JP2011144686A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ用マスターバックに十分な負圧を供給して車輪への制動力を確保する。
【解決手段】吸排気通路に設けられる制御弁22a,24a,26aと、負圧の供給を受けて制御弁22a,24a,26aを駆動する制御弁駆動手段22b,24b,26bと、負圧の供給を受けて車輪80に制動力を付与するブレーキ用マスターバック60と、エンジンの稼動に伴い負圧を生成する負圧供給手段70とを設け、エンジンの再始動時において、ブレーキ用マスターバック60の圧力が基準圧力P2以下の場合には、制御弁駆動手段22b,24b,26bとブレーキ用マスターバック60とに負圧を供給する一方、ブレーキ用マスターバック60の圧力が基準圧力P2より高い場合には、ブレーキ用マスターバック60の圧力が基準圧力P2以下となるまで制御弁駆動手段22b,24b,26bへの負圧の供給を停止する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、所定の自動停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させ、その後、自動的にエンジンを再始動させるエンジンの制御装置に関する。
従来、エンジンを自動で停止、再始動させるいわゆるアイドルストップ制御を実施するエンジンの制御装置が開発されている。
例えば、特許文献1には、エンジンの停止時に膨張行程にあったシリンダー内に燃料を噴射して燃焼させることによりエンジンを再始動させる装置が開示されている。
また、従来より、車輪に制動力を付与するブレーキ装置として、負圧を利用したマスターバックが用いられている。このブレーキ用マスターバックは、ダイヤフラムで分離された2つの負圧室を有し、一方の負圧室が通常時は負圧に維持される一方ブレーキペダルが操作された場合にはその操作量に応じて大気が導入されるよう構成されている。そして、このブレーキ用マスターバックは、プレーキペダルの操作に応じて前記一方の負圧室に大気が導入されて前記ダイヤフラムを他方の負圧室側に押圧することでブレーキペダルの操作力を倍力して車輪に制動力を付与する。
特開2007−211710号公報
エンジンの吸気通路あるいは排気通路には、これら通路の流路面積等を変更することで通路内のガスの流通状態を変更する制御弁およびこの制御弁を開閉するための負圧式の制御弁駆動手段が設けられる場合がある。この場合において、この負圧式の制御弁駆動手段に負圧を供給する手段と、前記ブレーキ用マスターバックに負圧を供給する手段とが共通であると、負圧式の制御弁駆動手段により負圧が消費されることでブレーキ用マスターバック側に十分な負圧を供給できないおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑み、ブレーキ用マスターバックに十分な負圧を供給することができるエンジンの制御装置の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンを自動停止させるとともに、予め設定されたエンジンの再始動条件が成立したときに、当該エンジンの気筒内で燃焼させてエンジンを再始動させるエンジンの制御装置において、エンジンに連設される吸気通路と排気通路の少なくとも一方に設けられて当該通路内でのガスの流通状態を変更可能な制御弁と、負圧の供給を受けて前記制御弁を駆動する制御弁駆動手段と負圧の供給を受けて車輪に制動力を付与するブレーキ用マスターバックと、前記エンジンの稼動に伴い負圧を生成するとともに、当該負圧を前記エンジンの稼動中に前記制御弁駆動手段および前記ブレーキ用マスターバックに供給する負圧供給手段と、前記ブレーキ用マスターバックの圧力を検出する圧力検出手段とを備え、前記負圧供給手段は、前記エンジンの自動停止後エンジンが再始動されるまでの間は、前記ブレーキ用マスターバックに負圧を供給する一方前記制御弁駆動手段への負圧の供給を停止するとともに、前記圧力検出手段により検出された前記ブレーキ用マスターバックの圧力が予め設定された基準圧力以下の場合には、前記制御弁駆動手段と前記ブレーキ用マスターバックとに負圧を供給する一方、前記圧力検出手段により検出された前記ブレーキ用マスターバックの圧力が予め設定された基準圧力より高い場合には、前記ブレーキ用マスターバックの圧力が前記基準圧力以下となるまで前記制御弁駆動手段への負圧の供給を停止することを特徴とするエンジンの制御装置を提供する(請求項1)。
この装置によれば、ブレーキ用マスターバックの圧力に応じて負圧供給手段による制御弁駆動手段への負圧供給状態を切り替えており、制御弁駆動手段を好適な状態としつつブレーキ用マスターバックの負圧ひいては車輪に対する制動力を確保することができる。
すなわち、この装置では、エンジンの再始動時にブレーキ用マスターバックの圧力が基準圧力以上であってブレーキ用マスターバックに負圧が十分に確保されている場合は、エンジンの再始動とともに制御弁駆動手段へ負圧を供給して前記制御弁ひいては吸気通路あるいは排気通路の流通状態をより早期に好適な状態とする一方、ブレーキ用マスターバックの圧力が基準圧力未満であってブレーキ用マスターバックの負圧が十分でない場合は、エンジンの再始動後エンジンの稼動に伴って負圧供給手段がブレーキ用マスターバックに負圧を供給するに伴いブレーキ用マスターバックの負圧が十分に確保されるまで、前記制御弁駆動手段への負圧供給を停止することで、この制御弁駆動手段での負圧消費を抑えており、ブレーキ用マスターバックの負圧ひいては車輪に対する制動力を早期に確保することができる。
また、この装置では、エンジンの自動停止後エンジンの再始動までの期間、前記制御弁駆動手段への負圧の供給が停止されており、エンジンの自動停止中にブレーキ用マスターバックの負圧が減少するのが抑制される。
