JP6770083B2 - 可変フィルタ - Google Patents

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Description

本願は、アナログRF(radio frequency)、マイクロ波及びミリメートル波周波数フィルタリング適用のために使用され得、より高い又はより低い電磁波周波数にまで及びうる可変フィルタに関する。可変フィルタは制御可能であり、通過帯域中心周波数、帯域幅、又はその両方を電子的に調整することが可能であることが望ましいバンドパス周波数フィルタリング用途において適用可能であってよい。
バンドパスフィルタ(BPF;bandpass filter)は、様々な目的で信号処理において広く使用されている。BPFは、一般に、所与の周波数帯域でエネルギを蓄える何らかの形態の共振器を伴う。この共振器は、入力カップリング及び出力カップリングを有しうる。電子回路適用のための旧来のフィルタは、この原理において構成される。共振器は、例えば、伝送路空洞、導波管空洞、集中インダクタ及びキャパシタ部品、又は水晶の機械共振が電極を介して電気回路へ結合されるところの水晶の形をとってよい。水晶は、セラミック材料の小さいブロックの形をとってもよい。アクティブ型のバンドパスフィルタは、外部からの結合が共振器の周波数選択性を低下させないように、入力及び出力の共振器カプラーと関連するバッファを含みうる。そのようなアクティブフィルタは、図1で表されている。図1は、入力及び出力のバッファ102と、共振器カップリング104と、共振器106とを具備する一般的なアクティブバンドパスフィルタ(BPF)を示す。
図1のBPFは、共振器の特性が調整され得る場合に、可調BPFにされ得る。共振器の特性が受動素子を用いて調整され得る場合に、BPFは可調BPFである。共振器のエネルギ保持も、出力カップリングからの信号が入力カップリングにフィードバックされるフィードバックにより、配置され得る。これは図2に示されている。図2は、フィードバック経路110を具備する一般的なBPFを表す。図3を参照すると、ゲインブロック112及び遅延ブロック114が加えられてよく、これらは、共振をわずかに修正するようフィードバックを調整する。ゲインブロックの追加は、パッシブ可調BPFをアクティブ可調BPFに変える。このアクティブフィードバックによれば、更なる制御が可能であり、フィードバックの位相及び振幅が、中心周波数に対してより狭い帯域幅及びより細かい制御を与えるよう制御され得る。
より具体的に、共振器フィードバックが実装され得、その共振器フィードバックのゲイン及び遅延は調整可能であって、BPFの周波数選択性特性を変更すると考えられる。図3は、遅延ブロック114を用いて実施されるBPFフィードバックの制御を示し、回路素子の調整機能は、素子を貫く対角矢印によって表されている。
全体のループゲイン(フィードバック経路110、カプラー104及び共振器106から成るループ)が1を超える場合に、BPFは、共振器106自体及びフィードバック経路110の特性によって決定される周波数で共振する発振器になる。ループゲインがわずかに1に満たないようにフィードバックゲインを引き下げることは、任意に狭い帯域幅を有するBPFをもたらす。共振器106の選択性が、より広い通過帯域を有するように狭められる場合に、フィードバックは、発振器になることなしに、より広い範囲にわたってフィルタをチューニングすることができる。
他の一般的な実施は図4に示されている。図4で、フィードバック遅延要素は位相シフタ116によって置換されている。位相シフタはフィードバックの制御を実装する。信号時間遅延及び信号位相シフトは、狭いバンドパスフィルタにおおよそ類似している。
図4の回路トポロジは、本質的に、1930年代にさかのぼって開発された超再生(super-regenerative)増幅器フィルタのそれである(アームストロング)。共振器106が単一のインダクタに基づく場合に、フィードバックは、Qエンハンスド・インダクタ回路をもたらす。キャパシタがQエンハンスド・インダクタと並列に置かれる場合に、可調フィルタ回路が現れる。そのような回路は公開されており、よく知られている。
“Spectral Filtering Systems”と題された米国特許出願公開第2013/0065542号(Proudkii)における技術は、くし形フィルタとしばしば呼ばれる、低いQで固定共振器素子を具備する図4の回路に概して基づく。
米国特許出願公開第2013/0065542号(Proudkii)
信号入力部と信号出力部との間に画定される信号ループと、該信号ループにおいて接続されている複数の回路素子とを有する可変フィルタが提供される。複数の回路素子は、周波数可変共振器と、正ゲイン及び負ゲインを含む範囲で調整可能であるゲイン係数を適用する調整可能スケーリングブロックとを有する。また、前記周波数可変共振器をチューニングするよう、且つ、負ゲイン係数から正ゲイン係数の間で前記調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を調整するよう接続されるコントローラも存在する。
更なる態様に従って、当該可変フィルタは、次の要素のうちの1つ以上を、単独で、又は組み合わせて、有してよい。前記周波数可変共振器は、バラクタ・ダイオード、可変誘電キャパシタ、スイッチド・ディスクリート・キャパシタ、MEMS可変キャパシタ、固定インダクタ、MEMS可変インダクタのような可変インダクタ、又は機械的に調整可能な共振器を有してよいが、それらに限られない。前記複数の回路素子は、複数の周波数可変共振器を有してよい。前記複数の回路素子は、2つ以上、又は2つ若しくは3つの周波数可変共振器を有する。1つ以上の周波数可変共振器が、前記信号ループ内で接続されている2次信号ループにおいて接続されてよく、夫々の2次信号ループは、2次調整可能スケーリングブロックを有してよい。前記調整可能スケーリングブロックは、メイン調整可能スケーリングブロックを有してよく、前記周波数可変共振器の夫々と直列に接続されている。前記複数の回路素子は、複数の調整可能スケーリングブロックを有してよい。前記コントローラは、2つ以上の周波数可変共振器を独立してチューニングするよう接続されてよい。前記コントローラは、1つ以上の周波数可変共振器を選択的にQスポイリング又はQエンハンスメントするようプログラムされてよい。当該可変フィルタは、前記信号ループの周波数応答を測定するセンサを更に有してよく、該センサは、前記コントローラと通信し、該コントローラは、当該フィルタの所望の周波数応答を達成するよう、前記測定された周波数応答に応答して、1つ以上の周波数可変共振器をチューニングし、1つ以上の調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を制御するようプログラムされる。
一態様に従って、信号をフィルタリングする方法であって、上記の可変フィルタを設けるステップと、1つ以上の周波数可変共振器をチューニングし、夫々の調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を調整することで前記フィルタを調整して、該フィルタの所望の周波数応答を達成するステップとを有する方法が提供される。
更なる態様に従って、当該方法は、次のステップのうちの1つ以上を、単独で、又は組み合わせて、含んでよい。前記フィルタを調整することは、2つ以上の周波数可変共振器を独立してチューニングすることを有してよい。前記フィルタを調整することは、少なくとも1つの周波数可変共振器をQスポイリング又はQエンハンスメントすることを有してよい。当該方法は、前記信号ループの周波数応答を測定するステップと、前記フィルタにおいて所望の周波数応答を達成するよう、前記測定された周波数応答に応答して、前記1つ以上の周波数可変共振器をチューニングし、夫々の調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を調整するよう、前記コントローラを使用するステップとを更に有してよい。
一態様に従って、上記の可変フィルタを複数個有し、且つ、該複数の可変フィルタの入力部及び出力部へ接続されているスイッチマトリクスを有するプログラム可能なフィルタが適用される。前記スイッチマトリクスは、1つよりも多い信号経路構成において1つ以上の可変フィルタを接続するよう構成可能である。コントローラは、前記フィルタにおいて所望の周波数応答を達成するために、前記周波数可変共振器をチューニングし、前記調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を調整し、信号経路構成の間で前記スイッチマトリクスを構成するよう接続される。
更なる態様に従って、前記スイッチマトリクスは、信号ループにおいて1つ以上の可変フィルタを選択的に接続するための接続を有してよい。
一態様に従って、信号入力部と信号出力部との間に画定される信号ループと、該信号ループにおいて接続されている複数の2次信号ループであり、夫々の2次信号ループは、周波数可変共振器と、正ゲイン及び負ゲインを含む範囲において調整可能であるゲイン係数を適用する2次調整可能スケーリングブロックとを有する、前記複数の2次信号ループと、メイン調整可能スケーリングブロックと、前記周波数可変共振器の夫々をチューニングするよう、且つ、前記メイン調整可能スケーリングブロック及び前記2次調整可能スケーリングブロックの夫々のゲイン係数を調整するよう接続されているコントローラとを有し、前記ゲイン係数は、負ゲイン係数及び正ゲイン係数を含む範囲において調整可能である、可変フィルタが提供される。
一態様に従って、複数のフィルタ素子を有し、該複数のフィルタ素子は、上記の可変フィルタから成るグループから選択される、マルチバンドフィルタ回路が提供される。2つ以上のフィルタ素子が並列に又は直列に接続されてよい。
一態様に従って、フィルタ通過帯域の中心周波数を変化させる手段を具備する可変な中心周波数を有する複数の共振器と、バンドパスフィルタの振幅出力をスケーリングすることができるスケーリング回路と、フィードバック経路と、入力カプラーと、出力カプラーとを有し、前記スケーリング回路のスケーリング係数又はゲインが調整及び制御され得る回路が提供される。
他の態様に従って、2つ又は3つの共振器のような複数の共振器が存在してよく、周波数を制御する要素は、可変キャパシタ、可変誘電キャパシタ、可変インダクタ、共振器長さの可変な寸法、MEMSデバイス、又は他の既知の構造であってよい。当該回路は、望ましくはループ回路であり、それにより、様々なコンポーネントが異なった順序で直列であってよい。当該回路は、望ましくは、フィルタの少なくとも1つの共振器のQスポイリングを可能にする。前記共振器は、直列LC、並列LC、又は3次バンドパスフィルタであってよい。1つよりも多い共振器が存在する場合に、前記共振器は、該共振器の周波数がスタガードされ(staggered)得るように個々にチューニングされてよい。夫々の共振器は、共振器のQに個々に作用する個別のスケーリング回路を具備してよい。前記スケーリング回路は、可変抵抗器、FET、又は正ゲイン及び負ゲインの両方を含むゲイン係数の範囲を可能にする他の既知のデバイスであってよい。前記共振器は、当該回路の全体のフィルタ応答の出力特性に基づき前記共振器のパラメータをインクリメント又はデクリメントすることによって、例えば、測定又は推測されるインパルス応答に基づき全体のフィルタ支配極位置を測定することによって、構成されてよい。バターワース又はチェビシェフ・バンドパスフィルタのような、より高次のフィルタを実現するよう、いくつかのフィルタを直列に並べるようにして構成され得る構成可能な構造において、複数のフィルタ、スイッチ、及び接続が存在してよい。フィルタは、帯域阻止フィルタとしても使用されてよい。
他の態様では、上記の特徴は、当業者に明らかなように、如何なる適当な組み合わせにおいても、組み合わされてよい。
それら及び他の特徴は、以下の記載からより明らかになるだろう。以下の記載において、添付の図面が参照される。図面は、単に例示を目的としており、決して限定であるよう意図されない。
先行技術のアクティブバンドパスフィルタのブロック図である。 フィードバックループを具備する先行技術のアクティブバンドパスフィルタのブロック図である。 フィードバックループにおいて遅延要素を具備する先行技術のバンドパスフィルタのブロック図である。 フィードバックループにおいて位相シフタを具備する先行技術のバンドパスフィルタのブロック図である。 信号ループにおいて可変共振器及び可変スケーリングブロックを具備する可変フィルタのブロック図である。 可変フィルタのバンドパス特性を示すグラフである。 可変フィルタの可能な変形例を表すブロック図である。 共振器ブロックを有さないバンドパスフィルタのブロック図である。 図8に示されるバンドパスフィルタの周期的な“くし形”応答のグラフである。 図8に示されるバンドパスフィルタの第1通過帯域極の複素平面に関する描写である。 第1の共振バンドの近くにある図8のバンドパスフィルタの周波数応答を表すグラフである。 図8のバンドパスフィルタの余剰出力ゲイン対Qのグラフである。 S平面極による要素共振器の視覚的な定義である。 1次可変フィルタCAF−1のブロック図である。 図14の1次可変フィルタの根軌跡である。 図14の1次可変フィルタのボード線図である。 FET可変抵抗器と並列な共振ブロックに基づくQスポイラーのブロック図である。 2次可変フィルタCAF−2のブロック図である。 図18の2次可変フィルタの根軌跡である。 図18の2次可変フィルタのボード線図である。 3次可変フィルタCAF−3のブロック図である。 図21の3次可変フィルタのボード線図である。 Qについて異なる値を有している図21の3次可変フィルタの根軌跡である。 Qについて異なる値を有している図21の3次可変フィルタの根軌跡である。 Qについて異なる値を有している4次可変フィルタの根軌跡である。 Qについて異なる値を有している4次可変フィルタの根軌跡である。 1次可変フィルタの例の略ブロック図である。 Qエンハンスメントを伴った、図27に表される可変フィルタの根軌跡である。 Qスポイリングを伴った、図27に表される可変フィルタの根軌跡である。 QエンハンスメントとQスポイリングとを比較する、図27に表される可変フィルタの通過帯域のプロットである。 図27の可変フィルタの通過帯域に対する共振周波数を変化させることの影響を示すプロットである。 1次、2次及び3次可変フィルタの周波数応答を比較する。 Qエンハンスメントされたチェビシェフ・バンドパスフィルタの例である。 直列に接続された3つの1次可変フィルタのブロック図である。 追加のフィードバック経路と直列に接続された3つの1次可変フィルタのブロック図である。 極の移動に対する追加のフィードバック経路の影響を表すグラフである。 3つの、カスケード接続された1次可変フィルタの根軌跡である。 異なる値のGについての、図34に示される可変フィルタの周波数応答である。 中立のレベル2フィードバックを具備する、図35に示される可変フィルタの周波数応答である。 図35に示される可変フィルタの負(左)及び正(右)のレベル2フィードバックについての根軌跡である。 正、中立、及び負のレベル2フィードバックを具備する、図35に示される可変フィルタの周波数応答のプロットである。 スタガ共振器周波数による図35に示される可変フィルタのボード線図である。 スタガ共振器周波数による図35に示される可変フィルタの根軌跡である。 チューニングプロセスを受けた後の1次可変フィルタの通過帯域のプロットである。 別のチューニングプロセスを受けた後の3次可変フィルタの通過帯域のプロットである。 準直交制御を表す3次可変フィルタのゼロ度根軌跡である。 直列に接続された3つの可変フィルタのブロック図である。 図47に示される回路の典型的な周波数応答を表す。 並列に接続された可変フィルタのブロック図である。 図49に示される回路の典型的な周波数応答を表す。 トライバンドフィルタをもたらす可変フィルタの任意の組み合わせの例である。 任意のフィルタ開発を可能にするスイッチマトリクスを具備する複数の可変フィルタの格子配列のブロック図である。 所望の信号経路を提供するよう構成される図52のブロック図である。 a及びbは、4次バターワース・バンドパスフィルタの周波数応答を表す。 直列な4つの可変フィルタのブロック図である。 図55に示される回路の周波数応答である。 並列共振器回路の2次セクション回路トポグラフィの簡単な実現である。 直列共振回路の2次セクション回路トポグラフィの簡単な実現である。 3次バンドパスフィルタの回路トポグラフィの簡単な実現である。 一連のカスケード接続された共振器を示すブロック図である。 フィードバックループを具備する一連のカスケード接続された共振器のブロック図である。 一般化された制御可能なアナログフィルタのブロック図である。 分離した個別の制御を夫々有する複数のCAF−nアナログフィルタのカスケーディングを表すブロック図である。 制御可能なアナログフィルタを使用するセンサ無線トランシーバのブロック図である。 制御可能なアナログフィルタを使用する代替のセンサ無線トランシーバのブロック図である。 制御可能なアナログフィルタを使用する無線通信チャネルのブロック図である。 無線通信チャネルのベースバンドモデルのブロック図である。 無線干渉による隣接チャネルノイズを表すスペクトル図である。 a及びbは、RRCフィルタの応答を表すグラフである。 付加的なチャネルノイズの電力スペクトル密度のグラフである。 3次の、離散時間バターワース・ローパスフィルタの極/ゼロパターンを表す。 受信器の信号ノイズ比及びアイパターンの例を示す。 CAF−3の通過帯域の関数として信号ノイズ比の例を表す。 CAF−3の相対オフセットの関数として信号ノイズ比の例を表す。 CAF−1較正及び安定化回路のブロック図である。 指数関数的増加及び減衰に基づき極位置を測定する高速交互Q制御を表すグラフである。 位相遅延要素の例のブロック図である。 位相遅延要素の例のブロック図である。 位相遅延要素の例のブロック図である。 位相遅延要素の例のブロック図である。 位相遅延要素の例のブロック図である。
目下記載されているバンドパスフィルタは、共振器の中心周波数がフィードバックを具備する可調フィルタの所望の中心周波数と一致するように調整され得る、可変な周波数の共振要素を使用する。このようにして、共振器の帯域幅は、スプリアスの通過帯域応答を回避しながら、周波数の広い範囲にわたってチューニングすることが依然としてできるほど十分に狭い。その上、スケーリングブロックとしても本願で記載され得るゲイン要素は、正ゲイン、負ゲイン、又はゼロゲインを提供するよう調整可能である。以下で更に詳細に記載されるように、これは、スケーリングブロックがQエンハンサ及びQスポイラーとして選択的に動作することを可能にする。このフィルタアーキテクチャは、本願では、制御可能なアナログフィルタ(CAF;controllable analog filter)と呼ばれる。信号ループにおいて可変共振器502及び可変スケーリングブロック504を具備するCAFの最も簡単な形のブロック図が、図5で与えられている。以下の記載は、主に、CAFの設計及び制御態様に関する。CAFは、様々な目的で通信信号を送信、受信及び/又は処理することにおいて使用されるよう意図される。そのような目的のいくつかは、以下で例として記載される。一般的に言えば、通信信号は、情報又はデータを送信するために使用される変調された信号である。通常、これは、周波数変調、振幅変調、又は位相変調のような既知の方法を用いて、情報信号により符号化されているアナログキャリア周波数を伴う。
バンドパス特性の制御を提供するCAFの基本動作原理は、図6で示される。図6において、広範な破線トレース602は、初期設定での共振器の周波数応答である。狭い破線トレース604は、初期周波数設定でより狭い帯域幅のために設定された閉ループフィルタのより鋭い周波数応答である。共振器は、この場合に、黒矢印によって示されるように、広範な実線トレース606へと周波数において上の方へチューニングされるとする。狭い実線トレース608は、新しい共振器の応答周波数で現れる閉ループ応答である。
CAFは、1次、2次及び3次フィルタのような、異なった次数であってよい。CAFの次数は、共振器のフィルタ次数に依存する。CAFは、3次を超えるより高い次数で設計されてよいが、より高い次数の回路を制御する複雑性は増しうる。フィルタ次数に関するいくつかの一般的なコメントが以下で与えられる。
・1次CAF(CAF−1)は、単一の支配共振極対を有している1つの共振器を含みうる。
・2次CAF(CAF−2)は、2つの支配極対を有している2つのそのような共振器を含みうる。例えば、2つの、結合されたLCタンク共振器のカスケードがある。
・3次CAF(CAF−3)は、3つの支配極対を有している3つのそのような共振器を含みうる。
・4次以上のCAFが可能であるが、それらは、スケーリングブロックフィードバックが適用される場合に(図5を参照。)、スプリアスの共振帯域を生じさせ、より困難なチューニング特性を有するBPFを一般的にもたらし得る。これは、以下で更に詳細に説明される。
本願で説明される例は、主として、1次、2次及び3次CAFに関するが、本願における技術は、望まれる場合には、より高い次数のフィルタにも適用され得ることが理解される。
本願で提示される様々な例で、回路は、便宜上、図5のスタイルで通常表される。該スタイルは、メイン経路508及びフィードバック経路510を具備し、フィードバック経路510でゲインブロック504(スケーリングブロックとも呼ばれることがあり、正の値又は負の値をとることができる。)を概して有する配置を示す。これは、一貫性を保つために、且つ、回路を比較することを容易にするために、行われる。しかし、回路は、より適切には、適切な入力及び出力カップリングを具備するループと見なされてよく、ループは、別なふうにメイン経路508及びフィードバック経路510でありうるものから形成され、要素はループ内で直列に接続されている。ループとして、そのループにおけるコンポーネントの順序は、CAF−nの共振特性に影響を及ぼさずに、変更され得る。別の配置で要素を具備する回路の例が図7に示されている。この例では、ゲインブロック504はメイン経路508において接続されており、可変共振器502はフィードバック経路510において接続されている。CAF回路トポロジの他の変形例も可能であり、各々の回路で使用される要素の数に依存することが理解されるだろう。
共振器を有さないバンドパスフィルタの理論展開
CAFの理論を示す前に、CAF−0(共振を有さないCAF)の理論性能が説明される。これは、図8に示されるタイプの基本的なバンドパスフィルタでありうる。このバンドパスフィルタは、ゲインブロック802、減衰器804、及び可変位相シフト又は遅延806を有している。
位相シフト806は、輸送遅れ又は位相シフト要素のいずれかを通じて、その周波数選択性をフィードバックループへ伝えながら、周波数とともに変化する。この回路記載に基づき、表されている回路の線形伝達関数は、

