WO2024029071A1

WO2024029071A1 - 空気調和装置、空気調和装置の機能拡張ユニットおよび空気調和装置の室内機

Info

Publication number: WO2024029071A1
Application number: PCT/JP2022/030099
Authority: WO
Inventors: 尚也清宮; 啓輔福原
Original assignee: 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
Priority date: 2022-08-05
Filing date: 2022-08-05
Publication date: 2024-02-08

Abstract

フィルタの取り外しを簡便にしつつ、意匠性を低下させず、取り外しの際にも埃が落下しにくい、空気調和装置、空気調和装置の機能拡張ユニットおよび空気調和装置の室内機を提供する。空気調和装置（１）は、室内機（１０）と、室内機（１０）とは別に設けられた機能拡張ユニット（１４）とを含む。機能拡張ユニット（１４）が、筐体（４０）と、筐体（４０）の一部を構成し、開口（４１）を有し、筐体（４０）に着脱可能に構成された外観部材（４２）と、開口（４１）を覆うように外観部材（４２）に取り付けられたフィルタ（４３）とを含む。

Description

空気調和装置、空気調和装置の機能拡張ユニットおよび空気調和装置の室内機

　本発明は、空気調和装置、空気調和装置の機能拡張ユニットおよび空気調和装置の室内機に関する。

　空気調和装置の室内機は、筐体の内部に熱交換器やファン等を備え、筐体に設けられた取り込み口から空気を取り込み、吹き出し口から空気を吹き出す構成とされている。取り込み口には、空気中の埃等を除去するフィルタが設けられる。

　フィルタは、所定期間毎に掃除を行ったり、交換したりして、メンテナンスを行うことができる。室内機では、筐体内にフィルタが設けられるため、例えば、筐体の一部を構成する前面パネルを移動して前面を開き、フィルタを取り出す必要がある。このような構成は、室内機とは別に設けられ、室内機の機能を拡張する機能拡張ユニットも同様である。このため、機能拡張ユニットも、メンテナンス作業に手間がかかっている。

　そこで、内部にヒータと送風機構が収納された壁掛型暖房機において、ケースの側面に設けられる開口部にレールを有し、フィルタをスライドさせて取り付け、取り外すことができるようにした構成が知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１７－２１５１２１号公報

　しかしながら、上記の従来の構成では、暖房機の側面にフィルタが露出して取り付けられているため、埃の付着により意匠性が低下し、取り外しの際にフィルタに付着した埃が落下し、屋内を汚すおそれがある。

　そこで、フィルタの取り外しを簡便にしつつ、意匠性を低下させず、取り外しの際にも埃が落下しにくい、空気調和装置、空気調和装置の機能拡張ユニットおよび空気調和装置の室内機の提供が望まれていた。

　本発明は、上記課題に鑑み、室内機と、
　室内機とは別に設けられた機能拡張ユニットと
を含み、
　機能拡張ユニットが、筐体と、筐体の一部を構成し、開口を有し、筐体に着脱可能に構成された外観部材と、開口を覆うように外観部材に取り付けられたフィルタとを含む、空気調和装置が提供される。

　本発明によれば、フィルタの取り外しを簡便にしつつ、意匠性を低下させず、取り外しの際にも埃が落下しにくい、空気調和装置、空気調和装置の機能拡張ユニットおよび空気調和装置の室内機を提供することができる。

空気調和装置の構成例を示した図。空気調和装置の冷媒回路について説明する図。室内機に隣接して機能拡張ユニットを設置した例を示した図。機能拡張ユニットの一例である換気ユニットの構成例を示した図。換気ユニットの内部構成の一例を示した図。外観部材の一例を示した図。フィルタの一例を示した図。外観部材にフィルタを取り付ける方法について説明する図。外観部材にフィルタを取り付けたところを例示した図。フィルタが取り付けられた外観部材を、換気ユニットの筐体に取り付ける方法について説明する図。

　図１は、空気調和装置１の構成例を示した図である。空気調和装置１は、住宅やビル等の室内の温度や湿度等を調整する装置であり、室内に設置される室内機１０と、室外に設置される室外機１１とを含んで構成される。

