[実施形態]
以下に、本発明の遊技機の実施形態としてのスロットマシンを説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更することができる。
<スロットマシンの筐体の説明>
図1は、スロットマシン1の筐体10を示す図である。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
前面扉100は、その中央部分に透光性のリール窓200を備える。遊技者は、このリール窓200から、後述する各回転リール20の表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、電飾部(図示略)、および、スピーカ(図示略)が設けられている。
表示部としての液晶画面3は、遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
電飾部は、所定の条件(例えば、期待度の高い演出画面が表示されている場合、あるいは、特定の役が入賞した場合)が満たされた場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
スピーカは、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)およびSE(サウンドエフェクト)を出力する。
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、ストップスイッチ40、投入口41、ベットスイッチ42、レバー43、精算スイッチ(図示略)、および貯留メダル表示部(図示略)等を備える。
投入口41には、遊技媒体の一例としてのメダルが投入される。また、投入口41にはメダルセンサ(図示略)が設けられている。メダルセンサは、遊技者による投入口41へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
ベットスイッチ42は、遊技者がメダルをベットする際に用いられる。
レバー43は、各回転リール20を回転させるスタートスイッチとして機能する。
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられ、遊技者が回転中の各回転リール20を停止する際に用いられる。
これらの操作部4の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。
さらに、操作部4の下部には、メダルを払い出すための払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。
これらに加えて、図2のとおり、スロットマシン1は回転リールユニット2および制御部6を備える。回転リールユニット2および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示略)等とともに、筐体10の内部に配置されている。
回転リールユニット2は、図3のとおり図柄の配列を備える3つの回転リール20と、これらをそれぞれ駆動する3つのステッピングモータ21とを備える。この回転リールユニット2は、筐体10の内部の中央付近に配置されている。
本実施形態におけるステッピングモータ21は、ストップスイッチ40が操作されてから、190m秒以内に回転リール20の回転を停止させる。また、ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リールは80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述の回転開始制御部611および回転停止制御部612によって、その回転および停止が制御される。
<遊技の流れの説明>
遊技者は、まず、投入口41からメダルを投入して、あるいは、ベットスイッチ42を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち、遊技の開始が可能となる。
図1のとおり、本実施形態の有効ラインLは、右下がりライン1本で構成されている。本実施形態では、Max Bet(マックスベット)となる3枚掛けをした場合に、1本のライン(右下がりライン)が有効化され、有効ラインLとなる。
なお、以下では、ベル、スイカ等のメダルの払い出しのある役が入賞する場合だけではなく、リプレイ、RT移行リプに対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも入賞と表現する。
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、遊技の結果(メダルの払い出し処理を含む。)を得る一連の動作をいう。
具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインL上に揃った(入賞した)図柄の組み合わせに応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
<RT状態の説明>
スロットマシン1は、図4のとおり、RT状態として、RT0~RT6を備える。なお、これらの複数のRT状態のそれぞれには、ART当せん確率および上乗せ当せん確率が当せんした役ごとにあらかじめ定められている。
RT0は、制御部6に設けられたRAMのクリア時、あるいは、RT5またはRT6から移行するRT状態である。RT0のリプレイ確率は1/7.3である。本明細書において、このリプレイ確率は、リプレイのほか、RT移行リプ等の再遊技役すべてを含めた再遊技役合成当せん確率である。前ゲームにおいて再遊技役に当せんした場合には、遊技者はメダルをベットすることなく次ゲームを遊技することができる。
また、RT0は、ART当せん確率が超高確率に設定されたRT状態である。すなわち、RT0では超高確モードAでART抽せんが行われる。
超高確モードAのART抽せんでは、図5のとおり、一般遊技状態においてチェリーが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は70%、ARTが当せんする確率は30%である。スイカが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は30%、ARTが当せんする確率は70%である。
また、図5のとおり、チャンス目が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は0%、ARTが当せんする確率は100%である。さらに、チェリー、スイカ、チャンス目のいずれでもない役(以下、「その他の役」という。)が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は95%、ARTが当せんする確率は5%である。
RT1は、RT状態がRT0あるいはRT4のときに、RT1移行リプのフラグが成立し、かつ、RT1移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT1のリプレイ確率は1/7.3である。
