WO2024048544A1

WO2024048544A1 - 車両

Info

Publication number: WO2024048544A1
Application number: PCT/JP2023/031086
Authority: WO
Inventors: 淳岩本; 和也萩原; 幸一郎本田; 裕輔武藤
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2022-08-30
Filing date: 2023-08-29
Publication date: 2024-03-07

Abstract

車両（１００）は、前輪（１）および後輪（２）と、前輪（１）を操舵する操舵部（４３）と、前輪（１）と操舵部（４３）とを接続し、回動軸周りに回動するように設けられる操舵軸（４１）と、を備える。操舵軸（４１）は、操舵軸（４１）の軸線と直交する方向に延びる連接軸（４１３）を中心に屈曲可能な連接部（４１１）を有し、車両（１００）は、車両（１００）の上方を向く面に凹設され、屈曲された操舵軸（４１）の少なくとも一部を収容するように設けられる凹部（２６）を有する。

Description

車両

　本発明は、前輪と後輪とを有する車両に関する。

　従来より、ボックス形状の車体の前端部と後端部とにそれぞれ前輪と後輪とが設けられた小型の電動二輪車両が知られている（例えば特許文献１参照）。特許文献１記載の車両は、車体の上端部から上方に突設されたハンドルポストにハンドルが支持され、ハンドルの操作により前輪が転舵される。また、前輪と後輪とを有する折り畳み式の電動二輪車両も知られている（例えば特許文献２参照）。特許文献２記載の車両は、車両の運搬性を高めるために、ハンドルおよびハンドルポストが車体後方に折り畳み可能に設けられる。

国際公開第２０１３／０６１８８０号公報特開２００３－７２６５２号公報

　しかしながら、上記特許文献１，２記載の車両は、車両の運搬時や保管時等の非走行時において前輪がふらつくおそれがあり、非走行時の車両の取扱性を向上する点で改善の余地がある。

　本発明の一態様である車両は、前輪および後輪と、前輪を操舵する操舵部と、前輪と操舵部とを接続し、回動軸周りに回動するように設けられる操舵軸と、を備える。操舵軸は、操舵軸の軸線と直交する方向に延びる連接軸を中心に屈曲可能な連接部を有し、車両は、車両の上方を向く面に凹設され、屈曲された操舵軸の少なくとも一部を収容するように設けられる凹部を有する。

　本発明によれば、非走行時の車両の取扱性を向上することができる。

本発明の実施形態に係る車両の全体構成を示す斜視図。本発明の実施形態に係る車両の全体構成を示す斜視図であり、図１Ａとは異なる方向から見た斜視図。本発明の実施形態に係る車両の全体構成を示す側面図。本発明の実施形態に係る車両の起立状態を示す斜視図。図２からカバーの一部と車体の内部構成の一部の図示を省略して示す図。本発明の実施形態に係る車両の全体構成を示す斜視図であり、シートを開放姿勢とした状態を示す斜視図。本発明の実施形態に係る車両のステアリングコラムの上部の構成を概略的に示す側面図。図２のステアリングコラムを折り畳み姿勢とした状態を示す側面図。図７の車両をユーザが運搬する状態を示す図。図７の車両の起立姿勢を示す側面図。

　以下、図１Ａ～図９を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る車両は、ミニバンやワゴン車両などの運搬車両に搭載可能な小型の二輪車両として構成される。このため、例えば車両の全長は運搬車両の内部空間の全幅よりも短く、車両の最大高さは運搬車両の内部空間の高さよりも低い。図１Ａ，図１Ｂは、それぞれ本発明の実施形態に係る車両１００の全体構成を示す斜視図であり、図２は、側面図である。以下では、図示のように車両１００の前後方向（長さ方向）、左右方向（幅方向）および上下方向（高さ方向）を定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。図１Ａは、車両１００を左斜め上方から見た図であり、図１Ｂは、左斜め後方から見た図である。図中の下方は重力方向に相当する。

　図１Ａ～図２に示すように、車両１００は、前輪１と後輪２とを有する電動式の二輪車両であり、全体が左右対称に構成される。前輪１と後輪２とは、略ボックス形状の車体１０１の前端部および後端部にそれぞれ回転可能に支持される。前輪１と後輪２の径は互いに等しく、前輪１の回転軸１ａと後輪２の回転軸２ａとは同一高さに位置する。車体１０１は、車両１００の骨格を形成するフレーム１０と、フレーム１０に支持されたカバー２０と、乗員が着座するシート３０とを有する。

　フレーム１０の底部には、前輪１と後輪２との中間部にブラケット１０２が設けられ、ブラケット１０２に、前後方向（上下方向）に回動可能にスタンド４の一端部が支持される。スタンド４の他端部には接地部４ａが設けられる。スタンド４を下方に回動すると、前輪１と後輪２とが接地された状態でさらに接地部４ａが接地され、これら３点で車両１００を立設状態で保持することができる。車両１００の走行時に、スタンド４は後方（図２の矢印Ａ方向）に回動され、図１Ｂに示すようにフレーム１０の底部に沿った収納位置に収納される。この場合の車両１００の姿勢を、走行姿勢と呼ぶ。

　図１Ａでは、車両１００の前後方向中央（前後方向に中分する点）を通る鉛直線ＬＮａと、上下方向中央（上下方向に中分する点）を通る水平線ＬＮｂとにより、車両１００が側面視で４つの領域（前側上部、前側下部、後側上部、後側下部）に分割されている。このとき、車両１００の重心位置Ｇは、後側下部の領域に位置する。より詳しくは、重心位置Ｇは、後側下部の領域のうち、鉛直線ＬＮａおよび水平線ＬＮｂの近傍に位置する。

