WO2023190503A1 - バッテリパック - Google Patents

Abstract

バッテリパック（１０）は、バッテリコアパック（１４）に電気的に接続されるハーネス（３０ａ）と第１接続端子（４４）とを電気的に接続する第１中間接続部材（５４）を備える。第１中間接続部材（５４）は、ハーネス（３０ａ）の端部（３１）が接続されるハーネス接続部（８６）と、第１接続端子（４４）に接続される端子接続部（８８）とを有する。第１中間接続部材（５４）の本体部（８４）は、オフセット部（９４）を備える。オフセット部（９４）は、ハーネス接続部（８６）から延出する第１延出端部（９０）と、端子接続部（８８）から延出する第２延出端部（９２）とを繋ぐ。

Description

バッテリパック

　本発明は、接続端子を備えるバッテリパックに関する。

　本出願人は、国際公開第２０２１／０１０４３３号において、電動車両の雄型接続端子に接続可能なコネクタを有したバッテリパックを提案している。コネクタの雌型接続端子が、電動車両の雄型接続端子に接続されることで、バッテリ管理装置を通じてバッテリパックと電動車両との間で電力や情報のやり取りが行われる。

　バッテリパックのケースに対してコネクタが締結される締結部位には締結強度が求められる。前記締結部位の周辺には防水を行うためのシール部材が配置される。そのため、前記締結強度やシール部材の配置を考慮すると、ハーネスとコネクタの接続端子とを電気的に接続する中間接続部材（中間端子）には、レイアウトの自由度が少ないことが多い。そのため、中間接続部材には、周辺部品との干渉を回避可能な構造が求められている。

　例えば、周辺部品との干渉を回避するために、中間接続部材の一部を切り欠くような構造とした場合、切り欠きによってコネクタとハーネスとの間を流れる電流の通過断面積が減少して通電抵抗が増大してしまう。そのため、バッテリパックにおいて、コネクタの接続端子とハーネスとを接続する中間接続部材には、周辺部品との干渉を回避して接続しつつ、通電抵抗の増大を抑制可能な構造が望まれる。

　本発明の態様は、複数の電池セルを有したバッテリコアパックと、前記バッテリコアパックを収容するケースと、前記ケースの一端部に配置され外部機器に接続可能な接続端子と、前記ケースに保持され前記接続端子を支持する支持部材と、前記支持部材に保持され、前記バッテリコアパックに電気的に接続されるハーネスと前記接続端子とを電気的に接続する中間接続部材と、を備えたバッテリパックにおいて、前記中間接続部材は金属製の板材から形成され、前記ハーネスの端部の延出方向である第１方向に延在する本体部と、前記本体部の延在方向一端に形成され、前記ハーネスの前記端部が接続されるハーネス接続部と、前記本体部の延在方向他端に形成され、前記第１方向と直交する第２方向において前記端部に対してオフセットして配置され前記接続端子に接続される端子接続部と、を備え、前記本体部は、前記第２方向に沿って平坦形状であり、前記ハーネス接続部から前記端子接続部に向かって前記第１方向に沿って延在する第１延出端部と、前記端子接続部から前記ハーネス接続部に向かって前記第１方向に延在し、前記第１延出端部に対して前記第２方向にオフセットして配置される第２延出端部と、前記第１延出端部と前記第２延出端部とを繋ぐオフセット部と、を備える。

　本発明によれば、ハーネスの端部が接続された中間接続部材にオフセット部を設けることで、前記端部に対して第２方向にオフセット配置された接続端子に端子接続部を介して中間接続部材を電気的に接続することができる。本体部を第２方向に平坦形状として十分な電流が通過可能な断面積を確保することで、バッテリコアパックからの電力を中間接続部材を介して確実に接続端子へと流すことができる。すなわち、接続端子に対する中間接続部材の接続を確実に行いつつ、電流が流れるときの通電抵抗を抑制することができる。

図１は、本発明の実施形態に係るバッテリパックの外観斜視図である。 図２は、図１のバッテリパックにおける支持部材の平面図である。 図３は、図２のＩＩＩ－ＩＩＩ線に沿った断面図である。 図４は、図２の第１中間接続部材近傍の拡大平面図である。 図５は、図３の第１中間接続部材のコーナー部近傍の拡大断面図である。 図６は、変形例に係る支持部材の第１台座近傍を示す拡大断面図である。 図７は、中間接続部の第１中間接続部材を示す外観斜視図である。 図８は、図７に示す第１中間接続部材の平面図である。 図９は、図７に示す第１中間接続部材の側面図である。

