WO2023228475A1 - 電池 - Google Patents

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紀幸 内田
英一 古賀
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    • H01M50/103Primary casings, jackets or wrappings of a single cell or a single battery characterised by their shape or physical structure prismatic or rectangular

Abstract

本開示の一様態に係る電池は、正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置される固体電解質層を含む電池セルと、前記電池セルの上方に設けられ、前記電池セルを押圧する板形状の第1押圧部材と、を備え、前記第1押圧部材は、前記電池セル側に向く面であって平面形状の第1面と、前記第1面に背向する面であって凸面形状を有する第2面とを有する。

Description

電池
 本開示は、電池に関する。
 特許文献1には、中央が内側に向けて凸状の外装体の弾性力により、電池セルの電極体の表面および裏面のそれぞれに、略均一に押圧を加えることを特徴とする電池が開示されている。
 特許文献2には、外装体に収容される被収容物(電池セル)の表面または裏面の少なくとも一方を局所的に押圧する押圧部を有することを特徴とする電池が開示されている。
特開2020―155244号公報 特開2020-194743号公報
 従来技術においては、電池セルの接触抵抗を低減し性能を向上させるため、電池セルに対し均一に押圧する方法が求められている。しかし、特許文献1および特許文献2においては、電池セルを外装体内に収納する場合、または、電池セルが局所的に押圧される場合に、外装体に接触した電池セルの面に荷重が集中し、電池セルの損傷が発生してしまう場合がある。このため、高い信頼性を有する電池を得ることが困難であった。
 そこで、本開示は、高い信頼性を有する電池を提供する。
 本開示の一様態に係る電池は、正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置される固体電解質層を含む電池セルと、前記電池セルの上方に設けられ、前記電池セルを押圧する板形状の第1押圧部材と、を備え、前記第1押圧部材は、前記電池セル側に向く面であって平面形状の第1面と、前記第1面に背向する面であって凸面形状を有する第2面とを有する。
 本開示によれば、高い信頼性を有する電池を提供することができる。
図1は、実施の形態1に係る電池が備える複数の電池セルの断面図である。 図2は、実施の形態1に係る電池の断面図である。 図3は、実施の形態1に係る第1押圧部材の平面図、正面図および側面図である。 図4は、実施の形態1に係る第1押圧部材の斜視図である。 図5は、実施の形態1に係る第1押圧部材と、湾曲面の形状に係る円柱とが重ねられた斜視図である。 図6は、実施の形態1に係る収容工程を説明する図である。 図7は、実施の形態1に係る電池の構成要素を説明のために離間して示した断面図と、第1押圧部材の側面図とである。 図8は、比較例1に係る電池を示す断面図である。 図9は、実施の形態1に係る電池が備える外装体と電池ユニットとの断面図である。 図10は、実施の形態1の変形例に係る電池の断面図である。 図11は、実施の形態1の実施例1に係る第1押圧部材の平面図、正面図および側面図である。 図12は、実施の形態1の実施例1に係る第1押圧部材の斜視図である。 図13は、実施の形態1の実施例1に係る第1押圧部材と、湾曲面の形状に係る球体とが重ねられた斜視図である。 図14は、実施の形態1の実施例2に係る第1押圧部材の平面図、正面図および側面図である。 図15は、実施の形態1の実施例2に係る第1押圧部材の斜視図である。 図16は、実施の形態1の実施例3に係る第1押圧部材の正面図および斜視図である。 図17は、実施の形態2に係る電池が備える電池ユニットの断面図である。 図18は、実施の形態2に係る電池が備える電池ユニットの斜視図である。 図19は、実施の形態3に係る電池の断面図である。 図20は、実施の形態4に係る電池の断面図である。
 (本開示の基礎となった知見)
 それぞれが正極集電体、正極活物質層、負極集電体、負極活物質層、および、正極活物質層と負極活物質層との間にある固体電解質層を有する複数の電池セルが積層された電池の重要品質の一つが、高い電池効率である。電池セルを厚み方向から均一に押圧することで、電池セルの接触抵抗を下げ、電池効率の向上が達成される。
 しかしながら、電池セルを押圧する際に問題が発生する場合がある。例えば、電池セルに接し押圧する外装体の中央が内側に凸状の場合、または、外装体の中央が内側に凸状で電池セルの上面および下面の一方を局所的に押圧する形状の場合について考える。この場合、電池セルを外装体内に収納する際、または、電池セルが局所的に押圧される際に、外装体と接触した電池セルの面に荷重が集中してしまう。これにより、電池セルにおいて、正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層が断裂し電気伝導性が低下したり、電池セルが有する層などが剥離し電気伝導性が低下したり、正極集電体または負極集電体が破れたりするなどの損傷が発生してしまう。このため、高い信頼性を有する電池を得ることが困難であった。
 そこで、本開示は、高い信頼性を有する電池を提供する。
 以下に、本開示に係る電池の複数の例について示す。
 本開示の第1態様に係る電池は、
 正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置される固体電解質層を含む電池セルと、
 前記電池セルの上方に設けられ、前記電池セルを押圧する板形状の第1押圧部材と、を備え、
 前記第1押圧部材は、
  前記電池セル側に向く面であって平面形状の第1面と、
  前記第1面に背向する面であって凸面形状を有する第2面とを有する。
 これにより、信頼性および電池効率の高い電池が提供できる。第1押圧部材の電池セル側の第1面が平面形状であり第2面が凸面形状を有することで、電池セルが押圧される時の反力によって平面形状の第1面が変形することが抑制される。よって、平面形状の第1面によって電池セルが電池セルの上方から均一に押圧され、電池セルの損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池が実現される。また、均一に電池セルを押圧することができることから、電池セルにおける接触抵抗を下げ、電池効率を向上させることができる。
 本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る電池では、
 前記電池セルおよび前記第1押圧部材を収容する外装体を備えてもよく、
 前記第1押圧部材は、前記外装体と前記電池セルとの間に配置されてもよい。
 これにより、電池セルは、第1押圧部材を介して、外装体によって押圧されることとなる。この場合においても、第1押圧部材によって均一に電池セルが押圧されるため、電池セルの損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第3態様において、例えば、第2態様に係る電池では、
 前記第1押圧部材は、前記外装体より高い剛性を有してもよい。
 これにより、第1押圧部材が外装体によって押圧されても、第1押圧部材の第1面がより変形し難くなる。つまり第1押圧部材によってより均一に電池セルが押圧されるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第4態様において、例えば、第1から第3態様のいずれか1つに係る電池では、
 前記電池セルの下方に設けられ、前記電池セルを押圧する板形状の第2押圧部材を備えてもよく、
 前記第2押圧部材は、
  前記電池セル側に向く面であって平面形状の第3面と、
  前記第3面に背向する面である第4面とを有してもよい。
 これにより、平面形状である第3面によって電池セルが電池セルの下方から均一に押圧される。よって、平面形状の第1面および平面形状の第3面によって電池セルの上方および下方から、電池セルが均一に押圧されるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第5態様において、例えば、第4態様に係る電池では、前記第4面は、平面形状であってもよい。
 このように、第4面が平面形状であっても、平面形状である第3面によって電池セルが電池セルの下方から均一に押圧される。よって、平面形状の第1面および平面形状の第3面によって電池セルの上方および下方から、電池セルが均一に押圧されるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第6態様において、例えば、第4態様に係る電池では、
