WO2023286661A1 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ Download PDF

Info

Publication number
WO2023286661A1
WO2023286661A1 PCT/JP2022/026743 JP2022026743W WO2023286661A1 WO 2023286661 A1 WO2023286661 A1 WO 2023286661A1 JP 2022026743 W JP2022026743 W JP 2022026743W WO 2023286661 A1 WO2023286661 A1 WO 2023286661A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
internal electrode
holes
ceramic capacitor
layer
multilayer ceramic
Prior art date
Application number
PCT/JP2022/026743
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
良太 阿蘓
大介 濱田
Original Assignee
株式会社村田製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社村田製作所 filed Critical 株式会社村田製作所
Priority to JP2023535258A priority Critical patent/JPWO2023286661A1/ja
Publication of WO2023286661A1 publication Critical patent/WO2023286661A1/ja
Priority to US18/527,439 priority patent/US20240096553A1/en

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • H01G4/012Form of non-self-supporting electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/005Electrodes
    • H01G4/008Selection of materials
    • H01G4/0085Fried electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • H01G4/1209Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material
    • H01G4/1218Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on titanium oxides or titanates
    • H01G4/1227Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on titanium oxides or titanates based on alkaline earth titanates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/12Ceramic dielectrics
    • H01G4/1209Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material
    • H01G4/1236Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on zirconium oxides or zirconates
    • H01G4/1245Ceramic dielectrics characterised by the ceramic dielectric material based on zirconium oxides or zirconates containing also titanates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/30Stacked capacitors

Definitions

  • the present invention relates to a multilayer ceramic capacitor.
  • the thickness of the dielectric layer 20 is not particularly limited, and may be, for example, from 0.2 ⁇ m to 1.0 ⁇ m, preferably from 0.3 ⁇ m to 0.5 ⁇ m.
  • the number of dielectric layers 20 is not particularly limited, and may be, for example, 15 or more and 700 or less.
  • the number of dielectric layers 20 is the total number of dielectric layers in the inner layer portion and the number of dielectric layers in the outer layer portion.
  • FIG. 6 is an enlarged view of the internal electrode layers viewed from the stacking direction.
  • each of the internal electrode layers 30, that is, the first internal electrode layers 31 and the second internal electrode layers 32 has a plurality of through holes 30H.
  • These through holes 30H have a high degree of circularity.
  • the laminated sheet is pressed in the lamination direction by means of isostatic pressing or the like to produce a laminated block.
  • the laminated block is cut into a predetermined size to cut out laminated chips. At this time, the corners and ridges of the laminated chips are rounded by barrel polishing or the like.
  • the laminated chip is fired to produce the laminated body 10 .
  • the firing temperature is preferably 900° C. or more and 1400° C. or less, although it depends on the materials of the dielectric and internal electrodes.
  • the Si concentration at the edge of the through hole 30H of the internal electrode layer 30 may be higher than the Si concentration at the center of the through hole 30H.
  • the insulation resistance can be enhanced in the vicinity of the edge of the through-hole 30H where electric field concentration tends to occur.

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

信頼性の低下を抑制する積層セラミックコンデンサを提供する。積層セラミックコンデンサ1は、セラミック材料からなる複数の誘電体層20と複数の内部電極層30とが積層された積層セラミックコンデンサである。複数の内部電極層30の各々は複数の貫通孔を有する。複数の貫通孔の平均円形度は0.6以上である。これにより、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制することができる。

