JP2015147791A - 生理学的pHの緩衝液中で向上した溶解性及び安定性を示すグルカゴン類縁体 - Google Patents
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Abstract
【課題】低血糖症を治療するために用いるグルカゴン受容体活性を保持し、且つ天然グルカゴンペプチドと比べて向上した溶解性を示す、グルカゴンペプチドの提供。【解決手段】グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、(i)α,α−二置換アミノ酸により16、20、21、及び24位のうちの1、2、3個又は全てのアミノ酸が置換されている特定のアミノ酸配列、を含む、グルカゴンペプチド。グルカゴンアゴニスト活性を保持しながら、向上した溶解性及び/又は半減期を有する。【選択図】なし
Description
プレプログルカゴンは、158アミノ酸前駆体ポリペプチドであり、異なる組織においてプロセシングされて、グルコースホメオスタシス、インスリン分泌、胃排出及び腸管成長、並びに食物摂取の調節を含む多種多様な生理学的機能に関わる、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、グルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)及びオキシントモジュリン(OXM)を含む多数の異なるプログルカゴン誘導ペプチドを形成する。グルカゴンは、プレプログルカゴンのアミノ酸33から61に対応する29アミノ酸ペプチドであり、一方、GLP−1は、プレプログルカゴンのアミノ酸72から108に対応する37アミノ酸ペプチドとして産生される。
低血糖症は、血中グルコースレベルが体の活動にとって十分なエネルギーを提供するには低すぎるほど低下したときに生じる。成人又は10歳を超える小児において、低血糖症は、糖尿病治療の副作用以外ではまれであるが、他の薬物療法又は疾患、ホルモン若しくは酵素欠乏又は腫瘍によってもたらされる可能性がある。血中グルコースが下降し始めると、膵臓により産生されるホルモンであるグルカゴンは、肝臓にグリコーゲンを分解し、グルコースを放出するようにシグナルを送り、血中グルコースレベルを正常なレベルに上昇させる。したがって、グルコース調節におけるグルカゴンの最も認識されている役割は、インスリンの作用に対抗し、血中グルコースレベルを維持することである。しかし、糖尿病患者では、低血糖に対するグルカゴン反応は損なわれている場合があり、グルコースレベルを正常な範囲に戻すことが難しくなっている。
低血糖症は、速やかな医学的配慮を必要とする生命を脅かす事象である。グルカゴンの投与は、急性低血糖症を治療する確立された薬物療法であり、投与の数分内にグルコースの正常レベルを回復することができる。グルカゴンが低血糖症の急性医学治療に使用される場合、結晶形態のグルカゴンは希釈酸緩衝液により溶解化され、溶液が筋肉内に注射される。この治療は効果的であるが、その方法論は煩わしく、意識が完全でなくなった人にとっては危険である。したがって、母体となる分子の生物学的機能を維持するが、生理学的な条件下で十分に可溶性で安定であり、注射用の液剤として予備処方することができるような、グルカゴンの類縁体の必要性が存在する。
加えて、糖尿病患者は、微小血管合併症を遅延又は予防するために、ほぼ正常な血中グルコースレベルを維持することを勧められている。この目標の達成には、通常、集中的なインスリン治療を必要とする。この目的を達成しようという努力において、医者は糖尿病患者における低血糖症の頻度及び重篤度の顕著な増加に遭遇する。したがって、現行のインスリン療法よりも低血糖症を誘発する可能性が低い改善された医薬び方法論が、糖尿病の治療のために必要である。
本明細書に記載されているように、商業的用途に適している医薬組成物に含まれ、生理学的pHにおいて増強された生物物理学的安定性及び水溶性を示す、高い効力のグルカゴン類縁体が提供される。天然のグルカゴンは、生理学的pH範囲で溶解性も安定性もなく、したがって再構成及び即時利用を必要とする乾燥生成物として製造されなければならない。本明細書に記載されるグルカゴン類縁体は、天然ホルモンが現在利用されている現行の治療設定においてそれらをより有用なものとするような、増強された物理的特性を有する。これらの化合物を一つの実施態様に従って使用して、、低血糖症を治療するための、注射用の予備処方液剤を調製することができる。あるいは、グルカゴン類縁体をインスリンと同時投与してインスリンの効果を緩衝し、血中グルコースレベルのより安定的な維持を可能にすることができる。加えて、本明細書に開示されている修飾グルカゴンペプチドを含む組成物の有益な使用が、下記に詳細に記載されている。
本発明の一つの実施態様は、グルカゴン受容体活性を保持し、且つ天然グルカゴンペプチド(配列番号1)と比べて向上した溶解性を示す、グルカゴンペプチドを提供する。天然グルカゴンは、特に生理学的pHで水溶液中で不十分な溶解性しか示さず、経時的に凝集及び沈殿する傾向がある。対照的に、本発明の一つの実施態様のグルカゴンペプチドは、6〜8又は6〜9のpH、例えばpH7において25℃で24時間経過後に、天然グルカゴンと比較して少なくとも2倍、5倍、又はそれよりもさらに高い溶解性を示す。
一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、天然グルカゴンの活性の、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%の活性、80%の活性、85%の活性、又は90%の活性を保持する(例えば実施例13に一般的に記載されているアッセイを使用するcAMP産生により測定した場合の、グルカゴンペプチド対グルカゴンのEC50の逆比として計算)。一つの実施態様において、本発明のグルカゴンペプチドは、グルカゴンと同じ又はそれを超える活性(本明細書において、用語「効力」と同義的に使用される)を有する。幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、天然グルカゴンの約100%、1000%、10,000%、100,000%、又は1,000,000%までの活性を保持する。
グルカゴンは、通常、GLP−1受容体に対して天然GLP−1の活性の約1%の活性を有する。GLP−1(7〜36)アミド(配列番号57)やGLP−1(7〜37)酸(配列番号58)は、GLP−1受容体に対して実質的に同等の活性を示す、生物学的に活性型のGLP−1である。グルカゴンは、また、GLP−1受容体と比較してグルカゴン受容体に対して10倍から20倍より選択性がある(選択性はグルカゴンのグルカゴン受容体・対・GLP−1受容体に対するEC50の逆比として計算)。例えば、グルカゴン受容体に対するグルカゴンのEC50が0.22nMであり、GLP−1受容体に対するグルカゴンのEC50が3.85nMであるアッセイでは、計算された選択性は17.5倍である。活性は、例えば実施例13に一般的に記載されているアッセイを使用してcAMP産生により測定することができる。幾つかの実施態様において、本発明のグルカゴンペプチドは、GLP−1受容体に対する天然GLP−1の活性の、約5%、4%、3%、2%若しくは1%未満の活性を示す、及び/又は、GLP−1受容体と比較してグルカゴン受容体に対し約5倍、10倍若しくは15倍を超える選択性を示す。例えば、幾つかの実施態様において、本発明のグルカゴンペプチドは、GLP−1受容体に対して天然GLP−1の活性の5%未満の活性を示し、GLP−1受容体と比較してグルカゴン受容体に5倍を超える選択性を示す。
本発明の任意のグルカゴンペプチドは、追加的に、例えば25℃で24時間経過後に、元のペプチドの少なくとも95%を保持するような、向上した安定性及び/又は低減された分解を示すことができる。幾つかの実施態様において、本発明のグルカゴンペプチドは、紫外線(UV)検出器により280nmで検出した場合、少なくとも75%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、95%超、100%まで)の濃度のペプチド、又は、約25%未満(例えば、20%未満、15%未満、10%未軟、5%、4%、3%、2%、1%未満、0%まで)の分解ペプチドが、少なくとも20℃(例えば21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、少なくとも27.5℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃)及び100℃未満、85℃未満、75℃未満又は70℃未満の温度の溶液中で、1週間以上(例えば、2週間、4週間、1か月、2か月、4か月、6か月、8か月、10か月、12か月)経過後に検出可能であるような、向上した安定性を示す。
一つの実施態様によると、向上した溶解性を有するグルカゴンペプチドであって、荷電アミノ酸を、ペプチドのC末端部分一つの実施態様では配列番号1のC末端から27位までの位置、に導入する、アミノ酸置換及び/又は付加により修飾されている、グルカゴンペプチドが提供される。更に、1、2又は3個の荷電アミノ酸を、C末端部分の範囲内、一つの実施態様では27位のC末端、に導入してもよい。一つの実施態様によると、28位及び/又は29位の天然アミノ酸が荷電アミノ酸で置換されており、且つ/或いは、1〜3個の荷電アミノ酸がペプチドのC末端、29位の後ろ、に付加されている。例示的な実施態様において、1、2個、又は全ての荷電アミノ酸は、負に荷電されている。グルカゴン活性を保持しながら、更なる修飾、例えば保存的置換をグルカゴンペプチドに行うことが可能である。
一つの例示的な実施態様によると、グルカゴンペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列、又は、天然グルカゴン若しくはそのグルカゴンアゴニスト類縁体に対して1〜3個の更なるアミノ酸修飾を含有するような、その類縁体を含む。配列番号11は、天然タンパク質の28位のアスパラギン残基がアスパラギン酸で置換されている修飾されたグルカゴンペプチドを表す。別の例示的な実施態様において、グルカゴンペプチドは、天然タンパク質の28位のアスパラギン残基がグルタミン酸で置換されている配列番号38のアミノ酸配列を含む。他の例示的な実施態様には、配列番号24、25、26、33、35、36、及び37のグルカゴンペプチドが含まれる。
別の実施態様によると、天然グルカゴン(配列番号1)の16位にアミノ酸修飾を含む、グルカゴン受容体に対して増強された効力を有するグルカゴンペプチドが提供される。非限定例によると、そのような増強された効力は、16位の天然型のセリンを、グルタミン酸により又は4原子の長さの側鎖を有する別の負荷電アミノ酸により置換することによって、あるいは、グルタミン、ホモグルタミン酸若しくはホモシステイン酸のいずれかにより、又は少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、N、O、S、P)を含有し約4(若しくは3〜5)原子の長さを有する側鎖を含有する荷電アミノにより置換することによって、もたらすことができる。グルタミン酸による16位のセリンの置換は、グルカゴン活性を、グルカゴン受容体に対して少なくとも2倍、4倍、5倍及び10倍を超えるまで増強する。幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、GLP−1受容体よりもグルカゴン受容体に対して選択性を保持し、例えば少なくとも5倍、10倍、又は15倍の選択性である。
前述の化合物のいずれの溶解性も、ペプチドへの親水性部分の結合により更に改善することができる。そのような基の導入も、例えば延長された循環半減期により測定すると、作用の持続時間を増加する。一つの実施態様において、親水性部分は、C末端延長部内又はC末端のアミノ酸において、前記グルカゴンペプチドの16、17、21、24、29、40位のうちの1つ以上のアミノ酸残基の側鎖と共有結合している、ポリエチレングリコール(PEG)鎖又は他の水溶性ポリマーである。幾つかの実施態様において、その位置の天然アミノ酸は、ペプチドへの親水性部分の結合を促進するために、親水性部分との架橋に適した側鎖を有するアミノ酸で置換されている。例示的なアミノ酸には、Cys、Lys、Orn、ホモ−Cys、又はアセチルフェニルアラニン(Ac−Phe)が含まれる。他の実施態様において、親水性基を含むように修飾されているアミノ酸が、ペプチドのC末端に付加される。一つの実施態様によると、ポリエチレングリコール鎖は、約500〜約40,000ダルトンの範囲から選択される分子量を有する。一つの実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約500〜約5,000ダルトンの範囲から選択される分子量を有する。別の実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約10,000〜約20,000ダルトンの分子量を有する。さらに他の例示的な実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約20,000〜約40,000ダルトンの分子量を有する。
幾つかの実施態様によると、本明細書に開示されているグルカゴンペプチドは、アシル基又はアルキル基、例えば天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアシル又はアルキル基、を含むように修飾される。アシル化又はアルキル化は、循環中のグルカゴンペプチドの半減期を増加することができ、有利なことには、グルカゴン受容体及び/若しくはGLP−1受容体に対する作用開始を遅延する及び/若しくは作用の持続時間を延長する、並びに/又はDPP−IVのようなプロテアーゼに対する耐性を改善することができる。アシル化又はアルキル化は、中性のpHにおいてペプチドの溶解性を増強することもできる。本明細書において示されているように、グルカゴンペプチドのグルカゴン受容体及びGLP−1受容体に対する活性は、アシル化されると、増強されるとまでいかなくても少なくとも維持される。
幾つかの態様において、グルカゴンペプチドは、スペーサー、例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能スペーサー又は疎水性二官能スペーサー、を介して、アシル又はアルキル基に共有結合している。特定の態様において、GLP−1及びグルカゴン受容体に対する活性の増強は、スペーサーを有するペプチドのアシル化の際に観察される。例えばペプチド分内架橋(例えば、共有分子内架橋)を欠いている場合のような選択された態様において、GLP−1及びグルカゴン受容体に対する活性の更なる増強が、アシル基がスペーサーのないペプチドに結合しているアシル化ペプチドと比較して、スペーサーのあるペプチドのアシル化の際に観察される。幾つかの実施態様によると、スペーサーは、アミノ酸、アミノ酸を有するジペプチド、又は、長さが3〜10個の原子(例えば6〜10個の原子)のペプチド主鎖構造である。ある特定の実施態様によると、スペーサー及びアシル又はアルキル基の全長は、14〜28個の原子、例えば、17〜28個、19〜26個の原子、19〜21個の原子である。グルカゴン活性を増強する目的に適したスペーサーが、本明細書に更に記載されている。幾つかの実施態様において、本明細書に記載されているアシル化又はアルキル化ペプチドは、更に、GLP−1受容体に対する活性を選択的に減少する修飾、例えば、ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸、例えばアミノ酪酸(Abu)又はIle、による7位のThrの置換のような、7位のThrの修飾;又は、C末端から27又は28位のアミノ酸までの1個又は複数のアミノ酸の欠失(例えば長さがアミノ酸27又は28個のペプチドを生じるような、28及び29位のアミノ酸の一方又は両方の欠失)、を含む。
グルカゴンペプチドを、親水性部分が結合しているのと同じアミノ酸の位置又は異なるアミノ酸の位置で、アシル化又はアルキル化することができる。
幾つかの実施態様において、本発明は、10位のアミノ酸に共有結合しているアシル基又はアルキル基を含むように修飾されている、グルカゴンペプチドを提供する。グルカゴンペプチドは、10位のアミノ酸とアシル基又はアルキル基との間にスペーサーを更に含むことができる。幾つかの実施態様において、アシル基は、脂肪酸若しくは胆汁酸又はこれらの塩であり、例えばC40〜C30脂肪酸、C8〜C24脂肪酸、コール酸、C4〜C30アルキル、C8〜C24アルキル、又は胆汁酸のステロイド部分を含むアルキルである。スペーサーは、アシル又はアルキル基を結合するのに適した反応性基を有する、任意の部分である。例示的な実施態様において、スペーサーは、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能基、例えばアミノポリ(アルキルオキシ)カルボキシレート、又は疎水性二官能スペーサーを含む。幾つかの実施態様において、スペーサーは、Trp、Glu、Asp、Cys、及び、NH2(CH2CH2O)n(CH2)mCOOHを含むスペーサーからなる群より選択され、ここでmは、1〜6の任意の整数であり、そしてnは、2〜12の任意の整数である。そのようなアシル化又はアルキル化グルカゴンペプチドは、親水性部分を含んでもよく、これは場合によりポリエチレングリコールであってもよい。前述のグルカゴンペプチドのいずれも、2つのアシル基若しくは2つのアルキル基、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
本発明は、更に、前記グルカゴンアゴニストの薬学的に許容される塩も包含する。
他の例示的な実施態様において、前述の化合物のいずれかを、グルカゴンペプチドのカルボキシ末端に第2ペプチドを付加することによって更に修飾して、薬学的特性を変えることができる。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、ペプチド結合を介して第2ペプチドと共有結合しており、ここで第2ペプチドは、配列番号20、配列番号21、及び配列番号22からなる群より選択される配列を含む。
幾つかの実施態様において、1又は2位での修飾は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)切断に対するペプチドの耐性を増加することができる。例えば、2位のアミノ酸は、D−セリン、D−アラニン、バリン、グリシン、N−メチルセリン、N−メチルアラニン、又はアミノイソ酪酸で置換されていることができる。代替的に又は追加的に、1位のアミノ酸は、D−ヒスチジン(D−His)、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシル−ヒスチジン、アセチル−ヒスチジン、ホモ−ヒスチジン、N−メチルヒスチジン、アルファ−メチルヒスチジン、イミダゾール酢酸、又はアルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)で置換されていることができる。
2位での修飾(例えば、2位でのAIB)、及び、幾つかの場合においては、1位での修飾(例えば、1位でのDMIA)は、グルカゴン活性を(時には顕著に)低減することがあるが、驚くべきことに、このグルカゴン活性の低減は、グルカゴンのC末端部分(アミノ酸12〜29あたり)におけるアルファ−へリックス構造を安定化することによって、回復できることが観察された。幾つかの実施態様において、安定化は、「i」と「i+4」位のアミノ酸の間の共有結合を介しており、ここで「i」は12〜25の任意の整数である。幾つかの特定の実施態様において、「i」と「i+4」は、12と16、16と20、又は20と24、又は24と28である。幾つかの実施態様において、この共有結合は、16位のグルタミン酸と20位のリシンとの間のラクタム架橋である。例示的な実施態様において、架橋又はリンカーは、長さが約8個(又は7〜9個)の原子である。他の実施態様において、安定化は、「j」と「j+3」位のアミノ酸の間の共有結合を介しており、ここで「j」は12〜27の任意の整数である。例示的な実施態様において、架橋又はリンカーは、長さが約6個(又は5〜7個)の原子である。さらに他の実施態様において、安定化は、「k」と「k+7」位のアミノ酸の間の共有結合を介しており、ここで「k」は12〜22の任意の整数である。幾つかの実施態様において、この共有結合は、ラクタム架橋以外の分子内架橋である。適切な共有結合方法(すなわち、共有分子内架橋を形成する方法)には、例えば、オレフィンメタセシス、ランチオニンに基づいた環化、ジスルフィド架橋又は改質硫黄含有架橋形成、α,ω−ジアミノアルカン鎖の使用、金属原子架橋の形成、及びペプチド環化の他の方法、のいずれかの1つ以上が含まれる。
さらに他の実施態様において、へリックスは、水素結合、イオン相互作用、及び塩架橋が含まれるが、但しこれらに限定されない、非共有結合(すなわち、非共有分子内架橋)により、安定化される。
本発明の他の実施態様において、グルカゴンペプチドのC末端部分(アミノ酸12〜29あたり)のアルファ−へリックス構造の安定化は、所望の活性を保持する位置への1個以上のα,α−二置換アミノ酸の意図的な導入を介して、達成される。幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドの16、17、18、19、20、21、24、又は29位のうちの1、2、3、4つ又はそれ以上は、α,α−二置換アミノ酸で置換されている。例えば、アミノイソ酪酸(AIB)によるグルカゴンペプチドの16位の置換は、塩架橋又はラクタムの不在下で、安定化されたアルファ−へリックスをもたらす。そのようなペプチドは、本明細書において、分子内架橋を欠いているペプチドとして考慮される。特定の態様において、アルファ−へリックスの安定化は、共有分子内架橋、例えばラクタム架橋やジスルフィド架橋、を導入することなく、1個以上のα,α−二置換アミノ酸を導入することにより達成される。そのようなペプチドは、本明細書において共有分子内架橋を欠いているペプチドと考慮される。幾つかの実施態様において、16、20、21又は24位のうちの1、2、3つ、又はそれ以上は、AIBで置換されている。
したがって、幾つかの実施態様において、本発明は、グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、1〜3個のアミノ酸修飾を含む以下のアミノ酸配列:
X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号39)
を含むグルカゴンペプチドを提供し、
ここで、X1及びX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する(又は耐性を増加する)、非天然アミノ酸であり、
Zは、−COOH(天然型のC−末端カルボキシレート)、−Asn−COOH、Asn−Thr−COOH、及びY−COOHからなる群より選択され、Yは1〜2個のアミノ酸であり、
分子内架橋(好ましくは共有結合)は、iの位置のアミノ酸の側鎖と、i+4の位置のアミノ酸の側鎖とを連結し、ここで、iは、12、16、20又は24である。
X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号39)
を含むグルカゴンペプチドを提供し、
ここで、X1及びX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する(又は耐性を増加する)、非天然アミノ酸であり、
Zは、−COOH(天然型のC−末端カルボキシレート)、−Asn−COOH、Asn−Thr−COOH、及びY−COOHからなる群より選択され、Yは1〜2個のアミノ酸であり、
分子内架橋(好ましくは共有結合)は、iの位置のアミノ酸の側鎖と、i+4の位置のアミノ酸の側鎖とを連結し、ここで、iは、12、16、20又は24である。
幾つかの実施態様において、分子内架橋はラクタム架橋である。幾つかの実施態様において、配列番号39のi及びi+4の位置のアミノ酸は、Lys及びGlu、例えばGlu16及びLys20、である。幾つかの実施態様において、X1は、D−His、N−メチル−His、アルファ−メチル−Hi、イミダゾール酢酸、デス−アミノ−His、ヒドロキシル−His、アセチル−His、ホモ−His、及びアルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)からなる群より選択される。他の実施態様において、X2は、D−Ser、D−Ala、Gly、N−メチル−Ser、Val、及びアルファ,アルファイソ酪酸(AIB)からなる群より選択される。幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、アミノ酸位置16、17、20、21、24、29、40のいずれか、C末端延長部の範囲内、又はC末端アミノ酸において、親水性部分と共有結合している。例示的な実施態様において、この親水性部分は、これらの位置のいずれかにおけるLys、Cys、Orn、ホモシステイン、又はアセチル−フェニルアラニン残基と共有結合している。例示的な親水性部分には、例えば1,000ダルトンから約40,000ダルトン又は約20,000ダルトンから約40,000ダルトンの分子量のポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。
他の実施態様において、本発明は、グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、アミノ酸配列:
X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号39)
を含むグルカゴンペプチドを提供し、
ここで、X1及びX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する(又は耐性を増加する)、非天然アミノ酸であり、
グルカゴンペプチドの16、20、21、及び24位のうちの1、2、3、4つ又はそれ以上は、α,α−二置換アミノ酸で置換されており、
Zは、−COOH(天然型のC−末端カルボキシレート)、−Asn−COOH、Asn−Thr−COOH及びY−COOHからなる群より選択され、Yは1〜2個のアミノ酸である。
X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号39)
を含むグルカゴンペプチドを提供し、
ここで、X1及びX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する(又は耐性を増加する)、非天然アミノ酸であり、
グルカゴンペプチドの16、20、21、及び24位のうちの1、2、3、4つ又はそれ以上は、α,α−二置換アミノ酸で置換されており、
Zは、−COOH(天然型のC−末端カルボキシレート)、−Asn−COOH、Asn−Thr−COOH及びY−COOHからなる群より選択され、Yは1〜2個のアミノ酸である。
前述のグルカゴンペプチド又は類縁体への例示的な更なるアミノ酸修飾には、以下のものが含まれる:ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸、例えばAbu又はIle、による、7位のThrの置換(これは更に、アシル又はアルキル基が天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアシル又はアルキル基に(場合によりスペーサーを介して)共有結合している側鎖を含むアミノ酸の置換又は付加と組み合わされてもよい);Argによる12位のLysの置換;Gluによる15位のAspの置換;Thr又はAIBによる16位のSerの置換;Ser、Thr、Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;Gluによる21位のAspの置換;Ser、Thr、Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;Leu又はNleによる27位のMetの置換;荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;Asn、Asp又はGluによる28位での置換;Aspによる28位での置換;Gluによる28位での置換;荷電アミノ酸による29位のThrの置換;Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による29位のThrの置換;Asp、Glu又はLysによる29位での置換;Gluによる29位での置換;29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;Glu又はLysの30位(すなわち、29位の後)への挿入;場合によりLysの31位への挿入;場合により29位のアミノ酸がThr又はGlyであるC末端への配列番号20の付加;親水性部分に共有結合しているアミノ酸の置換又は付加;或いはこれらの組み合わせ。
なお更なる例示的な実施態様において、前述のペプチドのいずれも、その安定性を改善するために、配列番号1の15位のアミノ酸を修飾して、特に酸性又はアルカリ性の緩衝液におけるペプチドの経時的な分解を低減させる更なる修飾を加えることができる。例示的な実施態様において、15位のAspは、Glu、ホモ−Glu、システイン酸、又はホモ−システイン酸で置換されている。
あるいは、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドのいずれかを、配列番号1の16位のアミノ酸を修飾することより更に修飾して、安定性を改善することができる。例示的な実施態様において、16位のSerは、Thr若しくはAIBにより、又はグルカゴン受容体に対する効力を増強するような上記に記載されたアミノ酸置換のいずれかにより、置換されている。そのような修飾は、Asp15−Ser16のペプチド結合の切断を低減する。
グルカゴン受容体に対して維持又は増強された活性は、グルタミン類縁体により3位のGlnを修飾することによって達成することができる。例えば、3位にグルタミン類縁体を含むグルカゴンペプチドは、グルカゴン受容体に対して天然グルカゴン(配列番号1)の活性の約5%、約10%、約20%、約50%、若しくは約85%又はそれ以上の活性を示すことができる。幾つかの実施態様において、3位にグルタミン類縁体を含むグルカゴンペプチドは、グルカゴン受容体に対して、3位の修飾アミノ酸(例えば、配列番号69又は配列番号70)以外は、グルタミン類縁体を含むペプチドと同じアミノ酸配列を有するような対応するグルカゴンペプチドの活性の、約20%、約50%、約75%、約100%、約200%、若しくは約500%又はそれ以上の活性示すことができる。幾つかの実施態様において、3位にグルタミン類縁体を含むグルカゴンペプチドは、グルカゴン受容体に対して増強された活性を示すが、増強された活性は、天然グルカゴンの又は3位の修飾アミノ酸以外は、グルタミン類縁体を含むペプチドと同じアミノ酸配列を有するような対応するグルカゴンペプチドの活性の、1000%、10,000%、100,000%、又は1,000,000%以下の活性である。
幾つかの実施態様において、グルタミン類縁体は、下記の構造I、II、又はIII:
〔式中、R1は、C0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2は、NHR4又はC1-3アルキルであり;R3は、C1-3アルキルであり;R4は、H又はC1-3アルキルであり;Xは、NH、O、又はSであり;そしてYは、NHR4、SR3、又はOR3である〕で示される側鎖を含む、天然型の又は非天然型のアミノ酸である。幾つかの実施態様において、Xは、NHであるか、又はYは、NHR4である。幾つかの実施態様において、R1は、C0-2アルキル又はC1ヘテロアルキルである。幾つかの実施態様において、R2は、NHR4又はC1アルキルである。幾つかの実施態様において、R4は、H又はC1アルキルである。例示的な実施態様において、構造Iの側鎖を含み、以下のいずれかが成り立つアミノ酸が提供される:R1はCH2−Sであり、XはNHであり、そしてR2はCH3である(アセトアミドメチル−システイン、C(Acm));R1はCH2であり、XはNHであり、そしてR2はCH3である(アセチルジアミノブタン酸、Dab(Ac));R1はC0アルキルであり、XはNHであり、R2はNHR4であり、そしてR4はHである(カルバモイルジアミノプロパン酸、Dap(尿素));又は、R1はCH2−CH2であり、XはNHであり、そしてR2はCH3である(アセチルオルニチン、Om(Ac))。例示的な実施態様において、構造IIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2であり、Yは、NHR4であり、そしてR4は、CH3である(メチルグルタミン、Q(Me))。例示的な実施態様において、構造IIIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2であり、そしてR4は、Hである(メチオニン−スルホキシド、M(O))。特定の実施態様において、3位のアミノ酸はDab(Ac)により置換されている。例えば、グルカゴンアゴニストは、配列番号63、配列番号69、配列番号71、配列番号72、配列番号73、及び配列番号74のアミノ酸配列を含むことができる。
グルカゴンペプチドのグルカゴン受容体に対する増強された活性は、アシル又はアルキル基、例えば天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアシル又はアルキル基(例えば、C4〜C30脂肪アシル基、C4〜C30アルキル基)を、グルカゴンペプチドのアミノ酸側鎖に共有結合することによって、達成することもできる。幾つかの実施態様において、アシル化又はアルキル化グルカゴンペプチドは、分子内架橋、例えば共有分子内架橋(例えば、ラクタム)を欠いている。特定の態様において、アシル又はアルキル基は、スペーサー、例えば長さが3〜10個の原子であるスペーサーを介してグルカゴンペプチドのアミノ酸の側鎖に結合している。幾つかの実施態様において、アシル又はアルキル基は、スペーサーを介してグルカゴンペプチドの10位のアミノ酸の側鎖に結合している。特定の実施態様において、アシル化又はアルキル化グルカゴンペプチドは、更に、GLP−1受容体に対するペプチドの活性を選択的に減少する修飾を含む。例えば、アシル化又はアルキル化グルカゴンペプチドは、C末端アルファカルボキシレート、ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸(例えばAbu若しくはIle)による7位のThrの置換、27若しくは28アミノ酸ペプチドを生じるような27若しくは28位のアミノ酸のC末端のアミノ酸の欠失、又はこれらの組み合わせ、のいずれかを含むことができる。
幾つかの実施態様において、本明細書に記載されているグルカゴペプチドのいずれかを、20、21、24又は27の位置のうちの1、2、3つのいずれか又は4つを全て修飾することより更に修飾して、多様なアミノ酸位置での分解を低減することができる。例示的な実施態様には、Ala又はAIBによる20位のGlnの置換、Gluによる21位のAspの置換、Ala又はAIBによる24位のGlnの置換、Leu又はNleによる27位のMetの置換、が含まれる。メチオニンの除去又は置換は、メチオニンの酸化に起因するような分解を低減する。Gln又はAsnの除去又は置換は、Gln又はAsnの脱アミド化に起因するような分解を低減する。Aspの除去又は置換は、Aspの脱水により環状スクシンイミド中間体を形成し、続く異性化によりイソアスパラギン酸塩を形成することにより生じるような分解を低減する。
幾つかの実施態様において、本明細書に記載されているグルカゴペプチドのいずれかを、少なくとも部分的なグルカゴン受容体活性を保持しつつ、グルカゴン受容体に対する活性に有害な影響を与えることなく、修飾することができる。例えば、保存的又は非保存的置換、付加又は欠失を、2、5、7、10、11、12、13、14、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位のいずれかにおいて実施することができる。例示的な実施態様において、12位のLysはArgで置換されている。別の例示的な実施態様において、29及び/又は28位のアミノ酸(そして場合により27位のアミノ酸も)は欠失している。
本明細書に記載されている任意のグルカゴンペプチドは、例えば実施例13のアッセイを使用して、グルカゴン受容体を過剰発現しているHEK293細胞におけるcAMP誘導について試験したとき、約100nM、75nM、50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、5nM、1nM又はそれ以下のEC50をヒトグルカゴン受容体に対して示すことができる。典型的なペグ化ペプチドは、非ペグ化ペプチドと比較するとより高いEC50を示す。例えば、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドは、非ペグ化された場合、グルカゴン受容体に対する天然グルカゴン(配列番号1)活性の、少なくとも20%(例えば、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、100%、150%、200%、400%、500%又はそれ以上)である活性を、グルカゴン受容体に対して示すことができる。特定の実施態様において、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドは、親水性部分を欠いている場合、グルカゴン受容体に対して天然グルカゴンの示されている活性%を示すが、親水性部分を含む場合、グルカゴン受容体に対して天然グルカゴンの減少した活性%を示す。例えば、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドは、ペグ化された場合、天然グルカゴンの活性の少なくとも2%(例えば、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%又は少なくとも10%)である活性を、グルカゴン受容体に対して示すことができる。幾つかの実施態様において、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドは、上記に示されている活性のいずれかを示すことができるが、グルカゴン受容体に対する天然グルカゴンの活性の1000%、10,000%、100,000%、又は1,000,000%以下である。
幾つかの特定の実施態様において、グルカゴンペプチドは、以下を含む:(a)DPP−IV耐性を付与する1及び/又は2位でのアミノ酸修飾、例えば1位でのDMIAによる置換又は2位でのAIBによる置換、(b)12〜29位の範囲内、例えば16及び20位の分子内架橋又はα,α二置換アミノ酸による16,20、21及び24位のアミノ酸の1個以上の置換、そして更に以下を含んでもよい:(c)場合により、例えば24、29位又はC末端アミノ酸のCysを介したPEGのような親水性部分への結合、(d)場合により、例えばNleでMetを置換する27位でのアミノ酸修飾、(e)場合により、分解を低減する20、21、及び24位でのアミノ酸修飾、並びに、(f)場合により、配列番号20への結合。グルカゴンペプチドが配列番号20に結合している場合、29位のアミノ酸は、特定の実施態様において、Th又はGlyである。別の特定の実施態様において、グルカゴンペプチドは、(a)Asp28Glu29又はGlu28Glu29又はGlu29Glu30又はGlu28Glu30又はAsp28Glu30、を含み、更に以下を含んでもよい:(b)場合により、例えばThr又はAIBでSerを置換する16位でのアミノ酸修飾、(c)場合により、例えばNleでMetを置換する27位でのアミノ酸修飾、並びに場合により分解を低減する20、21及び24位でのアミノ酸修飾。特定の実施態様において、グルカゴンペプチドは、T16,A20,E21,A24,Nle27,D28,E29である。
グルカゴンペプチドは、リンカーを介して結合している少なくとも2、3つ、又はそれ以上のペプチドを含む二量体、三量体、又はより高次な多量体の一部であることができ、ここで少なくとも1つ又は両方のペプチドはグルカゴンペプチドである。二量体は、ホモ二量体又はヘテロ二量体であることができる。幾つかの実施態様において、リンカーは、二官能チオール架橋剤及び二官能アミン架橋剤からなる群より選択される。特定の実施態様において、リンカーは、PEG、例えば5kDaのPEG、20kDaのPEGである。幾つかの実施態様において、リンカーはジスルフィド結合である。例えば、二量体のそれぞれのモノマーは、Cys残基(例えば、末端又は内部に位置したCys)を含むことができ、それぞれのCys残基の硫黄原子はジスルフィド結合の形成に参加する。本発明の幾つかの態様において、複数のモノマーは、複数の末端アミノ酸(例えば、N末端若しくはC末端)同士を介して、又は複数の内部アミノ酸同士を介して、又は少なくとも一方のモノマーの末端アミノ酸と少なくとももう一方のモノマーの内部アミノ酸とを介して、連結している。特定の態様において、複数のモノマーはN末端アミノ酸を介して連結してはいない。幾つかの態様において、多量体のモノマーは、各モノマーのC末端アミノ酸が互いに結合している「尾−尾」配向で互いに結合している。
結合体部分は、二量体、三量体、又はより高次な多量体を含む、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドのいずれかに対して共有結合することができる。配列番号20〜22のいずれかのアミノ酸配列を含む融合ペプチドも考慮される。
グルカゴン受容体活性を増加する、部分的なグルカゴン受容体活性を保持する、溶解性を改善する、安定性を増加する、又は分解を低減するような、上記に記載された修飾のいずれかを、個別に又は組み合わせて、グルカゴンペプチドに適用することができる。したがって、グルカゴン受容体に対して天然グルカゴンの活性の少なくとも20%の活性を保持し、6〜8又は6〜9のpH(例えば、pH7)で少なくとも1mg/mLの濃度で溶解性であり、場合により25℃で24時間後、元のペプチドの少なくとも95%を保持する(例えば、元のペプチドの5%以下しか分解又は切断されない)、グルカゴンペプチドを調製することができる。あるいは、グルカゴン受容体に対して天然グルカゴンの活性の少なくとも約100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%又は10倍以上の活性を示し、場合により6〜8又は6〜9のpH(例えば、pH7)で少なくとも1mg/mLの濃度で溶解性であり、場合により25℃で24時間後、元のペプチドの少なくとも95%を保持する(例えば、元のペプチドの5%以下しか分解又は切断されない)、高い効力のグルカゴンペプチドを調製することができる。特定の実施態様において、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドは、親水性部分を欠いている場合、グルカゴン受容体に対して天然グルカゴンの示されている活性%を示すが、親水性部分を含む場合、グルカゴン受容体に対して天然グルカゴンの減少した活性%を示す。幾つかの実施態様において、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドは、グルカゴン受容体に対して上記に示された相対活性レベルのの少なくともいずれかを示すことができるが、グルカゴン受容体に対する天然グルカゴンの活性の10,000%、100,000%、又は1,000,000%以下である。