　室内機１０と室外機１１とは、熱媒体としての冷媒が循環する冷媒配管１２、１３により接続される。冷媒としては、例えばＲ４１０ａやＲ３２等のハイドロフルオロカーボンが用いられる。また、室内機１０と室外機１１とは、互いに通信を行うために通信ケーブル等により接続される。なお、通信は、通信ケーブルによる有線通信に限らず、ＷｉＦｉ（登録商標）等を使用した無線通信であってもよい。

　室内には、ユーザが操作する操作装置（リモートコントローラ）が配置される。室内機１０は、ユーザによるリモートコントローラの操作を受けて、運転開始や運転終了の指示、運転モードや設定温度の変更等を受け付ける。室内機１０は、運転開始の指示を受け付けると、室外機１１に対して起動を指令し、冷媒の循環を開始させる。このとき、室内機１０は、受け付けた運転モードや設定温度等を室外機１１に通知する。また、室内機１０は、室内の温度等を検知し、室外機１１に通知する。室内機１０は、リモートコントローラや室外機１１との通信等を行うため、制御基板を備える。

　室外機１１は、室内機１０からの指令を受けて起動し、設定された、または室内機１０から通知された運転モードで運転を開始する。運転モードは、冷房モード、暖房モード、送風モード等である。室外機１１は、室内機１０から通知された室内の温度と設定温度等に基づき、循環させる冷媒の量等を制御する。室外機１１は、室内機１０との通信や、冷媒の循環量等を制御するために、制御基板を備える。

　室内機１０は、室内の空気を取り込み、室外機１１から供給される冷媒と熱交換して、取り込んだ空気を冷却または暖め、再び室内に戻すことを繰り返す。これにより、室内の温度等を設定温度等に維持するように空気調和を行う。

　空気調和装置１は、機能拡張ユニット１４を備えることができる。機能拡張ユニット１４は、空気調和装置１のオプションとして、室内と室外の空気を入れ替える換気ユニット、空気中の浮遊物等を除去する空気清浄機、室内の空気を加湿する加湿器等がある。機能拡張ユニット１４は、吸気と排気を熱交換させる全熱交換器を備えていてもよい。

　ここで、拡張機能とは、所定の標準仕様に対して購入者の選択で取り付けることができるという意味のほか、後付け可能という意味や、室内機１０や室外機１１とは別体であるという意味も含んでいる。例えば、換気ユニットを取り付けるか否かをユーザが選択できないような販売形態で、室内機１０や室外機１１とともに換気ユニットがセットで販売されていたとする。このような場合でも、換気ユニットが室内機１０や室外機１１とは別体であるときは、換気ユニットは拡張ユニットであるものとする。

　機能拡張ユニット１４も、リモートコントローラにより操作可能とされる。ユーザは、リモートコントローラを操作することにより、機能拡張ユニット１４に対して起動や停止を指示することができる。機能拡張ユニット１４は、換気のための風量等が設定できるようになっていてもよく、リモートコントローラの操作によりその風量等の設定値を変更することができる。室内機１０を操作するリモートコントローラと、機能拡張ユニット１４を操作するリモートコントローラは、別個のリモートコントローラであってもよいし、同じリモートコントローラであってもよい。

　機能拡張ユニット１４は、図１に示すように、室内機１０に隣接して設置されるほか、室内機１０から離間して設置されていてもよく、また、室内機１０の筐体に内蔵されていてもよい。

　図２を参照して、空気調和装置１の冷媒回路について簡単に説明しておく。図２に示す矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示し、冷房運転時の動作を中心に説明する。なお、暖房運転時は、冷媒の流れの向きが逆向きになる。

　室内機１０は、室内熱交換器２０と、室内ファン２１とを備える。室内ファン２１は、室内の空気を取り込み、室内熱交換器２０へ送り込む。室内熱交換器２０は、内部に冷媒が流通する伝熱管を有し、送り込まれた空気が伝熱管の表面に接触して熱交換を行うように構成されている。室内熱交換器２０により熱交換された空気は、室内へ排出される。

