JP2000000924A - 農業用フィルム - Google Patents

農業用フィルム

Info

Publication number
JP2000000924A
JP2000000924A JP10168231A JP16823198A JP2000000924A JP 2000000924 A JP2000000924 A JP 2000000924A JP 10168231 A JP10168231 A JP 10168231A JP 16823198 A JP16823198 A JP 16823198A JP 2000000924 A JP2000000924 A JP 2000000924A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
agricultural film
hydrophilic polymer
acid
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10168231A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Kato
容志夫 加藤
Akihisa Sanou
章寿 茶納
Junji Mayumi
順次 真弓
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP10168231A priority Critical patent/JP2000000924A/ja
Publication of JP2000000924A publication Critical patent/JP2000000924A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防曇性の持続性に優れ、長期使用に於いても
層間剥離の発生しない親水性高分子積層タイプの農業用
フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエーテル基とアミノ基を分子中に有
する、数平均分子量が5,000〜500,000の親
水性高分子(A)からなる防曇層と、不飽和カルボン酸
及びその誘導体で変性されたエチレン系重合体(B)1
00〜5重量%と未変性エチレン系重合体(C)0〜9
5重量%からなる支持層を積層してなる農業用フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用フィルムに
関する。詳しくは、ハウス栽培、トンネル栽培等に好適
に用いることの出来る防曇性に優れた農業用フィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハウス栽培、トンネル栽培等に用いられ
る農業用フィルムとしては、ポリ塩化ビニルまたは分岐
状低密度ポリエチレン(高圧法低密度ポリエチレン)、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、直鎖状低密度ポリエチ
レン等のエチレン系樹脂を基材とする軟質樹脂フィルム
が主に用いられている。これらの農業用フィルムで被覆
されたハウス、トンネル等の内部は、地面や植物から蒸
散した水蒸気で飽和されるので、この蒸気が冷え、農業
用フィルム内面に結露し、水滴として付着する。
【0003】水滴が付着するとその乱反射により入射太
陽光が大幅に減少し、作物の生育を遅らせるだけでな
く、水滴が落下して作物を濡らし、病害発生の原因とな
る。このため、一般に農業用フィルムには付着した水を
水膜にし、フィルム面に沿って流れさせる、いわゆる防
曇処理が施されている。これまでの防曇処理としては、
ステアリン酸モノグリセリド、ソルビトールのモノ−及
びジ−ステアライド等の練り込み用防曇剤を基材樹脂に
練り込み、成膜してフィルムとする、いわゆる防曇剤練
り込み法(特開昭52−102130号、同54−99
181号、特開平4−220445号等)とフィルム成
膜後にポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタク
リレート重合体等の塗布型防曇剤をフィルム表面に塗布
する方法(特公昭62−18224号公報)が知られて
いる。
【0004】しかしながら、防曇剤練り込み法は初期の
防曇性は良好であるが、防曇剤が低分子量であるため、
表面に移行し逃失してしまうので、その持続性に問題が
あった。また、防曇剤を塗布する方法は、作物の炭酸同