　図１に示されるように、本実施形態に係るバッテリパック１０は、例えば、電動アシスト自転車や、電動バイク等の電動車両（図示せず）に着脱可能に搭載される携帯式のバッテリパックとして適用することができる。バッテリパック１０は、電力を必要とする様々な外部機器に適用することができる。以下、バッテリパック１０が電動車両に搭載される例について説明する。バッテリパック１０の上下方向は、該バッテリパック１０を電動車両に搭載したときの鉛直方向、又は鉛直方向に対して傾斜した方向である。

　図１に示すように、バッテリパック１０は、ケース１２と、バッテリコアパック１４と、コネクタ構造１７とを備える。

　ケース１２は、例えば、アルミニウム等の金属製材料又は樹脂材料から形成される。ケース１２は、バッテリコアパック１４及び支持部材１８を収容する。ケース１２は、ボトムケース２０と、外殻ケース２２と、トップケース２４とを有する。以下、図１に示すケース１２の軸方向を、第３方向（矢印Ｚ方向）と呼ぶ。

　ボトムケース２０は、ケース１２の下部に配置される。ボトムケース２０は、バッテリコアパック１４の底部を覆う。外殻ケース２２は、中空状に形成されボトムケース２０の上端部に取り付けられる。外殻ケース２２は、バッテリコアパック１４の側面を覆う。トップケース２４は、外殻ケース２２の上端部に取り付けられる。トップケース２４は、バッテリコアパック１４の上部を覆う。トップケース２４の上部は、ハンドル２６を備える。ハンドル２６は、使用者がバッテリパック１０を持ち運ぶときに把持可能である。

　ケース１２の内部には、バッテリ管理装置（Ｂａｔｔｅｒｙ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｕｎｉｔ：ＢＭＵ）２８が収容される。バッテリ管理装置２８は、バッテリコアパック１４の充放電の制御や、電動車両等の外部機器との通信を行う。バッテリ管理装置２８は、バッテリコアパック１４の電池セル（図示せず）と接続される。

　バッテリ管理装置２８は、図２に示す一組のハーネス３０ａ、３０ｂを介して中間接続部１６と電気的に接続される。バッテリ管理装置２８は、図２に示す中間接続部１６を介して電動車両と電気的に接続可能である。以下、図２に示す中間接続部１６（第１及び第２中間接続部材５４、５６）に接続されるハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１の延出方向を、第１方向（矢印Ｘ方向）と呼ぶ。

　図１に示すバッテリコアパック１４は、ケース１２の内部に収容されて保持される。バッテリコアパック１４は、ケース１２によって覆われている。バッテリコアパック１４は、図示しないセルホルダを介して複数の電池セルを保持する。電池セルは、例えば、充電及び放電を繰り返すことが可能なリチウム二次電池である。バッテリコアパック１４は、バッテリ管理装置２８と電気的に接続される。ボトムケース２０にコネクタ構造１７が設けられている。

　図１及び図２に示すように、コネクタ構造１７は、支持部材１８を有する。支持部材１８は、樹脂製材料から形成される。支持部材１８は、ケース１２の軸方向と直交する幅方向（矢印Ｙ方向、以下、第２方向と呼ぶ）に沿って配置される。図２に示すように、支持部材１８は、支持ベース３２と、一対の第１及び第２台座３４、３６とを有する。支持ベース３２は、ボトムケース２０の底部２０ａに沿って配置される。複数の固定ボルト３８によって支持ベース３２がボトムケース２０の底部２０ａに固定される（図３参照）。このとき、支持ベース３２とボトムケース２０との間に図示しないシール部材が挟持される。シール部材によってケース１２の外部からケース１２内への水分等の浸入が防止される。支持部材１８は、例えば、固定ボルト３８がシール部材を回避した位置でケース１２に固定される。