Description

積層セラミックコンデンサ
 本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
 セラミック材料からなる複数の誘電体層と複数の内部電極層とが積層された積層セラミックコンデンサが知られている。このような積層セラミックコンデンサにおいて、更なる小型化、高容量化、および信頼性の向上が求められている。このため、誘電体層の薄層化、内部電極層の薄層化、およびこれらの層の積層数の増加が試みられている。
 特許文献1には、誘電体層が薄層化されると、内部電極層の間の短絡不良が生じる課題が開示されている。そして、特許文献1には、内部電極層の間に導電層を含むことにより、この課題を解決し、信頼性の低下を抑制する発明が開示されている。
特開2013-42110号公報
 ところで、内部電極層が薄層化されると、内部電極層に複数の貫通孔が形成される。内部電極層に貫通孔が形成されると、積層セラミックコンデンサの寿命、すなわち信頼性、が低下することがある。
 本発明は、信頼性の低下を抑制する積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
 本願発明者らは、鋭意検討の結果、積層セラミックコンデンサの寿命は、内部電極層の貫通孔の円形度に依存するとの新たな知見を得た。具体的には、貫通孔の円形度が低いと、すなわち貫通孔の形状が急峻な凹凸を有する形状であると、その急峻な凹凸において電界の集中が生じてしまい、その結果、積層セラミックコンデンサの寿命、すなわち信頼性、が低下してしまう。一方、貫通孔の円形度が高いと、すなわち貫通孔の形状が急峻な凹凸を有さない形状であると、電界の集中が抑制され、その結果、積層セラミックコンデンサの寿命、すなわち信頼性、の低下が抑制される。
 そこで、本発明に係る積層セラミックコンデンサは、セラミック材料からなる複数の誘電体層と複数の内部電極層とが積層された積層セラミックコンデンサであって、前記複数の内部電極層の各々は複数の貫通孔を有し、前記複数の貫通孔の平均円形度は0.6以上である。
 本発明によれば、積層セラミックコンデンサの信頼性の低下を抑制することができる。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのII-II線断面図(LT断面)である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのIII-III線断面図(WT断面)である。 図2に示す積層セラミックコンデンサのIV-IV線断面図(LW断面)である。 図2に示す積層セラミックコンデンサのV-V線断面図(LW断面)である。 本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの内部電極層を積層方向からみた拡大図である。 SEM-EDXを用いて撮像した内部電極層の撮像画像の一例である。 図7AにおけるSi成分画像の一例である。 図7AにおけるMg成分画像の一例である。 比較例の積層セラミックコンデンサの内部電極層を積層方向からみた拡大図である。 本実施形態の変形例1に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図である。 図9に示す積層セラミックコンデンサにおける積層体のLW断面図であって、図4相当の第1の内部電極層を含むLW断面図である。 図9に示す積層セラミックコンデンサにおける積層体のLW断面図であって、図5相当の第2の内部電極層を含むLW断面図である。 本実施形態の変形例2に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図である。 図12に示す積層セラミックコンデンサにおける積層体のLW断面図であって、図4相当の第1の内部電極層を含むLW断面図である。 図12に示す積層セラミックコンデンサにおける積層体のLW断面図であって、図5相当の第2の内部電極層を含むLW断面図である。
 以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
<積層セラミックコンデンサ>
 図1は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図であり、図2は、図1に示す積層セラミックコンデンサのII-II線断面図であり、図3は、図1に示す積層セラミックコンデンサのIII-III線断面図である。図4は、図2に示す積層セラミックコンデンサのIV-IV線断面図であり、図5は、図2に示す積層セラミックコンデンサのV-V線断面図である。図1~図5に示す積層セラミックコンデンサ1は、積層体10と外部電極40とを備える。
 図1~図5には、XYZ直交座標系が示されている。X方向は積層セラミックコンデンサ1および積層体10の長さ方向Lであり、Y方向は積層セラミックコンデンサ1および積層体10の幅方向Wであり、Z方向は積層セラミックコンデンサ1および積層体10の積層方向Tである。これにより、図2に示す断面はLT断面とも称され、図3に示す断面はWT断面とも称される。また、図4および図5に示す断面はLW断面とも称される。
 なお、長さ方向L、幅方向Wおよび積層方向Tは、必ずしも互いに直交する関係になるとは限らず、互いに交差する関係であってもよい。
 積層体10は、略直方体形状であり、積層方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2とを有する。
 積層体10の角部および稜線部には、丸みがつけられていると好ましい。角部は、積層体10の3面が交る部分であり、稜線部は、積層体10の2面が交る部分である。
 図2および図3に示すように、積層体10は、積層方向Tに積層された複数の誘電体層20と複数の内部電極層30とを有する。また、積層体10は、内層部100と、積層方向Tにおいて内層部100を挟み込むように配置された第1の外層部101および第2の外層部102とを有する。
 内層部100は、複数の誘電体層20の一部と複数の内部電極層30とを含む。内層部100では、複数の内部電極層30が誘電体層20を介して対向して配置されている。内層部100は、静電容量を発生させ実質的にコンデンサとして機能する部分である。
 第1の外層部101は、積層体10の第1の主面TS1側に配置されており、第2の外層部102は、積層体10の第2の主面TS2側に配置されている。より具体的には、第1の外層部101は、複数の内部電極層30のうち第1の主面TS1に最も近い内部電極層30と第1の主面TS1との間に配置されており、第2の外層部102は、複数の内部電極層30のうち第2の主面TS2に最も近い内部電極層30と第2の主面TS2との間に配置されている。第1の外層部101および第2の外層部102は、内部電極層30を含まず、複数の誘電体層20のうち内層部100のための一部以外の部分をそれぞれ含む。第1の外層部101および第2の外層部102は、内層部100の保護層として機能する部分である。
