WO2024135701A1

WO2024135701A1 - 着用物品の製造装置

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Publication number: WO2024135701A1
Application number: PCT/JP2023/045566
Authority: WO
Inventors: 晋本下; 英征根津
Original assignee: 株式会社瑞光
Priority date: 2022-12-23
Filing date: 2023-12-19
Publication date: 2024-06-27

Abstract

着用物品（１１）の製造装置（１）では、切断装置（３）は、切断ロール（５）と、切断ロール（５）に取り付けられた第１切断部（５４）及び第２切断部（５５）と、を有している。切断ロール（５）を制御するコントローラ（６）は、第１切断部（５４）を選択切断部とし第２切断部（５５）を非選択切断部とする第１モードと、第２切断部（５５）を選択切断部とし第１切断部（５４）を非選択切断部とする第２モードとを切り換え可能に構成される。コントローラ（６）は、第１モード及び第２モードの各々において、選択切断部が着用物品連続シート（ＳＨ）における弾性部材（１３）の中間部分（１３３）を切断し、且つ、非選択切断部が着用物品連続シート（ＳＨ）におけるレッグホール形成領域（１４）内に臨むように、切断ロール（５）の回転速度を制御する。

Description

着用物品の製造装置

　本発明は、着用物品の製造装置に関する。

　着用者の後背部から股下部を介して前腹部に亘って配置される基部と、基部に接合された弾性部材とを有する着用物品が、従来から知られている。この種の着用物品として、基部が着用者の脚周りに対応して湾曲した一対の湾曲部を有し、弾性部材が基部における一対の湾曲部の間の領域を経由して幅方向の両端部間に亘って延びるように基部に接合されたものがある。

　特許文献１には、上記の着用物品の製造に関する技術が開示されている。特許文献１に開示される技術では、基部と弾性部材とが所定の連続方向に連続した連続シートを搬送しつつ、連続シートにおける弾性部材の中間部分を切断装置により切断する。

　着用者の体型は様々であることから、基部のサイズが異なる複数種の着用物品を製造する必要がある。基部のサイズが異なると、弾性部材における切断対象の中間部分の基部に対する位置も異なる場合がある。この場合、搬送される連続シートにおける基部のサイズに応じて、切断装置の仕様を変更したり、複数の切断装置を切り替えて使用したりする必要がある。この場合、基部のサイズが異なる複数種の着用物品を効率よく製造することが困難であるという問題が生じる。

特許第４４０２１７２号公報

　本発明の目的は、基部のサイズが異なる複数種の着用物品を効率よく製造することが可能な製造装置を提供することである。

　本発明の一の局面に係る着用物品の製造装置は、着用者の後背部から股下部を介して前腹部に亘って配置される基部と、前記基部に接合された弾性部材と、を有する着用物品を製造するための装置である。この製造装置は、前記基部と前記弾性部材とが所定の連続方向に連続する着用物品連続シートを前記連続方向に沿って搬送する搬送装置と、前記搬送装置により搬送された前記着用物品連続シートにおいて前記連続方向に間隔を空けて設定された複数のレッグホール形成領域同士の間に位置する前記弾性部材の中間部分を切断するための第１切断部と、前記第１切断部が取り付けられているとともに前記第１切断部が間欠的に前記着用物品連続シートに臨むように前記連続方向と直交する回転軸を中心として回転する切断ロールと、を有する切断装置と、前記切断ロールの回転速度を制御するコントローラと、を備える。前記切断装置は、前記回転軸を中心とする周方向、及び、前記回転軸と平行な軸方向において前記第１切断部と異なる位置で前記切断ロールに取り付けられた第２切断部を有している。前記コントローラは、前記第１切断部を選択切断部に設定するとともに前記第２切断部を非選択切断部に設定する第１モードと前記第２切断部を選択切断部に設定するとともに前記第１切断部を非選択切断部に設定する第２モードとを切り換え可能に構成されているとともに、前記第１モード及び前記第２モードの各々において前記選択切断部が前記弾性部材の前記中間部分を切断し、且つ、前記非選択切断部が前記着用物品連続シートにおける前記レッグホール形成領域内に臨むように、前記切断ロールの回転速度を制御する。

　本発明によれば、基部のサイズが異なる複数種の着用物品を効率よく製造することが可能な製造装置を提供することができる。

　本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

本発明の実施形態に係る着用物品の製造装置の構成を概略的に示す図である。製造装置に備えられる搬送装置により搬送される着用物品連続シートを示す図であって、複数種の着用物品連続シートのうちのＳサイズシート及びＭサイズシートを示す図である。製造装置に備えられる搬送装置により搬送される着用物品連続シートを示す図であって、複数種の着用物品連続シートのうちのＬサイズシート及びＸＬサイズシートを示す図である。製造装置に備えられる切断装置、コントローラ及び記憶ユニットを概略的に示す図である。切断装置におけるアンビルロール及び切断ロールを軸方向に見た図である。切断ロールに取り付けられた第１切断部及び第２切断部を示す図であって、切断ロールを軸方向と直交する方向に見た平面図である。切断ロールの周速と着用物品連続シートの搬送長さとの関係を示すグラフであって、Ｓサイズシート及びＭサイズシートがそれぞれ搬送された場合のグラフである。切断ロールの周速と着用物品連続シートの搬送長さとの関係を示すグラフであって、Ｌサイズシート及びＸＬサイズシートがそれぞれ搬送された場合のグラフである。

　以下、本発明の実施形態に係る着用物品の製造装置について図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。

　図１に示される製造装置１は、着用物品１１を製造するための装置である。製造装置１の構成を説明するに先立って、製造装置１による製造対象の着用物品１１について説明する。

　着用物品１１は、例えば、着用者に着用されるおむつ等の物品に適用される帯状の部材である。着用物品１１は、着用者の後背部から股下部を介して前腹部に亘って配置される基部１２と、基部１２に接合された弾性部材１３と、を有している。

　基部１２は、例えば不織布によって長手方向Ｈ２に延びるシート状に形成され、長手方向Ｈ２と直交する幅方向Ｈ１の両端部に、着用者の脚周りに対応して幅方向Ｈ１の内側に湾曲した一対の第１湾曲部１２１及び第２湾曲部１２２を有している。第１湾曲部１２１は、基部１２の幅方向Ｈ１の一方側の端部に設けられ、第２湾曲部１２２は、基部１２の幅方向Ｈ１の他方側の端部に設けられる。弾性部材１３は、伸縮可能な線状の部材であり、基部１２における第１湾曲部１２１と第２湾曲部１２２との間の領域を経由して幅方向Ｈ１の両端部間に亘って延びるように、基部１２に接合される。弾性部材１３は、伸長状態で基部１２に接合される。