本発明において、前記ブレーキ用マスターバックと車輪との間に介在して、前記ブレーキ用マスターバックから出力された制動力を受けて前記車輪にブレーキ圧を付与するブレーキ圧付与手段と、前記ブレーキ圧付与手段により前記車輪に付与されたブレーキ圧を保持可能なヒルホルダ手段とを有し、前記ヒルホルダ手段は、前記エンジンの自動停止からエンジンの再始動までの期間前記ブレーキ圧を保持し、前記負圧供給手段は、前記エンジンの再始動時において前記圧力検出手段により検出された前記ブレーキ用マスターバックの圧力が予め設定された基準圧力より高い場合は、前記ブレーキ用マスターバックの圧力が前記基準圧力以下となり、かつ、前記ヒルホルダ手段による前記ブレーキ圧の保持が解除された後に、前記制御弁駆動手段への負圧の供給を開始するのが好ましい(請求項2)。
このようにすれば、前記ブレーキ圧付与手段によって車輪に付与されたブレーキ圧が前記ヒルホルダ手段により保持されており、エンジンの自動停止中に車両をより確実に停止させることができるとともに、前記ヒルホルダ手段の保持が解除されて車両が発進可能状態となったときに前記制御弁駆動手段への負圧の供給が開始されており、車両の発進時に制御弁を好適な状態に制御することができる。
また、本発明において、前記制御弁を付勢する付勢手段を有し、前記制御弁は、前記排気通路に設けられて当該排気通路の流路面積を変更可能であって、前記負圧供給手段により前記制御弁駆動手段に負圧が供給されていない状態では前記付勢手段の付勢力により前記流路面積が最大となる位置に配置されるとともに、前記制御弁駆動手段に負圧が供給された状態では当該制御弁駆動手段により前記負圧の供給に伴って前記付勢手段の付勢力に抗して前記流路面積を減少する方向に駆動されるのが好ましい(請求項3)。
排気通路に設けられる制御弁は、吸気通路に設けられる制御弁よりも、駆動時に比較的大きな負圧を必要とする。そのため、特に、この排気通路に設けられた制御弁への負圧供給をエンジンの自動停止後再始動完了まで停止させることで、この期間の負圧消費をより小さく抑えてブレーキ用マスターバックの負圧の減少をより小さく抑えることができる。
しかも、この排気通路に設けられる制御弁は、付勢手段により付勢されるという簡単な構成で、前記制御弁駆動手段に負圧が供給されていない状態において前記排気通路の流路面積が最大となる位置に配置されるよう構成されている。そのため、この構成では、この制御弁駆動手段に負圧が供給されておらず制御弁が駆動されない状態において、排気抵抗を小さくして、エンジンを容易に再始動させることができる。
また、本発明において、前記排気通路に設けられて当該排気通路を通過する排気で駆動されるタービンと、前記吸気通路に設けられて前記タービンの駆動力によって当該吸気通路を通過する吸気を昇圧するコンプレッサとを有するターボ過給機を備え、前記排気通路は、前記タービンの上流と下流とを連通して当該タービンをバイパスするバイパス通路を有し、前記制御弁は、前記バイパス通路に設けられて、当該バイパス通路の流路面積を変更するのが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、エンジンの再始動後、前記制御弁により前記バイパス通路の流路面積が変更されて前記ターボ過給機が好適な状態とされることで、エンジンの再始動後の状態を好適な状態とすることができる。
また、本発明において、前記排気通路に設けられて当該排気通路を通過する排気で駆動されるタービンと、前記吸気通路に設けられて前記タービンの駆動力によって当該吸気通路を通過する吸気を昇圧するコンプレッサとを有するターボ過給機を備え、前記制御弁は、前記排気通路のうち前記タービンの上流に設けられて、当該タービン上流の排気通路の流路面積を変更するのが好ましい(請求項5)。
このようにすれば、エンジンの再始動後、前記制御弁により前記タービンへの排気の流量が変更されて前記ターボ過給機が好適な状態とされることで、エンジンの再始動後の状態を好適な状態とすることができる。
また、本発明において、前記エンジンの自動停止条件が成立し、かつ、前記圧力検出手段により検出された前記ブレーキ用マスターバックの圧力が予め設定された停止許可基準圧力以上の場合にエンジンを自動停止させるよう構成されており、前記停止許可基準圧力は、前記基準圧力よりも小さいのが好ましい(請求項6)。
このようにすれば、エンジンの自動停止時にブレーキペダルが踏みなおされる等によりブレーキ用マスターバックの圧力が低下しても、このブレーキ用マスターバックの負圧を所定量確保することができる。そして、エンジンの再始動時にこのブレーキ用マスターバックの圧力が前記基準圧力以下となる場合であっても、その不足圧力を小さく抑えることができ、より早期に制御弁への負圧供給を再開することができる。
以上のように、本発明によれば、ブレーキ用マスターバックへの負圧を維持して車輪への制動力を確保しつつエンジン稼働時に制御弁を好適な状態に制御することができる。
本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置の制御手順を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置の制御手順を示すタイミングチャートである。 本発明の他の実施形態に係るエンジンの制御装置の概略構成図である。
本発明に係るエンジンの制御装置の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は前記エンジンの制御装置100の概略構成図である。このエンジンの制御装置100は、エンジン1と、ECU90と、第1ターボ過給機(ターボ過給機)30と、第2ターボ過給機(ターボ過給機)40と、油圧ブレーキ装置(ブレーキ圧付与手段)50と、ブレーキ用マスターバック60と、吸引ポンプ70(負圧供給手段)と、各種制御弁22a,24b,26aを有している。
