜視
図である。
【図20】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との着脱機構を説明するための要部の断面
図である。
【図21】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との着脱機構を説明するための要部の断面
図である。
【図22】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との着脱機構を説明するための要部の断面
図である。
【図23】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との着脱機構を説明するための要部の断面
図である。
【図24】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置とのブロック構成図である。
【図25】本発明の第1の実施形態における記録装置と
自動給送装置との結合状態の断面図である。
【図26】本発明の第1の実施形態における自動給送装
置の駆動機構部の動作を説明するための模式図である。
【図27】本発明の第1の実施形態における自動給送装
置の駆動機構部の動作を説明するための模式図である。
【図28】本発明の第1の実施形態における記録装置の
給送動作を説明するためのフローチャートである。
【図29】本発明の第1の実施形態における自動給送装
置のメイン制御を説明するためのフローチャートであ
る。
【図30】本発明の第1の実施形態における自動給送装
置の給送動作を説明するためのフローチャートである。
【図31】本発明の第1の実施形態における自動給送装
置の初期化動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図32】本発明の第1の実施形態における記録装置の
機種判別動作を説明するためのフローチャートである。
【図33】本発明の第2の実施形態における記録装置の
給送動作を説明するためのフローチャートである。
【図34】本発明の第2の実施形態における自動給送装
置の給送動作を説明するためのフローチャートである。
【図35】本発明の第2の実施形態における記録装置と
自動給送装置との接続部の模式図である。
【図36】本発明の第2の実施形態における記録装置と
自動給送装置との通信関係の概略を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図37】本発明の第2の実施形態における記録装置と
自動給送装置との動作を説明するための断面図である。
【図38】本発明の第2の実施形態における自動給送装
置の駆動テーブルの説明図である。
【符号の説明】
1 ASF 2 ASF給紙トレイ 2a ASF給紙トレイサイドガイド部 3 フックばね 4 ASFコネクタキャップ 5 フックばねベース 6 ペーパガイドばね 7 プッシュレバーばね 8 シャーシカバー 9 コネクティングばね 10 シールド板 11 ASFシャーシ 12 束線クランプ 13 圧板ばね 16 フック(左) 16a1 爪部斜面 16a2 爪部平面 16a3 爪部固定面 17 フック(右) 18 フックシャフト 19 給紙ローラ 19a 給紙ローラギア 19b 欠歯部 19c 給紙ローラカム部 20 補助リング 21 第2補助リング 22 給紙ローラ軸受 23 給紙ゴム 24 ペーパガイド 25 分離パッド 26 圧板 26a 圧板カム部 27 給紙モータ 28 アイドルギア 29 ASFダブルギア 30 正転アーム 31 正転遊星ギア 32 正転ばね 33 逆転太陽ギア 34 逆転アーム 35 逆転遊星ギア 36 土手 36a 突き当て面 36b 基準ガイド収納部 36c 基準ガイドガイド部 37 土手シート 38 土手シート押さえ 39 位置決めベース 39a〜39c スライド面 39d 丸穴用位置決めボス 39e 長丸穴用位置決めボス 39f ストッパ部 40 プッシュレバー 40a プッシュ部 40b 押し出し部 40c 摺動ボス部 40d 摺動長穴部 40e 摺動面 40f ストッパ部 41 ポップアップばね 42 レバーシャフト 43 ポップアップ 43a 丸穴嵌合解除ポップアップ 43b 長丸穴嵌合解除ポップアップ 44 ASFコネクタ 44a〜44h ポート 45 ASFベース 45a プリンタサイドガイド部 45b プリンタ摺動部 45c テーブル部 45d コネクタカバー収納部1 45e コネクタカバー収納部2 46 ボトムカバー 47 ASF上ケース 47a ひさし部 47b ひさし凹部 48 給紙ユニット 49 ASFシャーシユニット 50 フックユニット 51 給紙ローラユニット 52 圧板ユニット 53 給紙モータユニット 54 土手ユニット 55 位置決めベースユニット 56 ASFシート排出部 58 ASFシート経路 101 プリンタ(記録装置) 101Y 給紙口 102 上ケース 102a ポップアップ当接部 102b プッシュレバー当接部 103 ベース 103y フック(左)用フック固定穴 103z フック(右)用フック固定穴 103w ベース底面 104 シャーシ 105 プラテン 107 バッテリー 108 ペーパエンドセンサ 109 LFローラ 110 ピンチローラ 111 拍車 112 排紙ローラ 113 排紙センサ 114 上カバー 115 ヘッド 116 給紙トレイ 116a 基準ガイド 117 コネクタ 117a〜117h ポート 118 基板ホルダ 118a 位置決め穴 118b 位置決め長穴 119 プリンタコネクタカバー 120 紙送りモータ 121 キャリッジモータ 122 右端ガイド 123 本体基板 200 シート 201 ASF制御部 202 本体制御部 203 本体側CPU 204 本体側ROM 205 本体側RAM 206 紙送りモータドライバ 208 キャリッジモータドライバ 210 記録ヘッドドライバ 212 オプションコネクタ 213 ASF側CPU 214 ASF側ROM 215 ASF側RAM 216 給紙モータドライバ P1 コネクタ間抜去力 F1 ポップアップ押し出し力 X1 丸穴嵌合解除時の回動支点〜コネクタ44間距離 X2 丸穴嵌合解除時の回動支点〜丸穴嵌合解除ポップ
アップ43a間距離 S1〜S40 動作ステップ C1 機種判別制御サブフロー C2 ASF給紙動作制御サブフロー C3 ASF初期化動作制御サブフロー INIT 給紙ローラ19初期位置判定フラグ n 回転数カウンタ Pc パルス数カウンタ P0,P4,P5,Pmax パルス数 R1,R3,R4,R5,R6 回転量 t1,t2,t3 時間 T 駆動テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/00 516 H04N 1/00 108B H04N 1/00 108 B41J 3/04 101Z (72)発明者 木田 朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浅野 晋也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野島 隆司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川▲崎▼ 典子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長谷川 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動給送された記録媒体、および手差し