ABF0(s)=G/(1−AGe−sP

と書かれるラプラス変換(周波数領域応答)として規定され得る。ここで、Pは位相シフトである。我々は、

ABF0(f)=G/(1−AGe−j2πPf

として、マッピングs→j2πfにより物理周波数fの項においてこれを書くことができる。
これは、f=P−1の周期を有して、周波数において周期的である点に留意されたい。すなわち、CAF−0は特定の共振器要素を有さないが、共振帯域は、

mod(f,P−1)=0

のときはいつでも起こる。
以下の、数に関する例では、遅延Pは100psecであり、G=1及びA=0.9と仮定される。よって、共振は0Hz、10GHz、20GHz、などで起こる。他には、次の式の結果である20dBの同じ帯域内ゲインを全ての共振帯域が有していることが観測される:
Figure 0006770083
そのようなフィルタ性能は、図9にプロットされている伝達関数を参照して、くし形フィルタと一般的に呼ばれている。
f=1/Pでの基本共振を考えると、Pを変えることによって何らかの任意の共振を得られることが分かる。DC及びより高次の調波での応答は、図8の回路と直列にカスケード接続される適切なローパス及びハイパスフィルタによって容易に減衰され得る。
CAF−0のQ及びダンピング係数Dは、

ABF0(s)=G/(1−AGe−sP

として以前に与えられたCAF−0のラプラス変換から導出される。
AGe−sP=1
−sP=ln(1/AG)
s=σ=(1/P)ln(AG)
として与えられる実数軸上におけるゼロ周波数での極のための原理ソリューションを決定すれば足りる。
これより、図10に示される支配バンドパス極を考える。
我々は、

ωD=σ=(−1/P)ln(AG)

を有している。ここで、Dはダンピング係数として定義され、ωは、rads/secにおける自然共振周波数である。これは、次を与える:
Figure 0006770083
このテイラー展開の単純化は、AG≒1との仮定に基づく。Q(より大きいQについて有効、例えば、Q>10)への近似関係は、

Q=ω/2σ=ω/2ωD=1/2D=π/(1−AG)

として与えられる。
これは、ループゲインAGが1になるにつれてQが無限大へと大きくなるという点で当然である。図11は、AG=0.9について、第1共振極の周りの応答の計算の例を示す。破線によって表されている部分は、Qの式がバリデーションされ得る3dB帯域幅内の応答である。
Q係数を計算するより直接的な方法は、Q=ω/2Δωを有することである。ここで、Δωは、H(s)の3dB点から決定される。実数軸極で:
Figure 0006770083
これから、我々は、以前に求められた

Q=πAG/(1−AG)≒π/(1−AG)

を有する。
次に、所与のQと関連する電力ゲインを考える。電力ゲインは、次のように与えられる:
Figure 0006770083
exと表される、フィードバック経路から生じる余剰ゲインは、dBで

Gex≒20log(Q/π)