　弾性部材１３は、基部１２における第１湾曲部１２１に沿って延びる第１湾曲部分１３１と、基部１２における第２湾曲部１２２に沿って延びる第２湾曲部分１３２と、基部１２における第１湾曲部１２１と第２湾曲部１２２との間の領域内を幅方向Ｈ１に沿って直線状に延び、第１湾曲部分１３１と第２湾曲部分１３２とを接続する中間部分１３３と、を有している。基部１２に弾性部材１３が接合された着用物品１１は、着用者の脚の付け根に対して弾性的に密着する。これにより、着用物品１１の外部に尿等が流出するのを抑制することができる。

　本実施形態では、基部１２における着用者の後背部を覆う部分と、基部１２における着用者の前腹部を覆う部分とにそれぞれ対応して、弾性部材１３が接合されている。すなわち、基部１２における着用者の後背部を覆う部分に対応して第１の弾性部材１３が接合されるとともに、基部１２における着用者の前腹部を覆う部分に対応して第２の弾性部材１３が接合される。そして、第１の弾性部材１３と第２の弾性部材１３との少なくともいずれか一方の弾性部材１３の中間部分１３３が、切断されることにより弱化されている。本実施形態では、第１の弾性部材１３の中間部分１３３が切断されることにより弱化されている。この場合、基部１２における第１湾曲部１２１と第２湾曲部１２２との間の領域内の後背部側の部分では、第１の弾性部材１３による弾性力が弱められる。これにより、基部１２の第１湾曲部１２１と第２湾曲部１２２との間の領域に吸収体１５が接合される場合には、その吸収体１５の縮みを抑制することができる。

　吸収体１５は、基部１２における第１湾曲部１２１と第２湾曲部１２２との間の領域に接合される。吸収体１５は、例えば、不織布と、不織布に担持される高吸水性ポリマー（ＳＡＰ：Ｓｕｐｅｒ　Ａｂｓｏｂｅｎｔ　Ｐｏｌｙｍｅｒ）とによって構成される。高吸水性ポリマーは、吸水性を有する吸水性物質であり、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等が用いられる。

　図１に示されるように、着用物品１１の製造装置１は、搬送装置２と切断装置３とを備える。

　搬送装置２は、着用物品１１を構成する基部１２と弾性部材１３とが、基部１２の幅方向Ｈ１に対応した連続方向に連続する着用物品連続シートＳＨを、連続方向に沿って搬送する装置である。着用物品連続シートＳＨは、着用物品１１を構成する基部１２と弾性部材１３とが基部１２の幅方向Ｈ１に沿って連続して並ぶような形態のシートである。搬送装置２は、複数の基部１２が幅方向Ｈ１に沿って連続した基部連続シートＳＨＨを一対のロール２１間のニップ部に通過させながら搬送し、当該搬送された基部連続シートＳＨＨに対して第１及び第２の弾性部材１３を伸長状態で接合することにより着用物品連続シートＳＨを製造し、その製造した着用物品連続シートＳＨを、基部１２の幅方向Ｈ１に対応した連続方向に沿ったシート搬送方向ＨＴに所定の搬送速度ＳＳで搬送する。

　切断装置３は、搬送装置２のシート搬送方向ＨＴの下流側に配置される。切断装置３は、所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨにおける切断対象となる第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断する。詳細については後述するが、切断装置３は、所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨに接触するように配置され、第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断するための第１切断部５４及び第２切断部５５が取り付けられた切断ロール５を含む。切断装置３では、切断ロール５上の第１切断部５４及び第２切断部５５のいずれか一方の切断部が、着用物品連続シートＳＨにおける第１の弾性部材１３の中間部分１３３に接触することにより、当該中間部分１３３を切断する。

　製造装置１は、搬送装置２及び切断装置３によって、基部１２に弾性部材１３が接合されるとともに弾性部材１３の中間部分１３３が切断された着用物品１１を製造することができる。

　図２及び図３に示されるように、搬送装置２は、複数種の着用物品連続シートＳＨを搬送する。着用物品１１を構成する基部１２と弾性部材１３とが基部１２の幅方向Ｈ１に沿った連続方向に連続して並ぶ形態の着用物品連続シートＳＨにおいては、基部１２の第１湾曲部１２１及び第２湾曲部１２２で囲まれた領域で規定される複数のレッグホール形成領域１４が、連続方向に間隔を空けて設定されている。この場合、着用物品連続シートＳＨにおける第１及び第２の弾性部材１３の中間部分１３３は、複数のレッグホール形成領域１４同士の間に位置している。

　複数種の着用物品連続シートＳＨでは、シート搬送方向ＨＴに沿った基部１２の幅方向Ｈ１の幅寸法Ｌ１が異なるとともに、切断装置３による切断対象となる第１の弾性部材１３の中間部分１３３の位置が基部１２の長手方向Ｈ２において異なる。搬送装置２は、複数種の着用物品連続シートＳＨとして、第１の弾性部材１３の中間部分１３３が基部１２の長手方向Ｈ２の中央部から第１範囲Ｒ１内で離間した第１シートＳＨ１と、第１の弾性部材１３の中間部分１３３が基部１２の長手方向Ｈ２の中央部から第１範囲Ｒ１よりも内側の第２範囲Ｒ２内で離間した第２シートＳＨ２と、を搬送する。第１シートＳＨ１は、Ｓサイズシート、Ｍサイズシート及びＬサイズシートを含み、第２シートＳＨ２は、ＸＬサイズシートを含む。

　Ｓサイズシートにおいては、基部１２の幅方向Ｈ１の幅寸法Ｌ１が例えば５００ｍｍであり、基部１２の長手方向Ｈ２の長手寸法Ｌ２が例えば８８０ｍｍであり、第１の弾性部材１３の中間部分１３３が基部１２の長手方向Ｈ２の中央部に対して２９．５ｍｍから６９．５ｍｍの第１範囲Ｒ１内で離間している。Ｍサイズシートにおいては、基部１２の幅方向Ｈ１の幅寸法Ｌ１が例えば５８０ｍｍであり、基部１２の長手方向Ｈ２の長手寸法Ｌ２が例えば８８０ｍｍであり、第１の弾性部材１３の中間部分１３３が基部１２の長手方向Ｈ２の中央部に対して２９．５ｍｍから６９．５ｍｍの第１範囲Ｒ１内で離間している。Ｌサイズシートにおいては、基部１２の幅方向Ｈ１の幅寸法Ｌ１が例えば７２０ｍｍであり、基部１２の長手方向Ｈ２の長手寸法Ｌ２が例えば９３０ｍｍであり、第１の弾性部材１３の中間部分１３３が基部１２の長手方向Ｈ２の中央部に対して２９．５ｍｍから５９．５ｍｍの第１範囲Ｒ１内で離間している。ＸＬサイズシートにおいては、基部１２の幅方向Ｈ１の幅寸法Ｌ１が例えば８００ｍｍであり、基部１２の長手方向Ｈ２の長手寸法Ｌ２が例えば９８０ｍｍであり、第１の弾性部材１３の中間部分１３３が基部１２の長手方向Ｈ２の中央部に対して２０．０ｍｍから３５．０ｍｍの第２範囲Ｒ２内で離間している。