また、RT1は、ART当せん確率が高確率に設定されたRT状態である。すなわち、RT1では高確モードBでART抽せんが行われる。
高確モードBのART抽せんでは、図6のとおり、チェリーが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は80%、ARTが当せんする確率は20%である。スイカが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は50%、ARTが当せんする確率は50%である。
また、図6のとおり、チャンス目が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は20%、ARTが当せんする確率は80%である。なお、その他の役が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は100%、ARTが当せんする確率は0%である。
RT2は、RT状態がRT1のときに、RT2移行リプのフラグが成立し、かつ、RT2移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT2のリプレイ確率は1/7.3である。
また、RT2は、ART当せん確率が通常確率に設定されたRT状態である。すなわち、RT2では通常モードCでART抽せんが行われる。
通常モードCのART抽せんでは、図7のとおり、チェリーが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は90%、ARTが当せんする確率は10%である。スイカが当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は70%、ARTが当せんする確率は30%である。
また、図7のとおり、チャンス目が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は50%、ARTが当せんする確率は50%である。なお、その他の役が当せんした場合には一般遊技状態のままとなる確率は100%、ARTが当せんする確率は0%である。
RT3は、RT状態がRT2のときに、RT3移行リプのフラグが成立し、かつ、RT3移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT3のリプレイ確率は1/7.3である。なお、RT3においても通常モードCでART抽せんが行われる。
RT4は、RT状態がRT3のときに、RT4移行リプのフラグが成立し、かつ、RT4移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT4のリプレイ確率は1/7.3である。なお、RT4においても通常モードCでART抽せんが行われる。
RT5は、RT状態がRT1~4あるいはRT6のときに、RT5移行リプのフラグが成立し、かつ、RT5移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT5のリプレイ確率は1/1.4である。なお、RT5においても通常モードCでART抽せんが行われる。
一方、RT5は、遊技状態がARTである場合にはARTの継続ゲーム数を増加させる上乗せ当せん確率が高確率に設定されたRT状態である。すなわち、RT5では高確モードaで上乗せ抽せんが行われる。高確モードaの上乗せ抽せんでは、図8のとおり、チャンス目が当せんした場合には、チャンス目以外の役が当せんした場合と異なり、必ず20ゲーム以上の上乗せが行われる。特に、20ゲームが付与される確率は、チャンス目が当せんした場合には70%ときわめて高い。
RT6は、RT状態がRT5のときに、RT6移行リプのフラグが成立し、かつ、RT6移行リプが入賞した場合に移行するRT状態である。RT6のリプレイ確率は1/1.4である。なお、RT6においても通常モードCでART抽せんが行われる。
RT6においても、遊技状態がARTである場合には上乗せ抽せんが行われる。ただし、ART中のRT6では、ART中のRT5よりも上乗せ当せん確率が低い通常確率で上乗せ抽せんが行われる。すなわち、RT6では通常モードbで上乗せ抽せんが行われる。
図9のとおり、ART中のRT6の場合には、10ゲームが上乗せされる確率は、チャンス目の場合には50%である。また、ART中のRT6のときにチャンス目が当せんした場合に20ゲームが上乗せされる確率は30%であって、ART中のRT5のときにチャンス目が当せんした場合に比べて上乗せ当せん確率が全体的に低い。
なお、ART中にRT0~RT4のいずれかに移行した場合であっても、上乗せ抽せんが行われる。この場合には、通常モードbで上乗せ抽せんが行われる。
ARTはRT状態がRT5およびRT6の場合に実行される。ART抽せんに当せんしたのち、いったん遊技状態がARTに移行すると、ARTで遊技可能な遊技期間(ARTゲーム数)が経過してARTが終了するまで、押し順役フラグが成立した場合に押し順役を入賞させるための押し順を報知するアシストが継続する。このアシストでは、1つの押し順役フラグにおいて押し順ごとに規定された複数の押し順役のうちの特定の押し順役を入賞させるための押し順が報知される。
なお、遊技状態がART(RT状態はRT5あるいはRT6)に移行したのち、例えばRT0移行リプの入賞によりRT状態がRT0に移行したとしても、アシストは継続する。この場合には、例えば、RT1が入賞するためのアシストがなされたのち、RT5移行リプが入賞するためのアシストがなされる。そして、RT状態がRT5へ移行することによって、高リプレイ確率状態(1/1.4)へと復帰する。
また、本実施形態ではRT5およびRT6でARTが実行される例が記載されているが、ART中ではないRT5およびRT6もありうる。具体的には、ARTへの移行が決定されていないRT1中に、RT5移行リプが入賞することにより、例えばRT状態がRT1からRT5へと移行する場合である。
これらのRT0~RT6の切り替えは、後述のRT状態制御部617によって行われる。
また、以下の説明において、一般遊技状態とは、RT0~RT6のいずれかのRT状態ではあるが特別遊技状態であるCZ(チャンスゾーン)およびARTのいずれでもない遊技状態のことをいう。後述の例では、特別遊技状態はARTである。これらの一般遊技状態と有利遊技状態との切り替えは、後述の遊技状態制御部618によって行われる。
<制御部6の説明>
制御部6は、図2のとおり、主に、メイン制御部61およびサブ制御部62で構成される。メイン制御部61およびサブ制御部62はそれぞれ、演算に用いられるCPU(Central Processing Unit)、ならびに、遊技進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される記憶部を備える(図示略)。
<メイン制御部61の説明>