 前記第2面および前記第4面は、同一形状であってもよい。
 これにより、第1押圧部材と第2押圧部材とが実質的に同一の形状となる。このため、製造時に、第1押圧部材と第2押圧部材とが作り分けられる必要がないため、製造を簡略化することができる。
 本開示の第7態様において、例えば、第4態様に係る電池では、前記第2面および前記第4面は、互いに異なる形状であってもよい。
 このように、第2面および第4面が互いに異なる形状であっても、平面形状である第3面によって電池セルが電池セルの下方から均一に押圧される。よって、平面形状の第1面および平面形状の第3面によって電池セルの上方および下方から、電池セルが均一に押圧されるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第8態様において、例えば、第4から第7態様のいずれか1つに係る電池では、
 前記電池セル、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材を収容する外装体を備えてもよく、
 前記第1押圧部材および前記第2押圧部材は、前記外装体より高い剛性を有してもよい。
 これにより、第1押圧部材および第2押圧部材が外装体によって押圧されても、第1押圧部材の第1面および第2押圧部材の第3面がより変形し難くなる。つまり第1押圧部材および第2押圧部材によってより均一に電池セルが押圧されるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第9態様において、例えば、第2または第3態様に係る電池では、
 前記外装体の内部の圧力は、大気圧より低くなるようにしてもよい。
 これにより、外装体がラミネートフィルムによって構成されている場合に、外装体の内部の圧力と大気圧との差によって、第1押圧部材を押圧する外力が生じる。この外力により第1押圧部材が押圧されることで、平面形状の第1面によって電池セルが電池セルの上方から均一に押圧され、電池セルの損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第10態様において、例えば、第1態様に係る電池では、複数の前記電池セルを備え、
 前記複数の電池セルは積層されてもよく、
 前記第1押圧部材は、前記複数の電池セルのうち最も上方に位置する電池セルの上方に設けられていてもよい。
 これにより、信頼性および電池効率の高い電池が提供できる。このような複数の電池セルが積層された積層電池においても、平面形状の第1面によって複数の電池セルが上方から均一に押圧される。よって、複数の電池セルの損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池が実現される。また、均一に複数の電池セルを押圧することができることから、複数の電池セルにおける接触抵抗を下げ、電池効率を向上させることができる。
 開示の第11態様において、例えば、第10態様に係る電池では、
 前記複数の電池セルのうち最も下方に位置する電池セルの下方に設けられてもよく、前記複数の電池セルを押圧する板形状の第2押圧部材を備えてもよく、
 前記第2押圧部材は、
  前記複数の電池セル側に向く面であって平面形状の第3面と、
  前記第3面に背向する面である第4面とを有してもよい。
 これにより、平面形状である第3面によって複数の電池セルが下方から均一に押圧される。よって、平面形状の第1面および平面形状の第3面によって複数の電池セルが、上方および下方から均一に押圧されるため、複数の電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第12態様において、例えば、第1から第11態様のいずれか1つに係る電池では、
 前記凸面形状は、1個の湾曲面を含む形状であってもよく、
 前記1個の湾曲面の形状は、球面の一部の形状、または、円柱の側面の一部の形状であってもよい。
 これにより、第1押圧部材はより均一に電池セルを押圧することができるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 本開示の第13態様において、例えば、第1から第11態様のいずれか1つに係る電池では、
 前記凸面形状は、複数の湾曲面を含む形状であってもよく、
 前記複数の湾曲面の形状は、それぞれ円柱の側面の一部の形状であってもよい。
 これにより、第1押圧部材はより均一に電池セルを押圧することができるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 以下では、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
 なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、工程、工程の順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
 また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
 また、本明細書において、平行または直交などの要素間の関係性を示す用語、および、矩形または直方体などの要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
 また、本明細書および図面において、x軸、y軸およびz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。x軸およびz軸はそれぞれ、電池の電池セルの平面視形状が矩形である場合に、当該矩形の第1辺、および、当該第1辺に直交する第2辺に平行な方向に一致する。y軸は、複数の電池セルの積層方向に一致する。
 また、本明細書において、「積層方向」は、正極、負極、および、固体電解質層の主面法線方向に一致する。また、本明細書において、「平面視」とは、単独で使用される場合など特に断りのない限り、電池セルの主面に対して垂直な方向から見たときのことをいう。
 また、本明細書において、「上方」および「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)および下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」および「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。以下の説明では、y軸の負側を「下方」または「下側」とし、y軸の正側を「上方」または「上側」とする。
 また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りのない限り、構成要素の数または順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、構成要素を区別する目的で用いられている。
 (実施の形態1)
 まずは、実施の形態1に係る電池1の構成について図1および図2を用いて説明する。
 図1は、実施の形態1に係る電池が備える複数の電池セル30の断面図である。図2は、実施の形態1に係る電池1の断面図である。
 より具体的には、図1の(a)は、複数の電池セル30の断面図であり、図1の(b)は、複数の電池セル30の断面斜視図である。図2の(a)は、電池1の断面図であり、図2の(b)は、電池1の断面斜視図である。
 図1および図2に示されるように、実施の形態1に係る電池1は、複数の電池セル30と、導電性接着剤50と、第1押圧部材10と、第2押圧部材20と、外装体60とを備えている。複数の電池セル30は積層されており、電池1は積層電池である。また、複数の電池セル30は、電気的に直列接続されて、電池1を構成している。なお、複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10および第2押圧部材20をまとめて電池ユニット1aと記載する場合がある。
 電池1は全固体電池である。なお、電池1は、複数の(実施の形態1では2個の)電池セル30を備えたがこれに限られず、1個または3個以上の電池セル30を備えてもよい。
 複数の電池セル30のそれぞれは、正極、負極、および、正極と負極との間に配置される固体電解質層130を含む。ここでは、正極は、正極活物質層120と、正極集電体220と、を含む。負極は、負極集電体210と、負極活物質層110と、を含む。また、正極、負極、および、固体電解質層130は、発電要素に相当する。つまり複数の電池セル30のそれぞれは、発電要素を有している、とも言える。
 負極活物質層110と正極活物質層120とは、固体電解質層130を介して対向している。正極活物質層120と、固体電解質層130と、負極活物質層110とは、電池セル30の厚み方向(y軸負方向)に沿ってこの順に積層されている。より具体的には、正極集電体220と、正極活物質層120と、固体電解質層130と、負極活物質層110と、負極集電体210とは、電池セル30の厚み方向に沿ってこの順に積層されている。
