JP5309970B2 - 同軸二輪車 - Google Patents
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Description
搭乗者も車両を運転するというよりも歩行の延長であるように操作するものである。そして、その小型軽量性と、立位搭乗姿勢のために街中では歩行者と同じ歩道を並んで走ることになりがちである。
このとき搭乗者は走行を長い時間継続していると速度感覚が低下してくるため、速い速度で走行していることを認識しにくい。
さらに、電動モータの静かさと高度なバランス制御のため、搭乗者は身体感覚としてはスピード感を感じにくく、知らず知らずのうちに速度超過などの操縦ミスが頻発しがちである。
他の歩行者が歩いている歩道を搭乗者が気付かないままに速度超過して走行することは極めて危険である。
しかしながら、同軸二輪車のハンドルは体に非常に近いため、体の近くのハンドルを見ながら操縦することは周囲への目視が疎かになるため却って危険性が増す。
前記車輪駆動ユニットに走行指令を与える走行制御部と、当該同軸二輪車の移動速度を算出する移動速度算出手段と、前記移動速度算出手段にて求められた移動速度を搭乗者に提示するための速度提示信号を生成する速度提示信号生成部と、を備え、
前記速度提示信号生成部は、前記移動速度に応じて変化する波形を含む速度提示信号を生成し、前記走行制御部は、走行制御のための走行制御信号に前記速度提示信号を重ねた駆動制御制御信号を前記車輪駆動ユニットに与える
ことを特徴とする。
すると、車輪から搭乗者の足に速度提示の振動が伝わる。
これによって搭乗者は現在の移動速度を知ることができる。
この点、速度提示信号を正弦波とすることにより、正回転させた分だけ等しく逆回転させるので、搭乗者には振動として感じられても車両の走行速度やバランスには影響を与えないようにできる。
搭乗者が手動操作するための操作レバーと、前記車輪駆動ユニットに走行指令を与える走行制御部と、当該同軸二輪車の移動速度を算出する移動速度算出手段と、前記移動速度算出手段にて求められた移動速度を搭乗者に提示するための速度提示信号を生成する速度提示信号生成部と、を備え、
前記速度提示信号生成部は、前記移動速度に応じて変化する波形を含む速度提示信号を生成し、前記速度提示信号は、前記操作レバーに設けられたモータに与えられることを特徴とする。
前記車輪駆動ユニットに走行指令を与える走行制御部と、当該同軸二輪車の移動速度を算出する移動速度算出手段と、前記移動速度算出手段にて求められた移動速度を搭乗者に提示するための速度提示信号を生成する速度提示信号生成部と、を備え、
前記速度提示信号生成部は、前記移動速度に応じて変化する波形を含む速度提示信号を生成し、前記速度提示信号は、搭乗者が携帯する外部振動装置に出力されることを特徴とする。
外部振動装置としては、同軸二輪車の携帯鍵や携帯電話機などが例として挙げられる。
本発明の同軸二輪車に係る第1実施形態について説明する。
図1は、同軸二輪車の正面図である。
図2は、同軸二輪車の側面図である。
同軸二輪車10は、車両本体1と、左右一対の車輪2L、2Rと、左右一対の車輪駆動ユニット3L、3Rと、操作レバー4と、を備える。
車両本体1の側面には、各車輪2L、2Rを独立して回転駆動する左右一対の車輪駆動ユニット3L、3Rが設けられている。
各車輪駆動ユニット3L、3Rは、例えば、車輪駆動モータと、その車輪駆動モータの回転力を減速して各車輪2L、2Rへ伝達する減速機と、によって構成される。
操作レバー4がピッチ軸回転方向(前後方向)へ傾斜すると同軸二輪車10の前進又は後退操作が実行され、操作レバー4がロール軸回転方向(左右方向)へ傾斜すると、同軸二輪車10の旋回操作が実行される。
同軸二輪車10は、姿勢センサユニット8と、角度検出センサ6と、一対の駆動回路9L、9Rと、一対の車輪速度センサ7L、7Rと、制御装置5と、を備えている。
操作レバー4が前方もしくは後方に傾斜すると、車両本体1も操作レバー4に連動して同方向へ傾斜する。
姿勢センサユニット8は、操作レバー4の傾斜に対応した車両本体1のピッチ角度やピッチ角速度(姿勢値)を検出する。
操作レバー4が操作されると、角度検出センサ6は、その操作量及び操作方向に応じた操作信号を制御装置5に出力する。
車輪速度センサ7L、7Rは、検出した各車輪2L、2Rの車輪速度を、制御装置5に出力する。
