WO2024127929A1 - 炭化珪素基板、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素基板の製造方法 - Google Patents

炭化珪素基板、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素基板の製造方法 Download PDF

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炭化珪素基板は、主面と、シリカ粒子とを有している。シリカ粒子は、主面上にある。主面は、カーボン面またはカーボン面に対して8°以下のオフ角度で傾斜した面である。主面に垂直に見た平面視において、主面上にあり且つ直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子の面密度は、1×108個/cm2未満である。主面のRaとして規定される算術平均粗さは、0.1nm以下である。

Description

炭化珪素基板、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素基板の製造方法
 本開示は、炭化珪素基板、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素基板の製造方法に関する。本出願は、2022年12月15日に出願した日本特許出願である特願2022-200047号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
 国際公開第2012/029814号(特許文献1)には、ポリカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸のうち少なくとも一方を含有する半導体デバイス用基板洗浄液が記載されている。
国際公開第2012/029814号
 本開示に係る炭化珪素基板は、主面と、シリカ粒子とを備える。シリカ粒子は、主面上にある。主面は、カーボン面またはカーボン面に対して8°以下のオフ角度で傾斜した面である。主面に垂直に見た平面視において、主面上にあり且つ直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子の面密度は、1×108個/cm2未満である。主面のRaとして規定される算術平均粗さは、0.1nm以下である。
図1は、本実施形態に係る炭化珪素基板の構成を示す平面模式図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面模式図である。 図3は、第1主面を示す拡大平面模式図である。 図4は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の構成を示す平面模式図である。 図5は、図4のV-V線に沿った断面模式図である。 図6は、本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法を概略的に示すフロー図である。 図7は、炭化珪素単結晶を成長させる工程を示す断面模式図である。 図8は、コロイダルシリカを用いて炭化珪素基板を研磨する工程を示す断面模式図である。 図9は、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程を示す断面模式図である。 図10は、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程を示す平面模式図である。 図11は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 図12は、炭化珪素基板を準備する工程を示す断面模式図である。 図13は、炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程を示す断面模式図である。 図14は、ボディ領域を形成する工程を示す断面模式図である。 図15は、ソース領域を形成する工程を示す断面模式図である。 図16は、炭化珪素エピタキシャル層の第3主面にトレンチを形成する工程を示す断面模式図である。 図17は、ゲート絶縁膜を形成する工程を示す断面模式図である。 図18は、ゲート電極および層間絶縁膜を形成する工程を示す断面模式図である。 図19は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面模式図である。
[本開示が解決しようとする課題]
 本開示の目的は、炭化珪素基板の表面性状を向上可能な炭化珪素基板、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素基板の製造方法を提供することである。
[本開示の効果]
 本開示によれば、炭化珪素基板の表面性状を向上可能な炭化珪素基板、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素基板の製造方法を提供できる。
 [本開示の実施形態の説明]
 最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
 (1)本開示に係る炭化珪素基板は、主面と、シリカ粒子とを備える。シリカ粒子は、主面上にある。主面は、カーボン面またはカーボン面に対して8°以下のオフ角度θで傾斜した面である。主面に垂直に見た平面視において、主面上にあり且つ直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子の面密度は、1×108個/cm2未満である。主面のRaとして規定される算術平均粗さは、0.1nm以下である。
 (2)上記(1)に係る炭化珪素基板によれば、平面視において、主面上にあり且つ直径が20nm以上200nm以下であるシリカ粒子の面密度は、1×108個/cm2未満であってもよい。
 (3)本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は、以下の工程を備えている。上記(1)または(2)に係る炭化珪素基板が準備される。炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層が形成される。
 (4)本開示に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。上記(1)または(2)に係る炭化珪素基板が準備される。炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層が形成される。炭化珪素エピタキシャル層上に電極が形成される。
 (5)本開示に係る炭化珪素基板の製造方法は、以下の工程を備えている。コロイダルシリカを用いて炭化珪素基板が研磨される。炭化珪素基板を研磨する工程において、コロイダルシリカが炭化珪素基板上に残存することによって炭化珪素基板上にシリカ粒子が付着する。炭化珪素基板を研磨する工程後において、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板に対してスクラブ洗浄を行うことによって、炭化珪素基板上からシリカ粒子が除去される。
 (6)上記(5)に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、炭化珪素基板を研磨する工程後において、アルカリ溶液を用いて炭化珪素基板が洗浄されてもよい。
 (7)上記(5)または(6)に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、コロイダルシリカの平均粒径は、20nm以上80nm以下であってもよい。
 (8)上記(5)から(7)のいずれかに係る炭化珪素基板の製造方法によれば、炭化珪素基板は、主面を含んでいてもよい。主面は、カーボン面またはカーボン面に対して8°以下のオフ角度θで傾斜した面であってもよい。炭化珪素基板上からシリカ粒子を除去する工程において、主面に対してスクラブ洗浄が行われてもよい。
