JP2007118833A - 操舵制御装置及びステアリング保持位置検出装置 - Google Patents

操舵制御装置及びステアリング保持位置検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ステアリングホイールの持ち位置や持ち方に応じて操舵特性の最適化を図ること。
【解決手段】操舵アシストトルクを発生させる操舵アシスト手段15の制御を行う操舵アシスト制御手段(モータ制御手段33)と、少なくとも運転者の操舵操作に応じて操舵アシストトルクを設定する操舵アシストトルク設定手段31と、運転者によるステアリングホイール11の持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段34と、このステアリング保持位置判定手段34による判定の結果、運転者がステアリングホイール11の操舵し難い位置を持っているときに操舵アシストトルク設定手段31により設定された操舵アシストトルクを増大させる操舵アシストトルク補正手段35とを設けること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、操舵アシスト力を発生させるパワーステアリング装置や操舵角度に対する操舵輪の転舵角度を変化させるステアリングギヤ比可変装置の制御を実行する操舵制御装置、及びこの操舵制御装置の制御実行時に用いる運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方の検出を行うステアリング保持位置検出装置に関する。
従来、操舵時に操舵アシストトルクを発生させて運転者による操舵トルクを軽減させる操舵装置(所謂パワーステアリング装置)が知られている。一般に、この種の操舵装置においては、操舵制御装置が運転者の操舵トルクや車速に応じて操舵アシストトルクを設定し、その設定された操舵アシストトルクを発生させるように操舵制御装置によって制御される。例えば、この種の操舵装置としては下記の特許文献1に開示されている。
また、近年の操舵装置においては、ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵輪の転舵角度を決めるギヤ比の変更を行うステアリングギヤ比可変装置が具備されたものが知られている。例えば、この種の操舵装置としては下記の特許文献2に開示されている。
特開2003−312511号公報 特開平11−1176号公報 特開平4−31081号公報 特開2003−535757号公報 特開平5−310130号公報 特開2003−63432号公報
しかしながら、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方は必ずしも一定ではなく、その持ち位置等の違いによって運転者による操舵のし易さが異なるので、その持ち位置等を考慮せずに操舵アシストトルクを一律の値に設定してしまうと、運転者は操舵し難い位置を持ったときに良好な操舵感を得ることができない。例えば、片手でステアリングホイールを保持している場合には、両手持ちのときと比して操舵アシストトルクが足りないので大きな力で操舵する必要がある。
また、ステアリングホイールの持ち位置等を考慮せずにギヤ比を一律の値に設定してしまうと、運転者が操舵し難い位置を持ったときには、操舵し易い位置を持ったときよりも操舵量が少なくなり、操舵輪に対して所望の転舵角度を与えることができない。
このように、従来は、ステアリングホイールの持ち位置等によって運転者の感じる操舵特性に違いが生じてしまっている。これが為、かかる不都合を改善する為には、運転者によるステアリングホイールの持ち位置等を正確に把握する必要がある。
ここで、上記特許文献3にはステアリングホイールのリング部に圧力センサを設け、そのリング部を握る握力に応じて操舵反力を変更する技術が開示されており、また、これと同様に、そのリング部又はその一部に圧力センサを設ける技術が上記特許文献4又は特許文献5に開示されている。
しかしながら、その特許文献3〜5の如き構成によれば、上下左右等の様々なステアリングホイールの保持位置を検出する為には圧力センサをリング部の全周に渡って配設しなければならず、多数の圧力センサを用意しなければならないので原価が大幅に高騰してしまう。また、多数の圧力センサをリング部に設けると、重量も大幅に増加してステアリングホイールの慣性モーメントが増加するなどの不都合をも招いてしまう。
尚、上記特許文献6には、車線維持制御機能を有する操舵装置において、ステアリングホイールの保持力が低下した際に操舵アシストトルクを減少させる技術が開示されている。
一方、運転者が操舵し難い位置を持ったときに運転者の感じる操舵特性を良好にするとの考えとは逆に、車輌の挙動の安定化等のような安全性の面から見ると、操舵し難い位置を持ったときに操舵し易くさせない方が好ましい場合もある。例えば、操舵し難いからといって操舵アシストトルクを増大させたり、ギヤ比を高くしたりすると、安易に操舵輪が転舵されて車輌の挙動が不安定になる虞がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、ステアリングホイールの持ち位置等に応じて操舵特性の最適化を図り得る操舵制御装置を提供すると共に、軽量且つ安価なステアリング保持位置検出装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、操舵アシストトルクを発生させる操舵アシスト手段の制御を行う操舵アシスト制御手段と、少なくとも運転者の操舵操作に応じて操舵アシストトルクを設定する操舵アシストトルク設定手段と、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、このステアリング保持位置判定手段による判定の結果、運転者がステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときに操舵アシストトルク設定手段により設定された操舵アシストトルクを増大させる操舵アシストトルク補正手段と、を設けている。
この請求項1記載の操舵制御装置によれば、運転者がステアリングホイールの操舵し難い位置を持っている場合には、操舵アシストトルクの増大に伴って軽い力でのステアリングホイールの操舵が可能になる。
ここで、例えば、その操舵アシストトルク補正手段は、請求項2記載の発明の如く、ステアリング保持位置判定手段が片手でステアリングホイールを保持していると判定したときに、両手持ちの場合よりも操舵アシストトルクを増大させるよう構成することが好ましい。