　また、着用物品連続シートＳＨにおいては、第１の弾性部材１３の中間部分１３３上に、切断装置３の切断ロール５上の第１切断部５４又は第２切断部５５による切断の目標位置を示す切断目標部位１６が設定される。切断目標部位１６は、例えば、第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の、基部１２の幅方向Ｈ１の中央位置に設定される。更に、着用物品連続シートＳＨにおいては、レッグホール形成領域１４内に、切断ロール５上の第１切断部５４及び第２切断部５５の接触の回避が可能な接触回避部位１７が設定される。

　着用物品連続シートＳＨがＳサイズシートである場合、接触回避部位１７は、基部１２の第１湾曲部１２１及び第２湾曲部１２２のうち、シート搬送方向ＨＴの上流側の第２湾曲部１２２で囲まれた範囲で規定されるレッグホール形成領域１４内に設定される。また、切断目標部位１６は、第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の、基部１２の幅方向Ｈ１の中央位置に設定される。この場合、Ｓサイズシートにおいては、基部１２のシート搬送方向ＨＴの下流側の端部と切断目標部位１６との間のシート搬送方向ＨＴに沿った長さを示す搬送先端側長さＭ１は２５０ｍｍであり、切断目標部位１６と接触回避部位１７との間のシート搬送方向ＨＴに沿った長さを示す部位間長さＭ２は２００ｍｍであり、基部１２のシート搬送方向ＨＴの上流側の端部と接触回避部位１７との間のシート搬送方向ＨＴに沿った長さを示す搬送後端側長さＭ３は５０ｍｍである。

　着用物品連続シートＳＨがＭサイズシートである場合、接触回避部位１７は、基部１２の第１湾曲部１２１及び第２湾曲部１２２のうち、シート搬送方向ＨＴの上流側の第２湾曲部１２２で囲まれた範囲で規定されるレッグホール形成領域１４内に設定される。また、切断目標部位１６は、第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の、基部１２の幅方向Ｈ１の中央位置に設定される。この場合、Ｍサイズシートにおいては、搬送先端側長さＭ１は２９０ｍｍであり、部位間長さＭ２は２００ｍｍであり、搬送後端側長さＭ３は９０ｍｍである。

　着用物品連続シートＳＨがＬサイズシートである場合、接触回避部位１７は、基部１２の第１湾曲部１２１及び第２湾曲部１２２のうち、シート搬送方向ＨＴの上流側の第２湾曲部１２２で囲まれた範囲で規定されるレッグホール形成領域１４内に設定される。また、切断目標部位１６は、第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の、基部１２の幅方向Ｈ１の中央位置に設定される。この場合、Ｌサイズシートにおいては、搬送先端側長さＭ１は３６０ｍｍであり、部位間長さＭ２は２００ｍｍであり、搬送後端側長さＭ３は１６０ｍｍである。

　着用物品連続シートＳＨがＸＬサイズシートである場合、接触回避部位１７は、基部１２の第１湾曲部１２１及び第２湾曲部１２２のうち、シート搬送方向ＨＴの下流側の第１湾曲部１２１で囲まれた範囲で規定されるレッグホール形成領域１４内に設定される。また、切断目標部位１６は、第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の、基部１２の幅方向Ｈ１の中央位置に設定される。この場合、ＸＬサイズシートにおいては、基部１２のシート搬送方向ＨＴの下流側の端部と接触回避部位１７との間のシート搬送方向ＨＴに沿った長さを示す搬送先端側長さＭ１は２００ｍｍであり、切断目標部位１６と接触回避部位１７との間のシート搬送方向ＨＴに沿った長さを示す部位間長さＭ２は２００ｍｍであり、基部１２のシート搬送方向ＨＴの上流側の端部と切断目標部位１６との間のシート搬送方向ＨＴに沿った長さを示す搬送後端側長さＭ３は４００ｍｍである。

　複数種の着用物品連続シートＳＨにおいて、搬送先端側長さＭ１及び搬送後端側長さＭ３は基部１２の幅寸法Ｌ１に応じて異なっており、部位間長さＭ２は基部１２の幅寸法Ｌ１によらず同一である。

　搬送装置２は、複数種の着用物品連続シートＳＨについて、基部１２の幅寸法Ｌ１によらず一定の搬送速度ＳＳでシート搬送方向ＨＴに着用物品連続シートＳＨを搬送する。すなわち、搬送装置２は、着用物品連続シートＳＨの種類によらず一定の搬送速度ＳＳで着用物品連続シートＳＨを搬送する。

　図４に示されるように、製造装置１は、アンビルロール４及び切断ロール５を有する切断装置３と、切断装置３における切断ロール５の回転を制御するコントローラ６と、切断ロール５の回転速度に関する速度特性を予め記憶する記憶ユニット６１と、を備える。

　切断装置３は、アンビルロール４と切断ロール５とを有している。アンビルロール４は、所定の搬送速度ＳＳでシート搬送方向ＨＴに搬送される着用物品連続シートＳＨの上方に配置され、シート搬送方向ＨＴと直交する方向である着用物品連続シートＳＨにおける基部１２の長手方向Ｈ２に沿って延びる円柱形状のロールである。

　切断ロール５は、所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨに接触するように、アンビルロール４に対して下方側に対向配置される。切断ロール５は、着用物品連続シートＳＨにおいて基部１２と弾性部材１３とが連続する連続方向に沿ったシート搬送方向ＨＴと直交する回転軸５１を中心として回転可能である。切断ロール５は、駆動モータ５１１の駆動力を受けて回転軸５１を中心として回転する。所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨは、アンビルロール４と切断ロール５との間を通過し、この通過中に切断ロール５に接触する。図５に示されるように、着用物品連続シートＳＨが切断ロール５に接触することに応じた切断ロール５による切断位置５Ｐ１は、回転軸５１と平行な軸方向ＨＲ２に見て、アンビルロール４の軸心と切断ロール５の軸心とを通る直線上に位置している。

　図５及び図６に示されるように、切断ロール５には、着用物品連続シートＳＨにおける第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断するための部位として、第１切断部５４と第２切断部５５とが取り付けられている。

　第１切断部５４は、切断ロール５の外周面上に露出するように第１位置決め部５２によって位置決めされた状態で切断ロール５に取り付けられている。図６に示されるように、第１切断部５４は、切断ロール５の外周面上において軸方向ＨＲ２の一端部に設けられ、複数の第１切断刃５４１を有している。第１切断部５４は、複数種の着用物品連続シートＳＨのうち第１シートＳＨ１における第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断するために設けられている。

