WO2023276360A1

WO2023276360A1 - 軸継手用弾性部材

Info

Publication number: WO2023276360A1
Application number: PCT/JP2022/014553
Authority: WO
Inventors: 泰季 ▲高▼▲瀬▼
Original assignee: 株式会社東郷製作所
Priority date: 2021-06-28
Filing date: 2022-03-25
Publication date: 2023-01-05

Abstract

弾性部材（１０）は、雄継手（５）と雌継手（２）の嵌合で軸同士を連結させる軸継手構造（１）に用いられる。弾性部材（１０）は、環状の基板部（１１）を有する。基板部（１１）は、雄継手（５）の軸方向先端の雄継手端面（５ｂ）に対向する第１面（１１ａ）を具備する。さらに基板部（１１）は、雌継手（２）の軸方向先端の雌継手端面（３ａ）に対向する第２面（１１ｂ）を具備する。弾性部材（１０）は、基板部（１１）を自然状態よりも外径の小さい縮径状態に弾性的に変形可能かつ縮径状態から弾性的に拡径可能である変形機構を有する。

Description

軸継手用弾性部材

　本開示の１つの形態は、軸継手用弾性部材に関する。例えば軸継手用弾性部材は、雄継手と雌継手の嵌合で軸同士を連結させる軸継手構造に用いられる。

　従来、軸継手構造として、例えばスプライン構造が利用されている。スプライン構造は、外歯を有する雄継手と内歯を有する雌継手を有する。雄継手と雌継手が嵌合して、軸同士を軸方向に連結させる。例えばモータの駆動力が軸継手構造を介して上流側の軸から下流側の軸へ伝達される。軸継手構造には、雄継手と雌継手を嵌合させるために、雄継手と雌継手の軸方向の間にクリアランスが設けられている。そのため外力によって隙間分だけ軸同士が相対的に傾斜する場合がある。軸同士が相対的に傾斜すると軸継手構造が摩耗し易くなる。また、軸方向のがたつきが生じて異音が発生する場合がある。

　特許第５０４８８０４号公報に記載のスプライン構造は、雄継手と雌継手の軸方向の間に金属製の弾性部材を有している。さらに雄継手の軸方向の先端に位置する雄継手端面には、第２の弾性部材が装着される。第２の弾性部材は、樹脂製またはゴム製である。金属製の弾性部材は、第２の弾性部材の軸方向端面（雄継手端面）と、雌継手の軸方向の先端に位置する雌継手端面の間に配置される。そのため弾性部材によって雄継手と雌継手の間に軸方向の弾性力が発生する。換言すると雄継手端面と雌継手端面は、弾性的に緩衝された状態で軸方向に対向する。そのため、例えばスプライン構造が外力を受ける場合でも、雄継手端面と雌継手端面が軸方向に対向する姿勢が弾性的に維持される。これによりスプライン構造における軸同士の相対的な傾動変位が吸収される。

　金属製の弾性部材は、雌継手の内歯よりも奥側に配置される。金属製の弾性部材をスプライン構造に組込むためには、雌継手の内歯よりも奥側に進入させる必要がある。そのため金属製の弾性部材は、複数の内歯の先端と接する内接円よりも小さい外径で設けられる。したがって金属製の弾性部材は、軸心に近い領域で雄継手端面と雌継手端面に当接する。そのため金属製の弾性部材による軸方向の弾性力は、軸心に近い領域でのみ作用する。仮に金属製の弾性部材のみで軸同士の相対的な傾動変位を吸収する場合、その弾性係数を非常に高くする必要がある。部品点数を少なくしてシンプルな構造にするために、軸同士の相対的な傾動変位を吸収する弾性部材に代わる傾斜・傾動抑制構造が依然として求められている。例えば雄継手と雌継手を軸方向に押圧することで軸同士の相対的な傾斜や傾動を矯正する弾性部材の改良は引き続き関心を集めている。

　軸同士の相対的な傾斜や傾動を矯正する弾性部材を軸継手構造に組込む場合、弾性部材と雄継手または雌継手との当接位置を軸心から径方向に遠ざけることが望ましい。そのためには弾性部材の外径を大きく設けることが望ましい。しかしながら外径の大きい弾性部材をそのまま軸継手構造に組込むことは困難である。したがって雄継手と雌継手の軸方向の間に外径が大きい状態で軸継手構造に組込むことができる弾性部材が必要とされている。

　本開示の１つの特徴は、雄継手と雌継手の嵌合で軸同士を連結させる軸継手構造に用いられる弾性部材に関する。弾性部材は、基板部を有している。基板部は、雄継手の軸方向先端の雄継手端面に対向する環状の第１面を具備する。さらに基板部は、雌継手の軸方向先端の雌継手端面に対向する環状の第２面を具備する。弾性部材は、変形機構も有する。変形機構は、基板部を自然状態よりも外径の小さい縮径状態に弾性的に変形可能かつ縮径状態から弾性的に拡径可能にする。