制御装置5は、制御処理、演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUによって実行される制御プログラム、演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)、処理データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を有し、走行制御部51と、速度提示制御部52と、を含む構成である。
また、走行制御部51は、角度検出センサ6からの操作信号に応じて、一対の車輪駆動ユニット3L、3Rの駆動を制御し、左右の車輪2L、2Rに回転差を生じさせる。これにより、同軸二輪車10は、所望の車速度で所望の方向へ旋回走行する。
走行制御部51は、バランスを保ちつつ走行するための走行制御信号を非常に短い制御周期で生成する。
駆動させる車輪2L、2Rは右と左とで別々にあるため、走行制御信号としては右車輪用と左車輪用とが必要になる。このような走行制御信号により、同軸二輪車10を安定して走行させる。
また、走行制御部51は、速度提示制御部52にて生成される速度提示信号を前記走行制御信号に加算して駆動信号を生成する。そして、走行制御部51は、この駆動信号をそれぞれの駆動回路9L、9Rを介して車輪駆動ユニット3L、3Rに与え、車輪2L、2Rを駆動させる。
速度提示信号生成部54は、移動速度算出部53にて算出された移動速度に応じて、搭乗者に速度を提示するための速度提示信号を生成する。
速度提示信号生成部54には移動速度Vを数段階に区切る閾値が設定されており、各速度段階に応じた正弦波の振幅が設定されている。
速度提示信号生成部54は、移動速度算出部から時々刻々と送られてくる移動速度と各閾値とを比較して、その時の移動速度に応じた正弦波の振幅を求める。
速度提示信号生成部54は、求められた振幅の正弦波を表す信号を走行制御部51に出力する。
速度提示信号は、移動速度に対応した正弦波形を含み、移動速度の大きさと正弦波の振幅とが正の相関になっている。
この相関としては、正比例、一次関数、指数関数などが採用でき特に限定されるものではない。
なお、低速度(1km/hや2km/h)では速度の違いを搭乗者にそれほど認識させる必要はないが、中速から高速(6km/h)の域になると速度増加をはっきりと搭乗者に認識させることが好ましい。
このように速度域によって重み付けを変えていく場合には指数関数的な相関にすることが例として挙げられる。
ただし、搭乗者が同軸二輪車10を操縦するのに障害となるほどの大きな振幅が生じることは避ける必要があるため、振幅の上限を設定しておくことが好ましい。
また、右の車輪と左の車輪とがあるところ、右と左とでは同じ位相の正弦波とする。
例えば、車輪を正回転方向にだけ回す信号を走行制御信号に加算していくと、所望の速度からどんどん加速してしまい、速度制御もバランス制御も不安定になってしまう。
この点、速度提示信号を正負に均等に振れる信号とすることにより正方向に加えた分だけ等しく負方向に加えるので、搭乗者には振動として感じられても車両の走行速度やバランスには影響を与えないようにできる。
図6は、移動速度Vが一定の割合で増加するときの駆動制御信号の一例である。
図6に示されるように、走行を制御する走行制御信号に正弦波の速度提示信号が加算されて駆動制御信号が生成される。
走行制御信号は右車輪2Rと左車輪2Lとで別々であるので、右の走行制御信号と左の走行制御信号とにそれぞれ速度提示信号が加算されて、右の駆動信号と左の駆動制御信号とが生成されている。
右の車輪と左の車輪に速度提示信号としての同位相の正弦波が与えられるので、図7に示すように、搭乗者は前後の振動を足元に感じる。
(1)搭乗者に対して速度の変化を足元の振動によって伝えることができる。そのため、搭乗者は視線を進行方向に向けたままで現在の速度を認識することができる。同軸二輪車は歩行者が多数いるところで走行する可能性が高いのでインジケータ表示などを確認するために視線を進行方向からしばしば外したりすると事故に繋がる危険性が高いが、この点、本実施形態では足元の感覚で速度を認識できるため搭乗者は進行方向の安全に集中することができる。
次に、変形例1について説明する。
変形例1は、速度提示信号に含まれる正弦波の周期を移動速度Vに応じて変化させる点に特徴を有する。
