JP2003287532A - 血液検査ユニット - Google Patents

血液検査ユニット

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JP2003287532A
JP2003287532A JP2002092226A JP2002092226A JP2003287532A JP 2003287532 A JP2003287532 A JP 2003287532A JP 2002092226 A JP2002092226 A JP 2002092226A JP 2002092226 A JP2002092226 A JP 2002092226A JP 2003287532 A JP2003287532 A JP 2003287532A
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blood
blood test
test unit
reagent layer
light
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JP2002092226A
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Yoshihide Iwaki
義英 岩木
Kentaro Nakamura
中村  健太郎
Hideaki Tanaka
秀明 田中
Yoshiki Sakaino
佳樹 境野
Kaoru Terajima
薫 寺島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/8483Investigating reagent band

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全血等の血液検体から簡単に血漿や血清を分
離させることができ、また血液成分分離膜から溶出する
成分によって検査値が左右されることがない、簡単な構
造の血液検査ユニットを得る。 【解決手段】 血液検体から血漿および/または血清を
分離させる、実質的にポリスルホン膜のみからなる血液
成分分離膜16と、この血液成分分離膜16に接触して、血
液検体から分離された血漿および/または血清を展開さ
せる部分を有し、この部分に血漿および/または血清と
反応して発色する試薬が担持されてなる試薬層24とから
血液検査ユニット10を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトやその他の動
物の血液検査に使用される血液検査ユニットに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒトやその他の動物の血液検査に
使用される血液検査ユニットとして、例えば特公平8−
10193号公報に示されるように、血漿や血清と反応
して所定の発色を呈する試薬をスライド状支持体に担持
させてなるものが知られている。
【0003】このような血液検査ユニットを利用する場
合は、そこに形成されている試薬層に血漿や血清を滴下
した後、発色した試薬層に光を照射し、その反射光量を
測定し、この反射光量に基づいて血漿あるいは血清中の
特定物質の濃度等を定量分析することができる。上記特
公平8−10193号公報には、このようにして血液検
査を行なう分析装置の一例も開示されている。
【0004】検査に供される上記血漿や血清は全血から
分離されるものであるが、従来は多くの場合、全血を遠
心分離機にセットして、そこから血漿や血清を遠心分離
するようにしていた。また、例えば特開2000−74
906号公報に示されるように、ポリスルホン膜等の多
孔質構造体とガラス繊維とからなる血液成分分離膜を用
いて、全血から血漿や血清を分離させることも提案され
ている。さらには、例えば特開2001−188066
号公報に示されるように、ポリスルホン膜等の多孔質構
造体の一部に血球を遮断する切り込みを設けてなる血液
成分分離膜も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の血液成分分離膜
を用いる場合は、遠心分離機を用いる場合と比べて簡単
に全血から血漿や血清を分離させることができる。しか
しその半面、ポリスルホン膜等の多孔質構造体とガラス
繊維とからなる血液成分分離膜を用いる場合には、ガラ
ス繊維からNa、Ca、Cl等が溶出し、それが検査値
に影響を及ぼすことがある。また、ポリスルホン膜等の
多孔質構造体の一部に血球を遮断する切り込みを設けて
なる血液成分分離膜を用いる場合には、切り込みを設け
ることによって血液成分分離膜の構造が複雑化するの
で、血液検査ユニットにそれを適用する上で種々の制限
が発生するという問題が認められる。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、全血等の血液検体から簡単に血漿や血清を分離
させることができ、また血液成分分離膜から溶出する成
分によって検査値が左右されることがない、簡単な構造
の血液検査ユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による血液検査ユ
ニットは、血液検体から血漿および/または血清を分離
させる、実質的にポリスルホン膜のみからなる血液成分
分離膜と、この血液成分分離膜に接触して、血液検体か
ら分離された血漿および/または血清を展開させる部分
を有し、この部分に血漿および/または血清と反応して
発色する試薬が担持されてなる試薬層とを備えたことを
特徴とするものである。
【0008】ここで、上記の「実質的にポリスルホン膜
のみからなる」とは、血液成分の分離に関与する部材が
ポリスルホン膜のみからなることを意味し、血液成分の
分離に関与しない何らかの部材が付加されている場合も
これに含むものとする。
【0009】なお上記ポリスルホン膜としては、空孔の
径が0.5〜50μmの範囲にあるもの、そしてそれらの中
でも特に該空孔の最小径が1〜5μmであるものを好適
に用いることができる。
【0010】また、上記試薬層の血漿および/または血
清を展開させる部分は、例えば、血液成分分離膜と略平
行に配置された膜状のものとしたり、あるいは、血液成
分分離膜と交わる方向に延びて、その一端が前記血液成
分分離膜に接触し得る状態に配置された棒状あるいは板
状のものとすることができる。
【0011】なお本発明による血液検査ユニットは、上
記の血液成分分離膜および試薬層が、血液検体を内部に
導く血液導入部が一部に形成された密閉容器内に収めら
れていることが望ましい。
【0012】そして上記密閉容器は、前記血液導入部以
外の部分では内部と外部とを水密に保ち、かつ少なくと
も一部が透明部とされた構造を有し、そして上記試薬層
は、上記密閉容器の透明部を通して外部から観察可能に
配置されていることが望ましい。
【0013】また上記の密閉容器は、互いに略気密状態
を保ちつつ摺動自在に組み合わされて内部に減圧可能に
密閉空間を画成する、各々有底の外筒および内筒から構
成されることが望ましい。そのようにする場合、外筒お
よび内筒の底面は、互いに最も離れるように(つまり両
筒が内部に画成する密閉空間の容積が最大となるよう
に)各筒の端部に形成されるとよいが、特に内筒の底面
はその位置に限らず、外筒の底に近い方の端部に形成さ
れたり、あるいは、筒の中間部分に形成されても構わな
い。
【0014】また、上述のような外筒と内筒とによって
密閉容器を構成する場合、血液導入部は、外筒と内筒の
いずれか一方の底面に形成されることが望ましい。そし
てその場合は、外筒の底面に血液導入部が形成され、内
筒の、外筒底面に対して遠い方の端部に底面が形成され
ることが特に望ましい。
【0015】また、外筒と内筒のいずれか一方の底面に
血液導入部を形成する場合は、この血液導入部が形成さ
れた方の筒に、該底面と対面する状態にして、血液成分
分離膜としての血液成分分離膜が固定されることが望ま
しい。
【0016】そして、このように血液導入部が形成され
た方の筒に血液成分分離膜が固定される場合、前記試薬
層は、該血液成分分離膜の血液導入部と反対側の面に接
する状態にして取り付けることができる。
【0017】あるいは、上記のように血液導入部が形成
された方の筒に血液成分分離膜が固定される場合、試薬
層は、血液成分分離膜を固定していない方の筒に、血液
成分分離膜に接触し得る状態にして取り付けられてもよ
い。そのようにする場合、試薬層の血漿および/または
血清を展開させる部分は、血液成分分離膜と略平行に配
置された膜状のものとして構成することもできるし、あ
るいは、外筒および内筒の軸方向に沿って延びて、その
一端が血液成分分離膜に接触し得る状態に配置された棒
状あるいは板状のものとして構成することもできる。
【0018】また前記血液成分分離膜は、それを固定し
ている外筒または内筒の内周面に対して、全周に亘って
隙間を形成しない状態で緊密に固定されていることが望
ましい。
【0019】また、上述のような外筒と内筒とによって
密閉容器を構成する場合は、外筒と内筒の少なくとも一
方に、それらの内部に外から空気を導入し得る孔が形成
されるとともに、この孔を閉じておくシール部材が取り
付けられていることが望ましい。そのようなシール部材
としては、外筒あるいは内筒に貼着されたシート状のも
のが好適に用いられ得るが、その他に、上記孔を塞ぐ栓
状のもの等も適用することができる。
【0020】さらに、上述のような外筒と内筒とによっ
て密閉容器を構成する場合は、内筒の外周壁部に、外筒
との間を略気密状態に保つOリングが嵌着され、該内筒
と外筒とがこのOリングを介して摺動するように構成さ
れていることが望ましい。
【0021】また、上述のような外筒と内筒とによって
密閉容器を構成する場合は、内筒の外周壁部に外側に向
けて突出した係止部が形成されるとともに、外筒の内周
壁部に内側に向けて突出した係止部が形成され、これら
の係止部が互いに係止することにより内筒と外筒の離脱
が防止されていることが望ましい。
【0022】また、上述のような外筒と内筒には、それ
らが内部の密閉空間の容積を増大する方向に相対的に動
かされて該空間内が負圧状態になったときに、この両筒
の状態を維持するロック機構が設けられることが望まし
い。
【0023】なお上述の血液導入部は、通常は前記密閉
容器を閉じていて、採血針が刺された際には該採血針の
外周壁との間を略気密状態に保ちつつ、該採血針の先端
を密閉容器内まで貫入させることができる高弾性部材か
ら形成されることが望ましい。そのような高弾性部材で
好ましいものとしては、ゴムが挙げられる。
【0024】他方、本発明の血液検査ユニットにおいて
前記試薬層には、互いに異なる複数種類の試薬が担持さ
れていることが望ましい。
【0025】また本発明の血液検査ユニットにおいて、
試薬層の血漿および/または血清を展開させる部分に
は、水分が加えられることによって発熱する物質が添加
されていることが望ましい。そのような物質の好ましい
例としては、ゼオライトなどのアルミノケイ酸、消石
