WO2024005158A1 - オリゴヌクレオチド - Google Patents

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章夫 内田
拓郎 岡井
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Abstract

本発明は、DGCR8 mRNAまたはDGCR8 pre-mRNAに存在するタンパク質への翻訳を負に制御するシスエレメントを同定し、該シスエレメントに相補的なDGCR8の発現を促進し得るオリゴヌクレオチドを提供し、以って、22q11.2DSを含むDGCR8の発現低下が関与する疾患を治療及び/又は予防する新規手段を提供することを課題とする。12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号86で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、修飾オリゴヌクレオチド又はその塩は、DGCR8 mRNAまたはpre-mRNAからタンパク質への翻訳の負の制御を解除し、DGCR8タンパク質の発現を促進することができる。

Description

オリゴヌクレオチド
 本発明は、DiGeorge critical region 8(本明細書において、以下「DGCR8」と表記する。)のタンパク質発現を促進し得る、DGCR8遺伝子転写産物の特定の領域とハイブリダイズして、そのタンパク質発現を促進する修飾オリゴヌクレオチド、並びに該修飾オリゴヌクレオチドを含有する医薬、DGCR8発現促進剤、DGCR8関連疾患の予防及び/又は治療剤等に関する。
(発明の背景)
 22番染色体11.2遺伝子座の1.5~3Mbの領域のヘテロ欠失は、染色体22q11.2 Deletion Syndrome (22q11.2DS)、DiGeorge Syndrome、あるいはVelocardiofacial Syndromesとして知られている(本明細書においては、以下「22q11.2DS」で統一表記する)。22q11.2DS患者は、様々な臓器や構造(心臓、口蓋、甲状腺、腎臓)の発育異常、免疫学的異常、行動障害や学習障害につながる神経学的欠損など、幅広い臨床症状を特徴として有している。統合失調症の0.6-2%は22q11.2領域の欠失が原因とされており、22q11.2DS患者の30%が青年期や成人期に統合失調症を発症すると推定されている。神経異常に関しては、22q11.2DSを持つ人では、脳の総体積と局所体積が減少している。特に、記憶や空間処理に関与する海馬は、一般的な統合失調症や22q11.2DSの統合失調症の病態生理に強く関連している。海馬の容積はまた、22q11.2DS患者では言語IQスコアとも関連して減少し、精神症状リスクの予測が可能である。
 22q11.2DS患者の大多数でヘテロ欠失している遺伝子の一つがDiGeorge syndrome critical region 8(DGCR8)である。DGCR8遺伝子はmicroprocessor複合体の重要な構成要素をコードしており、primary miRNA (pri-miRNA) からprecursor miRNA (pre-miRNA) の生合成、ひいてはグローバルな遺伝子制御に寄与している。実際、DGCR8+/-マウスは、DGCR8ハプロ不全による脳内miRNA生合成の低下と一致する多動性、感覚運動ゲーティングの異常、空間作業記憶の障害などの行動及び認知の異常を示す。また、22q11.2DSマウスモデルDf16+/-では、前頭前野及び海馬のmiRNAレベルが有意に低下し、それらが標的とするmRNAの発現が異常となることが示されている。さらにDGCR8+/-マウスでは、22q11.2DS患者での認知機能障害の基礎となる短期可塑性変化と関連する神経細胞の形態とシナプスの特性が変化していることが示されている。一方、筋特異的なDGCR8-/-マウスでは、心臓に高発現する成熟miRNAのなかでも、特にmiR-1、miR-133a、miR-208の発現低下を示し、2ヶ月以内に心不全による早期致死を経験したとの報告がある。また、神経堤(発生途上の胚で咽頭アーチを形成し、最終的に口蓋、顔面、心臓へと成熟する細胞)におけるmiRNAの欠損は、22q11.2DS患者で観察される心疾患につながることが報告されている。
 最近、22q11.2DS患者から樹立されたiPS細胞株から、3次元分化により作製したヒト皮質脳オルガノイド、及び、2次元分化により分化させた皮質ニューロンの表現型解析がなされた(非特許文献1)。22q11.2DS患者由来のヒト皮質脳オルガノイドでは神経細胞の興奮性異常が、皮質ニューロンでは自然発火と脱分極誘発カルシウムシグナル伝達に変化が、それぞれ認められた。さらに、このカルシウム及び膜電位の変化は、DGCR8+/-のisogenic ヒトiPS細胞株由来の皮質ニューロンでも再現された。興味深いことに、その病理フェノタイプはウイルスベクターによるDGCR8遺伝子過剰発現によって回復した。
 以上のことから、DGCR8遺伝子の発現亢進により22q11.2DSの神経症状を治療し得る可能性が示唆される。
 また、加齢は、ヒトの変性疾患における重要な推進力であり、幹細胞老化が生体の老化を推進する要因の一つとして認識されている。例えば、間葉系幹細胞(MSC)の老化は、加齢に伴う組織の変性を促進する。変形性関節症などを伴うことが知られるハッチンソン・ギルフォード早老症候群(HGPS)およびウェルナー症候群(WS)の患者では、MSCの早期枯渇が観察されている。他方、幹細胞老化のメカニズムの一つとして、ヘテロクロマチンの消失が考えられている。ヘテロクロマチンは、ヘテロクロマチンタンパク質1(HP1)などの特定のタンパク質や、H3K9me3などの特定のヒストン修飾と関連しており、いずれもヘテロクロマチン消失に伴い減少している。HGPSやWSの患者由来のMSCでは、HP1、H3K9me3、H3K27me34のレベルの低下とともに、ヘテロクロマチンが減少していることが知られている。Dengらは、DGCR8がヘテロクロマチンおよび核内ラミナタンパク質と相互作用し、ヘテロクロマチン組織を維持することを報告している(非特許文献2)。また、N末端領域を欠いた変異型DGCR8を発現するMSCは、ヘテロクロマチンが不安定化し、細胞老化が促進された。さらに、レンチウイルスによる野生型DGCR8タンパク質の過剰発現は、この変異型DGCR8を発現するMSCの老化フェノタイプを回復させた。高齢者のMSCではDGCR8レベルが低下していたが、野生型DGCR8レベルを回復させるとMSCの老化フェノタイプが改善した。さらに、外傷後関節老化マウスモデルや老齢マウスの変形性関節症もレンチウイルスによる野生型DGCR8タンパク質の過剰発現により抑制された。
 以上のことから、DGCR8発現亢進作用を有する薬剤は、ヒトMSC老化と関連した変形性関節症など、加齢に伴う疾患に対して治療効果を示す可能性が示唆される。
 特許文献1には、DGCR8遺伝子のプロモーター/エンハンサー領域内に存在する仮想的なmiRNA又はその前駆体と相同な配列に相補的な修飾オリゴヌクレオチドをヒト培養細胞に導入すると、DGCR8遺伝子のRNAレベルでの発現が増強されたことが記載されている。しかしながら、同文献では、この仮想的なmiRNAと相同な配列の近傍がDNAメチル化修飾を受けていることが示されており、該miRNAがDNAメチル化に関与することによってDGCR8遺伝子の発現を転写レベルで抑制しており、該miRNA又はその前駆体を標的とするオリゴヌクレオチドは、該miRNAによるDNAメチル化シグナルを阻害することで、DGCR8遺伝子のプロモーター/エンハンサー領域を低メチル化状態とし、該遺伝子の発現が増強されると考察されている。
 従って、内因性のDGCR8 mRNAからタンパク質への翻訳を、DGCR8 mRNAまたはpre-mRNAに存在するシスエレメントにハイブリダイズし得る修飾オリゴヌクレオチドを用いて、該シスエレメントに結合してmRNAまたはpre-mRNAの分解やタンパク質への翻訳量の制御に関与しているタンパク質やマイクロRNA等の作用を阻害する方法(目的タンパク質の発現をアップレギュレートする修飾オリゴヌクレオチドであることから「Up-Sence Oligo(USO)」技術と呼ばれることもあり、本明細書中でも使用する場合がある。)を用いて上方制御するという試みはこれまで全く報告されてない。
国際公開第2006/063356号公報
Khan TA et al., Nat Med. 2020; 26(12): 1888-1898. doi: 10.1038/s41591-020-1043-9. Deng et al., Nat Commun. 2019 Jul 26;10(1):3329. doi: 10.1038/s41467-019-10831-8.
 従って、本発明の目的は、DGCR8 mRNAまたはpre-mRNAに存在するタンパク質への翻訳を負に制御するシスエレメントを同定し、該シスエレメントに相補的なDGCR8の発現を促進し得る修飾オリゴヌクレオチドを提供し、以って、22q11.2DSを含むDGCR8の発現低下が関与する疾患を治療及び/又は予防する新規手段を提供することである。
 本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねる中で、DGCR8 mRNAまたはpre-mRNAの5’UTR付近のRNA hairpin構造をとり得る領域に翻訳抑制シスエレメントが存在するのではないかとの仮説を立て、該領域を含む5’UTR付近のDGCR8配列(野生型配列)と、該野生型配列から特定の領域(MIR3618領域)を欠失させた変異配列とを、それぞれレポーター遺伝子に機能的に連結したベクターコンストラクトをヒト培養細胞に導入し、レポータータンパク質の発現を比較した、その結果、野生型配列を含むベクターでは、該インサートを含まないベクターに比べてレポータータンパク質の発現が著しく低下したのに対し、MIR3618領域を欠失させた変異配列を含むベクターでは、レポータータンパク質の発現が有意に回復し、MIR3618領域に翻訳抑制シスエレメントが存在することが強く示唆された。そこで、DGCR8 mRNAまたはpre-mRNAのMIR3618領域内の部分ヌクレオチド配列に対して相補的な修飾オリゴヌクレオチドを網羅的に合成し、ヒト培養細胞に導入したところ、DGCR8 mRNAまたはpre-mRNAのMIR3618領域内の特定の領域に相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、顕著に優れた内因性DGCR8タンパク質発現増強効果を示した。これらの修飾オリゴヌクレオチドは、マウスにおいてもin vitro及びin vivoの両方で内因性DGCR8タンパク質の発現を増強し得る。
 以上のように、本発明者らは、内因性DGCR8タンパク質の発現を増強し得るDGCR8 mRNAまたはpre-mRNAに相補的な修飾オリゴヌクレオチド(DGCR8 Up-Sense-Oligonucleotide (USO))の創製に成功し、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明は以下のものを提供する。
[1]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号86で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[2]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号6~32及び34~85で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[3]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号1又は2で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、[1]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[4]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号6~32のいずれかで表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、[2]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[5]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号3で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、[1]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[6]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号11~20のいずれかで表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、[2]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[7]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号87で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、[1]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[8]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号34~74のいずれかで表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、[2]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[9]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号88で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、[1]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[10]
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号75~85のいずれかで表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、[2]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[11]
 前記修飾オリゴヌクレオチドが、DGCR8 mRNA又はDGCR8 pre-mRNAと結合する、[1]~[10]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[12]
 17~19個の連結したヌクレオチド長からなる、[1]~[11]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[13]
 18個の連結したヌクレオチド長からなる、[1]~[11]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[14]
 修飾オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドである、[1]~[13]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[15]
 糖-リン酸骨格の1種以上の修飾を含む、[1]~[14]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[16]
 2’-MOE修飾核酸又はホスホロジメチルアミデートモルフォリノを含む糖-リン酸骨格を含む、[15]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[16-1]
 修飾ヌクレオシド間結合を含む糖-リン酸骨格を含む、[15]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[16-2]
 ホスホロチオエート結合を含む糖-リン酸骨格を含む、[15]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[16-3]
 全ての修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である、[15]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[16-4]
 完全2’-MOE修飾オリゴヌクレオチドである、[15]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[16-5]
 完全モルホリノ修飾オリゴヌクレオチドである、[15]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[16-6]
 完全ホスホロジメチルアミデートモルフォリノ修飾オリゴヌクレオチドである、[15]に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[17]
 [1]~[16]、[16-1]、[16-2]、[16-3]、[16-4]、[16-5]、[16-6]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩を含有してなる医薬。
[18]
 DGCR8の発現促進剤である、[17]に記載の医薬。
[19]
 22q11.2欠失症候群、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の予防又は治療剤である、[17]に記載の医薬。
[20]
 22q11.2欠失症候群、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の予防又は治療に使用するための、[1]~[16]、[16-1]、[16-2]、[16-3]、[16-4]、[16-5]、[16-6]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
[21]
 [1]~[16]、[16-1]、[16-2]、[16-3]、[16-4]、[16-5]、[16-6]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩を哺乳動物に有効量投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるDGCR8の発現促進方法。
[22]
 [1]~[16]、[16-1]、[16-2]、[16-3]、[16-4]、[16-5]、[16-6]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩を哺乳動物に有効量投与することを特徴とする、該哺乳動物における22q11.2欠失症候群、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の予防又は治療方法。
[23]
 22q11.2欠失症候群、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の予防又は治療剤を製造するための、[1]~[16]、[16-1]、[16-2]、[16-3]、[16-4]、[16-5]、[16-6]のいずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩の使用。
 本発明の修飾オリゴヌクレオチドによれば、DGCR8 mRNAまたはpre-mRNAからタンパク質への翻訳の負の制御を解除し、DGCR8タンパク質の発現を促進することができる。従って、例えば22q11.2DSのように、DGCR8遺伝子座のヘテロ欠失によってDGCR8タンパク質の量が不足することで生じる疾患や病態に対して根本的な治療及び予防が可能となる。
図1は、試験例1で使用した双方向性テトラサイクリン誘導性発現ベクターpTRE-Tight-BIの構造を示す模式図である。PTight-BI:双方向性プロモーター(改変テトラサイクリン応答エレメントの両端にエンハンサーを欠失するサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを連結)、MCS:マルチクローニングサイト、pA:ポリA付加シグナル、DGCR8 5’UTR:野生型ヒトDGCR8 5’UTR配列(5'UTR-WT01)又は変異型ヒトDGCR8 5’UTR配列(5'UTR-mu01;MIR3618領域欠失)DGCR8 5’UTR配列、NLS:核局在化シグナル、Venus:Venusタンパク質コード配列、tdTomato:tdTomatoタンパク質コード配列、PEST:タンパク質分解促進配列(Pro/Glu/Ser/Thr-rich motives)。DGCR8 5’UTR-WT01配列中の下線部はMIR3618領域を示し、DGCR8 5’UTR-WT01、DGCR8 5’UTR -mu01各配列中の太字の「ATG」は、開始メチオニンをコードする可能性のある3つのATGコドンを示す。
(発明の詳細な説明)
1.本発明のUp-Sense-Oligonucleotide (USO)
 本発明はDGCR8の発現を促進する活性を有する修飾オリゴヌクレオチド又はその塩(以下、「本発明のUp-Sense-Oligonucleotide (USO)」ともいう。)を提供する。ここで「DGCR8の発現を促進する」とは、結果として、有効濃度(例、57 nM)のオリゴヌクレオチドと細胞とを接触させた場合に、接触させない場合と比較して、DGCR8タンパク質の発現量を増大させる任意の態様を包含する意味で用いられる。例えば、標的RNAとの特異的かつ安定したハイブリッド形成によるタンパク質翻訳抑制の阻害や、RNase Hによる標的RNAの翻訳抑制シスエレメントの切断除去(例えば、ギャップマーによる)を含み得る。発現の促進の程度は、統計学的に有意であれば特に制限されないが、例えば、細胞とオリゴヌクレオチドとを接触させない場合と比較して、1.25倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上、特に好ましくは4倍以上、DGCR8タンパク質の発現量を増加させた場合に、当該オリゴヌクレオチドはDGCR8の発現促進活性を有するとみなすことができる。
 本明細書において「ヌクレオシド」は、塩基及び糖の組み合わせである。ヌクレオシドの核酸塩基(塩基としても知られる)部分は、通常は、複素環式塩基部分である。本明細書において「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含む。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドでは、リン酸基は、糖の2'、3'、又は5'ヒドロキシル部分に連結可能である。
 本明細書において「オリゴヌクレオチド」とは、隣接するヌクレオチド間で糖部分のヒドロキシル基とリン酸基が共有結合によって数個~数十個連結することによって形成される直鎖状のオリゴマーをいう。オリゴヌクレオチド構造の内部で、リン酸基部分は、一般に、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成するとみなされている。「修飾オリゴヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチド残基の糖部分及び/又は塩基部分及び/又はリン酸基部分(ヌクレオシド間結合)が修飾されているオリゴヌクレオチドを意味する。これらの修飾の具体的態様については後述する。
 本発明のUSOは、
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなるヌクレオチド配列であって、
 配列番号86で表されるヌクレオチド配列(ggctgcgggcggcttgggcagcccgcgggcgcctcaggtagaagaagaaaggtgccactccggcatgaagacagactcgcttagtcgccagtcacttaagctgagtgcattgtgatttccaataattgaggcagtggttctaaaagctgtctacattaatgaaaagagcaatgtggccagcttgactaagccgccagcgc)中の、前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と相補的なヌクレオチド配列を含む。
 配列番号86で表されるヌクレオチド配列は、配列番号4で表されるヌクレオチド配列(但し、該ヌクレオチド配列中「t」は「u」と読み替える。)からなるヒトDGCR8 mRNA(NCBIデータベースに、Accession No. NM_022720.7として登録されている)における107~306番目のヌクレオチド配列からなる領域(以下、「Z領域」ともいう。)に相当する。
 一実施態様において、本発明のUSOは、
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなるヌクレオチド配列であって、
 配列番号1で表されるヌクレオチド配列(cagtggttctaaaagctgtctacattaatgaaaaga)、又は配列番号2で表されるヌクレオチド配列(tttccaataattgaggcagtggttctaa)中の、前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と相補的なヌクレオチド配列を含む。
 配列番号1及び2で表されるヌクレオチド配列は、それぞれ、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAにおける238~273番目及び222~249番目のヌクレオチド配列からなる領域(以下、それぞれ「X領域」及び「Y領域」ともいう。)に相当する。DGCR8 mRNAの5’UTRには、pre-miR-3618(miRBaseにAccession No. MI0016008として登録されている)のヌクレオチド配列に相当する、下記の領域(MIR3618領域;配列番号4で表されるヌクレオチド配列中、203~290番目のヌクレオチド配列からなる領域)が存在し、四角で囲んだ領域がX領域、下線部がY領域である。
 好ましい一実施態様において、本発明のUSOは、X領域内の特定の領域(以下、「X’領域」ともいう。)、即ち、配列番号3で表されるヌクレオチド配列(gttctaaaagctgtctacattaatgaa)からなる領域を標的とする。X’領域は、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAにおける243~269番目のヌクレオチド配列からなる。DGCR8 mRNAのMIR3618領域でいうと、四角で囲んだ領域がX領域、波線部がX’領域である。
 別の好ましい一実施態様において、本発明のUSOは、X’領域内の特定の領域(以下、「Cluster B」ともいう。)、即ち、配列番号89で表されるヌクレオチド配列(gttctaaaagctgtctacat)からなる領域を標的とする。Cluster Bは、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAにおける243~262番目のヌクレオチド配列からなる。
 別の好ましい一実施態様において、本発明のUSOは、X’領域内の特定の領域(以下、「Cluster D」ともいう。)、即ち、配列番号97で表されるヌクレオチド配列(aagctgtctacattaatgaa)からなる領域を標的とする。Cluster Dは、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAにおける250~269番目のヌクレオチド配列からなる。
 別の実施態様において、本発明のUSOは、
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなるヌクレオチド配列であって、
 配列番号87で表されるヌクレオチド配列(ggctgcgggcggcttgggcagcccgcgggcgcctcaggtagaagaagaaaggtgccactccggcatgaagacagactcgcttagtcgccagtcacttaagctgagtgcattgtgatttccaataattgaggc)中の、前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と相補的なヌクレオチド配列を含む。
 配列番号87で表されるヌクレオチド配列は、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAにおける107~238番目のヌクレオチド配列からなる領域(以下、「Z1領域」ともいう。)に相当する。Z1領域は、Z領域中Y領域の5’側に位置する。
 好ましい一実施態様において、本発明のUSOは、Z1領域内の特定の領域(以下、「Cluster A」ともいう。)、即ち、配列番号90で表されるヌクレオチド配列(gagtgcattgtgatttccaataattgagg)からなる領域を標的とする。Cluster Aは、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAにおける209~237番目のヌクレオチド配列からなる。
 さらに別の実施態様において、本発明のUSOは、
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなるヌクレオチド配列であって、
 配列番号88で表されるヌクレオチド配列(acattaatgaaaagagcaatgtggccagcttgactaagccgccagcgc)中の、前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と相補的なヌクレオチド配列を含む。
 配列番号88で表されるヌクレオチド配列は、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAにおける259~306番目のヌクレオチド配列からなる領域(以下、「Z2領域」ともいう。)に相当する。Z2領域は、Z領域中X領域の3’側に位置する。
 好ましい一実施態様において、本発明のUSOは、Z2領域内の特定の領域(以下、「Cluster C」ともいう。)、即ち、配列番号91で表されるヌクレオチド配列(ttaatgaaaagagcaatgtggccagcttgacta)からなる領域を標的とする。Cluster Cは、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAにおける262~294番目のヌクレオチド配列からなる。
 Z領域、X領域、Y領域、Z1領域又はZ2領域中の「連続するヌクレオチド」の長さは、12~30ヌクレオチド長(Y領域にあっては12~28ヌクレオチド長)、好ましくは12~25ヌクレオチド長、より好ましくは14~22ヌクレオチド長、さらに好ましくは16~20ヌクレオチド長、よりさらに好ましくは17~19ヌクレオチド長、特に好ましくは18ヌクレオチド長である。本発明のUSOにおける「相補的なヌクレオチド配列」は、前記「連続するヌクレオチド」と等しい長さを有する。言い換えれば、本発明のヌクレオチドは、Z領域、X領域、Y領域、Z1領域又はZ2領域外のDGCR8 mRNAまたはpre-mRNA配列に相補的な配列を有しない。前記「相補的なヌクレオチド配列」の長さは、前記「連続するヌクレオチド」の長さと等しいことを条件に、12~30ヌクレオチド長の範囲から適宜選択され、好ましくは12~25ヌクレオチド長、より好ましくは14~22ヌクレオチド長、さらに好ましくは16~20ヌクレオチド長、よりさらに好ましくは17~19ヌクレオチド長、特に好ましくは18ヌクレオチド長である。
 本発明のUSOにおける「相補的なヌクレオチド配列」のZ領域、X領域、Y領域、Z1領域又はZ2領域中の標的配列に対する相補性(標的配列に完全相補的な配列に対する同一性)は、80%以上であれば特に制限はないが、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上(例、95%、96%、97%以上)、特に好ましくは100%である。本発明における「ヌクレオチド配列の同一性」は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;フィルタリング=ON;マッチスコア=1;ミスマッチスコア=-3)にて計算することができる。また、個々の塩基における相補性は、対象となる塩基とワトソン・クリック型塩基対を形成することに限定されるものではなく、フーグスティーン型塩基対やゆらぎ塩基対(Wobble base pair)を形成することも含む。
 あるいは、前記「相補的なヌクレオチド配列」は、標的配列に対して完全相補的な(即ち、ミスマッチなくハイブリダイズする)配列だけでなく、哺乳動物細胞の生理的条件下でDGCR8の発現を促進し得る限り、1ないし数(例、1、2、3、4、5、6)ヌクレオチド、好ましくは1~3ヌクレオチド、より好ましくは1又は2ヌクレオチドのミスマッチを含む配列であってもよい。
 あるいは、前記「相補的なヌクレオチド配列」とは、標的配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列である。ここで「ストリンジェントな条件」とは、例えば、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons,6.3.1-6.3.6, 1999に記載される条件、例えば、6×SSC(sodium chloride/sodium citrate)/45℃でのハイブリダイゼーション、次いで0.2×SSC/0.1% SDS/50~65℃での一回以上の洗浄等が挙げられるが、当業者であれば、これと同等のストリンジェンシーを与えるハイブリダイゼーションの条件を適宜選択することができる。