化作用で発生した水蒸気から出来た水滴により、防曇剤
がフィルム表面から数ヶ月で剥離してしまったり、塗布
面が傷つきやすくハウスのフレーム等にこすれて剥離し
てしまうので、防曇効果が失われた部分に再び防曇剤を
塗布しなければならないという問題がある。更には、傷
つきや塗布むらにより防曇持続性にばらつきが発生する
という問題、塗布用設備、フィルム製造工程の増加によ
る経済性、生産性の問題も有している。
【0005】これらの問題を解決する手段として、本発
明者等はエチレン系樹脂フィルムに親水性高分子が最内
層となるように通常のインフレーション成形機により積
層した農業用フィルムを提案した(特願平8−2007
65号)。しかし、この方法では基材のエチレン系樹脂
と親水性高分子との接着が十分でなく、水蒸気に長期間
さらされると層間剥離が発生するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、親水性
高分子の防曇性を損なうことなく接着性の改良された親
水性高分子積層タイプの農業用フィルムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
ポリエーテル基とアミノ基を分子中に有する、数平均分
子量が5,000〜500,000の親水性高分子
(A)からなる防曇層と不飽和カルボン酸及びその誘導
体で変性したエチレン系重合体(B)100〜5重量%
と未変性エチレン系重合体(C)0〜95重量%からな
る支持層を積層してなる農業用フィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔親水性高分子(A)〕ポリエーテル基とアミノ基を分
子中に有する親水性高分子としては、ポリエーテルアミ
ド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミド
イミド等が挙げられる。
【0009】更に、ポリエーテルエステルアミド、ポリ
エーテルアミドイミド、エチレンオキサイド・エピクロ
ルヒドリン共重合体、ポリエーテルエステル等の親水性
高分子をアミノ化処理したものも同様に例示される。こ
れらの中でも、防曇性の持続性の点から、ポリエーテル
アミド、アミノ化処理したポリエーテルエステルアミド
が好ましい。
【0010】親水性高分子中に占めるエーテル部分の割
合は20〜80重量%が好ましく、更に好ましくは30
〜70重量%である。この割合が小さすぎる場合は防曇
性が劣り、また大きすぎる場合にはフィルム表面のベタ
ツキがひどくなったり、機械的強度が低下する原因とな
る。ポリエーテル基とアミノ基を分子中に有する親水性
高分子中のアミノ基量は、アミノ基濃度を示すアミン価
で0.5mgKOH/g以上、好ましくは1.0mgK
OH/g以上である。
【0011】アミン価が0.5mgKOH/gよりも小
さいと、不飽和カルボン酸及びその誘導体で変性された
エチレン系重合体と未変性のエチレン系重合体とからな
る層との接着性が不十分となり、使用時に層間剥離を発
生する。ポリエーテル基を有する親水性高分子をアミノ
化処理してアミノ基を導入する場合のアミン価は、0.
5mg/KOH〜20mgKOH/gが好ましい。アミ
ン価を20mgKOH/g以上に使用とした場合、特に
アミド系の親水性高分子では三次元化が起こりゲル状物
になったりする可能性があり、フィルムとしての使用に
支障がでる。
【0012】親水性高分子に含まれるポリエーテル部分
は、エチレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等のジオール類から得られるが、こ
れらの中でもポリエチレングリコールからのものが好ま
しい。エーテル部分の数平均分子量は3,000以下が
好ましい。この数平均分子量が大きすぎると、親水性高
分子の透明性が(特に吸湿時に)悪くなる傾向がある。
【0013】親水性高分子の数平均分子量は5,000
〜500,000のものが使用可能で、好ましくは、1
0,000〜200,000である。数平均分子量が小
さすぎる場合は、成膜時に於ける成形性が低下する原因
となり、数平均分子量が大きすぎる場合は、親水性高分
子の透明性が低下する傾向がある。
【0014】〔不飽和カルボン酸及びその誘導体で変性
されたエチレン系重合体(B)〕不飽和カルボン酸及び
その誘導体で変性されたエチレン系重合体(以下、変性
エチレン系重合体と略記する)からなる支持層に用いる
好適なエチレン系重合体は、メルトフロ−レ−トが0.