　室内機１０は、そのほか、室内温度等を計測するための各種センサや室内膨張弁等を備えることができる。

　室外機１１は、圧縮機３０と、四方弁３１と、室外膨張弁３２と、室外熱交換器３３と、室外ファン３４とを備える。圧縮機３０は、低圧のガス冷媒を圧縮し、高圧のガス冷媒として吐出する。四方弁３１は、運転モードに応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。室外膨張弁３２は、高圧の冷媒を減圧し、膨張させる弁である。室外ファン３４は、室外の空気を取り込み、室外熱交換器３３へ送り込む。室外熱交換器３３は、室内熱交換器２０と同様、内部に冷媒が流通する伝熱管を有し、送り込まれた空気が伝熱管の表面に接触して熱交換を行うように構成されている。室外熱交換器３３により熱交換された空気は、室外へ排出される。

　冷房運転時は、室内熱交換器２０を蒸発器とし、室外熱交換器３３を凝縮器として利用する。このため、矢印に示すように、圧縮機３０、室外熱交換器３３、室外膨張弁３２、室内熱交換器２０、四方弁３１、圧縮機３０の順で系内に封入された冷媒を循環させる。この間、室内機１０では、室内ファン２１により取り込んだ室内の空気を、室内熱交換器２０の伝熱管を流れる冷媒と熱交換して冷却し、冷却した空気を室内に吹き出す。

　次に、図３を参照して、機能拡張ユニット１４について説明する。機能拡張ユニット１４は、室内の壁面に、室内機１０に隣接して設置することができる。したがって、機能拡張ユニット１４は、室内熱交換器２０が備える伝熱管や室内ファン２１の長手方向の長さは異なるが、外観の形状や模様等をほぼ同じくし、室内機１０と隣り合わせで並べて設置した場合に、意匠的に統一が取れるように筐体が構成されている。ここでは、意匠的に統一が取れるように筐体が構成される例を示したが、機能拡張ユニット１４は、室内機１０とは異なるデザインであってもよい。

　図４は、機能拡張ユニット１４の構成例を示した図である。機能拡張ユニット１４は、空気調和装置１に対して追加の機能を付与するために必要な機器（例えば、換気ファン等）の外側を筐体４０で覆い、内部の機器を保護している。筐体４０の一部は、開口４１を有する外観部材４２により構成され、外観部材４２は、筐体４０に対して着脱可能とされている。外観部材４２は、室内機１０の筐体や、機能拡張ユニット１４の筐体４０と同様、ポリスチレンやＡＢＳ（アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン）樹脂等のプラスチック樹脂により作製される。図４に示す例では、外観部材４２は、意匠性を考慮し、複数の開口４１を設け、複数の開口４１が同じ大きさで、等間隔に一列に並んでいる。なお、これは一例であるので、開口４１の数、大きさ、配置は、いかなる数、大きさ、配置であってもよい。

　機能拡張ユニット１４は、筐体４０に外観部材４２を取り付けた場合の外観部材４２の内側（内部に収容される機器がある側）であって、開口４１を覆う（塞ぐ）ように外観部材４２に取り付けられたフィルタ４３を備える。フィルタ４３は、多数の細かい穴を有する網状部材で、外観部材４２の開口４１を介して取り込まれる空気中の埃等の浮遊物を除去する。フィルタ４３は、外観部材４２の内側に固定されていてもよいし、着脱可能とされていてもよい。なお、外観部材４２は、フィルタ４３を外観部材４２の内側に取り付ける構成としているが、外観部材４２の外側に取り付ける構成であってもよい。

　フィルタ４３は、外観部材４２に取り付けられているため、外観部材４２ごと取り外すことができる。このため、フィルタ４３のメンテナンス時に外観部材４２、フィルタ４３を別々に取り外す手間を無くすことができる。

　また、フィルタ４３は、外観部材４２の内側に取り付けられているため、外側から見た場合に、外観部材４２の開口４１を通してしか見えず、目立たない。したがって、フィルタ４３に埃等が堆積したとしても、埃等が堆積していることも目立たない。

　外観部材４２は、機能拡張ユニット１４の上側部分を覆うように筐体４０に取り付けられる。このため、空気中の埃等は、フィルタ４３上に堆積することになる。フィルタ４３は、外観部材４２ごと前面に引き出すようにして取り外すことができ、フィルタ４３上に堆積した埃等が、フィルタ４３の取り外しの際、床に落下することを防止することができる。また、機能拡張ユニット１４は、壁面の上方位置であって、人の目線より高い位置に設置されるため、フィルタ４３上に堆積した埃等は見えず、また、外観部材４２の開口４１内に堆積し、目立たないため、デザイン性の低下を防止することができる。