また、その操舵アシストトルク補正手段は、請求項3記載の発明の如く、ステアリング保持位置判定手段がステアリングホイールの下側を保持していると判定したときに、ステアリングホイールの上側を保持している場合よりも操舵アシストトルクを増大させるよう構成することが好ましい。
更に、請求項4記載の発明の如く、複数の判定結果の変位からステアリングホイールの回転方向を検出して当該回転方向が片手で操舵し難いものであるか否か判定するようステアリング保持位置判定手段を構成し、このステアリング保持位置判定手段が片手で操舵し難い方向であると判定したときに操舵アシストトルクを増大させるよう操舵アシストトルク補正手段を構成することが好ましい。
また、上記目的を達成する為、請求項5記載の発明では、操舵アシストトルクを発生させる操舵アシスト手段の制御を行う操舵アシスト制御手段と、少なくとも運転者の操舵操作に応じて操舵アシストトルクを設定する操舵アシストトルク設定手段と、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、このステアリング保持位置判定手段による判定の結果、運転者がステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときに操舵アシストトルク設定手段により設定された操舵アシストトルクを減少させる操舵アシストトルク補正手段と、を設けている。
この請求項5記載の操舵制御装置によれば、運転者がステアリングホイールの操舵し難い位置を持っている場合には、操舵アシストトルクの減少に伴ってステアリングホイールが重くなり、運転者は大きな操舵トルクをステアリングホイールに入力しなければ操舵輪を転舵させることができなくなる。
また、上記目的を達成する為、請求項6記載の発明では、ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵輪の転舵角度を決めるギヤ比を変更するステアリングギヤ比可変装置の制御を行うステアリングギヤ比制御手段と、少なくとも車速に応じて前記ギヤ比を設定するステアリングギヤ比設定手段と、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、このステアリング保持位置判定手段による判定の結果、運転者がステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときにステアリングギヤ比設定手段により設定されたギヤ比をハイギヤード化するステアリングギヤ比補正手段と、を設けている。
この請求項6記載の操舵制御装置によれば、運転者がステアリングホイールの操舵し難い位置を持っている場合には、ギヤ比のハイギヤード化に伴って少ない操舵量で操舵輪を所望の操舵角度まで転舵させることができる。
また、上記目的を達成する為、請求項7記載の発明では、ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵輪の転舵角度を決めるギヤ比を変更するステアリングギヤ比可変装置の制御を行うステアリングギヤ比制御手段と、少なくとも車速に応じて前記ギヤ比を設定するステアリングギヤ比設定手段と、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、このステアリング保持位置判定手段による判定の結果、運転者がステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときにステアリングギヤ比設定手段により設定されたギヤ比をローギヤード化するステアリングギヤ比補正手段と、を設けている。
この請求項7記載の操舵制御装置によれば、運転者がステアリングホイールの操舵し難い位置を持っている場合には、ギヤ比のローギヤード化に伴って操舵輪の転舵角度が小さくなる。
更に、上記目的を達成する為、請求項8記載の発明では、ステアリングホイールに力が掛かったときの当該ステアリングホイールの回転軸に対する傾きを検出するステアリング保持位置検出手段と、その検出結果に基づいて運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、を設けている。
この請求項8記載のステアリング保持位置検出装置によれば、運転者がステアリングホイールを保持した際に掛かる力でステアリングホイールを傾斜させるので、その傾斜を見ることによって運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を把握することができる。
ここで、そのステアリング保持位置検出手段としては、請求項9記載の発明の如く、ステアリングホイールの回転軸と交わる当該ステアリングホイール上の平面と当該平面に対向するステアリングコラム上の平面との間で且つステアリングセンタにて前記回転軸を中心に少なくとも上下又は左右に配置した圧力センサを用いることが好ましい。これにより、必要最小限の数の圧力センサでステアリングホイールの持ち位置等を検出することができるので、原価の高騰や重量増加に伴うステアリングホイールの慣性モーメントの増加を効果的に抑えることができる。
本発明に係る操舵制御装置によれば、ステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときに操舵アシストトルクを増大させることで、運転者は、ステアリングホイールの持ち位置等に拘わらず操舵し易くなり良好な操舵感を得ることができる。また、本発明に係る操舵制御装置によれば、ステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときにギヤ比をハイギヤード化することで、少ない操舵量で操舵輪を所望の操舵角度まで転舵させることができ、ステアリングホイールの持ち位置等に影響されることのない車輌の回頭性能を得ることができる。
一方、これらとは逆に、本発明に係る操舵制御装置は、ステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときに操舵アシストトルクを減少させることで、又は、ステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときにギヤ比をローギヤード化することで、安易に操舵輪が転舵されなくなるので、車輌挙動を不安定にさせる状況が回避されて安全性が向上する。また、そのように操舵し難いことから操舵し易いステアリングホイールの正しい位置を持って運転するように運転者に注意を喚起することもできる。
また、本発明に係るステアリング保持位置検出装置によれば、ステアリングホイールの傾斜に基づいて運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を把握するので、従来の如く多数のセンサを用いずともよく、原価の高騰や重量増加に伴うステアリングホイールの慣性モーメントの増加を抑えることができる。
