JPH0586929B2 - - Google Patents

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JPH0586929B2
JPH0586929B2 JP61172882A JP17288286A JPH0586929B2 JP H0586929 B2 JPH0586929 B2 JP H0586929B2 JP 61172882 A JP61172882 A JP 61172882A JP 17288286 A JP17288286 A JP 17288286A JP H0586929 B2 JPH0586929 B2 JP H0586929B2
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cancer
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Kimimasa Yamada
Goji Kaieda
Naokuni Yamawaki
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、白血球を活性化して抗腫瘍免疫細胞
を誘導する機能を持つ抗腫瘍免疫細胞誘導材に関
する。 (従来の技術) 周知のように、生体の悪性腫瘍に対する免疫監
視機構を荷う抗腫瘍免疫細胞としては、キラーT
細胞、NK細胞、活性化マクロフアージ、K細胞
等が重要な役割をはたしていることが報告されて
いる〔福沢正洋:医学のあゆみ、126,420(′
83)〕。したがつて、悪性腫瘍に対する免疫学的療
法としては、癌患者免疫細胞(白血球)を活性化
して、これらの抗腫瘍免疫細胞を効率的に誘導活
性化することが考えられる。しかしながら、実際
の癌患者体内においては、このような悪性腫瘍に
対する免疫監視機構の存在にもかかわらず腫瘍細
胞が増殖する。 その主要なメカニズムの一つとして、腫瘍細胞
による免疫抑制性細胞(サプレツサーT細胞、サ
プレツサーマクフアージ等)の誘導活性化が報告
されている。〔S.Fujimoto etal;J.Immunol,
116,791(′76)〕。かかる免疫抑制細胞は、腫瘍細
胞を障害する機能を荷う種々の抗腫瘍免疫細胞の
誘導活性化を抑制し、ために腫瘍細胞の増殖を許
し、ますます腫瘍に対する免疫応答能の低下をま
ねくと考えられる。また、その他のメカニズムと
して、腫瘍細胞による免疫抑制性因子の産生によ
り、腫瘍細胞に対する免疫応答が抑制されている
可能性も報告されており〔J.A.Roth etal:J.
Immunol,128,1955(′82)〕。かかる免疫抑制状
態下にある癌患者体内においては、効率的な抗腫
瘍免疫細胞の誘導活性化は困難であると言わなけ
ればならない。 したがつて、免疫抑制のない抗腫瘍免疫細胞誘
導活性化に最適な条件を体外に設定し、癌患者か
ら取り出した白血球を刺激活性化して、強力な抗
腫瘍免疫細胞を誘導し、これを元の癌患者にもど
すことによつて癌を治療しようとする方法は、効
果の高い新しい癌免疫療法となる可能性を有する
と考えられる。 (発明が解決しようとする問題点) 体外に取り出した白血球を刺激活性化して抗腫
瘍免疫細胞を誘導活性化し、これを担癌生体に投
与して癌を治療しようとする試みは、現在活発に
研究が行なわれているが、白血球の刺激活性化に
担癌生体より抽出した腫瘍細胞を用いており、非
常に操作が煩雑である。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記の問題点を解決するために
鋭意研究した結果、抗腫瘍免疫担当細胞であるキ
ラーT細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞、K細
胞、単球、マクロフアージの表面上に存在する抗
原またはレセプターに対する抗体を共有結合で不
溶性担体に結合させた誘導材を、ヒト末梢血白血
球に接触させたところ、驚くべきことに、極めて
強力な腫瘍障害性細胞が誘導されることを見出
し、本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、抗腫瘍免疫担当細胞であ