　図４に示すように、フィルタ４３と内部に収容される機器との間には、プラスチック樹脂製の格子状部材４４が設けられてもよい。格子状部材４４の格子（メッシュ）の各開口部分の大きさは、人の指が入らない大きさとされる。格子の開口は、人に指が入らない大きさであれば、いかなる形状、大きさであってもよい。

　フィルタ４３は、室内機１０に使用されるフィルタと同じメッシュサイズ、材質のものを使用することができる。フィルタ４３としては、０．１５μｍの粒子に対して９９．９９９５％以上の粒子捕集効率を有し、初期圧力損失が２４５Ｐａ以下であるＵＬＰＡフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)、０．３μｍの粒子に対して９９．９７％以上の粒子捕集効率を有し、初期圧力損失が２４５Ｐａ以下であるＨＥＰＡフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)、５μｍより小さい粒子に対して中程度の捕集効率（６０～９５％程度）を有する中性能フィルタ等を用いることができる。室内機１０と同じフィルタを用いることで、製造コストを抑えることができる。

　フィルタ４３は、撥水撥油性が得られるフッ素コーティングしたフィルタ、銀ゼオライト等の触媒を添加したフィルタ、溶菌酵素等を固定したフィルタのように、防汚、抗菌、抗ウィルスの性能を有するフィルタを用いてもよい。なお、これらは一例であり、防汚、抗菌、抗ウィルスの性能を有するフィルタであれば、これらに限定されるものではない。

　室内の空気は、外観部材４２に設けられた開口４１を通して機能拡張ユニット１４へ取り込まれる。機能拡張ユニット１４は、開口４１と内部に取り込んだ空気を排出する排気口以外に開口を有していないため、内部へ埃等が侵入することを防止することができる。

　機能拡張ユニット１４は、空気調和装置１の室内機１０の筐体に内蔵されていてもよく、内蔵される場合、室内機１０が、筐体のほか、外観部材４２、フィルタ４３を含むことができる。

　図５は、機能拡張ユニット１４の一例として、換気ユニットの内部構成の一例を示した図である。図５（ａ）は、換気ユニットの筐体４０を構成する側板と背面板を取り外し、内部を露出させたときの上方から見た斜視図であり、図５（ｂ）は、そのときの側方から見た側面図である。

　筐体４０は、天板４０ａ、前面パネル４０ｂ、底板４０ｃ、２枚の側板４０ｄ、背面板とから構成される。外観部材４２は、天板４０ａと前面パネル４０ｂとの間に着脱可能に取り付けられ、側方から見た場合に、くの字に折れ曲がった形状とされている。この例では、外観部材４２は、くの字に折れ曲がった形状とされているが、この形状に限定されるものではない。前面パネル４０ｂも、着脱可能とされていてもよい。

　換気ユニットは、筐体４０と外観部材４２とにより形成される空間内に、換気ファン４５が収納されている。換気ファン４５は、軸４５ａの周囲に複数の羽根４５ｂを備え、軸４５ａが駆動モータにより一定の方向に回転するように構成されている。

　換気ファン４５は、筐体４０の底板４０ｃの背面板側に向いて設けられる吐出口４５ｃを有し、背面板に設けられる排気口に接続される。排気口は、排気管と接続され、室内の空気が室外へ排出される。

　室内の空気は、換気ファン４５を起動させることにより、外観部材４２の開口４１、フィルタ４３の順に通り、筐体４０と外観部材４２とにより形成される空間内に取り込まれ、排気口から室外へ排出される。室内へは、窓やドアの隙間等からフレッシュな空気が取り込まれるため、換気ファン４５により室内の空気を室外へ排出することにより、室内を換気することができる。