前記エンジン1は、シリンダーブロック2aとその上に載置されるシリンダーヘッド2bとを備えている。このシリンダーブロック2aとシリンダーヘッド2bとの内部には、ピストン4が嵌挿された複数のシリンダー3が形成されている。シリンダーブロック2aには、ピストン4に連結されたクランクシャフト6が支持されている。各ピストン4の上方にはシリンダーヘッド2bとの間でそれぞれ燃焼室5が区画されている。シリンダーヘッド2bには、各燃焼室5に連通する吸気ポート9と排気ポート10とが形成されている。また、前記シリンダーヘッド2bには、吸気ポート9および排気ポート10をそれぞれ燃焼室5から遮断するための吸気バルブ11および排気バルブ12と、燃焼室5に燃料を噴射するためのインジェクタ7とが取り付けられている。本実施形態では、エンジン1はディーゼルエンジンであって、前記インジェクタ7から噴射された燃料が燃焼室5で自着火することによりエンジン1が駆動される。
前記吸気ポート9には、吸気通路15が連結されており、この吸気通路15および吸気ポート9を通って燃焼室5内に吸気が導入される。前記排気ポート10には排気通路16が連結されており、この排気通路16および排気ポート10を通って燃焼室5から大気中に排気が導出される。
前記第1ターボ過給機30は、吸気通路15に設けられた第1コンプレッサ32と排気通路16に設けられた第1タービン34とを有しており、第1タービン34が排気を受けて回転することにより第1コンプレッサ32が回転し、これにより吸気を加圧する。
同様に、前記第2ターボ過給機40は、吸気通路15に設けられた第2コンプレッサ42と排気通路16に設けられた第2タービン44とを有しており、第2タービン44が排気を受けて回転することにより第2コンプレッサ42が回転し、これにより吸気を加圧する。前記第2コンプレッサ42は、第1コンプレッサ32よりも下流側に設けられており、前記第2タービン44は、第1タービン34よりも上流側に設けられている。
前記吸気通路15には、前記第2コンプレッサ42の上流部分と下流部分とを連結してこの第2コンプレッサ42をバイパスする吸気バイパス通路15aが設けられている。また、排気通路16には、前記第2タービン44の上流部分と下流部分とを連結してこの第2タービン44バイパスする第2排気バイパス通路(バイパス通路)16aと、この第2排気バイパス通路16aよりも下流側において、前記第1タービン34の上流部分と下流部分とを連結してこの第1タービン34をバイパスする第1排気バイパス通路(バイパス通路)16bとが設けられている。
前記吸気バイパス通路15aには、前記制御弁の一つであるバイパスバルブ22aが設けられている。このバイパスバルブ22aは、前記吸気バイパス通路15aを開閉してこの吸気バイパス通路15aの流路面積を変更することで、吸気バイパス通路15aを通過する吸気量ひいては前記第1コンプレッサ32に流入する吸気量を変更する。
前記第2排気バイパス通路16aには、前記制御弁の一つであるレギュレートバルブ24aが設けられている。このレギュレートバルブ24aは、前記第2排気バイパス通路16aを開閉してこの第2排気バイパス通路16aの流路面積を変更することで、第2排気バイパス通路16aを通過する排気量を変更する。この排気量の変更に伴い、前記第2タービン44に流入する排気量すなわち第2タービン44の回転力ひいては前記第2コンプレッサ42の回転力が変更され吸気の過給圧が変更される。
前記第2排気バイパス通路16bには、前記制御弁の一つであるウエストゲートバルブ26aが設けられている。このウエストゲートバルブ26aは、前記第2排気バイパス通路16bを開閉してこの第2排気バイパス通路16bの流路面積を変更することで、この第2排気バイパス通路16bを通過する排気量を変更する。この排気量の変更に伴い、前記第1タービン34に流入する排気量すなわち第1タービン34の回転力ひいては前記第1コンプレッサ32の回転力が変更され吸気の過給圧が変更される。
前記、バイパスバルブ22aとレギュレートバルブ24aとウエストゲートバルブ26aとは、いずれも負圧式バルブアクチュエータ(制御弁駆動手段)22b,24b,26bにより駆動される。これら負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bは、それぞれ負圧室を有しており、これら負圧室が負圧とされることで前記バイパスバルブ22a、レギュレートバルブ24a、ウエストゲートバルブ26aをそれぞれ駆動する。
前記バイパスバルブ22a、レギュレートバルブ24a、およびウエストゲートバルブ26aは、それぞれスプリング(付勢手段,不図示)により開き側に付勢されており、前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bは、このスプリングの付勢力に抗してこれらバルブ22a,24a,26aを閉じ側に駆動する。すなわち、これらバルブ22a,24a,26aは、各負圧式バルブアクチュエータ22b、24b、26bの負圧室が大気圧とされることで前記スプリングの付勢力により全開位置すなわち各バイパス通路15a,16a,16bの流路面積が最大となる位置に配置される一方、各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの負圧室の圧力が低下するすなわち負圧室の負圧が大きくなるのに伴って前記流路面積を減少する方向に駆動される。