るキラーT細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞、K
細胞、単球、マクロフアージの表面上に存在する
抗原またはレセプターに対する抗体を単独あるい
は2種以上、不溶性担体の表面に有することを特
徴とする抗腫瘍白血球誘導材に係る。 本発明における不溶性担体の表面とは、細胞す
なわち白血球と接触可能な面を指す。 本発明における白血球とは、血液細胞のうち赤
血球および血小板を除いた、いわゆる白血球を指
すが、この白血球より顆粒球あるいはB細胞を除
去した細胞分画も、本発明における白血球の概念
に含まれる。本発明において活性化を行なう白血
球は、連続遠心分離法で末梢血より採取した白血
球分画を用いてもよく、また、フイコールパーク
重層遠心分離法で分離した単核細胞分画でもよ
く、あるいは末梢血単核細胞より公知のノイラミ
ニダーゼ処理羊赤血球とのロゼツト形成で分離濃
縮したT細胞分画を使用しても、強力な腫瘍障害
性細胞の誘導が可能である。 本発明において誘導活性化する腫瘍障害性細胞
は、白血球の中で顆粒球、単球、マクロフアージ
を除くリンパ球分画に属し、とりわけT細胞の性
質を有している。 本発明において用いることのできる不溶性担体
に結合する抗体としては、T細胞表面上に存在す
る抗原やレセプターに対する抗体である抗Leu−
1モノクローナル抗体、抗Leu−2モノクローナ
ル抗体、抗Leu−3モノクローナル抗体、抗Leu
−4モノクローナル抗体、抗Leu−5モノクロー
ナル抗体、抗Leu−8モノクローナル抗体、抗
Leu−9モノクローナル抗体、抗Leu−15モノク
ローナル抗体、抗T3モノクローナル抗体、抗T4
モノクローナル抗体、抗T6モノクローナル抗体、
抗T8モノクローナル抗体、抗T9モノクローナル
抗体、抗T10モノクローナル抗体、抗T11モノク
ローナル抗体、抗Leu−1モノクローナル抗体、
抗Leu−2モノクローナル抗体、抗Leu−3モノ
クローナル抗体、抗Leu−4モノクローナル抗
体、抗Leu−5モノクローナル抗体、抗Leu−8
モノクローナル抗体、抗Leu−9モノクローナル
抗体、抗Leu−15モノクローナル抗体、抗ヒトト
ランスフエリンレセプターモノクローナル抗体、
抗T細胞抗原レセプター抗体、抗IL−2レセプ
ター抗体、NK細胞・K細胞表面上に存在する抗
原やレセプターに対する抗体である抗Leu−7モ
ノクローナル抗体、抗Leu−11モノクローナル抗
体、単球・マクロフアージ表面上に存在する抗原
やレセプターに対する抗体である抗Leu−M1モ
ノクローナル抗体、抗Leu−M3モノクローナル
抗体、抗HLA−DRモノクローナル抗体、抗M1
モノクローナル抗体が挙げられる。 中でも、T細胞表面上に存在する抗原やレセプ
ターに対する抗体が好ましい結果を与える。さら
に好ましくは、抗T3モノクローナル抗体、抗
T11モノクローナル抗体、T細胞抗原リセプター
の抗原結合部位に対するモノクローナル抗体等の
抗T細胞抗原レセプター抗体、抗IL−2レセプ
ター抗体を単独あるいは2種以上表面に結合した
ものが、より強力な抗腫瘍免疫細胞を誘導でき
る。最も強力な抗腫瘍免疫細胞誘導材としては、
抗T細胞抗原レセプター抗体、抗IL−2レセプ
ター抗体を単独あるいは同時に表面に有する担体
である。 抗T細胞抗原リセプター抗体としては、T細胞
抗原リセプターの抗原結合部位に対する抗イデイ
オタイプモノクローナル抗体が特に選択的活性化
の点で好ましい。 不溶性担体に結合する抗体としては、抗血清の
ようなポリクローナルな抗体でも使用できるが、
抗体としての純度や結合能の均一性の点から、モ
ノクローナル抗体が好ましい。 本発明で用いられる不溶性担体は、親水性担
体、疎水性担体いずれも使用できる。不溶性担体
の形状は、粒子状、繊維状、中空糸状、膜状等い
ずれの公知の形状も用いることができる。粒状も
しくは球状不溶性担体としては、粒径1ミクロン
〜3000ミクロンのものが使用できる。粒径1ミク
ロン以下では活性化白血球との分離が困難であ
る。とくに粒径50ミクロン以上であれば、容易に
活性化白血球との過分離が可能であり、粒径