　コネクタ構造１７は、電力用接続部４０及び信号用接続部４２をさらに有する。支持ベース３２は、電力用接続部４０及び信号用接続部４２を支持する。電力用接続部４０は、一対の第１及び第２接続端子４４、４６を有する。第１及び第２接続端子４４、４６は、金属製であり、後述する中間接続部１６を介して電池セルから電力が供給される。

　図２に示すように、第１接続端子４４は、支持ベース３２の幅方向一端部に配置される。第２接続端子４６は、支持ベース３２の幅方向他端部に配置される。支持ベース３２の第２方向（矢印Ｙ方向）において、第１接続端子４４と第２接続端子４６とが対称形状である。以下、第１接続端子４４の構成について説明し、第２接続端子４６の構成については詳細な説明は省略する。

　図３～図５に示すように、第１接続端子４４は、接触部４８と、被支持部５０とを有する。接触部４８は、中間接続部１６と接触する接触面４８ａを有する。接触部４８は、後述する第１台座３４の締結部５８に保持される。被支持部５０は、曲げ加工によって締結部５８の幅方向端部から直角に折曲される。被支持部５０は、後述する第１台座３４の保持部６０に保持される。図３に示すケース１２の軸方向から見て、第１接続端子４４はＬ字形状である。

　被支持部５０は、支持ベース３２から下方に向けて突出する（図３参照）。第１接続端子４４の下部４５は、板バネ状に構成されており、支持ベース３２の下部に形成された収容空間（不図示）に収容されている。図示しない電動車両のバッテリパック収容部にバッテリパック１０を収容したとき、第１接続端子４４が、電動車両側の接続子と電気的に接続される。第１接続端子４４を介してバッテリパック１０の電力を電動車両の駆動用モータに供給可能である。

　図２に示すように、信号用接続部４２は、複数の第３接続端子５２を有する。第３接続端子５２は、金属製でありバッテリ管理装置２８と接続される。第３接続端子５２は、第１接続端子４４と第２接続端子４６との間に幅方向に等間隔離間して配置される。第３接続端子５２は、図１に示したバッテリパック１０の上下方向（図１における矢印Ｚ方向）に延在する。電動車両のバッテリパック収容部にバッテリパック１０を収容したとき、第３接続端子５２が、電動車両側の接続子と電気的に接続される。第３接続端子５２を介して電動車両とバッテリパック１０との間で車両情報等が通信される。

　図２に示すように、第１及び第２台座３４、３６は、それぞれ支持ベース３２から外殻ケース２２（図１参照）の方向に向けて突出する。第１台座３４は、支持ベース３２の幅方向一端部に配置される。第１台座３４は、第１接続端子４４を保持する。第１台座３４には、中間接続部１６の第１中間接続部材５４が接続される。第２台座３６は、支持ベース３２の幅方向他端部に配置される。第２台座３６は、第２接続端子４６を保持する。第２台座３６には、中間接続部１６の第２中間接続部材５６が接続される。

　第１台座３４及び第２台座３６は、図示しないシール部材を回避した位置に配置される。図２に示すように、支持ベース３２の第２方向（矢印Ｙ方向）において、第１台座３４と第２台座３６とが対称形状である。以下、第１台座３４について説明し、第２台座３６については詳細な説明は省略する。

　図３及び図４に示すように、第１台座３４は、締結部５８と、保持部６０と、空間部６２とを有する。第１台座３４は、第１接続端子４４を保持すると共に、中間接続部１６の第１中間接続部材５４が接続される。

　締結部５８は、第１台座３４において第１方向（矢印Ｘ方向）に沿った先端に配置される。締結部５８は、第１中間接続部材５４が締結される締結面５８ａを有する。締結部５８は、支持ベース３２から第３方向（矢印Ｚ方向）に延出する。締結面５８ａは、締結部５８の第１方向に沿った先端に配置される。締結面５８ａは、第２方向（矢印Ｙ方向）及び第３方向（矢印Ｚ方向）に沿って平坦に形成される。図３に示すように、締結面５８ａには、締結面５８ａからハーネス３０ａの方向に窪んだ収容部６４（図５参照）を有する。収容部６４には、第１接続端子４４の接触部４８が収容される。

　図５に示すように、第１方向における締結部５８の締結面５８ａと第１接続端子４４の接触面４８ａとが同一面となる。すなわち、接触面４８ａが、締結面５８ａから第１方向（矢印Ｘ方向）に突出しない。