このように、前記バルブ22a,24a,26aは、負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bにより駆動されていない状態では全開となるいわゆるノーマリーオープンタイプのバルブである。従って、この負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bにより駆動されていない状態では、前記吸気バイパス通路15a、第1排気バイパス通路16a、第2排気バイパス通路16bのいずれもが開放される。その結果、吸気は抵抗の大きい前記第1コンプレッサ32側を通ることなくこの吸気バイパス通路15aを通ってシリンダー3内に流入することができ、シリンダー3から排出された排気は、抵抗の大きい前記第1タービン34および第2タービン44を通ることなくこれら排気バイパス通路16a,16bを通って大気中に流出することができる。そのため、これら負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの故障等により各バルブ22a,24a,26aが駆動されない場合においてもエンジン1は容易に駆動される。なお、負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bによる駆動状態では、前記バルブ22a,24a,26aの開度は運転条件に応じて適宜変更される。
前記油圧ブレーキ装置50は、ブレーキペダルの操作に応じて車輪80にブレーキ圧を付与するものである。この油圧ブレーキ装置50は、油圧ブレーキ装置50に含まれる油圧シリンダー内のピストンがブレーキペダルの操作量に応じて駆動されることで、車輪80に押しつけられるブレーキシュー等に所定の油圧すなわちブレーキ圧を付与し、このブレーキシュー等を介して車輪80に制動力を加える。この油圧ブレーキ装置50には、車輪80側への油圧供給通路52を遮断してこの車輪80に加えられるブレーキ圧を保持するためのヒルホルダ(ヒルホルダ手段)88が設けられている。このヒルホルダ88は、ソレノイドバルブ等の電動式アクチュエータにより駆動されて、前記油圧供給通路52を遮断することで、前記油圧シリンダー内の油圧が低下した場合にも車輪80側へのブレーキ圧を保持して車両の制動力を保持する。
前記ブレーキ用マスターバック60は、いわゆる倍力装置であって、ブレーキペダルの操作力を倍力して前記油圧ブレーキ装置50に伝達する。このブレーキ用マスターバック60は、ダイヤフラムで分離された2つの負圧室を有し、その一方のペダル側負圧室にプレーキペダルの操作に応じて大気が導入されて前記ダイヤフラムを他方の車輪側負圧室側に押圧するよう構成されており、この押圧力によって前記油圧ブレーキ装置50のピストンが押圧される。このように、このブレーキ用マスターバック60は、前記油圧ブレーキ装置50にプレーキペダルの操作力を伝達してこの油圧ブレーキ装置50等を介して車輪80に制動力を加える。ここで、このブレーキ用マスターバック60は、前記ブレーキペダルが操作される毎に前記ペダル側負圧室に大気を導入するよう構成されている。そのため、このペダル側負圧室に新たな負圧が供給されない状態では、ブレーキペダルが踏み込まれる度にペダル側負圧室の負圧は所定量ずつ低下していく。
前記ブレーキ用マスターバック60には、前記ペダル側負圧室の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)62が設けられている。この圧力センサ62の検出信号は前記ECU90に送られる。
前記吸引ポンプ70は、前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの各負圧室および前記ブレーキ用マスターバック60のペダル側負圧室の空気を吸引してこれら各負圧室に負圧を供給するためのものである。前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの各負圧室に連結された各負圧通路22c,24c,26cと、ブレーキ用マスターバック60のペダル側負圧室に連結された負圧通路61とは互いに連通して前記吸引ポンプ70に連結されている。前記吸引ポンプ70は、エンジン1のクランクシャフト6に連結されており、エンジン1の回転とともに回転して吸引力すなわち負圧を生成する。
前記ECU90は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行するためのCPUと、RAMやROMからなりプログラム及びデータを格納するメモリと、各種信号の入出力を行なうI/Oバスとを備えている。このECU90は、前記I/Oバスを介して前記ブレーキ用マスターバック60のペダル側負圧室の圧力を検出する圧力センサ62等の各種センサからの検出信号を受け、この検出信号に基づき種々の演算をおこなうとともに、前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26b、前記ヒルホルダ88、および前記インジェクタ7等の各アクチュエータを制御するためのものである。
このECU90による本エンジンの制御装置100の制御手順を、図2のフローチャート、図3および図4のタイミングチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1にて、イグニッションキーの操作によらずにエンジン1を自動停止させるエンジンの自動停止条件が成立したかどうかを判定する。この自動停止条件は、例えば、車速が所定値(例えば0)以下で、ブレーキペダル操作がなされているといった条件である。
このステップS1での判定がNOすなわち自動停止条件が成立していない場合は、ステップS1を繰り返す。一方、このステップS1での判定がYESすなわち自動停止条件が成立した場合は、ステップS2に進む。
ステップS2では、前記圧力センサ62で検出されたブレーキ用マスターバック60の圧力が第1基準圧力(停止許可基準圧力)P1以下であるかどうか、すなわち、ブレーキ用マスターバック60の負圧が所定値以上であるかどうかが判定する。この第1基準圧力P1は、ブレーキペダルが1回踏み直されてブレーキ用マスターバック60の負圧が所定量低下しても車輪80に車輪80の回転を不能とする制動力を付与できるような値に設定されている。この第1基準圧力P1は、例えば、大気圧−400mmHg(約48kPa)に設定されている。
