JPH0556360B2 - - Google Patents

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JPH0556360B2
JPH0556360B2 JP58228496A JP22849683A JPH0556360B2 JP H0556360 B2 JPH0556360 B2 JP H0556360B2 JP 58228496 A JP58228496 A JP 58228496A JP 22849683 A JP22849683 A JP 22849683A JP H0556360 B2 JPH0556360 B2 JP H0556360B2
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JP
Japan
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cells
tumor
leukocytes
stimulant
activated
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JP58228496A
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Goji Kaieda
Kimimasa Yamada
Naokuni Yamawaki
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、末梢血中の白血球を活性化して腫瘍
障害性細胞を誘導する機能を持つ悪性腫瘍治療用
白血球刺激材および刺激方法に関する。 周知の如く、生体の悪性腫瘍に対する免疫監視
機構をになう抗腫瘍細胞としては、キラーT細
胞、NK細胞、活性化マクロフアージ、K細胞等
が重要な役割をはたしていることが報告されてい
る。したがつて、悪性腫瘍に対する免疫学的療法
としては、癌患者免疫細胞(白血球)を活性化し
て、これらの抗腫瘍細胞を効率的に誘導すること
が考えられる。しかしながら、癌患者は一般的
に、癌の進行とともに免疫能が低下することが報
告されており、癌患者生体中においては、免疫応
答を抑制する免疫抑制因子の存在あるいはサブレ
ツサーT細胞、サブレツサーマクロフアージの誘
導活性化が報告されている。 このような免疫能の抑制状態下にある癌患者生
体中において、効率的な抗腫瘍細胞の誘導は困難
であると言わなければならない。したがつて、免
疫抑制状態から解放された体外に患者白血球を取
り出し、体外で効率的な抗腫瘍細胞誘導活性化を
行なうことは、効果の高い新しい癌免疫療法にな
ると考えられる。 キラーT細胞は、抗腫瘍細胞の中でも特に抗癌
免疫において主役をはたしていると考えられてい
るが、これを体外で誘導活性化しようとする研究
が精力的になされてきた。すなわち、体外に取り
出した癌患者末梢血白血球に、摘出した患者腫瘍
細胞を感作させ、患者白血球を活性化して、特異
的に患者腫瘍細胞だけを障害し、患者正常細胞は
障害しないキラーT細胞を誘導して、これを癌患
者体内にもどすことにより、癌を治療しようとす
る試みである。 しかしながら、この方法で誘導したキラーT細
胞は、治療効果を期待できるほど強力ではないた
め、リンフオカインの1種であるT細胞増殖因子
を用いて培養し、大量に増殖させた後、患者に投
与する方法が考えられている。この方法は、T細
胞増殖因子が遺伝子操作の技術により工業的大量
生産が可能となり、大量のT細胞増殖因子が使用
できることが現実化してきたために実施可能では
あるが、キラーT細胞を体外で反期間培養するこ
とによる細胞の変質等の問題がある。また、その
ほかにも実用化するには困難な種々の問題点があ
り、例えば、キラーT細胞の誘導のために患者腫
瘍細胞と手術が必要なこと、試みた癌患者の一部
にのみキラーT細胞の誘導が可能で、全例で誘導
されるわけではないこと、操作が非常に煩雑であ
ること等、解決されなければならない問題点が多
い。 本発明者らは、従来の方法よりも飛躍的に実用
性を向上させた新規な腫瘍障害性細胞誘導活性化