図8は、一定割合で移動速度Vが増加するときの速度提示信号の例である。
図8に示されるように、移動速度の大きさと正弦波の周波数とに正の相関を持たせる。すなわち、移動速度Vの大きさと正弦波の周期Tとが反比例する関係になる。搭乗者はゆっくりした振動が小刻みな振動になってきたことを感知することにより、移動速度Vが速くなってきていることがわかる。
次に、変形例2について説明する。
変形例2は、速度提示信号の間欠時間TPが移動速度に応じて変化する点に特徴を有する。
図9は、一定割合で速度が増加するときの速度提示信号の例である。図9に示されるように、移動速度Vの大きさと間欠時間TPとに負の相関(例えば反比例)を持たせる。搭乗者は間欠時間が短くなってきたことで移動速度の増加を感知することができる。
次に、変形例3について説明する。
変形例3は、速度提示信号の位相が右車輪用と左車輪用とで180度ずれている点に特徴を有する。
図10は、右車輪用と左車輪用の速度提示信号の一例をそれぞれ示す図である。
図10に示されるように、右車輪用と左車輪用とで180度ずれた正弦波を速度提示信号とする。すると、図11に示すように、搭乗者には旋回方向にひねるような振動を足元に感じるようになる。このように右車輪2Rと左車輪2Lとで逆相(180°ずれ)の速度提示信号を与える場合でも図5,8,9で説明した速度提示信号を採用することができる。
なお、速度提示信号を左右で同相とするか逆相とするかを選択できるようになっていてもよい。
このように旋回方向にひねるような振動を搭乗者に与えることにより、第1実施形態のように前後方向の振動を与える場合よりもよりはっきりを搭乗者に速度変化を伝えることができる。
次に本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、速度提示信号を操作レバーアクチュエータに出力して操作レバーの振動によって速度変化を搭乗者に提示することに特徴を有する。
図12は、第2実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
操作レバー4は車両本体1に取り付けられているところ、操作レバー4はアクチュエータ41を介して取り付けられている。操作レバーアクチュエータ41は、ロール軸およびピッチ軸を回転軸として操作レバー4を揺動させるように設けられる。操作レバーアクチュエータ41は速度提示の振動を与えるためだけに設けられていてもよいが、パワーステアリングのように操縦を補助するための電動モータと兼用であってもよい。
なお、図5、8、9では右車輪用と左車輪用とで速度提示信号は同じなのでどちらを用いても変わりはない。
このような構成によれば、搭乗者は手元の振動の変化によって速度の変化を認知することができる。
また、搭乗者の手元に振動を与える構成としては、操作レバーのハンドル部にバイブレータを組み込んで、このバイブレータによって搭乗者の手元に振動を伝えてもよい。
次に本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、速度提示信号を搭乗者が携帯する外部振動装置に出力して、この外部振動装置の振動によって速度変化を搭乗者に提示することに特徴を有する。
図14は、第3実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
外部振動装置20は搭乗者が携帯する小型電子機器であり、電波信号の送受信機能と振動用モータとを内蔵している。
また、制御装置5は、図示しない電波送受信機を備えている。そして、速度提示信号生成部54は生成した速度提示信号を外部振動装置20に出力し、外部振動装置20を振動させる。搭乗者は、この振動によって速度を感知することができる。
図5、8、9では右車輪用と左車輪用とで速度提示信号は同じなのでどちらを用いても変わりはない。
なお、外部振動装置20を振動させる場合には、振動が正負に均等に振れていなくても走行に支障はなく、また、振動が大きすぎて走行に支障がでるといった問題もないため、振動周波数、振動時間および振幅などについては図5、8、9に倣いながらも振動用モータは一方向にだけ回転させればよい。
この携帯鍵に電波送受信機能と振動用モータとを内蔵することにより、速度提示を行う外部振動装置20として利用できる。