　第２切断部５５は、切断ロール５の外周面上に露出するように第２位置決め部５３によって位置決めされた状態で切断ロール５に取り付けられている。図５及び図６に示されるように、第２切断部５５は、回転軸５１を中心とする周方向ＨＲ１、及び、回転軸５１と平行な軸方向ＨＲ２において第１切断部５４と異なる位置で切断ロール５に取り付けられている。具体的には、第２切断部５５は、第１切断部５４に対して周方向ＨＲ１に離間するとともに軸方向ＨＲ２に中央寄りにずれた位置に設けられ、複数の第２切断刃５５１を有している。第２切断部５５は、複数種の着用物品連続シートＳＨのうち第２シートＳＨ２における第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断するために設けられている。

　切断ロール５は、第１切断部５４及び第２切断部５５が間欠的に着用物品連続シートＳＨに臨むように、回転軸５１を中心として回転する。

　図５に示されるように、切断ロール５の外周面上には、切断ロール５の回転の基準となる回転基準位置５Ｐ２Ｓ，５Ｐ２Ｍ，５Ｐ２Ｌ，５Ｐ２ＸＬが、着用物品連続シートＳＨの種類ごとに設定される。Ｓサイズシートに対応して切断ロール５上に回転基準位置５Ｐ２Ｓが設定され、Ｍサイズシートに対応して切断ロール５上に回転基準位置５Ｐ２Ｍが設定され、Ｌサイズシートに対応して切断ロール５上に回転基準位置５Ｐ２Ｌが設定され、ＸＬサイズシートに対応して切断ロール５上に回転基準位置５Ｐ２ＸＬが設定される。以下では、回転基準位置５Ｐ２Ｓ，５Ｐ２Ｍ，５Ｐ２Ｌ，５Ｐ２ＸＬを総称する場合には、回転基準位置５Ｐ２という。

　また、切断ロール５の回転方向ＨＲ３は、切断ロール５が回転軸５１を中心として回転したときに回転基準位置５Ｐ２、第１切断部５４、及び第２切断部５５の順に切断位置５Ｐ１を通過するように、設定される。

　なお、既述の通り、着用物品連続シートＳＨに設定された切断目標部位１６と接触回避部位１７との間の部位間長さＭ２は、基部１２の幅寸法Ｌ１によらず同一である。この場合、部位間長さＭ２は、下記式（１）により算出される値に設定される。

　式（１）中、「Ｄ」は切断ロール５の直径を示し、「θ」は切断ロール５の回転軸５１を中心とした第１切断部５４と第２切断部５５との成す角度を示す。第１切断部５４と第２切断部５５との成す角θは、切断ロール５が回転方向ＨＲ３に回転するときに、第１切断部５４が切断位置５Ｐ１に到達してから第２切断部５５が切断位置５Ｐ１に到達するまでの間の切断ロール５の回転角に対応した角度である。

　式（１）を満たす部位間長さＭ２は、切断ロール５における第１切断部５４と第２切断部５５との間の周方向ＨＲ１に沿った長さと同一となる。

　コントローラ６は、駆動モータ５１１の駆動を制御することにより、切断ロール５の回転軸５１を中心とした回転を制御する。コントローラ６は、第１モードと第２モードとを切り換え可能に構成されている。第１モードは、搬送装置２により搬送される着用物品連続シートＳＨが第１シートＳＨ１である場合に設定されるモードである。一方、第２モードは、搬送装置２により搬送される着用物品連続シートＳＨが第２シートＳＨ２である場合に設定されるモードである。コントローラ６は、第１モードにおいて、第１切断部５４を選択切断部に設定するとともに、第２切断部５５を非選択切断部に設定する。また、コントローラ６は、第２モードにおいて、第２切断部５５を選択切断部に設定するとともに、第１切断部５４を非選択切断部に設定する。そして、コントローラ６は、第１モード及び第２モードの各々において、選択切断部が第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断し、且つ、非選択切断部が着用物品連続シートＳＨにおけるレッグホール形成領域１４内に臨むように、切断ロール５の回転速度を制御する。

　基部１２のサイズが異なるとともに切断対象の第１の弾性部材１３の中間部分１３３の位置が連続方向と直交する方向において異なる複数種の着用物品連続シートＳＨがそれぞれ搬送される場合、コントローラ６は、着用物品連続シートＳＨの種類に応じて第１モードと第２モードとの間でモードを切り換えて、切断ロール５の回転速度を制御することができる。これにより、複数種の着用物品連続シートＳＨのそれぞれに対応して、第１モード及び第２モードのモードごとに設定された、第１切断部５４及び第２切断部５５から選択された選択切断部によって、第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断することができる。すなわち、着用物品連続シートＳＨの種類に応じたモードで切断ロール５の回転速度が制御されることで、１本の切断ロール５で複数種の着用物品連続シートＳＨのそれぞれに対応して第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断することができる。これにより、着用物品連続シートＳＨの種類ごとに切断ロール５を交換するなどの作業を行う必要はなくなるので、基部１２のサイズが異なる複数種の着用物品１１を効率よく製造することが可能となる。

　また、コントローラ６は、第１モード及び第２モードの各々において選択切断部が第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断し、且つ、非選択切断部が着用物品連続シートＳＨにおけるレッグホール形成領域１４内に臨むように、切断ロール５の回転速度を制御する。この場合、搬送される着用物品連続シートＳＨにおけるレッグホール形成領域１４が切断ロール５による切断位置５Ｐ１に到達したときには、第１切断部５４及び第２切断部５５のうちの非選択切断部が着用物品連続シートＳＨに臨む切断位置５Ｐ１に到達する。着用物品連続シートＳＨにおけるレッグホール形成領域１４は、製造対象の着用物品１１を構成する基部１２及び弾性部材１３が存在しない開口領域である。このため、着用物品連続シートＳＨにおけるレッグホール形成領域１４が切断位置５Ｐ１に到達した状態において、着用物品連続シートＳＨにおいて着用物品１１を構成する基部１２及び弾性部材１３に対応した部分が、切断ロール５上の非選択切断部に接触することが回避される。これにより、着用物品連続シートＳＨにおける切断対象の第１の弾性部材１３の中間部分１３３以外の切断による損傷を回避することができる。このため、製造される着用物品１１の品質の低下を防止することができる。

　図５、図７及び図８を参照しながら、記憶ユニット６１について説明する。記憶ユニット６１は、着用物品連続シートＳＨの種類ごとに、切断ロール５の回転周期Ｔと、切断ロール５上の回転基準位置５Ｐ２と、回転周期Ｔにおける切断ロール５の回転速度の速度特性と、を予め記憶する。この場合、記憶ユニット６１は、コントローラ６が設定する第１モード及び第２モードのモードごとに、切断ロール５の回転周期Ｔと、切断ロール５上の回転基準位置５Ｐ２と、回転周期Ｔにおける切断ロール５の回転速度の速度特性と、を予め記憶することになる。

