WO2023243226A1 - ブレーキ装置及びラップスプリング装置 - Google Patents

Abstract

バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができるブレーキ装置及びラップスプリング装置を提案する。ブレーキ装置（１００）は、シャフト（２）と、シャフト（２）に巻き付けられるラップスプリング装置（１）と、ラップスプリング装置（１）に、ばね内径が拡がる方向に力を加えるアクチュエータ（３）と、を備える。ラップスプリング装置（１）は、シャフト（２）に巻き付けられる複数のスプリング（４）を有する。また、ラップスプリング装置（１）は、シャフト（２）に巻き付けられる複数のスプリング（４）と、複数のスプリング（４）のそれぞれの第一端部が固定された第一タング（５）と、複数のスプリング（４）のそれぞれの第二端部が固定された第二タング（６）と、を有する。

Description

ブレーキ装置及びラップスプリング装置

　本開示は、ブレーキ装置及びラップスプリング装置に関し、詳しくは、シャフトに巻き付けられるスプリングを備えたブレーキ装置及びラップスプリング装置に関する。

　特許文献１には、シャフトに摩擦接触するように螺旋巻きされ且つ同軸に取り付けられた１つのスプリングを備えたスプリングクラッチが記載されている。

特公表平４－５０６３９７号公報

　ところで、特許文献１に記載のスプリングクラッチでは、シャフトとスプリングの締結を解除するために必要なスプリングの端部を動かす角度は、スプリングの巻き数に比例し、シャフトとスプリングの締結力は、スプリングの巻き数に応じて増加する。

　締結力を向上させるためには、スプリングの巻き数を増やす必要があるが、この場合、上記角度が大きくなる。上記角度が大きくなると、スプリングの端部を動かすための隙間であるバックラッシュを拡げる必要があり、バックラッシュを拡げると、シャフトの空動きが増える。

　上記事情に鑑みて、本開示は、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができるブレーキ装置及びラップスプリング装置を提供することを目的とする。

　本開示の一態様に係るブレーキ装置は、シャフトと、前記シャフトに巻き付けられるラップスプリング装置と、前記ラップスプリング装置に、ばね内径が拡がる方向に力を加えるアクチュエータと、を備える。前記ラップスプリング装置は、前記シャフトに巻き付けられる複数のスプリングを有する。

　本開示の他の一態様に係るラップスプリング装置は、シャフトに巻き付けられる複数のスプリングと、前記複数のスプリングのそれぞれの第一端部が固定された第一タングと、前記複数のスプリングのそれぞれの第二端部が固定された第二タングと、を備える。

　本開示の上記態様に係るブレーキ装置及びラップスプリング装置では、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。

図１Ａは、本開示の実施形態１のブレーキ装置を示す斜視図である。 図１Ｂは、本開示の実施形態１のブレーキ装置が備えるラップスプリング装置を示す斜視図である。 図２は、本開示の実施形態１のブレーキ装置のうち、ラップスプリング装置を取り外した状態を示す斜視図である。 図３は、本開示の実施形態１のラップスプリング装置を示す下面図である。 図４は、本開示の実施形態１のブレーキ装置が備えるスプリングとシャフトをモデル化した例を示す図である。 図５Ａは、本開示の実施形態２のブレーキ装置が備えるラップスプリング装置を示す斜視図である。 図５Ｂは、本開示の実施形態２のブレーキ装置が備えるラップスプリング装置を示す下面図である。 図６は、本開示の実施形態３のブレーキ装置のラップスプリング装置とシャフトを概略的に示す図である。

　（実施形態１）
　１．概要
　図１Ａは、本開示の実施形態１のブレーキ装置１００を示す斜視図である。図１Ｂは、本開示の実施形態１のブレーキ装置１００が備えるラップスプリング装置１を示す斜視図である。図１Ａ及び図１Ｂに示す実施形態１のブレーキ装置１００は、シャフト２と、シャフト２に巻き付けられるラップスプリング装置１と、ラップスプリング装置１に、ばね内径が拡がる方向に力を加えるアクチュエータ３と、を備える。ラップスプリング装置１は、シャフト２に巻き付けられる複数のスプリング４を有する。

　上記構成を備える実施形態１のブレーキ装置１００では、ラップスプリング装置１が複数のスプリング４を有するため、複数のスプリング４のそれぞれの締結力の合計が、ラップスプリング装置１全体の締結力となる。そのため、このブレーキ装置１００では、各スプリング４の巻き数を増やさずに、シャフト２に対するラップスプリング装置１の締結力を向上させることができる。このようにスプリング４の巻き数を増やさずに済むため、スプリング４とシャフト２との締結を解除するために必要なスプリング４の端部を動かす角度が大きくならず、スプリング４の端部の周囲の隙間であるバックラッシュの拡大を抑えることができる。したがって、実施形態１のブレーキ装置１００では、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。