法、すなわち、容易に入手できる物質を刺激剤と
して用い、ほとんどすべての癌患者で強力な腫瘍
障害性細胞を短時間で、かつ操作性良く誘導活性
化できる方法を見い出すべく種々のリンパ球活性
化物質を検索した。これらのリンパ球活性化物質
の中で、レクチンは強力な腫瘍障害性細胞を誘導
したが、このものは一般的に高分子の異種蛋白で
あり、強い抗原性を有しており、かつ白血球に対
し親和結合する。 したがつて、患者白血球をレクチンで活性化し
た後、該活性化白血球を充分洗浄してもレクチン
が白血球膜面より除去されず、白血球とともに患
者体内に持ち込まれる可能性が高く、かかる強抗
原性を有する異種蛋白が患者に投与されることは
さけなければならない。また、本腫瘍障害性細胞
誘導活性化法は、癌患者から白血球の採取、白血
球を刺激剤を含む適当な培地で培養、活性化白血
球の洗浄採集、患者に投与等の操作から成るが、
これらの操作はすべて無菌的に行なう必要があ
り、かなり煩雑である。したがつて、本療法を実
施可能にするためには、システムを工夫し操作性
を向上させなければならない。 本発明の目的は、上記の如き従来技術に基づく
腫瘍障害性細胞の誘導の問題点に鑑み、刺激剤が
活性化白血球とともに患者体内に投与されること
なく安全に、かつ操作性良く強力な腫瘍障害性細
胞を誘導できる刺激材および刺激方法を提供せん
とするものである。 本発明者らは、上記目的に沿つて鋭意研究した
結果、各種の白血球刺激剤を共有結合で不溶性担
体に結合させた刺激材をヒト末梢血白血球に接触
させたところ、驚くべきことに、非結合刺激剤を
用いるよりも強力な腫瘍障害性細胞が誘導され、
しかも活性化白血球膜面上に刺激剤は検出されな
いことを見い出した。すなわち、刺激剤が培地中
に溶解せずに不溶性担体に結合した状態で、より
強くヒトの白血球を活性化する能力を有し、活性
化白血球をヒト腫瘍細胞と混合したところ、4時
間の培養でほとんどの腫瘍細胞が障害を受けて破
壊され、強力な腫瘍障害性細胞が誘導されている
ことを見い出し、本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、不溶性担体に、レクチン
を成分とする腫瘍障害性細胞誘導物質が、共有結
合で固定されていることを特徴とする悪性腫瘍治
療用白血球刺激材に係り、また、レクチンを成分
とする腫瘍障害性細胞誘導物質が、共有結合で固
定された不溶性担体からなる白血球刺激材と末梢
血白血球を接続させ、得られた混合物から活性化
白血球を分離することを連続的あるいは断続的に
行うことを特徴とする悪性腫瘍治療のための白血
球刺激方法に係る。 本発明における白血球とは、血液細胞の内赤血
球および血小板を除いたいわゆる白血球を指す
が、この白血球より顆粒球あるいはB細胞を除去
した細胞分画も、本発明における白血球の概念に
含まれる。本発明において活性化を行なう白血球
は、公知の連続遠心分離法にて末梢血より採取し
た白血球分画を用いてもよく、また公知のフイコ
ールパーク重層遠心分離法にて分離した単核細胞
分画でもよく、あるいは末梢血単核細胞より公知
のノイラミニダーゼ処理羊赤血球とのロゼツト形
成で分離濃縮したT細胞分画を使用しても、強力
な腫瘍障害性細胞の誘導が可能である。 本発明において誘導活性化する腫瘍障害性細胞
は、白血球の中で顆粒球、単球、マクロフアージ
を除くリンパ球分画に属し、とりわけT細胞の性
質を有している。 本発明において用いる腫瘍障害性細胞誘導物質
(以下、刺激剤という)としては、リンパ球を活
性化する作用を持つた物質を使用するが、特にT
リンパ球を活性化する物質が好ましい。Tリンパ
球を活性化する物質としてよく知られているもの
にレクチンがあるが、本発明の目的を達成するた
めには、腫瘍障害性細胞誘導能を有するレクチン
を使用する。 すなわち、フアセオラス・ブルガリス
(Phaseolus vulgaris)由来のアカインゲンマメ
レクチン(PHA)、コンカナバリア・エンシフオ
ルミス(Concanavalia ensiformis)由来のコン
カナバリンA(Con A)、ウイステリア・アナリ
