WO2024019073A1

WO2024019073A1 - 掴線器

Info

Publication number: WO2024019073A1
Application number: PCT/JP2023/026361
Authority: WO
Inventors: 孝幸永木; 保岩間
Original assignee: 株式会社永木精機
Priority date: 2022-07-20
Filing date: 2023-07-19
Publication date: 2024-01-25

Abstract

上側の掴線体と下側の掴線体との間の間隔を不用意に変わることがない掴線器を提供すること。　掴線器１０は、線状体押さえ部３０を有する固定掴持体２０と、　前記固定掴持体２０の前記線状体押さえ部に向けて移動する線状体保持部６０を有する可動掴持体５０と、　前記可動掴持体５０に、間隔調整機構１２及びリンク機構１８を介して連結された操作部材１３０と、を備え、　前記リンク機構１８は、固定掴持体と可動掴持体と操作部材との間に連結されたリンク部材７０，１００によって構成され、　前記間隔調整機構１２は、前記リンク部材７０を移動させて可動掴持体を移動させるように構成された案内機構１４によって前記固定掴持体の線状体押さえ部と前記可動掴持体５０の線状体保持部６０との間隔を調整する機構であって、前記固定掴持体の線状体押さえ部３０と前記可動掴持体の線状体保持部６０との間隔を一定に保つために前記可動掴持体の移動を制限する移動制限機構１６を有している。

Description

掴線器

　本発明は、掴線器に関するものであり、特に、例えば被覆電線の切り分け工事を行う際に、電線を引き寄せる工程において電線を掴持する掴線器に関するものである。

　電線の切り分け工事を行う際、電線を引き寄せて切り分ける部位に緩みを生じさせるために活線振り分け工具が用いられる。一般に、このような活線振り分け工具は、伸縮自在の伸縮軸の両端に、電線を掴むための掴線器を連結して構成されている。このような活線振り分け工具を用いて、両端の掴線器にてそれぞれ電線を掴持し、中央の伸縮軸を収縮させることにより、両掴線器間の電線をアーチ型に緩ませることができる。このような電線を掴持もしくは把持する器具として、掴線器が知られている（特許文献１参照）。

特開２０２０－１４５８１８公報

　引用文献１に開示された掴線器は、締め付け部のスライダー（アイリング締め込み部）の先端に位置する、略球形状の締め付け部の保持部（頭部）が、第１リンク部材（第２のリンク片）の下面の略中央部と接触しており、アイリング締め込み部を回転させて、締め付け部の頭部と接触している第１リンク部材を回転させることによって、可動掴持体（第２掴線体）を固定掴持体（第１掴線体）の側に移動させて、固定掴持体の線状体押さえ部（第１把持溝）と可動掴持体の線状体保持部（第２把持溝）との間を閉じて、被覆電線を掴持する。
　しかしながら、この掴線機は、不用意な力がリンクあるいは操作アームにかかり、上側掴線体と下側掴線体との間の間隔を変更してしまう可能性がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、上側の掴線体と下側の掴線体との間の間隔を不用意に変わることがない掴線器を提供することである。

　本件発明にかかる掴線器は、
　線状体押さえ部を有する固定掴持体と、
　前記固定掴持体の前記線状体押さえ部に向けて移動する線状体保持部を有する可動掴持体と、
　前記可動掴持体に、間隔調整機構及びリンク機構を介して連結された操作部材と、を備える掴線器であって、
　前記間隔調整機構は、案内機構によって前記固定掴持体の線状体押さえ部と前記可動掴持体の線状体保持部との間隔を調整する機構であって、前記固定掴持体の線状体押さえ部と前記可動掴持体の線状体保持部との間隔を一定に保つために前記可動掴持体の移動を制限する移動制限機構を有していることを特徴とする。
　本件発明にかかる掴線器は、
　前記間隔調整機構が、前記可動掴持体を移動させるためのリンク機構を備え、
　前記リンク機構を構成するリンク部材は、その長手方向の中央部又は近傍において、前記操作部材を引っ張る側に向けて伸びる、案内部が突設され、
前記移動制限機構は、前記案内部と前記操作部材との間に架設された案内機構を構成する規制部により構成されていると良い。
　本件発明にかかる掴線器は、
　前記案内部が、前記可動掴持体を移動させる前記リンク部材の移動する軌跡に合わせて穿設された、小路部が形成され、且つ前記小路部の周囲に形成された案内端縁が形成され、
　前記間隔調整機構を構成する規制部は、前記案内部の近傍において、前記操作部材に移動自在に取り付けられ、
　前記規制部は、前記小路部の周囲に形成された案内端縁に係合する領域に、移動制限機構を構成する係合案内部が設けられ、且つ、その前記小路部に係合する領域に、移動制限機構を構成する停止部が設けられ、
　前記案内部は、前記規制部の移動に伴って、前記リンク部材を、前記操作部材の引っ張る側及び押し戻す側に移動し、且つ規制部の停止に伴って停止するように構成されていると良い。
　本件発明にかかる掴線器は、
　前記規制部が、前記可動掴持体に連結された前記リンク部材に突出された前記案内部と、前記操作部材との間に、スライダーが架設され、
　前記スライダーは、その一端の近傍において、前記操作部材に取り付けられ、かつ前記スライダーは、前記可動掴持体と前記操作部材の方向に移動自在に設けられ、
　前記スライダーは、その他端に前記案内部の前記小路部の周囲に形成された案内端縁に係合する係合案内部を備え、
　前記規制部は、前記可動掴持体を閉じた状態及び／又は開いた状態において、前記案内部に係合した係合案内部の停止により、第１リンク部材を一定の位置に固定するように構成されていると良い。
　本件発明にかかる掴線器は、
　前記規制部が、前記可動掴持体に連結された前記リンク部材に突出された前記案内部と、前記操作部材との間に、スライダーが架設され、
　前記スライダーは、その一端の近傍において、前記操作部材に取り付けられ、かつ前記スライダーは、前記可動掴持体と前記操作部材の方向に移動自在に設けられ、
　前記スライダーは、その他端に、前記案内部の前記小路部に係合するピン状の停止部を備え、
　前記停止部は、可動掴持体を開いた状態にするときには小路部に係合してリンク部材の移動を制限する移動制限機構を構成し、及び／又は、可動掴持体を閉じた状態にするときには小路部に係合してリンク部材の移動を制限する移動制限機構を構成するように形成されていると良い。
　本件発明にかかる掴線器は、
　前記案内部が、前記可動掴持体を移動させる前記リンク部材の移動する軌跡に合わせて、前記操作部材の引っ張る側から押し戻す側に亘って、前記操作部材の引っ張る側から押し戻す側に伸びる半円弧状の前記案内端縁を備えた案内突起部が形成され、
　前記案内部の前記案内端縁は、間隔調整機構を構成し、前記案内部の前記小路部を囲繞する案内突起部の下端縁に形成され、前記規制部の係合案内部の移動に伴い、前記操作部材の引っ張る側から押し戻す側に又は前記操作部材の押し戻す側から引っ張る側に、前記半円弧状の軌跡を描いて移動するように形成され、
　前記規制部は、前記可動掴持体を閉じた状態から開いた状態にするときに、前記案内部を構成する小路部の押し戻す側の行き止まり部ないしはその近傍の案内端縁に位置した係合案内部が引っ張る側に移動するように、及び／又は、前記可動掴持体を開いた状態から閉じた状態にするときに、前記案内部を構成する小路部の行き止まり部より引っ張る側に離れた側の案内端縁に位置した係合案内部が押し戻す側に移動するように構成されていると良い。

　本件の発明によれば、上側の掴線体と下側の掴線体との間の間隔を不用意に変わることがない掴線器を提供することができる。

　この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。

本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器の斜視図解図である。図１図示掴線器の一部を断面とした正面図解図である。（Ａ）は、本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器の被覆電線を把持する前の状態を示す図解図である。（Ｂ）は、図２Ｂ（Ａ）図示掴線器のＡ矢視図解図である。（Ｃ）は、図２Ｂ（Ａ）図示掴線器のＢ矢視図解図である。第１のリンク部材の図解図である。本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器の作用を示す図解図である。本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器において、被覆電線を把持する状態を示す正面図解図である。本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器の間隔調整機構を動かして、固定掴持体の線状体押さえ部と可動掴持体の線状体保持部を閉じた状態から開いた状態とする作用を示す図解図である。本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器の間隔調整機構を動かして固定掴持体の線状体押さえ部と可動掴持体の線状体保持部を閉じた状態を示す図解図である。本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器において、固定掴持体の線状体押さえ部と可動掴持体の線状体保持部を閉じた状態を示す図解図である。本発明の第１の実施の形態の変形例にかかる掴線器の一部を断面とした正面図解図である。本発明の第１の実施の形態の変形例にかかる掴線器の作用を示す図解図である。第１のリンク部材の変形例の図解図である。本発明の第１の実施の形態の変形例にかかる掴線器の作用を示す図解図である。本発明の第１の実施の形態の変形例にかかる掴線器において、被覆電線を把持する状態を示す正面図解図である。本発明の第１の実施の形態の変形例にかかる掴線器の間隔調整機構を動かして、固定掴持体の線状体押さえ部と可動掴持体の線状体保持部を閉じた状態から開いた状態とする作用を示す図解図である。本発明の第１の実施の形態の変形例にかかる掴線器のスライダーを動かして固定掴持体の線状体押さえ部と可動掴持体の線状体保持部を閉じた状態を示す変形例の図解図である。本発明の第１の実施の形態に係る掴線器を用いた活線振り分け工具の正面図解図である。

（方向）
　本明細書において、図２において示すように、操作部材を引っ張る側を、引っ張る側ないしは右・右側と言い、操作部材を押し戻す側を、押し戻す側ないしは左・左側と言う。本明細書において、図１に示す正面側を、前、前側又は手前側と言い、背面側を、向こう側、後ろ又は後ろ側と言う。図１において、右側を右・右側と言い、左側を左・左側と言う。

（掴線器）
　本発明にかかる掴線器１０は、
　線状体押さえ部３０を有する固定掴持体２０と、
　前記固定掴持体２０の前記線状体押さえ部３０に向けて移動する線状体保持部６０を有する可動掴持体５０と、
　前記可動掴持体５０に、間隔調整機構１２及びリンク機構１８を介して連結された操作部材１３０と、を備える。