　また、実施形態１のラップスプリング装置１は、シャフト２に巻き付けられる複数のスプリング４と、複数のスプリング４のそれぞれの第一端部が固定された第一タング５と、複数のスプリング４のそれぞれの第二端部が固定された第二タング６と、を備える。

　上記構成を備える実施形態１のラップスプリング装置１では、シャフト２に巻き付けられる複数のスプリング４を有するため、複数のスプリング４のそれぞれの締結力の合計が、ラップスプリング装置１全体の締結力となる。そのため、このラップスプリング装置１では、各々のスプリング４の巻き数を増やさずに、シャフト２に対するラップスプリング装置１の締結力を向上させることができる。このようにスプリング４の巻き数を増やさずに済むため、スプリング４とシャフト２との締結を解除するために必要なスプリング４の端部を動かす角度が大きくならない。従って、スプリング４の端部の周囲の隙間であるバックラッシュの拡大を抑えることができる。したがって、実施形態１のラップスプリング装置１では、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。加えて、実施形態１のラップスプリング装置１では、複数のスプリング４のそれぞれの第一端部が第一タング５に固定され、第二端部が第二タング６に固定されている。そのため、このラップスプリング装置１では、第一タング５と第二タング６を相対的に移動させることで、複数のスプリング４のそれぞれのばね内径をまとめて拡げることができる。

　２．詳細
　続いて、実施形態１のブレーキ装置１００及びラップスプリング装置１について、図面を参照して更に詳しく説明する。

　２－１．ブレーキ装置
　ブレーキ装置１００は、シャフト２と、ラップスプリング装置１と、アクチュエータ３と、回転フレーム７と、を備える。ブレーキ装置１００は、例えば、多関節ロボット用のモータに搭載されて、電源を落とした時にロボットアームを保持するためや、危険時の緊急制動用として用いられる。

　回転フレーム７は、シャフト２をその中心軸回りに回転可能に支持する。回転フレーム７は、シャフト２に巻き付けられるラップスプリング装置１が収まる凹部７０を有する。

　凹部７０は、シャフト２の中心軸に沿った方向（以下「軸方向」という）の片側に開放されている。凹部７０は、ラップスプリング装置１の複数のスプリング４が拡縮可能に収まるスプリング収容部７００と、ラップスプリング装置１の第一タング５および第二タング６がシャフト２の回転方向に移動可能に収まるタング収容部７０１と、を有する。

　スプリング収容部７００は、シャフト２の周囲に全周にわたって位置し、タング収容部７０１は、シャフト２の周囲のうちの一部に位置している。スプリング収容部７００とタング収容部７０１とは連通している。

　図２は、本開示の実施形態１のブレーキ装置１００のうち、ラップスプリング装置１を取り外した状態を示す斜視図である。図２に示すように、回転フレーム７の凹部７０には、第一ポールピース７１と第二ポールピース７２が取り付けられている。第一ポールピース７１と第二ポールピース７２は、タング収容部７０１の周方向の一端と他端に配置されている。第一ポールピース７１および第二ポールピース７２のそれぞれは、軟磁性材料の磁極である。

　第一ポールピース７１は、周方向において第一タング５に対向するタング受け面７１０を有する。第二ポールピース７２は、周方向において第二タング６に対向するタング受け面７２０を有する。タング受け面７１０およびタング受け面７２０が、周方向に所定の距離離れて位置する。

　本実施形態のブレーキ装置１００は、シャフト２の軸方向に並ぶ複数の第一ポールピース７１と、同方向に並ぶ複数の第二ポールピース７２と、を有する。ブレーキ装置１００は、２つの第一ポールピース７１と２つの第二ポールピース７２とを有する。

　２つの第一ポールピース７１のそれぞれには、第一タング５に接続された複数のスプリング４の端部を通すための凹み７１１が設けられている。また、２つの第二ポールピース７２のそれぞれには、第二タング６に接続された複数のスプリング４の端部を通すための凹み７２１が設けられている。これにより、第一ポールピース７１および第二ポールピース７２と複数のスプリング４との干渉を避けることができるうえ、第一ポールピース７１および第二ポールピース７２によってラップスプリング装置１の軸方向の移動を規制できる。

　アクチュエータ３は、ラップスプリング装置１に対して、複数のスプリング４のそれぞれのばね内径が拡大する方向に力を加える装置である。本実施形態では、アクチュエータ３は、回転フレーム７の周囲に位置する円環状の部分である。アクチュエータ３は、回転フレーム７に固定されている。

