WO2023233793A1 - センサ増幅回路 - Google Patents

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Abstract

センサ増幅回路(100)は、センサ回路(50)からの一対の出力信号の差電圧を増幅する差動増幅回路(110)と、差動増幅回路(110)の出力電圧に基づいて、出力電圧の非線形歪みを補償するための補償信号を生成する補償回路(150)とを備える。差動増幅回路(110)は、電流フィードバック計装増幅回路(CFIA)で構成されている。補償回路(150)は、出力電圧に応じた電流を出力するように構成された少なくとも1つの電流増幅回路(OTA)(160)を含み、少なくとも1つの電流増幅回路(160)からの出力電流の合計を補償信号として出力する。補償回路(150)からの補償信号は、電流フィードバック計装増幅回路における電流帰還ループへ入力される。

Description

センサ増幅回路
 本開示は、センサ増幅回路に関し、より特定的には、ブリッジ回路を用いたセンサ出力を補償する技術に関する。
 特開2003-248017号公報(特許文献1)には、センサ出力を補償することによってS/N比を改善して検出精度を向上させるセンサ回路が開示されている。特開2003-248017号公報(特許文献1)のセンサ回路は、センサ素子を備える検出部(プリアンプ部)と、該検出部への電源となる電源部(センサ用印加回路)と、検出部からの信号を増幅する増幅部(メインアンプ部)とを含む。センサ用印加回路は、定電圧回路、感度温度補償回路、および、非直線性補償回路を含んでおり、非直線性補償回路はセンサ回路出力の帰還回路内に配置されている。特開2003-248017号公報(特許文献1)のセンサ回路においては、当該非直線性補償回路を用いて、定電圧回路からプリアンプ部へ印加する電位をシフトさせることによって、センサ回路の直線性を改善している。
特開2003-248017号公報
 ブリッジ回路に構成されたセンサ素子を用いたセンサ回路としては、たとえば、トンネル型磁気抵抗(Tunneling Magneto-Resistive:TMR)素子を用いた磁気センサがある。このような磁気センサは、たとえば、電気自動車(Electric Vehicle:EV)あるいはハイブリッド車両(Hybrid Vehicle:HV)などの電動車両における電流センサとして用いられることがある。このような用途においては、車両の操作性および安全性の観点から、高精度なセンサ出力に加えて、高速応答性が必要とされる。
 特開2003-248017号公報(特許文献1)の開示されるセンサ回路においては、感度温度補償回路および非直線性補償回路によって精度を改善することができる。しかしながら、非直線性補償回路がセンサ回路出力の電圧フィードバック回路内に形成されており、センサ回路出力がプリアンプ部の入力側へフィードバックされている。そのため、回路の応答性に必然的に遅れが生じてしまい、要求される応答性が確保できない状態となる可能性がある。
 本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ブリッジ回路を用いたセンサの増幅回路において、高い応答性を確保しながら、直線性を改善することである。
 本開示に係るセンサ増幅回路は、4つのセンサ素子がブリッジ接続されたセンサ回路の出力を増幅するため回路である。センサ増幅回路は、センサ回路からの一対の出力信号の差電圧を増幅する差動増幅回路と、差動増幅回路の出力電圧に基づいて、出力電圧の非線形歪みを補償するための補償信号を生成する補償回路とを備える。差動増幅回路は、電流フィードバック計装増幅回路(Current Feedback Instrumentation Amplifier:CFIA)で構成されている。補償回路は、出力電圧に応じた電流を出力するように構成された少なくとも1つの電流増幅回路(Operational Transconductance Amplifier:OTA)を含み、当該少なくとも1つの電流増幅回路からの出力電流の合計を補償信号として出力する。補償回路からの補償信号は、電流フィードバック計装増幅回路における電流帰還ループへ入力される。
 本開示に係るセンサ増幅回路においては、電流フィードバック計装増幅回路(CFIA)を用いて差動増幅回路を構成するとともに、電流増幅回路(OTA)を含む補償回路によって生成された、非線形歪みに対する補償信号が、CFIA回路の電流帰還ループにフィードバックされる。このように、差動増幅回路内の中間信号(電流信号)に対するフィードバックを行なうことによって、入力段の増幅器(オペアンプ)を経由しない構成となるため、特許文献1のような電圧フィードバック型の補償回路に比べて応答性を向上することができる。したがって、高い応答性を確保しながら、直線性を改善することができる。