　切断ロール５の回転周期Ｔは、切断ロール５の回転に応じて選択切断部が着用物品連続シートＳＨに臨む切断位置５Ｐ１に到達する周期が、搬送装置２により搬送された着用物品連続シートＳＨにおける第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の切断目標部位１６が切断位置５Ｐ１に到達する切断目標到達周期と一致するように、設定される。切断目標到達周期は、着用物品連続シートＳＨにおいて連続する基部１２の連続方向に沿った幅寸法Ｌ１と着用物品連続シートＳＨの搬送速度ＳＳとに基づいて、決定される。このため、切断ロール５の回転周期Ｔは、着用物品連続シートＳＨにおける基部１２の幅寸法Ｌ１と、着用物品連続シートＳＨの搬送速度ＳＳとに基づく下記式（２）に従って設定される。

　切断ロール５の回転周期Ｔは、上記式（２）に従って着用物品連続シートＳＨにおける基部１２の幅寸法Ｌ１に応じて設定されるため、着用物品連続シートＳＨの種類ごとに異なっている。この場合、第１モードにおける回転周期Ｔと、第２モードにおける回転周期Ｔとは、搬送装置２により搬送された着用物品連続シートＳＨにおける第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の切断目標部位１６が切断位置５Ｐ１に到達する切断目標到達周期に応じて、異なる値に設定される。

　切断ロール５上の回転基準位置５Ｐ２は、切断ロール５の回転軸５１の軸心を中心とした回転基準位置５Ｐ２と第１切断部５４との成す角θＳが、基部１２の幅寸法Ｌ１、搬送先端側長さＭ１、部位間長さＭ２、及び、第１切断部５４と第２切断部５５との成す角θに基づく下記式（３）を満たすように、設定される。

　回転基準位置５Ｐ２と第１切断部５４との成す角θＳは、切断ロール５が回転方向ＨＲ３に回転するときに、回転基準位置５Ｐ２が切断位置５Ｐ１に到達してから第１切断部５４が切断位置５Ｐ１に到達するまでの間の切断ロール５の回転角に対応した角度である。

　記憶ユニット６１に記憶された切断ロール５の回転速度の速度特性は、切断ロール５が回転軸５１を中心として回転方向ＨＲ３に回転する回転周期Ｔにおける、切断ロール５の周速に関する特性である。

　切断ロール５が１回転（３６０度回転）する回転周期Ｔにおいて、回転基準位置５Ｐ２が切断位置５Ｐ１に到達してから第１切断部５４が切断位置５Ｐ１に到達するまでの期間を第１期間Ｔ１とし、第１切断部５４が切断位置５Ｐ１に到達してから第２切断部５５が切断位置５Ｐ１に到達するまでの期間を第２期間Ｔ２とし、第２切断部５５が切断位置５Ｐ１に到達してから回転基準位置５Ｐ２が切断位置５Ｐ１に到達するまでの期間を第３期間Ｔ３とした場合を想定する。この場合、第２期間Ｔ２は、回転周期Ｔにおいて選択切断部が着用物品連続シートＳＨに臨む時期から非選択切断部が着用物品連続シートＳＨに臨む時期までの特定期間に相当する。一方、第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３は、回転周期Ｔにおける特定期間以外の残余期間に相当する。

　第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３での切断ロール５の周速Ｓ１３は、基部１２の幅寸法Ｌ１に応じて着用物品連続シートＳＨの種類ごとに異なる値に設定される。第２期間Ｔ２での切断ロール５の周速Ｓ２は、基部１２の幅寸法Ｌ１によらず、すなわち、着用物品連続シートＳＨの種類によらず、一定に設定される。この場合、第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３での切断ロール５の周速Ｓ１３は第１モードと第２モードとの間で異なる値に設定され、第２期間Ｔ２での切断ロール５の周速Ｓ２は第１モードと第２モードとの間で同一に設定される。

　切断ロール５が１回転（３６０度回転）する回転周期Ｔにおいては、所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨの搬送長さは、基部１２の幅寸法Ｌ１に一致する。切断ロール５の回転周期Ｔにおける第１期間Ｔ１においては、所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨの搬送長さは、搬送先端側長さＭ１に一致する。切断ロール５の回転周期Ｔにおける第２期間Ｔ２においては、所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨの搬送長さは、部位間長さＭ２に一致する。切断ロール５の回転周期Ｔにおける第３期間Ｔ３においては、所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨの搬送長さは、搬送後端側長さＭ３に一致する。この場合、切断ロール５の回転周期Ｔにおける第２期間Ｔ２を除いた第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３の合計期間においては、所定の搬送速度ＳＳで搬送される着用物品連続シートＳＨの搬送長さは、Ｍ１＋Ｍ３＝Ｌ１－Ｍ２で表される。

　第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３での切断ロール５の周速Ｓ１３は、切断ロール５の直径Ｄ、第１切断部５４と第２切断部５５との成す角θ、基部１２の幅寸法Ｌ１、部位間長さＭ２、及び、着用物品連続シートＳＨの搬送速度ＳＳに基づく下記式（４）を満たすように、基部１２の幅寸法Ｌ１に応じて変速するように設定される。すなわち、第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３での切断ロール５の周速Ｓ１３は、基部１２の幅寸法Ｌ１に応じて着用物品連続シートＳＨの種類ごとに異なる値に設定される。

　具体的には、第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３での切断ロール５の周速Ｓ１３は、基部１２の幅寸法Ｌ１が大きくなるに従って小さい値に設定される。すなわち、第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３での切断ロール５の周速Ｓ１３は、複数種の着用物品連続シートＳＨについて、Ｓサイズシート、Ｍサイズシート、Ｌサイズシート、ＸＬサイズシートの順に基部１２の幅寸法Ｌ１が大きくなるに従って、小さい値に設定される。この場合、第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３での切断ロール５の周速Ｓ１３は、基部１２の幅寸法Ｌ１に応じた回転周期Ｔが長くなるに従って遅くなるように設定される。

　第２期間Ｔ２での切断ロール５の周速Ｓ２は、切断ロール５の直径Ｄ、第１切断部５４と第２切断部５５との成す角θ、部位間長さＭ２、及び、着用物品連続シートＳＨの搬送速度ＳＳに基づく下記式（５）を満たすように、基部１２の幅寸法Ｌ１によらず一定に設定される。すなわち、第２期間Ｔ２での切断ロール５の周速Ｓ２は、着用物品連続シートＳＨの種類によらず一定に設定される。なお、切断ロール５における第１切断部５４と第２切断部５５との間の周方向ＨＲ１に沿った長さは、切断ロール５の直径Ｄ、及び、第１切断部５４と第２切断部５５との成す角θによって決定される。

　複数種の着用物品連続シートＳＨにおいて、部位間長さＭ２が上記式（１）を満たして基部１２の幅寸法Ｌ１によらず同一に設定されている場合には、第２期間Ｔ２での切断ロール５の周速Ｓ２は、上記式（５）に従って着用物品連続シートＳＨの搬送速度ＳＳと同一に設定される。