 (9)上記(8)に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、主面に垂直に見た平面視において、炭化珪素基板を研磨する工程後且つ炭化珪素基板上からシリカ粒子を除去する工程前において、主面上に残存しており且つ直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子の面密度は第1面密度とされ、炭化珪素基板上からシリカ粒子を除去する工程後において、主面上に残存しており且つ直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子の面密度は第2面密度とされる。第1面密度から第2面密度を差し引いた値を第1面密度で割った値は、97%以上であってもよい。
 [本開示の実施形態の詳細]
 次に、図面に基づいて本開示の実施形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”-”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
 (炭化珪素基板)
 まず、本実施形態に係る炭化珪素基板100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る炭化珪素基板100の構成を示す平面模式図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面模式図である。
 図1および図2に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素基板100は、第1主面1と、第2主面2と、外周側面9とを主に有している。第2主面2は、第1主面1の反対にある。外周側面9は、第1主面1および第2主面2の各々に連なっている。外周側面9は、たとえばオリエンテーションフラット7と、円弧状部8とを有している。炭化珪素基板100を構成する炭化珪素のポリタイプは、たとえば4Hである。炭化珪素基板100は、たとえば窒素などのn型不純物を含んでいる。
 図1に示されるように、第1主面1に垂直に見て(以下、平面視とも称する)、オリエンテーションフラット7は直線状である。オリエンテーションフラット7は、たとえば第1方向101に沿って延在している。円弧状部8は、オリエンテーションフラット7に連なっている。平面視において、円弧状部8は円弧状である。第1主面1は、第1方向101および第2方向102の各々に沿って拡がっている。平面視において、第2方向102は、第1方向101に垂直な方向である。
 第1方向101は、たとえば<11-20>方向である。第1方向101は、たとえば[11-20]方向であってもよい。第1方向101は、<11-20>方向を第1主面1に射影した方向であってもよい。別の観点から言えば、第1方向101は、たとえば<11-20>方向成分を含む方向であってもよい。
 第2方向102は、たとえば<1-100>方向である。第2方向102は、たとえば[1-100]方向であってもよい。第2方向102は、たとえば<1-100>方向を第1主面1に射影した方向であってもよい。別の観点から言えば、第2方向102は、たとえば<1-100>方向成分を含む方向であってもよい。
 第1主面1は、カーボン面またはカーボン面に対してオフ方向に傾斜した面である。言い換えれば、第1主面1は、(000-1)面または(000-1)面に対してオフ方向に傾斜した面である。同様に、第2主面2は、シリコン面またはシリコン面に対してオフ方向に傾斜した面である。言い換えれば、第2主面2は、(0001)面または(0001)面に対してオフ方向に傾斜した面である。
 第1主面1がカーボン面に対してオフ方向に傾斜した面である場合、第1主面1のオフ角度θは、8°以下であってもよい。オフ角度θは、たとえば6°以下であってもよいし、4°以下であってもよい。オフ角度θは、たとえば1°以上であってもよいし、2°以上であってもよい。オフ方向は、特に限定されないが、たとえば<11-20>方向である。
 図1に示されるように、第1主面1の直径は、第1最大径W1とされる。第1最大径W1は、たとえば100mm(4インチ)以上である。第1最大径W1は、特に限定されない。第1最大径W1は、たとえば150mm(6インチ)以上であってもよいし、200mm(8インチ)以上であってもよい。第1最大径W1は、400mm(16インチ)以下であってもよい。平面視において、第1最大径W1は、外周側面9上の異なる2点間の最長直線距離である。
 本明細書において、4インチは、100mmまたは101.6mm(4インチ×25.4mm/インチ)のことである。6インチは、150mmまたは152.4mm(6インチ×25.4mm/インチ)のことである。8インチは、200mmまたは203.2mm(8インチ×25.4mm/インチ)のことである。16インチは、400mmまたは406.4mm(16インチ×25.4mm/インチ)のことである。
 図2に示されるように、第3方向103は、第2主面2から第1主面1に向かう方向である。第3方向103は、第1方向101および第2方向102の各々に垂直である。図2に示される断面は、第1主面1に垂直であり、かつ第1方向101に平行である。
 (シリカ粒子)
 図3は、第1主面1を示す拡大平面模式図である。図3に示されるように、炭化珪素基板100は、シリカ粒子71を有している。シリカ粒子71は、第1主面1上にある。平面視において、シリカ粒子71の形状は、たとえば円形である。平面視において、シリカ粒子71の直径Dは、たとえば1nm以上300nm以下である。平面視において、シリカ粒子71の形状は、円形に限定されない。平面視において、シリカ粒子71の形状は、たとえば楕円形であってもよい。平面視において、シリカ粒子71の形状が円形でない場合、シリカ粒子71の直径Dは、シリカ粒子71の外縁に外接する円の直径とされる。
 平面視において、第1主面1上にあり、かつ直径Dが60nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度は、第3面密度とされる。第3面密度は、1×108個/cm2未満である。第3面密度は、たとえば1×104個/cm2以上であってもよいし、1×105個/cm2以上であってもよい。第3面密度は、たとえば1×107個/cm2以下であってもよいし、5×106個/cm2以下であってもよい。
 平面視において、第1主面1上にあり、かつ直径Dが20nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度は、第4面密度とされる。第4面密度は、1×108個/cm2未満である。第4面密度は、たとえば1×104個/cm2以上であってもよいし、1×105個/cm2以上であってもよい。第4面密度は、たとえば5×107個/cm2以下であってもよいし、1×107個/cm2以下であってもよい。第4面密度は、第3面密度よりも大きくてもよい。
 図1に示されるように、シリカ粒子71の面密度の測定領域は、たとえば長方形領域70とされる。長方形領域70は、第1主面1の中心を中心とする領域である。平面視において、長方形領域70の形状は、長方形である。長方形領域70の長辺の長さは、たとえば20μmである。長方形領域70の短辺の長さは、たとえば15μmである。平面視において、長方形領域70の長辺は、たとえば第1方向101に平行である。
 第3面密度および第4面密度の各々は、たとえば走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて測定できる。具体的には、SEMを用いて長方形領域70の二次電子像が撮影される。撮影された二次電子像において、白色の粒子がシリカ粒子71として特定される。長方形領域70において直径Dが60nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の個数が数えられる。直径Dが60nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の個数を長方形領域70の面積で割った値が、第3面密度とされる。同様に、長方形領域70において直径Dが20nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の個数が数えられる。直径Dが20nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の個数を長方形領域70の面積で割った値が、第4面密度とされる。