バンダ(Wisteria aoribanda)由来のノダクジ
マメレクチン(WFA)、レンズ・キリユナリス
(Lens culinaris)由来のレンズマメレクチン
(LCH)、フイトラツカ・アメリカーナ
(Phytolacca americana)由来のアメリカヤマ
ゴボウレクチン(PWM)、グリシン・マツクス
(Glycine max)由来のダイズレクチン(SBA)、
フオセオラス・リメンシス(Phaseolus
limensis)由来のリママメレクチン(LBA)、ロ
ビナ・ブソイドアカシア(Robina
pseudoacacia)由来のニセアカシアレクチン
(RPA)、ソホラ・ジヤポニカ(Sophora
japonica)由来のイヌエンジユマメレクチン
(SJA)、ピサム・サチバム(Pisum sativum)
由来のエンドウマメレクチン(PSA)、ビシア・
フアバ(Vicia faba)由来のソラマメレクチン
(VFA)等を使用する。中でも特にアカインゲン
マメレクチン(PHA)、コンカナバリンA(Con
A)、ノダクジマメレクチン(WFA)、レンズマ
メレクチン(LCH)、アメリカヤマゴボウレクチ
ン(PWM)は、強力に腫瘍障害性細胞を誘導す
る。 本発明で用いられる不溶性担体は、親水性担
体、疎水性担体いずれも使用できるが、疎水性担
体を用いる場合には、特に担体への血清成分の非
特異的吸着が生じるため、親水性担体の方が好ま
しい結果を与える。不溶性担体の形状は、粒子
状、繊維状、中空糸状、膜状等いずれの公知の形
状も用いることができる。粒状もしくは球状不溶
性担体としては、粒径1ミクロン〜3000ミクロン
のものが使用できる。粒径1ミクロン以下では活
性化白血球との分離が困難である。とくに粒径50
ミクロン以上であれば、容易に活性化白血球との
過分離が可能であり、粒径3000ミクロン以上で
は、白血球との担体単位重量あたりの接触面積が
低下するため好ましくない。さらに好ましくは、
粒径80〜2000ミクロンのものが本発明において良
好である。また、粒状もしは球状不溶性担体の比
重が1.07以上であれば、容易に活性化白血球との
遠心もしくは静置による分離が可能である。ま
た、平膜状あるいは中空糸状多孔性担体を使用す
る場合、その孔径が、細胞は通過できないが培地
成分は自由に通過できる0.05〜10ミクロンのもの
を使用すれば、膜内面に結合した白血球に膜外面
より栄養を補給でき、高濃度の白血球を刺激活性
化することが可能である。さらに好ましくは、
0.1〜5ミクロンの孔径の多孔性担体が良好に使
用できる。 不溶性担体の材質としては、アガロース系、デ
キストラン系、セルロース系、ポリアクリルアミ
ド系、ガラス系、活性炭系、ポリアミド系、ポリ
エステル系、ポリウレタン系等の物質あるいは再
生セルロース系、ナイロン、アクリル、ポリエス
テル等公知の繊維性物質を一般に用いることがで
きる。 刺激剤を不溶性担体の表面に固定する方法とし
ては、共有結合、イオン結合、物理吸着等あらゆ
る公知の方法を用いることができるが、刺激剤の
溶出性から考えると、共有結合で固定して用いる
ことが望ましい。そのためには通常固定化酵素、
アフイニテイクロマトグラフイで用いられる公知
の方法を用いることができる。例えば、臭化水素
(HBr)でアガロース、セフアロース等を活性化
し、あるいはシリカガラスビーズをγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランと反応させてアルキル
アミノガラスを得、これをグルタルアルデヒドで
活性化し、刺激剤と結合させる等の方法を用いる
ことができる。また必要に応じて、不溶性担体と
刺激剤の間に任意の長さの分子(スペーサー)を
導入して使用することもできる。例えば、アガロ
ースのヒドロキシル基とヘキサメチレンジイソシ
アナートの片側のイソシアナート基を反応結合さ
せ、残つたイソシアナート基と刺激剤のアミノ基
を反応結合させるごとく実施することができる。 刺激剤結合不溶性担体による末梢血白血球の活
性化は、血清成分含有培地で行なうと強力な腫瘍
障害性細胞の誘導が可能である。すなわち、牛胎