メイン制御部61は、内部抽せん、回転リール20の制御等、遊技を進行させるための制御を行う。メイン制御部61は、遊技者による、ベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40への操作に基づいて、ステッピングモータ21の制御、および、回転リール20の回転開始または停止の制御を行う。
メイン制御部61は、図2のとおり、内部抽せん部610、回転開始制御部611、回転停止制御部612、遊技結果判定部613、ホッパー制御部614、設定値制御部615、区間制御部616、RT状態制御部617、遊技状態制御部618、および、カウント部619を備える。
<内部抽せん部610の説明>
内部抽せん部610は、レバー43の操作信号が出力されたときに取得される乱数と内部抽せん部610が備える内部抽せんテーブルT1とに基づいて内部抽せんを行う。そして、内部抽せんの結果を受けて、内部抽せん結果信号が生成される。この内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転開始制御部611、回転停止制御部612、カウント部619、および、演出制御部620を備えるサブ制御部62等へと送信される。
ベットスイッチ42の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ42の操作が行われた場合(ベットスイッチ42がオンされた場合)に出力される。
各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲームごとに行われる。また、本実施形態において、各スイッチへの操作は、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味する。
図10、図11は、内部抽せんテーブルT1の説明図である。内部抽せんテーブルT1は、図10に示されるような各RT状態における当せんの可能性がある役の情報、および、図11のとおり役のフラグおよび押し順に対応する入賞可能役の情報を含む。また、図示されていないが、内部抽せんテーブルT1は、レバー43の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域を備える。
以下に、内部抽せんテーブルT1を詳細に説明する。
内部抽せんテーブルT1は、当せんの可能性がある役の情報(成立する可能性のある役のフラグの情報)を備える。内部抽せんテーブルT1において、RT状態ごとに「○」となっている欄が成立する可能性のある役のフラグであり、空欄となっている欄が成立する可能性のない役のフラグである。
例えば、図10の「純はずれ」の欄から、役のフラグ「純はずれ」は、RT0~RT4では成立する可能性があるが、RT5およびRT6では成立しないことがわかる。なお、「純はずれ」とは、すべての役が非当せんの状態である。
図11のとおり、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役のフラグには、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞する押し順役フラグ、および押し順に関係なく入賞可能な押し順不問役フラグが含まれる。
本実施形態において押し順役フラグは、図10、図11のとおり、RT0~6移行リプ1~3、および、押し順ベル1~12に関する役のフラグである。これらの役のフラグに含まれる押し順役は、正解押し順でストップスイッチ40が操作された場合には対応する図柄停止パターンが回転リール20に必ず揃う役であるが、正解押し順が報知されなければ、対応する図柄停止パターンを回転リール20に揃えることが難しくなる役である。
RT0~6移行リプは、これらを含む役のフラグが当せんフラグとして成立し、かつ、入賞することにより、RT状態の移行を可能にする移行役である。
小役は、入賞した場合に一定枚数のメダルの払い出しが行われる図柄の組み合わせである。また、リプレイおよびRT移行リプ等は、入賞した場合にメダルをベットすることなく次の遊技が可能となる図柄の組み合わせである再遊技役である。
また、図11のとおり、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役の情報には、役のフラグごとに設定されている1以上の入賞可能役の情報が含まれる。例えば、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞可能な役である押し順役の情報には、設定されている押し順役の情報、および、対応するストップスイッチ40の押し順に関する情報が含まれる。
なお、図11では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ40の押し順が、テーブルの上部の3つの文字で示されている。例えば、「左中右」は、左のストップスイッチ40a、中のストップスイッチ40b、右のストップスイッチ40cの順にストップスイッチ40が操作された状態であることを示している。押し順役の正解押し順は、所定の条件が満たされた場合(例えば、遊技状態がARTとなった場合)に、アシストされる。以下では、押し順役が入賞するように押し順をアシストする機能を指示機能という。
本実施形態では、役のフラグに設定されている入賞可能役が、すべて同時に当せんする。例えば、内部抽せんの結果、役のフラグ「RT1移行リプ1」が成立した(当せんフラグが「RT1移行リプ1」である)場合、RT1移行リプおよび通常リプが同時に当せんしている。そしてこの場合に、RT1移行リプを入賞させるための押し順(「左中右」あるいは「左右中」)どおりに遊技者がストップスイッチ40を押したときにのみ、RT1移行リプが入賞する。
押し順ベル1~6は、1通りのストップスイッチ40の押し順によって9枚のメダルが払い出される中段ベルと、1枚のメダルが払い出されるベルこぼし目とで構成される。
また、押し順ベル7~12は、5通りのストップスイッチ40の押し順によって9枚のメダルが払い出される中段ベルと、1枚のメダルが払い出されるベルこぼし目とで構成される。
<回転開始制御部611の説明>
回転開始制御部611は、レバー43の操作信号に基づいて、ステッピングモータ21を制御して回転リール20を回転させる。なお、回転開始制御部611は、回転リール20が、例えば、80回転/分の速度で回転するように、ステッピングモータ21を制御する。また、回転開始制御部611は、前遊技における回転リール20の回転開始から一定時間(いわゆるウェイト時間である4.1秒間)が経過している場合に、遊技者によるレバー43の操作に基づいて回転リール20の回転を開始する。
<回転停止制御部612の説明>
回転停止制御部612は、回転リール検出部612a、図柄テーブルT2、図柄判定部612b、および、押し順判定部612cを備える。回転停止制御部612は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と遊技者によるストップスイッチ40の操作信号と図柄テーブルT2とに基づいて、ステッピングモータ21を制御する。これにより、遊技者がストップスイッチ40を操作したのち、190m秒以内に、対応する回転リール20の回転が停止する。