このステップS2での判定がNOの場合すなわちブレーキ用マスターバック60の負圧が十分でない場合は、再びステップS1に戻る。一方、この判定がYESの場合すなわちブレーキ用マスターバック60の負圧が確保されており車両の停止を維持可能であると判定された場合は、ステップS3に進む。
ステップS3では、エンジン1を自動停止させるアイドルストップ制御を実施する。具体的には、インジェクタ7による燃料噴射を停止して、エンジン1を自動停止させる。燃料噴射が停止されることでエンジン1はしばらく後に停止する。また、インジェクタ7による燃料噴射停止とともに、次の再始動に備えて、エンジン1の停止位置を所定の位置に制御する。本実施形態では、圧縮行程にあるピストン4が下死点に近い位置で停止すようにエンジン1への負荷の変更等を行う。
次に、ステップS4にて、エンジン1が停止しているかどうかを判定する。具体的には、エンジン1の回転数が0以下であるかどうかを判定する。ステップS4での判定がYESすなわちエンジン1が停止したと判定されると、ステップS5に進む。この判定がNOの場合はステップS4を繰り返す。
ステップS5では、前記ヒルホルダ88を駆動して前記車輪80側へのブレーキ圧を保持する。具体的には、このヒルホルダ88を駆動する前記電動式アクチュエータを通電してヒルホルダ88により前記油圧供給通路52を遮断する。
次に、ステップS6にて、前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧供給を停止する。すなわち、各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの負圧室を大気圧とする。本実施形態では、各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bと吸引ポンプ70との間にソレノイドバルブ22d,24d,26dが設けられている。これらソレノイドバルブ22d,24d,26dは、各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの負圧室に連結された前記負圧通路22c,24c,26cの連通先を吸引ポンプ70側と大気側とに切り替えるものであり、電力が供給された状態ではこれら負圧通路22c,24c,26cと吸引ポンプ70とを連通し、電力の供給が停止されることでこれら負圧通路22c,24c,26cと大気側とを連通する。本ステップS6では、各ソレノイドバルブ22d,24d,26dの電力供給を停止して前記負圧通路22c,24c,26cを大気側に切り替えることで各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの負圧室を大気圧とする。前記各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの負圧室が大気圧とされることで、前記バイパスバルブ22a、レギュレートバルブ24aおよびウエストゲートバルブ26aは、それぞれ負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bからの駆動力を失い前記スプリングの付勢力により全開となる。
なお、本ステップS6はエンジン1の自動停止状態で実施されている。このエンジン1の自動停止状態では、イグニッションキーがオフに操作されてエンジン1が停止された場合と異なり、前記ソレノイドバルブへの通電は可能であり、このステップS6では、この通電可能状態において前記ソレノイドバルブへの電力を遮断する。
ここで、エンジン1の停止に伴い前記吸引ポンプ70は停止し、この吸引ポンプ70により前記ブレーキ用マスターバック60および各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧供給は停止する。そのため、エンジン1の停止状態において、各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bにそれぞれ連結された前記負圧通路22c,24c,26cと吸引ポンプ70とが連通して負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの負圧室が負圧に維持されていると、図3の鎖線で示すように、各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの負圧室内に各バルブ22a,24a,26a側から空気が漏れ入ることでブレーキ用マスターバック60側の負圧通路61に空気が漏れ入り、ブレーキ用マスターバック60の負圧室の負圧が低下するおそれがある。図3において、ブレーキ用マスターバック60の負圧のグラフの実線は、エンジン1の自動停止時にブレーキペダルが1回踏みなおされた場合のブレーキ用マスターバック60の負圧の変化を示しており、鎖線は、この変化に対してさらに前記空気の漏入によりブレーキ用マスターバックの負圧が低下することを示している。
これに対して、本エンジンの制御装置100では、エンジン1の停止とともに前述のように負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧供給を停止して負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bに連結された負圧通路22c,24c,26cと吸引ポンプ70とを遮断している。そのため、ブレーキ用マスターバック60への空気の漏入が抑制されて、ブレーキ用マスターバック60の負圧室の負圧が維持される。
次に、ステップS7にて、エンジンの再始動条件が成立したかどうかを判定する。例えば、アクセルペダルの踏み込み量が所定値以上であれば、このエンジンの再始動条件が成立したと判定される。この判定がNOの場合はステップS7を繰り返し、この判定がYESとなるとステップS8に進む。