 好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドは、DGCR8 mRNA又はDGCR8 pre-mRNAと結合してDGCR8の発現を促進する。より具体的には、本発明のオリゴヌクレオチドは、DGCR8 mRNA又はDGCR8 pre-mRNAの特定の領域(即ち、Z領域、X領域(好ましくはX’領域)、Y領域、Z1領域又はZ2領域)中の連続するヌクレオチドからなる配列を標的として特異的にハイブリダイズすることにより、DGCR8 mRNA又はpre-DGCR8 mRNAと結合する。ここで「DGCR8 mRNA」は、配列番号4で表されるヌクレオチド配列からなるヒトDGCR8 mRNAに限定されず、その非ヒト哺乳動物オルソログ(例えば、マウスDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列は、NCBIデータベースに、Accession No. NM_033324.2として登録されている)、又はその遺伝子多型も包含される。本明細書においては、特にことわらない限り、配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列に基づいて、ヌクレオチドの位置やヌクレオチド配列の範囲等を記載するが、その場合、その遺伝子多型や非ヒト哺乳動物オルソログにおける対応するヌクレオチドやヌクレオチド配列も、当該記載内容に包含されるものである。
 本発明のUSOの構成単位としては、例えば、リボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドが挙げられる。これらのヌクレオチドは、修飾されていても(修飾されたヌクレオチド残基を「修飾ヌクレオチド残基」と称する場合がある)、非修飾であってもよい(非修飾のヌクレオチド残基を「非修飾ヌクレオチド残基」と称する場合がある)が、本発明のUSOは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド残基を含む。
 前記ヌクレオチド残基は、構成要素として、糖、塩基及びリン酸を含む。リボヌクレオチドは、糖としてリボース残基を有し、塩基として、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、5-メチルシトシン(mC)及びウラシル(U)(チミン(T)に置き換えることもできる)を有し、デオキシリボヌクレオチド残基は、糖としてデオキシリボース残基を有し、塩基として、アデニン(dA)、グアニン(dG)、シトシン(dC)、5-メチルシトシン(dmC)及びチミン(dT)(ウラシル(dU)に置き換えることもできる)を有する。
 以下では、アデニン、グアニン、(5-メチル)シトシン、ウラシル、チミンを有するヌクレオチドをそれぞれ、アデニンヌクレオチド、グアニンヌクレオチド、(5-メチル)シトシンヌクレオチド、ウラシルヌクレオチド、チミンヌクレオチドと称する場合がある。
 前記非修飾ヌクレオチド残基は、前記各構成要素が、例えば、天然に存在するものと同一又は実質的に同一であり、好ましくは、人体において天然に存在するものと同一又は実質的に同一である。
 前記修飾ヌクレオチド残基は、例えば、前記非修飾ヌクレオチド残基の構成要素のいずれが修飾されてもよい。本発明において、「修飾」には、例えば、前記構成要素の置換、付加及び/又は欠失、前記構成要素における原子及び/又は官能基の置換、付加及び/又は欠失が挙げられる。前記修飾ヌクレオチド残基としては、例えば、天然に存在するヌクレオチド残基、人工的に修飾したヌクレオチド残基等が挙げられる。前記天然由来の修飾ヌクレオチド残基としては、例えば、リンバックら(Limbach et al.、1994、Summary:the modified nucleosides of RNA、Nucleic Acids Res.22:2183~2196)を参照できる。また、前記修飾ヌクレオチド残基としては、例えば、前記ヌクレオチドの代替物の残基が挙げられる。
 前記ヌクレオチド残基の修飾は、例えば、糖-リン酸骨格(該骨格には、塩基も含まれる)(以下、糖リン酸骨格)の修飾が挙げられる。
 前記糖リン酸骨格において、糖がリボースの場合、例えば、リボース残基を修飾できる。前記リボース残基は、例えば、2’位炭素を修飾でき(以下、2'置換修飾ともいう。)、具体的には、例えば、2’位炭素に結合する水酸基をメチル基で修飾、あるいは該水酸基を水素又はフルオロ等のハロゲンに置換できる。また、前記2’位炭素の水酸基を水素に置換することで、リボース残基をデオキシリボースに置換できる。前記リボース残基は、例えば、立体異性体に置換でき、例えば、アラビノース残基に置換してもよい。以下では、前記のように糖の2’位炭素に結合する水酸基をメトキシ基で修飾した核酸を2'-OMe修飾核酸と称することがある。また、2’位の置換基として、好ましくは、-O(CH2)2CH3を挙げることができる。2’位炭素に結合する水酸基を-O(CH2)2CH3で置換した核酸を2’-MOE修飾核酸と称することがある。別の2’位の置換基として、アリル、アミノ、アジド、チオ、-O-アリル、-O-C1-C10アルキル、-OCF3、-O(CH2)2SCH3、-O(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、-O-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)、-O(CH2)2-C(=O)-N(Rm)(Rn)等が挙げられる。Rm及びRnは、独立して、H又は置換若しくは非置換C1-C10アルキルである。-O(CH2)2-C(=O)-N(Rm)(Rn)の好ましい例として、-O(CH2)2-C(=O)-NHCH3が挙げられ、2'-MCE修飾核酸と称することがある。
(各式中、Baseは塩基を表す。)
 前記糖リン酸骨格は、例えば、非リボース残基(非デオキシリボース残基も包含されるものとする)及び/又は非リン酸を有する非リボースリン酸骨格に置換してもよく、このような置換も糖リン酸骨格の修飾に包含される。前記非リボースリン酸骨格は、例えば、前記糖リン酸骨格の非荷電体が挙げられる。前記非リボースリン酸骨格に置換された、前記ヌクレオチドの代替物は、例えば、モルホリノ代替物、シクロブチル代替物、ピロリジン代替物等が挙げられ、好ましくはモルホリノ代替物である。
 モルホリノ代替物は、下記一般式で表される基を構成単位とする非リボースリン酸骨格である。
(式中、Baseは、前記と同義であり;
 Wは、以下のいずれかの式で表わされる基を表す。
(式中、Xは、-CH、-O-CH、-S-CH、-NR又はFを表し;
 Rは、H、アルキル(例、C1-C10アルキル)を表し;
 R及びRは、同一又は異なって、H、アルキル(例、C1-C10アルキル)、シクロアルキル(例、C3-C10シクロアルキル)、又は、アリール(例、C6-C14アリール)を表し;
 Yは、O、S、CH又はNRを表し;
 Yは、O、S又はNRを表し;
 Zは、O又はSを表す。))
 モルホリノ代替物は、好ましくは、以下の式で表わされる基を構成単位とするホスホロジアミデートモルホリノであり、
(式中、Base、R2、R3は、前記と同義である。)
さらに好ましくは、以下の式で表わされる基を構成単位とするホスホロジメチルアミデートモルホリノ
(式中、R2及びR3はアルキル(例、C1-C10アルキル)、Baseは前記と同義である)である。
 モルホリノ代替物は、例えば、国際公開公報第1991/009033号、又は国際公開公報第2009/064471号に従って製造することができる。特に、ホスホロジアミデートモルホリノは、国際公開公報第2009/064471号に記載の方法に従って製造することができる。
 前記代替物は、この他に、例えば、人工核酸が挙げられる。具体例として、例えば、PNA(ペプチド核酸)、架橋型核酸(BNA:Bridged Nucleic Acid)、trycyclo-DNAなどが挙げられる。BNAとしては、例えば、ロックト核酸(LNA:Locked Nucleic Acid)、AmNA(下記式(I)中、R=HはAmNA[N-H]、R=MeはAmNA [N-Me]としても知られている)、GuNA(R=HはGuNA[H]、R=MeはGuNA[Me] 、R=tBuはGuNA[tBu]としても知られている)、2',4'-BNANC(R=Hは2',4'-BNANC[N-H]、R=Meは2',4'-BNANC[N-Me]としても知られている)、scpBNA、ENA、S-cEtなどが挙げられる。以下に、本発明に用いることができるBNAの具体的な構造(ヌクレオシド部分)を示す。
 Rは、水素原子、分岐又は環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐又は環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール基、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、又は核酸合成のアミノ基の保護基を表す。好ましくは、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、又はベンジル基であり、より好ましくは、Rは、水素原子又はメチル基である。また、上記各式中、B又はBaseは塩基を表す。
 これらの人工核酸は、例えば、特開2002-241393、特開2000-297097等を参照して合成することができる。
 trycyclo-DNAは、下記一般式で表される基を構成単位とする人工核酸である。
(式中、Baseは、前記と同義である。)
 trycyclo-DNAは、例えば、J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 47, 11548-11549、J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 21, 5993-6002、Nucleic Acids Res. 2002 Jul 1;30(13):2751-7、Steffens, R.; Leumann, C. HelV. Chim. Acta 1997, 80, 2426-2439等を参照して合成することができる。
 ペプチド核酸は、下記一般式で表される基を構成単位とする非リボースリン酸骨格である。
(式中、Baseは、前記と同義である。)
 ペプチド核酸は、例えば、以下の文献に従って製造することができる。
1)P.E.Nielsen,M.Egholm,R.H.Berg,O.Buchardt,Science,254,1497(1991)
2)M.Egholm,O.Buchardt,P.E.Nielsen,R.H.Berg,Jacs.,114,1895(1992)
3)K.L.Dueholm,M.Egholm,C.Behrens,L.Christensen,H.F.Hansen,T.Vulpius,K.H.Petersen,R.H.Berg,P.E.Nielsen,O.Buchardt,J.Org.Chem.,59,5767(1994)
4)L.Christensen,R.Fitzpatrick,B.Gildea,K.H.Petersen,H.F.Hansen,T.Koch,M.Egholm,O.Buchardt,P.E.Nielsen,J.Coull,R.H.Berg,J.Pept.Sci.,1,175(1995)
5)T.Koch,H.F.Hansen,P.Andersen,T.Larsen,H.G.Batz,K.Otteson,H.Orum,J.Pept.Res.,49,80(1997)
 本明細書において、「修飾ヌクレオシド間結合」とは、天然に存在するヌクレオシド間結合(すなわち、ホスホジエステル結合)からの置換又は任意の変化を有するヌクレオシド間結合を指す。修飾ヌクレオシド間結合には、リン原子を含むヌクレオシド間結合、及びリン原子を含まないヌクレオシド間結合が含まれる。前記糖リン酸骨格において、ヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合であってもよい。例えば、ヌクレオシド間結合は、リン酸基を修飾した修飾ヌクレオシド間結合を含んでいてもよい。前記糖リン酸骨格において、糖残基に最も隣接するリン酸基は、αリン酸基と呼ばれる。前記αリン酸基は、負に荷電し、その電荷は、糖残基に非結合の2つの酸素原子にわたって、均一に分布している。前記αリン酸基における4つの酸素原子のうち、ヌクレオチド残基間のホスホジエステル結合において、糖残基と非結合である2つの酸素原子は、以下、「非結合(non-linking)酸素」ともいう。他方、前記ヌクレオチド残基間のホスホジエステル結合において、糖残基と結合している2つの酸素原子は、以下、「結合(linking)酸素」という。前記αリン酸基は、例えば、非荷電となる修飾、又は、前記非結合酸素における電荷分布が非対称型となる修飾を行うことが好ましい。
 前記修飾ヌクレオシド間結合は、例えば、前記非結合酸素を置換してもよい。前記酸素は、例えば、S(硫黄)、Se(セレン)、B(ホウ素)、C(炭素)、H(水素)、N(窒素)及びOR(Rは、アルキル基又はアリール基)のいずれかの原子で置換でき、好ましくは、Sで置換される。前記非結合酸素は、いずれか一方又は両方が置換されていてもよく、好ましくは、いずれか一方又は両方がSで置換される。より具体的には、前記修飾ヌクレオシド間結合として、例えば、ホスホジエステル結合、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロセレネート結合、ホスホトリエステル結合(米国特許登録番号5,955,599記載のメチルホスホトリエステル結合、エチルホスホトリエステル結合)、アルキルホスホネート結合(例、米国特許登録番号5,264,423及び5,286,717記載のメチルホスホネート結合、国際公開第2015/168172号記載のメトキシプロピルホスホネート結合)、アルキルチオホスホネート結合、メチルチオホスホネート結合、ボラノホスフェート結合、ボラノホスフェートエステル結合、環状グアニジン部分を有する修飾ヌクレオシド間結合(例、以下の式(II)で表される修飾ヌクレオシド間結合:
)、1~4個のC1~6のアルキル基で置換されたグアニジン部分(例えば、テトラメチルグアニジン(TMG)部分を含む修飾ヌクレオシド間結合(例、以下の式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合:
)、国際公開第2016/081600号記載の自己中和核酸(ZON)に用いられる修飾ヌクレオシド間結合及びホスホロアミデート結合が挙げられるが、これらに限定されない。ホスホロチオエート結合は、ホスホジエステル結合の非架橋酸素原子を硫黄原子に置換した修飾ヌクレオシド間結合を指す。リン含有及び非リン含有結合の調製方法は周知である。一つの実施態様として、修飾ヌクレオシド間結合は、ヌクレアーゼ耐性が天然に存在するホスホジエステル結合よりも高い結合であることが好ましい。一つの実施態様として、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合が好ましく、より好ましくは、ホスホロチオエート結合、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合であり、さらに好ましくは、ホスホロチオエート結合である。
 前記修飾ヌクレオシド間結合がキラル中心を有する場合、修飾ヌクレオシド間結合はキラル制御されたものであってもよい(以下、キラル制御されたリン酸骨格又はキラル制御された修飾リン酸骨格ともいう)。「キラル制御された」とは、キラル中心、例えばキラル結合リンに関して単一のジアステレオマーで存在することを意図する。キラル制御された修飾ヌクレオシド間結合は、完全にキラル純粋なものであってもよいし、キラル純度が高いもの、例えば90%de、95%de、98%de、99%de、99.5%de、99.8%de、99.9%de、又はそれ以上のキラル純度を有するものであってよい。本明細書において「キラル純度」は、ジアステレオマーの混合物中の1つのジアステレオマーの割合を指し、ジアステレオマー過剰率(%de)として表され、(対象のジアステレオマー-その他のジアステレオマー)/(総ジアステレオマー)×100(%)として定義される。
 例えば、キラル制御された修飾ヌクレオシド間結合は、Rp配置又はSp配置にキラル制御されたホスホロチオエート結合、1~4個のC1~6のアルキル基で置換されたグアニジン部分(例えば、テトラメチルグアニジン(TMG)部分;例えばAlexander A. Lomzov et al., Biochem Biophys Res Commun., 2019, 513(4), 807-811を参照のこと)を含む修飾ヌクレオシド間結合(例、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合)、及び/又は環状グアニジン部分を含む修飾ヌクレオシド間結合(例、前記式(II)で表される修飾ヌクレオシド間結合)であってよい。キラル制御された修飾ヌクレオシド間結合の調製方法は公知であり、例えばRp配置又はSp配置にキラル制御されたホスホロチオエート結合は、Naoki Iwamoto et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2009, 48(3), 496-9、Natsuhisa Oka et al., J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 8307-8317、Natsuhisa Oka et al.,J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 16031-16037、Yohei Nukaga et al., J. Org. Chem. 2016, 81, 2753-2762、Yohei Nukaga et al., J. Org. Chem. 2012, 77, 7913-7922に記載の方法に従って合成することができる。Rp配置又はSp配置にキラル制御されたホスホロチオエート結合も公知であり、例えばNaoki Iwamoto et al., Nat. Biotechnol., 2017, 35(9), 845-851、Anastasia Khvorova et al., Nat. Biotechnol., 2017, 35(3), 238-248に記載されるような効果を奏することが知られている。例えば、一実施形態において、Sp配置にキラル制御されたホスホロチオエート結合は、Rp配置のものよりも安定であり、及び/又はSp配置にキラル制御されたASOは、RNase H1による標的RNA切断を促進し、生体内でより持続的な応答をもたらす。1~4個のC1~6のアルキル基で置換されたグアニジン部分(例えば、TMG部分)を含む修飾ヌクレオシド間結合の調製方法は公知であり、例えばAlexander A. Lomzov et al., Biochem Biophys Res Commun., 2019, 513(4), 807-811に記載の方法に従って合成することができる。
 また、前記リン酸基はリン非含有のリンカーに置換してもよい。当該リンカーとしては、例えば、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチル、カルバメート、アミド、チオエーテル、エチレンオキサイドリンカー、スルホネート、スルホンアミド、チオホルムアセタール、ホルムアセタール、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、及びメチレンオキシメチルイミノなどが挙げられ、好ましくは、メチレンカルボニルアミノ基及びメチレンメチルイミノ基が挙げられる。あるいは、前記リン酸基は他のリン酸非含有のリンカーに置換してもよい。このようなリンカーとしては、例えば、“Med. Chem. Commun., 2014, 5, 1454-1471”に記載されたもの等が挙げられる。
 好ましい実施態様において、本発明のUSOに含まれるヌクレオシド間結合の1/2以上、より好ましくは2/3以上が、上記のうちの1以上のリン酸基修飾を受けており、さらに好ましくは、すべてのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である。例えば、18merのASOであれば、9個以上、好ましくは12個以上、より好ましくはすべてのヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合、例えばホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合が好ましく、より好ましくは、ホスホロチオエート結合、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合であり、さらに好ましくは、ホスホロチオエート結合である。別の実施態様では、修飾ヌクレオシド間結合は、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合である。リン酸ジエステル結合部の非結合酸素の硫黄原子による置換は、ヌクレアーゼ耐性の向上やUSOの組織内分布において重要である。
 本発明のUSOは、例えば、3’末端及び5’末端の少なくとも一方のヌクレオチド残基が修飾されてもよい。前記修飾は、例えば、3’末端及び5’末端のいずれか一方でもよいし、両方でもよい。前記修飾は、例えば、前述のとおりであり、好ましくは、末端のリン酸基に行うことが好ましい。前記リン酸基は、例えば、全体を修飾してもよいし、前記リン酸基における1つ以上の原子を修飾してもよい。前者の場合、例えば、リン酸基全体の置換でもよいし、欠失でもよい。
 前記末端のヌクレオチド残基の修飾は、例えば、他の分子の付加が挙げられる。前記他の分子としては、例えば、後述する標識物質や、保護基等の機能性分子が挙げられる。前記保護基としては、例えば、S(硫黄)、Si(ケイ素)、B(ホウ素)、エステル含有基等が挙げられる。前記標識物質等の機能性分子は、例えば、本発明のUSOの検出等に利用できる。
 前記他の分子は、例えば、前記ヌクレオチド残基のリン酸基に付加してもよいし、スペーサーを介して、前記リン酸基又は前記糖残基に付加してもよい。前記スペーサーの末端原子は、例えば、前記リン酸基の前記結合酸素、又は、糖残基のO、N、SもしくはCに、付加又は置換できる。前記糖残基の結合部位は、例えば、3’位のCもしくは5’位のC、又はこれらに結合する原子が好ましい。前記スペーサーは、例えば、前記PNA等のヌクレオチド代替物の末端原子に、付加又は置換することもできる。
 前記スペーサーは、特に制限されず、例えば、-(CH2)n-、-(CH2)nN-、-(CH2)nO-、-(CH2)nS-、O(CH2CH2O)nCH2CH2OH、無塩基糖、アミド、カルボキシ、アミン、オキシアミン、オキシイミン、チオエーテル、ジスルフィド、チオ尿素、スルホンアミド、及びモルホリノ等、ならびに、ビオチン試薬及びフルオレセイン試薬等を含んでもよい。前記式において、nは、正の整数(例、1~10の整数)であり、n=3又は6が好ましい。
 前記末端に付加する分子は、これらの他に、例えば、色素、インターカレート剤(例えば、アクリジン)、架橋剤(例えば、ソラレン、マイトマイシンC)、ポルフィリン(TPPC4、テキサフィリン、サッフィリン)、多環式芳香族炭化水素(例えば、フェナジン、ジヒドロフェナジン)、人工エンドヌクレアーゼ(例えば、EDTA)、親油性担体(例えば、コレステロール、コール酸、アダマンタン酢酸、1-ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3-ビス-O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3-プロパンジオール、ヘプタデシル基、パルミチン酸、ミリスチン酸、O3-(オレオイル)リトコール酸、O3-(オレオイル)コール酸、ジメトキシトリチル、又はフェノキサジン)及びペプチド複合体(例えば、アンテナペディアペプチド、Tatペプチド)、アルキル化剤、リン酸、アミノ、メルカプト、PEG(例えば、PEG-40K)、MPEG、[MPEG]2、ポリアミノ、アルキル、置換アルキル、放射線標識マーカー、酵素、ハプテン(例えば、ビオチン)、輸送/吸収促進剤(例えば、アスピリン、ビタミンE、葉酸)、合成リボヌクレアーゼ(例えば、イミダゾール、ビスイミダゾール、ヒスタミン、イミダゾールクラスター、アクリジン-イミダゾール複合体、テトラアザマクロ環のEu3+複合体)等が挙げられる。
 本発明のUSOは、前記5’末端が、例えば、リン酸基又はリン酸基アナログで修飾されてもよい。前記リン酸基は、例えば、5’一リン酸((HO)2(O)P-O-5’)、5’二リン酸((HO)2(O)P-O-P(HO)(O)-O-5’)、5’三リン酸((HO)2(O)P-O-(HO)(O)P-O-P(HO)(O)-O-5’)、5’-グアノシンキャップ(7-メチル化又は非メチル化、7m-G-O-5’-(HO)(O)P-O-(HO)(O)P-O-P(HO)(O)-O-5’)、5’-アデノシンキャップ(Appp)、任意の修飾又は非修飾ヌクレオチドキャップ構造(N-O-5’-(HO)(O)P-O-(HO)(O)P-O-P(HO)(O)-O-5’)、5’-チオリン酸(ホスホロチオエート:(HO)2(S)P-O-5’)、5’-ジチオリン酸(ホスホロジチオエート:(HO)(HS)(S)P-O-5’)、5’-ホスホロチオール酸((HO)2(O)P-S-5’)、硫黄置換の一リン酸、二リン酸及び三リン酸(例えば、5’-α-チオ三リン酸、5’-γ-チオ三リン酸等)、5’-ホスホルアミデート((HO)2(O)P-NH-5’、(HO)(NH2)(O)P-O-5’)、5’-アルキルホスホン酸(例えば、R4P(OH)(O)-O-5’、(OH)2(O)P-5’-CH2、R4はアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル等))、5’-アルキルエーテルホスホン酸(例えば、R5P(OH)(O)-O-5’、R5はアルキルエーテル(例えば、メトキシメチル、エトキシメチル等))等が挙げられる。
 前記ヌクレオチド残基において、前記塩基は、特に制限されず、例えば、天然の塩基でもよいし、非天然の塩基でもよい。前記塩基は、例えば、天然由来でもよいし、合成品でもよい。前記塩基として、例えば、一般的な塩基、その修飾アナログ、ユニバーサル塩基などが使用できる。
 前記塩基としては、例えば、アデニン及びグアニン等のプリン塩基、シトシン、5-メチルシトシン、ウラシル及びチミン等のピリミジン塩基が挙げられる。前記塩基としては、この他に、イノシン、チミン、キサンチン、ヒポキサンチン、ヌバラリン(nubularine)、イソグアニシン(isoguanisine)、ツベルシジン(tubercidine)等が挙げられる。前記塩基は、例えば、2-アミノアデニン、6-メチル化プリン等のアルキル誘導体;2-プロピル化プリン等のアルキル誘導体;5-ハロウラシル及び5-ハロシトシン;5-プロピニルウラシル及び5-プロピニルシトシン;6-アゾウラシル、6-アゾシトシン及び6-アゾチミン;5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、5-ハロウラシル、5-(2-アミノプロピル)ウラシル、5-アミノアリルウラシル;8-ハロ化、アミノ化、チオール化、チオアルキル化、ヒドロキシル化及び他の8-置換プリン;5-トリフルオロメチル化及び他の5-置換ピリミジン;7-メチルグアニン;5-置換ピリミジン;6-アザピリミジン;N-2、N-6、及びO-6置換プリン(2-アミノプロピルアデニンを含む);5-プロピニルウラシル及び5-プロピニルシトシン;ジヒドロウラシル;3-デアザ-5-アザシトシン;2-アミノプリン;5-アルキルウラシル;7-アルキルグアニン;5-アルキルシトシン;7-デアザアデニン;N6,N6-ジメチルアデニン;2,6-ジアミノプリン;5-アミノ-アリル-ウラシル;N3-メチルウラシル;置換1,2,4-トリアゾール;2-ピリジノン;5-ニトロインドール;3-ニトロピロール;5-メトキシウラシル;ウラシル-5-オキシ酢酸;5-メトキシカルボニルメチルウラシル;5-メチル-2-チオウラシル;5-メトキシカルボニルメチル-2-チオウラシル;5-メチルアミノメチル-2-チオウラシル;3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウラシル;3-メチルシトシン; N4-アセチルシトシン;2-チオシトシン;N6-メチルアデニン;N6-イソペンチルアデニン;2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン;N-メチルグアニン;O-アルキル化塩基等が挙げられる。また、プリン及びピリミジンは、例えば、米国特許第3,687,808号、「Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering」、858~859頁、クロシュビッツ ジェー アイ(Kroschwitz J.I.)編、John Wiley & Sons、1990、及びイングリッシュら(Englischら)、Angewandte Chemie、International Edition、1991、30巻、p.613に開示されるものが含まれる。
 前記修飾ヌクレオチド残基は、これらの他に、例えば、塩基を欠失する残基、すなわち、無塩基の糖リン酸骨格を含んでもよい。また、前記修飾ヌクレオチド残基は、例えば、国際公開第2004/080406号に記載された残基が使用でき、本発明は、これらの文献を援用できる。
 本発明のUSOは、無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸等と塩を形成してもよい。上記無機塩基との塩の例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。上記有機塩基との塩の例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミンとの塩が挙げられる。上記無機酸との塩の例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸との塩が挙げられる。上記有機酸との塩の例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸との塩が挙げられる。これらの塩のなかでも、薬理学的に許容される塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
 本発明のUSOは、例えば、標識物質で標識化されてもよい。前記標識物質は特に制限されず、例えば、蛍光物質、色素、同位体等が挙げられる。前記蛍光物質としては、例えば、ピレン、TAMRA、フルオレセイン、Cy3色素、Cy5色素等の蛍光団が挙げられる。前記色素としては、例えば、Alexa488等のAlexa色素等が挙げられる。前記同位体としては、例えば、安定同位体及び放射性同位体が挙げられ、好ましくは安定同位体である。前記安定同位体は、例えば、被ばくの危険性が少なく、専用の施設も不要であることから取り扱い性に優れ、また、コストも低減できる。また、前記安定同位体は、例えば、標識した化合物の物性変化がなく、トレーサーとしての性質にも優れる。前記安定同位体は、特に制限されず、例えば、2H、13C、15N、17O、18O、33S、34S及び36Sが挙げられる。
 本発明のUSOは、自体公知の方法に従い、各種自動合成装置(例えば、FOCUS(Aapptec)、AKTA oligopilot plus 10/100(GE Healthcare))を用いて合成することが可能であり、あるいは、第三者機関(例えば、北海道システムサイエンス社、Promega社、Takara社、又は日本バイオサービス社)等に委託して作製することもできる。
 好ましい実施態様Aにおいて、Z領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cccaagccgcccgcagcc(配列番号34)(標的配列:107-124)
ctgcccaagccgcccgca(配列番号35)(標的配列:110-127)
gggctgcccaagccgccc(配列番号36)(標的配列:113-130)
cgcgggctgcccaagccg(配列番号37)(標的配列:116-133)
gcccgcgggctgcccaag(配列番号38)(標的配列:119-136)
ggcgcccgcgggctgccc(配列番号39)(標的配列:122-139)
tgaggcgcccgcgggctg(配列番号40)(標的配列:125-142)
acctgaggcgcccgcggg(配列番号41)(標的配列:128-145)
tctacctgaggcgcccgc(配列番号42)(標的配列:131-148)
tcttctacctgaggcgcc(配列番号43)(標的配列:134-151)
tcttcttctacctgaggc(配列番号44)(標的配列:137-154)
ctttcttcttctacctga(配列番号45)(標的配列:140-157)
cacctttcttcttctacc(配列番号46)(標的配列:143-160)
tggcacctttcttcttct(配列番号47)(標的配列:146-163)
gagtggcacctttcttct(配列番号48)(標的配列:149-166)
ccggagtggcacctttct(配列番号49)(標的配列:152-169)
atgccggagtggcacctt(配列番号50)(標的配列:155-172)
ttcatgccggagtggcac(配列番号51)(標的配列:158-175)
gtcttcatgccggagtgg(配列番号52)(標的配列:161-178)
tctgtcttcatgccggag(配列番号53)(標的配列:164-181)
gagtctgtcttcatgccg(配列番号54)(標的配列:167-184)
agcgagtctgtcttcatg(配列番号55)(標的配列:170-187)
ctaagcgagtctgtcttc(配列番号56)(標的配列:173-190)
cgactaagcgagtctgtc(配列番号57)(標的配列:176-193)
tggcgactaagcgagtct(配列番号58)(標的配列:179-196)
gactggcgactaagcgag(配列番号59)(標的配列:182-199)
agtgactggcgactaagc(配列番号60)(標的配列:185-202)
ttaagtgactggcgacta(配列番号61)(標的配列:188-205)
agcttaagtgactggcga(配列番号62)(標的配列:191-208)
ctcagcttaagtgactgg(配列番号63)(標的配列:194-211)
gcactcagcttaagtgac(配列番号64)(標的配列:197-214)
aatgcactcagcttaagt(配列番号65)(標的配列:200-217)
cacaatgcactcagctta(配列番号66)(標的配列:203-220)
aatcacaatgcactcagc(配列番号67)(標的配列:206-223)
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
gcctcaattattggaaat(配列番号74)(標的配列:221-238)
 