実施の形態1に係るセンサ増幅回路を用いたセンサシステムの概略構成図である。 センサ増幅回路におけるリニアリティ補償の概要を説明するための第1図である。 センサ増幅回路におけるリニアリティ補償の概要を説明するための第2図である。 センサ増幅回路の伝達関数を演算するための等価モデルである。 図4の等価モデルにおいて、リニアリティ補償回路の参照電圧を変化させたときのセンサ増幅回路の出力を示す図である。 実施の形態2に係るセンサ増幅回路を用いたセンサシステムの概略構成図である。 フィルタ回路による補償信号の時間変化の概要を説明するための図である。 実施の形態3に係るセンサ増幅回路を用いたセンサシステムの概略構成図である。
 以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
 [実施の形態1]
 (センサシステムの概要)
 図1は、実施の形態1に係るセンサ増幅回路100を用いたセンサシステム10の概略構成図である。図1を参照して、センサシステム10は、センサ回路50、および、センサ増幅回路100を含む。
 センサ回路50は、4つのセンサ素子51~54がブリッジ接続された構成を有している。図1の例においては、センサ素子51~54の各々は、トンネル型磁気抵抗(TMR)素子であり、検出される磁界に応じて抵抗値が変化する磁気センサである。なお、センサ素子51~54は、検出される物理量に応じて抵抗値が変化する素子であれば、他の抵抗素子を用いてもよい。
 センサ素子51,52は、一対の電源端子5a,5bの間に直列に接続されている。また、センサ素子53,54も、一対の電源端子5a,5bの間に直列に接続されている。センサ回路50は、電源端子5a,5bに所定の電圧が印加されることによって動作し、検出された磁界に応じて、一対の信号出力端子5c,5dに電圧差を生じさせる。信号出力端子5cは、センサ素子51とセンサ素子52との接続ノードであり、信号出力端子5dは、センサ素子53とセンサ素子54との接続ノードである。
 信号出力端子5c,5dは、センサ増幅回路100の入力端子T1,T2にそれぞれ接続される。すなわち、センサ回路50の一対の出力信号の差電圧は、センサ増幅回路100の入力として与えられる。
 センサ増幅回路100は、入力端子T1,T2に加えて、出力端子T3と、差動増幅回路110と、リニアリティ補償回路150と、出力アンプ190とを含む。センサ増幅回路100は、入力端子T1,T2で受けたセンサ回路50からの出力信号を差動増幅回路110および出力アンプ190を用いて増幅して、出力端子T3から出力する。また、センサ増幅回路100は、差動増幅回路110における増幅の際に、リニアリティ補償回路150を用いて、センサ回路50における非線形歪みを補償する。
 差動増幅回路110は、いわゆる電流フィードバック計装増幅回路(CFIA)で構成されており、増幅器111~113と、参照電圧V1,V2と、減算器115と、抵抗R1,R2とを含む。
 増幅器111~113の各々は電流増幅回路(OTA)で構成されており、反転入力端子および非反転入力端子に入力された電位差に応じた電流を出力端子から出力する、トランスコンダクタンス型のオペアンプである。入力段の増幅器111の反転入力端子および非反転入力端子は、入力端子T1,T2にそれぞれ接続されており、センサ回路50からの出力信号が入力される。増幅器111の出力端子は、減算器115を介して、出力段の増幅器112の反転入力端子に接続される。
 増幅器112の非反転入力端子には、参照電圧V1が接続されている。増幅器112は、増幅器111からの出力信号と参照電圧V1との差電圧に応じた電流を出力端子から出力する。なお、増幅器112の入力端子には所定のインピーダンスが存在するため、増幅器111から出力された電流信号は当該インピーダンスによって電圧信号に変換されて増幅器112に入力される。増幅器112の出力端子と接地電位との間には、直列接続された抵抗R1,R2が接続される。増幅器112から出力される電流信号は、抵抗R1,R2によって電圧信号に変換されて、出力アンプ190に提供される。出力アンプ190は、任意の増幅回路であり、差動増幅回路110からの出力信号を増幅し、出力端子T3を介して外部機器に出力する。