　したがって基板部を縮径状態にすることで、基板部を内径の小さい雌継手の小径領域を通過させることができる。しかも基板部を縮径状態から弾性的に拡径可能である。そのため基板部は、雌継手の小径領域を通過した後に雌継手端面と当接する位置で拡径する。そのため弾性部材を縮径状態よりも外径が大きい状態で雄継手端面と雌継手端面の軸方向の間に組込むことができる。そのため弾性部材は、軸心から径方向に離れた位置で雄継手端面または雌継手端面と当接する。すなわち外径の大きい弾性部材を利用して雌継手と雄継手の相対的な傾斜を抑制することができる。その結果、弾性部材の弾性力を高くすることなく、雌継手と雄継手の相対的な傾斜を効果的に抑制できる。

　本開示の他の特徴によると弾性部材は、第１面または第２面のいずれか一方のみから突出する複数の弾性突部を有する。したがって、例えば弾性突部が第１面から突出する場合、雌継手端面と当接する第２面は弾性突部を有していない。そのため雌継手端面に対する弾性部材の姿勢が安定する。例えば弾性突部が第２面から突出する場合、雄継手端面と当接する第１面は弾性突部を有していない。そのため雄継手端面に対する弾性部材の姿勢が安定する。しかも複数の弾性突部が雄継手端面または雌継手端面と当接し押圧されることで軸方向に対して反力を生じる。そのため雄継手端面または雌継手端面に対して付勢力が付与される。かくして雄継手と雌継手の相互の傾動を抑制できる。これにより雌継手と雄継手で連結される軸同士の相対的な傾斜を効果的に抑制できる。

　本開示の他の特徴によると変形機構は、基板部を周方向において切欠く切欠き部を有する。基板部は、切欠き部によって切欠かれることで周方向に両端を有するＣ字状に形成される。したがって両端が接近するように基板部を弾性的に変形させることで弾性部材を縮径させることができる。また、両端が離間するように基板部を弾性的に変形させることで弾性部材を拡径させることができる。そのため弾性部材を容易な操作で縮径または拡径させて雌継手に組込むことができる。

　本開示の他の特徴によると基板部は、周方向に両端を有する螺旋状である。変形機構は、両端が基板部の板厚方向に重なる重なり部を有する。したがって弾性部材を雌継手に組込む際、基板部の両端同士が雌継手の軸方向に当接する。そのため基板部の両端は、雌継手の軸方向における互いの弾性変形を抑制する。そのため弾性部材を雌継手に組込む際に、例えば基板部の両端が反り返る等の意図しない変形を抑制できる。これにより弾性部材の弾性力が軸方向から意図しない方向にずれることを抑制できる。

　本開示の他の特徴によると基板部は、閉じた環状である。変形機構は、基板部の周方向において基板部を複数の弾性突部の突出方向に突出させた形状の変形突部を有する。したがって基板部は、変形突部の突出量を弾性的に変更することで縮径または拡径できる。基板部は、閉じた環状に形成されることで、縮径または拡径する際の弾性力が強くなる。そのため雌継手に組込まれた弾性部材は、雌継手の内周面に向けて径方向に強い弾性力で拡径する。これにより雌継手に対する弾性部材の相対的な移動を効果的に抑制できる。

　本開示の他の特徴によると変形機構は、基板部の径方向に沿って基板部に凹設された変形凹部を有する。したがって変形凹部を設けることで基板部が周方向に変形し易くなる。そのため縮径状態の基板部の最小径を小さくできる。あるいは基板部を縮径状態に変形させるために必要な力を小さくできる。これにより弾性部材を雌継手内に組込み易くなる。

　本開示の他の特徴によると基板部の外径は、自然状態において雌継手の最大内径よりも大きい。したがって弾性部材を雌継手に挿入する際、雌継手の内径にならって基板部が縮径または拡径する。雌継手の最大内径箇所では、自然状態に戻ろうとする基板部の外周面が雌継手の内周面を径方向に押圧する。そのため弾性部材は、例えば雌継手端面と当接する位置において軸方向への移動が抑制される。これにより弾性部材の弾性力を利用して、弾性部材を雌継手に一体に組付けることができる。さらに弾性部材の雌継手からの脱落を防止できるため、雌継手と雄継手の組み立て時の取り回しを行い易く作業性も向上する。また、軸の回転に伴う弾性部材の径方向の位置ずれを防止できる。

　本開示の他の特徴によると基板部は、基板部を弾性的に変形させる治具を引掛け可能な複数の治具引掛部を有する。したがって複数の治具引掛部の少なくとも２つに治具を引掛ける。治具で基板部を保持しつつ少なくとも２つの治具引掛部の距離を変更させることで、基板部を縮径または拡径できる。そのため雌継手の内径に合わせて基板部を変形させつつ弾性部材を雌継手内に挿入できる。かくして治具を利用して弾性部材を雌継手に容易に組込むことができる。

軸継手構造の模式的断面図である。第１実施形態に係る弾性部材の斜視図である。弾性部材の正面図である。第２実施形態に係る弾性部材の正面図である。第３実施形態に係る弾性部材の斜視図である。第４実施形態に係る弾性部材の斜視図である。第５実施形態に係る弾性部材の弾性突部を示す斜視図である。第６実施形態に係る弾性部材の弾性突部を示す斜視図である。第７実施形態に係る弾性部材の弾性突部を示す斜視図である。弾性部材を有しない比較例の軸継手構造の模式的断面図である。