3000ミクロン以上では、白血球との担体単位重量
あたりの接触面積が低下するため好ましくない。
特に好ましくは、粒径80〜2000ミクロンのもので
ある。また、粒状もしくは球状不溶性担体の比重
が1.07以上であれば、容易に活性化白血球との遠
心もしくは静置による分離が可能である。また、
平膜状あるいは中空糸状多孔性担体を使用する場
合、その孔径が、細胞は通過できないが培地成分
は自由に通過できる0.05〜10ミクロンのものを使
用すれば、膜の一方の面に結合した白血球に膜の
他方の面より栄養を補給でき、高濃度の白血球を
刺激活性化することが可能である。特に0.1〜5
ミクロンの孔径の平膜状あるいは中空糸状の多孔
性担体が良好に使用できる。 不溶性担体の材質としては、無機ベースのもの
にあつては活性炭、ガラス等およびその誘導体が
あり、天然高分子由来担体には、セルロース、セ
フアロース、デキストラン、デンプン等の単純多
糖類およびその誘導体がある。 また、合成高分子にあつては、ビニル系高分子
には、スチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エス
テル、アクリル酸エステル、ハロゲン化ビニル、
ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メチルビニルケトン、ビニルピロリ
ドン、2−ビニルピリジン、エチレン、プロピレ
ン、ブタジエン、イソブレン等およびその誘導体
の重合体および共重合体があり、環状化合物の開
環重合体には、ジメチルシクロプロパン、スピロ
−ジ−o−キシリレン、ノルボルネン、シクロブ
テン、トリオキサン、ラクチド、シクロポリシロ
キサン、塩化ホスホニトリル、N−カルボキシ−
α−アミノ酸無水物等およびその誘導体の重合体
および共重合体、ポリホルムアルデヒド、ポリエ
チレンオキシド、ポリプロピレングリコール、ポ
リ−3,3−ビス(クロルメチル)オキサシクロ
ブタン、ポリテトラヒドロフラン、ポリカプロラ
クタム等およびその誘導体がある。 また、重縮合体には、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアンヒドリド、ポリカーボネート、ポリ
尿素、ポリスルホンアミド、ポリイミド、ポリベ
ンゾイミダゾール等およびその誘導体があげられ
る。 樹脂その他のものにあつては、アクリル樹脂、
メタクリル樹脂、フツ素樹脂、エポキシ樹脂、尿
素樹脂、アミノ樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹
脂、ポリウレタン、シリコン樹脂、アルキド樹脂
等およびその誘導体が例示できる。 以上にあげた高分子担体は、必要に応じた適当
なコモノマー、架橋剤を用い、不溶化担体を得る
ことができ、架橋剤にあつては、硫黄、有機過酸
化物、フエノール樹脂、ジイソシアナート、エポ
キシ化合物、ジエン、グルタルアルデヒド等、被
架橋物の官能基に合わせ、種々のものを選択でき
る(大成社、“架橋剤ハンドブツク”、p3〜77,
1981)。 また、上記不溶性担体にコーテイングを施した
多層構造を有した担体も使用できる。たとえば、
活性炭やガラスビーズにポリヒドロキシルエチル
メタクリレートをコーテイングした担体等が使用
できる。 抗体を不溶性担体の表面に固定する方法として
は、共有結合、イオン結合、物理吸着等あらゆる
公知の方法を用いることができるが、溶出性から
考えると、共有結合で固定して用いることが望ま
しい。そのためには通常固定化酵素、アフイニテ
イクロマトグラフイで用いられる方法を用いるこ
とができる。例えば、臭化水素(CNBr)でアガ
ロース、セフアロース等を活性化し、あるいはシ
リカガラスビーズをγ−アミノプロピルトリエト
キシシランと反応させてアルキルアミノガラスを
得、これをグルタルアルデヒドで活性化し、結合
させる等の方法を用いることができる。また、必
要に応じて、不溶性担体との間に任意の長さの分
子(スペーサー)を導入して使用することもでき
る。例えば、アガロースのヒドロキシル基とヘキ
サメチレンジイソシアナートの片側のイソシアナ