 抵抗R1と抵抗R2との間の接続ノードは、増幅器113の反転入力端子に接続される。抵抗R1,R2は分圧抵抗としても機能し、増幅器112からの出力信号を分圧した信号が、増幅器113の反転入力端子に入力される。増幅器113の非反転入力端子には、参照電圧V2が接続されている。増幅器113は、分圧された増幅器112の出力信号と参照電圧V2との差電圧に応じた電流を出力端子から出力する。増幅器113の出力端子は、減算器115に接続される。増幅器113によって、CFIAの電流帰還ループが形成される。
 リニアリティ補償回路150は、バッファ151と、複数の電流増幅回路(OTA)161~16nと、比較回路181~18nとを含む。なお、以降の説明において、電流増幅回路161~16nを包括的に「電流増幅回路160」とも称し、比較回路181~18nを包括的に「比較回路180」とも称する。なお、電流増幅回路は必ずしも複数である必要はなく、電流増幅回路が1つであってもよい。
 電流増幅回路161~16nは、リニアリティ補償回路150の入力端子と出力端子との間に並列に接続されている。電流増幅回路161~16nの各反転入力端子には、差動増幅回路110からの出力信号がバッファ151、および、対応する比較回路181~18nをそれぞれ経由して供給されている。また、電流増幅回路161~16nの非反転入力端子には、参照電圧VL1~VLnがそれぞれ接続されている。電流増幅回路161~16nの各出力端子は、差動増幅回路110における電流帰還ループである減算器115に接続されている。
 比較回路181~18nの各反転端子には、出力信号がバッファ151からの信号が接続されている。比較回路181~18nの非反転端子には、参照電圧VC1~VCnがそれぞれ接続されている。比較回路181~18nの各々は、差動増幅回路110の出力電圧が対応する参照電圧を超えると、所定の電圧を出力する。参照電圧VC1~VCを互いに異なる値に設定することによって、差動増幅回路110の出力電圧が増加するにつれて、リニアリティ補償回路150における補償ポイントを設定することができる。
 電流増幅回路161~16nの各々は、対応する比較回路の出力電圧が、個別に設定された参照電圧VL1~VLnを超えると所定の電流を出力する。比較回路181~18nと電流増幅回路161~16nとの組み合わせによって、差動増幅回路110の出力電圧が増加するにつれて、リニアリティ補償回路150差動増幅回路110の出力電圧が増加するにつれて、リニアリティ補償回路150からの出力電流が段階的に増加する。
 なお、電流増幅回路161~16nの参照電圧VL1~VLnは、比較回路181~18nによって決定される補償ポイントにおける、出力電流の出力タイミングを調整するためのものであるが、必ずしも必須ではなく、参照電圧VL1~VLnがゼロに設定されていてもよい。
 差動増幅回路110においては、リニアリティ補償回路150からの出力電流が増加すると増幅器112の入力電流が低下するので、これに伴って出力電圧も低下する。実施の形態1のセンサ増幅回路100においては、リニアリティ補償回路150のフィードバック信号は、入力段の増幅器111の入力側ではなく、増幅器111の出力側の電流ループに入力されている。すなわち、リニアリティ補償回路150による補償は、差動増幅回路110のゲイン(すなわち、出力信号の傾き)を切換える補償ではなく、出力信号にオフセットを与える補償である。そのため、ゲインを切換える場合のように補償タイミングにおいて急激な出力信号の変化が生じることが抑制されるので、補償による出力信号の変化を緩やかにし、出力波形の非連続性も低減することができる。
 補償にフィードバック制御を利用しているため、たとえば補償ポイントでセンサー信号が連続的に増減を繰り返すような場合、すなわち図1において例えば、参照電圧VL1にまたがるような信号が電流増幅回路161に連続的に入力されたような場合でも発振することなく補償動作を継続することができる。そして、差動増幅回路の中間点である電流帰還ループにおいてフィードバックしているため、回路の入力段にフィードバックする場合に比べて応答時間への影響を低減することができる。
 (リニアリティ補償の説明)
 次に、図2および図3を用いて、センサ増幅回路100におけるリニアリティ補償について説明する。図2は、センサ回路50における、磁界に対するセンサ出力信号の、理想的な直線に対する誤差歪みのシミュレーション結果を示す図である。また、図3は、リニアリティ補償を採用した場合の、磁界に対するセンサ増幅回路100の出力電圧を示す図である。
 図2を参照して、センサ回路50からの出力信号の磁界に対する変化は、比例的な直線成分に加えて、破線LN11で示されるような3次関数的な誤差歪み成分を含み得る。そのため、リニアリティ補償を適用せずにセンサ回路50からの出力信号をそのまま用いた場合、磁界の大きさ(絶対値)が大きくなるに従って誤差が次第に増大する。