　本開示に係る第１実施形態を図１～３に基づいて説明する。本実施形態は、例えば軸継手構造であって、一対の軸をスプライン構造で軸方向に連結する。スプライン構造は、相互に嵌合する雄継手と雌継手を有する。図１に示すように軸継手構造１は、互いにスプライン嵌合する雌継手２と雄継手５を有する。雌継手２と雄継手５は、それぞれ軸心７を中心とする軸と一体に設けられる。雌継手２と雄継手５は、軸心７の延出方向に並んで嵌合する。これにより両軸が軸心７の延出方向に連結される。以下の説明において雄継手５が位置する側を前方、雌継手２が位置する側を後方と規定するが、これは各構成を配置する姿勢や方向を特定するものではない。

　図１に示すように雌継手２は、軸心７の延出方向に延出する外周面２ａを有する。外周面２ａは、円柱形状の側面に相当する。雌継手２の先端は、軸心７の延出方向に凹設された有底の略円筒状に形成される。雌継手２の先端の筒状の内周面には、径方向内方にむけて突出する複数の内歯４が設けられる。内歯４の奥側（図示左側）には、筒状底部３が設けられる。筒状底部３は、軸心７に対して垂直に延出する円形の雌継手端面３ａを有する。さらに筒状底部３は、雌継手端面３ａを基端として起立する内周面３ｂを有する。内周面３ｂは、軸心７の延出方向に沿いかつ雌継手端面３ａの外周に沿った円筒状である。雌継手端面３ａおよび内周面３ｂの径３ｃは、複数の内歯４の先端に接する内接円の径４ａよりも大きい。

　図１に示すように雄継手５は、軸心７の延出方向に延出する外周面５ａを有する。外周面５ａは、円柱形状の側面に相当する。雄継手５の軸方向先端には、軸心７に対して垂直に延出する円環状の雄継手端面５ｂが設けられる。雄継手５の軸方向先端において外周面５ａよりも径方向外方に突出する複数の外歯６が設けられる。外歯６は、内歯４と嵌合可能に内歯４に対してわずかなクリアランスを有する。外歯６の先端に接する外接円の径は、雌継手端面３ａおよび内周面３ｂの径３ｃよりも小さい。

　図１に示すように雌継手端面３ａと雄継手端面５ｂの軸方向の間に弾性部材１０が設けられる。弾性部材１０は、例えば金属製あるいは樹脂製である。弾性部材１０は、平板状の基板部１１と、基板部１１から板厚方向に突出する複数の弾性突部１３を有する。基板部１１は、板厚方向の両端に第１面１１ａと第２面１１ｂの２つの平面を有する。弾性突部１３は、第１面１１ａから板厚方向に突出し、第２面１１ｂ側には突出しない。弾性部材１０は、弾性突部１３を前方に向けて突出させた姿勢で雌継手２に組付けられる。

　図２，３に示すように基板部１１は、切欠き部１２によって周方向に切欠かれたＣ字状の環状に形成される。第１面１１ａと第２面１１ｂは、互いに平行に延出するＣ字状の平面である。第１面１１ａと第２面１１ｂは、基板部１１の径方向外方の端縁で円弧状に延出する外周面１１ｃによって連結される。第１面１１ａと第２面１１ｂは、基板部１１の径方向内方の端縁で円弧状に延出する内周面１１ｄによって連結される。基板部１１は、切欠き部１２を挟んで対向する一対の先端１５を有する。基板部１１は、環状の基板部１１の中心１１ｅを通りかつ一対の先端１５の中央を通る中心線１１ｆに対して線対称に形成される。

　図３に示すように切欠き部１２は、本開示において基板部１１を弾性的に縮径または拡径可能にする変形機構である。一対の先端１５の間隔を基板部１１の周方向に近づけることで基板部１１を縮径できる。一対の先端１５の間隔を基板部１１の周方向に遠ざけることで基板部１１を拡径できる。

　図１，３に示すように基板部１１は、雌継手２の複数の内歯４の先端に接する内接円の径４ａ以下の外径まで縮径できる。これにより縮径状態の基板部１１は、複数の内歯４の径方向内方を通過できる。縮径状態の基板部１１は、弾性的に自然状態に戻ろうと拡径する。基板部１１は、自然状態において外径１１ｈである。外径１１ｈは、雌継手端面３ａおよび内周面３ｂの最大径である径３ｃよりも大きい。そのため基板部１１の外周面１１ｃは、筒状底部３内において自然状態から拡径することで内周面３ｂと密に接触する。

　図２，３に示すように弾性突部１３は、基板部１１と同じ材料で一体に設けられる。弾性突部１３は、基板部１１の所定領域を塑性変形させて形成される。弾性突部１３は、同じ形状のものが計８つ設けられる。８つの弾性突部１３は中心線１１ｆに対して線対称に配置される。弾性突部１３は、基板部１１の径方向において基板部１１の幅の略中央に配置される。換言すると弾性突部１３は、基板部１１の径方向において外周面１１ｃと内周面１１ｄの中間位置に配置される。図１を参照するように、弾性突部１３を外周面１１ｃと内周面１１ｄの中間位置に設けることで、弾性突部１３が雄継手５の外歯６と当接しないようにすることができる。しかも弾性突部１３をできるだけ径方向外方の雄継手端面５ｂに当接させることができる。