　図３は、後輪２を支点にして前輪１を後輪２の上方に移動させた状態、すなわち車両１００を起立させた状態を示す斜視図である。図３の状態は、車両１００の起立姿勢（図９）に相当する。なお、図３は、車両１００を底面側から見た図であり、図３には、図１Ｂの走行姿勢を基準にして前後方向および上下方向が示される。したがって、図３で車両１００の後方を向く矢印は、重力方向に相当する。図１Ａ～図３に示すように、カバー２０は、車体１０１の上面を覆う上カバー２１と、左右側面を覆う左右一対の側面カバー２２と、後面を覆う後カバー２３と、前面を覆う前カバー２４と、底面を覆う底カバー２５とを有する。上カバー２１の上面とシート３０の上面とは同一の水平面状に延在する。

　図４は、図２からカバー２０の一部（側面カバー２２など）と車体１０１の内部構成の一部の図示を省略して示す図である。図１Ａ～図４に示すように、フレーム１０は、車体１０１の外縁に沿って延設する複数の棒状ないしパイプ状部材により構成される。より詳しくは、フレーム１０は、車体１０１の左右側面の外縁に沿って配置された側面フレーム１１と、側面フレーム１１同士を連結する複数の連結フレーム１２～１５とを有する。

　図４に示すように、側面フレーム１１は、車体１０１の上縁、後縁、下縁、および前縁に沿ってそれぞれ延在する上縁部１１１、後縁部１１２、下縁部１１３および前縁部１１４を有し、全体が略矩形枠状に構成される。上縁部１１１は、車体１０１の前端部から後端部にかけて後方に延在し、さらに下方に屈曲して後縁部１１２に接続される。後縁部１１２と下縁部１１３とは、後縁部１１２の下端部から下縁部１１３の後端部にかけて前方かつ下方に斜めに延在する傾斜部１１５を介して接続される。後縁部１１２は、後輪２の回転軸２ａのほぼ上方において上下方向に延在し、その下端部は、後輪２の上端部近傍に位置する。下縁部１１３は、前輪１および後輪２の回転軸１ａ，２ａとほぼ同一高さで、あるいは回転軸１ａ，２ａよりもやや上方において前後方向に延在し、その後端部は、後輪２の前端部近傍に位置する。傾斜部１１５は、側面視で後輪２と重なるように略直線状に延在する。

　下縁部１１３の後端部には、後方にかけて略板状のステイ１６が延設される。ステイ１６の下端部には、ブラケット１７が固定される。後輪２は、左右のブラケット１７の間に配置され、ブラケット１７により後輪２の回転軸２ａが回転可能に支持される。ブラケット１７は、後輪２を回転可能に支持する支持部を構成する。詳細な図示は省略するが、後輪２の内部には、走行モータ５とブレーキユニット６とが収納される。走行モータ５は、着脱可能なバッテリ７からの電力によって駆動するインホイールモータであり、車両１００は、後輪２を駆動輪、前輪１を従動輪として、走行モータ５の駆動により走行する電動車両として構成される。

　下縁部１１３と前縁部１１４とは、下縁部１１３の前端部から前縁部１１４の下端部にかけて前方かつ上方に斜めに延在する傾斜部１１６を介して接続される。前縁部１１４は、前輪１の回転軸１ａのほぼ上方において上下方向に延在し、その下端部は前輪１の上端部よりも上方に位置する。下縁部１１３の前端部は、前輪１の後端部よりも後方に位置する。傾斜部１１６は、前輪１と干渉しないように前輪１の径方向外側に、前輪１の外周面に沿って凹曲面状に延在する。前縁部１１４の上端部は上縁部１１１の前端部に接続される。

　図４に示すように、左右の傾斜部１１６の間には、車幅方向中央において、上方かつ後方にかけて斜めに延在する略円筒形状の支持フレーム４０が配置される。支持フレーム４０は、左右の前縁部１１４と左右の傾斜部１１６とからブラケットを介して支持される。支持フレーム４０の内部には、上方かつ後方に斜めに延在する軸線ＣＬに沿って、略円筒ないし円柱形状のステアリングコラム４１が、軸線ＣＬを中心に回動可能に挿通される。ステアリングコラム４１は上カバー２１を貫通して上方に突設され、ステアリングコラム４１の上端部には、ステム４２を介してハンドル４３が支持される。

　図１Ｂに示すように、ハンドル４３は左右方向に延在し、ハンドル４３の左右両端部には、ユーザによって把持されるグリップ４３ａが設けられる。左側のグリップ４３ａの前方にはブレーキレバー４３ｂが設けられ、ブレーキレバー４３ｂの操作によりブレーキユニット６（図６）を介して車両１００が制動される。右側のグリップ４３ａは、ハンドル４３の右端部の周面に沿ってねじり方向に回動可能に設けられ、グリップ４３ａの回動操作に応じて車両１００が加減速される。ハンドル４３の左右方向中央部には、車速等の車両情報を表示する表示部８が設けられる。ハンドル４３の中央部には端末保持部８ａが設けられ、表示部８は、端末保持部８ａに着脱可能に保持されたスマートフォン等の携帯端末により構成される。

　図４に示すように、ステアリングコラム４１の下端部には、傾斜部１１６の下方において左右一対のフロントフォーク４４が固定され、フロントフォーク４４により、前輪１の回転軸１ａが回転可能に支持される。前輪１は、軸線ＣＬを中心としたハンドル４３の回動操作（操舵）により左右方向に転舵される。なお、前輪１の上方および後輪２の上方には、前輪１および後輪２の周囲の一部を覆うようにそれぞれフェンダー１ｂ，２ｂが設けられる。

　図１Ａ，図１Ｂに示すように、車体上部の連結フレーム１２は、上カバー２１の後端部に隣接して左右方向に延在し、その左右両端部は左右の側面フレーム１１の上縁部１１１に接続される。これにより、シート３０の周囲三方（前方、左右側方）が、フレーム１０（左右の上縁部１１１と連結フレーム１２）により包囲される。連結フレーム１２の上端は、上カバー２１の上面およびシート３０の上面と同一面状に位置し、連結フレーム１２は、車体１０１の上面に段差なく設けられる。

