WO2024048771A1

WO2024048771A1 - 毛髪処理装置

Info

Publication number: WO2024048771A1
Application number: PCT/JP2023/032039
Authority: WO
Inventors: 一憲前田
Original assignee: ヤーマン株式会社
Priority date: 2022-09-02
Filing date: 2023-08-31
Publication date: 2024-03-07

Abstract

【課題】　処理剤を均一に供給すると共に、処理剤の作用を促進し、かつメンテナンス性に優れた毛髪処理装置を提供すること。【解決手段】　使用者の毛髪を処理するための毛髪処理装置１であって、処理剤を供給する供給経路２４と、供給経路２４と接続されて処理剤を吐出する処理剤吐出口２２と、複数の突起部３１、毛髪に該処理剤を作用させる処理剤作用領域３２とを備え、処理剤作用領域３２において、処理剤の作用を促進する所定の動作条件に従って加熱、振動、加圧、電気刺激、又は光刺激の少なくとも１つの動作を行う促進手段を有する。

Description

毛髪処理装置

　本発明は、使用者の毛髪に処理剤を作用させる毛髪処理装置に関する。

　ヘアカラーやトリートメント、パーマ、育毛剤など、毛髪の処理に用いる様々な処理剤が知られている。これらはチューブ等の容器から手やブラシに取って直接塗ったり、スプレーで毛髪に当てるものが従来から広く用いられている。

　また、処理剤と併せて器具を用いることも行われている。
　例えば特許文献１では、毛髪に塗布された毛髪処理材を毛髪に均一に浸透させて優れた毛髪処理効果を発揮すると共に毛髪処理効果を促進することを目的として、超音波領域の振動にて振動器体を振動させ、毛髪に毛髪処理剤を塗布すると共に振動器体にて毛髪や毛髪処理剤に超音波振動を与えて毛髪処理剤の毛髪処理効果を促進する装置が開示されている。

　特許文献２は、ヘアカラーを調合してブラシから送達させる器具が開示されている。すなわち、いくつかのヘアカラー剤パケットと、１つの顕色剤パケットを有するヘアカラー剤パケット組立体を含み、各パケットは、選択された量の材料を混合組立体に送達するためのポンプを有し、制御組立体は、選択された量のカラー剤材料および顕色剤材料を混合組立体に送達するようにポンプのそれぞれを制御し、混合組立体は、カラー剤と顕色剤を混合した上でヘアカラー剤組成物が通って送達される開口部を有するブラシヘッド／分配器の構成を提案している。

　また、出願人による特許文献３では、筐体の内側に、操作箇所に対するユーザの把握開放動作に伴って互いに接触又は離間可能な一対のプレートを備え、一対のプレートのうちの少なくとも一方は、ユーザの把握動作によって毛髪を挟持し、毛髪に対して通電によるイオンの導出入を実行可能に構成され、筐体に対して位置又は向きが可変に構成される毛髪挟持装置が開示されている。

特開平9-262120号公報特表2020-534953号公報特開2022-102628号公報

　上記従来技術では、毛髪に処理剤を供給する器具は開示されているものの、供給口が一箇所であったり、ブラシの毛先に設けられたりしているため、供給口の近傍では処理剤の量が多く分布する一方、離れた位置には処理剤が行き渡らず、均一に処理剤を毛髪に与え、処理剤の作用を促進する構造を取ることが難しい。
　また構造が複雑で水洗などのメンテナンスがしにくい問題があった。

　そこで本発明は、処理剤を均一に供給すると共に、処理剤の作用を促進し、かつメンテナンス性に優れた毛髪処理装置を提供することを目的とする。

　本発明の第１の実施形態によれば、使用者の毛髪を処理するための毛髪処理装置であって、処理剤を供給する供給経路と、供給経路と接続されて処理剤を吐出する処理剤吐出口と、複数の突起部と、毛髪に処理剤を作用させる処理剤作用領域とを備え、処理剤作用領域において、処理剤の作用を促進する所定の動作条件に従って加熱、振動、加圧、電気刺激、又は光刺激の少なくとも１つの動作を行う促進手段を有する毛髪処理装置を提供する。

　本発明の第２の実施態様によれば、処理剤吐出口が、突起部の位置に関連付けて複数配置される構成でもよい。

　本発明の第３の実施態様によれば、毛髪処理装置において、使用者の毛髪を挟んで保持する挟み部を有する構成でもよい。

　本発明の第４の実施態様によれば、供給経路と接続する送り管の周面に処理剤吐出口が複数開口してなるノズル部を備える構成であって、ノズル部は突起部の配列方向に沿って配置される構成でもよい。

　本発明の第５の実施態様によれば、処理剤吐出口の開口面積が、供給経路に近い側が相対的に小さく、供給経路に遠い側が相対的に大きく形成される構成でもよい。

　本発明の第６の実施態様によれば、送り管の断面積が、供給経路に近い側が相対的に大きく、供給経路に遠い側が相対的に小さく形成される構成でもよい。

　本発明の第７の実施態様によれば、毛髪処理装置に処理剤を収容する処理剤タンクを備え、供給経路にノズル部を取り付けた場合には処理剤タンクから供給経路を介してノズル部に処理剤を送出する一方、供給経路に処理剤を収容した処理剤容器を取り付けた場合には処理剤容器から供給経路を介して処理剤タンクに処理剤を吸入する処理剤送出吸入手段を備えてもよい。

　本発明の第８の実施態様によれば、処理剤タンクが着脱可能であって、処理剤タンクの装着時には挟み部の開き角度を第１の角度に規制する一方、処理剤タンクの離脱時には第１の角度の規制を解除する構成でもよい。

　本発明の第９の実施態様によれば、挟み部が、相対的に可動な第１挟み部及び第２挟み部から成り、第１挟み部上に、処理剤を供給する供給経路と、ノズル部と、突起部とを備え、突起部は、第２挟み部側と反対面の外方に向けて突設し、ノズル部の処理剤吐出口が外方に向けた状態と、ノズル部の処理剤吐出口が第２挟み部側の内方に向けた状態との両方の状態を有する構成でもよい。

　本発明の第１０の実施形態によれば、使用者の毛髪を処理するための毛髪処理装置であって、毛髪を挟んで保持する挟み部と、処理剤を供給する供給経路と、挟み部の近傍に、供給経路と接続されて処理剤を吐出する処理剤吐出口と、毛髪に処理剤を作用させる処理剤作用領域とを備え、処理剤作用領域において、処理剤の作用を促進する所定の動作条件に従って加熱、振動、加圧、電気刺激、又は光刺激の少なくとも１つの動作を行う促進手段を有する毛髪処理装置を提供する。