　図４及び図５に示すように、締結部５８の締結面５８ａには、後述する第１中間接続部材５４の端子接続部８８が当接する。このとき、締結部５８において第１中間接続部材５４が第１接続端子４４の接触面４８ａに接触する。

　締結部５８の内部には、収容部６４からさらにハーネス３０ａの方向に延在する孔部６６を有する。孔部６６は空間部６２に連通する。孔部６６にはナット６８が保持される（図５参照）。締結部５８に対して第１中間接続部材５４を締結するとき、締結部材である締結ボルト７０のネジ部７２がナット６８に螺合される。締結ボルト７０の頭部７４によって第１中間接続部材５４が締結部５８の締結面５８ａに締結される。

　図３及び図４に示すように、保持部６０は、第１台座３４の上部に設けられる。保持部６０は、第２方向（矢印Ｙ方向）に沿って平坦に形成され支持ベース３２と平行な保持面６０ａを有する。保持部６０の保持面６０ａと締結部５８の締結面５８ａとが直交する（図５参照）。保持面６０ａには、後述する第１中間接続部材５４の本体部８４が当接して載置される。

　保持部６０は、第１保持部位７６と、第２保持部位７８とを有する。第１保持部位７６は、第１方向（矢印Ｘ方向）に沿って締結部５８と直線状に配置される。第１保持部位７６は、締結部５８に対して第１方向に沿ってハーネス３０ａの方向に配置される。第２保持部位７８は、第１保持部位７６に対して締結部５８から離間して配置される。第２保持部位７８は、第１保持部位７６に対して幅方向内側（図２中、第２台座３６の方向）に配置される。図４に示すように、第１保持部位７６と第２保持部位７８とが第２方向（矢印Ｙ方向）にオフセットして配置される。

　第１及び第２保持部位７６、７８の内部には、第１接続端子４４の被支持部５０が保持される。第２保持部位７８において被支持部５０が第１方向に沿って保持される。

　図５に示すように、締結部５８と第１保持部位７６との境界部には、角部８０を備える。角部８０の外面は、断面円弧状に形成される。角部８０には、外面から内方に向けて切り欠かれた切欠部８２を有する。切欠部８２は、角部８０の外面から径方向内側に窪んだ凹部である。切欠部８２の断面形状は、円弧状である。第１台座３４に第１中間接続部材５４が接続されるとき、切欠部８２が第１中間接続部材５４のコーナー部９８に向かい合う。切欠部８２は、コーナー部９８から離間する逃げとして機能する。

　なお、切欠部８２の断面形状は、円弧状に限定されるものではなく、図６に示す変形例に係る第１台座３４ａのように、角部８０の外面から内側に切り欠かれた傾斜面である切欠部８２ａであってもよい。切欠部８２ａは、第１中間接続部材５４のコーナー部９８から離間する方向に向けて傾斜する。切欠部８２ａは、保持部６０の保持面６０ａから締結面５８ａに向けて下方へ傾斜する。

　図３及び図４に示すように、空間部６２は、締結部５８に対してハーネス３０ａの方向に配置された空間である。空間部６２は、第１保持部位７６と第２保持部位７８との間に設けられる。空間部６２は、支持部材１８の軽量化のために形成された肉抜き部である。空間部６２は、締結部５８の孔部６６と連通する。締結部５８に締結された締結ボルト７０のネジ部７２が空間部６２に収容される。空間部６２は、ケース１２の軸方向（第３方向）に沿った上方に向けて開放される。

　図２に示すように、中間接続部１６は、バッテリ管理装置２８に接続されたハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１と電力用接続部４０とを電気的に接続する。中間接続部１６は、一対の第１及び第２中間接続部材５４、５６を有する。第１及び第２中間接続部材５４、５６は、一定の板厚を有した金属製の板材を加工してそれぞれ形成される。

　第１及び第２中間接続部材５４、５６は、ハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１の延出方向である第１方向（矢印Ｘ方向）に沿ってそれぞれ配置される。第１方向は、支持部材１８の延在方向である第２方向（矢印Ｙ方向）と直交する方向である。