以下に、本発明に係る操舵制御装置及びステアリング保持位置検出装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る操舵制御装置及びステアリング保持位置検出装置の実施例1を図1から図5に基づいて説明する。
最初に、本実施例1の操舵制御装置の制御対象たる操舵装置の構成について説明する。
この操舵装置には、運転者が操作するステアリングホイール11と、このステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12と、このステアリングシャフト12の操舵トルクを左右の操舵輪20L,20R側へと伝達する操舵トルク伝達手段13及びタイロッド14L,14Rとが設けられている。
ここで、その操舵トルク伝達手段13は、ステアリングシャフト12の先端に配設されたピニオンギヤ13aと当該ピニオンギヤ13aに噛み合うラックギヤ13bとで構成された所謂ラック&ピニオン機構である。この操舵装置においては、そのラックギヤ13bの両端に左右のタイロッド14L,14Rが連結され、これら各タイロッド14L,14Rに連結された各操舵輪20L,20Rをラックギヤ13bの移動と共に転舵させる。
また、この操舵装置には、少なくとも運転者の操舵操作に応じた操舵アシストトルク(操舵アシスト力)を発生させる操舵アシスト手段15が設けられている。この操舵アシスト手段15は、ステアリングシャフト12上に配設され、図1に示す電子制御装置(ECU)30により駆動制御される。
例えば、ここで例示する操舵アシスト手段15は、図示しない電動モータ,この駆動モータに駆動電流を供給するモータ駆動回路及び電動モータの出力軸に連結され且つステアリングシャフト12上に取り付けられた減速機を備えている。この種の操舵アシスト手段15においては、電子制御装置30の駆動信号に応じた駆動電流をモータ駆動回路から電動モータへと供給し、これにより駆動させられた電動モータの駆動力が減速機を介してステアリングシャフト12に伝達される。
本実施例1の電子制御装置30は、その制御手段の1つとして以下に示す操舵装置(具体的には、操舵アシスト手段15)を制御する為のものを備えており、この制御手段が本実施例1における操舵制御装置として機能する。
先ず、この電子制御装置30には、少なくとも運転者の操舵操作に応じて(ここでは、車速及び運転者の操舵トルクに応じて)操舵アシストトルクの設定を行う操舵アシストトルク設定手段31が設けられている。この操舵アシストトルク設定手段31は、路面反力の大きい低速の場合には大きな値の操舵アシストトルクを設定し、高速の場合には走行安定性を確保する為に小さな値の操舵アシストトルクを設定するよう構成されている。また、この操舵アシストトルク設定手段31は、運転者の操舵トルクが大きいほど大きな値の操舵アシストトルクが設定されるよう構成されている。ここで、かかる設定時に用いる車速と運転者の操舵トルクは、例えば、各々に、車輌に具備されている車速センサ41の検出信号、ステアリングシャフト12上に配設された操舵トルクセンサ42の検出信号から検出することができる。
一方、この電子制御装置30には、操舵アシストトルク発生時の操舵安定性や操舵感を向上させる為の操舵減衰トルク(操舵減衰力)の設定を行う操舵減衰トルク設定手段32が設けられている。この操舵減衰トルクとは、車速及び運転者の操舵速度に応じて設定される値であり、操舵アシストトルクとは反対方向のトルクとして求められるものである。この操舵減衰トルク設定手段32は、低速の場合には小さな減衰量となる操舵減衰トルクを設定し、高速の場合には大きな減衰量となる操舵減衰トルクを設定するよう構成されている。また、この操舵減衰トルク設定手段32は、運転者の操舵速度が速いほど大きな減衰量となる操舵減衰トルクを設定するよう構成されている。ここで、かかる設定時に用いる運転者の操舵速度は、例えば、ステアリングシャフト12上に配設された操舵角センサ43の検出信号に基づいて算出することができる。
電子制御装置30は、操舵アシストトルク設定手段31と操舵減衰トルク設定手段32とにより操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを設定し、この操舵アシストトルクと操舵減衰トルクに応じて操舵アシスト制御手段(図1に示すモータ制御手段33)が操舵アシスト手段15の電動モータを制御する。このモータ制御手段33は、そのような操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを発生させるべくモータ駆動回路に対して駆動信号を送信する。
ところで、運転者によるステアリングホイール11の持ち位置と両手や片手等の持ち方は、運転者毎に様々である。また、同じ運転者であっても、例えば道路状況等の周辺環境や気分に応じてステアリングホイール11の持ち位置や持ち方を変える場合がある。これが為、上述した操舵アシストトルクや操舵減衰トルクを運転者のステアリングホイール11の持ち位置等に拘わらず一律のものとすると、ある持ち位置等においては良好な操舵感を得られるが、別の持ち位置等では良好な操舵感を得られない場合もある。例えば、ステアリングホイール11の左右を両手で保持しているときに良好な操舵感を得られる大きさの操舵アシストトルクや操舵減衰トルクは、その何れか一方を片手で保持しているときにはトルク不足となって良好な操舵感が得られない。
そこで、本実施例1の電子制御装置30には、運転者によるステアリングホイール11の持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段34と、その判定結果に応じて操舵アシストトルク及び操舵減衰トルクの設定値を各々補正する操舵アシストトルク補正手段35及び操舵減衰トルク補正手段36とが設けられている。
そのステアリング保持位置判定手段34は、ステアリング保持位置検出手段16の検出結果に基づいてステアリングホイール11の持ち位置や持ち方を判定する。そのステアリング保持位置検出手段16は、ステアリングホイール11に力が掛かったときの当該ステアリングホイール11の回転軸(ステアリングシャフト12)に対する傾きを検出するものである。例えば、本実施例1のステアリング保持位置検出手段16としては、ステアリングホイール11に掛かる運転者の保持圧力の検出を行う圧電素子等の圧力センサを用いる。具体的に、本実施例1にあっては、図2及び図3に示す如く、ステアリングコラム17におけるステアリングホイール11との取付面に第1から第4の圧力センサ16a〜16dを配備している。これら第1から第4の圧力センサ16a〜16dは、ステアリングシャフト12を中心に等間隔で放射状にステアリングホイール11の中立位置(ステアリングセンタ)にて上下左右に振り分けて配置される。