ート基を反応結合させ、残つたイソシアナート基
と抗体のアミノ基を反応結合させるごとく実施す
ることができる。 以上の要素よりなる本発明の誘導材の製造法
は、その構成容素の結合順序を規定したものでは
ない。すなわち、本発明は、基本的には表面に抗
腫瘍免疫担当細胞であるキラーT細胞、ヘルパー
T細胞、NK細胞、K細胞、単球、マクロフアー
ジの表面上に存在する抗原またはレセプターに対
する抗体を1種以上有すればよいのであり、製造
方法に左右されるものではない。 本発明の白血球誘導材は、使用に際して、単一
の不溶性担体表面に1種以上の抗体を結合した誘
導材はもとより、単一の不溶性担体表面に1種類
の抗体を結合させた誘導材を複数組み合わせて使
用することも可能である。 誘導材による白血球の活性化は、血清成分含有
培地で行なうと強力な腫瘍障害性細胞の誘導が可
能である。すなわち、牛胎児血清、牛血清、馬血
清等の動物血清あるいはヒト血清を2〜20%含有
した培地を調製する。この場合の培地は、動物細
胞培養に一般的に用いられる培地、例えば、
RPMI1640培地、MEM培地等が使用できる。ま
た、血清成分例えば血清アルブミンを添加した
RPMI1640培地でも使用が可能である。また、誘
導期間中にインターリユーキン2を添加しても、
より強力な腫瘍障害性細胞を誘導できる。 調製した培地中に、種々の方法で採取した白血
球を0.5〜3×106個/mlの細胞濃度で浮遊させ、
これに適当量の誘導材を添加し、温度25〜45℃で
培養を行なう。温度25℃以下ではほとんど有効な
白血球の活性化が起こらず、温度45℃以上では白
血球の生存率が低下する。培養は市販の細胞培養
用のプラスチツク製容器を使用し、CO2インキユ
ベーター中で行なえば簡便である。培養数時間で
白血球は誘導材に付着し活性化される。 このようにして活性化した白血球は、強力な腫
瘍障害細胞を含有することを見出した。すなわ
ち、誘導材で活性化したヒト末梢血白血球をヒト
腫瘍細胞に作用させたところ、MKN−1胃癌細
胞、PC−10肺癌細胞を強く障害した。 (発明の効果) 本発明の誘導材は、以上述べてきたように、癌
患者末梢血白血球を効率よく活性化し、安全に、
かつ操作性よく、強力な腫瘍障害性細胞を誘導す
るものであり、胃癌、肺癌、乳癌、肝癌、腎癌等
の癌治療および検査診断、研究等に用いようとす
るものである。 (実施例) 実施例 1 OKT3モノクローナル抗体(オーソ・ダイアグ
ノステイツク・システムズ株式会社製)を、プロ
テインA−セフアロース4B(フアルマシア社製)
を用いたアフイニテイクロマトグラフイーにより
精製し、この精製抗体100μgをリガンドとして、
公知の方法によつてCNBr活性化セフアロース
6MB(フアルマシア社製)1mlに結合させ、誘導
材を調製した。 なお、これらのリガンドの保持量を求めるため
に、結合反応後の上清および洗浄液中のリガンド
量を求め、添加量から減じて計算したところ、95
%のリガンドが保持された。 ヒト白血球は次のようにして得た。すなわち、
採血したヒト末梢血をハンクス液で2倍希釈し、
フイコールバーク液(フアルマシア社製)に重層
し、2000rpmで20分間遠心分離した後、中間層の
白血球層を分離して、これをハンクス液で洗つた
後、自己血清を10%添加したRPMI1640培地(ニ
ツスイ)に2×106/mlの細胞濃度で浮遊させる。
この細胞浮遊液を1mlずつ、細胞培養用の2mlウ
エル(フアルコンNo.3047)に分注し、これに誘導
材を50μずつ添加し、CO2インキユベーター中
で温度37℃で倍養を行う。3日間培養を行つた
後、ピペツテイングを行つて静置すると、担体は
容器の底に沈澱するので、上清血清をとり、これ
をハンクス液で洗つた後、自己血清10%添加
RPMI1640培地に5×106/mlの細胞濃度で浮遊
させる。 この活性化白血球が腫瘍細胞障害性を有するか
どうかは、次のようなキラー活性測定法を用いて
評価した。培養プレートに付着して増殖する種々
のヒト癌細胞株を標的細胞として、5×104/ml
の細胞濃度で10%牛胎児血清添加RPMI1640培地
に浮遊させ、これを10μずつ10μ容テラサキ
プレートに分注し、CO2インキユベーター中で温