回転リール検出部612aは、回転中の回転リール20の位置を検出する。具体的には、回転リール検出部612aは、回転リール20の回転が開始されたのち、各回転リール20の基準点(図示略)の通過を検出する。各回転リール20の基準点の通過が検出されると、回転リール検出部612aは、各回転リール20の基準点が通過したことを表す検出信号を出力する。本実施形態のスロットマシン1では、各回転リール20の中段ラインがスロットマシン1の絶対的な位置である検出位置である。
検出信号は、各回転リール20の基準点がこの検出位置を通過するたびに検出される。回転リール検出部612aは、回転リール20の基準点が有効ラインLを通過したことを示す検出信号を受信するたびに(回転リール20が1回転するたびに)、各ステッピングモータ21のステップの計測値を初期化(ゼロクリア)し、再びゼロからステップを計測する。これにより、回転リール検出部612aは、ステップを計測する。
また、回転リール検出部612aは、計測されたステップに基づいて、スロットマシン1における絶対的な位置である検出位置からの各回転リール20の基準点のステップを検出する。この検出された基準点のステップから、回転リール20の位置が検出される。検出された回転リール20の位置は、回転リール検出部612aによって、回転リール位置検出信号として出力される。出力された回転リール位置検出信号は、回転リール検出部612aから回転停止制御部612等へと送信される。
また、回転リール検出部612aは、遊技者がストップスイッチ40を操作したときの回転リール20の位置の情報、および、回転リール20が停止したときの回転リール20の位置の情報を停止信号として出力する。出力された停止信号は、回転リール検出部612aから図柄判定部612b等へと送信される。
図柄判定部612bは、回転リール検出部612aにより出力された停止信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、すべての回転リール20が停止したときの有効ラインL上の図柄を判定する。これにより、各回転リール20の有効ラインL上の図柄が判定される。この判定結果は、図柄判定信号として図柄判定部612bから遊技結果判定部613等へと送信される。
押し順判定部612cは、遊技者が3つのストップスイッチ40のうちのいずれのストップスイッチ40をどのようなタイミングで操作したかを判定する。この判定結果は、押し順判定信号として押し順判定部612cから遊技結果判定部613等へと送信される。
なお、押し順判定信号は、前記とは異なり、6通りの押し順に関する情報であってもよいし、遊技者がストップスイッチ40を操作した際の、対応するステッピングモータ21のステップに関する情報であってもよい。
図柄テーブルT2は、当せんフラグとストップスイッチ40の操作信号が出力されたときの有効ラインL上の図柄とに応じて定められている回転リール20の停止位置の情報をも備える。この情報には、押し順と、当せんフラグに対応する入賞可能役と、ストップスイッチ40が操作されたときの回転リール20の位置とに応じて、ストップスイッチ40が操作されてから回転リール20が停止するまでのステップの情報(図柄の滑りコマ数)が含まれる。
回転停止制御部612は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と、回転リール検出部612aにより出力された回転リール位置検出信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、回転リール20の回転停止制御を行う。例えば、回転停止制御部612は、入賞可能役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うように回転リール20の引き込み制御を行い、入賞可能ではない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように回転リール20の蹴飛ばし制御を行う。
<遊技結果判定部613の説明>
遊技結果判定部613は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、図柄判定部612bから出力された図柄判定信号とに基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果は、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かによって判定される。
具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、あらかじめ定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、当せん役が入賞したと判定される。この判定結果は、遊技結果判定信号として遊技結果判定部613からホッパー制御部614およびサブ制御部62へと送信される。
<ホッパー制御部614の説明>
ホッパー制御部614は、遊技結果判定部613により出力された遊技結果判定信号、あるいは操作部4の精算スイッチ(図示略)を操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット(図示略)を制御する。
遊技結果判定信号に基づいて払い出されたメダル(入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。メダルが貯留された結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超える場合には、ホッパー制御部614によりホッパーユニットが制御される。すなわち、クレジットの上限を超えた分のメダルがホッパーユニットから払い出される。
また、1枚以上の貯留メダルがある場合(クレジットが1以上の場合)、または1枚以上のメダルがBETされている場合であって、精算スイッチ(図示略)が操作された場合には、ホッパー制御部614によりホッパーユニットが制御される。これにより、貯留されているメダルがホッパーユニットから払い出される。
<設定値制御部615の説明>
設定値制御部615は、店舗の操作者の操作に基づいて、複数種類の設定値(例えば、1~6)のうちいずれか1つの設定値を用いて遊技進行を実行する。この設定値は、スロットマシン1ごとに設定される。設定値制御部615によって設定された設定値の情報は、内部抽せん部610のほか、後述する演出制御部620などに送信される。
<区間制御部616の説明>