　本発明の第１１の実施形態によれば、前記挟み部が、相対的に可動な第１挟み部及び第２挟み部から成り、第１挟み部に処理剤を供給する供給経路と、供給経路と接続され、第１挟み部上に複数配置される処理剤吐出口とを備える構成でもよい。

　本発明の第１２の実施形態によれば、第２挟み部に、処理剤作用領域を備えることもできる。

　本発明の第１３の実施形態によれば、第１挟み部及び第２挟み部が細長の面状体で形成され、第１挟み部の長手方向に沿って溝部を備えると共に、第２挟み部の長手方向に沿って突起部を備え、第１挟み部と第２挟み部とが毛髪を挟んだ時に、突起部が溝部に挿入される構成において、溝部内に前記処理剤吐出口を配設して、突起部に処理剤を吐出する構成でもよい。

　本発明の第１４の実施形態によれば、第１挟み部と第２挟み部は一端を回動軸で連結し、所定角度内で回動するように構成した毛髪処理装置を提供する。

　本発明の第１５の実施形態によれば、前記毛髪処理装置において、処理剤を加圧送出する加圧送出手段を備え、加圧送出手段から供給経路に処理剤を供給する構成でもよい。

　本発明の第１６の実施形態によれば、前記加圧送出手段が電気で駆動され、処理剤を供給する供給口と、処理剤を加圧するポンプと、ポンプを制御する制御回路とから構成される構成において、制御回路を防水領域に配置すると共に、供給口から供給経路、処理剤吐出口を水洗可能にすることもできる。

　本発明の第１７の実施形態によれば、毛髪処理のための処理剤を収容する処理剤収容器であって、処理剤を収容する収容部と、収容部から外部に処理剤を吐出する吐出経路とを有する。
　そして、収容部の一部に、収容部内に対して大気圧を受ける圧力受け部と、受けた圧力に応じて収容部内の容積を減じる容積減少手段を備え、圧力受け部が大気圧から受ける力を、収容部内の容積を減じる方向に容積減少手段に作用させることを特徴とする。

　本発明は上記構成により、使用者の毛髪に処理剤を均一に供給すると共に、処理剤の作用を促進し、かつメンテナンス性に優れた毛髪処理装置を提供することができる。

本発明に係る毛髪処理装置で挟み部を開いた状態の斜視図。本発明に係る毛髪処理装置で挟み部を閉じた状態の斜視図。処理剤作用領域の態様を示す拡大図。処理剤吐出口の態様を示す拡大図。処理剤作用領域及び処理剤吐出口を示す拡大図。本発明に係る加圧送出手段の構造を示す説明図。処理剤吐出口の様々な態様を示す模式図。第２実施例に係る毛髪処理装置の斜視図。第２実施例におけるノズルＡの態様を示す図。ノズルＡ装着時の断面図。ノズルＡを離脱した状態を示す図。第２実施例におけるノズルＢの態様を示す図。ノズルＢ装着時の断面図。第２実施例における処理剤容器の態様を示す図。処理剤容器装着時（ピストン移動前）の断面図。処理剤容器装着時（ピストン移動後）の断面図。処理剤容器の動作説明図１。処理剤容器の動作説明図２。処理剤タンク装着時のヒンジ部分の断面図。処理剤タンク離脱時のヒンジ部分の断面図。第２実施例における処理剤と毛髪の作用説明図。第２実施例における毛髪処理装置の断面図。処理剤収容器の構成を示す図。

　以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
［第１実施例］
　図１は本発明に係る毛髪処理装置（１）で挟み部を開いた状態を示し、図２は挟み部を閉じた状態を示している。毛髪処理装置（１）は使用者が把持する把持部（１０）、第１挟み部（２０）、第２挟み部（３０）から構成される。

　把持部（１０）は相対的に大径な円筒状体であり、握力をしっかりと及ぼして把持しやすく形成している。内部には処理剤を収容するタンクや処理剤を供給する機構を内設している。これらの機構については後述する。
　本発明において処理剤としては、ヘアカラー剤やトリートメント剤、ブリーチ剤、パーマ剤、育毛剤などが想定されるが、これらに限定されない。

　第１挟み部（２０）は第２挟み部（３０）と相対的に可動であり、特に、第１挟み部（２０）の基端部に回動軸を備えて、第２挟み部（３０）との間で所定角度内で回動するように構成している。本実施例において、第１挟み部（２０）と第２挟み部（３０）とが毛髪を挟む部分の辺長（両挟み部が閉じた時に平行に対向する範囲の長さ）は約１８ｃｍ、最大の開き角度は約２０度である。

　毛髪を挟む際は、第１挟み部（２０）を親指で押して第２挟み部（３０）側に回動させるので、力の弱い使用者でも無理なく、また毛髪の通りがよく使用できるために、上記の寸法が最も好適である。実施上の好ましい寸法としては、挟む部分の辺長が１０ｃｍ乃至２５ｃｍ、特に好ましくは１５ｃｍ乃至２０ｃｍである。開き角度の好適範囲としては、１５度乃至３０度である。

　第２挟み部（３０）は細長の面状体である。略面状体は把持部（１０）の大径より相対的に小さな幅とさらに小さな厚みであり、毛髪を処理する際に邪魔にならないような形状としている。
　第２挟み部（３０）の全長の先端側の略半分の範囲には、突起部であるブラシ（３１）を備えている。使用時には第１挟み部（２０）と第２挟み部（３０）を開いてブラシを髪に通してから、閉じて髪に沿って滑らせるようにするのが一般的な用法である。第１挟み部（２０）と第２挟み部（３０）を閉じて、図示しないロック手段で閉じた状態にしたまま処理剤吐出口（２２）から処理剤を吐出して、髪に塗布してもよい。ただし、本発明では具体的な使い方は限定されない。

　本実施例のブラシは樹脂製で所定の可撓性を有するが、材質や可撓性の程度は任意である。また、先端に電極を備えて電気的刺激を付与するようなブラシでもよい。
　また本発明の突起部は、多数のピンを備えるようなブラシ、櫛などに限られず、髪を挟んだり通したりするために凸状であれば形状は任意である。例えば半円球状に複数の凸がある形状や、長手の線状に１列又は複数の列で突出した形状、全体に隆起した形状なども含まれる。

　図２に示されるように、第１挟み部（２０）にはブラシ（３１）の対応する位置に貫通開口部（２１）が形成され、閉じた時にはブラシ（３１）が挿通して挟み側と反対側からブラシ先端が露出するようになっている。
　ブラシ（３１）のピン長は約３０ｍｍであり、この程度の長さが毛髪の量を十分に受け入れるために好ましく、一方で上記開き角度の好適範囲との関係から、貫通開口部（２１）を設けてブラシ（３１）が挿通するようにしている。