例えば、図4に示す如く第1及び第3の圧力センサ16a,16cの波形(検出信号)が大きくなっているときには、運転者がステアリングホイール11の左右上側を両手で保持していると判定することができる。
また、かかる状態から左手を放したときには図4に示す如く第3圧力センサ16cの検出信号が小さくなるのでこれを判定することができ、更に、右手をステアリングホイール11の右方下側へと持ち替えたときには、第1圧力センサ16aの検出信号が小さくなる一方で第2圧力センサ16bの検出信号が大きくなるのでこれを判定することができる。
更にまた、その右手でステアリングホイール11を押し舵したときには、右手が右方下側から右方上側へと移動して第1圧力センサ16aの検出信号が大きくなる一方で第2圧力センサ16bの検出信号が小さくなるので、ステアリングホイール11の持ち位置や持ち方だけでなく回転方向も判り、押し舵であると判定することができる。即ち、このステアリング保持位置判定手段34は、その複数の判定結果の変位,換言すれば、第1から第4の圧力センサ16a〜16dの各々の圧力値の変位からステアリングホイール11の回転方向を検出し、その回転方向が片手で操舵し難いものであるか否か(押し舵であるか引き舵であるか)を判定するように構成されている。
このように、本実施例1にあっては、上述したステアリング保持位置検出手段16(第1から第4の圧力センサ16a〜16d)と電子制御装置30のステアリング保持位置判定手段34とによりステアリング保持位置検出装置が構成されている。
続いて、操舵アシストトルク補正手段35と操舵減衰トルク補正手段36について説明する。
ここで、上述した本実施例1の操舵アシストトルク設定手段31と操舵減衰トルク設定手段32は、運転者がステアリングホイール11を両手で保持しているときに良好な操舵感となる操舵アシストトルク及び操舵減衰トルクが設定されるよう構成する。これが為、そのようなステアリングホイール11の保持状態で操舵を行うときには、設定された操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを補正する必要はない。
しかしながら、運転者がステアリングホイール11の操舵し難い位置を持っている場合には、その設定された操舵アシストトルクと操舵減衰トルクではトルク不足となり、その不足分を補わなければ良好な操舵感を得ることができない。これが為、操舵アシストトルク補正手段35と操舵減衰トルク補正手段36の各々には、設定された操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを増大させる必要がある。
例えば、そのステアリングホイール11を片手で保持して操舵する場合には、両手で操舵するときよりも操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを増大させることが好ましい。これは、ステアリングホイール11やステアリングシャフト12等からなるステアリング系の全体的な剛性や減衰には運転者の腕の分の剛性や減衰も含まれるが、片手をステアリングホイール11から放すと、その手放した腕の分の剛性や減衰が減り、ステアリング系の全体的な剛性や減衰が減少してしまうからである。これが為、本実施例1の操舵アシストトルク補正手段35と操舵減衰トルク補正手段36には、その減少した片腕分の剛性や減衰を補う為に、操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを増大させる。
また、片手持ちではステアリングホイール11に入力できる操舵トルクが両手持ちよりも小さくなる。これが為、例えば本実施例1の操舵アシストトルク補正手段35には、片手による小さな操舵トルクで両手持ちと同じ転舵角度を操舵輪20L,20Rに与えるべく両手持ちよりも操舵アシストトルクを増大させる。更にまた、片手持ちでは両手持ちよりも操舵時の精度や正確性に欠けるので、ステアリングホイール11を切り込み過ぎたり、その逆に切り戻し過ぎたりする場合があり、これを修正する為の操舵が多くなる。これが為、本実施例1の操舵減衰トルク補正手段36には、そのような修正操舵を抑える為に操舵減衰トルクを増大させる。
ここで、片手持ちでステアリングホイール11を保持しているときには必ず上記の如く操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを増大させてもよいが、その増大制御の要否を片手で操舵し難い方向であるか否か(即ち、片手による押し舵であるか引き舵であるか)という操舵方向に応じて使い分けてもよい。即ち、片手で押し舵を行う場合には、引き舵を行うときよりも大きな操舵トルクをステアリングホイール11に入力しなければならず、運転者はその際の操舵力を重く感じるので操舵し難い。これが為、押し舵と引き舵とで操舵感の差を小さくする為には、押し舵を行うときに操舵アシストトルクを増大させることが好ましい。そこで、本実施例1の操舵アシストトルク補正手段35と操舵減衰トルク補正手段36は、片手で押し舵を行う場合に操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを増大させるよう構成する。
更に、両手で保持しているか片手で保持しているかに拘わらず、ステアリングホイール11の上側を保持しているときには、その保持状態にて操舵方向へとステアリングホイール11に余計な力が掛かり難い一方で操舵時には操舵方向へと力を入れ易い。その反面、ステアリングホイール11の下側を保持して操舵するときには、上側を保持している場合に比べて大きな操舵トルクをステアリングホイール11に入力しなければならず、運転者はその際の操舵力を重く感じる。これが為、上側を保持して操舵する場合と下側を保持して操舵する場合とで操舵感の差を小さくする為には、下側を保持して操舵する際に操舵アシストトルクを増大させることが好ましい。そこで、本実施例1の操舵アシストトルク補正手段35と操舵減衰トルク補正手段36は、下側を保持して操舵するときに操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを増大させるよう構成する。
例えば、本実施例1の操舵アシストトルク補正手段35と操舵減衰トルク補正手段36は、夫々に上記のステアリング保持状態に応じて予め所定の補正係数を定めておき、これを設定された操舵アシストトルクと操舵減衰トルクに乗算することによって補正値を求めてもよく、また、夫々に上記のステアリング保持状態に応じて予め所定の補正項を定めておき、これを設定された操舵アシストトルクと操舵減衰トルクに加算することによって補正値を求めてもよい。また、この操舵アシストトルク補正手段35と操舵減衰トルク補正手段36は、補正を要する上記のステアリング保持状態のときに、その圧力値に応じて所定のマップから補正係数や補正項を求め、これに基づいて補正値の算出を行ってもよい。