　車体後部の連結フレーム１３は、左右方向に延在し、左右の側面フレーム１１の後縁部１１２の上端部同士を連結する。より詳しくは、連結フレーム１３は、後縁部１１２から後方かつ上方に斜めに延在する突出部１３１と、突出部１３１の後端部同士を連結する水平部１３２とを有する。したがって、連結フレーム１３は、後カバー２３（図１Ｂ）よりも後方に突設され、平面視略Ｕ字状を呈する。連結フレーム１３の後端部は、後輪２の後端部と前後方向同一位置に、あるいは後輪２の後端部よりもやや前方に位置する。連結フレーム１３の上端部は、シート３０の上面よりも下方に位置する。

　ユーザは、シート３０の後端部と連結フレーム１３の水平部１３２との間に手を差し込んで連結フレーム１３（水平部１３２）を把持することができ、連結フレーム１３は、車両１００の運搬時に把持される取っ手を構成する。また、後輪２を支点にして車両１００を起立させた際に（図９参照）、後輪２と水平部１３２とを接地させて車両１００を起立姿勢に保持することができ、連結フレーム１３は、車両１００の起立姿勢時のスタンドを構成する。図９では、重力に沿った方向を上下方向として示す。

　図３に示すように、車体底部の連結フレーム１４は、底カバー２５の下方において左右方向に延在し、左右の側面フレーム１１の下縁部１１３同士を連結する。連結フレーム１４の左右両端部には、左右一対のステップ１８が取り付けられる。ステップ１８は、下縁部１１３よりも左右方向外側に突設された細長の棒状ないし略板状部材であり、車両走行時（図１Ｂ）にステップ１８の上面にユーザの足が載置される。ステップ１８の基端部に、前後方向に延在する回動軸１８ａが設けられ、ステップ１８は、回動軸１８ａを支点にして図３の矢印に示すように上方に回動可能である。以下では、水平方向に突設されたステップ１８の姿勢を水平姿勢と呼び、水平姿勢から上方に回動されたステップ１８の姿勢を鉛直姿勢と呼ぶ。

　図１Ａ，図３に示すように、車体前部の連結フレーム１５は、左右方向に延在し、その左右両端部は左右の側面フレーム１１の前縁部１１４の上端部に接続される。より詳しくは、連結フレーム１５は、前カバー２４の上端部よりも上方に突設され、連結フレーム１５とカバー２０（前カバー２４および上カバー２１）との間に空隙がある。このため、ユーザは連結フレーム１５を把持することができ、連結フレーム１５を、車両１００を走行姿勢から起立姿勢にする際に把持する取っ手として用いることができる。

　シート３０は、図２の矢印Ｂに示すように、左右の側面フレーム１１の上縁部１１１の後端部または後縁部１１２の上端部に支持された不図示のブラケットを介して後方に回動可能に設けられる。シート３０が後方へ回動することにより、左右の側面フレーム１１（上縁部１１１）と連結フレーム１２とに包囲された平面視略矩形状の開口３１が開放される。したがって、シート３０は開口３１を開閉する蓋として機能する。シート３０の後方への最大回動状態、すなわち開放姿勢を図２に二点鎖線で示す。一方、図２に実線で示すシート３０の姿勢を閉鎖姿勢と呼ぶ。開放姿勢におけるシート３０の回動角θ（閉鎖姿勢からの回動角θ）は９０°よりも大きく、シート３０の先端部（上端部）は後縁部１１２よりも後方に位置する。

　図５は、シート３０を開放姿勢とした状態の車両１００を斜め後方から見た斜視図である。図５に示すように、開口３１の内側には、バッテリ７のホルダ３２が設けられる。ホルダ３２は、前後方向略中央部に、下方にかけて凹状の略直方体空間を形成する収容部３３を有し、収容部３３に単一のバッテリ（バッテリパック）７が挿抜可能に収容される。より具体的には、図４に示すように、バッテリ７は、上端の後端部が下端の後端部よりも後方に位置するように傾斜した姿勢で収容される。

　バッテリ７は、全体が略直方体形状を呈する。図５に示すように、バッテリ７の上面には取っ手７１が設けられ、ユーザは取っ手７１を把持してバッテリ７を収容部３３に収容および収容部３３から取り外すことができる。すなわち、バッテリ７は、単に収容部３３に着脱可能に設けられるのではなく、別途の工具等を用いることなく着脱可能に、つまり着脱自在に設けられる。図示は省略するが、バッテリ７の底面には端子（バッテリ端子と呼ぶ）が設けられ、収容部３３の底面にはバッテリ端子に対応して端子（収容部端子と呼ぶ）が設けられる。バッテリ７を収容部３３に収容すると、バッテリ端子と収容部端子とが嵌合し、両者が電気的に接続される。シート３０の裏面には、下方（図５の開放姿勢では前方）に向けて突起部３０ａが突設され、シート３０を閉鎖すると、突起部３０ａがバッテリ７の上面を下方に向けて押圧する。これにより走行時の振動に耐えて、バッテリ７を強固に支持することができる。

　ホルダ３２の内部（例えば収容部３３の後方）には、電力制御ユニット（ＰＣＵ）５０が配置される。なお、制御部としての電力制御ユニット５０を、ホルダ３２の前方や下方等、ホルダ３２とは異なる位置に配置することもできる。収容部端子には、ケーブルを介して電力制御ユニット５０および他の電気部品が接続され、バッテリ７からの電力が収容部端子を介して各部に供給される。電力制御ユニット５０は、ハンドル４３のグリップ４３ａの操作、すなわち車両１００の加減速指令に応じてバッテリ７の電力を交流に変換し、走行モータ５の駆動を制御する。図４に示すように、上カバー２１の下方にはインバータ電源９が配置される。インバータ電源９はバッテリ７に接続され、インバータ電源９にバッテリ７からの電力が供給される。