tgcctcaattattggaaa(配列番号25)(標的配列:222-239)
ctgcctcaattattggaa(配列番号26)(標的配列:223-240)
actgcctcaattattgga(配列番号27)(標的配列:224-241)
cactgcctcaattattgg(配列番号28)(標的配列:225-242)
ccactgcctcaattattg(配列番号29)(標的配列:226-243)
aaccactgcctcaattat(配列番号30)(標的配列:228-245)
agaaccactgcctcaatt(配列番号31)(標的配列:230-247)
ttagaaccactgcctcaa(配列番号32)(標的配列:232-249)
 
cagcttttagaaccactg(配列番号6)(標的配列:238-255)
acagcttttagaaccact(配列番号7)(標的配列:239-256)
gacagcttttagaaccac(配列番号8)(標的配列:240-257)
agacagcttttagaacca(配列番号9)(標的配列:241-258)
tagacagcttttagaacc(配列番号10)(標的配列:242-259)
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
aatgtagacagcttttag(配列番号14)(標的配列:246-263)
taatgtagacagctttta(配列番号15)(標的配列:247-264)
ttaatgtagacagctttt(配列番号16)(標的配列:248-265)
attaatgtagacagcttt(配列番号17)(標的配列:249-266)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
tcattaatgtagacagct(配列番号19)(標的配列:251-268)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
tttcattaatgtagacag(配列番号21)(標的配列:253-270)
ttttcattaatgtagaca(配列番号22)(標的配列:254-271)
cttttcattaatgtagac(配列番号23)(標的配列:255-272)
tcttttcattaatgtaga(配列番号24)(標的配列:256-273)
 
tgctcttttcattaatgt(配列番号75)(標的配列:259-276)
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
gcttagtcaagctggcca(配列番号82)(標的配列:280-297)
gcggcttagtcaagctgg(配列番号83)(標的配列:283-300)
ctggcggcttagtcaagc(配列番号84)(標的配列:286-303)
gcgctggcggcttagtca(配列番号85)(標的配列:289-306)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様A-1において、Z領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cccaagccgcccgcagcc(配列番号34)(標的配列:107-124)
ctgcccaagccgcccgca(配列番号35)(標的配列:110-127)
gggctgcccaagccgccc(配列番号36)(標的配列:113-130)
cgcgggctgcccaagccg(配列番号37)(標的配列:116-133)
gcccgcgggctgcccaag(配列番号38)(標的配列:119-136)
ggcgcccgcgggctgccc(配列番号39)(標的配列:122-139)
tgaggcgcccgcgggctg(配列番号40)(標的配列:125-142)
acctgaggcgcccgcggg(配列番号41)(標的配列:128-145)
tctacctgaggcgcccgc(配列番号42)(標的配列:131-148)
tcttctacctgaggcgcc(配列番号43)(標的配列:134-151)
tcttcttctacctgaggc(配列番号44)(標的配列:137-154)
ctttcttcttctacctga(配列番号45)(標的配列:140-157)
cacctttcttcttctacc(配列番号46)(標的配列:143-160)
tggcacctttcttcttct(配列番号47)(標的配列:146-163)
gagtggcacctttcttct(配列番号48)(標的配列:149-166)
ccggagtggcacctttct(配列番号49)(標的配列:152-169)
atgccggagtggcacctt(配列番号50)(標的配列:155-172)
ttcatgccggagtggcac(配列番号51)(標的配列:158-175)
gtcttcatgccggagtgg(配列番号52)(標的配列:161-178)
tctgtcttcatgccggag(配列番号53)(標的配列:164-181)
gagtctgtcttcatgccg(配列番号54)(標的配列:167-184)
agcgagtctgtcttcatg(配列番号55)(標的配列:170-187)
ctaagcgagtctgtcttc(配列番号56)(標的配列:173-190)
cgactaagcgagtctgtc(配列番号57)(標的配列:176-193)
tggcgactaagcgagtct(配列番号58)(標的配列:179-196)
gactggcgactaagcgag(配列番号59)(標的配列:182-199)
agtgactggcgactaagc(配列番号60)(標的配列:185-202)
ttaagtgactggcgacta(配列番号61)(標的配列:188-205)
agcttaagtgactggcga(配列番号62)(標的配列:191-208)
ctcagcttaagtgactgg(配列番号63)(標的配列:194-211)
gcactcagcttaagtgac(配列番号64)(標的配列:197-214)
aatgcactcagcttaagt(配列番号65)(標的配列:200-217)
cacaatgcactcagctta(配列番号66)(標的配列:203-220)
aatcacaatgcactcagc(配列番号67)(標的配列:206-223)
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
gcctcaattattggaaat(配列番号74)(標的配列:221-238)
 
tgcctcaattattggaaa(配列番号25)(標的配列:222-239)
ctgcctcaattattggaa(配列番号26)(標的配列:223-240)
actgcctcaattattgga(配列番号27)(標的配列:224-241)
cactgcctcaattattgg(配列番号28)(標的配列:225-242)
ccactgcctcaattattg(配列番号29)(標的配列:226-243)
aaccactgcctcaattat(配列番号30)(標的配列:228-245)
agaaccactgcctcaatt(配列番号31)(標的配列:230-247)
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cagcttttagaaccactg(配列番号6)(標的配列:238-255)
acagcttttagaaccact(配列番号7)(標的配列:239-256)
gacagcttttagaaccac(配列番号8)(標的配列:240-257)
agacagcttttagaacca(配列番号9)(標的配列:241-258)
tagacagcttttagaacc(配列番号10)(標的配列:242-259)
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
aatgtagacagcttttag(配列番号14)(標的配列:246-263)
taatgtagacagctttta(配列番号15)(標的配列:247-264)
ttaatgtagacagctttt(配列番号16)(標的配列:248-265)
attaatgtagacagcttt(配列番号17)(標的配列:249-266)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
tcattaatgtagacagct(配列番号19)(標的配列:251-268)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
tttcattaatgtagacag(配列番号21)(標的配列:253-270)
ttttcattaatgtagaca(配列番号22)(標的配列:254-271)
cttttcattaatgtagac(配列番号23)(標的配列:255-272)
tcttttcattaatgtaga(配列番号24)(標的配列:256-273)
 
tgctcttttcattaatgt(配列番号75)(標的配列:259-276)
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
gcttagtcaagctggcca(配列番号82)(標的配列:280-297)
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ctggcggcttagtcaagc(配列番号84)(標的配列:286-303)
gcgctggcggcttagtca(配列番号85)(標的配列:289-306)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様Bにおいて、Z領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
ggcgcccgcgggctgccc(配列番号39)(標的配列:122-139)
ctttcttcttctacctga(配列番号45)(標的配列:140-157)
ttcatgccggagtggcac(配列番号51)(標的配列:158-175)
tctgtcttcatgccggag(配列番号53)(標的配列:164-181)
gagtctgtcttcatgccg(配列番号54)(標的配列:167-184)
ttaagtgactggcgacta(配列番号61)(標的配列:188-205)
agcttaagtgactggcga(配列番号62)(標的配列:191-208)
ctcagcttaagtgactgg(配列番号63)(標的配列:194-211)
gcactcagcttaagtgac(配列番号64)(標的配列:197-214)
aatgcactcagcttaagt(配列番号65)(標的配列:200-217)
cacaatgcactcagctta(配列番号66)(標的配列:203-220)
aatcacaatgcactcagc(配列番号67)(標的配列:206-223)
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
 
tgcctcaattattggaaa(配列番号25)(標的配列:222-239)
ctgcctcaattattggaa(配列番号26)(標的配列:223-240)
actgcctcaattattgga(配列番号27)(標的配列:224-241)
cactgcctcaattattgg(配列番号28)(標的配列:225-242)
ccactgcctcaattattg(配列番号29)(標的配列:226-243)
aaccactgcctcaattat(配列番号30)(標的配列:228-245)
agaaccactgcctcaatt(配列番号31)(標的配列:230-247)
ttagaaccactgcctcaa(配列番号32)(標的配列:232-249)
 
cagcttttagaaccactg(配列番号6)(標的配列:238-255)
acagcttttagaaccact(配列番号7)(標的配列:239-256)
gacagcttttagaaccac(配列番号8)(標的配列:240-257)
agacagcttttagaacca(配列番号9)(標的配列:241-258)
tagacagcttttagaacc(配列番号10)(標的配列:242-259)
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
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tcttttcattaatgtaga(配列番号24)(標的配列:256-273)
 
tgctcttttcattaatgt(配列番号75)(標的配列:259-276)
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
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ctggcggcttagtcaagc(配列番号84)(標的配列:286-303)
gcgctggcggcttagtca(配列番号85)(標的配列:289-306)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様B-1において、Z領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
Ggcgcccgcgggctgccc(配列番号39)(標的配列:122-139)
ctttcttcttctacctga(配列番号45)(標的配列:140-157)
ttcatgccggagtggcac(配列番号51)(標的配列:158-175)
tctgtcttcatgccggag(配列番号53)(標的配列:164-181)
gagtctgtcttcatgccg(配列番号54)(標的配列:167-184)
ttaagtgactggcgacta(配列番号61)(標的配列:188-205)
agcttaagtgactggcga(配列番号62)(標的配列:191-208)
ctcagcttaagtgactgg(配列番号63)(標的配列:194-211)
gcactcagcttaagtgac(配列番号64)(標的配列:197-214)
aatgcactcagcttaagt(配列番号65)(標的配列:200-217)
cacaatgcactcagctta(配列番号66)(標的配列:203-220)
aatcacaatgcactcagc(配列番号67)(標的配列:206-223)
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
 
tgcctcaattattggaaa(配列番号25)(標的配列:222-239)
ctgcctcaattattggaa(配列番号26)(標的配列:223-240)
actgcctcaattattgga(配列番号27)(標的配列:224-241)
cactgcctcaattattgg(配列番号28)(標的配列:225-242)
ccactgcctcaattattg(配列番号29)(標的配列:226-243)
aaccactgcctcaattat(配列番号30)(標的配列:228-245)
agaaccactgcctcaatt(配列番号31)(標的配列:230-247)
ttagaaccactgcctcaa(配列番号32)(標的配列:232-249)
 
cagcttttagaaccactg(配列番号6)(標的配列:238-255)
acagcttttagaaccact(配列番号7)(標的配列:239-256)
gacagcttttagaaccac(配列番号8)(標的配列:240-257)
agacagcttttagaacca(配列番号9)(標的配列:241-258)
tagacagcttttagaacc(配列番号10)(標的配列:242-259)
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
aatgtagacagcttttag(配列番号14)(標的配列:246-263)
taatgtagacagctttta(配列番号15)(標的配列:247-264)
ttaatgtagacagctttt(配列番号16)(標的配列:248-265)
attaatgtagacagcttt(配列番号17)(標的配列:249-266)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
tcattaatgtagacagct(配列番号19)(標的配列:251-268)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
tttcattaatgtagacag(配列番号21)(標的配列:253-270)
ttttcattaatgtagaca(配列番号22)(標的配列:254-271)
cttttcattaatgtagac(配列番号23)(標的配列:255-272)
tcttttcattaatgtaga(配列番号24)(標的配列:256-273)
 