　図３に示すように８つの弾性突部１３は、基板部１１の周方向に所定の角度を開けて配置される。切欠き部１２と隣り合った２つの弾性突部１３は、中心線１１ｆとの間に中心１１ｅを中心とする角度１３ｅを有する。角度１３ｅは、例えば５０°である。基板部１１の周方向に隣り合った２つの弾性突部１３は、切欠き部１２を間に挟む場合を除き、中心１１ｅを中心とする角度１３ｄの間隔で形成される。角度１３ｄは、例えば３７°である。

　図２，３に示すように弾性突部１３は、平面視で矩形状、側面視で山型に形成される。弾性突部１３は、一対の三角面１３ｂと一対の台形面１３ｃの４面を有する。三角面１３ｂは、略二等辺三角形の略平面に形成される。台形面１３ｃは、等脚台形状の略平面に形成される。一対の三角面１３ｂは、基板部１１の径方向に対向するように配置される。一対の台形面１３ｃは、基板部１１の周方向に対向するように配置される。一対の三角面１３ｂと一対の台形面１３ｃそれぞれの底辺が弾性突部１３の外周縁に相当する。一対の台形面１３ｃが互いに交差する頂部１３ａは、基板部１１の径方向に直線状に延出する。弾性突部１３は、第１面１１ａから頂部１３ａまでの所定の高さを有する。弾性突部１３は、例えば基板部１１の板厚以上の高さを有して設けられる。

　図２，３に示すように先端１５には、径方向外方に位置する第１端面１２ａと、第１端面１２ａよりも径方向内方に位置する第２端面１２ｂの２つの端面が設けられる。第１端面１２ａと第２端面１２ｂは、他方の先端１５に向いた平面状である。詳しくは、第１端面１２ａと第２端面１２ｂは、前後方向の幅と、径方向に長い平面状である。第１端面１２ａは、基板部１１が自然状態の際に中心線１１ｆとの間に、例えば２０°の角度１２ｃを有する。そのため切欠き部１２は、基板部１１が自然状態の際に、中心１１ｅに対して例えば４０°の開口角度を有する。第２端面１２ｂは、第１端面１２ａとの間に、例えば３７°の角度１２ｄを有する。先端１５は、第２端面１２ｂによって径方向内方領域が切欠かれた形状になる。そのため基板部１１が縮径する際に先端１５同士が衝突することを抑制できる。

　図２，３に示すように先端１５には、治具引掛部１４が設けられる。治具引掛部１４は、基板部１１を板厚方向に貫通する例えば円形の孔形状である。治具引掛部１４は、基板部１１の径方向において基板部１１の幅の略中央に配置される。第１端面１２ａは、基板部１１が自然状態の際に中心線１１ｆとの間に、例えば３０°の角度１４ａを有する。そのため一対の治具引掛部１４は、基板部１１が自然状態の際に、中心１１ｅに対して例えば６０°の間隔を有する。治具引掛部１４には、基板部１１を縮径または拡径させるための治具の先端を挿入できる。

　図１０を参照して弾性部材１０（図１参照）を有しない比較例の軸継手構造８について説明する。雌継手２は、例えば外周面２ａに装着される軸受によって回転可能に支持される。雄継手５は、例えば外周面５ａに装着される軸受によって回転可能に支持される。そのため軸受を組付ける精度によっては軸心７ａと軸心７ｂが同軸上でなくずれる場合がある。しかも雌継手端面３ａと雄継手端面５ｂの間には、組付ける公差のためのクリアランス８ａを設ける必要がある。そのため軸心７ａと軸心７ｂのずれの大きさやクリアランス８ａの大きさによって、雌継手２と雄継手５が相対的に傾斜し得る。例えば外力を受けることで雌継手２と雄継手５が相対的に傾斜し、摩耗や異音が発生する場合がある。

　上述するように弾性部材１０は、図１に示すように雄継手５と雌継手２の嵌合で軸同士を連結させる軸継手構造１に用いられる。弾性部材１０は、環状の基板部１１を有する。基板部１１は、雄継手５の軸方向先端の雄継手端面５ｂに対向する第１面１１ａを具備する。さらに基板部１１は、第１面１１ａの裏面に第２面１１ｂを具備する。第２面１１ｂは、雌継手２の軸方向先端の雌継手端面３ａに対向する。基板部１１には、切欠き部１２（図２参照）が設けられる。切欠き部１２は、基板部１１を自然状態よりも外径の小さい縮径状態に弾性的に変形可能かつ縮径状態から弾性的に拡径可能にする。

　したがって基板部１１を縮径状態にすることで、雌継手２の内径が小さい小径領域を通過させることができる。しかも基板部１１を縮径状態から弾性的に拡径可能である。そのため基板部１１は、雌継手２の小径領域を通過した後に雌継手端面３ａと当接する位置で拡径する。そのため弾性部材１０を縮径状態よりも外径が大きい状態で雄継手端面５ｂと雌継手端面３ａの軸方向の間に組込むことができる。そのため弾性部材１０は、軸心７から径方向に離れた位置で雄継手端面５ｂと当接する。これにより弾性部材１０の弾性力を高くすることなく、外径が大きい状態の弾性部材１０が雌継手２と雄継手５で連結される軸同士の相対的な傾斜を効果的に抑制できる。