　図示は省略するが、車両１００には駆動系を制御する制御部（電力制御ユニット５０）とは別に、駆動系以外を制御する制御部（以下、コントローラと称する）が設けられる。図５に示すように、収容部３３の前方におけるホルダ３２の上面には、バッテリ７の充電率（ＳＯＣ）を示す表示部５２と、車両１００の起動スイッチ５３とが設けられる。表示部５２は、左右方向に並設された複数の点消灯可能なランプを有する。コントローラ（制御ユニット）は、バッテリ７の充電率を検出するセンサからの信号に応じてライトの点消灯を制御する。具体的には、バッテリ７が満充電状態であるとき、全てのランプを点灯し、バッテリ７の充電率の低下に伴いランプを１つずつ消灯する。これによりユーザは、車両１００を利用する前に、バッテリ７の充電率を容易に認識することができる。コントローラはハンドル４３の表示部８（携帯端末）と無線通信可能であり、コントローラからの指令により表示部８に充電率を表示することもできる。

　起動スイッチ５３は、押圧式のスイッチであり、起動スイッチ５３の押圧操作により車両１００の電源がオンされる。これにより、車両１００とユーザの携帯端末とが通信可能となる。起動スイッチ５３のオン直後には、コントローラは、携帯端末を介してユーザの認証を行う。正規のユーザであると認証されると、走行モータ５が駆動可能になって車両１００の走行動作が可能になるとともに、コントローラから携帯端末に車両情報が送信され、車両情報を携帯端末の表示部８に表示することができる。

　図１Ａに示すように、車両１００の側面カバー２２には、バッテリ７からの電力（例えばインバータ電源９を介して交流変換された交流電力）が出力される出力端子（電力出力端子）５５が設けられる。出力端子５５は、非使用時に蓋５６によって覆われる。出力端子５５には、電気部品のプラグを接続することができ、出力端子５５を介して電気部品に電力を供給することができる。表示部８を有する携帯端末を、出力端子５５を介して出力された電力によって充電することもできる。バッテリ７からの電力を走行モータ５で使用しているとき、電力制御ユニット５０からの指令により、出力端子５５からの電力供給が禁止される。これによりバッテリ７の電力が走行モータ５に優先的に供給され、充電不足により車両１００が走行不能となることを抑制することができる。

　図５に示すように、上カバー２１には、ステアリングコラム４１が貫通する貫通孔２１ａが開口される。上カバー２１の上面には、貫通孔２１ａから上カバー２１の後端部にかけて前後方向に細長の凹部２６が設けられる。凹部２６は平面視略矩形状を呈し、その幅はステアリングコラム４１の径よりやや大きく、深さはステアリングコラム４１の径（直径）の半分程度である。

　図６は、ステアリングコラム４１の上部の構成を模式的に示す側面図である。図６では、ハンドル４３の図示を省略する。図６に示すように、ステアリングコラム４１は、上部コラム４１１と下部コラム４１２とを有する。上部コラム４１１と下部コラム４１２との境界部の後端面には、軸線ＣＬと直交する方向である左右方向に延在する連接軸４１３が設けられる。上部コラム４１１は、連接軸４１３を介して下部コラム４１２に前後方向に回動可能に支持される。車両１００の走行姿勢では、上部コラム４１１は、前方に回動され、図６に実線で示す立設姿勢で保持される。このとき、上部コラム４１１は、例えばステアリングコラム前面の固定部４１４を介して下部コラム４１２に回動不能に固定される。固定部４１４は、ボルトの螺合による固定、フックの係合による固定等、種々の形態のものを用いることができる。固定部４１４は、ステアリングコラム４１の前面ではなく、側面または後面に設けることができ、ステアリングコラム４１の内部に設けることもできる。連接軸４１３に、固定部４１４としての機能を付加することもできる。

　車両１００の非走行時、すなわち運搬時や格納時には、固定部４１４による固定が解除され、上部コラム４１１は、図６の二点鎖線で示すように、連接軸４１３を介してハンドル４３と一体に後方に回動する。そして、上部コラム４１１の一部（径方向半分程度）が凹部２６に収容され、ステアリングコラム４１が折り畳み姿勢とされる。その結果、軸線ＣＬを中心としたステアリングコラム４１の回転が阻止され、ハンドル４３のふらつきを防止することができる。

　図６には、上部コラム４１１の先端部の移動軌跡ＬＮ１と、シート３０の先端部の移動軌跡（開閉軌跡）ＬＮ２とを、それぞれ二点鎖線で示す。移動軌跡ＬＮ１と移動軌跡ＬＮ２とは互いに交差しない。このため、上部コラム４１１の回動位置に拘わらずシート３０を前後方向に回動することができる。また、シート３０の回動位置に拘わらず上部コラム４１１を前後方向に回動することができる。

　本実施形態に係る車両１００の特徴的な動作を説明する。以下では、車両１００が目的地まで運搬されてからユーザによって使用される例を説明する。この場合、車両１００は、運搬車両に搭載されて目的地の近傍の駐車場まで運搬された後、運搬車両から降ろされる。運搬時には、図７に示すように、ステアリングコラム４１が後方に折り曲げられ、上部コラム４１１が上カバー２１の上面の凹部２６に収容されて、ステアリングコラム４１は立設姿勢から折り畳み姿勢に姿勢変更される。さらにステップ１８が上方に回動され、ステップ１８は水平姿勢から鉛直姿勢に姿勢変更される。このため、車両１００の全高を低く、かつ、車両下部の車幅を短くすることができ、運搬車両への車両１００の搭載が容易である。また、ステアリングコラム４１は、折り畳み姿勢において凹部２６に収容されると操舵角が保持されるため、車両１００が運搬車両に搭載された際の姿勢が安定する。