児血清、牛血清、馬血清等の動物血清あるいはヒ
ト血清を2〜20%含有した培地を調製する。好ま
しくはヒト血清を2〜20%含有した培地を調製す
る。この場合の培地は、動物細胞培養に一般的に
用にられる培地、例えば、RPMI1640培地、
MEM培地等が使用できる。また、血清成分例え
ば血清アルブミンを添加したRPMI1640培地でも
使用が可能である。 調製した培地中に、種々の方法で採取した末梢
血白血球を0.5〜3×106個/mlの細胞濃度で浮遊
させ、これに適当量の刺激剤結合不溶性担体を添
加し、温度25〜45℃で培養を行なう。温度25℃以
下ではほとんど有効な白血球の活性化が起こら
ず、温度45℃以上では白血球の生存率が低下す
る。培養は市販の細胞培養用のプラスチツク製容
器を使用し、CO2インキユベーター中で行なえば
簡便である。培養数時間で白血球は刺激剤結合不
溶性担体粒子表面に付着し活性化される。 付着活性化された白血球と担体との分離は、刺
激剤と白血球の結合を阻害する物質を用いれば簡
単に行なえる。例えばCon A、LCHを刺激剤と
して使用する場合にはα−メチルマンノース、
PHA、LBAを、刺激剤として用いる場合にはN
−アセチル−D−ガラクトサミンを分離剤として
使用すれば、刺激剤結合不溶性担体より活性化白
血球を回収できる。 このようにして回収した活性化白血球は、強力
な腫瘍障害細胞を含有することを見い出した。す
なわち、活性化白血球を各種ヒト腫瘍細胞に作用
させたところ、ZR−75−30乳癌細胞、MKN−
1胃癌細胞、PC−9肺癌細胞、C−1結腸癌細
胞、NBT−2膀胱癌細胞、NRC−12腎癌細胞等
を強く障害した。また、ラジオアイソトープで標
識した刺激剤を不溶性担体に結合させ、この刺激
材を用いて活性化した末梢血白血球に放射活性は
検出されず、刺激剤を不溶性担体に共有結合で固
定することにより、刺激剤が活性化白血球ととも
に患者体内に持ち込まれる可能性が完全に否定さ
れた。 腫瘍障害性細胞誘導能を持つ刺激剤結合不溶性
担体を実際の臨床に用いる場合は、たとえば図面
に示した腫瘍障害性細胞誘導装置を用いる。この
装置は容器1内に刺激剤結合担体2を収容し、両
端に白血球液流入口3および流出口4を有し、そ
れぞれフイルター5で区分されている。このフイ
ルター5は担体2が容器1外に流出するのを防ぐ
ものである。この容器1は洗浄装置6に連結され
ており、洗浄装置6は空気排出口9、洗浄液出口
10を備えており、細胞が洗浄液排出口10へ出
るのを防止するためのフイルター8が設けられて
いる。 この装置は、回分的に患者末梢血白血球より腫
瘍障害性細胞の誘導を行ない、操作性よく腫瘍障
害性細胞の分離、洗浄、回収を行なう装置であ
る。すなわち、患者末梢血より連続遠心分離等の
公知の方法を用いて採取した白血球液を容器1の
白血球液流入口3より流入させ、白血球を刺激剤
結合担体2に吸着させた後、空気(5%CO2)を
飽和させた培養液を循環させ、37℃に保温し腫瘍
障害性細胞の誘導活性化を行なう。その後、洗浄
装置6を連結し、空気排出口よりアスピレーター
で吸引を行ないながら洗浄液(分離剤を含む)を
流入口3より流す。洗浄液は洗浄液排出口10を
通つて、その下に連結された容器にためられる。
担体から洗浄により分離した腫瘍障害性細胞は、
フイルター8の上部7に集められる。充分に洗浄
を行なつた後、容器1をとりはずし、腫瘍障害性
細胞を回収し、治療に用いる。 本発明の刺激材および刺激方法は、以上述べて
きたように、患者末梢血白血球を効率よく活性化
し、安全にかつ操作性よく、強力な腫瘍障害性細
胞を誘導するものであり、胃癌、肺癌、乳癌、肝
癌等の癌治療に用いようとするものである。 以下実施例により、本発明の実施例の態様をよ
り詳細に説明する。 実施例 1 刺激材の調製は次のようにして行なつた。すな
わち、HBr活性化セフアロース6MB(スエーデ
ン、フアルマシア社製、粒径250〜350ミクロン)
に、刺激剤として、通常の方法によつて各種のT
リンパ球活性化物質を結合せしめ、過剰の活性基
をグリシンでブロツキングした後、PH4−0.1M