 また、図3に示すように、積層体10は、幅方向Wにおいて内部電極層30を挟み込む第1の側面側外層部111および第2の側面側外層部112を有する。第1の側面側外層部111は、積層体10の第1の側面WS1側に位置しており、第2の側面側外層部112は、積層体10の第2の側面WS2側に位置している。より具体的には、第1の側面側外層部111は、内部電極層30の第1の側面WS1側の端と第1の側面WS1との間に位置しており、第2の側面側外層部112は、内部電極層30の第2の側面WS2側の端と第2の側面WS2との間に位置している。第1の側面側外層部111および第2の側面側外層部112は、内部電極層30を含まず、複数の誘電体層20のみを含む。第1の側面側外層部111および第2の側面側外層部112は、内部電極層30の保護層として機能する部分である。なお、第1の側面側外層部111および第2の側面側外層部112は、Wギャップまたはサイドギャップともいう。
 誘電体層20の材料としては、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO、またはCaZrO等を主成分として含む誘電体セラミックを用いることができる。また、誘電体層20の材料としては、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、またはNi化合物等を副成分として添加されてもよい。また、誘電体層20の材料としては、Siを副成分として含有していてもよいし、Mgを副成分として含有していてもよい。
 誘電体層20の厚さは、特に限定されず、例えば0.2μm以上1.0μm以下であってもよく、好ましくは0.3μm以上0.5μm以下である。誘電体層20の枚数は、特に限定されず、例えば15枚以上700枚以下であってもよい。なお、この誘電体層20の枚数は、内層部の誘電体層の枚数と外層部の誘電体層の枚数との総数である。
 図2~図5に示すように、複数の内部電極層30は、複数の第1の内部電極層31および複数の第2の内部電極層32を含む。複数の第1の内部電極層31および複数の第2の内部電極層32は、積層体10の積層方向Tに交互に配置されている。
 第1の内部電極層31は、対向電極部311と引出電極部312とを含み、第2の内部電極層32は、対向電極部321と引出電極部322とを含む。
 対向電極部311と対向電極部321とは、積層体10の積層方向Tにおいて誘電体層20を介して互いに対向している。対向電極部311および対向電極部321の形状は、特に限定されず、例えば略矩形状であればよい。対向電極部311と対向電極部321とは、静電容量を発生させ実質的にコンデンサとして機能する部分である。
 引出電極部312は、対向電極部311から積層体10の第1の端面LS1に向けて延在し、第1の端面LS1において露出している。引出電極部322は、対向電極部321から積層体10の第2の端面LS2に向けて延在し、第2の端面LS2において露出している。引出電極部312および引出電極部322の形状は、特に限定されず、例えば略矩形状であればよい。
 第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、金属Niを主成分として含む。また、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、例えば、Cu、Ag、Pd、またはAu等の金属、またはAg-Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金、から選ばれる少なくとも1つを主成分として含んでもよいし、主成分以外の成分として含んでもよい。また、第1の内部電極層31の一部および第2の内部電極層32の一部にはSnが固溶していてもよい。更に、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、誘電体層20に含まれるセラミックと同一組成系の誘電体の粒子を主成分以外の成分として含んでいてもよい。なお、本明細書において、主成分の金属とは、最も重量%が高い金属成分であると定める。
 第1の内部電極層31および第2の内部電極層32の厚さは、特に限定されず、例えば0.2μm以上2.0μm以下であってもよい。第1の内部電極層31および第2の内部電極層32の枚数は、特に限定されず、例えば15枚以上700枚以下であってもよい。
 上述した積層体10の寸法は、特に限定されず、例えば長さ方向Lの長さL1が0.1mm以上32mm以下であり、幅方向Wの幅W1が0.05mm以上25mm以下であり、積層方向Tの厚さT1が0.05mm以上32mm以下であってもよく、好ましくは、長さ方向Lの長さL1が0.1mm以上1.2mm以下であり、幅方向Wの幅W1が0.1mm以上0.7mm以下であり、積層方向Tの厚さT1が0.1mm以上0.7mm以下であり、更に好ましくは、長さ方向Lの長さL1が0.2mm以上0.5mm以下であり、幅方向Wの幅W1が0.1mm以上0.3mm以下であり、積層方向Tの厚さT1が0.1mm以上0.3mm以下である。また、積層体10の第1の外層部101および第2の外層部102の厚さは、特に限定されず、0.2μm以上40μm以下であってもよく、好ましくは0.5μm以上20μm以下である。
 外部電極40は、第1の外部電極41と第2の外部電極42とを含む。
 第1の外部電極41は、積層体10の第1の端面LS1に配置されており、第1の内部電極層31に接続されている。第1の外部電極41は、第1の端面LS1から、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部に延びていてもよい。また、第1の外部電極41は、第1の端面LS1から、第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部に延びていてもよい。
 第2の外部電極42は、積層体10の第2の端面LS2に配置されており、第2の内部電極層32に接続されている。第2の外部電極42は、第2の端面LS2から、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部に延びていてもよい。また、第2の外部電極42は、第2の端面LS2から、第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部に延びていてもよい。
 第1の外部電極41は、第1の下地電極層415と第1のめっき層416とを有し、第2の外部電極42は、第2の下地電極層425と第2のめっき層426とを有する。
 第1の下地電極層415および第2の下地電極層425は、金属とガラスとを含む焼成層であってもよい。ガラスとしては、B、Si、Ba、Mg、Al、またはLi等から選ばれる少なくとも1つを含むガラス成分が挙げられる。具体例として、ホウケイ酸ガラスを用いることができる。金属としては、Cuを主成分として含む。また、金属としては、例えばNi、Ag、Pd、またはAu等の金属、またはAg-Pd合金等の合金、から選ばれる少なくとも1つを主成分として含んでもよいし、主成分以外の成分として含んでもよい。