    によって給送された記録媒体に、記録ヘッドを用いて画
    像の記録が可能な記録装置において、 前記記録媒体の搬送方向の上流側から下流側に向かっ
    て、前記記録媒体を搬送する搬送ローラ、前記記録ヘッ
    ド、および前記記録媒体を検出するセンサを順次配備
    し、 前記記録媒体が手差しによって給送されるときに、前記
    記録媒体の先端が前記センサの検出位置に達するのに充
    分な量だけ、前記搬送ローラによって前記記録媒体を搬
    送させて、前記センサが前記記録媒体を検知するか否か
    によって給送の成否を判定する給送確認処理を実行さ
    せ、また前記記録媒体が自動給送されるときは、前記給
    送確認処理を実行させない制御手段を備えたことを特徴
    とする記録装置。
  2. 【請求項2】 記録媒体を給送する自動給送装置に装着
    可能とされ、前記自動給送装置に装着されたときは、該
    自動給送装置から給送された前記記録媒体に記録ヘッド
    を用いて画像の記録が可能であり、前記自動給送装置に
    装着されていないときは、手差しによって給送された前
    記記録媒体に前記記録ヘッドを用いて画像の記録が可能
    な記録装置において、 前記記録媒体の搬送方向の上流側から下流側に向かっ
    て、前記記録媒体を搬送する搬送ローラ、前記記録ヘッ
    ド、および前記記録媒体を検出するセンサを順次配備
    し、 前記記録媒体が手差しによって給送されるときに、前記
    記録媒体の先端が前記センサの検出位置に達するのに充
    分な量だけ、前記搬送ローラによって前記記録媒体を搬
    送させて、前記センサが前記記録媒体を検知するか否か
    によって給送の成否を判定する給送確認処理を実行さ
    せ、また前記記録媒体が前記自動給送装置によって給送
    されるときは、前記給送確認処理を実行させない制御手
    段を備えたことを特徴とする記録装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記給送確認処理によ
    って給送成功と判定されたときに、前記搬送ローラによ
    って前記記録媒体を搬送方向上流側の記録開始位置まで
    戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記給送確認処理中に
    おいて前記センサが前記記録媒体を検出した給送成功の
    判定時に、前記搬送ローラによる前記記録媒体の搬送を
    中断させることを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記給送確認処理によ
    って給送不成功と判定されたときに、前記搬送ローラに
    よって前記記録媒体を搬送方向上流側に戻して、該搬送
    ローラの外に前記記録媒体を排出させることを特徴とす
    る請求項1から4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録媒体の搬送方向における前記搬
    送ローラの搬送方向上流側の定位置に、前記記録媒体の
    先端を検出するエンドセンサを配備し、 前記制御手段は、前記記録媒体が手差しによって給送さ
    れるときに、前記給送確認処理のために、前記エンドセ
    ンサによる前記記録媒体の先端の検出時期を基準とし
    て、前記搬送ローラにより前記記録媒体を搬送方向下流
    側に搬送させることを特徴とする請求項1から5のいず
    れかに記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記自動給送装置との間において双方向
    通信が可能な通信ポートと、 前記通信ポートを通して、前記自動給送装置との装着を
    検知する手段と を備えたことを特徴とする請求項2から5のいずれかに
    記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記自動給送装置との間において双方向
    通信が可能な通信ポートと、 前記記録媒体が前記自動給送装置によって給送されると
    きに、前記通信ポートを通して前記自動給送装置に給送
    動作を命令する手段とを備えたことを特徴とする請求項
    2から7のいずれかに記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 前記自動給送装置との間において双方向
    通信が可能な通信ポートと、 前記記録媒体が前記自動給送装置によって給送されると
    きに、前記通信ポートを通して前記自動給送装置から給
    送完了信号が送信されてくるのを待って、前記搬送ロー
    ラにより前記記録媒体を記録開始位置まで搬送させる手
    段とを備えたことを特徴とする請求項2から8のいずれ
    かに記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドは、前記記録媒体の搬
    送方向と交差する方向に沿って往復動可能なキャリッジ
    に搭載されることを特徴とする請求項1から9のいずれ
    かに記載の記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録ヘッドは、インクを吐出する
    インクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求
    項1から10のいずれかに記載の記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録ヘッドは、インクを吐出する
    ために熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有するこ
    とを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
  13. 【請求項13】 記録媒体の搬送方向の上流側から下流
    側に向かって、前記記録媒体を搬送する搬送ローラ、前
    記記録ヘッド、および前記記録媒体を検出するセンサが
    順次配備され、給送された前記記録媒体に、前記記録ヘ
    ッドを用いて画像の記録が可能な記録装置の給送制御方
    法において、 前記記録媒体を自動給送および手差しによって給送する
    ステップと、 前記記録媒体が手差しによって給送されるときに、前記
    記録媒体の先端が前記センサの検出位置に達するのに充
    分な量だけ、前記搬送ローラによって前記記録媒体を搬
    送させて、前記センサが前記記録媒体を検知するか否か
    によって給送の成否を判定する給送確認処理を実行さ
    せ、また前記記録媒体が自動給送されるときは、前記給
    送確認処理を実行させないステップとを有することを特
    徴とする給送制御方法。
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