05〜50g/10分、密度が0.850〜0.950
g/cm3 のエチレン単独重合体又は、エチレンとα−
オレフィン、ビニルエステル、不飽和カルボン酸エステ
ル等との共重合体である。エチレン・α−オレフィン共
重合体を構成するα−オレフィンは、通常炭素数3〜2
0の環状分子を含まないα−オレフィン、例えばプロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセ
ン、1−オクタデセン等であり、それぞれ単独あるいは
2種以上の混合物からなる。
【0015】更に、エチレン系共重合体は2種類以上混
合して使用する事も可能である。具体例としては、低密
度ポリエチレン(通常LDPEと称される)、直鎖状低
密度ポリエチレン(通常LLDPEと称される)、低結
晶性エチレン・ブテン−1ランダム共重合体(通常EB
Mと称される)、エチレン・プロピレン共重合体、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、
エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩(Zn++、A
+++ 、K+ 、Li+ 、Na+ )等が挙げられる。
【0016】変性に用いる不飽和カルボン酸又はその誘
導体としては、アクリル酸、マレイン酸、フマ−ル酸、
テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸R(エンドシス
−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸、またはその誘導
体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エス
テルなどが挙げられる。
【0017】具体的には、塩化マレニル、マレイミド、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメ
チル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエ−トなど
が例示される。これらの中では不飽和ジカルボン酸又は
その酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック
酸R又はこれらの酸無水物が好適である。エチレン系重
合体の変性は、従来公知の種々の方法を採用する事が出
来る。
【0018】例えば、エチレン系重合体と不飽和カルボ
ン酸及びその誘導体、ラジカル発生剤を事前に混合し押
出機で溶融させグラフト共重合させる方法、あるいはエ
チレン系重合体を溶剤に溶解させラジカル発生剤と不飽
和カルボン酸又はその誘導体を添加してグラフト共重合
させる方法等がある。いずれの場合にも、前記不飽和カ
ルボン酸及びその誘導体を効率よくグラフト共重合させ
るには、ラジカル発生剤の存在下に反応を実施する事が
好ましい。グラフト反応は通常60〜350℃の温度で
行われる。ラジカル発生剤の使用量はエチレン系重合体
100重量部に対して通常0.001〜1重量部の範囲
である。
【0019】ラジカル発生剤としては有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステル、例えばベンゾイルペルオキシ
ド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオ
キシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエ−ト)ヘキ
シン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t
ert−ブチルペルアセテ−ト、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエ
−ト、tert−ブチルペルフェニルアセテ−ト、te
rt−ブチルペルイソブチレ−ト、tert−ブチルペ
ル−sec−オクエ−ト、tert−ブチルペルピバレ
−ト、クミルペルピバレ−ト及びtert−ブチルペル
ジエチルアセテ−ト、その他アゾ化合物、例えばアゾビ
スイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレ−ト等
がある。
【0020】これらの内ではジクミルペルオキシド、ジ
−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルペ
ルオキシドが好ましい。
【0021】本発明で使用される上記変性エチレン系重
合体は、不飽和カルボン酸及びその誘導体の含量が0.
01〜10重量%の範囲のものであり、好ましくは0.
02〜9重量%、特に好ましくは0.03〜8重量%の
ものである。また密度は0.850〜0.950g/c
3 、好ましくは0.852〜0.948g/cm3
特に好ましくは0.855〜0.945g/cm3 であ