　アクチュエータ３は、電磁力を利用して、ラップスプリング装置１が有する２つのタングである第一タング５と第二タング６とに、相対的に離れる方向に力を加える。本実施形態では、アクチュエータ３は、第一ポールピース７１および第二ポールピース７２を励磁することで、第一ポールピース７１および第二ポールピース７２に第一タング５および第二タング６を電磁力によって吸着させる。アクチュエータ３としては、周知の機構が適用可能である。

　２－２．ラップスプリング装置
　図１Ａ及び図１Ｂに示すように、ラップスプリング装置１は、シャフト２に巻き付けられる複数のスプリング４と、複数のスプリング４のそれぞれの第一端部が固定される第一タング５と、複数のスプリング４のそれぞれの第二端部が固定される第二タング６と、を備える。なお、第二端部は、第一端部とは反対側の端部である。複数のスプリング４のそれぞれは、コイルスプリングであり、シャフト２に摩擦接触するように螺旋巻きされ且つ、シャフト２と同軸に取り付けられている。

　本実施形態では、複数のスプリング４は、軸方向に並ぶ第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂを含む。すなわち、複数のスプリング４は、２つのスプリングである第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂで構成されている。第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂとは、軸方向に離れて位置する。第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂは、同大同形であり、材質も互いに同じである。また、第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂとは、巻き方向も互いに同じである。

　複数のスプリング４のそれぞれは、直線状に延びた第一アーム部４０と第二アーム部４１とを有する。第一アーム部４０は、スプリング４の第一端部を構成し、第二アーム部４１は、スプリング４の第二端部を構成する。第一アーム部４０と第二アーム部４１は、スプリング４の中心軸に沿った方向（以下「スプリング４の軸方向」という）に距離をおいて位置する。なお、スプリング４の軸方向とシャフト２の軸方向とは同じ方向である。

　第一スプリング４ａは、第一アーム部４０ａと第二アーム部４１ａとを有する。第二スプリング４ｂは、第一アーム部４０ｂと第二アーム部４１ｂとを有する。第一アーム部４０ａ、第二アーム部４１ａ、第一アーム部４０ｂ、第二アーム部４１ｂは、この順に、スプリング４の軸方向に並んでいる。また、第一アーム部４０ａと第一アーム部４０ｂとは、スプリング４の軸方向に一列に並ぶ。第二アーム部４１ａと第二アーム部４１ｂとは、スプリング４の軸方向に一列に並んでいる。第一アーム部４０ａと第一アーム部４０ｂとの間隔と、第二アーム部４１ａと第二アーム部４１ｂとの間隔とは、同じである。

　第一タング５には、第一スプリング４ａの第一アーム部４０ａの先端部と、第二スプリング４ｂの第一アーム部４０ｂの先端部が固定されている。第二タング６には、第一スプリング４ａの第二アーム部４１ａの先端部と、第二スプリング４ｂの第二アーム部４１ｂの先端部が固定されている。

　第一タング５は、スプリング４の軸方向に並ぶ複数のパーツ５０と、複数のパーツ５０同士を連結するボルト等の複数の固定具５１と、で構成されている。本実施形態では、第一タング５は、３つのパーツ５０を有する。３つのパーツ５０のうち、中間に位置するパーツ５０には、第一スプリング４ａの第一アーム部４０ａ、第二スプリング４ｂの第一アーム部４０ｂがそれぞれ挿入される２つの嵌合孔５００が設けられている。３つのパーツ５０は、中間のパーツ５０に対してその両側のパーツ５０が、固定具５１によって固定されている。第一スプリング４ａの第一アーム部４０ａおよび第二スプリング４ｂの第一アーム部４０ｂは、それぞれ中間のパーツ５０の嵌合孔５００に挿入された状態で、中間のパーツ５０と両側のパーツ５０とで挟まれることで、第一タング５に固定されている。

　同様に、第二タング６は、スプリング４の軸方向に並ぶ複数のパーツ６０と、複数のパーツ６０同士を連結するボルト等の複数の固定具６１と、で構成されている。本実施形態では、第二タング６は、３つのパーツ６０を有する。３つのパーツ６０のうち、中間に位置するパーツ６０には、第一スプリング４ａの第二アーム部４１ａおよび第二スプリング４ｂの第二アーム部４１ｂがそれぞれ挿入される２つの嵌合孔６００が設けられている。３つのパーツ６０は、中間のパーツ６０に対してその両側のパーツ６０が、固定具６１によって固定されている。第一スプリング４ａの第二アーム部４１ａ、および第二スプリング４ｂの第二アーム部４１ｂは、それぞれ中間のパーツ６０の嵌合孔６００に挿入された状態で、中間のパーツ６０と両側のパーツ６０とで挟まれることで、第二タング６に固定されている。

　図３は、本開示の実施形態１のラップスプリング装置１を示す下面図である。図３に示すように、第一タング５および第二タング６のスプリング４の軸方向の長さは、互いに同じである。第一タング５および第二タング６のそれぞれの軸方向の長さは、複数のスプリング４の軸方向の長さの合計よりも長い。