　挟み部を開いた状態で、ブラシ（３１）の最も基端側のピン（３１ａ）の先端と、第１挟み部（１０）との最短距離は約５ｍｍである。毛髪を挟み部の間に挟みやすく、同時に挟んだ毛髪が逃げにくい点で、この最短距離は３ｍｍ乃至１０ｍｍの範囲が好ましい。

　本実施例の毛髪処理装置（１）は、第１挟み部（２０）に処理剤を供給する供給経路と、供給経路と接続されて処理剤を吐出する処理剤吐出口（２２）とを備える一方、第２挟み部（３０）にブラシ（３１）と、毛髪に処理剤を作用させる処理剤作用領域である作用プレート（３２）とを備える。作用プレート（３２）は超音波振動と、加熱を行う機能を有している。

　図３は、処理剤作用領域の態様を示す拡大図である。図３（Ａ）にはアルミニウム製の作用プレート（３２）が装着されている状態、図３（Ｂ）には作用プレート（３２）を除いた内部構造をそれぞれ示している。
　作用プレート（３２）の表面は毛髪を挟んだ時に毛髪が振れて滑るように平滑であり、アルミニウムなどの防錆、熱伝導性に優れた素材が適している。

　作用プレート（３２）の裏面にはブラシ（３１）の両側にそれぞれ作用プレート（３２）を加熱するヒーター（３３）（３３）と、超音波振動を発生する振動部（３４）が基板上に設置され、作用プレート（３２）と接することで表面側にそれぞれの作用を及ぼすようになっている。

　ヒーター（３３）はセメント抵抗によって温熱作用を及ぼすものであり、ヒーター温度は５０度、７０度、１００度で切り替え可能である。低温の場合は主として処理剤の作用を促進するための設定であり、処理剤の温度を加温することで流動性を増したり、化学反応を促進する効果を有する。高温の場合はヘアアイロンとして機能するものであり、毛髪をカールしたり、ストレートに矯正する効果を有する。

　振動部（３４）は１ＭＨｚの超音波素子を備え、超音波トリートメントにより処理剤が毛髪や頭皮に浸透・定着することを促進する作用を及ぼす。浸透・定着を促進する周波数としては１０ｋＨｚないし１０ＭＨｚの範囲が好ましい。
　このように、本発明の処理剤作用領域は、加熱や振動によって処理剤の毛髪への浸透、定着や、処理剤の薬効を高める作用を有する領域である。

　本実施例において、中央にブラシ（３１）を配置し、その近傍領域にヒーター（３３）と振動部（３４）が配置されている。中央にブラシ（３１）を１列配置することで処理剤の塗りムラが起こりにくく、温熱と超音波振動によって毛髪内部まで処理剤成分を効果的に浸透・定着させることができる。また、ブラシ（３１）のピン間に髪を挟みながらコーミングすることで、髪を軽く圧縮しながら処理剤を塗布するので、軽い力でコーミングするだけで、浸透を補助することができる。

　処理剤作用領域については、本実施例のように作用プレート（３２）を用いる構成に限らず、例えばブラシだけを備えてブラシ自体に加熱や振動等を作用させてもよい。挟み部を備える構成において第１挟み部、第２挟み部のいずれに備えてもよい。

　処理剤の作用を促進する方法として、所定の動作条件に従って加熱、振動、加圧、電気刺激、又は光刺激の少なくとも１つの動作を行うことができる。
　ここで、加熱の場合の動作条件としては、上記のように比較的低温の温度条件が処理剤の作用を促進する条件であり、ヘアアイロンとして機能する高温の温度条件とは区別される。また、振動は１ＭＨｚなど高い周波数での動作条件を指し、数ヘルツでマッサージを行う条件とは区別される。

　他に本発明の促進手段としては、毛髪や頭皮に対して加圧すること、例えば押圧したり、挟んだ毛髪の挟む力を増したりすること、微弱な電流を流しイオン導入を行うことなどの電気刺激、またＬＥＤによる光刺激など、公知の促進方法とその動作条件を適用することができる。
　本実施例では加熱と振動を合わせて、又は選択的に使用することができるが、どのような促進手段を１つ又は組み合わせて使用するかは任意である。

　また、本発明の第３の実施形態として述べたように、本発明はブラシ等の突起部を備えない毛髪処理装置に適用することもできる。すなわち、上記挟み部を有する毛髪処理装置において、挟み部近傍に処理剤吐出口（２２）を設けて毛髪を挟みながら処理剤を吐出する構成として提供できる。具体的には図示されている装置からブラシを除外した状態を基本的な構成として理解すればよい。本構成は例えばヘアアイロンとして実施することができる。

　図４は、本発明に係る処理剤吐出口の態様を示す拡大図であり、具体的には第１挟み部（２０）の内部構造を図示している。また、図５は処理剤作用領域及び処理剤吐出口を示す拡大図である。

　第１挟み部（２０）の貫通開口部（２１）の内側には複数の処理剤吐出口（２２）・・が配置される。処理剤吐出口（２２）・・は、貫通開口部（２１）の略全長にわたって直側方に配設される吐出ユニット（２３）上に設けられる。吐出ユニット（２３）内部は空洞で、吐出ユニット（２３）に供給経路である供給管（２４）から処理剤が供給され、吐出ユニット内部の圧力により各処理剤吐出口（２２）・・から均一な液圧で処理剤が吐出される。

　吐出ユニット（２３）の挟み部と反対面の外表面には開閉可能な開閉カバー（２５）を有し、開閉カバー（２５）を開けることで吐出ユニット（２３）内部や処理剤吐出口（２２）を水洗することができる。処理剤は粘性の高いものや色素を含むものが多く、このように吐出ユニット（２３）や処理剤吐出口（２２）を丸洗いできる本構成は非常に利便性が高い。

　開閉カバー（２５）を開けた状態で吐出ユニット（２３）全体を取り外し掃除できるようにしてもよい。

　さらに、第１挟み部（２０）の外表面には供給管（２４）と吐出ユニット（２３）の管路内に圧力を加える手動ポンプ（２６）を設けて、水洗時に手動ポンプ（２６）を指で断続的に押すことで加圧された水流が処理剤吐出口（２２）から吐出し、余った処理剤を吐出し、各部材内の掃除をすることができる。

　図６は、本発明に係る加圧送出手段の構造を示す説明図である。加圧送出手段は主として把持部（１０）の内部に配設され、第１挟み部（２０）の供給管（２４）に向けて処理剤を加圧送出する。

　処理剤は把持部の端部に内装される処理剤タンク（１１）に封入される。処理剤タンク（１１）はカートリッジ式で着脱できるようにしてもよい。市販の処理剤を処理剤タンク（１１）に移し替えて用いるようにしてもよい。

　処理剤タンク（１１）と図示しないチューブで接続したポンプ部（１３）が駆動して供給管（２４）に処理剤を送出する。ポンプ部（１３）は第２挟み部（３０）内のバッテリー（３３）の電源によりモーター（１４）を回転させて駆動する。バッテリー（３３）にはコネクタ（１２）で給電する。