 本実施の形態1におけるリニアリティ補償回路150においては、上述のように、差動増幅回路110の出力電圧が、各電流増幅回路160に設定された所定の参照電圧に到達するごとに、対応する電流増幅回路から所定の補償電流が出力され、それによって出力電圧を低下させる方向にオフセットが加えられる。
 図2においては、磁界がm1,m2,m3に到達するたびに、誤差が小さくなる方向にオフセットが加えられている。リニアリティ補償を行なうことによって、検出範囲の全体にわたって、線形誤差がほぼ±0.02%内となっている。
 このとき、m1からm2の区間における変化の割合(すなわち、傾き)は、同区間における破線LN11の傾きと同じである。同様に、m2からm3の区間における傾きは、同区間における破線LN11の傾きと同じである。言い換えれば、リニアリティ補償回路150による補償においては、補償の有無におけるゲインは変わっていない。そのため、ゲイン切換えによる補償に比べて滑らかな変化とすることができる。
 センサ増幅回路100からの出力電圧は、図3のように、理想的な線形出力(破線LN21)に対して実線LN20のような挙動となる。すなわち、磁界がm1,m2,m3に到達すると、すなわち出力電圧(実線LN20)と線形出力(破線LN21)との誤差が所定以上になると、リニアリティ補償により出力電圧が低減される。これによって、図3のように、出力電圧(実線LN20)は、理想的な線形出力(破線LN21)に追従するように変化する。
 なお、リニアリティ補償によるセンサ検出精度を向上させるには、補償ポイントを多く設けて、より細かな補償を行なうことが必要となる。しかしながら、その場合、リニアリティ補償回路150における電流増幅回路160の数を増加することが必要となるため、回路のサイズが大きくなってしまい、装置全体の小型化を阻害する要因となり得る。そのため、電流増幅回路160の数は、要求されるセンサの検出精度と、センサ増幅回路100の許容サイズとを考慮して適宜選択される。
 図4は、センサ増幅回路100の伝達関数を演算するための等価モデルである。図4のモデルにおいては、説明を容易にするために、リニアリティ補償回路150には1つの電流増幅回路160が設けられた構成となっている。なお、図4において、差動増幅回路110に含まれる増幅器111~113のトランスコンダクタンスをgとし、リニアリティ補償回路150の電流増幅回路160のトランスコンダクタンスをgmrとしている。また、リニアリティ補償回路150の比較回路180のゲインをAcとしている。図4のモデルにおいては、リニアリティ補償回路150の電流増幅回路160の参照電圧、および、差動増幅回路110の増幅器112,113の参照電圧V1,V2はゼロとしている。
 図4のモデルにおける伝達関数は、以下の式(1)のようになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 式(1)において、(Vin・g)の項がセンサ回路50からの入力電圧項であり、(VCO・A・gmr)の項がリニアリティ補償回路150による補償電圧項となる。式(1)に示されるように、リニアリティ補償回路150における電流増幅回路160のトランスコンダクタンスgmrが共通項に含まれているため、実際には、式(2)に示す入力電圧項(すなわち、差動増幅回路110)のゲインGinにもトランスコンダクタンスgmrの影響が及ぶことになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 上記の式(2)から、ゲインGinに対するリニアリティ補償回路150の影響を小さくするためには、差動増幅回路110のトランスコンダクタンスgに対して、リニアリティ補償回路150のトランスコンダクタンスgmrをできるだけ小さく設定することが好ましい(gmr<<g)。
 図5は、図4で示したモデルを用いた場合に、電流増幅回路160から出力される補償電流を変化させたときの、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutの変化のシミュレーション結果を示す図である。図5において、線LN31の場合は電流増幅回路160から出力される補償電流が最も小さく、線LN36に向かうに従って電流増幅回路160から出力される補償電流が大きくされている。