以下に、本実施例1における操舵制御装置の動作について図5のフローチャートに基づき説明する。
先ず、電子制御装置30のステアリング保持位置判定手段34は、イグニッションON信号を検出した際に(ステップST10)ステアリングホイール11から両手を放すよう運転者に対して指示し(ステップST20)、その後に第1から第4の圧力センサ16a〜16dの検出信号を検出して夫々の圧力値を初期化(ゼロリセット)する(ステップST30)。そして、このステアリング保持位置判定手段34は、両手でステアリングホイール11を保持するよう運転者に対して指示し(ステップST40)、その状態での第1から第4の圧力センサ16a〜16dの検出信号を当該運転者のステアリングホイール11の保持時における圧力基準値(以下、「ステアリングホイール圧力基準値」という。)として電子制御装置30の記憶装置に記録する(ステップST50)。
ここで、そのステップST20,ST40における運転者に対しての指示は、例えば、カーナビゲーションシステムのモニタや車輌状態を表示するモニタ、インスツルメンタルパネル等に表示される。
続いて、電子制御装置30は、車速センサ41,横加速度センサ44やヨーレートセンサ45等の検出信号、車輪のスリップ角等から車輌の走行状態が安定状態にあるか否か判断する(ステップST60)。
ここで、車輌の走行状態が安定していれば、この電子制御装置30のステアリング保持位置判定手段34は、その安定状態での第1から第4の圧力センサ16a〜16dの検出信号と上記ステップST50で記録したステアリングホイール圧力基準値とを第1から第4の圧力センサ16a〜16d毎に比較して、そのステアリングホイール圧力基準値に対する圧力値の増減を第1から第4の圧力センサ16a〜16d毎に算出する(ステップST70)。
しかる後、このステアリング保持位置判定手段34は、そのステップST70の算出結果に基づいてステアリングホイール11の左右何れか一方に偏って圧力が分布しているか否か判断する(ステップST80)。
そして、このステップST80にて肯定判定が為された場合、電子制御装置30のステアリング保持位置判定手段34は、上記ステップST70と同様に第1から第4の圧力センサ16a〜16dにおける圧力値の増減の算出を行い(ステップST90)、その第1から第4の圧力センサ16a〜16d毎に上記ステップST70とステップST90の算出結果を比較して、その第1から第4の圧力センサ16a〜16dの各々の圧力値の変位から押し舵か否かを判断する(ステップST100)。
また、上記ステップST80にて否定判定が為された場合(即ち、ステアリングホイール11を両手持ちしている場合又はステアリングホイール11の上下の何れかを持っている場合)には、ステアリング保持位置判定手段34は、ステップST70の算出結果に基づいてステアリングホイール11の下側に偏って圧力が分布しているか否か判断する(ステップST110)。
本実施例1の電子制御装置30は、上記ステップST100にて肯定判定(押し舵と判断)された場合又は上記ステップST110にて肯定判定(ステアリングホイール11の下側保持と判断)された場合、その夫々の場合に応じて、その操舵アシストトルク補正手段35により、操舵アシストトルク設定手段31が設定した操舵アシストトルクを増大させるよう補正すると共に、その操舵減衰トルク補正手段36により、操舵減衰トルク設定手段32が設定した操舵減衰トルクを増大させるよう補正する(ステップST120)。
これにより、押し舵又は下側を保持して操舵する場合に軽い力で操舵できるようになり、押し舵と引き舵との間、又は上側を保持して操舵する場合と下側を保持して操舵する場合との間で操舵感の差が小さくなる。
一方、この電子制御装置30は、そのステップST100にて否定判定(引き舵と判断)された場合又はステップST110にて否定判定(ステアリングホイール11の左右を両手で保持、ステアリングホイール11の上側保持と判断)された場合、操舵アシストトルクや操舵減衰トルクの補正を行わずに(ステップST130)上記ステップST60に戻る。
また、この電子制御装置30は、上記ステップST60にて否定判定された場合、上記ステップST130へと進んでもよいが、走行状態が不安定なときには例えばカウンターステアを当て易いように軽い力で運転者に操舵させることが好ましいときもある。これが為、本実施例1にあっては、かかる場合に操舵アシストトルク補正手段35に操舵アシストトルクの増大制御を実行させる(ステップST140)。
本実施例1の電子制御装置30は、上記ステップST60〜ST140までをイグニッションOFF信号が検出されるまで繰り返す。
以上示した如く、本実施例1の操舵制御装置によれば、運転者がステアリングホイール11の操舵し難い位置を持っていたとしても軽い力で操舵し易くなるので、ステアリングホイール11の持ち位置や持ち方に拘わらず常に同等の良好な操舵感を運転者は得ることができる。特に、上述した操舵アシストトルク及び操舵減衰トルクの補正制御を微操舵時(即ち、操舵角度が小さいとき)に行うことによって、ステアリングホイール11の持ち位置等に拘わらず修正操舵が容易になるので、頻繁に修正操舵を行うことのない最適な操舵感を運転者に与えることができる。
ところで、本実施例1にあっては、ステアリングシャフト12を中心に等間隔で放射状にステアリングホイール11の中立位置にて上下左右に振り分けて第1から第4の圧力センサ16a〜16dを配置しているが、圧力センサは、少なくともその上下又は左右に2つずつ配置していればよい。但し、ステアリングホイール11の持ち位置等の検出精度を高める為には、本実施例1の如く圧力センサを4つ又はそれ以上配置することが好ましい。
尚、本実施例1にあってはステアリングシャフト12上に操舵アシスト手段15を配備しているが、この操舵アシスト手段15は、操舵トルク伝達手段13のハウジング内に内蔵してもよい。
次に、本発明に係る操舵制御装置及びステアリング保持位置検出装置の実施例2を図6に基づいて説明する。
本実施例2の操舵制御装置及び操舵装置は、基本的に前述した実施例1と同様に構成されているが、以下の理由から電子制御装置30の操舵アシストトルク補正手段35及び操舵減衰トルク補正手段36を後述するが如く変更している。また、本実施例2のステアリング保持位置検出装置については、前述した実施例1と同様のものが用意されている。