度37℃で培養する。24時間培養を行うと、癌細胞
は培養プレート底面に強く付着する。これを培養
液で洗つた後、活性化白血球浮遊液10μを添加
し、37℃で4時間、CO2インキユベーターで培養
し、プレートに付着している癌細胞を障害させ
る。障害を受けた癌細胞は、プレート底面への付
着性を喪失し、ハンクス液で洗うと活性化白血球
とともに除去される。生残してプレート底面に付
着している癌細胞をアセトンで固定し、ギムザ液
で染色した後、顕微鏡で計数する。キラー活性は
次式により計算する。 キラー活性={1−〔(活性化白血球を 添加した場合の生存腫瘍細胞数) /(活性化白血球を添加しない 場合の生残腫瘍細胞数)〕} ×100(%) このような方法を用いて、誘導材で活性化した
免疫細胞の腫瘍細胞障害活性を測定したところ、
表1に示すごとく、MKN−1ヒト胃癌細胞、
PC−10ヒト肺癌細胞に対して障害活性を示した。 実施例 2 OKT3モノクローナル抗体とOKIa1モノクロー
ナル抗体(オーソ・ダイアグノステイツク・シス
テムズ株式会社製)を、実施例1と同様にして精
製し、これらの抗体100μgをリガンドとして、
同時にCNBr活性化セフアロース6MB(フアルマ
シア社製)1mlに結合させた誘導材を得た。 本誘導材で活性化した免疫細胞の腫瘍障害活性
を、実施例1と同様の方法で測定したところ、表
1に示すごとく、MKN−1ヒト胃癌細胞、PC
−10肺癌細胞に対して強力な障害活性を示した。 実施例 3 実施例1と同様の操作で得たOKT3モノクロー
ナル抗体固定化セフアロース6MBとOKIa1モノ
クローナル抗体固定化セフアロース6MBの等量
混合した誘導材による抗腫瘍免疫細胞誘導活性を
検べたところ、実施例2と同じく、MKN−1細
胞、PC−10細胞に対して強力な障害活性を有す
る白血球を誘導できることがわかつた。 比較例 1 誘導材無添加あるいは不溶性担体(セフアロー
ス6MB)のみを添加して、実施例1と同様にし
て実験を行なつたところ、抗腫瘍細胞はほとんど
誘導できなかつた。 実施例 4 抗T細胞抗原レセプターモノクローナル抗体を
結合した抗腫瘍白血球誘導材の調製と抗腫瘍免疫
細胞誘導能について述べる。 (ヒトT細胞の培養および可溶化膜たんぱく分画
の調製) ヒトリンパ球を比重遠心法(矢田純一・藤原道
夫著、リンパ球機能検索法、P17,1980年、中外
医薬社)で得た後、牛胎児血清を10%添加した
RPMI1640培地(ニツスイ)に2×106個/ml細
胞濃度で浮遊させた。これにPHA−P(デイフコ
製)を0.1%濃度で添加し、培養びんに移して、
37℃、5%CO2中で48時間培養を行つた。さら
に、PHAで活性化したリンパ球を市販のインタ
ーロイキン2(ベーリンガー・マンハイム社製)
含有RPMI1640培地(20%牛胎児血清含有)で14
日間培養して、2×109個の細胞を得た。この細
胞よりT細胞抗原レセプター画分を、次のように
して得た。細胞をハンクス液で3回洗い、1%ト
リトン−100含有PBS(1mMフエニルメチルスル
フオニイルフルオライド、1mM EDTA、10mM
NaF含有、PH7.2)2mlに浮遊させ、氷中で1時
間撹拌して膜たんぱくを可溶化した。可溶化物を
10000g、20分間遠心分離し、細胞のデブリスを
除去し、可溶化膜たんぱく分画を得た。これをセ
フアクリールS−200(フアルマシア製)にのせ、
PBSでゲルクロマトグラフイーを行い、分子量
7〜10万の分画を集め限外濃縮した(0.5ml)。 (抗T細胞抗原レセプターモノクローナル抗体の
作製) 濃縮液をフロイントコンプリートアジユバント
と等量混合し、BALB/cマウスに免疫した。
10日後および20日後に濃縮液100μを腹腔内投
与し、さらに10日後、濃縮液100μを静注して、
3日後、免疫マウスの脾臓をとり出し、常法
〔(G.Ko¨hler&C.Milstein,Nature 256,49,
(1975)〕でマウスミエローマP3UIと融合させ、
ハイブリドーマを作成した。ハイブリドーマ上清
は、ヒトT細胞に対する結合性および合成ヒトT
細胞抗原レセプターβ鎖定常域ペプチドに結合す