　ここで、モーター（１４）とポンプ部（１３）との間にはＯリング（１５）を用いて防水処理がされており、第２挟み部（３０）及び把持部（１０）内のモーター（１４）までの部分は防水された領域になっている。一方、処理剤タンク（１１）、ポンプ部（１３）の部分や、第１挟み部（２０）には電気機器が配置されていないため、全体を水洗いすることができる。

　具体的には、まず処理剤タンク（１１）を取り外してから、毛髪処理装置（１）全体を水に浸けて手動ポンプ（２６）を押すことで供給管（２４）等から水が断続的にコネクタ（１２）側や処理剤と出口（２２）側に吐出され、残った処理剤を効果的に除去することができる。
　また、毛髪処理装置（１）全体を水に浸けた後、電源を入れて、処理剤の替わりに水を取り込んで排出させ、供給管（２４）等の掃除をすることもできる。電源を入れた状態で、手動ポンプを押すこともできる。

　本発明は以上のような構成を好適な実施例として挙げるが、本発明は処理剤吐出口（２２）を処理剤作用領域とを備えた上で、ブラシなどの突起部を備えることを要件とする。
　挟み部を有することは必須ではなく、例えばヘアブラシ形状のブラシの近傍に処理剤と出口と処理剤作用領域を配設した形状でもよい。

　本実施例において、ブラシ（３１）は固定式のもので説明したが、これに限るものでなく、着脱式、または、折り畳み式でもよく、ブラシ（３１）を外して、作用プレート（３２）のみで毛髪を処理してもよい。

　本実施例において、ブラシ（３１）のピンは約３０ｍｍの高さで均一として説明したが、これに限るものではなく、基端側（３１ａ）に向けてピン長を短くしてよく、毛髪が作用プレート（３２）の奥まで届きやすくしてよい。あるいは頭頂部形状に合わせて、円弧としてもよい。

　作用プレート（３２）はアルミニウム製で説明したが、ステンレスなど他の材質でもよく、表面は、酸化被膜や各種コーティング剤の層を有して、効果を付加してもよい。表面に凹凸を備えてもよい。

　第１挟み部（２０）、第２挟み部（３０）の開閉を検知する開閉検知手段をさらに有し、開閉の状態で、処理剤吐出状態、超音波出力、温度設定を変えるようにしてよい。

　手入れの際、処理剤タンク（１１）をポンプ部（１３）から取り外し、開閉カバー（２５）を開けた状態で、ブラシ（３１）、吐出ユニット（２３）を流水で洗うようにしてもよい。

　さらに、モーター（１４）を手動もしくは自動で逆回転するようにしてよく、吐出ユニット（２３）を洗った水が、供給管（２４）を通り、ポンプ部（１３）から逆流させて、取り外した処理剤タンク（１１）の接続部から排水するようにしてよい。これにより、簡単な操作で、吐出ユニット（２３）、供給管（２４）、ポンプ部（１３）を洗浄できるので、有利である。

　本発明において処理剤吐出口は、挟み部に複数設けられることが好ましい。図７は、処理剤の吐出口（７０）の様々な態様を示す模式図である。
　図７（Ａ）は、挟み部（７）の縁部に沿って複数の吐出口（７０）を設けた構成である。縁部の一方だけに設けてもよい。
　図７（Ｂ）は、挟み部（７）の内側に一列の複数の吐出口（７０）を設けた構成である。図示は中央に一列で示しているが、一方の縁部に偏位してもよいし、複数列設けてもよい。
　図７（Ｃ）は、挟み部（７）に設けた溝部における厚み部分（７１）に複数の吐出口（７０）を設けた構成である。本発明のように溝部は貫通開口部であってもよいし、貫通しない溝であってもよい。
　図７（Ｄ）は、挟み部（７）の側面（７２）に沿って複数の吐出口（７０）を設けた構成である。側面の一方だけに設けてもよい。
　図７（Ｅ）は、挟み部（７）に例えば２列の凸部（７３）を有し、その凸部（７３）の上面に複数の吐出口を設けた構成である。凸部の形状、列数などは任意である。
　図７（Ｆ）は、挟み部（７）に例えば１列の凹部（７４）を有し、その凹部（７４）の底面に複数の吐出口を設けた構成である。凹部の形状、列数などは任意である。

　処理剤吐出口は円孔形以外にも、溝状、三角形状など様々な形状とすることができる。

［第２実施例］
　本発明に係る第２実施例を図８ないし図１７を用いて説明する。
　なお第２実施例について、第１実施例と同様の構成については説明を省略する。また、第２実施例においても第１実施例に記載したのと同様に変形して実施することができる。
　本実施例に係る毛髪処理装置（１００）は、第１挟み部（１１０）と第２挟み部（１２０）がヒンジ部（１３０）で回動可能に構成される。

　第１挟み部（１１０）には、突起部として、髪を梳かすように用いるブラシアタッチメント（１１１）が取付可能であり、後述するようにブラシアタッチメント（１１１）の基部から処理剤が吐出する。
　また、第１挟み部（１１０）の第２挟み部側と反対面（以下、外方と呼び、その反対面を内方と呼ぶ。）には処理剤タンク（１１２）がブラシアタッチメント（１１１）以外の略全長に亘って取り付けられている。処理剤タンク（１１２）からは内蔵する電動シリンダーによって供給経路である供給管を通って処理剤吐出口から処理剤が吐出される。

　第２挟み部（１２０）には、先端に作用プレート（１２１）が設けられ、加熱等を行うことで処理剤を作用する処理剤作用領域が形成されている。
　また、第２挟み部（１２０）のヒンジ部（１３０）寄り、第１挟み部側（以下、内方と呼び、その反対面を外方と呼ぶ。）の面にバッテリー（１２２）を装着している。

　図９は、ブラシアタッチメント（１１１）を取り外した状態であり、ここで複数の処理剤吐出口（１１３ａ）（１１３ａ）（１１３ａ）（１１３ａ）（１１３ｂ）（１１３ｂ）（１１３ｂ）（１１３ｂ）を有するノズルＡ（１１３）が装着されている。ノズルＡ（１１３）は第１挟み部（１１０）の先端外方に着脱可能に取り付けられており、先端内方には加熱等を行う作用プレート（１１４）を備えてもよい。
　ノズルＡ（１１３）の一端には着脱するためのタブ（１１３１）が突設されており、タブ（１１３１）はブラシアタッチメント（１１１）の歯（１１１ｅ）（図１０参照）と嵌合するのでブラシアタッチメントの角度を規制し、位置合わせに寄与する。

　図１０は、ノズルＡ（１１３）装着時の断面図である。ノズルＡ（１１３）は供給管（１１５）と接続する中空の送り管（１１３０）と、送り管（１１３０）の周面で外方、すなわちブラシアタッチメント側に設けられた８個の処理剤吐出口（１１３ａ）・・（１１３ｂ）・・とで構成される。すなわち、供給管（１１５）から送出されてきた処理剤は送り管（１１３０）内に侵入し、内部の圧力で各処理剤吐出口（１１３ａ）・・（１１３ｂ）・・から吐出される。

　ブラシアタッチメント（１１１）には１２本の各歯（１１１ａ）（１１１ｂ）（１１１ｃ）・・（１１１ｃ）（１１１ｄ）（１１１ｅ）が突設されており、そのうち左右端の歯（１１１ａ）（１１１ｅ）はやや厚く、その他の歯はそれよりも薄く形成されている。中間の歯（１１１ｂ）（１１１ｃ）・・（１１１ｃ）（１１１ｄ）は、基部に向かって二股になっており、処理剤吐出口（１１３ａ）・・（１１３ｂ）・・は二股の間の開放部分に対応付けられて開口している。

　本構成により、処理剤は、中間の歯（１１１ｃ）・・の付け根部分から吐出し、髪を梳かしながら連続的に毛髪や頭皮に塗布することができる。
　このように処理剤吐出口をブラシの歯の付け根部分から吐出することが好ましいが、歯の数や態様は任意であり、例えば１列ではなく２列以上に配列してもよいし、歯を二股とせずに歯と歯の間に吐出してもよい。本発明において突起部の位置に関連付けるとは、歯と処理剤吐出口が１対１であることではなく、突起部近傍に沿って１個以上の任意の処理剤吐出口が設けられることを言う。

　本発明において、処理剤が均一に吐出されるために、送り管（１１３０）は供給管（１１５）に近い部分の断面積を大きく、遠い部分になるにつれて小さくすることが好ましい。本実施例では供給管（１１５）との接続部分において断面積が１５．２mm²、最も遠い部部の断面積が２．０mm²である。図示されるように漸次先細の形状が好ましいが、段階的に小さく形成してもよい。

　さらに、処理剤吐出口（１１３ａ）・・（１１３ｂ）・・の開口面積が、供給管（１１５）に近い側が相対的に小さく、前記供給経路に遠い側が相対的に大きく形成している。本実施例では、供給管（１１５）に近い側の処理剤吐出口（１１３ｂ）の断面積を１．７７mm²、供給管（１１５）に近い側の処理剤吐出口（１１３ａ）の断面積を２．０mm²としている。
　このように２種類などの断面積としてもよいし、遠くなるにつれて漸次少しずつ大きくするように構成してもよい。

　以上のように送り管の径を変化させたり、処理剤吐出口の径を変化させることによって、供給管（１１５）からの距離に関わらず均一な吐出量とすることができる。特に処理剤の粘性が高く、配管抵抗が大きい場合には本構成は非常に効果的である。

　ノズルＡ（１１３）は着脱が可能であり、取り外した状態を図１１に示している。本実施例において、第１挟み部（１１０）の内方には２つの孔部（１１６）（１１６）が設けられ、作用プレート（１１４）側に開口している。
　そして、別のノズルＢ（１１７）を取り付けることで、ブラシアタッチメント（１１１）を用いずに、内方に向けて処理剤を吐出することができる。

　図１２はノズルＢ（１１７）の態様を示す図、図１３はノズルＢ装着時の断面図である。
　ノズルＢ（１１７）は、供給管（１１５）と接続する送り管（１１７０）と、送り管（１１７０）の内方、周面に設けられた処理剤吐出口（１１７ａ）（１１７ｂ）が開口している。
　ノズルＢ（１１７）の外方周面には着脱するためのタブ（１１７１）が突設されている。タブ（１１７１）は、ノズルＡのタブ（１１３１）と異なり全長が長く、高さは低く形成され、ブラシアタッチメント（１１１）を装着しない状態において邪魔にならないように設置されている。

　ノズルＢ（１１７）においても送り管（１１７０）は供給管（１１５）に近い部分の断面積を大きく、遠い部分になるにつれて小さくしてもよい。処理剤吐出口（１１７ａ）（１１７ｂ）の開口面積が、供給管（１１５）に近い側が相対的に小さく、前記供給経路に遠い側が相対的に大きく形成してもよい。

　上記の各処理剤吐出口について、送り管の周面に単に開口する構成に限らず、送り管に対して略直角にパイプ状の突出部分を備えてもよい。この場合、ブラシアタッチメント（１１１）の歯の中途位置から吐出させることもできる。

　次に、本発明の毛髪処理装置（１００）には処理剤を収容する処理剤タンク（１１２）を備えている。そして、供給管（１１５）に上記ノズルＡ（１１３）やノズルＢ（１１７）を取り付けた場合には処理剤タンク（１１２）から供給管（１１５）を介して送り管（１１３０）（１１７０）に向けて処理剤を送出する。

　一方、供給管（１１５）に処理剤を収容した処理剤容器（１１８）を取り付けた場合には処理剤容器（１１８）から供給管（１１５）を介して処理剤タンク（１１２）に処理剤を吸入することができる。すなわち、処理剤タンク（１１２）を処理剤を充填するために、別に提供される処理剤容器に入っている処理剤を移し替え、充填することができる。

　図１４は、第２実施例における処理剤容器の態様を示す図、図１５Ａ及びＢは処理剤容器装着時の断面図である。
　本実施例における処理剤容器（１１８）は容器本体（１１８ａ）と上から重しとして蓋をするキャップ部（１１８ｂ）とから構成される。容器本体（１１８ａ）内には毛髪処理に用いる様々な所定の１種類の処理剤が収容され、キャップ部（１１８ｂ）が処理剤に対して重力により圧力を及ぼしている。

　図１５Ａに示すピストン（１１９ａ）位置から、図１５Ｂに示すピストン（１１９ａ）位置に移動するにしたがって、容器本体（１１８ａ）内に充填した処理剤が、容器本体（１１８ａ）から、供給管（１１５）を介して、処理剤タンク（１１２）に移動する。

　具体的には、ピストン（１１９ａ）が図中の左に移動し始めるとき、処理剤の粘性によって、処理剤は容器本体（１１８ａ）内にとどまろうとする。このため、ピストン（１１９ａ）と処理剤との間は真空になる。一方、キャップ部（１１８ｂ）の下面は処理剤に接していて、上面は大気に接している。

　本実施例では、キャップ部（１１８ｂ）の直径を0.04mとしている。大気圧が101325Paで計算すると、キャップ部（１１８ｂ）上面が大気から受ける力は、
　0.02x0.02x3.1415x101325≒127.3N
　となる。
　キャップ部（１１８ｂ）は、大気圧から力を受ける方向、すなわち下方向に処理剤の容積を減少させるように移動できるので、処理剤には、最大で127.3Nにキャップ部（１１８ｂ）の自重による力、本実施例では0.1N、合計127.4Nの力が加わる。

　したがって、処理剤は、ピストン（１１９ａ）から引っ張られ、キャップ部（１１８ｂ）から押されるので、容器本体（１１８ａ）から処理剤タンク（１１２）に移動することができる。これにより、処理剤の粘性が高い場合や、容器本体（１１８ａ）の姿勢などの影響を受けにくくできて有利である。
　すなわち、処理剤の粘度が高いほど、処理剤は容器本体（１１８ａ）にとどまろうとするが、ピストン（１１９ａ）との間の真空度がより高まるので、強い吸込み力を受けることになる。

　また、容器本体（１１８ａ）は、図の上方向に開口している状態で説明したが、これに限るものではなく、横向き、あるいは、下向きに開放した姿勢であっても、キャップ部（１１８ｂ）は常に大気から垂直に127.3Nが加わり、処理剤には、最大でこれにキャップ部（１１８ｂ）の自重分を加減した力を作用させるので、他に動力源や駆動装置などを必要とすることなく、処理剤の容積を減少させる方向に、力を作用させることができる。

　図１５Ｃは、本発明と対比するため、キャップ部（１１８ｂ）がない場合、図１５Ｄは、本発明記載のキャップ部（１１８ｂ）がある場合、の動作説明図である。
　図１５Ｃに示すように、容器本体（１１８ａ）に処理剤を充填して、ピストン（１１９ａ）を左に移動するとき、処理剤は、ピストン（１１９ａ）側には真空、容器本体（１１８ａ）開放側には大気圧が作用する。

　処理剤は流体なので、圧力が高いほうから低いほうに流れる。毛染め処理剤は、一般に、処理中に液が流出してしまわないよう、櫛や毛髪にとどまるように、一定の粘性を有している。このため、真空の影響を直接うけない範囲の処理剤は、容器（１１８ａ）内にとどまろうとして、境界面にはせん断力が生じ、図では、真ん中の部分の処理剤だけが処理剤タンク（112）に移動する。

　そのままピストン（１１９ａ）を引き続けると、処理剤が移動できなくなると同時に、ピストン（１１９ａ）が大気と連通して、流体のながれに必要な圧力差を生じなくなる。
　一方、図１５Ｄに示すように、キャップ部（１１８ｂ）がある場合には、処理剤は、ピストン（１１９ａ）側には真空、キャップ部（１１８ｂ）側には大気圧が作用する。処理剤は流体なので、圧力が高いほうから低いほうに流れる。このとき、キャップ部（１１８ｂ）は、処理剤からは引張力を受け、大気からは大気圧を受けるので、処理剤容積が減ずる方向に移動することになる。したがって、容器本体（１１８ａ）に充填された処理剤全体が処理剤タンク（１２２）に移動し終わるまで、動作が継続する。

　本実施例において、処理剤送出吸入手段は電動シリンダーに限らず、第１実施例における手動ポンプのほか、電動ポンプ、スポイトなどを用いてもよい。

　図１６は、毛髪処理装置（１００）に処理剤タンク（１１２）を装着した時のヒンジ部分の断面図、図１７は同、処理剤タンク（１１２）を離脱した時のヒンジ部分の断面図である。
　本発明において、ヒンジ部（１３０）の第２挟み部（１２０）には第１挟み部（１１０）に向かって凸部（１３１）が設けられている。一方、ヒンジ部（１３０）の第１挟み部（１１０）には、凸部（１３１）の形状に対応した切欠き部（１３２）が形成されている。

　ここで、第１挟み部（１１０）に図１６のように処理剤タンク（１１２）が装着されているとき、凸部（１３１）の処理剤タンク（１１２）側の端面（１３１ａ）と、処理剤タンク（１１２）の凸部（１３１）側の端面（１１２ａ）とが干渉し、それ以上ヒンジ部（１３０）が開かないように構成している。
　本実施例では第１挟み部（１１０）と第２挟み部（１２０）との開き角度は最大８度までに規制される。なお、この第１の規制角度としては５度ないし２０度の範囲が好ましい。

　処理剤タンク（１１２）を取り外して図１７のように離脱させた状態では、凸部（１３１）は処理剤タンク（１１２）と干渉せず、切欠き部（１３２）を通過するので、第１挟み部（１１０）は９０度まで開くことができる。９０度まで開いた時点で、第１挟み部（１１０）のヒンジ側端面（１３１ｂ）と、第２挟み部のヒンジ側端面（１３１ｃ）とが干渉し、それ以上は開かないように構成している。
　なお、この第２の規制角度は規制せず、１８０度、またはそれ以上まで開くようにしてもよい。

　本発明によれば、処理剤タンク（１１２）の装着時にヒンジ部（１３０）が第１の規制角度以上に開かないので第１挟み部（１１０）と第２挟み部（１２０）が不意に大きく開いてしまうことなく、毛髪を挟む際に開閉を容易に行うことができる。

　また、この状態においてバッテリー（１２２）は第１挟み部（１１０）で一部が覆われるため、取り外すことはできないようになる。処理剤タンク（１１２）を取り外さないとバッテリー（１２２）の着脱ができないので、水分による電気ショートや、バッテリーを取り付けたときに急に処理剤が吐出したりする恐れがなく、安全性、利便性の向上に寄与する。さらに、外力が加わった時にバッテリー（１２２）が外れて落下することを防止し、バッテリー自体に直接的な衝撃が及ぶことを防ぐことができる。

　このように、本発明は処理剤吐出口を複数設けて均一に毛髪に浸透、定着することを目的としており、特に挟み部を備えた毛髪処理装置において、上記様々な態様を実施可能である。

　さらに付言すると、本発明の技術的思想の要点は、第１挟み部及び第２挟み部で使用者の毛髪を挟み処理する構成において、処理剤吐出口から毛髪に対して均一に処理剤を供給することにもあるので、処理剤作用領域を備えない構成を提供することもできる。
　例えば、相対的に可動な第１挟み部及び第２挟み部で使用者の毛髪を挟み処理するための毛髪処理装置であって、第１挟み部に処理剤を供給する供給経路と、該供給経路と接続され、毛髪が挟まれる領域において配置される処理剤吐出口とを備えた毛髪処理装置を提供することも提案する。

　本発明において毛髪に処理剤が作用する原理について説明を加える。
　図１８（ａ）ないし（ｃ）は、第２実施例における処理剤と毛髪の作用説明図である。
　図１８（ａ）に示すように、ブラシアタッチメント（１１１）の各歯（１１１ａ）（１１１ｂ）（１１１ｃ）・・の間に毛髪がある状態で、モーターの回転速度を一定にすることで、ポンプ部から一定流量で処理剤が連続して供給し、処理剤吐出口（１１３ａ）（１１３ｂ）・・から毛髪に、ユーザが髪を梳く動作をするだけで毛髪の根元から毛先まで均一に剤を塗布できる。

　さらに図１８（ｂ）のように第1挟み部(１１０)と第2挟み部 (120)とに髪を挟むことで毛髪についていた処理剤が圧縮されて、髪と髪のすきまを埋めるようになるので、さらに毛髪の周りで、処理剤の均一性が向上する。
　本発明に係る毛髪処理装置を用いたこれらの動きは、一般に用いられるような、処理剤をブラシにのせて、髪を梳いて塗布するやり方では得られない剤の均一性を得ることができる。

　すなわち、ポンプ部とモーターによる一定吐出量で実現する、生え際から毛先までの毛髪への均一塗布の効果と、第１挟み部（１１０）、第２挟み部（１２０）で毛髪と処理剤を密着させることによる毛髪周囲における処理剤の均一性の向上の両方の効果があるので、図１８（ｃ）のように処理後の毛髪の発色層を髪全体で均一にすることができる。

　図１９は、第２実施例の断面図である。
　処理剤容器（１１８）は、円筒状に伸びていて、軸方向にピストン（１１９ａ）が左右に移動する。電動シリンダー（１１９）が左右に伸縮することで、ピストン（１１９ａ）を移動させている。電動シリンダー（１１９）の軸センターと、ピストン（１１９ａ）の中心は、オフセットしていて、ボールジョイント（１１９ｂ）により接続している。

　これにより、ピストン（１１９ａ）が、左右に移動する場合や、処理剤容器（１１８）に様々な方向に力、ねじり力が加わるような場合にも、ボールジョイント（１１９ｂ）で変位を吸収するので、電動シリンダー1（１１９）には、本来の左右方向移動力以外の力が加わらないので、設計しやすい。

　処理剤容器（１１８）と電動シリンダー（１１９）の軸はオフセットしているので、処理剤容器（１１８）の容量を増やして、一回の処理できる量を増やす場合にも、把手部（１０）に収納している電動シリンダー（１１９）を、毛髪処理装置（１００）の内側、図の上側に配置できるため、毛髪処理装置（１００）をコンパクトに構成できるので、有利である。

　図２０は、図１５にも示した処理剤容器の別実施例として、処理剤収容器の構成を示す図である。本発明において、毛髪処理装置（１）（１００）のための処理剤を収容する処理剤収容器を提供することもできる。処理剤収容器には、処理剤を収容する収容部と、収容部から外部に処理剤を吐出する吐出経路とを有する。収容部の一部に、収容部内に対して大気圧を受ける圧力受け部と、受けた圧力に応じて収容部内の容積を減じる容積減少手段を備え、圧力受け部が大気圧から受ける力を、収容部内の容積を減じる方向に容積減少手段に作用させることを特徴とする。

　図２０（ａ）に示す処理剤収容器（２００）は、円柱状の収容部（２０１）の上面が開口し、開口部分には、柔軟な樹脂製、例えばポリエチレン製の袋状部材（２０３）が密封装着されている。収容部（２０１）の下面には吐出経路（２０２）が設けられている。そして、処理剤の吐出時には、袋状部材（２０３）が大気圧を受ける圧力受け部として作用し、最終的に収容部（２０１）の内壁に貼り付くように近接した状態となる。この変形により受けた圧力に応じて収容部内の容積を減じることから、本実施例は袋状部材（２０３）が容積減少手段として作用する。
　袋状部材（２０３）は均一に大気圧が作用すると共に、処理剤が残留しにくいよう上端部が半球状に形成されている。

　図２０（ｂ）に示す処理剤収容器（２１０）は、円柱状の収容部（２１１）の上面が開口し、開口部分には、蓋状部材（２１３）が密封装着されている。収容部（２１１）の下面には吐出経路（２１２）が設けられている。そして、処理剤の吐出時には、蓋状部材（２１３）が大気圧を受ける圧力受け部として作用し、最終的に収容部（２１１）の下面位置まで近接した状態となる。この変位により受けた圧力に応じて収容部内の容積を減じることから、本実施例は蓋状部材（２１３）が容積減少手段として作用する。

　図２０（ｃ）に示す処理剤収容器（２２０）は、底面の円盤体と、円盤体から直立した断面が十字形のリブ状体、及び円筒状で柔軟な樹脂製、例えばポリエチレン製の袋状部材（２２３）から構成される収容部（２２１）を備える。収容部（２２１）の下面には吐出経路（２２２）が設けられている。

　そして、処理剤の吐出時には、袋状部材（２２３）が大気圧を受ける圧力受け部として作用し、最終的に収容部（２０１）の円盤体及びリブ状体に貼り付くように近接した状態となる。リブ状体により袋状部材（２２３）に処理剤が残留しにくく、スムーズに吐出経路（２２２）に処理剤を流すことができる。
　この変形により受けた圧力に応じて収容部内の容積を減じることから、本実施例は袋状部材（２２３）が容積減少手段として作用する。

　本発明の処理剤収容器によれば、圧力受け部が大気圧から受ける力を、処理剤容積を減じる方向に容積減少手段に作用させるようにしている。
　そのため、処理剤容器装置から毛髪処理装置に処理剤を吸入するときに、吸入側の圧力を減じるだけで、処理剤の他方端には、大気圧による力の作用によって、処理剤を押し出す圧力がかかるため、処理剤は圧力の高いところ、すなわち圧力受け部側から、低いところ、すなわち吸入側に容易に移動させることができ、処理剤残りなどがなく、有利である。

　さらに、処理剤を吐出する吐出経路を、収容部より細く設計するだけで、吐出部経路を通る処理剤に、容易に乱流を生じることができるので、２液の処理剤を混ぜる場合に、混ぜやすい。一度で混合が不十分な場合は、毛髪処理装置本体側と、処理剤収容装置間で、処理剤を往復させるだけで、混合できるので、剤の均一性を向上させ、所望の処理性能を得ることができる。

　なお、処理剤容器は、処理剤タンクと離間した場所に、着脱自在に取りつける構成で説明したが、これに限るものではなく、処理剤容器は、処理剤タンクの一部を構成するように配置してもよい。これにより、ユーザが機器を使用する時に、処理剤タンクのみを着脱すれば剤の投入、混合ができるので、使い勝手を向上することができる。この時、処理剤容器は、処理剤タンクに着脱自在に収納して、機器の使用後、処理剤容器、処理剤タンクをお手入れ可能にしてもよく、別の構成では、処理剤をあらかじめ封入した処理剤容器と処理剤タンクを一体で構成してユーザに提供し、使い捨てができるようにしてもよい。