灰、(鉄粉+酸化剤)等が挙げられる。
【0026】また本発明の血液検査ユニットにおいて
は、試薬層の血漿および/または血清を展開させる部分
に、血液検査ユニットに関する情報を示すマークが記さ
れていることが望ましい。
【0027】さらに、本発明の血液検査ユニットにおい
ては、試薬層の試薬を担持していない部分が、黒色面、
それに近い面、あるいは鏡面とされていることが望まし
い。
【0028】
【発明の効果】本発明による血液検査ユニットは、実質
的にポリスルホン膜のみからなる血液成分分離膜によっ
て血液検体から血漿および/または血清を分離するよう
に構成されているので、構造が簡単で、またポリスルホ
ン膜からはNa、Ca、Cl等が溶出することがないの
で、それらによって検査値に影響が及ぶことも防止でき
る。
【0029】また本発明による血液検査ユニットにおい
て、特に、血液成分分離膜および試薬層が、血液検体を
内部に導く血液導入部が一部に形成された密閉容器内に
収められている場合は、密閉容器の中に血液検体を導入
した後、発色した試薬層に容器外側から測定光を照射
し、そのときの反射光量を密閉容器の外から測定するこ
とによって血液検査をすることができる。つまり、血液
検体の導入後は、密閉容器の中の血液成分に全く接触せ
ずに血液検査をすることが可能である。したがってこの
構造を有する血液検査ユニットによれば、検査従事者が
血液に接触してそこから感染症に感染することを防止で
きる。
【0030】つまりこの構造の血液検査ユニットは、本
質的に外から血液検体に触れる恐れが無いものであるか
ら、検査に供した後は、例えばオートクレーブ処理する
等してからそのまま廃棄処分することができ、よって、
使い捨ての形態で使用するのに適したものとなってい
る。
【0031】なお、この本発明による血液検査ユニット
によれば、通常は全血を対象として血液検査を実行でき
るが、この全血の他、少なくとも血漿および血清の一方
を含むその血液検体について検査を行なうことも可能で
ある。
【0032】そして上記構造を有する血液検査ユニット
においては、密閉容器の中に配置した血液成分分離膜に
よって血液検体から血漿および/または血清が分離され
るので、この血液検査ユニットによれば、血液検体から
血漿および/または血清を分離するために該ユニットを
遠心分離機にセットするような煩わしい手間は不要にし
て、簡単な操作で血液検査を行なうことができる。
【0033】なお上記の密閉容器が、互いに略気密状態
を保ちつつ摺動自在に組み合わされて内部に減圧可能に
密閉空間を画成する、各々有底の外筒および内筒から構
成されている場合は、これら両筒を互いに離れる方向に
相対移動させることにより、内部の密閉空間を負圧状態
にすることができる。このように密閉空間を負圧状態に
してから採血針等を血液導入部に接続すれば、あるい
は、採血針等を血液導入部に接続してから密閉空間を負
圧状態にすれば、この密閉空間に血液検体が強く吸引さ
れるようになる。それにより、所定量の血液検体を短時
間で密閉容器内に採取可能となり、血液検査の作業能率
を高めることができる。
【0034】また、上述のような外筒と内筒とによって
密閉容器を構成する場合、血液導入部が、外筒と内筒の
いずれか一方の底面に形成されていれば、その血液導入
部が先端側に位置する状態に密閉容器を持ち、血液導入
部が形成されていない方の筒、つまり手前側の筒を手前
に引くという操作によって、該密閉容器内の空間を負圧
状態にすることができる。このような操作は極めてやり
やすいものであるから、この操作により、血液検体導入
を簡単かつ確実に行なうことが可能になる。
【0035】そしてその場合、外筒の底面に血液導入部
が形成され、内筒の、外筒底面に対して遠い方の端部に
底面が形成されていれば、上記の操作は、外筒を一方の
手で保持して内筒を引くという操作になり、作業性がよ
り良好なものとなる。また内筒の、外筒底面に対して遠
い方の端部に底面が形成されていれば、両底面間の距離
が最大となって、両筒が画成する密閉空間は可能な限り
大きいものとなる。そこで、この密閉空間の容積を所定
大きさに設定するという前提の下では、内筒および外筒
の全体の大きさを最小にできるので、血液検査ユニット
を小型化する上で有利となる。
【0036】また、外筒と内筒のいずれか一方の底面に
血液導入部を形成する場合に、この血液導入部が形成さ
れた方の筒に、該底面と対面する状態にして、血液成分
分離膜としての血液成分分離膜が固定されていれば、導
入された血液検体を直ちにこの血液成分分離膜に供給す
ることが可能である。
【0037】そして、このように血液導入部が形成され
た方の筒に血液成分分離膜が固定される場合、試薬層
が、該血液成分分離膜の血液導入部と反対側の面に接す
る状態にして取り付けられていれば、分離された血漿お
よび/または血清を直ちにこの試薬層に供給することが
できる。
【0038】他方、血液導入部が形成された方の筒に血
液成分分離膜が固定される場合において、試薬層が、血
液成分分離膜を固定していない方の筒に、血液成分分離
膜に接触し得る状態にして取り付けられているときは、
両筒を互いに圧縮する方向に相対移動させることによ
り、試薬層を血液成分分離膜に接触させてそこに血漿お
よび/または血清を供給することができる。
【0039】また上記の血液成分分離膜等からなる血液
成分分離膜が、それを固定している外筒または内筒の内
周面に対して、全周に亘って隙間を形成しない状態で緊
密に固定されている場合は、血漿および/または血清が
分離される前の血液検体(例えば全血)が外筒または内
筒の内周面と血液成分分離膜との間の隙間から試薬層側
に漏れ出ることがなくなるので、この血液検体が試薬層
に付着して検査が困難になったり、あるいは誤った検査
がなされてしまうことを防止できる。
【0040】また、上述のような外筒と内筒とによって
密閉容器を構成する場合に、外筒と内筒の少なくとも一
方に、それらの内部に外から空気を導入し得る孔が形成
されるとともに、この孔を閉じておくシール部材が取り
付けられていれば、試薬と血漿および/または血清との
反応に酸素が必要なときはこのシール部材を外して容器
内に空気を導入し、試薬層に酸素を供給することができ
る。空気導入後に再びこのシール部材で上記孔を閉じて
おけば、検査従事者が容器内の血液成分に触れてしまう
こともない。
【0041】さらに、上述のような外筒と内筒とによっ
て密閉容器を構成する場合、内筒の外周壁部に、外筒と
の間を略気密状態に保つOリングが嵌着され、該内筒と
外筒とがこのOリングを介して摺動するように構成され
ていれば、前述のようにこれらの筒を互いに離れる方向
に相対移動させて内部の密閉空間を負圧状態にする際
に、より確実にこの負圧状態を作り出すことができる。
またこのようなOリングが設けられていれば、外筒と内
筒との隙間から血液成分が容器外に漏れてしまうことも
防止できる。
【0042】また、上述のような外筒と内筒とによって
密閉容器を構成する場合、内筒の外周壁部に外側に向け
て突出した係止部が形成されるとともに、外筒の内周壁
部に内側に向けて突出した係止部が形成され、これらの
係止部が互いに係止することにより内筒と外筒の離脱が
防止されていれば、内筒と外筒とが不用意に離脱して、
それらの中から血液成分が外に漏れてしまうことを防止
できる。
【0043】また、上述のような外筒と内筒において、
それらが内部の密閉空間の容積を増大する方向に相対的
に動かされて該空間内が負圧状態になったときに、この
両筒の状態を維持するロック機構が設けられていれば、
両筒が自然に元の状態、つまり内部が大気圧になる状態
に戻ることを防止できる。そうであれば、両筒がこの元
の状態に戻らないようにそれらを指先で保持しておく必
要がなくなるので、該両筒内への血液検体の導入作業を
簡単に行なえるようになる。
【0044】また本発明の血液検査ユニットにおいて、
前述の血液導入部が、通常は前記密閉容器を閉じてい
て、採血針が刺された際には該採血針の外周壁との間を
略気密状態に保ちつつ、該採血針の先端を密閉容器内ま
で貫入させることができるゴム等の高弾性部材から形成
されている場合は、そこに採血針を刺して血液検体を密
閉容器の中に導入してから採血針を引き抜くと、該部材
の弾性によって針孔が自然に閉じられる。そこで、この
ような血液導入部を適用した場合は、密閉容器内の血液
成分がこの血液導入部から漏れ出るようなことも防止さ
れ、前述した感染防止効果がより一層高いものとなる。
【0045】他方、本発明の血液検査ユニットにおい
て、互いに異なる複数種類の試薬が試薬層に担持されて
いる場合は、それらの試薬にそれぞれ適合する波長の測
定光を互いに同時に、あるいは逐次照射することによ
り、血漿および/または血清中の互いに異なる物質につ
いての検査を迅速に行なうことが可能となる。
【0046】また本発明の血液検査ユニットにおいて、
試薬層の血漿および/または血清を展開させる部分に、
水分が加えられることによって発熱する物質が添加され
ている場合は、水分を含む血漿および/または血清が展
開することによりこの試薬層が加温される。この種の血
液検査を行なう際には、通常、インキュベータ(恒温装
置)を利用して血液検査ユニットを恒温保持し、血漿お
よび/または血清と試薬とを室温より高い例えば37℃
程度の所定温度下で反応させるようにしているが、上記
のようにして試薬層を予備的に加温できれば、インキュ
ベータにおいて血液検査ユニットが上記所定温度に到達
するまでの時間を短縮でき、それにより、血液検査を能
率良く実行できるようになる。
【0047】また本発明の血液検査ユニットにおいて、
試薬層の血漿および/または血清を展開させる部分に、
血液検査ユニットに関する情報を示すマークが記されて
いる場合は、発色した試薬層からの反射光量を測定する
手段をこのマークの読取りのために兼用して、血液検査
ユニットに関する情報を把握することも可能になる。
【0048】また本発明の血液検査ユニットにおいて、
試薬層の試薬を担持していない部分が、黒色面、それに
近い面、あるいは鏡面とされている場合には、この試薬
を担持していない部分で散乱した測定光が光検出手段に
検出されて、血液検査の精度が損なわれることを防止で
きる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0050】図1は、本発明の一実施の形態による血液
検査ユニット10の分解斜視形状を示すものであり、また
図2は、この血液検査ユニット10の側面形状を一部破断
して示すものである。図示される通りこの血液検査ユニ
ット10は、図中下方の端部が開放された円筒形の外筒11
と、図中下方の端部に底面23が形成された内筒21とを有
している。これらの外筒11および内筒21は、一例として
透明の合成樹脂から形成され、外筒11は例えば外径15m
m×高さ30mm程度、内筒21は例えば外径10mm×高さ
30mm程度の大きさとされる。なお外筒11および内筒21
は、その他例えばガラス等を用いて形成されてもよい。
【0051】外筒11は図中上側の端面に円形の開口13を
持つ上底面14を有し、この開口13は常時は、上底面14の