tgctcttttcattaatgt(配列番号75)(標的配列:259-276)
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
gcggcttagtcaagctgg(配列番号83)(標的配列:283-300)
ctggcggcttagtcaagc(配列番号84)(標的配列:286-303)
gcgctggcggcttagtca(配列番号85)(標的配列:289-306)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 さらに好ましくは、Z領域を標的とする本発明のUSOは、上記のいずれかのヌクレオチド配列からなる核酸である。
 好ましい実施態様Xにおいて、X領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cagcttttagaaccactg(配列番号6)(標的配列:238-255)
acagcttttagaaccact(配列番号7)(標的配列:239-256)
gacagcttttagaaccac(配列番号8)(標的配列:240-257)
agacagcttttagaacca(配列番号9)(標的配列:241-258)
tagacagcttttagaacc(配列番号10)(標的配列:242-259)
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
aatgtagacagcttttag(配列番号14)(標的配列:246-263)
taatgtagacagctttta(配列番号15)(標的配列:247-264)
ttaatgtagacagctttt(配列番号16)(標的配列:248-265)
attaatgtagacagcttt(配列番号17)(標的配列:249-266)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
tcattaatgtagacagct(配列番号19)(標的配列:251-268)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
tttcattaatgtagacag(配列番号21)(標的配列:253-270)
ttttcattaatgtagaca(配列番号22)(標的配列:254-271)
cttttcattaatgtagac(配列番号23)(標的配列:255-272)
tcttttcattaatgtaga(配列番号24)(標的配列:256-273)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様X-1において、X領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cagcttttagaaccactg(配列番号6)(標的配列:238-255)
acagcttttagaaccact(配列番号7)(標的配列:239-256)
gacagcttttagaaccac(配列番号8)(標的配列:240-257)
agacagcttttagaacca(配列番号9)(標的配列:241-258)
tagacagcttttagaacc(配列番号10)(標的配列:242-259)
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
aatgtagacagcttttag(配列番号14)(標的配列:246-263)
taatgtagacagctttta(配列番号15)(標的配列:247-264)
ttaatgtagacagctttt(配列番号16)(標的配列:248-265)
attaatgtagacagcttt(配列番号17)(標的配列:249-266)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
tcattaatgtagacagct(配列番号19)(標的配列:251-268)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
tttcattaatgtagacag(配列番号21)(標的配列:253-270)
ttttcattaatgtagaca(配列番号22)(標的配列:254-271)
cttttcattaatgtagac(配列番号23)(標的配列:255-272)
tcttttcattaatgtaga(配列番号24)(標的配列:256-273)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 さらに好ましくは、X領域を標的とする本発明のUSOは、上記のいずれかのヌクレオチド配列からなる核酸である。
 好ましい実施態様Yにおいて、Y領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
tgcctcaattattggaaa(配列番号25)(標的配列:222-239)
ctgcctcaattattggaa(配列番号26)(標的配列:223-240)
actgcctcaattattgga(配列番号27)(標的配列:224-241)
cactgcctcaattattgg(配列番号28)(標的配列:225-242)
ccactgcctcaattattg(配列番号29)(標的配列:226-243)
aaccactgcctcaattat(配列番号30)(標的配列:228-245)
agaaccactgcctcaatt(配列番号31)(標的配列:230-247)
ttagaaccactgcctcaa(配列番号32)(標的配列:232-249)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様Y-1において、Y領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
tgcctcaattattggaaa(配列番号25)(標的配列:222-239)
ctgcctcaattattggaa(配列番号26)(標的配列:223-240)
actgcctcaattattgga(配列番号27)(標的配列:224-241)
cactgcctcaattattgg(配列番号28)(標的配列:225-242)
ccactgcctcaattattg(配列番号29)(標的配列:226-243)
aaccactgcctcaattat(配列番号30)(標的配列:228-245)
agaaccactgcctcaatt(配列番号31)(標的配列:230-247)
ttagaaccactgcctcaa(配列番号32)(標的配列:232-249)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 さらに好ましくは、Y領域を標的とする本発明のUSOは、上記のいずれかのヌクレオチド配列からなる核酸である。
 好ましい実施態様X’において、X’領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
aatgtagacagcttttag(配列番号14)(標的配列:246-263)
taatgtagacagctttta(配列番号15)(標的配列:247-264)
ttaatgtagacagctttt(配列番号16)(標的配列:248-265)
attaatgtagacagcttt(配列番号17)(標的配列:249-266)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
tcattaatgtagacagct(配列番号19)(標的配列:251-268)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様X’-1において、X’領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
aatgtagacagcttttag(配列番号14)(標的配列:246-263)
taatgtagacagctttta(配列番号15)(標的配列:247-264)
ttaatgtagacagctttt(配列番号16)(標的配列:248-265)
attaatgtagacagcttt(配列番号17)(標的配列:249-266)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
tcattaatgtagacagct(配列番号19)(標的配列:251-268)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 さらに好ましくは、X’領域を標的とする本発明のUSOは、上記のいずれかのヌクレオチド配列からなる核酸である。
 好ましい実施態様X’-BDにおいて、X’領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様X’-BD-1において、X’領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様X’-Bにおいて、X’領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様X’-B-1において、X’領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
gtagacagcttttagaac(配列番号11)(標的配列:243-260)
tgtagacagcttttagaa(配列番号12)(標的配列:244-261)
atgtagacagcttttaga(配列番号13)(標的配列:245-262)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様X’-D-1において、X’領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様X’-D-2において、X’領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cattaatgtagacagctt(配列番号18)(標的配列:250-267)
ttcattaatgtagacagc(配列番号20)(標的配列:252-269)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 さらに好ましくは、X’領域を標的とする本発明のUSOは、上記のいずれかのヌクレオチド配列からなる核酸である。
 別の好ましい実施態様において、X’領域を標的とする本発明のUSOは、X’領域の配列(配列番号3)に完全相補的なヌクレオチド配列(配列番号33)中の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
ttcattaatgtagacagcttttagaac(配列番号33)(標的配列:243-269)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様Z1-Aにおいて、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cccaagccgcccgcagcc(配列番号34)(標的配列:107-124)
ctgcccaagccgcccgca(配列番号35)(標的配列:110-127)
gggctgcccaagccgccc(配列番号36)(標的配列:113-130)
cgcgggctgcccaagccg(配列番号37)(標的配列:116-133)
gcccgcgggctgcccaag(配列番号38)(標的配列:119-136)
ggcgcccgcgggctgccc(配列番号39)(標的配列:122-139)
tgaggcgcccgcgggctg(配列番号40)(標的配列:125-142)
acctgaggcgcccgcggg(配列番号41)(標的配列:128-145)
tctacctgaggcgcccgc(配列番号42)(標的配列:131-148)
tcttctacctgaggcgcc(配列番号43)(標的配列:134-151)
tcttcttctacctgaggc(配列番号44)(標的配列:137-154)
ctttcttcttctacctga(配列番号45)(標的配列:140-157)
cacctttcttcttctacc(配列番号46)(標的配列:143-160)
tggcacctttcttcttct(配列番号47)(標的配列:146-163)
gagtggcacctttcttct(配列番号48)(標的配列:149-166)
ccggagtggcacctttct(配列番号49)(標的配列:152-169)
atgccggagtggcacctt(配列番号50)(標的配列:155-172)
ttcatgccggagtggcac(配列番号51)(標的配列:158-175)
gtcttcatgccggagtgg(配列番号52)(標的配列:161-178)
tctgtcttcatgccggag(配列番号53)(標的配列:164-181)
gagtctgtcttcatgccg(配列番号54)(標的配列:167-184)
agcgagtctgtcttcatg(配列番号55)(標的配列:170-187)
ctaagcgagtctgtcttc(配列番号56)(標的配列:173-190)
cgactaagcgagtctgtc(配列番号57)(標的配列:176-193)
tggcgactaagcgagtct(配列番号58)(標的配列:179-196)
gactggcgactaagcgag(配列番号59)(標的配列:182-199)
agtgactggcgactaagc(配列番号60)(標的配列:185-202)
ttaagtgactggcgacta(配列番号61)(標的配列:188-205)
agcttaagtgactggcga(配列番号62)(標的配列:191-208)
ctcagcttaagtgactgg(配列番号63)(標的配列:194-211)
gcactcagcttaagtgac(配列番号64)(標的配列:197-214)
aatgcactcagcttaagt(配列番号65)(標的配列:200-217)
cacaatgcactcagctta(配列番号66)(標的配列:203-220)
aatcacaatgcactcagc(配列番号67)(標的配列:206-223)
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
gcctcaattattggaaat(配列番号74)(標的配列:221-238)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様Z1-A-1において、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cccaagccgcccgcagcc(配列番号34)(標的配列:107-124)
ctgcccaagccgcccgca(配列番号35)(標的配列:110-127)
gggctgcccaagccgccc(配列番号36)(標的配列:113-130)
cgcgggctgcccaagccg(配列番号37)(標的配列:116-133)
gcccgcgggctgcccaag(配列番号38)(標的配列:119-136)
ggcgcccgcgggctgccc(配列番号39)(標的配列:122-139)
tgaggcgcccgcgggctg(配列番号40)(標的配列:125-142)
acctgaggcgcccgcggg(配列番号41)(標的配列:128-145)
tctacctgaggcgcccgc(配列番号42)(標的配列:131-148)
tcttctacctgaggcgcc(配列番号43)(標的配列:134-151)
tcttcttctacctgaggc(配列番号44)(標的配列:137-154)
ctttcttcttctacctga(配列番号45)(標的配列:140-157)
cacctttcttcttctacc(配列番号46)(標的配列:143-160)
tggcacctttcttcttct(配列番号47)(標的配列:146-163)
gagtggcacctttcttct(配列番号48)(標的配列:149-166)
ccggagtggcacctttct(配列番号49)(標的配列:152-169)
atgccggagtggcacctt(配列番号50)(標的配列:155-172)
ttcatgccggagtggcac(配列番号51)(標的配列:158-175)
gtcttcatgccggagtgg(配列番号52)(標的配列:161-178)
tctgtcttcatgccggag(配列番号53)(標的配列:164-181)
gagtctgtcttcatgccg(配列番号54)(標的配列:167-184)
agcgagtctgtcttcatg(配列番号55)(標的配列:170-187)
ctaagcgagtctgtcttc(配列番号56)(標的配列:173-190)
cgactaagcgagtctgtc(配列番号57)(標的配列:176-193)
tggcgactaagcgagtct(配列番号58)(標的配列:179-196)
gactggcgactaagcgag(配列番号59)(標的配列:182-199)
agtgactggcgactaagc(配列番号60)(標的配列:185-202)
ttaagtgactggcgacta(配列番号61)(標的配列:188-205)
agcttaagtgactggcga(配列番号62)(標的配列:191-208)
ctcagcttaagtgactgg(配列番号63)(標的配列:194-211)
gcactcagcttaagtgac(配列番号64)(標的配列:197-214)
aatgcactcagcttaagt(配列番号65)(標的配列:200-217)
cacaatgcactcagctta(配列番号66)(標的配列:203-220)
aatcacaatgcactcagc(配列番号67)(標的配列:206-223)
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
gcctcaattattggaaat(配列番号74)(標的配列:221-238)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様Z1-Bにおいて、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
ggcgcccgcgggctgccc(配列番号39)(標的配列:122-139)
ctttcttcttctacctga(配列番号45)(標的配列:140-157)
ttcatgccggagtggcac(配列番号51)(標的配列:158-175)
tctgtcttcatgccggag(配列番号53)(標的配列:164-181)
gagtctgtcttcatgccg(配列番号54)(標的配列:167-184)
ttaagtgactggcgacta(配列番号61)(標的配列:188-205)
agcttaagtgactggcga(配列番号62)(標的配列:191-208)
ctcagcttaagtgactgg(配列番号63)(標的配列:194-211)
gcactcagcttaagtgac(配列番号64)(標的配列:197-214)
aatgcactcagcttaagt(配列番号65)(標的配列:200-217)
cacaatgcactcagctta(配列番号66)(標的配列:203-220)
aatcacaatgcactcagc(配列番号67)(標的配列:206-223)
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様Z1-B-1において、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
ggcgcccgcgggctgccc(配列番号39)(標的配列:122-139)
ctttcttcttctacctga(配列番号45)(標的配列:140-157)
ttcatgccggagtggcac(配列番号51)(標的配列:158-175)
tctgtcttcatgccggag(配列番号53)(標的配列:164-181)
gagtctgtcttcatgccg(配列番号54)(標的配列:167-184)
ttaagtgactggcgacta(配列番号61)(標的配列:188-205)
agcttaagtgactggcga(配列番号62)(標的配列:191-208)
ctcagcttaagtgactgg(配列番号63)(標的配列:194-211)
gcactcagcttaagtgac(配列番号64)(標的配列:197-214)
aatgcactcagcttaagt(配列番号65)(標的配列:200-217)
cacaatgcactcagctta(配列番号66)(標的配列:203-220)
aatcacaatgcactcagc(配列番号67)(標的配列:206-223)
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様Z1-Cにおいて、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様Z1-C-1において、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
tcaattattggaaatcac(配列番号71)(標的配列:218-235)
ctcaattattggaaatca(配列番号72)(標的配列:219-236)
cctcaattattggaaatc(配列番号73)(標的配列:220-237)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様Z1-Dにおいて、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様Z1-D-1において、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
ggaaatcacaatgcactc(配列番号68)(標的配列:209-226)
attggaaatcacaatgca(配列番号69)(標的配列:212-229)
attattggaaatcacaat(配列番号70)(標的配列:215-232)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 さらに好ましくは、Z1領域を標的とする本発明のUSOは、上記のいずれかのヌクレオチド配列からなる核酸である。
 好ましい実施態様Z2-Aにおいて、Z2領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
tgctcttttcattaatgt(配列番号75)(標的配列:259-276)
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
gcttagtcaagctggcca(配列番号82)(標的配列:280-297)
gcggcttagtcaagctgg(配列番号83)(標的配列:283-300)
ctggcggcttagtcaagc(配列番号84)(標的配列:286-303)
gcgctggcggcttagtca(配列番号85)(標的配列:289-306)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様Z2-A-1において、Z2領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
tgctcttttcattaatgt(配列番号75)(標的配列:259-276)
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
gcttagtcaagctggcca(配列番号82)(標的配列:280-297)
gcggcttagtcaagctgg(配列番号83)(標的配列:283-300)
ctggcggcttagtcaagc(配列番号84)(標的配列:286-303)
gcgctggcggcttagtca(配列番号85)(標的配列:289-306)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様Z2-Bにおいて、Z2領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
tgctcttttcattaatgt(配列番号75)(標的配列:259-276)
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
gcggcttagtcaagctgg(配列番号83)(標的配列:283-300)
ctggcggcttagtcaagc(配列番号84)(標的配列:286-303)