１　　毛髪処理装置
１０　把持部
１１　処理剤タンク
１２　コネクタ
１３　ポンプ部
１４　モーター
１５　Ｏリング
２０　第１挟み部
２１　貫通開口部
２２　処理剤吐出口
２３　吐出ユニット
２４　供給管
２５　開閉カバー
２６　手動ポンプ
３０　第２挟み部
３１　ブラシ
３２　作用プレート
３３　バッテリー
３４　振動部
７　挟み部
７０　吐出口
７１　厚み部分
７２　側面
７３　凸部
７４　凹部
１００　毛髪処理装置
１１０　第１挟み部
１１１　ブラシアタッチメント
１１２　処理剤タンク
１１３　ノズルＡ
１１３０　送り管
１１４　作用プレート
１１５　供給管
１１６　孔部
１１７　ノズルＢ
１１７０　送り管
１１８　処理剤容器
１１８ａ　容器本体
１１８ｂ　キャップ部
１１９　電動シリンダー
１１９ａ　ピストン
１２０　第２挟み部
１２１　作用プレート
１２２　バッテリー
１３０　ヒンジ部
１３１　凸部
１３２　切欠き部
２００　処理剤収容器
２０１　収容部
２０２　吐出経路
２０３　袋状部材
２１０　処理剤収容器
２１１　収容部
２１２　吐出経路
２１３　蓋状部材
２２０　処理剤収容器
２２１　収容部
２２２　吐出経路
２２３　袋状部材

Claims

　使用者の毛髪を処理するための毛髪処理装置であって、
　処理剤を供給する供給経路と、
　該供給経路と接続されて該処理剤を吐出する処理剤吐出口と、
　複数の突起部と、
　毛髪に該処理剤を作用させる処理剤作用領域とを備え、
　該処理剤作用領域において、処理剤の作用を促進する所定の動作条件に従って加熱、振動、加圧、電気刺激、又は光刺激の少なくとも１つの動作を行う促進手段を有する
　ことを特徴とする毛髪処理装置。
　前記処理剤吐出口が、前記突起部の位置に関連付けて複数配置される、
　請求項１に記載の毛髪処理装置。
　前記毛髪処理装置において、使用者の毛髪を挟んで保持する挟み部を有する、
　請求項２に記載の毛髪処理装置。
　前記供給経路と接続する送り管の周面に前記処理剤吐出口が複数開口してなるノズル部を備える構成であって、
　該ノズル部は前記突起部の配列方向に沿って配置される
　請求項２又は３に記載の毛髪処理装置。
　前記処理剤吐出口の開口面積が、前記供給経路に近い側が相対的に小さく、前記供給経路に遠い側が相対的に大きく形成される
　請求項４に記載の毛髪処理装置。
　前記送り管の断面積が、前記供給経路に近い側が相対的に大きく、前記供給経路に遠い側が相対的に小さく形成される
　請求項４に記載の毛髪処理装置。
　前記毛髪処理装置に前記処理剤を収容する処理剤タンクを備え、
　前記供給経路に前記ノズル部を取り付けた場合には該処理剤タンクから前記供給経路を介して該ノズル部に該処理剤を送出する一方、
　前記供給経路に該処理剤を収容した処理剤容器を取り付けた場合には該処理剤容器から供給経路を介して該処理剤タンクに該処理剤を吸入する処理剤送出吸入手段を備えた
　請求項４に記載の毛髪処理装置。
　前記処理剤タンクが着脱可能であって、該処理剤タンクの装着時には該挟み部の開き角度を第１の角度に規制する一方、該処理剤タンクの離脱時には第１の角度の規制を解除する請求項７に記載の毛髪処理装置。
　前記挟み部が、相対的に可動な第１挟み部及び第２挟み部から成り、
　該第１挟み部上に、前記処理剤を供給する前記供給経路と、前記ノズル部と、前記突起部とを備え、
　該突起部は、第２挟み部側と反対面の外方に向けて突設し、
　該ノズル部の前記処理剤吐出口が外方に向けた状態と、
　該ノズル部の前記処理剤吐出口が第２挟み部側の内方に向けた状態と
　の両方の状態を有する、
　請求項７に記載の毛髪処理装置。
　使用者の毛髪を処理するための毛髪処理装置であって、
　毛髪を挟んで保持する挟み部と、
　処理剤を供給する供給経路と、
　該挟み部の近傍に、該供給経路と接続されて該処理剤を吐出する処理剤吐出口と、
　毛髪に該処理剤を作用させる処理剤作用領域とを備え、
　該処理剤作用領域において、処理剤の作用を促進する所定の動作条件に従って加熱、振動、加圧、電気刺激、又は光刺激の少なくとも１つの動作を行う促進手段を有する
　ことを特徴とする毛髪処理装置。
　前記挟み部が、相対的に可動な第１挟み部及び第２挟み部から成り、
　該第１挟み部に処理剤を供給する供給経路と、
　該供給経路と接続され、該第１挟み部上に複数配置される前記処理剤吐出口とを備える、
　請求項３又は１０に記載の毛髪処理装置。
　前記第２挟み部に、前記処理剤作用領域を備える
　請求項１１に記載の毛髪処理装置。
　前記第１挟み部及び前記第２挟み部が細長の面状体で形成され、
　該第１挟み部の長手方向に沿って溝部を備えると共に、
　該第２挟み部の長手方向に沿って突起部を備え、
　該第１挟み部と該第２挟み部とが毛髪を挟んだ時に、該突起部が該溝部に挿入される構成において、
　該溝部内に前記処理剤吐出口を配設して、該突起部に処理剤を吐出する
　請求項１１に記載の毛髪処理装置。
　前記第１挟み部と前記第２挟み部は一端を回動軸で連結し、所定角度内で回動するように構成した
　請求項１１に記載の毛髪処理装置。
　前記毛髪処理装置において、
　処理剤を加圧送出する加圧送出手段を備え、
　加圧送出手段から供給経路に処理剤を供給する
　請求項１又は１０に記載の毛髪処理装置。
　前記加圧送出手段が電気で駆動され、
　処理剤を供給する供給口と、
　処理剤を加圧するポンプと、
　ポンプを制御する制御回路と
　から構成される構成において、
　該制御回路を防水領域に配置すると共に、該供給口から前記供給経路、前記処理剤吐出口を水洗可能にした
　請求項１５に記載の毛髪処理装置。
　毛髪処理のための処理剤を収容する処理剤収容器であって、
　該処理剤を収容する収容部と、該収容部から外部に処理剤を吐出する吐出経路とを有し、
　該収容部の一部に、該収容部内に対して大気圧を受ける圧力受け部と、受けた大気圧に応じて該収容部内の容積を減じる容積減少手段を備え、
　該圧力受け部が大気圧から受ける力を、該収容部内の容積を減じる方向に該容積減少手段に作用させることを特徴とした、処理剤収容器。