内面に接着されたゴム膜15によって閉じられている。こ
のゴム膜15は、後述するように血液導入部を構成するも
のである。また外筒11の内部には、いわゆる挟み込み成
形加工によって、円形の血液成分分離膜16が保持されて
いる。血液成分分離膜16は、そこに血液検体が供給され
た際に血漿および/または血清は透過させる一方固形成
分は透過させない多孔質構造体から形成され、ここでは
一例として、空孔の径が0.5〜50μmの範囲にあるポリ
スルホン膜を用いて構成されている。そしてこの外筒11
の内周壁部には、図中下端となる開放端の近くにおい
て、内側に向けて突出した環状の係止部17が形成されて
いる。
【0052】他方内筒21は、図中の下端が底面23によっ
て閉じられたもので、開放した上端には試薬層24が取り
付けられている。またこの内筒21の外周壁部には、その
上端に比較的近い位置において、Oリング25が嵌着され
ている。さらにこの内筒21の周壁には、その内部と外部
とを連通させる小さな空気導入孔26が形成され、この空
気導入孔26は周壁に貼着したシート状のシール27で閉じ
られている。
【0053】上記試薬層24は、例えばミリポア・コーポ
レイション製の空孔径が0.45μmのニトロセルロース多
孔質膜に、グルコースオキシダーゼ,ペルオキシダー
ゼ,1,7−ジヒドロキシナフタレン,4−アミノアン
チピリンを混ぜたpH5.5〜6.5に調製したMES
緩衝液を2スポット点着し、さらにウリカーゼ,ペルオ
キシダーゼ,ジアリルイミダゾール系ロイコ色素を混ぜ
た緩衝液を2スポット点着し、縦に2点,横に2点、合
計4点のスポットを形成した後に乾燥させることによ
り、505nm付近を極大吸収波長とする色素系のグルコ
ース検出スポットを2点、650nm付近を極大吸収波長
とする色素系の尿酸検出スポットを2点作成してなるも
のである。なおこの試薬層24は、支持体が上述のような
多孔質構造体であるニトロセルロース多孔質膜から形成
されているので、そこに後述のようにして血漿および/
または血清が供給されると、層の拡がり方向に血漿およ
び/または血清が展開するようになる。
【0054】図3には、上記構成の試薬層24の平面形状
を示す。図中の24aがグルコース検出スポット、24bが
尿酸検出スポットである。なお本例ではこの試薬層24
に、血液検査ユニット10に関する情報、つまりその製造
番号や種別等を示すマークとしてのバーコード24cが記
されている。このバーコード24cについては、後に詳述
する。
【0055】上記の外筒11と内筒21とは、図2に示すよ
うに組み合わされて血液検査ユニット10を構成する。な
お、内筒21を外筒11の内部に収める際には、内筒21のO
リング25と外筒11の係止部17とが若干干渉するが、内筒
21をある程度強く押し込めば、外筒11の周壁部およびO
リング25が弾性変形して、Oリング25が係止部17を乗り
越える。
【0056】図2の状態において、内筒21は外筒11の内
部で、長軸方向つまり図中の上下方向に移動することが
できる。そのとき、内筒21はOリング25を介して外筒11
の内周壁と摺動するので、内筒21と外筒11とで画成され
た密閉空間が形成されることになる。つまり本実施の形
態では、外筒11と内筒21とによって、その内部と外部と
を水密に保つ密閉容器が構成されている。
【0057】またここでは特に上記Oリング25の作用
で、上記密閉空間は外部に対して略気密状態に保たれる
ので、内筒21が図2の状態から下方つまり外筒11の上底
面14から離れる方向に引かれると、この密閉空間内は負
圧になる。なお、このように内筒21が引かれて所定距離
だけ移動すると、そのOリング25と外筒11の係止部17と
が互いに係止して、内筒21が外筒11から離脱してしまう
ことが防止される。
【0058】以下、上記構成の血液検査ユニット10を用
いた血液検査について説明する。まず、採血作業につい
て説明する。その際には、内筒21が先に述べたように外
筒11の上底面14から離れる方向に引かれ、該内筒21と外
筒11とが画成する密閉空間内が負圧にされる。この状態
を図4に示す。次に同図に示すように、例えばヒトの上
腕部に一端が刺された採血針30の他端を外筒11のゴム膜
15に突き刺して、上記密閉空間内に導く。すると、この
密閉空間内が負圧になっていることにより、採血針30を
通って全血31が該密閉空間内に導入される。この全血31
は、図示のように血液成分分離膜16の上に展開し、その
うちの固形成分は血液成分分離膜16の上に捕捉され、ま
た血漿および/または血清は該血液成分分離膜16を透過
する。
【0059】なお、上述のようにして血液検査ユニット
10内に採血される全血31の量と、内筒21を、図2の状態
から下方に引いた距離との間には相関が有る。このこと
は、該血液検査ユニット10を用いて上記のように採血す
る場合と各条件の次元を揃えた採血実験によって確認さ
れている。つまり例えば、内筒21を引く距離を1,2,
4cmと設定することにより、それぞれの場合で採血量
を10,20,40μl(マイクロ・リットル)と設定するよ
うなことも可能である。
【0060】また、上記のように内筒21と外筒11とが画
成する密閉空間内を負圧にしてから採血針30をゴム膜15
に突き刺す他、採血針30をゴム膜15に突き刺した後に、
内筒21を引いて上記密閉空間内を負圧にするようにして
も構わない。
【0061】以上のようにして全血を血液検査ユニット
10内に供給した後、採血針30はゴム膜15から引き抜かれ
る。ゴム膜15には採血針30が貫いた孔が残るが、ゴム膜
15が高い弾性を有することから、この孔はそのままにし
ておく限りは閉じた状態となるので、そこから全血が漏
れ出るような不具合は生じない。また、採血針30がゴム
膜15に突き刺されているとき、この採血針30の外周壁と
ゴム膜15との間は、ゴム膜15が高い弾性を有することか
ら略気密状態に保たれるので、全血31が導入されるまで
血液検査ユニット10内の負圧状態が維持され、そして血
液検査ユニット10内に全血31が供給されるとその内部は
常圧に戻る。
【0062】次に、測光操作について説明する。図5
は、上記血液検査ユニット10を用いる血液検査装置40の
外観を示すものであり、また図6は、この血液検査装置
40の要部の構造を詳しく示すものである。図示される通
りこの血液検査装置40は、筐体上面41に、血液検査ユニ
ット10を受け入れる円筒形の穴からなるユニット受承部
42を有している。血液検査ユニット10はこのユニット受
承部42に対して、引き出されている内筒21側から収容さ
れる。そして、外筒11が軽く押し込められると、その中
で内筒21が相対的に動いて、該内筒21の試薬層24が外筒
11の血液成分分離膜16に接触する状態となる(図6の状
態)。ここで、試薬層24は血液成分分離膜16と平行な状
態に形成されているので、それら両者は互いに全面的に
接触する状態となる。
【0063】前述したように血液成分分離膜16の上側に
は全血中の固形成分31aが捕捉され、また血漿および/
または血清はこの血液成分分離膜16を透過するので、上
記のように内筒21の試薬層24が血液成分分離膜16に接触
すると、この試薬層24に血漿および/または血清が展開
するようになる。試薬層24に形成されている前記グルコ
ース検出スポット24aおよび尿酸検出スポット24bの各
緩衝液(試薬)はこの血漿および/または血清と反応し
て、発色を呈する。
【0064】図6に詳しく示される通り血液検査装置40
は、測定光43を発する光源ユニット44と、この光源ユニ
ット44から発せられた測定光43を伝搬させる光ファイバ
等からなる光ガイド45と、この光ガイド45の途中に介設
されて測定光43の波長を選択するフィルタユニット46
と、光ガイド45の先端部近くにおいてその中に配設され
た測光部47とを有している。
【0065】上記光源ユニット44は、505nm近辺の波
長の光を発する発光ダイオードと、650nm近辺の波長
の光を発する発光ダイオードとを内蔵してなるものであ
り、それらの発光ダイオードは一方のみが選択的に駆動
されるようになっている。またフィルタユニット46は、
505nmの波長の光を透過させるフィルタと、650nmの
波長の光を透過させるフィルタとを内蔵してなるもので
あり、それらのフィルタは一方のみが選択的に光ガイド
45内の光路に挿入されるようになっている。なお、この
ような2つの発光ダイオードを用いる代わりに、505n
mおよび650nm近辺の波長の光を含む白色光を発する
白色発光ダイオードを用いてもよい。
【0066】このフィルタユニット46のフィルタ選択動
作と、上記光源ユニット44の発光ダイオード選択駆動動
作は、共通の制御部53により互いに連動して制御され
る。すなわち、505nm近辺の波長の光を発する発光ダ
イオードが駆動される際には、505nmの波長の光を透
過させるフィルタが光路に挿入され、650nm近辺の波
長の光を発する発光ダイオードが駆動される際には、65
0nmの波長の光を透過させるフィルタが光路に挿入さ
れる。
【0067】光ガイド45は、その先端部が、ユニット受
承部42内に収容された血液検査ユニット10の内筒21に対
向する状態に配置されている。
【0068】測光部47は、測定光43が内筒21の試薬層24
に照射されたとき、そこで反射した反射光43Rを集光す
る対物レンズ48と、この対物レンズ48で集光された反射
光43Rによる像を結ばせる結像レンズ49と、この像の結
像位置に配されたCCD等からなる2次元光検出器50と
から構成されている。
【0069】以下、上記構成の血液検査装置40の作用に
ついて説明する。ユニット受承部42内に血液検査ユニッ
ト10が収容されると、光源ユニット44およびフィルタユ
ニット46の駆動が前述のように制御部53によって制御さ
れることにより、波長505nmの測定光43と波長650nm
の測定光43とが、例えば0.1秒に一度ずつ交互に光ガイ
ド45を通して、内筒21の試薬層24に照射される。なお図
6では、光ガイド45の先端から発散光状態で出射する測
定光43のうち、試薬層24の検出スポット24aおよび24b
が形成されている領域に向かう成分のみを示してある。
このとき試薬層24で反射した反射光43Rの光量が、2次
元光検出器50によって検出される。
【0070】試薬層24に形成されている前記グルコース
検出スポット24aおよび尿酸検出スポット24bの各緩衝
液(試薬)は、検査対象の血漿および/または血清と反
応して発色しており、この各検出スポットの光学濃度が
0.1秒に一度ずつ測定される。すなわち、2次元光検出
器50は画素分割されたものであって、試薬層24上の微細
な点毎に反射光量を検出可能であるので、該2次元光検
出器50が出力する光検出信号Sに基づいて、各検出スポ
ット24a、24bの時間経過に伴って変化する光学濃度を
測定することが可能である。
【0071】なお、2次元光検出器50が出力する光検出
信号Sに基づいて各検出スポット24a、24bの光学濃度
を測定するためには、2次元光検出器50の光検出面上の