また、外部振動装置20としては、移動体通信端末(携帯電話機)としてもよい。移動体通信端末には電波送受信機能と振動用モータとが内蔵されているので、別途の費用をかけることなく速度提示を実現することができる。
上記実施形態では操作レバーが付いている同軸二輪車を例にして説明したが、第2実施形態を除いては例えば図15に示すような操作レバーがない同軸二輪車であってもよい。
この場合は、移動速度を速度提示信号に変換する乗算係数や変換式を設定しておき、逐次計算によって速度提示信号の振幅、周期(周波数)、間欠時間等を算出する。
なお、車両は非常に短い制御周期で制御しているため車両の速度は極めて早く変化する。
このように頻繁に大きく変動する移動速度に合わせて速度提示信号を連続的に変化させようとすると、演算不能になったり、出力が遅れたり、切り替わりが激しすぎて搭乗者が正確に現在の走行速度を認識できないという問題が生じる。そこで、速度提示信号を移動速度に合わせて連続的に変化させる場合には、移動速度算出部か速度提示信号生成部にローパスフィルタをつけることが好ましい。
Claims (7)
- 搭乗者が足を載せるステップを上面に有する車両本体と、
前記車両本体の走行方向と直交する方向の両側において同軸上に配置された一対の車輪と、
前記一対の車輪をそれぞれ駆動する一対の車輪駆動ユニットと、
前記車輪駆動ユニットに走行指令を与える走行制御部と、
当該同軸二輪車の移動速度を算出する移動速度算出手段と、
前記移動速度算出手段にて求められた移動速度を搭乗者に提示するための速度提示信号を生成する速度提示信号生成部と、を備え、
前記速度提示信号生成部は、前記移動速度に応じて変化する波形を含む速度提示信号を生成し、
前記走行制御部は、走行制御のための走行制御信号に前記速度提示信号を重ねた駆動制御制御信号を前記車輪駆動ユニットに与える
ことを特徴とする同軸二輪車。 - 請求項1に記載の同軸二輪車において、
前記速度提示信号は、移動速度応じて、振幅、周波数および間欠時間の1つ以上が変化する波形を含む
ことを特徴とする同軸二輪車。 - 請求項1または請求項2に記載の同軸二輪車において、
前記速度提示信号の前記波形は、正弦波である
ことを特徴とする同軸二輪車。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の同軸二輪車において、
前記一対の車輪のうちの一方の車輪に与えられる速度提示信号と他方の車輪に与えられる速度提示信号とは同相である
ことを特徴とする同軸二輪車。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の同軸二輪車において、
前記一対の車輪のうちの一方の車輪に与えられる速度提示信号と他方の車輪に与えられる速度提示信号とで、前記波形の位相が180°ずれている
ことを特徴とする同軸二輪車。 - 搭乗者が足を載せるステップを上面に有する車両本体と、
前記車両本体の走行方向と直交する方向の両側において同軸上に配置された一対の車輪と、
前記一対の車輪をそれぞれ駆動する一対の車輪駆動ユニットと、
搭乗者が手動操作するための操作レバーと、
前記車輪駆動ユニットに走行指令を与える走行制御部と、
当該同軸二輪車の移動速度を算出する移動速度算出手段と、
前記移動速度算出手段にて求められた移動速度を搭乗者に提示するための速度提示信号を生成する速度提示信号生成部と、を備え、
前記速度提示信号生成部は、前記移動速度に応じて変化する波形を含む速度提示信号を生成し、
前記速度提示信号は、前記操作レバーに設けられたモータに与えられる
ことを特徴とする同軸二輪車。 - 搭乗者が足を載せるステップを上面に有する車両本体と、
前記車両本体の走行方向と直交する方向の両側において同軸上に配置された一対の車輪と、
前記一対の車輪をそれぞれ駆動する一対の車輪駆動ユニットと、
前記車輪駆動ユニットに走行指令を与える走行制御部と、
当該同軸二輪車の移動速度を算出する移動速度算出手段と、
前記移動速度算出手段にて求められた移動速度を搭乗者に提示するための速度提示信号を生成する速度提示信号生成部と、を備え、
前記速度提示信号生成部は、前記移動速度に応じて変化する波形を含む速度提示信号を生成し、
前記速度提示信号は、搭乗者が携帯する外部振動装置に出力される
ことを特徴とする同軸二輪車。
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