 図5で示されるように、電流増幅回路160から出力される補償電流を変化させても、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutの割合、すなわち傾きは、ほぼ同じである。言い換えれば、電流増幅回路160から出力される補償電流を増加させると、出力電圧Voutが低下方向にオフセットすることがわかる。
 本実施の形態1においては、検出される磁界の大きさが大きくなり、m1,m2,m3に到達するごとに、電流増幅回路160から出力される補償電流が増加されるため、概念的には、図5の線LN30のように段階的に出力電圧Voutが低下することになる。ただし、図2で説明したように、入力電圧Vin自体が3次関数のような非線形の挙動を示すため、図5で示したような段階的に出力電圧Voutを低下するような補償電流をフィードバックすることによって、結果としてリニアリティが改善される。
 以上のように、差動増幅回路110を電流フィードバック計装増幅回路(CFIA)で構成し、電流増幅回路(OTA)で構成されたリニアリティ補償回路150を用いて、出力電圧に対応した補償電流を差動増幅回路110の電流帰還ループにフィードバックする構成とすることによって、電圧フィードバック型の補償回路に比べて高い応答性を確保しつつ、出力信号の直線性を改善することができる。
 なお、実施の形態1における「増幅器111,112,113」は、本開示における「第1増幅器」、「第2増幅器」および「第3増幅器」にそれぞれ対応する。実施の形態1における「抵抗R1,R2」は、本開示における「分圧抵抗」に対応する。
 [実施の形態2]
 実施の形態2においては、リニアリティ補償回路にフィルタ回路が設けられる構成について説明する。
 図6は、実施の形態2に係るセンサ増幅回路100Aを用いたセンサシステム10Aの概略構成図である。センサ増幅回路100Aにおいては、実施の形態1におけるリニアリティ補償回路150が、リニアリティ補償回路150Aに置き換わった構成となっている。センサ増幅回路100Aにおけるその他の構成は、センサ増幅回路100と同様であり、重複する要素の説明は繰り返さない。
 図6を参照して、リニアリティ補償回路150Aにおいては、電流増幅回路161~16nにおける非反転入力端子に、ローパスフィルタ(LPF)171~17nがそれぞれ接続されている。すなわち、各比較回路181~18nの出力電圧は、対応するローパスフィルタ171~17nを経由して各電流増幅回路161~16nに供給される。ローパスフィルタを配置することよって、各電流増幅回路161~16nに入力される信号の変化が緩やかになるため、図7に示されるように、電流増幅回路160から出力される補償電流ILについても、ローパスフィルタがない場合(破線LN41)に比べて緩やかな変化となる(実線LN40)。
 このような構成とすると、フィードバックループの応答性がやや低下するものの、補償電流の急激な変化が抑制されるため、各補償ポイントにおいて補償電流が追加された際の、出力電圧の変動を抑制することができ、直線性をさらに改善することができる。
 なお、図6においては、各電流増幅回路161~16nの反転入力端子側にローパスフィルタが接続される構成であったが、それに代えて、各電流増幅回路161~16nの出力端子側にローパスフィルタが設けられる構成であってもよい。あるいは、電流増幅回路161~16nの出力端子側に共通のローパスフィルタが1つ設けられる構成であってもよい。
 [実施の形態3]
 実施の形態3においては、リニアリティ補償回路において、各電流増幅回路における参照電圧を削除し、それに代えて分圧回路が設けられる構成について説明する。
 図6は、実施の形態3に係るセンサ増幅回路100Bを用いたセンサシステム10Bの概略構成図である。センサ増幅回路100Bにおいては、実施の形態1におけるリニアリティ補償回路150が、リニアリティ補償回路150Bに置き換わった構成となっている。センサ増幅回路100Bにおけるその他の構成は、センサ増幅回路100と同様であり、重複する要素の説明は繰り返さない。
 図8を参照して、リニアリティ補償回路150Bにおいては、電流増幅回路161~16nにおける非反転入力端子と、比較回路181~18nとの間に、分圧回路がそれぞれ接続されている。各分圧回路は、直列接続された2つの抵抗(抵抗R11~R1n、および、抵抗R21~R2n)により構成されている。抵抗R21~R2nの各々の一方端は、対応する比較回路181~18nの出力端子に接続されており、他方端は対応する抵抗R11~R1nを介して接地電位に接続されている。抵抗R21~R2nと抵抗R11~R1nとの間の接続ノードは、対応する電流増幅回路161~16nにおける非反転入力端子に接続されている。
 実施の形態1のリニアリティ補償回路150においては、各電流増幅回路161~16nに対して個別の参照電圧VL1~VLnが設けられているが、電流増幅回路の数が多くなると、参照電圧の数も多くなるため、参照電圧を出力するための回路も増加する。これにより、センサ増幅回路を形成するためのIC基板面積が大きくなり、センサ増幅回路を含む装置全体も大型化する可能性がある。一方で、参照電圧を削減して0Vに固定する場合、出力電流の選択の柔軟性が低下してしまい、出力電圧の直線性を十分に改善できない状態となる可能性がある。
 実施の形態3のリニアリティ補償回路150Bにおいては、各電流増幅回路161~16nの反転入力端子に、抵抗で構成された分圧回路が形成されているため、各電流増幅回路161~16nへの入力電圧を、少ない基板面積で個別に調整することが可能となる。これによって、センサ増幅回路の大型化を抑制しながら、出力電圧の直線性を改善することができる。
 なお、分圧回路の後段に、実施の形態2で説明したローパスフィルタをさらに配置してもよい。
 [態様]
 (第1項)一態様に係るセンサ増幅回路は、4つのセンサ素子がブリッジ接続されたセンサ回路の出力を増幅する。センサ増幅回路は、センサ回路からの一対の出力信号の差電圧を増幅する差動増幅回路と、差動増幅回路の出力電圧に基づいて、出力電圧の非線形歪みを補償するための補償信号を生成する補償回路とを備える。差動増幅回路は、電流フィードバック計装増幅回路(CFIA)で構成されている。補償回路は、出力電圧に応じた電流を出力するように構成された少なくとも1つの電流増幅回路(OTA)を含み、少なくとも1つの電流増幅回路からの出力電流の合計を補償信号として出力する。補償回路からの補償信号は、電流フィードバック計装増幅回路における電流帰還ループへ入力される。
 (第2項)第1項に記載のセンサ増幅回路において、補償回路は、出力電圧に従って少なくとも1つの電流増幅回路による補償ポイントを設定するための比較回路をさらに含む。
 (第3項)第2項に記載のセンサ増幅回路において、補償回路は、比較回路の出力をフィルタリングして少なくとも1つの電流増幅回路へ供給するフィルタ回路をさらに含む。
 (第4項)第3項に記載のセンサ増幅回路において、フィルタ回路は、ローパスフィルタである。
 (第5項)第4項に記載のセンサ増幅回路において、路補償回路は、複数の電流増幅回路を含んでいる。フィルタ回路は、複数の電流増幅回路の各々に対して設けられる。
 (第6項)第2項から第4項のいずれか1項に記載のセンサ増幅回路において、補償回路は、比較回路の出力を分圧して少なくとも1つの電流増幅回路へ供給する分圧回路をさらに含む。
 (第7項)第6項に記載のセンサ増幅回路において、補償回路は、複数の電流増幅回路を含んでいる。比較回路は、複数の電流増幅回路の各々に対して設けられる。
 (第8項)第1項から第7項に記載のセンサ増幅回路において、補償回路は、第1電流増幅回路および第2電流増幅回路を含む。第1電流増幅回路は、出力電圧が第1しきい値に到達すると、第1補償電流を出力する。第2電流増幅回路は、出力電圧が第1しきい値よりも大きい第2しきい値に到達すると、第2補償電流を出力する。
 (第9項)第1項から第7項のいずれか1項に記載のセンサ増幅回路において、電流フィードバック計装増幅回路は、各々が電流増幅回路(OTA)で構成された第1増幅器、第2増幅器および第3増幅器と、減算器と、分圧抵抗とを含む。第1増幅器、第2増幅器および第3増幅器の各々は、反転入力端子、非反転入力端子、および、出力端子を含む。センサ回路からの一対の出力信号は、第1信号および第2信号を含む。第1信号は、第1増幅器の反転入力端子に入力される。第2信号は、第1増幅器の非反転入力端子に入力される。第1増幅器の出力端子は、減算器を介して第2増幅器の反転入力端子に接続される。第2増幅器の非反転入力端子には、第1参照電圧が接続される。第2増幅器の出力端子は、分圧抵抗を介して第3増幅器の反転入力端子に接続される。第3増幅器の非反転入力端子には、第2参照電圧が接続される。第3増幅器の出力端子は、減算器に接続される。補償回路の出力は、減算器に接続される。
 今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 5a,5b 電源端子、5c,5d 信号出力端子、10,10A,10B センサシステム、50 センサ回路、51,52,53,54 センサ素子、100,100A,100B センサ増幅回路、110 差動増幅回路、111,112,113 増幅器、115 減算器、150,150A,150B リニアリティ補償回路、151 バッファ、160~16n 電流増幅回路、171~17n フィルタ回路、181~18n 比較回路、190 出力アンプ、R1,R2,R11~R1n,R21~R2n 抵抗、T1,T2 入力端子、T3 出力端子、V1,V2,VC0~VCn,VL0~VLn 参照電圧。

Claims (9)

  1.  4つのセンサ素子がブリッジ接続されたセンサ回路の出力を増幅するためのセンサ増幅回路であって、
     前記センサ回路からの一対の出力信号の差電圧を増幅する差動増幅回路と、
     前記差動増幅回路の出力電圧に基づいて、前記出力電圧の非線形歪みを補償するための補償信号を生成する補償回路とを備え、
     前記差動増幅回路は、電流フィードバック計装増幅回路(Current Feedback Instrumentation Amplifier:CFIA)で構成されており、
     前記補償回路は、前記出力電圧に応じた電流を出力するように構成された少なくとも1つの電流増幅回路(Operational Transconductance Amplifier:OTA)を含み、前記少なくとも1つの電流増幅回路からの出力電流の合計を前記補償信号として出力し、
     前記補償回路からの前記補償信号は、前記電流フィードバック計装増幅回路における電流帰還ループへ入力される、センサ増幅回路。
  2.  前記補償回路は、前記出力電圧に従って前記少なくとも1つの電流増幅回路による補償ポイントを設定するための比較回路をさらに含む、請求項1に記載のセンサ増幅回路。
  3.  前記補償回路は、前記比較回路の出力をフィルタリングして前記少なくとも1つの電流増幅回路へ供給するフィルタ回路をさらに含む、請求項2に記載のセンサ増幅回路。
  4.  前記フィルタ回路は、ローパスフィルタである、請求項3に記載のセンサ増幅回路。
  5.  前記補償回路は、複数の電流増幅回路を含んでおり、
     前記フィルタ回路は、前記複数の電流増幅回路の各々に対して設けられる、請求項4に記載のセンサ増幅回路。
  6.  前記補償回路は、前記比較回路の出力を分圧して前記少なくとも1つの電流増幅回路へ供給する分圧回路をさらに含む、請求項2~4のいずれか1項に記載のセンサ増幅回路。
  7.  前記補償回路は、複数の電流増幅回路を含んでおり、
     前記分圧回路は、前記複数の電流増幅回路の各々に対して設けられる、請求項6に記載のセンサ増幅回路。
  8.  前記補償回路は、第1電流増幅回路および第2電流増幅回路を含み、
     前記第1電流増幅回路は、前記出力電圧が第1しきい値に到達すると、第1補償電流を出力し、
     前記第2電流増幅回路は、前記出力電圧が前記第1しきい値よりも大きい第2しきい値に到達すると、第2補償電流を出力する、請求項1~7のいずれか1項に記載のセンサ増幅回路。
  9.  前記電流フィードバック計装増幅回路は、
      各々が電流増幅回路(OTA)で構成された第1増幅器、第2増幅器および第3増幅器と、
      減算器と、
      分圧抵抗とを含み、
     前記第1増幅器、前記第2増幅器および前記第3増幅器の各々は、反転入力端子、非反転入力端子、および、出力端子を含み、
     前記センサ回路からの一対の出力信号は、第1信号および第2信号を含み、
     前記第1信号は、前記第1増幅器の反転入力端子に入力され、
     前記第2信号は、前記第1増幅器の非反転入力端子に入力され、
     前記第1増幅器の出力端子は、前記減算器を介して前記第2増幅器の反転入力端子に接続され、
     前記第2増幅器の非反転入力端子には、第1参照電圧が接続され、
     前記第2増幅器の出力端子は、前記分圧抵抗を介して前記第3増幅器の反転入力端子に接続され、
     前記第3増幅器の非反転入力端子には、第2参照電圧が接続され、
     前記第3増幅器の出力端子は、前記減算器に接続され、
     前記補償回路の出力は、前記減算器に接続される、請求項1~7のいずれか1項に記載のセンサ増幅回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01286604A (ja) * 1987-09-10 1989-11-17 Livingston Realisations Ltd ボイスコイルアクチェエータの位置設定用の増幅器
JP2015154488A (ja) * 2014-02-14 2015-08-24 アナログ デバイシス グローバル オフセット補償を備えた増幅器

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