位置と、試薬層24上の位置との対応を取っておくことが
必要である。そのためには、内筒21をユニット受承部42
内に常に所定の向きで収容させればよく、具体的には、
例えば内筒21の外周壁上の1箇所とユニット受承部42の
内周壁上の1箇所に各々位置合わせマークを記してお
き、これらの位置合わせマークが整合するようにして血
液検査ユニット10をユニット受承部42内に収容させれば
よい。
【0072】上記各検出スポット24a、24b毎の反射光
量を示す光検出信号Sは、信号処理部51に入力される。
信号処理部51はこの反射光量に基づいて各検出スポット
の光学濃度を求める。さらに該信号処理部51は、予め実
験から作成されたグルコースおよび尿酸の濃度に対す
る、検出スポット光学濃度の関係を示す検量線を記憶し
ており、時間軸上で変化する上記各検出スポットの光学
濃度から、該検量線に基づいてグルコースおよび尿酸の
濃度を求める。そして信号処理部51は、この求めたグル
コースおよび尿酸の濃度を示す信号Sdを表示部52に入
力し、表示部52ではこの信号Sdが示すグルコースおよ
び尿酸の濃度が検査結果として表示される。なお、上記
反射光量から光学濃度への換算は、Lambert−Beerの法
則および拡散反射の式等の光学的計算方法を適用してな
される。
【0073】ここで、試薬層24の検出スポットを構成す
る試薬には、検出対象物質と反応する上で、あるいは検
出対象物質と所定時間内で反応する上で、酸素が供給さ
れていることが必要であるものも存在する。そのような
試薬が用いられている場合には、血液検査ユニット10に
前述のようにして全血を導入した後、内筒21の周壁に貼
着されているシール27が剥がされる。それにより、該シ
ール27が塞いでいた空気導入孔26が開かれ、この空気導
入孔26を通して内筒21内に、つまりは試薬層24に空気中
の酸素が供給される。なお、空気導入後に再びシール27
で空気導入孔26を閉じておけば、検査従事者が血液検査
ユニット10内の血液成分に触れてしまうことを防止でき
る。
【0074】なお、上述のようなシート状のシール27の
他に、空気導入孔26を閉じておく栓状のシール部材を適
用することもできる。その場合も、空気導入後にその栓
状のシール部材で再度空気導入孔26を閉じるようにすれ
ば、検査従事者が血液検査ユニット10内の血液成分に触
れてしまうことを防止できる。
【0075】なおこの血液検査を行なう際には、通常、
図示外のインキュベータを利用して血液検査ユニット10
を恒温保持し、血漿および/または血清と試薬とを室温
より高い所定温度(例えば37℃)下で反応させる。そ
の場合には、試薬層24を構成して血漿および/または血
清を展開させる前記ニトロセルロース多孔質膜に、水分
が加えられることによって発熱する物質を添加しておく
とよい。その場合には、水分を含む血漿および/または
血清が展開することにより試薬層24が加温される。この
ようにして試薬層24を予備的に加温できれば、インキュ
ベータにおいて血液検査ユニット10が上記所定温度に到
達するまでの時間を短縮でき、それにより、血液検査を
能率良く実行できるようになる。
【0076】なお、上記のような物質としては、ゼオラ
イトなどのアルミノケイ酸、消石灰、(鉄粉+酸化剤)
等が挙げられる。
【0077】また本例の血液検査装置において、光ガイ
ド45の先端面は、ユニット受承部42の底板下面42aに当
接するように配置されている。それにより、測光部47を
構成するレンズ48、49および2次元光検出器50と試薬層
24との間の距離は、常に所定の値に保たれることにな
る。
【0078】なお血液検査装置は、血漿および/または
血清中の特定成分の濃度等を上述のように検量線に基づ
いて求める他、試薬層24の各検出スポット24a、24bの
光学濃度まで求めて、それを表示したり、あるいはその
光学濃度を示す信号を出力するだけのものとして構成さ
れてもよい。
【0079】以上説明した通り本実施の形態の血液検査
ユニット10は、外筒11と内筒21とから構成される密閉容
器の中に血液成分分離膜16と試薬層24とを配置してなる
ものであるので、この血液検査ユニット10を用いれば、
密閉容器の中に全血を導入した後、発色した試薬層24に
容器外側から測定光43を照射し、そのときの反射光量を
ユニット外から測定することによって血液検査をするこ
とができる。つまり、血液検体の導入後は、密閉容器の
中の血液成分に全く接触せずに血液検査をすることが可
能である。したがってこの血液検査ユニット10によれ
ば、検査従事者が血液に接触してそこから感染症に感染
することを防止できる。
【0080】このように本実施の形態の血液検査ユニッ
ト10は、本質的に外から血液検体に触れる恐れが無いも
のであるから、検査に供した後は、例えばオートクレー
ブ処理する等してからそのまま廃棄処分することがで
き、よって、使い捨ての形態で使用するのに適したもの
となっている。
【0081】なお、血液検査ユニット10が既に使用に供
されたことは、試薬層24の各検出スポット24a、24bが
所定の色に発色していること、あるいは、ゴム膜15に残
った採血針30の跡を見ることによって確認できるが、そ
の旨をさらに正確に確認できるように試薬層24に、血液
検体と反応して発色する試薬を利用して「使用済み」等
の文字が浮き出るようにしておくとよい。
【0082】そしてこの血液検査ユニット10において
は、密閉容器の中に配置した血液成分分離膜16によって
全血から血漿および/または血清が分離されるので、こ
の血液検査ユニット10によれば、全血から血漿および/
または血清を分離するために該ユニット10を遠心分離機
にセットするような煩わしい手間は不要にして、簡単な
操作で血液検査を行なうことができる。
【0083】また特に本実施の形態の血液検査ユニット
10では、先に説明した通り、外筒11と内筒21とを相対移
動させることにより、内部の密閉空間を負圧状態にする
ことができる。このようにユニット内の密閉空間を負圧
状態にしてから採血針30をゴム膜15に突き刺せば、ある
いは、採血針30をゴム膜15に突き刺した後に上記密閉空
間を負圧状態にすれば、この密閉空間に全血31が強く吸
引されるようになる。それにより、所定量の全血31を短
時間で密閉容器内に採取可能となり、血液検査の作業能
率を高めることができる。
【0084】また本実施の形態の血液検査ユニット10に
おいては、血液成分分離膜16が、血漿および/または血
清を透過させる一方固形成分は透過させない多孔質構造
体から構成されているので、血漿および/または血清の
分離のための構造が簡単で、ユニットの小型化の上で有
利となっている。またここでは特に、そのような多孔質
構造体として、空孔の径が前述の範囲にあるポリスルホ
ン膜が用いられているので、極めて良好な血漿および/
または血清の分離作用が得られ、血液検査の信頼性を高
める効果が得られる。
【0085】また本実施の形態の血液検査ユニット10に
おいては、血液成分分離膜16が外筒11に対して挟み込み
成形加工で一体化されたことにより、この血液成分分離
膜16は外筒11の内周面に対して、全周に亘って隙間を形
成しない状態で緊密に固定されている。このようになっ
ていると、血漿および/または血清が分離される前の全
血31が外筒11の内周面と血液成分分離膜16との間の隙間
から試薬層24側に漏れ出ることがなくなるので、この全
血31が試薬層24に付着して検査が困難になったり、ある
いは誤った検査がなされてしまうことを防止できる。
【0086】またこの血液検査ユニット10においては、
血液導入部を構成するゴム膜15が外筒11の1つの底面14
に形成されているので、このゴム膜15が先端側に位置す
る状態にして血液検査ユニット10を持ち、内筒21を手前
に引くという操作によって、該血液検査ユニット10内の
空間を負圧状態にすることができる。このような操作は
極めてやりやすいものであるから、この操作により、血
液検体の導入を簡単かつ確実に行なうことが可能にな
る。
【0087】またこの血液検査ユニット10においては、
内筒21の、外筒上底面14に対して遠い方の端部に底面23
が形成されているので、両底面14、23間の距離が最大と
なって、外筒11と内筒21とが画成する密閉空間は可能な
限り大きいものとなる。そこで、この密閉空間の容積を
所定大きさに設定するという前提の下では、内筒21およ
び外筒11の全体の大きさを最小にできるので、血液検査
ユニットを小型化する上で有利となる。
【0088】またこの血液検査ユニット10では、血液導
入部としてのゴム膜15を上底面14に固定してなる外筒11
において、該上底面14と対面する状態にして血液成分分
離膜16が固定されているので、導入された全血31を直ち
にこの血液成分分離膜16に供給することが可能である。
【0089】さらに、本実施の形態の血液検査ユニット
10では、内筒21と外筒11とがOリング25を介して摺動す
るように構成されているので、前述のようにこれらの筒
21、11を相対移動させて内部の密閉空間を負圧状態にす
る際に、より確実にこの負圧状態を作り出すことができ
る。またこのようなOリング25が設けられていることに
より、内筒21と外筒11との隙間から血液成分がユニット
外に漏れてしまうことも防止できる。
【0090】また、本実施の形態の血液検査ユニット10
においては、上記Oリング25と外筒11の係止部17とが互
いに係止して、内筒21が外筒11から離脱してしまうこと
が防止されるので、内筒21と外筒11とが不用意に離脱し
て、それらの中から血液成分が外に漏れてしまうことを
防止できる。なお内筒21の側の係止部としては、上記O
リング25を利用する他、該Oリング25よりも図2中下方
において内筒21の外周面上に突部を形成し、それを係止
部としてもよい。
【0091】またこの血液検査ユニット10は、血漿およ
び/または血清と反応して発色する互いに異なる複数種
類の試薬が、互いに位置を変えて検出スポット24aおよ
び24bとして担持されてなる試薬層24を有するので、血
漿および/または血清を試薬層24に供給する操作を1回
するだけで該血漿および/または血清を複数の検出スポ
ット24aおよび24bに供給できるものとなり、それによ
り、検査作業の能率が向上する。
【0092】また本例においては、血液検査ユニット10
の試薬層24が、血漿および/または血清中の互いに異な
る物質と反応する複数種類の検出スポット24aおよび24
bを有するものとされる一方、血液検査装置40は上記検
出スポット24aおよび24bにそれぞれ適合する波長の測
定光43を逐次照射するように形成されているので、血漿
および/または血清中の互いに異なる物質、つまりここ
ではグルコースおよび尿酸についての検査を迅速に行な
うことが可能となっている。なお血液検査装置40は、上
記複数種類の検出スポット24aおよび24bに対して測定
光を互いに同時に照射して、それらからの反射光量を同
時に測定するように構成されてもよい。検査作業の能率
向上という点からは、そのようにする方がより好まし
い。
【0093】また本例の血液検査装置40においては、上