 SEMとして、たとえば日本電子社製の「JSM-7800F(商標)」を使用することができる。加速電圧は、たとえば2kVとされる。測定倍率は、たとえば10000倍とされる。測定視野は、たとえば20μm×15μmとされる。測定電流(照射電流)は、たとえば0.1nA以上1nA以下とされる。真空度は、たとえば5×10-3Pa以下とされる。
 シリカ粒子71の面密度は、第2主面2において測定されてもよい。具体的には、第2主面2に垂直に見て、第2主面2の中心を中心とする長方形領域において、シリカ粒子71の面密度が測定されてもよい。
 第2主面2に垂直に見て、第2主面2上にあり、かつ直径Dが60nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度は、第5面密度とされる。第5面密度は、第3面密度よりも小さくてもよい。第2主面2に垂直に見て、第2主面2上にあり、かつ直径Dが20nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度は、第6面密度とされる。第6面密度は、第4面密度よりも小さくてもよい。第6面密度は、第5面密度よりも大きくてもよい。
 (算術平均粗さ)
 表面粗さを定量化する指標として、たとえばRaとして規定される算術平均粗さがある。Raとして規定される算術平均粗さは、JIS(Japanese Industrial Standards) B0601:2013に規定されている表面性状パラメータである。
 第1主面1のRaは0.1nm以下である。第1主面1のRaは、たとえば0.001nm以上であってもよいし、0.005nm以上であってもよい。第1主面1のRaは、たとえば0.05nm以下であってもよいし、0.01nm以下であってもよい。第2主面2のRaは、第1主面1のRaより小さくてもよい。
 図1に示されるように、Raの測定領域は、たとえば第1正方領域61と、第2正方領域62と、第3正方領域63と、第4正方領域64と、第5正方領域65とされる。平面視において、各正方領域の形状は正方形である。平面視において、各正方領域の一辺の長さは250μmである。平面視において、各正方領域の一辺は、たとえば第1方向101に平行である。
 平面視において、第1正方領域61の中心は、第1主面1の中心と一致する。平面視において、長方形領域70は、第1正方領域61の内部にあってもよい。平面視において、第2正方領域62の中心は、第1主面1の中心から第1方向101に、第1最大径W1の3分の1の距離だけ離れた位置にある。平面視において、第3正方領域63の中心は、第1主面1の中心から第2方向102に第1最大径W1の3分の1の距離だけ離れた位置にある。平面視において、第4正方領域64の中心は、第1主面1の中心から第1方向101の反対方向に、第1最大径W1の3分の1の距離だけ離れた位置にある。平面視において、第5正方領域65の中心は、第1主面1の中心から第2方向102の反対方向に、第1最大径W1の3分の1の距離だけ離れた位置にある。
 Raは、たとえば白色干渉顕微鏡により測定することができる。白色干渉顕微鏡として、たとえばニコン社製の「BW-D507(商標)」を用いることができる。対物レンズの倍率は、たとえば20倍である。
 (炭化珪素エピタキシャル基板)
 次に、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板200の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板200の構成を示す平面模式図である。図5は、図4のV-V線に沿った断面模式図である。
 図4および図5に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板200は、第3主面3と、第2主面2と、外周側面9とを主に有している。第2主面2は、第3主面3の反対にある。外周側面9は、第2主面2および第3主面3の各々に連なっている。第3主面3は、第1方向101および第2方向102の各々に沿って拡がっている。
 第3主面3は、たとえばカーボン面またはカーボン面に対してオフ方向に傾斜した面である。言い換えれば、第3主面3は、(000-1)面または(000-1)面に対してオフ方向に傾斜した面である。第3主面3がカーボン面に対してオフ方向に傾斜した面である場合、カーボン面に対する傾斜角は、オフ角度θである。
 第3主面3の直径は、第2最大径W2とされる。第2最大径W2は、たとえば100mm(4インチ)以上である。第2最大径W2は、特に限定されない。第2最大径W2は、たとえば150mm(6インチ)以上であってもよいし、200mm(8インチ)以上であってもよい。第2最大径W2は、400mm(16インチ)以下であってもよい。第3主面3に垂直に見て、第2最大径W2は、外周側面9上の異なる2点間の最長直線距離である。
 図5に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板200は、本実施形態に係る炭化珪素基板100(図1および図2参照)と、炭化珪素エピタキシャル層20とを主に有している。炭化珪素エピタキシャル層20は、炭化珪素基板100上に設けられている。図5に示される断面は、第3主面3に垂直であり、かつ第1方向101に平行である。
 第1主面1において、炭化珪素エピタキシャル層20は、炭化珪素基板100に接していてもよい。言い換えれば、第1主面1上に炭化珪素エピタキシャル層20が設けられていてもよい。炭化珪素エピタキシャル層20は、第3主面3を形成している。第3方向103において、第1主面1は、第3主面3と第2主面2との間にあってもよい。
 上記において、第1主面1上に炭化珪素エピタキシャル層20が設けられている構成について説明したが、本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板200の構成は上記の構成に限定されない。具体的には、第2主面2上に炭化珪素エピタキシャル層20が設けられていてもよい。言い換えれば、第2主面2において、炭化珪素エピタキシャル層20は、炭化珪素基板100に接していてもよい。第3主面3は、シリコン面またはシリコン面に対して傾斜した面であってもよい。第3方向103において、第2主面2は、第3主面3と第1主面1との間にあってもよい。
 (炭化珪素基板の製造方法)
 次に、本実施形態に係る炭化珪素基板100の製造方法について説明する。図6は、本実施形態に係る炭化珪素基板100の製造方法を概略的に示すフロー図である。図6に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素基板100の製造方法は、炭化珪素単結晶を成長させる工程(S10)と、炭化珪素基板を形成する工程(S20)と、コロイダルシリカを用いて炭化珪素基板を研磨する工程(S30)と、アルカリ溶液を用いて炭化珪素基板を洗浄する工程(S40)と、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)とを主に有している。
 まず、炭化珪素単結晶を成長させる工程(S10)が実施される。図7は、炭化珪素単結晶を成長させる工程(S10)を示す断面模式図である。図7に示されるように、炭化珪素単結晶の製造装置500が準備される。炭化珪素単結晶の製造装置500は、坩堝30と、第1抵抗ヒータ21と、第2抵抗ヒータ22と、第3抵抗ヒータ23とを主に有している。