　前記間隔調整機構１２は、案内機構１４によって前記固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と前記可動掴持体５０の線状体保持部６０との間隔を調整する機構であって、間隔調整機構１２は、主として、案内突起部８４、規制部３００、スライダー３３０、停止部３４４及び係合案内部３６４により構成される。

　前記間隔調整機構１２は、移動制限機構１６を案内する案内機構１４を有しており、又、前記固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と前記可動掴持体５０の線状体保持部６０との間隔を一定に保つために前記可動掴持体５０の移動を制限する移動制限機構１６を有している。

　前記間隔調整機構１２は、前記可動掴持体５０を移動させるためのリンク機構１８に備えられている。
　リンク機構１８は、主として、固定掴持体２０、可動掴持体５０、第１リンク部材７０、第２リンク部材１００及び操作部材１３０により構成される。
　前記リンク機構１８を構成する第１リンク部材７０は、その長手方向の中央部又は近傍において、前記操作部材１３０を引っ張る側に向けて伸びる、案内機構１４を構成する案内部８０が突設されている。

　前記移動制限機構１６は、前記第１リンク部材７０に形成された案内部８０と、前記操作部材１３０との間に架設された案内機構１４を構成する規制部３００とにより構成されている。

　前記移動制限機構１６は、前記案内部８０と前記操作部材１３０との間に架設された案内機構１４を構成する規制部３００により構成されている。

　案内機構１４は、主として、案内突起部８４、規制部３００、停止部３４４及び係合案内部３６４により構成される。

　前記案内部８０は、間隔調整機構１２、案内機構１４及び移動制限機構１６を構成しており、案内機構１４を構成する案内突起部８４と前記可動掴持体５０を移動させる前記第１リンク部材７０の移動する軌跡に合わせて穿設された、小路部８２とを備えている。
　案内部８０は、前記小路部８２の周囲に形成された案内端縁８６が形成されている。

　前記間隔調整機構１２を構成する規制部３００は、前記案内部８０の近傍において、前記操作部材１３０に移動自在に取り付けられている。
　前記規制部３００は、前記小路部８２の周囲に形成された案内端縁８６に係合する領域に、移動制限機構１６を構成する係合案内部３６４が設けられ、且つ、その前記小路部８２に係合する領域に、移動制限機構１６を構成する停止部３４４が設けられ、
　前記案内部８０は、前記規制部３００の移動に伴って、前記リンク機構１８を構成する第１リンク部材７０を、前記操作部材１３０の引っ張る側及び押し戻す側に移動し、且つ規制部３００の停止に伴って停止するように構成されている。

　前記規制部３００は、前記可動掴持体５０に連結された前記リンク機構１８を構成する第１リンク部材７０に突出された前記案内部８０と前記操作部材１３０との間に、スライダー３３０が架設され、
　前記スライダー３３０は、その一端の近傍において、前記操作部材１３０に取り付けられ、かつ前記スライダー３３０は、前記可動掴持体５０と前記操作部材１３０の方向に移動自在に設けられている。
　前記スライダー３３０は、その他端に前記案内部８０の前記小路部８２の周囲に形成された案内端縁８６に係合する係合案内部３６４を備え、
　前記規制部３００は、前記可動掴持体５０を閉じた状態及び／又は開いた状態において、前記案内部８０に係合した係合案内部３６４の停止により、第１リンク部材７０を一定の位置に固定するように構成されている。

　前記スライダー３３０は、その一端の近傍において、前記操作部材１３０に取り付けられ、かつ前記スライダー３３０は、前記可動掴持体５０と前記操作部材１３０の方向に移動自在に設けられ、その他端に、前記案内部８０の前記小路部８２に係合するピン状の停止部３４４を備え、ている。
　前記停止部３４４は、可動掴持体５０を開いた状態にするときには小路部８２に係合してリンク部材の移動を制限する移動制限機構１６を構成するように形成されている。

　前記案内部８０は、前記可動掴持体５０を移動させる前記リンク部材の移動する軌跡に合わせて、前記操作部材１３０の引っ張る側から押し戻す側に亘って、前記操作部材１３０の引っ張る側から押し戻す側に伸びる半円弧状の前記案内端縁８６を備えた案内突起部８４が形成され、
　前記案内部８０の前記案内端縁８６は、間隔調整機構１２を構成し、前記案内部８０の前記小路部８２を囲繞する案内突起部８４の下端縁に形成され、前記規制部の係合案内部３６４の移動に伴い、前記操作部材１３０の引っ張る側から押し戻す側に又は前記操作部材１３０の押し戻す側から引っ張る側に、前記半円弧状の軌跡を描いて移動するように形成されている。
　前記規制部３００は、前記可動掴持体５０を閉じた状態から開いた状態にするときに、前記案内部８０を構成する小路部８２の押し戻す側の行き止まり部ないしはその近傍の案内端縁８６に位置した係合案内部３６４が引っ張る側に移動するように、及び／又は、前記可動掴持体５０を開いた状態から閉じた状態にするときに、前記案内部８０を構成する小路部行き止まり部９０より引っ張る側に離れた側の案内端縁８６に位置した係合案内部３６４が押し戻す側に移動するように構成されている。

　本発明の実施の形態にかかる掴線器１０は、
　可動掴持体５０に連結された第１リンク部材７０に突設された案内部８０と操作部材１３０との間に配設されたスライダー３３０は、
　ネジ棒３３４と、
　ネジ棒３３４の一端に設けられたリング部３３２と、
　ネジ棒３３４の他端に設けられたピン状の停止部３４４と、を備え、
　案内部８０は、可動掴持体５０を移動させる第１リンク部材７０の移動する軌跡に合わせて、半円弧状の小路部８２が形成されており、
　規制部３００は、案内部８０の小路部８２の可動掴持体５０側の孔縁の両方に対向する保持部３４０が形成されており、
　規制部３００の保持部３４０は、閉じた状態から開いた状態まで、小路部８２の押し戻す側の端縁ないしは近傍から小路部８２の引っ張る側の端縁ないしは近傍に亘って、小路部８２の孔縁に摺接するように構成されている。

　掴線器１０は、図１０に示すように、活線振り分け工具１０００を構成する棒状伸縮器５００の左右に取り付けられ、その左右に取り付けられた掴線器１０は、一対の第１掴線器１０Ａ及び第２掴線器１０Ｂを構成する。
　活線振り分け工具１０００を構成する棒状伸縮器５００の左右に取り付けられた一対の第１掴線器１０Ａ及び第２掴線器１０Ｂは、被覆電線Ｗを把持した後に、一対の第１掴線器１０Ａと第２掴線器１０Ｂとの間の距離を近づけて、被覆電線Ｗを活線振り分け工具１０００の筒状体５１０及び伸縮体５２０から離れる方向に撓ませて、その被覆電線Ｗの撓んだ部分を切断刃によって切断して被覆電線Ｗを切断する。
　そして、活線振り分け工具１０００を構成する棒状伸縮器５００の左右に取り付けられた一対の第１掴線器１０Ａ及び第２掴線器１０Ｂは、被覆電線Ｗを把持するとき、および、被覆電線Ｗを把持した後に、第１掴線器１０Ａと第２掴線器１０Ｂとの間の距離を近づけて、被覆電線Ｗを活線振り分け工具１０００の棒状伸縮器５００の筒状体５１０及び伸縮体５２０から離れる方向に撓ませるときに第１リンク部材７０、第２リンク部材１００及び被覆電線Ｗから大きな力を受ける。

（第１の実施の形態）
　図１は、本発明の第１の実施の形態に係る掴線器の斜視図解図である。
　図２は、本発明の第１の実施の形態に係る掴線器の一部を断面とした正面図解図である。
　本発明の第１の実施の形態に係る掴線器１０は、図１ないし４に示すように、
　線状体押さえ部３０を有する固定掴持体２０と、
　前記固定掴持体２０の前記線状体押さえ部３０に向けて移動する線状体保持部６０を有する可動掴持体５０と、
　前記可動掴持体５０に、間隔調整機構１２及びリンク機構１８を介して連結された操作部材１３０と、を備える。
　前記リンク機構１８は、固定掴持体２０と可動掴持体５０と操作部材１３０との間に連結された第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００によって構成されている。
　前記間隔調整機構１２は、前記第１リンク部材７０を移動させて可動掴持体５０を移動させるように、第１リンク部材７０と操作部材１３０との間に配設された案内機構１４により、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００を移動させるように構成されている。

　前記間隔調整機構１２は、案内機構１４によって前記固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と前記可動掴持体５０の線状体保持部６０との間隔を調整する機構である。
　間隔調整機構１２は、主として、第１リンク部材７０に形成された案内突起部８４、規制部３００、スライダー３３０、停止部３４４及び係合案内部３６４により構成される。
　規制部３００は、規制部本体３０２より操作部材１３０に取り付けられたスライダー３３０の案内部８０の小路部８２に嵌挿された停止部３４４と、案内部８０の案内端縁（案内部下端縁）８６に係合する係合案内部３６４とを備える。

　前記間隔調整機構１２は、前記可動掴持体５０を移動させるためのリンク機構１８及び案内機構１４に備えられている。
　前記リンク機構１８は、主として、固定掴持体２０と、可動掴持体５０と、２０及び５０に連結された第１リンク部材７０と、固定掴持体２０及び可動掴持体５０に連結された第２リンク部材１００と第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００に連結された操作部材１３０とにより構成される。
　前記リンク機構１８を構成する第１リンク部材７０は、その長手方向の中央部又は近傍において、前記操作部材１３０を引っ張る側に向けて伸びる、案内機構１４を構成する案内部８０が突設されている。

　案内機構１４は、主として、案内部８０を構成する小路部８２及び案内突起部８４及び案内突起部８４、規制部３００を構成するスライダー３３０の上部の先端の係合案内部３６４、規制部３００を構成するスライダー３３０の保持部３４０に配設された停止部３４４及び係合案内部３６４により構成される。

　前記移動制限機構１６は、前記第１リンク部材７０に形成された案内部８０と、前記操作部材１３０との間に架設された案内機構１４を構成する規制部３００の頭部３３６の係合案内部３６４及び停止部３４４とにより構成されている。

（固定掴持体）
　固定掴持体２０は、図２に示すように、正面側の形状が略逆凹形状であり、被覆電線Ｗを上側から把持するための横断面の形状が略円弧形状である線状体押さえ部３０を有している。線状体押さえ部３０は、固定掴持体２０の右側から左側に亘って連続した溝部で構成され、全体が金属製又は部分的に合成樹脂等で形成されている。