 電池1は、上記の通り、複数の電池セル30を備える積層電池であり、電池セル30は直列配列している。電池1においては、一方の電池セル30(ここではy軸正側の電池セル30)の負極集電体210と他方の電池セル30(ここではy軸負側の電池セル30)の正極集電体220との間に導電性接着剤50が設けられている。この導電性接着剤50が設けられることで複数の電池セル30の間の導電性が確保されている。
 負極活物質層110に含有される負極活物質としては、例えば、グラファイト、金属リチウムなどの負極活物質が用いられうる。負極活物質の材料としては、リチウム(Li)またはマグネシウム(Mg)などのイオンを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
 また、負極活物質層110の含有材料としては、例えば、無機系固体電解質などの固体電解質が用いられてもよい。無機系固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、硫化リチウム(LiS)および五硫化二リン(P)の混合物が用いられうる。また、負極活物質層110の含有材料としては、例えばアセチレンブラックなどの導電材、または、例えばポリフッ化ビニリデンなどの結着用バインダーなどが用いられてもよい。
 負極活物質層110の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を、負極集電体210の面上に塗工乾燥することにより、負極活物質層110が作製されうる。負極活物質層110の密度を高めるために、乾燥後に、負極活物質層110および負極集電体210を含む負極板をプレスしておいてもよい。負極活物質層110の厚みは、例えば、5μm以上300μm以下であるが、これに限らない。
 正極活物質層120は、例えば活物質などの正極材料を含む層である。正極材料は、負極材料の対極を構成する材料である。正極活物質層120は、例えば、正極活物質を含む。
 正極活物質層120に含有される正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム複合酸化物(LCO)、ニッケル酸リチウム複合酸化物(LNO)、マンガン酸リチウム複合酸化物(LMO)、リチウム‐マンガン‐ニッケル複合酸化物(LMNO)、リチウム‐マンガン‐コバルト複合酸化物(LMCO)、リチウム‐ニッケル‐コバルト複合酸化物(LNCO)、リチウム‐ニッケル‐マンガン‐コバルト複合酸化物(LNMCO)などの正極活物質が用いられうる。
 正極活物質の材料としては、LiまたはMgなどのイオンを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
 また、正極活物質層120の含有材料としては、例えば、無機系固体電解質などの固体電解質が用いられてもよい。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、LiSおよびPの混合物が用いられうる。正極活物質の表面は、固体電解質でコートされていてもよい。また、正極活物質層120の含有材料としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバーなどの導電材料、または、例えばポリフッ化ビニリデンなどの結着用バインダーなどが用いられてもよい。
 正極活物質層120の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を、正極集電体220の面上に塗工乾燥することにより、正極活物質層120が作製されうる。正極活物質層120の密度を高めるために、乾燥後に、正極活物質層120および正極集電体220を含む正極板をプレスしておいてもよい。正極活物質層120の厚みは、例えば、5μm以上300μm以下であるが、これに限らない。
 固体電解質層130は、負極活物質層110と正極活物質層120との間に配置される。固体電解質層130は、負極活物質層110と正極活物質層120との各々に接する。固体電解質層130は、電解質材料を含む層である。電解質材料としては、一般に公知の電池用の電解質が用いられうる。固体電解質層130の厚みは、5μm以上300μm以下であってもよく、または、5μm以上100μm以下であってもよい。
 固体電解質層130は固体電解質を含んでいてもよい。
 固体電解質としては、例えば、無機系固体電解質などの固体電解質が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、LiSおよびPの混合物が用いられうる。また、硫化物固体電解質としては、LiS-SiS、LiS-BまたはLiS-GeSなどの硫化物が用いられてもよく、あるいは、上記硫化物に添加剤としてLiN、LiCl、LiBr、LiPOおよびLiSiOのうち少なくとも1種が添加された硫化物が用いられてもよい。酸化物固体電解質としては、リチウムイオンを伝導できる材料の場合、例えば、LiLaZr12(LLZ)、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(LATP)または(La,Li)TiO(LLTO)などが用いられる。なお、固体電解質層130は、電解質材料に加えて、例えばポリフッ化ビニリデンなどの結着用バインダーなどを含有してもよい。
 実施の形態1では、負極活物質層110、正極活物質層120、固体電解質層130は平行平板状に維持されている。
 負極集電体210と正極集電体220とはそれぞれ、導電性を有する部材である。負極集電体210と正極集電体220とはそれぞれ、例えば、導電性を有する薄膜であってもよい。負極集電体210と正極集電体220とを構成する材料としては、例えば、ステンレス(SUS)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)などの金属が用いられうる。
 負極集電体210は、負極活物質層110に接して配置される。負極集電体としては、例えば、SUS箔、Cu箔、Ni箔などの金属箔が用いられうる。負極集電体210の厚みは、例えば、5μm以上100μm以下であるが、これに限らない。なお、負極集電体210は、負極活物質層110に接する部分に、例えば、導電性材料を含む層である集電体層を備えてもよい。
 また、図1および図2が示すように、電池セル30の平面視形状が矩形であるが、これに限られない。
 続いて、導電性接着剤50について説明する。
 導電性接着剤50は、隣り合う2個の電池セル30を接着するための層であり、例えば、導電性接着剤ペースト、導電性接着フィルムまたは異方性導電フィルムを用いることができる。導電性接着剤ペーストは、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂またはウレタン樹脂等の熱硬化型の接着性樹脂材料に導電性粒子を分散させたペースト状の接着剤である。導電性接着フィルムおよび異方性導電フィルムは、熱硬化型の接着性樹脂材料に導電性粒子を分散させてフィルム状に形成されたものである。
 さらに、第1押圧部材10について説明する。
 第1押圧部材10は、電池セル30の上方に設けられる部材である。第1押圧部材10は、複数の電池セル30のうち最も上方に位置する電池セル30(ここではy軸正側の電池セル30)の上方に設けられる。ここでは、y軸正側の電池セル30のy軸正側の主面を上面31とすると、第1押圧部材10は、電池セル30の上面31に接して設けられる。
 第1押圧部材10は、電池セル30側を向く第1面11および第1面11に背向する第2面12を有する板形状の部材であって、電池セル30(ここでは複数の電池セル30)を押圧する。
 第1面11は、電池セル30側を向く面(つまり下方を向く面)であって、平面形状の主面である。つまり、電池セル30の上面31に接する面である第1面11は、凹凸および突起などを有していない平坦面である。
 第2面12は、電池セル30とは反対側を向く面(つまり上方を向く面)であって、凸面形状を有する主面である。凸面とは、1個以上の湾曲面で構成されてもよく、複数の平面の組み合わせで構成されていてもよい。また、凸面形状とは、ドーム形状とも言える。
 ここで実施の形態1に係る第2面12について図3および図4を用いて説明する。
 図3は、実施の形態1に係る第1押圧部材10の平面図、正面図および側面図である。より具体的には、図3の(a)は第1押圧部材10の平面図、図3の(b)は第1押圧部材10の正面図、図3の(c)は第1押圧部材10の側面図である。図4は、実施の形態1に係る第1押圧部材10の斜視図である。
 実施の形態1に係る第2面12が有する凸面形状は、1個の湾曲面を含む形状であり、より具体的には、1個の湾曲面のみで構成されている形状である。実施の形態1に係る凸面形状は、y軸正方向、つまりは上方に向けて、突出している形状である。より具体的には、1個の湾曲面の形状は、円柱の側面の一部の形状である。