 坩堝30は、原料収容部32と、蓋部31とを有している。蓋部31は、原料収容部32上に配置される。第1抵抗ヒータ21は、蓋部31の上方に配置されている。第2抵抗ヒータ22は、原料収容部32の外周を取り囲むように配置されている。第3抵抗ヒータ23は、原料収容部32の底面の下方に配置されている。
 図7に示されるように、炭化珪素原料59が原料収容部32に配置される。種基板50は、たとえば接着剤(図示せず)を用いて蓋部31に固定される。種基板50は、成長面51と、取付面52とを有している。取付面52は、成長面51の反対にある。成長面51は、炭化珪素原料59に対向する。取付面52は、蓋部31に対向する。種基板50の成長面51は、炭化珪素原料59の表面に対向するように配置される。
 種基板50は、たとえばポリタイプが4Hである六方晶炭化珪素基板である。成長面51の直径は、たとえば150mmである。成長面51の直径は、100mm以上であってもよい。成長面51は、たとえば{0001}面または{0001}面に対して8°以下程度のオフ角度だけ傾斜した面である。
 第1抵抗ヒータ21と、第2抵抗ヒータ22と、第3抵抗ヒータ23とに対して電力が印加されることにより、坩堝30が加熱される。具体的には、炭化珪素原料59の温度が種基板50の温度よりも高くなるように坩堝30が加熱される。坩堝30内の圧力は、たとえば0.1kPa以上3kPa以下とされる。坩堝30の温度は、たとえば2100℃以上2300℃以下とされる。これによって、炭化珪素原料59は昇華し、炭化珪素ガスが生成される。炭化珪素ガスは、種基板50の表面において再結晶化する。これにより、種基板50の表面上に炭化珪素単結晶110が成長する。炭化珪素単結晶110の成長が終了した後、炭化珪素単結晶110は室温まで冷却される。以上によって、炭化珪素単結晶110が形成される。
 次に、炭化珪素基板を形成する工程(S20)が実施される。まず、たとえばソーワイヤーを用いて、炭化珪素単結晶110の中心軸に垂直な平面に沿って、炭化珪素単結晶110がスライスされる。これにより、複数の炭化珪素基板100が得られる。次に、炭化珪素基板100の第1主面1および第2主面2の各々に対して、研削および機械研磨が実施される。以上により、炭化珪素基板100が形成される。
 次に、コロイダルシリカを用いて炭化珪素基板を研磨する工程(S30)が実施される。図8は、コロイダルシリカを用いて炭化珪素基板を研磨する工程(S30)を示す断面模式図である。図8に示されるように、化学機械研磨装置300は、研磨布301と、研磨ヘッド302と、真空ポンプ304とを有している。研磨布301は、たとえばスエードである。研磨液310は、コロイダルシリカ312と、酸化剤311とを有している。コロイダルシリカ312は砥粒である。コロイダルシリカ312として、たとえばフジミインコーポレーテッド製のDSC-0902を用いることができる。コロイダルシリカ312の平均粒径は、たとえば20nm以上80nm以下である。酸化力は、酸化剤311の種類によって制御される。酸化剤311は、たとえば過酸化水素水である。
 図8に示されるように、真空ポンプ304を用いることにより、炭化珪素基板100は研磨ヘッド302に真空吸着されている。研磨ヘッド302は、たとえばセラミックスまたはステンレスである。
 第1主面1は、研磨布301に対向するように配置される。第1主面1と研磨布301との間に、コロイダルシリカ312を含む研磨液310が供給される。研磨ヘッド302の回転数は、たとえば60rpmである。研磨布301が設けられた定盤の回転数は、たとえば60rpmである。加工圧力Fは、たとえば500g/cm2である。同様に、第2主面2に対しても化学機械研磨が実施される。以上により、コロイダルシリカ312を用いて炭化珪素基板100が化学機械研磨される。化学機械研磨された炭化珪素基板100の表面において、コロイダルシリカ312が残存することによって、シリカ粒子71(図3参照)が付着する。
 次に、アルカリ溶液を用いて炭化珪素基板を洗浄する工程(S40)が実施される。炭化珪素基板100がアルカリ溶液に浸漬される。アルカリ溶液は、たとえば関東化学製「シカクリーン LX-III(商標)」と水とによって構成されている。アルカリ溶液の全体の体積に対する「シカクリーン LX-III」の体積の割合は、たとえば9%である。水は、アルカリ溶液における溶媒である。アルカリ溶液の水素イオン指数(pH)は、たとえば10以上である。炭化珪素基板100をアルカリ溶液に浸漬する時間は、たとえば15分である。以上により、炭化珪素基板100の第1主面1および第2主面2の各々の上に残留したシリカ粒子71(図3参照)の一部が除去される。
 次に、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)が実施される。図9は、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)を示す断面模式図である。図9に示されるように、容器80が準備される。容器80の内部に、有機酸溶液81と支持台82とが配置される。
 有機酸溶液81は、たとえば有機酸と水とによって構成されている。有機酸は、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸、フェノール、エノール、イミド、オキシムなどの官能基をもつ有機化合物である。有機酸溶液81は、たとえばカルボン酸を含んでいる。具体的には、有機酸溶液81は、たとえばポリカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸を含んでいる。より具体的には、有機酸溶液81は、たとえばクエン酸、リンゴ酸または乳酸を含んでいる。有機酸溶液81がクエン酸を含んでいる場合、有機酸溶液81の全体の体積に対するクエン酸の体積の割合は、たとえば20%である。有機酸溶液81がクエン酸を含んでいる場合、有機酸溶液81の全体の重量に対するクエン酸の重量の割合は、たとえば29.4%である。水は、有機酸溶液81における溶媒である。有機酸溶液81のpHは、たとえば2以上3以下である。支持台82上に、炭化珪素基板100が配置される。
 図10は、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)を示す平面模式図である。図10において、容器80、有機酸溶液81および支持台82の各々は図示されていない。図9および図10に示されるように、スポンジ83によって、第1主面1がスクラブ洗浄される。スポンジ83が矢印Aに沿って動きつつ、スポンジ83が第1主面1を擦ることによって、第1主面1がスクラブ洗浄される。平面視において、スポンジ83は、たとえば反時計回りに移動しつつ、第1主面1の中心から外周側面9に向かう方向に移動する。スポンジ83は、時計回りに移動しつつ、第1主面1の中心から外周側面9に向かう方向に移動してもよい。平面視において、スポンジ83は、渦巻き状に移動してもよい。
 炭化珪素基板100がスクラブ洗浄される時間は、たとえば1分である。1分間、上記のスクラブ洗浄が繰り返されてもよい。スポンジ83は、たとえばポリビニルホルマール(PVFM)によって構成されている。第3方向103に垂直な方向における振動がスポンジ83に負荷されている状態でスポンジ83が第1主面1を擦ることによって、スクラブ洗浄が行われてもよい。平面視において、スポンジ83が時計回りまたは反時計回りに自転しつつスポンジ83が第1主面1を擦ることによってスクラブ洗浄が行われてもよい。同様にして、第2主面2に対してスクラブ洗浄が実施されてもよい。以上により、炭化珪素基板100の第1主面1および第2主面2の各々の上に残存しているシリカ粒子71(図3参照)が除去される。