gcgctggcggcttagtca(配列番号85)(標的配列:289-306)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様Z2-B-1において、Z2領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
tgctcttttcattaatgt(配列番号75)(標的配列:259-276)
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
gcggcttagtcaagctgg(配列番号83)(標的配列:283-300)
ctggcggcttagtcaagc(配列番号84)(標的配列:286-303)
gcgctggcggcttagtca(配列番号85)(標的配列:289-306)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 好ましい実施態様Z2-Cにおいて、Z2領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 別の好ましい実施態様Z2-C-1において、Z2領域を標的とする本発明のUSOは、以下のいずれかのヌクレオチド配列の少なくとも12個(好ましくは14個、より好ましくは16個、さらに好ましくは18個)の連続した核酸塩基を有するヌクレオチド配列を、DGCR8 mRNA中の標的配列(配列番号4で表されるヒトDGCR8 mRNAのヌクレオチド配列中の位置で表示する)に相補的(好ましくは80%以上相補的、好ましくは90%以上相補的、さらに好ましくは95%以上相補的、特に好ましくは100%相補的)な配列として含む。
cattgctcttttcattaa(配列番号76)(標的配列:262-279)
ccacattgctcttttcat(配列番号77)(標的配列:265-282)
tggccacattgctctttt(配列番号78)(標的配列:268-285)
agctggccacattgctct(配列番号79)(標的配列:271-288)
tcaagctggccacattgc(配列番号80)(標的配列:274-291)
tagtcaagctggccacat(配列番号81)(標的配列:277-294)
(但し、tはuに置き換えてもよく、cは5-メチルシトシン(mC)に置き換えてもよい。)
 さらに好ましくは、Z2領域を標的とする本発明のUSOは、上記のいずれかのヌクレオチド配列からなる核酸である。
 本発明のUSOは、DGCR8 mRNA又はDGCR8 pre-mRNAの5’UTRに存在するステム-ループ構造を取り得る領域(MIR3618領域)の翻訳抑制シスエレメントへの翻訳抑制因子の結合を阻害することにより、DGCR8の発現を促進すると考えられる。一方で、DGCR8の発現は、Microprocessor複合体(Drosha-DGCR8)がMIR3618領域を認識・切断して、DGCR8 mRNA又はDGCR8 pre-mRNAを不安定化することにより、自己制御されていると考えられている。従って、一つの実施態様として、本発明のUSOは、MIR3618領域を切断しないことが望ましいと推測される。
 別の側面において、後述の実施例におけるレポーターアッセイの結果から、野生型のDGCR8 mRNA又はDGCR8 pre-mRNAの 5’UTRは下流のコード配列からのタンパク質発現を強力に抑制するのに対し、MIR3618領域を欠失させると、翻訳抑制が部分的に解除され得る。従って、別の実施態様として、本発明のUSOは、標的RNA配列とハイブリダイズしてRNA:DNA二本鎖を形成して、内因性のRNase Hによる標的RNA配列の切断を誘導するものであってもよい。
 本発明のUSOは、一つの実施態様として、トータルマー、ミックスマー、又はギャップマーである。好ましくはトータルマー又はミックスマーである。より好ましくはトータルマーである。
 一つの実施態様として、本発明のUSOがトータルマーである場合、好ましくは、完全2’-MOE修飾オリゴヌクレオチド、完全2'-MCE修飾オリゴヌクレオチド、完全2'-O-メチル修飾オリゴヌクレオチド、完全LNA修飾オリゴヌクレオチド、完全モルホリノ修飾オリゴヌクレオチド、又は完全ペプチド核酸修飾オリゴヌクレオチドである。より好ましくは、完全2’-MOE修飾オリゴヌクレオチド、完全2'-MCE修飾オリゴヌクレオチド又は完全モルホリノ修飾オリゴヌクレオチド(好ましくはPMOであり、さらに好ましくは完全ホスホロジメチルアミデートモルホリノ修飾オリゴヌクレオチド)である。特に好ましくは、完全2’-MOE修飾オリゴヌクレオチドである。別の実施態様では、完全2'-MCE修飾オリゴヌクレオチドが特に好ましい。さらに別の実施態様では、好ましくは、完全モルホリノ修飾オリゴヌクレオチドであり、より好ましくはPMOであり、さらに好ましくは完全ホスホロジメチルアミデートモルホリノ修飾オリゴヌクレオチドである。
 一つの実施態様として、本発明のUSO(好ましくは、トータルマー(好ましくは、完全2’-MOE修飾オリゴヌクレオチド、完全2'-MCE修飾オリゴヌクレオチド、完全2'-OMe修飾オリゴヌクレオチド、完全LNA修飾オリゴヌクレオチド)、又はミックスマー)は、糖リン酸骨格が、少なくとも1つ(例、2個以上、4個以上、6個以上、8個以上、10個以上、12個以上、16個以上)の修飾ヌクレオシド間結合を含むことが好ましい。より好ましくは、糖リン酸骨格の全てのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である。修飾ヌクレオシド間結合は、好ましくはホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合であり、より好ましくはホスホロチオエート結合、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合であり、さらに好ましくはホスホロチオエート結合である。別の実施態様では、修飾ヌクレオシド間結合は、前記式(III)で表される修飾ヌクレオシド間結合である。
 別の実施態様として、本発明のUSOは、ホスホロチオネート骨格を通して接続された2’-MOE修飾ヌクレオシド(本明細書において、2’-MOEホスホロチオネートヌクレオチドともいう)を含むか、又はそれから成る。1つの実施形態は、修飾、好ましくは、2’-MOE修飾ヌクレオシド、より好ましくは、2’-MOEホスホロチオネートヌクレオチドをさらに含むオリゴヌクレオチド、特に好ましくは2’-MOEホスホロチオネートヌクレオチドを基本骨格とするオリゴヌクレオチド(以下、完全2’-MOEホスホロチオネート修飾オリゴヌクレオチドともいう)である。
 さらに別の実施態様として、本発明のUSOは、ホスホロチオネート骨格を通して接続された2'-MCE修飾ヌクレオシド(本明細書において、2'-MCEホスホロチオネートヌクレオチドともいう)を含むか、又はそれから成る。1つの実施形態は、修飾、好ましくは、2'-MCE修飾ヌクレオシド、より好ましくは、2'-MCEホスホロチオネートヌクレオチドをさらに含むオリゴヌクレオチド、特に好ましくは2'-MCEホスホロチオネートヌクレオチドを基本骨格とするオリゴヌクレオチド(以下、完全2'-MCEホスホロチオネート修飾オリゴヌクレオチドともいう)である。
 1つの実施形態において、本発明のUSOは、2’-MOEホスホロチオネートヌクレオチド及びLNAを含むハイブリッド・オリゴヌクレオチドである。この特定のオリゴヌクレオチドは、糖部分がLNA修飾のみから成る等価物と比較して、よりよい配列特異性を含み、完全2’-MOEホスホロチオネート修飾オリゴヌクレオチドと比較して有効性が改善され得る。
 1つの実施形態において、本発明のUSOは、2'-MCEホスホロチオネートヌクレオチド及びLNAを含むハイブリッド・オリゴヌクレオチドである。この特定のオリゴヌクレオチドは、糖部分がLNA修飾のみから成る等価物と比較して、よりよい配列特異性を含み、完全2'-MCEホスホロチオネート修飾オリゴヌクレオチドと比較して有効性が改善され得る。
 別の実施態様として、本発明のUSOは、2’-置換修飾核酸/DNAミックスマー又はBNA/DNAミックスマーであり、好ましくは、2'-MOE/DNAミックスマー、2'-MCE/DNAミックスマー又はLNA/DNAミックスマーであり、より好ましくは、2'-MOE/DNAミックスマー又は2'-MCE/DNAミックスマーであり、特に好ましくは、2'-MOE/DNAミックスマーである。別の実施態様では、特に好ましくは、2'-MCE/DNAミックスマーである。
ギャップマー
 一実施態様において、本発明のUSOは、
(1)5’末端に位置する5’ウイング領域;
(2)3’末端に位置する3’ウイング領域;及び
(3)領域(1)及び領域(2)の間に位置するデオキシギャップ領域
を含む、ギャップマー型の核酸であり得る。ギャップマー型のUSOとは、DNA(デオキシギャップ領域)と、その両側に、修飾や架橋が導入された核酸とを有する核酸(ウイング領域)であり、該DNA鎖を主鎖として、主鎖に相補的な標的RNAとヘテロ2本鎖核酸を形成し、標的RNAは、細胞に内在するRNase Hにより分解される。ウイング領域の構成ヌクレオチドはRNAであってもDNAであってもよい。
 ギャップマー型USOの5’及び3’ウイング領域は、それぞれ独立して2~5ヌクレオチド長である。また、本発明のギャップマー型USOのデオキシギャップ領域の長さは、7~10ヌクレオチドである。より具体的には、例えば15ヌクレオチド長の「3-9-3」型ギャップマー、「3-10-2」型ギャップマー、「2-10-3」型ギャップマー、「4-9-2」型ギャップマー;16ヌクレオチド長の「3-10-3」型ギャップマー、「4-9-3」型ギャップマー;17ヌクレオチド長の「4-10-3」型ギャップマー、「4-9-4」型ギャップマー;18ヌクレオチド長の「4-10-4」型ギャップマー、「5-9-4」型ギャップマー;19ヌクレオチド長の「5-10-4」型ギャップマー、「5-9-5」型ギャップマー;又は20ヌクレオチド長の「5-10-5」型ギャップマーであり得る。
 ギャップマー型USOは、5’及び3’ウイング領域を構成する少なくとも一つのヌクレオシドの糖部が修飾されていることが好ましい。糖部修飾としては、例えば、2’-OMe、2’-MOE、2'-MCE、前記した架橋型核酸(例、LNA、AmNA、GuNA、scpBNA)による修飾が挙げられる。好ましくは、5’及び3’の各ウイング領域を構成する2以上(例、2、3、4、5個)のヌクレオチド残基が修飾されている。
LNAギャップマー
 LNAギャップマーという用語は、ウイングにおける親和性を増強する修飾ヌクレオシドのうちの少なくとも1個がLNAで修飾されたヌクレオシド(以下、LNAヌクレオシドともいう)である、ギャップマーオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、本発明のUSOは、オリゴヌクレオチドの3'末端ヌクレオシドがLNAヌクレオシドである、LNAギャップマーである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの2個の最も3'にあるヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、LNAギャップマーの5'ウイング及び3'ウイングは両方とも、LNAヌクレオシドを含み、いくつかの態様において、ヌクレオシド修飾オリゴヌクレオチドは、LNAオリゴヌクレオチド、例えばギャップマーオリゴヌクレオチドであり、ここで、オリゴヌクレオチドのヌクレオシドはすべて、LNAヌクレオシド又はDNAヌクレオシドのいずれかである。
混合ウイングギャップマー
 混合ウイングギャップマー又は混合ウイングギャップマーという用語は、ウイング領域の少なくとも1つが、少なくとも1個のLNAヌクレオシド、及び少なくとも1個の非LNA修飾ヌクレオシド、例えば、少なくとも1個の2'置換修飾ヌクレオシド、例えば、2'-O-アルキル、2'-O-メチル(2'-OMe)、2'-アルコキシ、2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)、2'-MCE、2'-アミノ、2'-フルオロ、及び2'-F-ANAヌクレオシドなどを含む、LNAギャップマーを指す。いくつかの態様において、混合ウイングギャップマーは、2'置換修飾ヌクレオシドのみを含む一方のウイング(例えば、5'又は3')、ならびに、2'置換修飾ヌクレオシド及び任意でLNAヌクレオシドを含むもう一方のウイング(例えば、3'又は5')を有する。いくつかの態様において、混合ウイングギャップマーは、ウイングにLNAヌクレオシド及び2’-MOEヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、混合ウイングギャップマーは、ウイングにLNAヌクレオシド及び2'-MCEヌクレオシドを含む。
ミックスマー
 ミックスマーとは、ヌクレオシドの糖部が修飾されたヌクレオシド(以下、糖修飾ヌクレオシド)及びヌクレオシドの糖部がDNAであるヌクレオシド(以下、DNAヌクレオシド)の両方を含むオリゴヌクレオチドであり、ここで、該オリゴヌクレオチドは、4個よりも多くの連続したDNAヌクレオシドを含まない。ミックスマーは、例えば、2'-O-アルキル、2'-O-メチル(2'-OMe)、2'-アルコキシ、2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)、2'-MCE、2'-アミノ、2'-フルオロ、及び2'-F-ANAヌクレオシド、ならびにLNAなどの、親和性を高める糖修飾ヌクレオシドを含むように設計されてもよい。本明細書において、DNAヌクレオシド及び2’-置換修飾ヌクレオシドで構成されるミックスマーを、「2’-置換修飾核酸/DNAミックスマー」と称する。DNAヌクレオシド及び2'-MOE修飾ヌクレオシドで構成されるミックスマーを、「2'-MOE/DNAミックスマー」と称する。DNAヌクレオシド及び2'-MCE修飾ヌクレオシドで構成されるミックスマーを、「2'-MCE/DNAミックスマー」と称する。DNAヌクレオシド及び架橋ヌクレオシドで構成されるミックスマーを、「BNA/DNAミックスマー」と称する。架橋ヌクレオシドは、修飾核酸塩基(例えば、5-メチルシトシン)を含んでもよい。本明細書において、天然デオキシリボヌクレオシド及びLNAヌクレオシドで構成されるミックスマーを、「LNA/DNAミックスマー」と称する。ミックスマーは、必ずしも2種のヌクレオシドだけを含むように制限される必要はない。ミックスマーは、非修飾又は修飾のヌクレオシドであるか否かに関わらず、任意の数の種のヌクレオシドを含み得る。
 いくつかの実施形態では、ミックスマーは、3個よりも多くの連続したDNAヌクレオシドを含まない。いくつかの実施形態では、ミックスマーは、2個よりも多くの連続したDNAヌクレオシドを含まない。いくつかの実施形態では、ミックスマーは、LNAなどの2つ以上(好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上、特に好ましくは5つ以上)の連続した糖部分が修飾された糖リン酸骨格からなる領域を含まない。
トータルマー
 トータルマーとは、オリゴヌクレオチド中に存在するヌクレオシドがすべて、修飾されたヌクレオシドである、ヌクレオシド修飾オリゴヌクレオチドである。トータルマーは、1つのタイプのヌクレオシド修飾のみを含んでもよく、例えば、完全2’-MOE修飾オリゴヌクレオチド、完全2'-MCE修飾オリゴヌクレオチド、完全2'-OMe修飾オリゴヌクレオチド、完全LNA修飾オリゴヌクレオチド、完全モルホリノ修飾オリゴヌクレオチド、完全ペプチド核酸修飾オリゴヌクレオチドであってもよく、又は異なるヌクレオシド修飾体の混合物、例えば、LNAヌクレオシド及び2’-MOEヌクレオシドの混合物を含んでもよい。いくつかの態様において、トータルマーは、1個又は2個の3'末端LNAヌクレオシドを含んでもよい。いくつかの態様において、トータルマーは、任意の数の種の修飾ヌクレオシドを含み得る。
完全モルホリノ修飾オリゴヌクレオチド
 完全モルホリノ修飾オリゴヌクレオチドは、下記一般式で表される基を構成単位とするオリゴヌクレオチドである。
(式中、Base、Wは、前記と同義である。)
 完全モルホリノ修飾オリゴヌクレオチドは、好ましくは、以下の式で表わされる基を構成単位とする完全ホスホロジアミデートモルホリノ修飾オリゴヌクレオチド(本明細書において、PMOともいう))であり、
(式中、Base、R2、R3は、前記と同義である。)
さらに好ましくは、以下の式で表わされる基(ホスホロジメチルアミデートモルホリノ)を構成単位とする完全ホスホロジメチルアミデートモルホリノ修飾オリゴヌクレオチド
(式中、R2及びR3はアルキル、Baseは前記と同義である)である。
完全ペプチド核酸修飾オリゴヌクレオチド
 完全ペプチド核酸修飾オリゴヌクレオチドは、下記一般式で表される基を構成単位とするオリゴヌクレオチドである。
(式中、Baseは、前記と同義である。)
 特に好ましい実施態様において、本発明のUSOは、表1-1ないし表1-6に記載されるヌクレオチド配列と糖、塩基又はヌクレオシド間結合修飾とを有する核酸である(下記ヌクレオチド配列において、TはUであってもよい)。
 各表中、「5」は5-メチルシトシン(mC)を表し、「i」は2’-MOE修飾を表し、「mce」は2’-MCE修飾を表し、「s」は、ホスホロチオエート結合を表す。また、「化合物番号」は、後述の実施例で作製した化合物の番号を示す。
 本発明のUSOは、標的配列に対して相補的な配列を含む一本鎖オリゴヌクレオチド、即ちアンチセンスオリゴヌクレオチドであってもよいし、アンチセンス鎖(「ガイド鎖」ともいう。)と、それに相補的な鎖(「パッセンジャー鎖」ともいう。)とからなる二本鎖オリゴヌクレオチドであってもよい。パッセンジャー鎖配列のガイド鎖配列に対する相補性は、標的配列に対するガイド鎖配列の相補性について前記したのと同義である。
 本発明のUSOが二本鎖オリゴヌクレオチドの場合、一方もしくは両方の鎖に3’-オーバーハングを有していてもよい。オーバーハングを有する場合、オーバーハングの長さは、特に限定されず、下限が、例えば、1ヌクレオチド長であり、上限が、例えば、4ヌクレオチド長、3ヌクレオチド長であり、範囲が、例えば、1~4ヌクレオチド長、1~3ヌクレオチド長、1~2ヌクレオチド長である。オーバーハングの配列は、特に限定されず、A、U、G、C、Tのいずれであってもよい。オーバーハングの配列は、例えば、3’側から、TT、UU、CU、GC、UA、AA、CC、UG、CG、AU等が例示できる。前記オーバーハングは、例えば、TT、UUとすることで、RNA分解酵素に対する耐性を付加できる。
 本発明のUSOが一本鎖オリゴヌクレオチド、即ちアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端、3’末端又は両方の末端に、該USOを導入したい細胞、組織、臓器等へ効率的に送達させ得る機能性分子を結合させることができる。あるいは、機能性分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの内部のヌクレオチドに連結されていてもよい。好ましくは、機能性分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端、3’末端又は両方の末端、さらに好ましくは5’末端に連結している。
 本発明のUSOが二本鎖オリゴヌクレオチドの場合、アンチセンスオリゴヌクレオチド及び/又はパッセンジャー鎖のそれぞれ、5’末端、3’末端又は両方の末端に、該USOを導入したい細胞、組織、臓器等へ効率的に送達させ得る分子を結合させることができる。あるいは、機能性分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチド及び/又はパッセンジャー鎖の内部のヌクレオチドに連結されていてもよい。好ましくは、機能性分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端、3’末端又は両方の末端に連結している。機能性分子としては、前記機能性分子の例が挙げられる。好ましくは、機能性分子は、パッセンジャー鎖の5’末端、3’末端又は両方の末端に連結している。
 本発明のUSOが機能性分子を有する場合、ある特定の実施態様として、DGCR8の発現を促進することにより治療効果を奏し得る22q11.2DSは神経異常を引き起こし、統合失調症、自閉症スペクトラム障害又は注意欠陥・多動性障害などの症状を呈することから、本発明のUSOを中枢神経系の細胞へ送達させることが望ましい。一実施態様において、投与経路として、例えば、静脈注射や皮下注射のような全身投与を用いる場合、血液脳関門(BBB)がUSO送達の障壁となる。そこで、一実施態様として、本発明のUSOは、例えば、機能性分子として、BBBの通過を促進し、中枢神経系の細胞への送達を促進し得る物質、例えば、ホスファチジルエタノールアミン又はその類縁体(国際公開第2019/177061号参照)、トコフェロールもしくはコレステロール又はその類縁体(国際公開第2019/182109号参照)、抗トランスフェリンレセプター(TfR)抗体、抗TfRナノボディー、抗TfRペプチド、ガラクトース、N-アセチルガラクトースアミン(GalNAc)、マンノース、グルコース、グルコサミン、フコース、下記化学式(1)、下記化学式(2)
等を有し得る。機能性分子は1つ以上の機能性分子を用いてもよい。1つ以上の機能性分子を用いる場合、同一の機能性分子を用いてもよいし、異なる機能性分子を用いてもよい。ある特定の実施形態において、機能性分子は、機能性分子をUSOに共有結合させる共役リンカー及び切断可能な部分を含む。
 本明細書で使用されるとき、「切断可能な部分」及び「切断可能な結合」とは、ある特定の生理学的条件下で分割又は切断され得る切断可能な原子結合又は原子群を意味する。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、切断可能な結合である。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、切断可能な結合を含む。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、原子群である。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、リソソーム等の細胞又は細胞内コンパートメント内で選択的に切断される。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ヌクレアーゼ等の内在性酵素によって選択的に切断される。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は4つ以上の切断可能な結合を有する原子群を含む。
 ある特定の実施形態において、機能性分子は、切断可能な部分を含む。ある特定のそのような実施形態において、切断可能な部分は、オリゴマー化合物を共役リンカーに共有結合させる。ある特定のそのような実施形態において、切断可能な部分は、オリゴマー化合物を細胞標的部分に共有結合させる。
 ある特定の実施形態において、切断可能な結合は、アミド、ポリアミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方若しくは両方のエステル、リン酸エステル、カルバメート、ジスルフィド、又はペプチドの中から選択される。ある特定の実施形態において、切断可能な結合は、ホスホジエステルのエステルの1つである。ある特定の実施形態において、切断可能な結合は、ホスホジエステルのエステルの1つ又は両方である。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、オリゴマー化合物と機能性分子の残りとの間のホスホジエステル結合である。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、オリゴマー化合物と機能性分子の残りとの間に位置するホスホジエステル結合を含む。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ホスフェート又はホスホジエステルを含む。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ホスホジエステル結合又はホスホロチオエート結合のいずれかによって共役リンカーに結合される。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ホスホジエステル結合によって共役リンカーに結合される。ある特定の実施形態において、機能性分子は、切断可能な部分を含まない。
 ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、切断可能なヌクレオシド又は修飾ヌクレオシドである。ある特定の実施形態において、ヌクレオシド又は修飾ヌクレオシドは、プリン、置換プリン、ピリミジン、又は置換ピリミジンから選択される任意選択的に保護された複素環塩基を含む。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ウラシル、チミン、シトシン、4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチルシトシン、4-N-ベンゾイル-5-メチルシトシン、アデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、グアニン及び2-N-イソブチリルグアニンから選択されるヌクレオシドである。
 ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ホスホジエステル結合によってオリゴマー化合物の3’又は5’-末端ヌクレオシドに結合され、かつホスホジエステル又はホスホロチオエート結合によって機能性分子の残りに共有結合される、2’-デオキシヌクレオシドである。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ホスホジエステル結合によってオリゴマー化合物の3’又は5’-末端ヌクレオシドに結合され、かつホスホジエステル又はホスホロチオエート結合によって機能性分子の残りに共有結合される、2’-デオキシアデノシンである。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ホスホジエステル結合によって3’-末端ヌクレオシド又は修飾ヌクレオシドの3’-ヒドロキシル基の3’-酸素原子に結合される2’-デオキシアデノシンである。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、ホスホジエステル結合によって5’-末端ヌクレオシド又は修飾ヌクレオシドの5’-ヒドロキシル基の5’-酸素原子に結合される2’-デオキシアデノシンである。ある特定の実施形態において、切断可能な部分は、オリゴマー化合物のヌクレオシド又は修飾ヌクレオシドの2’位に結合される。
 本明細書で使用されるとき、機能性分子の文脈において「共役リンカー」とは、細胞標的部分を、直接的に又は切断可能な部分を介してオリゴマー化合物に共有結合させる任意の原子又は原子群を含む機能性分子の一部分を意味する。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル(-S-)、及びヒドロキシルアミノ(-O-N(H)-)から選択される基を含む。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、及びエーテル基から選択される基を含む。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、アルキル基及びアミド基から選択される基を含む。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、アルキル基及びエーテル基から選択される基を含む。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、少なくとも1つのリン結合基を含む。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、少なくとも1つのホスホジエステル基を含む。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、少なくとも1つの中性結合基を含む。
 ある特定の実施形態において、共役リンカーは、オリゴマー化合物に共有結合する。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、オリゴマー化合物及び分岐基に共有結合する。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、オリゴマー化合物及びテザーリガンドに共有結合する。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、切断可能な部分に共有結合する。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、切断可能な部分及び分岐基に共有結合する。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、切断可能な部分及びテザーリガンドに共有結合する。ある特定の実施形態において、共役リンカーは、1つ以上の切断可能な結合を含む。ある特定の実施形態において、機能性分子は、共役リンカーを含まない。
 本明細書で使用されるとき、「分岐基」とは、2つ以上のテザーリガンド及び機能性分子の残りとの共有結合を形成することができる少なくとも3つの位置を有する原子群を意味する。概して、分岐基は、共役リンカー及び/又は切断可能な部分を介してテザーリガンドをオリゴマー化合物に接続するための複数の反応部位を提供する。ある特定の実施形態において、分岐基は、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル、及びヒドロキシルアミノ基から選択される基を含む。ある特定の実施形態において、分岐基は、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル、及びヒドロキシルアミノ基から選択される基を含む分岐脂肪族基を含む。そのようなある特定の実施形態において、分岐脂肪族基は、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、及びエーテル基から選択される基を含む。そのようなある特定の実施形態において、分岐脂肪族基は、アルキル、アミノ、及びエーテル基から選択される基を含む。そのようなある特定の実施形態において、分岐脂肪族基は、アルキル及びエーテル基から選択される基を含む。ある特定の実施形態において、分岐基は、単環式又は多環式環系を含む。
 ある特定の実施形態において、分岐基は、共役リンカーに共有結合する。ある特定の実施形態において、分岐基は、切断可能な部分に共有結合する。ある特定の実施形態において、分岐基は、共役リンカー、及びテザーリガンドの各々に共有結合する。ある特定の実施形態において、分岐基は、1個以上の切断可能な結合を含む。ある特定の実施形態において、機能性分子は、分岐基を含まない。ある特定の実施形態において、本明細書に提供される機能性分子は、少なくとも1つのテザーリガンドを有する細胞標的部分を含む。ある特定の実施形態において、細胞標的部分は、分岐基に共有結合した2つのテザーリガンドを含む。ある特定の実施形態において、細胞標的部分は、分岐基に共有結合した3つのテザーリガンドを含む。
 本明細書で使用されるとき、「テザー」とは、リガンドを機能性分子の残りに接続する原子群を意味する。ある特定の実施形態において、各テザーは、アルキル、置換アルキル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、アミノ、オキソ、アミド、ホスホジエステル、及びポリエチレングリコール基から選択される1つ以上の基を任意の組み合わせで含む直鎖状脂肪族基である。ある特定の実施形態において、各テザーは、アルキル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、アミノ、オキソ、アミド、及びポリエチレングリコール基から選択される1つ以上の基を任意の組み合わせで含む直鎖状脂肪族基である。ある特定の実施形態において、各テザーは、アルキル、置換アルキル、ホスホジエステル、エーテル、及びアミノ、オキソ、アミド基から選択される1つ以上の基を任意の組み合わせで含む直鎖状脂肪族基である。ある特定の実施形態において、各テザーは、アルキル、エーテル、及びアミノ、オキソ、アミド基から選択される1つ以上の基を任意の組み合わせで含む直鎖状脂肪族基である。ある特定の実施形態において、各テザーは、アルキル、アミノ、及びオキソ基から選択される1つ以上の基を任意の組み合わせで含む直鎖状脂肪族基である。ある特定の実施形態において、各テザーは、アルキル及びオキソ基から選択される1つ以上の基を任意の組み合わせで含む直鎖状脂肪族基である。ある特定の実施形態において、各テザーは、アルキル及びホスホジエステルから選択される1つ以上の基を任意の組み合わせで含む直鎖状脂肪族基である。ある特定の実施形態において、各テザーは、少なくとも1つのリン結合基又は中性結合基を含む。
 上述の機能性分子、共役基を含むアンチセンス化合物等の共役オリゴマー化合物、テザー、共役リンカー、分岐基、リガンド、切断可能な部分、ならびに他の修飾のいくつかの調製を教示する代表的な米国特許、米国特許出願公開、及び国際特許出願公開としては、US5,994,517、US6,300,319、US6,660,720、US6,906,182、US7,262,177、US7,491,805、US8,106,022、US7,723,509、US2006/0148740、US2011/0123520、WO2013/033230、及びWO2012/037254が挙げられるが、これらに限定されず、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
 上述の機能性分子、機能性分子を含むアンチセンス化合物等の共役オリゴマー化合物、テザー、共役リンカー、分岐基、リガンド、切断可能な部分、ならびに他の修飾のいくつかの調製を教示する代表的な出版物としては、BIESSEN et al.,“The Cholesterol Derivative of a Triantennary Galactoside with High Affinity for the Hepatic Asialoglycoprotein Receptor:a Potent Cholesterol Lowering Agent”J.Med.Chem.(1995)38:1846-1852、BIESSEN et al.,“Synthesis of Cluster Galactosides with High Affinity for the Hepatic Asialoglycoprotein Receptor”J.Med.Chem.(1995)38:1538-1546、LEE et al.,“New and more efficient multivalent glyco-ligands for asialoglycoprotein receptor of mammalian hepatocytes”Bioorganic &Medicinal Chemistry(2011)19:2494-2500、RENSEN et al.,“Determination of the Upper Size Limit for Uptake and Processing of Ligands by the Asialoglycoprotein Receptor on Hepatocytes in Vitro and in Vivo”J.Biol.Chem.(2001)276(40):37577-37584、RENSEN et al.,“Design and Synthesis of Novel N-Acetylgalactosamine-Terminated Glycolipids for Targeting of Lipoproteins to the Hepatic Asialoglycoprotein Receptor”J.Med.Chem.(2004)47:5798-5808、SLIEDREGT et al.,“Design and Synthesis of Novel Amphiphilic Dendritic Galactosides for Selective Targeting of Liposomes to the Hepatic Asialoglycoprotein Receptor”J.Med.Chem.(1999)42:609-618、及びValentijn et al.,“Solid-phase synthesis of lysine-based cluster galactosides with high affinity for the Asialoglycoprotein Receptor”Tetrahedron,1997,53(2),759-770が挙げられるが、これらに限定されない。
 本発明のUSOは、自体公知の化学合成法により製造することができる。例えば、ホスホロアミダイト法及びH-ホスホネート法等が挙げられる。当該化学合成法は、例えば、市販の自動核酸合成機を用いて実施することができ、アミダイトを使用する場合、例えば、市販のアミダイトとして、RNA Phosphoramidites(2’-O-TBDMSi、商品名、三千里製薬)、ACEアミダイト及びTOMアミダイト、CEEアミダイト、CEMアミダイト、TEMアミダイト等を用いることができる。本発明のUSOが二本鎖オリゴヌクレオチドである場合、ガイド鎖とパッセンジャー鎖とをそれぞれ別個に合成した後、例えば、アニーリングバッファー(例えば、10 mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5), 20 mM NaCl)にて両者を混合し、90℃で加熱変性後、徐冷してアニーリングさせることにより製造することができる。
2.本発明のUSOの用途
 本発明のUSOは、DGCR8 mRNA又はDGCR8 pre-mRNAの5’UTRに存在するMIR3618領域中の特定の領域(X領域又はY領域、好ましくはX’領域)又はその5’及び3’近傍に特異的にハイブリダイズし、DGCR8の発現を促進することができる。従って、本発明はまた、本発明のUSOを含有してなるDGCR8の発現促進剤を提供する。
 本発明のDGCR8の発現促進剤は、例えば、DGCR8の発現が低下している対象に、本発明のUSOを単独で、あるいは薬理学的に許容される担体とともに接触させることにより、該対象内に導入することができる。当該接触工程は、対象が動物個体の場合、本発明のDGCR8の発現促進剤を該動物に投与することにより行うことができる。また、対象が動物由来の細胞、組織又は器官の培養である場合には、該培養物の培地に本発明のDGCR8の発現促進剤を添加することにより実施することができる。
 本発明のUSOの標的細胞内への導入を促進するために、本発明のDGCR8の発現促進剤は、核酸導入用試薬をさらに含んでいてもよい。該核酸導入用試薬として、アテロコラーゲン;リポソーム;ナノパーティクル;リポフェクチン、リポフェクタミン(lipofectamine)、DOGS(トランスフェクタム)、DOPE、DOTAP、DDAB、DHDEAB、HDEAB、ポリブレン、あるいはポリ(エチレンイミン)(PEI)等の陽イオン性脂質等を用いることができる。また、本発明のUSOの標的細胞内への導入は、例えば、塩化カルシウムを培地に添加するカルシウムイオン富化(CEM)法により行うこともできる。
 DGCR8は、pri-miRNAからpre-miRNAへのプロセッシングに関与し、miRNAの発現を制御するmicroprocessor複合体の必須の構成要素であり、その発現低下はmiRNAの発現制御の異常をきたし、ひいてはグローバルな遺伝子発現の異常を引き起こして種々の疾患や病態を惹起する。そのような疾患・病態としては、例えば、
(1)精神疾患[例、22q11.2DS、統合失調症(例、陽性症状、陰性症状、認知機能障害、妄想型統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、解体型統合失調症、緊張型統合失調症、未分化統合失調症、残遺型統合失調症)、統合失調症スペクトラム障害、運動障害、精神遅滞、偏執傾向、統合失調症様障害、うつ病、大うつ病、抑うつエピソード、小うつ病性障害、双極性うつ病、気分変調性障害、持続性抑うつ障害、情動障害(例、季節性情動障害等)、再発性うつ病、産後うつ病、ストレス性障害、精神病(妄想性障害及び統合失調症を含む)に併発する大うつ病性障害、躁病又は混合気分エピソード、軽躁気分エピソード、非定型な特徴を伴ううつ病エピソード、憂鬱な特徴を伴ううつ病エピソード、緊張性の特徴を伴ううつ病エピソード、脳卒中後のうつエピソード、無快楽症(anhedonia)を伴ううつ病、無快楽症を伴う大うつ病、無快楽症を伴う小うつ病性障害、無快楽症を伴う双極性うつ病、無快楽症を伴う気分変調性障害、無快楽症を伴う持続性抑うつ障害、無快楽症を伴う情動障害、無快楽症を伴う再発性うつ病、無快楽症を伴う産後うつ病、無快楽症を伴うストレス性障害、無快楽症を伴う双極性障害、無快楽症を伴う統合失調症、無快楽症を伴う不安障害、無快楽症を伴う気分障害、無快楽症を伴うアルツハイマー病、無快楽症を伴うレヴィー小体型認知症、無快楽症を伴うパーキンソン病、無快楽症を伴うハンチントン病、無快楽症を伴う無快楽症を伴う治療抵抗性大うつ病、無快楽症を伴う治療抵抗性双極性障害、うつ症状、躁病、躁病エピソード、軽躁病エピソード、躁病様エピソード、軽躁病様エピソード、せん妄、認知症周辺症状(精神症状もしくは行動異常)、不安、全般性不安障害、不安症候群、気分障害、気分循環性障害、月経前不快気分障害、全般性不安障害、不安症候群、パニック障害、恐怖症、社会性恐怖症、社会性不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス症候群、心的外傷後ストレス障害、統合失調感情障害、妄想型又はうつ病型の統合失調感情障害、妄想型の人格障害、トゥーレット症候群、脆弱X症候群、レット症候群、適応障害、双極性障害(I型双極性障害及びII型双極性障害を含む)、神経症、薬物依存症、緊張症、神経症、疲労感、慢性疲労症候群、気力の減退、不安神経症、強迫神経症、恐慌性障害、てんかん、不安症状、不快精神状態、情緒異常、感情循環気質、神経過敏症、失神、耽溺、性欲低下、精神病性大うつ病、難治性大うつ病、治療抵抗性うつ病、治療抵抗性大うつ病、大うつ病における認知機能障害、治療抵抗性双極性障害、抑うつ症候群、かんしゃく、体重増加、体重減少、精神運動焦燥、精神運動制止、無価値観、罪責感、思考力や集中力の減退、自殺念慮、自殺企図、メランコリア、精神病性障害(例、短期精神病性障害、共有精神病性障害)、肥満症により誘発される精神病、妄想性障害、ヌーナン症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、ベックウィズ・ヴィーディマン症候群、シルバー・ラッセル症候群、結節性硬化症、ウィリアムズ症候群、カルマン症候群、ルビンスタイン・タイビー症候群、食行動障害及び摂食障害群、摂食障害、異食症、反芻症、回避・制御性食物摂取症、無食欲症、神経性無食欲症(神経性やせ症、拒食症)、心因性食思不振、非定型神経性無食欲症、過食症、神経性過食症(神経性大食症)、神経性食欲亢進、非定型神経性過食症、過食性障害、心因性過食、心因性妊娠嘔吐、心因性嘔吐]、
(2)神経変性疾患[例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老人性認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、ハンチントン病に付随する認知症、多発脳梗塞性認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン型認知症、パーキンソン型前頭側頭認知症、アルコール性認知症又は他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍又は脳外傷に付随する認知症、脳外傷に付随する神経変性、脳卒中に付随する神経変性、脳梗塞に付随する神経変性、低血糖に付随する神経変性、てんかん発作に付随する神経変性、神経毒中毒症に付随する神経変性、多系統萎縮症、脊髄損傷、エイズ関連認知症、進行性核上麻痺、ピック症候群、ニーマン-ピック症候群、大脳皮質基底核変性症、ダウン症、血管性認知症(VaD)(例、多発脳梗塞性認知症、戦略的な部位の単一病変によるVaD、小血管病変性認知症、低灌流性VaD、脳出血性VaD、慢性硬膜下血腫等)、脳炎後パーキンソン症候群、レヴィー小体型認知症、HIV性認知症、筋萎縮性脊髄側索硬化症(ALS)、運動神経原性疾患(MND)、クロイツフェルト・ヤコブ病又はプリオン病、脳性麻痺、多発性硬化症、ニューロミオパチー]、
(3)健忘障害、軽度認知障害、学習障害[例、読字障害、算数障害、書字表出障害]、又は加齢に伴う認知・記憶障害[例、加齢性記憶障害、老人性認知症]、
(4)睡眠障害[例、内在因性睡眠障害(例、精神生理性不眠等)、外在因性睡眠障害、概日リズム障害(例、時間帯域変化症候群(時差ボケ)、交代勤務睡眠障害、不規則型睡眠覚醒パターン、睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒等)、睡眠時随伴症(例、ノンレム睡眠からの覚醒障害(例、睡眠時遊行症型、睡眠時驚愕症型等等)、悪夢障害、レム睡眠障害、レストレスレッグス症候群等)、内科又は精神科障害(例、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳血管性痴呆、統合失調症、うつ病、不安神経症)に伴う睡眠障害、ストレス性不眠症、不眠症、不眠性神経症、睡眠時無呼吸症候群(例、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸等)、睡眠時関連低換気(例、原発性肺胞低換気症候群、先天性中枢性低換気症候群等)、ナルコレプシー、カタプレキシー、過眠障害]、
(5)発達障害、特に知的障害(精神発達遅滞)を有する疾患[自閉症スペクトラム、レット症候群、ダウン症、カブキ症候群、脆弱性X症候群、Kleefstra症候群、神経線維腫症(例、神経線維腫症1型)、ヌーナン症候群、結節性硬化症、フェニルケトン尿症、染色体異常(ダウン症など)、外傷性の脳挫傷やけいれん性疾患、ポリオ、麻疹、百日咳、テイ-サックス病、神経線維腫症、甲状腺機能低下症、発達性及びてんかん性脳症(DEE)]、
(6)麻酔薬、外傷性疾患、又は神経変性疾患等に起因する呼吸抑制、
(7)疼痛[例、心因性疼痛(身体表現性障害、疼痛性障害、身体化障害、心気症、転換性障害、うつを伴う慢性痛、心因性舌痛症、心因性頭痛、心因性背部痛、心因性腹痛、神経性耳痛、身体型疼痛障害、精神痛、心因性性交疼痛症)、炎症性疼痛、急性疼痛、癌性持続痛、癌性突出痛、癌性疼痛、持続痛、身体痛、突出痛、慢性疼痛(例、難治性疼痛、開胸術後疼痛症候群、末梢神経障害性疼痛、末梢性神経障害性疼痛、神経障害性疼痛、中枢神経障害性疼痛、中枢性神経障害性疼痛、中枢性脳卒中後疼痛等)、圧痛、全身痛、鈍痛、皮膚疼痛症、放散痛、頭痛(例、炎症性頭痛、顔面痛、後頭部痛、歯性顔面痛、習慣性頭痛、神経痛性頭痛、前頭部痛、側頭部痛、頭頚部痛、頭重感、頭頂部痛、発作性頭痛、頬部痛、牽引性頭痛、口腔内灼熱症候群、一次性頭痛、精神疾患による頭痛、片頭痛、慢性群発頭痛、群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛、反復性群発頭痛、発作性片側頭痛、反復性発作性片側頭痛、慢性発作性片側頭痛、短時間持続性片側神経痛様頭痛発作、血管性頭痛、筋収縮性頭痛、緊張型頭痛、反復性緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、外傷性頭痛、慢性外傷後頭痛、薬物乱用頭痛、スルーダー神経痛、トロサ・ハント症候群、眼性頭痛、混合性頭痛、持続性片側頭痛、一次性咳嗽性頭痛、一次性運動時頭痛、性行為に伴う一次性頭痛、寒冷刺激による頭痛、一次性雷鳴頭痛、一次性穿刺様頭痛、貨幣状頭痛、睡眠時頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、てんかん発作による頭痛、高血圧性頭痛、鼻・副鼻腔疾患による頭痛、緊張性頭痛等)、三叉神経障害(例、三叉神経痛、非定型顔面痛、三叉神経過敏症、三叉神経ニューロパチー等)、舌咽神経障害(例、舌咽神経痛等)、迷走神経障害 (例、上喉頭神経痛、迷走神経痛等)、舌下神経障害、多発性脳神経障害、帯状疱疹後神経痛、帯状疱疹後三叉神経痛、帯状疱疹後多発性ニューロパシー、神経痛性筋萎縮症、幻肢痛、断端神経痛、求心路遮断痛、腰椎坐骨神経痛、上肢の単ニューロパシー(例、正中神経神経痛、尺骨神経痛等)、下肢の単ニューロパシー(例、異常感覚性大腿痛等)、肋骨ニューロパシー(例、肋間神経痛等)、神経障害性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、糖尿病性神経痛(例、1型糖尿病性神経痛、2型糖尿病性神経痛等)、心臓神経痛、持続性身体表現性疼痛障、流行性胸膜痛、自律神経反射性疼痛、脊髄痛、腰椎穿刺後頭痛、眼痛、耳痛、視床痛、咽頭痛、鼻痛、歯痛、顎痛、舌痛症、直腸痛、関節痛、腰痛、脊椎痛、筋肉痛、神経痛]、