　本実施形態では、第一タング５には、スプリング４の軸方向の一方に寄って、第一スプリング４ａの第一アーム部４０ａおよび第二スプリング４ｂの第一アーム部４０ｂが固定されている。第二タング６には、スプリング４の軸方向の他方に寄って、第一スプリング４ａの第二アーム部４１ａ、および第二スプリング４ｂの第二アーム部４１ｂが固定されている。第一タング５における２つのアーム部である第一アーム部４０ａと第一アーム部４０ｂの固定位置と、第二タング６における２つのアーム部である第二アーム部４１ａと第二アーム部４１ｂの固定位置は、ほぼ点対称である。そのため、アクチュエータ３から第一タング５および第二タング６に力が加えられた際に、ラップスプリング装置１全体として、第一タング５および第二タング６がスプリング４の軸方向に対して傾きにくくなっている。

　図１Ａに示すように、ラップスプリング装置１は、シャフト２に取り付けられた状態において、第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂのそれぞれがシャフト２に巻き付き、第一タング５が第一ポールピース７１の間に配置され、第二タング６が第二ポールピース７２の間に配置される。このとき、第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂのそれぞれのばね内径は、シャフト２の半径と同じである。第一タング５と第一ポールピース７１との間には隙間Ｓ１が形成され、第二タング６と第二ポールピース７２との間には隙間Ｓ２が形成される。なお、隙間Ｓ１および隙間Ｓ２のうちの一方は、形成されなくてもよい。つまり、第一タング５および第二タング６の一方は、第一ポールピース７１および第二ポールピース７２のいずれかに当たってもよい。

　ラップスプリング装置１では、アクチュエータ３から第一タング５および第二タング６に力が加えられていない状態では、第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂのそれぞれがシャフト２に巻き付く（密着する）。ラップスプリング装置１では、アクチュエータ３から第一タング５または第二タング６に力が加えられることで、第一タング５または第二タング６の間の間隔が拡がって、第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂのそれぞれとシャフト２との間に隙間が生じる。

　ここで、ラップスプリング装置１のシャフト２への締結力と、シャフト２とラップスプリング装置１との締結を解除するために必要な第一タング５または第二タング６を動かす角度は、図４に示すモデル及び下記の一般的な計算式から、求めることができる。図４は、本開示の実施形態１のブレーキ装置１００が備えるスプリング４とシャフト２をモデル化した例を示す図である。

　シャフト２と１つのスプリング４との締結を解除するために必要なスプリング４の端部（第一アーム部４０、第二アーム部４１）を動かす角度θと、シャフト２と１つのスプリング４の締結力Ｔｓは、一般的に、図４のモデルを適用して次のように表される。図４のモデルでは、スプリング４の第一アーム部４０が自由端となっており、第二アーム部４１が固定端となっており、第一アーム部４０が移動可能である。

　角度θは、次式で与えられる。

　また、締結力Ｔｓは、次式で与えられる。

　なお、図４及び上記各式におけるパラメータは、次の通りである。
Ｎ：スプリング４の巻き数
δ：シャフト２とスプリング４の干渉量
Ｒ：スプリング４のばね内径（半径）
Ｅ：スプリング４の弾性係数
ｆ：スプリング４の摩擦係数
　ラップスプリング装置１のシャフト２への締結力は、複数のスプリング４（つまり第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂ）のそれぞれの締結力Ｔｓを足し合わせた数値となる。そして、シャフト２とラップスプリング装置１との締結を解除するために必要な第一タング５、第二タング６を動かす角度は、第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂの上記角度θのうちの大きい方の数値と同じとなる。

　上記の計算式からわかるように、角度θは、スプリング４の巻き数に比例し、締結力Ｔｓは、スプリング４の巻き数に比例する。締結力Ｔｓを向上させるためには、スプリング４の巻き数を増やす必要があるが、この場合、角度θが大きくなる。角度θが大きくなると、スプリング４の端部を動かすための隙間であるバックラッシュを拡げる必要があり、バックラッシュを拡げると、シャフト２の回転時の空動きが増える。

　２－３．ブレーキ装置の動作
　以上説明した本実施形態のブレーキ装置１００では、アクチュエータ３が未駆動の状態では、ラップスプリング装置１の第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂのそれぞれがシャフト２に巻き付いており、第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂのばね内径がシャフト２の半径と同じとなっている。

　この状態で、シャフト２が時計周り（第二タング６が第二ポールピース７２に近づく方向）に回転すると、第二タング６と第二ポールピース７２との間の隙間Ｓ２だけ、シャフト２及びラップスプリング装置１が回転する。その後、第二タング６が第二ポールピース７２に当たることで、シャフト２の回転が停止する。