区間制御部616は、遊技区間を、所定の処理を行うことができる有利区間、および、所定の処理を行うことができない通常区間のいずれにするかを決定する。具体的には、区間制御部616は、遊技区間を、出玉に影響する操作を遊技者に指示する指示機能に係る処理を行うことができる一般遊技状態または出玉に影響する操作を遊技者に指示する指示機能に係る処理を行うことができる特別遊技状態で遊技を進行する有利区間、および、指示機能に係る処理を行うことができない一般遊技状態で遊技を進行する通常区間のいずれにするかを決定する。このように、本実施形態において有利区間とは、指示機能にかかる性能を発揮することができる区間のことをいう。すなわち、所定の処理とは指示機能を発揮させる(アシストを行う)か否かの抽せん処理、および、指示機能を発揮させる処理を示す。したがって、遊技区間が有利区間でなければ、スロットマシン1はCZ抽せん処理、および、ART抽せん処理(上乗せ抽せん処理を含む。)を行うことができない。
なお、区間制御部616は、所定の条件が満たされた場合に有利区間を強制的に終了させる。所定の条件としては、有利区間の継続ゲーム数が1500ゲームとなった場合、あるいは、前記有利区間中のメダルの差枚数の最大値と最小値との差が2400枚である場合である。なお、前記所定の条件は、これらに限られず、適宜設定することができる。
図12のとおり、区間制御部616は遊技区間が通常区間であるときに区間移行抽せんを行う。具体的には、区間制御部616は当せん役によって通常区間のままとするか有利区間に移行するかを決定し、決定した結果の情報を後述する演出制御部620などに送信する。本実施形態では、内部抽せんによりレア役が当せんした場合にのみ、区間移行抽せんが行われる。
具体的には、図12のとおり、遊技区間が通常区間のときにチェリーが当せんした場合には遊技区間が通常区間のままとなる確率は50%、有利区間が当せんする確率は50%である。スイカが当せんした場合には遊技区間が通常区間のままとなる確率は70%、有利区間が当せんする確率は30%である。
また、図12のとおり、チャンス目が当せんした場合には遊技区間が通常区間のままとなる確率は0%、有利区間が当せんする確率は100%である。また、その他の役が当せんした場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は100%、有利区間が当せんする確率は0%である。
また、遊技区間が有利区間に移行した場合であって特定の条件が満たされている場合には、例えば、後述の報知部621が、不図示の表示部において遊技区間が有利区間であることを表示する。例えば、貯留メダル表示部(図示略)のクレジット数の右下に「.(ドット)」を表示することで遊技区間が有利区間であることを示す。なお、特定の条件とは、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物(RB、CT)および役物連続作動装置(1種BB、2種BB)を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超えることである。
また、本実施形態においては、遊技区間が有利区間へ移行する確率は設定値によって差が設けられている。また、設定値によって当せん確率が異なる当せん役によって区間移行抽せんが行われる。さらに、有利区間中の特別遊技状態への移行抽せん、特別遊技状態の延長抽せん、および、特別遊技状態の継続抽せんなどの指示機能にかかる抽せんについて、その当せん確率は設定値によって差が設けられている。ただし、本実施形態においては、説明の便宜上、ある特定の設定値(例えば、設定値1)の例のみが記載されている。
<RT状態制御部617の説明>
RT状態制御部617は、複数のRT状態のうちの1つのRT状態を用いて遊技進行を行う。複数のRT状態には、前述のとおり、リプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率(リプレイ確率)がそれぞれあらかじめ定められている。
また、RT状態制御部617は、入賞した役など遊技進行の状況に応じて、RT状態を遷移させる。各RT状態から他のRT状態へ移行するための契機は、図4のとおり、あらかじめ定められている。
また、現在の遊技状態が一般遊技状態であり、現在の遊技区間が有利区間であり、かつ、現在のRT状態がRT1~4である場合において、後述の遊技状態制御部618が遊技状態を特別遊技状態に移行させることを決定した場合には、後述の報知部621は、RT5移行リプが当せんした場合に、RT5移行リプが入賞するよう押し順をアシストする。そして、RT状態制御部617は、RT5移行リプが入賞した場合に、RT状態をRT1~4よりもリプレイ確率が高いRT5へ移行させる。
また、RT状態制御部617は、現在のRT状態を示す情報を内部抽せん部610のほか、演出制御部620、報知部621等へと送信する。
<遊技状態制御部618の説明>
遊技状態制御部618は、遊技状態を、一般遊技状態と特別遊技状態との間で切り替える。具体的には、遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態から特別遊技状態へと移行させるか否かの移行抽せんを行う。
本実施形態では特に、遊技状態制御部618は、遊技状態が一般遊技状態である場合に、遊技区間が通常区間および有利区間のいずれであるか、ならびに、RT状態がRT0~RT6のいずれであるかに基づいて、遊技状態を一般遊技状態および特別遊技状態のいずれにするかを決定する。
具体的には、遊技状態制御部618は、現在の遊技区間が有利区間、かつ、現在の遊技状態が一般遊技状態であって、第1の条件が満たされた場合に、現在のRT状態に定められた移行当せん確率に基づいて移行抽せんを行う。本実施形態において第1の条件は、特定の役(チェリー、スイカ、チャンス目)が当せんすることである。
遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態からARTに移行させることを決定した場合には、遊技状態をARTに移行させることを示す情報、およびART中に付与されるゲーム数をART移行信号として生成する。このART移行信号は、遊技状態制御部618から演出制御部620等へと送信される。
また、遊技状態制御部618は、現在の遊技区間が有利区間、かつ、現在の遊技状態が特別遊技状態であって、第2の条件が満たされた場合に、現在のRT状態に定められた上乗せ当せん確率に基づいて上乗せ抽せんを行う。本実施形態において第2の条件は、特定の役(チェリー、スイカ、チャンス目)が当せんすることである。すなわち、本実施形態において第1の条件と第2の条件とは同じである。
遊技状態制御部618は、遊技状態がARTであるときに、特定役に当せんしたことを表す内部抽せん結果信号を受信した場合、ARTの継続ゲーム数を増加させるか否かを決定するための上乗せ抽せんを行う。この抽せんの結果は、ART上乗せ抽せん結果信号として遊技状態制御部618から演出制御部620および報知部621へと送信される。
また、遊技状態制御部618は、遊技状態を一般遊技状態からCZに移行させるためのCZ抽せんに当せんした場合には、遊技状態をCZに移行させることを示す情報、およびCZ中に付与されるゲーム数をCZ移行信号として生成する。このCZ移行信号は、演出制御部620へと送信される。