　コントローラ６は、記憶ユニット６１に記憶された、切断ロール５の回転周期Ｔ、切断ロール５上の回転基準位置５Ｐ２、回転周期Ｔにおける切断ロール５の周速Ｓ１３，Ｓ２に関する速度特性に基づいて、第１モード及び第２モードの各々における切断ロール５の回転を制御する。これにより、コントローラ６による切断ロール５の回転制御の際の処理速度を向上させることができる。

　具体的には、着用物品連続シートＳＨの種類ごとであって、第１モード及び第２モードのモードごとに設定された切断ロール５の回転周期Ｔに基づいて、コントローラ６は、回転周期Ｔにおける切断ロール５の周速Ｓ１３，Ｓ２を制御する。既述の通り、切断ロール５の回転周期Ｔは、切断ロール５の回転に応じて選択切断部が着用物品連続シートＳＨに臨む周期が、搬送装置２により搬送された着用物品連続シートＳＨにおける第１の弾性部材１３の中間部分１３３が切断ロール５による切断位置５Ｐ１に到達する切断目標到達周期と一致するように、設定される。この場合、切断ロール５の回転周期Ｔにおいて選択切断部が着用物品連続シートＳＨに臨む切断位置５Ｐ１に到達したときには、搬送された着用物品連続シートＳＨにおける第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の切断目標部位１６が切断位置５Ｐ１に到達する。これにより、切断ロール５の回転周期Ｔにおいて切断位置５Ｐ１に到達した選択切断部が着用物品連続シートＳＨにおける第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の切断目標部位１６に接触することで、当該第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断することができる。

　切断ロール５の回転周期Ｔにおける第１期間Ｔ１及び第３期間Ｔ３での周速Ｓ１３と第２期間Ｔ２での周速Ｓ２とが上記のように設定されている場合を想定する。

　搬送装置２により搬送される着用物品連続シートＳＨが第１シートＳＨ１である場合、コントローラ６は、第１モードにおいて切断ロール５の回転を制御する。この場合、第１シートＳＨ１が所定の搬送速度ＳＳで搬送されている状態で、第１期間Ｔ１においては、基部１２の幅寸法Ｌ１に応じた周速Ｓ１３で切断ロール５が回転することで、切断ロール５上の回転基準位置５Ｐ２が第１シートＳＨ１における基部１２の幅方向Ｈ１の端部に接触する状態から、切断ロール５上の選択切断部としての第１切断部５４が第１シートＳＨ１における第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の切断目標部位１６に接触する状態へと移行する。第１シートＳＨ１の搬送が継続されている状態で、回転周期Ｔの第２期間Ｔ２においては、基部１２の幅寸法Ｌ１によらず一定の周速Ｓ２で切断ロール５が回転することで、切断ロール５上の第１切断部５４が第１シートＳＨ１における切断目標部位１６に接触する状態から、切断ロール５上の非選択切断部としての第２切断部５５が第１シートＳＨ１におけるレッグホール形成領域１４内の接触回避部位１７に臨む状態へと移行する。更に第１シートＳＨ１の搬送が継続されている状態で、回転周期Ｔの第３期間Ｔ３においては、基部１２の幅寸法Ｌ１に応じた周速Ｓ１３で切断ロール５が回転することで、切断ロール５上の第２切断部５５が第１シートＳＨ１におけるレッグホール形成領域１４内に臨む状態から、切断ロール５上の回転基準位置５Ｐ２が第１シートＳＨ１における基部１２の幅方向Ｈ１の端部に接触する状態へと移行する。

　搬送装置２により搬送される着用物品連続シートＳＨが第２シートＳＨ２である場合、コントローラ６は、第２モードにおいて切断ロール５の回転を制御する。この場合、第２シートＳＨ２が所定の搬送速度ＳＳで搬送されている状態で、第１期間Ｔ１においては、基部１２の幅寸法Ｌ１に応じた周速Ｓ１３で切断ロール５が回転することで、切断ロール５上の回転基準位置５Ｐ２が第２シートＳＨ２における基部１２の幅方向Ｈ１の端部に接触する状態から、切断ロール５上の非選択切断部としての第１切断部５４が第２シートＳＨ２におけるレッグホール形成領域１４内の接触回避部位１７に臨む状態へと移行する。第２シートＳＨ２の搬送が継続されている状態で、回転周期Ｔの第２期間Ｔ２においては、基部１２の幅寸法Ｌ１によらず一定の周速Ｓ２で切断ロール５が回転することで、切断ロール５上の第１切断部５４が第２シートＳＨ２におけるレッグホール形成領域１４内に臨む状態から、切断ロール５上の選択切断部としての第２切断部５５が第２シートＳＨ２における第１の弾性部材１３の中間部分１３３上の切断目標部位１６に接触する状態へと移行する。更に第２シートＳＨ２の搬送が継続されている状態で、回転周期Ｔの第３期間Ｔ３においては、基部１２の幅寸法Ｌ１に応じた周速Ｓ１３で切断ロール５が回転することで、切断ロール５上の第２切断部５５が第２シートＳＨ２における切断目標部位１６に接触する状態から、切断ロール５上の回転基準位置５Ｐ２が第２シートＳＨ２における基部１２の幅方向Ｈ１の端部に接触する状態へと移行する。

　切断ロール５の回転周期Ｔの第２期間Ｔ２においては、着用物品連続シートＳＨの種類によらず第１モードと第２モードとの間で同一の周速Ｓ２で切断ロール５が回転することで、切断ロール５上の選択切断部が第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断し、且つ、切断ロール５上の非選択切断部が着用物品連続シートＳＨにおけるレッグホール形成領域１４内に臨む。これにより、複数種の着用物品連続シートＳＨのそれぞれに対応して第１の弾性部材１３の中間部分１３３を切断することができるとともに、着用物品連続シートＳＨにおける切断対象の第１の弾性部材１３の中間部分１３３以外の切断による損傷を回避することができる。

　なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。

　この着用物品の製造装置によれば、着用物品を構成する基部と弾性部材とが所定の連続方向に連続する着用物品連続シートが、連続方向に沿ったシート搬送方向に搬送装置から切断装置へ搬送される。切断装置は、連続方向と直交する回転軸を中心として回転する切断ロールと、切断ロールに取り付けられた第１切断部及び第２切断部と、を有している。第１切断部及び第２切断部は、着用物品連続シートにおいて連続方向に間隔を空けて設定された複数のレッグホール形成領域同士の間に位置する弾性部材の中間部分を切断するための部位であり、第２切断部は、切断ロールの回転軸を中心とする周方向、及び、回転軸と平行な軸方向において第１切断部と異なる位置で切断ロールに取り付けられている。切断装置では、搬送される着用物品連続シートにおける弾性部材の中間部分が切断ロールによる切断位置に到達したときに、第１切断部及び第２切断部のいずれか一方の切断部が着用物品連続シートに臨むように切断ロールが回転されることにより、着用物品連続シートにおける弾性部材の中間部分を切断することができる。