　図６は、外観部材４２の一例を示した図である。図６（ａ）は、外観部材４２の上側に見た斜視図を示し、図６（ｂ）は、外観部材４２の下側から見た斜視図を示す。

　外観部材４２は、筐体４０の２枚の側板４０ｄの形状に合わせて、前方へ向けて曲がった形状とされ、機能拡張ユニット１４の外観の一部を構成する表面パネル５０と、表面パネル５０の矢線Ａに示す左右方向（短手方向）の両端から下方へと延びる板状の垂下部５１とを備える。表面パネル５０の両端に設けられる垂下部５１は、２つの側板４０ｄの縁部を挟み込むようにして配置され、２つの側板４０ｄの縁部をレールとして、外観部材４２をスライド可能に構成している。

　外観部材４２は、筐体４０の天板４０ａの下側に差し込み、一端を固定するための２つの爪部５２と、他端から突出し、前面パネル４０ｂの一端に設けられる先端が曲がった鉤部が挿入される穴と鉤部の先端が引っ掛かる部分とを有する枠状部５３と、複数の開口４１とを備える。爪部５２は、フィルタ４３の一端に設けられる爪が挿入される収納部５４を有する。枠状部５３は、内部に収容される機器に向けて突出し、フィルタ４３の他端が挿入される挿入口を形成する２つのＬ字状突起５５を有する。このため、フィルタ４３は、一端の爪を爪部５２が備える収納部５４に挿入し、他端を２つのＬ字状突起５５により形成される挿入口に差し込むことにより、外観部材４２にフィルタ４３を取り付け、固定することができる。なお、取付の詳細については後述する。

　図７は、フィルタ４３の一例を示した図である。フィルタ４３は、複数のフィルタ部６０と、複数のフィルタ部６０を支持する支持部６１と、支持部６１の一端に設けられる２つの爪６２と、支持部６１の他端に設けられる挿入部６３とを備える。フィルタ部６０は、取り込まれる空気が通過する多数の細かい穴を有する部分である。支持部６１は、可撓性を有し、曲げることが可能とされている。このため、支持部６１は、曲げやすくするために、曲がる部分を薄く成型することができる。図７に示す例では、曲がる部分は、支持部６１の長手方向の挿入部６３側の略１／３程度の部分である。

　２つの爪６２は、外観部材４２の２つの爪部５２が備える収納部５４に挿入される。挿入部６３は、支持部６１を曲げた状態で、外観部材４２の２つのＬ字状突起５５により形成される挿入口に挿入される。挿入口に挿入されると、曲がった支持部６１は、元の真っすぐに延びた状態へと戻ろうとする。すなわち、フィルタ４３は、長手方向に延び、外観部材４２に両端が固定された状態となる。

　フィルタ４３が外観部材４２に取り付けられたとき、フィルタ部６０は、外観部材４２の開口４１の真下に位置し、開口４１を覆った状態となる。なお、フィルタ４３は、長手方向の両端を天板４０ａと前面パネル４０ｂとに隣接し、短手方向の両端を２枚の側板４０ｄに隣接しているため、フィルタ部６０以外には開口がなく、フィルタ部６０の目より大きい埃等は、全てフィルタ部６０上に堆積することになる。

　機能拡張ユニット１４は、例えば換気ユニットであり、換気ユニットは、主要な機器として、換気ファン４５が収容される。一方、室内機１０は、主要な機器として、室内熱交換器２０と、室内ファン２１とが収容される。室内熱交換器２０は、室内の空気と内部を流れる冷媒との熱交換を十分に行うため、室内熱交換器２０が備える複数の伝熱管が一方に長く延びた構造とされる。それに応じて、室内ファン２１や吸い込み口も、伝熱管と同じ方向に長く延びている。このため、室内機１０の筐体も、吸い込み口も、換気ユニットより大きく、使用するフィルタも、室内機１０の方が大きくなる。

　ここでは、フィルタ４３は、外観部材４２とは別体のものとして説明しているが、外観部材４２と一体化したものであってもよい。なお、フィルタ４３を外観部材４２と別体とすることで、フィルタメッシュインサート成形時にできるゲート跡やウェルドライン等をなくし、外観部材４２をきれいに製造することができる。ゲート跡は、ランナーを介してゲートに樹脂を流し込み、樹脂が固まった後に、ゲートとランナーの間をニッパー等で切断した際に出来た跡である。ウェルドラインは、一度分岐し、再度合流する際にうまく合流することができず、線状の跡が残ることをいう。