遊技状態制御部618は、遊技状態を特別遊技状態であるART(あるいはCZ)から一般遊技状態へと移行させる場合には、通常遊技状態移行信号を生成する。この通常遊技状態移行信号は、遊技状態制御部618から演出制御部620および報知部621へと送信される。
また、遊技状態制御部618は、これらの状態移行信号を生成したのち、現在の遊技状態から他の遊技状態へと遊技状態を移行させる。これにより、遊技状態制御部618は、遊技状態を、一般遊技状態と特別遊技状態との間で切り替える。
カウント部619は、遊技者の遊技数(ゲーム数)および有利区間における消化ゲーム数(滞在ゲーム数)をカウントするものである。たとえば、カウント部619は、レバー43の操作、または、内部抽せん部610によって実行された内部抽せんなど、一遊技に関する操作または制御のいずれか一つを契機として、ゲーム数を一つカウントする。また、カウント部619は、有利区間になってから特別遊技状態になる前までの遊技数を一般遊技状態連続ゲーム数としてカウントするとともに、有利区間の上限数(たとえば1500ゲーム)と一般遊技状態連続ゲーム数との数の差異を差異ゲーム数として算出する。
<サブ制御部62の説明>
サブ制御部62は、図2のとおり、演出制御部620、および、報知部621を備える。また、サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて演出内容を決定する。具体的には、サブ制御部62は、演出制御部620、報知部621、電飾部、およびスピーカの制御、ならびに、決定された演出内容の出力といった制御を行う。
<演出制御部620の説明>
演出制御部620は、例えば、内部抽せん結果信号、CZ移行信号、ART移行信号、ART終了信号、および、通常遊技状態移行信号等に応じて、1ゲームごとに、演出パターンを選択する。
また、演出制御部620は、遊技区間が有利区間である場合(区間制御部616から移行抽せん結果が有利区間であることの情報を受信している場合)、所定のタイミングで(たとえば、カウント部619によってカウントされたゲーム数が所定のゲーム数になるごとまたは所定のゲーム数の間)、図13の設定示唆演出抽せん確率テーブルT4に基づいて設定示唆演出を行うか否かを抽せん(設定示唆演出抽せん)する。なお、図13におけるゲーム数は、有利区間での消化ゲーム数を示している。
なお、たとえば、演出制御部620は、図13に示したように、消化ゲーム数が200ゲームに達した時点で20%の当せん確率、600ゲームに達した時点で40%の当せん確率、800ゲームに達した時点で60%の当せん確率、1000ゲームに達した時点で80%の当せん確率、1200ゲーム以上の毎ゲームで100%の当せん確率で、設定示唆演出を行うか否かの抽せんを行う。この抽せんの結果、設定示唆演出を行う場合、たとえば、スロットマシン1の設定値ごとに設定された所定の確率で、どの設定示唆演出を行うか否か、さらに抽せんを行ってもよい。
また、設定示唆演出とは、たとえば、(1)設定示唆抽せんに当せんしたタイミング、(2)設定示唆抽せんに当せんしてから所定ゲーム数(たとえば3ゲーム)後、(3)押し順などのアシストが終了するタイミング、(4)ボーナス、ART、またはATのリザルト画面が表示されるタイミングなどのうち、少なくとも1つのタイミングで、背景画像(複数の設定示唆演出パターンの中から1つ以上選択される背景画像)、もしくは、画面に表示されるキャラクタ画像(複数の設定示唆演出パターンの中から1つ以上選択されるキャラクタ画像)などを液晶画面3において表示することである。
なお、設定示唆演出が実行される前記タイミングは、演出制御部620による抽せんによって決定される。
また、画像を液晶画面3に表示する場合の設定示唆演出パターンには、たとえば、以下の画像A~Dのパターンがある。設定値が設定2であれば、画像Aが80%の確率、画像Bが20%の確率で選ばれ、画像A、Bのうち選ばれた画像が液晶画面3に表示される。また、設定値が設定6であれば、画像Aが20%の確率、画像Bが80%の確率で選ばれ、画像A、Bのうち選ばれた画像が液晶画面3に表示される。画像Cについては、設定値が設定4以上の場合でしか液晶画面3に表示されない。画像Dについては、設定6の場合でしか液晶画面3に表示されないものであり、いわゆる確定画像(遊技者にとって設定値を確信できる画像)である。
また、演出制御部620は、前記設定示唆演出抽せんを行うことにより、設定示唆演出を行う選択がされた場合、すでに設定値制御部615から受信している遊技機の設定値の情報に基づいて設定示唆の演出パターンを選択する。
演出パターンの選択は、当せんフラグ、遊技機の設定示唆、あるいは遊技状態等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(演出テーブルT3)に基づいて行われる。演出制御部620は、選択された演出パターンに基づいて、液晶画面3、報知部621、電飾部、およびスピーカを制御して、演出を出力する。
また、演出テーブルT3は、例えば、所定の役のフラグが成立した場合、または、遊技状態の移行抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含む。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルT3に記憶されている領域の1つである。また、前兆演出とは、遊技状態が特別遊技状態に移行する期待度を示唆する演出の1つである。
<報知部621の説明>
報知部621は、例えば、ART抽せんに当せんしたのちART(RT5あるいはRT6)中に押し順役フラグが当せんフラグとして成立した場合に、メイン制御部61から送信された信号に従って、その押し順役に含まれる複数の押し順役のうちの特定の押し順役を入賞させるための押し順をアシストする。
また、報知部621は、現在の遊技区間が有利区間、かつ、現在の遊技状態が一般遊技状態であって、内部抽せんによって押し順ベル7~12のいずれかの役のフラグが成立した場合には、中段ベルを入賞させるための押し順の1つである正解押し順を少なくとも1回報知する。例えば、有利区間、かつ、一般遊技状態において、内部抽せんによって押し順ベル7が成立した場合には、正解押し順としてあらかじめ定められている押し順である「左右中」が報知される。
一方、報知部621は、有利区間、かつ、一般遊技状態であって、内部抽せんによって押し順ベル1~6のいずれかの役のフラグが成立した場合には、中段ベルを入賞させるための正解押し順を報知しない。
<設定示唆抽せん処理の説明>
図13を参照して、一例として有利区間における本発明の設定示唆抽せん処理について説明する。また、以下に説明される処理の順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。
まず、内部抽せん部610は、レバー43が操作されたか否か(レバー43の操作信号を受信したか否か)判定する(ステップS1)。内部抽せん部610は、レバー43が操作されていない場合(S1:NO)、本発明の設定示唆処理は終了する。