ここで、前述した実施例1においては、ステアリングホイール11の持ち位置や持ち方に拘わらず同等の良好な操舵感を運転者に与える為、運転者がステアリングホイール11の操舵し難い位置を持ったときに操舵アシスト手段15の設定された操舵アシストトルクと操舵減衰トルクを増大させている。しかしながら、そのような操舵し難い位置を持っているときに軽い力で操舵できるようにしてしまうことは、別の観点から見ると、車輌の挙動を不安定にしてしまうなど、安全性の面から好ましくないと捉えることもできる。
そこで、本実施例2にあっては、実施例1と同様の操舵アシストトルク及び操舵減衰トルクの補正制御を要する場合に、その操舵アシストトルク及び操舵減衰トルクを設定値よりも減少させて軽い力では操舵し難くさせるよう操舵アシストトルク補正手段35及び操舵減衰トルク補正手段36を構成する。
この本実施例2における操舵制御装置は、図6のフローチャートに示す如く動作する。尚、この図6におけるステップST10〜ST110までは実施例1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施例2の電子制御装置30は、ステップST100にて肯定判定(押し舵と判断)された場合又は上記ステップST110にて肯定判定(ステアリングホイール11の下側保持と判断)された場合、その夫々の場合に応じて、その操舵アシストトルク補正手段35により、操舵アシストトルク設定手段31が設定した操舵アシストトルクを減少させるよう補正すると共に、その操舵減衰トルク補正手段36により、操舵減衰トルク設定手段32が設定した操舵減衰トルクを減少させるよう補正する(ステップST220)。
一方、この電子制御装置30は、そのステップST100にて否定判定(引き舵と判断)された場合又はステップST110にて否定判定(ステアリングホイール11の左右を両手で保持、ステアリングホイール11の上側保持と判断)された場合、実施例1と同様に、操舵アシストトルクや操舵減衰トルクの補正を行わずに(ステップST230)上記ステップST60に戻る。
また、この電子制御装置30は、ステップST60にて否定判定された場合、上記ステップST230へと進んでもよいが、走行状態が不安定なときには上記ステップST220のときと同様の考え方を取り入れて、操舵アシストトルク補正手段35に操舵アシストトルクの減少制御を実行させる(ステップST240)。
以上示した如く、本実施例2の操舵制御装置によれば、押し舵又は下側を保持して操舵する場合に、更には走行状態が不安定のときにステアリングホイール11が重くなり、両手持ち等の操舵し易い持ち位置や持ち方のときと比して大きな操舵トルクをステアリングホイール11に入力しなければ操舵輪20L,20Rを転舵させることができない。これが為、車輌挙動を不安定にさせる状況を回避することができるので安全性が向上し、また、そのように操舵し難いことから操舵し易いステアリングホイール11の正しい位置を持って運転するように運転者に注意を喚起することもできる。
次に、本発明に係る操舵制御装置及びステアリング保持位置検出装置の実施例3を図7及び図8に基づいて説明する。
本実施例3の操舵装置は、基本的に前述した実施例1と同様に構成され、更に、ステアリングホイール11の操舵角度に対する操舵輪20L,20Rの転舵角度を決めるギヤ比の変更を行うステアリングギヤ比可変装置を備えている。尚、本実施例3の操舵装置にあっては、操舵アシスト手段15を操舵トルク伝達手段13のハウジング内に内蔵したものとして例示する。また、本実施例3のステアリング保持位置検出装置については、前述した実施例1と同様のものが用意されている。
本実施例3にあっては、ステアリングシャフト12を図7に示す如く入力軸12a,中間軸12b及び出力軸12cに分割している。そして、本実施例3のステアリングギヤ比可変装置は、ステアリングホイール11に連結された入力軸12aの回転を任意のギヤ比で中間軸12bに伝達する可変ギヤ比アクチュエータ51と、その中間軸12bの回転を固定のギヤ比で出力軸12cに伝達する固定ギヤ比機構52とを備えている。
ここで、その可変ギヤ比アクチュエータ51のギヤ比は、電子制御装置30のステアリングギヤ比設定手段37により設定され、その結果に基づいてステアリングギヤ比制御手段38によりギヤ比が変更される。
例えば、そのステアリングギヤ比設定手段37は、少なくとも車速に応じて可変ギヤ比アクチュエータ51のギヤ比の設定を行う。具体的には、基本ギヤ比に設定されている所定の車速よりも低速であれば、その基本ギヤ比よりも高い範囲内のギヤ比を選択して設定する。これにより、ステアリングホイール11の操舵角度に対する操舵輪20L,20Rの転舵角度が大きくなるので、運転者の操舵量を低減させることができると共に、車輌の回頭性能を向上させることができる。一方、その所定の車速よりも高速であれば、基本ギヤ比よりも低い範囲内のギヤ比を選択して設定する。これにより、ステアリングホイール11の操舵角度に対する操舵輪20L,20Rの転舵角度が小さくなるので、高速走行時の走行安定性能を高めることができる。
ところで、運転者がステアリングホイール11の操舵し難い位置を持っている場合には、操舵し易い位置を持っているときよりも操舵量が少なくなる。従って、ステアリングホイール11の持ち位置や持ち方によっては、同じ操舵角度をステアリングホイール11に与えようとしても所望の操舵角度まで操舵させることができない。これが為、そのような操舵し難い位置を持っている場合には、操舵輪20L,20Rの転舵角度が操舵し易い位置を持っているときよりも小さくなってしまうので、設定されたギヤ比よりも高いギヤ比へと変更して、ステアリングホイール11の操舵角度に対する操舵輪20L,20Rの転舵角度を設定値よりも大きくすることが好ましい。
そこで、本実施例3の電子制御装置30には、運転者がステアリングホイール11の操舵し難い位置を持っているときに、設定されたギヤ比をこれよりも高いギヤ比へと補正する(ハイギヤード化する)ステアリングギヤ比補正手段39を設けている。また、この電子制御装置30には、ステアリングホイール11の持ち位置や持ち方を判定する実施例1と同様のステアリング保持位置判定手段34も備えている。
ここで、そのステアリングギヤ比補正手段39には、片手でステアリングホイール11を保持していると判定された場合、ステアリングホイール11の下側を保持していると判定された場合にかかるギヤ比の補正を行わせる。例えば、片手でステアリングホイール11を保持しているときには、両手持ちと同等の転舵角度を操舵輪20L,20Rに与えることができるようギヤ比を高くし、また、ステアリングホイール11の下側を保持しているときには、ステアリングホイール11の上側を保持しているときと同等の転舵角度を操舵輪20L,20Rに与えることができるようギヤ比を高くする。