　固定掴持体２０は、図１及び２に示すように、正面側の形状が略Ｕ字形状の第１リンク部材７０を取り付けるための第１リンク部材取付部２２と、正面側の形状が略Ｕ字形状の第２リンク部材１００を取り付けるための第２リンク部材取付部２４を備えている。
　第１リンク部材取付部２２と第２リンク部材取付部２４とは、リンク機構１８を構成する部位であって、左右対称形で、一定の間隔をおいて、一方の第１リンク部材取付部２２が操作部材１３０を引っ張る側に、他方の第２リンク部材取付部２４が押し戻す側に分かれて、一対、線状体押さえ部３０の下部に形成されている。

　固定掴持体２０は、第２リンク部材取付部２４が、正面側の形状が略半円形状である前方取付部３２を有し、
　前方取付部３２の正面側の面の略中央から正面側に突出するように形成された、第２リンク部材１００が正面側の表面と回転可能に接触する、略円錐台形状である前方突出部３６を有している。
　固定掴持体２０は、第１リンク部材取付部２２が、正面側の形状が略半円形状である後方取付部３４を有し、
　後方取付部３４の正面側の面の略中央から正面側に突出するように形成された、第１リンク部材７０が正面側の表面と回転可能に接触する、略円錐台形状である後方突出部３８を有している。

　固定掴持体２０は、第２リンク部材取付部２４の正面側の表面の略中央から第２リンク部材取付部２４の背面側の表面の略中央に向けて、略水平方向に形成された、断面略円形状である第１固定枢軸孔４０を有する。
　固定掴持体２０は、第１リンク部材取付部２２の正面側の表面の略中央から第１リンク部材取付部２２の背面側の表面の略中央に向けて、略水平方向に形成された断面略円形状である、第２固定枢軸孔４２を有する。
　第２固定枢軸孔４２は、固定掴持体２０の下部の右側（引っ張る側）に形成され、また、第１固定枢軸孔４０は、固定掴持体２０の下部の左側（引き戻す側）に形成されている。

　固定掴持体２０は、第１掴線器１０Ａ及び第２掴線器１０Ｂが被覆電線Ｗを把持した後に、第１掴線器１０Ａと第２掴線器１０Ｂとの間の距離を近づけて、被覆電線Ｗを活線振り分け工具１０００の筒状体５１０及び伸縮体５２０から離れる方向に撓ませるときに被覆電線Ｗから受ける線状体押さえ部３０の右側及び左側から中央の側に向かう力（右側から左側に向かう力および／または、左側から右側に向かう力）によって、固定掴持体２０が破壊されにくくするために、図１に示すように、上側の表面から上方向に向けて突き出すように形成された、第１上突出部２６及び第２上突出部２８を有している。

　固定掴持体２０は、上面部において、向こう側から手前側に向けて伸びる断面略円弧形状である第１上突出部２６を有し、更に、前記第１上突出部２６とは一定の間隔を置いて、向こう側から手前側に向けて伸びる断面略円弧形状である第２上突出部２８を有している。
　第１上突出部２６と第２上突出部２８とは、一定の間隔をおいて左右に分かれて形成されている。

　固定掴持体２０は、第２リンク部材１００から受ける上面部の側から下面部の側に向かう力（上側から下側に向かう力）、および／または、下面部の側から上面部の側に向かう力（下側から上側に向かう力）によって固定掴持体２０が破壊されにくくするために、背面側の上部から背面側の下部に向けて突き出す、断面形状が略凸形状である第１背面突出部を有する。
　固定掴持体２０は、第１リンク部材７０から受ける上面部の側から下面部の側に向かう力（上側から下側に向かう力）、および／または、下面部の側から上面部の側に向かう力（下側から上側に向かう力）によって固定掴持体２０がより破壊されにくくするために、背面側の上部から背面側の下部に向けて突き出すように、背面側の形状が略凸形状である第２背面突出部を有する。

　一方の第１背面突出部は、上側から下側に至るまで長く伸びる突出部であり、他方の第２背面突出部は、上側から下側に至るまで長くのびる突出部である。
　第１背面突出部と第２背面吐出部とは、一定の間隔をおいて左右に分かれて形成されている。

　固定掴持体２０は、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０及び後方取付部３４と第１リンク部材７０との間に被覆電線Ｗを把持した後に、第１掴線器１０Ａと第２掴線器１０Ｂとを近づけて、被覆電線Ｗを活線振り分け工具１０００の筒状体５１０及び伸縮体５２０から離れる方向に撓ませるときに、線状体押さえ部３０が被覆電線Ｗから加わる力によって破壊されることを防止するために、略長方体形状である突起部２９を有する。

（可動掴持体）
　可動掴持体５０は、図１及び２に示すように、正面側の形状が略逆凹形状であり、全体が金属製又は部分的に合成樹脂等で形成されている。
　可動掴持体５０は、正面側の形状が略逆凹形状体の上面に、被覆電線Ｗを下側から把持する、側面側の断面形状が略円弧形状である線状体保持部６０を有している。線状体保持部６０は、可動掴持体５０の右側から左側に亘って連続した溝部で構成されている。

　可動掴持体５０は、図１及び２に示すように、線状体保持部６０の下部において、正面側の形状が略Ｕ字形状の第１リンク部材７０を取り付けるための第１リンク部材取付部５２と、正面側の形状が略Ｕ字形状の第２リンク部材１００を取り付けるための第２リンク部材取付部５４を備えている。
　第１リンク部材取付部５２と第２リンク部材取付部５４とは、リンク機構１８を構成する部位であって、一定の間隔をおいて、左右に分かれて形成されている。
　第１リンク部材取付部５２は、この実施の形態においては、可動掴持体５０の右側に形成され、第２リンク部材取付部５４は、この実施の形態においては、可動掴持体５０の左側に形成されている。

　可動掴持体５０は、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００を嵌挿するための可動内孔部６２を備えている。
　第１リンク部材取付部５２は、第１リンク部材７０を嵌挿するための第１可動内孔部６２Ａを備えており、第２リンク部材取付部５４は、第２リンク部材１００を嵌挿するための第２可動内孔部６２Ｂを備えている。
　第１可動内孔部６２Ａと第２可動内孔部６２Ｂとは、左右対称型であり、直線状に並列されている。

　第１リンク部材取付部５２は、その略中央部において、略水平方向に、第１可動内孔部６２Ａを間に挟んで第１リンク部材取付部５２に穿設された、断面形状が略円形状である第１可動枢軸孔６６を有している。
　第２リンク部材取付部５４は、その略中央部において、略水平方向に、第２可動内孔部６２Ｂを間に挟んで第２リンク部材取付部５４に穿設された、断面形状が略円形状である第２可動枢軸孔６８を有している。
　一方の第１可動枢軸孔６６は、この実施の形態においては、可動掴持体５０の下部の右側（引っ張る側）に形成され、また、他方の第２可動枢軸孔６８は、この実施の形態においては、可動掴持体５０の下部の左側（引き戻す側）に形成されている。

（リンク機構）
　リンク機構１８を構成する第１リンク部材７０は、図３に示すように、正面側の形状が略Ｆ字形状の金属製の板状体のリンク部材本体部７２と、正面側の形状が略円弧形状である案内部８０とを備えている。

　リンク部材本体部７２は、線状体保持部６０の下部において、可動掴持体５０に取り付けられる領域を構成する可動掴持体取付部７４と、固定掴持体２０に取り付けられる領域を構成する固定掴持体取付部７６と、操作部材１３０に取り付けられる領域を構成する操作部材取付部７８とが形成されている。
　可動掴持体取付部７４は、この実施の形態においては、可動掴持体５０の右側に形成されており、固定掴持体取付部７６は、この実施の形態においては、可動掴持体５０の左側に形成されており、可動掴持体取付部７４と固定掴持体取付部７６とは、左右対称であり、一定の間隔をおいて左右に分かれて形成されている。

　可動掴持体取付部７４には、第１の第１枢軸孔９８ａが表面から背面に亘って穿設されている。
　固定掴持体取付部７６には、第２の第２枢軸孔９８ｂが表面から背面に亘って穿設されている。
　操作部材取付部７８には、第３の第３枢軸孔９８ｃが表面から背面に亘って穿設されている。

（リンク機構の案内機構）
　第１リンク部材７０は、さらに、
　リンク部材本体部７２の中央部から、操作部材１３０を引っ張る方向に向けて突出するように形成された、正面側の形状が略半円弧形状である案内部８０を有している。
　案内部８０は、間隔調整機構１２、案内機構１４及び移動制限機構１６を構成する部位であって、正面視略半円弧状の板状体であって、リンク部材本体部７２と一体成型されている。
　案内部８０は、リンク部材本体部７２から下方に向けて、すなわち可動掴持体５０より離れる方向に向けて、垂れ下がるように構成されている。

　案内部８０は、操作部材１３０を押し戻す側から操作部材１３０を引っ張る側に向けて続く、正面視略半円弧状の小路部８２が穿ち設けられている。
　案内部８０は、小路部８２の周囲に案内突起部８４を備えている。
　案内突起部８４は、リンク部材本体部７２に続く円環状ないしは倒Ｕ字状に形成されている。
　案内突起部８４は、下側の下端縁に略半円弧状の案内端縁８６が形成されており、案内端縁８６と対向するように上側の（案内部）上端縁８８が形成されている。

　小路部８２は、リンク部材本体部７２側に小路部行き止まり部９０が形成されており、小路部行き止まり部９０の上側より、小路部上縁部９２が操作部材１３０を引っ張る方向に向けて伸びており、又、小路部行き止まり部９０の下側より小路部下縁部９６が操作部材１３０を引っ張る方向に向けて伸びている。
　さらに、小路部８２は、小路部行き止まり部９０に対向して小路部側縁部９４が形成されている。

　小路部８２は、案内端縁８６及び（案内部）上端縁８８から等しい距離をおいて、小路部上縁部９２及び小路部下縁部９６がほぼ平行に形成されている。
　小路部行き止まり部９０と小路部側縁部９４との高さの違いは、可動掴持体５０の上下方向への移動距離、すなわち固定掴持体２０との間隔を開けたり縮めたりすることができる距離に対応している。すなわち、固定掴持体２０より可動掴持体５０が離れる距離に対応して、小路部行き止まり部９０より小路部側縁部９４の方が上方にあるいは下方に位置するように形成されている。