　次いでユーザは、図８に示すように、車両後端部の連結フレーム１３を把持して後輪２を持ち上げ、従動輪である前輪１を転がしながら駐車場から目的地まで車両１００を運搬する。このため、ユーザは大きな労力を要することなく車両１００を容易に運搬することができる。図８には、車両１００の重心位置Ｇを併せて示す。ユーザが車両１００を運搬するとき、ステアリングコラム４１は折り畳み姿勢とされたままであり、これによりステアリングコラム４１と一体のハンドル４３および前輪１の、軸線ＣＬ（図４）を中心とした回動が阻止される。このため、前輪１がふらつくことなく、車両１００を安定した姿勢で運搬することができ、前輪１を転がしながらの車両１００の運搬が容易である。

　車両１００が目的地まで到達すると、ユーザは、まず図５に示すようにシート３０を後方に回動し、起動スイッチ５３を操作して車両１００の電源をオンする。このとき、ユーザは、表示部５２を介してバッテリ７の充電状態を確認することもできる。なお、バッテリ７の充電状態は、予め車両１００を目的地まで運搬する前（例えば車両１００を運搬車両に搭載する前）に確認するようにしてもよい。ユーザは、バッテリ７の充電率の不足を認識すると、取っ手７１を把持してバッテリ７を収容部３３から上方に引き抜く。そして、不図示の充電器を用いてあるいは充電設備等でバッテリ７を充電した後に、充電後のバッテリ７を、取っ手７１を把持して再び収容部３３に収容する、あるいは充電済の別のバッテリ７を収容部３３に収容する。さらに、シート３０を前方に回動し、開口３１を閉鎖する。

　ユーザが起動スイッチ５３をオンした後、ユーザの携帯端末との無線通信（短距離無線通信）を介してユーザの認証が開始される。認証が完了すると、ユーザは携帯端末をハンドル４３の中央部の端末保持部８ａに装着する。これにより車両１００に、車両情報を表示するための表示部８がセットされる。この状態でユーザはシート３０に着座し、ハンドル４３のグリップ４３ａを把持して車両１００を走行させる。車両走行時には、左右のステップ１８が下方に回動され、水平姿勢のステップ１８上にユーザの足が載置される。

　図１Ａに示すように、車両１００は、スタンド４を下方に回動させ、前輪１と後輪２とスタンド４とを接地させた状態で保持することができる。さらに、図９に示すように、後輪２を支点にして前輪１を上方に持ち上げ、車両１００を起立姿勢で保持することができる。起立姿勢では、後輪２と連結フレーム１３の水平部１３２とが接地し、車両１００の後側下部（鉛直線ＬＮａの後方かつ水平線ＬＮｂの下方）の領域の重心位置Ｇは、後輪２と水平部１３２との間に位置する。水平部１３２は左右方向に延在するため、水平部１３２の接地面積は大きい。このため、後輪２と連結フレーム１３とにより、車両１００を起立姿勢で安定して支持することができる。起立姿勢における車両１００の地面への投影面積（平面視の車両全体の面積）は、走行姿勢における投影面積よりも小さい。このため、車両１００が起立姿勢であるとき、走行姿勢であるときよりも、車両１００の占有面積を狭めることができる。

　本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
（１）車両１００は、前輪１および後輪２と、前輪１を操舵するハンドル４３と、前輪１とハンドル４３とを接続し、軸線ＣＬ周りに回動するように設けられるステアリングコラム４１と、を備える（図１Ａ，図１Ｂ）。ステアリングコラム４１は、ステアリングコラム４１の軸線ＣＬと直交する方向に延びる連接軸４１３を中心に屈曲可能（回動可能）な上部コラム４１１を有する（図６）。車両１００の上カバー２１の上面には凹部２６が設けられ、凹部２６に、屈曲されたステアリングコラム４１（上部コラム４１１）の一部が収容される（図６）。これにより、ステアリングコラム４１が屈曲された折り畳み姿勢であるとき、軸線ＣＬ周りのステアリングコラム４１の回動を阻止することができる。その結果、車両１００の運搬時や保管時等の非走行時において前輪１のふらつきが阻止され、非走行時の車両１００の取扱性を向上することができる。通常のスクータ等に設けられるハンドルロック機構を設ける必要がないため、コストも低減できる。また、非走行時にステアリングコラム４１が短尺化され、車両１００を小型化することができ、運搬車両の荷室等への車両１００の積み込みが容易になる。

（２）車両１００は、車体１０１の上面に設けられるシート３０をさらに備える（図１Ａ）。凹部２６は、シート３０の前方に設けられる（図１Ａ）。これにより、ステアリングコラム４１を、シート３０と干渉することなく凹部２６に収容することができる。

（３）車両１００は、車体１０１の内部に収容部３３を備える（図５）。シート３０は、収容部３３の入口の開口３１を開閉するように回動可能に設けられる（図２）。これにより、シート３０が収容部３３の蓋の機能を兼ねるため、蓋を別途設ける必要がなく、部品点数を節約できる。加えて、収容部３３に収容されるバッテリ７は、シート３０（突起部３０ａ）を介して下方に押さえつけられて固定される（図５）。このため、バッテリ７を振動などから保護するための固定治具を別途設ける必要がなく、構成が容易である。

（４）シート３０は、後方に屈曲されたステアリングコラム４１が、シート３０の移動軌跡ＬＮ２と重ならないように設けられる（図６）。これにより、ステアリングコラム４１の屈曲動作に拘わらず、蓋としてのシート３０を開閉することができる。

（５）車両１００は、後輪２を駆動する走行モータ５と、収容部３３に挿抜可能に収容され、収容状態で走行モータ５と電気的に接続されるバッテリ７と、をさらに備える（図４）。このように車両１００を電動式の二輪車両として構成することで、車両１００を傾斜姿勢（図８）や起立姿勢（図９）に姿勢変更することが可能である。

（６）車両１００は、開口３１の近傍における閉鎖姿勢のシート３０に覆われる位置に配置され、バッテリ７の充電量（充電率）を表示する表示部５２をさらに備える（図５）。これにより、シート３０を開放姿勢にしてバッテリ７を収容部３３に着脱する際に、ユーザは充電状態を同時に認識することができる。