　図１，２に示すように弾性部材１０は、第１面１１ａから突出する複数の弾性突部１３を有する。したがって雌継手端面３ａと当接する第２面１１ｂは、弾性突部１３を有していない。そのため雌継手端面３ａに対する弾性部材１０の姿勢が安定する。しかも複数の弾性突部１３が雄継手端面５ｂと当接し押圧されることで軸方向に対して反力を生じる。そのため雄継手端面５ｂに対して付勢力が付与される。かくして雌継手２と雄継手５の相互の傾動を抑制できる。これにより雌継手２と雄継手５で連結される軸同士の相対的な傾斜を効果的に抑制できる。

　図３に示すように変形機構は、基板部１１を周方向において切欠く切欠き部１２を有する。基板部１１は、切欠き部１２によって切欠かれることで周方向両端に先端１５を有するＣ字状に形成される。したがって一対の先端１５同士が接近するように基板部１１を弾性的に変形させることで弾性部材１０を縮径させることができる。また、一対の先端１５が離間するように基板部１１を弾性的に変形させることで弾性部材１０を拡径させることができる。そのため弾性部材１０を容易な操作で縮径または拡径させて雌継手２に組込むことができる。

　図３に示すように基板部１１の外径１１ｈは、自然状態において雌継手２（図１参照）の最大内径である径３ｃよりも大きい。したがって弾性部材１０を雌継手２に挿入する際、雌継手２の内径にならって基板部１１が縮径または拡径する。雌継手２の中で径３ｃである筒状底部３では、自然状態に戻ろうとする基板部１１の外周面１１ｃが雌継手２の内周面３ｂを径方向に押圧する。そのため弾性部材１０は、例えば雌継手端面３ａと当接する位置において軸方向への移動が抑制される。これにより弾性部材１０の弾性力を利用して、弾性部材１０を雌継手２に一体に組付けることができる。さらに弾性部材１０の雌継手２からの脱落を防止できるため、雌継手２と雄継手５の組み立て時の取り回しを行い易く作業性も向上する。また、軸の回転に伴う弾性部材１０の径方向の位置ずれを防止できる。

　図３に示すように基板部１１は、基板部１１を弾性的に変形させる治具を引掛け可能な複数の治具引掛部１４を有する。したがって複数の治具引掛部の少なくとも２つに治具を引掛ける。治具で基板部１１を保持しつつ少なくとも２つの治具引掛部１４の距離を変更させることで、基板部１１を縮径または拡径できる。そのため雌継手２の内径に合わせて基板部１１を変形させつつ弾性部材１０を雌継手２内に挿入できる。かくして治具を利用して弾性部材１０を雌継手２に容易に組込むことができる。

　次に本開示に係る第２実施形態を図４に基づいて説明する。弾性部材２０は、図３の弾性部材１０に代えて図１の軸継手構造１に組付けることができる。弾性部材２０は、図３の基板部１１に代えて図４の基板部２１を有する。基板部２１は、周方向に一対の先端１５を有するＣ字状の環状に形成される。一対の先端１５の間には、基板部２１を弾性的に縮径または拡径可能にする変形機構である切欠き部１２が設けられる。基板部２１の径方向外方の端面である外周面２１ｂと径方向内方の端面である内周面２１ｃは円弧状である。基板部２１には、前側の第１面２１ａから前方に向けて突出する８つの弾性突部１３が設けられる。

　図４に示すように内周面２１ｃには、変形凹部２２が凹設される。変形凹部２２は、基板部２１を弾性的に縮径または拡径可能にする変形機構である。変形凹部２２は、基板部２１の中心２１ｄを通りかつ一対の先端１５の中央を通る中心線２１ｅ上に設けられる。変形凹部２２は、内周面２１ｃから径方向外方に向けて円弧状に切欠かれている。変形凹部２２は、基板部２１の周方向において弾性突部１３よりも短い幅で設けられる。変形凹部２２は、基板部２１の径方向において外周面２１ｂと内周面２１ｃの中央を超えない径方向内方の領域に設けられる。

　図４に示すように基板部２１は、変形凹部２２が設けられた領域を有する。この領域は、他の領域よりも径方向の幅が狭い。そのため基板部２１の材料を変更することなく基板部２１を弾性的に縮径または拡径し易くできる。しかも変形凹部２２を円弧状に切欠くことで、変形凹部２２の周方向の両端を離間させることができる。そのため基板部２１を縮径させる際に変形凹部２２の周方向の両端が衝突することを抑制できる。これにより基板部２１を弾性的にかつスムーズに変形させることができる。

　上述するように変形機構は、図４に示すように基板部２１の径方向に沿って基板部２１に凹設された変形凹部２２を有する。したがって変形凹部２２を設けることで基板部２１が周方向に変形し易くなる。そのため縮径状態の基板部２１の最小径を小さくできる。あるいは基板部２１を縮径状態に変形させるために必要な力を小さくできる。これにより弾性部材２０を雌継手２（図１参照）内に組込み易くなる。