　案内部８０の案内端縁８６は、図４に示すように、操作部材１３０を操作することにより、左側の小路部行き止まり部９０の側より右側に、スライダー３３０の係合案内部３６４が移動することにより、可動掴持体５０が上方にすなわち固定掴持体２０に向けて移動するように構成されている。

　第１リンク部材７０は、その表面から背面に向けて略水平方向に、第１リンク部材７０に穿設された、断面略円形状である、第１の第１枢軸孔９８ａを備えている。
　第１リンク部材７０は、その表面から背面に向けて略水平方向に、第１リンク部材７０に穿設された、断面略円形状である、第２の第２枢軸孔９８ｂを備えている。
　第１リンク部材７０は、その表面から背面に向けて略水平方向に、第１リンク部材７０に穿設された、断面略円形状である、第３の第３枢軸孔９８ｃを備えている。
　第１の第１枢軸孔９８ａは、第１リンク部材７０の上部の右側(引っ張る側)に形成され、また、第２の第２枢軸孔９８ｂは、第１リンク部材７０の上部の左側（引き戻す側）に形成されている。第３の第３枢軸孔９８ｃは、第１リンク部材７０の下部に形成されている。

（リンク機構）
　第２リンク部材１００は、前記第１リンク部材７０と組み合わせてリンク機構１８を構成する部材であって、図１及び２に示すように、正面側の形状が略逆Ｌ字形状の金属製の板状体で形成されている。
　第２リンク部材１００は、可動掴持体５０に取り付けられる領域を構成する可動掴持体取付部１０４と、固定掴持体２０に取り付けられる領域を構成する固定掴持体取付部１０６と、操作部材１３０に取り付けられる領域を構成する操作部材取付部１０８と備えている。

　可動掴持体取付部１０４は、第２リンク部材１００の右側（操作部材１３０を引っ張る側）において表面から背面にわたって形成された断面円弧状の孔を中心に形成されており、固定掴持体取付部１０６は、第２リンク部材１００の左側（操作部材１３０を押し戻す側）において表面から背面にわたって形成された断面円弧状の孔を中心に形成されている。
　操作部材取付部１０８は、第２リンク部材１００の下方において、表面から背面にわたって形成された断面円弧状の孔を中心に形成されている。

　第２リンク部材１００は、
　可動掴持体取付部１０４が、表面から背面に亘って略水平方向に、第２リンク部材１００に穿設された、略円筒形状である、第１枢軸孔１１０を備えている。
　第２リンク部材１００は、固定掴持体取付部１０６が、表面から背面に亘って略水平方向に、第２リンク部材１００に穿設された、略円筒形状である、第２枢軸孔１１２を備えている。
　可動掴持体取付部１０４の第１枢軸孔１１０と固定掴持体取付部１０６の第２枢軸孔１１２とは、左右対称であり、一定の間隔を置いて左右に分かれて形成されている。
　第２リンク部材１００は、操作部材取付部１０８が、表面から背面に亘って略水平方向に、第２リンク部材１００に穿設された、略円筒形状である、第３枢軸孔１１４を備えている。
　第１枢軸孔１１０は、第２リンク部材１００の上部の右側（操作部材１３０を引っ張る側）に形成され、また、第２枢軸孔１１２は、第２リンク部材１００の上部の左側（操作部材１３０を引き戻す側）に形成されている。
　第３枢軸孔１１４は、第２リンク部材１００の下部に形成されている。

（操作部材）
　操作部材１３０は、前記第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００と組み合わせてリンク機構１８を構成する部材であって、図１及び２において示すように、前後一対の連結部材（第１連結部材１４０及び第２連結部材１７０）により構成され、一対の連結部材の間に第１リンク部材７０に設けられた案内部８０を作動させるスライダー機構を構成する規制部３００を備えている。
　規制部３００は、間隔調整機構１２、案内機構１４及び移動制限機構１６を構成する部材であって、規制部本体３０２をもってスライダー３３０を操作部材１３０に取り付けられている。

　第１連結部材１４０は、正面視略弓形状であり、平面視略屈曲状の板状体である。

　第１連結部材１４０は、
　第１連結部材１４０を引っ張る側である右側に、正面視略波形状であり、平面視略平板状の板状体である、第１接触部１４４を有し、
　第１接触部１４４に続いて、第１接触部１４４に対して正面側に２５°から３０°傾斜した、正面視略長方形状であり、平面視略平板状の板状体である、第１傾斜部１４６を有し、
　第１傾斜部１４６に続いて、第１傾斜部１４６に対して背面側に１５０°から１５５°傾斜した、正面視略円弧形状であり、平面視略平板状の板状体である、第１取り付け部１４８を有している。

　第１連結部材１４０は、第１接触部１４４が、
　表面から背面側に亘って略水平方向に、第１連結部材１４０に穿設された、断面略円形状である、第１連結枢軸孔１５０を有し、
　第１連結枢軸孔１５０より右側において、表面から背面側に亘って略水平方向に、第１連結部材１４０に穿設された、断面略円形状である、第１取り付け孔１５２を有している。

　第１連結部材１４０は、第１取り付け部１４８が、
　表面から裏面側に亘って略水平方向に、第１連結部材１４０に穿設された、断面略円形状である、第２取り付け孔１５４を有しており、
　第２取り付け孔１５４の左側において、表面から裏面側に亘って略水平方向に、第１連結部材１４０に穿設された、断面略円形状である、第３取り付け孔１５６を有している。
　第２取り付け孔１５４と第３取り付け孔１５６とは、一定の間隔をおいて並列している。

　第１連結部材１４０は、第１取り付け部１４８が、表面から裏面側に亘って略水平方向に、第１連結部材１４０に穿設された、断面略円形状である、第２連結枢軸孔１５８を有している。
　第１連結部材１４０は、第１取り付け部１４８が、
　第１取り付け部１４８より左側において、表面から裏面側に亘って略水平方向に、第１連結部材１４０に穿設された、断面略円形状である、第３連結枢軸孔１６０を有している。

　第２連結部材１７０は、正面視略弓形状であり、平面視略屈曲状の板状体である。

　第２連結部材１７０は、
　第２連結部材１７０を引っ張る側である右側に、正面視略波形状であり、平面視略平板状の板状体である、第２接触部１７４を有し、
　第２接触部１７４に続いて、第２接触部１７４に対して背面側に２５°から３０°傾斜した、正面視略長方形状であり、平面視略平板状の板状体である、第２傾斜部１７６を有し、
　第２傾斜部１７６に続いて、第２傾斜部１７６に対して正面側に１５０°から１５５°傾斜した、正面視略円弧形状であり、平面視略平板状の板状体である、第２取り付け部１７８を有している。

　第２連結部材１７０は、第２接触部１７４が、
　表面から背面側に亘って略水平方向に、第２連結部材１７０に穿設された、断面略円形状である、第４連結枢軸孔１８０を有し、
　第４連結枢軸孔１８０より右側において、表面から背面側に亘って略水平方向に、第２連結部材１７０に穿設された、断面略円形状である、第４取り付け孔１８２を有している。

　第２連結部材１７０は、第２取り付け部１７８が、
　表面から裏面側に亘って略水平方向に、第２連結部材１７０に穿設された、断面略円形状である、第５取り付け孔１８４を有しており、
　第５取り付け孔１８４の左側において、表面から裏面側に亘って略水平方向に、第２連結部材１７０に穿設された、断面略円形状である、第６取り付け孔１８６を有している。
　第５取り付け孔１８４と第６取り付け孔１８６とは一定の間隔をおいて並列している。

　第２連結部材１７０は、第２取り付け部１７８が、表面から裏面側に亘って略水平方向に、第２連結部材１７０に穿設された、断面略円形状である、第５連結枢軸孔１８８を有している。
　第２連結部材１７０は、第２取り付け部１７８が、
　第２取り付け部１７８より左側において、表面から裏面側に亘って略水平方向に、第２連結部材１７０に穿設された、断面略円形状である、第６連結枢軸孔１９０を有している。

　操作部材１３０は、
　第１連結枢軸孔１５０と第４連結枢軸孔１８０とが連続し、また、第１取り付け孔１５２と第４取り付け孔１８２とが連続するように、
　第１連結部材１４０の第１接触部１４４の背面側の面と
　第２連結部材１７０の第２接触部１７４の手前側の面と、を接触させて、
　第１取り付け孔１５２と第４取り付け孔１８２にボルトとナットで構成された固定具２００を嵌入させて、その固定具２００によって第１連結部材１４０と第２連結部材１７０とを固定している。

　操作部材１３０は、
　第１連結部材１４０の第１傾斜部１４６及び第１取り付け部１４８の向こう側表面と、第２連結部材１７０の第２傾斜部１７６及び第２取り付け部１７８の手前側表面との間に形成される領域に、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００が内挿され、枢軸１２０及び枢軸１２２によって、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００が回転可能に取り付けられる。
　この実施の形態においては、第１リンク部材７０の操作部材取付部７８が枢軸１２０によって操作部材１３０に取り付けられ、第２リンク部材１００の操作部材取付部１０８が枢軸１２２によって操作部材１３０に取り付けられている。

（間隔調整機構・案内機構・移動制限機構）
　規制部３００は、規制部本体３０２と、規制部本体３０２に取り付けられたスライダー３３０と、スライダー３３０の先端に取り付けられた保持部３４０とを備え、間隔調整機構１２、案内機構１４及び移動制限機構１６を構成する部位である。

　規制部本体３０２は、略長方体形状であり、
　正面側に正面視略長方形状であり、表面が平面である第１本体表面部３０４を有し、
　右側に側面視略長方形状である第２本体表面部３０６を有し、
　背面側に背面視略長方形状であり、表面が平面である第３本体表面部３０８を有し、
　左側に側面視略長方形状である第４本体表面部３１０を有している。
　規制部本体３０２は、
　上面に平面側の形状が略長方形状である、本体上面部３１２を有し、
　下面に底面側の形状が略長方形状である、本体下面部３１４を有している。