　また、シャフト２が反時計周り（第一タング５が第一ポールピース７１に近づく方向）に回転すると、第一タング５と第一ポールピース７１の間の隙間Ｓ１だけ、シャフト２とラップスプリング装置１とが回転する。その後、第一タング５が第一ポールピース７１に当たることで、シャフト２の回転が停止する。

　アクチュエータ３が駆動すると、第一ポールピース７１と第一タング５との間に電磁力が生じて、第一タング５が第一ポールピース７１に吸着し、第二ポールピース７２と第二タング６との間に電磁力が生じて、第二タング６が第二ポールピース７２に吸着する。つまり、第一タング５と第二タング６とがシャフト２の周方向において離れる方向に相対的に移動して、第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂのそれぞれのばね内径が拡がり、第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂのそれぞれとシャフト２との間に隙間が生じる。これにより、シャフト２に第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂが圧着した状態が解除されて、シャフト２が回転可能となる。

　２－４．作用効果
　以上説明した本実施形態のブレーキ装置１００では、ラップスプリング装置１が複数のスプリング４を有するため、複数のスプリング４のそれぞれの締結力の合計が、ラップスプリング装置１全体の締結力となる。そのため、このブレーキ装置１００では、各スプリング４の巻き数を増やさずに、シャフト２に対するラップスプリング装置１の締結力を向上させることができる。このようにスプリング４の巻き数を増やさずに済むため、スプリング４とシャフト２との締結を解除するために必要なスプリング４の端部を動かす角度が大きくならず、スプリング４の端部の周囲の隙間であるバックラッシュの拡大を抑えることができる。したがって、実施形態１のブレーキ装置１００では、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。

　また、本実施形態のブレーキ装置１００では、第一タング５には複数のスプリング４の第一端部が固定され、第二タング６には複数のスプリング４の第二端部が固定されている。そのため、本実施形態のブレーキ装置１００では、アクチュエータ３から第一タング５、第二タング６に力が加わった際に、第一タング５、第二タング６が傾くことを抑制できて、ブレーキ動作の安定性を向上させることができる。

　ここで、本実施形態のブレーキ装置１００では、第一タング５に固定された第一スプリング４ａの第一アーム部４０ａおよび第二スプリング４ｂの第一アーム部４０ｂの配置と、第二タング６に固定された第一スプリング４ａの第二アーム部４１ａおよび第二スプリング４ｂの第二アーム部４１ｂの配置が対応している。そのため、本実施形態のブレーキ装置１００では、第一タング５および第二タング６の傾きを更に抑制できる。

　また、本実施形態のブレーキ装置１００では、第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂが、同大同形であり、巻き方向が互いに同じであるため、第一スプリング４ａおよび第二スプリング４ｂのばね内径が拡縮する方向に第一タング５および第二タング６が安定して移動しやすくて、ブレーキ動作の安定性が向上している。

　３．変形例
　続いて、上述したブレーキ装置１００及びラップスプリング装置１の変形例について説明する。以下に示す各変形例は、適宜組み合わせ可能である。

　ラップスプリング装置１が備える複数のスプリング４の数は、２つに限定されず、３つ以上であってもよい。

　ラップスプリング装置１は、第一タング５または第二タング６のうち一方だけを備えてもよく、この場合、複数のスプリング４の第一端部又は第二端部は、回転フレーム７又はアクチュエータ３の一部に固定されてもよい。

　アクチュエータ３は、第一タング５と第二タング６のうち少なくとも一方に、ばね内径が拡がる方向に力を加えるものであればよく、第一タング５または第二タング６の一方にのみ力を加えるものであってもよい。また、アクチュエータ３は、電磁力以外の手段で第一タング５または第二タング６に力を加えるものであってもよい。

　第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂは、同大同形、材質、巻き方向が互いに同じものに限定されない。例えば、第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂとは、線径ｄが互いに異なってもよい。また、第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂとは、巻き数Ｎが互いに異なってもよい。

　（実施形態２）
　続いて、図５Ａ及び図５Ｂに示す実施形態２のラップスプリング装置１について、説明する。図５Ａは、本開示の実施形態２のブレーキ装置１００が備えるラップスプリング装置１を示す斜視図である。図５Ｂは、本開示の実施形態２のブレーキ装置１００が備えるラップスプリング装置１を示す下面図である。なお、実施形態２のラップスプリング装置１の基本的な構成は、実施形態１と共通であるから、実施形態１と重複する説明については、図中に同符号を付して説明を省略する。また、ブレーキ装置１００は、図１Ａに示すブレーキ装置１００と同様の構成を有し、ラップスプリング装置１を取り外した構成は、図２に示す構成と同じ構成となる。