ステップS8では、前記圧力センサ62で検出されたブレーキ用マスターバック60のペダル側負圧室の圧力が第2基準圧力(基準圧力)P2以下であるかどうかを判定する。この第2基準圧力P2は、ブレーキ用マスターバック60により車輪80に車輪80の回転を不能とする制動力を付与できる最小限の値であって前記第1基準圧力P1より小さい値に設定されている。この第2基準圧力P2は、例えば、大気圧−200mmHg(約75kPa)に設定されている。
このステップS8での判定がYESの場合、すなわち、ブレーキ用マスターバック60の圧力が第2基準圧力P2以下であり、ブレーキ用マスターバック60の負圧が十分に確保されている場合には、ステップS9に進みステップS9〜S11を実行する。一方、このステップS8での判定がNOの場合、すなわち、ブレーキ用マスターバック60の負圧が十分でない場合には、ステップS12に進み、ステップS12〜S17を実行する。
前記ステップS2において、エンジン1の自動停止は、ブレーキ用マスターバック60の圧力がブレーキペダルが1回踏み直されたとしても車輪80に車輪80の回転を不能とする制動力を付与できるような第1基準圧力値以下の場合にのみ実行されている。従って、ブレーキペダルの踏み直しが1回以下の場合、また、ブレーキ用マスターバック60への大気の漏入が少ない場合には、ブレーキ用マスターバック60の負圧は十分に維持され、ブレーキ用マスターバック60の圧力は前記第2基準圧力P2以下に維持されて前記ステップS8でYESと判定される。一方、ブレーキペダルの踏み直しが2回以上行なわれた場合、また、ブレーキ用マスターバック60に大気が漏入した場合には、図4に示すように、エンジン1の自動停止中にブレーキ用マスターバック60の負圧が低下してブレーキ用マスターバック60の圧力が前記第2基準圧力P2を超える結果、前記ステップS8でNOと判定される。
ステップS9では、エンジン1を再始動させる再始動制御が実施される(図3の時刻t1)。具体的には、スターターモータを駆動してクランクシャフト6を強制回転させるとともに、インジェクタ7による燃料噴射を開始する。本実施形態では、エンジン1の自動停止時に圧縮行程で停止したシリンダー3内に燃料を噴射する。前述のように、この圧縮行程で停止したシリンダー3内のピストン4は下死点近傍に位置している。そのため、スターターモータによるクランクシャフト6の強制回転に伴いシリンダー3内の空気は十分に圧縮され、このシリンダー3内にて燃料は確実に自着火し、エンジン1は再始動する。
エンジン1が再始動してクランクシャフト6が回転を再開すると、クランクシャフト6の回転に伴って前記吸引ポンプ70は稼動する。そのため、エンジン1の再始動後はブレーキ用マスターバック60の負圧は上昇する。
前記ステップS9とほぼ同時にステップS10が実施される。このステップS10では、エンジン1の再始動条件が成立して車両が発進状態となるのに合わせて、前記ヒルホルダ88を解除する。具体的には、ヒルホルダ88を駆動する電動アクチュエータへの通電を解除して、このヒルホルダ88によるブレーキ圧の保持を解除する。このステップS10は、ステップS9とほぼ同時に実施される。
また、前記ステップS9およびステップS10とほぼ同時にステップS11が実施される。このステップS11では、前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧の供給を開始する。すなわち、負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの上流に設けられた各ソレノイドバルブ22d,24d,26dを通電して、負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bの負圧室と吸引ポンプ70とを連通してこれら負圧室へ負圧の供給を再開する。本実施形態では、図3に示すように、これら負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bは、負圧の供給に伴って前記バイパスバルブ22a、レギュレートバルブ24aおよびウエストゲートバルブ26a全てを全閉位置に駆動する。
このように、前記ステップS8での判定がYESであってブレーキ用マスターバック60の負圧が十分に確保されている場合には、エンジン1の再始動とほぼ同時に負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧供給を開始して前記バイパスバルブ22a、レギュレートバルブ24aおよびウエストゲートバルブ26aは全て全閉となる。これにより、第1ターボ過給機30と第2ターボ過給機40とが早期に駆動されるため、再始動後の過給圧が高められ加速性が向上する。
一方、前記ステップS8での判定がNOの場合に進むステップでは、まず、ステップS12にて前記ステップS10と同様のエンジン1の再始動制御を実施する(図4の時刻t11)。次に、ステップS13にて、ヒルホルダ88を解除する。そして、ステップS14にてエンジン1の再始動が完了したかどうかを判定する。具体的には、エンジン1の回転数が所定値N1以上の場合に再始動が完了したと判定する。前記所定値は、例えば、500rpmに設定されている。このエンジン1の回転数は、エンジン1に取り付けられたクランク角センサ等により検出する。このステップS14での判定がYESとなりエンジン1の再始動が完了すると(図4の時刻t12)、ステップS15に進む。一方、この判定がNOの場合はステップS4を繰り返す。
ステップS15では、ヒルホルダ88が解除されたかどうかを判定する。この判定がYESの場合はステップS16に進む。一方、この判定がNOの場合はステップS15を繰り返す。