　図２に示すように、第１中間接続部材５４は、支持部材１８の第１台座３４に保持される。第１中間接続部材５４は、一方のハーネス３０ａの端部３１と第１接続端子４４とを電気的に接続する。第２中間接続部材５６は、支持部材１８の第２台座３６に保持される。第２中間接続部材５６は、他方のハーネス３０ｂの端部３１と第２接続端子４６とを電気的に接続する。支持部材１８の第２方向（矢印Ｙ方向）において、第１中間接続部材５４と第２中間接続部材５６とが対称形状である。第１中間接続部材５４と第２中間接続部材５６とが対称形状であるため、支持部材１８の第１台座３４及び第２台座３６に対する誤組み付けが防止される。以下、第１中間接続部材５４について説明し、第２中間接続部材５６については詳細な説明は省略する。

　図７～図９に示すように、第１中間接続部材５４は、本体部８４と、ハーネス接続部８６と、端子接続部８８とを有する。

　本体部８４は、ハーネス３０ａの端部３１の延出方向である第１方向（矢印Ｘ方向）に延在する。本体部８４は、幅方向（第２方向）に沿って平坦形状である。本体部８４は、第３方向（矢印Ｚ方向）に一定の板厚を有する。図４に示すように、本体部８４の一部は、第１台座３４の保持部６０に向かい合って保持面６０ａに保持される。本体部８４は、第２方向に一定幅で形成される。

　図４、図７及び図８に示すように、第１方向に沿った本体部８４の延出方向一端には、第１延出端部９０を有する。第１延出端部９０は、第１方向に向かって延在してハーネス接続部８６が接続される。第１延出端部９０は、第１台座３４の第１保持部位７６の保持面６０ａに当接して保持される（図３参照）。

　第１方向に沿った本体部８４の延出方向他端には、第２延出端部９２を有する。第２延出端部９２は、第１方向に沿って延在して端子接続部８８が接続される。

　ハーネス接続部８６及び第１延出端部９０に対し、端子接続部８８及び第２延出端部９２が支持ベース３２の第２方向（矢印Ｙ方向）にオフセットして配置される。端子接続部８８及び第２延出端部９２のオフセット方向は、第２中間接続部材５６から離間する方向（図２中、矢印Ｙ１方向）である。

　図４に示すように、本体部８４は、第１延出端部９０と第２延出端部９２との間にオフセット部９４を備える。オフセット部９４は、第２方向（矢印Ｙ方向）にオフセットした第１延出端部９０と第２延出端部９２とを繋ぎ、第１方向に対して傾斜した斜め形状で形成される。

　第１中間接続部材５４が第１台座３４に取り付けられたとき、第２延出端部９２及びオフセット部９４の大部分が空間部６２に向かい合う。図４に示すケース１２の軸方向から見たとき、第２中間接続部材５６の方向となる第２延出端部９２及びオフセット部９４の幅方向内方の一部が、第２保持部位７８の保持面６０ａに当接して保持される。

　すなわち、本体部８４の第１延出端部９０が、保持部６０の第１保持部位７６に載置され、第２延出端部９２及びオフセット部９４の一部が、保持部６０の第２保持部位７８に載置される（図４参照）。これにより、第１中間接続部材５４の本体部８４が、保持部６０の保持面６０ａに沿って保持される。

　ハーネス接続部８６は、円筒状に形成され第１方向に沿って延在する。図４に示すケース１２の軸方向から見たとき、ハーネス接続部８６は、ハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１の延出方向である第１方向（矢印Ｘ方向）と平行に配置される。ハーネス接続部８６とハーネス３０ａの端部３１とが直線状に配置される。ハーネス３０ａの端部３１の取り出し位置及び取り出し方向は、該ハーネス３０ａ（３０ｂ）の接続されるバッテリ管理装置２８によって決まっている。

　ハーネス接続部８６の内部にハーネス３０ａの端部３１が挿通され、前記ハーネス接続部８６と前記ハーネス３０ａとの端部３１とが電気的に接続される。第１方向（矢印Ｘ方向）に沿ってハーネス接続部８６とハーネス３０ａの端部３１とが直線状に接続される。

　図３及び図５に示すように、端子接続部８８は、本体部８４に対して第３方向（矢印Ｚ方向）に折曲される。すなわち、端子接続部８８が、本体部８４の板厚方向に折曲される。端子接続部８８は、本体部８４の第２延出端部９２から下方に向けて直角に形成される。端子接続部８８は、ハーネス接続部８６に対して第２中間接続部材５６から離間する第２方向（矢印Ｙ１方向）にオフセットする。端子接続部８８は、第１接続端子４４の接触面４８ａと平行に配置される。端子接続部８８と第１接続端子４４の接触面４８ａとが接触して電気的に接続される。