り、メルトフロ−レ−トは0.05〜50g/10分、
好ましくは0.06〜49g/10分、特に好ましくは
0.07〜48g/10分である。
【0022】不飽和カルボン酸又はその誘導体の含量が
前記範囲未満のものは接着性が改良されず、一方前記範
囲内を越えるものは架橋の為、分散性が低下し、成形品
の外観が劣ると共に、接着性が低下する。更に、密度が
低すぎると成形加工時の作業性が著しく悪化し、一方、
高すぎると接着力が低く実用に耐えない。メルトフロ−
レ−トが前記範囲外であると、溶融粘度が高すぎるか低
すぎるため成形性に劣るとともに接着強度に劣る為好ま
しくない。なお本発明でいうメルトフロ−レ−ト(MF
R)とは、JIS K7210に準拠し、温度190
℃、荷重2.16kg、10分の条件で測定した値を意
味する。
【0023】〔未変性エチレン系重合体(C)〕本発明
で使用される未変性エチレン系重合体は、上記変性エチ
レン系重合体に使用されたエチレン系重合体と同様のも
のが用いられ、これらは単独あるいは2種以上混合して
使用する事も可能である。変性エチレン系重合体と未変
性エチレン系重合体の割合は、重量比で100:0〜
5:95であり、好ましくは100:0〜20:80で
ある。変性エチレン系重合体の添加量が少ないと親水性
高分子との接着性が低下し実用上問題がある。
【0024】〔積層構造〕本発明の農業用フィルムの層
構造は、二層構造でも、三層以上の構造であってもよ
い。コスト面や他機能の付与面からは3〜5層構造とす
るのが好ましい。例えば、三層以上の構造として、中間
層に保温剤(例えば、ホウケイ酸ガラス、リンケイ酸ガ
ラス、ハイドロタルサイト類)を0.5〜5重量%、最
外層に紫外線吸収剤を0.5〜2重量%配合するような
構造とする事もできる。
【0025】保温剤、紫外線吸収剤を含め、各層フィル
ム中には各種安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、着
色剤、分散剤、充填剤、核剤、遠赤外線吸収剤、界面活
性剤等を配合してもよい。親水性樹脂の防曇性を更に向
上させるために用いられる界面活性剤としては、非イオ
ン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界
面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、単独もしくは併
用して用いられるが、防曇性能の観点からは非イオン系
界面活性剤が好適に用いられる。これらの界面活性剤を
併用する事により低温での防曇性が改良される。
【0026】非イオン系界面活性剤はグリセリンモノラ
ウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモ
ノステアレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリ
セリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレー
ト、トリグリセリンモノステアレート等のグリセリン系
界面活性剤、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタン
モノステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビ
タンとアルキレングリコールの縮合物と高級脂肪酸との
エステル等のソルビタン系界面活性剤、ポリエチレング
リコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモ
ノステアレート、ポリエチレングリコールアルキルフェ
ニルエーテル等のポリエチレングリコール系界面活性
剤、トリメチロールプロパンモノステアレート、等のト
リメチロールプロパン系界面活性剤、ペンタエリスリト
ールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステ
アレート、ジペンタエリスリトールモノステアレート等
のペンタエリスリトール系界面活性剤、ラウリル酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸とジエタノールアミンとの縮
合物等のアミド系界面活性剤、パーフルオロアルキルエ
チレンオキシド付加物等のフッ素系界面活性剤、オルガ
ノポリシロキサンのアルキレンオキサイド付加物等のシ
リコン系界面活性剤等が挙げられる。
【0027】界面活性剤の配合量は、親水性高分子10
0重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.5
〜10重量部である。0.1重量部未満では低温防曇持
続性の改良効果が十分でなく、20重量部を越えると基
材樹脂への混合が困難となる。積層フィルムは、通常、
インフレーション共押出成形法、Tダイ成形法、カレン