このステアリングギヤ比補正手段39は、例えば、上記のステアリング保持状態に応じて予め所定の補正係数を定めておき、これを設定されたギヤ比に乗算することによって補正値を求めてもよく、また、夫々に上記のステアリング保持状態に応じて予め所定の補正項を定めておき、これを設定されたギヤ比に加算することによって補正値を求めてもよい。また、このステアリングギヤ比補正手段39は、補正を要する上記のステアリング保持状態のときに、その圧力値に応じて所定のマップから補正係数や補正項を求め、これに基づいて補正値の算出を行ってもよい。
本実施例3にあっては、上述したステアリング保持位置判定手段34,ステアリングギヤ比設定手段37,ステアリングギヤ比制御手段38及びステアリングギヤ比補正手段39により操舵制御装置が構成されている。
以下に、本実施例3における操舵制御装置の動作について図8のフローチャートに基づき説明する。尚、この図8におけるステップST10〜ST80まで及びステップST110は実施例1,2と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施例3の電子制御装置30は、ステップST80にて肯定判定(ステアリングホイール11を片手で保持と判断)された場合又はステップST110にて肯定判定(ステアリングホイール11の下側保持と判断)された場合、その夫々の場合に応じて、そのステアリングギヤ比補正手段39により、ステアリングギヤ比設定手段37によって設定されたギヤ比を高ギヤ比側へと補正する(ステップST320)。
これにより、片手持ちと両手持ちとの間又は上側保持と下側保持との間で操舵輪20L,20Rに与えられる転舵角度の差が小さくなる。
一方、この電子制御装置30は、そのステップST110にて否定判定(ステアリングホイール11の左右を両手で保持、ステアリングホイール11の上側保持と判断)された場合、ギヤ比の補正を行わずに(ステップST330)上記ステップST60に戻る。
また、この電子制御装置30は、ステップST60にて否定判定された場合、上記ステップST330へと進んでもよいが、走行状態が不安定なときには例えばカウンターステアを当て易いように小さな操舵角度で大きな転舵角度を与える方が好ましいときもある。これが為、本実施例3にあっては、かかる場合に上記ステップST320へと進ませて、ステアリングギヤ比補正手段39にギヤ比の高ギヤ比化制御を実行させる。
以上示した如く、本実施例3の操舵制御装置は、運転者がステアリングホイール11の操舵し難い位置を持っており、操舵し易い位置を持つときよりも操舵角度を大きくできない場合であっても、その操舵し易い位置を持っているときと同等の転舵角度を操舵輪20L,20Rに対して与えることができる。これが為、本実施例3の操舵制御装置によれば、ステアリングホイール11の持ち位置や持ち方に拘わらず操舵輪20L,20Rを常に同等の転舵角度にすることができ、その持ち位置等に影響されることのない車輌の回頭性能を得ることができる。
ここで、本実施例3の操舵制御装置は、前述した実施例1又は実施例2の操舵アシストトルク設定手段31,操舵減衰トルク設定手段32,モータ制御手段33,操舵アシストトルク補正手段35及び操舵減衰トルク補正手段36を含めて構成してもよい。
次に、本発明に係る操舵制御装置及びステアリング保持位置検出装置の実施例4を図9に基づいて説明する。
本実施例4の操舵制御装置及び操舵装置は、基本的に前述した実施例3と同様に構成されているが、以下の理由から電子制御装置30のステアリングギヤ比補正手段39を後述するが如く変更している。また、本実施例4のステアリング保持位置検出装置については、前述した実施例1と同様のものが用意されている。
ここで、前述した実施例3においては、ステアリングホイール11の持ち位置や持ち方に拘わらず同等の転舵角度を操舵輪20L,20Rに与える為、運転者がステアリングホイール11の操舵し難い位置を持ったときに可変ギヤ比アクチュエータ51の設定されたギヤ比を高くしている。しかしながら、そのような操舵し難い位置を持っているときに小さな操舵角度で設定値以上に大きな転舵角度を与えてしまうことは、別の観点から見ると、車輌の挙動を不安定にしてしまうなど、安全性の面から好ましくないと捉えることもできる。
そこで、本実施例4にあっては、実施例3と同様のギヤ比の補正制御を要する場合に、そのギヤ比を設定値よりも低く(ローギヤード化)して操舵輪20L,20Rに大きな転舵角度を与えないようステアリングギヤ比補正手段39を構成する。
この本実施例3における操舵制御装置は、図9のフローチャートに示す如く動作する。尚、この図9におけるステップST10〜ST80まで及びステップST110は実施例3と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施例4の電子制御装置30は、ステップST80にて肯定判定(ステアリングホイール11を片手で保持と判断)された場合又はステップST110にて肯定判定(ステアリングホイール11の下側保持と判断)された場合、その夫々の場合に応じて、そのステアリングギヤ比補正手段39により、ステアリングギヤ比設定手段37によって設定されたギヤ比を低ギヤ比側へと補正する(ステップST420)。
一方、この電子制御装置30は、そのステップST110にて否定判定(ステアリングホイール11の左右を両手で保持、ステアリングホイール11の上側保持と判断)された場合、実施例3と同様にギヤ比の補正を行わずに(ステップST430)上記ステップST60に戻る。
また、この電子制御装置30は、ステップST60にて否定判定された場合、上記ステップST430へと進んでもよいが、走行状態が不安定なときには上記ステップST420のときと同様の考え方を取り入れて、そのステップST420に進ませてステアリングギヤ比補正手段39にギヤ比の低ギヤ比化制御を実行させる。
以上示した如く、本実施例4の操舵制御装置によれば、片手持ち又は下側保持で操舵する場合に、更には走行状態が不安定のときに設定値よりもギヤ比が低くなり、両手持ち等の操舵し易い持ち位置や持ち方のときと比して操舵輪20L,20Rの転舵角度が小さくなる。これが為、車輌挙動を不安定にさせる状況を回避することができるので安全性が向上し、また、回頭性能が悪くなるので操舵し易いステアリングホイール11の正しい位置を持って運転するように運転者に注意を喚起することもできる。
以上のように、本発明に係る操舵制御装置は、ステアリングホイールの持ち位置や持ち方に応じた操舵特性の最適化を図る技術として有用である。また、本発明に係るステアリング保持位置検出装置は、軽量且つ安価な構成にてステアリングホイールの持ち位置や持ち方を検出する技術に適している。