　図３及び図５に示すように、端子接続部８８の中心には、ボルト孔９６を有する。ボルト孔９６には、締結ボルト７０が挿通される。ボルト孔９６に締結ボルト７０が挿通され、締結ボルト７０によって端子接続部８８が第１台座３４の締結部５８に第１方向から固定される。このとき、本体部８４は、保持部６０（第１及び第２保持部位７６、７８）の保持面６０ａに当接して載置される。

　端子接続部８８と本体部８４との間には、湾曲したコーナー部９８を備える。図５に示す第２方向から見たとき、コーナー部９８の断面形状は円弧状である。第１台座３４に対して第１中間接続部材５４を取り付けたとき、コーナー部９８が角部８０に向かい合う。コーナー部９８の内面には、板厚方向に窪んだ薄肉部１００を有する。

　薄肉部１００は、例えば、第１中間接続部材５４をプレス形成するとき、ストライキングを行うことで形成される。薄肉部１００によってコーナー部９８の板厚は、端子接続部８８及び本体部８４の板厚よりも薄い。なお、薄肉部１００は、コーナー部９８の内面を切削加工等によって加工してもよい。

　第１台座３４に第１中間接続部材５４を取り付けるとき、曲げ加工によってコーナー部９８の内面が内方に向けて膨出していても、薄肉部１００及び切欠部８２によってコーナー部９８と角部８０との接触が防止される（図５参照）。

　以上のように、本発明の実施形態では、ハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１が接続される第１及び第２中間接続部材５４、５６にオフセット部９４を設けることで、前記ハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１に対して第２方向にオフセット配置され第１及び第２台座３４、３６に保持された第１及び第２接続端子４４、４６に第１及び第２中間接続部材５４、５６を確実に接続することができる。第１及び第２中間接続部材５４、５６において、本体部８４を第２方向に平坦形状とし切り欠く必要がないため、十分な電流が通過可能な断面積を確保できる。そのため、バッテリコアパック１４からハーネス３０ａ、３０ｂ及び第１及び第２中間接続部材５４、５６を通じて電流を確実に第１及び第２接続端子４４、４６へと流すことができ、電流が流れるときの通電抵抗を抑制することができる。

　これにより、第１及び第２接続端子４４、４６に対する第１及び第２中間接続部材５４、５６の接続と、第１及び第２中間接続部材５４、５６の電流通過断面積の確保とを両立させることができる。

　ハーネス接続部８６に対してハーネス３０ａ、３０ｂから回転方向に力が付与され、回転モーメントが第１及び第２中間接続部材５４、５６に生じたとき、第１及び第２中間接続部材５４、５６に接続された第１及び第２接続端子４４、４６が回転方向へずれてしまうことが防止される。

　ケース１２の軸方向（第３方向）から見たとき、第１及び第２中間接続部材５４、５６におけるオフセット部９４の一部が、空間部６２に対して第２方向（矢印Ｙ方向）にオフセットして配置されて保持部６０の第２保持部位７８に保持される。これにより、オフセット部９４を保持部６０の第２保持部位７８に載置することで、空間部６２に向かい合う本体部８４を、第１保持部位７６に加えて第２保持部位７８でも第１及び第２台座３４、３６に第３方向に安定して保持することができる。

　第３方向から第１及び第２中間接続部材５４、５６を見たとき、ハーネス接続部８６が、ハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１の延出方向である第１方向と平行に形成される。そのため、ハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１をハーネス接続部８６に接続するとき、第１方向に沿って延出するハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１をハーネス接続部８６に対して無理なく円滑に接続して取り出すことができる。

　第１及び第２中間接続部材５４、５６において、薄肉部１００を設けることでコーナー部９８の板厚を、端子接続部８８及び本体部８４の板厚より薄くすることで、本体部８４の端部を容易に折り曲げて端子接続部８８を形成することができる。