酢酸バツフアー、PH8.5炭酸ナトリウムバツフア
ーでくり返し洗浄後、生理食塩水で洗浄、水切り
して実験に供した。不溶性担体の刺激剤保持量
は、初めに添加した刺激剤量より、結合反応後の
上清刺激剤量および洗浄液中の刺激剤量をさし引
いて結合量を求め計算したところ、不溶性担体1
mlあたり1〜3mgであつた。なお、刺激剤量は
280nmの吸光度で測定した。 ヒト白血球は次のようにして得た。すなわち、
採血したヒト末梢血をハンクス液で2倍希釈し、
フイコールパーク液(フアルマシア社製)に重層
し、2000rpmで20分間遠心分離した後、中間層の
白血球層を分離して、これをハンクス液で洗つた
後、自己血清を10%添加したRPMI1640培地(ニ
ツスイ)に2×106/mlの細胞濃度で浮遊させる。
この細胞浮遊液を1mlずつ、細胞培養用の2mlの
ウエル(フアルコンNo.3047)に分注し、これに各
種刺激剤結合不溶性担体を20μずつ添加し、
CO2インキユベーター中で温度37℃で培養を行な
う。培養1時間程で白血球の担体表面上への付着
が観察される。24時間培養を行なつた後、培養液
をピペツテイングして活性化白血球を担体表面か
らはがして静置すると、担体は容器の底に沈下す
るので、上清細胞液をとり、これをハンクスで洗
つた後、自己血清10%添加RPMI培地に5×
106/mlの細胞濃度で浮遊させる。 この活性化白血球が腫瘍細胞障害性を有するか
どうかは、次のようなキラー活性測定法を用いて
評価した。培養プレートに付着して増殖する種々
のヒト癌細胞株を標的細胞として、5×104/ml
の細胞濃度で10%牛胎児血清添加RPMI1640培地
に浮遊させ、これを10μずつ10μ容テラサキ
プレートに分注し、CO2インキユベーター中で温
度37℃で培養する。24時間培養を行なうと、癌細
胞は培養プレート底面に強く付着する。これを培
養液で洗つた後、活性化白血球浮遊液10μを添
加し、37℃で4時間、CO2インキユベーター中で
培養し、プレートに付着している癌細胞を障害さ
せる。障害を受けた癌細胞は、プレート底面への
付着性を喪失し、ハンクス液で洗うと活性化白血
球とともに除去される。生残してプレート底面に
付着している癌細胞をアセトンで固定し、ギムザ
液で染色した後、顕微鏡で計数する。キラー活性
は次式により計算する。 キラー活性=(1−活性化白血球を添加した場
合の生残腫瘍細胞数/活性化白血球を添加しない場合の
生残腫瘍細胞数)×100(%) このようにして評価した各種刺激剤結合不溶性
担体の腫瘍障害性細胞誘導能を表1に示す。各種
刺激剤結合セフアロース6MBでヒト末梢血白血
球を24時間刺激して得た活性化白血球の腫瘍細胞
障害活性を、標的細胞として、ZR75−30ヒト乳
癌細胞、MKN−1ヒト胃癌細胞を使用するキラ
ー活性測定法で評価を行なつた。表1に示したよ
うに、PHA、WFA、LCH、PWM、Protein A
を結合したセフアロース6MBでヒト末梢血白血
球を刺激すると、各種ヒト腫瘍細胞株を強力に障
害する腫瘍障害性細胞が誘導された。Con A結
合セフアロースは中程度に腫瘍障害性細胞を誘導
した。 比較例 1 10%自己血清添加RPMI1640培地1mlに末梢血
白血球2×106個を浮遊させ、刺激剤結合担体を
添加せず、無刺激で24時間培養あるいは刺激剤を
結合しないセフアロース6MBを添加して24時間
培養しても、腫瘍障害性細胞は誘導されなかつ
た。 比較例 2 10%自己血清添加RPMI1640培地1mlに末梢血
白血球2×106個を浮遊させ、これに最適量の担
体非結合PHA(10μg/ml)を添加して24時間培
養を行ない、実施例1と同様にして、ZR75−30
を標的細胞として腫瘍障害活性を測定したとこ
ろ、60%の障害活性が観察された。表1に示した
ように、PHA結合担体を使用した場合、ZR75−
30を標的細胞とすると72%の障害活性が誘導され
た。すなわち、刺激剤を不溶性担体に結合させる
と、腫瘍障害活性誘導能は低下することなく、か
えつて増強された。
【表】 実施例 2 10%自己血清添加RPMI1640培地10mlに2×