として開ループゲイン(無フィードバック経路)によって正規化される電力ゲインである。これは、図12でプロットされている。
CAFの要素
CAFの構造を参照する前に、次のCAF要素が説明される。
可調CAF共振器(R)
共振器ブロック1301は、図13においてRとして表されている。Rは、図13の右側の図でも示されるように、S平面内の2つの極によって表される。2つの極は‘x’と表されている。図14で見られるように共振器の両端にフィードバックループを組み込むことによって、Q制御が可能にされる。これは後に詳細に説明される。表されているように、図14に示されるようにゲイン又はスケーリングブロック802を組み込むフィードバックを具備する共振器ブロック1401は、2つの制御入力1302及び1304、すなわち、周波数を変えるための一方の制御入力(1302)、及びQを変えるための他方の制御入力(1304)を有している基本共振器要素である。
実装される回路に依存して、共振器は、LCタンク回路のような共振器要素として、あるいは、2次セクション(SOS;Second Order Section)フィルタ要素として、実施され得る。SOS実施は、以下で更に詳細に説明される。
本願での説明から理解されるように、共振器及びスケーリングブロックと、CAFを設計することにおいて使用され得る信号経路との多数の可能な組み合わせが存在する。特定の設計は、別なところで説明されるように、所望の回路性能に依存する。一般的に言えば、CAFは、所望の数の共振器と、スケーリングブロックとを有するフィードバックループを含む。夫々のCAFは、他のCAF要素、又は他の回路素子と並列に又は直列に接続されてよく、多重CAFを有する追加のレベル2フィードバックループを有してよい。その上、共振器ごと又は共振器のサブセットごとにループを有しながら、CAF要素内でネスト化されたループが存在してよい。本願で使用されるように、語“レベル2フィードバック”は、直列な複数のCAF−n要素の周りでフィードバック経路を設けるフィードバック又は回路ループを指すよう意図される。これはまた、レベル3又はレベル4フィードバックと別なふうに呼ばれるものを含んでよい。
Rの共振周波数は、共振器回路に含まれる何らかのコンポーネントにより変更され得る。通常、これは、バラクタ・ダイオードを用いて達成されてよく、あるいは、可変誘電キャパシタが、可変なキャパシタンスのために使用されてよい。その場合に、図13における‘f制御’はアナログバイアス電圧でありうる。共振周波数が変更されることを可能にする他の変形例も使用されてよく、例えば、回路の内外にスイッチされるディスクリート・キャパシタンスがあり、よって、‘f制御’はデジタル信号であることができる。他の変形例は、MEMS可変キャパシタ又はMEMS可変インダクタが使用され得ることであり、このとき、‘f制御’は、MEMSデバイスに適用されるバイアス制御電圧又は電流信号である。可変キャパシタンス又はインダクタンスは、コンポーネントの機械的なチューニングによっても実現され得る。例えば、Rは、‘f制御’を供給する何らかのメカニズムによって空洞の1つ以上の寸法が機械的に調整可能であるところのマイクロ波共振空洞であってよい。
Rの2つの極は共役対であり、個々に制御され得ない。よって、記載を簡単にするよう、我々は正の周波数極のみを考える。従って、我々は、sの領域(正の虚数成分を有するsの領域である。)において単一の極を有するものとして要素共振器を考える。Rは、標準の2次バンドパス伝達関数H(s):

(s)=as/(s+2Dωs+ω

として上記のように表される、ラプラス領域において与えられる伝達関数による2ポートデバイスである。
Q制御スケーリングブロック
先の図13における‘Q制御’は、キャパシタンス又はインダクタンス又は共振空洞の成分Qを制御する共振器と関連する制御デバイスを有することができる。Q制御が成分Qを増大させる場合に、これは、本願では、Qエンハンスメントと呼ばれる。Q制御が共振空洞の成分Qを低減させる場合に、これは、本願では、Qスポイリングと呼ばれる。Qエンハンスメントは、S平面のjω軸へRの共振極を近づけるようにDを低減させることと同等である。Qスポイリングは、jω軸からRの共振極を離して、Dを増大させる。Qエンハンスメント及びQスポイリングは、任意の多極フィルタ関数(複数のR)を合成するよう共振極をjω軸の方へ動かすか又はjω軸から離すために選択的に使用されてよいことが分かっている。
スケーリングブロック802は、図14で見られるように、フィードバック応答にわたってより良い制御を可能にするために設けられる。夫々のスケーリングブロック802のためのゲイン係数は可変であり、正ゲイン値及び負ゲイン値の両方を含むゲインを有する。例えば、スケーリングブロック802のゲインがゼロよりも大きい場合には、Qエンハンスメントが起こる。スケーリングブロック802のゲインがゼロに満たない場合には、Qスポイリングが起こる。
一般に、以下で説明されるように、CAF−n要素における夫々のループ又は2次ループごとに追加のレベル2スケーリングブロックが存在する。一例として、3つのCAF−1要素の連続がループ内で接続されており、別々に制御され得るCAF−3回路素子(図35を参照。)について、4つのスケーリングブロック(図示せず。)が存在してよく、以下で説明されるように、1つずつがループ110において夫々の共振要素1401を囲み、1つがループ110aにおいてレベル2フィードバックスケーリングブロックにある。
一般に、夫々のスケーリングブロックは、Qエンハンスメント共振器及びQスポイリング共振器を独立して有効にすることが可能である。代替的に、共振器は、Qエンハンスメントのみを可能にする増幅器を使用するQエンハンスド共振器であってよい。上述されたように、Qエンハンスド共振器は、Qエンハンスメントに優先し且つ必要に応じて所望のQスポイルド性能を提供するよう、スケーリングブロックを有するCAF−n要素のフィードバックループ内で更にネスト化されうる。これは、当然に、共振器が、バラクタ・ダイオード、スイッチド・ディスクリート・キャパシタ、可変誘電キャパシタ、MEMS可変キャパシタのような可変キャパシタ、固定インダクタ、MEMS可変インダクタのような可変インダクタ、又は機械的に調整可能な共振器を有するが、それらに限られない如何なるタイプの周波数可変共振器であってもよいという事実から明らかである。
CAF−1のトポロジ
これより、CAF−1と表記される1次のCAF回路について記載する。CAF−1は、図14に表されるように、単一の共振器コンポーネント1401と、単一のゲイン又はスケーリングブロック802と、フィードバックループを閉じるためのコンバイナ1404とを有する。これは、CAF−1の中心周波数制御が省略される場合に、簡略化された方法で記載され得る。これは、CAF−nの変形を理解する直観的な方法を与える。一例において、共振器1401は、D及びωに基づき値を求められる係数による1/(s+2Dωs+ω )の伝達関数を有する2次バンドパスフィルタであってよい。ゲインG802は可変であり、閉ループQを制御する。共振において、共振器1401を介した位相シフトは理想的には0°である点に留意されたい。物理的な実施において、位相シフトは、寄生及び輸送効果に起因して一般的にゼロではないが、それらはこの計算において無視され得る。実装される回路は、如何なる寄生及び輸送位相効果も補償するG802と関連した位相シフタを有する。周波数を変えるよう、CAF−1における共振器のωを変えることが必要であるが、これはこの節では無視される。
本願で使用される表記法に従って、1次CAF−1は2次の共振器を有していることが留意されるべきである。“次数”において言及されるものは、共振器全体を構成するよう使用される2次セクション(SOS)の数である。SOS伝達関数は、分母において2次である周波数変数のラプラス関数を参照する。本文脈では、SOSは、上記のように、

SOS(s)=as/(s+2Dωs+ω

の形を常に有する。ここで、ωは、ラジアン毎秒における共振周波数であり、Dはダンピング係数であり、aは実数定数である。図13におけるfのマッピングは、f=ω/2πである。
Qへのマッピングは、