本発明に係る操舵制御装置の実施例1,2の構成を示す図である。 ステアリングホイールの正面図であって、本発明に係るステアリング保持位置検出装置の具体例を示す図である。 ステアリングホイールの側面図であって、本発明に係るステアリング保持位置検出装置の具体例を示す図である。 本発明に係るステアリング保持位置検出装置の検出結果の一例を示す図である。 実施例1の操舵制御装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例2の操舵制御装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る操舵制御装置の実施例3,4の構成を示す図である。 実施例3の操舵制御装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例4の操舵制御装置の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
13 操舵トルク伝達手段
15 操舵アシスト手段
16 ステアリング保持位置検出手段
16a〜16d 第1から第4の圧力センサ
17 ステアリングコラム
30 電子制御装置
31 操舵アシストトルク設定手段
32 操舵減衰トルク設定手段
33 モータ制御手段
34 ステアリング保持位置判定手段
35 操舵アシストトルク補正手段
36 操舵減衰トルク補正手段
37 ステアリングギヤ比設定手段
38 ステアリングギヤ比制御手段
39 ステアリングギヤ比補正手段
51 可変ギヤ比アクチュエータ
52 固定ギヤ比機構

Claims (9)

  1. 操舵アシストトルクを発生させる操舵アシスト手段の制御を行う操舵アシスト制御手段と、少なくとも運転者の操舵操作に応じて前記操舵アシストトルクを設定する操舵アシストトルク設定手段と、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、該ステアリング保持位置判定手段による判定の結果、運転者が前記ステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときに前記操舵アシストトルク設定手段により設定された操舵アシストトルクを増大させる操舵アシストトルク補正手段と、を設けたことを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記操舵アシストトルク補正手段は、前記ステアリング保持位置判定手段が片手で前記ステアリングホイールを保持していると判定したときに、両手持ちの場合よりも前記操舵アシストトルクを増大させるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の操舵制御装置。
  3. 前記操舵アシストトルク補正手段は、前記ステアリング保持位置判定手段が前記ステアリングホイールの下側を保持していると判定したときに、前記ステアリングホイールの上側を保持している場合よりも前記操舵アシストトルクを増大させるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の操舵制御装置。
  4. 前記ステアリング保持位置判定手段は、複数の判定結果の変位から前記ステアリングホイールの回転方向を検出して当該回転方向が片手で操舵し難いものであるか否か判定するよう構成し、
    前記操舵アシストトルク補正手段は、前記ステアリング保持位置判定手段が片手で操舵し難い方向であると判定したときに前記操舵アシストトルクを増大させるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の操舵制御装置。
  5. 操舵アシストトルクを発生させる操舵アシスト手段の制御を行う操舵アシスト制御手段と、少なくとも運転者の操舵操作に応じて前記操舵アシストトルクを設定する操舵アシストトルク設定手段と、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、該ステアリング保持位置判定手段による判定の結果、運転者が前記ステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときに前記操舵アシストトルク設定手段により設定された操舵アシストトルクを減少させる操舵アシストトルク補正手段と、を設けたことを特徴とする操舵制御装置。
  6. ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵輪の転舵角度を決めるギヤ比を変更するステアリングギヤ比可変装置の制御を行うステアリングギヤ比制御手段と、少なくとも車速に応じて前記ギヤ比を設定するステアリングギヤ比設定手段と、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、該ステアリング保持位置判定手段による判定の結果、運転者が前記ステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときに前記ステアリングギヤ比設定手段により設定されたギヤ比をハイギヤード化するステアリングギヤ比補正手段と、を設けたことを特徴とする操舵制御装置。
  7. ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵輪の転舵角度を決めるギヤ比を変更するステアリングギヤ比可変装置の制御を行うステアリングギヤ比制御手段と、少なくとも車速に応じて前記ギヤ比を設定するステアリングギヤ比設定手段と、運転者によるステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、該ステアリング保持位置判定手段による判定の結果、運転者が前記ステアリングホイールの操舵し難い位置を持っているときに前記ステアリングギヤ比設定手段により設定されたギヤ比をローギヤード化するステアリングギヤ比補正手段と、を設けたことを特徴とする操舵制御装置。
  8. ステアリングホイールに力が掛かったときの当該ステアリングホイールの回転軸に対する傾きを検出するステアリング保持位置検出手段と、その検出結果に基づいて運転者による前記ステアリングホイールの持ち位置や持ち方を判定するステアリング保持位置判定手段と、を設けたことを特徴とするステアリング保持位置検出装置。
  9. 前記ステアリング保持位置検出手段は、前記ステアリングホイールの回転軸と交わる当該ステアリングホイール上の平面と当該平面に対向するステアリングコラム上の平面との間で且つステアリングセンタにて前記回転軸を中心に少なくとも上下又は左右に配置した圧力センサであることを特徴とする請求項8記載のステアリング保持位置検出装置。
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