106/mlの細胞濃度で末梢血白血球を浮遊させ、
これに刺激材としてCon A結合セフアロース
6MB(粒径250〜350ミクロン、刺激剤保持量1.5
mg/ml)200μを添加し、温度37℃でCO2インキ
ユベーター中で24時間培養を行なつた後、α−メ
チルマンノースを0.1Mの濃度で添加し、さらに
30分、CO2インキユベーター中で培養した後、80
ミクロンメツシユのナイロンネツトで過して活
性化白血球を刺激材と分離した。このようにして
得た活性化白血球5×104個を500個のZR75−30
標的細胞と混合培養したところ、4時間で35%の
ZR75−30乳癌細胞を障害した。 実施例 3 活性化白血球と静置沈降法により容易に分離可
能な不溶性担体を得るために、以下の実験を行な
つた。粒径300ミクロンのシリカガラスに、公知
の方法を用いてPHAを結合させた。すなわち、
シリカガラスビーズをγ−アミノプロピルトリエ
トキシシランと反応させてアルキルアミノガラス
を得、これをグルタルアルデヒドで活性化して
PHAを結合させた。このようにして調製した
PHA結合ガラスビーズ(刺激剤保持量50μg/
ml)を、10%自己血清添加RPMI1640培地10mlに
2×106/mlの細胞濃度で末梢血白血球を浮遊さ
せた培養液に添加し、温度33℃でCO2インキユベ
ーター中で24時間培養を行ない、白血球を活性化
させた。活性化白血球を回収するために、培養液
を強くピペツテイングし静置すると、すぐにガラ
スビーズは沈降し、上清より活性化白血球を回収
した。あるいは培養液をピペツテイングした後、
フイコールパーク液に重層し、1000rpm、10分間
遠心分離すれば、液界面より活性化白血球を回収
することができる。このようにして得た活性化白
血球5×104個を500個のZR75−30標的細胞と混
合培養したところ、4時間で68%のZR75−30乳
癌細胞を障害した。 実施例 4 セルロースアセテート中空繊維(外径1.15mm、
内径1.00mm、長さ50mm、平均孔径0.3ミクロン)
を臭化水素で活性化した後、公知の方法を用いて
PHAを結合させてPHA結合中空繊維を調製した
(刺激剤保持量500μg/g)。この中空繊維の一
方の端をとじ、内部にヒト末梢血白血球1×107
を注入して注入口をとじ、自己血清を10%添加し
たRPMI1640培地5ml中に入れ、温度37℃でCO2
インキユベーター中で培養を行なつた。24時間後
に中空繊維の両方の端を切断して、ピペツトで中
空繊維内部に培養液を強く流通させて活性化白血
球を回収した。この活性化白血球5×104個を500
個のZR75−30標的細胞と混合培養したところ、
4時間で72%のZR75−30乳癌細胞を障害した。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の悪性腫瘍治療用白血球刺激材お
よび刺激方法を用いる腫瘍障害性細胞誘導装置の
1例を示す説明図である。 1……容器 2……刺激剤結合担体(刺激材)
3……白血球液流入口 4……液流出口 5…
…フイルター 6……洗浄装置 7……活性化白
血球貯留部 8……フイルター 9……空気排出
口 10……洗浄液排出口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 不溶性担体に、レクチンを成分とする腫瘍障
    害性細胞誘導物質が、共有結合で固定されている
    ことを特徴とする悪性腫瘍治療用白血球刺激材。 2 レクチンを成分とする腫瘍障害性細胞誘導物
    質が、共有結合で固定された不溶性担体からなる
    白血球刺激材と末梢血白血球を接続させ、得られ
    た混合物から活性化白血球を分離することを連続
    的あるいは断続的に行うことを特徴とする悪性腫
    瘍治療のための白血球刺激方法。
JP58228496A 1983-12-05 1983-12-05 悪性腫瘍治療用白血球刺激材および刺激方法 Granted JPS60120821A (ja)

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