一つの実施態様によると、好ましくは滅菌され、好ましくは少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の純度レベルを有する、本明細書に開示されている任意の新規グルカゴンペプチドと、薬学的に許容される希釈剤、担体、又は賦形剤とを含む、医薬組成物が提供される。そのような組成物は、少なくともAの濃度でグルカゴンペプチドを含有することができ、ここでAは、0.001mg/ml、0.01mg/ml、0.1mg/ml、0.5mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21mg/ml、22mg/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、又はそれ以上である。他の実施態様において、そのような組成物は、最大でもBの濃度でグルカゴンペプチドを含有することができ、ここでBは、30mg/ml、25mg/ml、24mg/ml、23mg/ml、22mg/ml、21mg/ml、20mg/ml、19mg/ml、18mg/ml、17mg/ml、16mg/ml、15mg/ml、14mg/ml、13mg/ml、12mg/ml、11mg/ml、10mg/ml、9mg/ml、8mg/ml、7mg/ml、6mg/ml、5mg/ml、4mg/ml、3mg/ml、2mg/ml、1mg/ml、又は0.1mg/mlである。幾つかの実施態様において、組成物はA〜Bのmg/ml、例えば0.001〜30.0mg/mlの濃度範囲でグルカゴンペプチドを含有することができる。一つの実施態様において、医薬組成物は、滅菌され場合より多様な容器に保存されている水性液剤を含む。そのような液剤を一つの実施態様に従って使用して、注射用の予備処方液剤を調製することができる。別の実施態様において、医薬組成物は凍結乾燥粉末剤を含む。医薬組成物を、患者に組成物を投与する使い捨て装置を含むキットの一部として更に包装することができる。装置は、シリンジ及び針又は充填済シリンジを含むことができる。容器又はキットにラベルを付けて周囲温度又は冷蔵温度で保存することができる。
一つの実施態様によると、本発明のグルカゴンペプチドの予備処方水性組成物を使用して、グルコースレベルを急速に増加する、血中グルコースレベルを正常化する、血中グルコースレベルを安定化する、又は低血糖症を予防若しくは治療する方法が提供される。この方法は、本開示の新規修飾グルカゴンペプチドを含む水性液剤の有効量を投与する工程を含む。幾つかの実施態様において、水性組成物は、組成物を患者に投与するのに使用される装置に予め包装されている。別の実施態様において、腸管の一過性麻痺を誘導する方法が提供される。この方法は、本明細書に開示されている1つ以上のグルカゴンペプチドを、それを必要とする患者に投与する工程を含む。
なお別の実施態様において、本発明のグルカゴンペプチドを含む水性液剤の有効量を投与することを含む、体重増加を低減する又は減量を誘導する方法が提供される。体重増加を低減する又は減量を誘導する方法は、薬剤誘導肥満を含む多様な原因の肥満の治療、並びに血管疾患(冠動脈疾患、発作、末梢血管疾患、虚血再灌流など)、高血圧、II型糖尿病の発症、高脂血症及び筋骨格系疾患を含む肥満に関連する合併症の低減、に有用であることが予想される。
更なる実施態様において、インスリンと本発明のグルカゴンペプチドとを同時投与することを含む、高血糖症又は糖尿病の治療方法が提供される。高血糖症には、インスリン依存性又はインスリン非依存性のいずれかの、糖尿病、I型糖尿病、II糖尿病又は妊娠糖尿病を含み、腎障害、網膜症、及び血管疾患を含む糖尿病の合併症を低減すること。インスリンと本発明のグルカゴンペプチドの同時投与は、夜間低血糖症を低減すること及び/又はインスリンの低血糖効果を緩衝することができ、同じ又は多い用量の短期作用又は長期作用インスリンを、より少ない有害低血糖効果で投与することを可能にする。本発明のグルカゴンペプチドと一緒にインスリンを含む組成物も提供される。
一つの実施態様によると、インスリン依存性患者において血中グルコースレベルを調節する改善された方法が提供される。この方法は、糖尿病を制御するのに治療上有効な量でインスリンを投与する工程及び低血糖症の予防に治療上有効な量で本開示の新規修飾グルカゴンペプチドを投与する工程を含み、前記投与工程は、互いに12時間以内に実施される。一つの実施態様において、グルカゴンペプチド及びインスリンは単一組成物として同時投与される。
本明細書に記載されている全ての治療方法、医薬組成物、キット、及び他の同様の実施態様においては、グルカゴンペプチド、グルカゴンアゴニスト類縁体、グルカゴンアゴニスト、又はグルカゴン類縁体という用語の使用には、その薬学的に許容される塩又はエステルが全て含まれることを考慮する。
例示的なグルカゴンペプチドは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、及び配列番号33からなる群より選択され、ここで、グルカゴンペプチドのアミノ酸29は、ペプチド結合を介して第2ペプチドに結合し、前記第2ペプチドは、配列番号20、配列番号21、又は配列番号22の配列を含む。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドはペグ化されている。一つの実施態様において、本方法は、配列番号24、配列番号25、及び配列番号26の配列を含む、一つのペプチドを投与する工程を含み、ここで21位又は24位のアミノ酸にはポリエチレン鎖が共有結合している。
オキシントモジュリンは、グルカゴン(すなわち、配列番号1)の29アミノ酸配列を含有し、その後に配列番号21(KRNRNNIA)の8アミノ酸カルボキシ末端延長部が続く、37アミノ酸ペプチドである。本発明は、本明細書に記載されているグルカゴン類縁体が、場合によりこの8アミノ酸カルボキシ末端延長部(配列番号21)と結合しうることを考慮するが、本発明は、幾つかの実施態様において、配列番号21の8個の連続するカルボキシアミノ酸を欠いているグルカゴン類縁体及びグルカゴン類縁体の使用を特に考慮する。
前述の概要は、本発明の全ての態様を定義することを意図せず、追加の実施態様が発明を実施するための形態のような他の章に記載されている。この文書は全体として統一された開示として関連し、本明細書に記載されている特徴の全ての可能な組み合わせは、たとえそのような特徴の組み合わせがこの文書の同じ行、段落又は章において一緒に見あたらないとしても、本明細書に記載されていると理解されるべきである。
更に、本発明は、本明細書の特定の段落により定義された変形よりも多少なりとも狭い範囲である本発明の実施態様のうちの1つ又は全てを含む。例えば、本発明の特定の態様が概念として記載される場合、概念の全ての構成要素が個別に本発明の実施態様であること及び概念の2つ以上の構成要素の組み合わせが本発明の実施態様であることを理解するべきである。
(関連出願の相互参照)
本出願は、以下の優先権を請求する:米国仮出願第61/073,193号(2008年6月17日出願)、米国仮出願第61/078,165号(2008年7月3日出願)及び米国仮出願第61/090,415号(2008年8月20日出願)。それぞれの出願の開示は、その全体が参照として本明細書に明確に組み込まれる。
本出願は、以下の優先権を請求する:米国仮出願第61/073,193号(2008年6月17日出願)、米国仮出願第61/078,165号(2008年7月3日出願)及び米国仮出願第61/090,415号(2008年8月20日出願)。それぞれの出願の開示は、その全体が参照として本明細書に明確に組み込まれる。
<定義>
本発明を記載し、請求するに際し、以下の用語を下記に記載した定義に従って使用する。
本発明を記載し、請求するに際し、以下の用語を下記に記載した定義に従って使用する。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される担体」には、リン酸緩衝食塩水、水、油/水又は水/油乳剤のような乳剤、並びに多様な種類の湿潤剤のような任意の標準的な医薬担体が含まれる。この用語は、また、ヒトを含む動物における使用が米国連邦政府の規制当局により承認されているか又は米国薬局方に記載されている作用物質のいずれかを包含する。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される塩」は、母体化合物の生物学的活性を保持し、生物学的にも非生物学的にも有害ではないような、化合物の塩を意味する。本明細書に開示されている化合物の多くは、アミノ及び/若しくはカルボキシル基又は同様の基の存在によって酸性及び/又は塩基性の塩を形成することができる。
薬学的に許容される塩基性付加塩は、無機又は有機塩基から調製することができる。無機塩基から誘導される塩には、単なる例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム及びマグネシウム塩が含まれる。有機塩基から誘導される塩には、第一級、第二級及び第三級アミンの塩が含まれるが、これらに限定されない。
薬学的に許容される酸性付加塩は、無機又は有機塩基から調製することができる。無機酸から誘導される塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。有機酸から誘導される塩には、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが含まれる。
本明細書で使用されるとき、用語「治療する」には、特定の障害若しくは状態を予防すること、又は特定の障害若しくは状態に関連する症状を緩和すること、及び/又は前記症状を防止若しくは排除することが含まれる。例えば、本明細書で使用されるとき、用語「糖尿病を治療する」は、一般に血中グルコースレベルを正常なレベルの方向に変えることを意味し、所定の状態に応じて血中グルコースレベルを増加又は減少することを含むことができる。
本明細書で使用されるとき、グルカゴンペプチドの「有効」量又は「治療有効量」は、所望の効果をもたらすペプチドの非毒性であるが十分な量を意味する。例えば、一つの所望の効果は、例えば血中グルコースレベルの増加により測定される、低血糖症の予防又は治療である。「有効」である量は、個人の年齢及び全身状態、投与様式などによって被験者毎に変わる。したがって、正確な「有効量」を規定することがいつも可能というわけではない。しかし、個別の症例における適切な「有効」量は、慣用的な実験を使用して当業者によって決定することができる。
用語「非経口的」は、消化管を介するのではなく、皮下、筋肉内、脊髄内又は静脈内のような他の経路によることを意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「精製された」又は同様の用語は、通常、天然又は自然環境において分子又は化合物と関連する汚染物質を実質的に無含有の形態で分子又は化合物を単離することを意味する。本明細書で使用されるとき、用語「精製された」は、絶対的な純度を必要とせず、むしろ相対的な定義として意図される。用語「精製ポリペプチド」は、他の化合物(核酸分子、脂質、及び炭水化物が含まれるが、これらに限定されない)から分離されているポリペプチドのことを記載するために本明細書において使用される。
用語「単離された」は、参照された物質が元の環境(例えば、天然型の場合は、自然環境)から除去されていることを必要とする。例えば、生きている動物に存在する天然型のポリヌクレオチドは単離されていないが、同じポリヌクレオチドが天然系で共存している物質の一部又は全てから分離していればは、単離されている。
本明細書で使用されるとき、用語「天然グルカゴン」は、配列番号1の配列から構成されるペプチドを意味し、用語「天然GLP−1」は、GLP−1(7〜36)アミド(配列番号57の配列から構成される)、GLP−1(7〜37)酸(配列番号58の配列から構成される)、又はこの2つの化合物の混合物を示す総称である。本明細書で使用されるとき、更なる名称が不在なときの「グルカゴン」又は「GLP−1」への一般的な参照は、それぞれ天然グルカゴン又は天然GLP−1を意味することが意図される。
本明細書で使用するとき、「グルカゴンペプチド」には、配列番号1のアミノ酸配列を含むか、又は、ペプチドに対するアミノ酸置換、付加、若しくは欠失、又は翻訳後修飾(例えば、メチル化、アシル化、ユビキチン化など)を含む配列番号1のアミノ酸配列の任意の類縁体であって、例えば実施例13に記載されているアッセイを使用してcAMP産生により測定された場合、グルカゴン又はGLP−1受容体活性を刺激するような類縁体を含む、任意のペプチドが含まれる。
用語「グルカゴンアゴニスト」は、例えば実施例13に記載されているアッセイを使用してcAMP産生により測定された場合、グルカゴン受容体活性を刺激するようなグルカゴンペプチドを含む、複合体を意味する。
本明細書で使用されるとき、「グルカゴンアゴニスト類縁体」は、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群より選択される配列、又は、これらの配列の2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28、若しくは29位に1つ以上の保存的アミノ酸置換を含むように修飾された類縁体、を含むグルカゴンペプチドである。
本明細書で使用されるとき、アミノ酸「修飾」は、アミノ酸の置換、付加、又は欠失を意味し、ヒトタンパク質において一般的に見出される20個のアミノ酸によるものに加え、異形又は非天然型のアミノ酸のいずれかによる、置換又は付加が含まれる。本出願の全体を通して、番号による特定のアミノ酸位置(例えば、28位)に対する全ての参照は、天然グルカゴン(配列番号1)におけるその位置のアミノ酸、又は任意の類縁体における対応するアミノ酸位置を意味する。例えば、本明細書において「28位」に対する参照は、配列番号1の第1アミノ酸が欠失しているグルカゴン類縁体の場合は、対応する27位を意味する。同様に、本明細書において「28位」に対する参照は、1個のアミノ酸が配列番号1のN末端の前に付加されているグルカゴン類縁体の場合は、対応する29位を意味する。
本明細書で使用されるとき、アミノ酸「置換」は、1個のアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基に代えることを意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「保存的アミノ酸置換」は、以下の5つの群の1つの範囲内の交換として本明細書において定義される:
I.小型で脂肪族の非極性又は僅かに極性の残基:
Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性の負荷電残基及びそれらのアミド:
Asp、Asn、Glu、Gln、システイン酸及びホモシステイン酸;
III.極性の正荷電残基:
His、Arg、Lys、オルニチン(Orn);
IV.大型で脂肪族の非極性残基:
Met、Leu、Ile、Val、Cys、ノルロイシン(Nle)、ホモシステイン;
V.大型の芳香族残基:
Phe、Tyr、Trp、アセチルフェニルアラニン。
I.小型で脂肪族の非極性又は僅かに極性の残基:
Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性の負荷電残基及びそれらのアミド:
Asp、Asn、Glu、Gln、システイン酸及びホモシステイン酸;
III.極性の正荷電残基:
His、Arg、Lys、オルニチン(Orn);
IV.大型で脂肪族の非極性残基:
Met、Leu、Ile、Val、Cys、ノルロイシン(Nle)、ホモシステイン;
V.大型の芳香族残基:
Phe、Tyr、Trp、アセチルフェニルアラニン。
本明細書で使用されるとき、総称「ポリエチレングリコール」又は「PEG」は、一般式:H(OCH2CH2)nOH(nは9以上)により表される、分岐鎖又は直鎖の、エチレンオキシドと水の縮合ポリマーの混合物を意味する。更なる特定がない限り、この用語は、500〜40,000ダルトンの範囲から選択される平均総分子量を有するエチレングリコールのポリマーを含むことが意図される。「ポリエチレングリコール」又は「PEG」は、およその平均分子量を示す数字の接尾辞と組み合わせて使用。例えば、PEG−5,000は、平均約5,000の総分子量を有するポリエチレングリコールを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「ペグ化」及び同様の用語は、ポリエチレングリコールポリマーを化合物に結合することにより天然の状態が修飾された化合物を意味する。「ペグ化グルカゴンペプチド」は、共有結合しているPEG鎖を有するグルカゴンペプチドである。
本明細書で使用されるとき、ペプチドに対する一般的な参照は、修飾されたアミノ及びカルボキシ末端を有するペプチドを包含することが意図される。例えば、末端カルボン酸の代わりにアミド基を含むアミノ酸鎖は、標準的なアミノ酸を示すアミノ酸配列に包含されることが意図される。
本明細書で使用されるとき、「リンカー」は、2つの別々の実体を互いに結合する結合、分子、又は分子群である。リンカーは、2つの実体に最適な間隔をもたらしてもよいし、更に2つの実体が互いに分離することを可能にする不安定な結合を提供してもよい。不安定な結合には、光切断基、酸不安定部分、塩基不安定部分及び酵素切断基が含まれる。
本明細書で使用されるとき「二量体」は、リンカーを介して互いに共有結合している2つのサブユニットを含む複合体である。二量体という用語は、意味を限定する言葉無しに使用される場合、ホモ二量体とヘテロ二量体の両方を包含する。ホモ二量体は、2つの同一のサブユニットを含み、一方、ヘテロ二量体は、異なる2つのサブユニットを含むが、2つのサブユニットは、実質的に互いに類似している。
本明細書で使用されるとき、用語「pH安定化グルカゴンペプチド」は、薬理学的な目的に使用される最も広いpH範囲の水性緩衝液中で、天然グルカゴンに比べてより優れた安定性及び溶解性を示すグルカゴンアゴニスト類縁体を意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「荷電アミノ酸」は、生理学的pHの水溶液において負に帯電(すなわち、脱プロトン化)している、又は正に帯電(すなわち、プロトン化)してている側鎖を含むアミノ酸を意味する。例えば、負荷電アミノ酸には、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸、及びホモグルタミン酸が含まれ、一方、正荷電アミノ酸には、アルギニン、リシン、及びヒスチジンが含まれる。荷電アミノ酸には、ヒトタンパク質において一般的に見出される20個のアミノ酸に加え、また異形又は非天然型のアミノ酸のうちの荷電アミノ酸も含まれる。
非天然型のアミノ酸とは、インビボで天然に生じないが、それでも、本明細書に記載されるペプチド構造に組み込むことができるようなアミノ酸を意味する。異形アミノ酸の商業供給源には、Sigma-Aldrich(Milwaukee, WI)、ChemPep Inc.(Miami, FL)及びGenzyme Pharmaceuticals(Cambridge, MA)が含まれる。異形アミノ酸は、商業供給者から購入することも、新規に合成することも、他のアミノ酸から化学的に修飾する若しくは誘導体化することもできる。
本明細書で使用されるとき、用語「酸性アミノ酸」は、例えばカルボン酸又はスルホン酸基のような第2の酸性部分を含むアミノ酸を意味する。
用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を含有する、直鎖又は分岐鎖の炭化水素を意味する。例示的アルキルには、メチル、エチル及び直鎖プロピル基が含まれる。
用語「ヘテロアルキル」は、構造の主鎖に示された数の炭素原子、及び少なくとも1つのヘテロ原子を含有する、直鎖又は分岐鎖の炭化水素を意味する。本明細書の目的に適したヘテロ原子には、N、S及びOが含まれるが、これらに限定されない。
〔実施態様〕
<増強された溶解性>
出願者たちは、天然グルカゴンが、そのカルボキシ末端に電荷を導入することにより、ペプチドのアゴニスト特性を保持しつつ溶解性を増強するように修飾されうることを発見した。増強された溶解性は、ほぼ中性のpHでのグルカゴン溶液の調製及び保存を可能にする。比較的中性のpH(例えば、約6.0〜約8.0のpH)でのグルカゴン溶液の配合は、グルカゴンペプチドの長期安定性を改善する。
<増強された溶解性>
出願者たちは、天然グルカゴンが、そのカルボキシ末端に電荷を導入することにより、ペプチドのアゴニスト特性を保持しつつ溶解性を増強するように修飾されうることを発見した。増強された溶解性は、ほぼ中性のpHでのグルカゴン溶液の調製及び保存を可能にする。比較的中性のpH(例えば、約6.0〜約8.0のpH)でのグルカゴン溶液の配合は、グルカゴンペプチドの長期安定性を改善する。
したがって、本発明の一つの実施態様は、His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asn−Thr(配列番号1)の野生型ペプチドに対して修飾されて、天然ペプチドの生物学的活性を保持しながら、特に約5.5〜約8.0のpH範囲で水溶液におけるペプチドの溶解性を改善するグルカゴンアゴニストを対象とする。一つの実施態様において、ペプチドに対して、天然の非荷電アミノ酸を、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸で置換することにより、又は、アミノ若しくはカルボキシ末端へ荷電アミノ酸を付加することにより、電荷が付加される。驚くべきことに、出願者たちは、28及び/若しくは29位において通常に生じるアミノ酸を荷電アミノ酸で置換すること並びに/又はグルカゴンペプチドのカルボキシ末端に1〜2個の荷電アミノ酸を付加することは、生理学的なpH(すなわち、約6.5〜約7.5のpH)の水溶液におけるグルカゴンペプチドの溶解性及び安定性を、少なくとも5倍増強し、30倍まで増強することを発見した。
したがって、本発明の一つの実施態様のグルカゴンペプチドは、グルカゴン活性を保持し、且つ、25℃で24時間経過後に測定したとき、約5.5〜8の所定のpH、例えばpH7で、天然グルカゴンの溶解性に対して少なくとも2倍、5倍、10倍、15倍、25倍、30倍、又はそれ以上の溶解性を示す。本明細書に開示される任意のグルカゴンペプチドは更に、5.5〜8の範囲内のpHにおいて25℃で24時間経過後に、例えば元のペプチドの少なくとも75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%を保持するような、向上した安定性を示してもよい。幾つかの実施態様において、本発明のグルカゴンペプチドは、少なくとも20℃(例えば21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、少なくとも27.5℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃)及び100℃未満、85℃未満、75℃未満又は70℃未満の温度の溶液中で、1週間以上(例えば、約2週間、約4週間、約1か月、約2か月、約4か月、約6か月、約8か月、約10か月、約12か月)経過後に、紫外線(UV)検出器により280nmで検出した場合、少なくとも75%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、95%超、100%まで)の濃度のペプチドが検出可能であるような、又は約25%未満(例えば、20%未満、15%未満、10%未軟、5%、4%、3%、2%、1%未満、0%まで)の分解ペプチドしか検出されないような、向上した安定性を示す。グルカゴンペプチドは、その薬学的特性を変える追加的な修飾、例えば、効力の増加、循環半減期の延長、保存寿命の増加、沈殿若しくは凝集の低減及び/又は分解の低減、例えば保存後の切断若しくは化学修飾の発生の低減、をもたらすような修飾も含むことができる。
一つの実施態様において、向上した溶解性を有するグルカゴンペプチドは、例えば、天然グルカゴンのC末端部分、一つの実施態様ではC末端から27位までの位置、への1、2、3個又はそれ以上の荷電アミノ酸の導入により、調製することができる。例えばそのような荷電アミノ酸は、例えば28又は29位で天然アミノ酸を荷電アミノ酸で置換する、あるいは27、28又は29位の後に荷電アミノ酸を付加することによって導入することができる。例示的な実施態様において、1、2、3個又は全ての荷電アミノ酸は、負に荷電されている。他の実施態様において、1、2、3個又は全ての荷電アミノ酸は、正に荷電されている。特定の例示的な実施態様において、グルカゴンペプチドは、以下の修飾の任意の1又は2個を含むことができる:EによるN28の置換;DによるN28の置換;DによるT29の置換;EによるT29の置換;27、28又は29位の後ろへのEの挿入;27、28又は29位の後ろへのDの挿入。例えば、D28E29、E28E29、E29E30、E28E30、D28E30である。
<更なる修飾及び組み合わせ>
追加的な修飾をグルカゴンペプチドに行うことができ、これは溶解性及び/又は安定性及び/又はグルカゴン活性を更に増加することができる。あるいはまたグルカゴンペプチドは、溶解性又は安定性に実質的に影響を与えない及びグルカゴン活性を実質的に減少しないような、他の修飾を含むことができる。例示的な実施態様において、グルカゴンペプチドは、天然グルカゴン配列に対して合計1個、2個まで、3個まで、4個まで、5個まで、6個まで、7個まで、8個まで、9個まで、10個まで、11個まで、12個まで、13個まで、又は14個までのアミノ酸修飾を含むことができる。幾つかの実施態様において、そのようなグルカゴン類縁体は、天然グルカゴンの対応する位置に少なくとも22、23、24、25、26、27、又は28個の天然型のアミノ酸を保持する(例えば、天然型のグルカゴンに対して1〜7、1〜5、又は1〜3個の修飾を有する)。
追加的な修飾をグルカゴンペプチドに行うことができ、これは溶解性及び/又は安定性及び/又はグルカゴン活性を更に増加することができる。あるいはまたグルカゴンペプチドは、溶解性又は安定性に実質的に影響を与えない及びグルカゴン活性を実質的に減少しないような、他の修飾を含むことができる。例示的な実施態様において、グルカゴンペプチドは、天然グルカゴン配列に対して合計1個、2個まで、3個まで、4個まで、5個まで、6個まで、7個まで、8個まで、9個まで、10個まで、11個まで、12個まで、13個まで、又は14個までのアミノ酸修飾を含むことができる。幾つかの実施態様において、そのようなグルカゴン類縁体は、天然グルカゴンの対応する位置に少なくとも22、23、24、25、26、27、又は28個の天然型のアミノ酸を保持する(例えば、天然型のグルカゴンに対して1〜7、1〜5、又は1〜3個の修飾を有する)。
幾つかの実施態様において、1、2、3、4、又は5個の非保存的置換が、2、5、7、10、11、12、13、14、17、18、19、20、21、24、27、28、又は29のいずれかの位置において実施され、5個までの更なる保存的置換が、これらの位置のいずれかにおいて実施される。幾つかの実施態様において、1、2、又は3個のアミノ酸修飾が1〜16の位置の範囲内のアミノ酸で実施され、1、2、又は3個のアミノ酸修飾が17〜26の位置の範囲内のアミノ酸で実施される。
例示的な修飾には以下が含まれるが、これらに限定されない:
(a)少なくとも部分的なグルカゴンアゴニスト活性を保持しながらの非保存的置換、保存的置換、付加、又は欠失、例えば、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上での保存的置換、Val又はPheによる10位のTyrの置換、Argによる12位のLysの置換、Alaによるこれらの位置の1つ以上での置換;
(b)少なくとも部分的なグルカゴンアゴニスト活性を保持しながらの、29及び/又は28位のアミノ酸(場合により27位のアミノ酸も)の欠失;
(c)分解を低減しうる、15位のアスパラギン酸の修飾、例えばグルタミン酸、ホモグルタミン酸、システイン酸、若しくはホモシステイン酸での置換による修飾;又は、Asp15−Ser16結合の切断による分解を同様に低減しうる、16位のセリンの修飾、例えばトレオニン、AIB、グルタミン酸での置換、若しくは4原子の長さの側鎖を有する別の負荷電アミノ酸での置換、あるいはグルタミン、ホモグルタミン酸若しくはホモシステイン酸のいずれかでの置換による修飾;
(d)溶解性及び/又は半減期を増加しうる、例えば16、17、20、21、24、29、40位又はC末端アミノ酸への、本明細書に記載されている親水性部分、例えば水溶性ポリマーであるポリエチレングリコール、の付加;
(e)酸化分解を低減するための、例えばロイシン又はノルロイシンでの置換による、27位のメチオニンの修飾;
(f)Glnの脱アミド化を介して生じる分解を低減するための、例えばSer、Thr、Ala又はAIBでの置換による20又は24位のGlnの修飾;
(g)Aspの脱水により環状スクシンイミド中間体を形成し、続いて異性化によりイソアスパラギン酸塩を形成することにより生じる分解を低減するための、例えばGluでの置換による、21位のAspの修飾;
(h)DPP−IV切断への耐性を改善するための、本明細書に記載されている1又は2位での修飾、これは場合により、「i」と「i+4」(ここでiは、12〜25の整数、例えば12,16、20、24である)の位置の間のラクタム架橋のような、分子内架橋と組み合わせてもよい;
(i)、グルカゴン及びGLP−1受容体に対する活性を増加しうる、循環半減期を増加しうる、及び/又は作用の持続時間を延長しうる、及び/又は作用の開始を遅延しうるような、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドのアシル化又はアルキル化(これは更に、親水性部分の付加と組み合わせてもよく、更に又はその代わりに、以下のいずれかと組み合わせてもよい:GLP−1ペプチドでの活性を選択的に低減する修飾、例えばヒドロキシル基を欠いているアミノ酸、例えばAbu若しくはIle、による7位のThrの置換のような、7位のThrの修飾;C末端から27位までのアミノ酸の欠失(例えば、長さがアミノ酸27若しくは28個のペプチドを生じるような、28位及び29位のアミノ酸の一方若しくは両方の欠失);、又はこれらの組み合わせ);
(j)本明細書に記載されているC末端延長部;
(k)本明細書に記載されているホモ二量体化又はヘテロ二量体化;並びに
上記の組み合わせ。
(a)少なくとも部分的なグルカゴンアゴニスト活性を保持しながらの非保存的置換、保存的置換、付加、又は欠失、例えば、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上での保存的置換、Val又はPheによる10位のTyrの置換、Argによる12位のLysの置換、Alaによるこれらの位置の1つ以上での置換;
(b)少なくとも部分的なグルカゴンアゴニスト活性を保持しながらの、29及び/又は28位のアミノ酸(場合により27位のアミノ酸も)の欠失;
(c)分解を低減しうる、15位のアスパラギン酸の修飾、例えばグルタミン酸、ホモグルタミン酸、システイン酸、若しくはホモシステイン酸での置換による修飾;又は、Asp15−Ser16結合の切断による分解を同様に低減しうる、16位のセリンの修飾、例えばトレオニン、AIB、グルタミン酸での置換、若しくは4原子の長さの側鎖を有する別の負荷電アミノ酸での置換、あるいはグルタミン、ホモグルタミン酸若しくはホモシステイン酸のいずれかでの置換による修飾;
(d)溶解性及び/又は半減期を増加しうる、例えば16、17、20、21、24、29、40位又はC末端アミノ酸への、本明細書に記載されている親水性部分、例えば水溶性ポリマーであるポリエチレングリコール、の付加;
(e)酸化分解を低減するための、例えばロイシン又はノルロイシンでの置換による、27位のメチオニンの修飾;
(f)Glnの脱アミド化を介して生じる分解を低減するための、例えばSer、Thr、Ala又はAIBでの置換による20又は24位のGlnの修飾;
(g)Aspの脱水により環状スクシンイミド中間体を形成し、続いて異性化によりイソアスパラギン酸塩を形成することにより生じる分解を低減するための、例えばGluでの置換による、21位のAspの修飾;
(h)DPP−IV切断への耐性を改善するための、本明細書に記載されている1又は2位での修飾、これは場合により、「i」と「i+4」(ここでiは、12〜25の整数、例えば12,16、20、24である)の位置の間のラクタム架橋のような、分子内架橋と組み合わせてもよい;
(i)、グルカゴン及びGLP−1受容体に対する活性を増加しうる、循環半減期を増加しうる、及び/又は作用の持続時間を延長しうる、及び/又は作用の開始を遅延しうるような、本明細書に記載されているグルカゴンペプチドのアシル化又はアルキル化(これは更に、親水性部分の付加と組み合わせてもよく、更に又はその代わりに、以下のいずれかと組み合わせてもよい:GLP−1ペプチドでの活性を選択的に低減する修飾、例えばヒドロキシル基を欠いているアミノ酸、例えばAbu若しくはIle、による7位のThrの置換のような、7位のThrの修飾;C末端から27位までのアミノ酸の欠失(例えば、長さがアミノ酸27若しくは28個のペプチドを生じるような、28位及び29位のアミノ酸の一方若しくは両方の欠失);、又はこれらの組み合わせ);
(j)本明細書に記載されているC末端延長部;
(k)本明細書に記載されているホモ二量体化又はヘテロ二量体化;並びに
上記の組み合わせ。
例示的な修飾には、A群から選択される少なくとも1個のアミノ酸修飾とB群及び/又はC群から選択される1個以上のアミノ酸修飾とが含まれるが、ここで、
A群は、
荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Asn、Asp又はGluによる28位での置換;
Aspによる28位での置換;
Gluによる28位での置換;
荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Asp、Glu又はLysによる29位での置換;
Gluによる29位での置換;
29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;
29位の後へのGlu又はLysの挿入;
29位の後へのGlu−Lys又はLys−Lysの挿入;或いは
これらの組み合わせであり、
B群は、
Gluによる15位のAspの置換;
Thr又はAIBによる16位のSerの置換、であり、
C群は、
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する、非天然アミノ酸による1位のHisの置換;
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する、非天然アミノ酸による2位のSerの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
27〜29位のアミノ酸の欠失;
28〜29位のアミノ酸の欠失;
29位のアミノ酸の欠失;或いは
これらの組み合わせ、である。
A群は、
荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Asn、Asp又はGluによる28位での置換;
Aspによる28位での置換;
Gluによる28位での置換;
荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Asp、Glu又はLysによる29位での置換;
Gluによる29位での置換;
29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;
29位の後へのGlu又はLysの挿入;
29位の後へのGlu−Lys又はLys−Lysの挿入;或いは
これらの組み合わせであり、
B群は、
Gluによる15位のAspの置換;
Thr又はAIBによる16位のSerの置換、であり、
C群は、
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する、非天然アミノ酸による1位のHisの置換;
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する、非天然アミノ酸による2位のSerの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
27〜29位のアミノ酸の欠失;
28〜29位のアミノ酸の欠失;
29位のアミノ酸の欠失;或いは
これらの組み合わせ、である。
<3位での修飾>
グルカゴン受容体活性は、3位のアミノ酸修飾、例えば酸性、塩基性又は疎水性のアミノ酸による3位の天然型のグルタミンの置換、により低減することができる。例えば、グルタミン酸、オルチニン又はノルロイシンによる3位での置換は、グルカゴン受容体活性を実質的に低減又は破壊する。
グルカゴン受容体活性は、3位のアミノ酸修飾、例えば酸性、塩基性又は疎水性のアミノ酸による3位の天然型のグルタミンの置換、により低減することができる。例えば、グルタミン酸、オルチニン又はノルロイシンによる3位での置換は、グルカゴン受容体活性を実質的に低減又は破壊する。
グルカゴン受容体に対する活性の維持又は増強は、グルタミンの類縁体により3位のGlnを修飾することによって達成することができる。例えば、3位にグルタミン類縁体を含むグルカゴンペプチドは、グルカゴン受容体に対して天然グルカゴン(配列番号1)の活性の約5%、約10%、約20%、約50%、若しくは約85%又はそれ以上の活性を示すことができる。幾つかの実施態様において、3位にグルタミン類縁体を含むグルカゴンペプチドは、3位の修飾アミノ酸(例えば、配列番号69又は配列番号70)以外は、グルタミン類縁体を含むペプチドと同じアミノ酸配列を有するような対応するグルカゴンペプチドの活性の、約20%、約50%、約75%、約100%、約200%若しくは約500%又はそれ以上の活性を示すことができる。幾つかの実施態様において、3位にグルタミン類縁体を含むグルカゴンペプチドは、グルカゴン受容体に対して増強された活性を示すが、この増強された活性は、天然グルカゴンの又は3位の修飾アミノ酸以外はグルタミン類縁体を含むペプチドと同じアミノ酸配列を有するような対応するグルカゴンペプチドの活性の、1000%、10,000%、100,000%又は1,000,000%以下の活性である。
幾つかの実施態様において、グルタミン類縁体は、下記の構造I、II、又はIII:
〔式中、R1は、C0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2は、NHR4又はC1-3アルキルであり;R3は、C1-3アルキルであり;R4は、H又はC1-3アルキルであり;Xは、NH、O、又はSであり;そしてYは、NHR4、SR3、又はOR3である〕で示される側鎖を含む、天然型の又は非天然型のアミノ酸である。幾つかの実施態様において、Xは、NHであるか、又はYは、NHR4である。幾つかの実施態様において、R1は、C0-2アルキル又はC1ヘテロアルキルである。幾つかの実施態様において、R2は、NHR4又はC1アルキルである。幾つかの実施態様において、R4は、H又はC1アルキルである。例示的な実施態様において、構造Iの側鎖を含み、以下のいずれかが成り立つアミノ酸が提供される:R1はCH2−Sであり、XはNHであり、そしてR2はCH3である(アセトアミドメチル−システイン、C(Acm));R1はCH2であり、XはNHであり、そしてR2はCH3である(アセチルジアミノブタン酸、Dab(Ac));R1はC0アルキルであり、XはNHであり、R2はNHR4であり、そしてR4はHである(カルバモイルジアミノプロパン酸、Dap(尿素));又は、R1はCH2−CH2であり、XはNHであり、そしてR2はCH3である(アセチルオルニチン、Om(Ac))。例示的な実施態様において、構造IIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2であり、Yは、NHR4であり、そしてR4は、CH3である(メチルグルタミン、Q(Me))。例示的な実施態様において、構造IIIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2であり、そしてR4は、Hである(メチオニン−スルホキシド、M(O))。特定の実施態様において、3位のアミノ酸はDab(Ac)により置換されている。例えば、グルカゴンアゴニストは、配列番号63、配列番号69、配列番号71、配列番号72、配列番号73及び配列番号74のアミノ酸配列を含むことができる。
GLP−1受容体に対する活性の増強は、C末端アミノ酸のカルボン酸を、アミド又はエステルのような電荷中性基に代えることによってもたらされる。逆に、ペプチドのC末端の天然カルボン酸の保持は、グルカゴンペプチドの、GLP−1受容体よりもグルカゴン受容体に対するより高い選択性(例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20倍を超える)を維持する。
<DPP−IV耐性>
幾つかの実施態様において、本明細書に開示されているグルカゴンペプチドは、ジペプチジルペプチダーゼIVによる切断に対する感受性を低減するために、1又は2位において更に修飾されている。より詳細には、幾つかの実施態様において、類縁体ペプチドの1位は、D−ヒスチジン、アルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、N−メチルヒスチジン、アルファ−メチルヒスチジン、イミダゾール酢酸、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシル−ヒスチジン、アセチル−ヒスチジン、及びホモ−ヒスチジンからなる群より選択されるアミノ酸で置換されている。
幾つかの実施態様において、本明細書に開示されているグルカゴンペプチドは、ジペプチジルペプチダーゼIVによる切断に対する感受性を低減するために、1又は2位において更に修飾されている。より詳細には、幾つかの実施態様において、類縁体ペプチドの1位は、D−ヒスチジン、アルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、N−メチルヒスチジン、アルファ−メチルヒスチジン、イミダゾール酢酸、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシル−ヒスチジン、アセチル−ヒスチジン、及びホモ−ヒスチジンからなる群より選択されるアミノ酸で置換されている。
より詳細には、幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドの2位は、D−セリン、D−アラニン、バリン、アミノN−酪酸、グリシン、N−メチルセリン、及びアミノイソ酪酸からなる群より選択されるアミノ酸で置換されている。一つの実施態様において、類縁体ペプチドの2位は、D−セリン、D−アラニン、グリシン、N−メチルセリン、及びアミノイソ酪酸からなる群より選択されるアミノ酸で置換されている。別の実施態様において、類縁体ペプチドの2位は、D−セリン、グリシン、及びアミノイソ酪酸からなる群より選択されるアミノ酸で置換されている。
ペプチドの1又は2位での置換又は修飾又は誘導体化がグルカゴン受容体に対する活性を低減する場合、C末端部分(アミノ酸12〜29)の分子内架橋(例えば、「i」と「i+4」の位置のアミノ酸の側鎖の間のラクタム架橋、ここでiは12〜25の整数である)は、グルカゴン受容体に対するグルカゴン活性を改善することができる。
<親水性部分の付加>
PEG基のような親水性部分を、タンパク質と活性化ポリマー分子との反応に使用される任意の適切な条件下でグルカゴンペプチドに結合することができる。アシル化、還元的アルキル化、マイケル付加、チオールアルキル化、又はその他の、PEG部分の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α−ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)と標的化合物の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α−ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)との化学選択的結合/連結方法を含む、当該技術において既知のあらゆる方法を使用することができる。水溶性ポリマーを1つ以上のタンパク質に結合するのに使用できる活性化基には、スルホン、マレイミド、スルフヒドリル、チオール、トリフレート、トレシレート、アジリジン、オキシラン、5−ピリジル、及びアルファ−ハロゲン化アシル基(例えば、アルファ−ヨード酢酸、アルファ−ブロモ酢酸、アルファ−クロロ酢酸)が含まれるが、これらに限定されない。還元的アルキル化によりペプチドに結合する場合、選択されるポリマーは、重合の程度が制御されるように、単一の反応性アルデヒドを有するべきである。例えば、Kinstler et al., Adv. Drug. Delivery Rev. 54: 477-485 (2002); Roberts et al., Adv. Drug Delivery Rev. 54: 459-476 (2002)及びZalipsky et al., Adv. Drug Delivery Rev. 16: 157-182 (1995)を参照すること。