　次に本開示に係る第３実施形態を図５に基づいて説明する。弾性部材３０は、図２の弾性部材１０に代えて図１の軸継手構造１に組付けることができる。弾性部材３０は、図２の基板部１１に代えて図５の基板部３１を有する。基板部３１は、閉じた略円環状に形成される。基板部３１は、その周方向において変形突部３２を有する。変形突部３２は、両端に周方向端３３を有する。変形突部３２は、一対の周方向端３３の間において山型に形成される。例えば、変形突部３２は、弾性突部１３の突出方向に向けて突出する。基板部３１の径方向外方の端面である外周面３１ｂと径方向内方の端面である内周面３１ｃは、円弧状である。基板部３１には、前側の第１面３１ａから前方に向けて突出する８つの弾性突部１３が設けられる。

　図５に示すように変形突部３２は、矩形平板状の２つの平板部３２ｂと、山型の峰部分に相当する頂部３２ａを有する。２つの平板部３２ｂは、一対の周方向端３３から周方向に互いに向かい合って延出する。頂部３２ａは、対向する２つの平板部３２ｂの連結部分に形成される。変形突部３２は、基板部３１を弾性的に縮径または拡径可能にする変形機構である。基板部３１を弾性的に縮径させると、一対の周方向端３３の間隔が周方向に狭まって頂部３２ａの突出高さが高くなる。基板部３１を弾性的に拡径させると、一対の周方向端３３の間隔が周方向に拡がって頂部３２ａの突出高さが低くなる。頂部３２ａの突出高さは、雌継手端面３ａ（図１参照）と当接する位置に組込んだ状態（自然状態よりも縮径した状態）で弾性突部１３の突出高さよりも低くなるように設けられる。そのため頂部３２ａは雄継手端面５ｂと当接しない。

　上述するように基板部３１は、図５に示すように閉じた略円環状である。変形機構は、基板部３１の周方向において基板部３１を複数の弾性突部１３の突出方向に突出させた形状の変形突部３２を有する。したがって基板部３１は、変形突部３２の突出量を弾性的に変更することで縮径または拡径できる。基板部３１は、閉じた略円環状に形成されることで、縮径または拡径する際の弾性力が強くなる。そのため雌継手２（図１参照）に組込まれた弾性部材３０は、雌継手２の内周面３ｂに向けて径方向に強い弾性力で拡径する。これにより雌継手２に対する弾性部材３０の相対的な移動を効果的に抑制できる。

　次に本開示に係る第４実施形態を図６に基づいて説明する。弾性部材４０は、図２の弾性部材１０に代えて図１の軸継手構造１に組付けることができる。弾性部材４０は、図２の基板部１１に代えて図６の基板部４１を有する。基板部４１は、周方向に一対の先端４３を有する螺旋状に形成される。一対の先端４３は、前後方向に互いの一部または全部が重なる。そのため基板部４１は、前後方向から見て閉じた略円環状である。基板部４１の径方向外方の端面である外周面４１ｂと径方向内方の端面である内周面４１ｃは円弧状である。基板部４１には、前側の第１面４１ａから前方に向けて突出する８つの弾性突部１３が設けられる。

　図６に示すように一対の先端４３が前後方向に重なる領域は、本開示において基板部４１を弾性的に縮径または拡径可能にする重なり部（変形機構）４２として設けられる。重なり部４２で一対の先端４３が重なる厚さは、基板部４１の厚さと弾性突部１３の突出高さを合計した高さよりも低くなるように設けられる。

　図６に示すように基板部４１が自然状態の際、重なり部４２では一対の先端４３の所定の重なり範囲４２ａのみが重なる。基板部４１が内歯４（図１参照）の径方向内方を通過できる縮径状態の際、重なり部４２では重なり範囲４２ａよりも広い重なり範囲４２ｂで一対の先端４３が重なる。弾性突部１３は、重なり範囲４２ｂに進入しないように位置している。換言すると弾性突部１３は、先端４３から周方向に所定以上の間隔を開けて位置している。そのため基板部４１が縮径する際に弾性突部１３と先端４３が衝突して縮径が妨げられることを抑制できる。

　上述するように基板部４１は、図６に示すように周方向に一対の先端４３を有する螺旋状である。変形機構は、一対の先端４３が基板部４１の板厚方向（前後方向）に重なる重なり部４２を有する。したがって弾性部材４０を雌継手２（図１参照）に組込む際、基板部４１の一対の先端４３同士が雌継手２の軸方向（前後方向）に当接する。そのため一対の先端４３は、雌継手２の軸方向における互いの弾性変形を抑制する。そのため弾性部材４０を雌継手２に組込む際に、例えば基板部４１の一対の先端４３が反り返る等の意図しない変形を抑制できる。これにより弾性部材４０の弾性力が軸方向から意図しない方向にずれることを抑制できる。

　次に本開示に係る第５実施形態を図７に基づいて説明する。弾性部材５０は、図２の弾性部材１０に代えて図１の軸継手構造１に組付けることができる。弾性部材５０は、図２の基板部１１に代えて図７の基板部５１を有する。基板部５１は、基板部１１と同様にＣ字状の環状に形成される。基板部５１には、前側の第１面５１ａから前方に向けて突出する８つの弾性突部５２が設けられる。弾性突部５２は、基板部５１の径方向において外周面５１ｂと内周面５１ｃの中間位置に配置される。弾性突部５２は、弾性突部１３（図３参照）と同様に基板部５１の周方向に所定の間隔で配置される。