 焼成層は、金属およびガラスを含む導電性ペーストをディップ法によって積層体に塗布して焼成した層である。なお、内部電極層の焼成後に焼成されてもよく、内部電極層と同時に焼成されてもよい。また、焼成層は、複数層であってもよい。
 或いは、第1の下地電極層415および第2の下地電極層425は、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む樹脂層であってもよい。樹脂層は、上述した焼成層上に形成されてもよいし、焼成層を形成せずに積層体に直接形成されてもよい。
 樹脂層は、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む導電性ペーストを塗布法によって積層体に塗布して焼成した層である。なお、内部電極層の焼成後に焼成されてもよく、内部電極層と同時に焼成されてもよい。また、樹脂層は、複数層であってもよい。
 焼成層または樹脂層としての第1の下地電極層415および第2の下地電極層425の各々の一層あたりの厚さとしては、特に限定されず、1μm以上10μm以下であってもよい。
 或いは、第1の下地電極層415および第2の下地電極層425は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の薄膜層であってもよい。
 第1のめっき層416は、第1の下地電極層415の少なくとも一部を覆い、第2のめっき層426は、第2の下地電極層425の少なくとも一部を覆う。第1のめっき層416および第2のめっき層426としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、またはAu等の金属、またはAg-Pd合金等の合金から選ばれる少なくとも1つを含む。
 第1のめっき層416および第2のめっき層426の各々は複数層により形成されていてもよい。好ましくは、NiめっきおよびSnめっきの2層構造である。Niめっき層は、下地電極層がセラミック電子部品を実装する際のはんだによって侵食されることを防止することができ、Snめっき層は、セラミック電子部品を実装する際のはんだの濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
 第1のめっき層416および第2のめっき層426の各々の一層あたりの厚さとしては、特に限定されず、1μm以上10μm以下であってもよい。
<<内部電極層>>
 次に、内部電極層30、すなわち第1の内部電極層31および第2の内部電極層32、について更に説明する。図6は、積層方向からみた内部電極層の拡大図である。図6に示すように、内部電極層30、すなわち第1の内部電極層31および第2の内部電極層32、の各々は、複数の貫通孔30Hを有する。これらの貫通孔30Hの円形度は高い。円形度とは、公知の下記式で表される値である。
円形度={4×π×(面積)}/{(周囲長)
すなわち、「円形度が高い」とは、図形的に、急峻な凹凸、換言すれば鋭角な角度の凹凸、を有さない形状であることを意味する。
 具体的には、複数の貫通孔30Hの平均円形度は0.6以上である。これにより、貫通孔30Hにおいて電界の集中を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制することができる。
 内部電極層30の貫通孔30Hの平均円形度の求め方としては、特に限定されないが、例えば以下の一例が挙げられる。
・積層体10の積層方向Tの中央近傍において、所望の内部電極層30から誘電体層20を電解剥離する。なお、積層体10の積層方向Tにおける剥離箇所はこれに限定されない。
・金属顕微鏡、例えば100倍の対物レンズを用いて、所望の内部電極層30の面内中央近傍において、例えば30μm×30μmの大きさの3視野を撮像する。なお、内部電極層30の面内における撮像箇所、視野の大きさはこれに限定されない。
・撮像された画像に対して、内部電極層30が存在する領域と内部電極層30が存在しない領域、すなわち内部電極層30の領域と貫通孔30Hの領域、の2値化画像処理を行う。
・2値化画像において、上記式より貫通孔30H各々の円形度を算出し、視野ごとに貫通孔30H全ての円形度を平均化し、更に3視野の円形度を平均化して、平均円形度を求める。換言すれば、所望の内部電極層30の3視野の貫通孔30Hの円形度の平均値を、積層セラミックコンデンサ1の複数の内部電極層30の貫通孔30Hの平均円形度とする。
 また、複数の貫通孔30Hにおいて、円形度が0.6以上である貫通孔30Hの比率、換言すれば個数比率または存在比率、更に還元すれば存在確立、は60%以上であると好ましい。複数の貫通孔30Hにおいて、円形度が0.6以上である貫通孔30Hの比率は70%以上であると更に好ましい。これにより、貫通孔30Hにおいて電界の集中をより抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下をより抑制することができる。
 内部電極層30の貫通孔30Hの比率の求め方としては、特に限定されないが、例えば以下の一例が挙げられる。
・上述したように、2値化画像において、上記式より貫通孔30H各々の円形度を算出する。
・上述した3視野における全ての貫通孔30Hの個数に対して、円形度が0.6以上である貫通孔30Hの個数の比率を算出する。換言すれば、所望の内部電極層30の3視野の貫通孔30Hの比率を、積層セラミックコンデンサ1の複数の内部電極層30の貫通孔30Hの比率とする。
 図7Aは、SEM-EDXを用いて撮像した内部電極層の撮像画像の一例であり、図7Bは、図7AにおけるSi成分画像の一例であり、図7Cは、図7AにおけるMg成分画像の一例である。
 内部電極層30の貫通孔30Hの各々には、隣接する誘電体層20の一部が充填されている。これにより、貫通孔30H内には、誘電体層20に由来するSiが偏析している。このように貫通孔30Hに充填された誘電体に絶縁性のSiが偏析すると、貫通孔30Hにおける絶縁抵抗性を高めることができる。これにより、貫通孔30Hにおいて電界の集中を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制することができる。
 Siは、貫通孔30Hの縁近傍に偏析していると好ましい。具体的には、貫通孔30Hの縁におけるSiの濃度は、貫通孔30Hの中央におけるSiの濃度よりも高いと好ましい。これにより、電界の集中が生じ易い貫通孔30Hの縁近傍において、絶縁抵抗性を高めることができる。これにより、貫通孔30Hにおいて電界の集中を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制することができる。
 更に、貫通孔30H内には、誘電体層20に由来するMgが偏析していてもよい。換言すれば、複数の貫通孔30HのうちSiが偏析している貫通孔30Hは、誘電体層20に由来するMgが更に偏析している貫通孔を含んでいてもよい。Siが偏析している貫通孔30Hにおいて、Mgが更に偏析している貫通孔30Hの比率は20%以下であると好ましい。詳細は後述する。