（７）車両１００はコントローラを備える。コントローラは、車両１００に着脱可能に設けられたユーザの携帯端末を表示部８として用いるとき、車両情報（充電率など）を表示部８に表示するように表示部８に制御信号を出力する。これにより、車両１００に専用の表示部８を備える必要がなく、車両１００の構成を簡素化できる。

（８）車両１００は、開口３１の近傍における閉鎖姿勢のシート３０に覆われる位置に配置され、車両１００を起動するための入力を受け付ける起動スイッチ５３をさらに備える（図５）。これにより、ハンドル４３等の車両表面に起動スイッチを配置する必要がなく、車両１００の構成を簡素化できる。また、起動スイッチ５３がシート３０の内側に配置されることで、起動スイッチ５３の誤操作を防止することができる。さらに車両１００を起動するたびに、表示部５２を介してバッテリ７の蓄電状態を確認することができる。

（９）車両１００は、バッテリ７と電気的に接続されたインバータ電源９（直流を交流に変換するインバータ電源）と、外部の電力装置（電気機器）が接続される出力端子５５とをさらに備える（図１Ａ，４）。これによりバッテリ７の電力を用いて、ユーザの携帯端末や他の電気機器に電力を供給することができる。

（１０）出力端子５５は、車両１００の側方を向く側面カバー２２に配置される（図１Ａ）。これにより、外部の電気機器のプラグを出力端子５５に容易に接続することができ、電気機器への電力供給が容易である。

（１１）電力制御ユニット５０は、出力端子５５からの電力の出力を制御するように構成される。すなわち、電力制御ユニット５０は、走行モータ５でバッテリ７の電力を使用しているときに、出力端子５５から電力が出力されないように制御する。これにより走行モータ５に優先的に電力を供給することができる。

　上述したのとは別の観点として、本実施形態によればさらに以下のような作用効果を奏することもできる。
（１２）車両１００は、前輪１および後輪２と、車体１０１の上面に設けられるシート３０と、車体１０１の後面に、後方に向かって延出するように設けられる連結フレーム１３と、を備える（図１Ａ）。連結フレーム１３は、後輪２と連結フレーム１３とを接地点として車両１００を起立姿勢で地面に載置可能に設けられる（図９）。このように車両１００を起立姿勢で保持するように構成することで、車両１００の前後方向長さが短くなるように車両１００を変形する必要がない。よって、安価な構成で、車両１００の設置スペースの省スペース化を達成することができる。これに対し、例えばハンドルポストと前輪および後輪とを、車両の前後方向中央側に屈曲可能に設けることにより車両の前後方向長さを短くするものでは、構成が複雑になり、車両の設置スペースの省スペース化を達成しようとすると、コストの上昇を招く。

（１３）連結フレーム１３は、左右方向に延在する水平部１３２を有する（図１Ａ）。これにより連結フレーム１３は地面に線状に接地するため、車両１００を地面に安定して保持することができる。

（１４）連結フレーム１３は、車両１００のユーザが把持可能なように構成される（図８）。すなわち、連結フレーム１３は把持部としての機能を有する。これにより、ユーザは、連結フレーム１３を把持して後輪２を浮かせた状態で前輪１を転がしながら、車両１００を容易に運搬することができる。

（１５）車両１００は、車両１００の重心位置Ｇが、前輪１および後輪２が接地した走行姿勢における側面視で、車両１００の前後方向中央を通る鉛直線ＬＮａよりも後方かつ上下方向中央を通る水平線ＬＮｂよりも下方に位置するように設けられる（図１Ａ）。これにより、走行姿勢だけでなく起立姿勢においても車両１００の重心位置Ｇが低くなり（図９）、車両姿勢を安定化させることができる。

（１６）車両１００は、前輪１および後輪２が接地した走行姿勢での上方視における投影面積よりも、後輪２と連結フレーム１３とが接地した起立姿勢での上方視における投影面積の方が小さくなるように設けられる。これにより車両１００の非走行時における占有面積を狭めることができ、車両１００の保管が容易である。

（１７）車両１００は、車体１０１の左右の側面からそれぞれ左右方向に突出するように設けられるステップ１８をさらに備える（図３）。ステップ１８は、使用時の水平姿勢から非使用時の鉛直姿勢に姿勢変更するように、前後方向に延在する回動軸１８ａを支点にして上方に折り曲げ可能に設けられる（図３）。これにより、ステップ１８の左右方向への突出量が抑えられ、車両１００の非走行時における車体１０１の幅を短くすることができる。

（１８）車両１００は、前輪１および後輪２が接地した走行姿勢における左右方向視で、前面、下面、後面、および上面を囲うように設けられるフレーム１０をさらに備える（図４）。これにより、車両１００の重量の増加を抑えながら、車体１０１の剛性を良好に高めることができる。

（１９）左右の側面フレーム１１は、前輪１および後輪２の上端部よりも下方まで延在し、前輪１の後端部よりも前方かつ後輪２の前端部よりも後方まで延在する（図４）。このため、前輪１および後輪２を、フレーム１１から回転可能に容易に支持することができる。

（２０）側面フレーム１１の下縁部１１３は、その前端部が、前輪１を避けるように上方に湾曲して設けられる（図４）。これによりフレーム１０と干渉することなく前輪１を左右に転舵することができる。

（２１）側面フレーム１１には、後輪２を回転可能に支持する支持部、すなわちステイ１６が固定される（図４）。これによりステイ１６およびブラケット１７を介して後輪２を側面フレーム１１から回転可能に支持することができる。

（２２）車両１００は、フレーム１０の形状に沿って車両１００の外面を形成するカバー２０をさらに備える（図１Ａ～図３）。これにより車体１０１の内部に、カバー２０によって覆われた状態で、各種部品を配置することができる。

（２３）フレーム１０は、車両１００の左右両側に配置される側面フレーム１１と、左右の側面フレーム１１を互いに連結する連結フレーム１２～１５とを有する（図１Ａ～図４）。これにより車体１０１全体がフレーム１０で包囲され、車両１０９の剛性を高めることができる。