　第１及び第２中間接続部材５４、５６において、端子接続部８８を、本体部８４に対して本体部８４の板厚方向（第３方向、矢印Ｚ方向）に折曲することで、容易且つ確実に端子接続部８８を形成することができる。

　第１及び第２台座３４、３６の角部８０は、第１及び第２中間接続部材５４、５６のコーナー部９８に向かい合う外面を有し、外面には、コーナー部９８から離間する方向に切り欠かれた切欠部８２を有している。これにより、第１及び第２中間接続部材５４、５６の端子接続部８８をそれぞれ支持部材１８の第１及び第２台座３４、３６に接続するとき、端子接続部８８を曲げ加工するときにコーナー部９８の内面が内方に向けて膨出しても、切欠部８２によってコーナー部９８の内面が角部８０の外面に接触することが防止される。

　これにより、膨出したコーナー部９８によって端子接続部８８が第１及び第２台座３４、３６の締結部５８から浮き上がることがなく、前記端子接続部８８を前記締結部５８の締結面５８ａに対して確実に締結することができる。

　ハーネス３０ａ、３０ｂの端部３１の延出方向である第１方向において、第１及び第２台座３４、３６の締結面５８ａと、締結部５８に保持される第１及び第２接続端子４４、４６の接触面４８ａとが同一面となるように配置される。これにより、第１及び第２中間接続部材５４、５６の端子接続部８８を締結面５８ａに当接させることで、第１及び第２接続端子４４、４６の接触面４８ａに当接させることができる。これにより、端子接続部８８と第１及び第２接続端子４４、４６とを確実且つ安定して接続して締結できる。

　上記の実施形態をまとめると、以下のようになる。

　上記の実施形態は、複数の電池セルを有したバッテリコアパック（１４）と、
　前記バッテリコアパックを収容するケース（１２）と、
　前記ケースの一端部に配置され外部機器に接続可能な接続端子（４４、４６）と、
　前記ケースに保持され前記接続端子を支持する支持部材（１８）と、
　前記支持部材に保持され、前記バッテリコアパックに電気的に接続されるハーネス（３０ａ、３０ｂ）と前記接続端子とを電気的に接続する中間接続部材（５４、５６）と、
　を備えたバッテリパック（１０）において、
　前記中間接続部材は金属製の板材から形成され、前記ハーネスの端部（３１）の延出方向である第１方向に延在する本体部（８４）と、
　前記本体部の延在方向一端に形成され、前記ハーネスの前記端部が接続されるハーネス接続部（８６）と、
　前記本体部の延在方向他端に形成され、前記第１方向と直交する第２方向において前記端部に対してオフセットして配置され前記接続端子に接続される端子接続部（８８）と、
　を備え、
　前記本体部は、前記第２方向に沿って平坦形状であり、
　前記ハーネス接続部から前記端子接続部に向かって前記第１方向に沿って延在する第１延出端部（９０）と、
　前記端子接続部から前記ハーネス接続部に向かって前記第１方向に延在し、前記第１延出端部に対して前記第２方向にオフセットして配置される第２延出端部（９２）と、
　前記第１延出端部と前記第２延出端部とを繋ぐオフセット部（９４）と、
　を備える。

　前記端子接続部は、締結部材（７０）によって前記支持部材の台座（３４、３６）に対して前記第１方向に固定され、
　前記台座は、前記第１方向において前記端子接続部が当接して締結される締結面（５８ａ）を有した締結部（５８）と、
　前記締結部の前記締結面と直交し、前記第１方向に沿って延在して前記本体部に向かい合う保持部（６０）と、
　前記締結部に対して前記ハーネス接続部の方向に配置され、且つ、前記第２方向と直交し前記ケースの軸方向に沿った第３方向に開放される空間部（６２）と、
　を有し、
　前記第３方向から見たとき、前記オフセット部の一部が、前記空間部に対して前記第２方向にオフセットして配置されて前記保持部に載置される。

　前記第３方向から前記中間接続部材を見たとき、前記ハーネス接続部が、前記第１方向と平行に形成される。

　前記端子接続部は、前記本体部に対して前記第３方向に屈曲して形成され、
　前記端子接続部と前記本体部との間には、前記第２方向から見て湾曲したコーナー部（９８）が形成され、
　前記コーナー部の板厚が、前記端子接続部及び前記本体部の板厚よりも薄い。