る抗体が含まれているかどうかでスクリーニング
し、最終的にT細胞膜たんぱく分画と免疫沈降さ
せてSDSポリアクリルアミド電気泳動を行い、抗
T細胞抗原レセプターモノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマを得た。このハイブリドーマの1
の20%牛胎児血清含有RPMI1640培地で培養した
培養上清を、プロテインA−セフアロースCL−
4B(フアルマシア製)を用いたアフイニテイクロ
マトグラフイーにより精製して、10mgの抗T細胞
抗原レセプターモノクローナル抗体を得た。 (抗T細胞抗原レセプターモノクローナル抗体結
合セフアロース4Bの作製) 抗T細胞抗原レセプターモノクローナル抗体1
mgを1gのCNBr活性化セフアロース6MB(フア
ルマシア製)に貼付の方法によつて結合させた。 (抗T細胞抗原レセプターモノクローナル抗体結
合不溶性担体による抗腫瘍免疫細胞の誘導) 上記の抗体固定化不溶性担体を使用して、実施
例1と同様に、ヒト白血球を刺激し、腫瘍細胞障
害性を測定したところ、表1に示すごとく、
MKN−1ヒト胃癌細胞、PC−10ヒト肺癌細胞
に対して強力な障害活性を示した。 【表】 【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 抗腫瘍免疫担当細胞であるキラーT細胞、ヘ
    ルパーT細胞、NK細胞、K細胞、単球、マクロ
    フアージの表面上に存在する抗原またはレセプタ
    ーに対する抗体を単独あるいは2種以上、不溶性
    担体の表面に有することを特徴とする抗腫瘍白血
    球誘導材。
JP61172882A 1986-07-24 1986-07-24 抗腫瘍白血球誘導材 Granted JPS6330500A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61172882A JPS6330500A (ja) 1986-07-24 1986-07-24 抗腫瘍白血球誘導材

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JP61172882A JPS6330500A (ja) 1986-07-24 1986-07-24 抗腫瘍白血球誘導材

Publications (2)

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JPS6330500A JPS6330500A (ja) 1988-02-09
JPH0586929B2 true JPH0586929B2 (ja) 1993-12-14

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ID=15950065

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JP61172882A Granted JPS6330500A (ja) 1986-07-24 1986-07-24 抗腫瘍白血球誘導材

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US5766947A (en) * 1988-12-14 1998-06-16 Astra Ab Monoclonal antibodies reactive with an epitope of a Vβ3.1 variable region of a T cell receptor
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JPS60120821A (ja) * 1983-12-05 1985-06-28 Asahi Chem Ind Co Ltd 悪性腫瘍治療用白血球刺激材および刺激方法

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JPS6330500A (ja) 1988-02-09

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