一方、レバー43が操作された場合(S1:YES)、内部抽せん部610は、内部抽せんを行う(ステップS2)。この内部抽せん後、演出制御部620は、遊技区間が有利区間か否か判定する(ステップS3)。具体的には、たとえば、演出制御部620は、区間制御部616から有利区間に移行している情報を受信しており、通常区間であることの情報を受信していない状態であるか否かによって判定する。ここで、有利区間でないと判定された場合(S3:NO)、本発明の設定示唆処理は終了する。
一方、有利区間であると判定された場合(S3:YES)、カウント部619は、通常の消化ゲーム数、および、有利区間での消化ゲーム数に1ゲームを追加して、ゲーム数(累計数)を更新し、更新結果の情報(ゲーム数の情報)を演出制御部620に送信する(ステップS4)。
次に、演出制御部620は、ステップS4での更新結果の情報を受信後、有利区間での消化ゲーム数が所定数に合致しているか否か判定する(ステップS5)。具体的には、たとえば、演出制御部620は、受信した更新結果の情報(ゲーム数の情報)から、有利区間での消化ゲーム数が200ゲーム、600ゲーム、800ゲーム、1000ゲーム、1200ゲーム以上のいずれかに合致しているか否か判定する。
有利区間での消化ゲーム数が所定数に合致していない場合(S5:NO)、本発明の設定示唆処理は終了する。一方、有利区間での消化ゲーム数が所定数に合致していた場合(S5:YES)、合致していた数に対応する当せん確率で、設定示唆演出抽せんを行う(ステップS6)。具体的には、たとえば、演出制御部620は、消化ゲーム数が200ゲームであると判定した場合、設定示唆演出抽せん確率テーブルT4に基づいて、20%の当せん確率で、設定示唆演出を行うか否かの抽せんを行う。
続いて、演出制御部620は、ステップS6の設定示唆演出抽せんによって、設定示唆演出抽せんに当せんした否かを判定する(ステップS7)。設定示唆演出抽せんに当せんしなかった場合(S7:NO)には、本発明の設定示唆処理は終了する。
設定示唆演出抽せんを行った結果、設定示唆演出抽せんに当せんした場合(S7:YES)、演出制御部620は、設定示唆演出パターンのうち1つを演出テーブルT3から選択し(ステップS8)、続けて、設定示唆演出のタイミングについて抽せん(設定示唆演出タイミング抽せん)を行う(ステップS9)。そして、本発明の設定示唆抽せん処理は終了する。
以上の手順により、本発明の設定示唆抽せん処理が実行される。なお、設定示唆演出タイミング抽せんによって選択されたタイミングで、設定示唆演出は実行される。ここで、設定示唆演出タイミングとしては、たとえば、(1)設定示唆抽せんに当せんしたタイミング、(2)設定示唆抽せんに当せんしてから所定ゲーム数(たとえば3ゲーム)後、(3)押し順などのアシストが終了するタイミング、(4)ボーナス、ART、またはATのリザルト画面が表示されるタイミングなどのうち、抽せんによって選択された少なくとも1つのタイミングで実行される。
以上をまとめると、本発明の実施形態にかかるスロットマシン1は、
表示部(たとえば液晶画面3)と、
複数の図柄が各々表示された複数の回転リール20と、
遊技者の操作に基づいて複数の回転リール20の回転を開始させるレバー43と、
複数の回転リール20の各々に対応して設けられるとともに、遊技者の操作に基づいて回転中の回転リール20を停止させる複数のストップスイッチ40と、
遊技者によるレバー43の操作に基づいて内部抽せんを行って、複数の役のフラグから1つのフラグを当せんフラグとして成立させる内部抽せん部610と、
遊技状態を、一般遊技状態、および、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態のいずれにするかを決定する遊技状態制御部618と、
遊技区間を、出玉に影響する操作を遊技者に指示する指示機能に係る処理を行うことができる一般遊技状態または出玉に影響する操作を遊技者に指示する指示機能に係る処理を行うことができる特別遊技状態で所定の遊技数を上限として遊技を進行する有利区間、および、指示機能に係る処理を行うことができない一般遊技状態で遊技を進行する通常区間のいずれにするかを決定する区間制御部616と、
有利区間になってから特別遊技状態になる前までの遊技数を一般遊技状態連続ゲーム数としてカウントするカウント部619と、
遊技者にとっての有利度を規定する複数種類の設定値のうちから、遊技者の遊技前においてあらかじめ1つ選択され決定された設定値を用いて遊技進行を実行する設定値制御部615と、
所定のタイミングで、一般遊技状態連続ゲーム数の数値が大きくなるにつれて設定値制御部615によって決定された設定値を示唆する演出(以下、設定示唆演出)の出現確率が高くなる関数または確率テーブルを用いて抽せんし、抽せんの結果に基づいて表示部(たとえば液晶画面3)に表示する制御を行う演出制御部620と、
設定値のそれぞれに対応する設定示唆演出の情報が少なくとも記憶されている記憶部(演出制御部620)と、
を備え、
演出制御部620は、設定示唆演出を表示部(たとえば液晶画面3)に表示する制御を行う場合、設定示唆演出の情報を記憶部(たとえば演出制御部620)から読み出し、表示部(たとえば液晶画面3)に表示する制御を行うことを特徴とするものである。
<作用効果>
本発明によれば、従来よりも遊技の幅を広げる設定示唆を行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[他の実施形態]
前記実施形態において、設定示唆演出抽せん結果の表示は、液晶画面3において表示されるものであったが、これに限られない。たとえば、(1)特定の動きまたは光を発する役物、(2)導光板またはセグメント表示器(記号、数字、図柄など)の光具合(点灯、消灯、点滅など)、(3)LEDなどの照明器具、(4)発音するスピーカ類、のうちいずれか1つ以上の表示部を用いて、設定示唆演出抽せん結果の表示を行ってもよい。なお、これらの表示部による設定示唆演出抽せんのうち実際に行われた設定示唆演出抽せん結果の表示は、たとえば、演出制御部による抽せんによって、上記表示部から1つ以上選択され実行されるものであってもよい。
また、前記実施形態においては、図13のテーブルに基づいて、有利区間においてカウントされた一般遊技状態連続ゲーム数が所定ゲーム数に達するごとに設定示唆演出抽せんを行ったが、これに限られない。たとえば、有利区間が始まる度に一般遊技状態連続ゲーム数が、所定のあるゲーム数(たとえば1000ゲーム目)になるごとでも、毎ゲームでも、10ゲームごとでも、100ゲームごとでも、200ゲームごとでも、もしくは、100・300・600・900・1300ゲームなどランダムに設定されたゲーム数になるごとでもよい。