　規制部本体３０２は、本体上面部３１２の略中央から本体下面部３１４の略中央に向けて略垂直方向に、規制部本体３０２の内部に形成された、スライダー３３０を回転可能に内挿し、表面にねじ溝が刻まれた、断面略円形状であるネジ棒取り付け孔３１６を有している。
　規制部本体３０２は、第２本体表面部３０６の近傍の第１本体表面部３０４の略中央から第２本体表面部３０６の近傍の第３本体表面部３０８の略中央に向けて略水平方向に、規制部本体３０２の内部に形成された、断面略円形状である第７取り付け孔３１８を有し、
　第４本体表面部３１０の近傍の第１本体表面部３０４の略中央から第４本体表面部３１０の近傍の第３本体表面部３０８の略中央に向けて略水平方向に、規制部本体３０２の内部に形成された、断面略円形状である第８取り付け孔３２０を有している。

　スライダー３３０は、図２Ａに示すように、
　一方の端部に無端環状又は部分的に切り欠いた環状であるリング部３３２を有し、
　リング部３３２から延出するように形成された、表面にねじ溝が形成されている、略円柱形状のネジ棒３３４を有している。
　ネジ棒３３４、そのリング部３３２とは反対の端部に、ネジ棒３３４が回転可能に内挿されている保持部３４０を有している。
　スライダー３３０は、その上部の先端に保持部３４０を取り付けるための頭部３３６と、首部３３８とを備えている。
　頭部３３６と首部３３８は、横断面円形である。
　保持部３４０は、略柱状体であり、その上方に案内部８０を内装するための内溝部３４２と、その下方にスライダー３３０を取り付けるためのスライダー取り付け部３４６とを備えている。
　内溝部３４２は、保持部３４０の上端から、下方に向けて穿設された、側面視略Ｕ字型の溝である。
　内溝部３４２は、前後に、第１リンク部材７０の案内部８０の前後面と摺接する平面状の垂直壁３６０及び垂直壁３６２が形成され、また、下方の溝底には、第１リンク部材７０の案内部８０の案内部下端縁８６と接し合う係合案内部３６４が形成されている。
　保持部３４０のスライダー取り付け部３４６は、その内壁にめねじが形成された取付け穴３４８が形成されており、取付け穴３４８にスライダー３３０の頭部３３６が嵌め込まれるように構成されている。
　また、スライダー取り付け部３４６は、外表面から取付け穴３４８に向けて穿設されたネジ穴３５０を備えており、そのネジ穴３５０にスライダー取り付けネジ３５２を螺着できるように構成されている。
　保持部３４０は、取付け穴３４８にスライダー３３０の頭部３３６を嵌め合わせ、外側よりネジ穴３５０にスライダー取り付けネジ３５２をねじ込み、スライダー３３０に取り付けられている。
　スライダー３３０は、頭部３３６及び首部３３８が、保持部３４０の取付け穴３４８内において、回転自在に、保持部３４０に取り付けられている。

　保持部３４０は、内溝部３４２に、案内部８０の表面が内溝部３４２の溝壁と平行になるように挿入され、案内部８０の（案内部）上端縁８８の中に停止部３４４を貫挿して、案内部８０の正面および背面側の表面に沿って移動することができるように、取り付けられている。

　スライダー３３０は、規制部本体３０２の側面にネジ溝が刻まれたネジ棒取り付け孔３１６にスライダー３３０のネジ棒３３４を回転可能に螺合させることによって、規制部本体３０２に取り付けられている。

　規制部３００は、規制部本体３０２を操作部材１３０に取り付けることによって、操作部材１３０に取り付けられる。
　規制部本体３０２は、
　規制部本体３０２の第７取り付け孔３１８が、第１連結部材１４０の第２取り付け孔１５４及び第２連結部材１７０の第５取り付け孔１８４と連続するとともに、
　規制部本体３０２の第８取り付け孔３２０が、第１連結部材１４０の第３取り付け孔１５６及び第２連結部材１７０の第６取り付け孔１８６と連続するように、
　規制部本体３０２の第１本体表面部３０４を第１連結部材１４０の第１傾斜部１４６に接触させるとともに、
　規制部本体３０２の第３本体表面部３０８を背面側の表面を第２連結部材１７０の第６取り付け孔１８６に接触させて、介装される。
　そして、規制部３００は、
　第７取り付け孔３１８、第２取り付け孔１５４及び第５取り付け孔１８４に固定具２２２を嵌入させるとともに、
　第８取り付け孔３２０、第３取り付け孔１５６及び第６取り付け孔１８６に固定具２２４を嵌入させて、
　固定具２２２、２２４によって規制部３００の第１本体表面部３０４を第１連結部材１４０の第１傾斜部１４６に固定するとともに、
　規制部３００の第３本体表面部３０８を第２連結部材１７０の第６取り付け孔１８６に固定することによって、操作部材１３０に取り付ける。

（間隔調整機構・案内機構・移動制限機構及びリンク機構の構成）
　図１は、本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器の斜視図解図である。図２Ａは図１図示掴線器の一部を断面とした正面図解図である。図２Ｂ（Ａ）は、本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器の作用を示す図解図である。図２Ｂ（Ｂ）は、図２Ｂ（Ａ）図示掴線器のＡ矢視図解図である。図２Ｂ（Ｃ）は、図２Ｂ（Ａ）図示掴線器のＢ矢視図解図である。図３は、第１のリンク部材の図解図である。
　第１リンク部材７０は、図１及び２に示すように、固定掴持体２０の第１リンク部材取付部２２の第２固定枢軸孔４２と第１リンク部材７０の固定掴持体取付部７６の第２の第２枢軸孔９８ｂとが連続するように、固定掴持体２０の第１リンク部材取付部２２の後方突出部３８の正面側の表面と第１リンク部材７０の固定掴持体取付部７６の表面とを対向させて、固定掴持体２０の第２固定枢軸孔４２と第１リンク部材７０の第２の第２枢軸孔９８ｂに枢軸１２６Ｂを嵌入させて、その枢軸１２６Ｂによって、図１及び２に示すように、固定掴持体２０に回転可能に取り付けられている。
　第１リンク部材７０は、図１及び２に示すように、可動掴持体５０の第１リンク部材取付部５２の第２可動枢軸孔６８と第１リンク部材７０の第１の第１枢軸孔９８ａとが連続するように、可動掴持体５０の第１リンク部材取付部５２の内表面と第１リンク部材７０の表面及び背面を接触させて、可動掴持体５０の第２可動枢軸孔６８と第１リンク部材７０の第１の第１枢軸孔９８ａに枢軸１２６Ａを嵌入させて、その枢軸１２６Ａによって、可動掴持体５０に回転可能に取り付けられている。
　第１リンク部材７０は、図１及び２に示すように、第１連結部材１４０の第２連結枢軸孔１５８と第１リンク部材７０の第３の第３枢軸孔９８ｃとが連続するように、第１連結部材１４０の背面側と第１リンク部材７０の正面側とを対向させて、また、第２連結部材１７０の第５連結枢軸孔１８８と第１リンク部材７０の第３の第３枢軸孔９８ｃとが連続するように、第２連結部材１７０の正面側と第１リンク部材７０の背面側とを対向させて、
　操作部材１３０の第２連結枢軸孔１５８及び第５連結枢軸孔１８８と第１リンク部材７０の第３の第３枢軸孔９８ｃに枢軸１２０を嵌入させて、その枢軸１２０によって、操作部材１３０に回転可能に取り付けられる。
　なお、第１リンク部材７０と第１連結部材１４０及び第２連結部材１７０との間にはスペーサが介在している。

　第２リンク部材１００は、図１及び２に示すように、固定掴持体２０の第２リンク部材取付部２４の第１固定枢軸孔４０と第２リンク部材１００の固定掴持体取付部１０６の第２枢軸孔１１２とが連続するように、固定掴持体２０の第２リンク部材取付部２４の前方突出部３６の正面側の表面と第２リンク部材１００の固定掴持体取付部１０６の表面とを対向させて、固定掴持体２０の第１固定枢軸孔４０と第２リンク部材１００の第２枢軸孔１１２に枢軸１２４Ｂを嵌入させて、その枢軸１２４Ｂによって、固定掴持体２０に回転可能に取り付けられている。
　第２リンク部材１００は、図１及び２に示すように、可動掴持体５０の第１可動枢軸孔６６と第２リンク部材１００の第１枢軸孔１１０とが連続するように、可動掴持体５０の第２リンク部材取付部５４の第１可動内孔部６２Ａの内表面と第２リンク部材１００の表面及び背面を接触させて、可動掴持体５０の第１可動枢軸孔６６と第２リンク部材１００の第１枢軸孔１１０に枢軸１２４Ａを嵌入させて、その枢軸１２４Ａによって、可動掴持体５０に回転可能に取り付けられている。
　第２リンク部材１００は、図１及び２に示すように、第１連結部材１４０の第３連結枢軸孔１６０と第２リンク部材１００の第３枢軸孔１１４とが連続するように、第１連結部材１４０の背面側と第２リンク部材１００の正面側とを対向させて、また、
　第２連結部材１７０の第６連結枢軸孔１９０と第２リンク部材１００の第３枢軸孔１１４とが連続するように、第２連結部材１７０の正面側と第２リンク部材１００の背面側とを対向させて
　操作部材１３０の第３連結枢軸孔１６０及び第６連結枢軸孔１９０と第２リンク部材１００の第３枢軸孔１１４に枢軸１２２を嵌入させて、その枢軸１２２によって、操作部材１３０に回転可能に取り付けられる。
　なお、第２リンク部材１００と第１連結部材１４０及び第２連結部材１７０との間にはスペーサが介在している。

　スライダー３３０は、図１及び２に示すように、
　保持部３４０の取付け穴３４８と第１リンク部材７０の小路部８２とが連続するように、
　保持部３４０の内溝部３４２の垂直壁３６０及び垂直壁３６２の内表面と
　第１リンク部材７０の案内部８０の正面側の表面及び第１リンク部材７０の背面側の表面とを対向させ且つ案内部８０の案内部下端縁８６と保持部３４０の係合案内部３６４とが接し合うようにして
　スライダー３３０の取付け穴３４８に停止部３４４を嵌入させることによって、第１リンク部材７０に取り付けられる。