PEG基のような親水性部分を、タンパク質と活性化ポリマー分子との反応に使用される任意の適切な条件下でグルカゴンペプチドに結合することができる。アシル化、還元的アルキル化、マイケル付加、チオールアルキル化、又はその他の、PEG部分の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α−ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)と標的化合物の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α−ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)との化学選択的結合/連結方法を含む、当該技術において既知のあらゆる方法を使用することができる。水溶性ポリマーを1つ以上のタンパク質に結合するのに使用できる活性化基には、スルホン、マレイミド、スルフヒドリル、チオール、トリフレート、トレシレート、アジリジン、オキシラン、5−ピリジル、及びアルファ−ハロゲン化アシル基(例えば、アルファ−ヨード酢酸、アルファ−ブロモ酢酸、アルファ−クロロ酢酸)が含まれるが、これらに限定されない。還元的アルキル化によりペプチドに結合する場合、選択されるポリマーは、重合の程度が制御されるように、単一の反応性アルデヒドを有するべきである。例えば、Kinstler et al., Adv. Drug. Delivery Rev. 54: 477-485 (2002); Roberts et al., Adv. Drug Delivery Rev. 54: 459-476 (2002)及びZalipsky et al., Adv. Drug Delivery Rev. 16: 157-182 (1995)を参照すること。
本発明の特定の態様において、チオールを有するグルカゴンペプチドのアミノ酸残基は、PEGのような親水性部分で修飾されている。幾つかの実施態様において、チオールはマイケル付加反応においてマレイミド活性化PEGで修飾され、下記に示されるチオエーテル結合を含むペグ化ペプチドをもたらす:
適切な親水性部分には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール(例えば、POG)、ポリオキシエチレン化ソルビトール、ポリオキシエチレン化グルコース、ポリオキシエチレン化グリセロール(POG)、ポリオキシアルキレン、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、モノ−(C1〜C10)アルコキシ−又はアリールオキシ−ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリ(β−アミノ酸)(ホモポリマー又はランダムコポリマーのいずれか)、ポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー(PPG)及び他のポリアルキレンオキシド、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、コロン酸又は他の多糖ポリマー、フィコール又はデキストラン、並びにこれらの混合物が含まれる。
幾つかの実施態様によると、ポリエチレングリコール鎖は、約500〜約40,000ダルトンの範囲から選択される分子量を有する。一つの実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約5000〜約5,000ダルトン又は約1,000〜約5,000ダルトンの範囲から選択される分子量を有する。別の実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約10,000〜約20,000ダルトンの分子量を有する。さらに他の例示的な実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約20,000〜約40,000ダルトンの分子量を有する。
デキストランは、主にα1−6結合により結合しているグルコースサブユニットの多糖ポリマーである。デキストランは、多くの分子量範囲、例えば1kDから約100kDの範囲、又は、約5、10、15、若しくは20kDから約20、30、40、50、60、70、80、若しくは90kDの範囲、で入手することができる。
直鎖又は分岐鎖ポリマーが考慮される。得られる結合体の調製物は、実質的に単分散又は多分散であることができ、ペプチド1個あたり約0.5、0.7、1、1.2、1.5、又は2個のポリマー部分を有することができる。
<アシル化>
一つの実施態様によると、グルカゴンペプチドは、アシル基、例えばアミノ酸において天然に生じてはいないアシル基(例えば、天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアシル基)を含むように修飾される。アシル基の付加は、ペプチドが、循環半減期の延長、作用開始の遅延、作用の持続時間の延長、DPP−IVのようなプロテアーゼに対する耐性の改善、並びにGLP−1及びグルカゴン受容体に対する効力の増加の1つ以上を有する原因となる。本明細書に示されているように、グルカゴンペプチドのアシル化は、グルカゴン及びGLP−1受容体に対する効力の減少をもたらさない。むしろ、幾つかの場合では、アシル化は、実際にはGLP−1及びグルカゴン受容体に対する活性を増加する。したがって、アシル化されたグルカゴンコアゴニスト類縁体の効力は、非アシル化型の類縁体と比べて、より増強されないとしても、少なくともそれに匹敵する。
一つの実施態様によると、グルカゴンペプチドは、アシル基、例えばアミノ酸において天然に生じてはいないアシル基(例えば、天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアシル基)を含むように修飾される。アシル基の付加は、ペプチドが、循環半減期の延長、作用開始の遅延、作用の持続時間の延長、DPP−IVのようなプロテアーゼに対する耐性の改善、並びにGLP−1及びグルカゴン受容体に対する効力の増加の1つ以上を有する原因となる。本明細書に示されているように、グルカゴンペプチドのアシル化は、グルカゴン及びGLP−1受容体に対する効力の減少をもたらさない。むしろ、幾つかの場合では、アシル化は、実際にはGLP−1及びグルカゴン受容体に対する活性を増加する。したがって、アシル化されたグルカゴンコアゴニスト類縁体の効力は、非アシル化型の類縁体と比べて、より増強されないとしても、少なくともそれに匹敵する。
一つの実施態様によると、グルカゴンペプチドは、循環の半減期を延長する、並びに/又は作用の開始を遅延する及び/若しくは持続時間を延長する、並びに/又はDPP−IVのようなプロテアーゼに対する耐性を改善する目的で、エステル、チオエーテル又はアミド結合を介してグルカゴンペプチドに結合しているアシル基を含むように修飾される。
アシル化は、グルカゴン及び/又はGLP−1活性が増強されないまでも少なくとも保持される限り、1〜29位のいずれか、C末端延長部内の位置、又はC末端アミノ酸を含む、グルカゴンペプチド内の任意の位置で、実施することができる。非限定例には、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28、又は29位が挙げられる。特定の実施態様において、アシル化は、グルカゴンペプチドの10位で生じ、グルカゴンペプチドは、分子内架橋、例えば共有分子内架橋(例えば、ラクタム架橋)を欠いている。分子内架橋を欠いているそのようなアシル化ペプチドは、共有分子内架橋を欠いている対応する非アシル化ペプチドと比較して及び10位以外の位置でアシル化されている分子内架橋を欠いている対応するペプチドと比較して、GLP−1及びグルカゴン受容体に対して増強された活性を示す。本明細書において示されているように、10位のアシル化は、グルカゴン受容体に対してほとんど活性を有さないグルカゴン類縁体を、グルカゴンとGLP−1の両方の受容体に対して活性を有するグルカゴンに変換することさえできる。したがって、アシル化が生じる位置は、グルカゴン類縁体の全体的な活性プロフィールを変えることができる。
グルカゴンペプチドを、親水性部分が結合している同じアミノ酸の位置又は異なるアミノ酸の位置でアシル化することができる。非限定例には、10位でのアシル化、及びグルカゴンペプチドのC末端部分における1つ以上の位置、例えば24、28若しくは29位、C末端延長部内、又はC末端(例えば、C末端Cysの付加を介する)でのペグ化が挙げられる。
アシル基を、グルカゴンペプチドのアミノ基に直接的に共有結合させることもできるし、グルカゴンペプチドのアミノ基にスペーサーを介して間接的に共有結合させることもでき、この場合スペーサーは、グルカゴンペプチドのアミノ基とアシル基との間に位置している。
本発明の特定の態様において、グルカゴンペプチドは、グルカゴンペプチドのアミノ酸の側鎖のアミン、ヒドロキシル、又はチオールの直接的なアシル化により、アシル基を含むように修飾される。幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、アミノ酸の側鎖アミン、ヒドロキシル、又はチオールを介して直接アシル化される。幾つかの実施態様において、アシル化は10、20、24、又は29位においてである。この点において、アシル化グルカゴンペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含んでもよいし、10、20、24、及び29位のアミノ酸の少なくとも1個が修飾されて側鎖アミン、ヒドロキシル、若しくはチオールを含む任意のアミノ酸となる、本明細書に記載されている1個以上のアミノ酸修飾を含むような、配列番号1の修飾アミノ酸配列を含んでもよい。本発明の幾つかの特定の実施態様において、グルカゴンペプチドの直接アシル化は、10位のアミノ酸の側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを介して生じる。
幾つかの実施態様において、側鎖アミンを含むアミノ酸は、式I:
で示されるアミノ酸である。幾つかの例示的な実施態様において、式Iのアミノ酸は、nが4(Lys)であるか又はnが3であるアミノ酸(Orn)である。
さらに他の実施態様において、側鎖アミン、ヒドロキシル、又はチオールを含むアミノ酸は、式I、式II、又は式IIIのアミノ酸のアルファ炭素に結合している水素が第2側鎖に代えられていること以外は、式I、式II、又は式IIIと同じ構造を含む、二置換アミノ酸である。
本発明の一つの実施態様において、アシル化グルカゴンペプチドは、ペプチドとアシル基との間にスペーサーを含む。幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、アシル基と共有結合しているスペーサーと共有結合する。
スペーサーが結合しているアミノ酸は、スペーサーへの結合を可能とする部分を含むような任意のアミノ酸(例えば、一置換型のα−置換アミノ酸、又はα,α−二置換アミノ酸)であることができる。例えば、側鎖NH2、−OH、又は−COOHを含むアミノ酸(例えば、Lys、Orn、Ser、Asp又はGlu)が適している。この点に関して、アシル化グルカゴンペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含んでもよいし、10、20、24、及び29位のアミノ酸の少なくとも1個が側鎖アミン、ヒドロキシル、若しくはカルボキシレートを含む任意のアミノ酸となるように修飾された、本明細書に記載されている1個以上のアミノ酸修飾を含む、修飾された配列番号1のアミノ酸配列を含んでもい。
幾つかの実施態様において、スペーサーは、側鎖アミン、ヒドロキシル、若しくはチオールを含むアミノ酸であるか、又は、側鎖アミン、ヒドロキシル、若しくはチオールを含むアミノ酸を含む、ジペプチド若しくはトリペプチドである。
アシル化がスペーサーのアミン基を介して生じる場合、アシル化は、アミノ酸のアルファアミン又は側鎖アミンを介して生じることができる。アルファアミンがアシル化される場合、スペーサーのアミノ酸は、任意のアミノ酸であることができる。例えば、スペーサーのアミノ酸は、疎水性アミノ酸、例えば、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Trp、Met、Phe、Tyr、6−アミノヘキサン酸、5−アミノ吉草酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、であることができる。あるいは、スペーサーのアミノ酸は、酸性残基、例えばAsp及びGlu、であることができる。
スペーサーのアミノ酸の側鎖アミンがアシル化される場合、スペーサーのアミノ酸は、側鎖アミンを含むアミノ酸、例えば式Iのアミノ酸(例えば、Lys又はOrn)である。この場合、スペーサーのアミノ酸のアルファアミンと側鎖アミンの両方ともアシル化されることが可能であり、それによりグルカゴンペプチドがジアシル化される。本発明の実施態様はそのようなジアシル化分子を含む。
アシル化がスペーサーのヒドロキシル基を介して生じる場合、アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドのアミノ酸のうちの1個は、式IIのアミノ酸であることができる。特定の例示的な実施態様において、アミノ酸はSerである。
アシル化がスペーサーのチオール基を介して生じる場合、アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドのアミノ酸のうちの1個は、式IIIのアミノ酸であることができる。特定の例示的な実施態様において、アミノ酸はCysである。
幾つかの実施態様において、スペーサーは、親水性二官能スペーサーである。特定の実施態様において、親水性二官能スペーサーは、2つ以上の反応性基、例えば、アミン、ヒドロキシル、チオール、及びカルボキシル基、又はこれらの任意の組み合わせ、を含む。特定の実施態様において、親水性二官能スペーサーは、ヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様において、親水性二官能スペーサーは、アミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様において、親水性二官能スペーサーは、チオール基及びカルボキシレートを含む。特定の実施態様において、スペーサーは、アミノポリ(アルキルオキシ)カルボキシレートを含む。この点において、スペーサーは、例えばNH2(CH2CH2O)n(CH2)mCOOHを含むことができ(式中、mは、1〜6の任意の整数であり、そしてnは、2〜12の任意の整数である)、例えば、Peptides International, Inc. (Louisville, KY)により販売されている、8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸であってもよい。
幾つかの実施態様において、スペーサーは、疎水性二官能スペーサーである。疎水性二官能スペーサーは当該技術において知られている。例えば、Bioconjugate Techniques, G. T. Hermanson (Academic Press, San Diego, CA, 1996)(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)を参照すること。特定の実施態様において、疎水性二官能スペーサーは、2つ以上の反応性基、例えば、アミン、ヒドロキシル、チオール、及びカルボキシル基、又はこれらの任意の組み合わせ、を含む。特定の実施態様において、疎水性二官能スペーサーは、ヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様において、疎水性二官能スペーサーは、アミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様において、疎水性二官能スペーサーは、チオール基及びカルボキシレートを含む。カルボキシレートとヒドロキシル基又はチオール基を含む適切な疎水性二官能スペーサーは、当該技術において知られており、例えば8−ヒドロキシオクタン酸及び8−メルカプトオクタン酸が含まれる。
幾つかの実施態様において、二官能スペーサーは、カルボキシレート基の間に1〜7個の炭素を持つ非分岐鎖メチレンを含むジカルボンサンではない。幾つかの実施態様において、二官能スペーサーは、カルボキシレート基の間に1〜7個の炭素を持つ非分岐鎖メチレンを含むジカルボンサンである。
スペーサー(例えば、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性又は疎水性二官能スペーサー)は、特定の実施態様において、3〜10個の原子(例えば、6〜10個の原子(例えば、6、7、8、9又は10個の原子))の長さを有する。より特定の実施態様において、スペーサーは、約3〜10個の原子(例えば、6〜10個の原子)の長さであり、アシル基はC12〜C18脂肪アシル基、例えばC14脂肪アシル基、C16脂肪アシル基、であり、これによりスペーサーとアシル基の全長は、14〜28個の原子、例えば約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28個の原子の長さとなる。幾つかの実施態様において、スペーサーとアシル基の長さは、17〜28個(例えば、19〜26個、19〜21個)の原子の長さである。
特定の前述の実施態様によると、二官能スペーサーは、長さが3〜10個の原子のアミノ酸主鎖(例えば、6−アミノヘキサン酸、5−アミノ吉草酸、7−アミノヘプタン酸、及び8−アミノオクタン酸)を含む、合成又は天然型のアミノ酸(本明細書に記載されているいずれかが含まれるが、これらに限定されない)であることができる。あるいは、スペーサーは、長さが3〜10個の原子(例えば、6〜10個の原子)のペプチド主鎖を有する、ジペプチド又はトリペプチドスペーサーであることができる。ジペプチド又はトリペプチドスペーサーのそれぞれのアミノ酸は、ジペプチド又はトリペプチドの他のアミノ酸と同一でもよいし異なっていてもよく、以下からなる群より独立して選択することができる:天然型のアミノ酸(Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、Tyr)のD若しくはL異性体のいずれか、又は、以下からなる群より選択される非天然型のアミノ酸のD若しくはL異性体のいずれかを含む、天然型の及び/又は非天然型のアミノ酸:β−アラニン(β−Ala)、N−α−メチル−アラニン(Me−Ala)、アミノ酪酸(Abu)、γ−アミノ酪酸(γ−Abu)、アミノヘキサン酸(ε−Ahx)、アミノイソ酪酸(Aib)、アミノメチルピロールカルボン酸、アミノピペリジンカルボン酸、アミノセリン(Ams)、アミノテトラヒドロピラン−4−カルボン酸、アルギニンN−メトキシ−N−メチルアミド、β−アスパラギン酸(β−Asp)、アゼチジンカルボン酸、3−(2−ベンゾチアゾリル)アラニン、α−tert−ブチルグリシン、2−アミノ−5−ウレイド−n−吉草酸(シトルリン、Cit)、β−シクロヘキシルアラニン(Cha)、アセトアミドメチル−システイン、ジアミノブタン酸(Dab)、ジアミノプロピオン酸(Dpr)、ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)、ジメチルチアゾリジン(DMTA)、γ−グルタミン酸(γ−Glu)、ホモセリン(Hse)、ヒドロキシプロリン(Hyp)、イソロイシンN−メトキシ−N−メチルアミド、メチル−イソロイシン(MeIle)、イソニペコ酸(Isn)、メチル−ロイシン(MeLeu)、メチル−リシン、ジメチル−ロイシン、トリメチル−リシン、メタノプロリン、メチオニン−スルホキシド(Met(O))、メチオニン−スルホン(Met(O2))、ノルロイシン(Nle)、メチル−ノルロイシン(Me−Nle)、ノルバリン、(Nva)、オルニチン(Orn)、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、ペニシラミン(Pen)、メチルフェニルアラニン(MePhe)、4−クロロフェニルアラニン(Phe(4−Cl))、4−フルオロフェニルアラニン(Phe(4−F))、4−ニトロフェニルアラニン(Phe(4−NO2))、4−シアノフェニルアラニン((Phe(4−CN))、フェニルグリシン(Phg)、ピペリジニルアラニン、ピペリジニルグリシン、3,4−デヒドロプロリン、ピロリジニルアラニン、サルコシン(Sar)、セレノシステイン(Sec)、O−ベンジル−ホスホセリン、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸(Sta)、4−アミノ−5−シクロヘキシル−3−ヒドロキシペンタン酸(ACHPA)、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸(AHPPA)、1,2,3,4,−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸(Tic)、テトラヒドロピラングリシン、チエニルアラニン(Thi)、O−ベンジル−ホスホチロシン、O−ホスホチロシン、メトキシチロシン、エトキシチロシン、O−(ビス−ジメチルアミノ−ホスホノ)−チロシン、チロシンスルフェートテトラブチルアミン、メチル−バリン(MeVal)、及びアルキル化3−メルカプトプロピオン酸。
幾つかの実施態様において、スペーサーは、全体として負の電荷を含み、例えば1又は2個の負荷電アミノ酸を含む。幾つかの実施態様において、ジペプチドは、一般構造A−Bのジペプチドのいずれでもなく、ここで、Aは、Gly、Gln、Ala、Arg、Asp、Asn、Ile、Leu、Val、Phe及びProからなる群より選択され、Bは、Lys、His、Trpからなる群より選択される。幾つかの実施態様において、ジペプチドスペーサーは、Ala−Ala、β−Ala−β−Ala、Leu−Leu、Pro−Pro、γ−アミノ酪酸−γ−アミノ酪酸、及びγ−Glu−γ−Gluからなる群より選択される。
幾つかの例示的な実施態様において、グルカゴンペプチドは、スペーサーのアミン、ヒドロキシル、又はチオールのアシル化により、アシル基を含むように修飾され、ここでスペーサーは、グルカゴンペプチドの10、20、24、若しくは29位のアミノ酸又はC末端アミノ酸の側鎖に結合している。
さらに特定の実施態様において、アシル基は、グルカゴンペプチドの10位のアミノ酸に結合しており、スペーサーとアシル基の長さは、14〜28個の原子である。10位のアミノ酸は、幾つかの態様において、式Iのアミノ酸、例えばLysであるか、又は式Iに関連する、二置換アミノ酸である。より特定の実施態様において、グルカゴンペプチドは、分子内架橋、例えば共有分子内架橋、を欠いている。グルカゴンペプチドは、例えば、ペプチドのアルファ−へリックスの安定化のために、1個以上のアルファ,アルファ−二置換アミノ酸、例えばAIB、を含むペプチドであることができる。本明細書に示されているように、10位のアミノ酸の側鎖に共有結合しているアシル化スペーサーを含むそのようなペプチドは、GLP−1とグルカゴンの両方の受容体に対して増強した効力を示す。
アミン、ヒドロキシル、及びチオールを介したペプチドアシル化に適した方法は、当該技術において知られている。例えば、実施例19(アミンを介したアシル化の方法)、Miller, Biochem Biophys Res Commun 218: 377-382 (1996); Shimohigashi and Stammer, lnt J Pept Protein Res 19: 54-62 (1982);及びPreviero et al., Biochim Biophys Acta 263: 7-13 (1972)(ヒドロキシルを介したアシル化の方法);並びにSan and Silvius, J Pept Res 66: 169-180 (2005)(チオールを介したアシル化の方法); Bioconjugate Chem. "Chemical Modifications of Proteins: History and Applications" pages 1, 2-12 (1990); Hashimoto et al., Pharmacuetical Res. "Synthesis of Palmitoyl Derivatives of Insulin and their Biological Activity" Vol. 6, No: 2 pp.171-176 (1989)を参照すること。
アシル化グルカゴンペプチドのアシル基は、任意の大きさ、例えば任意の長さの炭素鎖であることができ、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。本発明の幾つかの特定の実施態様において、アシル基は、C4〜C30脂肪酸である。例えば、アシル基は、C4脂肪酸、C6脂肪酸、C8脂肪酸、C10脂肪酸、C12脂肪酸、C14脂肪酸、C16脂肪酸、C18脂肪酸、C20脂肪酸、C22脂肪酸、C24脂肪酸、C26脂肪酸、C28脂肪酸、又はC30脂肪酸のいずれかであることができる。幾つかの実施態様において、アシル基は、C8〜C20脂肪酸、例えばC14脂肪酸又はC16脂肪酸、である。
代替的な実施態様において、アシル基は胆汁酸である。胆汁酸は、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、タウロコール酸、グリココール酸及びコレステロール酸が含まれるが、これらに限定されない任意の適切な胆汁酸であることができる。
本発明の幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、長鎖アルカンをアシル化することによって、アシル基を含むよう修飾される。特定の実施態様において、長鎖アルカンは、グルカゴンペプチドのカルボキシル基又はその活性化形態と反応するような、アミン、ヒドロキシル、又はチオール基(例えば、オクタデシルアミン、テトラデカノール及びヘキサデカンチオール)を含む。グルカゴンペプチドのカルボキシル基又はその活性化形態は、グルカゴンペプチドのアミノ酸(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)の側鎖の一部であってもよいし、ペプチド主鎖の一部であってもよい。
特定の実施態様において、グルカゴンペプチドは、それに結合しているスペーサーで長鎖アルカンをアシル化することによって、アシル基を含むように修飾される。特定の実施態様において、長鎖アルカンは、スペーサーのカルボキシル基又はその活性化形態と反応するような、アミン、ヒドロキシル、又はチオール基を含む。カルボキシル基又はその活性化形態を含む適切なスペーサーは、本明細書に記載されており、例えば、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能スペーサー、又は疎水性二官能スペーサーが含まれる。
本明細書で使用されるとき、用語「カルボキシル基の活性化形態」は、一般式R(C=O)Xのカルボキシル基を意味し、ここで、Xは離脱基であり、そしてRはグルカゴンペプチド又はスペーサーである。例えば、カルボキシル基の活性化形態には、塩化アシル、アシル無水物、及びアシルエステルが含まれうるが、これらに限定されない。幾つかの実施態様において、活性化カルボキシル基は、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)離脱基のエステルである。
長鎖アルカンがグルカゴン又はスペーサーでアシル化されている本発明のこれらの態様に関して、長鎖アルカンは、任意の大きさであることができ、任意の長さの炭素鎖を含むことができる。長鎖アルカンは、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。特定の態様において、長鎖アルカンは、C4〜C30アルカンである。例えば、長鎖アルカンは、C4アルカン、C6アルカン、C8アルカン、C10アルカン、C12アルカン、C14アルカン、C16アルカン、C18アルカン、C20アルカン、C22アルカン、C24アルカン、C26アルカン、C28アルカン、又はC30アルカンのいずれかであることができる。幾つかの実施態様において、長鎖アルカンは、C8〜C20アルカン、例えばC14アルカン、C16アルカン、又はC18アルカン、を含む。
また、幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドのアミン、ヒドロキシル、又はチオール基は、コレステロール酸によりアシル化されている。特定の実施態様において、グルカゴンペプチドはアルキル化デス−アミノCysスペーサー、例えばアルキル化3−メルカプトプロピオン酸スペーサー、を介してコレステロール酸に結合している。
本明細書に記載されているアシル化グルカゴンペプチドは、親水性部分を含むように更に修飾されることができる。幾つかの特定の実施態様において、親水性部分は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含むことができる。親水性部分の組み込みは、本明細書に記載されたいずれかの方法のような任意の適切な手段によって達成することができる。この点において、アシル化グルカゴンペプチドは、本明細書に記載されている修飾のいずれかを含む配列番号1を含むことができ、ここで、10、20、24、及び29位の少なくとも1個のアミノ酸はアシル基を含み、16、17、21、24、若しくは29位の少なくとも1個のアミノ酸、C末端延長部内の位置、又はC末端のアミノ酸は修飾されて、Cys、Lys、Orn、ホモ−Cys、又はAc−Pheとなり、アミノ酸の側鎖は、親水性部分(例えば、PEG)に共有結合している。幾つかの実施態様において、アシル基は、10位に結合しており(この結合は場合によりCys、Lys、Orn、ホモ−Cys、又はAc−Pheを含むスペーサーを介してであってもよい)、親水性部分は、24位のCys残基に組み込まれている。
あるいは、アシル化グルカゴンペプチドは、スペーサーを含むことができ、ここでスペーサーは、アシル化され、且つ、親水性部分を含むように修飾される。適切なスペーサーの非限定例には、Cys、Lys、Orn、ホモ−Cys、及びAc−Pheからなる群より選択される1個以上のアミノ酸を含むスペーサーが挙げられる。
<アルキル化>
幾つかの実施態様によると、グルカゴンペプチドは修飾されて、アルキル基、例えばアミノ酸において天然に生じてはいないアルキル基(例えば、天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアルキル基)を含む。任意の特定の理論にとらわれることなく、グルカゴンペプチドのアルキル化は、グルカゴンペプチドのアシル化と比べて、もしも同一でないとしても少なくとも同様の効果、例えば、循環半減期の延長、作用開始の遅延、作用の持続時間の延長、DPP−IVのようなプロテアーゼに対する耐性の改善、並びにGLP−1及びグルカゴン受容体に対する効力の増加、を達成すると考えられる。
幾つかの実施態様によると、グルカゴンペプチドは修飾されて、アルキル基、例えばアミノ酸において天然に生じてはいないアルキル基(例えば、天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアルキル基)を含む。任意の特定の理論にとらわれることなく、グルカゴンペプチドのアルキル化は、グルカゴンペプチドのアシル化と比べて、もしも同一でないとしても少なくとも同様の効果、例えば、循環半減期の延長、作用開始の遅延、作用の持続時間の延長、DPP−IVのようなプロテアーゼに対する耐性の改善、並びにGLP−1及びグルカゴン受容体に対する効力の増加、を達成すると考えられる。
アルキル化は、グルカゴン活性が保持される限り、1〜29位のいずれか若しくはC末端延長部内の位置又はC末端アミノ酸を含む、グルカゴンペプチド内の任意の位置で実施することができる。非限定例には、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28、又は29位が挙げられる。アルキル基を、グルカゴンペプチドのアミノ基に直接的に共有結合することもできるし、グルカゴンペプチドのアミノ基にスペーサーを介して間接的に共有結合することもでき、この場合スペーサーは、グルカゴンペプチドのアミノ基とアルキル基との間に位置している。グルカゴンペプチドを、親水性部分が結合している位置と同じアミノ酸の位置でも、異なるアミノ酸の位置でも、アルキル化することができる。非限定例には、10位でのアルキル化及びグルカゴンペプチドのC末端部分における1つ以上の位置、例えば24、28若しくは29位、C末端延長部内、又はC末端(例えば、C末端Cysの付加を介する)でのペグ化が挙げられる。
本発明の特定の態様において、グルカゴンペプチドは、グルカゴンペプチドのアミノ酸の側鎖のアミン、ヒドロキシル、又はチオールの直接的なアルキル化により、アルキル基を含むように修飾される。幾つかの実施態様において、アルキル化は10、20、24又は29位においてである。この点において、アルキル化グルカゴンペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含んでもよいし、10、20、24、及び29位のアミノ酸の少なくとも1個が修飾されて側鎖アミン、ヒドロキシル、又はチオールを含む任意のアミノ酸となる、本明細書に記載されている1個以上のアミノ酸修飾を含むような、配列番号1の修飾アミノ酸配列を含んでもよい。本発明の幾つかの特定の実施態様において、グルカゴンペプチドの直接アルキル化は、10位のアミノ酸の側鎖アミン、ヒドロキシル、又はチオールを介して生じる。
幾つかの実施態様において、側鎖アミンを含むアミノ酸は、式Iのアミノ酸である。幾つかの例示的な実施態様において、式Iのアミノ酸は、nが4であるアミノ酸(Lys)か又はnが3(Orn)であるアミノ酸(Orn)である。
他の実施態様において、側鎖ヒドロキシルを含むアミノ酸は、式IIのアミノ酸である。幾つかの例示的な実施態様において、式IIのアミノ酸は、nが1であるアミノ酸(Ser)である。
さらに他の実施態様において、側鎖チオールを含むアミノ酸は、式IIIのアミノ酸である。幾つかの例示的な実施態様において、式IIIのアミノ酸は、nが1であるアミノ酸(Cys)である。
さらに他の実施態様において、側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを含むアミノ酸は、式I、式II、又は式IIIのアミノ酸のアルファ炭素に結合している水素が第2側鎖に代えられていること以外は、式I、式II、又は式IIIと同じ構造を含む二置換アミノ酸である。
本発明の一つの実施態様において、アルキル化グルカゴンペプチドは、ペプチドとアルキル基との間にスペーサーを含む。幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、アルキル基と共有結合しているスペーサーと共有結合する。幾つかの例示的な実施態様において、グルカゴンペプチドは、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアルキル化により修飾されてアルキル基を含み、ここでスペーサーは、グルカゴンペプチドの10、20、24又は29位のアミノ酸の側鎖に結合している。スペーサーが結合しているアミノ酸は、スペーサーへの結合を可能とする部分を含むような、任意のアミノ酸(例えば、一置換型のα−置換アミノ酸、又はα,α−二置換アミノ酸)であることができる。例えば、側鎖NH2、−OH又は−COOHを含むアミノ酸(例えば、Lys、Orn、Ser、Asp、又はGlu)が適している。この点に関して、アルキル化グルカゴンペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含んでもよいし、10、20、24、及び29位のアミノ酸の少なくとも1個が修飾されて側鎖アミン、ヒドロキシル、若しくはカルボキシレートを含む任意のアミノ酸となる、本明細書に記載されている1個以上のアミノ酸修飾を含むような、配列番号1の修飾アミノ酸配列を含んでんもよい。
幾つかの実施態様において、スペーサーは、側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸であるか又は側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸を含むジペプチド若しくはトリペプチドである。
アルキル化がスペーサーのアミン基を介して生じる場合、アルキル化は、アミノ酸のアルファアミン又は側鎖アミンを介して生じることができる。アルファアミンがアルキル化される場合、スペーサーのアミノ酸は、任意のアミノ酸であることができる。例えば、スペーサーのアミノ酸は、疎水性アミノ酸、例えば、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Trp、Met、Phe、Tyr、6−アミノヘキサン酸、5−アミノ吉草酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸であることができる。あるいは、スペーサーのアミノ酸は、アルキル化が酸性残基のアルファアミンで生じる限り、酸性残基、例えばAsp及びGluであることができる。スペーサーのアミノ酸の側鎖アミンがアルキル化される場合、スペーサーのアミノ酸は、側鎖アミンを含むアミノ酸、例えば式Iのアミノ酸(例えば、Lys又はOrn)である。この場合、スペーサーのアミノ酸のアルファアミンと側鎖アミンの両方ともアルキル化されることが可能であり、それによりグルカゴンペプチドがジアルキル化される。本発明の実施態様はそのようなジアルキル化分子を含む。
アルキル化がスペーサーのヒドロキシル基を介して生じる場合、アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドのアミノ酸のうちの1個は、式IIのアミノ酸であることができる。特定の例示的な実施態様において、アミノ酸はSerである。
アルキル化がスペーサーのチオール基を介して生じる場合、アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドのアミノ酸のうちの1個は、式IIIのアミノ酸であることができる。特定の例示的な実施態様において、アミノ酸はCysである。
幾つかの実施態様において、スペーサーは、親水性二官能スペーサーである。特定の実施態様において、親水性二官能スペーサーは、2つ以上の反応性基、例えば、アミン、ヒドロキシル、チオール、及びカルボキシル基、又はこれらの任意の組み合わせ、を含む。特定の実施態様において、親水性二官能スペーサーは、ヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様において、親水性二官能スペーサーは、アミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様において、親水性二官能スペーサーは、チオール基及びカルボキシレートを含む。特定の実施態様において、スペーサーは、アミノポリ(アルキルオキシ)カルボキシレートを含む。この点において、スペーサーは、例えばNH2(CH2CH2O)n(CH2)mCOOHを含むことができ(式中、mは、1〜6の任意の整数であり、そしてnは、2〜12の任意の整数である)、例えば、Peptides International, Inc. (Louisville, KY)により販売されている、8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸であってもよい。
幾つかの実施態様において、スペーサーは、疎水性二官能スペーサーである。特定の実施態様において、疎水性二官能スペーサーは、2つ以上の反応性基、例えば、アミン、ヒドロキシル、チオール、及びカルボキシル基、又はこれらの任意の組み合わせ、を含む。特定の実施態様において、疎水性二官能スペーサーは、ヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様において、疎水性二官能スペーサーは、アミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様において、疎水性二官能スペーサーは、チオール基及びカルボキシレートを含む。カルボキシレートとヒドロキシル基又はチオール基を含む適切な疎水性二官能スペーサーは、当該技術において知られており、例えば8−ヒドロキシオクタン酸及び8−メルカプトオクタン酸が含まれる。
スペーサー(例えば、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性又は疎水性二官能スペーサー)は、特定の実施態様において、3〜10個の原子(例えば、6〜10個の原子(例えば、6、7、8、9、又は10個の原子))の長さを有する。より特定の実施態様において、スペーサーは、約3〜10個の原子(例えば、6〜10個の原子)の長さであり、アルキルはC12〜C18アルキル基、例えばC14アルキル基、C16アルキル基であり、これによりスペーサーとアルキル基の全長は、14〜28個の原子、例えば約4、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28個の原子の長さとなる。幾つかの実施態様において、スペーサーとアルキルの長さは、17〜28個(例えば、19〜26個、19〜21個)の原子である。
特定の前述の実施態様によると、二官能スペーサーは、長さが3〜10個の原子のアミノ酸主鎖(例えば、6−アミノヘキサン酸、5−アミノ吉草酸、7−アミノヘプタン酸及び8−アミノオクタン酸)を含む合成又は非天然型のアミノ酸であることができる。あるいは、スペーサーは、長さが3〜10個の原子(例えば、6〜10個の原子)のペプチド主鎖を有するジペプチド又はトリペプチドスペーサーであることができる。ジペプチド又はトリペプチドスペーサーは、例えば本明細書に教示されているアミノ酸のいずれかを含む天然型の及び/又は非天然型のアミノ酸から構成されうる。 幾つかの実施態様において、スペーサーは、全体として負の電荷を含み、例えば1又は2個の負荷電アミノ酸を含む。幾つかの実施態様において、ジペプチドスペーサーは、Ala−Ala、β−Ala−β−Ala、Leu−Leu、Pro−Pro、γ−アミノ酪酸−γ−アミノ酪酸、及びγ−Glu−γ−Gluからなる群より選択される。
アミン、ヒドロキシル、及びチオールを介したペプチドアルキル化に適した方法は、当該技術において知られている。例えば、ウィリアムソンエーテル合成を使用して、グルカゴンペプチドのヒドロキシル基とアルキル基との間にエーテル結合を形成することができる。また、ハロゲン化アルキルによるペプチドの求核置換反応は、エーテル、チオエーテル又はアミノ結合のいずれかをもたらすことができる。
アルキル化グルカゴンペプチドのアルキル基は、任意の大きさ、例えば任意の長さの炭素鎖であることができ、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。本発明の幾つかの実施態様において、アルキル基は、C4〜C30アルキルである。例えば、アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであることができる。幾つかの実施態様において、アルキル基は、C8〜C20アルキル、例えばC14アルキル又はC16アルキルである。
幾つかの実施態様において、アルキル基は、胆汁酸のステロイド部分、例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、タウロコール酸、グリココール酸、及びコレステロール酸を含む。
本発明の幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、求核長鎖アルカンとグルカゴンペプチドとを反応させることにより、アルキル基を含むように修飾されて、ここでグルカゴンペプチドは、求核置換に適した離脱基を含む。特定の態様において、長鎖アルカンの求核基は、アミン、ヒドロキシル基、又はチオール基を含む(例えば、オクタデシルアミン、テトラデカノール、及びヘキサデカンチオールである)。グルカゴンペプチドの離脱基は、アミノ酸の側鎖の一部であってもよいし、ペプチド主鎖の一部であってもよい。適切な離脱基には、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、ハロゲン、及びスルホネートエステルが含まれる。