また、有利区間の上限ゲーム数が1500ゲームの場合、一般遊技状態連続ゲーム数がたとえば733ゲームになった場合、差異ゲーム数が777ゲームになるが、これを契機として、演出制御部により、設定示唆演出抽せんを必ず当せんさせ、かつ、設定示唆演出タイミング抽せんでも本一般遊技状態連続遊技ゲーム(733ゲーム)を実行タイミングとして必ず当せんさせる設定としておいて、本一般遊技状態連続遊技ゲームに係る演出内で設定示唆する処理を行うものであってもよい。
また、前記実施形態においては、設定示唆演出タイミング抽せんを行うものであったが、行わないものであってもよい。この場合の設定示唆演出タイミングは、たとえば、(1)設定示唆抽せんに当せんしたタイミング、(2)設定示唆抽せんに当せんしてから所定ゲーム数(たとえば3ゲーム)後、(3)押し順などのアシストが終了するタイミング、(4)ボーナス、ART、またはATのリザルト画面が表示されるタイミングなどのうち、いずれか1つ以上のタイミングで実行されるように、あらかじめ設定しているものであってもよい。
また、前記実施形態においては、有利区間においてカウントされたゲーム数が所定ゲーム数に達するごとに、所定の当せん確率値で設定示唆演出抽せんを行ったが、これに限られない。たとえば、有利区間の終了直後に一回以上、または、有利区間の終了から、所定の区間、所定のゲーム数以内、または所定のゲーム数以降において一回以上、設定示唆演出抽せんを行うものであってもよい。また、必ず、有利区間の途中、有利区間終了後の終了画面、および有利区間終了後の次の遊技以降のうち少なくとも1つの契機において、設定示唆演出を行うものであってもよい。また、有利区間においてカウントされたゲーム数が所定のゲーム数の間である場合に、所定の当せん確率値で設定示唆演出抽せんを行うものであってもよい。
また、前記実施形態においては、有利区間においてカウントされたゲーム数が所定ゲーム数に達するごとに、設定示唆演出抽せんの当せん確率値が高くなるものであったが、これに限られない。たとえば、(1)有利区間の200ゲーム~400ゲームの間、700ゲーム~900ゲームの間において、設定示唆演出抽せんの当せん確率値(設定示唆演出の出現確率。以下同様。)が他のゲーム数の区間よりも高くなるもの、または、低くなるもの、(2)0ゲームから1500ゲームにかけて1ゲームずつ設定示唆演出抽せんの当せん確率値が高くなるもの、(3)1000ゲームまでは設定示唆演出に当せんすることはないが、1000ゲームから1500ゲームの間だけ徐々に設定示唆演出抽せんの当せん確率値が上がるもの、(4)500ゲームから1200ゲームの間だけ徐々に設定示唆演出抽せんの当せん確率値が上がるもの、などであってもよい。
また、前記実施形態においては、有利区間においてカウントされたゲーム数が所定ゲーム数に達するごとに、設定示唆演出抽せんの当せん確率値が高くなるものであったが、これに限られない。たとえば、差異ゲーム数に対する一般遊技状態連続ゲーム数の比率が高くなるにつれて設定示唆演出の出現確率が高くなる関数を用いて設定示唆演出抽せんを行うものであってもよい。関数は、差異ゲーム数に対する一般遊技状態連続ゲーム数の比率が高くなるにつれて設定示唆演出の出現確率が高くなるものであれば、一次関数、二次関数、三次関数など、どのような関数が用いられてもよい。
また、前記実施形態においては、有利区間においてカウントされたゲーム数を用いて所定ゲーム数に達するごとに、所定の当せん確率値で設定示唆演出抽せんを行ったが、これに限られない。たとえば、通常区間においてカウントされたゲーム数を用いて所定ゲーム数に達するごとにまたは所定のゲーム数の間である場合に、所定の当せん確率値で設定示唆演出抽せんを行ってもよい。また、ある時間帯は通常区間のゲーム数、別の時間帯は有利区間のゲーム数をそれぞれあるいは合算して用いて、所定ゲーム数に達するごとにまたは所定のゲーム数の間である場合に、所定の当せん確率値で設定示唆演出抽せんを行ってもよい。
また、本発明においては、設定示唆演出抽せんの結果、設定示唆演出を行う場合、必ずしも遊技機の設定値を1~6の数字で直接示唆する必要はなく、「偶数」、「奇数」、「高い」、「低い」などの表示であってもよい。
また、本発明においては、設定示唆演出抽せんの結果、設定示唆演出を行う場合、「その設定でない示唆」であってもよい。「その設定でない示唆」の具体例としては、「設定2を否定する画像」を液晶画面3に表示するなどである。
また、本発明における設定示唆演出抽せん確率テーブルは、複数回の有利区間遊技数のゲーム数合計値のうち所定のゲーム数ごとに、設定示唆演出抽せんの当せん確率値が関連付けられたものであってもよい。これにより、たとえば、複数回の有利区間にわたって累計1000ゲームを消化した場合、遊技機の設定値を示唆する特典画像を液晶画面3に表示することができる。
また、本発明においては、設定示唆演出抽せんの結果、設定示唆演出を行う場合、所定の条件を満たした場合に限定してもよい。ここで、所定の条件とは、たとえば、「規定の区間でベルを10回成立させろ!!」などの表示を液晶画面3において行い、遊技者が遊技機を適切に操作した結果、規定の区間でベルを10回成立させた場合にのみ、設定示唆演出を行うなどである。
また、本発明においては、有利区間における消化ゲーム数の間ごとに、設定示唆演出抽せんの当せん確率値が変化してもよい。たとえば、有利区間における消化ゲーム数が201ゲーム~400ゲームは20%、401ゲーム~600ゲームは40%、601ゲーム~800ゲームは60%、801ゲーム~1000ゲームは80%、1001ゲーム~1200ゲームは90%、1201ゲーム以上は100%、などの確率で、有利区間における消化ゲーム数の間ごとに、設定示唆演出抽せんの当せん確率値が変化してもよい。
また、本発明においては、有利区間が早く終われば終わるほど、設定示唆演出抽せんの当せん確率値が高くなるように設定されていてもよい。
また、本発明においては、333ゲーム、777ゲーム、など、ゾロ目のゲーム数ごとに、設定示唆演出抽せんの当せん確率値が高くなるように設定されていてもよい。
また、前記実施形態においては、キャラクタ画像を設定示唆演出に用いたが、たとえば、キャラクタのコスチュームの種類によって、各設定値を示唆する演出を行ってもよい。また、ボーナス、ART、またはATの途中(開始時を含む)において、敵キャラクタとバトルする演出がある場合、敵キャラクタの種類によって、各設定値を示唆する演出を行ってもよい。
また、前記設定示唆演出履歴情報は、回転リールのすべてをタイミングよく停止させた場合(いわゆるビタ押し)などの技術介入が必要なゲームに成功した場合にのみ、液晶画面3に表示してもよい。
また、本発明においては、パチンコ店のホールに設置されている遊技機だけでなく、カジノ施設またはアミューズメント施設などに設置されている遊技機に用いてもよい。
また、本発明においては、設定示唆演出パターンは、設定値ごとに複数種類あってもよく、また、それぞれの設定示唆演出について設定示唆の信頼度(たとえば、演出Pは設定4~6であることの信頼度が80%、演出Qは設定4~6であることの信頼度が20%など)を設けてもよい。また、この信頼度の数値は、設定示唆演出ごとに異なっていてもよい。