 Si、Mgが偏析している貫通孔30Hの比率の求め方としては、特に限定されないが、例えば波長分散型X線分析(WDX)またはエネルギー分散型X線分析(EDX)と、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)とを用いる以下の一例が挙げられる。
・上述したように、積層体10の積層方向Tの中央近傍において、所望の内部電極層30から誘電体層20を電解剥離する。なお、積層体10の積層方向Tにおける剥離箇所はこれに限定されない。
・上述したように、例えばSEM-EDXを用いて、所望の内部電極層30の面内中央近傍において、例えば30μm×30μmの大きさの3視野を撮像する。なお、内部電極層30の面内における撮像箇所、視野の大きさはこれに限定されない。
・撮像された画像において、Siが偏析している貫通孔30Hの個数を算出する。具体的には、図7Aおよび図7Bにおいて、領域R1および領域R2のように、Siが偏析している貫通孔30Hの個数を算出する。
・撮像された画像において、Siが偏析しており、更にMgが偏析している貫通孔30Hの個数を算出する。具体的には、図7A~図7Cにおいて、領域R1のように、Siが偏析しており、更にMgが偏析している貫通孔30Hの個数を算出する。
・上述した3視野において、Siが偏析している貫通孔30Hの個数に対して、Mgが更に偏析している貫通孔30Hの個数の比率を算出する。換言すれば、所望の内部電極層30の3視野の貫通孔30Hの比率を、積層セラミックコンデンサ1の複数の内部電極層30の貫通孔30Hの比率とする。
<製造方法>
 次に、上述した積層セラミックコンデンサ1の製造方法の一例について説明する。まず、誘電体層20用の誘電体シートおよび内部電極層30用の導電性ペーストを準備する。誘電体シートおよび導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれる。バインダおよび溶剤としては公知の材料を用いることができる。
 次に、誘電体シート上に導電性ペーストを、例えば所定のパターンで印刷することにより、誘電体シート上に内部電極パターンを形成する。内部電極パターンの形成方法としては、スクリーン印刷またはグラビア印刷等を用いることができる。
 次に、内部電極パターンが印刷されていない第2の外層部102用の誘電体シートを所定枚数積層する。その上に、内部電極パターンが印刷された内層部100用の誘電体シートを順次積層する。その上に、内部電極パターンが印刷されていない第1の外層部101用の誘電体シートを所定枚数積層する。これにより、積層シートが作製される。
 次に、静水圧プレス等の手段により、積層シートを積層方向にプレスし、積層ブロックを作製する。次に、積層ブロックを所定のサイズにカットし、積層チップを切り出す。このとき、バレル研磨等により積層チップの角部および稜線部に丸みをつける。次に、積層チップを焼成し、積層体10を作製する。焼成温度は、誘電体や内部電極の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
 このとき、内部電極と誘電体との各焼結を最適化することにより、内部電極を焼結した後に、誘電体を焼結してもよい。上述したように、内部電極層30は複数の貫通孔30Hを有し、貫通孔30H内には、誘電体層20の一部が充填され、誘電体層20に由来するSiが偏析する。貫通孔30Hに充填される誘電体にSiが偏析すると、この誘電体の軟化点を高くすることができる。これにより、内部電極に大きな貫通孔30Hが形成されることを抑制することができる。また、貫通孔30Hの円形度を高くすることができる。
 また、上述したように、貫通孔30H内には、誘電体層20に由来するMgが偏析するが、Siが偏析する貫通孔において、Mgが更に偏析する貫通孔の比率は20%以下であると好ましい。SiにMgが解けると、上述したSiによる誘電体の軟化点を高める効果が低減する。そのため、貫通孔30HのMgの偏析は、所定量以下であると好ましい。
 また、Mgはセラミックの粒成長を促すために誘電体層20に配合される元素であり、セラミックの粒径が大きいほど、大きな誘電率を確保することできる。そのため、貫通孔30H内の誘電体にMgが偏析すると、内部電極層30の貫通孔30Hを広げてしまう。よって、貫通孔30HのMgの偏析は、所定量以下であると好ましい。これにより、内部電極層30の貫通孔30Hが大きくなることを抑制することができる。
 次に、ディップ法を用いて、積層体10の第1の端面LS1を下地電極層用の電極材料である導電性ペーストに浸漬することによって、第1の端面LS1に第1の下地電極層415用の導電性ペーストを塗布する。同様に、ディップ法を用いて、積層体10の第2の端面LS2を下地電極層用の電極材料である導電性ペーストに浸漬することによって、第2の端面LS2に第2の下地電極層425用の導電性ペーストを塗布する。その後、これらの導電性ペーストを焼成することにより、焼成層である第1の下地電極層415および第2の下地電極層425が形成される。焼成温度は、600℃以上900℃以下であることが好ましい。
 なお、上述したように、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む導電性ペーストを塗布法によって塗布して焼成することによって、樹脂層である第1の下地電極層415および第2の下地電極層425を形成してもよいし、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により、薄膜である第1の下地電極層415および第2の下地電極層425を形成してもよい。
 その後、第1の下地電極層415の表面に第1のめっき層416を形成して第1の外部電極41を形成し、第2の下地電極層425の表面に第2のめっき層426を形成して第2の外部電極42を形成する。以上の工程により、上述した積層セラミックコンデンサ1が得られる。
 以上説明したように、本願発明者らは、鋭意検討の結果、積層セラミックコンデンサ1の寿命は、内部電極層30の貫通孔30Hの円形度に依存するとの新たな知見を得た。具体的には、図8に示すように、貫通孔30Hの円形度が低いと、すなわち貫通孔30Hの形状が急峻な凹凸を有する形状であると、その急峻な凹凸において電界の集中が生じてしまい、その結果、積層セラミックコンデンサの寿命、すなわち信頼性、が低下してしまう。一方、図6に示すように、貫通孔30Hの円形度が高いと、すなわち貫通孔30Hの形状が急峻な凹凸を有さない形状であると、電界の集中が抑制され、その結果、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下が抑制される。
 この点に関し、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、内部電極層30の貫通孔30Hの平均円形度は0.6以上である。これにより、貫通孔30Hにおいて電界の集中を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制することができる。