特定の実施態様において、グルカゴンペプチドは、求核長鎖アルカンと、グルカゴンペプチドに結合しているスペーサーとを反応させることにより、アルキル基を含むように修飾され、ここでスペーサーは離脱基を含む。特定の態様において、長鎖アルカンは、アミン、ヒドロキシル、又はチオール基を含む。特定の実施態様において、離脱基を含むスペーサーは、本明細書において考察された任意のスペーサー、例えば、適切な離脱基を更に含む、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能スペーサー又は疎水性二官能スペーサー、であることができる。
長鎖アルカンがグルカゴン又はスペーサーでアルキル化されている本発明のこれらの態様に関して、長鎖アルカンは、任意の大きさであることができ、任意の長さの炭素鎖を含むことができる。長鎖アルカンは、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。特定の態様において、長鎖アルカンは、C4〜C30アルカンである。例えば、長鎖アルカンは、C4アルカン、C6アルカン、C8アルカン、C10アルカン、C12アルカン、C14アルカン、C16アルカン、C18アルカン、C20アルカン、C22アルカン、C24アルカン、C26アルカン、C28アルカン又はC30アルカンのいずれかであることができる。幾つかの実施態様において、長鎖アルカンは、C8〜C20アルカン、例えばC14アルカン、C16アルカン、又はC18アルカン、を含む。
また、幾つかの実施態様において、アルキル化は、グルカゴンペプチドとコレステロール部分の間で生じることができる。例えば、コレステロール酸のヒドロキシル基が長鎖アルカンの離脱基を置換して、コレステロール−グルカゴンペプチド産物を形成することができる。
本明細書に記載されているアルキル化グルカゴンペプチドは、親水性部分を含むように更に修飾されてもよい。幾つかの特定の実施態様において、親水性部分は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含むことができる。親水性部分の組み込みは、本明細書に記載されたいずれかの方法のような任意の適切な手段によって達成することができる。この点において、アルキル化グルカゴンペプチドは、配列番号1又は本明細書に記載されている1個以上のアミノ酸修飾を含む配列番号1の修飾アミノ酸配列を含むことができ、ここで、10、20、24、及び29位の少なくとも1個のアミノ酸はアルキル基を含み、16、17、21、24、若しくは29位、若しくはC末端延長部内の位置の少なくとも1個のアミノ酸、又はC末端アミノ酸は修飾されて、Cys、Lys、Orn、ホモ−Cys又はAc−Pheとなり、アミノ酸の側鎖は、親水性部分(例えば、PEG)に共有結合している。幾つかの実施態様において、アルキル基は10位に結合しており(この結合は、場合によりCys、Lys、Orn、ホモ−Cys又はAc−Pheを含むスペーサーを介してであってもよい)、親水性部分は、24位のCys残基に組み込まれている。
あるいは、アルキル化グルカゴンペプチドは、スペーサーを含むことができ、ここでスペーサーは、アルキル化され、且つ、親水性部分を含むように修飾もされる。適切なスペーサーの非限定例には、Cys、Lys、Orn、ホモ−Cys及びAc−Pheからなる群より選択される1個以上のアミノ酸を含むスペーサーが挙げられる。
<GLP−1活性を低減する修飾>
特定の実施態様において、グルカゴンペプチド又はその類縁体は、GLP−1活性を選択的に低減するアミノ酸修飾を含む。例えば、アシル化若しくはアルキル化グルカゴンペプチド又はその類縁体は、C末端アルファカルボキシレート基;ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸、例えばAbu若しくはIleによる7位のThrの置換;長さが27若しくは28個のアミノ酸のペプチドを生じるような、27若しくは28位のアミノ酸のアミノ酸C末端の欠失(例えば、28位のアミノ酸の欠失、28及び29位のアミノ酸の欠失)又はこれらの組み合わせ、を含む。
特定の実施態様において、グルカゴンペプチド又はその類縁体は、GLP−1活性を選択的に低減するアミノ酸修飾を含む。例えば、アシル化若しくはアルキル化グルカゴンペプチド又はその類縁体は、C末端アルファカルボキシレート基;ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸、例えばAbu若しくはIleによる7位のThrの置換;長さが27若しくは28個のアミノ酸のペプチドを生じるような、27若しくは28位のアミノ酸のアミノ酸C末端の欠失(例えば、28位のアミノ酸の欠失、28及び29位のアミノ酸の欠失)又はこれらの組み合わせ、を含む。
<結合体>
本開示は、本発明のグルカゴンペプチドが結合体部分に結合しているような他の結合体も包含し、この結合は、場合により共有結合を介してでもよく、場合によりリンカーを介してでもよい。結合は、共有化学結合、静電気、水素、イオン、ファンデルワールスのような物理的な力、又は疎水性若しくは親水性相互作用により達成することができる。ビオチン−アビジン、リガンド/受容体、酵素/基質、核酸/核酸結合タンパク質、脂質/脂質結合タンパク質、細胞付着分子パートナー、又は互いに親和性を有する任意の結合パートナー若しくはそのフラグメントを含む、多様な非共有結合系を使用することができる。
本開示は、本発明のグルカゴンペプチドが結合体部分に結合しているような他の結合体も包含し、この結合は、場合により共有結合を介してでもよく、場合によりリンカーを介してでもよい。結合は、共有化学結合、静電気、水素、イオン、ファンデルワールスのような物理的な力、又は疎水性若しくは親水性相互作用により達成することができる。ビオチン−アビジン、リガンド/受容体、酵素/基質、核酸/核酸結合タンパク質、脂質/脂質結合タンパク質、細胞付着分子パートナー、又は互いに親和性を有する任意の結合パートナー若しくはそのフラグメントを含む、多様な非共有結合系を使用することができる。
ペプチドを、ペプチドの標的アミノ酸残基と、これらの標的アミノ酸の選択された側鎖又はN若しくはC末端残基と反応することができる有機誘導体化剤との反応により、直接共有結合を介して結合体部分に結合することができる。ペプチド又は結合体部分の反応性基には、例えば、アルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α−ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基が含まれる。誘導体化剤には、例えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介して結合)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基を介して結合)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸又は当該技術に既知の他の作用物質が含まれる。あるいは、結合体部分を、多糖又はポリペプチド担体のような中間体担体を介してペプチドに間接的に結合することができる。多糖担体の例にはアミノデキストランが挙げられる。適切なポリペプチド担体の例には、ポリリシン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、それらのコポリマー及びこれらのアミノ酸の混合ポリマー、並びに得られる装填担体に望ましい溶解性の特性を付与する他のもの、例えばセリンが挙げられる。
システイニル残基は、最も一般的には、クロロ酢酸又はクロロアセトアミドのようなα−ハロアセテート(及び対応するアミン)と反応して、カルボキシメチル又はカルボキシアミドメチル誘導体を与える。システイニルン残基は、ブロモトリフルオロアセトン、アルファ−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルホスフェート、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ水銀ベンゾエート、2−クロロ水銀−4−ニトロフェノール、又はクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールと反応させることによっても、誘導体化される。
ヒスチジル残基は、ジエチルピロカーボネートとpH5.5〜7.0で反応させることによって誘導体化されるが、それはこの作用物質がヒスチジル側鎖に比較的特異性があるからである。パラ−ブロモフェナシルブロミドも有用であり、反応は、好ましくは0.1Mのカコジル酸ナトリウムによりpH6.0で実施される。
リシニル及びアミノ末端残基は、無水コハク酸又は他のカルボン酸無水物と反応する。これらの作用物質による誘導体化は、リシニル残基の電荷を逆転する効果を有する。アルファ−アミノ含有残基を誘導体化するのに適した他の試薬には、メチルピコリンイミデート、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4−ペンタンジオンのようなイミドエステル及びグリオキシレートとのトランスアミダーゼ触媒反応、が含まれる。
アルギニル残基は、1つ又は幾つかの従来の試薬、なかでもフェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、及びニンヒドリンによる反応で修飾される。アルギニン残基の誘導体化の反応は、グアニジン官能基のpKaが高いので、アルカリ条件下で実施される必要がある。更に、これらの試薬は、リシンの基、またアルギニン−イプシロン−アミノ基と反応することができる。
チロシル残基の特定の修飾は、スペクトル標識をチロシル残基に導入するのに特に興味深く、芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンによる反応によって行うことができる。最も一般的には、N−アセチルイミダゾール及びテトラニトロメタンを使用して、O−アセチルチロシル種及び3−ニトロ誘導体がそれぞれ形成される。
カルボキシル側基(アスパルチル又はグルタミル)は、R及びR′が異なるアルキル基であるカルボジイミド(R−N=C=N−R′)、例えば1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド又は1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミド、との反応により選択的に修飾される。更に、アスパルチル又はグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によってアスパラギニル及びグルタミニル残基に変換される。
他の修飾には、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のアルファ−アミノ基のメチル化(T. E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp. 79-86 (1983))、アスパラギン又はグルタミンの脱アミド化、N末端アミンのアセチル化、及び/又はC末端カルボン酸基のアミド化若しくはエステル化、が含まれる。
別の種類の共有的修飾には、ペプチドへのグリコシドの化学的又は酵素的結合が含まれる。糖を、(a)アルギニン及びヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)システインのような遊離スルフヒドリル基、(d)セリン、トレオニン若しくはヒドロキシプロリンのような遊離ヒドロキシル基、(e)チロシン若しくはトリプトファンのような芳香族残基、又は(f)グルタミンのアミド基、に結合することができる。これらの方法は、1987年9月11日に公開されたWO87/05330及びAplin and Wriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306 (1981)に記載されている。
本明細書に記載されているグルカゴンペプチドのいずれかに結合することができる例示的な結合体部分には、異種ペプチド又はポリペプチド(例えば、血漿タンパク質を含む)、標的作用物質、免疫グロブリン若しくはその一部(例えば、可変部領域、CDR若しくはFc領域)、放射性同位体、蛍光体若しくは酵素標識のような診断用標識、水溶性ポリマーを含むポリマー、又は他の治療若しくは診断剤、が含まれるが、これらに限定されない。一つの実施態様において、本発明のグルカゴンペプチド及び血漿タンパク質を含む結合体が提供され、ここで血漿タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、フィブリノゲン、及びグロブリンからなる群より選択される。一つの実施態様において、結合体の血漿タンパク質部分は、アルブミン又はトランスフェリンである。幾つかの実施態様において、リンカーは、1〜約60個、又は1〜30個以上の原子長さ、2〜5個の原子、2〜10個の原子、5〜10個の原子又は10〜20個の原子長さの原子鎖を含む。幾つかの実施態様において、原子鎖は全て炭素原子である。幾つかの実施態様において、リンカーの主鎖の原子鎖は、C、O、N、及びSからなる群より選択される。原子鎖及びリンカーは、より溶解度の高い結合体をもたらすために、予想される溶解性(親水性)に従って選択することができる。幾つかの実施態様において、リンカーは、酵素若しくは他の触媒による切断、又は標的組織若しくは臓器若しくは細胞において見出される加水分解的条件による切断の対象となる官能基を提供する。幾つかの実施態様において、リンカーの長さは、立体障害の潜在性を低減するのに十分な長さである。リンカーが共有結合又はペプチジル結合であり、結合体がポリペプチドである場合、結合体は全体が融合タンパク質であることができる。そのようなペプチジルリンカーは任意の長さであることができる。例示的なリンカーは、約1〜50個のアミノ酸長さ、5〜50個、3〜5個、5〜10個、5〜15個又は10〜30個のアミノ酸長さである。そのような融合タンパク質は、代替的には当業者に既知の組み換え遺伝子操作法により産生することもできる。
上記に記述したように、幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドは、免疫グロブリン又はその一部(例えば、可変部領域、CDR又はFc領域)に結合、例えば融合している。既知の種類の免疫グロブリン(Ig)には、IgG、IgA、IgE、IgD又はIgMが含まれる。Fc領域はIg重鎖のC末端領域であり、これは、再循環(延長された半減期をもたらす)、抗体依存性細胞仲介細胞障害性(ADCC)及び補体依存性細胞障害性(CDC)のような活性を実施するFc受容体への結合に関与している。
例えば、幾つかの定義によると、ヒトIgG重鎖Fc領域は、重鎖のCys226からC末端まで伸びている。「ヒンジ領域」は、一般に、ヒトIgG1のGlu216からPro230まで伸びている(他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、システイン結合に関わるシステインを整列することによりIgG1配列と整列させることができる)。IgGのFc領域には2つの定常部ドメイン、CH2及びCH3、が含まれる。ヒトIgGのFc領域のCH2ドメインは、通常、アミノ酸231からアミノ酸341まで伸びている。ヒトIgGのFc領域のCH3ドメインは、通常、アミノ酸342から酸447まで伸びている。免疫グロブリン又は免疫グロブリンのフラグメント若しくは領域のアミノ酸番号付けに関する参照は、全て、Kabat et al. 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S. Department of Public Health, Bethesda, Md.に基づいている。関連する実施態様において、Fc領域は、1つ以上の、CH1以外の免疫グロブリン重鎖の天然の又は修飾された定常部領域、例えばIgG及びIgAのCH2及びCH3領域又はIgEのCH3及びCH4領域、を含むことができる。
適切な結合体部分としては、FcRn結合部位を含む免疫グロブリン配列の一部が挙げられる。サルベージ受容体であるFcRnは、免疫グロブリンを再循環して、血液循環に戻すことに関与する。FcRn受容体に結合するIgGのFc部分の領域は、X線結晶構造解析に基づいて記載されている(Burmeister et al. 1994, Nature 372:379)。FcRnへのFcの主な接触領域は、CH2及びCH3ドメインの接合部に近接している。Fc−FcRn接触点は、全て単一Ig重鎖の範囲内である。主な接触部位には、CH2ドメインのアミノ酸残基248、250〜257、272、285、288、290〜291、308〜311、及び314、並びにCH3ドメインのアミノ酸残基385〜387、428、及び433〜436が含まれる。
幾つかの結合体部分は、FcγR結合部位を含んでもよいし含まなくてもよい。FcγRは、ADCC及びCDCに関与する。FcγRと直接接触するFc領域内の位置の例は、アミノ酸234〜239(低ヒンジ領域)、アミノ酸265〜269(B/Cループ)、アミノ酸297〜299(C′/Eループ)及びアミノ酸327〜332(F/G)ループである(Sondermann et al., Nature 406: 267-273, 2000)。IgEの低ヒンジ領域は、FcRI結合にも関わっている(Henry, et al., Biochemistry 36, 15568-15578, 1997)。IgA受容体結合に関わる残基は、Lewisらにより記載されている(J Immunol. 175:6694-701, 2005)。IgE受容体結合に関わるアミノ酸残基は、Sayers らにより記載されている(J Biol Chem. 279(34):35320-5, 2004)。
アミノ酸修飾を免疫グロブリンのFc領域において行うことができる。そのようなFc領域変異体は、Fc領域のCH3ドメイン(残基342〜447)に少なくとも1つのアミノ酸修飾、及び/又はFc領域のCH2ドメイン(残基231〜341)に少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。FcRnに親和性の増加を付与すると考えられる突然変異には、T256A、T307A、E380A及びN434Aが含まれる(Shields et al. 2001, J. Biol. Chem. 276:6591)。他の突然変異は、FcRnの親和性を有意に低減することなく、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB及び/又はFcγRIIIAへのFc領域の結合を低減することができる。例えば、Ala又は他のアミノ酸によるFc領域の297位のAsnの置換は、高度に保存されたN−グリコシル化部位を除去し、Fc領域の延長された半減期を伴って免疫原性の低減、また、FcγRへの結合の低減をもたらすことができる(Routledge et al. 1995, Transplantation 60:847; Friend et al. 1999, Transplantation 68:1632; Shields et al. 1995, J. Biol. Chem. 276:6591)。FcγRへの結合を低減する、IgG1の233〜236位でのアミノ酸の修飾が行われた(Ward and Ghetie 1995, Therapeutic Immunology 2:77 and Armour et al. 1999, Eur. J. Immunol. 29:2613)。幾つかの例示的なアミノ酸置換は、米国特許第7,355,008号及び同第7,381,408号に記載されており、それぞれその全体が参照として本明細書に組み込まれる。
本開示は、第2のペプチド又はポリペプチドがグルカゴンペプチドの末端、例えばカルボキシ末端に融合しているような、グルカゴン融合ペプチド又はタンパク質も包含する。C末端縮合の例示的な候補には、グルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している、配列番号20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)又は配列番号22(KRNR)が含まれる。
<アルファ−へリックス構造の安定化>
グルカゴンペプチドの1位及び/又は2位のアミノ酸の修飾によるグルカゴン活性の低減は、グルカゴンペプチドのC末端部分(アミノ酸12〜29あたり)のアルファ−へリックス構造の安定化により回復することができる。アルファ−へリックス構造は、例えば、共有若しくは非共有分子内架橋の形成によって安定化するか、アルファ−へリックス安定化アミノ酸(例えば、α,α−二置換アミノ酸)による12〜29位あたりのアミノ酸の置換及び/又は挿入によって安定化することができる。
グルカゴンペプチドの1位及び/又は2位のアミノ酸の修飾によるグルカゴン活性の低減は、グルカゴンペプチドのC末端部分(アミノ酸12〜29あたり)のアルファ−へリックス構造の安定化により回復することができる。アルファ−へリックス構造は、例えば、共有若しくは非共有分子内架橋の形成によって安定化するか、アルファ−へリックス安定化アミノ酸(例えば、α,α−二置換アミノ酸)による12〜29位あたりのアミノ酸の置換及び/又は挿入によって安定化することができる。
幾つかの実施態様において、分子内架橋が2つのアミノ酸側鎖の間に形成されて、グルカゴンペプチドのカルボキシ末端部分(例えば、アミノ酸12〜29)の三次元構造を安定化する。2つのアミノ酸側鎖は、非共有結合、例えば水素結合、塩架橋の形成のようなイオン相互作用を介して又は共有結合により互いに結合することができる。2つのアミノ酸側鎖が1つ以上の共有結合を介して互いに結合している場合、本明細書において、ペプチドは共有分子内架橋を含んでいると考慮することができる。2つのアミノ酸側鎖が非共有結合、例えば水素結合、イオン相互作用を介して互いに結合している場合、本明細書において、ペプチドは非共有分子内架橋を含んでいると考慮することができる。
幾つかの実施態様において、分子内架橋は、3個のアミノ酸で離れている2個のアミノ酸、例えばiとi+4の位置のアミノ酸の間に形成され、ここでiは、12〜25の間(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24及び25)の任意の整数である。より詳細には、アミノ酸対の12と16、16と20、20と24、又は、24と28(i=12、16、20、又は24のアミノ酸対)の側鎖は、互いに結合しており、したがってグルカゴンアルファ−へリックスを安定化する。代替的には、iは17であることができる。
幾つかの特定の実施態様において、iとi+4の位置のアミノ酸が分子内架橋で結合している場合、リンカーの大きさは、約8個の原子又は約7〜9個の原子である。
他の実施態様において、分子内架橋は、2個のアミノ酸で離れている2個のアミノ酸、例えばjとj+3の位置のアミノ酸の間に形成され、ここでjは、12〜26の間(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、及び26)の任意の整数である。幾つかの特定の実施態様において、jは17である。
幾つかの特定の実施態様において、j位とj+3位のアミノ酸が分子内架橋で結合している場合、リンカーの大きさは、約6個の原子又は約5〜7個の原子である。
さらに他の実施態様において、分子内架橋は、6個のアミノ酸で離れている2個のアミノ酸、例えばkとk+7の位置のアミノ酸の間に形成され、ここでkは、12〜22の間(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、及び22)の任意の整数である。幾つかの特定の実施態様において、kは、12、13又は17である。例示的な実施態様において、kは17である。
共有結合して6原子結合架橋を形成することができるアミノ酸対形成の例には、OrnとAsp、Gluと式I(式中、nは2である)のアミノ酸、及び、ホモグルタミン酸と式I(式中、nは1である)のアミノ酸、が挙げられ、ここで、式Iは下記である:
共有結合して7原子結合架橋を形成することができるアミノ酸対形成の例には、Orn−Glu(ラクタム環)、Lys−Asp(ラクタム)、又は、ホモSer−ホモGlu(ラクトン)、が挙げられる。8原子リンカーを形成することができるアミノ酸対形成の例には、Lys−Glu(ラクタム)、ホモLys−Asp(ラクタム)、Orn−ホモGlu(ラクタム)、4−アミノPhe−Asp(ラクタム)、又はTyr−Asp(ラクトン)、が挙げられる。9原子リンカーを形成することができるアミノ酸対形成の例には、ホモLys−Glu(ラクタム)、Lys−ホモGlu(ラクタム)、4−アミノPhe−Glu(ラクタム)、又はTyr−Glu(ラクトン)、が挙げられる。これらのアミノ酸の側鎖のいずれかも、アルファ−へリックスの三次元構造が妨げられない限り、追加的な化学基で更に置換することができる。当業者であれば、同様の大きさ及び所望の効果の構造の安定化を作り出すような、代替的な対形成又は化学的に修飾された誘導体を含む代替的なアミノ酸類縁体を着想することができる。例えば、ホモシステイン−ホモシステインジスルフィド架橋は、長さが6個の原子であり、更に修飾して所望の効果をもたらすことができる。共有結合がなくても、上記に記載されたアミノ酸対形成又は当業者が想像できる同様の対形成も、非共有結合を介して、例えば塩架橋の形成又は水素結合相互作用を介して、アルファ−へリックスに追加的な安定性をもたらすことができる。
ラクタム環の大きさは、アミノ酸の側鎖の長さに応じて変わることができ、一つの実施態様において、ラクタムは、リシンアミノ酸の側鎖をグルタミン酸の側鎖に結合することによって形成される。更なる例示的な実施態様は、以下の対形成を含み、更にラクタム架橋を含んでもよい:12位のGluと16位のLys;12位の天然Lysと16位のGlu;16位のGluと20位のLys;16位のLysと20位のGlu;20位のGluと24位のLys;20位のLysと24位のGlu;24位のGluと28位のLys;24位のLysと28位のGlu。あるいは、ラクタム環におけるアミド結合の順番を逆転することができる(例えば、ラクタム環を、Lys12とGlu16の側鎖、あるいはGlu12とLys16の側鎖の間に形成することができる)。
ラクタム架橋以外の分子内架橋を使用して、グルカゴン類縁体ペプチドのアルファ−へリックスを安定化することができる。一つの実施態様において、分子内架橋は疎水性架橋である。この場合、分子内架橋は、グルカゴン類縁体ペプチドのアルファ−へリックスの疎水性面の部分である2個のアミノ酸の側鎖の間にあってもよい。例えば、疎水性架橋により結合しているアミノ酸のうちの1個は、10、14、及び18位のアミノ酸であることができる。
一つの特定の態様において、全炭化水素架橋系を使用してグルカゴンペプチドのアルファ−へリックスの1又は2ターンを架橋するために、オレフィンメタセシスが用いられる。この場合、グルカゴンペプチドは、多様な長さのオレフィン性側鎖を有し、R又はS立体化学のいずれかに配置されているα−メチル化アミノ酸を、iの位置とi+4又はi+7の位置とに含むことができる。例えば、オレフィン性側鎖は(CH2)nを含むことができ、ここでnは、1〜6の任意の整数である。一つの実施態様において、架橋長さが8個の原子では、nは3である。そのような分子内架橋を形成する適切な方法は、当該技術において記載されている。例えば、Schafmeister et al., J. Am. Chem. Soc. 122: 5891-5892 (2000)及びWalensky et al., Science 305: 1466-1470 (2004)を参照すること。あるいは、グルカゴンペプチドは、ヘリックスの隣接するターンに配置されている2つのO−アリルSer残基を含むことができ、これらはルテニウム触媒閉環メタセシスを介して互いに架橋されている。そのような架橋の手順は、例えばBlackwell et al., Angew, Chem., Int. Ed. 37: 3281-3284 (1998)に記載されている。
別の特定の態様において、システインのペプチド模倣体として広く採用されている、非天然チオ−ジアラニンアミノ酸であるランチオニンを、アルファ−へリックスの1ターンを架橋するために使用する。ランチオニンに基づく環化の適切な方法は、当該技術において知られている。例えば、Matteucci et al., Tetrahedron Letters 45: 1399-1401 (2004); Mayer et al., J. Peptide Res. 51: 432-436 (1998); Polinsky et al., J. Med. Chem. 35: 4185-4194 (1992); Osapay et al., J. Med. Chem. 40: 2241-2251 (1997); Fukase et al., Bull. Chem. Soc. Jpn. 65: 2227-2240 (1992); Harpp et al., J. Org. Chem. 36: 73-80 (1971); Goodman and Shao, Pure Appl. Chem. 68: 1303-1308 (1996);及びOsapay and Goodman, J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1599-1600 (1993)を参照すること。
幾つかの実施態様において、i位とi+7位の2つのGlu残基の間のα,ω−ジアミノアルカン鎖(例えば1,4−ジアミノプロパンや1,5−ジアミノペンタン)を使用して、グルカゴンペプチドのアルファ−へリックスを安定化する。そのような鎖は、ジアミノアルカン鎖の長さに応じて、9原子又はそれ以上の長さの架橋の形成をもたらす。そのような鎖で架橋されたペプチドを産生する適切な方法は、当該技術において記載されている。例えば、Phelan et al., J. Am. Chem. Soc. 119: 455-460 (1997)を参照すること。
本発明の更に別の実施態様において、ジスルフィド架橋を使用して、グルカゴンペプチドのアルファ−へリックスの1又は2ターンを架橋する。あるいは、一方又は両方の硫黄原子がメチレン基に代えられて等配電子マクロ環化をもたらしている修飾ジスルフィド結合を使用して、グルカゴンペプチドのアルファ−へリックスを安定化する。ジスルフィド架橋又は硫黄に基づく環化により修飾する適切な方法は、例えば、Jackson et al., J. Am. Chem. Soc. 113: 9391-9392 (1991)及びRudinger and Jost, Experientia 20: 570-571 (1964)に記載されている。
更に別の実施態様において、グルカゴンペプチドのアルファ−へリックスは、iとi+4に位置する2つのHis残基又はHisとCysの対による、金属原子の結合を介して安定化される。金属原子は、例えば、Ru(III)、Cu(II)、Zn(II)、又はCd(II)であることができる。そのような金属結合に基づいたアルファ−へリックス安定化の方法は、当該技術において知られている。例えば、Andrews and Tabor, Tetrahedron 55: 11711-11743 (1999); Ghadiri et al., J. Am. Chem. Soc. 112: 1630-1632 (1990);及びGhadiri et al., J. Am. Chem. Soc. 119: 9063-9064 (1997)を参照すること。
グルカゴンペプチドのアルファ−へリックスは、代替的には他のペプチド環化の方法により安定化することもでき、その方法は、Davies, J. Peptide. Sci. 9: 471-501 (2003)により検討されている。アルファ−へリックスは、アミド架橋、チオエーテル架橋、チオエステル架橋、尿素架橋、カルバメート架橋、スルホンアミド架橋などの形成を介して、安定化することができる。例えば、チオエステル架橋を、C末端とCys残基の側鎖との間に形成することができる。あるいは、チオエステルを、チオールを有するアミノ酸(Cys)及びカルボン酸を有するアミノ酸(例えば、Asp、Glu)の側鎖を介して形成することができる。別の方法において、ジカルボン酸、例えばスベリン酸(オクタン二酸)などのような架橋剤は、遊離アミン、ヒドロキシル、チオール基、及びこれらの組み合わせのような、アミノ酸側鎖の2つの官能基の間に結合を導入することができる。
一つの実施態様によると、グルカゴンペプチドのアルファ−へリックスは、iとi+4の位置への疎水性アミノ酸の組み込みを介して安定化される。例えば、iはTyrであることができ、そしてi+4はVal又はLeuであることができる;iはPheであることができ、そしてi+4はCys又はMetであることができる;iはCysであることができ、そしてi+4はMetであることができる;或いはiはPheであることができ、そしてi+4はIleであることができる。本明細書の目的のために、上記のアミノ酸対形成を逆転することができ、これによりi位置の示されたアミノ酸を代替的にi+4の位置に配置することができ、一方、i+4のアミノ酸をi位置に配置することができることが理解されるべきである。
本発明の他の実施態様によると、アルファ−へリックスは、グルカゴンペプチドのC末端部分(アミノ酸12〜29あたり)に1個以上のアルファ−へリックス安定化アミノ酸を(アミノ酸の置換又は挿入のいずれかにより)組み込むことを介して安定化される。特定の実施態様において、アルファ−へリックス安定化アミノ酸は、α,α−二置換アミノ酸であり、その例として、アミノイソ酪酸(AIB)や、メチル、エチル、プロピル、及びn−ブチルから選択される同一若しくは異なる基により二置換されているアミノ酸や、シクロオクタン若しくはシクロヘプタンにより二置換されているアミノ酸(例えば、1−アミノシクロオクタン−1−カルボン酸)のいずれかが含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施態様において、グルカゴンペプチドの16、17、18、19、20、21、24、又は29位のうちの1、2、3、4つ又はそれ以上は、α,α−二置換アミノ酸で置換されている。特定の実施態様において、16、20、21及び24位のうちの1、2、3つ又は全ては、AIBで置換されている。例えば、グルカゴンペプチドは、分子内架橋、例えば非共有分子内架橋(例えば、塩架橋)又は共有分子内架橋(例えば、ラクタム)の不在下で、AIBによる16位での置換を含むことができる。有利なことに、分子内架橋を欠いているそのようなペプチドは調製が容易である。
幾つかの実施態様によると、分子内架橋を欠いているグルカゴンペプチドは、アミノ酸12〜29位の範囲において、α,α−二置換アミノ酸による1つ以上の置換と、グルカゴンペプチドのアミノ酸、例えばグルカゴンペプチドの10位のアミノ酸、の側鎖に共有結合しているアシル又はアルキル基とを含む。特定の実施態様において、アシル又はアルキル基は、天然型のアミノ酸に対して非天然型である。特定の態様において、アシル又はアルキル基は、10位のアミノ酸に対して非天然型である。分子内架橋を欠いているそのようなアシル化又はアルキル化グルカゴンペプチドは、非アシル化対応ペプチドの活性と比較して、GLP−1及びグルカゴン受容体に対して増強された活性を示す。GLP−1及びグルカゴン受容体に対する活性の更なる増強は、分子内架橋を欠いているアシル化グルカゴンペプチドにおいて、スペーサーをアシル又はアルキル基とペプチドの10位のアミノ酸の側鎖との間に組み込むことによって達成することができる。アシル化及びアルキル化は、スペーサーの組み込みを伴う場合も伴わない場合も、本明細書において更に記載されている。
特定の実施態様において、アシル化若しくはアルキル化グルカゴンペプチド又はその類縁体は、更に、GLP−1受容体に対する活性を選択的に減少する修飾を含む。例えば、アシル化若しくはアルキル化グルカゴンペプチド又はその類縁体は、以下のうちの1つ又は組み合わせを含む:C末端アルファカルボキシレート、C末端から27又は28位のアミノ酸までのアミノ酸の欠失(例えば、29位のアミノ酸の欠失、28及び29位のアミノ酸の欠失)、ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸、例えばAbu又はIle、による7位のThrの置換。
<実施態様の例>
一つの実施態様によると、配列番号1の天然グルカゴンペプチドは、負荷電アミノ酸(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)による28及び/又は29位の天然アミノ酸の置換によって修飾されており、更に、ペプチドのカルボキシ末端への負荷電アミノ酸(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)の付加によって修飾されてもよい。代替的な実施態様において、配列番号1の天然グルカゴンペプチドは、正電荷アミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、又はヒスチジン)による29位の天然アミノ酸の置換により修飾されており、更に、ペプチドのカルボキシ末端への1〜2個の正荷電アミノ酸(例えば、リシン、アルギニン又はヒスチジン)の付加により修飾されてもよい。一つの実施態様によると、配列番号34のアミノ酸配列を含むが、但し、28又は29位の少なくとも1個のアミノ酸が酸性アミノ酸で置換されていること、及び/又は追加の酸性アミノ酸が配列番号34カルボキシ末端に付加されていることを条件とする、向上した溶解性及び安定性を有するグルカゴン類縁体が提供される。一つの実施態様において、酸性アミノ酸は、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より独立して選択される。
一つの実施態様によると、配列番号1の天然グルカゴンペプチドは、負荷電アミノ酸(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)による28及び/又は29位の天然アミノ酸の置換によって修飾されており、更に、ペプチドのカルボキシ末端への負荷電アミノ酸(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)の付加によって修飾されてもよい。代替的な実施態様において、配列番号1の天然グルカゴンペプチドは、正電荷アミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、又はヒスチジン)による29位の天然アミノ酸の置換により修飾されており、更に、ペプチドのカルボキシ末端への1〜2個の正荷電アミノ酸(例えば、リシン、アルギニン又はヒスチジン)の付加により修飾されてもよい。一つの実施態様によると、配列番号34のアミノ酸配列を含むが、但し、28又は29位の少なくとも1個のアミノ酸が酸性アミノ酸で置換されていること、及び/又は追加の酸性アミノ酸が配列番号34カルボキシ末端に付加されていることを条件とする、向上した溶解性及び安定性を有するグルカゴン類縁体が提供される。一つの実施態様において、酸性アミノ酸は、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より独立して選択される。
一つの実施態様によると、アゴニストが配列番号33のアミノ酸配列を含み、27、28又は29位の少なくとも1個のアミノ酸が非天然アミノ酸残基で置換されている(すなわち、類縁体の27、28又は29位に存在する少なくとも1個のアミノ酸が配列番号1の対応する位置に存在するアミノ酸と異なる酸性アミノ酸である)、向上した溶解性及び安定性を有するグルカゴンアゴニストが提供される。一つの実施態様によると、配列番号33の配列を含むグルカゴンアゴニストが提供されるが、但し、28位のアミノ酸がアスパラギンであり、29位のアミノ酸がトレオニンである場合、このペプチドは、グルカゴンペプチドのカルボキシ末端に付加される、Lys、Arg、His、Asp、又はGluからなる群より独立して選択される1〜2個のアミノ酸を更に含むことを条件とする。
天然グルカゴンペプチドの特定の位置は、母体ペプチドの少なくとも幾つかの活性を保持しつつ修飾することができることが報告されている。したがって、出願者たちは、配列番号11のペプチドの2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28、又は29位の位置に配置されている1個以上のアミノ酸を、天然グルカゴンペプチドに存在するものと異なるアミノ酸で置換し、依然として、増強された効力、生理学的pHでの安定性及び親グルカゴンペプチドの生物学的活性を保持できると予測する。例えば、一つの実施態様によると、天然ペプチドの27位に存在するメチオニン残基をロイシン又はノルロイシンに変えて、ペプチドの酸化分解を防止する。
一つの実施態様において、配列番号33のグルカゴン類縁体であって、1、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、又は24位から選択される1〜6個のアミノ酸が配列番号1の対応するアミノ酸と異なる類縁体が提供される。別の実施態様によると、配列番号33のグルカゴン類縁体であって、1、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、又は24位から選択される1〜3個のアミノ酸が配列番号1の対応するアミノ酸と異なる類縁体が提供される。別の実施態様において、配列番号7、配列番号8又は配列番号34のグルカゴン類縁体であって、1、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、又は24位から選択される1〜2個のアミノ酸が配列番号1の対応するアミノ酸と異なる類縁体が提供され、更なる実施態様において、これら1〜2個の異なるアミノ酸は、天然配列(配列番号1)に存在するアミノ酸に対して保存的アミノ酸置換を表す。一つの実施態様において、、配列番号11又は配列番号13のグルカゴンペプチドであって、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、又は29位から選択される位置で1、2又は3個のアミノ酸置換を更に含むグルカゴンペプチドが提供される。一つの実施態様において、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、27、又は29位での置換は、保存的アミノ酸置換である。
一つの実施態様において、配列番号1の類縁体ペプチドを含むグルカゴンアゴニストであって、2位にセリン以外のアミノ酸を有すること及び28若しくは29位の天然アミノ酸の酸性アミノ酸置換を有することによって、又は配列番号1のペプチドのカルボキシ末端に酸性アミノ酸が付加されていることによって、配列番号1と異なる、グルカゴンアゴニストが提供される。一つの実施態様において、酸性アミノ酸は、アスパラギン酸又はグルタミン酸である。一つの実施態様において、2位での置換により母体分子と異なっていることを特徴とする、配列番号9、配列番号12、配列番号13又は配列番号32のグルカゴン類縁体が提供される。より詳細には、類縁体ペプチドの2位は、D−セリン、アラニン、D−アラニン、グリシン、N−メチルセリン、及びアミノイソ酪酸からなる群より選択されるアミノ酸で置換されている。
別の実施態様において、配列番号1の類縁体ペプチドを含むグルカゴンアゴニストであって、1位にヒスチジン以外のアミノ酸を有すること及び28若しくは29位の天然アミノ酸の酸性アミノ酸置換を有することによって、又は配列番号1のペプチドのカルボキシ末端に酸性アミノ酸が付加されていることによって、配列番号1と異なる、グルカゴンアゴニストが提供される。一つの実施態様において、酸性アミノ酸は、アスパラギン酸又はグルタミン酸である。一つの実施態様において、1位での置換により母体分子と異なっていることを特徴とする、配列番号9、配列番号12、配列番号13、又は配列番号32のグルカゴン類縁体が提供される。より詳細には、類縁体ペプチドの1位は、DMIA、D−ヒスチジン、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシル−ヒスチジン、アセチル−ヒスチジン、及びホモ−ヒスチジンからなる群より選択されるアミノ酸で置換されている。