ダー成形法、ダイ外ラミ押出ラミネート成形法、サンド
イッチラミ成形法等で成形される。積層法はダイ内積
層、ダイ外積層等任意である。本発明の農業用フィルム
の肉厚は、防曇性を示す最内層の親水性高分子(A)の
肉厚が2〜30μm、好ましくは2〜20μmであり、
農業用フィルム全体の肉厚は30〜200μmであるこ
とが好ましい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。尚、各性質は以
下の方法によって測定した。 (1)ポリエーテルエステルアミドの酸価及びアミン価 酸価は試料1gをベンジルアルコール50gに溶解し、
1/10N KOHのメタノール溶液でフェノールフタ
レイン指示薬を用い、アミン価は試料1gをフェノール
/メタノール=1/1の混合溶液50gに溶解し、1/
10N 塩酸メタノール溶液でブロムフェノールブルー
指示薬を用い滴定した。値はポリエーテルエステルアミ
ド1g中に存在するカルボキシル基又はアミノ基の量を
KOHのmgに換算し表示した。 (2)ポリエーテルエステルアミドの数平均分子量 アセチル化処理を行い、クロロホルム/酢酸の体積比
0.05の混合溶媒を用いてGPC測定よりポリスチレ
ン換算の数平均分子量を測定した。
【0029】参考例1 ポリアミノアミド化合物(A−
1)の合成 攪拌機、窒素導入口及び溜去管を取り付けた1000m
lの4つ口フラスコに、セバシン酸1.0モルとジエチ
レントリアミンを1.0モルよりも過剰に配合し、25
0℃で2時間反応させた後、過剰のジエチレントリアミ
ンを除去してアミン価540mgKOH/gのポリアミ
ノアミド化合物(A−1)を得た。
【0030】参考例2 ポリアミノアミド化合物(A−
2)の合成 参考例1のセバシン酸をオレイン酸に代えた以外は参考
例1と同様にしてアミン価290mgKOH/gのポリ
アミノアミド化合物(A−2)を得た。
【0031】製造例1 ポリエーテルエステルアミド
(B−1)の調製 攪拌機、窒素導入口及び溜去管を取り付けた1000m
lの4つ口フラスコに、ポリアミド形成成分がヘキサメ
チレンジアミン・重合脂肪酸重縮合物(N−6,36)
とヘキサメチレンジアミン・アゼライン酸重縮合物(N
−6,9)との共重合体になるように水添タイプの重合
脂肪酸87.7g、アゼライン酸84.7g、ヘキサメ
チレンジアミン61.3gを仕込み、窒素を一定量流し
ながら昇温し、250℃で脱水重縮合して、酸価40m
gKOH/g、数平均分子量1362の透明なポリアミ
ドオリゴマーを得た。この温度でアゼライン酸34.5
g、数平均分子量501のポリエチレングリコール26
0.5gを添加し均一混合した後、ジルコニウム触媒
0.75gを添加し、6torrまで減圧、更に30分
反応させてアミン価を示さない酸価9.2mgKOH/
g、数平均分子量30000のポリエーテルエステルア
ミド(B−1)を得た。
【0032】製造例2 アミノ化処理ポリエーテルエス
テルアミド(B−2)の調製 製造例1で得られたポリエーテルエステルアミド(B−
1)100部に対しポリアミノアミド化合物(A−1)
を1.5部添加し、再度6torrの減圧下で反応させ
てアミン価4.4mgKOH/g、数平均分子量350
00の分子中にアミノ基を有するポリエーテルエステル
アミド(B−2)を得た。
【0033】製造例3 アミノ化処理ポリエーテルエス
テルアミド(B−3)の調製 製造例2のポリアミノアミド化合物(A−1)をポリア
ミノアミド化合物(A−2)に代えた以外は製造例2と
同様にしてアミン価2.8mgKOH/g、数平均分子
量24000の分子中にアミノ基を有するポリエーテル
エステルアミド(B−3)を得た。
【0034】製造例4 アミノ化処理ポリエーテルエス
テルアミド(B−4)の調製 製造例2のポリアミノアミド化合物(A−1)をヘキサ
メチレンジアミン0.8部に代えた以外は製造例2と同
様にしてアミン価0.2mgKOH/g、数平均分子量
25000の分子中にアミノ基を有するポリエーテルエ
ステルアミド(B−4)を得た。
【0035】製造例5 アミノ化処理ポリエーテルエス
テルアミド(B−5)の調製 製造例1のポリアミドオリゴマーと反応させるアゼライ
ン酸を4.9g、ポリエチレングリコールを37.5g
に代えた以外は製造例1と同様にしてアミン価を示さな
いポリエーテルエステルアミドを調製し、更に製造例2
と同様にしてアミン価4.3mgKOH/g、数平均分
子量25000の分子中にアミノ基を有するポリエーテ
ルエステルアミド(B−5)を得た。上記製造例の分析
値は表1にまとめた。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1 インフレーションフィルム成形機の共押出ダイの内層側
に、上記製造例2で得たポリエーテルエステルアミド
(B−2)を、外層側に無水マレイン酸変性LLDPE
(無水マレイン酸含量:0.8重量%、190℃、2.