記検出スポット24aおよび24bの光学濃度を検出する手
段として、血液検査ユニット10の試薬層24の像を撮像す
る2次元光検出器50が用いられて、試薬層24に記された
バーコード24c(図3参照)をこの2次元光検出器50に
よって読取り可能となっている。したがって、この2次
元光検出器50が出力する光検出信号Sを、信号処理部51
において適宜処理してから表示部52に入力することによ
り、該表示部52において、上記バーコード24cが示す血
液検査ユニット10に関する情報、つまりその製造番号や
種別等を表示させることもできる。さらには、バーコー
ド24cが示す血液検査ユニット10のロット毎の補正情報
に基づいて、検査結果に補正を加えることも可能であ
る。
【0094】このバーコード24cによって示す情報とし
ては、血液検査ユニット10の製造番号や種別の他に、ロ
ット番号情報、検量線情報、干渉物質補正情報、温度補
正情報、液量補正情報等が挙げられる。
【0095】なお上記バーコード24cとしては、一般的
な1次元方式のものに限らず、2次元バーコード等も適
用可能である。さらには、血液検査ユニット10に関する
情報を示すマークとして、バーコード以外のマークが適
用されてもよい。
【0096】ここで、前述のように各検出スポット24
a、24b毎の反射光量を示す光検出信号Sから光学濃度
を正確に求めるには、反射が100%の場合、0%の場合
の光検出信号Sを求め、それらの信号Sに基づいて、各
検出スポット24a、24b毎の反射光量を示す光検出信号
Sを較正する必要がある。図19は、そのための手段を
示すものである。
【0097】すなわちここでは、血液検査装置40のユニ
ット受承部42に収められる血液検査ユニット10と同形状
のダミーユニット10Wおよび10Kが用いられる。ダミー
ユニット10Wは、血液検査ユニット10の試薬層24に相当
する位置に白板23Wが設けられてなるものである。また
ダミーユニット10Kは、血液検査ユニット10の試薬層24
に相当する位置に黒板23Kが設けられてなるものであ
る。このようなダミーユニット10Wおよび10Kを各々血
液検査装置40のユニット受承部42に収めてから、血液検
査ユニット10に対する測光操作と同様の操作を行なえ
ば、それぞれ反射が100%の場合、0%の場合の光検出
信号Sが得られる。そこで、それらの光検出信号Sを適
宜の記憶手段に記憶させておけば、上述の較正に適用す
ることができる。
【0098】なおこの図19に示すように、図3に示し
たバーコード24cと同様のバーコードが記録されたバー
コード面23Dを、血液検査ユニット10の試薬層24に相当
する位置に有するダミーユニット10Dも適用可能であ
る。つまりそのようなダミーユニット10Dを、例えば血
液検査ユニット10の1梱包に1個ずつ収めておき、その
梱包の血液検査ユニット10を使用する前に予めそのダミ
ーユニット10Dのバーコード情報を読み取って適宜の記
憶手段に記憶させる。そのようにすれば、各血液検査ユ
ニット10に対する測光操作時にその情報を記憶手段から
読み出して、前述したように該情報を表示させたり、あ
るいは該情報に基づいて検査結果に補正を加えることが
可能となる。
【0099】なお上述のように使用されるダミーユニッ
トは、特に血液検査ユニット10と同形状とする必要はな
く、例えば図20に示すような形状のダミーユニット21
0Dを用いることもできる。この図20に示すダミーユ
ニット210Dは、棒状のつまみ部分221と、その一端に固
定された円板部220とを有し、円板部220の表面が、バー
コード224が記録されたバーコード面223Dとされたもの
である。このように血液検査ユニット10と異なる形状の
ダミーユニット210Dを適用する場合は、例えば血液検
査装置40のユニット受承部42に上記円板部220を支持す
る段部を設ける等により、該ダミーユニット210Dを、
そのバーコード面223Dが血液検査ユニット10の試薬層2
4と同位置に来る状態に保持させればよい。
【0100】また図6の血液検査装置40において、CC
D等からなる2次元光検出器50は、試薬層24の各検出ス
ポット24aあるいは24bの1つ1つを複数の画素(好ま
しくは100以上の画素)で検出する。つまりそれらの複
数画素により、各検出スポット24aあるいは24bの1つ
の中の複数領域について、互いに独立して反射光量が検
出される。そして信号処理部51は、その複数領域に関す
る光量検出結果を統計的に処理して、各検出スポット24
aあるいは24bの1つ1つを代表する光量値を求め、そ
の光量値を前述の光学濃度を求めるために使用する。
【0101】なお上記の統計的処理としては、例えば平
均値を求める処理、中央値を求める処理、検出光量値の
正規分布を求め、頻度最大の光量値から±2SD(S
D:標準偏差)の範囲にある光量値だけの平均値を求め
る処理等が適用される。
【0102】このようにして、各検出スポット24aある
いは24bの1つ1つを代表する光量値を求め、その光量
値に基づいて光学濃度を求めれば、1つの検出スポット
24aあるいは24bの中で血漿および/または血清と試薬
との反応にムラが有ったり、あるいは微小なゴミ等が存
在するような場合でも、そのムラやゴミ等による特異的
な光量検出結果の影響を排除して、血液検査を正確に行
なえるようになる。
【0103】なおここでは、2次元光検出器50の1画素
が光量検出する領域を、検出スポット24aあるいは24b
の中の1領域としているが、2次元光検出器50の複数画
素が光量検出する領域を、検出スポット24aあるいは24
bの中の1領域としてもよい。すなわち、例えば2次元
光検出器50の相隣接する4画素が光量検出する領域を1
領域として、それら4画素による検出光量の平均値等を
上記統計的処理にかけるようにしてもよい。
【0104】また図6の血液検査装置40においては、各
検出スポット24aあるいは24bに適合するように分光さ
れた測定光43を照射するように構成されているので、各
検出スポット24aあるいは24bからの反射光43Rを互い
に明確に区別して検出可能となり、複数項目の検査を精
度良く行なえるようになる。
【0105】また図6の血液検査装置40においては、試
薬層24への測定光43の照射および該試薬層24からの反射
光43Rの光量検出を、試薬層24に血漿および/または血
清が供給される試薬層表面と反対側の試薬層表面側から
行なうように構成されているので、反射光43Rを検出す
るための測光部47や光ガイド45が、血漿および/または
血清を供給するための血漿分離膜16と干渉するのを避け
ることができ、そのために該測光部47や光ガイド45の配
置の自由度が高いものとなっている。特にこの場合は、
試薬層24が外筒11および内筒21からなる密閉容器内に収
められて、元々測光部47や光ガイド45の配置が困難にな
っているから、それらの配置の自由度が高くなる効果は
特に顕著で実用的価値が高いものとなる。この点は、後
述する図6、8、9および10に示す血液検査装置にお
いても同様である。
【0106】次に図7を参照して、本発明の別の実施形
態による血液検査ユニット10Aについて説明する。なお
この図7において、既述の図1〜6中の要素と同等の要
素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要
のない限り省略する(以下、同様)。
【0107】この図7に示される血液検査ユニット10A
は、図1〜6に示した血液検査ユニット10と比較する
と、試薬層24が内筒21の側ではなく、外筒11の血液成分
分離膜16の裏面(ゴム膜15と反対側の面)に接する状態
にして形成されている点が異なるものである。
【0108】このような構成の血液検査ユニット10Aを
用いる場合も、血液検査は基本的に、先に説明した図
5、6に示す装置を用いて同様に行なうことができる。
ただしこの場合は、該血液検査ユニット10Aの中に全血
31を導入した後、特に内筒21を外筒11側に押し込まなく
ても、血液成分分離膜16で分離された血漿および/また
は血清が試薬層24に展開する。つまりこの場合の方が、
試薬層24への血漿および/または血清の供給がより迅速
になされるようになる。
【0109】次に図8を参照して、本発明のさらに別の
実施形態による血液検査ユニット10Bおよび、それを用
いる血液検査装置40Aについて説明する。この図8に示
される血液検査ユニット10Bは、図1〜6に示した血液
検査ユニット10と比較すると、内筒21の底面23Bが該内
筒21の端部ではなく、中間部に形成されている点が異な
るものである。一方この図8に示される血液検査装置40
Aは、図6に示した血液検査装置40と比較すると、光ガ
イド45の先端部が、ユニット受承部42の底板に形成され
た開口42bを通過した上で、血液検査ユニット10Bの内
筒21内まで入り込むように形成されている点が異なるも
のである。この光ガイド45の先端面は上記内筒21の底面
23Bに当接し、それにより、測光部47を構成するレンズ
48、49および2次元光検出器50と試薬層24との間の距離
が常に所定の値に保たれる。
【0110】上記構成の血液検査ユニット10Bおよび血
液検査装置40Aを用いる場合も、血液検査は基本的に、
先に説明した図6の血液検査ユニット10および血液検査
装置40を用いる場合と同様にして行なうことができる。
【0111】次に図9を参照して、本発明の血液検査ユ
ニットを用いるさらに別の血液検査装置40Bについて説
明する。この図9に示される血液検査装置40Bは、図8
に示した血液検査装置40Aと比較すると、測光部の構成
が異なるものである。すなわちここでは、2次元光検出
器50と結像レンズ56とを備えてなる測光部55が適用され
ている。また本装置でも、光ガイド45の先端面は内筒21
の底面23Bに当接し、それにより、測光部55を構成する
結像レンズ56および2次元光検出器50と試薬層24との間
の距離が常に所定の値に保たれる。なおここでは、血液
検査ユニット10Bとして、図8に示したものと同様のも
のが用いられる。
【0112】上記構成の血液検査ユニット10Bおよび血
液検査装置40Bを用いる場合も、血液検査は基本的に、
先に説明した図6の血液検査ユニット10および血液検査
装置40を用いる場合と同様にして行なうことができる。
【0113】次に図10を参照して、本発明の血液検査
ユニットを用いるさらに別の実施形態による血液検査装
置40Cについて説明する。この図10に示される血液検
査装置40Cは、図6に示した血液検査装置40と比較する
と、測光部47Cがより長い形に形成されて、その後端部
が光ガイド45から外に出ている点が異なるものである。
血液検査ユニット10としては、図6に示したものと同様
のものが用いられる。
【0114】上記構成の血液検査装置40Cを用いる場合
も、血液検査は基本的に、図6の血液検査装置40を用い
る場合と同様にして行なうことができる。
【0115】次に図11を参照して、本発明のさらに別
の実施形態による血液検査ユニット60について説明す
る。この図11に示される血液検査ユニット60は、一端