　切断ロールの回転は、コントローラによって制御される。コントローラは、第１切断部を選択切断部に設定するとともに第２切断部を非選択切断部に設定する第１モードと、第２切断部を選択切断部に設定するとともに第１切断部を非選択切断部に設定する第２モードと、を切り換え可能に構成されている。基部のサイズが異なるとともに弾性部材の中間部分の位置が連続方向と直交する方向において異なる複数種の着用物品連続シートがそれぞれ搬送される場合、コントローラは、着用物品連続シートの種類に応じて第１モードと第２モードとの間でモードを切り換えて、切断ロールの回転速度を制御することができる。これにより、複数種の着用物品連続シートのそれぞれに対応して、第１モード及び第２モードのモードごとに設定された、第１切断部及び第２切断部から選択された選択切断部によって、弾性部材の中間部分を切断することができる。すなわち、着用物品連続シートの種類に応じたモードで切断ロールの回転速度が制御されることで、１本の切断ロールで複数種の着用物品連続シートのそれぞれに対応して弾性部材の中間部分を切断することができる。これにより、着用物品連続シートの種類ごとに切断ロールを交換するなどの作業を行う必要はなくなるので、基部のサイズが異なる複数種の着用物品を効率よく製造することが可能となる。

　また、コントローラは、第１モード及び第２モードの各々において選択切断部が弾性部材の中間部分を切断し、且つ、非選択切断部が着用物品連続シートにおけるレッグホール形成領域内に臨むように、切断ロールの回転速度を制御する。この場合、搬送される着用物品連続シートにおけるレッグホール形成領域が切断ロールによる切断位置に到達したときには、第１切断部及び第２切断部のうちの非選択切断部が着用物品連続シートに臨む切断位置に到達する。着用物品連続シートにおけるレッグホール形成領域は、製造対象の着用物品を構成する基部及び弾性部材が存在しない開口領域である。このため、着用物品連続シートにおけるレッグホール形成領域が切断位置に到達した状態において、着用物品連続シートにおいて着用物品を構成する基部及び弾性部材に対応した部分が、切断ロール上の非選択切断部に接触することが回避される。これにより、着用物品連続シートにおける切断対象の弾性部材の中間部分以外の切断による損傷を回避することができる。このため、製造される着用物品の品質の低下を防止することができる。

　上記の着用物品の製造装置において、前記コントローラは、前記切断ロールの回転に応じて前記選択切断部が前記着用物品連続シートに臨む周期が、前記搬送装置により搬送された前記着用物品連続シートにおける前記弾性部材の前記中間部分が前記切断ロールによる切断位置に到達する切断目標到達周期と一致するように、前記第１モード及び前記第２モードのモードごとに設定された前記切断ロールの回転周期に基づいて、前記切断ロールの回転速度を制御可能であってもよい。そして、前記コントローラは、前記弾性部材の前記中間部分から前記レッグホール形成領域内の所定位置までの距離と、前記着用物品連続シートの搬送速度と、前記切断ロールにおける前記第１切断部と前記第２切断部との間の前記周方向に沿った長さと、に基づき設定された、前記回転周期において前記選択切断部が前記着用物品連続シートに臨む時期から前記非選択切断部が前記着用物品連続シートに臨む時期までの特定期間での前記切断ロールの回転速度を用いて、前記切断ロールの回転を制御する。

　この態様では、コントローラは、第１モード及び第２モードのモードごとに設定された切断ロールの回転周期に基づいて、切断ロールの回転速度を制御する。切断ロールの回転周期は、切断ロールの回転に応じて選択切断部が着用物品連続シートに臨む周期が、搬送装置により搬送された着用物品連続シートにおける弾性部材の中間部分が切断ロールによる切断位置に到達する切断目標到達周期と一致するように、設定される。この場合、切断ロールの回転周期において選択切断部が着用物品連続シートに臨む切断位置に到達したときには、搬送された着用物品連続シートにおける弾性部材の中間部分が切断位置に到達する。これにより、切断ロールの回転周期において切断位置に到達した選択切断部が着用物品連続シートにおける弾性部材の中間部分に接触することで、当該弾性部材の中間部分を切断することができる。

　具体的には、回転周期において選択切断部が着用物品連続シートに臨む時期から非選択切断部が着用物品連続シートに臨む時期までの特定期間での切断ロールの回転速度は、弾性部材の中間部分からレッグホール形成領域内の所定位置までの距離と、着用物品連続シートの搬送速度と、切断ロールにおける第１切断部と第２切断部との間の周方向に沿った長さと、に基づいて設定される。このように設定された回転速度に基づいて、コントローラは、回転周期における特定期間での切断ロールの回転速度を制御する。これにより、コントローラは、切断ロールの回転周期の特定期間において、選択切断部が弾性部材の中間部分を切断し、且つ、非選択切断部が着用物品連続シートにおけるレッグホール形成領域内に臨むように、切断ロールの回転速度を制御することができる。

　上記の着用物品の製造装置は、前記第１モード及び前記第２モードのモードごとに、前記回転周期における前記切断ロールの回転速度の速度特性を予め記憶する記憶ユニットを、更に備えていてもよい。この場合、前記コントローラは、前記記憶ユニットに記憶された前記第１モード及び前記第２モードの各前記速度特性に基づいて、前記第１モード及び前記第２モードのモードごとの前記回転周期における前記切断ロールの回転速度を制御する。

　この態様では、コントローラは、記憶ユニットに予め記憶された速度特性に基づいて切断ロールの回転速度を制御するので、切断ロールの回転を制御する際の処理速度を向上させることができる。

　上記の着用物品の製造装置では、前記記憶ユニットに記憶された前記第１モード及び前記第２モードの各前記速度特性において、前記第１モードにおける前記回転周期と、前記第２モードにおける前記回転周期とは、前記切断目標到達周期に応じて異なる値に設定されている。また、前記回転周期における前記特定期間での前記切断ロールの回転速度は前記第１モードと前記第２モードとの間で同一であり、前記回転周期における前記特定期間以外の残余期間での前記切断ロールの回転速度は前記第１モードと前記第２モードとの間で異なっている。

　また、上記の着用物品の製造装置では、前記記憶ユニットに記憶された前記第１モード及び前記第２モードの各前記速度特性において、前記回転周期における前記残余期間での前記切断ロールの回転速度は、前記回転周期が長くなるに従って遅くなるように設定されている。

　また、上記の着用物品の製造装置では、前記着用物品連続シートにおける前記弾性部材の前記中間部分から前記レッグホール形成領域内の所定位置までの距離は、前記切断ロールにおける前記第１切断部と前記第２切断部との間の前記周方向に沿った長さと同一に設定されている。この場合、前記記憶ユニットに記憶された前記第１モード及び前記第２モードの各前記速度特性において、前記回転周期における前記特定期間での前記切断ロールの回転速度は、前記着用物品連続シートの搬送速度と同一に設定されている。