16kg荷重で測定したMFR:0.6g/10分)3
0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(日本合成ゴ
ム社製、商品名:EP07Y)20重量%、LLDPE
(日本ポリケム社製、商品名:ノバテックLL UA4
21)50重量%のブレンド物を、それぞれ別々の押出
機を用いて210℃で供給し、210℃で共押出しして
内層20μm、外層80μmの2層構造のインフレーシ
ョンフィルムを得た。
【0038】実施例2 実施例1に於いてポリエーテルエステルアミド(B−
2)を用いる代わりにポリエーテルエステルアミド(B
−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、2層構
造のインフレーションフィルムを得た。
【0039】実施例3 実施例1に於いて、インフレーションフィルム成形機の
共押出ダイの内層側に供給するポリエーテルエステルア
ミド(B−2)の代わりに、ポリエーテルエステルアミ
ド(B−2)98重量%とソルビタンモノステアレート
2重量%を予め200℃の条件で混練した組成物を供給
する以外は、実施例1と同様にして、2層構造のインフ
レーションフィルムを得た。
【0040】比較例1 実施例1に於いてポリエーテルエステルアミド(B−
2)を用いる代わりにポリエーテルエステルアミド(B
−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、2層構
造のインフレーションフィルムを得た。
【0041】比較例2 実施例1に於いて無水マレイン酸変性LLDPを用いる
代わりにLLDPEを用い、エチレン・プロピレン共重
合体20重量%、LLDPE80重量%とした以外は、
実施例1と同様にして、2層構造のインフレーションフ
ィルムを得た。
【0042】比較例3 実施例1に於いてポリエーテルエステルアミド(B−
2)を用いる代わりにポリエーテルエステルアミド(B
−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、2層構
造のインフレーションフィルムを得た。上記実施例及び
比較例で得られた農業用フィルムを下記の方法で評価
し、その結果を表2に示す。
【0043】<高温防曇持続性>内容量が200ccで
上端が傾斜した構造のビーカーに水150ccを入れ、
親水性高分子(内層)が水面側になるように積層フィル
ムを張り、50℃の恒温水槽中にこのビーカーを浸した
状態で、外気温を25℃に保ち防曇持続性を評価した。
防曇性の判定は下記の3段階評価とした。 ○:フィルム内表面に全く水滴が付着していない。 △:フィルム内表面の50%に水滴が付着している。 ×:フィルム内表面の全面に水滴が付着している。 また、○〜△は○と△の中間、△〜×は△と×の中間の
水滴付着状態とする。
【0044】<低温防曇持続性>恒温水槽の温度を5
℃、外気温を2℃に代え、1回/週の頻度でフィルムの
内層表面を乾燥させた以外は高温防曇持続性と同様に評
価した。
【0045】<層間接着強度>積層フィルムを成形方向
に沿って1.5cm幅に切り、島津製作所社製引張り試
験機(商品名:島津オートグラフS−100)を用い、
引張り速度200mm/minで成形直後の積層フィル
ムの層間接着強度を測定した。更に、23℃で20日間
保管した積層フィルムと50℃の温水に20日間浸漬さ
せた後の積層フィルムの層間接着強度も同様にして測定
した。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、防曇性の持続性に優
れ、長期使用に於いても層間剥離の発生しない農業用フ
ィルムを提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 真弓 順次 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 2B024 DB07 2B029 EB03 EC02 EC16 4F100 AH02A AH02K AH03A AH03K AK01A AK04B AK04J AK41A AK46A AK54A AK63B AK64B AL01B AL05B AL07B BA02 GB01 JA07A JB05A JK06 JL09 JN30 YY00A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエーテル基とアミノ基を分子中に有
    する、数平均分子量が5,000〜500,000の親
    水性高分子(A)からなる防曇層と、不飽和カルボン酸
    及びその誘導体で変性されたエチレン系重合体(B)1
    00〜5重量%と未変性エチレン系重合体(C)0〜9
    5重量%からなる支持層を積層してなる農業用フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 親水性高分子(A)のポリエーテル基含
    量が20〜80重量%であることを特徴とする請求項1
    記載の農業用フィルム。
  3. 【請求項3】 親水性高分子(A)のアミノ基含量がア
    ミン価で0.5mgKOH/g以上であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の農業用フィルム。
  4. 【請求項4】 親水性高分子(A)がアミノ化処理した
    ポリエーテルエステルアミドであることを特徴とする請
    求項2又は3に記載の農業用フィルム。
  5. 【請求項5】 不飽和カルボン酸及びその誘導体で変性
    されたエチレン系重合体(B)が無水マレイン酸変性エ
    チレン系重合体であることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれかに記載の農業用フィルム。
  6. 【請求項6】 親水性高分子(A)を基材とする防曇層
    の厚さが2〜30μmであることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の農業用フィルム。
JP10168231A 1998-06-16 1998-06-16 農業用フィルム Pending JP2000000924A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10168231A JP2000000924A (ja) 1998-06-16 1998-06-16 農業用フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10168231A JP2000000924A (ja) 1998-06-16 1998-06-16 農業用フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000000924A true JP2000000924A (ja) 2000-01-07