　図７に示すように弾性突部５２は、基板部５１と同じ材料で一体に設けられる。弾性突部５２は、基板部５１と連結される基部５２ｂと、基部５２ｂに片持ち状態で支持される頂部５２ａを有する。頂部５２ａは、基板部５１の周方向に長い略矩形の板状である。頂部５２ａは、基部５２ｂから基板部５１の周方向に向かって弧状に湾曲しつつ延出する。頂部５２ａの前端面は、第１面５１ａと略平行に設けられる。頂部５２ａは、弾性突部１３（図１参照）の頂部１３ａの突出高さと略同じ高さで突出するように設けられる。

　図７に示すように基板部５１には、前後方向に貫通する矩形の孔５２ｃが設けられる。孔５２ｃの４辺のうち基板部５１の周方向の端に位置し、径方向に延出する１辺に基部５２ｂが配置される。頂部５２ａは孔５２ｃの前方に位置する。基板部５１から前方に突出する弾性突部５２は、以下のようにして形成される。まず孔５２ｃの４辺のうち３辺に相当する位置において、平板状の基板部５１を切削して切り溝を形成する。これにより基部５２ｂにおいて片持ち状態で支持された矩形平板状の頂部５２ａが形成される。矩形平板状の頂部５２ａを前方に向けて弧状に湾曲するように塑性変形させる。かくして図７に示す形状の弾性突部５２を形成できる。

　次に本開示に係る第６実施形態を図８に基づいて説明する。弾性部材６０は、図２の弾性部材１０に代えて図１の軸継手構造１に組付けることができる。弾性部材６０は、図２の基板部１１に代えて図８の基板部６１を有する。基板部６１は、図２の基板部１１と同様にＣ字状の環状に形成される。基板部６１には、前側の第１面６１ａから前方に向けて突出する８つの弾性突部６２が設けられる。弾性突部６２は、基板部６１の径方向において外周面６１ｂと内周面６１ｃの中間位置に配置される。弾性突部６２は、図２の弾性突部１３と同様に基板部６１の周方向に所定の間隔で配置される。

　図８に示すように弾性突部６２は、基板部６１と同じ材料で一体に設けられる。弾性突部６２は、基板部６１と連結される基部６２ｂと、基部６２ｂに片持ち状態で支持される先端部６２ｃを有する。先端部６２ｃと基部６２ｂの間には、前方に突出する頂部６２ａが設けられる。基部６２ｂと頂部６２ａと先端部６２ｃは、基板部６１の周方向に延出する板状部材に延出方向に並んで配置される。頂部６２ａは、基部６２ｂから先端部６２ｃに向かって前方に凸のＣ字状に湾曲するアーチ状に形成される。頂部６２ａは、図２の弾性突部１３の頂部１３ａの突出高さと略同じ高さで突出するように設けられる。

　図８に示すように基板部６１には、前後方向に貫通する矩形の孔６２ｄが設けられる。孔６２ｄの４辺のうち基板部６１の周方向の端に位置し、径方向に延出する１辺に基部６２ｂが配置される。頂部６２ａは、孔６２ｄの中央の前方に位置する。先端部６２ｃは、孔６２ｄを構成する４辺から離間した状態で、孔６２ｄ内に位置する。

　次に本開示に係る第７実施形態を図９に基づいて説明する。弾性部材７０は、図２の弾性部材１０に代えて図１の軸継手構造１に組付けることができる。弾性部材７０は、図２の基板部１１に代えて図９の基板部７１を有する。基板部７１は、図２の基板部１１と同様にＣ字状の環状に形成される。基板部７１には、前側の第１面７１ａから前方に向けて突出する８つの弾性突部７２が設けられる。弾性突部７２は、基板部７１の径方向において外周面７１ｂと内周面７１ｃの中間位置に配置される。弾性突部７２は、図２の弾性突部１３と同様に基板部７１の周方向に所定の間隔で配置される。

　図９に示すように弾性突部７２は、基板部７１と同じ材料で一体に設けられる。弾性突部７２は、基板部７１と連結される２つの基部７２ｂと、２つの基部７２ｂを連結して２つの基部７２ｂによって支持される頂部７２ａを有する。２つの基部７２ｂは、基板部７１の径方向に互いに対向する。２つの基部７２ｂと頂部７２ａは、基板部７１の径方向に並んで配置される。頂部７２ａは、一方の基部７２ｂから他方の基部７２ｂに向かって前方に凸のＣ字状に湾曲するアーチ状に形成される。頂部７２ａは、図２の弾性突部１３の頂部１３ａの突出高さと略同じ高さで突出するように設けられる。

　図９に示すように基板部７１には、前後方向に貫通する矩形の孔７２ｃが設けられる。孔７２ｃの４辺のうち基板部７１の周方向に延出する２辺に２つの基部７２ｂがそれぞれ配置される。頂部７２ａは、孔７２ｃの中央の前方に位置する。基板部７１の周方向において弾性突部７２の両側の孔７２ｃは、前後方向に突き抜けて開口している。