次に、ステップS16にて、ブレーキ用マスターバック60のペダル側負圧室の圧力が第2基準圧力P2以上であるかどうかを判定する。前述のように、エンジン1の再始動に伴い前記吸引ポンプ70は稼動しており、エンジン1の再始動後はブレーキ用マスターバック60の負圧は徐々に上昇しており、所定時間の後ブレーキ用マスターバック60の圧力は第2基準圧力P2以上となる。ここで、本実施形態では、前記ステップS2にて、ブレーキ用マスターバック60の圧力が前記第2基準圧力P2よりも低い第1基準圧力P1以下の場合にエンジン1の自動停止を行っており、ブレーキ用マスターバック60の第2基準圧力P2に対する不足量は小さく抑えられている。そのため、エンジン1の再始動後、ブレーキ用マスターバック60の圧力は早期に第2基準圧力P2以下に低下する。
このステップS16での判定がYESの場合、すなわち、エンジン1の稼動に伴い吸引ポンプ70によりブレーキ用マスターバック60に十分な負圧が供給されると、前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧の供給を開始し、これら負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bにより前記バイパスバルブ22a、レギュレートバルブ24aおよびウエストゲートバルブ26a全てを全閉位置に駆動する。一方、このステップS16での判定がNOの場合は、ステップS16を繰り返す。
このように、前記ステップS8での判定がNOであってブレーキ用マスターバック60の負圧が十分に確保されていない場合には、エンジン1の再始動後吸引ポンプ70の稼動に伴ってブレーキ用マスターバック60の負圧が十分に確保されるまでの間、前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧供給を停止して、ブレーキ用マスターバック60の負圧供給のみを行なう。これにより、ブレーキ用マスターバック60の負圧が早期に確保されるため、車両の安全性能が高められる。
以上のように、本エンジンの制御装置100によれば、エンジン1の再始動時にブレーキ用マスターバック60の圧力が第2基準圧力以下であってブレーキ用マスターバック60の負圧が十分に確保されている場合は、エンジン1の再始動とともに負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧を供給してエンジン1の再始動とともに前記バイパスバルブ22a、レギュレートバルブ24a、ウエストゲートバルブ26aを好適な状態に制御することができるとともに、エンジン1の再始動時にブレーキ用マスターバック60の圧力が第2基準圧力以上の場合は、エンジン1の再始動後ブレーキ用マスターバック60の負圧が十分に確保されるまで負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧供給を停止して、ブレーキ用マスターバック60の負圧ひいては車輪80に対する制動力を早期に確保することで車両の安全性を確保することができる。
ここで、前記ステップS11をエンジン1の再始動が完了した後に実施してもよい。すなわち、エンジン1の再始動時にブレーキ用マスターバック60の圧力が第2基準圧力P2以下の場合において、前記エンジン1の再始動が完了した後に前記負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bに負圧供給を開始してもよい。ただし、エンジン1の再始動とほぼ同時にこれら負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bへの負圧供給を開始すれば、前記第1ターボ過給機30および第2ターボ過給機40を早期に駆動させて再始動後の加速性を向上させることができる。
また、前記吸引ポンプ70により負圧が供給される負圧式バルブアクチュエータにより駆動される制御弁は前記バイパスバルブ22a、レギュレートバルブ24a、ウエストゲートバルブ26aに限らない。例えば、図5に示すように、前記第1タービン34および第2タービン44の代わりに、タービン134の翼に導入される排気量を変更可能なバルブ134aが設けられたいわゆるVGT(Variable Geometry Turbo)を設け、この排気量を変更するバルブ134aを前記吸引ポンプ70により負圧が供給される負圧式バルブアクチュエータにより駆動するよう構成してもよい。
この場合には、エンジン1の再始動後前記ブレーキ用マスターバックの圧力が前記基準圧力以下となるまでこの負圧式バルブアクチュエータ134bへの負圧供給を停止し、前記ブレーキ用マスターバックの圧力が前記基準圧力以下となった後、この負圧式バルブアクチュエータ134bへ負圧を供給する。そして、この負圧式バルブアクチュエータ134bにより前記バルブ134aを閉じ側に制御してタービン134に流入する排気を絞り流速を増大させることでタービン134の過給効率を高めて加速性を高めるよう構成する。
また、前記制御弁を、前記吸気ポート11に設けられてシリンダー3内に流入する吸気にスワールを付与するためのSCV(Swirl Control Valve)等としてもよい。
また、前記ヒルホルダ88をエンジン1の自動停止時に駆動させる制御を省略してもよい。ただし、ヒルホルダ88をエンジン1の自動停止時に駆動させて、車輪80へのブレーキ圧を保持するよう構成すれば、車輪80をより確実に停止させることができる。
また、前記エンジン1は、ディーゼルエンジンに限らず、火花点火式エンジンでもよい。この場合には、エンジン1の駆動とともに吸気通路15内に負圧が生成されるため、前記吸引ポンプ60を省略して、この吸気通路15と前記ブレーキ用マスターバック60および各負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26bとを連結して吸気通路15で生成された負圧をこれらブレーキ用マスターバック60および負圧式バルブアクチュエータ22b,24b,26b等に供給するのが好ましい。また、前記エンジン1の再始動時において、エンジン1の自動停止時に膨張行程にあったシリンダー3内から燃焼を開始させるようするのが好ましい。