Family

ID=15864217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10168231A Pending JP2000000924A (ja) 1998-06-16 1998-06-16 農業用フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000000924A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018050488A1 (de) * 2016-09-14 2018-03-22 Basf Se Polymerfilm enthaltend ein copolyamid mindestens eines diamins, einer dicarbonsäure und einer dimersäure
RU2781111C2 (ru) * 2016-09-14 2022-10-05 Басф Се Полимерная пленка, содержащая сополиамид из по меньшей мере одного диамина, одной дикарбоновой кислоты и одной димерной кислоты

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018050488A1 (de) * 2016-09-14 2018-03-22 Basf Se Polymerfilm enthaltend ein copolyamid mindestens eines diamins, einer dicarbonsäure und einer dimersäure
CN109937226A (zh) * 2016-09-14 2019-06-25 巴斯夫欧洲公司 含至少一种二胺、二羧酸和二聚酸的共聚酰胺的聚合物膜
RU2781111C2 (ru) * 2016-09-14 2022-10-05 Басф Се Полимерная пленка, содержащая сополиамид из по меньшей мере одного диамина, одной дикарбоновой кислоты и одной димерной кислоты
IL265346B1 (en) * 2016-09-14 2023-03-01 Basf Se A polymer layer containing a co-polyamide of at least one diamine, a dicarboxylic acid and a dimer acid
IL265346B2 (en) * 2016-09-14 2023-07-01 Basf Se A polymer layer containing a co-polyamide of at least one diamine, a dicarboxylic acid and a dimer acid

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1124920A (en) Olefin polymer blends and films therefrom
CA2393742C (fr) Melanges de copolymeres greffes a blocs polyamides et de polyolefines souples
EP1311592B1 (fr) Film imper-respirant
JP2002501108A (ja) グラフト化されたメタロセンで触媒されたエチレン、および極性エチレン共重合体のブレンドをベースとする接着剤組成物
KR20080088657A (ko) 접착제 및 그것을 이용한 적층체
JP2020111745A (ja) 接着性樹脂組成物及び積層体
EP0441666A2 (fr) Film barrière constitué d'un alliage à base d'un copolymère éthylène-alcool vinylique, sa préparation, son utilisation notamment dans l'emballage
JP2018135488A (ja) 接着性樹脂組成物及び積層体
JP2744283B2 (ja) 組成物および多層構造体
JP2000000924A (ja) 農業用フィルム
JPH0577371A (ja) 積層フイルム
EP2867280B1 (fr) Utilisation d'un alliage d'amidon thermoplastique et de pof pour la fabrication d'un film ultra-fin imper-respirant adhesif
JP2834567B2 (ja) 樹脂組成物
JP2001098121A (ja) 接着性樹脂組成物及びそれを用いた積層体
JP2000290620A (ja) 接着性樹脂組成物
JP7370244B2 (ja) 接着性樹脂組成物および積層体
US20240123716A1 (en) Multilayer film, container, pack for cell culture and method for producing multilayer film
JPH02140280A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物
JP4328244B2 (ja) プロピレン系接着用重合体組成物及びその積層体
JP4207549B2 (ja) 積層体
JPH09183193A (ja) 農業用多層フィルム
JP3629096B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JPS6355538B2 (ja)
KR100693390B1 (ko) 산소차단성 수지 조성물 및 이를 포함하는 제품
JP3468915B2 (ja) 変性ポリオレフィン組成物およびそれを用いた積層構造物