Q=(中心周波数)/(3dB帯域幅)=ω/2Dω=1/2D

の従来定義によって与えられる。
この説明では、{f,Q}は、その場合に、{ω,D}と交換可能に使用されてよい。
CAF−1の動作の洞察力に富んだ解析は、根軌跡法の使用により可能である。根軌跡は、可変なループゲインを前提として閉ループシステムの極を決定する標準の方法である。本文脈における根軌跡計算の結果は、例えば、図15に示されるように、それらの閉ループ極がループゲインGの変化に伴って変化するということで、閉ループ極の軌跡である。これによれば、我々は、CAF−1のあらゆるスプリアスの通過帯域及びあらゆるチューニング限界の理解も得ることができる。最初の実例として、ω=1及びD=0.5とし、CAF−1 SOS共振器は、この例について、非常に低いQを有している。共振器の伝達関数のボード線図が図16に示されている。周波数による位相変化は、この例で考えられている高いダンピング係数(低いQ)に起因して、共振の周りでむしろ漸進的である点に留意されたい。
これより、我々は、閉ループ極に対するフィードバックゲインGの影響を検討する。これは、0度の根軌跡計算によって計算され、図15で示されている。ここで、CAF−1 SOS共振器の極は、x(1502又は1504)によって表されている。線1506は、閉ループゲインGが0から1.2まで増大する場合に、閉ループ根軌跡である。これは、番号1502によって示されている極の軌跡である。共役の閉ループ根軌跡1504の根軌跡は線1508である。それらは、閉ループゲインGが増大するにつれて漸進的により高いQを示しながら、S平面のjω軸の方へ動く点に留意されたい(複素周波数変数s=σ+jωの領域における根軌跡)。閉ループゲインがQスポイリングと同様に低減された場合には、極1506及び1508の根軌跡はjω軸から離れうる(図15に図示せず。)。図15において、根軌跡が右半平面に入る場合に、閉ループ根は不安定である。
動作のこの不安定領域では、CAF−1は使用可能でなく、根軌跡は有意でなくなる。よって、我々は、閉ループ極が左半平面(LHP;left hand plane)にとどまるGの範囲にわたってプロットすることしか必要としない。ついでに言えば、閉ループ極がjω軸と一致するGの値について、CAF−1はωの共振周波数で発振する。これは本例ではω=1へ正規化される。根グラフにおける放射状の点線は、Dのダンピング値を示す。Qは、Q=1/2Dの関係に基づきDに関連付けられ得る。また、本例では、ルート軌跡がjω軸と交差し、CAF−1が不安定になるゲインGは、G=1である。
SOS CAF−1共振器のQが低減されるにつれて(注意:これは閉ループ系Qではない。)、最初の前向き経路におけるフィルタリングは、周波数の1桁ずつの変化ごとに20dB(20dB/decade)によって制限される。これに伴う問題は、帯域信号及びブロードバンドノイズの出力が、信号の最初の順方向の通過によってそれほど減衰されない点である。CAF−1のQが増大するにつれて、それらの帯域外信号は、それらが図14のCAF−1回路における加算ブロック1404で減じられる場合にのみ除去される。これは、ゲインブロック802を通って流れる信号が大きくなければならないことを暗示する。これを小さくするよう、1)SOSフィードバック共振器のQを増大させること、又は2)追加のSOSフィードバック共振器を加えること、という選択肢がとられる。追加のSOSフィードバック共振器を加えることは、以下で記載されるCAF−2をもたらす。
SOS共振のための可変なQを実装する他の方法は、SOSで可変抵抗素子によって実装される“Qスポイラー”である。これは、通常望まれるよりも高いQを有するよう設計されているSOSのダンピング係数に影響を及ぼす。可変抵抗器は、SOSの極が上述されたようにjω軸から更にLHPに入るように、Qを低減(スポイリング)する。これは、固定されたより低いQを有しているSOSが実施された場合と比べて外れ値の更なる減衰を可能にする自由度(DOF;degree of freedom)である。Qスポイラー回路の1つの実施形態は、並列共振SOS1701に基づく図17で示されている。この場合に、Qスポイラーは、共振器1401と並列なトライオード領域で動作し、Qスポイラー制御電圧1704によって、同等の可変抵抗器機能を提供するよう制御されるFET1702を用いて実施されている。他の実施では、FET1702は、PINダイオードを用いて実施されてよい。それらの設計オプションは、本願で記載される可変フィルタ回路のいずれかに組み込まれてよいことが理解される。
CAF−2のトポロジ
2つのSOS共振器1401を有するCAF−2のトポロジが、図18に示されている。共振器を分離する単位ゲインバッファ102は、共振器をお互いから絶縁するよう必要の場合に実施目的のためである。先と同じく、コンバイナ1404はフィードバックの閉鎖を提供する。夫々の共振器1401の伝達関数は、1/(s+2Dωs+ω )である。
例の目的のために、ω及びDのパラメータ値は、ω=1及びD=0.5と選択される。CAF−2についてのゼロ度根軌跡は図19で与えられている。
開ループ根は‘x’によって示され、このデュアルSOS共振器構成のために必要とされるように、2つの極は1902に位置し、2つの共役な極は1904に位置する。定義によって、“支配(dominant)”極は常にjωに最も近く、一方、“副次的(secondary)”極はjωから最も遠い。閉ループゲインGが大きくなるにつれて支配的な根軌跡1906b及び1908bはjω軸に近づき、一方、他方の組の軌跡1906a及び1908aはjωから離れていくことが分かる。よって、2共振器CAF−2は、単一共振器CAF−1として振る舞う支配極対を依然として有する。ループゲインG=1で、根軌跡1906b及び1908bはjωをまたいで右半平面(RHP)に入り、CAF−2のQは無限大になり、回路全体は不安定になる。CAF−1と同様に、根軌跡がLHPにとどまる場合にのみ安定性が可能であり、これは、夫々の個々の共振器に係る閉ループゲインG<1についてのみ起こり得る。
2共振器CAF−2の利点は、帯域外信号の減衰がより大きく、従って、干渉信号がより少ないことである。jω軸から左半平面内へ1906a及び1908aに沿って動く極は、帯域外スペクトル成分の減衰に依然として寄与する。更に、帯域外スペクトル成分はCAF−2ダブルSOS共振器によってより良くフィルタリングされるということで、フィードバックループの周りを流れるそれらの帯域外成分はより少なくなりうる。これは、ループ成分の相互変調ひずみ性能がCAF−1の場合と同じくらい高い必要がないので、重要である。
他の起こり得るトレードオフは、より小さい閉ループQを有する2つのSOS共振器による同じ帯域外除去が、より大きい閉ループQを有する単一SOS共振器により達成されることである。これは、電力ゲインが、CAF−0に関して先に示されたように、Qの二乗に比例し、より一般的にはCAF−nについて近似的に有効であるということで、重要である。大きいQについて、より大きい電力ゲインは実際的な実施上の制限になる可能性がある。ダブル共振器CAF−2についてのボード線図は図20に与えられている。CAF−2の遷移の急峻さは、周波数の1桁ずつの変化ごとに40dB(40dB/decade)であり、一方、単一CAF−1 SOS共振器については、それは周波数の1桁ずつの変化ごとに20dB(20dB/decade)であることに留意されたい。
CAF−3のトポロジ
3次CAF−3を参照すると、図21は、3つの、カスケード接続されたSOS共振器を具備し、夫々の共振器がフィードバックループと、共振器の中心周波数を変更する方法と、共振器のQを変更する方法とを含むCAF−3のトポロジを示す。CAF−2と同様に、単位ゲインバッファ102が、分離のために全ての共振器の間に置かれ、コンバイナ1404がフィードバックループを閉じる。この及び他のCAF−n構成における個々の共振器の中心周波数及びゲインの両方を個別的に制御する能力に注目することが重要である。最初に、我々は、夫々の共振器の中心周波数を同じであるよう設定すべきであり、後に、異なる中心周波数を有しているCAF−3について説明する。
同じ中心周波数を夫々が有しているトリプル共振器のボード線図は図22に示され、トリプル共振器の帯域外の開ループ減衰は、周波数の1桁ずつの変化ごとに60dBであることが分かる。これは、それが低いQの共振器に基づくので、重要である。ゼロ度根軌跡は、D=0.5又はQ=1について、図23に示されている。根軌跡は、先と同じく‘x’によってマークされている開ループ極2302及び2304の各トリプルから生じる3つの根軌跡2306a/b/c及び2308a/b/cが存在する点で、興味深い。なお、画像スケーリングは、3つの個々のルートを区別することを不可能にしている。根軌跡2306a/2308aのうちの1つは、上記のようにまさにω=1をたどり、一方、他方の根2306b/2308bは、左半平面(LHP)に更に入り、回路に影響を及ぼさない点に留意されたい。しかし、第3の極軌跡2306c/2308cは、jω軸に近づき始める。これは、意図されている通過帯域よりもずっと低い周波数にあるスプリアスモードを生じさせる可能性がある。しかし、支配極が、所望のより高いQの閉ループ極を実現するよう、jωに十分に近づくゲインGにおいて、この潜在的に厄介な極は、jω軸から依然として遠く、実際の実施において引き起こされるスプリアス応答羽虫可能である。思いがけなくも、CAF−3 SOS共振器のQは、Dが小さくなるように増大するにつれて、この潜在的に厄介な根は、極2404からの軌跡2406c及び極2404からの軌跡2408cにより、D=0.1、すなわち共振器Q=5について計算される図24のゼロ度根軌跡の例で示されるように、LHPに更に入る。全てのCAF−n実施と同様に、根軌跡がLHPにとどまる場合に安定性は達成され、これは、夫々の個々の共振器に係る閉ループゲインG<1について起こる。
CAF−4のトポロジ
完全さのために、CAF−4の簡単な説明も与えられる。これは、CAF−3よりも複雑であり、いくつかの応用で不利となりうるスプリアス応答を有している。D=0.5、すなわち共振器Q=1を有するCAF−4についてのゼロ度根軌跡は、極2502からの軌跡2506a/b/c及び極2504からの軌跡2508a/b/cにより、図25に与えられている。D=0.1、すなわち共振器Q=5を有するCAF−4についてのゼロ度根軌跡は、極2602からの軌跡2606a/b/c及び極2604からの軌跡2608a/b/cについて、図26に与えられている。SOSのQが非常に低い図25で、2506d又は2508d経路から生じるスプリアス通過帯域は許容可能であり得る点に留意されたい。3次CAF−3の場合に見られたように、スプリアス周波数応答をもたらすCAF−4は、jω軸から依然として遠く、ローパスフィルタにより抑制され得る、よりずっと低い周波数に対応する。しかし、より高い共振器Qに対応する図26における根軌跡を考えると、実際にはLHPに更に進出することなく、その結果として、一般的にフィルタリング用途において望まれないスプリアス周波数応答を生じさせる2つの根軌跡2606d及び2608dが存在する。
要約すれば、CAF−1は、多くの用途のために望ましいバンドパスフィルタリング性能を与えることができる。しかし、CAF−2及びCAF−3フィルタは、用途に合わせるための更なる柔軟性を与えることができる。CAF−3は、通常直面される閉ループQ値について帯域外信号の最良の除去を提供する。それは、この革新の重要な属性である2次及び3次CAF閉ループ極の設定可能な根軌跡である。
CAF−1の詳細な例
この項では、単一の極対の周りのフィードバックから成るCAF−1フィルタ回路についての例が与えられる。アプリケーション回路は、図27において示されるようなものであってよい。ここで、単一の共振器2702は、フィードバックゲイン2704を有する固定共振器回路である。ブロック2704のゲインGは、Qスポイリングについては負であり、あるいは、Qエンハンスメントについては正であることができる。ゲインブロック2704は2ポート・ゲインブロックとして示されているが、それは、正又は負のいずれかの抵抗を有している1ポート・ゲインブロックとして配置され得ることが理解される。負の抵抗は、Gがゼロよりも同等に大きいことを生じさせ、Qエンハンスメントを提供する。正の抵抗は、他方で、Qスポイリングを提供する負のGと同等である。
正Gについての正周波数閉ループ極の根軌跡は、図28において示されている。これは、閉ループ極がjω軸の方に動くQエンハンスメントの場合に対応する。同様に、負Gについての根軌跡は、図29において示されている。これは、閉ループ極がjω軸から離れていくQスポイリングに対応する。
図30は、中性Q(G=0)、Qエンハンスメント(G=0.15)及びQスポイリング(G=−0.5)による通過帯域応答の例を示す。如何にして帯域幅がフィードバックゲインGのわずかな変化により容易に変調されるかに留意されたい。
共振器RがCAF−1の共振周波数を変える手段を有する場合を考える。周波数応答の例は、図31において与えられている。図31において、Rの共振は、G=0.15について0.9、1及び1.1の正規化された周波数値を有している。1つの周波数から次の周波数へチューニングするのに必要とされる時間は、CAF−1の帯域幅の逆数におおよそ等しい。
CAF−1、CAF−2及びCAF−3の比較
この例では、CAF−1、CAF−2及びCAF−3の動作が比較される。3つのフィードバックフィルタにおける共振器は、D=0.1及びω=1の正規化された周波数により同じである。Qエンハンスメントは、3つのフィルタにおいて別々にチューニングされる。それにより、それらのフィルタは、通過帯域応答においてほぼ同じ閉鎖を有している。値は、CAF−1についてG=0.13、CAF−2についてG=0.07、及びCAF−3についてG=0.002である。通過帯域周波数応答は、図32においてプロットされている。示されるように、CAF−3の利点は、CAF−2と比較して、中心周波数からのより速い周波数成分のより高い拒絶である。また、CAF−2ha、期待されるように、CAF−1と比較して、より良い周波数選択性を有している。
単純化された帯域幅制御のためのCAF−3の適用
直列に接続される場合に、3つのCAF−1は3つの共振極を実現することができる。これは、3次チェビシェフ型バンドパスフィルタと同様の結果を提供するために使用され得る。その例が図33に示されている。
図34を参照すると、3つのCAF−1による等価なスキームが示されている。共振器1401は、スケーリングブロック(図示せず。)を有しているフィードバック経路110を夫々が有しており、バッファ102によって分離されている。この例で、3つのCAF−1の極は、jω軸の近くに任意に設定され得るQエンハンスド・インダクタにより生成される。
その上、図35を参照すると、レベル2フィードバック経路110aが3つのCAF−1の周りに巻かれてよい。それにより、回路は、その場合にCAF−3のように振る舞う。
更なるCAF−3レベル2フィードバックループ110aが行うことは、図36に表されているように、S平面において極移動を変更することである。矢印3602は、負フィードバック(Qスポイリング)に係り、矢印3604は、正フィードバック(Qエンハンスメント)に係る。如何にして移動が2つの場合について異なるかに留意されたい。
特定のフィルタ応答を実現するための極の任意の配置が望まれる場合に、図34の夫々の個々のCAF−1についてQエンハンス/スポイルを提供することが可能である。しかし、制御は、6つの制御が必要であるということで、より複雑になる。また、共振器の次数は一般的には無関係であるから、制御には冗長性が存在する。これは、極配置安定性追跡アルゴリズムに混乱を加える。より簡単な制御は、図35に示されるようにレベル2フィードバックループ110aを有することのそれである。その場合に、夫々のCAF−1の周りのフィードバックは、共通の制御ソース(図示せず。)から駆動され、夫々のフィードバックループは、本願で記載されるように、ゲインブロック(図示せず。)を具備する。その上、外側の制御ループ110aは、3つの個々のCAF−1共振器の周りにあり、やはりゲインブロック(図示せず。)を具備する。よって、CAF−1のための第1の制御は、3つの極を一致してjω軸の方へ又はそれから離れるよう移動させる。CAF−3レベル2制御は、外側の隣接する(flanking)極を広げ、中心極をわずかに後退させることができる。これは、同様の遷移速度を保ちながら、フィルタの帯域幅を制御することを可能にする。
このCAF−3実装評価のために、次の属性を有している3つのCAF−1共振器が考えられる:
Figure 0006770083
これは:

s=2πfD+j2πf√(1−D

に極を位置付ける。
これより、それら3つの共振器の夫々が、33つのカスケード接続されたCAF−1モジュールが存在するようにフィードバックループを具備すると考える。根軌跡は図37に示されている。
‘x’3702a/b/cは、0のフィードバックゲインによる極の位置を示す。ゲインは、jω軸へ向かう右偏位3704a/b/cについては正(Qエンハンスメント)であり、左への偏位3706a/b/cについては負(Qスポイリング)である。負抵抗増幅(Qエンハンスメント)に関して、それは、抵抗が‘x’の位置でゼロであることを暗示し、正抵抗(Qスポイリング)は根軌跡の左偏位に係り、負抵抗は右偏位に係る。如何にして制御が一定の中性共振周波数の輪郭に沿って進むかに留意されたい。夫々の根軌跡についてのフィードバックゲインの範囲は、−1<G<0.9である。
図38は、中性ゲイン(G=0)と比較してQエンハンスメント(正G)及びQスポイリング(負G)の効果を示しながら、フィードバックゲインが0、−1.0及び0.9である場合に3つのCAF−1の周波数応答を示す。このプロットについて、ピーク振幅は、プロットをより明りょうにするよう1に正規化されている点に留意されたい。
次に、3つの共振器を具備した変形CAF−3を考える。これにおいて、共振器は、G=−0.9のゲインを有してQスポイリングされているCAF−1である。図39は、レベル2フィードバックゲインがG=0である場合のそのようなCAF−3の周波数応答である。
次に、CAF−3レベル2フィードバックを変更することによってこれを如何にして2次チェビシェフ・バンドパスフィルタのように見えるようにすることができるかを考える。
図40を参照すると、左のプロットは、負CAF−3レベル2フィードバックに係り、右のプロットは、正CAF−3レベル2フィードバックに係る。如何にしてこれを使用して中心極に対して隣接する極の位置を調整するかに留意されたい。図41は、如何にしてCAF−3レベル2フィードバックがフィルタの帯域幅を制御するために使用され得るかを示す。正のレベル2フィードバックは、フィルタ帯域幅を狭め、負のレベル2フィードバックは、それを広げる。ごく少量のCAF−3レベル2フィードバックしかこの制御のために必要とされない。図41において、レベル2フィードバックは、示されているように、0、−0.002及び+0.002であった。
明らかなように、図35のCAF−3レベル2フィードバックは、実際に実施され得る帯域幅制御の有効な手段を可能にする。
これより、図35に示されるCAF−3の変形が考えられる。これにおいて、SOS共振器1401の極の位置は、周波数においてスタガードされ、結果として、先に考えられたように、S平面においてコロケート(collocated)されない。これは、CAF−3閉ループ周波数応答の制御において更なる柔軟性を与えることができる。この高められた柔軟性の利点は、異なる周波数応答が達成され得ることである。この更なる柔軟性は、本開示の適用範囲を越えるいくつかの用途において重要である。スタガード周波数共振器の例として、3つ全ての共振についてDが0.15で固定され(Q=3.33)、ω=0.9rad/sec、1.0rad/sec及び1.1rad/secの正規化されたSOS共振器中性周波数の場合を考える。カスケード接続されたそれら3つのSOS共振器のボード線図は、図42において与えられ、調べてみる価値があるより扁平な通過帯域の可能性を示す。
図43は、この構成のゼロ度根軌跡を示す。これは、3つのSOS共振器の夫々が同じ中心周波数を有している図23に示されたものと非常に似ている。
CAF性能の制御
CAF−n回路における様々な要素は、コントローラを用いて制御されてよい。様々なタイプのコントローラが、コントローラ回路及び様々なマイクロプロセッサを有しながら、当該技術で知られているように使用され得ることが理解されるだろう。更に、望ましくは、CAF−nの様々な要素を制御する単一のコントローラが存在し、一方で、複数のコントローラ、又は様々なレイヤのコントローラが存在してもよい。コントローラは、アルゴリズム、ルックアップテーブル、ソフトウェアに従って、又は他の既知のストラテジーに従って、CAF−nにおける変数を調整するようプログラムされてよい。それらのストラテジーの全ては、具体的な実施目的及びその実施のための適切なトレードオフに依存し得る。コントローラは、ユーザからの又は他の回路素子からの入力に応答するようプログラムされてよい。いくつかの状況において、CAF−nの下流にあるセンサ又は検出器を使用して、CAF−nのインパルス応答のような周波数応答を測定することが有利であり得る。このアプローチを用いると、CAF−nは、所望の周波数応答をコントローラに提供することによって、制御され得る。これは、その場合に、所望の周波数応答を達成するために変数を制御する。これは、コントローラが所望の周波数応答に近づいた後に精緻な調整が行われること、又は反復アプローチが使用されることを可能にし得る。
CAF−nの制御は、閉ループ中心周波数制御及び閉ループQがほぼ独立しており、制御最適化が厳密に凸である点で、比較的簡単である。換言すれば、閉ループQ及び中心周波数の制御は、多くの調整のために独立して行われ得る。これは、システム制御アルゴリズムを簡単にする。
以下で、CAF−nチューニング及びトラッキングスキームの例が示される。これは、そのようなスキームの実施形態の一例であり、広範なそのようなチューニング及びトラッキングアルゴリズムが当業者によって実施され得ることが理解される。閉ループCAF−nの支配極位置を推定する手段が存在する簡単なチューニングスキームを考える。これは、例えば、CAF−nのインパルス応答を測定し、ωの共振周波数及びダンピング係数Dを決定することによって、行われ得る。代わりに、これは、ユーザ設計目標として入力され得る。次いで、トラッキングループは、1)全体のフィードバックゲインG、及び2)ωによって表されるSOS共振器中性周波数、を決定する。CAF−nの実施形態において、Gは、フィードバック増幅器において制御電圧を設定することによって決定され得、ωは、SOS共振タンクのバラクタダイオードで電圧を調整することによって設定される。D及びωを、ユーザ設計目標によって夫々供給される所望のダンピング及び共振周波数であるとする。トラッキングループは直接的である。すなわち、D>Dの場合に、Gはインクリメントに増大し、ω>ωの場合に、ωはインクリメントに増大する。ループは、所望の応答が達成されるまで連続して無制限に、G及びωを更新することを繰り返す。このようにして、CAF−nの初期構成は達成され、CAF−nの温度変化及びコンポーネントの経年劣化も改善される。更に、所望のD及びωは時間とともに変化することができ、CAF−nはそれらに追随する。
一例として、D=0.02及びω=1を有するCAF−1フィルタを考える。この例におけるSOS共振器は、D=0.4のダンピング及びω=0.9の初期共振周波数を有しているとする。初期ループゲインはG=0.4であった。それらの値は、単に実施例を表すことを目的として、むしろ任意である。
チューニング後のCAF−1の結果として現れる周波数応答は、図44に示されるように完全である。D及びωの所望のパラメータが満足されている点に留意されたい。
第2の例として、同じD=0.02及びω=1の要件が与えられているCAF−3フィルタを考える。先と同じく、この例におけるSOS共振器は、D=0.4のダンピング及びω=0.9の初期共振周波数を有している初期ループゲインは、先と同じくG=0.4である。
制御循環後のCAF−3の結果として現れる周波数応答は、図45に示されるように完全である。D及びωの所望のパラメータが満足されている点に留意されたい。
CAF−1乃至CAF−3のトラッキングが簡単且つロバストである理由は、支配極のゼロ度根軌跡が本質的にjω軸に向かって一定のωの円曲線に従うからである。Gの移動は、基本的に、この円弧に沿ってωを動かし、ωの変化は、それを半径方向に動かす。そのような動きは準直交(quasi-orthogonal)である。これは、CAF−3について図46に示されている。
CAF−n要素の並列及び直列な組み合わせ
図47から53を参照すると、上述されたように共振器及びゲイン要素を具備した1つ以上のループ回路を夫々が含み得る複数のCAF−n要素が、多極バンドパスフィルタを実現するよう、直列及び並列な組み合わせで構成され得る。一例として、図47を参照すると、3つのCAF−1要素4701、4702及び4703が、直列に接続されるよう示されている。この例で、夫々のCAF−1 4701/4702/4703は、1次バンドパスフィルタのそれの周波数応答(正周波数領域において1つの共振極)を有し、夫々のCAF−1は、それが所望の全体のフィルタ応答に相応の適切なQ及び応答周波数を有するように調整される。例えば、CAF−1 4701の伝達関数は:

s/(s+.1s+0.96)

に設定され、CAF−1 4702の伝達関数は:

s/(s+.1s+1)

に設定され、CAF−1 4703の伝達関数は:

s/(s+.1s+1.02)

に設定される。
直列な3つのCAF−1要素4701/4702/4703の典型的な応答は、図48に示される。
CAF−1の直列接続は、単帯域のバンドパスフィルタを実現するために有用である。複数の帯域を実装するよう、CAF−nの並列接続が使用されてよい。2つの別々の帯域を供給するフィルタトポロジの例は、図49に与えられている。これは、夫々の帯域に中心がある2つのCAF−3フィルタ4901及び4902の並列接続によって達成される。そのようなフィルタの一般的な応答は図50に示されている。
複数のCAF−n要素を伴う上記の並列トポロジ及び直列トポロジの全てにおいて、図35のレベル2フィードバックが同様に考えられ得る。
上述されたバンドパスフィルタは、実用性を備えた例である。CAF−nの他の直列及び並列な組み合わせが、所望の周波数応答を達成するよう設計されたバンドパスフィルタを実現するために使用され得ることが理解されるだろう。
CAF−nの任意の直列及び並列な組み合わせ
上記の説明に基づき、CAF−nの任意の直列及び並列な組み合わせが、所望のシングルバンド又はマルチバンド周波数応答を生成するために使用され得ることが理解されるだろう。一例のトポロジは図51に示されている。この例で、CAF−1 5101の伝達関数は:

s/(s+.1s+1.4)

であり、CAF−1 5102の伝達関数は:

s/(s+.1s+1.45)

であり、CAF−3 5103の伝達関数は:

s/(s+.1s+0.96)

であり、CAF−1 5104の伝達関数は:

s/(s+.1s+1)

であり、CAF−1 5105の伝達関数は:

s/(s+.1s+1.02)

であり、CAF−1 5106の伝達関数は:

s/(s+.1s+2)

である。
理解されるだろうように、周波数応答はまた、信号ループを形成するようレベル2フィードバック経路を加えることによって変更されてよい。ここで記載される原理を適用することによって、所望の周波数応答を可能にし且つ望まれるように制御され得る回路が、設計され得る。
CAF SOSセグメントからの一般化された多極フィルタ
この項では、より高次のバンドパスフィルタを構成する複数のCAF−nの適用が記載される。それらは、全ての可能な使用又は組み合わせが記載され得るわけではないとの理解の下で、それらのより微小のコンポーネントの柔軟性を明示するためにCAF−nの実際の適用の例であるよう意図される。例えば、1つの実施形態は、多数の一般的なCAF−nがFPGAデバイスにおけるALUに類似したスイッチマトリクスにより構成される、より大きいプログラム可能なチップであってよい。これは図52に表されている。ここで、複数の入力及び出力バッファ102がスイッチマトリクス5202に取り付けられている。スイッチマトリクス5202はまた、CAF−n 5204コンポーネントの入力及び出力を接続することができる。この設計を用いると、任意の次数のバンドパスフィルタは、図53に示されているようにそのようなコンポーネントをカスケード接続することによって、形成され得る。図53は、所望の信号経路5302を設けるよう様々なコンポーネントが接続されている3次バンドパスフィルタの例である。
図52及び図53に示される例は、スイッチマトリクス5202を用いて可能であり得るものの例である。なお、他の構成も可能である。例えば、スイッチマトリクスは、並列に、直列に、又はそれらの組み合わせにおいて接続され得る追加のCAF−n要素又は他の回路素子を有してよい。このようにして、CAF−nフィルタの構造は、具体的な適用のためにカスタマイズされ得る。
CAF SOSセグメントからの一般化された多極フィルタの性能
sの有理多項式に関する全体のフィルタ伝達関数は、この場合に、SOSに分解される。CAF−n内にあるSOSとの混同を避けるよう、夫々のSOSの極がCAF−nの支配極に対応するSOSへのフィルタ全体の分解がここでは考えられる。実施されるべき一般的なより高次のフィルタは:

bpf(s)=(b+bs+...b)/(1+as+...a

としてsの有理多項式として与えられる。なお、M≧Nである。ここで、全ての係数は実数値である。これは、次のように、L=N/2SOSの項の積として表現され得る:
Figure 0006770083
極及びゼロは、最初に、複素共役対にまとめられる。共役の極の対及び共役のゼロの対の結合又はグループ化は多少任意であり、一方、一般的には、いくつかのグループを他に対して好む実現問題が存在する。一般的に、極及びゼロは、S平面においてユークリッドの意味で直ぐ近くにあるものがグループ化される。
バターワース型バンドパスフィルタとして構成されるCAF−nの例
バターワース・バンドパスフィルタは、次の形を有している例として使用される:
Figure 0006770083
なお、gは、SOSパーティショニングの部分として決定される実際のゲイン係数である。1及び1.5の正規化された周波数の間の通過帯域を有する4次バターワース・バンドパスフィルタの例が考えられ、これは4つのSOSセクションに分解される。バターワース・フィルタの好ましい特徴は、それが最適にフラットな通過帯域を有している点である。図54は、この通過帯域の平坦さを強調しながらバターワースの周波数応答を示す。図54aとして左側に示された応答曲線は、−3dBまで下がる通過帯域における詳細を提供するよう、図54bとして右側で拡大されている。
この応答を達成するよう、4つのSOSセクション5502a/b/c/dは、図55に示されるように直列に置かれ、コントローラ5504によって制御される。SOS CAF−1要素5502a/b/c/dの直列接続は、これが、正確な値へとスケーリング及びフェーズドされなければならない並列接続を使用する必要性を回避するということで、好ましい。この例のために、図55のCAF−4構成が使用される。
線5602a/b/c/dによって表されている、個々のCAF−1の正規化されたゲインの応答曲線は、図56に示される。4つのCAF−1要素の夫々は、4次バターワースの急峻な遷移及びゲインの平坦さにもかかわらず、小幅のQを有している点に留意されたい。次に、線5604によって表されている、4つのCAF−1のカスケード接続された組の周波数応答も、図56に示されており、我々が開始した、線5606によって表されている所望のバターワース応答との合理的な一致を示す。この例の4つのCAF−1の実装の帯域外遷移は、元のバターワース・フィルタのそれよりも実際には急である。これは、CAF−1における余分の極のためである。しかし、肩は望まれるよりも軟調である。これは、より良い最適化により補正され得る。
上記の説明及び与えられている例に基づき、当業者は次のことを認識するだろう:
1.広範なより高次のフィルタが実現され得る。
2.一般的なフィルタ最適化方法が、最適なシステムレベル性能のためにCAF−nを構成するように使用され得る。これは、例えば、通信受信器で使用される適応フィルタのアイパターンに基づいてよい。
3.Qスポイラーモードが、より低いQ極を合成するためにCAF−n内の個々の共振器で使用されてよい。
SOS共振器セクションの簡略化された実現
一例として、CAF−nにおいて使用されるSOS共振器セクションのいくつかの実施形態がこれより与えられる。それらは、詳細な回路としてではなく、候補実施形態の簡略化された回路実装として意図される
2次SOSフィルタ要素5702の並列タイプの実装が図57に示されている。2つの制御入力5704及び5706が存在し、制御入力5704は、Qスポイラーである可変抵抗器5708に使われ、制御入力5706は、共振周波数を制御する可変キャパシタ5710に使われる。Qスポイラー5708は、実軸に沿って水平方向に共振極を移動させ、可変キャパシタ制御5710は、虚軸に沿って垂直方向に極を移動させる。
Qスポイラー5708は、極を更にLHP内へと移動させ、更なる制御が閉ループゲインGによって望まれる場合に都合がよい。図58は、制御入力5804によって制御される可変抵抗器5808と、Qスポイラーとして制御入力5806によって制御される可変キャパシタ5810とを具備する並列共振回路5802を示す。
当業者に明らかなように、SOS要素が実装され組み合わされ得る様々な方法が存在する。CAF−3に適した他の実施形態では、図59を参照すると、3つのSOS CAF−1共振器が、2つの直列共振器5902及び1つの並列共振器5904から成る単一の3次バンドパスフィルタ・トポロジにまとめられてよい。共振器5902及び5904の描写は、簡略化されており、上述された様々な制御要素を含まない。この回路は、SOS間のバッファが必要とされないということで、より小さい実装フットプリントを提供する。しかし、チューニングするのがより困難であるという欠点がある。
一般的なCAF−nの概念
一般化の第一段階は、多数のR共振器1301が図60に示されるようにカスケード接続され得ることである。ここで、N個のそのような共振器1301が、{f1,Q1}から{fN,QN}の制御を有してカスケード接続されている。レベル2フィードバックは、本願で記載されるように、改善された性能のために、選択された隣接する個々の共振器要素にわたって実装されてよい。
可変ゲインGを有するフィードバック経路110aは、次いで、図61に示されるように、単一のループを形成するよう、N個のカスケード接続された共振器1301の周りにある。いくつかの例が、この回路によって提供される実用的な意義の有用な挙動について与えられる。これは、Gの大きさがゼロから何らかの最大値まで変化し得ることを暗示する。その上、位相は2πラジアンにわたって変化し得る。
図62は、{G1,f1,Q1,...,GN,fN,QN}として制御入力を有して、一般化されたCAF−n6202を表すために使用されるシンボルである。
一般化の次のレイヤは、いくつかのCAF−n6202が、図63に示されるように、ゲインを伴ったフィードバック経路110aとカスケード接続され得ることである。
明らかなように、フィードバック及び可変ゲインを有してカスケード接続されたR1401及びCAF−n6202の一般的なネスティングが存在する。その目的は、任意の多極バンドパスフィルタを実現することである。それらのフィルタは、フィルタを含む極の位置が独立して任意に動かされ得るようにする。これは、夫々のRブロックの可変Q制御及びGによって表されるフィードバックゲインによって可能にされる。
極の位置の制御には冗長性が存在するということで、全ての制御が独立である必要があるわけではない。また、実際の実施のために、制御は連結されてよい。使用される制御及びグループ化の選択は所望の用途に依存し、多種多様なそのようなものが想定される。以下の項では、一連の例が、それらの制御の一部を強調しながら与えられる。
センサ通信無線トランシーバ(SWT)におけるCAF−3フィルタの適用
CAF−nフィルタの実際の適用の例として、一般的なセンサが考えられる。この適用のために、センサ・テレメトリ・トランシーバは最初に、動作すべきスペクトルの未使用部分を決定し、次いで干渉に対処する必要がある。トランシーバのブロック図は図64に示されている。T/Rスイッチブロック6402が受信器6404及び送信器6406をアンテナ6408へ接続する。センサ・テレメトリが低電力伝送であるということで、CAF−3 6410は、送信器処理ブロック6406によって生成された送信される信号のスペクトル形成を提供することができる。受信器側では、CAF− 6412フィルタは、干渉信号を除去し、受信器処理ブロック6404の所望の受信信号に通過帯域の中心を置く。
図65を参照すると、CAF−3は周波数アジャイル(frequency agile)である(すなわち、周波数波、1つの通過帯域から他へ瞬時にチューニングされ得る)ということで、送信器機能6406及び受信器機能6404によって共有される単一のCAF−3 6502しか有さないという選択肢が存在する。図示される例では、これは、2つのポートを備えたT/Rスイッチ6504及び電力検出器6506を使用する回路によって達成される。
コグニティブ無線としてのCAF−nに基づくSWT
センサ用途のための遠隔計測用トランシーバの拡張された実施は、活動をモニタするためにスペクトルの広範にわたるセグメントが連続してスキャンされるCAF−3のコグニティブ無線態様である。その考えは、ほとんど活動がないスペクトル領域を見つけることである。そのようなスペクトルの穴を見つけると、トランシーバは、環境と一致した最大信号雑音比(SNR)及び最低伝送電力を用いてデータ通信動作を開始することができる。
そのようなスペクトルの穴を見つけることは、CAF−3における3つのRのf制御を替えることによって潜在的な周波数帯域にわたってスイープされるQエンハンスド狭帯域フィルタ応答のためにCAF−3をセットアップすることで達成される。CAF−3の出力での簡単な電力検出器は、CAF−3の周波数でスペクトル電力を推定するために使用され得る。検出器出力は、その場合に、Rのための適用された周波数制御の関数である。スイープを完了した後、望ましいスペクトル領域が決定され得る。
受信器処理及びCAF−3制御
CAF−3をトランシーバに組み込むよう、我々は、閉ループ極のおおよその位置を安定化させるための制御フィードバックを提供する手段を有する必要がある。これは、同じダイで基準CAFセルを用いて所望のスペクトル位置に基づき制御電圧を設定することによって、順方向の開ループ制御の中で行われ得る。この基準ダイのインパルス応答は、水晶振動子に基づく時間基準に基づき測定される。水晶振動子に基づく時間基準は、その場合に、温度、経年劣化、チップ供給電圧、などのような変数を説明する。適応フィードバックは、CAF−3を正確にチューニングするために使用される。この適応制御は、データ通信受信器の部分を既に処理している固有のベースバンドの計測された出力を使用することに基づき、追加の回路なしで実装され得る。
図66に示される無線通信リンクの標準モデルから開始する。入力データ源6602は、シンボル又はパルス形成機能6604によりベースバンド変調される。これは、次いで、ブロック6606によってRFへアップコンバートされ、無線チャネル6608を介して送信される。無線チャネル6608は、隣接チャネルにある無線ソースからの干渉とともに標準の熱雑音を含む。信号は、受信器アンテナ(図示せず。)によってインターセプトされ、次いでCAF−3 6610でフィルタ処理され、ブロック6612でダウンコンバートされ、次いで、ベースバンドフィルタ6614が適用される。ベースバンドフィルタ6614は、送信器のパルス形成フィルタに対応する。次いで、データはブロック6616として取り出される。このデータ取り出しプロセスでは、復調プロセスのSNRが利用可能であり、ブロック‘CAF−3の適応最適化’6618において使用される。プロセスは、CAF−3 6610の制御設定を最適化するアルゴリズム6620を有している。このブロックの出力は、図示されるように、実際のCAF−3のためのブロック6622における電圧制御信号へ変換される。オプティマイザの目的は、データ復調プロセスのSNRを最大化することである。SNRがCAF−3の極配置に敏感であるということで、それは、我々に、CAF−3の制御を連続して適応させる手段を与える。
等価なエンベロープ処理に関して、解析が記載される。よって、たとえCAF−3がRFで動作するとしても、我々は、CAF−3の等価なベースバンドモデルを仮定することによって、これを省略する。ルートレイズドコサイン(root raised cosine)パルス形成フィルタに基づく標準のBPSK(binary phase shift keying)変調フォーマットから開始する。我々は、CAF−3の動作が同じであるということで、如何なる任意のデータ通信フォーマット及び変調も使用してよい。しかし、BPSKは、我々の目下の説明において不必要な詳細を回避する。
受信器は、完全なアイダイアグラムスコープの実装を有さず、一方、それは、ここでは実例のために有用である。アイダイアグラムスコープの処理は、SNRを取り出すよう行われる。シンボルレベル追跡が、最大限に開いているアイにおける点にシンボルサンプリングを固定するよう受信器によって行われるとする。
図67は、ベルヌーイ2進数発生器ブロック6704、レイズドコサイン送信フィルタブロック6706、レイズドコサイン受信フィルタブロック6708、及び離散時間アイダイアグラムスコープ6710へ接続されている理想的なAWGN(added white Gaussian noise)6702を表す。このチャネルにおいて、整合フィルタは、最大アイSNRを達成することに関して最適である。ルートレイズドコサイン(RRC)パルス形成は、ブロック6706における送信信号のために、更には、ブロック6708における受信信号のために使用される。理想的なAWGNチャネルの場合に、CAF−3は、信号よりも広い帯域幅を有していない限りはアイを単に悪化させる。しかし、チャネルは、隣接チャネルからの干渉によるノイズも有している。これは図68に表されている。図68で、AWGNは6802によって示されており、干渉信号の電力スペクトル密度(PSD;power spectral density)は6804によって示されている。所望の通信チャネルは6806によって示されており、CAF−3フィルタの最適な応答は6808によって示されている。
我々は、これより、図69a及び69bに示されているRRCフィルタを考える。それは、シンボルエポック(symbol epoch)ごとに8個のサンプルを有し且つ10シンボル長さであるRRCフィルタのFIR表現である。フィルタの周波数応答は、サンプリングレート(基本サンプリングレートはシンボルごとに8回である。)の半分に関して右側に与えられている。
次に、ノイズの2つの発生源、AWG及び隣接チャネル干渉が存在するとする。全体のノイズの電力スペクトル密度(PSD)は図70において与えられている。dBスケールが相対的である点に留意されたい。
次に、我々は、CAF−3のモデルを考える。この説明のために、我々は、それを、等価な3次バターワース・ローパスフィルタとして表す。バターワースは、それがバンドパスCAF−3によって生成されるのとよく似ている極パターンを有しているということで選択される。Z変換の極及びゼロは、モデリングがシンボルエポックごとに8サンプルのサンプルレートで離散時間にあるということで、示されている。相対的に高いオーバーサンプリングレートを考慮して、等価は合理的に正確である。
CAF−3の帯域幅の変化をモデル化するよう、我々は、隣接する極の角度をわずかに変えることによって、バターワースLPFの帯域幅を変える。例えば、上記のフィルタは、8Hzの正規化されたサンプリングレートに対して0.44Hzに帯域幅をセットすることによってモデル化される。図71において、我々は、8Hzサンプリングで0.08Hzの正規化された帯域幅を有するCAF−3フィルタに係る極/ゼロパターンを有する。CAF−3の中心周波数オフセットは、周波数オフセットに見合った量だけ図71において極ゼロパターンを単に回転させることによって、複素離散時間フィルタによって表され得る。
最後に、我々は、受信フィルタにより処理された信号ベクトルを再編成することによって、アイダイアグラムを形成する。結果は図72に示されており、上のプロットはアイダイアグラムであり、下のプロットは、サンプルオフセットの関数としての信号対雑音比(SNR)である。SNRは、−1又は1の2進ビット復調に対応するサンプルの2つのクラスタに関する逆分散法によって決定される。最終的に、シンボルクロックが最大SNRの点でサンプルを回復する所望の結果が得られる。
最適化のためのCAF−3フィードバックは、フィルタ制御を調整するよう決定された最大SNRを単に使用する。これを行うようディザリング制御を使用することが必要であり、3つのCAF−3制御を変更する:
1.3つの共振器のQエンハンスメント/スポイリング
2.共振器の3つ揃いの中心周波数
3.中心の極のQを増大させ、隣接する極のQを低減させるか(正フィードバック)、又は中心の極のQを低減させ、隣接する極のQを増大させる(負フィードバック)CAF−3全体のループのレベル2フィードバックゲイン。
バターワース・フィルタを使用するこの簡略化された復調において、我々は2つの制御しか有さない:
1.隣接する極のオフセットを増大させることによる帯域幅の変更
2.極ゼロパターンの回転
図73は、シンボルレートに対する0.1の正規化された帯域幅が最適であるとして明らかな最大値を有しているSNRのプロットを示す。閉眼を生じさせる、CAF−3によって引き起こされるひずみは、信号通過帯域の両側での大きな干渉により生じるノイズの削減によってオフセットされる点に留意されたい。
最後に、我々は、上述されたCAF−3フィルタの相対的な周波数オフセットを考える。図74におけるプロットは、このオフセットの関数としてアイダイアグラムのSNRを示す。先と同じく、SNRに関して明確な最大値が存在する点に留意されたい。