 更に、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、内部電極層30の複数の貫通孔30Hにおいて、円形度が0.6以上である貫通孔30Hの比率は60%以上であってもよい。更に、内部電極層30の複数の貫通孔30Hにおいて、円形度が0.6以上である貫通孔30Hの比率は70%以上であってもよい。これにより、貫通孔30Hにおいて電界の集中をより抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下をより抑制することができる。
 また、本願発明者らは、鋭意検討の結果、積層セラミックコンデンサ1の寿命は、内部電極層30の貫通孔30Hに充填される誘電体の成分に依存するとの新たな知見を得た。具体的には、図7Aおよび図7Bに示すように、貫通孔30Hに充填される誘電体に、誘電体層20に由来する絶縁性の物質が偏析すると、電界の集中が抑制され、その結果、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下が抑制される。
 この点に関し、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、内部電極層30の貫通孔30H内には、誘電体層20の一部が充填されており、誘電体層20に由来するSiが偏析している。このように貫通孔30Hに充填された誘電体に絶縁性のSiが偏析すると、貫通孔30Hにおける絶縁抵抗性を高めることができる。これにより、貫通孔30Hにおいて電界の集中を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制することができる。
 更に、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、内部電極層30の貫通孔30Hの縁におけるSiの濃度は、貫通孔30Hの中央におけるSiの濃度よりも高くてもよい。これにより、電界の集中が生じ易い貫通孔30Hの縁近傍において、絶縁抵抗性を高めることができる。これにより、貫通孔30Hにおいて電界の集中を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制することができる。
 ところで、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造において、内部電極と誘電体との各焼結を最適化することにより、内部電極を焼結した後に、誘電体を焼結してもよい。上述したように、内部電極層30の貫通孔30Hに充填される誘電体にSiが偏析すると、この誘電体の軟化点を高くすることができる。これにより、内部電極に大きな貫通孔30Hが形成されることを抑制することができる。また、貫通孔30Hの円形度を高くすることができる。
 ところで、内部電極層30の貫通孔30H内には、誘電体層20に由来するMgが更に偏析する。この点に関し、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、内部電極層30の複数の貫通孔30Hのうち、Siが偏析している貫通孔30Hにおいて、Mgが更に偏析している貫通孔30Hの比率は20%以下であってもよい。SiにMgが解けると、上述したSiによる誘電体の軟化点を高める効果が低減する。そのため、貫通孔30HのMgの偏析は、所定量以下であると好ましい。
 また、Mgはセラミックの粒成長を促すために誘電体層20に配合される元素であり、セラミックの粒径が大きいほど、大きな誘電率を確保することできる。そのため、貫通孔30H内の誘電体にMgが偏析すると、内部電極層30の貫通孔30Hを広げてしまう。よって、貫通孔30HのMgの偏析は、所定量以下であると好ましい。これにより、内部電極層30の貫通孔30Hが大きくなることを抑制することができる。
 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、積層体10の端面LS1およびLS2に外部電極40が形成された積層セラミックコンデンサ1を例示した。しかし、本発明の特徴はこれに限定されず、例えば積層体10の側面WS1およびWS2に外部電極が形成された積層セラミックコンデンサにも適用可能である。
 また、上述した実施形態では、2つの外部電極を備える2端子型の積層セラミックコンデンサ1を例示した。しかし、本発明の特徴はこれに限定されず、3つ以上の外部電極を備える多端子型の積層セラミックコンデンサにも適用可能である。このような多端子型の積層セラミックコンデンサとしては、例えば、等価直列インダクタンス(Equivalent Series Inductance:ESL)を低減する積層セラミックコンデンサが挙げられる。このような多端子型の積層セラミックコンデンサとして、3端子型の積層セラミックコンデンサと8端子型の積層セラミックコンデンサとの2つの変形例を以下に例示する。
(変形例1)
 図9は、本実施形態の変形例1に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図であり、図10は、図9に示す積層セラミックコンデンサにおける積層体のLW断面図であって、図4相当の第1の内部電極層を含むLW断面図であり、図11は、図9に示す積層セラミックコンデンサにおける積層体のLW断面図であって、図5相当の第2の内部電極層を含むLW断面図である。図9~図11に示す変形例1の積層セラミックコンデンサ1は、ESLを低減する3端子型の積層セラミックコンデンサである。
 変形例1の積層セラミックコンデンサ1は、図1~5に示す積層セラミックコンデンサ1において、外部電極40として第1の外部電極41、第2の外部電極42、第3の外部電極43および第4の外部電極44を備える。
 第1の外部電極41は、積層体10の第1の端面LS1に配置されており、第2の外部電極42は、積層体10の第2の端面LS2に配置されている。また、第3の外部電極43は、積層体10の第1の側面WS1に配置されており、第4の外部電極44は、積層体10の第2の側面WS2に配置されている。
 第1の内部電極層31は、積層体10の第1の端面LS1および第2の端面LS2において露出しており、第1の外部電極41および第2の外部電極42に接続されている。また、第2の内部電極層32は、積層体10の第1の側面WS1および第2の側面WS2において露出しており、第3の外部電極43および第4の外部電極44に接続されている。
(変形例2)
 図12は、本実施形態の変形例2に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図であり、図13は、図12に示す積層セラミックコンデンサにおける積層体のLW断面図であって、図4相当の第1の内部電極層を含むLW断面図であり、図14は、図12に示す積層セラミックコンデンサにおける積層体のLW断面図であって、図5相当の第2の内部電極層を含むLW断面図である。図12~図14に示す変形例2の積層セラミックコンデンサ1は、ESLを低減する8端子型の積層セラミックコンデンサである。