(8)変形性関節症[例、一次性変形性関節症、二次性変形性関節症、変形性肘関節症、変形性膝関節症、変形性股関節症]、
(9)外傷性脳損傷及びそれに伴う障害あるいは合併症、脳震盪後症候群、乳児のゆさぶられ症候群、脳卒中、加齢黄斑変性、眼球口蓋振戦、痙攣、脳梗塞、脳出血、難聴、放射線性嗜眠症候群、神経性食欲不振、摂食障害、神経性無食欲症、過食症、その他の摂食障害、ギャンブル依存症、ゲーム依存症、肥満、糖尿病、筋肉痙攣、メニエール病、自律神経失調症、脱毛症、緑内障、高血圧、心臓病、頻脈、心不全、過呼吸、気管支喘息、無呼吸、乳幼児突然死症候群、炎症性疾患、アレルギー疾患、インポテンス、更年期障害、不妊症、癌、HIV感染による免疫不全症候群、自己免疫性脳炎(例、自己免疫性辺縁系脳炎)、ストレスによる免疫不全症候群、脳脊髄膜炎、末端肥大症、失禁、メタボリック・シンドローム、骨粗しょう症、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ストレス性胃腸障害、嘔吐、消化性潰瘍、下痢、便秘、術後イレウス、
等が挙げられる。
 本発明のUSOによりDGCR8の発現を促進すると、microprocessor複合体の活性が回復し、miRNAの発現制御異常が改善され、上記の疾患や病態に対して治療及び/又は予防効果を奏し得る。従って、本発明はまた、本発明のUSOを含有してなるDGCR8の発現低下が関与する疾患や病態を改善するための医薬を提供する。本発明のUSOを有効成分とする医薬は、例えば、22q11.2DS、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の治療及び/又は予防剤として用いることができる。
 本発明の医薬は、DGCR8の発現が低下している対象に、上記と同様にして接触させることができる。本発明のUSOは単独で用いてよいし、あるいは医薬上許容される担体とともに、医薬組成物として製剤化してもよい。
 医薬上許容される担体としては、例えば、ショ糖、デンプン等の賦形剤、セルロース、メチルセルロース等の結合剤、デンプン、カルボキシメチルセルロース等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、エアロジル等の滑沢剤、クエン酸、メントール等の芳香剤、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の保存剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム等の安定剤、メチルセルロース、ポリビニルピロリド等の懸濁剤、界面活性剤等の分散剤、水、生理食塩水等の希釈剤、ベースワックス等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
 本発明のUSOの標的細胞内への導入を促進するために、本発明の医薬は核酸導入用試薬をさらに含んでいてもよい。該核酸導入用試薬としては、上述したものと同様のものを用いることができる。
 また、本発明の医薬は、本発明のUSOがリポソームに封入されてなる医薬組成物であってもよい。リポソームは、1以上の脂質二重層により包囲された内相を有する微細閉鎖小胞であり、通常は水溶性物質を内相に、脂溶性物質を脂質二重層内に保持することができる。本明細書において「封入」という場合には、本発明のUSOはリポソーム内相に保持されてもよいし、脂質二重層内に保持されてもよい。本発明に用いられるリポソームは単層膜であっても多層膜であってもよく、また、粒子径は、例えば10~1000nm、好ましくは50~300nmの範囲で適宜選択できる。標的組織への送達性を考慮すると、粒子径は、例えば200nm以下、好ましくは100nm以下であり得る。
 オリゴヌクレオチドのような水溶性化合物のリポソームへの封入法としては、リピドフィルム法(ボルテックス法)、逆相蒸発法、界面活性剤除去法、凍結融解法、リモートローディング法等が挙げられるが、これらに限定されず、任意の公知の方法を適宜選択することができる。
 あるいは、例えば、国際公開第2019/131770号に記載される脂質ナノ粒子に本発明のUSOを含有させて製剤化することもできる。
 本発明の医薬は、経口的に又は非経口的に、哺乳動物(例:ヒト、サル、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ウシ)に対して投与することが可能であるが、非経口的に投与するのが望ましい。非経口投与の具体例としては、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、皮内投与、筋肉内投与、局所投与(例:脳室内投与、髄腔内投与)等を挙げることができる。
 BBBを通過させ、本発明のUSOを効率よく中枢神経系の細胞に送達させるために、ナノバブル(ウルトラファインバブル)水もしくは水溶液の投与と、超音波処理とを組み合わせることもできる(例えば、国際公開第2019/131723号、国際公開第2020/261464号等を参照)。
 非経口的な投与に好適な製剤としては、水性及び非水性の等張な無菌の注射液剤があり、これには抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、等張化剤等が含まれていてもよい。また、水性及び非水性の無菌の懸濁液剤が挙げられ、これには懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤等が含まれていてもよい。当該製剤は、アンプルやバイアルのように単位投与量あるいは複数回投与量ずつ容器に封入することができる。また、有効成分及び医薬上許容される担体を凍結乾燥し、使用直前に適当な無菌のビヒクルに溶解又は懸濁すればよい状態で保存することもできる。
 医薬組成物中の本発明のUSOの含有量は、例えば、医薬組成物全体の約0.1ないし100重量%である。
 本発明の医薬の投与量は、投与の目的、投与方法、対象疾患の種類、重篤度、投与対象の状況(性別、年齢、体重など)によって異なるが、例えば、成人に全身投与する場合、通常、本発明のUSOの一回投与量として2 nmol/kg以上50 nmol/kg以下、局所投与する場合、1 pmol/kg以上10 nmol/kg以下が望ましい。かかる量を、例えば1~6か月、好ましくは2~4か月、より好ましくは約3か月の間隔で投与することができる。
 特定の実施形態において、本発明の医薬は、水、日本薬局方溶出試験第2液、又は日本薬局方崩壊試験第2液に対する溶解性に優れ、体内動態(例、血中薬物半減期、脳内移行性、代謝安定性、CYP阻害)に優れ、毒性が低く(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性、光毒性等の点から医薬として、より優れている)、かつ副作用も少ない等の医薬品として優れた性質も有する。
 本発明の医薬は、本発明のUSOとの配合により好ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよい。他の活性成分(併用薬剤と略記することがある)としては、例えば、22q11.2DS、統合失調症、自閉症スペクトラム障害又は注意欠陥・多動性障害等に対して治療効果を有する種々の化合物を適宜配合することができる。例えば、他の活性成分として、クロルプロマジン、ハロペリドール、レボメプロマジン、スルピリド、チミペロン、プロペリシアジン、ブロムペリドール、ゾテピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ペロスピロン ルーラン、アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、プロチゾラム、ブロナンセリン、クロザピン、パリペリドン、アセナピン、ブレクスピプラゾールなどの抗精神病薬を含有していてもよい。これらの併用薬剤は、本発明の医薬とともに製剤化して単一の製剤として投与することもできるし、あるいは、本発明の医薬とは別個に製剤化して、本発明の医薬と同一もしくは別ルートで、同時もしくは時間差をおいて投与することもできる。また、これらの併用薬剤の投与量は、該薬剤を単独投与する場合に通常用いられる量であってよく、あるいは通常用いられる量より減量することもできる。
 本発明は、更に以下の実施例及び試験例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
実施例1
 表2-1ないし表2-6に示す各18merのオリゴヌクレオチドを、北海道システム・サイエンス株式会社又は株式会社ジーンデザインにて合成した。
 マススペクトル(MS)は、質量分析装置により測定した。分子イオンピークが観測されるがフラグメントイオンとして観測されることがある。データは実測値(found)又は、Waters MassLynxを用いたMaxEnt1などによるデコンボリューション処理で求めた計算値を示す。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
(表中、「5」は5-メチルシトシン(mC)を表し、「i」は2’-MOE修飾を表し、「mce」は2’-MCE修飾を表し、「s」は、ホスホロチオエート結合を表す。)
試験例1:DGCR8 5’UTRレポーターによる翻訳抑制性RNA cis-elementの探索
(1) リバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子を発現するヒトH4細胞株(H4-tet-on)の作製
 ヒトneuroglioma H4細胞(ATCC(登録商標) HTB-148)(ATCC社)は、10%牛胎児血清及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Thermo社)を添加したDMEM(high glucose, GlutaMAX Supplement, pyruvate含有)培地(Thermo社)を利用し、5%CO2、37℃の条件にて培養する。Lipofectamine 3000(Thermo社)を用いてインストラクションに従いpTet-On advanced vector(Takara Bio社)をH4細胞へトランスフェクションし、700 μg/ml Geneticin(登録商標) Selective Antibiotic(Invitrogen社)にてTet-制御性トランスアクチベータータンパク質Tet-On Advancedの安定発現細胞H4-tet-onを選択する。H4-tet-onはTrypsin-EDTA (0.05 %) (Thermo社)にてトリプシン処理して維持継代する。
(2) DGCR8 5’UTRレポーターによるRNA cis-elementの探索のためのベクターコンストラクトの調製
 双方向性テトラサイクリン誘導性発現ベクターpTRE-Tight-BI(配列番号92)(Takara Bio社)のマルチクローニングサイト(MCS)-IIのEcoRI/Xba Iサイトに、N-terminal nuclear localization signal (NLS)とC-terminal PEST cDNAを有するVenus cDNA(配列番号93)をサブクローニングした。さらに、MCS-IサイトのXma I/Cla Iサイトに、(1)502 ntからなるhuman DGCR8 5'UTR-WT01配列(配列番号94)(図1)及び(2)414 ntからなるhuman DGCR8 5'UTR-mu01(配列番号95)(図1)から選ばれる1つのヒトDGCR8 5’UTR周辺配列と、N-terminal NLSとC-terminal PEST cDNAを有すtdTomato cDNA(配列番号96)をサブクローニングした。なお、502 ntからなる5’UTR-WT01配列は野生型配列であり、一方、414 ntからなる5’UTR-mu01は特定の領域(配列番号5)を欠失している。ヒトDGCR8 5’UTR周辺配列中のファーストメチオニンをコードする可能性のある3つのATGは、下流に存在するtdTomato ORFと翻訳フレームが一致するようにデザインされている。
(3) DGCR8 5’UTRレポーターによる翻訳抑制性RNA cis-elementの探索
 H4-tet-onへ各種pTRE-Tight-BIベクター、pTRE-Tight-BI-Venus-tdTomato-control(controlと表記)、pTRE-Tight-BI-Venus-5’UTR-WT01-tdTomato(5’UTR-WT01と表記)、及びpTRE-Tight-BI-Venus-5’UTR-mu01-tdTomato(5’UTR-mu01と表記)を導入する際には、CellCarrier-96 (PerkinElmer社)に10000 cells/wellにて播種してから1日経過後、Lipofectamine 3000(Thermo Fisher Scientific社)を用いてインストラクションに従ってトランスフェクションした。さらに3時間経過後、100 ng/ml Doxycycline(Takara Bio社)を含む培地へ交換し、さらに1日間培養した。その後細胞を4% Paraformaldehydeにて15分間4℃にて固定化した。細胞蛍光像はオールインワン蛍光顕微鏡システムBZ-X700/710(キーエンス社)を利用した。CFI Plan Fluor DL 4×対物レンズ、GFP用 BZ-Xフィルタ (OP-87763)、TRITC用BZ-Xフィルタ(OP-87764)、ハイブリットセルカウントソフトウェア(BZ-H3C)を用いて、Venusタンパク質(GFP用フィルタを使用)及びtdTomatoタンパク質(TRITC用フィルタを使用)由来の1細胞あたりの蛍光量を計測し、x軸にVenus蛍光量(G)、y軸にtdTomato蛍光量(R)をプロットした際の近似1次直線の傾き(R/G)を6 well分、算出した。有意差検定は、T-testを利用した。結果を表3に示す。5’UTR-WT01はcontrolと比較してtdTomatoの蛍光強度が強く低下したことから(P=0.000000017)、502 ntあるヒトDGCR8 5’UTR周辺配列中に翻訳抑制RNA cis-elementの存在が強く示唆された。一方、5’UTR-mu01においては、5’UTR-WT01にて認められたtdTomatoの蛍光強度の低下が、5’UTR-WT01と比較して有意に緩和された(P=0.00015)。したがって、 5’UTR-mu01において欠失させた特定の領域が翻訳抑制RNA cis-elementである可能性が示唆された。
試験例2:ヒト細胞株を用いた内因性DGCR8タンパク質発現促進効果
 7500から10000cells/wellにてヒトH4-tet-on細胞を96 well plateへ播種し、24時間経過後、化合物1~27について、57 nMにてLipofectamine RNAiMAX reagent(Thermo Fisher Scientific社)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクションを開始してから48時間経過後に細胞を回収し、ウェスタンブロット法によりDGCR8タンパク質及びベータアクチン(ACTB)タンパク質を、それぞれ1次抗体としてラビット抗DGCR8抗体(アブカム社)及びラビット抗ベータアクチン抗体(CST社)、2次抗体として抗ラビットIgG, HRP-linked antibody(CST社)を用い、SignalFire ECL Reagent(CST社)を使用して可視化し解析した。そして、ベータアクチンに対するDGCR8タンパク質発現レベルを算出した。コントロールサンプル(アンチセンスオリゴヌクレオチドなし)におけるDGCR8タンパク質レベル(C)に対して、各アンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたサンプルにおけるDGCR8タンパク質発現レベル(E)の相対的な量(E/C)の結果を表4に示す。
 いずれのDGCR8 USOもDGCR8タンパク質発現レベルを増大させた。
試験例3:DGCR8 USO のヒト細胞株におけるDGCR8タンパク質発現に対する発現促進効果
 7.5 x 103cells/wellにてヒトH4-tet-on細胞を96 well plateへ播種し、24時間経過後、DGCR8 USO(化合物21又は化合物23)を終濃度が0ないし57 nMの種々の濃度となるようLipofectamine RNAiMAX reagent(Thermo Fisher Scientific社)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクションを開始してから48時間経過後に細胞を回収し、ウェスタンブロット法によりDGCR8タンパク質及びベータアクチンタンパク質を、それぞれ1次抗体としてラビット抗DGCR8抗体(アブカム社)及びラビット抗ベータアクチン抗体(CST社)、2次抗体として抗ラビットIgG, HRP-linked antibody(CST社)を用い、SignalFire ECLReagent(CST社)を使用して可視化し解析した。そして、ベータアクチンに対するDGCR8タンパク質発現レベルを算出した。コントロールサンプル(アンチセンスオリゴヌクレオチドなし)におけるDGCR8タンパク質レベルの平均値(C)に対して、各アンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたサンプルにおけるDGCR8タンパク質発現レベル(E)の相対的な量(E/C)を算出した。いずれのDGCR8 USOも濃度依存的にDGCR8タンパク質の発現レベルを増大させた。USO濃度57 nMの結果を表5に示す。
試験例4:DGCR8 USO のマウス細胞株におけるDGCR8タンパク質発現に対する発現促進効果
 1.5 x 104cells/wellにてマウスNSC-34細胞を96 well plateへ播種し、24時間経過後、DGCR8 USO(化合物21又は化合物23)を終濃度が0ないし57 nMの種々の濃度となるようLipofectamine RNAiMAX reagent(Thermo Fisher Scientific社)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクションを開始してから48時間経過後に細胞を回収し、ウェスタンブロット法によりDGCR8タンパク質及びベータアクチンタンパク質を、それぞれ1次抗体としてラビット抗DGCR8抗体(アブカム社)及びラビット抗ベータアクチン抗体(CST社)、2次抗体として抗ラビットIgG, HRP-linked antibody(CST社)を用い、SignalFire ECL Reagent(CST社)を使用して可視化し解析した。そして、ベータアクチンに対するDGCR8タンパク質発現レベルを算出した。コントロールサンプル(アンチセンスオリゴヌクレオチドなし)におけるDGCR8タンパク質レベルの平均値(C)に対して、各アンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたサンプルにおけるDGCR8タンパク質発現レベル(E)の相対的な量(E/C) を算出した。いずれのDGCR8 USOも濃度依存的にDGCR8タンパク質の発現レベルを増大させた。USO濃度57 nMの結果を表6に示す。
試験例5:DGCR8 USO のマウス脳室内投与によるDGCR8タンパク質発現促進効果の検証試験
 7週齢の雄マウス(C57BL/6J Jcl)を4匹で1群とし、vehicle(saline) 投与群(n=4)、DGCR8 USO(化合物21)1 mM 投与群(10 nmol/mice, n=4)、 DGCR8 USO(化合物21)3 mM 投与群(30 nmol/mice, n=4)、 DGCR8 USO(化合物21)10 mM 投与群(100 nmol/mice, n=4)に対して脳室内投与した。投与容量は10μL/個体とし、投与してから7日経過後に海馬(hippocampus)を採取した。採取した組織中のDGCR8タンパク質発現レベルは、Wesキャピラリー電気泳動システム(Protein Simple社)、Anti-Rabbit Detection Module for Jess, Wes, Peggy Sue or Sally Sue(Protein Simple社)、及び12-230 kDa Jess or Wes Separation Module, 8 x 25 capillary cartridge(Protein Simple社)を用いてラビット抗DGCR8抗体(Proteintech社)により検出されるシグナルを、Total Protein Detection Module for Jess, Wes, Peggy Sue or Sally Sue(Protein Simple社)により計測される総タンパク質量で補正し、各群4個体での平均値を算出した。結果を表7に示す。DGCR8 USO(化合物21)は、濃度依存的に海馬におけるDGCR8タンパク質の発現レベルを増大させた。 
 なお、2群間の差の統計的有意性を評価するために、Aspin-Welch検定を実施し、P値≦0.05の差を有意とした。被験化合物の複数回投与の効果を検討した実験では、分散の同質性を検定するため、Bartlett検定を用いて統計的有意性を分析した。対照群と被験化合物投与の用量依存効果を比較するために、両側検定のWilliams検定(Williams, D.A. (1971) Biometrics, 27, 103-117)(パラメトリックデータについて、Bartlett検定でP>0.05)又は両側検定のShirley-Williams検定(Shirley E.A. (1977) Biometrics, 33, 386-389)(ノンパラメトリックデータについて、Bartlett検定でP≦0.05)を行った。P値≦0.05の差を有意とみなした。
試験例6:ヒト細胞株を用いた内因性DGCR8タンパク質発現促進効果
 7500から10000 cells/wellにてヒトH4-tet-on細胞を96 well plateへ播種し、24時間経過後、化合物21-1、23-1、33、39、45、47、48、55-64、69-75及び77-79について、57 nMにてLipofectamine RNAiMAX reagent(Thermo Fisher Scientific社)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクションを開始してから48時間経過後に細胞を回収し、ウェスタンブロット法によりDGCR8タンパク質及びベータアクチン(ACTB)タンパク質を、それぞれ1次抗体としてラビット抗DGCR8抗体(アブカム社)及びラビット抗ベータアクチン抗体(CST社)、2次抗体として抗ラビットIgG, HRP-linked antibody(CST社)を用い、SignalFire ECL Reagent(CST社)を使用して可視化し解析した。そして、ベータアクチンに対するDGCR8タンパク質発現レベルを算出した。コントロールサンプル(アンチセンスオリゴヌクレオチドなし)におけるDGCR8タンパク質レベル(C)に対して、各アンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたサンプルにおけるDGCR8タンパク質発現レベル(E)の相対的な量(E/C)の結果を表8に示す。
 いずれのDGCR8 USOも、濃度依存的にDGCR8タンパク質の発現レベルを増大させた。
 本発明のASOは、DGCR8 mRNA又はDGCR8 pre-mRNAからタンパク質への翻訳の負の制御を解除し、DGCR8タンパク質の発現を促進することができるので、例えば22q11.2DSのように、DGCR8遺伝子座のヘテロ欠失によってDGCR8タンパク質の量が不足することで生じる疾患やそれに伴う病態(例、統合失調症等)に対して根本的な治療及び予防手段を提供することができ、極めて有用である。
 本出願は、日本で出願された特願2022-106501(出願日:2022年6月30日)を基礎としておりその内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (23)