　本実施形態のラップスプリング装置１では、複数のスプリング４は、巻き数Ｎが互いに同じであり、かつ巻き方向が互いに異なる第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂを含む。複数のスプリング４は、２つのスプリング、すなわち第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂで構成されている。

　第一タング５には、第一スプリング４ａの第一端部と第二スプリング４ｂの第一端部が、シャフト２の中心軸に沿った方向における第一タング５の中央部Ｃ１に対して、対称に固定される。

　ここで、第一タング５には、第一スプリング４ａの第一アーム部４０ａと、第二スプリング４ｂの第二アーム部４１ｂが固定されている。第一アーム部４０ａと第二アーム部４１ｂは、第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂの軸方向に対して直交し、かつ第一タング５の軸方向の中間地点である中央部Ｃ１を通る仮想直線に対して、線対称に配置されている。

　第二タング６には、第一スプリング４ａの第二端部と第二スプリング４ｂの第二端部が、シャフト２の中心軸に沿った方向における第二タング６の中央部Ｃ２に対して、対称に固定されている。

　ここで、第二タング６には、第一スプリング４ａの第二アーム部４１ａと、第二スプリング４ｂの第一アーム部４０ｂが固定されている。第二アーム部４１ａと第一アーム部４０ｂは、第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂの軸方向に対して直交し、かつ第二タング６の軸方向の中間地点である中央部Ｃ２を通る仮想直線に対して、線対称に配置されている。

　つまり、本実施形態のラップスプリング装置１では、第一タング５、第二タング６のそれぞれに第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂの端部が対称に固定されている。そのため、アクチュエータ３から力が加わった際に、第一タング５、第二タング６のそれぞれがスプリング４の中心軸に対して平行な状態から傾くことが更に抑えられ、ブレーキ動作の安定性が向上する。

　また、本実施形態のブレーキ装置１００においても、ラップスプリング装置１が複数のスプリング４を有するため、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。

　なお、実施形態２のブレーキ装置１００及びラップスプリング装置１も、上述した実施形態１のブレーキ装置１００及びラップスプリング装置１の変形例と適宜組み合わせ可能である。

　（実施形態３）
　続いて、図６に示す実施形態３のラップスプリング装置１及びブレーキ装置１００について、説明する。図６は、本開示の実施形態３のブレーキ装置１００のラップスプリング装置１とシャフト２を概略的に示す図である。なお、実施形態３のラップスプリング装置１の基本的な構成は、実施形態１と共通であるから、実施形態１と重複する説明については、図中に同符号を付して説明を省略する。また、ブレーキ装置１００は、図１Ａに示すブレーキ装置１００と同様の構成を有し、ラップスプリング装置１を取り外した構成は、図２に示す構成と同じ構成となる。

　本実施形態のラップスプリング装置１では、複数のスプリング４は、ばね内径が互いに異なる第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂを含む。複数のスプリング４は、２つのスプリングである第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂで構成されている。

　ブレーキ装置１００では、シャフト２は、第一スプリング４ａが巻き付けられる第一部分２０と、第一部分２０よりも径が小さく、第二スプリング４ｂが巻き付けられる第二部分２１と、を有する。

　第一スプリング４ａのばね内径Ｒ１は、シャフト２の第一部分２０の半径と同じであり、第二スプリング４ｂのばね内径Ｒ２は、シャフト２の第二部分２１の半径と同じである。そのため、第一スプリング４ａのばね内径Ｒ１は、第二スプリング４ｂのばね内径Ｒ２よりも大きい。

　本実施形態では、第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂとは、巻き数Ｎをばね内径Ｒ１，Ｒ２で割った値が互いに同じである。つまり、第一スプリング４ａの巻き数Ｎは、第二スプリング４ｂの巻き数Ｎよりも、ばね内径Ｒ１に対するばね内径Ｒ２の割合の分だけ多い。そのため、第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂとは、シャフト２との締結を解除するために必要な第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂの端部を動かす角度θが互いに同じであり、バックラッシュの拡大を抑えることができる。

　なお、第一スプリング４ａ、第二スプリング４ｂは、その他のパラメータは互いに同じである。

　本実施形態のブレーキ装置１００においても、ラップスプリング装置１が複数のスプリング４を有するため、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。

　加えて、本実施形態のブレーキ装置１００では、シャフト２の一部を細くできるため、シャフト２の製造コストを抑えることができる。

　なお、実施形態３のブレーキ装置１００及びラップスプリング装置１も、上述した実施形態１のブレーキ装置１００及びラップスプリング装置１の変形例と適宜組み合わせ可能である。

　また、実施形態３のブレーキ装置１００及びラップスプリング装置１では、第一スプリング４ａと第二スプリング４ｂとは、巻き数Ｎをばね内径Ｒ１，Ｒ２で割った値が互いに異なってもよい。