 アルカリ溶液を用いて炭化珪素基板を洗浄する工程(S40)後且つ炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)前において、第1主面1上に残存しており且つ直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度は、第1面密度とされる。炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)後において、第1主面1上に残存しており且つ直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度は、第2面密度とされる。
 第1面密度から第2面密度を差し引いた値を第1面密度で割った値は、除去率とされる。除去率は、たとえば97%以上である。除去率は、たとえば98%以上であってもよいし、98.5%以上であってもよい。除去率は、たとえば99.9%以下であってもよいし、99.5%以下であってもよい。
 本開示に係る炭化珪素基板100の製造方法は、上記の構成に限定されない。具体的には、アルカリ溶液を用いて炭化珪素基板を洗浄する工程(S40)は実施されなくてもよい。
 (炭化珪素半導体装置の製造方法)
 次に、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法について説明する。図11は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法を概略的に示すフロー図である。図11に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法は、炭化珪素基板を準備する工程(S1)と、炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程(S2)と、炭化珪素エピタキシャル層を加工する工程(S3)と、炭化珪素エピタキシャル層上に電極を形成する工程(S4)とを主に有している。
 炭化珪素基板を準備する工程(S1)と炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程(S2)とは、炭化珪素エピタキシャル基板を製造する工程(S5)を構成している。言い換えれば、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板200の製造方法は、炭化珪素基板を準備する工程(S1)と、炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程(S2)とを主に有している。
 まず、炭化珪素基板を準備する工程(S1)が実施される。図12は、炭化珪素基板を準備する工程(S1)を示す断面模式図である。図12に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素基板100が準備される。
 次に、炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程(S2)が実施される。図13は、炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程(S2)を示す断面模式図である。図13に示されるように、たとえば炭化珪素基板100の第1主面1上に炭化珪素エピタキシャル層20がエピタキシャル成長により形成される。エピタキシャル成長においては、原料ガスとしてたとえばシラン(SiH4)およびプロパン(C38)が用いられ、キャリアガスとして水素(H2)が用いられる。エピタキシャル成長の温度は、たとえば1400℃以上1700℃以下程度である。エピタキシャル成長において、たとえば窒素などのn型不純物が、炭化珪素エピタキシャル層20に導入される。以上により、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板200が準備される。言い換えれば、炭化珪素エピタキシャル基板を製造する工程(S5)によって、炭化珪素エピタキシャル基板200が製造される。
 図13に示されるように、炭化珪素エピタキシャル層20は、バッファ層41と、ドリフト層42とを有していてもよい。バッファ層41は、炭化珪素基板100に接している。ドリフト層42は、バッファ層41上に設けられている。ドリフト層42が含む窒素濃度は、バッファ層41が含む窒素濃度よりも低くてもよい。ドリフト層42は、第3主面3を構成している。
 次に、炭化珪素エピタキシャル層を加工する工程(S3)が実施される。まず、炭化珪素エピタキシャル層20に対してイオン注入が行われる。図14は、ボディ領域を形成する工程を示す断面模式図である。ボディ領域を形成する工程において、炭化珪素エピタキシャル層20の第3主面3に対して、たとえばアルミニウムなどのp型不純物がイオン注入される。これにより、p型の導電型を有するボディ領域113が形成される。ボディ領域113が形成されなかった部分は、ドリフト層42およびバッファ層41となる。ボディ領域113の厚みは、たとえば0.9μmである。炭化珪素エピタキシャル層20は、バッファ層41と、ドリフト層42と、ボディ領域113とを含む。
 次に、ソース領域を形成する工程が実施される。図15は、ソース領域を形成する工程を示す断面模式図である。具体的には、ボディ領域113に対して、たとえばリンなどのn型不純物がイオン注入される。これにより、n型の導電型を有するソース領域114が形成される。ソース領域114の厚みは、たとえば0.4μmである。ソース領域114が含むn型不純物の濃度は、ボディ領域113が含むp型不純物の濃度よりも高い。
 次に、ソース領域114に対して、たとえばアルミニウムなどのp型不純物がイオン注入されることにより、コンタクト領域118が形成される。コンタクト領域118は、ソース領域114およびボディ領域113を貫通し、ドリフト層42に接するように形成される。コンタクト領域118が含むp型不純物の濃度は、ソース領域114が含むn型不純物の濃度よりも高い。
 次に、イオン注入された不純物を活性化するため活性化アニールが実施される。活性化アニールの温度は、たとえば1500℃以上1900℃以下である。活性化アニールの時間は、たとえば30分程度である。活性化アニールの雰囲気は、たとえばアルゴン雰囲気である。
 次に、炭化珪素エピタキシャル層20の第3主面3にトレンチを形成する工程が実施される。図16は、炭化珪素エピタキシャル層20の第3主面3にトレンチを形成する工程を示す断面模式図である。ソース領域114およびコンタクト領域118から構成される第3主面3上に、開口を有するマスク117が形成される。マスク117を用いて、ソース領域114と、ボディ領域113と、ドリフト層42の一部とがエッチングにより除去される。エッチングの方法としては、たとえば誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングを用いることができる。具体的には、たとえば反応ガスとしてSF6またはSF6とO2との混合ガスを用いた誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングが用いられる。エッチングにより、第3主面3に凹部が形成される。
 次に、凹部において熱エッチングが行われる。熱エッチングは、第3主面3上にマスク117が形成された状態で、たとえば、少なくとも1種類以上のハロゲン原子を有する反応性ガスを含む雰囲気中での加熱によって行い得る。少なくとも1種類以上のハロゲン原子は、塩素(Cl)原子およびフッ素(F)原子の少なくともいずれかを含む。当該雰囲気は、たとえば、Cl2、BCl3、SF6またはCF4を含む。たとえば、塩素ガスと酸素ガスとの混合ガスを反応ガスとして用い、熱処理温度を、たとえば700℃以上1000℃以下として、熱エッチングが行われる。なお、反応ガスは、上述した塩素ガスと酸素ガスとに加えて、キャリアガスを含んでいてもよい。キャリアガスとしては、たとえば窒素ガス、アルゴンガスまたはヘリウムガスなどを用いることができる。
 図16に示されるように、熱エッチングにより、第3主面3にトレンチ56が形成される。トレンチ56は、側壁面53と、底壁面54とにより規定される。側壁面53は、ソース領域114と、ボディ領域113と、ドリフト層42とにより構成される。底壁面54は、ドリフト層42により構成される。次に、マスク117が第3主面3から除去される。