（２４）左右の側面フレーム１１を連結する連結フレームは、車体１０１の前面に配置される連結フレーム１５と、上面に配置される連結フレーム１２とを有する（図１Ａ）。さらに、連結フレームは、車体１０１の後面に配置される連結フレーム１３を有する（図１Ｂ）。これにより車体１０１の剛性を効率よく高めることができる。

（２５）シート３０は、左右の側面フレーム１１の上縁部１１１と連結フレーム１２とによって区画される領域の内側に配置される（図１Ａ）。これによりシート３０の周囲を強固に構成することができ、シート３０の下方に剛性の高い収容部３３を設けることができる。

（２６）車体後面の連結フレーム１３は、起立姿勢における車両１００の接地部を構成する（図４）。これにより接地部を別途設ける必要がなく、部品点数を節約できる。

（２７）後輪２は走行モータ５により回転駆動されように設けられるのに対し、前輪１は回転自在に設けられる（図４）。すなわち、後輪２が駆動輪、前輪１が従動輪として、車両１００が構成される。これにより、後輪２を浮かせて前輪１を転がしながら、手動で車両１００を運搬することができる（図８）。

（２８）走行モータ５は、後輪２の外縁（外周面）よりも径方向内側に配置される（図４）。すなわち、走行モータ５はインホイールモータとして構成される。これにより、車両１００が大型化することを防止できる。

（２９）バッテリ７は、車両１００に対して着脱自在に設けられる。このため、バッテリ７の着脱に際し別途の工具を用いる必要がなく、バッテリ７の充電やバッテリ交換等の作業を容易に行うことができる。

　上記実施形態は、種々の形態に変形することができる。以下、いくつかの変形例について説明する。上記実施形態では、前輪１とハンドル４３（操舵部）とを接続するステアリングコラム４１（操舵軸）の上部コラム４１１（連接部）を、連接軸４１３を中心にして屈曲可能に設けたが、さらにハンドル４３の左右両端部を、ステアリングコラム４１が折り曲げ姿勢であるときに下方に回動可能に設けてもよい。これにより車両１００の全幅を短くすることができる。上記実施形態では、車体１０１の上カバー２１に、前後方向に細長の凹部２６を設け、凹部２６にステアリングコラム４１の上端側の一部が収容されるようにしたが、車両の上方を向く面に凹設され、屈曲された操舵軸の少なくとも一部を収容するように設けられるのであれば、凹部の構成はいかなるものでもよい。

　上記実施形態では、車両１００の後輪２に走行モータ５（電動機）を設けたが、電動機を車両１００の前輪１に設けるようにしてもよく、前輪１と後輪２の両方に設けてもよい。すなわち、駆動輪は前輪１と後輪２のいずれであってもよい。電動機はインホイールモータ以外でもよく、車体内部に電動機を設けてもよい。上記実施形態では、蓄電部としてのバッテリ７を、着座部であるシート３０の下方に配置したが、蓄電部の配置は上述したものに限らない。上記実施形態では、開口３１の近傍に設けられた複数のランプにより表示部５２を構成し、バッテリ７の蓄電率を表示部５２に表示するようにしたが、表示部の構成は上述したものに限らない。蓄電部の充電量の代わりに、あるいは充電量とともに、蓄電部の状態（温度や劣化状態など）を表示するようにしてもよい。

　上記実施形態では、ユーザの携帯端末を、走行情報を表示する表示部８として用いたが、車両１００（例えばハンドル４３）に他の表示部を設けてもよく、車両１００に装着された端末装置の他の表示部を用いてもよい。上記実施形態では、情報生成部としてのコントローラが、表示部８に表示するための車両情報（充電量の情報など）を生成するようにしたが、表示部に表示するための他の情報を生成するようにしてもよい。上記実施形態では、車両１００を起動するための起動スイッチ５３（起動部）をシート３０の内側に設けたが、起動部を他の位置に設けてもよい。

　上記実施形態では、電力の出力端子５５を車体１０１のカバー２０の側面に設けたが、上面、前面、後面等に設けてもよい。上記実施形態では、制御部としての電力制御ユニット５０が、車両走行時に出力端子５５からの電力の出力を禁止するようにしたが、電力の出力を許容するようにしてもよい。上記実施形態では、車体１０１を略ボックス形状に構成したが、車体の構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、車体１０１の上面と同一面上にシート３００の着座面を設けたが、着座面を車体の上面の上方または下方に設けてもよい。

　上記実施形態では、車両１００をミニバンやワゴン車両などの運搬車両に搭載可能に構成したが、トラック等、他の運搬車両に搭載可能に構成してもよい。すなわち、より大型の車両として構成してもよい。上記実施形態では、前輪が一輪および後輪が一輪の二輪車両として構成したが、前輪および後輪の一方が二輪の三輪車両として構成してもよい。

　上記実施形態では、側面フレーム１１の左右の後縁部１１２を連結する連結フレーム１３を介して、車両１００を起立姿勢で支持するようにしたが、車両の後方を向く面に、後方に向かって延出するように設けられ、後輪とともに接地点として車両を載置可能とするように設けられるのであれば、延出部の構成はいかなるものでもよい。連結フレーム１３とは別に延出部を設けてもよい。したがって、連結フレーム１３の水平部１３２以外を、延在部として用いてもよい。上記実施形態では、連結フレーム１３をユーザが把持する把持部として用いたが、把持部を別に設けてもよい。

　上記実施形態では、車体１０１の左右方向側面から左右方向に突設するステップ１８（足置部）を、前後方向に延在する回動軸１８ａを支点にして上方に屈曲可能に設けた。すなわちステップ１８に変形部を設けたが、ステップ１８を水平方向（例えば前方）に回動可能に変形部を設けてもよい。すなわち、車体の左右側面から突出する量が減少するように変形するのであれば、変形部の構成は上述したものに限らない。足置部だけでなく、または足置部に代えて、ハンドル（操舵部）に、左右方向への突出量が減少するように変形する変形部を設けるようにしてもよい。例えば、ステアリングコラム４１が折り畳み姿勢であるときに、変形部を介して操舵部が変形するようにしてもよい。