　前記本体部は、前記第３方向に前記板厚を有し、
　前記端子接続部が、前記本体部に対して前記第３方向に折曲される。

　前記支持部材の台座は、前記コーナー部に向かい合う外面（８０）を有し、前記外面には、前記コーナー部から離間する方向に切り欠かれた切欠部（８２、８２ａ）を有する。

　前記第１方向において、前記端子接続部が締結される締結部の締結面と、前記締結部に配置される前記接続端子の接触面（４８ａ）とが同一面となるように配置される。

　なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。

Claims (7)

1. 　複数の電池セルを有したバッテリコアパック（１４）と、
   　前記バッテリコアパックを収容するケース（１２）と、
   　前記ケースの一端部に配置され外部機器に接続可能な接続端子（４４、４６）と、
   　前記ケースに保持され前記接続端子を支持する支持部材（１８）と、
   　前記支持部材に保持され、前記バッテリコアパックに電気的に接続されるハーネス（３０ａ、３０ｂ）と前記接続端子とを電気的に接続する中間接続部材（５４、５６）と、
   　を備えたバッテリパック（１０）において、
   　前記中間接続部材は金属製の板材から形成され、前記ハーネスの端部（３１）の延出方向である第１方向に延在する本体部（８４）と、
   　前記本体部の延在方向一端に形成され、前記ハーネスの前記端部が接続されるハーネス接続部（８６）と、
   　前記本体部の延在方向他端に形成され、前記第１方向と直交する第２方向において前記端部に対してオフセットして配置され前記接続端子に接続される端子接続部（８８）と、
   　を備え、
   　前記本体部は、前記第２方向に沿って平坦形状であり、
   　前記ハーネス接続部から前記端子接続部に向かって前記第１方向に沿って延在する第１延出端部（９０）と、
   　前記端子接続部から前記ハーネス接続部に向かって前記第１方向に延在し、前記第１延出端部に対して前記第２方向にオフセットして配置される第２延出端部（９２）と、
   　前記第１延出端部と前記第２延出端部とを繋ぐオフセット部（９４）と、
   　を備える、バッテリパック。
2. 　請求項１記載のバッテリパックにおいて、
   　前記端子接続部は、締結部材（７０）によって前記支持部材の台座（３４、３６）に対して前記第１方向に固定され、
   　前記台座は、前記第１方向において前記端子接続部が当接して締結される締結面（５８ａ）を有した締結部（５８）と、
   　前記締結部の前記締結面と直交し、前記第１方向に沿って延在して前記本体部に向かい合う保持部（６０）と、
   　前記締結部に対して前記ハーネス接続部の方向に配置され、且つ、前記第２方向と直交し前記ケースの軸方向に沿った第３方向に開放される空間部（６２）と、
   　を有し、
   　前記第３方向から見たとき、前記オフセット部の一部が、前記空間部に対して前記第２方向にオフセットして配置されて前記保持部に載置される、バッテリパック。
3. 　請求項２記載のバッテリパックにおいて、
   　前記第３方向から前記中間接続部材を見たとき、前記ハーネス接続部が、前記第１方向と平行に形成される、バッテリパック。
4. 　請求項２又は３記載のバッテリパックにおいて、
   　前記端子接続部は、前記本体部に対して前記第３方向に屈曲して形成され、
   　前記端子接続部と前記本体部との間には、前記第２方向から見て湾曲したコーナー部（９８）が形成され、
   　前記コーナー部の板厚が、前記端子接続部及び前記本体部の板厚よりも薄い、バッテリパック。
5. 　請求項４記載のバッテリパックにおいて、
   　前記本体部は、前記第３方向に前記板厚を有し、
   　前記端子接続部が、前記本体部に対して前記第３方向に折曲される、バッテリパック。
6. 　請求項５記載のバッテリパックにおいて、
   　前記支持部材の台座は、前記コーナー部に向かい合う外面（８０）を有し、前記外面には、前記コーナー部から離間する方向に切り欠かれた切欠部（８２、８２ａ）を有する、バッテリパック。
7. 　請求項６記載のバッテリパックにおいて、
   　前記第１方向において、前記端子接続部が締結される締結部の締結面と、前記締結部に配置される前記接続端子の接触面（４８ａ）とが同一面となるように配置される、バッテリパック。

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