 ここで1個の湾曲面の形状について説明する。
 図3の(b)が示すように、1個の方向(x軸方向)から第1押圧部材10を見ると、つまりは、正面視すると、第2面12の形状はアーチ状となっており、また、円弧状であるともいえる。一方で、図3の(c)が示すように、他の1個の方向(z軸方向)から第1押圧部材10を見ると、つまりは、側面視すると、第2面12の形状は直線状となっている。
 1個の湾曲面の形状は、円柱の側面の一部の形状であり、より具体的には、円柱を中心軸より外側で中心軸に沿って切り落とした形状である。これについて図5を用いてより詳細に説明する。
 図5は、実施の形態1に係る第1押圧部材10と、湾曲面の形状に係る円柱Sとが重ねられた斜視図である。
 図5が示す第1押圧部材10においては、第2面12の凸面形状は説明のために誇張されて、つまりは、よりy軸正方向に突出しているように図示されている。図5が示すように、第2面12が有する凸面形状である1個の湾曲面の形状は、円柱Sを中心軸Aより外側で中心軸Aに沿って切り落とした形状と一致する。換言すると、1個の湾曲面は、シリンドリカル形状の曲面であるともいえる。
 また、図2~図5が示すように、第2面12の全面に凸面形状(1個の湾曲面)が設けられている。つまり換言すると、第2面12は、凸面形状でない領域を有していない。
 なお、1個の湾曲面の形状が円柱の側面の一部の形状である場合に、1個の湾曲面が延びる方向とは円柱Sの中心軸Aと平行な方向であり、実施の形態1においては、x軸方向である。中心軸Aは、円柱Sの底面の中心Pを通る。また、1個の湾曲面の形状は、円柱Sを中心軸Aより外側で中心軸Aに沿って切り落とした形状であり、カマボコ形状であるともいう。また、湾曲面の形状に係る円柱Sの2つの底面は、真円形状であるが、これに限られず、楕円形状であってもよい。
 さらに、図3の(b)が示すように、第2面12が有する凸面形状は、正面視での第2面12の中央部14に、頂点部13を含む。図3の(b)には、第1押圧部材10の中央部14および端部15が、破線の矩形で示されている。
 第1押圧部材10の厚みは、正面視での中央部14が最も厚く、端部15ほど薄くなる。具体的には、図3の(b)が示すように、頂点部13が位置する中央部14の厚みD3は、端部15の厚みD4よりも大きい。換言すると、正面視では、第1押圧部材10は、端部15から中央部14に向けて、連続的に厚みが増す形状である。また、正面視では、第1押圧部材10は、端部15から中央部14に向けて、段階的に厚みが増す形状であってもよい。
 第1押圧部材10の平面視形状は、電池セル30の平面視形状と同じく矩形である。第1押圧部材10の平面視での大きさは、電池セル30の平面視での大きさと同じである。つまり、実施の形態1においては、第1押圧部材10の第1面11は、電池セル30の上面31の全てを覆う。なお、第1押圧部材10の平面視形状は、これに限られない。また、実施の形態1においては、第2面12の全面に凸面形状(1個の湾曲面)が設けられているため、平面視で、電池セル30と第1押圧部材10との重なる領域の全てに、第2面12が有する凸面形状が設けられているとも言える。
 第1押圧部材10は、金属材料または樹脂材料によって構成されているとよい。第1押圧部材10は、例えば、金属材料としてステンレス材料によって構成されるとよいが、これに限られず、軽量化を目的とする場合には金属材料としてアルミニウムまたは樹脂材料によって構成されるとよい。第1押圧部材10は、外装体60よりも高い剛性を有しているとよい。例えば、縦弾性係数および断面係数が考慮されたうえで、第1押圧部材10および外装体60のそれぞれを構成する材料が決定されるとよい。なお、第1押圧部材10において、高い剛性を実現するためには、第1押圧部材10の縦弾性係数が大きいほど有利である。また、例えば、第1押圧部材10を構成する材料として、より弾性率の高い材料が用いられるとよく、また、第1押圧部材10の厚みがより厚いとよい。これにより、より高い剛性が実現される。
 次に、第2押圧部材20について説明する。
 図2が示すように、第2押圧部材20は、電池セル30の下方に設けられる部材である。第2押圧部材20は、複数の電池セル30のうち最も下方に位置する電池セル30(ここではy軸負側の電池セル30)の下方に設けられる。ここでは、y軸負側の電池セル30のy軸負側の主面を下面32とすると、第2押圧部材20は、電池セル30の下面32に接して設けられる。
 第2押圧部材20は、電池セル30側を向く第3面21および第3面21に背向する第4面22を有する板形状の部材であって、電池セル30(ここでは複数の電池セル30)を押圧する。
 第3面21は、電池セル30側を向く面(つまり上方を向く面)であって、平面形状の主面である。つまり、電池セル30の下面32に接する面である第3面21は、凹凸および突起などを有していない平坦面である。
 第4面22は、電池セル30とは反対側を向く主面(つまり下方を向く面)である。実施の形態1においては、第4面22は凸面形状を有する面であり、第2面12と第4面22とは、同一形状である。つまり、実施の形態1に係る第1押圧部材10および第2押圧部材20は、実質的には同一の形状であり、第2押圧部材20の形状は、第1押圧部材10を上下方向(y軸方向)に反転させた形状と一致する。
 また、図2に示されるように、第4面22が有する凸面形状は、y軸負方向、つまりは下方に向けて突出している形状であり、正面視での第4面22の中央付近に頂点部23を含む。また、第4面22の全面に凸面形状(1個の湾曲面)が設けられている。つまり換言すると、第4面22は、凸面形状でない領域を有していない。
 第2押圧部材20の平面視形状は、電池セル30の平面視形状と同じく矩形である。第2押圧部材20の平面視での大きさは、電池セル30の平面視での大きさと同じである。つまり、実施の形態1においては、第2押圧部材20の第3面21は、電池セル30の下面32の全てを覆う。なお、第2押圧部材20の平面視形状は、これに限られない。また、実施の形態1においては、第4面22の全面に凸面形状(1個の湾曲面)が設けられているため、平面視で、電池セル30と第2押圧部材20との重なる領域の全てに、第4面22が有する凸面形状が設けられているとも言える。
 第2押圧部材20は、第1押圧部材10と同じく、金属材料または樹脂材料によって構成されているとよい。第2押圧部材20は、例えば、金属材料としてステンレス材料によって構成されるとよいが、これに限られず、軽量化を目的とする場合には金属材料としてアルミニウムまたは樹脂材料によって構成されるとよい。また、第2押圧部材20は、外装体60よりも高い剛性を有しているとよい。例えば、縦弾性係数および断面係数が考慮されたうえで、第2押圧部材20および外装体60のそれぞれを構成する材料が決定されるとよい。なお、第2押圧部材20において、高い剛性を実現するためには、第2押圧部材20の縦弾性係数が大きいほど有利である。また、例えば、第2押圧部材20を構成する材料として、より弾性率の高い材料が用いられるとよく、また、第2押圧部材20の厚みがより厚いとよい。これにより、より高い剛性が実現される。
 さらに、外装体60について説明する。
 外装体60は、電池セル30と第1押圧部材10と第2押圧部材20とを収容する容器である。実施の形態1においては、外装体60は、電池ユニット1a(複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10および第2押圧部材20)を収容する。
 ここでは、外装体60は、角缶型形状の容器である。外装体60は、金属材料により構成されているとよいが、樹脂材料によって構成されていてもよい。金属材料の例としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄またはステンレスなどである。である。なお、外装体60は、例えば複数のラミネートフィルムによって構成されていてもよい。
 また、外装体60が角缶型形状であるため、外装体60は直方体形状を有するとも言える。そのため、図2が示すように外装体60の断面形状は矩形の枠形状であり、図2には2個の側壁とy軸正側に位置する上壁とy軸負側に位置する底壁とが示されている。また、外装体60の上壁の中央付近を上壁中央部61、および、外装体60の底壁の中央付近を底壁中央部62とする。
 ここで、図2が示すように、電池ユニット1a(複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10および第2押圧部材20)および外装体60のy軸方向の長さを、それぞれ長さD1および長さD2とする。
 より具体的には、電池ユニット1aの長さD1は、第1押圧部材10の頂点部13と第2押圧部材20の頂点部23と間のy軸方向の長さに相当する。また、外装体60の長さD2は、外装体60の上壁と外装体60の底壁との間の内寸のy軸方向の長さに相当する。
 電池ユニット1aが外装体60に収容される前においては、外装体60の長さD2は、電池ユニット1aの長さD1よりもわずかに短い。なお、電池ユニット1aが外装体60に収容された後においては、外装体60の長さD2は、電池ユニット1aの長さD1と一致する。
 次に、電池1の製造方法について説明する。
 図2が示すように、実施の形態1においては、電池ユニット1a(複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10および第2押圧部材20)が外装体60に収容されている。電池1の製造方法は、このような電池ユニット1aを作成するユニット作成工程を有する。
 次に、図6を用いて、製造方法を説明する。
 図6は、実施の形態1に係る収容工程を説明する図である。
 この製造方法は、図6が示すように、電池ユニット1a(複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10および第2押圧部材20)が外装体60に収容される収容工程を含む。
 なお、上記の通り、電池ユニット1aが外装体60に収容される前においては、外装体60の長さD2は、電池ユニット1aの長さD1よりもわずかに短い。このため、電池ユニット1aは、力を与えられながら外装体60に押し込まれることで、外装体60に収容される。このとき、外装体60は、わずかに変形することがある。
 この収容工程により収容された第1押圧部材10の頂点部13および第2押圧部材20の頂点部23それぞれは、図2に示すように、外装体60の上壁中央部61および底壁中央部62のそれぞれに接触する。より具体的には、頂点部13は上壁中央部61の内側面に、頂点部23は底壁中央部62の内側面に接触する。
 上記の通り、電池ユニット1aの収容前には、長さD2は長さD1よりもわずかに短いため、この接触により、第1押圧部材10は上壁中央部61によりy軸負方向への外力Fを、第2押圧部材20は底壁中央部62によりy軸正方向への外力Fを受ける。よって、第1押圧部材10の第1面11が電池セル30の上面31を、第2押圧部材20の第3面21が電池セル30の下面32を押圧して挟み込む。
 ここで、図7および図8を用いて、実施の形態1に係る電池1と、比較例に係る電池1xとについて比較する。
 図7は、実施の形態1に係る電池1の構成要素を説明のために離間して示した断面図と、第1押圧部材10の側面図とである。図8は、比較例1に係る電池1xを示す断面図である。
 図7の(a)は、電池1の構成要素を説明のために離間して示した断面図であり、図7の(b)は、第1押圧部材10の正面図である。図7の(a)では、説明のため、外装体60と第1押圧部材10および第2押圧部材20とが、第1押圧部材10および第2押圧部材20と複数の電池セル30とが、離間して示されている。
 図7に示すように、また図2で説明したように、第1押圧部材10の第1面11は平面形状であり、第1押圧部材10の第2面12は1個の湾曲面(円柱の側面の一部)のみによって構成されている。よって、第1押圧部材10の中央部14の厚みD3は、第1押圧部材10の端部15の厚みD4より厚くなっている。
 図8が示す比較例に係る電池1xは、電池ユニット1axと外装体60とを備える。電池ユニット1axは、第1押圧部材10および第2押圧部材20のかわりに第1押圧部材10xおよび第2押圧部材20xを備える点を除いて、電池ユニット1aと同じ構成を有する。
 第1押圧部材10xが有する第1面11xおよび第2面12xは、それぞれ平面形状であり、それぞれ凹凸および突起などを有していない平坦面である。
 第2押圧部材20xが有する第3面21xおよび第4面22xは、それぞれ平面形状であり、それぞれ凹凸および突起などを有していない平坦面である。
 また、第1押圧部材10xの中央部14xおよび端部15xは、図8においては、破線の矩形で示されている。同様に、第2押圧部材20xの中央部24xおよび端部25xは、図8においては、破線の矩形で示されている。
 第1押圧部材10xにおいては正面視での中央部14xの厚みと端部15xの厚みとは同じであり、第2押圧部材20xにおいては正面視での中央部24xの厚みと端部25xの厚みとは同じである。
 図8に示すように、電池1xが第1押圧部材10xおよび第2押圧部材20xを備える。これにより、比較例に係る電池ユニット1axが外装体60に収容されると、外装体60からの外力Fが電池ユニット1axに与えられる。この場合、第1押圧部材10xおよび第2押圧部材20xが複数の電池セル30を押圧する力は、端部15xおよび端部25xで大きく、中央部14xおよび中央部24xで小さい。
 この結果、端部15xおよび端部25xに、押圧する力つまりは荷重が集中するため、電池1xにおいて、損傷が発生してしまう。ここでの損傷とは、例えば、正極活物質層120、負極活物質層110および固体電解質層130のうち少なくとも1層が断裂し、その断裂した箇所にて電気伝導性が低下することを意味する。また例えば、損傷とは、正極活物質層120が正極集電体220から、負極活物質層110が負極集電体210から、または、1つの電池セル30が他の1つの電池セル30から剥離し、その剥離した箇所にて電気伝導性が低下することを意味する。また例えば、正極集電体220および負極集電体210のうち少なくとの一方が破れることを意味する。このように、電池1xにおいて、損傷が発生してしまうため、電池1xでは、高い信頼性を有することは困難である。
 しかしながら、実施の形態1に係る電池1は、電池セル30と、第1押圧部材10とを備える。電池1は、複数の電池セル30を備える。電池セル30は、正極、負極、および、正極と負極との間に配置される固体電解質層130を含む。第1押圧部材10は、電池セル30の上方に設けられ、電池セル30を押圧する板形状の部材である。第1押圧部材10は、電池セル30側に向く面であって平面形状の第1面11と、第1面11に背向する面であって凸面形状を有する第2面12とを有する。
 このように、第1押圧部材10の電池セル30側の第1面11が平面形状であり第2面12が凸面形状を有することで、つまり、第2面12が上方に突出しているため、例えば第2面12が突出していない場合に比べて、第1押圧部材10の厚みが厚くなる。このため、第1押圧部材10に外力Fが与えられても外力Fの反力によって、第1押圧部材10は変形し難く、より具体的には、平面形状の第1面11が変形し難い。つまり第1押圧部材10は、平面形状の第1面11を変形させずに、電池セル30の上方から均一に電池セル30を押圧することができる。このため、電池セル30の損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池1が実現される。また、均一に電池セル30を押圧することができることから、電池セル30における接触抵抗を下げ、電池効率を向上させることができる。
 さらに、実施の形態1においては、図3が示すように、頂点部13が位置する中央部14の厚みD3は、端部15の厚みD4よりも大きい。換言すると、正面視では、第1押圧部材10は、端部15から中央部14に向けて、連続的に厚みが増す形状である。これによりx軸方向およびz軸方向に発生する応力がほぼ均一となり、第1押圧部材10は、平面形状の第1面11を変形させずに、電池セル30の上方から均一に電池セル30を押圧することができる。例えば、平面視での電池セル30のサイズが2cm×2cmであり、かつ、電池の使用に問題の無い範囲の荷重を与える場合に、第1押圧部材10は、第1押圧部材10xに比べて、約20%の軽量化が可能であった。
 さらに、実施の形態1においては、第2面12が有する凸面形状の頂点部13は、第2面12の中央部14にある。例えば、外装体60として角缶型形状の容器が用いられる場合には、最も突出している部分である頂点部13が、外装体60と接し押圧される。より具体的には、中央部14に位置する頂点部13が外装体60の上壁中央部61に押圧される。これにより、第1押圧部材10は、電池セル30の上方からより均一に電池セル30を押圧することができる。
 また、第1押圧部材10の平面視形状は、電池セル30の平面視形状と同じである。よって実施の形態1においては、第1押圧部材10の第1面11は、電池セル30の上面31の全てを覆う。つまりは、中央部14に位置する頂点部13が外装体60の上壁中央部61に押圧される場合には、第1面11は、電池セル30の上面31の全てを押圧する。これにより、第1押圧部材10は、電池セル30の上方からより均一に電池セル30を押圧することができる。
 また、実施の形態1に係る電池1は、電池セル30および第1押圧部材10を収容する外装体60を備える。第1押圧部材10は、外装体60と電池セル30との間に配置される。
 これにより、電池セル30は、第1押圧部材10を介して、外装体60によって押圧されることとなる。この場合においても、第1押圧部材10によって均一に電池セル30が押圧されるため、電池セル30の損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池1が実現される。
 また、実施の形態1に係る電池1においては、第1押圧部材10は、外装体60より高い剛性を有する。
 これにより、第1押圧部材10が外装体60によって押圧されても、第1押圧部材10の第1面11がより変形し難くなる。つまり第1押圧部材10によってより均一に電池セル30が押圧されるため、電池セル30の損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池1が実現される。
 また、実施の形態1に係る電池1は、電池セル30の下方に設けられ、電池セル30を押圧する板形状の第2押圧部材20を備える。第2押圧部材20は、電池セル30側に向く面であって平面形状の第3面21と、第3面21に背向する面である第4面22とを有する。
 これにより、平面形状である第3面21によって電池セル30が電池セル30の下方から均一に押圧される。よって、平面形状の第1面11および平面形状の第3面21によって電池セル30の上方および下方から、電池セル30が均一に押圧されるため、電池セル30の損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池1が実現される。
 また、実施の形態1に係る電池1においては、第2面12および第4面22は、同一形状である。
 これにより、第1押圧部材10と第2押圧部材20とが実質的に同一の形状となる。このため、製造時に、第1押圧部材10と第2押圧部材20とが作り分けられる必要がないため、製造を簡略化することができる。
 また、実施の形態1に係る電池1は、電池セル30、第1押圧部材10および第2押圧部材20を収容する外装体60を備える。第1押圧部材10および第2押圧部材20は、外装体60より高い剛性を有する。
 これにより、第1押圧部材10および第2押圧部材20が外装体60によって押圧されても、第1押圧部材10の第1面11および第2押圧部材20の第3面21がより変形し難くなる。つまり第1押圧部材10および第2押圧部材20によってより均一に電池セル30が押圧されるため、電池セル30の損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池1が実現される。
 また、実施の形態1に係る電池1は、複数の電池セル30を備える。複数の電池セル30は、積層されている。第1押圧部材10は、複数の電池セル30のうち最も上方に位置する電池セル30(実施の形態1ではy軸正側の電池セル30)の上方に設けられている。
 これにより、信頼性および電池効率の高い電池1が提供できる。このような複数の電池セルが積層された積層電池(電池1)においても、平面形状の第1面11によって複数の電池セル30が上方から均一に押圧される。よって、複数の電池セル30の損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池1が実現される。また、均一に複数の電池セル30を押圧することができることから、複数の電池セル30における接触抵抗を下げ、電池効率を向上させることができる。
 また、実施の形態1に係る電池1は、複数の電池セル30のうち最も下方に位置する電池セル30(実施の形態1ではy軸負側の電池セル30)の下方に設けられ、複数の電池セル30を押圧する板形状の第2押圧部材20を備える。第2押圧部材20は、複数の電池セル30側に向く面であって平面形状の第3面21と、第3面21に背向する面である第4面22とを有する。
 これにより、平面形状である第3面21によって複数の電池セル30が下方から均一に押圧される。よって、平面形状の第1面11および平面形状の第3面21によって複数の電池セル30が、上方および下方から均一に押圧されるため、複数の電池セル30の損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池1が実現される。
 また、実施の形態1に係る電池1においては、凸面形状は、1個の湾曲面を含む形状である。1個の湾曲面の形状は、円柱Sの側面の一部の形状である。
 これにより、第1押圧部材10はより均一に電池セル30を押圧することができるため、電池セル30の損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池1が実現される。
 なお、外装体60は、角缶型形状の容器に限られない。例えば、電池1は、外装体60のかわりに、2枚のラミネートフィルムで構成される外装体60aを備えてもよい。図9は、実施の形態1に係る電池1が備える外装体60aと電池ユニット1aとの断面図である。このように、2枚のラミネートフィルムで構成される外装体60aで電池ユニット1aが包装されることにより、第1押圧部材10および第2押圧部材20に外力Fが加えられてもよい。
 外装体60aの内部とは、外装体60aと電池ユニット1aとの間の隙間の領域であり図9が示す領域A1である。図9が示す電池1においては、外装体60aの内部の圧力、つまりは、領域A1の圧力は、大気圧より低い。外装体60aである2枚のラミネートフィルムで包装された内部(領域A1)は、負圧であり、外装体60aの外部よりも低圧であるとよい。
 このように、外装体60aの内部の圧力は大気圧より低いとよい。
 これにより、外装体60aの内部(領域A1)の圧力と大気圧との差によって、第1押圧部材10および第2押圧部材20を押圧する外力Fが生じる。第1押圧部材10および第2押圧部材20が押圧されることで、平面形状の第1面11および第3面21によって電池セル30が電池セル30の上方および下方から均一に押圧される。従って、電池セル30の損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池1が実現される。
 特に、外装体60aの内部の圧力と、大気圧との差が大きいほど外力Fが大きくなり、より接触抵抗を低減することができる。
 また、外装体60aが用いられることで、複数の電池セル30の上面31および下面32が略均一に押圧される場合に、外装体60aの弾性力を利用することができる。このため、電池1の押圧のための別途の構成が不要になるので、電池1の小型化を図ることができる。
 [変形例]
 次に、実施の形態1の変形例に係る電池1bの構成について説明する。実施の形態1の変形例では、実施の形態1に対し、第2押圧部材20bの構成が異なる。以下、相違点について説明を行い、共通点の説明を省略もしくは簡略化する。
 図10は、実施の形態1の変形例に係る電池1bの断面図である。図10が示すように、電池1bは、複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10および第2押圧部材20bを有する電池ユニット1abと、外装体60とを備えている。
 第2押圧部材20bが有する第4面22bは平面形状である。第2押圧部材20bは、第4面22bが平面形状の主面であり凹凸および突起などを有していない平坦面である点を除いては、第2押圧部材20と同じ構成を有する。
 このように、変形例に係る電池1bが備える第2押圧部材20bが有する第4面22bが平面形状である場合においても、平面形状である第3面21によって電池セル30が電池セル30の下方から均一に押圧される。よって、平面形状の第1面11および平面形状の第3面21によって電池セル30の上方および下方から、電池セル30が均一に押圧されるため、電池セル30の損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池1bが実現される。
 なお、第1押圧部材10の形状は上記に限られない。以下では実施の形態1に係る第1押圧部材の他の実施例について説明する。以下の実施の形態1の実施例1~実施例3においては、実施の形態1の実施例1~実施例3のそれぞれの第1押圧部材と、実施の形態1に係る第1押圧部材10との相違点について説明を行い、共通点の説明を省略もしくは簡略化する。
 [実施例1]
 まずは、実施の形態1の実施例1に係る第1押圧部材10cの構成について説明する。
 図11は、実施の形態1の実施例1に係る第1押圧部材10cの平面図、正面図および側面図である。より具体的には、図11の(a)は第1押圧部材10cの平面図、図11の(b)は第1押圧部材10cの正面図、図11の(c)は第1押圧部材10cの側面図である。図12は、実施の形態1の実施例1に係る第1押圧部材10cの斜視図である。
 第1押圧部材10cは、第1面11および第2面12cを有する部材である。実施の形態1の実施例1に係る第2面12cが有する凸面形状は、1個の湾曲面を含む形状であり、より具体的には、1個の湾曲面のみで構成されている形状である。実施の形態1の実施例1に係る凸面形状は、y軸正方向、つまりは上方に向けて、突出している形状である。より具体的には、1個の湾曲面の形状は、球面の一部の形状である。
 図11の(b)が示すように、1個の方向(x軸方向)から第1押圧部材10cを見ると、つまりは、正面視すると、第2面12cの形状はアーチ状となっている。同様に、図11の(c)が示すように、他の1個の方向(z軸方向)から第1押圧部材10cを見ると、つまりは、側面視すると、第2面12cの形状はアーチ状となっている。
 図13は、実施の形態1の実施例1に係る第1押圧部材10cと、湾曲面の形状に係る球体Bとが重ねられた斜視図である。
 図13が示す第1押圧部材10cにおいては、第2面12cの凸面形状は説明のために誇張されて、つまりは、よりy軸正方向に突出しているように図示されている。図13が示すように、第2面12cが有する凸面形状である1個の湾曲面の形状は、球体Bの一部が切り落とされた表面の形状と一致する。
 また、図11~図13が示すように、第2面12cの全面に凸面形状(1個の湾曲面)が設けられている。つまり例えば、第2面12cは、凸面形状でない領域を有していない。
 さらに図11を用いて、第2面12cについて説明する。
 図11の(a)には、一点鎖線で示された複数の仮想円が図示されている。1個の仮想線は、第1面11と第2面12cとの間のy軸方向の距離が同じ点の集まりで構成されている線であり、所謂等高線である。最も内側の仮想円を仮想円C1とし、最も外側の仮想円を仮想円C1とする。仮想円C1から仮想円C2に向かうほど第1面11と第2面12cとの間のy軸方向の距離が小さくなる。つまり図11の(b)で示すように、頂点部13が位置する中央部14の厚みD3は、端部15の厚みD4よりも大きい。なお、図11の(c)においても、中央部の厚みは、端部の厚みよりも大きい。
 このように、実施の形態1の実施例1に係る第1押圧部材10cは、平面形状の第1面11と、凸面形状を有する第2面12cとを有する。第2面12cの凸面形状は、1個の湾曲面を含む形状であり、1個の湾曲面の形状は、球面の一部の形状である。
 これにより、第1押圧部材10cはより均一に電池セルを押圧することができるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 [実施例2]
 次に、実施の形態1の実施例2に係る第1押圧部材10dの構成について説明する。
 図14は、実施の形態1の実施例2に係る第1押圧部材10dの平面図、正面図および側面図である。より具体的には、図14の(a)は第1押圧部材10dの平面図、図14の(b)は第1押圧部材10dの正面図、図14の(c)は第1押圧部材10dの側面図である。図15は、実施の形態1の実施例2に係る第1押圧部材10dの斜視図である。
 第1押圧部材10dは、第1面11および第2面12dを有する部材である。実施の形態1の実施例2に係る第2面12dが有する凸面形状は、複数の湾曲面を含む形状であり、より具体的には、4個の湾曲面のみで構成されている形状である。実施の形態1の実施例2に係る凸面形状は、y軸正方向、つまりは上方に向けて、突出している形状である。
 ここで、4個の湾曲面をそれぞれ湾曲面121d、122d、123dおよび124dとする。図14の(a)が示すように、第1押圧部材10dの平面視形状は矩形であり、4個の湾曲面121d~124dは、当該矩形の対角線で仕切られた領域に相当する。
 ここでは、平面視で向かい合う2個の湾曲面の形状が、円柱の側面の一部の形状である。より具体的には、向かい合う2個の湾曲面121dおよび124dの形状が1個の円柱の側面の一部の形状を構成し、向かい合う2個の湾曲面122dおよび123dの形状が他の1個の円柱の側面の一部の形状を構成する。1個の円柱の中心軸はx軸方向と平行であり、他の1個の円柱の中心軸はz軸方向と平行である。つまり、1個の円柱の中心軸と、他の1個の円柱の中心軸とは、交差しており、より具体的には、直交している。
 図14の(b)が示すように、1個の方向(x軸方向)から第1押圧部材10dを見ると、つまりは、正面視すると、第2面12dの形状はアーチ状となっている。同様に、図14の(c)が示すように、他の1個の方向(z軸方向)から第1押圧部材10dを見ると、つまりは、側面視すると、第2面12dの形状はアーチ状となっている。
 また、図14および図15が示すように、第2面12dの全面に凸面形状(4個の湾曲面121d~124d)が設けられている。つまり例えば、第2面12dは、凸面形状でない領域を有していない。
 また、図14の(b)で示すように、頂点部13が位置する中央部14の厚みD3は、端部15の厚みD4よりも大きい。なお、図14の(c)においても、中央部の厚みは、端部の厚みよりも大きい。
 このように、実施の形態1の実施例2に係る第1押圧部材10dは、平面形状の第1面11と、凸面形状を有する第2面12dとを有する。第2面12dの凸面形状は、複数の湾曲面(より具体的には、4個の湾曲面121d~124d)を含む形状であり、複数の湾曲面の形状は、それぞれ円柱の側面の一部の形状である。
 これにより、第1押圧部材10dはより均一に電池セルを押圧することができるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 [実施例3]
 さらに、実施の形態1の実施例3に係る第1押圧部材10fの構成について説明する。
 図16は、実施の形態1の実施例3に係る第1押圧部材10fの正面図および斜視図である。より具体的には、図16の(a)は第1押圧部材10fの正面図、図16の(b)は第1押圧部材10fの斜視図である。
 第1押圧部材10fは、第1面11および第2面12fを有する部材である。実施の形態1の実施例3に係る第2面12fが有する凸面形状は、複数の平面の組み合わせで構成される形状であり、より具体的には、5個の平面のみで構成されている形状である。実施の形態1の実施例3に係る凸面形状は、y軸正方向、つまりは上方に向けて、突出している形状である。5個の平面は、x軸方向に延びる面である。
 図16の(a)が示すように、1個の方向(x軸方向)から第1押圧部材10fを見ると、つまりは、正面視すると、第2面12fの形状はアーチ状となっている。
 また、図16が示すように、第2面12fの全面に凸面形状(5個の平面)が設けられている。つまり例えば、第2面12fは、凸面形状でない領域を有していない。
 図16の(a)で示すように、頂点部13が位置する中央部の厚みは、端部の厚みよりも大きい。
 このように、実施の形態1の実施例3に係る第1押圧部材10fは、平面形状の第1面11と、凸面形状を有する第2面12fとを有する。第2面12fの凸面形状は、複数の平面の組み合わせで構成される形状である。
 これにより、第1押圧部材10fはより均一に電池セルを押圧することができるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 実施例1~3で示したように第1押圧部材の形状は、実施の形態1で示した第1押圧部材10に形状に限られない。また、第2押圧部材も、第1押圧部材10c、10dおよび10fと実質的に同じ構成であってもよい。例えば、第1押圧部材10cと実質的に同じ構成である第2押圧部材と、実施の形態1で示した第1押圧部材10とを備える電池が実現されてもよい。
 当該電池においては、第2面および第4面は、互いに異なる形状である。このように、第2面および第4面が互いに異なる形状であっても、平面形状である第3面によって電池セルが電池セルの下方から均一に押圧される。よって、平面形状の第1面および平面形状の第3面によって電池セルの上方および下方から、電池セルが均一に押圧されるため、電池セルの損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池が実現される。
 また、第1押圧部材の形状は、実施の形態1および実施例1~3で示した例に限定されず、断面二次モーメントを変化させ、第1押圧部材の平坦な面である第1面が変形しないような応力となる形状が、コストなど勘案して実現されればよい。
 (実施の形態2)
 次に、実施の形態2に係る電池1gの構成について説明する。実施の形態2では、実施の形態1に対し、第1押圧部材10gおよび第2押圧部材20gの構成が異なる。以下、相違点について説明を行い、共通点の説明を省略もしくは簡略化する。
 図17は、実施の形態2に係る電池1gが備える電池ユニット1agの断面図である。図18は、実施の形態2に係る電池1gが備える電池ユニット1agの斜視図である。実施の形態2に係る電池1gは、複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10gおよび第2押圧部材20gを有する電池ユニット1agと、外装体(不図示)とを備えている。なお、実施の形態2に係る外装体は、実施の形態1に係る外装体60と同じ構成を有する。
 第1押圧部材10gが有する第2面12gは、凸面形状を有する主面である。第2面12gが有する凸面形状は、複数の湾曲面を含む形状であり、より具体的には、3個の湾曲面121g、122gおよび123gのみで構成されている形状である。実施の形態2に係る凸面形状は、y軸正方向、つまりは上方に向けて、突出している形状である。より具体的には、複数の湾曲面の形状は、それぞれ円柱の側面の一部の形状である。ここで当該円柱の中心軸は、x軸方向と平行である。つまり、複数の湾曲面に係る複数の(ここでは3個の)円柱の中心軸は、平行に並んでいる。
 実施の形態2に係る第2押圧部材20gは、第1押圧部材10gと実質的には同一の形状であり、第2押圧部材20gの形状は、第1押圧部材10gを上下方向(y軸方向)に反転させた形状と一致する。つまり、第2押圧部材20gが有する第4面22gは、凸面形状を有する主面であり、第4面22gが有する凸面形状は3個の湾曲面221g、222gおよび223gのみで構成されている形状である。
 また、第1押圧部材10gにおいては、3個の湾曲面121g~123gのそれぞれには頂点部が設けられており、つまりは、第2面12gが有する凸面形状は3つの頂点部を有している。同様に、第2押圧部材20gにおいては、3個の湾曲面221g~223gのそれぞれには頂点部が設けられており、つまりは、第4面22gが有する凸面形状は3つの頂点部を有している。電池ユニット1agが外装体に挿入される場合には、第1押圧部材10gにおける3つの頂点部と第2押圧部材20gにおける3つの頂点部とが外装体と接することとなる。
 このように、実施の形態2に係る第1押圧部材10gは、平面形状の第1面11と、凸面形状を有する第2面12gとを有する。第2面12gの凸面形状は、複数の湾曲面(より具体的には、3個の湾曲面121g~123g)を含む形状であり、複数の湾曲面の形状は、それぞれ円柱の側面の一部の形状である。
 これにより、第1押圧部材10gはより均一に電池セル30を押圧することができるため、電池セル30の損傷の発生がより抑制される。つまりは、より高い信頼性を有する電池1gが実現される。
 (実施の形態3および4)
 次に、実施の形態3および4に係る電池1hおよび電池1jの構成について説明する。実施の形態3および4では、実施の形態1に対し、絶縁層70を備えている点が異なる。以下、相違点について説明を行い、共通点の説明を省略もしくは簡略化する。
 図19は、実施の形態3に係る電池1hの断面図である。図18は、実施の形態4に係る電池1jの断面図である。
 実施の形態3に係る電池1hは、複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10および第2押圧部材20を有する電池ユニット1aと、2個の絶縁層70と、外装体60とを備えている。
 実施の形態4に係る電池1jは、複数の電池セル30、導電性接着剤50、第1押圧部材10および第2押圧部材20を有する電池ユニット1aと、2個の絶縁層70と、外装体60とを備えている。
 電池1hと電池1jとの相違点は、2個の絶縁層70が設けられる位置が異なる点である。
 図19が示す実施の形態3に係る電池1hにおいては、2個の絶縁層70は、電池ユニット1aと、外装体60との間に設けられている。つまり、1個の絶縁層70は第1押圧部材10の上方であって、第1押圧部材10および外装体60に接して設けられている。また、他の1個の絶縁層70は第2押圧部材20の下方であって、第2押圧部材20および外装体60に接して設けられている。
 一方で、図20が示す実施の形態4に係る電池1jにおいては、2個の絶縁層70は、複数の電池セル30と、第1押圧部材10および第2押圧部材20との間に設けられている。つまり、1個の絶縁層70は電池セル30の上面31の上方かつ第1押圧部材10の下方であって、上面31および第1押圧部材10に接して設けられている。また、他の1個の絶縁層70は電池セル30の下面32の下方かつ第2押圧部材20の上方であって、下面32および第2押圧部材20に接して設けられている。
 絶縁層70は、外装体60と複数の電池セル30との間の電気絶縁性を確保するための層であり、例えば、樹脂材料によって構成されている。また、絶縁層70は、可撓性を有する絶縁フィルムなどが用いられるとよい。
 図19が示す電池1hが絶縁層70を備えることで、外装体60と第1押圧部材10および第2押圧部材20とが導電性材料である場合に、外装体60と第1押圧部材10および第2押圧部材20とを電気的に絶縁することができる。
 また、図20が示す電池1jにおいては、絶縁層70として可撓性を有する絶縁フィルムなどが用いられることで、第1押圧部材10および第2押圧部材20が電池セル30を押圧する際に、絶縁層70が変形して、より均一に電池セルが押圧されることができる。このため、電池セル30の損傷の発生が抑制される。つまりは、高い信頼性を有する電池1jが実現される。また、均一に電池セル30を押圧することができることから、電池セル30における接触抵抗を下げ、電池効率を向上させることができる。
 (他の実施の形態)
 以上、本開示に係る電池について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
 また、上記の実施の形態は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
 本開示は、電子機器、電気器具装置、電気車両などの電池として、利用されうる。
1、1b、1g、1h、1j、1x 電池
1a、1ab、1ag、1ax 電池ユニット
10、10c、10d、10f、10g、10x 第1押圧部材
11、11x 第1面
12、12c、12d、12f、12g、12x 第2面
13、23 頂点部
14、14x、24x 中央部
15、15x、25x 端部
20、20b、20g、20x 第2押圧部材
21、21x 第3面
22、22b、22g、22x 第4面
30 電池セル
31 上面
32 下面
50 導電性接着剤
60、60a 外装体
61 上壁中央部
62 底壁中央部
70 絶縁層
A1 領域
C1 仮想円
C2 仮想円
110 負極活物質層
120 正極活物質層
121d、122d、123d、124d、121g、122g、123g 湾曲面
130 固体電解質層
210 負極集電体
220 正極集電体
221g、222g、223g 湾曲面
A 中心軸
B 球体
F 外力
S 円柱

Claims (13)

  1.  正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置される固体電解質層を含む電池セルと、
     前記電池セルの上方に設けられ、前記電池セルを押圧する板形状の第1押圧部材と、を備え、
     前記第1押圧部材は、
      前記電池セル側に向く面であって平面形状の第1面と、
      前記第1面に背向する面であって凸面形状を有する第2面とを有する
     電池。
  2.  前記電池セルおよび前記第1押圧部材を収容する外装体を備え、
     前記第1押圧部材は、前記外装体と前記電池セルとの間に配置される
     請求項1に記載の電池。
  3.  前記第1押圧部材は、前記外装体より高い剛性を有する
     請求項2に記載の電池。
  4.  前記電池セルの下方に設けられ、前記電池セルを押圧する板形状の第2押圧部材を備え、
     前記第2押圧部材は、
      前記電池セル側に向く面であって平面形状の第3面と、
      前記第3面に背向する面である第4面とを有する
     請求項1に記載の電池。
  5.  前記第4面は、平面形状である
     請求項4に記載の電池。
  6.  前記第2面および前記第4面は、同一形状である
     請求項4に記載の電池。
  7.  前記第2面および前記第4面は、互いに異なる形状である
     請求項4に記載の電池。
  8.  前記電池セル、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材を収容する外装体を備え、
     前記第1押圧部材および前記第2押圧部材は、前記外装体より高い剛性を有する
     請求項4に記載の電池。
  9.  前記外装体の内部の圧力は、大気圧より低い
     請求項2に記載の電池。
  10.  複数の前記電池セルを備え、
     前記複数の電池セルは積層され、
     前記第1押圧部材は、前記複数の電池セルのうち最も上方に位置する電池セルの上方に設けられている
     請求項1に記載の電池。
  11.  前記複数の電池セルのうち最も下方に位置する電池セルの下方に設けられ、前記複数の電池セルを押圧する板形状の第2押圧部材を備え、
     前記第2押圧部材は、
      前記複数の電池セル側に向く面であって平面形状の第3面と、
      前記第3面に背向する面である第4面とを有する
     請求項10に記載の電池。
  12.  前記凸面形状は、1個の湾曲面を含む形状であり、
     前記1個の湾曲面の形状は、球面の一部の形状、または、円柱の側面の一部の形状である
     請求項1~11のいずれか1項に記載の電池。
  13.  前記凸面形状は、複数の湾曲面を含む形状であり、
     前記複数の湾曲面の形状は、それぞれ円柱の側面の一部の形状である
     請求項1~11のいずれか1項に記載の電池。
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