一つの実施態様によると、修飾グルカゴンペプチドは、配列番号9、配列番号12、配列番号13、及び配列番号32からなる群より選択される配列を含む。更なる実施態様において、配列番号9、配列番号12、配列番号13、又は配列番号32の配列を含むグルカゴンペプチドであって、配列番号9、配列番号12、配列番号13、又は配列番号32のC末端に1〜2個のアミノ酸が付加されており、付加されているアミノ酸がLys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、又はホモシステイン酸からなる群より独立して選択される、グルカゴンペプチドが提供される。一つの実施態様において、カルボキシ末端に付加される追加のアミノ酸は、Lys、Arg、His、Asp又はGluからなる群より選択されるか、或いは更なる実施態様において、追加のアミノ酸は、Asp又はGluである。
別の実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号7又はそのグルカゴンアゴニスト類縁体の配列を含む。一つの実施態様において、ペプチドは、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群より選択される配列を含む。別の実施態様において、ペプチドは、配列番号8、配列番号10、及び配列番号11からなる群より選択される配列を含む。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号8、配列番号10、及び配列番号11の配列を含み、グルカゴンペプチドのC末端に付加される、Asp及びGluからなる群より選択される追加のアミノ酸を更に含む。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号11又は配列番号13の配列を含み、更なる実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号11の配列を含む。
一つの実施態様によると、下記:
NH2−His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Xaa−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Xaa−Xaa−Xaa−R(配列番号34)、
NH2−His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asp−Thr−R(配列番号11)、及び
NH2−His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Xaa−Tyr−Leu−Glu−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asp−Thr−R(配列番号13)
からなる群より選択される修飾グルカゴンペプチドを含むグルカゴンアゴニストが提供され、
ここで、15位のXaaは、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸、又はホモシステイン酸であり、28位のXaaは、Asn又は酸性アミノ酸であり、29位のXaaは、Thr又は酸性アミノ酸であり、そしてRは、酸性アミノ酸、COOH、又はCONH2であるが、但し、酸性酸残基は、28、29、又は30位のうちの1つに存在する。一つの実施態様において、RはCOOHであり、別の実施態様において、RはCONH2である。
NH2−His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Xaa−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Xaa−Xaa−Xaa−R(配列番号34)、
NH2−His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asp−Thr−R(配列番号11)、及び
NH2−His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Xaa−Tyr−Leu−Glu−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asp−Thr−R(配列番号13)
からなる群より選択される修飾グルカゴンペプチドを含むグルカゴンアゴニストが提供され、
ここで、15位のXaaは、Asp、Glu、システイン酸、ホモグルタミン酸、又はホモシステイン酸であり、28位のXaaは、Asn又は酸性アミノ酸であり、29位のXaaは、Thr又は酸性アミノ酸であり、そしてRは、酸性アミノ酸、COOH、又はCONH2であるが、但し、酸性酸残基は、28、29、又は30位のうちの1つに存在する。一つの実施態様において、RはCOOHであり、別の実施態様において、RはCONH2である。
本開示は、第2ペプチドがグルカゴンペプチドのC末端に融合してグルカゴンペプチドの安定性及び溶解性を増強する、グルカゴン融合ペプチドも包含する。より詳細には、融合グルカゴンペプチドは、グルカゴンペプチドを含むグルカゴンアゴニスト類縁体:NH2−His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Xaa−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Xaa−Xaa−Xaa−R(配列番号34)を含むことができ、ここでRは、酸性アミノ酸又は結合及びグルカゴンペプチドのカルボキシ末端アミノ酸に結合している配列番号20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)、又は配列番号22(KRNR)のアミノ酸配列である。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号33、配列番号7、又は配列番号8からなる群より選択され、グルカゴンペプチドのカルボキシ末端アミノ酸に結合している配列番号配列20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)、又は配列番号22(KRNR)のアミノ酸配列を更に含む。一つの実施態様において、グルカゴン融合ペプチドは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6、又はそのグルカゴンアゴニスト類縁体を含み、グルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している配列番号20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)又は配列番号22(KRNR)のアミノ酸配列を更に含む。一つの実施態様によると、融合ペプチドは、16、17、21、24、29位、若しくはC末端延長部内のアミノ酸、又はC末端アミノ酸に結合しているPEG鎖を更に含み、ここでPEG鎖は、500〜40,000ダルトンの範囲から選択される。一つの実施態様において、配列番号20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)、又は配列番号22(KRNR)のアミノ酸配列は、ペプチド結合を介してグルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している。一つの実施態様において、グルカゴン融合ペプチドのグルカゴンペプチド部分は、配列番号10、配列番号11、及び配列番号13からなる群より選択される配列を含む。一つの実施態様において、グルカゴン融合ペプチドのグルカゴンペプチド部分は、配列番号11又は配列番号13の配列を含み、ここでPEG鎖は、21、24、29位、C末端延長部内、又はC末端のアミノ酸にそれぞれ結合している。
別の実施態様において、融合ペプチドのグルカゴンペプチド配列は、配列番号11の配列を含み、グルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している配列番号20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)、又は配列番号22(KRNR)のアミノ酸配列を更に含む。一つの実施態様において、グルカゴン融合ペプチドは、配列番号24、配列番号25、及び配列番号26からなる群より選択される配列を含む。典型的には、本発明の融合ペプチドは、標準的なカルボン酸基を有するC末端アミノ酸を有する。しかし、C末端アミノ酸がカルボン酸に対してアミド置換を有するような、これらの配列の類縁体も、実施態様として包含される。一つの実施態様によると、融合グルカゴンペプチドは、配列番号10、配列番号11、及び配列番号13からなる群より選択されるグルカゴンアゴニスト類縁体を含み、グルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している配列番号23(GPSSGAPPPS−CONH2)のアミノ酸配列を更に含む。
本発明のグルカゴンアゴニストを更に修飾して、生物学的活性を保持しながら、水溶液中でのペプチドの溶解性及び安定性を改善することができる。一つの実施態様によると、配列番号11のペプチド又はそのグルカゴンアゴニスト類縁体の16、17、20、21、24及び29位から選択される1つ以上の位置への親水性基の導入は、pH安定化グルカゴン類縁体の溶解性及び安定性を改善すると予測される。より詳細には、一つの実施態様において、配列番号10、配列番号11、配列番号13、又は配列番号32のグルカゴンペプチドは、21及び24位に存在するアミノ酸の側鎖に共有結合している1つ以上の親水性基を含むように修飾される。
一つの実施態様によると、配列番号11のグルカゴンペプチドは、16、17、20、21、24、及び/又は29位に1個以上のアミノ酸置換を含有するように修飾されており、ここで天然アミノ酸は、例えばPEGを含む親水性部分との架橋に適した側鎖を有するアミノ酸で置換されている。天然ペプチドを、天然型のアミノ酸又は合成(非天然型の)アミノ酸で置換することができる。合成又は非天然型のアミノ酸は、インビボで天然に生じないが、それでも、本明細書に記載されるペプチド構造に組み込むことができるアミノ酸を意味する。
一つの実施態様において、配列番号10、配列番号11、又は配列番号13のグルカゴンアゴニストであって、天然グルカゴンペプチド配列が、天然配列の16,17、21、24、29位、C末端延長部内、又はC末端のアミノ酸のうちの少なくとも1つに天然又は合成アミノ酸を含むように修飾され、アミノ酸置換体が親水性部分を更に含む、グルカゴンアゴニストが提供される。一つの実施態様において、置換は21又は24位においてであり、更なる実施態様において、親水性部分はPEG鎖である。一つの実施態様において、配列番号11のグルカゴンペプチドは少なくとも1つのシステイン残基で置換されており、ここでシステイン残基の側鎖は、例えばマレイミド、ビニルスルホン、2−ピリジルチオ、ハロアルキル、及びハロアシルを含むチオール反応性試薬により更に修飾される。これらのチオール反応試薬は、カルボキシ、ケト、ヒドロキシル、及び他のエーテル基を含有してもよいし、ポリエチレングリコール単位のような、他の親水性部分を含有してもよい。代替的な実施態様において、天然グルカゴンペプチドはリシンで置換されており、置換リシン残基の側鎖は、カルボン酸の活性エスエル(スクシンイミド、無水物など)のようなアミン反応性試薬を使用して、又はポリエチレングリコールのような親水性部分のアルデヒドを使用して、更に修飾される。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、及び配列番号19からなる群より選択される。
一つの実施態様によると、ペグ化グルカゴンペプチドは、グルカゴンペプチドに共有結合している2つ以上のポリエチレン鎖を含み、ここでグルカゴン鎖の総分子量は、約1,000〜約5,000ダルトンである。一つの実施態様において、ペグ化グルカゴンアゴニストは、配列番号6のペプチドを含み、ここで、PEG鎖は21位及び24位のアミノ酸残基に共有結合しており、2つのPEG鎖の合わせた分子量は、約1,000〜約5,000ダルトンである。別の実施態様において、ペグ化グルカゴンアゴニストは、配列番号6のペプチドを含み、ここで、PEG鎖は21位及び24位のアミノ酸残基に共有結合しており、2つのPEG鎖の合わせた分子量は、約5,000〜約20,000ダルトンである。
ポリエチレングリコール鎖は、直鎖の形態であってもよいし分岐鎖であってもよい。一つの実施態様によると、ポリエチレングリコール鎖は、約500〜約40,000ダルトンの範囲から選択される平均分子量を有する。一つの実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約500〜約5,000ダルトンの範囲から選択される分子量を有する。別の実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約20,000〜約40,000ダルトンの分子量を有する。
上記に記載されたグルカゴンペプチドのいずれも、C末端部分(アミノ酸12〜29位)内に、共有若しくは非共有分子内架橋又はアルファ−へリックス安定化アミノ酸を含むように、更に修飾することができる。一つの実施態様によると、グルカゴンペプチドは、α,α−二置換アミノ酸、例えばAIB、による16、20、21、若しくは24位(又はその組み合わせ)でのアミノ酸置換に加えて、上記において考察した修飾のうちの任意の1つ以上を含む。別の実施態様によると、グルカゴンペプチドは、16及び20位のアミノ酸の側鎖の間の分子内架橋、例えばラクタムに加えて、上記において考察した修飾のうちの任意の1つ以上を含む。
幾つかの実施態様によると、グルカゴンペプチドは、配列番号77のアミノ酸配列を含み、ここで3位のXaaは、下記の構造I、II、又はIII:
〔式中、R1は、C0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2は、NHR4又はC1-3アルキルであり;R3は、C1-3アルキルであり;R4は、H又はC1-3アルキルであり;Xは、NH、O、又はSであり;そしてYは、NHR4、SR3、又はOR3である〕で示される側鎖を含む、アミノ酸である。幾つかの実施態様において、Xは、NHであるか、又はYは、NHR4である。幾つかの実施態様において、R1は、C0-2アルキル又はC1ヘテロアルキルである。幾つかの実施態様において、R2は、NHR4又はC1アルキルである。幾つかの実施態様において、R4は、H又はC1アルキルである。例示的な実施態様において、構造Iの側鎖を含み、以下のいずれかが成り立つアミノ酸が提供される:R1はCH2−Sであり、XはNHであり、そしてR2はCH3である(アセトアミドメチル−システイン、C(Acm));R1はCH2であり、XはNHであり、そしてR2はCH3であるか(アセチルジアミノブタン酸、Dab(Ac));R1はC0アルキルであり、XはNHであり、R2はNHR4であり、そしてR4はHである(カルバモイルジアミノプロパン酸、Dap(尿素));又は、R1はCH2−CH2であり、XはNHであり、そしてR2はCH3である(アセチルオルニチン、Om(Ac))。例示的な実施態様において、構造IIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2であり、Yは、NHR4であり、そしてR4は、CH3である(メチルグルタミン、Q(Me))。例示的な実施態様において、構造IIIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここで、R1はCH2であり、そしてR4は、Hである(メチオニン−スルホキシド、M(O))。特定の実施態様において、3位のアミノ酸はDab(Ac)により置換されている。例えば、グルカゴンアゴニストは、配列番号63、配列番号69、配列番号71、配列番号72、配列番号73及び配列番号74のアミノ酸配列を含むことができる。
特定の実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号77のグルカゴンペプチドの類縁体である。特定の態様において、類縁体は、以下を含むが、但しこれらに限定されない、本明細書に記載されているアミノ酸修飾のいずれかを含む:荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による28位にAsnの置換;Asn、Asp又はGluによる28位での置換;Aspによる28位での置換;Gluによる28位での置換;電荷アミノ酸による29位のThrの置換;Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸によるり29位のThrの置換;Asp、Glu又はLysによる29位での置換;Gluによる29位での置換;29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;29位の後へのGlu又はLysの挿入;29位の後へのGly−Lys又はLys−Lysの挿入;並びにこれらの組み合わせ。
特定の実施態様において、配列番号77のグルカゴンペプチドの類縁体は、16、20、21、及び24位のうちの1、2、3つ、又は全てにおいて、AIBのようなα,α−二置換アミノ酸を含む。
特定の実施態様において、配列番号77のグルカゴンペプチドの類縁体は、以下の1つ以上を含む:ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による1位のHisの置換;ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による2位のSerの置換;ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸、例えばAbu又はIleによる7位のThrの置換;Phe又はValによる10位のTyrの置換;Argによる12いのLysの置換;Gluによる15位のAspの置換;Thr又はAIBによる16位のSerの置換;Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;Gluによる21位のAspの置換;Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;Leu又はNleによる27位のMetの置換;27〜29位のアミノ酸の欠失;28〜29位のアミノ酸の欠失;29位のアミノ酸の欠失;29位のアミノ酸がThr又はGlyであるC末端への配列番号20のアミノ酸配列の付加;或いはこれらの組み合わせ。
特定の実施態様によると、グルカゴンペプチドは、配列番号62〜67及び69〜74のいずれかのアミノ酸配列を含む。
特定の実施態様において、配列番号77を含むグルカゴンペプチドの類縁体は、16、17、20、21、24、及び29位のいずかのアミノ酸又はC末端アミノ酸に共有結合している親水性部分、例えばPEGを含む。
特定の実施態様において、配列番号77を含むグルカゴンペプチドの類縁体は、アシル基又はアルキル基に共有結合している側鎖を含むアミノ酸を含み(この結合はスペーサーを介してでもよい)、アシル基又はアルキル基は、天然型のアミノ酸に対して非天然型である。アシル基は、幾つかの実施態様において、C4〜C30脂肪アシル基である。他の実施態様において、アルキル基はC4〜C30アルキルである。特定の態様において、アシル基又はアルキル基は、10位のアミノ酸の側鎖に共有結合している。幾つかの実施態様において、7位のアミノ酸はIle又はAbuである。
<使用>
実施例に詳細に記載されているように、本発明のグルカゴンアゴニストは、天然ペプチドと比べ、増強された生体活性を保持する又は示す一方で、生理学的pHの溶液において増強された生物物理学的安定性及び水溶性を有する。したがって、本発明のグルカゴンアゴニストは、天然グルカゴンペプチドについて既に記載されてきたあらゆる使用に適していると考えられる。したがって、本明細書に記載されている修飾グルカゴンペプチドを、低血糖症を治療すること、血中グルコースレベルを増加すること、放射線用途において腸管に一過性麻痺を誘導すること、体重を低減及び維持すること、インスリンの補助療法として、又は、グルカゴンの低血中レベルによりもたらされる他の代謝疾患を治療すること、に使用できる。
実施例に詳細に記載されているように、本発明のグルカゴンアゴニストは、天然ペプチドと比べ、増強された生体活性を保持する又は示す一方で、生理学的pHの溶液において増強された生物物理学的安定性及び水溶性を有する。したがって、本発明のグルカゴンアゴニストは、天然グルカゴンペプチドについて既に記載されてきたあらゆる使用に適していると考えられる。したがって、本明細書に記載されている修飾グルカゴンペプチドを、低血糖症を治療すること、血中グルコースレベルを増加すること、放射線用途において腸管に一過性麻痺を誘導すること、体重を低減及び維持すること、インスリンの補助療法として、又は、グルカゴンの低血中レベルによりもたらされる他の代謝疾患を治療すること、に使用できる。
本明細書に記載されているグルカゴンペプチドは、体重を低減若しくは維持すること、高血糖症を治療すること、血中グルコースレベルを低減すること、血中グルコースレベルを正常化すること、及び/又は、血中グルコースレベルを安定化すること、に使用されることも予測される。血中レベルを「正常化する」とは、血中グルコースレベルを正常に戻す(例えば、正常より高い場合は血中グルコースレベルを下げる、又は正常より低い場合は血中グルコースレベルを上げる)ことを意味する。血中グルコースレベルを「安定化する」とは、血中グルコースレベルの最大変動を、一定の期間にわたって、例えば8時間、16時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、又は1週間にわたって、低減することを意味する。例えば、グルカゴンペプチドの投与は、グルカゴンペプチドの投与の不在の場合よりも、血中グルコースレベルをグルコース値の正常範囲の近くに経時的に維持させる。
本発明のグルカゴンペプチドを、単独で、又は他の抗糖尿病又は抗肥満剤と組み合わせて投与することができる。当該技術において既知であるか又は調査中の抗糖尿病剤としては、以下のものが挙げられる:インスリン;トルブタミド(Orinase)、アセトヘキサミド(Dymelor)、トラザミド(Tolinase)、クロルプロパミド(Diabinese)、グリピジド(Glucotrol)、グリブリド(Diabeta, Micronase, Glynase)、グリメピリド(Amaryl)又はグリクラジド(Diamicron)のようなスルホニル尿素;レパグリニド(Prandin)又はナテグリニド(Starlix)のようなメグリチニド;メトホルミン(Glucophage)又はフェンホルミンのようなビグアナイド;ロシグリタゾン(Avandia)、ピオグリタゾン(Actos)若しくはトログリタゾン(Rezulin)又は他のPPARγインヒビターのようなチアゾリジンジオン;ミグリトール(Glyset)、アルカボース(Precose/Glucobay)のような炭水化物の消化を阻害するアルファグルコシダーゼインヒビター;エクセナチド(Byetta)又はプラムリンチド;ビルダグリプチン又はシタグリプチンのようなジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)インヒビター;SGLT(ナトリウム依存性グルコーストランスポーター1)インヒビター;グルコキナーゼアクチベーター(GKA);グルカゴン受容体アンタゴニスト(GRA);又はFBPase(フルクトース1,6−ビスホスファターゼ)インヒビター。
当該技術において既知であるか又は調査中の抗肥満剤としては、以下のものが挙げられる:フェネチルアミン型刺激薬、フェンテルミン、(場合により、フェンフルラミン又はデクスフェンフルラミンを伴う)、ジエチルプロピオン(Tenuate(登録商標))、フェンジメトラジン(Prelu-2(登録商標)、Bontril(登録商標))、ベンズフェタミン(Didrex(登録商標))、シブトラミン(Meridia(登録商標)、Reductil(登録商標))を含む食欲抑制薬;リモナバン(Acomplia(登録商標))、他のカンナビノイド受容体アンタゴニスト;オキシントモジュリン;塩酸フルオキセチン(Prozac);Qnexa(トピラメート及びフェンテルミン)、Excalia(ブプロピオン及びゾニサミド)又はContrave(ブプロピオン及びナルトレキソン);或いは、ゼニカル(Orlistat)若しくはCetilistat (ATL-962としても知られている)又はGT 389-255と類似しているリパーゼインヒビター類。
本開示の一つの態様は、低血糖症の治療に使用される本開示のグルカゴンアゴニストの予備処方水性液剤を対象とする。本明細書に記載されているアゴニスト組成物の向上した安定性及び/又は溶解は、迅速な投与及び低血糖症の治療のためのグルカゴンの予備処方水性液剤の調製を可能にする。したがって、一つの実施態様において、本発明のグルカゴンアゴニストを含む液剤が、低血糖症に罹患している患者に投与するために提供される。一つの実施態様において、本明細書に記載されているペグ化グルカゴンアゴニストを含む液剤が、低血糖症に罹患している患者に投与するために提供され、ここでペグ化グルカゴンアゴニストに結合しているPGE鎖の総分子量は、約500〜約5,000ダルトンである。一つの実施態様において、ペグ化グルカゴンアゴニストは、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、及び配列番号19、並びにそれらのグルカゴンアゴニスト類縁体、からなる群より選択されるペプチドを含み、ここで前記グルカゴンペプチドの16、17、21,24、若しくは29位、若しくはC末端延長部内のアミノ酸残基の側鎖、又はC末端アミノ酸は、ポリエチレングリコール鎖に共有結合している。一つの実施態様において、ペグ化グルカゴンアゴニストは、配列番号16のペプチドを含み、ここでペプチドの21位のアミノ酸残基は、ポリエチレングリコールに共有結合している。一つの実施態様において、ペグ化グルカゴンアゴニストは、配列番号17のペプチドを含み、ここでペプチドの24位のアミノ酸残基は、ポリエチレングリコールに共有結合している。
低血糖症の治療が含まれるが、但しこれに限定されない、本発明による治療方法は、静脈内、腹腔内、皮下若しくは筋肉内のような非経口、鞘内、経皮、直腸内、経口、鼻腔内又は吸入を含む、任意の標準的投与経路を使用して、本開示のグルカゴンアゴニストを患者に投与する工程を含むことができる。一つの実施態様において、組成物は皮下又は筋肉内投与される。一つの実施態様において、組成物は非経口投与され、グルカゴン組成物はシリンジの中に包装される。別の実施態様において、組成物は、吸入器又は他のエアゾール化薬剤送達装置に予め包装されている。有利なことには、本明細書に開示されている水性安定化グルカゴン類縁体は、天然グルカゴンと比べて、薬理学的な目的に使用される最も広いpH範囲の水性緩衝液中でより優れた安定性及び溶解性を示す。本明細書に開示されている安定化グルカゴン類縁体は、生理学的pHでの長期間のグルカゴンアゴニスト溶液の調製及び保存を可能にする。
出願者たちは、親ペプチドの生体活性及び特異性を保持するペグ化グルカゴンペプチドを調製できることを発見していた。しかし、PEG鎖の長さを増大して又は複数のPEG鎖をペプチドに結合して、結合PEGの総分子量が5,000ダルトンを超えると、修飾グルカゴンの作用時間を遅延し始める。一つの実施態様によると、1つ以上のポリエチレングリコール鎖を含む、配列番号11又は配列番号13のグルカゴンペプチド又はそのグルカゴン類縁体が提供され、ここで結合PEGの総分子量は、5,000ダルトンを超え、一つの実施態様では、10,000ダルトンを超えるが、40,000ダルトン未満である。そのような修飾グルカゴンペプチドは、活性の時間が遅くなるが、生体活性を失うことはない。したがって、そのような化合物を予防的に投与して、投与グルカゴンペプチドの効果を延ばすことができる。
10,000ダルトンを超える分子量を有するPEG鎖に共有結合するように修飾されたグルカゴンペプチドを、インスリンと一緒に投与して、糖尿病患者においてインスリン作用を緩衝すること、及び安定した血中グルコースレベルの維持を助けることができる。本開示の修飾グルカゴンペプチドは、インスリンと共に単一の組成物として同時投与することや、別々の液剤として同時に投与することもできるし、インスリンと修飾グルカゴンペプチドとを互いに異なる時点で投与することもできる。一つの実施態様において、インスリンを含む組成物及び修飾グルカゴンペプチドを含む組成物を、互いに12時間以内に投与する。修飾グルカゴンペプチドと投与されたインスリンとの正確な比率は、部分的には患者のグルカゴンレベルを決定することによって決まり、慣用的な実験により決定することができる。
一つの実施態様によると、インスリンと、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、及びそれらのグルカゴンアゴニスト類縁体からなる群より選択される修飾グルカゴンペプチドとを含む組成物であって、修飾グルカゴンペプチドが、更に、16、17、21、24、29位、若しくはC末端延長部内のアミノ酸、又はC末端アミノ酸の側鎖に共有結合しているポリエチレングリコール鎖を含む、組成物が提供される。一つの実施態様において、組成物は、インスリン及びグルカゴン類縁体を含む水性液剤である。グルカゴンペプチドが配列番号11又は配列番号13の配列を含む実施態様において、ペプチドは、更に、16、17、21、24、29位、若しくはC末端延長部内のアミノ酸、又はC末端アミノ酸の側鎖に共有結合している、ポリエチレングリコール鎖を含む。一つの実施態様において、修飾グルカゴンペプチドのPEG鎖の分子量は、10,000ダルトンを超える。一つの実施態様において、ペグ化グルカゴンペプチドは、配列番号11及び配列番号13からなる群より選択されるペプチドを含み、前記グルカゴンペプチドの21又は24位のアミノ酸残基の側鎖は、ポリエチレングリコール鎖に共有結合している。一つの実施態様において、ポリエチレングリコール鎖は、約10,000〜約40,000の分子量を有する。
一つの実施態様によると、本明細書に開示されている修飾グルカゴンペプチドは、腸管の一過性麻痺の誘導に使用される。この方法は、放射線学の目的において有用性を有し、ペグ化グルカゴンペプチド、C末端延長部を含むグルカゴンペプチド、又はそのようなペプチドの二量体を含む医薬組成物の有効量を投与する工程を含む。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群より選択される配列を含む。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、更に、21、24若しくは29位、若しくはC末端延長部内のアミノ酸残基、又はC末端アミノ酸に共有結合している、約1,000〜40,000ダルトンのPEG鎖を含む。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号14、配列番号15、配列番号16、及び配列番号17からなる群より選択される。一つの実施態様において、PEG鎖は、約500〜約5,000ダルトンの分子量を有する。
更なる実施態様において、腸管の一過性麻痺を誘導するのに使用される組成物は、第1修飾グルカゴンペプチド及び第2修飾グルカゴンペプチドを含み、ここで、第1修飾ペプチドは、配列番号10、配列番号11、及び配列番号13からなる群より選択される配列を含み、更に、約500〜約5,000ダルトンのPEG鎖に結合していてもよく、第2ペプチドは、約10,000〜約40,000ダルトンの共有結合したPEG鎖を含む。この実施態様において、それぞれのペプチドのPEG鎖は、それぞれのペプチドの21、24若しくは29位、若しくはC末端延長部内のアミノ酸残基、又はC末端アミノ酸に、互いに独立して、共有結合している。
小腸において見出された天然型の消化ホルモンであるオキシントモジュリンは、ラット又はヒトに投与されたときに減量を引き起こすことが報告されている(Diabetes 2005; 54:2390-2395を参照すること)。オキシントモジュリンは、グルカゴン(すなわち、配列番号1)の29アミノ酸配列と、その後に続く配列番号23(KRNRNNIA)の8アミノ酸カルボキシ末端延長部とを有する、37アミノ酸ペプチドである。したがって、出願者たちは、オキシントモジュリンのグルカゴンペプチド部分を本明細書に開示されている修飾グルカゴンペプチドで置換することによって、オキシントモジュリンの生体活性(すなわち、食欲抑制及び減量/体重維持の誘導)を保持しつつ、化合物の溶解性及び安定性を改善し、薬物動態を改善することができると考える。加えて、出願者たちは、また、本発明のグルカゴンペプチドを含み、オキシントモジュリンの4個の末端アミノ酸が除去されている、短縮型オキシントモジュリン分子もまた、食欲の抑制及び減量/体重維持の誘導に有効であると考える。
したがって、本発明は、配列番号21(KRNRNNIA)又は配列番号22のカルボキシ末端延長部を有する本発明の修飾グルカゴンペプチドも包含する。一つの実施態様によると、グルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している配列番号21(KRNRNNIA)又は配列番号22のアミノ酸配列を更に含む、配列番号33のグルカゴンアゴニスト類縁体は、減量を誘導する又は体重増加を予防するために個人に投与される。一つの実施態様によると、グルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している配列番号21(KRNRNNIA)又は配列番号22のアミノ酸配列を更に含む、配列番号11又は配列番号13のグルカゴンアゴニスト類縁体は、減量を誘導する又は体重増加を予防するために個人に投与される。別の実施態様において、個人において体重増加を低減する又は減量を誘導する方法は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、又は配列番号5からなる群より選択されるグルカゴンペプチドを含むグルカゴンアゴニストを含む組成物の有効量を投与することを含み、ここで、グルカゴンペプチドのアミノ酸29は、ペプチド結合を介して第2ペプチドに結合しており、前記第2ペプチドは、配列番号24(KRNRNNIA)又は配列番号25の配列を含み、約10,000〜40,000ダルトンのPEG鎖は、21及び/又は24位のアミノ酸残基に共有結合している。一つの実施態様において、グルカゴンアゴニストのグルカゴンペプチドセグメンは、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、及び配列番号19からなる群より選択され、ここで約1,000〜40,000ダルトンのPEG鎖は、16、17、21、24若しくは29位、若しくはC末端延長部内のアミノ酸残基、又はC末端アミノ酸に共有結合している。
エキセンディン−4は、39個のアミノ酸で構成されるペプチドである。これは、GLP−1として知られている受容体に対する強力な刺激物質である。このペプチドもまた、食欲を抑制し、減量を誘導することが報告されている。出願者たちは、エキセンディン−4の末端配列が、グルカゴンのカルボキシ末端へ付加されたとき、グルカゴンの生体活性を損なうことなく、グルカゴンの溶解性及び安定性を改善することを見出した。一つの実施態様において、エキセンディン−4の10個の末端アミノ酸(すなわち配列番号20(GPSSGAPPPS)の配列)は、本開示のグルカゴンペプチドのカルボキシ末端に結合している。特定の態様において、配列番号20の配列は、グルカゴンペプチドのC末端に結合しており、29位のアミノ酸は、Thr又はGlyである。これらの融合タンパク質は、食欲を抑制し、減量/体重維持を誘導する薬理学的活性を有すると予測される。一つの実施態様において、配列番号20延長部の末端アミノ酸は、カルボキシ基の代わりにアミド基を含み(すなわち、配列番号23)、この配列は、本開示のグルカゴンペプチドのカルボキシ末端に結合している。
一つの実施態様において、個人において体重増加を低減する又は減量を誘導する方法は、配列番号33のグルカゴンペプチドを含むグルカゴンアゴニストを含む組成物の有効量を投与することを含み、ここでグルカゴンペプチドのアミノ酸29位は、ペプチド結合を介して第2ペプチドに結合しており、前記第2ペプチドは、配列番号20(GPSSGAPPPS)又は配列番号23の配列を含む。一つの実施態様において、グルカゴンペプチドは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13からなる群より選択され、ここで、グルカゴンペプチドのアミノ酸29は、ペプチド結合を介して第2ペプチドに結合し、前記第2ペプチドは、配列番号20(GPSSGAPPPS)又は配列番号23の配列を含む。一つの実施態様において、グルカゴンアゴニストのグルカゴンペプチドは、配列番号11及び配列番号13からなる群より選択される。一つの実施態様において、融合ペプチドのグルカゴンペプチドセグメントは、配列番号14、配列番号15、配列番号16、及び配列番号17からなる群より選択され、ここでPEG鎖の分子量は、500〜40,000ダルトンの範囲から選択される。より詳細には、一つの実施態様において、融合ペプチドのグルカゴンペプチドは、配列番号16及び配列番号17からなる群より選択され、ここでPEG鎖の分子量は、1,000〜5,000の範囲から選択される。
別の実施態様において、食欲を抑制するため、体重増加を予防するため、及び/又は減量を誘導するために、第1ペグ化グルカゴン及び第2ペグ化グルカゴンペプチドを含む医薬組成物が患者に投与され、ここで第1及び第2ペプチドは、配列番号20(GPSSGAPPPS)又は配列番号23を含むC末端ペプチド延長部を含む、融合ペプチドである。第1ペグ化グルカゴンペプチドは、約500〜約10,000ダルトンの共有結合PEGを含み、第2ペグ化グルカゴンペプチドは、約10,000〜約40,000ダルトンの共有結合PEG鎖を含む。
本開示は、本明細書に開示されている修飾グルカゴンペプチドの多量体も包含する。2つ以上の修飾グルカゴンペプチドを、標準的な結合剤及び当業者に既知の手順を使用して一緒に結合することができる。例えば、二量体は、2つの修飾グルカゴンペプチドから形成することができ、特にシステイン、リシン、オルチニン、ホモシステイン又はアセチルフェニルアラニン残基により置換されているグルカゴンペプチドでは、二官能チオール架橋剤及び二官能アミン架橋剤の使用を介して、形成することができる(例えば、配列番号4及び配列番号5)。二量体は、ホモ二量体であってもよいし、ヘテロ二量体であってもよい。一つの実施態様において、二量体は、グルカゴン融合ペプチドのホモ二量体を含み、ここでグルカゴンペプチド部分は、配列番号11のアゴニスト類縁体と、グルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している、配列番号20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)、又は配列番号22(KRNR)のアミノ酸配列とを含む。別の実施態様において、二量体は、配列番号11のグルカゴンアゴニスト類縁体のホモ二量体を含み、ここでグルカゴンペプチドは、更に、グルカゴンペプチドの21、24、29位、C末端延長部内、又はC末端のアミノ酸に共有結合している、ポリエチレングリコール鎖を含む。
一つの実施態様によると、リンカーを介して第2グルカゴンペプチドに結合している第1グルカゴンペプチドを含む二量体が提供され、ここで、第1グルカゴンペプチドは、配列番号1、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10及び配列番号11からなる群より選択されるペプチドを含み、第2グルカゴンペプチドは配列番号33を含む。更に、第2グルカゴンペプチドに関して、28位のアミノ酸がアスパラギンであり、29位のアミノ酸がトレオニンである場合、第2グルカゴンペプチドは、更に、第2グルカゴンペプチドのカルボンキシ末端に付加された1〜2個のアミノ酸(Lys、Arg、His、Asp又はGluからなる群より独立して選択される)を含み、前記グルカゴンポリペプチドの薬学的に許容される塩も提供される。
別の実施態様によると、リンカーを介して第2グルカゴンアンペプチドに結合している第1グルカゴンペプチドを含む二量体が提供され(ここで、前記第1グルカゴンペプチドは、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11配列番号12及び配列番号13からなる群より選択され、第2グルカゴンペプチドは、配列番号11及び配列番号13からなる群より独立して選択される)、前記グルカゴンポリペプチドの薬学的に許容される塩も提供される。一つの実施態様において、第1グルカゴンペプチドは、配列番号7からなる群より選択され、第2グルカゴンペプチドは、配列番号11、配列番号12及び配列番号13からなる群より独立して選択される。一つの実施態様において、二量体は、それぞれのペプチドが配列番号11のアミノ酸配列を含む、2つのペプチドによって形成される。
一つの実施態様によると、医薬組成物が提供され、組成物は本発明のグルカゴンアゴニスト類縁体又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む。医薬組成物は、例えば以下の様な、任意の薬学的に許容される成分を含むことができる:酸化剤、添加剤、吸着剤、エアゾール噴射剤、排気剤、アルキル化剤、凝結防止剤、抗凝固剤、抗菌性保存剤、酸化防止剤、消毒剤、基剤、結合剤、緩衝剤、キレート剤、被覆剤、着色剤、乾燥剤、洗剤、希釈剤、殺菌剤、崩壊剤、分散剤、溶解促進剤、染料、緩和剤、乳化剤、乳化安定剤、充填剤、皮膜形成剤、風味強化剤、風味剤、流動性向上剤、ゲル化剤、造粒剤、保湿剤、潤滑剤、粘膜付着剤、軟膏基剤、軟膏、油性ビヒクル、有機基剤、芳香基剤、顔料、可塑剤、研磨剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、皮膚浸透剤、可溶化剤、溶媒、安定剤、坐薬基剤、表面活性剤、界面活性剤、懸濁剤、甘味剤、治療剤、増粘剤、等張化剤、毒性剤、粘度増加剤、吸水剤、水混和性共溶媒、硬水軟化剤、又は湿潤剤。