要約すると、上記の例は、3つのCAF−1とともにCAF−3フィードバックを調整するオプティマイザへ出力される通信受信器の復調器からのフィードバックを使用する能力を例証する。CAF制御の最適化のためのメトリクスを収集する多くの方法が存在するということで、当然に、多種多様な変調及び復調スキームが存在する。本明細書で示されるサンプリングのSNRは簡単であり、受信器に必要とされる更なるハードウェアなしで利用可能である。
ディザリングに基づく一般的なCAF−n追跡アルゴリズム
一般的なCAF−nは複数の制御を有している。それらは、次の項で記載されるように、‘フィードフォワード’様式において設定され得る。しかし、これは、CAF−nの最適な動作点が知られており、LUT(look up table)が所望の動作点を{f,Q,G}の物理電圧にマッピングすると仮定する。前の項で与えられているセンサ通信追跡問題の例では、最適な動作点は知られておらず、回路干渉条件に応じて変化する。この例における目標は、受信器出力のSNRを最適化することである。図73及び74から、G及びfの2つのパラメータに依存する少なくとも1つの局所最適化が明らかに存在する。この例では、CAF−3は、f=f1=f2=f3及びQ=Q1=Q2=Q3のR制御を仮定された。Qが最初にRのために設定され、次いで、追跡ループがG及びfを設定する。よって、電力スペクトル領域における干渉の具体的な事例について、通信受信器の出力のSNRを、g(G,f)と表されるとする。g(G,f)は、スペクトル干渉が知られておらず且つ制御不可能である場合に、時間とともに変化することが理解される。目的は、g(G,f)を最適化することであり、これは、次の場合に、{f=f,G=G}と表される定常点を見つけることを暗示する:
Figure 0006770083
g(G,f)の傾きが知られていた場合に、広く使用されている最急降下(steepest ascent)オプティマイザが使用されてよく、それにより、G及びfの繰り返しは、次に従う:
Figure 0006770083
なお、αは、どれくらい速くスペクトル干渉が変化するかに基づき選択される何らかの小さい正の実数パラメータである。それは、一般的に、実験的に決定される。しかし、
(外1)
Figure 0006770083
は、十分な正確さで一般的に知られておらず、従って、
(外2)
Figure 0006770083
は、次の3つのSNR値を決定することによって数値的に決定される:
Figure 0006770083
オプティマイザは、次いで、
g1>g0の場合、Δfだけfを増大させ、それ以外の場合、Δfだけfを低減させる;
g2>g0の場合、ΔGだけGを増大させ、それ以外の場合、ΔGだけGを低減させる
という単純なアルゴリズムに従う。
このようにして、CAF−3制御は、最適なSNRを常に求めている。Δf及びΔGのインクリメントは用途に依存する。これは、目的関数が本質的に知られていない場合にオプティマイザに適用され得るディザリング制御の形である。干渉がゆっくりと変化する場合に、Δf及びΔGは小さくてよい。しかし、これは、SNRの相応の小さい変化を計測するために、より長いドウェル時間を必要とする。干渉がより急に変化する場合に、最適化されるようパラメータのより大きいディザリングステップサイズを使用することが必要である。一般に、ディザリングスキームはロバストであり、実施するのが簡単であるが、目的関数の既知の特性を利用しないということで、最良の性能をめったに提供しない。
代替のCAF安定回路
前の例では、通信受信器の出力のSNRは、CAF−3フィルタの制御を設定するよう、且つ、CAF−3応答に作用するモデル化されていないパラメータ及びデバイスドリフトにより生じる変化を追跡するよう、ディザリングアルゴリズムを介して最適化された。他の形の安定回路がこの項で提示される。図75は、CAF−1 7502の応答を較正及び安定化する目的を持って構成された処理を備える回路に基づく。
マイクロプロセッサ7504は、PWM(pulse width modulation)回路7506として実装されるDACを通じて、且つ、温度センサ7508からの読み込みに基づき、CAF−1 7502の周波数及びQのための制御を調整する。それはこれを駆動して、CAF−1 7502がまさに自励発振し始めるようにする。この自励発振の周波数は、水晶基準7505と、マイクロプロセッサ7504によってやはり設定される周波数シンセサイザ7507とによって生成される周波数シンセサイザ信号によって、ブロック7510においてダウンコンバートされる。周波数カウンタ7509又は他の測定手段は、ダウンコンバートされた信号の周波数を決定する。このようにして、CAF−1の共振周波数は決定され得る。また、CAF−1 7502の出力にある自励発振信号の増大の割合を推定することができる電力検出器7512及びADCブロック7514が存在する。マイクロプロセッサ7504は、電力のこの指数関数的増加を推定し、これから、CAF−1 7502の閉ループ極がどこにあるかを決定する。目下、それは、jω軸のまさに右側にある。Qエンハンスメントがわずかに低減される場合に、自励発振は、高い精度で同じ周波数で続くが、指数関数的に衰え始める。極はjω軸の左半平面にない。先と同じく、電力検出器7512に基づき、この指数関数的減衰は測定され、動作点が測定される。繰り返しCAF−1 7502を自励発振に至らせ、次いで、制御された量だけQエンハンスメントを低減させることによって、f及びQの制御信号へのCAF−1 7502のマッピングが完成され得る。この較正は、水晶基準ソースを除いて追加のオフチップ部品を必要としないオンチップの回路に基づき、行われ得る。動作中、LUT7516が連続して更新されるように、較正の中断がなされてよい。無線センサの場合に、送信器及び受信器の機能は、較正処理が行われ得る無活動のエポックによって分離される。
図76は、右半平面及び左半平面においてCAF−1の閉ループ極を交互に配置するように高位レベルと低位レベルとの間で交互に行われるCAF−1のQ制御の例を示す。結果として表される増加及び減衰は、マイクロプロセッサで行われる数値解析とともに電力検出器によって容易に測定される。よって、適用されるQ制御電圧は、特定の極位置にマッピングされ得る。これはLUTに格納され、それにより、極位置がCAF−1のフィルタリング動作のために必要とされる場合に、LUTは補間され、{f、Q}制御電圧は設定される。
閉じられた極値の実数部は容易に測定される。a及びbが未知の定数であるとして、極は、aexp(bt)の形を有するように右半平面にあるとする。次いでに、エンベロープ電圧がt及びtの異なる時点で測定されてx及びxを夫々もたらす場合に、所望のパラメータbは、次の式から推定される:
Figure 0006770083
及びtのいずれの時点も設定され、電圧x及びxが測定され得る。あるいは、固定の閾値がx及びxに設定され、t−tの時間差が測定され得る。いずれのアプローチも直接的である。
他の例
CAF−nは、帯域幅を広げるのが比較的容易であるよう設計され得ることが、上記から理解されるだろう。上述されたように、CAF−3の3つのRの周りの少量のフィードバックゲインGは、単極の通過帯域応答を表すものから2次チェビシェフに類似したより広い応答へ通過帯域を変える簡単且つロバストな方法である。
これの応用は、CAF−3がコグニティブ無線のための電力スペクトル密度に係るセンサであって、送信機能及び受信機能のためにフィルタを再設定するようT/Rスイッチを用いてこの通過帯域のための送信器フィルタ及び受信フィルタを提供するようにオンザフライ(on the fly)で設計され得る無線センサである。受信モードで、我々は、CAF−3を、デジタルサンプリングされた出力のSNRを使用してフィルタパラメータを最適化する適応ループに結び付けることができる。{f,Q}制御は直交するので、SNR最適化は、簡単なディザリングアルゴリズムによりロバストに達成される。最後に、CAF−3をセットアップすることにおいて、制御の関数として極がどこに位置するかを知る必要がある。これは、較正目的のためにオンチップでCAF−1を使用することによって、達成され得る。右半平面及び左半平面において極位置を交互にすること(夫々、不安定及び安定)によって、CAF−1の自励発振のエンベロープは、極位置の実数部を推定するためにプローブ信号として使用され得る。虚数成分は、自励発振の周波数によって決定される。自励発振は、水晶固定シンセサイザ周波数との比較に基づき測定され得る。CAF−1の代わりに、CAF−3のRも直接使用され得る。しかし、CAF−1を実装することは、較正が連続的且つCAF−3の動作と並行であることを可能にする。CAF−3の動作は、その場合に、実際の信号処理のためにのみ使用される。制御電圧及びおそらくはチップ温度の関数としてのCAF−1の極位置の測定は、LUTに格納される。LUTの値は、CAF−3が較正されるべきである場合に補間される。
CAFの他の使用例は、平坦なアンテナ応答(拡張されたフィルテナ(filtenna))を提供するアンテナ用のイコライザ;最適化されたフロントエンドモジュール(FEM;front end module);周波数シンセサイザ;遠隔患者モニタリングのための一体化されたセンサ/コグニティブ無線システム;スマートロード、スマート標識、及びスマート/無人自動車のための安価なセンサトランシーバネットワーク;2.4GHz及び5.0GHzの両方で動作する拡張されたWiFiシステム;拡張されたBluetooth(登録商標)システム;一般的な高性能のアナログ可調RFフィルタリング;電子戦用途のためのスペクトル監視システム;衝突回避のために極高周波(20GHz超)で動作する自動車近接レーダー;可変同調遅延線モジュール;位相制御モジュール;遠隔感知用途のための感度強化検出器;ドローン監視及び制御を含み得るが、これらに限られない。
位相シフタ
当該技術で知られるように、信号の位相は、信号が回路を通過するにつれて、多種多様な要因によって影響を及ぼされ得る。それらのうちのいくつかには、“寄生”と呼ばれ得る標遊成分のキャパシタンス及びインダクタンスがある。結果として、回路を通る信号の位相を補正するために位相シフタを組み込むことが必要である。使用される位相シフタは、回路の実際の実施に依存する。様々なタイプの位相シフタが当該技術で知られており、当業者は、必要に応じて適切な位相シフタをCAF−nに組み込んでよい。これより、全ての可能な実施を記載することは不可能であるという理解の下で、位相シフタをCAF−n回路に実装する場合のいくつかの代替設計が記載される。
一般に、寄生が概して最小であって、うまくモデル化され且つ理解される、オンチップで実装されるCAF−n回路について、CAF−n回路が小幅の周波数範囲にわたって使用されるよう意図される場合に、固定位相シフタが適切であり得る。他の状況では、可変位相シフタを組み込むことが必要であり得る。
CAF−1の閉ループ通過帯域は、開ループ位相シフトが360°の倍数である周波数の範囲の周りに形成することが知られている。単一の通過帯域のみを有することが望まれる場合に、共振器の通過帯域は、360°位相シフトの倍数の周波数と一致するよう配置され得る。共振器のピーク周波数がずれている場合に、閉ループ応答ピークは、たとえ通過帯域がゆがめられ得るとしても、360の倍数が達成される周波数と依然として一致する。その上、デチューニングされた共振器は位相シフトを加え、制御可能な小幅の位相シフトを加えるために使用され得ることが知られている。更に、真の位相シフタのようなものは存在しないことが認識されるべきである。如何なる位相シフタも、実際には、周波数に依存する何らかの関連する振幅特性を有する可変遅延の実装である。
然るに、可変位相シフトは、伝送線路に沿ったバラクタ・ダイオードの一様な列から構成される可変遅延線から始まることによって、導入され得る。バラクタ電圧を変えることによって、グループ遅延は変更され得、グループ遅延を変えることによって、位相がシフトされ得る。
バラクタのアレイは長さ及び間隔において有限であるから、それは周波数に関して非一様な振幅応答を有する。これに関連して、単一のバラクタは、可変キャパシタンスを有する低Q共振器と同様に動作し、3つのバラクタは、CAF−3において見られる3つの結合された共振器と同様に動作する。よって、少数のバラクタ・ダイオードが、所望の周波数範囲にわたって適度に一様な振幅特性を有する可変グループ遅延を具備する構造を作ることによって可変遅延線を近似するために使用されてよい。同様に、直交変調器チップにおいて使用される90°ハイブリッドカプラは、本質的に、小幅の周波数範囲にわたって作動するヒルベルト変換器である。換言すれば、可変位相シフタ、共振器、遅延線及び直交変調器は、周波数のある範囲にわたって可変な遅延を提供するよう配置及び最適化された回路と見なされ得る。
可変共振器及び可変位相シフタを一般化し、それらがCAF−nへの適用との関連で機能的に類似していると認識することによって、ループにおいて複数のサブ回路を使用することが可能である。夫々のサブ回路は、複数の制御電圧によって制御され得る所望の遅延及び振幅応答を与えるよう制御され得る。
そのようなサブ回路のいくつかの具体例が図77から79に示されている。図77は、インダクタ7702及びキャパシタ7704のラダーネットワークを有する可変遅延線を示す。キャパシタ7704は可変であって、バラクタ・ダイオードであってよい。このサブ回路のポート整合は、所望の周波数範囲のために最適化され得る振幅特性を生じさせる。図78及び79を参照すると、直列又は並列な共振器が使用されてよく、必要に応じて、インダクタ7702、可変キャパシタ7704及び抵抗器7706を含む。図78は、インダクタ7702及びキャパシタ7704を具備する可能な可調遅延線を示す。キャパシタ7704は、矢印によって表されるように、チューニング電圧により制御可能である。使用されるLCセクションが多ければ多いほど、可変遅延機能の近似はますます良い。図79は、抵抗器7706、可変キャパシタ7704、及びインダクタ7702を具備する並列共振回路を有する可能な位相シフタを示す。キャパシタ7704は、矢印によって表されるように、印加されるチューニング電圧によって可変である。
図80は、分布若しくは集中素子ハイブリッドカプラ、又はラットレース(rat race)カプラーとして記載され得るハイブリッドカプラ8002を用いて実装される位相シフタの可能な実施を示す。可変キャパシタ7704は、結合ポートに取り付けられている。カプラー8002の位相は、キャパシタ7704の適切な調整によって制御可能である。
これより、単一の可変共振器サブ回路を有するCAF−1を考える。潜在的に、慎重な設計によれば、位相シフトは、共振器の通過帯域内の所望の周波数で360°の倍数であり得る。共振周波数をシフトすることは、同等に位相をシフトする。CAF−1の応答ピークは、ループ位相シフトが360°の倍数である場合に起こる。ただ1つの可変共振器しか有さないCAF−1に伴う制限は、共振器の位相シフト調整が制限されることである。よって、ループが大きい位相エラーを有する場合には、単一の共振器によっては十分な範囲が存在せず、可変及び固定位相シフタが付加される必要がある。なお、上記の説明に基づき、これは、多数の遅延制御可能なサブ回路を直列に並べることと同等である。
これより、可変位相シフタの代わりに他の共振器を用いることを考える。位相シフタは、振幅に関して、より平坦な周波数応答を有しており、従って、より広い周波数範囲にわたって使用され得るが、これは、更なるコンポーネントを追加するコストをもたらす。一部のコンポーネントは、チップに組み込むことが困難である。3つの共振器が加えられる場合に、これはCAF−3と同等である。これは、CAF−1要素であってよい3つの可変共振器502と、フィードバック経路110と、カプラー104と、制御可能であってよいゲイン要素112とを用いて、図81に示されている。
3つよりも多い共振器が存在してもよいことが認識されるだろう。より多くの制御可能な共振器が存在する場合に、更なる遅延調整が可能であり、これは、固定位相シフタを加える必要がないチューニングのより広い周波数範囲を暗示する。
本願において、語“有する”は、その非制限的な意味において、その前にあるアイテムが含まれるが、具体的に挙げられていないアイテムが除外されないことを意味するように使用される。個数を特定されない要素への言及は、その要素がただ1つだけ存在すると文脈において明らかに特定されない限りは、その要素が1つよりも多く存在する可能性を除外しない。
特許請求の範囲の適用範囲は、上記の例において及び図面において説明されている好適な実施形態によって制限されるべきではなく、総じて本明細書と一致する最も広い解釈を与えられるべきである。