 次に、ゲート絶縁膜を形成する工程が実施される。図17は、ゲート絶縁膜を形成する工程を示す断面模式図である。具体的には、第3主面3にトレンチ56が形成された炭化珪素エピタキシャル基板200が、酸素を含む雰囲気中において、たとえば1300℃以上1400℃以下の温度で加熱される。これにより、底壁面54においてドリフト層42と接し、側壁面53においてドリフト層42、ボディ領域113およびソース領域114の各々に接し、かつ第3主面3においてソース領域114およびコンタクト領域118の各々と接するゲート絶縁膜115が形成される。
 次に、炭化珪素エピタキシャル層上に電極を形成する工程(S4)が実施される。まず、ゲート電極を形成する工程が実施される。図18は、ゲート電極および層間絶縁膜を形成する工程を示す断面模式図である。ゲート電極127は、トレンチ56の内部においてゲート絶縁膜115に接するように形成される。ゲート電極127は、トレンチ56の内部に配置され、ゲート絶縁膜115上においてトレンチ56の側壁面53および底壁面54の各々と対面するように形成される。ゲート電極127は、たとえばLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
 次に、層間絶縁膜126が形成される。層間絶縁膜126は、ゲート電極127を覆い、かつゲート絶縁膜115と接するように形成される。層間絶縁膜126は、たとえば化学気相成長法により形成される。層間絶縁膜126は、たとえば二酸化珪素を含む材料により構成される。次に、ソース領域114およびコンタクト領域118上に開口部が形成されるように、層間絶縁膜126およびゲート絶縁膜115の一部がエッチングされる。これにより、コンタクト領域118およびソース領域114がゲート絶縁膜115から露出する。
 次に、ソース電極を形成する工程が実施される。ソース電極116は、ソース領域114およびコンタクト領域118の各々に接するように形成される。ソース電極116は、たとえばスパッタリング法により形成される。ソース電極116は、たとえばTi(チタン)、Al(アルミニウム)およびSi(シリコン)を含む材料から構成されている。
 次に、合金化アニールが実施される。具体的には、ソース領域114およびコンタクト領域118の各々と接するソース電極116が、たとえば900℃以上1100℃以下の温度で5分程度保持される。これにより、ソース電極116の少なくとも一部がシリサイド化する。これにより、ソース領域114とオーミック接合するソース電極116が形成される。ソース電極116は、コンタクト領域118とオーミック接合してもよい。
 次に、ソース配線119が形成される。ソース配線119は、ソース電極116と電気的に接続される。ソース配線119は、ソース電極116および層間絶縁膜126を覆うように形成される。
 次に、ドレイン電極を形成する工程が実施される。まず、第2主面2において、炭化珪素基板100が研磨される。これにより、炭化珪素基板100の厚みが薄くなる。次に、ドレイン電極123が形成される。ドレイン電極123は、第2主面2と接するように形成される。以上により、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400が製造される。
 図19は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面模式図である。炭化珪素半導体装置400は、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。炭化珪素半導体装置400は、炭化珪素エピタキシャル基板200と、ゲート電極127と、ゲート絶縁膜115と、ソース電極116と、ドレイン電極123と、ソース配線119と、層間絶縁膜126とを主に有している。炭化珪素エピタキシャル基板200は、バッファ層41と、ドリフト層42と、ボディ領域113と、ソース領域114と、コンタクト領域118とを有している。炭化珪素半導体装置400は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等であってもよい。
 上記においては、炭化珪素エピタキシャル層20が第1主面1上に形成される構成について説明したが、本開示に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法は、上記の構成に限定されない。具体的には、炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程(S2)において、炭化珪素エピタキシャル層20は、第2主面2上に形成されてもよい。
 次に、本実施形態に係る炭化珪素基板100、炭化珪素エピタキシャル基板200の製造方法および炭化珪素半導体装置400の製造方法の作用効果について説明する。
 炭化珪素基板100の製造において、炭化珪素基板100の主面の平坦性を向上するために、コロイダルシリカ312を用いて炭化珪素基板100に対して化学機械研磨が実施される。これによって、炭化珪素基板100の主面のRaを低減することができる。一方で、この場合、化学機械研磨後に炭化珪素基板100の表面にシリカ粒子71が残存する。結果として、炭化珪素基板100の表面性状が悪化する。表面性状が悪化した炭化珪素基板100の上に、炭化珪素エピタキシャル層20を形成した場合、炭化珪素エピタキシャル層20における欠陥の密度が増加する。表面性状が悪化した炭化珪素基板100を用いて炭化珪素半導体装置400を製造した場合、炭化珪素半導体装置400の歩留まりが低下する。
 通常、炭化珪素基板100の表面に残存するシリカ粒子71を除去するために、炭化珪素基板100を溶液に浸漬することによって、炭化珪素基板100の洗浄が行われる。しかしながら、炭化珪素基板100の洗浄を実施してもシリカ粒子71が十分に除去されない場合があった。特に、カーボン面またはカーボン面に対して傾斜している面(第1主面1)において、シリカ粒子71が十分に除去されない場合があった。シリコン面と比較して、カーボン面は水との親和性が低く、より高い疎水性を有している。このため、シリコン面と比較して、カーボン面において、シリカ粒子71が付着しやすいと考えられる。また、炭化珪素基板100に付着したシリカ粒子71の直径が小さい程、シリカ粒子71を炭化珪素基板100から除去しにくくなると考えられる。
 発明者は、シリカ粒子71を十分に除去するための方策について鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を得て、本開示に係る炭化珪素基板100の製造方法を見出した。
 第1に、発明者は、炭化珪素基板100が浸漬される溶液のpHとシリカ粒子71のコロイド安定性との関係に着目した。溶液のpHが変化すると、当該溶液中に含まれるシリカ粒子71のコロイド安定性が変化する。具体的には、溶液が中性である場合(たとえば溶液のpHが6以上7以下である場合)においては、シリカ粒子71は凝集しやすくなる。一方で、溶液がアルカリ性である場合(たとえば溶液のpHが9以上である場合)においては、シリカ粒子71は安定状態となる。言い換えれば、シリカ粒子71は溶液中に分散しやすくなる。さらに、溶液のpHがたとえば11以上である場合、シリカ粒子71は、溶液中に溶解しやすくなる。また、溶液が酸性である場合(たとえば溶液のpHが2以上3以下である場合)においては、シリカ粒子71は準安定状態となる。言い換えれば、シリカ粒子71は溶液中に分散しやすくなる。
 炭化珪素基板100に付着したシリカ粒子71が溶液中に分散することによって、炭化珪素基板100の表面からシリカ粒子71を除去することができる。また、溶液中にシリカ粒子71が分散することによって、シリカ粒子71の直径が小さくなる。これによって、炭化珪素基板100とシリカ粒子71との間に働く分子間力は小さくなる。結果として、シリカ粒子71が炭化珪素基板100の表面に付着しにくくなると考えられる。