　（まとめ）
　以上説明した実施形態１から３及びその変形例のブレーキ装置１００のように、本開示の第一態様のブレーキ装置（１００）は、下記の構成を備える。

　すなわち、第一態様のブレーキ装置（１００）は、シャフト（２）と、シャフト（２）に巻き付けられるラップスプリング装置（１）と、ラップスプリング装置（１）に、ばね内径が拡がる方向に力を加えるアクチュエータ（３）と、を備える。ラップスプリング装置（１）は、シャフト（２）に巻き付けられる複数のスプリング（４）を有する。

　上記構成を備える第一態様のブレーキ装置（１００）では、ラップスプリング装置（１）が複数のスプリング（４）を有するため、複数のスプリング（４）のそれぞれの締結力の合計が、ラップスプリング装置（１）全体の締結力となる。そのため、このブレーキ装置（１００）では、各スプリング（４）の巻き数を増やさずに、シャフト（２）に対するラップスプリング装置（１）の締結力を向上させることができる。このように各スプリング（４）の巻き数を増やさずに済むため、各スプリング（４）とシャフト（２）との締結を解除するために必要な各スプリング（４）の端部を動かす角度が大きくならない。そのため、各スプリング（４）の端部の周囲の隙間であるバックラッシュの拡大を抑えることができる。したがって、第一態様のブレーキ装置（１００）では、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。

　また、上述した実施形態１から３及びその変形例のブレーキ装置１００のように、第二態様のブレーキ装置（１００）は、第一態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。

　すなわち、第二態様のブレーキ装置（１００）では、ラップスプリング装置（１）は、複数のスプリング（４）のそれぞれの第一端部が固定された第一タング（５）と、複数のスプリング（４）のそれぞれの第二端部が固定された第二タング（６）と、を更に有する。アクチュエータ（３）は、第一タング（５）と第二タング（６）のうち少なくとも一方に前記力を加える。

　上記構成を備える第二態様のブレーキ装置（１００）では、アクチュエータ（３）によりタング（５，６）に力を加えることで、複数のスプリング（４）のばね内径をまとめて拡げることができる。また、第二態様のブレーキ装置（１００）では、タング（５，６）によって複数のスプリング（４）のばね内径の拡縮を同期させることができる。

　また、上述した実施形態２及びその変形例のブレーキ装置１００のように、第三態様のブレーキ装置（１００）は、第二態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。

　すなわち、第三態様のブレーキ装置（１００）では、複数のスプリング（４）は、巻き数（Ｎ）が互いに同じであり、かつ巻き方向が互いに異なる第一スプリング（４ａ）と第二スプリング（４ｂ）を含む。第一タング（５）には、第一スプリング（４ａ）の第一端部（第一アーム部４０ａ）と第二スプリング（４ｂ）の第一端部（第二アーム部４１ｂ）が、シャフト（２）の中心軸に沿った方向における第一タング（５）の中央部（Ｃ１）に対して、対称に固定される。第二タング（６）には、第一スプリング（４ａ）の第二端部（第二アーム部４１ａ）と第二スプリング（４ｂ）の第二端部（第一アーム部４０ｂ）が、シャフト（２）の中心軸に沿った方向における第二タング（６）の中央部（Ｃ２）に対して、対称に固定されている。

　上記構成を備える第三態様のブレーキ装置（１００）によれば、タング（５，６）のそれぞれに対して、スプリング（４ａ，４ｂ）の端部が対称に固定される。そのため、第三態様のブレーキ装置（１００）によれば、アクチュエータ（３）からタング（５，６）に力が加えられたときに、タング（５，６）が傾くことを抑制できる。

　また、上述した実施形態３及びその変形例のブレーキ装置１００のように、第四態様のブレーキ装置（１００）は、第一又は第二態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。

　すなわち、第四態様のブレーキ装置（１００）では、複数のスプリング（４）は、ばね内径（Ｒ）が互いに異なる第一スプリング（４ａ）と第二スプリング（４ｂ）を含む。シャフト（２）は、第一スプリング（４ａ）が巻き付けられる第一部分（２０）と、第一部分（２０）よりも径が小さく、第二スプリング（４ｂ）が巻き付けられる第二部分（２１）と、を有する。

　上記構成を備える第四態様のブレーキ装置（１００）によれば、シャフト（２）の一部を細くできて、シャフト（２）の製造コストを抑えることができる。

　また、上述した実施形態３及びその変形例のブレーキ装置１００のように、第五態様のブレーキ装置（１００）は、第四態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。