　上記実施形態では、フレーム１０により車体１０１の骨格部を構成した。すなわち、車両１００の左側および右側に配置される側面フレーム１１（左骨組部および右骨組部）と、左右の側面フレーム１１を連結する連結フレーム１２～１５（連結部）とを含むようにフレーム１０を構成したが、骨格部の構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、前輪１を避けるように側面フレーム１１の前端部を上方に湾曲して設けたが、屈曲して設けてもよい。後輪２を避けるように側面フレーム１１の後端部を上方に湾曲または屈曲して設けてもよい。上記実施形態では、フレーム１０の形状に沿ってその外縁をカバー２０で覆うようにしたが、外装部の構成は上述したものに限らない。

　上記実施形態では、車体１０１の前面側に連結フレーム１５（前方連結部）を、上面側に連結フレーム１２（上方連結部）を、後面側に連結フレーム１３（後方連結部）を、それぞれ設けたが、連結部の構成はこれに限らない。上記実施形態では、前輪１とハンドル４３（操舵部）とを接続するステアリングコラム４１（操舵軸）を、連接軸４１３（連接部）を中心にして屈曲可能に設けたるとともに、車体１０１の上カバー２１に、前後方向に細長の凹部２６を設け、凹部２６にステアリングコラム４１の上端側の一部が収容されるようにしたが、車両の上方を向く面に凹設され、屈曲された操舵軸の少なくとも一部を収容するように設けられるのであれば、凹部の構成はいかなるものでもよい。

　上記実施形態では、車両１００の後輪２に走行モータ５を設けたが、電動機を車両１００の前輪１に設けるようにしてもよく、前輪１と後輪２の両方に設けてもよい。すなわち、駆動輪は前輪１と後輪２のいずれであってもよい。電動機はインホイールモータ以外でもよく、車体内部に電動機を設けてもよい。上記実施形態では、蓄電部としてのバッテリ７を、着座部であるシート３０の下方に配置したが、蓄電部の配置は上述したものに限らない。上記実施形態では、バッテリ７を車両１００に対し着脱自在に設けるようにしたが、バッテリ７を着脱不能に、あるいは治具等を用いて着脱可能に設けるようにしてもよい。

　以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の１つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。

１　前輪、２　後輪、５　走行モータ、７　バッテリ、８　表示部、１３　連結フレーム、２１　上カバー、２６　凹部、３０　シート、３１　開口、３３　収容部、４１　ステアリングコラム、４３　ハンドル、５０　電力制御ユニット、５２　表示部、５３　起動スイッチ、５５　出力端子、１００　車両、４１１　上部コラム、４１３　連接軸

Claims

　前輪および後輪と、
　前記前輪を操舵する操舵部と、
　前記前輪と前記操舵部とを接続し、回動軸周りに回動するように設けられる操舵軸と、を備える車両であって、
　前記操舵軸は、該操舵軸の軸線と直交する方向に延びる連接軸を中心に屈曲可能な連接部を有し、
　前記車両は、該車両の上方を向く面に凹設され、屈曲された前記操舵軸の少なくとも一部を収容するように設けられる凹部を有することを特徴とする車両。
　請求項１に記載の車両において、
　前記上方を向く面に設けられる着座部をさらに備え、
　前記凹部は、前記車両の前後方向において、前記着座部よりも前方側に設けられることを特徴とする車両。
　請求項２に記載の車両において、
　開口を有する収容部をさらに備え、
　前記着座部は、前記開口を開閉可能に設けられることを特徴とする車両。
　請求項３に記載の車両において、
　前記着座部は、屈曲された前記操舵軸が該着座部の開閉軌跡と重ならないように設けられることを特徴とする車両。
　請求項３または４に記載の車両において、
　前記前輪および前記後輪の少なくとも一方を駆動する電動機と、
　前記収容部に出し入れ可能に収容され、収容された状態で前記電動機と電気的に接続される蓄電部と、をさらに備えることを特徴とする車両。
　請求項５に記載の車両において、
　前記開口の近傍で、閉じられた前記着座部に覆われる位置に配置され、前記蓄電部の充電量、および、前記蓄電部の状態の少なくとも一方を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする車両。
　請求項６に記載の車両において、
　前記車両に設けられた他の表示部、または、乗員が携帯する端末装置、もしくは該車両に装着された端末装置の他の表示部で、前記充電量、または、前記状態の少なくとも一方を表示するための情報を生成する情報生成部をさらに備えることを特徴とする車両。
　請求項５～７のいずれか１項に記載の車両において、
　前記開口の近傍で、閉じられた前記着座部に覆われる位置に配置され、該車両を起動するための入力を受け付ける起動部をさらに備えることを特徴とする車両。
　請求項５～８のいずれか１項に記載の車両において、
　前記蓄電部と電気的に接続され、外部の電力装置が接続される電力出力端子をさらに備えることを特徴とする車両。
　請求項９に記載の車両において、
　前記電力出力端子は、前記車両の外方を向く面に配置されることを特徴とする車両。
　請求項９または１０に記載の車両において、
　前記電力出力端子からの電力の出力を制御する制御部をさらに備え、
　前記制御部は、前記電動機で前記蓄電部の電力を使用しているときに、前記電力出力端子から電力が出力されないように制御することを特徴とする車両。
　請求項１に記載の車両において、
　前記車両の上方を向く面に設けられる着座部と、
　前記車両の後方を向く面に、後方に向かって延出するように設けられる延出部と、をさらに備え、
　前記延出部は、前記後輪と該延出部との２点を接地点として前記車両を載置可能に設けられることを特徴とする車両。