 第2に、発明者は、スクラブ洗浄によるシリカ粒子71の除去と溶液のpHとの関係に着目した。溶液がアルカリ性である場合、炭化珪素基板100の表面の周辺において、炭化珪素基板100とシリカ粒子71との間に引力が生じていると考えられる。この場合、スクラブ洗浄によって、シリカ粒子71が炭化珪素基板100の表面から離れた後に、シリカ粒子71が炭化珪素基板100の表面に再付着すると考えられる。一方で、溶液が酸性である場合、炭化珪素基板100の表面の周辺において、炭化珪素基板100とシリカ粒子71との間に斥力が発生していると考えられる。この場合、スクラブ洗浄を実施することによって、炭化珪素基板100の表面からシリカ粒子71が離れた後に、斥力によってシリカ粒子71が炭化珪素基板100の表面に再付着することを抑制できると考えられる。
 以上の知見に基づいて、発明者は、本開示に係る炭化珪素基板100の製造方法において、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)を導入した。
 本実施形態に係る炭化珪素基板100によれば、第1主面1に垂直に見て、第1主面1上にあり、かつ直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度は、1×108個/cm2未満である。第1主面1のRaは、0.1nm以下である。このように、炭化珪素基板100の表面に残存しているシリカ粒子71が低減されており、かつ第1主面1のRaが低減されている。これによって、炭化珪素基板100の表面性状を向上できる。
 本実施形態に係る炭化珪素基板100によれば、第1主面1に垂直に見て、第1主面1上にあり、かつ直径が20nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度は、1×108個/cm2未満であってもよい。このように、直径が小さいシリカ粒子71を含めた場合においても、炭化珪素基板100の表面に残存しているシリカ粒子71が低減されている。
 本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板200の製造方法によれば、本実施形態に係る炭化珪素基板100が準備される。炭化珪素基板100上に炭化珪素エピタキシャル層20が形成される。これによって、表面性状が向上された炭化珪素基板100上に炭化珪素エピタキシャル層20が形成されているため、炭化珪素エピタキシャル層20における欠陥の増大を抑制できる。
 本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法によれば、本実施形態に係る炭化珪素基板100が準備される。炭化珪素基板100上に炭化珪素エピタキシャル層20が形成される。炭化珪素エピタキシャル層20上に電極127が形成される。これによって、表面性状が向上された炭化珪素基板100上に炭化珪素エピタキシャル層20が形成されているため、炭化珪素半導体装置400の歩留まりを向上できる。
 本実施形態に係る炭化珪素基板100の製造方法によれば、コロイダルシリカ312を用いて炭化珪素基板100が研磨される。炭化珪素基板100を研磨する工程後において、炭化珪素基板100を有機酸溶液81に浸漬しながら炭化珪素基板100に対してスクラブ洗浄が行われることによって、炭化珪素基板100上からシリカ粒子71が除去される。このため、炭化珪素基板100の表面に残存するシリカ粒子71の面密度を低減することができる。これによって、炭化珪素基板100の表面性状を向上できる。
 本実施形態に係る炭化珪素基板100の製造方法によれば、アルカリ溶液を用いて炭化珪素基板100が洗浄されてもよい。これによって、炭化珪素基板100の表面に残存するシリカ粒子71の面密度をより低減できる。
 本実施形態に係る炭化珪素基板100の製造方法によれば、第1主面1は、カーボン面またはカーボン面に対して8°以下のオフ角度θで傾斜した面であってもよい。炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)において、第1主面1がスクラブ洗浄されてもよい。これによって、カーボン面またはカーボン面に対して8°以下のオフ角度θで傾斜した面においても、シリカ粒子71の面密度を低減できる。
 (サンプル準備)
 まず、サンプル1からサンプル5に係る炭化珪素基板100が準備された。サンプル1からサンプル4に係る炭化珪素基板100は、比較例である。サンプル5に係る炭化珪素基板100は、実施例である。
 サンプル1からサンプル4に係る炭化珪素基板100は、上述した炭化珪素単結晶を成長させる工程(S10)と、炭化珪素基板を形成する工程(S20)と、コロイダルシリカを用いて炭化珪素基板を研磨する工程(S30)とが実施されることによって形成された。形成された炭化珪素基板100が洗浄液に浸漬されることによって、炭化珪素基板100の洗浄が行われた。
 サンプル1およびサンプル2に係る炭化珪素基板100において、洗浄液としてアルカリ溶液が用いられた。サンプル1に係る炭化珪素基板100に対して、スクラブ洗浄は行われなかった。サンプル2に係る炭化珪素基板100に対しては、アルカリ溶液に浸漬した状態でスクラブ洗浄が行われた。アルカリ溶液は、関東化学製「シカクリーン LX-III」と水とを含んでいた。アルカリ溶液の全体の体積に対する「シカクリーン LX-III」の体積の割合は9%とされた。
 サンプル3に係る炭化珪素基板100において、洗浄液として純水が用いられた。炭化珪素基板100が純水に浸漬された状態で、超音波発振器を用いて炭化珪素基板100に超音波が加えられた。超音波の周波数は1MHzとされた。超音波発振器の消費電力は1200Wとされた。炭化珪素基板100に超音波が加えられている際における純水のオーバーフローは、20%/分とされた。
 サンプル4に係る炭化珪素基板100は、洗浄液として有機酸溶液が用いられた。有機酸溶液は、クエン酸と水とを含んでいた。有機酸溶液の全体の体積に対するクエン酸の体積の割合は20%であった。サンプル4に係る炭化珪素基板100に対して、スクラブ洗浄は行われなかった。
 サンプル5に係る炭化珪素基板100は、上述した炭化珪素単結晶を成長させる工程(S10)と、炭化珪素基板を形成する工程(S20)と、コロイダルシリカを用いて炭化珪素基板を研磨する工程(S30)と、炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら炭化珪素基板をスクラブ洗浄する工程(S50)とが実施されることによって作製された。有機酸溶液は、クエン酸と水とを含んでいた。有機酸溶液の全体の体積に対するクエン酸の体積の割合は20%であった。
 (評価方法)
 サンプル1からサンプル5に係る炭化珪素基板100の第1主面1に対して、ハロゲン光源を用いた集光灯によって光が照射された。光が照射された状態で、目視によって第1主面1の曇りの有無が確認された。第3方向103において、炭化珪素基板100とハロゲン光源との間の距離は、100mm以上300mm以下とされた。ハロゲン光源の消費電力は100Wとされた。光の照度は、10000ルクス以上40000ルクス以下とされた。第1主面1に対して全反射しない角度から目視による観察が行われた。第1主面1上にシリカ粒子71が過剰に残存している場合、曇りが確認される。一方で、第1主面1上においてシリカ粒子71が十分に除去されている場合、曇りは確認されない。
 (評価結果)
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1は、サンプル1からサンプル5に係る炭化珪素基板100における第1主面1の曇りの有無を示している。表1に示されるように、サンプル1からサンプル4に係る炭化珪素基板100において、第1主面1の曇りが確認された。サンプル5に係る炭化珪素基板100において、第1主面1の曇りは確認されなかった。