　すなわち、第五態様のブレーキ装置（１００）では、第一スプリング（４ａ）と第二スプリング（４ｂ）は、巻き数（Ｎ）をばね内径（Ｒ）で割った値が互いに同じである。

　上記構成を備える第五態様のブレーキ装置（１００）によれば、第一スプリング（４ａ）と第二スプリング（４ｂ）のそれぞれの、シャフト（２）との締結を解除するために必要なスプリング（４ａ，４ｂ）の端部を動かす角度（θ）を同じにできる。そのため、第五態様のブレーキ装置（１００）によれば、バックラッシュの拡大を抑えやすい。

　また、上述した実施形態１の変形例のブレーキ装置１００のように、第六態様のブレーキ装置（１００）は、第一又は第二態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。

　すなわち、第六態様のブレーキ装置（１００）では、複数のスプリング（４）は、線径（ｄ）が互いに異なる第一スプリング（４ａ）と第二スプリング（４ｂ）を含む。

　上記構成を備える第六態様のブレーキ装置（１００）によれば、シャフト（２）に対する第一スプリング（４ａ）の締結力と第二スプリング（４ｂ）の締結力を互いに変えることができる。

　また、上述した実施形態１から３及びその変形例のラップスプリング装置１のように、第七態様のラップスプリング装置（１）は、下記の構成を備える。

　すなわち、第七態様のラップスプリング装置（１）は、シャフト（２）に巻き付けられる複数のスプリング（４）と、複数のスプリング（４）のそれぞれの第一端部が固定された第一タング（５）と、を備える。第七態様のラップスプリング装置（１）は更に、複数のスプリング（４）のそれぞれの第二端部が固定された第二タング（６）を備える。

　上記構成を備える第七態様のラップスプリング装置（１）によれば、シャフト（２）に取り付けてブレーキ装置（１００）として用いた際に、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。

　以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。

　本開示のブレーキ装置及びラップスプリング装置では、バックラッシュの拡大を抑えつつ、締結力の向上を図ることができる。そのため、ブレーキ装置の応答性が向上し、当該ブレーキ装置を例えばロボットアームが備えることにより、ロボットアームの高精度の保持がしやすくなる。このように、本開示のブレーキ装置及びラップスプリング装置は、産業上有用である。

１　　　ラップスプリング装置
２　　　シャフト
２０　　第一部分
２１　　第二部分
３　　　アクチュエータ
４　　　スプリング
４ａ　　第一スプリング
４ｂ　　第二スプリング
５　　　第一タング
６　　　第二タング
Ｃ１　　中央部
Ｃ２　　中央部
Ｒ、Ｒ１、Ｒ２　　　ばね内径
ｄ　　　線径
Ｎ　　　巻き数

Claims (7)

1. 　シャフトと、
   　前記シャフトに巻き付けられるラップスプリング装置と、
   　前記ラップスプリング装置に、ばね内径が拡がる方向に力を加えるアクチュエータと、を備え、
   　前記ラップスプリング装置は、前記シャフトに巻き付けられる複数のスプリングを有する、
   　ブレーキ装置。
2. 　前記ラップスプリング装置は、
   　前記複数のスプリングのそれぞれの第一端部が固定された第一タングと、
   　前記複数のスプリングのそれぞれの第二端部が固定された第二タングと、を更に有し、
   　前記アクチュエータは、前記第一タングと前記第二タングのうち少なくとも一方に前記力を加える、
   　請求項１に記載のブレーキ装置。
3. 　前記複数のスプリングは、巻き数が互いに同じであり、かつ巻き方向が互いに異なる第一スプリングと第二スプリングを含み、
   　前記第一タングには、前記第一スプリングの前記第一端部と前記第二スプリングの前記第一端部が、前記シャフトの中心軸に沿った方向における前記第一タングの中央部に対して、対称に固定され、
   　前記第二タングには、前記第一スプリングの前記第二端部と前記第二スプリングの前記第二端部が、前記シャフトの中心軸に沿った方向における前記第二タングの中央部に対して、対称に固定されている、
   　請求項２に記載のブレーキ装置。
4. 　前記複数のスプリングは、ばね内径が互いに異なる第一スプリングと第二スプリングを含み、
   　前記シャフトは、
   　前記第一スプリングが巻き付けられる第一部分と、
   　前記第一部分よりも径が小さく、前記第二スプリングが巻き付けられる第二部分と、を有する、
   　請求項１又は２に記載のブレーキ装置。
5. 　前記第一スプリングと前記第二スプリングとは、巻き数をばね内径で割った値が互いに同じである、
   　請求項４に記載のブレーキ装置。
6. 　前記複数のスプリングは、線径が互いに異なる第一スプリングと第二スプリングを含む、
   　請求項１又は２に記載のブレーキ装置。
7. 　シャフトに巻き付けられる複数のスプリングと、
   　前記複数のスプリングのそれぞれの第一端部が固定された第一タングと、
   　前記複数のスプリングのそれぞれの第二端部が固定された第二タングと、を備える、
   　ラップスプリング装置。

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