1 エンジン
15 吸気通路
16 排気通路
22a 吸気バイパスバルブ(制御弁)
22b 負圧式バルブアクチュエータ(制御弁駆動手段)
24a レギュレートバルブ(制御弁)
24b 負圧式バルブアクチュエータ(制御弁駆動手段)
26a ウエストゲートバルブ(制御弁)
26b 負圧式バルブアクチュエータ(制御弁駆動手段)
30 第1ターボ過給機(ターボ過給機)
32 第1コンプレッサ(コンプレッサ)
34 第1タービン(タービン)
40 第2ターボ過給機(ターボ過給機)
42 第2コンプレッサ(コンプレッサ)
44 第2タービン(タービン)
50 油圧ブレーキ装置(ブレーキ圧付与手段)
60 ブレーキ用マスターバック
62 圧力センサ(圧力検出手段)
70 吸引ポンプ(負圧供給手段)
88 ヒルホルダ(ヒルホルダ手段)
90 ECU
100 エンジンの制御装置

Claims (6)

  1. 予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンを自動停止させるとともに、予め設定されたエンジンの再始動条件が成立したときに、当該エンジンの気筒内で燃焼させてエンジンを再始動させるエンジンの制御装置において、
    エンジンに連設される吸気通路と排気通路の少なくとも一方に設けられて当該通路内でのガスの流通状態を変更可能な制御弁と、
    負圧の供給を受けて前記制御弁を駆動する制御弁駆動手段と
    負圧の供給を受けて車輪に制動力を付与するブレーキ用マスターバックと、
    前記エンジンの稼動に伴い負圧を生成して前記制御弁駆動手段および前記ブレーキ用マスターバックに供給する負圧供給手段と、
    前記ブレーキ用マスターバックの圧力を検出する圧力検出手段とを備え、
    前記負圧供給手段は、前記エンジンの自動停止後エンジンが再始動されるまでの間、前記ブレーキ用マスターバックに負圧を供給する一方前記制御弁駆動手段への負圧の供給を停止するとともに、前記エンジンの再始動時において、前記圧力検出手段により検出された前記ブレーキ用マスターバックの圧力が予め設定された基準圧力以下の場合には、前記制御弁駆動手段と前記ブレーキ用マスターバックとに負圧を供給する一方、前記圧力検出手段により検出された前記ブレーキ用マスターバックの圧力が前記基準圧力より高い場合には、前記ブレーキ用マスターバックの圧力が前記基準圧力以下となるまで前記制御弁駆動手段への負圧の供給を停止することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    前記ブレーキ用マスターバックと車輪との間に介在して、前記ブレーキ用マスターバックから出力された制動力を受けて前記車輪にブレーキ圧を付与するブレーキ圧付与手段と、
    前記ブレーキ圧付与手段により前記車輪に付与されたブレーキ圧を保持可能なヒルホルダ手段とを有し、
    前記ヒルホルダ手段は、前記エンジンの自動停止からエンジンの再始動までの期間前記ブレーキ圧を保持し、
    前記負圧供給手段は、前記エンジンの再始動時において前記圧力検出手段により検出された前記ブレーキ用マスターバックの圧力が予め設定された基準圧力より高い場合は、前記ブレーキ用マスターバックの圧力が前記基準圧力以下となり、かつ、前記ヒルホルダ手段による前記ブレーキ圧の保持が解除された後に、前記制御弁駆動手段への負圧の供給を開始することを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御弁を付勢する付勢手段を有し、
    前記制御弁は、前記排気通路に設けられて当該排気通路の流路面積を変更可能であって、前記負圧供給手段により前記制御弁駆動手段に負圧が供給されていない状態では前記付勢手段の付勢力により前記流路面積が最大となる位置に配置されるとともに、前記制御弁駆動手段に負圧が供給された状態では当該制御弁駆動手段により前記負圧の供給に伴って前記付勢手段の付勢力に抗して前記流路面積を減少させる方向に駆動されることを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 請求項3に記載のエンジンの制御装置において、
    前記排気通路に設けられて当該排気通路を通過する排気で駆動されるタービンと、前記吸気通路に設けられて前記タービンの駆動力によって当該吸気通路を通過する吸気を昇圧するコンプレッサとを有するターボ過給機を備え、
    前記排気通路は、前記タービンの上流と下流とを連通して当該タービンをバイパスするバイパス通路を有し、
    前記制御弁は、前記バイパス通路に設けられて、当該バイパス通路の流路面積を変更することを特徴とするエンジンの制御装置。
  5. 請求項3に記載のエンジンの制御装置において、
    前記排気通路に設けられて当該排気通路を通過する排気で駆動されるタービンと、前記吸気通路に設けられて前記タービンの駆動力によって当該吸気通路を通過する吸気を昇圧するコンプレッサとを有するターボ過給機を備え、
    前記制御弁は、前記排気通路のうち前記タービンの上流に設けられて、当該タービン上流の排気通路の流路面積を変更することを特徴とするエンジンの制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの制御装置において、
    前記エンジンの自動停止条件が成立し、かつ、前記圧力検出手段により検出された前記ブレーキ用マスターバックの圧力が予め設定された停止許可基準圧力以下の場合にエンジンを自動停止させるよう構成されており、
    前記停止許可基準圧力は、前記基準圧力よりも小さいことを特徴とするエンジンの制御装置。
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