　ネジ棒３３４は、図１及び２に示すように、スライダー３３０のリング部３３２を回転させると、規制部本体３０２のネジ棒取り付け孔３１６の内部で回転し、これによって、保持部３４０は上下する。
　固定掴持体２０及び可動掴持体５０が、このように第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００と連結されていることによって、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００を回転させると可動掴持体５０は、固定掴持体２０に対して離接可能となる。
　本発明の第１の実施の形態の掴線器１０は、固定掴持体２０と可動掴持体５０との間に、被覆電線Ｗを位置させて、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００を回転させることによって、可動掴持体５０を固定掴持体２０に近づけて、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と可動掴持体５０の線状体保持部６０との間に被覆電線Ｗを把持する。

　保持部３４０の係合案内部３６４は、第１リンク部材７０の案内部下端縁８６と摺動可能に接触しており、また、小路部行き止まり部９０と小路部側縁部９４との高さの違いは、可動掴持体５０の上下方向への移動距離、すなわち固定掴持体２０との間隔を開けたり縮めたりすることができる距離に対応している。すなわち、保持部３４０の係合案内部３６４は、固定掴持体２０より可動掴持体５０が離れる距離に対応して、略円弧状に形成されており、小路部行き止まり部９０より小路部側縁部９４の方が下方に位置するように形成されているので、スライダー３３０のリング部３３２を回転させることによって、規制部本体３０２の保持部３４０を上下させると、保持部３４０の係合案内部３６４が第１リンク部材７０の案内部下端縁８６に沿って上下動して、第１リンク部材７０及び第１リンク部材７０とともに平行クランク機構を構成している第２リンク部材１００は回転し、これによって、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００が回転可能に取り付けられている第１リンク部材７０は固定掴持体２０に対して進退する。

　図２及び４に示すように、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００が回転可能に取り付けられている可動掴持体５０は、固定掴持体２０に対して進退すると、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と可動掴持体５０の線状体保持部６０の間の間隔が変化する。
　固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と可動掴持体５０の線状体保持部６０の間の間隔は、スライダー３３０の係合案内部３６４が案内部８０の左側（小路部８２の小路部行き止まり部９０側）に近いときに最も広くなり、スライダー３３０の係合案内部３６４が案内部８０の右側（案内部８０のリンク部材本体部７２とは最も離れた側）に近いときに最も狭くなる。

　保持部３４０の係合案内部３６４は、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と可動掴持体５０の線状体保持部６０との間に被覆電線Ｗを挟んで、スライダー３３０のリング部３３２を回転させることによって、規制部本体３０２の保持部３４０を上下させて、これによって、第１リンク部材７０を回転させて、可動掴持体５０を固定掴持体２０に近づけることによって、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と可動掴持体５０の線状体保持部６０とが被覆電線Ｗの側面部を強い力で押さえると、第１リンク部材７０の案内部下端縁８６から強い力を受ける。
　このため、保持部３４０の係合案内部３６４と第１リンク部材７０の案内部下端縁８６との間には、大きな摩擦力が生じるので、保持部３４０の係合案内部３６４は、スライダー３３０のリング部３３２を回転させて、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と可動掴持体５０の線状体保持部６０とが被覆電線Ｗの側面部を押さえる力を弱めなければ、右側または左側に移動することはない。
　第１リンク部材７０の案内部８０は、図２に示すように、スライダー３３０の保持部３４０に形成された内溝部３４２には、第１リンク部材７０の案内部８０が内挿されており、また、第１リンク部材７０の小路部８２とスライダー３３０の取付け穴３４８とには、係合案内部３６４が嵌入しているので、スライダー３３０の保持部３４０に形成された内溝部３４２と常に摺動可能に接触している状態が維持される。

　第１リンク部材７０は、図１に示すように、
　第１リンク部材７０の可動掴持体取付部７４の表面及び背面が、可動掴持体５０の第２可動内孔部６２Ｂの内表面及び案内部８０の表面及び背面が規制部３００の内溝部３４２と接触しているので、第１リンク部材７０は、可動掴持体５０の第２可動内孔部６２Ｂ及びスライダー３３０の内溝部３４２によって、正面側または背面側に変形することが防止される。
　これによって、掴線器１０は、第１リンク部材７０が正面側または背面側に変形することが防止することによって、可動掴持体５０を固定掴持体２０に近づけて、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０と可動掴持体５０の線状体保持部６０との間に被覆電線Ｗを把持した後に、被覆電線Ｗを把持する力の低下、または、被覆電線Ｗと固定掴持体２０の線状体押さえ部３０及び可動掴持体５０の線状体保持部６０との間に隙間が生じることを防止することができる。

（リンク機構）
　掴線器１０の可動掴持体５０、第１リンク部材７０、第２リンク部材１００及び操作部材１３０は、図１及び２に示すように、リンク機構１８を構成する。
　第１リンク部材７０は、平行クランク機構を動作させる駆動節になり、第２リンク部材１００は、駆動節である第１リンク部材７０が動作することによって動作する従動節になり、操作部材１３０は、駆動節である第１リンク部材７０及び従動節である第２リンク部材１００と接続されており、また、平行クランク機構では動作しない固定節になり、可動掴持体５０は、駆動節である第１リンク部材７０及び従動節である第２リンク部材１００と接続されており、また、平行クランク機構では動作する連結節になる。
　図１０では、被覆電線Ｗが固定掴持体２０と可動掴持体５０とにより上下２方向から挟持された状態が示されている。可動掴持体５０は、固定掴持体２０に対して離接可能となるように、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００の上方に回転可能に連結されている。

　（間隔調整機構・案内機構・移動制限機構及びリンク機構の作用及び使用方法）
　この発明の第１の実施の形態に係る掴線器１０の間隔調整機構・案内機構・移動制限機構及びリンク機構の作用並びに使用方法を、主として、図４Ａ～４Ｂに基づいて説明する。
　掴線器１０は、固定掴持体２０から可動掴持体５０を最も離れた状態にして被覆電線Ｗに引っ掛けるときには、図２Ｂで示すように、間隔調整機構１２及び移動制限機構１６を構成するスライダー３３０の停止部３４４を案内部８０の小路部行き止まり部９０側に位置させ、ネジ棒３３４を回転させてスライダー３３０の係合案内部３６４を案内部下端縁８６に突き合わせてスライダー３３０を案内部８０に固定する。
　この状態において、被覆電線Ｗの位置まで掴線器１０を持ち上げて、図４Ａに示すように、掴線器１０の固定掴持体２０と可動掴持体５０との間に被覆電線Ｗを位置させる。
　このとき、スライダー３３０のネジ棒３３４は、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０及び可動掴持体５０の線状体保持部６０が略々水平方向に維持されているとき、垂直方向より若干押し戻す側に傾き、操作部材１３０の押し戻す側の先端が固定掴持体２０の押し戻す側より若干前（押し戻す側）に出て、それに伴い、固定掴持体２０が動かない状態で操作部材１３０が右側（引っ張る側）に引かれても、図４Ａに示すように、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００が枢軸１２６Ｂ及び枢軸１２４Ｂを枢軸にして反時計回りに回転し（押し戻す側に回転し）、枢軸１２０及び枢軸１２２の移動に合わせて操作部材１３０は右下方向に動く。このとき、操作部材１３０と共に停止部３４４の位置も右下方向に移動し、停止部３４４が案内部８０の小路部下縁部９６に当たった時点で、それ以上は操作部材１３０は右下方向に動かなくなり、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００並びに可動掴持体５０が移動しないように作用する移動制限機構１６として機能する。
　このとき、第１リンク部材７０の操作部材取付部７８及び第２リンク部材１００の操作部材取付部１０８も押し戻す側に出て、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００は傾くが、スライダー３３０の係合案内部３６４は、第１リンク部材７０の引っ張る側に形成された案内部８０の案内端縁８６を突き上げない。而して、案内部８０及び停止部３４４が第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００並びに可動掴持体５０が移動しないように作用する移動制限機構１６として機能する。

　次に、被覆電線Ｗを固定掴持体２０と可動掴持体５０との間に緊締するときには、図４Ａ及び４Ｂで示すように、間隔調整機構１２を構成するスライダー３３０のネジ棒３３４を反時計回りに回転させることにより、ネジ棒３３４の上端にある係合案内部３６４を案内部８０の案内端縁８６に接し合わせ、さらに、ネジ棒３３４を反時計回りに回転させると、スライダー３３０の係合案内部３６４を案内端縁８６が滑動して案内部８０を持ち上げ、それに伴い、間隔調整機構１２を構成する第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００が枢軸１２４Ｂ及び枢軸１２６Ｂを軸として反時計回りに回転して可動掴持体取付部７４側を持ち上げ、可動掴持体５０を固定掴持体２０に向けて上動させる。而して、間隔調整機構１２を構成するスライダー３３０、第１リンク部材７０の案内部８０及び第２リンク部材１００の機能により、可動掴持体５０を固定掴持体２０に向けて移動させ、被覆電線Ｗを緊締することができる。
　更に、被覆電線Ｗの線径により、固定掴持体２０と可動掴持体５０との間隔を縮めるときには、図４Ｂにおいて示すように、スライダー３３０のネジ棒３３４を回転させることにより、より細い被覆電線Ｗをしっかりと締め付けることができる。
　このとき、スライダー３３０のネジ棒３３４は、固定掴持体２０の線状体押さえ部３０及び可動掴持体５０の線状体保持部６０が水平方向に維持されているとき、垂直方向より若干押し戻す側に傾き、操作部材１３０の押し戻す側の先端が固定掴持体２０の押し戻す側より相当後ろ（固定掴持体２０の幅方向における中央付近）に出て、それに伴い、第１リンク部材７０の操作部材取付部７８及び第２リンク部材１００の操作部材取付部１０８も引っ張る側に移動して、第１リンク部材７０及び第２リンク部材１００が相当傾く。そして、ネジ棒３３４を回転させて上動されたスライダー３３０の係合案内部３６４は、第１リンク部材７０の引っ張る側に形成された案内部８０の案内端縁８６を突き上げている。
　尚、規制部３００のリング部３３２の回転は、後述する回転棒７００のフック７０２をリング部３３２に引っかけて、回転棒７００を回転させることにより行われることが多い。

　次に、被覆電線Ｗから掴線器１０を外すときについて説明する。
　間隔調整機構１２を構成するスライダー３３０のネジ棒３３４を時計回りに回転させることにより、ネジ棒３３４を下降させて案内部８０の小路部下縁部９６に接し合わせ、更にスライダー３３０のネジ棒３３４を時計回りに回転させることにより、スライダー３３０のネジ棒３３４を緩め、ネジ棒３３４を下降させると、停止部３４４がスライダー３３０の停止部３４４を下降させて第１リンク部材７０を枢軸１２６Ｂを軸として時計回りに回転させることにより可動掴持体５０が固定掴持体２０より離れ、被覆電線Ｗより掴線器１０を引き離すことができる。