　室内機１０の室内ファン２１で取り込み、吹き出す際の空気の風量と、機能拡張ユニット１４の一例である換気ユニットの換気ファン４５で取り込み、吹き出す際の空気の風量が、ほぼ同じである場合、室内機１０の室内フィルタの方が、フィルタ面積が大きいため、風量に対するフィルタの大きさ（風量面積比）が、換気ユニットのフィルタ＞室内機１０の室内フィルタとなる。なお、風量面積比が大きいほど、機器を小型化することができる。

　図８を参照して、外観部材４２にフィルタ４３を取り付ける方法について説明する。フィルタ４３は、図８の下側に示すように、支持部６１が一方に延び、平板状である。フィルタ４３は、支持部６１が可撓性を有し、外観部材４２に取り付けるため、図８の中央に示すように、支持部６１の挿入部６３側が曲げられる。そして、挿入部６３側が曲げられた状態で、図８の上側に示すように、フィルタ４３の一端に設けられる爪６２を、外観部材４２の爪部５２の収納部５４に差し込み、他端の挿入部６３を２つのＬ字状突起５５により形成される挿入口に差し込むことにより、外観部材４２の内側に沿った形でフィルタ４３が取り付けられる。

　なお、支持部６１は可撓性を有するため、外観部材４２の曲がった方向と同じ方向ではなく、反対方向に曲げて、爪６２を収納部５４に差し込み、挿入部６３を挿入口に差し込み、その後、外観部材４２の曲がった方向へ支持部６１を押し込み、外観部材４２の内側に沿った形でフィルタ４３を取り付けてもよい。

　図９は、外観部材にフィルタを取り付けたところを例示した図である。図９は、外観部材４２にフィルタ４３を取り付けたところを下側から見た平面図である。フィルタ４３は、一端に設けられる爪６２が、外観部材４２の爪部５２が備える収納部５４に差し込まれ、他端の挿入部６３が、２つのＬ字状突起５５により形成される挿入口に差し込まれた状態になる。

　挿入部６３は、フィルタ４３の短手方向の両端に、内部に収容される機器側に延びる断面がＬ字形の２つの突起を有する。Ｌ字状突起５５は、挿入部６３が備える突起の１つの側面に隣接する第１の面と、第１の面に垂直で、挿入部６３が備える突起の先端が当接する第２の面とを有する。２つのＬ字状突起５５は、互いの第１の面が対向して配置され、それぞれの第２の面がフィルタ４３の長手方向に延びており、挿入部６３が挿入される挿入口を形成するとともに、フィルタ４３の挿入部６３側を、第２の面で支える構造となっている。

　フィルタ４３は、外観部材４２の内側に沿った形で取り付けられる。フィルタ４３の曲がった支持部６１が元の真っすぐに延びた状態へ戻ろうとして、長手方向の両端を外側へ押し出そうとする。この外側へ押し出そうとする力により、爪６２が収納部５４に差し込まれ、挿入部６３が挿入口に差し込まれた状態が維持されて、外観部材４２からフィルタ４３が外れることはなくなる。

　フィルタ４３の取り外しは、フィルタ４３の取り付けの順序と反対の順序で実施することができる。

　図１０は、フィルタ４３が取り付けられた外観部材４２を、機能拡張ユニット１４の筐体４０に取り付ける方法について説明する図である。機能拡張ユニット１４は、図１０（ａ）に示すように、外観部材４２と、筐体４０を構成する前面パネル４０ｂとが取り外し可能とされている。

　外観部材４２は、図１０（ｂ）に示すように、前面パネル４０ｂが取り外された状態で、矢線Ｂに示す方向に、２枚の側板４０ｄ上をスライドさせ、天板４０ａの下側に爪部５２を差し込む。次に、図１０（ｃ）に示すように、矢線Ｃに示す方向に、外観部材４２の他端を下側へ押し込み、筐体４０に取り付ける。外観部材４２が取り付けられた後、前面パネル４０ｂが取り付けられる。