Claims (28)

  1. アナログ電磁気信号のための可変フィルタであって、
    信号入力部と信号出力部との間に接続されている2次信号経路及び2次フィードバック経路を含む2次信号ループであり、前記2次信号経路における複数の1次信号ループと、2次調整可能スケーリングブロックとを含む前記2次信号ループを有し、
    前記複数の1次信号ループの夫々が、1次信号経路と、1次フィードバック経路と、夫々の1次信号ループにおいて接続されている複数の回路素子とを含み、
    前記複数の回路素子が、
    周波数可変共振器と、
    正ゲイン及び負ゲインを含む範囲において調整可能であるゲイン係数を適用する1次調整可能スケーリングブロックと
    を含み、
    当該可変フィルタは、
    夫々の周波数可変共振器をチューニングするよう、且つ、前記1次調整可能スケーリングブロック及び前記2次調整可能スケーリングブロックの夫々のゲイン係数を負ゲイン係数と正ゲイン係数との間で調整するよう接続されるコントローラを更に有する、
    可変フィルタ。
  2. 前記複数の1次信号ループは、直列に接続されている2つ以上の1次信号ループを有する、
    請求項1に記載の可変フィルタ。
  3. 前記コントローラは、前記2次調整可能スケーリングブロック及び1つ以上の1次調整可能スケーリングブロックを所望の周波数応答へ独立して調整するよう接続される、
    請求項1又は2に記載の可変フィルタ。
  4. 前記コントローラは、1つ以上の周波数可変共振器を所望の周波数応答へ選択的にQスポイリング又はQエンハンスメントするようプログラムされる、
    請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の可変フィルタ。
  5. 前記コントローラは、前記1次調整可能スケーリングブロック及び前記2次調整可能スケーリングブロックの少なくともゲイン係数を調整する場合に当該フィルタの周波数応答の安定性を保つ命令を有し、該命令は、制御値のルックアップテーブルを有する、
    請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の可変フィルタ。
  6. 前記ルックアップテーブルにおける前記制御値は、当該フィルタに適用される較正プロシージャに基づき決定される、
    請求項5に記載の可変フィルタ。
  7. 前記コントローラは、前記1次調整可能スケーリングブロックの1つ以上及び前記2次調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を当該可変フィルタの周波数応答の測定に基づき当該フィルタの所望の周波数応答へ繰り返し調整し、当該フィルタの周波数応答の安定性を保つ命令を有する、
    請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の可変フィルタ。
  8. 前記信号出力部で周波数応答を測定するセンサを更に有し、
    前記センサは、前記コントローラと通信し、
    前記コントローラは、前記周波数可変共振器の夫々をチューニングし、前記1次調整可能スケーリングブロック及び前記2次調整可能スケーリングブロックの夫々のゲイン係数を、前記測定された周波数応答に応答して、所望の周波数応答へ制御するようプログラムされる、
    請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の可変フィルタ。
  9. アナログ電磁気信号をフィルタ処理する方法であって、
    信号入力部と信号出力部との間に信号経路及びフィードバック経路を含む信号ループと、前記信号ループにおいて接続されている複数の回路素子であり、周波数可変共振器と、正ゲイン及び負ゲインを含む範囲において調整可能であるゲイン係数を適用する調整可能スケーリングブロックとを含む前記複数の回路素子と、前記周波数可変共振器をチューニングし、前記調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を制御するよう接続されるコントローラとを有するフィルタを設けることと、
    前記フィルタにおいて所望の周波数応答を達成するよう、前記周波数可変共振器をチューニングし且つ前記調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を調整することによって前記フィルタを調整することと
    を有し、
    前記フィルタを調整することが、前記周波数可変共振器をQスポイリングすることを含む、
    方法。
  10. 前記信号ループは、該信号ループの前記信号経路において複数の1次信号ループを含み、夫々の1次信号ループは、1次信号経路と、1次フィードバック経路と、周波数可変共振器と、1次調整可能スケーリングブロックとを含み、前記複数の1次信号ループは、前記信号入力部と前記信号出力部との間に直列に接続され、
    前記フィルタを調整することは、夫々の周波数可変共振器をチューニングすることと、前記1次調整可能スケーリングブロック及び前記調整可能スケーリングブロックの夫々のゲイン係数を調整することとを含み、
    前記フィルタは、複数の前記周波数可変共振器のうちの少なくとも1つがQスポイリングされるように調整される、
    請求項9に記載の方法。
  11. 前記フィルタを調整することは、2つ以上の周波数可変共振器を独立してチューニングすることを含む、
    請求項10に記載の方法。
  12. 前記フィルタを調整することは、Qスポイリングされない少なくとも1つの周波数可変共振器をQエンハンスメントすることを含む、
    請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記信号ループの周波数応答を測定することと、
    測定された周波数応答に応答して、前記所望の周波数応答へと、前記周波数可変共振器をチューニングし且つ前記調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を調整するよう、前記コントローラを使用することと
    を更に有する請求項10乃至12のうちいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記フィルタを通してアナログ通信信号を送信すること
    を更に有する請求項10乃至13のうちいずれか一項に記載の方法。
  15. アナログ電磁気信号のための可変アナログフィルタであって、
    信号入力部と信号出力部との間に接続されている信号経路及びフィードバック経路を含む信号ループと、
    前記信号ループにおいて接続されている複数の回路素子であり、周波数可変共振器と、正ゲイン及び負ゲインを含む範囲において調整可能であるゲイン係数を適用する調整可能スケーリングブロックとを含む前記複数の回路素子と、
    前記周波数可変共振器及び前記調整可能スケーリングブロックへ接続されているコントローラと
    を有し、
    前記コントローラは、少なくとも前記ゲイン係数を調整することによって、前記周波数可変共振器をQスポイリングする命令を有する、
    可変アナログフィルタ。
  16. 前記信号ループは、前記信号入力部と前記信号出力部との間に直列に接続されている複数の1次信号ループを含み、夫々の1次信号ループは、周波数可変共振器及び1次調整可能スケーリングブロックを含み、
    前記コントローラは、夫々の周波数可変共振器をチューニングし、前記1次調整可能スケーリングブロック及び前記調整可能スケーリングブロックの夫々のゲイン係数を調整する命令を更に有し、
    複数の前記周波数可変共振器のうちの少なくとも1つがQスポイリングされる、
    請求項15に記載の可変アナログフィルタ。
  17. 前記信号出力部で周波数応答を測定するセンサを更に有し、
    前記センサは、前記コントローラと通信し、
    前記コントローラは、前記周波数可変共振器及び前記調整可能スケーリングブロックを、前記測定された周波数応答に応答して、所望の周波数応答へチューニングするようプログラムされる、
    請求項16に記載の可変アナログフィルタ。
  18. 前記コントローラは、Qスポイリングされない少なくとも1つの周波数可変共振器をQエンハンスメントする、
    請求項17に記載の可変アナログフィルタ。
  19. 信号入力部と信号出力部との間に接続されている信号経路及びフィードバック経路を含む信号ループと、
    前記信号ループにおいて接続されている複数の回路素子であり、複数の周波数可変共振器と、正ゲイン及び負ゲインを含む範囲において調整可能であるゲイン係数を適用する調整可能スケーリングブロックとを含む前記複数の回路素子と、
    所望の周波数応答のために、夫々の周波数可変共振器をチューニングし、前記調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を調整するよう接続されているコントローラと
    を有する可変アナログフィルタ。
  20. 前記周波数可変共振器及び前記調整可能スケーリングブロックは、前記信号ループの前記信号経路において直列に接続される、
    請求項19に記載の可変アナログフィルタ。
  21. 前記コントローラは、前記周波数可変共振器を調整することによって、前記信号ループ内の位相シフトを制御する、
    請求項19又は20に記載の可変アナログフィルタ。
  22. 前記位相シフトは、前記周波数可変共振器を当該フィルタの中心周波数からデチューニングすることによって、制御される、
    請求項21に記載の可変アナログフィルタ。
  23. 2つ以上の周波数可変共振器が1次信号ループにおいて接続され、該1次信号ループは前記信号ループ内で直列に接続され、夫々の1次信号ループは、負ゲイン係数と正ゲイン係数との間で前記コントローラによって制御される1次調整可能スケーリングブロックを有する、
    請求項19に記載の可変アナログフィルタ。
  24. アナログ電磁気信号をフィルタ処理する方法であって、
    信号入力部と信号出力部との間に信号経路及びフィードバック経路を含む信号ループと、前記信号ループにおいて接続されている複数の回路素子であり、複数の周波数可変共振器と、正ゲイン及び負ゲインを含む範囲において調整可能であるゲイン係数を適用する調整可能スケーリングブロックとを含む前記複数の回路素子とを有するフィルタを設けることと、
    所望の周波数応答のために、前記周波数可変共振器をチューニングし、前記調整可能スケーリングブロックのゲイン係数を調整することと
    を有する方法。
  25. 前記周波数可変共振器を調整することによって、前記信号ループ内の位相シフトを制御すること
    を更に有する請求項24に記載の方法。
  26. 前記位相シフトを制御することは、前記周波数可変共振器を前記フィルタの中心周波数からデチューニングすることを含む、
    請求項25に記載の方法。
  27. 複数のフィルタ素子を有し、該複数のフィルタ素子は、請求項1乃至8及び15乃至23のうちのいずれか一項に記載の可変フィルタを含む、
    多段アナログフィルタ回路。
  28. 2つ以上のフィルタ素子が並列又は直列である、
    請求項27に記載の多段アナログフィルタ回路。
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