(第１の実施の形態の変形例)

　本発明の第１の実施の形態の変形例である掴線器１０は、図５ないし９に示すように、
　線状体押さえ部３０を有する固定掴持体２０と、
　前記固定掴持体２０の前記線状体押さえ部３０に向けて移動する線状体保持部６０を有する可動掴持体５０と、
　前記可動掴持体５０に、間隔調整機構１２及びリンク機構１８を介して連結された操作部材１３０と、を備える。

　案内機構１４は、主として、案内部８０を構成する案内突起部８４及び係合案内部３６４、並びに規制部３００の停止部３４４により構成される。

　前記案内部８０は、間隔調整機構１２、案内機構１４及び移動制限機構１６を構成しており、案内機構１４を構成する案内突起部８４と前記可動掴持体５０を移動させる前記第１リンク部材７０の移動する軌跡に合わせて穿設された、小路部８２とを備えている。
　前記案内部８０は、前記小路部８２の周囲に形成された案内端縁８６が形成されている。

　前記間隔調整機構１２を構成する規制部３００は、前記案内部８０の近傍において、前記操作部材１３０に移動自在に取り付けられている。
　前記規制部３００は、前記小路部８２の周囲に形成された案内端縁８６に係合する領域に、移動制限機構１６を構成する係合案内部３６４が設けられ、且つ、その前記小路部８２に係合する領域に、移動制限機構１６を構成する停止部３４４が設けられ、
　前記案内部８０は、前記規制部３００の移動に伴って、前記リンク部材を、前記操作部材１３０の引っ張る側及び押し戻す側に移動し、且つ規制部３００の停止に伴って停止するように構成されている。

　前記スライダー３３０は、その一端の近傍において、前記操作部材１３０に取り付けられ、かつ前記スライダー３３０は、前記可動掴持体５０と前記操作部材１３０の方向に移動自在に設けられ、その他端に、前記案内部８０の前記小路部８２に係合するピン状の停止部３４４を備えている。
　前記停止部３４４は、可動掴持体５０を開いた状態にするときには小路部８２に係合してリンク部材の移動を制限する移動制限機構１６を構成するように形成されている。

　前記案内部８０は、前記可動掴持体５０を移動させる前記リンク部材の移動する軌跡に合わせて、前記操作部材１３０の引っ張る側から押し戻す側に亘って、前記操作部材１３０の引っ張る側から押し戻す側に伸びる半円弧状の前記案内端縁８６を備えた案内突起部８４が形成され、
　前記案内部８０の前記案内端縁８６は、間隔調整機構１２を構成し、前記案内部８０の前記小路部８２を囲繞する案内突起部８４の下端縁に形成され、前記規制部３００の係合案内部３６４の移動に伴い、前記操作部材１３０の引っ張る側から押し戻す側に又は前記操作部材１３０の押し戻す側から引っ張る側に、前記半円弧状の軌跡を描いて移動するように形成されている。
　前記規制部３００は、前記可動掴持体５０を閉じた状態から開いた状態にするときに、前記案内部８０を構成する小路部８２の押し戻す側の行き止まり部ないしはその近傍の案内端縁８６に位置した係合案内部３６４が引っ張る側に移動するように、及び／又は、前記可動掴持体５０を開いた状態から閉じた状態にするときに、前記案内部８０を構成する小路部行き止まり部９０より引っ張る側に離れた側の案内端縁８６に位置した係合案内部３６４が押し戻す側に移動するように構成されている。

　かかる構成については、第１の実施の形態にかかる掴線器１０と変わりがなく、第１の実施の形態の変形例である掴線器１０は、リンク機構１８を構成する第１リンク部材７０に形成された間隔調整機構１２、案内機構１４及び移動制限機構１６を構成する案内部８０の構成において相違するのみである。
　従って、ここでは、第１リンク部材７０に形成された案内部８０の説明を中心に説明をし、それ以外の構成については説明を省略する。

　第１リンク部材７０のリンク部材本体部７２に形成された案内部８０は、第１の実施の形態においては、円環状に形成されており、その内側に略楕円状の小路部８２が形成されているが、第１の実施の形態の変形例における案内部８０は、リンク部材本体部７２とは反対側においては繋がっておらず、開放された状態に形成されている。
　第１の実施の形態の変形例における案内部８０は、その上側の案内突起部８４が水平に近い方向に延びる直線状の小路部上縁部９２と、前記小路部上縁部９２と対向する嘴状にリンク部材本体部７２より伸びる案内突起部８４とにより、構成されている。
　小路部８２は、リンク部材本体部７２を切り欠いて形成された小路部上縁部９２と案内突起部８４の小路部下縁部９６との間に形成されている。
　案内突起部８４は、上側の案内突起部８４の上端縁が円弧状に伸びる小路部下縁部９６が形成され且つ下側の案内突起部８４の下端縁が円弧状に伸びる案内部下端縁８６が形成されている。
　即ち、案内突起部８４は、案内突起部８４を構成する下側の案内部周囲縁部である案内部下端縁８６が、略円弧状であり、案内突起部８４を構成する上側の案内周縁部である小路部下縁部９６が、略円弧状である。
　案内部８０は、案内突起部８４を構成するリンク部材本体部７２の小路部上縁部９２が、前記案内突起部８４の小路部下縁部９６の中央付近まで略々平行に延びる直線状であり、中央付近より案内突起部８４の先端側までは小路部上縁部９２が存在しない開放型の小路部８２を構成している。
　第１リンク部材７０の案内部下端縁８６は、保持部３４０の係合案内部３６４と摺動可能に接触し、スライダー３３０のネジ棒３３４により突き上げられるように構成されている。

（活線振り分け工具）
　本発明にかかる掴線器１０の使用方法について、活線振り分け工法に用いる活線振り分け工具１０００として用いる場合を中心に、主として図１０及び１１に基づいて説明する。
　活線振り分け工具１０００は、図１０に示すように、棒状伸縮器５００の両端に一対の第１掴線器１０Ａ及び第２掴線器１０Ｂが取り付けられており、この一対の第１掴線器１０Ａ及び第２掴線器１０Ｂで被覆電線Ｗを把持した後に、被覆電線Ｗを撓ませて被覆電線Ｗを切断するために使用される工具である。
　本発明の第２の実施の形態にかかる活線振り分け工具１０００の棒状伸縮器５００の両端に取り付けられた一対の第１掴線器１０Ａ及び第２掴線器１０Ｂは、両方とも本発明の第１の実施の形態にかかる掴線器１０である。
　活線振り分け工具１０００の棒状伸縮器５００は、
　一方の端部に第１掴線器１０Ａを取り付けるための第１の取り付け部５１２を有する筒状体５１０と、
　取り付け部６０２に筒状体５１０を取り付けることによって、筒状体５１０に取り付けられる第１電線支持具６００と、
　一方の端部に第２掴線器１０Ｂを取り付けるための第２の取り付け部５２２を有し、第２の取り付け部５２２とは反対側の端部の側が筒状体５１０に内蔵されるとともに、筒状体５１０に対して伸縮する伸縮体５２０と、
　取り付け部６１２に伸縮体５２０を取り付けることによって、伸縮体５２０に取り付けられる第２電線支持具６１０と、
　伸縮体５２０に取り付けられた強化部（図示せず）と、
　強化部（図示せず）と螺合する往復軸（図示せず）と、
　を備える。

　筒状体５１０は、図１１に示すように、
　その側面部から突出するように形成された、略円筒形状である側面円筒部５１４を有し、
　側面円筒部５１４の端部に形成された開口部から筒状体５１０の内部に向けて形成された側面円筒孔部（図示せず）を有し、
　側面円筒孔部（図示せず）に回転可能に嵌入している、一方の端部に入力部５１８を有する入力軸５１６を有し、
　入力軸５１６は、入力部５１８とは反対の端部に取り付けられる、第１の傘歯車（図示せず）を有し、
　往復軸（図示せず）に取り付けられ、第１の傘歯車（図示せず）と歯合する第２の傘歯車（図示せず）を有する。
　往復軸（図示せず）は、入力軸５１６の入力部５１８を回転させることによって、入力軸５１６の入力部５１８とは反対の端部に取り付けられた第１の傘歯車（図示せず）を回転させて、それによって、第２の傘歯車（図示せず）が回転すると回転する。
　往復軸（図示せず）と螺合している強化部（図示せず）及び強化部（図示せず）に取り付けられており筒状体５１０に対して伸縮自在の伸縮体５２０は、往復軸（図示せず）が回転すると、筒状体５１０に対して伸縮する。
　一方の強化部（図示せず）及び他方の強化部（図示せず）に取り付けられている伸縮体５２０が筒状体５１０に対して伸縮すると、
　筒状体５１０の第１の取り付け部５１２に取り付けられた第１掴線器１０Ａと伸縮体５２０の第２の取り付け部５２２に取り付けられた第２掴線器１０Ｂとの間の距離が伸縮する。

　活線振り分け工具１０００の棒状伸縮器５００は、被覆電線Ｗを図１０に示す第１電線支持具６００の被覆電線Ｗを入れるための第１電線内挿域６０４及び図１０に示す第２電線支持具６１０の被覆電線Ｗを入れるための第２電線内挿域６１４に入れた後に、被覆電線Ｗの第１部分Ｐ１を第１掴線器１０Ａによって把持して、被覆電線Ｗの第２部分Ｐ２を第２掴線器１０Ｂによって把持することによって、被覆電線Ｗを把持する。
　第１掴線器１０Ａは、図１１に示すように、回転棒７００の少なくとも一方の端部に形成されたフック７０２をスライダー３３０のリング部３３２に引っかけて、スライダー３３０のリング部３３２を回転させることによって、被覆電線Ｗの第１部分Ｐ１を把持し、
　第２掴線器１０Ｂは、回転棒７００の少なくとも一方の端部に形成されたフック７０２をスライダー３３０のリング部３３２に引っかけて、スライダー３３０のリング部３３２を回転させて、被覆電線Ｗの第１部分Ｐ１とは異なる第２部分Ｐ２を把持する。
　活線振り分け工具１０００は、被覆電線Ｗの第１部分Ｐ１を第１掴線器１０Ａによって把持して、被覆電線Ｗの第２部分Ｐ２を第２掴線器１０Ｂによって把持した後に、入力軸５１６の入力部５１８を回転させることによって、筒状体５１０の外部に出ている伸縮体５２０の部分の長さを短くして、第１掴線器１０Ａと第２掴線器１０Ｂとの間の距離を短くして、被覆電線Ｗの右側の第１電線支持具６００と左側の第２電線支持具６１０との間の部分を筒状体５１０とは反対の方向に突出するように撓ませて、その撓んだ部分を切断刃によって切断することによって、被覆電線Ｗを切断する。
　活線振り分け工具１０００自体には、被覆電線Ｗを切断する切断刃が設けられていないため、活線振り分け工具１０００は、電線切分補助具と呼ばれてもよい。なお、活線振り分け工具１０００に、被覆電線Ｗを切断する切断刃が設けられていても構わない。