 変形例2の積層セラミックコンデンサ1は、図1~5に示す積層セラミックコンデンサ1において、外部電極40として第1の外部電極41、第2の外部電極42、第3の外部電極43、第4の外部電極44、第5の外部電極45、第6の外部電極46、第7の外部電極47および第8の外部電極48を備える。
 第1の外部電極41、第7の外部電極47、第3の外部電極43および第8の外部電極48は、積層体10の第1の側面WS1に、第1の端面LS1から第2の端面LS2に向けてこの順で配置されている。また、第5の外部電極45、第3の外部電極43、第6の外部電極46および第4の外部電極44は、積層体10の第2の側面WS2に、第1の端面LS1から第2の端面LS2に向けてこの順で配置されている。
 第1の内部電極層31は、積層体10の第1の側面WS1および第2の側面WS2において露出しており、第1の外部電極41、第2の外部電極42、第3の外部電極43および第4の外部電極44に接続されている。また、第2の内部電極層32は、積層体10の第1の側面WS1および第2の側面WS2において露出しており、第5の外部電極45、第6の外部電極46、第7の外部電極47および第8の外部電極48に接続されている。
 以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
 図1~図5に示す本実施形態の積層セラミックコンデンサを実施例1~17として作製するとともに、比較例1~6の積層セラミックコンデンサを作製した。実施例1~17および比較例1~6の積層セラミックコンデンサの主な構成、すなわち積層セラミックコンデンサのチップサイズLW、誘電体層の材料、内部電極層の材料、積層セラミックコンデンサの素子(積層体)厚さT、および電極(内部電極層)厚さ、は表1の通りである。ここで、
BTは、BaおよびTiであり、
BCTは、Ba、TiおよびCaであり、
CZは、CaおよびZr、すなわちペロブスカイト型化合物である。
 また、実施例1~17および比較例1~6の積層セラミックコンデンサの主な特徴、すなわち内部電極層の貫通孔の平均円形度、内部電極層の貫通孔の円形度0.4未満、0.4以上1.0未満、および1.0以上、更に3.0以上の存在比率、および、内部電極層の貫通孔のうちSiが偏析されている貫通孔においてMgが更に偏析している貫通孔の存在比率、は表2の通りである。
 貫通孔の平均円形度の算出方法は、上述した一例の通りである。すなわち、
・積層体の積層方向の中央近傍において、所望の内部電極層から誘電体層を電解剥離し、
・金属顕微鏡、100倍の対物レンズを用いて、所望の内部電極層の面内中央近傍において、30μm×30μmの大きさの3視野を撮像し、
・撮像された画像に対して、内部電極層の領域と貫通孔の領域との2値化画像処理を行い、
・2値化画像において、上記式より貫通孔各々の円形度を算出し、視野ごとに貫通孔全ての円形度を平均化し、更に3視野の円形度を平均化して、平均円形度を求めた。
 貫通孔の円形度ごとの存在比率の算出方法は、上述した一例の通りである。すなわち、
・上述したように、2値化画像において、上記式より貫通孔各々の円形度を算出し、
・上述した3視野における全ての貫通孔の個数に対して、円形度ごとに貫通孔の個数の比率を算出する。
 内部電極層の貫通孔のうちSiが偏析されている貫通孔においてMgが更に偏析している貫通孔の存在比率の算出方法は、上述した一例の通りである。すなわち、
・上述したように、積層体の積層方向の中央近傍において、所望の内部電極層から誘電体層を電解剥離し、
・上述したように、SEM-EDXを用いて、所望の内部電極層の面内中央近傍において、30μm×30μmの大きさの3視野を撮像し、
・撮像された画像において、Siが偏析している貫通孔を20個算出し、
・撮像された画像において、Siが偏析している20個の貫通孔において、Mgが更に偏析している貫通孔の個数を算出し、
・上述した3視野において、Siが偏析している20個の貫通孔に対して、Mgが更に偏析している貫通孔の個数の比率を算出する。
(評価)
 実施例および比較例の積層セラミックコンデンサの信頼性試験として、HALT(Highly Accelerated Limit Test)を行った。
HALTとは、仕様を超える温度および振動等のストレスを試験対象物に加え、稼動限界および/または破壊限界、換言すれば仕様に対する稼動マージンおよび/または破壊マージンを明らかにする試験、いわゆる加速試験および/または破壊試験、である。HALTにより、仕様に対するマージン、すなわち信頼性を、短期間に試験することができる。
HALTの条件は、以下の通りである。
温度150℃、電圧30V
 HALTの評価結果として、壊れた時間(Mean Time To Failure:MTTF)に基づく3段階判定を表2に示す。「壊れた」ことの判定値としては、端子間絶縁抵抗100kΩ以下とした。3段階判定では、MTTFが10時間以上である場合に◎、MTTFが5時間以上10時間未満である場合に〇、MTTFが5時間未満である場合に×とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2によれば、
・内部電極層の貫通孔の平均円形度が0.6以上であると、積層セラミックコンデンサの寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制できることがわかる。
・また、内部電極層の複数の貫通孔において、円形度が0.6以上である貫通孔の比率が60%以上、好ましくは70%以上であると、積層セラミックコンデンサの寿命、すなわち信頼性、の低下をより抑制できることがわかる。
・また、Siが偏析している貫通孔30Hに対して、Mgが更に偏析している貫通孔の比率が20%以下であると、積層セラミックコンデンサの寿命、すなわち信頼性、の低下を抑制できることがわかる。
 1 積層セラミックコンデンサ
 10 積層体
 20 誘電体層
 30 内部電極層
 31 第1の内部電極層
 311 第1の対向電極部
 312 第1の引出電極部
 32 第2の内部電極層
 321 第2の対向電極部
 322 第2の引出電極部
 30H 貫通孔
 40 外部電極
 41 第1の外部電極
 415 第1の下地電極層
 416 第1のめっき層
 42 第2の外部電極
 425 第2の下地電極層
 426 第2のめっき層
 43 第3の外部電極
 44 第4の外部電極
 45 第5の外部電極
 46 第6の外部電極
 47 第7の外部電極
 48 第8の外部電極
 100 内層部
 101 第1の外層部
 102 第2の外層部
 111 第1の側面側外層部
 112 第2の側面側外層部
 L 長さ方向
 T 積層方向
 W 幅方向
 LS1 第1の端面
 LS2 第2の端面
 TS1 第1の主面
 TS2 第2の主面
 WS1 第1の側面
 WS2 第2の側面