 以上の結果より、本開示に係る炭化珪素基板100の製造方法によれば、比較例に係る炭化珪素基板100の製造方法と比較して、より多くのシリカ粒子71を除去できることが確認された。
 (サンプル準備)
 まず、サンプル6およびサンプル7に係る炭化珪素基板100が準備された。サンプル6に係る炭化珪素基板100は、比較例である。サンプル7に係る炭化珪素基板100は、実施例である。サンプル6に係る炭化珪素基板100は、上述のサンプル4に係る炭化珪素基板100と実質的に同じ手順によって作製された。サンプル7に係る炭化珪素基板100は、上述のサンプル5に係る炭化珪素基板100と実質的に同じ手順によって作製された。
 (評価方法)
 サンプル6およびサンプル7に係る炭化珪素基板100において、上述の測定方法を用いて、第1主面1におけるシリカ粒子71の面密度が測定された。具体的には、サンプル6に係る炭化珪素基板100において、直径が60nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度(第3面密度)と、直径が20nm以上200nm以下であるシリカ粒子71の面密度(第4面密度)とが測定された。サンプル7に係る炭化珪素基板100において、第3面密度が測定された。シリカ粒子71の面密度の測定においては、SEMとして、日本電子社製の「JSM-7800F」が使用された。加速電圧は2kVとされた。測定電流は、0.1nA以上1nA以下とされた。真空度は、5×10-3Pa以下とされた。サンプル6に係る炭化珪素基板100において、測定倍率は25000倍とされた。測定視野は8.3μm×5.5μmとされた。サンプル7に係る炭化珪素基板100において、測定倍率は10000倍とされた。測定視野は20μm×15μmとされた。
 (評価結果)
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2は、サンプル6およびサンプル7に係る炭化珪素基板100におけるシリカ粒子71の面密度を示している。表2に示されるように、サンプル6に係る炭化珪素基板100において、第3面密度は1.4×108/cm2であった。サンプル6に係る炭化珪素基板100において、第4面密度は2.4×108/cm2であった。表2に示されるように、サンプル7に係る炭化珪素基板100において、第3面密度は1.6×106/cm2であった。
 以上の結果より、本開示に係る炭化珪素基板100の製造方法によれば、第1主面1上において、シリカ粒子71の面密度を低減できることが確認された。
 今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1主面、2 第2主面、3 第3主面、7 オリエンテーションフラット、8 円弧状部、9 外周側面、20 炭化珪素エピタキシャル層、21 第1抵抗ヒータ、22 第2抵抗ヒータ、23 第3抵抗ヒータ、30 坩堝、31 蓋部、32 原料収容部、41 バッファ層、42 ドリフト層、50 種基板、51 成長面、52 取付面、53 側壁面、54 底壁面、56 トレンチ、59 炭化珪素原料、61 第1正方領域、62 第2正方領域、63 第3正方領域、64 第4正方領域、65 第5正方領域、70 長方形領域、71 シリカ粒子、80 容器、81 有機酸溶液、82 支持台、83 スポンジ、100 炭化珪素基板、101 第1方向、102 第2方向、103 第3方向、110 炭化珪素単結晶、113 ボディ領域、114 ソース領域、115 ゲート絶縁膜、116 ソース電極、117 マスク、118 コンタクト領域、119 ソース配線、123 ドレイン電極、126 層間絶縁膜、127 ゲート電極(電極)、200 炭化珪素エピタキシャル基板、300 化学機械研磨装置、301 研磨布、302 研磨ヘッド、304 真空ポンプ、310 研磨液、311 酸化剤、312 コロイダルシリカ、400 炭化珪素半導体装置、500 製造装置、A 矢印、D 直径、F 加工圧力、W1 第1最大径、W2 第2最大径、θ オフ角度。

Claims (9)

  1.  主面と、
     前記主面上にあるシリカ粒子とを備え、
     前記主面は、カーボン面または前記カーボン面に対して8°以下のオフ角度で傾斜した面であり、
     前記主面に垂直に見た平面視において、前記主面上にあり且つ直径が60nm以上200nm以下である前記シリカ粒子の面密度は、1×108個/cm2未満であり、
     前記主面のRaとして規定される算術平均粗さは、0.1nm以下である、炭化珪素基板。
  2.  前記平面視において、前記主面上にあり且つ直径が20nm以上200nm以下である前記シリカ粒子の面密度は、1×108個/cm2未満である、請求項1に記載の炭化珪素基板。
  3.  請求項1または請求項2に記載の炭化珪素基板を準備する工程と、
     前記炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程とを備える、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  4.  請求項1または請求項2に記載の炭化珪素基板を準備する工程と、
     前記炭化珪素基板上に炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程と、
     前記炭化珪素エピタキシャル層上に電極を形成する工程とを備える、炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5.  コロイダルシリカを用いて炭化珪素基板を研磨する工程を備え、
     前記炭化珪素基板を研磨する工程において、前記コロイダルシリカが前記炭化珪素基板上に残存することによって前記炭化珪素基板上にシリカ粒子が付着し、
     前記炭化珪素基板を研磨する工程後において、前記炭化珪素基板を有機酸溶液に浸漬しながら前記炭化珪素基板に対してスクラブ洗浄を行うことによって、前記炭化珪素基板上から前記シリカ粒子を除去する工程をさらに備える、炭化珪素基板の製造方法。
  6.  前記炭化珪素基板を研磨する工程後において、アルカリ溶液を用いて前記炭化珪素基板を洗浄する工程を備える、請求項5に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  7.  前記コロイダルシリカの平均粒径は、20nm以上80nm以下である、請求項5または請求項6に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  8.  前記炭化珪素基板は、主面を含み、
     前記主面は、カーボン面または前記カーボン面に対して8°以下のオフ角度で傾斜した面であり、
     前記炭化珪素基板上から前記シリカ粒子を除去する工程において、前記主面に対してスクラブ洗浄を行う、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  9.  前記主面に垂直に見た平面視において、
      前記炭化珪素基板を研磨する工程後且つ前記炭化珪素基板上から前記シリカ粒子を除去する工程前において、前記主面上に残存しており且つ直径が60nm以上200nm以下である前記シリカ粒子の面密度を第1面密度とし、
      前記炭化珪素基板上から前記シリカ粒子を除去する工程後において、前記主面上に残存しており且つ直径が60nm以上200nm以下である前記シリカ粒子の面密度を第2面密度とした場合、
     前記第1面密度から前記第2面密度を差し引いた値を前記第1面密度で割った値は、97%以上である、請求項8に記載の炭化珪素基板の製造方法。
PCT/JP2023/041802 2022-12-15 2023-11-21 炭化珪素基板、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素基板の製造方法 WO2024127929A1 (ja)

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