　以上説明した各実施形態の軸継手構造１および弾性部材１０，２０，３０，４０，５０，６０，７０には種々変更を加えることができる。雌継手２と雄継手５がスプライン嵌合する軸継手構造１を例示した。これに代えて雌継手と雄継手が他の構造で嵌合する多種多様な軸継手構造に弾性部材１０，２０，３０，４０，５０，６０，７０が適用されても良い。弾性部材は、複数の弾性突部を有する。これに代えて弾性部材は、弾性突部を有さずに基板部の弾性力を利用する構成としても良い。弾性突部は、雄継手端面５ｂと対向する第１面側から突出している。これに代えて弾性突部は、雌継手端面３ａと対向する第２面側から突出していても良い。

　弾性部材は、Ｃ字状の環状である。または弾性部材は、螺旋状の環状または閉じた略円環状である。これに代えて、弾性部材は、例えば多角形の環状であっても良い。あるいは弾性部材は、周方向に曲線部分と直線部分が連結された環状であっても良い。曲線部分は、例えば厚み方向に基板部から突出する。弾性部材の基板部は、第１面と第２面が平面状かつ互いに平行である。これに代えて弾性部材の基板部は、第１面または第２面または両面が、例えば波状形状や湾曲形状を有していても良い。例えば、波状形状や湾曲形状は、基板部の厚み方向または径方向に向けて突出していても良い。例えば基板部は、厚さが一定でなくても良い。例示した金属製の弾性部材に代えて、例えば樹脂製、ゴム製の弾性部材に本開示の構成を適用しても良い。弾性部材は、基板部と弾性突部が同じ材料で一体に設けられている。これに代えて、弾性部材は、相互に材料が異なる基板部と弾性突部を有していても良い。

　弾性部材は、８つの弾性突部を有している。これに代えて、弾性部材は、例えば７つ以下、あるいは９つ以上の弾性突部を有していても良い。弾性部材は、同形状の複数の弾性突部を有している。これに代えて、弾性部材は、複数種類の形状の弾性突部を１つの基板部に有していても良い。複数の弾性突部は、基板部の周方向に所定の間隔で設けられている。これに代えて、複数の弾性突部は、例えば基板部の中心に対して点対称に配置されても良い。あるいは、複数の弾性突部は、ランダムの間隔で配置されても良い。

　基板部に対する弾性突部の向きを適宜変更しても良い。例えば弾性突部１３の三角面１３ｂを基板部１１の周方向に対向させ、台形面１３ｃを基板部１１の径方向に対向させても良い。例えば１つ以上の弾性突部１３を、例示した向きと異なる向きに配置しても良い。例えば弾性突部５２を基板部５１の径方向を長手方向とする形状に設けても良い。

　図４の弾性部材２０は、内周面２１ｃに１つの変形凹部２２を有している。これに代えて弾性部材は、外周面２１ｂに変形凹部２２を有していても良い。あるいは弾性部材２０は、内周面２１ｃまたは外周面２１ｂまたは両面に、複数の変形凹部２２を周方向に所定の間隔を開けて有していても良い。図５の弾性部材３０は、基板部３１の周方向において１つの変形突部３２を有している。これに代えて弾性部材３０は、例えば複数の変形突部３２を有していても良い。

　図５に示す弾性部材３０に図４に示す治具引掛部１４を設けても良い。例えば治具引掛部１４を変形突部３２に隣接する周方向端３３のそれぞれに設けても良い。図６に示す弾性部材４０に図４に示す治具引掛部１４を設けても良い。例えば治具引掛部１４を一対の先端４３のそれぞれに設けても良い。

Claims

　雄継手と雌継手の嵌合で軸同士を連結させる軸継手構造に用いられる弾性部材であって、
　前記雄継手の軸方向先端の雄継手端面に対向する環状の第１面と、前記雌継手の軸方向先端の雌継手端面に対向する環状の第２面を具備する基板部と、
　前記基板部を自然状態よりも外径の小さい縮径状態に弾性的に変形可能かつ前記縮径状態から弾性的に拡径可能である変形機構を有する弾性部材。
　請求項１に記載の弾性部材であって、
　前記第１面または前記第２面のいずれか一方のみから突出する複数の弾性突部を有する弾性部材。
　請求項１または２に記載の弾性部材であって、
　前記変形機構は、前記基板部を周方向において切欠く切欠き部を有し、
　前記基板部は、前記切欠き部によって切欠かれることで周方向に両端を有するＣ字状に形成される弾性部材。
　請求項１または２に記載の弾性部材であって、
　前記基板部は、周方向に両端を有する螺旋状であり、
　前記変形機構は、前記両端が前記基板部の板厚方向に重なる重なり部を有する弾性部材。
　請求項２に記載の弾性部材であって、
　前記基板部は、閉じた環状であり、
　前記変形機構は、前記基板部の周方向において前記基板部を前記複数の弾性突部の突出方向に突出させた形状の変形突部を有する弾性部材。
　請求項３～５のいずれか１つに記載の弾性部材であって、
　前記変形機構は、前記基板部の径方向に沿って前記基板部に凹設された変形凹部を有する弾性部材。
　請求項１～６のいずれか１つに記載の弾性部材であって、
　前記基板部の前記外径は、前記自然状態において前記雌継手の最大内径よりも大きい弾性部材。
　請求項１～７のいずれか１つに記載の弾性部材であって、
　前記基板部は、前記基板部を弾性的に変形させる治具を引掛け可能な複数の治具引掛部を有する弾性部材。