　この態様では、第１モードにおける切断ロールの回転周期と、第２モードにおける切断ロールの回転周期とは、搬送装置により搬送された着用物品連続シートにおける弾性部材の中間部分が切断ロールによる切断位置に到達する切断目標到達周期に応じて、異なる値に設定される。切断目標到達周期は、着用物品連続シートにおいて連続する基部の連続方向に沿った幅寸法と着用物品連続シートの搬送速度とに基づいて、決定される。このため、第１モードにおける切断ロールの回転周期と、第２モードにおける切断ロールの回転周期とは、基部のサイズが異なる着用物品連続シートの種類に応じて、異なる値に設定されることになる。そして、切断ロールの回転速度は、切断ロールの回転周期において選択切断部が着用物品連続シートに臨む時期から非選択切断部が着用物品連続シートに臨む時期までの特定期間では第１モードと第２モードとの間で同一に設定され、回転周期における特定期間以外の残余期間では第１モードと第２モードとの間で異なる値に設定される。具体的には、回転周期における残余期間での切断ロールの回転速度は、回転周期が長くなるに従って遅くなるように設定される。また、着用物品連続シートにおける弾性部材の中間部分からレッグホール形成領域内の所定位置までの距離が、切断ロールにおける第１切断部と第２切断部との間の周方向に沿った長さと同一に設定される場合には、回転周期における特定期間での切断ロールの回転速度は、着用物品連続シートの搬送速度と同一に設定される。

　記憶ユニットに記憶された速度特性において、切断ロールの回転周期における回転速度が上記のように設定されている場合、着用物品連続シートが搬送されている状態で、回転周期の特定期間においては、着用物品連続シートの種類によらず第１モードと第２モードとの間で同一の回転速度で切断ロールが回転することで、切断ロール上の選択切断部が弾性部材の中間部分を切断し、且つ、切断ロール上の非選択切断部が着用物品連続シートにおけるレッグホール形成領域内に臨む。これにより、複数種の着用物品連続シートのそれぞれに対応して弾性部材の中間部分を切断することができるとともに、着用物品連続シートにおける切断対象の弾性部材の中間部分以外の切断による損傷を回避することができる。

　以上説明したように、本発明によれば、基部のサイズが異なる複数種の着用物品を効率よく製造することが可能な製造装置を提供することができる。

Claims

　着用者の後背部から股下部を介して前腹部に亘って配置される基部と、前記基部に接合された弾性部材と、を有する着用物品を製造するための着用物品の製造装置であって、
　前記基部と前記弾性部材とが所定の連続方向に連続する着用物品連続シートを前記連続方向に沿って搬送する搬送装置と、
　前記搬送装置により搬送された前記着用物品連続シートにおいて前記連続方向に間隔を空けて設定された複数のレッグホール形成領域同士の間に位置する前記弾性部材の中間部分を切断するための第１切断部と、前記第１切断部が取り付けられているとともに前記第１切断部が間欠的に前記着用物品連続シートに臨むように前記連続方向と直交する回転軸を中心として回転する切断ロールと、を有する切断装置と、
　前記切断ロールの回転速度を制御するコントローラと、を備え、
　前記切断装置は、前記回転軸を中心とする周方向、及び、前記回転軸と平行な軸方向において前記第１切断部と異なる位置で前記切断ロールに取り付けられた第２切断部を有し、
　前記コントローラは、前記第１切断部を選択切断部に設定するとともに前記第２切断部を非選択切断部に設定する第１モードと前記第２切断部を選択切断部に設定するとともに前記第１切断部を非選択切断部に設定する第２モードとを切り換え可能に構成されているとともに、前記第１モード及び前記第２モードの各々において前記選択切断部が前記弾性部材の前記中間部分を切断し、且つ、前記非選択切断部が前記着用物品連続シートにおける前記レッグホール形成領域内に臨むように、前記切断ロールの回転速度を制御する、着用物品の製造装置。
　前記コントローラは、
　　前記切断ロールの回転に応じて前記選択切断部が前記着用物品連続シートに臨む周期が、前記搬送装置により搬送された前記着用物品連続シートにおける前記弾性部材の前記中間部分が前記切断ロールによる切断位置に到達する切断目標到達周期と一致するように、前記第１モード及び前記第２モードのモードごとに設定された前記切断ロールの回転周期に基づいて、前記切断ロールの回転速度を制御可能であり、
　　前記弾性部材の前記中間部分から前記レッグホール形成領域内の所定位置までの距離と、前記着用物品連続シートの搬送速度と、前記切断ロールにおける前記第１切断部と前記第２切断部との間の前記周方向に沿った長さと、に基づき設定された、前記回転周期において前記選択切断部が前記着用物品連続シートに臨む時期から前記非選択切断部が前記着用物品連続シートに臨む時期までの特定期間での前記切断ロールの回転速度を用いて、前記切断ロールの回転を制御する、請求項１に記載の着用物品の製造装置。
　前記第１モード及び前記第２モードのモードごとに、前記回転周期における前記切断ロールの回転速度の速度特性を予め記憶する記憶ユニットを、更に備え、
　前記コントローラは、前記記憶ユニットに記憶された前記第１モード及び前記第２モードの各前記速度特性に基づいて、前記第１モード及び前記第２モードのモードごとの前記回転周期における前記切断ロールの回転速度を制御する、請求項２に記載の着用物品の製造装置。
　前記記憶ユニットに記憶された前記第１モード及び前記第２モードの各前記速度特性において、
　　前記第１モードにおける前記回転周期と、前記第２モードにおける前記回転周期とは、前記切断目標到達周期に応じて異なる値に設定されており、
　　前記回転周期における前記特定期間での前記切断ロールの回転速度は前記第１モードと前記第２モードとの間で同一であり、前記回転周期における前記特定期間以外の残余期間での前記切断ロールの回転速度は前記第１モードと前記第２モードとの間で異なっている、請求項３に記載の着用物品の製造装置。
　前記記憶ユニットに記憶された前記第１モード及び前記第２モードの各前記速度特性において、前記回転周期における前記残余期間での前記切断ロールの回転速度は、前記回転周期が長くなるに従って遅くなるように設定されている、請求項４に記載の着用物品の製造装置。
　前記着用物品連続シートにおける前記弾性部材の前記中間部分から前記レッグホール形成領域内の所定位置までの距離は、前記切断ロールにおける前記第１切断部と前記第２切断部との間の前記周方向に沿った長さと同一に設定されており、
　前記記憶ユニットに記憶された前記第１モード及び前記第２モードの各前記速度特性において、前記回転周期における前記特定期間での前記切断ロールの回転速度は、前記着用物品連続シートの搬送速度と同一に設定されている、請求項４又は５に記載の着用物品の製造装置。