幾つかの実施態様において、医薬組成物は、以下の構成成分のうちの任意の1つ又は組み合わせを含む:アカシア、アセスルファムカリウム、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、寒天、アルブミン、アルコール、無水アルコール、変性アルコール、希アルコール、アロイリチン酸、アルギニン酸、脂肪族ポリエステル、アルミナ、水酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アミロペクチン、α−アミロース、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスパルテーム、注射用静菌性水、ベントナイト、ベントナイトマグマ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ブロノポール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、アルギン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、炭酸カルシウム、シクラミン酸カルシウム、無水第二リン酸カルシウム、脱水第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム半水和物、カノーラ油、カルボマー、二酸化炭素、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、β−カロテン、カラギーナン、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、カチオン性乳化ロウ、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、微晶質セルロース、粉末セルロース、ケイ化微晶質セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セトステアリルアルコール、セトリミド、セチルアルコール、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、コレステロール、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロロジフルオロエタン(HCFC)、クロロジフルオロメタン、クロロフルオロカーボン(CFC)、クロロフェノキシエタノール、クロロキシレノール、コーンシロップ固形物、無水クエン酸、クエン酸一水和物、カカオ脂、着色剤、トウモロコシ油、綿実油、クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロスカメロースナトリウム、クロスポビドン、シクラミン酸、シクロデキストリン、デキストラン、デキストリン、デキストロース、デキストロース無水物、ジアゾリジニル尿素、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、ジエタノールアミン、フタル酸ジエチル、ジフルオロエタン(HFC)、ジメチル−β−シクロデキストリン、Captisol(登録商標)のようなシクロデキストリン型化合物、ジメチルエーテル、フタル酸ジメチル、エデト酸二カリウム、エデト酸二ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ドキュセートカルシウム、ドキュセートカリウム、ドキュセートナトリウム、没食子酸ドデシル、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸、エグルミン、エチルアルコール、エチルセルロース、没食子酸エチル、ラウリン酸エチル、エチルマルトール、オレイン酸エチル、エチルパラビン、エチルパラベンカリウム、エチルパラベンナトリウム、エチルバニリン、フルクトース、フルクトース液、粉砕フルクトース、発熱物質無含有フルクトース、粉末フルクトース、フマル酸、ゼラチン、グリコール、液状グルコース、飽和植物性脂肪酸のグリセリド混合物、グリセリン、ベヘン酸グリセリル、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、自己乳化グリセリルモノステアレート、グリセリルパルミトステアレート、グリシン、グリコール、グリコフロール、グアーガム、ヘプタフルオロプロパン(HFC)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、高級フルクトースシロップ、ヒト血清アルブミン、炭化水素(HC)、希塩酸、II型硬化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、2−ヒドロキエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、イミド尿素、インジゴカルミン、イオン交換体、酸化鉄、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、等張食塩水、カオリン、乳酸、ラクチトール、ラクトース、ラノリン、ラノリンアルコール、脱水ラノリン、レクチン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、炭酸マグネシウム、規定炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム無水物、炭酸マグネシウム水酸化物、水酸化マグネシウム、ラウリル硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム無水物、リンゴ酸、モルト、マルチトール、マルチトール溶液、マルトデキストリン、マルトール、マルトース、マンニトール、中鎖トリグリセリド、メグルミン、メントール、メチルセルロース、メタクリル酸メチル、オレイン酸メチル、メチルパラベン、メチルパラベンカリウム、メチルパラベンナトリウム、微晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、鉱油、軽鉱油、鉱油及びラノリンアルコール、油、オリーブ油、モノエタノールアミン、モンモリロナイト、没食子酸オクチル、オレイン酸、パルミチン酸、パラフィン、ヤシ油、ペトロラクタム、ペトロラクタム及びラノリンアルコール、製剤釉薬、フェール、液状フェノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ポラクリリン、ポラクリリンカリウム、ポロキサマー、ポリデキストロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート、ポリエチレン−ポリプロピレンブロックポリマー、ポリメタクリレート、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリエチレンヒマシ油誘導体、ポリエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレンステアレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸カリウム、安息香酸カリウム、重炭酸カリウム、重亜硫酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カリウム無水物、リン酸水素カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、リン酸二水素カリウム、プロピオン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ポビドン、プロパノール、プロピオン酸、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、没食子酸プロピル、プロピルパラベン、プロピルパラベンカリウム、プロピルパラベンナトリウム、硫酸プロタミン、ナタネ油、リンゲル液、サッカリン、サッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、ベニバナ油、サポナイト、血清タンパク質、ゴマ油、コロイドシリカ、コロイド二酸化ケイ素、アルギン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム脱水物、塩化ナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、硫酸ドデシルナトリウム、硫酸ラウリルナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、無水第三リン酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビタンエステル(ソルビタン脂肪エステル)、ソルビトール、70%ソルビトール溶液、ダイズ油、クジラロウ、デンプン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルファ化デンプン、滅菌トウモロコシデンプン、ステアリン酸、精製ステアリン酸、ステアリルアルコール、スクロース、糖、圧縮性糖、粉糖、糖球体、転化糖、Sugartab、スーパーイエローFCF、合成パラフィン、タルク、酒石酸、タルトラジン、テトラフルオロエタン(HFC)、カカオ脂、チメロサール、二酸化チタン、アルファトコフェロール、酢酸トコフェリル、アルファトコフェリル酸スクシネート、ベータ−トコフェロール、デルタ−トコフェロール、ガンマ−トコフェロール、トラガカント、トリアセチン、クエン酸トリブチル、トリエタノールアミン、クエン酸トリエチル、トリメチル−β−シクロデキストリン、トリメチルテトラデシルアンモニウムブロミド、トリス緩衝液、エデト酸三ナトリウム、バニリン、I型硬化植物油、水、軟水、硬水、二酸化炭素無含有水、発熱物質無含有水、注射用水、吸入用滅菌水、注射用滅菌水、潅注用滅菌水、ロウ、アニオン性乳化ロウ、カルナウバロウ、カチオン性乳化ロウ、セチルエステルロウ、微晶質ロウ、非イオン性乳化ロウ、坐剤用ロウ、白ロウ、黄ロウ、白色ペトロラクタム、羊毛脂、キサンタンガム、キシリトール、ゼイン、プロピオン酸亜鉛、亜鉛塩、ステアリン酸亜鉛、又はHandbook of Pharmaceutical Excipients, Third Edition, A. H. Kibbe (Pharmaceutical Press, London, UK, 2000)(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)における任意の賦形剤。Remington's Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)は、薬学的に許容される組成物の配合に使用される多様な構成成分及びそれらを調製する既知の技術を開示する。従来の作用物質のいずれについても、医薬組成物と不適合である場合を除いて、医薬組成物におけるその使用が考慮される。補助活性成分を組成物に組み込むこともできる。
本明細書に開示されている医薬製剤は、下記に記載されているように、短期作用、迅速放出、長期作用、又は持続的放出であるように設計することができる。医薬製剤を即時放出、制御放出又は徐放性放出として配合することもできる。本組成物は、更に、保存性及び/又は送達効果の延長をもたらすために、例えばミセル若しくはリポソーム、又は他の封入形態を含んでもよいし、或いは延長放出形態で投与してもよい。開示されている医薬製剤を、任意のレジメンに従って、例えば毎日(1日あたり1回、1日あたり2回、1日あたり3回、1日あたり4回、1日あたり5回、1日あたり6回)、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、5日毎に1回、6日毎に1回、毎週、隔週、3週間毎に1回、毎月、又は隔月に、投与することができる。
幾つかの実施態様において、前述の構成成分は、任意の濃度、例えば少なくともAの濃度で医薬組成物に存在することができ、ここでAは、0.0001%w/v、0.001%w/v、0.01%w/v、0.1%w/v、1%w/v、2%w/v、5%w/v、10%w/v、20%w/v、30%w/v、40%w/v、50%w/v、60%w/v、70%w/v、80%w/v、又は90%w/vである。幾つかの実施態様において、前述の構成成分は、任意の濃度、例えば最大でBの濃度で医薬組成物に存在することができ、ここでBは、90%w/v、80%w/v、70%w/v、60%w/v、50%w/v、40%w/v、30%w/v、20%w/v、10%w/v、5%w/v、2%w/v、1%w/v、0.1%w/v、0.01%w/v、0.001%w/v、又は0.0001%である。他の実施態様において、前述の構成成分は、例えば約Aから約Bのような、任意の濃度範囲で医薬組成物に存在することができる。幾つかの実施態様において、Aは0.0001%であり、Bは90%である。
医薬組成物は、生理学的に適合するpHを達成するように配合することができる。幾つかの実施態様において、医薬組成物のpHは、製剤又は投与経路に応じて、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、又は少なくとも10.5からpH11以下であることができる。特定の実施態様において、医薬組成物は、生理学的に適合するpHを達成するために1つ以上の緩衝剤を含むことができる。緩衝剤には、所望のpHで緩衝することができる任意の化合物、例えば、リン酸緩衝液(例えばPBS)、トリエタノール、トリス、ビシン、TAPS、トリシン、HEPES、TES、MOPS、PIPES、カコジル酸、MES、及びその他が含まれていてもよい8。特定の実施態様において、緩衝液の強度は、少なくとも0.5mM、少なくとも1mM、少なくとも5mM、少なくとも10mM、少なくとも20mM、少なくとも30mM、少なくとも40mM、少なくとも50mM、少なくとも60mM、少なくとも70mM、少なくとも80mM、少なくとも90mM、少なくとも100mM、少なくとも120mM、少なくとも150mM、又は少なくとも200mMである。幾つかの実施態様において、緩衝液の強度は、300mM以下(例えば、最大で200mM、最大で100mM、最大で90mM、最大で80mM、最大70mM、最大で60mM、最大で50mM、最大で40mM、最大で30mM、最大で20mM、最大で10mM、最大で5mM、最大で1mM)である。
一つの実施態様において、医薬組成物は、1mg/mlの濃度のグルカゴンアゴニスト類縁体及び10〜50mMのトリエタノールアミンとをpH7.0〜8.5又は6〜9又は7〜9で含む。一つの実施態様において、医薬組成物は、1mg/mlの濃度のグルカゴンアゴニスト類縁体及び20mMのトリエタノールアミンをpH8.5で含む。
一つの実施態様によれば、本発明の修飾グルカゴンペプチドを、キットの一部として提供することができる。一つの実施態様において、グルカゴンアゴニストを、それを必要とする患者に投与するキットが提供され、ここでキットは、水溶液中に本発明のグルカゴンペプチドのいずれかを含む。そのようなキットに含まれる例示的なグルカゴンペプチドには、以下からなる群より選択されるグルカゴンペプチドが含まれる:1)配列番号7、配列番号10、配列番号11又は配列番号13又は配列番号33の配列を含むグルカゴンペプチド;2)配列番号11又は配列番号13又は配列番号33のグルカゴンアゴニスト類縁体と、グルカゴンペプチドのアミノ酸29に結合している配列番号20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)又は配列番号22(KRNR)のアミノ酸配列とを含む、グルカゴン融合ペプチド;並びに、3)配列番号11又は配列番号13、又は配列番号33のペグ化グルカゴンペプチドであって、配列番号20(GPSSGAPPPS)、配列番号21(KRNRNNIA)、又は配列番号22(KRNR)のアミノ酸配列がアミノ酸29に結合しており、16、17、21、24若しくは29位、C末端延長部内、又はC末端アミノ酸に共有結合しているPEG鎖が約500〜約40,000ダルトンの分子量を有する、グルカゴンペプチド。一つの実施態様において、キットは、患者にグルカゴン組成物を投与するための装置、例えば、注射針、ペン型注入器、ジェット式注射器、又は他の無針注射器を備える。キットは、代替的に又は追加的に、1つ以上の多様な容器、例えば、バイアル、チューブ、ボトル、単室又は複室型の充填済シリンジ、カートリッジ、輸液ポンプ(体外型又は埋め込み型)、ジェット式注射器、充填済ペン型装置、などを含んでもよく、更にそれらの中に、グルカゴンペプチドを、凍結乾燥形態又は水性液剤形態で含有してもよい。好ましくは、キットは使用説明書も含む。一つの実施態様によると、キットの装置は、エアゾール・ディスペンサーであり、ここで組成物はエアゾール装置内に予め包装されている。別の実施態様において、キットは、シリンジ及び針を含み、一つの実施態様において、滅菌されたグルカゴン組成物は、シリンジの中に予め包装されている。
本発明の化合物を、標準的な合成方法、組み換えDNA技術又はペプチド及び融合タンパク質を調製する他の任意の方法により調製することができる。特定の非天然アミノ酸は標準的な組み換えDNA技術により発現することはできないが、それらを調製する技術は当該技術において知られている。非ペプチド部分を包含する本発明の化合物を、適用可能であれば、標準的なペプチド化学反応に加えて、標準的な有機化学反応により合成することもできる。
〔実施例〕
一般的合成プロトコール:
グルカゴン類縁体を、改良Applied Biosystem 430 Aペプチド合成機により、0.2mmolのBoc Thr(OBzl)Pam樹脂から出発し、HBTU活性化「Fast Boc」単一カップリングを使用して合成した。Bocアミノ酸及びHBTUは、Midwest Biotech(Fishers, IN)から得た。使用した側鎖保護基は、Arg(Tos)、Asn(Xan)、Asp(OcHex)、Cys(pMeBzl)、His(Bom)、Lys(2Cl−Z)、Ser(OBzl)、Thr(OBzl)、Tyr(2Br−Z)及びTrp(CHO)であった。N末端Hisの側鎖保護基はBocであった。
一般的合成プロトコール:
グルカゴン類縁体を、改良Applied Biosystem 430 Aペプチド合成機により、0.2mmolのBoc Thr(OBzl)Pam樹脂から出発し、HBTU活性化「Fast Boc」単一カップリングを使用して合成した。Bocアミノ酸及びHBTUは、Midwest Biotech(Fishers, IN)から得た。使用した側鎖保護基は、Arg(Tos)、Asn(Xan)、Asp(OcHex)、Cys(pMeBzl)、His(Bom)、Lys(2Cl−Z)、Ser(OBzl)、Thr(OBzl)、Tyr(2Br−Z)及びTrp(CHO)であった。N末端Hisの側鎖保護基はBocであった。
合成の完了したそれぞれのペプチジル樹脂を、ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンの溶液で処理して、トリプトファンからホルミル基を除去した。液体フッ化水素切断を、p−クレゾール及びジメチルスルフィドの存在下で実施した。切断は、HF装置(Penninsula Labs)を使用して氷浴で1時間実施した。HFを蒸発させた後、残渣をジエチルエーテルに懸濁し、固体物質を濾過した。ペプチドをそれぞれ30〜70mlの酢酸水溶液に抽出し、希釈したアリコートをHPLC〔Beckman System Gold、0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm、A緩衝液=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%アセトニトリル、10分間かけて10%から80%Bの勾配〕により分析した。
精製を2.2×25cmのKromasil C18カラムのFPLCにより実施し、その間、214nmのUVでモニタリングし、5分毎の画分を収集した。均質画分をまとめ、凍結乾燥して、生成物純度>95%を得た。正確な分子量及び純度は、MALDI質量スペクトル分析を使用して確認した。
一般的ペグ化プロトコール:(Cys−マレイミド)
典型的には、グルカゴンCys類縁体をリン酸緩衝食塩水(5〜10mg/ml)に溶解し、0.01Mエチレンジアミン四酢酸を加える(総容量の10〜15%)。過剰(2倍)マレイミドメトキシPEG試薬(Nektar)を加え、反応を室温で撹拌し、その間、HPLCで反応進行をモニタリングする。8〜24時間後、反応混合物を酸性化し、精製のために、0.1%TFA/アセトニトリル勾配を使用する分取逆相カラムに装填する。適切な画分をまとめ、凍結乾燥して、所望のペグ化類縁体を得た。
典型的には、グルカゴンCys類縁体をリン酸緩衝食塩水(5〜10mg/ml)に溶解し、0.01Mエチレンジアミン四酢酸を加える(総容量の10〜15%)。過剰(2倍)マレイミドメトキシPEG試薬(Nektar)を加え、反応を室温で撹拌し、その間、HPLCで反応進行をモニタリングする。8〜24時間後、反応混合物を酸性化し、精製のために、0.1%TFA/アセトニトリル勾配を使用する分取逆相カラムに装填する。適切な画分をまとめ、凍結乾燥して、所望のペグ化類縁体を得た。
<実施例1>
グルカゴンCys17(1−29)及び同様のモノCys類縁体の合成
60mlの反応容器中の0.2mmolのBoc Thr(OBzl) Pam樹脂(SynChem Inc)及び以下の配列を改良Applied Biosystems 430A Peptide Synthesizerに入れ、FastBoc HBTU活性化単一カップリングを使用して合成を行った。
HSQGTFTSDYSKYLDSCRAQDFVQWLMNT(配列番号27)
以下の側鎖保護基を使用した:Arg(Tos)、Asp(OcHex)、Asn(Xan)、Cys(pMeBzl)、Glu(OcHex)、His(Boc)、Lys(2Cl−Z)、Ser(Bzl)、Thr(Bzl)、Trp(CHO)及びTyr(Br−Z)。合成の完了したペプチジル樹脂を20%ピペリジン/ジメチルホルムアミドで処理して、Trpホルミル保護を除去し、次にHF反応容器に移し、真空下で乾燥した。1.0mlのp−クレゾール及び0.5mlのジメチルスルフィドを、磁気式撹拌バーと共に加えた。容器をHF装置(Pennisula Labs)に取り付け、ドライアイス/メタノール浴で冷却し、排気し、およそ10mlの液体フッ化水素を圧入した。反応を氷浴で1時間撹拌し、次にHFを減圧留去した。残渣をエチルエーテルに懸濁し、固体を濾過し、エーテルで洗浄し、ペプチドを50mlの酢酸水溶液に抽出した。分析HPLC〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm、A緩衝液は0.1%TFA、B緩衝液は0.1%TFA/90%ACN、10分間かけて10%Bから80%Bの勾配〕を少量の切断抽出物試料により実施した。残りの抽出物を2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填し、Pharmacia FPLC系を使用してアセトニトリル勾配を実施した。5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%アセトニトリル。勾配=450分間かけて30%Bから100%B。
グルカゴンCys17(1−29)及び同様のモノCys類縁体の合成
60mlの反応容器中の0.2mmolのBoc Thr(OBzl) Pam樹脂(SynChem Inc)及び以下の配列を改良Applied Biosystems 430A Peptide Synthesizerに入れ、FastBoc HBTU活性化単一カップリングを使用して合成を行った。
HSQGTFTSDYSKYLDSCRAQDFVQWLMNT(配列番号27)
以下の側鎖保護基を使用した:Arg(Tos)、Asp(OcHex)、Asn(Xan)、Cys(pMeBzl)、Glu(OcHex)、His(Boc)、Lys(2Cl−Z)、Ser(Bzl)、Thr(Bzl)、Trp(CHO)及びTyr(Br−Z)。合成の完了したペプチジル樹脂を20%ピペリジン/ジメチルホルムアミドで処理して、Trpホルミル保護を除去し、次にHF反応容器に移し、真空下で乾燥した。1.0mlのp−クレゾール及び0.5mlのジメチルスルフィドを、磁気式撹拌バーと共に加えた。容器をHF装置(Pennisula Labs)に取り付け、ドライアイス/メタノール浴で冷却し、排気し、およそ10mlの液体フッ化水素を圧入した。反応を氷浴で1時間撹拌し、次にHFを減圧留去した。残渣をエチルエーテルに懸濁し、固体を濾過し、エーテルで洗浄し、ペプチドを50mlの酢酸水溶液に抽出した。分析HPLC〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm、A緩衝液は0.1%TFA、B緩衝液は0.1%TFA/90%ACN、10分間かけて10%Bから80%Bの勾配〕を少量の切断抽出物試料により実施した。残りの抽出物を2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填し、Pharmacia FPLC系を使用してアセトニトリル勾配を実施した。5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%アセトニトリル。勾配=450分間かけて30%Bから100%B。
最高純度の生成物を含有する画分(48−52)をまとめ、冷凍及び凍結乾燥して、30.1mgを得た。生成物のHPLC分析は、>90%の純度を示し、MALDI質量スペクトル分析は、所望の質量の3429.7を示した。グルカゴンCys21、グルカゴンCys24及びグルカゴンCys29を同様に調製した。
<実施例2>
グルカゴン−Cex及び他のC末端延長部類縁体の合成
285mg(0.2mmol)のメトキシベンズヒドリルアミン樹脂(Midwest Biotech)を60mlの反応容器に入れ、以下の配列を改良Applied Biosystems 430Aペプチド合成機に入れ、FastBoc HBTU活性化単一カップリングを使用して合成を行った。
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNTGPSSGAPPPS(配列番号28)
以下の側鎖保護基を使用した:Arg(Tos)、Asp(OcHex)、Asn(Xan)、Cys(pMeBzl)、Glu(OcHex)、His(Boc)、Lys(2Cl−Z)、Ser(Bzl)、Thr(Bzl)、Trp(CHO)及びTyr(Br−Z)。合成の完了したペプチジル樹脂を20%ピペリジン/ジメチルホルムアミドで処理して、Trpホルミル保護を除去し、次にHF反応容器に移し、真空下で乾燥した。1.0mlのp−クレゾール及び0.5mlのジメチルスルフィドを、磁気式撹拌バーと共に加えた。容器をHF装置(Pennisula Labs)に取り付け、ドライアイス/メタノール浴で冷却し、排気し、およそ10mlの液体フッ化水素を圧入した。反応を氷浴で1時間撹拌し、次にHFを減圧留去した。残渣をエチルエーテルに懸濁し、固体を濾過し、エーテルで洗浄し、ペプチドを50mlの酢酸水溶液に抽出した。分析HPLC〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm、A緩衝液は0.1%TFA、B緩衝液は0.1%TFA/90%ACN、10分間かけて10%Bから80%Bの勾配〕を切断抽出物のアリコートにより実施した。残りの抽出物を2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填し、Pharmacia FPLC系を溶出に使用してアセトニトリル勾配を実施した。5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%アセトニトリル。勾配=450分間かけて30%Bから100%B。画分58−65を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、198.1mgを得た。
グルカゴン−Cex及び他のC末端延長部類縁体の合成
285mg(0.2mmol)のメトキシベンズヒドリルアミン樹脂(Midwest Biotech)を60mlの反応容器に入れ、以下の配列を改良Applied Biosystems 430Aペプチド合成機に入れ、FastBoc HBTU活性化単一カップリングを使用して合成を行った。
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNTGPSSGAPPPS(配列番号28)
以下の側鎖保護基を使用した:Arg(Tos)、Asp(OcHex)、Asn(Xan)、Cys(pMeBzl)、Glu(OcHex)、His(Boc)、Lys(2Cl−Z)、Ser(Bzl)、Thr(Bzl)、Trp(CHO)及びTyr(Br−Z)。合成の完了したペプチジル樹脂を20%ピペリジン/ジメチルホルムアミドで処理して、Trpホルミル保護を除去し、次にHF反応容器に移し、真空下で乾燥した。1.0mlのp−クレゾール及び0.5mlのジメチルスルフィドを、磁気式撹拌バーと共に加えた。容器をHF装置(Pennisula Labs)に取り付け、ドライアイス/メタノール浴で冷却し、排気し、およそ10mlの液体フッ化水素を圧入した。反応を氷浴で1時間撹拌し、次にHFを減圧留去した。残渣をエチルエーテルに懸濁し、固体を濾過し、エーテルで洗浄し、ペプチドを50mlの酢酸水溶液に抽出した。分析HPLC〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm、A緩衝液は0.1%TFA、B緩衝液は0.1%TFA/90%ACN、10分間かけて10%Bから80%Bの勾配〕を切断抽出物のアリコートにより実施した。残りの抽出物を2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填し、Pharmacia FPLC系を溶出に使用してアセトニトリル勾配を実施した。5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%アセトニトリル。勾配=450分間かけて30%Bから100%B。画分58−65を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、198.1mgを得た。
生成物のHPLC分析は、95%を超える純度を示した。MADI質量スペクトル分析は、C末端アミドとして、所望の理論質量の4316.7を有する生成物の存在を示した。オキシントモジュリン及びオキシントモジュリン−KRNRを、適切な装填PAM樹脂から出発して、C末端カルボン酸として同様に調製した。
<実施例3>
グルカゴンCys17Mal−PEG−5K
15.1mgのグルカゴンCys17(1−29)及び27.3mgの平均分子量5000のメトキシポリ(エチレングリコール)マレイミド(mPEG−Mal−5000、Nektar Therapeutics)を、3.5mlのリン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解し、0.5mlの0.01Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を加えた。反応を室温で撹拌し、反応の進行をHPLC分析〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm(0.5A)、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、勾配=10分間かけて10%Bから80%B〕によりモニターした。
グルカゴンCys17Mal−PEG−5K
15.1mgのグルカゴンCys17(1−29)及び27.3mgの平均分子量5000のメトキシポリ(エチレングリコール)マレイミド(mPEG−Mal−5000、Nektar Therapeutics)を、3.5mlのリン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解し、0.5mlの0.01Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を加えた。反応を室温で撹拌し、反応の進行をHPLC分析〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm(0.5A)、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、勾配=10分間かけて10%Bから80%B〕によりモニターした。
5時間後、反応混合物を2.2×25cmのKromasil C18分取逆送カラムに装填した。アセトニトリル勾配をPharmacia FPLCにより実施し、その間、214nmのUV波長でモニタリングし、5分毎の画分を収集した。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%アセトニトリル、勾配=450分間かけて30%Bから100%B。生成物に対応する画分をまとめ、冷凍及び凍結乾燥して、25.9mgを得た。
この生成物をHPLC〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm(0.5A)、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、勾配=10分間かけて10%Bから80%B〕により分析し、およそ90%の純度を示した。MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化)質量スペクトル分析は、8700〜9500の(PEG誘導体に典型的な)広い質量範囲を示した。これは、出発グルカゴンペプチドの質量(3429)へのおよそ5,000amuの追加を示す。
<実施例4>
グルカゴンCys21Mal−PEG−5K
21.6mgのグルカゴンCys21(1−29)及び24mgのmPEG−Mal−5000(Nektar Therapeutics)を、3.5mlのリン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解し、0.5mlの0.01Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を加えた。反応を室温で撹拌した。2時間後、更なる12.7mgのmPEG−Mal−5000を加えた。8時間後、反応混合物を2.2×25cmのVydac C18分取逆相カラムに装填し、アセトニトリル勾配を4ml/分のPharmacia FPLCにより実施し、その間、5分毎の画分を収集した。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。勾配=450分間かけて20%から80%B。
グルカゴンCys21Mal−PEG−5K
21.6mgのグルカゴンCys21(1−29)及び24mgのmPEG−Mal−5000(Nektar Therapeutics)を、3.5mlのリン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解し、0.5mlの0.01Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を加えた。反応を室温で撹拌した。2時間後、更なる12.7mgのmPEG−Mal−5000を加えた。8時間後、反応混合物を2.2×25cmのVydac C18分取逆相カラムに装填し、アセトニトリル勾配を4ml/分のPharmacia FPLCにより実施し、その間、5分毎の画分を収集した。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。勾配=450分間かけて20%から80%B。
表れた生成物に対応する画分をまとめ、冷凍及び凍結乾燥して、34mgを得た。分析HPLC〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm(0.5A)、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、勾配=10分間かけて10%Bから80%B〕によるこの生成物の分析は、出発グルカゴンペプチドと異なる均質な生成物を示した。MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化)質量スペクトル分析は、8700〜9700の(PEG類縁体に典型的な)広い質量範囲を示した。これは、出発グルカゴンペプチドの質量(3470)へのおよそ5,000amuの追加を示す。
<実施例5>
グルカゴンCys24Mal−PEG−5K
20.1mgのグルカゴンC24(1−29)及び39.5mgのmPEG−Mal−5000(Nektar Therapeutics)を、3.5mlのPBSに撹拌しながら溶解し、0.5mlの0.01M EDTAを加えた。反応を室温で7時間撹拌し、次に更なる40mgのmPEG−Mal−5000を加えた。およそ15時間後、反応混合物を、2.2×25cmのVydac C18分取逆相カラムに装填し、アセトニトリル勾配を、Pharmacia FPLCを使用して実施した。5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A緩衝液=0.1%TFA、B緩衝液=0.1%TFA/50%ACN、勾配=450分間かけて30%Bから100%B。生成物に対応する画分をまとめ、冷凍及び凍結乾燥して、45.8mgを得た。MALDI質量スペクトル分析は、最大9175.2の典型的なPEG広域信号を示し、これはグルカゴンC24(3457.8)よりもおよそ5,000amu多い。
グルカゴンCys24Mal−PEG−5K
20.1mgのグルカゴンC24(1−29)及び39.5mgのmPEG−Mal−5000(Nektar Therapeutics)を、3.5mlのPBSに撹拌しながら溶解し、0.5mlの0.01M EDTAを加えた。反応を室温で7時間撹拌し、次に更なる40mgのmPEG−Mal−5000を加えた。およそ15時間後、反応混合物を、2.2×25cmのVydac C18分取逆相カラムに装填し、アセトニトリル勾配を、Pharmacia FPLCを使用して実施した。5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A緩衝液=0.1%TFA、B緩衝液=0.1%TFA/50%ACN、勾配=450分間かけて30%Bから100%B。生成物に対応する画分をまとめ、冷凍及び凍結乾燥して、45.8mgを得た。MALDI質量スペクトル分析は、最大9175.2の典型的なPEG広域信号を示し、これはグルカゴンC24(3457.8)よりもおよそ5,000amu多い。
<実施例6>
グルカゴンCys24Mal−PEG−20K
25.7mgのグルカゴンC24(1−29)及び40.7mgのmPEG−Mal−20K(Nektar Therapeutics)を、3.5mlのPBSに撹拌しながら室温で溶解し、0.5mlの0.01M EDTAを加えた。6時間後、出発物質と生成物の比率は、HPLCにより決定すると、およそ60:40であった。更なる25.1mgのmPEG−Mal−20Kを加え、反応を更に16時間撹拌した。生成物比率が有意に改善されなかったので、反応混合物を、2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填し、450分かけて30%Bから100%Bへの勾配を使用するPharmacia FPLCにより精製した。A緩衝液=0.1%TFA、B緩衝液=0.1%TFA/50%ACN、流量=4ml/分、5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。均質な生成物を含有する画分をまとめ、冷凍及び凍結乾燥して、25.7mgを得た。分析HPLCにより決定された純度は約90%であった。MALDI質量スペクトル分析は、23,000〜27,000の広域のピークを示し、これは出発グルカゴンC24(3457.8)よりもおよそ20,000amu多い。
グルカゴンCys24Mal−PEG−20K
25.7mgのグルカゴンC24(1−29)及び40.7mgのmPEG−Mal−20K(Nektar Therapeutics)を、3.5mlのPBSに撹拌しながら室温で溶解し、0.5mlの0.01M EDTAを加えた。6時間後、出発物質と生成物の比率は、HPLCにより決定すると、およそ60:40であった。更なる25.1mgのmPEG−Mal−20Kを加え、反応を更に16時間撹拌した。生成物比率が有意に改善されなかったので、反応混合物を、2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填し、450分かけて30%Bから100%Bへの勾配を使用するPharmacia FPLCにより精製した。A緩衝液=0.1%TFA、B緩衝液=0.1%TFA/50%ACN、流量=4ml/分、5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。均質な生成物を含有する画分をまとめ、冷凍及び凍結乾燥して、25.7mgを得た。分析HPLCにより決定された純度は約90%であった。MALDI質量スペクトル分析は、23,000〜27,000の広域のピークを示し、これは出発グルカゴンC24(3457.8)よりもおよそ20,000amu多い。
<実施例7>
グルカゴンCys29Mal−PEG−5K
20.0mgのグルカゴンCys29(1−29)及び24.7mgのmPEG−Mal−5000(Nektar Therapeutics)を、3.5mlのPBSに撹拌しながら室温で溶解し、0.5mlの0.01M EDTAを加えた。4時間後、更なる15.6mgのmPEG−Mal−5000を加えて、反応の完了を促進した。8時間後、反応混合物を、2.2×25cmのVydac C18分取逆相カラムに装填し、アセトニトリル勾配を、Pharmacia FPLC系により実施した。5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。画分75−97を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、HPLCにより回収された出発物質(画分58−63)と異なる、40.0mgの生成物を得た。分析HPLC〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm(0.5A)、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、勾配=10分間かけて10%Bから80%B〕によるこの生成物の分析は、95%を超える純度を示した。MALDI質量スペクトル分析は、8,000〜10,000(最大9025.3)の範囲の質量を有するPEG成分の存在を示し、これは出発物質(3484.8)よりも5,540amu多い。
グルカゴンCys29Mal−PEG−5K
20.0mgのグルカゴンCys29(1−29)及び24.7mgのmPEG−Mal−5000(Nektar Therapeutics)を、3.5mlのPBSに撹拌しながら室温で溶解し、0.5mlの0.01M EDTAを加えた。4時間後、更なる15.6mgのmPEG−Mal−5000を加えて、反応の完了を促進した。8時間後、反応混合物を、2.2×25cmのVydac C18分取逆相カラムに装填し、アセトニトリル勾配を、Pharmacia FPLC系により実施した。5分毎の画分を収集し、その間、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。画分75−97を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、HPLCにより回収された出発物質(画分58−63)と異なる、40.0mgの生成物を得た。分析HPLC〔0.46×5cmのZorbax C8、1ml/分、45C、214nm(0.5A)、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、勾配=10分間かけて10%Bから80%B〕によるこの生成物の分析は、95%を超える純度を示した。MALDI質量スペクトル分析は、8,000〜10,000(最大9025.3)の範囲の質量を有するPEG成分の存在を示し、これは出発物質(3484.8)よりも5,540amu多い。
<実施例8>
グルカゴンCys24(2−ブチロラクトン)
24.7mgのグルカゴンCys24(1−29)に、4mlの0.05M重炭酸アンモニウム/50%アセトニトリル及び5.5ulの2−ブロモ−4−ヒドロキシ酪酸−γ−ラクトンの溶液(アセトニトリル900ul中100ul)を加えた。室温で3時間撹拌した後、更なる105ulのラクトン溶液を反応混合物に加え、更に15時間撹拌した。反応混合物を、10%酢酸水溶液で10mlに希釈し、2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填した。アセトニトリル勾配(450分かけて20%Bから80%B)をPharmacia FPLCにより実施し、その間、5分毎の画分を収集し、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。流量=4ml/分、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。画分74−77を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、7.5mgを得た。HPLC分析は、95%の純度を示し、MALDI質量スペクトル分析は、3540.7の質量又は出発物質よりも84質量単位多い質量を示した。この結果は、単一ブチロラクトン部分の付加と一致している。
グルカゴンCys24(2−ブチロラクトン)
24.7mgのグルカゴンCys24(1−29)に、4mlの0.05M重炭酸アンモニウム/50%アセトニトリル及び5.5ulの2−ブロモ−4−ヒドロキシ酪酸−γ−ラクトンの溶液(アセトニトリル900ul中100ul)を加えた。室温で3時間撹拌した後、更なる105ulのラクトン溶液を反応混合物に加え、更に15時間撹拌した。反応混合物を、10%酢酸水溶液で10mlに希釈し、2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填した。アセトニトリル勾配(450分かけて20%Bから80%B)をPharmacia FPLCにより実施し、その間、5分毎の画分を収集し、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。流量=4ml/分、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。画分74−77を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、7.5mgを得た。HPLC分析は、95%の純度を示し、MALDI質量スペクトル分析は、3540.7の質量又は出発物質よりも84質量単位多い質量を示した。この結果は、単一ブチロラクトン部分の付加と一致している。
<実施例9>
グルカゴンCys24(S−カルボキシメチル)
18.1mgのグルカゴンCys24(1−29)を、9.4mlの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH=9.2)に溶解し、0.6mlのブロモ酢酸溶液(アセトニトリル中1.3mg/ml)を加えた。反応を室温で撹拌し、反応の進行を分析HPLCにより追跡した。1時間後、更なる0.1mlのブロモ酢酸溶液を加えた。反応を更に60分間撹拌し、酢酸水溶液で酸性化し、精製のために2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填した。アセトニトリル勾配をPharmacia FPLC(流量=4ml/分)により実施し、その間、5分毎の画分を収集し、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。画分26−29を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、数mgの生成物を得た。分析HPLCは、90%の純度を示し、MALDI質量スペクトル分析は、所望の生成物の質量3515を確認した。
グルカゴンCys24(S−カルボキシメチル)
18.1mgのグルカゴンCys24(1−29)を、9.4mlの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH=9.2)に溶解し、0.6mlのブロモ酢酸溶液(アセトニトリル中1.3mg/ml)を加えた。反応を室温で撹拌し、反応の進行を分析HPLCにより追跡した。1時間後、更なる0.1mlのブロモ酢酸溶液を加えた。反応を更に60分間撹拌し、酢酸水溶液で酸性化し、精製のために2.2×25cmのKromasil C18分取逆相カラムに装填した。アセトニトリル勾配をPharmacia FPLC(流量=4ml/分)により実施し、その間、5分毎の画分を収集し、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。画分26−29を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、数mgの生成物を得た。分析HPLCは、90%の純度を示し、MALDI質量スペクトル分析は、所望の生成物の質量3515を確認した。
<実施例10>
グルカゴンCys24マレイミド,PEG−3.4K−二量体
16mgのグルカゴンCys24及び1.02mgのMal−PEG−Mal−3400、平均分子量3400のポリ(エチレングリコール)−ビス−マレイミド(Nektar Therpeutics)を、3.5 のリン酸緩衝食塩水及び0.5mlの0.01M EDTAに溶解し、反応を室温で撹拌した。16時間後、更なる16mgのグルカゴンCys24を加え、撹拌を続けた。およそ40時間後、反応混合物をPharmcia PepRPC 16/10カラムに装填し、アセトニトリル勾配をPharmacia FPLCにより実施し、その間、2分毎の画分を収集し、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。流量=2ml/分、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。画分69−74を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、10.4mgを得た。分析HPLCは、90%の純度を示し、MALDI質量スペクトル分析は、9500〜11,000の範囲の成分を示し、これは所望の二量体と一致する。
グルカゴンCys24マレイミド,PEG−3.4K−二量体
16mgのグルカゴンCys24及び1.02mgのMal−PEG−Mal−3400、平均分子量3400のポリ(エチレングリコール)−ビス−マレイミド(Nektar Therpeutics)を、3.5 のリン酸緩衝食塩水及び0.5mlの0.01M EDTAに溶解し、反応を室温で撹拌した。16時間後、更なる16mgのグルカゴンCys24を加え、撹拌を続けた。およそ40時間後、反応混合物をPharmcia PepRPC 16/10カラムに装填し、アセトニトリル勾配をPharmacia FPLCにより実施し、その間、2分毎の画分を収集し、214nm(2.0A)のUVでモニタリングした。流量=2ml/分、A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/50%ACN。画分69−74を合わせ、冷凍及び凍結乾燥して、10.4mgを得た。分析HPLCは、90%の純度を示し、MALDI質量スペクトル分析は、9500〜11,000の範囲の成分を示し、これは所望の二量体と一致する。
<実施例11>
グルカゴン溶解性アッセイ:
グルカゴン(又は類縁体)の溶液(1mg/ml又は3mg/ml)を0.01NのHClで調製する。100ulの原液を、0.01NのHClで1mlに希釈し、UV吸光度(276nm)を決定する。残りの原液のpHを、200〜250ulの0.1M Na2HOP4(pH9.2)を使用して、pH7に調整する。溶液を4℃で一晩放置し、次に遠心分離する。次に100ulの上澄みを、0.01NのHClで1mlに希釈し、UV吸光度を決定する(2回繰り返す)。
グルカゴン溶解性アッセイ:
グルカゴン(又は類縁体)の溶液(1mg/ml又は3mg/ml)を0.01NのHClで調製する。100ulの原液を、0.01NのHClで1mlに希釈し、UV吸光度(276nm)を決定する。残りの原液のpHを、200〜250ulの0.1M Na2HOP4(pH9.2)を使用して、pH7に調整する。溶液を4℃で一晩放置し、次に遠心分離する。次に100ulの上澄みを、0.01NのHClで1mlに希釈し、UV吸光度を決定する(2回繰り返す)。
初期吸光度の読み取りを容量の増加で補正し、以下の計算を使用して、溶解率を確立する。
最終吸光度/初期吸光度×100=溶解率
結果を表1に示し、表中、グルカゴン−Cexは、野生型グルカゴン(配列番号1)+配列番号20のカルボキシ末端付加を表し、グルカゴン−Cex R12は、配列番号1を表し、ここで、12位のLysはArgで置換されており、配列番号20のペプチドはカルボキシ末端に付加されている。
最終吸光度/初期吸光度×100=溶解率
結果を表1に示し、表中、グルカゴン−Cexは、野生型グルカゴン(配列番号1)+配列番号20のカルボキシ末端付加を表し、グルカゴン−Cex R12は、配列番号1を表し、ここで、12位のLysはArgで置換されており、配列番号20のペプチドはカルボキシ末端に付加されている。
グルカゴン類縁体のD28、E29、E30、E15D28、D28E30、D28E29の溶解性を、表1に提示された化合物に使用したものと同じアッセイを使用して調査した。データ(図3及び4に示されている)は、pH値5.5及び7.0において天然グルカゴンと比べてD28、E29、E30、E15D28、D28E30、D28E29類縁体の優れた溶解性を示す。図3に表されているデータは、25℃で60時間後に測定された溶解度を表し、一方、図4に表されているデータは、25℃で24時間後、次に4℃で24時間後に測定した溶解度を表す。図5は、グルカゴン類縁体のD28、D28E30及びE15D28の最大溶解度に関するデータを表す。
<実施例12>
グルカゴン受容体結合アッセイ
グルカゴン受容体へのペプチドの親和性を、シンチレーション近接アッセイ技術を利用する競争結合アッセイにより測定した。シンチレーション近接アッセイ緩衝液(0.05Mのトリス−HCl、pH7.5、0.15MのNaCl、0.1%w/vのウシ血清アルブミン)により作製したペプチドの一連の3倍希釈を、96ウエル白色/透明底プレート(Corning Inc., Acton, MA)において、0.05nMの(3−〔125I〕−ヨードチロシル)Tyr10グルカゴン(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)、1ウエルあたり1〜6マイクログラムの、ヒトグルカゴン受容体を過剰発現している細胞から調製した原形質膜画分及び1mg/ウエルのポリエチレンイミン処理ムギ胚芽凝集素A型シンチレーション近接アッセイビーズ(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)と混合した。ロータリー振とう器により800rpmで5分間振とうしてから、プレートを室温で12時間インキュベートし、次にMicroBeta1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で読み取った。非特異的結合(NSB)放射能をウエルで測定し、試験試料の最高濃度よりも4倍高い濃度の「非放射性」天然リガンドを有し、総結合放射能をウエルで検出し、競合物質がなかった。特異的結合の率を以下のように計算した:特異的結合率=((結合−NSB)/(総結合−NSB))×100。IC50値は、Origin software(OriginLab, Northampton, MA)を使用して決定した。
グルカゴン受容体結合アッセイ
グルカゴン受容体へのペプチドの親和性を、シンチレーション近接アッセイ技術を利用する競争結合アッセイにより測定した。シンチレーション近接アッセイ緩衝液(0.05Mのトリス−HCl、pH7.5、0.15MのNaCl、0.1%w/vのウシ血清アルブミン)により作製したペプチドの一連の3倍希釈を、96ウエル白色/透明底プレート(Corning Inc., Acton, MA)において、0.05nMの(3−〔125I〕−ヨードチロシル)Tyr10グルカゴン(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)、1ウエルあたり1〜6マイクログラムの、ヒトグルカゴン受容体を過剰発現している細胞から調製した原形質膜画分及び1mg/ウエルのポリエチレンイミン処理ムギ胚芽凝集素A型シンチレーション近接アッセイビーズ(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)と混合した。ロータリー振とう器により800rpmで5分間振とうしてから、プレートを室温で12時間インキュベートし、次にMicroBeta1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で読み取った。非特異的結合(NSB)放射能をウエルで測定し、試験試料の最高濃度よりも4倍高い濃度の「非放射性」天然リガンドを有し、総結合放射能をウエルで検出し、競合物質がなかった。特異的結合の率を以下のように計算した:特異的結合率=((結合−NSB)/(総結合−NSB))×100。IC50値は、Origin software(OriginLab, Northampton, MA)を使用して決定した。
<実施例13>
機能アッセイ−cAMP合成
cAMPを誘導するグルカゴン類縁体の能力を、ホタルルシフェラーゼに基づいたレポーターアッセイにより測定した。グルカゴン受容体又はGLP−1受容体のいずれかと、cAMP応答配列に結合したルシフェラーゼ遺伝子とを同時形質移入されたHEK293細胞から、0.25%ウシ増殖血清(HyClone, Logan, UT)が補充されたDMEM(Invitrogen, Carlsbad, CA)における16時間の培養により血清を取り除き、次にグルカゴン、GLP−1又は新規グルカゴン類縁体のいずれかによる一連の希釈と共に、96ウエルポリ−D−リシン被覆「バイオコート」プレート(BD Biosciences, San Jose, CA)において37℃、5%CO2で5時間インキュベートした。インキュベーションの終了時に、100マイクロリットルのLucLiteルミネセンス基質試薬(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)を各ウエルに加えた。プレートを短時間振とうし、暗黒で10分間インキュベートし、発光をMicroBeta-1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で測定した。ルミネセンス発光は、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の活性化を示し、これは受容体の活性化の測度である。有効50%濃度(「EC50」)は、Origin software(OriginLab, Northampton, MA)を使用して計算した。結果を表2及び3に示す。EC50は、示された受容体に対するペプチドの最大活性化反応の50%を生じるペプチドの濃度である。比較的低いEC50は、ペプチドがその受容体に対して相対的により効力があることを示し、一方、高いEC50は、ペプチドの効力が弱いことを示す。
機能アッセイ−cAMP合成
cAMPを誘導するグルカゴン類縁体の能力を、ホタルルシフェラーゼに基づいたレポーターアッセイにより測定した。グルカゴン受容体又はGLP−1受容体のいずれかと、cAMP応答配列に結合したルシフェラーゼ遺伝子とを同時形質移入されたHEK293細胞から、0.25%ウシ増殖血清(HyClone, Logan, UT)が補充されたDMEM(Invitrogen, Carlsbad, CA)における16時間の培養により血清を取り除き、次にグルカゴン、GLP−1又は新規グルカゴン類縁体のいずれかによる一連の希釈と共に、96ウエルポリ−D−リシン被覆「バイオコート」プレート(BD Biosciences, San Jose, CA)において37℃、5%CO2で5時間インキュベートした。インキュベーションの終了時に、100マイクロリットルのLucLiteルミネセンス基質試薬(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)を各ウエルに加えた。プレートを短時間振とうし、暗黒で10分間インキュベートし、発光をMicroBeta-1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で測定した。ルミネセンス発光は、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の活性化を示し、これは受容体の活性化の測度である。有効50%濃度(「EC50」)は、Origin software(OriginLab, Northampton, MA)を使用して計算した。結果を表2及び3に示す。EC50は、示された受容体に対するペプチドの最大活性化反応の50%を生じるペプチドの濃度である。比較的低いEC50は、ペプチドがその受容体に対して相対的により効力があることを示し、一方、高いEC50は、ペプチドの効力が弱いことを示す。
図11は、次の修飾:T16、A20、E21、A24、Nle27、D28及びE29(配列番号56)を有するグルカゴン類縁体のグルカゴン及びGLP−1受容体に対するcAMP誘導についてのデータを示す。データは、複数の修飾(7つの置換)を含有するグルカゴン類縁体が実質的にグルカゴン活性を保持することを示す。
<実施例14>
グルカゴンCys−マレイミドPEG類縁体の安定性アッセイ
各グルカゴン類縁体を水又はPBSに溶解し、初期HPLC分析を実施した。pHを調整した後(4、5、6、7)、試料を37℃で特定の時間インキュベートし、HPLCにより再び分析して、ペプチドの完全性を決定した。特定の目的のペプチドの濃度を決定し、無傷まま残っている率を初期分析と比較して計算した。グルカゴンCys21−マレイミドPEG5Kの結果を図1及び2に示す。
グルカゴンCys−マレイミドPEG類縁体の安定性アッセイ
各グルカゴン類縁体を水又はPBSに溶解し、初期HPLC分析を実施した。pHを調整した後(4、5、6、7)、試料を37℃で特定の時間インキュベートし、HPLCにより再び分析して、ペプチドの完全性を決定した。特定の目的のペプチドの濃度を決定し、無傷まま残っている率を初期分析と比較して計算した。グルカゴンCys21−マレイミドPEG5Kの結果を図1及び2に示す。
<実施例15>
グルカゴンラムタムの合成
285mg(0.2mmol)のメトキシベンズヒドリルアミン樹脂(Midwest Biotech)を60mLの反応容器に入れ、以下の配列を、Boc DEPBT活性化単一カップリングを使用する改良Applied Biosystems 430Aペプチド合成機により組み立てた。
グルカゴンラムタムの合成
285mg(0.2mmol)のメトキシベンズヒドリルアミン樹脂(Midwest Biotech)を60mLの反応容器に入れ、以下の配列を、Boc DEPBT活性化単一カップリングを使用する改良Applied Biosystems 430Aペプチド合成機により組み立てた。
以下の側鎖保護基を使用した:Arg(Tos)、Asp(OcHx)、Asn(Xan)、Glu(OFm)、His(BOM)、Lys(Fmoc)、Ser(Bzl)、Thr(Bzl)、Trp(CHO)、Tyr(Br−Z)。例として、ラクタムが16−20、20−24又は24−28により構成される場合、Lys(Cl−Z)を使用して12位の天然Lysを保護した。合成の完了したペプチジル樹脂を20%ピペリジン/ジメチルホルムアミドにより回転しながら1時間処理して、Trpホルミル基を、並びにLys12及びGlu16からFmoc及びOFm保護を除去した。陽性ニンヒドリン試験により除去を確認してから、樹脂をジメチルホルムアミド、続いてジクロロメタン、次に再びジメチルホルムアミドで洗浄した。樹脂を、ジメチルホルムアミド及びジイソプロピルエチルアミン(DIEA)中のベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)の520mg(1mmol)で処理した。反応は8〜10時間進行し、環化は、陰性ニンヒドリン試験により確認した。樹脂を、ジメチルホルムアミド、続いてジクロロメタンで洗浄し、その後トリフルオロ酢酸で10分間処理した。Boc基の除去は、陽性ニンヒドリン反応より確認した。樹脂を、ジメチルホルムアミド及びジクロロメタンで洗浄し、フッ化水素酸(HF)反応容器に移す前に乾燥した。500μLのp−クレゾールを、磁気式撹拌バーと共に加えた。容器をHF装置(Pennisula Labs)に取り付け、ドライアイス/メタノール浴で冷却し、排気し、およそ10mLの液体フッ化水素を容器の中に圧入した。反応を氷浴で1時間撹拌し、次にHFを減圧留去した。残渣をエチルエーテルに懸濁し、固体を濾過し、エーテルで洗浄し、ペプチドを150mLの20%アセトニトリル/1%酢酸に溶解した。
粗溶解ペプチドの分析HPLCによる分析を次の条件〔0.46×30mmのXterra C8、1.50mL/分、220nm、A緩衝液は0.1%TFA/10%ACN、B緩衝液は0.1%TFA/100%ACN、15分間かけて5〜95%Bの勾配〕で実施した。抽出物を水で2倍に希釈し、2.2×25cm Vydac C4分取逆相カラムに装填し、WatersHPLC系(A緩衝液は0.1%TFA/10%ACN、B緩衝液は0.1%TFA/10%ACN及び流量15.00ml/分で120分間かけて0〜100%Bの勾配)によりアセトニトリル勾配を使用して溶出した。精製ペプチドのHPLC分析は、95%を超える純度を示し、エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル分析は、12−16ラクタムで3506Daの質量を確認した。16−20、20−24及び24−28のラクタムを同様に調製した。
<実施例16>
例示的ペプチド
以下の配列を有するグルカゴンペプチドを本明細書に一般的に記載されているように構成した:
XSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVC*WLMNT(ラクタム@16−20)(配列番号40)
ここで、X=DMIAであり、C*はPEGに結合しているCysである。
XSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVAWLMNC*(ラクタム@16−20)(配列番号41)
ここで、X=DMIA、Q24Aであり、C*はPEGに結合しているCysである。
X1SQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVC*WLX2NT(ラクタム@16−20)(配列番号42)
ここで、X1=DMIAであり、X2は、Nle又はLeuであり、C*は、PEGに結合しているCysである。
X1SQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVAWLX2NC*(ラクタム@16−20)(配列番号43)
ここで、X1=DMIA、Q24Aであり、X2は、Nle又はLeuであり、C*は、PEGに結合しているCysである。
例示的ペプチド
以下の配列を有するグルカゴンペプチドを本明細書に一般的に記載されているように構成した:
XSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVC*WLMNT(ラクタム@16−20)(配列番号40)
ここで、X=DMIAであり、C*はPEGに結合しているCysである。
XSQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVAWLMNC*(ラクタム@16−20)(配列番号41)
ここで、X=DMIA、Q24Aであり、C*はPEGに結合しているCysである。
X1SQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVC*WLX2NT(ラクタム@16−20)(配列番号42)
ここで、X1=DMIAであり、X2は、Nle又はLeuであり、C*は、PEGに結合しているCysである。
X1SQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVAWLX2NC*(ラクタム@16−20)(配列番号43)
ここで、X1=DMIA、Q24Aであり、X2は、Nle又はLeuであり、C*は、PEGに結合しているCysである。
配列1に以下の修飾を有するグルカゴンペプチドを、本明細書に一般的に記載されているように構成した:
A20,A24,Nle27,D28(配列番号44)
A20,A24,Nle27,D28,E29(配列番号45)
A20,A24,Nle27,D28,E30(配列番号46)
A20,A24,Nle27,E28,E29(配列番号47)
A20,A24,Nle27,E28,E30(配列番号48)
A20,A24,Nle27,E29,E30(配列番号49)
A20,E21,A24,Nle27,D28(配列番号50)
A20,E21,A24,Nle27,D28,E29(配列番号51)
A20,E21,A24,Nle27,D28,E30(配列番号52)
A20,E21,A24,Nle27,E28,E29(配列番号53)
A20,E21,A24,Nle27,E28,E30(配列番号54)
A20,E21,A24,Nle27,E29,E30(配列番号55)
あるいは、これらのペプチドのいずれかは、A20及び/又はA24置換の代わりにAIB20及び/又はAIB24を含むことができる。
これらのペプチドのいずれも、更にT16又はAIB16アミノ酸置換を含むことができる。例えば、T16,A20,E21,A24,Nle27,D28,E29(配列番号56)を構成した。
A20,A24,Nle27,D28(配列番号44)
A20,A24,Nle27,D28,E29(配列番号45)
A20,A24,Nle27,D28,E30(配列番号46)
A20,A24,Nle27,E28,E29(配列番号47)
A20,A24,Nle27,E28,E30(配列番号48)
A20,A24,Nle27,E29,E30(配列番号49)
A20,E21,A24,Nle27,D28(配列番号50)
A20,E21,A24,Nle27,D28,E29(配列番号51)
A20,E21,A24,Nle27,D28,E30(配列番号52)
A20,E21,A24,Nle27,E28,E29(配列番号53)
A20,E21,A24,Nle27,E28,E30(配列番号54)
A20,E21,A24,Nle27,E29,E30(配列番号55)
あるいは、これらのペプチドのいずれかは、A20及び/又はA24置換の代わりにAIB20及び/又はAIB24を含むことができる。
これらのペプチドのいずれも、更にT16又はAIB16アミノ酸置換を含むことができる。例えば、T16,A20,E21,A24,Nle27,D28,E29(配列番号56)を構成した。
配列1に以下の修飾を有するグルカゴンペプチドを、本明細書に一般的に記載されているように構成した:DMIA1,E16,K20−グルカゴン−COOH(C24−PEG、E16〜K20ラクタム)、その配列を下記に記載する:
DMIA−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Cys*−Trp−Leu−Met−Asn−Thr−COOH(ここで、24位のCys*は、分子量が約40,000ダルトンのPEGに結合しており、16位のGlu及び20位のLysは、ラクタム架橋を介して結合している)(配列番号40)。このペプチドを実施例13に一般的に従って、グルカゴン及びGLP−1受容体に対する活性について試験した。ペプチドは、天然グルカゴンの27.7%の効力及び天然GLP−1の1.1%の効力を示した。
DMIA−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Cys*−Trp−Leu−Met−Asn−Thr−COOH(ここで、24位のCys*は、分子量が約40,000ダルトンのPEGに結合しており、16位のGlu及び20位のLysは、ラクタム架橋を介して結合している)(配列番号40)。このペプチドを実施例13に一般的に従って、グルカゴン及びGLP−1受容体に対する活性について試験した。ペプチドは、天然グルカゴンの27.7%の効力及び天然GLP−1の1.1%の効力を示した。
<実施例17>
アシル化及び/又はペグ化ペプチドの調製
アシル化及び/又はペグ化ペプチドを以下のように調製する。ペプチドは、CS Bio 4886 Peptide Synthesizer又はApplied Biosystems 430A Peptide Synthesizerのいずれかを使用して、固体支持樹脂上に合成する。Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193(1992)に記載されている現場中和化学を使用する。アシル化ペプチドでは、アシル化される標的アミノ酸残基(例えば、10位)をNε−FMOCリシン残基で置換する。DMF中の20%ピペリジンによる完全N末端BOC保護ペプチドの30分間の処理によって、FMOC/ホルミル基を除去する。遊離ε−アミノLys残基へのカップリングは、FMOC保護スペーサーアミノ基(例えば、FMOC−(N−BOC)−トリプトファン−OH)又はアシル鎖(例えば、C17−COOH)のいずれかの10倍モル過剰と、DMF/DIEA中のPyBOP又はDEPBT試薬とのカップリングにより達成される。その後のスペーサーアミノ酸のFMOC基の除去に続いて、アシル鎖とのカップリングが繰り返される。100%TFAによる最終処理は、あらゆる側鎖保護基及びN末端BOC基の除去をもたらす。ペプチド樹脂を、5%DIEA/DMFで中和し、乾燥し、次にHF/p−クレゾール95:5を0℃で1時間使用して支持体から切断する。エーテル抽出の後、5%HOAc溶液を使用して粗ペプチドを溶媒和する。次に溶液の試料を、正確な分子量のペプチドを含有しているかについてESI−MSにより確認する。正確なペプチドを、100%CH3CN中の10%CH3CN/0.1%TFAから0.1%TFAの直線勾配を使用してRP−HPLCにより精製する。Vydac C18の22mm×250mmタンパク質カラムを精製に使用する。アシル化ペプチド類縁体は、一般に、緩衝液比率の20:80で完全に溶離する。一部を一緒にプールし、分析RP−HPLCにより純度を調べる。純粋な画分を凍結乾燥して、白色の固体ペプチドを得る。
アシル化及び/又はペグ化ペプチドの調製
アシル化及び/又はペグ化ペプチドを以下のように調製する。ペプチドは、CS Bio 4886 Peptide Synthesizer又はApplied Biosystems 430A Peptide Synthesizerのいずれかを使用して、固体支持樹脂上に合成する。Schnolzer et al., Int. J. Peptide Protein Res. 40: 180-193(1992)に記載されている現場中和化学を使用する。アシル化ペプチドでは、アシル化される標的アミノ酸残基(例えば、10位)をNε−FMOCリシン残基で置換する。DMF中の20%ピペリジンによる完全N末端BOC保護ペプチドの30分間の処理によって、FMOC/ホルミル基を除去する。遊離ε−アミノLys残基へのカップリングは、FMOC保護スペーサーアミノ基(例えば、FMOC−(N−BOC)−トリプトファン−OH)又はアシル鎖(例えば、C17−COOH)のいずれかの10倍モル過剰と、DMF/DIEA中のPyBOP又はDEPBT試薬とのカップリングにより達成される。その後のスペーサーアミノ酸のFMOC基の除去に続いて、アシル鎖とのカップリングが繰り返される。100%TFAによる最終処理は、あらゆる側鎖保護基及びN末端BOC基の除去をもたらす。ペプチド樹脂を、5%DIEA/DMFで中和し、乾燥し、次にHF/p−クレゾール95:5を0℃で1時間使用して支持体から切断する。エーテル抽出の後、5%HOAc溶液を使用して粗ペプチドを溶媒和する。次に溶液の試料を、正確な分子量のペプチドを含有しているかについてESI−MSにより確認する。正確なペプチドを、100%CH3CN中の10%CH3CN/0.1%TFAから0.1%TFAの直線勾配を使用してRP−HPLCにより精製する。Vydac C18の22mm×250mmタンパク質カラムを精製に使用する。アシル化ペプチド類縁体は、一般に、緩衝液比率の20:80で完全に溶離する。一部を一緒にプールし、分析RP−HPLCにより純度を調べる。純粋な画分を凍結乾燥して、白色の固体ペプチドを得る。
ペプチドがアシル化されるラクタム架橋及び標的残基を含む場合、アシル化は、ペプチド主鎖へのアミノ酸の付加に加えて、上記に記載されたとおりに実施される。
ペプチドのペグ化では、40kDaのメトキシポリ(エチレングリコール)マレイミド−プロピオンアミド(Chirotech Technology Ltd.)を、ペプチドとPEGの両方を溶解して透明な溶液にするのに必要な最小量の溶媒(一般に、2〜3mgのペプチドを使用する反応において2mL未満)を使用して、7Mの尿素、50mMのトリス−HCl緩衝液中のモル当量のペプチドと反応させる。室温での激しい撹拌を開始して4〜6時間行い、反応を分析RP−HPLCにより分析する。ペグ化生成物は、保持時間が減少しているので出発物質と異なっていると思われる。精製は、初期ペプチド精製に使用した条件と同じ条件のVydac C4カラムにより実施する。溶出は、典型的には、緩衝液比率がおよそ50:50で生じる。純粋なペグ化ペプチドの画分を収集し、凍結乾燥する。
ペプチドを、上記の実施例13に記載されているように、生体活性についてアッセイする。
<実施例18>
グルカゴン類縁体の投与後のビーグル犬における血清グルコース濃度の変化
月齢が8〜16か月の健康な8〜12kgのイヌ/ビーグル犬を使用して、グルカゴン作用の薬物動態及び薬力学を決定した。全ての動物を一晩絶食させ、各投与後の以下の時点で出血させた:0時(投与前)、投与後5、10、20、30、45、60、90、120、240分。6匹の動物を各投与量群に使用し、およそ1〜2mlの全血を各時点で取り出した。約1.0mlの全血を、十分な量のトラジロール(アプロチニン)を含有するK2 EDTA管に加えて、少なくとも500KIU/mLの全血を得た。冷蔵遠心分離機により1,500〜3,000×gで試料を10〜15分間遠心分離した後、およそ500uLの血漿を収集した。試料をプラスチックバイアルに移し、−70℃以下で凍結保存した。残りの1.0mLの全血は、血液試料を空の管に入れ、周囲温度で15〜20分間放置し、次に冷蔵遠心分離機により1,500〜3,000×gで10〜15分間遠心分離することによって、血清に変換した。試料をプラスチックバイアルに移し、−70℃以下で凍結保存した。グルカゴン及び類縁体を0.01NのHClに0.1667mg/mlの濃度で溶解し、動物に0.03ml/kgで投与した。
グルカゴン類縁体の投与後のビーグル犬における血清グルコース濃度の変化
月齢が8〜16か月の健康な8〜12kgのイヌ/ビーグル犬を使用して、グルカゴン作用の薬物動態及び薬力学を決定した。全ての動物を一晩絶食させ、各投与後の以下の時点で出血させた:0時(投与前)、投与後5、10、20、30、45、60、90、120、240分。6匹の動物を各投与量群に使用し、およそ1〜2mlの全血を各時点で取り出した。約1.0mlの全血を、十分な量のトラジロール(アプロチニン)を含有するK2 EDTA管に加えて、少なくとも500KIU/mLの全血を得た。冷蔵遠心分離機により1,500〜3,000×gで試料を10〜15分間遠心分離した後、およそ500uLの血漿を収集した。試料をプラスチックバイアルに移し、−70℃以下で凍結保存した。残りの1.0mLの全血は、血液試料を空の管に入れ、周囲温度で15〜20分間放置し、次に冷蔵遠心分離機により1,500〜3,000×gで10〜15分間遠心分離することによって、血清に変換した。試料をプラスチックバイアルに移し、−70℃以下で凍結保存した。グルカゴン及び類縁体を0.01NのHClに0.1667mg/mlの濃度で溶解し、動物に0.03ml/kgで投与した。
動物には、グルカゴン、グルカゴンのカルボキシ末端に結合した配列番号31の配列を有するグルカゴンを含むグルカゴン類縁体(グルカゴン−CEX)又は配列番号11のアミノ酸28にアスパラギン酸置換を含むグルカゴン類縁体(グルカゴン−Asp28)のいずれかの0.005mg/kg用量を筋肉内投与した。得られたデータを図10に表す。
<実施例19>
以下のペプチドを実質的に上記に記載されたように作製した:
(A)AIBによる16位のアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB16グルカゴン」);
(B)AIBによる19位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB19グルカゴン」);
(C)AIBによる20位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB20グルカゴン」);
(D)AIBによる21位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB21グルカゴン」);
(E)AIBによる24位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB24グルカゴン」);
(F)AIBによる16及び20位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB16,20グルカゴン」);
(G)AIBによる16及び24位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB16,24グルカゴン」);
(H)AIBによる20及び24位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB20,24グルカゴン」);並びに
(I)AIBによる16、20及び24位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB16,20,24グルカゴン」)。
以下のペプチドを実質的に上記に記載されたように作製した:
(A)AIBによる16位のアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB16グルカゴン」);
(B)AIBによる19位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB19グルカゴン」);
(C)AIBによる20位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB20グルカゴン」);
(D)AIBによる21位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB21グルカゴン」);
(E)AIBによる24位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB24グルカゴン」);
(F)AIBによる16及び20位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB16,20グルカゴン」);
(G)AIBによる16及び24位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB16,24グルカゴン」);
(H)AIBによる20及び24位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB20,24グルカゴン」);並びに
(I)AIBによる16、20及び24位でのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(「AIB16,20,24グルカゴン」)。
<実施例20>
以下のグルカゴン類縁体ペプチドを実質的に上記に記載されたように作製した:
28位にAsp及び29位にGluを含むように修飾された配列番号1のアミノ酸配列を含む「D28/E29グルカゴン」:
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMDE(配列番号75);及び
16位にAibを含むように更に修飾された配列番号75のアミノ酸配列を含む「AIB16/D28/E29グルカゴン」):
HSQGTFTSDYSKYLDAibRRAQDFVQWLMDE(配列番号76)。
以下のグルカゴン類縁体ペプチドを実質的に上記に記載されたように作製した:
28位にAsp及び29位にGluを含むように修飾された配列番号1のアミノ酸配列を含む「D28/E29グルカゴン」:
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMDE(配列番号75);及び
16位にAibを含むように更に修飾された配列番号75のアミノ酸配列を含む「AIB16/D28/E29グルカゴン」):
HSQGTFTSDYSKYLDAibRRAQDFVQWLMDE(配列番号76)。
グルカゴン受容体に対するそれぞれのペプチドのインビトロ活性を、実施例13に記載されたように試験した。D28/E29グルカゴンペプチドのEC50は、0.06nMであったが、AIB16/D28/E29グルカゴンペプチドのEC50は、0.08nMであった。
<実施例21>
表6に提示されている修飾を有する配列番号1のアミノ酸をそれぞれ含む、Aセットのペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように作製する。
表6に提示されている修飾を有する配列番号1のアミノ酸をそれぞれ含む、Aセットのペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように作製する。
第2セット(Bセット)のペプチドを、Bセットの各ペプチドが24位にCysを含み、このCys残基が40kDaのPEGと共有結合していることを除いて、Aセットのペプチドと同じ構造で作製する。
A及びBセットのペプチドを、実施例13に実質的に記載されているように、グルカゴン受容体に対するインビトロ活性について試験する。
<実施例22>
以下の、3位に追加の修飾を有する、ペプチドJ:
HS−X−GTFTSDYSKYLDTRRAAEFVAWL(Nle)DE
(配列番号59)の主鎖、又は
ペプチドK:
HS−X−GTFTSDYSKYLD(Aib)RRAADFVAWLMDE
(配列番号60)
の主鎖を含むグルカゴン類縁体ペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように、固相ペプチド合成により作製した。ペプチドを、実施例13に実質的に記載されているように、グルカゴン受容体に対するインビトロ活性について試験した。それぞれのペプチドのEC50(nM)を表7に示す。
以下の、3位に追加の修飾を有する、ペプチドJ:
HS−X−GTFTSDYSKYLDTRRAAEFVAWL(Nle)DE
(配列番号59)の主鎖、又は
ペプチドK:
HS−X−GTFTSDYSKYLD(Aib)RRAADFVAWLMDE
(配列番号60)
の主鎖を含むグルカゴン類縁体ペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように、固相ペプチド合成により作製した。ペプチドを、実施例13に実質的に記載されているように、グルカゴン受容体に対するインビトロ活性について試験した。それぞれのペプチドのEC50(nM)を表7に示す。
表7に示されているように、複数のアミノ酸を、グルカゴン受容体に対する活性を実質的に失うことなく3位に配置することができ、幾つかの場合では、修飾は、実際には活性を増加し、例えばペプチドK主鎖におけるDab(Ac)及びQ(Me)である。
<実施例23>
多様なグルカゴン類縁体主鎖の3位にDab(Ac)を含むグルカゴン類縁体ペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように作製し、グルカゴン受容体に対するインビトロ活性を試験した。それぞれのペプチドの構造及び活性を表8に示す。
多様なグルカゴン類縁体主鎖の3位にDab(Ac)を含むグルカゴン類縁体ペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように作製し、グルカゴン受容体に対するインビトロ活性を試験した。それぞれのペプチドの構造及び活性を表8に示す。
<実施例24>
表9に示されている修飾を有する配列番号1のアミノ酸を含む、第1セット(Aセット)のペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように作製する。
表9に示されている修飾を有する配列番号1のアミノ酸を含む、第1セット(Aセット)のペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように作製する。
アシル基がC16又はC18脂肪アシル基である以外はAセットと同じ構造を含むペプチドを、本明細書に実質的に記載されているように作製する。C16脂肪アシル基を含むペプチドは、Bセットのペプチドを含み、一方、C18脂肪アシル基を含むペプチドは、Cセットのペプチドを含んだ。
脂肪アシル基が以下のスペーサーの1つを介して示された位置でLys残基の側鎖に共有結合している以外はA、B及びCセットのペプチドと同じ構造を含むDセットのペプチドを、本明細書に記載されているように作製する:γ−Glu−γ−Glu、β−Ala−β−Ala、Ala−Ala、6−アミノヘキサン酸、Leu−Leu及びPro−Pro。
A〜Dセットのペプチドを、実施例13に記載されているように、グルカゴン受容体に対するインビトロ活性について試験し、それぞれのEC50を、グルカゴン受容体に対する天然グルカゴンの活性と比較する。
<実施例25>
共有分子内架橋を欠き、2位にAIBを含む、16位にAIBを含む及び10位のLys残基にスペーサーを介して結合している脂肪アシル基を含む幾つかのグルカゴン類縁体を、本明細書に実質的に記載されているように作製した。アシル化グルカゴン類縁体は、スペーサーの種類、ペグ化の存在若しくは不在、及び/又はアシル基の大きさによって異なった。アシル化グルカゴン類縁体を、実施例13に実質的に記載されているように、グルカゴン受容体及びGLP−1受容体に対するインビトロ活性について試験した。それぞれのペプチドの構造、並びにグルカゴン及びGLP−1受容体に対するインビトロ活性の概要を、表10及び11に示す。
共有分子内架橋を欠き、2位にAIBを含む、16位にAIBを含む及び10位のLys残基にスペーサーを介して結合している脂肪アシル基を含む幾つかのグルカゴン類縁体を、本明細書に実質的に記載されているように作製した。アシル化グルカゴン類縁体は、スペーサーの種類、ペグ化の存在若しくは不在、及び/又はアシル基の大きさによって異なった。アシル化グルカゴン類縁体を、実施例13に実質的に記載されているように、グルカゴン受容体及びGLP−1受容体に対するインビトロ活性について試験した。それぞれのペプチドの構造、並びにグルカゴン及びGLP−1受容体に対するインビトロ活性の概要を、表10及び11に示す。
表10及び11に示されているように、スペーサーを介して結合している脂肪アシル基を含むペプチドは、ペプチド主鎖に直接結合している脂肪アシル基を含むペプチドと比較して、効力を有意に増加した。
<実施例26>
配列番号71、76及び78のグルカゴン類縁体ペプチドを安定性についてアッセイした。全てのペプチドは、28位にAspを含み、配列番号71及び76のペプチドは、追加的に29位にGluを含んだ。配列番号78のペプチドは追加の修飾を何も含まなかったが、配列番号71及び76のペプチドは、両方とも16位にAIBを含んだ。配列番号71のペプチドは、更に、3位にDab(Ac)、20及び24位にAla、並びに27位にLeuを含んだ。
配列番号71、76及び78のグルカゴン類縁体ペプチドを安定性についてアッセイした。全てのペプチドは、28位にAspを含み、配列番号71及び76のペプチドは、追加的に29位にGluを含んだ。配列番号78のペプチドは追加の修飾を何も含まなかったが、配列番号71及び76のペプチドは、両方とも16位にAIBを含んだ。配列番号71のペプチドは、更に、3位にDab(Ac)、20及び24位にAla、並びに27位にLeuを含んだ。
ペプチドを、1mg/mLのペプチド濃度になるように溶液中で配合した。シリンジにペプチド溶液の1つを充填し、空気との接触を最小限にするように調整した。シリンジを4、25、30又は40℃で維持した。分析RP−HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー)を使用し、280nmのUV検出器により0、1、2、4、及び6か月目に潜在的な化学分解をモニターした。SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)を使用し、280nmのUV検出器により0、1、2、4及び6か月目に凝集体の形成があるかについて評価した。
時間の関数として、配列番号71、76、及び78のペプチドのUV吸光度に基づいたピーク積分領域をそれぞれ図12〜14に示す。これらの図に示されているように、ペプチドの安定性は、配列番号71のペプチドにおいて最大であり、配列番号78のペプチドでは最小であったが、それでも2か月後の時点で30℃でのペプチドの90%が検出された。ピーク領域における有意な損失は配列番号71において観察されず、ペプチドの良好な化学的及び生物物理学的安定性を示した。
<実施例27>
それぞれ平均体重48.7gのDIOマウス(1群あたり8匹)に、ビヒクルのみ、30nmol/kg若しくは100nmol/kgのアシル化グルカゴン類縁体ペプチド、又は長期作用GLP−1類縁体であるリラグルチド (Novo Nordisk, Denmark)を7日間毎日皮下注射した。アシル化グルカゴン類縁体は以下であった:
野生型グルカゴン(配列番号1)のアミノ酸配列のうち、10位のTyrが修飾されてアシル化Lys残基となり、アシル化Lysが、C16脂肪アシルを含み、C末端カルボキシレートがアミド基に置換されたアミノ酸配列を含む「(C16)グルカゴンアミド」;
C16脂肪アシル基がガンマ−Glu−ガンマ−Gluジペプチドスペーサーを介して10位のLysに結合している以外はC16グルカゴンアミドと同じ構造を含む「γE−γE−C16グルカゴンアミド」(アシル化Lysの構造については下記を参照すること);
C16脂肪アシル基がAla−Alaジペプチドスペーサーを介して10位のLysに結合している以外はC16グルカゴンアミドと同じ構造を含む「AA−C16グルカゴンアミド」;及び
C16脂肪アシル基がβ−Ala−β−Alaジペプチドスペーサーを介して10位のLysに結合している以外はC16グルカゴンアミドと同じ構造を含む「βAβA−C16グルカゴンアミド」。
それぞれ平均体重48.7gのDIOマウス(1群あたり8匹)に、ビヒクルのみ、30nmol/kg若しくは100nmol/kgのアシル化グルカゴン類縁体ペプチド、又は長期作用GLP−1類縁体であるリラグルチド (Novo Nordisk, Denmark)を7日間毎日皮下注射した。アシル化グルカゴン類縁体は以下であった:
野生型グルカゴン(配列番号1)のアミノ酸配列のうち、10位のTyrが修飾されてアシル化Lys残基となり、アシル化Lysが、C16脂肪アシルを含み、C末端カルボキシレートがアミド基に置換されたアミノ酸配列を含む「(C16)グルカゴンアミド」;
C16脂肪アシル基がガンマ−Glu−ガンマ−Gluジペプチドスペーサーを介して10位のLysに結合している以外はC16グルカゴンアミドと同じ構造を含む「γE−γE−C16グルカゴンアミド」(アシル化Lysの構造については下記を参照すること);
C16脂肪アシル基がβ−Ala−β−Alaジペプチドスペーサーを介して10位のLysに結合している以外はC16グルカゴンアミドと同じ構造を含む「βAβA−C16グルカゴンアミド」。
マウスの体重を毎日モニターし、体重の総変化(%)を図15に示す。図15に示されているように、大部分のアシル化グルカゴンペプチドは、それぞれの用量で体重の減少を引き起こした。リラグルチドは体重においておよそ12%の減少を示したが、グルカゴン類縁体ペプチドのγE−γE−C16グルカゴンアミドは、対応する用量でマウスにおいて減量を引き起こす最大の能力を示した。低い用量のγE−γE−C16グルカゴンアミドでさえ、体重に実質的な減少を引き起こした。
マウスの脂肪量を分析の7日目に測定した。図16に示されているように、100nmol/kgのγE−γE−C16グルカゴンアミドを投与されたマウスは、最低の脂肪量を示した。
マウスの血中グルコースレベルも、アッセイの期間中にモニターした。図17に示されているように、高用量のグルカゴン類縁体ペプチドのγE−γE−C16グルカゴンアミドは、リラグルチドと同様に、マウスの血中グルコースレベルを減少するように作用した。
<実施例28>
グルカゴン類縁体ペプチドを、本明細書に記載されているように固相ペプチド合成により作製し、ペプチドの10又は30位のいずれかをアシル化した。ペプチド及びそれらの構造は以下である:
2位のXがd−Serであり、30位のLysがC14脂肪アシル基でアシル化され、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVQWLMNTK−アミド(配列番号79)を含む「ペプチドdS2E16K20K30−C14グルカゴンアミド」;
2位のXがd−Serであり、10位のLysがC14脂肪アシル基でアシル化され、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDKSKYLDERRAKDFVQWLMNT−アミド(配列番号80)を含む「ペプチドdS2K10(C14)E16K20−グルカゴンアミド」;
2位のXがd−Serであり、30位のLysがC16脂肪アシル基でアシル化され、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVQWLMNTK−アミド(配列番号81)を含む「ペプチドdS2E16K20K30−C16グルカゴンアミド」;
2位のXがd−Serであり、10位のLysがC16脂肪アシル基でアシル化され、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDKSKYLDERRAKDFVQWLMNT−アミド(配列番号82)を含む「ペプチドdS2K10(C16)E16K20−グルカゴンアミド」;
2位のXがAIBであり、10位のKがC18脂肪アシル基でアシル化され、24位のCysが40kDaのPEG分子を含み、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDKSKYLDEQAAKEFICWLMNT−アミド(配列番号83)を含む「ペプチドキメラ2−AIB2−K10−アシル化」;及び
2位のXがAIBであり、30位のKがC18脂肪アシル基でアシル化され、24位のCysが40kDaのPEG分子を含み、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDYSKYLDEQAAKEFICWLMNTK−アミド(配列番号84)を含む「ペプチドキメラ2−AIB2−K30−アシル化」。
グルカゴン類縁体ペプチドを、本明細書に記載されているように固相ペプチド合成により作製し、ペプチドの10又は30位のいずれかをアシル化した。ペプチド及びそれらの構造は以下である:
2位のXがd−Serであり、30位のLysがC14脂肪アシル基でアシル化され、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVQWLMNTK−アミド(配列番号79)を含む「ペプチドdS2E16K20K30−C14グルカゴンアミド」;
2位のXがd−Serであり、10位のLysがC14脂肪アシル基でアシル化され、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDKSKYLDERRAKDFVQWLMNT−アミド(配列番号80)を含む「ペプチドdS2K10(C14)E16K20−グルカゴンアミド」;
2位のXがd−Serであり、30位のLysがC16脂肪アシル基でアシル化され、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDYSKYLDERRAKDFVQWLMNTK−アミド(配列番号81)を含む「ペプチドdS2E16K20K30−C16グルカゴンアミド」;
2位のXがd−Serであり、10位のLysがC16脂肪アシル基でアシル化され、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDKSKYLDERRAKDFVQWLMNT−アミド(配列番号82)を含む「ペプチドdS2K10(C16)E16K20−グルカゴンアミド」;
2位のXがAIBであり、10位のKがC18脂肪アシル基でアシル化され、24位のCysが40kDaのPEG分子を含み、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDKSKYLDEQAAKEFICWLMNT−アミド(配列番号83)を含む「ペプチドキメラ2−AIB2−K10−アシル化」;及び
2位のXがAIBであり、30位のKがC18脂肪アシル基でアシル化され、24位のCysが40kDaのPEG分子を含み、C末端カルボキシレートがアミドに代わっている、アミノ酸配列HXQGTFTSDYSKYLDEQAAKEFICWLMNTK−アミド(配列番号84)を含む「ペプチドキメラ2−AIB2−K30−アシル化」。
それぞれのペプチドのGLP−1受容体及びグルカゴン受容体に対するインビトロ活性を、実施例13に実質的に記載されたように試験した。結果を表12に示す。
本明細書に引用されている、出版物、特許出願、及び特許を含む、全ての参考文献は、まるでそれぞれの参考文献が個別にかつ明確に参照として組み込まれているように示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度で、参照として本明細書に組み込まれる。
本発明を記載する文脈における(特に、後に続く請求項の文脈における)用語「a」及び「an」及び「the」、並びに類似の参照の使用は、本明細書において特に指定がない限り又は文脈において明らかに相反しない限り、単数及び複数の両方を網羅することが考慮されるべきである。用語「含む」、「有する」、「含まれる」、及び「含有する」は、特に示されない限り、非限定的用語である(すなわち、「含まれるが、これらに限定されない」を意味する)と考慮されるべきである。
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において特に指定のない限り、単に、範囲内にあるそれぞれ別個の値及びそれぞれの終点を個別に参照するための省略的な方法として機能することが意図され、それぞれの別個の値及び終点は、まるで本明細書において個別に引用されているかのように本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されている全ての方法は、本明細書において特に指定のない限り又は文脈において明らかに相反しない限り、任意の適切な順番で実施することができる。本明細書において提供されている任意の又は全ての例又は例示的な言葉(例えば「のような」)は、単に本明細書をより良好に説明することだけが意図され、特に請求項に記載されていない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書におけるどの言葉も、請求項に記載されていない何らかの要素が本発明の実施に必須であることを示している、と考慮されるべきではない。
本発明を実施するために、発明者たちが知っている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施態様が本明細書に記載されている。これらの好ましい実施態様の変更は、前述の記載を読むことにより当業者に明らかとなりうる。発明者たちは、当業者がそのような変更を適切な場合に用いることを予想し、発明者たちは、発明が本明細書に特定的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法令が許す限り、添付の請求項に引用されている主題の全ての修正及び等価物を含む。更に、全ての可能な変更における上記記載の要素の任意の組み合わせは、本明細書において特に指定のない限り又は文脈において明らかに相反しない限り、本明細書に包含される。
Claims (96)
- グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、(i)α,α−二置換アミノ酸により16、20、21、及び24位のうちの1、2、3個又は全てのアミノ酸が置換されている配列番号1のアミノ酸配列、を含む、グルカゴンペプチド。
- 以下のいずれかを含む、請求項1記載のグルカゴンペプチド:
(a)16位にアミノ酪酸(AIB)、
(b)20位にAIB、
(c)21位にAIB、
(d)24位にAIB、
(e)16及び20位にAIB、
(f)16及び24位にAIB、
(g)20及び24位にAIB、又は
(h)16、20、及び24位にAIB。 - 16位にAIBを含む、請求項2記載のグルカゴンペプチド。
- アミノ酸修飾を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のグルカゴンペプチドの類縁体であって、該グルカゴンペプチドが、(i)C末端から27位までのアミノ酸のうちに、少なくとも1つの荷電アミノ酸;(ii)3位のアミノ酸のグルタミン類縁体による置換;又は(iii)(i)と(ii)の両方、のいずれかを含む、類縁体。
- 以下からなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸置換を含む、請求項4記載のグルカゴンペプチドの類縁体:
荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、28位のAsnの置換;
Asn、Asp、又はGluによる28位での置換;
Aspによる28位での置換;
Gluによる28位での置換;
荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、29位のThrの置換;
Asp、Glu、又はLysによる29位での置換;
Gluによる29位での置換;
29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;
29位の後へのGlu又はLysの挿入;
29位の後へのGlu−Lys又はLys−Lysの挿入;
下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸による3位のGlnの置換:
これらの組み合わせ。 - 以下からなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸修飾を更に含む、請求項4又は5記載の類縁体:
Ala、Ser、又はThrによる20位のGlnの置換;
Ala、Ser、又はThrによる24位のGlnの置換;
C末端への配列番号20のアミノ酸の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);及び、
これらの組み合わせ。 - 配列番号71〜74のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項6記載の類縁体。
- 親水性部分を更に含む、請求項4〜7のいずれか1項記載の類縁体。
- 親水性部分が、類縁体の、アミノ酸位置16、17、20、21、24、若しくは29のいずれか、又はC末端アミノ酸に共有結合している、請求項8記載の類縁体。
- 親水性部分が、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン、又はアセチル−フェニルアラニンに共有結合している、請求項8又は9記載の類縁体。
- 親水性部分がポリエチレングリコール(PEG)である、請求項8〜10のいずれか1項記載の類縁体。
- PEGが約1,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項11記載の類縁体。
- PEGが約20,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項12記載の類縁体。
- (i)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、1位のHisの置換、(ii)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、2位のSerの置換;又は、(iii)(i)と(ii)の両方、のいずれかを更に含む、請求項4〜13のいずれか1項記載の類縁体。
- 1位のHisが、D−His、N−メチル−His、アルファ−メチル−Hi、イミダゾール酢酸、デス−アミノ−His、ヒドロキシル−His、アセチル−His、ホモ−His、又はアルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、のいずれかにより置換されている、請求項14記載の類縁体。
- 1位のHisがDMIAで置換されている、請求項15記載の類縁体。
- 2位のSerが、D−Ser、D−Ala、Gly、N−メチル−Ser、Val、又はアルファ,アミノ−イソ酪酸(AIB)のいずれかにより置換されている、請求項14〜16のいずれか1項記載の類縁体。
- アシル基又はアルキル基に共有結合している側鎖を含むアミノ酸を含み、該アシル基又はアルキル基は天然型のアミノ酸に対して非天然型である、請求項4〜17のいずれか1項記載の類縁体。
- アシル基又はアルキル基が結合しているアミノ酸は、10位のアミノ酸又はC末端アミノ酸である、請求項18記載の類縁体。
- アシル基又はアルキル基は、スペーサーを介してアミノ酸の側鎖に結合している、請求項18又は19記載の類縁体。
- アシル基がC4〜C30脂肪アシル基である、又は、アルキル基がC4〜C30アルキルである、請求項18〜20のいずれか1項記載の類縁体。
- 以下からなる群より選択される1個のアミノ酸修飾を更に含む、請求項4〜21のいずれか1項記載の類縁体:
ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸による7位のThrの置換;
C末端から27位までのアミノ酸のうちの1又は2個のアミノ酸の欠失;
C末端アルファカルボキシレート;及び
これらの組み合わせ。 - ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸が、Ile又はアミノ酪酸(Abu)である、請求項22記載の類縁体。
- 以下からなる群より選択される1個のアミノ酸修飾を更に含む、請求項4〜23のいずれか1項記載の類縁体:
Phe又はValによる10位のTyrの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Gluによる15位のAspの置換;
Thrによる16位のSerの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
27〜29位のアミノ酸の欠失;
28〜29位のアミノ酸の欠失;
29位のアミノ酸の欠失;
C末端への配列番号20のアミノ酸の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);及び、
これらの組み合わせ。 - XがNHであるか、又はYがNHR4である、請求項25記載のグルカゴンペプチド。
- R1が、C0-2アルキル又はC1ヘテロアルキルである、請求項25又は26記載のグルカゴンペプチド。
- R2が、NHR4又はC1アルキルである、請求項25〜27のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- R4が、H又はC1アルキルである、請求項25〜28のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- 3位のXaaが、以下の構造のいずれかを有する側鎖を含むアミノ酸である、請求項25記載のグルカゴンペプチド:
(i)構造Iであって、式中、R1がCH2−Sであり、XがNHであり、そしてR2がCH3である(C(Acm));
(ii)構造Iであって、式中、R1がCH2であり、XがNHであり、そしてR2がCH3である(Dab(Ac));
(iii)構造Iであって、式中、R1がC0アルキルであり、XがNHであり、R2がNHR4であり、そしてR4がHである(Dap(尿素)):
(iv)構造IIであって、式中、R1がCH2であり、YがNHR4であり、そしてR4がCH3である(Q(Me));
(v)構造IIIであって、式中、R1がCH2であり、そして構造IIIのR4がHである(M(O));又は
(vi)構造Iであって、式中、R1がCH2−CH2であり、XがNHであり、そしてR2がCH3である(Om(Ac))。 - (i)iの位置のアミノ酸の側鎖と、i+4の位置のアミノ酸の側鎖とを連結する分子内架橋(ここでiは12、16、20、又は24である)、(ii)16、20、21、及び24位のうちの1、2、3つ、若しくは全てにおけるα,α−二置換アミノ酸;又は(iii)(i)と(ii)の両方、のいずれかを含む、請求項25〜30のいずれか1項記載のグルカゴンペプチドの類縁体。
- α,α−二置換アミノ酸がAIBである、請求項31記載の類縁体。
- AIBがグルカゴンペプチドの16位にある、請求項32記載の類縁体。
- 以下からなる群より選択される1個のアミノ酸修飾を含む、請求項31〜33のいずれか1項記載のグルカゴンペプチドの類縁体:
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、1位のHisの置換;
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、2位のSerの置換;
Abu又はIleによる7位のThrの置換;
Phe又はValによる10位のTyrの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Gluによる15位のAspの置換;
Thr又はAIBによる16位のSerの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
27〜29位のアミノ酸の欠失;
28〜29位のアミノ酸の欠失;
29位のアミノ酸の欠失;
C末端への配列番号20のアミノ酸配列の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);
天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアシル又はアルキル基に共有結合している側鎖を含むアミノ酸の置換又は付加;及び
これらの組み合わせ。 - グルカゴンペプチドが、配列番号62〜67及び69〜74のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項34記載の類縁体。
- 16、17、20、21、24、及び29位のいずれかのアミノ酸又はC末端アミノ酸に共有結合している、1個の親水性部分を含む、請求項31〜35のいずれか1項記載の類縁体。
- 親水性部分がPEGである、請求項36記載の類縁体。
- アシル基又はアルキル基が、10位のアミノ酸又はC末端アミノ酸の側鎖に共有結合している、請求項34〜37のいずれか1項記載の類縁体。
- アシル基がC4〜C30脂肪アシル基である、又は、アルキル基がC4〜C30アルキルである、請求項34〜38のいずれか1項記載の類縁体。
- アシル又はアルキル基は、スペーサーを介してアミノ酸の側鎖に結合している、請求項34〜39のいずれか1項記載の類縁体。
- グルカゴンペプチドが、ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸を7位に含む、請求項40記載の類縁体。
- ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸が、Abu又はIleである、請求項41記載の類縁体。
- グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、1〜3個のアミノ酸修飾を含む以下のアミノ酸配列を含む、グルカゴンペプチド:
X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号39)
〔ここで、X1及びX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸であり、
Zは、−COOH、−Asn−COOH、Asn−Thr−COOH、及びY−COOHからなる群より選択され、Yは1〜2個のアミノ酸であり、
ラクタム架橋が、iの位置のアミノ酸の側鎖と、i+4の位置のアミノ酸の側鎖とを連結し、ここでiは、12、16、20、又は24である〕。 - 配列番号39のiの位置及びi+4の位置のアミノ酸が、Lys及びGluである、請求項43記載のグルカゴンペプチド。
- 16位のアミノ酸がGluであり、そして20位のアミノ酸がLysである、請求項44記載のグルカゴンペプチド。
- X1が、D−His、N−メチル−His、アルファ−メチル−Hi、イミダゾール酢酸、デス−アミノ−His、ヒドロキシル−His、アセチル−His、ホモ−His、及びアルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)からなる群より選択される、請求項43〜45のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- X1がDMIAである、請求項46記載のグルカゴンペプチド。
- X2が、D−Ser、D−Ala、Gly、N−メチル−Ser、Val、及びアルファ,アミノ−イソ酪酸(AIB)からなる群より選択される、請求項43〜47のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- ZがAsn−Thr−COOHである、請求項43〜48のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- ZがAsn−COOHである、請求項43〜48のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- Zが−COOHである、請求項43〜48のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- 16、17、20、21、24、若しくは29位のいずれかのアミノ酸又はC末端アミノ酸において親水性部分と共有結合している、請求項43〜51のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- 親水性部分が、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン、又はアセチル−フェニルアラニンに共有結合している、請求項52記載のグルカゴンペプチド。
- 親水性部分がポリエチレングリコール(PEG)である、請求項52又は53記載のグルカゴンペプチド。
- PEGが約1,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項54記載のグルカゴンペプチド。
- PEGが約20,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項54記載のグルカゴンペプチド。
- グルカゴン受容体を過剰発現しているHEK293細胞におけるcAMP誘導を測定するインビトロでのアッセイにおいて、ヒトグルカゴン受容体に対して約10nM以下のEC50を有すると決定されることを特徴とする、請求項43〜56のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、以下のアミノ酸配列を含み、更に、16、17、20、21、24、若しくは29位のいずれかのアミノ酸、又はC末端アミノ酸において親水性部分と共有結合していてもよい、グルカゴンペプチド:
X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号39)
〔ここで、X1及びX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する(又は耐性を増加する)非天然アミノ酸であり、
16、20、21及び24位のうちの1、2、3つ、又は全てのアミノ酸が、α,α−二置換アミノ酸で置換されており、
Zは、−COOH(天然型のC−末端カルボキシレート)、−Asn−COOH、Asn−Thr−COOH、及びY−COOHからなる群より選択され、Yは1〜2個のアミノ酸である〕。 - 以下のいずれかを含む、請求項58記載のグルカゴンペプチド:
(a)16位にAIB、
(b)20位にAIB、
(c)21位にAIB、
(d)24位にAIB、
(e)16及び20位にAIB、
(f)16及び24位にAIB、
(g)20及び24位にAIB、又は
(h)16、20、及び24位にAIB。 - X1が、D−His、N−メチル−His、アルファ−メチル−Hi、イミダゾール酢酸、デス−アミノ−His、ヒドロキシル−His、アセチル−His、ホモ−His、及びアルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)からなる群より選択される、請求項58又は59項記載のグルカゴンペプチド。
- X1がDMIAである、請求項60記載のグルカゴンペプチド。
- X2が、D−Ser、D−Ala、Gly、N−メチル−Ser、Val、及びアルファ,アミノ−イソ酪酸(AIB)からなる群より選択される、請求項58〜61のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- ZがAsn−Thr−COOHである、請求項58〜62のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- ZがAsn−COOHである、請求項58〜62のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- Zが−COOHである、請求項58〜62のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- 親水性部分が、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン、又はアセチル−フェニルアラニンに共有結合している、請求項58〜65のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- 親水性部分がポリエチレングリコール(PEG)である、請求項58〜66のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- PEGが約1,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項67記載のグルカゴンペプチド。
- PEGが約20,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項67記載のグルカゴンペプチド。
- グルカゴン受容体を過剰発現しているHEK293細胞におけるcAMP誘導を測定するインビトロでのアッセイにおいて、ヒトグルカゴン受容体に対して約10nM以下のEC50を有すると決定されることを特徴とする、請求項58〜69のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
- グルカゴンアゴニスト活性を有し、以下からなる群より選択される1個の更なるアミノ酸修飾を含む、請求項43又は請求項58記載のグルカゴンペプチドの類縁体:
Phe又はValによる10位のTyrの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Gluによる15位のAspの置換;
Thr又はAIBによる16位のSerの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、28位のAsnの置換;
Asn、Asp又はGluによる28位での置換;
Aspによる28位での置換;
Gluによる28位での置換;
荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、29位のThrの置換;
Asp、Glu、又はLysによる29位での置換;
Gluによる29位での置換;
29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;
30位へのGlu又はLysの挿入;
31位へのLysの挿入;或いは
これらの組み合わせ。 - 以下のアミノ酸修飾のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、請求項71記載の類縁体:
下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸による、3位のGlnの置換:
アシル又はアルキル基(該アシル又はアルキル基は天然型のアミノ酸に対して非天然型である)に共有結合(該結合は場合によりスペーサーを介してでもよい)している側鎖を含むアミノ酸による置換又は付加であって、更に、Abu又はIleによる7位のThrの置換と組み合わされてもよい、置換又は付加;
Ala、Ser、又はThrによる20位のGlnの置換;
Ala、Ser、又はThrによる24位のGlnの置換;
C末端への配列番号20のアミノ酸配列の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);
親水性部分に共有結合しているアミノ酸の置換又は付加;或いは
これらの組み合わせ。 - グルカゴンアゴニスト活性を有し、以下のアミノ酸修飾のうちの1つ又は組み合わせを含む、請求項43又は58記載のグルカゴンペプチドの類縁体:
下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸による3位のGlnの置換:
アシル又はアルキル基(該アシル又はアルキル基は天然型のアミノ酸に対して非天然型である)に共有結合(該結合は場合によりスペーサーを介してでもよい)している側鎖を含むアミノ酸による置換又は付加であって、更に、Abu又はIleによる7位のThrの置換と組み合わされてもよい、置換又は付加;
Ala、Ser、又はThrによる20位のGlnの置換;
Ala、Ser、又はThrによる24位のGlnの置換;
C末端への配列番号20のアミノ酸の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);
親水性部分に共有結合しているアミノ酸の置換又は付加;或いは
これらの組み合わせ。 - グルカゴンアゴニスト活性を有する、配列番号1のグルカゴンペプチドの類縁体であって、
(a)下記:
荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、28位のAsnの置換;
Asn、Asp又はGluによる28位での置換;
Aspによる28位での置換;
Gluによる28位での置換;
荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、29位のThrの置換;
Asp、Glu又はLysによる29位での置換;
Gluによる29位での置換;
29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;
29位の後へのGlu又はLysの挿入;
29位の後へのGlu−Lys又はLys−Lysの挿入;或いは
これらの組み合わせ
からなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸修飾と、
A群若しくはB群又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1個のアミノ酸修飾と
を含む、類縁体。
〔ここで、
A群は、Gluによる15位のAspの置換、及びThr又はAIBによる16位のSerの置換、からなる群より選択されるアミノ酸修飾であり、
B群は、以下からなる群より選択されるアミノ酸修飾である:
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、1位のHisの置換;
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、2位のSerの置換;
Phe又はValによる10位のTyrの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
27〜29位のアミノ酸の欠失;
28〜29位のアミノ酸の欠失;
29位のアミノ酸の欠失;或いは
これらの組み合わせ。〕 - 以下のアミノ酸修飾のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、請求項74記載の類縁体:
下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸による、3位のGlnの置換:
アシル又はアルキル基(該アシル又はアルキル基は天然型のアミノ酸に対して非天然型である)と共有結合(該結合は場合によりスペーサーを介してでもよい)している側鎖を含むアミノ酸による置換又は付加であって、更に、Abu又はIleによる7位のThrの置換と組み合わされてもよい、置換又は付加;
Ala、Ser、又はThrによる20位のGlnの置換;
Ala、Ser、又はThrによる24位のGlnの置換;
C末端への配列番号20のアミノ酸配列の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);
親水性部分に共有結合しているアミノ酸の置換又は付加;或いは
これらの組み合わせ。 - ラクタム架橋が、iの位置のアミノ酸の側鎖と、i+4の位置のアミノ酸の側鎖とを連結し、ここでiは、12、16、20、又は24である、請求項74又は75記載の類縁体。
- 類縁体の16、20、21、及び24位のうちの1、2、3個又は全てのアミノ酸が、α,α−二置換アミノ酸で置換されている、請求項74〜76のいずれか1項記載の類縁体。
- α,α−二置換アミノ酸がAIBである、請求項77記載の類縁体。
- 配列番号76のアミノ酸配列を含む、請求項78記載の類縁体。
- 配列番号40〜56のいずれかのアミノ酸配列を含む、グルカゴンペプチド。
- 配列番号40のアミノ酸配列を含む、グルカゴンペプチド。
- 請求項1〜81のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド又はその類縁体であって、親水性部分を欠いている場合、グルカゴン受容体に対する天然グルカゴンの活性の少なくとも約20%の活性を示す、グルカゴンペプチド又は類縁体。
- 請求項1〜82のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド又はその類縁体であって、親水性部分を欠いている場合、GLP−1受容体に対する天然GLP−1の活性の約0.5%以下の活性を示す、グルカゴンペプチド又は類縁体。
- リンカーを介して互いに結合している2つのペプチドを含む二量体であって、該2つのペプチドの少なくとも一方が、請求項1〜3、25〜30、43〜70、及び80〜83のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド、又は、請求項4〜24、31〜42、及び71〜79記載の類縁体のいずれかである、二量体。
- 二量体がホモ二量体である、請求項84記載の二量体。
- リンカーが、二官能チオール架橋剤及び二官能アミン架橋剤からなる群より選択される、請求項84又は85記載の二量体。
- 結合体部分と、請求項1〜3、25〜30、43〜70、及び80〜83のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド、請求項4〜24、31〜42、及び71〜79記載の類縁体、請求項84〜86のいずれか1項記載の二量体、又はこれらの組み合わせと、を含む、結合体。
- 請求項1〜3、25〜30、43〜70、及び80〜83のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド、請求項4〜24、41〜42、及び71〜79記載のうちの1つの類縁体、又は、請求項84〜86のいずれか1項記載の二量体、のいずれかを含む融合ペプチドであって、該グルカゴンペプチド、類縁体、又は二量体が、配列番号20のアミノ酸配列を含むペプチドと融合している、融合ペプチド。
- 請求項1〜3、25〜30、43〜70、及び80〜83のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド、請求項4〜24、31〜42、及び71〜79記載の類縁体、請求項84〜86のいずれか1項記載の二量体、請求項87記載の二量体、請求項88記載の融合ペプチド、又はこれらの組み合わせと、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物。
- グルカゴンアゴニストを必要とする患者に、グルカゴンアゴニストを投与するためのキットであって、請求項89記載の医薬組成物と、該医薬組成物を該患者に投与する装置とを含む、キット。
- 装置がシリンジ及び針を含み、医薬組成物がシリンジ内に予め包装されている、請求項90記載のキット。
- 腸管の一過性麻痺を必要とする患者において、腸管の一過性麻痺を起こす方法であって、該患者において腸管の一過性麻痺を起こすのに有効な量の請求項89記載の医薬組成物を、該患者に投与することを含む方法。
- 体重増加の低減又は減量の誘導を必要とする患者において、体重増加の低減又は減量の誘導を行う方法であって、該患者において体重増加を低減する又は減量を誘導するのに有効な量の請求項89記載の医薬組成物を、該患者に投与することを含む方法。
- 低血糖症の治療又は予防を必要とする患者において、低血糖症の治療又は予防を行う方法であって、該患者において低血糖症を治療又は予防するのに有効な量の請求項89記載の医薬組成物を、該患者に投与することを含む方法。
- 血中グルコースレベルの安定化を必要とする患者において、血中グルコースレベルの安定化を行う方法であって、該患者の血中グルコースレベルを安定化するのに有効な量の請求項89記載の医薬組成物を、該患者に投与することを含み、該患者がインスリンの投与を含む治療レジメンを受けていることを特徴とする、方法。
- 医薬組成物がインスリンを更に含む、請求項95記載の方法。
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