JP2017224806A - レーザ装置及び周波数偏移量特定方法 - Google Patents

レーザ装置及び周波数偏移量特定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ装置から出力される変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定しやすくする。【解決手段】レーザ装置100は、励起レーザ光を出力する半導体レーザ11と、半導体レーザ11が出力した励起レーザ光により励起されることでレーザ光を出力するレーザ媒質結晶21と、レーザ媒質結晶21と共振器を成す反射鏡24と、レーザ光の2次高調波を出力するKTP結晶22と、2次高調波をシングルモードにフィルタリングするエタロン23と、入力される印加電圧に基づいて反射鏡24の位置を変化させるピエゾ素子25と、ピエゾ素子25に入力する印加電圧を制御する電圧制御部44と、反射鏡24の位置が変化することによりレーザ光が変調された変調レーザ光において反転ラムディップが検知された時点の変調レーザ光の中心周波数に基づいて、変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定する周波数偏移特定部45と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、変調レーザ光の周波数偏移量を特定できるレーザ装置及び周波数偏移量特定方法に関する。
従来、レーザ光を吸収セルに照射して得られる光出力信号に含まれる飽和吸収線に基づいて共振器長を変化させることにより、レーザ光の発振周波数を特定の飽和吸収線に安定化させるレーザ装置が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1を参照)。
特開2012−134371号公報
田中敬一、「He−Neレーザの周波数安定化」、計量研究所報告、1975年、第24巻、第4号別刷
レーザ光の発振周波数の精度を向上させる方法として、よう素飽和吸収線の反転ラムディップを用いる方法が知られている。反転ラムディップは、ドップラー広がりを有する二準位系原子にポンプ光とプローブ光を入射した際にプローブ光の透過スペクトル上に生じる、ポンプ光による吸収飽和に起因するくぼみである。反転ラムディップを発振周波数の基準とすることで、周波数安定度の高いレーザを実現することができる。
反転ラムディップの吸収係数と反転ラムディップ近傍の吸収係数との違いは非常に小さく、直接検出することができない。そこで、レーザを周波数変調し、ロックインアンプにより反転ラムディップの微分信号を検出することにより反転ラムディップの位置が特定される。この際、変調レーザの最大周波数偏移を反転ラムディップの半値幅程度(数MHz)にしなければならないため、レーザ共振器の一端のミラーをサブナノメートルの振幅で正弦波駆動する必要がある。
共振器ミラーの正弦波駆動にはピエゾ素子が用いられ、ピエゾ素子に印加する交流電圧によってピエゾ素子が物理的に変位する大きさに基づいて、最大周波数偏移量が決定される。しかし、ピエゾ素子の経年変化によって、ピエゾ素子に印加される電圧と変位量との関係が変わってしまうと、レーザ装置が出力する変調レーザ光の最大周波数偏移量が許容範囲を超えてしまう。最大周波数偏移量が許容範囲を超えてしまうと、変調レーザ光の特性が劣化するので、ピエゾ素子に印加する電圧と最大周波数偏移量との関係を高い精度で測定することが求められる。
最大周波数偏移量とピエゾ印加電圧の関係を特定するためには、所定の電圧をピエゾ素子に印加した状態での最大周波数偏移量を高い精度で測定しなければならない。最大周波数偏移量を測定する方法として、参照用レーザとして2台の変調レーザを使用するヘテロダイン検波法と、参照用レーザとして1台の無変調レーザを使用するヘテロダイン検波法が知られている。しかしながら、参照用レーザを使用するヘテロダイン検波法を用いる場合、参照用レーザの維持管理が必要になる上に、ヘテロダイン検波が必要なので、コスト及び所要時間の点で問題があった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、レーザ装置から出力される変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定しやすくすることができるレーザ光源調整装置及びレーザ光源調整方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様のレーザ装置は、励起レーザ光を出力する半導体レーザと、前記半導体レーザが出力した前記励起レーザ光により励起されることでレーザ光を出力するレーザ媒質結晶と、前記レーザ媒質結晶が出力した前記レーザ光を反射し前記レーザ媒質結晶と共振器を成す反射鏡と、前記レーザ光の2次高調波を出力する非線形光学素子と、前記2次高調波をシングルモードにフィルタリングする光学素子と、入力される印加電圧に基づいて前記反射鏡の位置を変化させる圧電素子と、前記圧電素子に入力する前記印加電圧を制御する電圧制御部と、前記反射鏡の位置が変化することにより前記レーザ光が変調された変調レーザ光において反転ラムディップが検知された時点の前記変調レーザ光の中心周波数に基づいて、前記変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定する特定部と、を有する。
前記特定部は、予め特定された所定の最大周波数偏移量と反転ラムディップとの関係を参照することにより、変調レーザ光における前記変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定してもよい。
前記特定部は、前記印加電圧と前記最大周波数偏移量との関係を特定してもよい。
また、前記特定部は、前記変調レーザ光における隣接する複数の前記反転ラムディップに基づいて、前記最大周波数偏移量を特定してもよい。
前記特定部は、前記複数の反転ラムディップの微分信号が重なり合った状態における極大値に基づいて、前記最大周波数偏移量を特定してもよい。前記特定部は、前記印加電圧を変化させて前記変調レーザ光の中心周波数を走査することにより、前記反転ラムディップを検出してもよい。
前記レーザ装置は、前記印加電圧に関連付けて、前記最大周波数偏移量の許容範囲を示す情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記特定部は、特定した前記最大周波数偏移量が、前記電圧制御部が前記圧電素子に入力した前記印加電圧に関連付けて前記記憶部が記憶している前記許容範囲に含まれているか否かを判定してもよい。
前記特定部は、特定した前記最大周波数偏移量が、前記電圧制御部が前記圧電素子に入力した前記印加電圧に関連付けて前記記憶部が記憶している前記許容範囲に含まれていないと判定した場合に、前記電圧制御部が前記圧電素子に入力する前記印加電圧を変化させてもよい。
本発明の第2の態様の周波数偏移量特定方法は、レーザ媒質結晶と共振器を成す反射鏡の位置を変化させる圧電素子に入力する印加電圧を制御するステップと、前記反射鏡の位置が変化することにより、前記レーザ媒質結晶が出力したレーザ光が変調された変調レーザ光における反転ラムディップを検知するステップと、前記反転ラムディップが検知された時点の前記変調レーザ光の中心周波数に基づいて、前記変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定するステップと、を有する。
本発明によれば、レーザ装置から出力される変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定しやすくすることができるという効果を奏する。
第1の実施形態に係るレーザ装置100の構成を示す図である。 最大周波数偏移量の変化と反転ラムディップの微分信号の広がりとの関係について説明するための図である。 最大周波数偏移量の変化と2つ以上の反転ラムディップの2次微分信号の変化との関係を示す図である。
[レーザ装置100の構成]
図1は、第1の実施形態に係るレーザ装置100の構成を示す図である。レーザ装置100は、532nmよう素安定化レーザである。レーザ装置100は、半導体レーザによって励起させられるNd:YV04結晶を利得媒質として用いた連続波発振の532nm領域の固体レーザであり、長さの標準として用いられる。レーザ装置100は、よう素分子の吸収線の分光技術を用いて、よう素分子の飽和吸収線の反転ラムディップの中心に発振波長を制御することで、高い波長安定度を得ることができる。
レーザ装置100は、励起用半導体レーザ部1と、レーザ共振器筺体2と、よう素安定化用光学系3と、コントローラ4とを有する。
励起用半導体レーザ部1は、励起レーザ光を出力する半導体レーザ11を有しており、半導体レーザ11より出射される808nm帯域の励起用レーザ光をレーザ共振器筺体2に入射する。
レーザ共振器筺体2は、Nd:YV04結晶21、KTP結晶22、エタロン23、反射鏡24、及びピエゾ素子25を有する。Nd:YV04結晶21は、励起用半導体レーザ部1から出射された励起レーザ光により励起されることでレーザ光を出力するレーザ媒質結晶である。具体的には、Nd:YV04結晶21には、励起用半導体レーザ部1から出射された励起用レーザ光が入射し、Nd:YV04結晶21は、波長1064nmのマルチモードレーザ光を励起する。Nd:YV04結晶21の端面は1064nmの光を反射するようにコーティングされており、Nd:YV04結晶21と反射鏡24により構成される共振器により、1064nmマルチモードレーザ光を増幅する。Nd:YV04結晶21が出力する1064nmのレーザ光は、レーザ光の2次高調波を出力する非線形光学素子であるKTP結晶22において、2次高調波である波長532nmのマルチモードレーザ光に変換される。
KTP結晶22が出力するマルチモードレーザ光は、波長フィルタであるエタロン23においてシングルモード化された後に、反射鏡24に入射する。エタロン23は、2次高調波をシングルモードにフィルタリングする光学素子である。反射鏡24は、Nd:YV04結晶21が出力したレーザ光を反射し、Nd:YV04結晶21と共振器を成す。反射鏡24は、入射した波長1064nmのレーザ光を反射し、532nm及び808nmのレーザ光を透過する。
ピエゾ素子25は、コントローラ4から印加される電圧によって生じる歪によって反射鏡24の位置を変位させる圧電素子である。ピエゾ素子25に正弦波状の交流電圧が印加されることにより、Nd:YV04結晶21と反射鏡24との間の距離が交流電圧の周期に同期して変位することで、レーザ光に周波数変調が施されて変調レーザ光が出力される。
よう素安定化用光学系3は、ビームスプリッタ31及び安定化信号検出部32を有する。ビームスプリッタ31は、レーザ共振器筺体2から入力されるレーザ光を出射レーザ光L1と波長制御用レーザ光L2とに分離する。波長制御用レーザ光L2は、安定化信号検出部32に入力される。
安定化信号検出部32は、例えばロックインアンプを有しており、ビームスプリッタ31から入力された波長制御用レーザ光L2に基づいて、反転ラムディップの微分信号を検出する。安定化信号検出部32は、検出した反転ラムディップの微分信号をコントローラ4に入力する。
コントローラ4は、CPU(Central Processing Unit)及び記憶部41を有する。記憶部41は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を有する。記憶部41は、CPUが実行するプログラムを記憶している。また、記憶部41は、ピエゾ素子25に印加される電圧に関連付けて、周波数変調における最大周波数偏移量の許容範囲を示す情報を記憶している。
CPUは、記憶部41に記憶されたプログラムを実行することにより、電流制御部42、温度制御部43、電圧制御部44及び周波数偏移特定部45として機能する。
電流制御部42は、半導体レーザ11に供給するレーザ電流を制御する。
温度制御部43は、制御対象である半導体レーザ11、レーザ共振器筺体2、KTP結晶22、エタロン23、及び安定化信号検出部32に隣接して設けられた温度センサの値を検出し、各制御対象の固定ホルダに設置されたペルチェ素子などの変温装置を駆動して、各制御対象が目標温度になるように制御する。
電圧制御部44は、ピエゾ素子25に印加する電圧を制御することにより、Nd:YV04結晶21と反射鏡24との間の距離である共振器長を制御して、レーザ波長を安定化させる。具体的には、電圧制御部44は、安定化信号検出部32から出力された光出力信号から発振波長に基づく信号成分を検出し、反射鏡24を取り付けたピエゾ素子25の変位量を制御することで、反射鏡24の位置を変化させて共振器長を制御する。電圧制御部44は、ピエゾ素子25に印加する電圧の大きさを周期的に変化させることにより共振器長を周期的に変化させ、半導体レーザ11から出力されるレーザ光が変調された変調レーザ光をレーザ共振器筺体2から出力させる。
周波数偏移特定部45は、安定化信号検出部32から出力された反転ラムディップの微分信号に基づいて、変調レーザ光である波長制御用レーザ光L2の最大周波数偏移量を特定する。周波数偏移特定部45は、例えば、電圧制御部44の電圧を変化させることにより、変調レーザ光の中心周波数を変化させ、波長制御用レーザ光L2において反転ラムディップが検知された時点の変調レーザ光の中心周波数に基づいて、波長制御用レーザ光L2の最大周波数偏移量を特定する。周波数偏移特定部45は、変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定するためのテストモードが起動されたことに応じて、電圧制御部44がピエゾ素子25に印加した電圧と最大周波数偏移量との関係を特定してもよい。周波数偏移特定部45が最大周波数偏移量を特定する方法の詳細については後述する。
[最大周波数偏移量の特定方法の概要]
レーザ装置100に設けられている所定のボタン(不図示)が操作されると、テストモードが起動される。テストモードが起動されると、周波数偏移特定部45は、電圧制御部44に指示してピエゾ素子25に印加する電圧レベルを変化させることにより、変調レーザ光の中心周波数を走査する。この時、周波数偏移特定部45が変調レーザ光の最大周波数偏移量を大きくすると、反転ラムディップの微分信号の広がりが大きくなる。
図2は、最大周波数偏移量の変化と反転ラムディップの微分信号の広がりとの関係について説明するための図である。図2の横軸は周波数であり、縦軸は反転ラムディップの微分信号の有無を示している。図2における太い破線は、変調レーザ光の中心周波数を示している。図2に示すように、最大周波数偏移量が大きくなると、変調レーザ光の中心周波数と反転ラムディップの周波数との差が、最大周波数偏移量が小さい場合よりも大きい時点から、変調レーザ光が反転ラムディップに重なり始める。その結果、変調レーザ光の中心周波数が反転ラムディップの周波数から、より離れた時点で、反転ラムディップが検波される。
図2(a)は、最大周波数偏移量が比較的小さい場合の図であり、図2(b)は、最大周波数偏移量が比較的大きい場合の図である。周波数偏移特定部45が、電圧制御部44がピエゾ素子25に印加する電圧を変化させて変調レーザ光の中心周波数を走査すると、変調レーザ光の中心周波数から離れた位置で、変調レーザ光が反転ラムディップと重なり始める。
図2(b)のように最大周波数偏移量が大きい場合、変調レーザ光の周波数範囲が反転ラムディップと重なり始める時の中心周波数が、図2(a)の場合に反転ラムディップと重なる始める時の中心周波数よりも低い。このことを利用して、周波数偏移特定部45は、変調レーザ光が反転ラムディップと重なり始める時の中心周波数に基づいて、最大周波数偏移量を特定することができる。換言すると、周波数偏移特定部45は、変調レーザ光の中心周波数を走査した時の反転ラムディップの微分信号の広がりに基づいて、最大周波数偏移量を特定することができる。
しかし、反転ラムディップの微分信号の広がりはわずかなので、最大周波数偏移量を高い精度で特定することは困難である。そこで、周波数偏移特定部45は、2つ以上の反転ラムディップが近接している場合、それらの間では微分信号の重ね合わせが起こり、各微分信号の広がりによる変化が顕著であることを利用して、隣接する複数の反転ラムディップに基づいて最大周波数偏移量を特定することで、最大周波数偏移量の特定精度を向上させる。
図3は、最大周波数偏移量に対応する変調電圧の変化と2つ以上の反転ラムディップの2次微分信号の変化との関係を示す図である。図3(a)、図3(b)、図3(c)及び図3(d)は、それぞれ変調電圧が30mV、40mV、50mV及び60mVの場合における、よう素飽和吸収線R[56]32−0の反転ラムディップの2次微分信号a11〜a14を示している。図3の横軸は、波長走査時のデータカウントを示しており、印加する直流電圧に対応している。図3の縦軸は、反転ラムディップの2次微分信号の大きさを示している。
図3によれば、最大周波数偏移量が変化すると、反転ラムディップの2次微分信号におけるピークが現れる時の変調レーザ光の中心周波数が変化している。このことから、周波数偏移特定部45が、反転ラムディップが現れる時の変調レーザ光の中心周波数に基づいて、最大周波数偏移量を特定できることがわかる。
また、図中のa11及びa12に着目すると、最大周波数偏移量が大きくなるにつれて、a11とa12のピークの間の極小値のレベルが大きくなり、図3(c)及び図3(d)においては、極大値が現れている。極大値は、a11及びa12の両方が同時に検波される程度に最大周波数偏移量が大きいことを示している。そこで、周波数偏移特定部45は、この現象を利用して、複数の反転ラムディップの微分信号が重なり合った状態における極大値に基づいて、最大周波数偏移量を高い精度で特定してもよい。
以下、この現象を利用して最大周波数偏移量を特定する2つの方法について説明する。
[第1の特定方法]
(ステップ1)
まず、最大周波数偏移とピエゾ印加電圧との関係が特定された基準変調レーザの中心周波数を走査し、近接する反転ラムディップ(例えば、図3におけるa11及びa12)の間の微分信号レベルと最大周波数偏移との関係を特定する。特定された関係は、例えば、コントローラ4が有する記憶部41に格納される。
(ステップ2)
レーザ装置100において、ピエゾ素子25に印加する電圧の大きさと周波数偏移量との関係を特定するための動作を実行するテストモードが起動されると、電圧制御部44は、変調レーザ光の中心周波数を走査し、近接する反転ラムディップの間の微分信号レベルを特定する。
(ステップ3)
電圧制御部44は、ステップ1において記憶部41に格納された基準変調レーザの微分信号レベルと最大周波数偏移量との関係を参照し、ステップ2で特定した微分信号レベルに対応する最大周波数偏移量を特定する。このようにして、電圧制御部44は、最大周波数偏移量を高い精度で特定することができる。
[第2の特定方法]
(ステップ1)
まず、最大周波数偏移量とピエゾ印加電圧との関係が特定された基準変調レーザの中心周波数を走査し、最大周波数偏移量を所定の値にした場合に得られた微分信号に基づいて、反転ラムディップの周波数を特定する。
(ステップ2)
よう素飽和吸収線の周波数ごとの吸収係数(既知)と、各最大周波数偏移量の近接する反転ラムディップの間の微分信号レベルとの関係を特定する。特定された関係は、例えば、コントローラ4が有する記憶部41に格納される。
(ステップ3)
レーザ装置100において、ピエゾ素子25に印加する電圧の大きさと周波数偏移量との関係を特定するための動作を実行するテストモードが起動されると、電圧制御部44は、変調レーザ光の中心周波数を走査し、近接する反転ラムディップの間の微分信号レベルを特定する。
(ステップ4)
電圧制御部44は、ステップ2においてメモリに格納された基準変調レーザの最大周波数偏移量ごとの吸収係数(既知)と近接する反転ラムディップの間の微分信号レベルとの関係を参照し、ステップ3で特定した微分信号レベルに基づいて特定される反転ラムディップの微分信号レベルが、どの最大周波数偏移量に対応するかを特定する。
[レーザ装置100における故障検出処理]
周波数偏移特定部45は、上記の方法で、所定の電圧をピエゾ素子25に印加した状態における最大周波数偏移量を特定することができる。レーザ装置100においては、工場出荷時に、所定の電圧をピエゾ素子25に印加した状態において許容される最大周波数偏移量の範囲が、記憶部41に記憶されている。周波数偏移特定部45は、テストモードが起動されると、特定した最大周波数偏移量が、電圧制御部44がピエゾ素子25に入力した印加電圧に関連付けて記憶部41が記憶している最大周波数偏移量の許容範囲に含まれているか否かを判定する。
特定した最大周波数偏移量が、記憶部41に記憶されている最大周波数偏移量の許容範囲に入っていない場合、周波数偏移特定部45は、記憶部41に記憶されている最適な最大周波数偏移量と現在の最大周波数偏移量との差分を算出する。そして、周波数偏移特定部45は、算出した差分を相殺するように、電圧制御部44がピエゾ素子25に印加する電圧を変化させる。このようにすることで、レーザ装置100は、ピエゾ素子25の特性が経年変化した場合であっても、経年変化の影響を相殺して、所望の特性の変調レーザ光を出力することができる。
また、周波数偏移特定部45は、特定した最大周波数偏移量が、記憶部41に記憶されている最大周波数偏移量の許容範囲に入っていない場合に、ピエゾ素子25の特性が変化したことを示す警告情報を出力してもよい。このようにすることで、レーザ装置100のユーザが、ピエゾ素子25の特性が変化したことを把握できるので、ピエゾ素子25の交換等の必要な措置を講じやすくなる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 励起用半導体レーザ部
2 レーザ共振器筺体
3 よう素安定化用光学系
4 コントローラ
11 半導体レーザ
21 Nd:YV04結晶
22 KTP結晶
23 エタロン
24 反射鏡
25 ピエゾ素子
31 ビームスプリッタ
32 安定化信号検出部
41 記憶部
42 電流制御部
43 温度制御部
44 電圧制御部
45 周波数偏移特定部
100 レーザ装置

Claims (9)

  1. 励起レーザ光を出力する半導体レーザと、
    前記半導体レーザが出力した前記励起レーザ光により励起されることでレーザ光を出力するレーザ媒質結晶と、
    前記レーザ媒質結晶が出力した前記レーザ光を反射し前記レーザ媒質結晶と共振器を成す反射鏡と、
    前記レーザ光の2次高調波を出力する非線形光学素子と、
    前記2次高調波をシングルモードにフィルタリングする光学素子と、
    入力される印加電圧に基づいて前記反射鏡の位置を変化させる圧電素子と、
    前記圧電素子に入力する前記印加電圧を制御する電圧制御部と、
    前記反射鏡の位置が変化することにより前記レーザ光が変調された変調レーザ光において反転ラムディップが検知された時点の前記変調レーザ光の中心周波数に基づいて、前記変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定する特定部と、
    を有するレーザ装置。
  2. 前記特定部は、予め特定された所定の最大周波数偏移量と反転ラムディップとの関係を参照することにより、変調レーザ光における前記変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定する、
    請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記特定部は、前記印加電圧と前記最大周波数偏移量との関係を特定する、
    請求項1に記載のレーザ装置。
  4. 前記特定部は、前記変調レーザ光における隣接する複数の前記反転ラムディップに基づいて、前記最大周波数偏移量を特定する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザ装置。
  5. 前記特定部は、前記複数の反転ラムディップの微分信号が重なり合った状態における極大値に基づいて、前記最大周波数偏移量を特定する、
    請求項4に記載のレーザ装置。
  6. 前記特定部は、前記印加電圧を変化させて前記変調レーザ光の中心周波数を走査することにより、前記反転ラムディップを検出する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザ装置。
  7. 前記印加電圧に関連付けて、前記最大周波数偏移量の許容範囲を示す情報を記憶する記憶部をさらに有し、
    前記特定部は、特定した前記最大周波数偏移量が、前記電圧制御部が前記圧電素子に入力した前記印加電圧に関連付けて前記記憶部が記憶している前記許容範囲に含まれているか否かを判定する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のレーザ装置。
  8. 前記特定部は、特定した前記最大周波数偏移量が、前記電圧制御部が前記圧電素子に入力した前記印加電圧に関連付けて前記記憶部が記憶している前記許容範囲に含まれていないと判定した場合に、前記電圧制御部が前記圧電素子に入力する前記印加電圧を変化させる、
    請求項7に記載のレーザ装置。
  9. レーザ媒質結晶と共振器を成す反射鏡の位置を変化させる圧電素子に入力する印加電圧を制御するステップと、
    前記反射鏡の位置が変化することにより、前記レーザ媒質結晶が出力したレーザ光が変調された変調レーザ光における反転ラムディップを検知するステップと、
    前記反転ラムディップが検知された時点の前記変調レーザ光の中心周波数に基づいて、前記変調レーザ光の最大周波数偏移量を特定するステップと、
    を有する周波数偏移量特定方法。

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