に底面を有する透明部材からなる角筒状の外筒61と、こ
の外筒61内にそれと摺動自在に組み合わされた同様に角
筒状の内筒62と、外筒61の一側面63に形成された円形の
開口64を閉じる血液導入部としてのゴム膜65と、外筒61
の内部において該外筒61の軸方向に沿って延びるように
配置された板状の血液成分分離膜66と、この血液成分分
離膜66の図中下面に固定された板状の試薬層67とを有し
ている。なお同図中では、試薬層67の明示のために、該
試薬層67を血液成分分離膜66から離して示してある。
【0116】上記外筒61および内筒62は、図6に示した
血液検査ユニット10の外筒11および内筒21と同様に、内
部に密閉空間を画成する。また、内筒62が外筒61から引
き抜く方向に(図中の右方に)動かされることにより、
上記密閉空間内が負圧に設定されるようになっている。
【0117】血液成分分離膜66は、基本的に図6に示し
た血液検査ユニット10の血液成分分離膜16と同様のもの
とされているが、ここでは特に厚手に形成されて、板状
のものとされている。
【0118】また試薬層67は、例えば空孔径が0.45μm
の支持体としての板状のニトロセルロース多孔質膜に、
互いに異なる複数種(一例として6種)の試薬が各々点
着されてなる検出スポット67a,67b、67c、67d、67
eおよび67fを有する。これら複数種の試薬は、血漿お
よび/または血清中の相異なる複数の物質とそれぞれ反
応して発色を呈するものである。この試薬層67は、上述
した通り血液成分分離膜66に固定されているので、該試
薬層67も外筒61の軸方向に沿って延びるものとなってい
る。
【0119】以下、上記血液検査ユニット60を用いる血
液検査について説明する。まず、採血作業について説明
する。その際には、該血液検査ユニット60内の密閉空間
が、内筒62を上述のように操作することによって負圧に
設定される。この状態で、例えばヒトの上腕部に一端が
刺された採血針30の他端を外筒61のゴム膜65に突き刺し
て、上記密閉空間内に導く。すると、この密閉空間内が
負圧になっていることにより、採血針30を通って全血31
が該密閉空間内に導入される。この全血31は、図示のよ
うに血液成分分離膜66の上に展開し、そのうちの固形成
分は血液成分分離膜66の上に捕捉され、また血漿および
/または血清は該血液成分分離膜66を透過する。血液成
分分離膜66を透過した血漿および/または血清は試薬層
67の上に展開し、この試薬層67の検出スポット67a〜67
fが、検査対象である血漿および/または血清中の特定
物質とそれぞれ反応して発色する。
【0120】なおこの血液検査ユニット60においても、
内筒62に空気導入孔26が設けられるとともに、この空気
導入孔26を閉じるシール27が貼着されている。それらに
より、この場合も、前述と同様の効果を得ることができ
る。
【0121】次に、検出スポット67a〜67fの光学濃度
測定について説明する。血液検査ユニット60は、図12
に要部を示す血液検査装置40Dにおいて測光操作にかけ
られる。図示される通りこの血液検査装置40Dは、血液
検査ユニット60の試薬層67の裏面(図11中での下面)
側から該試薬層67の検出スポット67a〜67fに測定光43
を照射する1対の光ガイド70、70と、上記検出スポット
67a,67b、67c、67d、67eおよび67fの直上に各々
位置するように配置された6個の屈折率分布型レンズ71
a,71b、71c、71d、71eおよび71fと、これらの屈
折率分布型レンズ71a〜71fの全てに対向するように配
置されたCCD等からなる2次元光検出器50とを備えて
いる。
【0122】なお、上記血液検査装置40Dと試薬層67と
の間には、図11に示す血液検査ユニット60の外筒61の
一つの側面が介在するが、図12ではこの外筒側面は省
略してある。
【0123】上記構成の血液検査装置40Dにおいて、試
薬層67に測定光43が照射されると、該試薬層67の各検出
スポット67a〜67fで反射した光が各々屈折率分布型レ
ンズ71a〜71fにより有効に集光され、よって各レンズ
71a〜71f毎に、つまり各検出スポット67a〜67f毎に
反射光量が測定される。したがってこの血液検査装置40
Dによれば、2次元光検出器50が出力する光検出信号S
に基づいて、発色している各検出スポット67a〜67fの
光学濃度を個別に検出することができる。
【0124】時間軸上で変化するこれらの光学濃度か
ら、各検出スポット67a〜67fと反応した特定物質の濃
度を求めるには、この場合も基本的に、先に説明した図
6の装置が採用した検量線を利用する手法を適用すれば
よい。
【0125】以上説明した血液検査装置40Dにおいて
は、血液検査ユニット60の試薬層67の裏面側、つまり試
薬層67に血漿および/または血清を供給する血液成分分
離膜66(図11参照)と反対側から測定光43の照射、お
よび反射光量の検出を行なうようにしているので、光ガ
イド70、70や屈折率分布型レンズ71a〜71f、さらには
2次元光検出器50が血液成分分離膜66と干渉することが
なく、よって、これらの光ガイド70、70や屈折率分布型
レンズ71a〜71fや2次元光検出器50のレイアウトが容
易になる。特に本装置においては、各検出スポット67a
〜67fにそれぞれ対応させて屈折率分布型レンズ71a〜
71fが設けられ、元々それらを配置するための自由度が
低いので、上記レイアウトが容易になる効果は特に顕著
で実用的価値が高いものとなる。この点は、後述する図
13、18、22の装置においても同様である。
【0126】またこの血液検査装置40Dにおいては、試
薬層67の各検出スポット67a〜67fに臨むようにそれぞ
れ屈折率分布型レンズ71a〜71fを配置しているので、
検出スポット67a〜67f以外の試薬層部分で散乱した測
定光が2次元光検出器50に検出されて、血液検査の精度
が損なわれることを防止できる。
【0127】ここで、上記の効果を確認するために行な
った実験の結果について説明する。試薬としてのブロム
フェノールブルー水溶液をニトロセルロース膜にスポッ
トして、試薬層を形成した。発色した検出スポットが一
定間隔で並んでいる状態になるように、検出スポットの
直径を500μm、ピッチを1mmとして、縦2点、横2
点で合計4点の検出スポットを形成した。測定光を発す
る光源にハロゲンランプ、光フィルターにHOYA株式会社
製のR-60を用いて上記検出スポットに測定光を照射し、
その反射光を各検出スポットに対して個別に屈折率分布
型レンズを設けて集光した際の各検出スポットからの反
射光量の平均を100としたとき、試薬層67の各検出スポ
ット67a〜67f以外の部分を黒く塗った実験用ユニット
を用いた場合も、各検出スポットからの反射光量の平均
は100となった。もし、上記屈折率分布型レンズからな
る集光光学系が、検出スポット67a〜67f以外の部分か
らの散乱光も集光しているならば、後者の場合の各検出
スポットからの反射光量の平均は100を下回る筈である
が、上述のような結果が出たことにより、集光光学系が
上記散乱光を集光していないことが確認された。この結
果は、光検出器として2次元光検出器50に代えて1次元
光検出器を用いる場合も同様に得られるものである。
【0128】次に図13を参照して、本発明の血液検査
ユニットを用いるさらに別の血液検査装置40Fについて
説明する。この図13に示される血液検査装置40Fは、
1列に配置された複数(一例として4個)の検出スポッ
ト67a,67b、67cおよび67dを有する試薬層67Fを対
象とするものであり、図12に示した血液検査装置40D
と比較すると、4個の屈折率分布型レンズ71a,71b、
71cおよび71dが1列に配設されている点、並びに光検
出器としてCCDリニアセンサ等からなる1次元光検出
器72が用いられている点が異なる。
【0129】この血液検査装置40Fにおいても、試薬層
67Fに測定光43が照射されると、該試薬層67Fの各検出
スポット67a〜67dで反射した光が各々屈折率分布型レ
ンズ71a〜71dにより有効に集光され、よって各レンズ
71a〜71d毎に、つまり各検出スポット67a〜67d毎に
反射光量が測定される。したがってこの血液検査装置40
Fによれば、1次元光検出器72が出力する光検出信号S
に基づいて、発色している各検出スポット67a〜67dの
光学濃度を個別に検出することができる。
【0130】時間軸上で変化するこれらの光学濃度か
ら、各検出スポット67a〜67dと反応した特定物質の濃
度を求めるには、この場合も基本的に、先に説明した図
6の装置が採用した検量線を利用する手法を適用すれば
よい。
【0131】次に図14を参照して、本発明のさらに別
の実施形態による血液検査ユニット80について説明す
る。この図14に示される血液検査ユニット80は、図1
1に示した血液検査ユニット60と比較すると、基本的
に、血液成分分離膜66Gが外筒61の底面68と平行に配置
され、それに対応してこの底面68に開口64が形成され、
そして外筒61の軸方向に延びる棒状の試薬層67Gが適用
されている点が異なるものである。なお上記試薬層67G
には、一例として5個の検出スポット67a,67b、67
c、67dおよび67eが形成されている。
【0132】この血液検査ユニット80においても、開口
64を閉じているゴム膜65に採血針30が突き刺されること
により、そこから全血が外筒61の内部に導入される。導
入された全血は血液成分分離膜66Gの上に展開し、固形
成分は該血液成分分離膜66Gに捕捉され、また血漿およ
び/または血清は該血液成分分離膜66Gを透過する。血
液成分分離膜66Gを透過した血漿および/または血清は
試薬層67G上をその長手方向に展開し、この試薬層67G
の検出スポット67a〜67eが、検査対象である血漿およ
び/または血清中の特定物質とそれぞれ反応して発色す
る。
【0133】これらの発色した検出スポット67a〜67e
の光学濃度を検出するには、例えば図13に示した血液
検査装置40Fと同様の基本構成を有する血液検査装置を
好適に用いることができる。
【0134】なおこの血液検査ユニット80においても、
内筒62に空気導入孔26が設けられるとともに、この空気
導入孔26を閉じるシール27が貼着されている。それらに
より、この場合も、前述と同様の効果を得ることができ
る。
【0135】次に図15は、本発明のさらに別の実施の
形態による血液検査ユニットにおける試薬層124を示す
ものである。この試薬層124においては、試薬を担持し
ている検出スポット24a、24b以外の部分が、黒色面12
4Bとされている。試薬層124をこのように形成しておけ
ば、検出スポット24a、24b以外の部分で散乱した測定
光が光検出手段に検出されて、血液検査の精度が損なわ
れることを防止できる。なお、検出スポット24a、24b
以外の部分を上述のような黒色面124Bとする代わり
に、黒色に近い暗い面、あるいは鏡面としておいても、
同様の効果を得ることができる。
【0136】ここで、上記の効果を確認するために行な
った実験の結果について説明する。試薬としてのブロム
フェノールブルー水溶液をニトロセルロース膜にスポッ
トして、試薬層を形成した。発色した検出スポットが一
定間隔で並んでいる状態になるように、検出スポットの
直径を500μm、ピッチを1mmとして、縦2点、横2
点、合計4点の検出スポットを形成した。測定光を発す
る光源にハロゲンランプ、光フィルターにHOYA株式会社
製のR-60を用いて上記検出スポットに測定光を照射し、
その反射光をCCDに導いた場合の各検出スポットから
の反射光量の平均を100としたとき、検出スポット以外
の部分を黒色に塗りつぶした場合の各検出スポットから
の反射光量の平均は97となり、検出スポット以外の部分
からの散乱光の影響を抑制できることが確認された。
【0137】次に図16は、本発明のさらに別の実施形
態による血液検査ユニットにおける試薬層167を示すも
のである。この試薬層167においては、試薬を担持して
いる検出領域167a、167b、167cおよび167dが短冊状
に形成されている。
【0138】次に図17を参照して、本発明のさらに別
の実施形態による血液検査ユニット110について説明す
る。この血液検査ユニット110は、図1に示した血液検
査ユニット10と比べると、外筒11と内筒21とが内部に画
成する密閉空間内が負圧状態になったときに、この両筒
11、21の状態を維持するロック機構が設けられている点
が異なるものである。このロック機構は、外筒11の内周
壁に形成されたL字状の係合溝111と、内筒21の外周壁
から突設されて上記係合溝111内に収められた係合突起1
21とから構成されている。
【0139】この血液検査ユニット110を使用する場合
は、内筒21を外筒11から離れる方向、つまり図17中で
下方に引いて(そのとき係合突起121は係合溝111の縦溝
部分内を移動する)上記密閉空間内を負圧状態にした
後、内筒21を同図中の矢印T方向に若干回転させると、
係合突起121が係合溝111の横溝部分内に誘い込まれる。
すると、内筒21はその軸方向には移動できなくなるの
で、両筒11、21が自然に元の状態、つまり内部が大気圧
になる状態に戻ることを防止できる。そうであれば、両
筒11、21がこの元の状態に戻らないようにそれらを指先
で保持しておく必要がなくなるので、該両筒11、21内へ
の血液検体の導入作業を簡単に行なえるようになる。
【0140】次に図18を参照して、本発明の血液検査
ユニットを用いるさらに別の血液検査装置について説明
する。同図は、この血液検査装置の受光光学系の部分の
正面形状を示すものである。この血液検査装置は、例え
ば図13に示したような試薬層67Fを有する血液検査ユ
ニットを用いて検査を行なうものであり、ここでは、検
出スポット67a〜67dからの反射光43Rを集光して1次
元光検出器72に導く集光光学系として、多数の屈折率分
布型レンズ171が1列に並設されてなるレンズアレイ170
が用いられている。
【0141】この構成においては、検出スポット67a〜
67dのうちの各々で反射した光43Rが複数(一例として
4個)の屈折率分布型レンズ171で効率良く集光され
て、1次元光検出器72に導かれるようになっている。
【0142】なお、上述のように1次元に配列された複
数のレンズで反射光43Rを集光する他、2次元に配列さ
れた複数のレンズで反射光43Rを集光する光学系も適用
可能である。
【0143】次に図21を参照して、本発明の血液検査
ユニットを用いるさらに別の血液検査装置について説明
する。同図は、この血液検査装置の送光光学系の部分の
斜視形状を示すものである。この血液検査装置は、互い
に異なる波長の測定光43を発する4個の発光ダイオード
244a、244b、244cおよび244dを有し、それらから発
せられた測定光43は各々コリメーターレンズ245a、245
b、245cおよび245dで平行光とされた後、各々バンド
パスフィルタ246a、246b、246cおよび246dに通され
るようになっている。
【0144】上記の各要素は全て移動台240に搭載さ
れ、この移動台240は駆動手段250によって、発光ダイオ
ード244a、244b、244cおよび244dの並び方向、つま
り図中の矢印M方向に移動可能となっている。また図6
中のものと同様に測定光43を伝搬させる光ガイド45が設
けられ、その光入射端面(前端面)の前には、チョッパ
251が配設されている。
【0145】上記の構成においては、移動台240を移動
させることにより、4つの発光ダイオード244a、244
b、244cおよび244dの内の1つが選択的に光ガイド45
の光入射端面に対向する状態に設定される。そこで、こ
の移動台240を適宜の時間間隔を置いて間欠的に移動さ
せることにより、互いに異なる4種の波長の測定光43を
光ガイド45の後端面から出射させて、図示外の血液検査
ユニットの試薬層に照射することができる。
【0146】なおこの構成においては、チョッパ251を
回転させて測定光43を遮る状態を作ることができる。そ
こで、この状態にした際に、図示外の光検出器(例えば
図6に示す2次元光検出器50等)が出力する光検出信号
Sを記憶させれば、それを試薬層における測定光43の反
射が0%である場合の光検出信号として、前述した光学
濃度の較正に利用することができる。
【0147】次に図22を参照して、本発明の血液検査
ユニットを用いるさらに別の血液検査装置について説明
する。この血液検査装置40Hは、図13に示した血液検
査装置40Fと比べると、1つの大きな光ガイド70の代わ
りに、試薬層67Fの4つの検出スポット67a、67b、67
cおよび67dに向けて個別に測定光43を出射する4つの
光ガイド70a、70b、70cおよび70dが用いられている
点が異なるものである。
【0148】このように4系統に分離された送光光学系
を用いれば、4つの検出スポット67a〜67dの各試薬に
適合するように分光された測定光を各検出スポット67a
〜67d毎に独立して照射可能となり、検査精度の向上が
実現される。
【0149】次に、本発明の血液検査ユニットを構成す
る要素の詳細について、一部その製造方法等も併せて説
明する。
【0150】まず、試薬層を構成する多孔質構造体の例
について説明する。本例では、ニトロセルロース膜ある
いはポリスルホン膜を用いて、そこにカレンダー方式で
多孔質構造体を形成する。互いの中心の間隔を500μm
にして配された直径300μmの64個(縦8個×横8個)
の孔を有する厚さ100μmのステンレス平板に、空孔径
が15μmのニトロセルロース膜(ミリポア・コーポレイ
ション製:STHF)を温度140℃、圧力500kg/cm
時間2分間の条件で熱圧着し、ステンレス平板の孔の中
に多孔質構造体を形成させた。ステンレス平板の孔の外
側に存在していた多孔質構造体の部分では、熱圧着によ
り多孔質が消滅して、白色膜が透明に変化し、水が浸透
しない構造(障壁)が形成された。
【0151】なお、上記ニトロセルロース膜に代えて、
同じくミリポア・コーポレイション製の空孔径が0.45μ
mのニトロセルロース膜(HA)や、富士写真フイルム株
式会社製の空孔径が0.5〜50μm(最小空孔径:1〜2
μm)の範囲にあるポリスルホン膜や、さらにはアセチ
ルセルロース、セルロース、ナイロン等からなる多孔質
膜を用いることも可能である。また、上記ステンレス平
板に代えて、ニッケル、銅、銀、金、白金等からなる金
属板、あるいはテフロン(登録商標)、ポリスチレン、
ポリエチレン等からなる樹脂板を用いることも可能であ
る。
【0152】以上のようにして形成される多孔質構造体
は、先に説明した各実施の形態における試薬層24、67、
67Fあるいは67Gを形成するために用いることができ
る。
【0153】なお、上に説明したような多孔質構造体に
試薬を保持させるには、例えば、市販のスポッタを使用
してそこに一例として1nl(ナノ・リットル)程度の
一定量の試薬をスポットし、その後該試薬を乾燥させて
検出スポットとする、といった手法を用いることができ
る。
【0154】また、上述のようにして検出スポットを形
成する際には、多孔質構造体の検出スポットとする領域
以外に水溶性試薬が浸透しないように予め障壁を形成し
ておくとよい。そのような障壁は、前記熱圧着の手法で
多孔質構造体を形成する場合は、先に説明の通り該熱圧
着によって自動的に形成されるが、多孔質構造体を形成
した後に、熱融着によって新たに形成することも可能で
ある。
【0155】さらには、この熱融着による他、必要な試
薬を予め含浸させた直径300μmの円形のニトロセルロ
ース膜あるいはポリスルホン膜を形成し、それらを、別
のニトロセルロース膜あるいはポリスルホン膜の上に互
いに所定間隔を置いて貼り付けて独立した試薬層を形成
することにより、それらの周囲部分には水溶性試薬が浸
透しない構造を形成することも可能である。
【0156】図2に示した血液成分分離膜16等の血液成
分分離膜は、試薬層がそこに押し当てられるような場合
には、損傷を防止するために、試薬層に接する側の表面
に破損防止膜を取り付けておくのが望ましい。それを確
かめるために、下記の実験を行なった。ポリスルホン膜
からなる血液成分分離膜に、直径200〜400μmの孔が1
mmピッチで空いている厚さ300〜400μmのナイロンメ
ッシュを貼り合わせた。これを直径10mmの円形に打ち
抜き、長さ20mm、内径10mmのプラスチック円筒の内
部に取り付け、ナイロンメッシュ側から、全血を50μl
(マイクロ・リットル)滴下した。そして、底面に直径
6mmのニトロセルロース膜を取り付けた外径6mmの
プラスチック円筒を上記円筒のポリスルホン膜側に差し
込み、このポリスルホン膜に300〜500kg/mの圧力
で接触させた。比較として、ナイロンメッシュを貼り合
わせないポリスルホン膜を使って、同様の操作を行なっ
た。
【0157】その結果、ナイロンメッシュを貼り合わせ
ない方のポリスルホン膜には損傷が生じたが、ナイロン
メッシュを貼り合わせた方のポリスルホン膜には損傷が
生じなかった。
【0158】次に本発明の血液検査ユニットを構成する
試薬層の、その他の具体例について説明する。
【0159】顕微鏡観察用の1インチ×3インチのスラ
イドガラスにミリポア・コーポレイション製の孔径0.45
μmのニトロセルロース多孔質膜を貼り付け、この膜の
上に、グルコースオキシダーゼ,ペルオキシダーゼ,
1,7−ジヒドロキシナフタレン,4−アミノアンチピ
リンを混ぜたpH5.5〜6.5に調製したMES緩衝
液を、マイクロスポッターを用いて直径約200μmのサ
イズで縦4個、横6個の合計24箇所に600μm間隔でス
ポットして乾燥させ、505nm付近を極大吸収波長とす
る色素系のグルコース検出スポットを作成した。
【0160】光源にハロゲンランプを用いて一定強度の
光を発生させ、この光を505nmの光を通過させる光フ
ィルターを用いて単色化させて測定光として用い、光源
から10〜30cm離した位置に試料台を固定し、この試料
台の上に置く上記ニトロセルロース多孔質膜と光源との
間の距離が一定になるようにした。そして、ニトロセル
ロース多孔質膜の上記グルコース検出スポットに測定光
を照射したときの反射光を、倍率10倍のレンズ系を通し
てCCD検出器に導く光学系を配置した。
【0161】外界からの光を遮った測光系内において、
測定光を遮ったときのCCD各素子の受光量を測定し、
これを0%反射のときの光量として記憶させた。次に上
記ニトロセルロース多孔質膜を設置する同じ場所に白色
板を置いてCCD各素子での受光量を測定し、これを10
0%反射のときの光量として記憶させた。
【0162】ニトロセルロース多孔質膜を所定の場所に
固定し、24点の検出スポットが確実に濡れるようにヒト
血清を点着し、波長505nmの光を照射させたまま、10
秒に1度ニトロセルロース多孔質膜からの反射光量を計
測し、発色した各スポットの光学濃度に換算した。血清
点着後約1分で各スポットの光学濃度が一定に達したの
で、そのときの光学濃度を終点として求めた。異なるグ
ルコース濃度に調製した複数の血清を同様にして点着す
ることで、グルコース濃度に対する光学濃度の検量線を
作成し、その検量線に基づいて、任意のヒト血清のグル
コース濃度を求めることができた。
【0163】次に、試薬層のさらに別の具体例について
説明する。黒色に色付けしたポリエチレン板あるいは表
面を黒色にしたステンレス板を用い、そこに直径200〜5
00μmの孔を直径の2倍の間隔で縦6個、横6個の合計
36個開けた、それらの孔のの中にニトロセルロース多
孔質膜を埋め込み、そこにグルコースオキシダーゼ,ペ
ルオキシダーゼ,1,7−ジヒドロキシナフタレン,4
−アミノアンチピリンを混ぜたpH5.5〜6.5に調
製したMES緩衝液を、マイクロスポッターを用いてス
ポットして乾燥させた。
【0164】この試薬層についても、上記と同様にし
て、ヒト血清のグルコース濃度を測定可能であることが
確認された。
【0165】次に、本発明の血液検査ユニットを用いる
血液検査装置を構成する要素について、さらに詳細に説
明する。
【0166】まず測定光を発する光源としては、前述し
た単色光あるいは白色光を発する発光ダイオードに限ら
ず、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の白色光源を用
いてもよい。また、測定光を単色化する手段としては、
中心波長±3nm程度の帯域の光を通過させる光学フィ
ルターを好適に用いることができる。しかしそれに限ら
ずに、発色した試薬の吸収波長の範囲の波長であるなら
ば、中心波長±30nm程度の光を通過させる比較的単色
度の悪いフィルターを用いてもよい。さらには、発色し
た試薬の吸収波長の範囲にある波長のみの光を発する単
色性の高い発光ダイオードや半導体レーザー等を、フィ
ルターを用いずに使用してもよい。
【0167】一方、試薬層で反射した光を検出する手段
としては、前述のCCDからなるものに限らず、フォト
ダイオードアレイ、オプティカルマルチアナライザー等
の同時複数点測光ができるものを用いてもよいし、光電
子増倍管などの単一点測光が可能なものを複数個並べて
使用してもよい。
【0168】試薬層における測定光の反射が0%である
場合の光検出信号Sを得るためには、図19に示したダ
ミーユニット10Kや図20に示したチョッパ251を利用
する他、試薬層に向かう測定光や、あるいは試薬層で反
射して光検出器に向かう光を遮るその他のあらゆる手段
を用いることができる。そのような手段としては、単純
に光を遮断する手段のみならず、光の干渉、屈折あるい
は回折を利用して光の強度や光路を変えるような手段も
適用可能である。さらに、光を光学的に遮ることはしな
いで、測定光を発する光源への電流供給を遮断し、その
ときの光検出器が出力する光検出信号Sを、反射が0%
である場合の光検出信号として扱うようにしてもよい。
【0169】また試薬層における測定光の反射が100%
である場合の光検出信号Sを得るためには、図19に示
したダミーユニット10Wの白板23Wを用いる他、光学濃
度が既知の灰色・青・緑・黄・赤色板に測定光を照射し
て、そのときの光検出信号Sから100%反射の場合の光
検出信号Sを換算して求めるようにしてもよい。
【0170】さらに、前述のダミーユニット10Kが備え
る黒板23Kと同様の黒板や、ダミーユニット10Wが備え
る白板23Wと同様の白板を試薬層24の一部に形成してお
き、それらに測定光を照射して、各々0%反射の場合、
100%反射の場合の光検出信号Sを得るようにしてもよ
い。
【0171】また、試薬層における発色反応の開始点を
血液検査装置に判断させる方法は、試薬層からの反射光
量を計測する方法に限らず、血液検査ユニットの一部あ
るいは全部を血液検査装置に直接的・間接的に接触させ
ることによって判断させてもよいし、血液検査ユニット
を血液検査装置に装填すると同時に行なうマニュアル操
作によって、発色反応開始を示す信号を該血液検査装置
に入力させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による血液検査ユニットを
示す分解斜視図
【図2】図1の血液検査ユニットの一部破断側面図
【図3】図1の血液検査ユニットの試薬層を示す平面図
【図4】図1の血液検査ユニットの採血時の状態を示す
一部破断側面図
【図5】図1の血液検査ユニットを用いる血液検査装置
を示す斜視図
【図6】図5の血液検査装置の詳細構成を示す一部破断
側面図
【図7】本発明の別の実施形態による血液検査ユニット
を示す一部破断側面図
【図8】本発明のさらに別の実施形態による血液検査ユ
ニットおよび、それを用いる血液検査装置を示す一部破
断側面図
【図9】本発明の血液検査ユニットを用いるさらに別の
血液検査装置を示す一部破断側面図
【図10】本発明の血液検査ユニットを用いるさらに別
の血液検査装置を示す一部破断側面図
【図11】本発明のさらに別の実施形態による血液検査
ユニットを示す斜視図
【図12】本発明の血液検査ユニットを用いるさらに別
の血液検査装置の要部を示す斜視図
【図13】本発明の血液検査ユニットを用いるさらに別
の血液検査装置の要部を示す斜視図
【図14】本発明のさらに別の実施形態による血液検査
ユニットを示す斜視図
【図15】本発明の血液検査ユニットを構成する試薬層
の別の例を示す平面図
【図16】本発明の血液検査ユニットを構成する試薬層
のさらに別の例を示す斜視図
【図17】本発明のさらに別の実施形態による血液検査
ユニットを示す斜視図
【図18】本発明の血液検査ユニットを用いるさらに別
の血液検査装置の要部を示す正面図
【図19】本発明の血液検査ユニットを適用する血液検
査装置に用いられるダミーユニットを示す斜視図
【図20】本発明の血液検査ユニットを適用する血液検
査装置に用いられる別のダミーユニットを示す斜視図
【図21】本発明の血液検査ユニットを用いるさらに別
の血液検査装置の要部を示す斜視図
【図22】本発明の血液検査ユニットを用いるさらに別
の血液検査装置の要部を示す斜視図
【符号の説明】
10、10A、10B 血液検査ユニット 10W、10K、10D ダミーユニット 11 外筒 13 外筒の開口 14 外筒の上底面 15 ゴム膜 16 血液成分分離膜 17 外筒の係止部 21 内筒 23 内筒の底面 23W 白板 23K 黒板 24 試薬層 24a グルコース検出スポット 24b 尿酸検出スポット 24c バーコード 25 Oリング 26 空気導入孔 27 シール 40、40A、40B、40C、40D、40F、40H 血液検査
装置 42 ユニット受承部 43 測定光 43R 反射光 44 光源ユニット 45 光ガイド 46 フィルタユニット 47、47C 測光部 48 対物レンズ 49 結像レンズ 50 2次元光検出器 51 信号処理部 52 表示部 53 制御部 55 測光部 56 結像レンズ 60 血液検査ユニット 61 外筒 62 内筒 63 外筒の側面 64 外筒の開口 65 ゴム膜 66、66G 血液成分分離膜 67、67F、67G 試薬層 67a〜67f 検出スポット 68 外筒の底面 70、70a、70b、70c、70d 光ガイド 71a〜71f 屈折率分布型レンズ 72 1次元光検出器 80、110 血液検査ユニット 111 係合溝 121 係合突起 124 試薬層 124B 黒色面 167 試薬層 167a、167b、167c、167d 試薬層の検出領域 171 屈折率分布型レンズ 170 レンズアレイ 210D ダミーユニット 224 バーコード 244a、244b、244c、244d 発光ダイオード 245a、245b、245c、245d コリメーターレンズ 246a、246b、246c、246d バンドパスフィルタ 251 チョッパ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月21日(2002.11.
21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 秀明 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 境野 佳樹 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 寺島 薫 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2G045 BA08 BB04 GC12 HB06 2G054 AA07 BB02 CA30 EA10 FA32 GA03 GA10 4D006 GA02 HA42 JA14Z JA30Z KD30 MA03 MA22 MC62 PA05 PB09 PC41

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液検体から血漿および/または血清を
    分離させる、実質的にポリスルホン膜のみからなる血液
    成分分離膜と、 この血液成分分離膜に接触して、血液検体から分離され
    た血漿および/または血清を展開させる部分を有し、こ
    の部分に血漿および/または血清と反応して発色する試
    薬が担持されてなる試薬層とを備えてなる血液検査ユニ
    ット。
  2. 【請求項2】 前記ポリスルホン膜の空孔の径が0.5〜5
    0μmの範囲にあることを特徴とする請求項2記載の血
    液検査ユニット。
  3. 【請求項3】 前記試薬層の血漿および/または血清を
    展開させる部分が、前記血液成分分離膜と略平行に配置
    された膜状のものであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の血液検査ユニット。
  4. 【請求項4】 前記試薬層の血漿および/または血清を
    展開させる部分が、前記血液成分分離膜と交わる方向に
    延びて、その一端が前記血液成分分離膜に接触し得る状
    態に配置された棒状あるいは板状のものであることを特
    徴とする請求項1または2記載の血液検査ユニット。
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