　以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
　すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。

　１０        掴線器
　１０Ａ　　　　第１掴線器
　１０Ｂ　    第２掴線器

　１２　　    間隔調整機構
　１４  　    案内機構
　１６　　    移動制限機構
　１８　　    リンク機構

　２０　　　　固定掴持体
　２２　　　　第１リンク部材取付部
　２４　　　　第２リンク部材取付部
　２６　      第１上突出部
　２８　      第２上突出部
　２９　　    突起部

　３０　　    線状体押さえ部
　３２　　    前方取付部
　３４　　    後方取付部
　３６　　    前方突出部
　３８　　    後方突出部
　４０　　    第１固定枢軸孔
　４２　　    第２固定枢軸孔

　５０　　　　可動掴持体
　５２        第１リンク部材取付部
　５４        第２リンク部材取付部

　６０　　　　線状体保持部
　６２　　    可動内孔部
　６２Ａ　    第１可動掴持体内孔部
　６２Ｂ　    第２可動掴持体内孔部

　６６　　    第１可動枢軸孔
　６８　　    第２可動枢軸孔

　７０　　　　第１リンク部材
　７２　　　　リンク部材本体部
　７４　　　　可動掴持体取付部
　７６　　　　固定掴持体取付部
　７８        操作部材取付部

　８０　　　　案内部
　８２　　　　小路部
　８４　　　　案内突起部
　８６　　　　案内端縁（案内部下端縁）
　８８        （案内部）上端縁

　９０　      小路部行き止まり部
　９２　      小路部上縁部
　９４　      小路部側縁部
　９６　      小路部下縁部

　９８ａ　　　第１の第１枢軸孔
　９８ｂ　　　第２の第２枢軸孔
　９８ｃ　　　第３の第３枢軸孔

　１００　　　第２リンク部材
　１０４　　　可動掴持体取付部
　１０６　　　固定掴持体取付部
　１０８　　　操作部材取付部

　１１０　    第１枢軸孔
　１１２　    第２枢軸孔
　１１４　    第３枢軸孔

　１２０　　　　　枢軸
　１２２　　　　　枢軸
　１２４Ａ　　　　枢軸
　１２４Ｂ　　　　枢軸
　１２６Ａ　　　　枢軸
　１２６Ｂ　　　　枢軸

　１３０　　　操作部材

　１４０　　　第１連結部材

　１４４　　　第１接触部
　１４６　　　第１傾斜部
　１４８　　　第１取り付け部

　１５０　　　第１連結枢軸孔
　１５２　　　第１取り付け孔
　１５４　　　第２取り付け孔
　１５６　　　第３取り付け孔
　１５８　　　第２連結枢軸孔
　１６０　　　第３連結枢軸孔

　１７０　　　第２連結部材

　１７４　　　第２接触部
　１７６　　　第２傾斜部
　１７８　　　第２取り付け部
　１８０　　　第４連結枢軸孔
　１８２　　　第４取り付け孔
　１８４　　　第５取り付け孔
　１８６　　　第６取り付け孔
　１８８　　　第５連結枢軸孔
　１９０　　　第６連結枢軸孔

　２００　　　固着具
　２２２　　　固着具
　２２４　　　固着具

　３００　　　規制部

　３０２　　　規制部本体
　３０４　　　第１本体表面部
　３０６　　　第２本体表面部
　３０８　　　第３本体表面部
　３１０　　　第４本体表面部
　３１２　　　本体上面部
　３１４　　　本体下面部
　３１６　　　ネジ棒取り付け孔
　３１８　　　第７取り付け孔
　３２０　　　第８取り付け孔

　３３０　　　　　スライダー
　３３２　　　　　リング部
　３３４　　　　　ネジ棒
　３３６　　　　　頭部
　３３８　　　　　首部
　３４０　　　　　保持部
　３４２　　　　　内溝部
　３４４　　　　　停止部
　３４６　　　　　スライダー取り付け部
　３４８　　　　　取付け孔
　３５０　　　　　ネジ孔
　３５２　　　　　スライダー取り付けネジ
　３６０、３６２　垂直壁
　３６４　　　　　係合案内部

　５００      　棒状伸縮器

　５１０　　　　筒状体
　５１２　    　第１の取り付け部
　５１４　    　側面円筒部
　５１６　    　入力軸
　５１８　    　入力部

　５２０　　　　伸縮体
　５２２　    　第２の取り付け部

　６００　　　　第１電線支持具
　６０２　　　　取り付け部
　６０４　　　　第１電線内挿域

　６１０　　　　第２電線支持具
　６１２　　　　取り付け部
　６１４　　　　第２電線内挿域

　７００　　　　回転棒
　７０２　　　　フック

　１０００　　　活線振り分け工具

　Ｗ　　　　　　被覆電線
　Ｐ１　　　　　第１部分
　Ｐ２　　　　　第２部分

Claims

　線状体押さえ部を有する固定掴持体と、
　前記固定掴持体の前記線状体押さえ部に向けて移動する線状体保持部を有する可動掴持体と、
　前記可動掴持体に、間隔調整機構及びリンク機構を介して連結された操作部材と、を備える掴線器であって、
　前記リンク機構は、固定掴持体と可動掴持体と操作部材との間に連結されたリンク部材によって構成され、
　前記間隔調整機構は、前記リンク部材を移動させて可動掴持体を移動させるように構成された案内機構によって前記固定掴持体の線状体押さえ部と前記可動掴持体の線状体保持部との間隔を調整する機構であって、前記固定掴持体の線状体押さえ部と前記可動掴持体の線状体保持部との間隔を一定に保つために前記可動掴持体の移動を制限する移動制限機構を有していることを特徴とする、掴線器。
　前記間隔調整機構は、前記可動掴持体を移動させるためのリンク機構を備え、
　前記リンク機構を構成するリンク部材は、その長手方向の中央部又は近傍において、前記操作部材を引っ張る側に向けて伸びる、案内部が突設され、
　前記移動制限機構は、前記案内部と前記操作部材との間に架設された案内機構を構成する規制部により構成された、請求項１に記載の掴線器。
　前記案内部は、前記可動掴持体を移動させる前記リンク部材の移動する軌跡に合わせて穿設された、小路部が形成され、且つ前記小路部の周囲に形成された案内端縁が形成され、
　前記間隔調整機構を構成する規制部は、前記案内部の近傍において、前記操作部材に移動自在に取り付けられ、
　前記規制部は、前記小路部の周囲に形成された案内端縁に係合する領域に、移動制限機構を構成する係合案内部が設けられ、且つ、その前記小路部に係合する領域に、移動制限機構を構成する停止部が設けられ、
　前記案内部は、前記規制部の移動に伴って、前記リンク部材を、前記操作部材の引っ張る側及び押し戻す側に移動し、且つ規制部の停止に伴って停止するように構成された、請求項１または２に記載の掴線器。
　前記規制部は、前記可動掴持体に連結された前記リンク部材に突出された前記案内部と、前記操作部材との間に、スライダーが架設され、
　前記スライダーは、その一端の近傍において、前記操作部材に取り付けられ、かつ前記スライダーは、前記可動掴持体と前記操作部材の方向に移動自在に設けられ、
　前記スライダーは、その他端に前記案内部の前記小路部の周囲に形成された案内端縁に係合する係合案内部を備え、
　前記規制部は、前記可動掴持体を閉じた状態及び／又は開いた状態において、前記案内部に係合した係合案内部の停止により、第１リンク部材を一定の位置に固定するように構成された、請求項２又は３に記載の掴線器。
　前記規制部は、前記可動掴持体に連結された前記リンク部材に突出された前記案内部と、前記操作部材との間に、スライダーが架設され、
　前記スライダーは、その一端の近傍において、前記操作部材に取り付けられ、かつ前記スライダーは、前記可動掴持体と前記操作部材の方向に移動自在に設けられ、
　前記スライダーは、その他端に、前記案内部の前記小路部に係合するピン状の停止部を備え、
　前記停止部は、可動掴持体を開いた状態にするときには小路部に係合してリンク部材の移動を制限する移動制限機構を構成し、及び／又は、可動掴持体を閉じた状態にするときには小路部に係合してリンク部材の移動を制限する移動制限機構を構成するように形成されている、請求項２ないし４のいずれかに記載の掴線器。
　前記案内部は、前記可動掴持体を移動させる前記リンク部材の移動する軌跡に合わせて、前記操作部材の引っ張る側から押し戻す側に亘って、前記操作部材の引っ張る側から押し戻す側に伸びる半円弧状の前記案内端縁を備えた案内突起部が形成され、
　前記案内部の前記案内端縁は、間隔調整機構を構成し、前記案内部の前記小路部を囲繞する案内突起部の下端縁に形成され、前記規制部の係合案内部の移動に伴い、前記操作部材の引っ張る側から押し戻す側に又は前記操作部材の押し戻す側から引っ張る側に、前記半円弧状の軌跡を描いて移動するように形成され、
　前記規制部は、前記可動掴持体を閉じた状態から開いた状態にするときに、前記案内部を構成する小路部の押し戻す側の行き止まり部ないしはその近傍の案内端縁に位置した係合案内部が引っ張る側に移動するように、及び／又は、前記可動掴持体を開いた状態から閉じた状態にするときに、前記案内部を構成する小路部の行き止まり部より引っ張る側に離れた側の案内端縁に位置した係合案内部が押し戻す側に移動するように構成された、請求項１ないし５のいずれかに記載の掴線器。