 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号86で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号6~32及び34~85で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号1又は2で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号6~32のいずれかで表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、請求項2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号3で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号11~20のいずれかで表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、請求項2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号87で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号34~74のいずれかで表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、請求項2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号88で表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列と80%以上相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 12~30個の連結したヌクレオチド長からなり、配列番号75~85のいずれかで表されるヌクレオチド配列中の前記ヌクレオチド長と等しい長さの連続するヌクレオチドからなる配列を含む、請求項2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 前記修飾オリゴヌクレオチドが、DGCR8 mRNAまたはDGCR8 pre-mRNAと結合する、請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 17~19個の連結したヌクレオチド長からなる、請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 18個の連結したヌクレオチド長からなる、請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 修飾オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 糖-リン酸骨格の1種以上の修飾を含む、請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 2’-MOE修飾核酸又はホスホロジメチルアミデートモルホリノを含む糖-リン酸骨格を含む、請求項15に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩を含有してなる医薬。
 DGCR8の発現促進剤である、請求項17に記載の医薬。
 22q11.2欠失症候群、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の予防又は治療剤である請求項17に記載の医薬。
 22q11.2欠失症候群、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の予防又は治療に使用するための、請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩。
 請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩を哺乳動物に有効量投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるDGCR8の発現促進方法。
 請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩を哺乳動物に有効量投与することを特徴とする、該哺乳動物における22q11.2欠失症候群、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の予防又は治療方法。
 22q11.2欠失症候群、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害又は変形性関節症の予防又は治療剤を製造するための、請求項1又は2に記載の修飾オリゴヌクレオチド又はその塩の使用。
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