　前面パネル４０ｂは、上端に外観部材４２の枠状部５３に引っ掛かって係止する鉤部を備え、下端には底板４０ｃに設けられる差し込み口に差し込まれる爪を備えている。

　フィルタ４３を取り付けた外観部材４２は、筐体４０に対し、スライドさせ、押し込むだけで、筐体４０に取り付けることができる。

　以上に説明してきたように、フィルタ４３は、外観部材４２に取り付けられているため、外観部材４２を取り外すことで、フィルタ４３も一緒に取り外すことができ、フィルタ４３の取り外しを簡便にすることができる。また、外観部材４２の内側にフィルタ４３が設置され、フィルタ４３が外観部材４２の開口４１からしか見えないので、意匠性を低下させることがなくなる。さらに、空気中の埃等は、フィルタ４３上に堆積した形となっており、外観部材４２の取り外しが略水平方向に引き出す形で行われるため、取り外しの際にも埃が落下しにくくなる。

　これまで本発明の空気調和装置１、空気調和装置１の機能拡張ユニット１４および空気調和装置１の室内機１０について上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

１…空気調和装置
１０…室内機
１１…室外機
１２、１３…冷媒配管
１４…機能拡張ユニット
２０…室内熱交換器
２１…室内ファン
３０…圧縮機
３１…四方弁
３２…室外膨張弁
３３…室外熱交換器
３４…室外ファン
４０…筐体
４０ａ…天板
４０ｂ…前面パネル
４０ｃ…底板
４０ｄ…側板
４１…開口
４２…外観部材
４３…フィルタ
４４…格子状部材
４５…換気ファン
５０…表面パネル
５１…垂下部
５２…爪部
５３…枠上部
５４…収納部
５５…Ｌ字状突起
６０…フィルタ部
６１…支持部
６２…爪
６３…挿入部

Claims

　室内機と、
　前記室内機とは別に設けられた機能拡張ユニットと
を含み、
　前記機能拡張ユニットが、筐体と、前記筐体の一部を構成し、開口を有し、該筐体に着脱可能に構成された外観部材と、前記開口を覆うように該外観部材に取り付けられたフィルタとを含む、空気調和装置。
　前記外観部材は、前記機能拡張ユニットの上面の一部を構成する、請求項１に記載の空気調和装置。
　前記機能拡張ユニットは、ファンを有し、
　前記ファンは、前記フィルタの下方に配置される、請求項２に記載の空気調和装置。
　前記機能拡張ユニットは、前記フィルタと前記ファンとの間に配置される格子状部材を含む、請求項３に記載の空気調和装置。
　前記外観部材と前記フィルタとは別体として構成され、
　前記フィルタは、該フィルタを曲げながら両端を前記外観部材に差し込むことにより該外観部材に固定される、請求項１に記載の空気調和装置。
　前記フィルタは、前記室内機に用いられるフィルタと同じ種類のフィルタが用いられる、請求項１に記載の空気調和装置。
　前記フィルタのサイズは、前記室内機に用いられるフィルタより小さい、請求項１に記載の空気調和装置。
　前記機能拡張ユニットは、ファンを有し、
　前記室内機は、室内ファンおよび室内フィルタを有し、
　前記ファンの風量に対する前記フィルタの大きさは、前記室内ファンの風量に対する前記室内フィルタの大きさより大きい、請求項１に記載の空気調和装置。
　前記フィルタは、防汚・抗菌フィルタである、請求項６～８のいずれか１項に記載の空気調和装置。
　前記機能拡張ユニットは、ファンを有し、
　前記機能拡張ユニットは、前記外観部材の前記開口と前記ファンから排出される排気口以外に開口を備えない、請求項１に記載の空気調和装置。
　室内機と、前記室内機とは別に設けられた機能拡張ユニットとを含む空気調和装置の該機能拡張ユニットであって、
　前記機能拡張ユニットが、
　筐体と、
　前記筐体の一部を構成し、開口を有し、該筐体に着脱可能に構成された外観部材と、
　前記開口を覆うように該外観部材に取り付けられたフィルタと
を含む、機能拡張ユニット。
　筐体と、
　前記筐体の一部を構成し、開口を有し、該筐体に着脱可能に構成された外観部材と、
　前記開口を覆うように該外観部材に取り付けられたフィルタと
を含む、空気調和装置の室内機。