Claims (3)

  1.  セラミック材料からなる複数の誘電体層と複数の内部電極層とが積層された積層セラミックコンデンサであって、
     前記複数の内部電極層の各々は、複数の貫通孔を有し、
     前記複数の貫通孔の平均円形度は0.6以上である、
    積層セラミックコンデンサ。
  2.  前記複数の貫通孔において、円形度が0.6以上である貫通孔の比率は60%以上である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3.  前記複数の貫通孔において、円形度が0.6以上である貫通孔の比率は70%以上である、請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
PCT/JP2022/026743 2021-07-15 2022-07-05 積層セラミックコンデンサ WO2023286661A1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023535258A JPWO2023286661A1 (ja) 2021-07-15 2022-07-05
US18/527,439 US20240096553A1 (en) 2021-07-15 2023-12-04 Multilayer ceramic capacitor

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021117046 2021-07-15
JP2021-117046 2021-07-15

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
US18/527,439 Continuation US20240096553A1 (en) 2021-07-15 2023-12-04 Multilayer ceramic capacitor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2023286661A1 true WO2023286661A1 (ja) 2023-01-19

Family

ID=84926263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2022/026743 WO2023286661A1 (ja) 2021-07-15 2022-07-05 積層セラミックコンデンサ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20240096553A1 (ja)
JP (1) JPWO2023286661A1 (ja)
WO (1) WO2023286661A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52136354A (en) * 1976-05-10 1977-11-15 Murata Manufacturing Co Laminated ceramic capacitor
JP2001217137A (ja) * 2000-02-04 2001-08-10 Tdk Corp 積層セラミック電子部品およびその製造方法
JP2004273975A (ja) * 2003-03-12 2004-09-30 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミックコンデンサ
JP2016072484A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社村田製作所 セラミック電子部品及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52136354A (en) * 1976-05-10 1977-11-15 Murata Manufacturing Co Laminated ceramic capacitor
JP2001217137A (ja) * 2000-02-04 2001-08-10 Tdk Corp 積層セラミック電子部品およびその製造方法
JP2004273975A (ja) * 2003-03-12 2004-09-30 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミックコンデンサ
JP2016072484A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社村田製作所 セラミック電子部品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20240096553A1 (en) 2024-03-21
JPWO2023286661A1 (ja) 2023-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10622152B2 (en) Multi-layer ceramic capacitor and method of producing the same
US10366838B2 (en) Laminated ceramic electronic component and method for manufacturing same
US10734159B2 (en) Multilayer ceramic capacitor and method for manufacturing multilayer ceramic capacitor
US11367574B2 (en) Multilayer ceramic capacitor
CN112201477B (zh) 电容器组件
CN112201475B (zh) 电容器组件
CN112242247B (zh) 多层陶瓷电子组件
US20180075968A1 (en) Multilayer ceramic capacitor
US20240194411A1 (en) Multilayer ceramic capacitor
JP2024069636A (ja) 積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの実装構造
WO2023127643A1 (ja) 積層セラミックコンデンサ
WO2023286661A1 (ja) 積層セラミックコンデンサ
WO2023286662A1 (ja) 積層セラミックコンデンサ
US9947475B2 (en) Ceramic capacitor and method for manufacturing same
US11557438B2 (en) Multilayer capacitor
CN216015095U (zh) 层叠陶瓷电容器
CN216773071U (zh) 层叠陶瓷电容器
WO2024062684A1 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2023050813A (ja) 積層セラミックコンデンサ
KR20240090991A (ko) 적층 세라믹 콘덴서
JP2023073705A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2019204902A (ja) 積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 22842005

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2023535258

Country of ref document: JP

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE