WO2023176291A1

WO2023176291A1 - 半導体発光装置

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Publication number: WO2023176291A1
Application number: PCT/JP2023/005472
Authority: WO
Inventors: ともみ相; 一哉増山
Original assignee: ローム株式会社
Priority date: 2022-03-17
Filing date: 2023-02-16
Publication date: 2023-09-21

Abstract

半導体発光装置は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を支持する導通支持部材と、前記半導体発光素子を覆う第１樹脂部と、を備える。前記第１樹脂部は、たとえば、透光性樹脂材料および吸光性粉末を含んでいる。前記導通支持部材は、たとえば、基材および配線部を有する。前記基材は、厚さ方向の一方を向く基材主面を有している。前記半導体発光素子は、前記基材主面に搭載されている。前記配線部は、前記半導体発光素子に導通している。

Description

半導体発光装置

　本開示は、半導体発光装置に関する。

　従来、半導体発光装置は、半導体発光素子（ＬＥＤ：Light Emitting Diode）を光源として備える。特許文献１には、従来の半導体発光装置（ＬＥＤモジュール）の一例が開示されている。同文献に開示されたＬＥＤモジュールは、基板と、一対の電極と、ＬＥＤチップと、ボンディングワイヤと、樹脂パッケージとを備える。基板は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる絶縁基板である。一対の電極はそれぞれ、ＬＥＤチップに導通する。一対の電極の一部ずつは、ＬＥＤモジュールを実装するための実装端子として用いられる。ＬＥＤチップは、ＬＥＤモジュールの光源である。ＬＥＤチップは、たとえば銀ペーストによって、一対の電極の一方に接合されており、銀ペーストを介して、一対の電極の一方に導通する。また、ＬＥＤチップは、ボンディングワイヤを介して、一対の電極の他方に導通する。樹脂パッケージは、ＬＥＤチップおよびボンディングワイヤを保護するためのものである。樹脂パッケージは、ＬＥＤチップからの光に対して透光性を有する。樹脂パッケージは、たとえばエポキシ樹脂を用いてモールド成形される。

特開２００９－２８９４４１号公報

　半導体発光装置において、迷光が生じることがある。迷光は、本来想定される光路外に光が発生する現象である。迷光は、たとえば、ＬＥＤチップからの光の拡散、および、樹脂パッケージの界面での乱反射などによって発生する。迷光は、半導体発光装置の見栄えを損なうものであり、半導体発光装置としての商品性の低下を招く。また、半導体発光装置を光学式のセンサに用いる場合において、迷光は、検出精度および検出距離などの性能低下を及ぼすことがある。

　本開示は、従来よりも改良が施された半導体発光装置を提供することを一の課題とする。特に本開示は、上記事情に鑑み、迷光を低減することが可能な半導体発光装置を提供することを一の課題とする。

　本開示の第１の側面による半導体発光装置は、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を支持する導通支持部材と、前記半導体発光素子を覆う第１樹脂部と、を備え、前記第１樹脂部は、透光性樹脂材料および吸光性粉末を含む。

　上記構成によれば、半導体発光装置は、迷光を低減することができる。

図１は、第１実施形態にかかる半導体発光装置を示す斜視図である。図２は、第１実施形態にかかる半導体発光装置を示す平面図であって、第１樹脂部およびケースを想像線で示す。図３は、第１実施形態にかかる半導体発光装置を示す正面図である。図４は、第１実施形態にかかる半導体発光装置を示す底面図である。図５は、第１実施形態にかかる半導体発光装置を示す左側面図である。図６は、第１実施形態にかかる半導体発光装置を示す右側面図である。図７は、図２のＶＩＩ－ＶＩＩ線に沿う断面図である。図８は、第１実施形態の変形例にかかる半導体発光装置を示す平面図である。図９は、図８のＩＸ－ＩＸ線に沿う断面図である。図１０は、第２実施形態にかかる半導体発光装置を示す平面図である。図１１は、図１０のＸＩ－ＸＩ線に沿う断面図である。図１２は、第２実施形態の第１変形例にかかる半導体発光装置を示す断面図である。図１３は、第２実施形態の第２変形例にかかる半導体発光装置を示す断面図である。図１４は、第２実施形態の第３変形例にかかる半導体発光装置を示す平面図である。図１５は、図１４のＸＶ－ＸＶ線に沿う断面図である。図１６は、本開示の半導体発光装置の他の変形例を示す断面図である。図１７は、本開示の半導体発光装置の他の変形例を示す断面図である。図１８は、本開示の半導体発光装置の他の変形例を示す断面図である。

　本開示の半導体発光装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下では、同一あるいは類似の構成要素に、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。本開示における「第１」、「第２」、「第３」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。

　本開示において、「ある物Ａがある物Ｂに形成されている」および「ある物Ａがある物Ｂ（の）上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Ａがある物Ｂに直接形成されていること」、および、「ある物Ａとある物Ｂとの間に他の物を介在させつつ、ある物Ａがある物Ｂに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Ａがある物Ｂに配置されている」および「ある物Ａがある物Ｂ（の）上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Ａがある物Ｂに直接配置されていること」、および、「ある物Ａとある物Ｂとの間に他の物を介在させつつ、ある物Ａがある物Ｂに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Ａがある物Ｂ（の）上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Ａがある物Ｂに接して、ある物Ａがある物Ｂ（の）上に位置していること」、および、「ある物Ａとある物Ｂとの間に他の物が介在しつつ、ある物Ａがある物Ｂ（の）上に位置していること」を含む。また、「ある方向に見てある物Ａがある物Ｂに重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Ａがある物Ｂのすべてに重なること」、および、「ある物Ａがある物Ｂの一部に重なること」を含む。また、「ある物Ａ（の材料）がある材料Ｃを含む」とは、「ある物Ａ（の材料）がある材料Ｃからなる場合」、および、「ある物Ａ（の材料）の主成分がある材料Ｃである場合」を含む。

　図１～図７は、第１実施形態にかかる半導体発光装置Ａ１を示している。半導体発光装置Ａ１は、導通支持部材１、半導体発光素子４、ワイヤ５、第１樹脂部６１およびケース７を備える。

　説明の便宜上、半導体発光装置Ａ１の厚さ方向を「厚さ方向ｚ」という。以下の説明では、厚さ方向ｚの一方を上方といい、他方を下方ということがある。なお、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上面」および「下面」などの記載は、厚さ方向ｚにおける各部品等の相対的位置関係を示すものであり、必ずしも重力方向との関係を規定する用語ではない。また、「平面視」とは、厚さ方向ｚに見たときをいう。厚さ方向ｚに対して直交する方向を「第１方向ｘ」という。第１方向ｘは、半導体発光装置Ａ１の平面図（図２参照）における左右方向である。厚さ方向ｚおよび第１方向ｘに直交する方向を「第２方向ｙ」という。第２方向ｙは、半導体発光装置Ａ１の平面図（図２参照）における上下方向である。

　導通支持部材１は、半導体発光装置Ａ１の土台となるものである。図２および図７に示すように、導通支持部材１には、半導体発光素子４が搭載されている。導通支持部材１は、半導体発光素子４を支持するとともに、半導体発光素子４に電力を供給するための導通経路を構成する。導通支持部材１は、図２および図４に示すように、平面視において、矩形状である。導通支持部材１は、基材２および配線部３を含む。

　基材２は、たとえば絶縁性材料を含む。当該絶縁材料としては、たとえばガラスエポキシ樹脂、セラミック、または、単結晶半導体などが用いられる。基材２は、平面視矩形状である。基材２の平面視形状は、矩形に限定されず、多角形であってもよい。図示された例では、基材２は、平面視において、第１方向ｘを長手方向とするが、第２方向ｙを長手方向としてもよい。基材２の大きさは特に限定されないが、基材２の厚さ（厚さ方向ｚの寸法）は、たとえば０．１０ｍｍ以上０．５０ｍｍ以下である。基材２の第１方向ｘの寸法は、たとえば１．８ｍｍ以上２．２ｍｍ以下であり、基材２の第２方向ｙの寸法は、たとえば１．０５ｍｍ以上１．４５ｍｍ以下である。

　基材２は、基材主面２０１、基材裏面２０２および複数の基材側面２０３～２０６を有する。基材主面２０１および基材裏面２０２は、厚さ方向ｚにおいて互いに離間する。基材主面２０１は、厚さ方向ｚの上方を向き、基材裏面２０２は、厚さ方向ｚの下方を向く。複数の基材側面２０３～２０６はそれぞれ、厚さ方向ｚにおいて基材主面２０１および基材裏面２０２に挟まれ、且つ、これらに繋がる。一対の基材側面２０３，２０４は、第１方向ｘに互いに離間し、且つ、第１方向ｘにおいて互いに反対側を向く。一対の基材側面２０５，２０６は、第２方向ｙに互いに離間し、且つ、第２方向ｙにおいて互いに反対側を向く。

　基材側面２０３には、スルーホール部２０３ａが形成されており、基材側面２０４には、スルーホール部２０４ａが形成されている。スルーホール部２０３ａは、平面視において、基材側面２０３から基材２の内方に窪んだ部分である。スルーホール部２０４ａは、平面視において、基材側面２０３から基材２の内方に窪んだ部分である。各スルーホール部２０３ａ，２０４ａは、基材主面２０１から基材裏面２０２まで厚さ方向ｚに貫通する。図２および図４に示すように、各スルーホール部２０３ａ，２０４ａは、平面視においてたとえば半円状である。

　配線部３は、基材２に形成されており、半導体発光素子４への導通経路を構成する。配線部３は、導電性材料を含む。当該導電性材料は、たとえば銅または銅合金であるが、銅または銅合金のいずれでもなく、ニッケルまたはニッケル合金、金または金合金、鉄または鉄合金、もしくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金などである。配線部３は、たとえばめっきにより形成される。配線部３は、一対の主面電極部３１，３２、一対の側部３３，３４および一対の裏面電極部３５，３６を含む。

　一対の主面電極部３１，３２はそれぞれ、基材主面２０１に形成される。一対の主面電極部３１，３２は、第１方向ｘに互いに離間する。

　主面電極部３１は、図２に示すように、ダイボンディング部３１１、第１端縁部３１２および第１連結部３１３を含む。ダイボンディング部３１１、第１端縁部３１２および第１端縁部３１２は、一体的に形成されている。図７に示すように、ダイボンディング部３１１には、半導体発光素子４が搭載される。ダイボンディング部３１１は、半導体発光素子４（後述の裏面電極４２）に導通する。図示された例では、ダイボンディング部３１１は、平面視において矩形状である。ダイボンディング部３１１の平面視形状は、矩形に限定されず、円形、楕円形あるいは多角形などであってもよい。ダイボンディング部３１１は、平面視における基材主面２０１の中央を含む領域に形成される。第１端縁部３１２は、基材主面２０１のうちのスルーホール部２０３ａに繋がる部分近傍を覆っている。図示された例では、第１端縁部３１２は、平面視において、スルーホール部２０３ａと同心円状の半円環状をなす。第１連結部３１３は、ダイボンディング部３１１と第１端縁部３１２とを繋ぐ。第１連結部３１３は、平面視において、第１方向ｘに延びる帯状である。

　主面電極部３２は、図２に示すように、ワイヤボンディング部３２１、第２端縁部３２２および第２連結部３２３を含む。ワイヤボンディング部３２１、第２端縁部３２２および第２連結部３２３は、一体的に形成されている。図７に示すように、ワイヤボンディング部３２１には、ワイヤ５が接合される。ワイヤボンディング部３２１は、ワイヤ５を介して、半導体発光素子４（後述の主面電極４１）に導通する。ワイヤボンディング部３２１は、ダイボンディング部３１１に対して、第１方向ｘの一方側（図２における左側）に離間して配置される。ワイヤボンディング部３２１は、平面視において矩形状である。ワイヤボンディング部３２１の平面視形状は、矩形に限定されず、円形、楕円形あるいは多角形状などであってもよい。第２端縁部３２２は、基材主面２０１のうちのスルーホール部２０４ａに繋がる部分近傍を覆っている。図示された例では、第２端縁部３２２は、平面視において、スルーホール部２０４ａと同心円状の半円環状をなす。第２連結部３２３は、ワイヤボンディング部３２１と第２端縁部３２２とを繋ぐ。第２連結部３２３は、平面視において、第１方向ｘに延びる帯状である。

　側部３３は、図２および図７に示すように、基材側面２０３に形成されたスルーホール部２０３ａを覆う。側部３３は、主面電極部３１（第１端縁部３１２）および裏面電極部３５に繋がる。主面電極部３１および裏面電極部３５は、側部３３を介して、導通する。側部３４は、図２および図７に示すように、基材側面２０４に形成されたスルーホール部２０４ａを覆う。側部３４は、主面電極部３２（第２端縁部３２２）および裏面電極部３６に繋がる。主面電極部３２および裏面電極部３６は、側部３４を介して、導通する。

　一対の裏面電極部３５，３６はそれぞれ、図４および図７に示すように、基材裏面２０２に形成される。一対の裏面電極部３５，３６は、第１方向ｘに互いに離間する。裏面電極部３５は、側部３３に繋がっている。裏面電極部３５は、側部３３および主面電極部３１を介して、半導体発光素子４（後述の裏面電極４２）に導通する。裏面電極部３６は、側部３４に繋がっている。裏面電極部３６は、側部３４、主面電極部３２およびワイヤ５を介して、半導体発光素子４（後述の主面電極４１）に導通する。一対の裏面電極部３５，３６は、たとえば半導体発光装置Ａ１を電子機器等の回路基板（図示略）に実装する際に、はんだなどの導電性接合材によって当該回路基板に接合される。つまり、一対の裏面電極部３５，３６は、半導体発光装置Ａ１における端子である。

　半導体発光素子４は、半導体発光装置Ａ１の光源である。半導体発光素子４は、たとえばＬＥＤである。半導体発光素子４は、たとえば赤色光または赤外線を発する。半導体発光素子４が発する光の波長は、たとえば６１０ｎｍ以上７８０ｎｍ以下（赤色光）もしくは７８０ｎｍ以上１０００μｍ以下（赤外線）である。なお、半導体発光素子４が発する光の波長は、これらの数値例に限定されない。つまり、半導体発光素子４から発する光は、赤色光または赤外線に限定されない。図７に示すように、半導体発光素子４は、基材主面２０１上に搭載される。半導体発光素子４は、導電性接合材４９を介して、主面電極部３１のダイボンディング部３１１に接合される。導電性接合材４９は、たとえばはんだ、焼結金属または金属ペースト材などである。半導体発光素子４の大きさは、何ら限定されないが、一例では次の通りである。半導体発光素子４の厚さは、たとえば１３０μｍ以上２２０μｍ以下である。半導体発光素子４の第１方向ｘの寸法は、たとえば３２０μｍ以上５２０μｍ以下である。半導体発光素子４の第２方向ｙの寸法は、たとえば３２０μｍ以上５２０μｍ以下である。

　半導体発光素子４は、素子主面４０１、素子裏面４０２および複数の素子側面４０３～４０６を有する。素子主面４０１および素子裏面４０２は、厚さ方向ｚに互いに離間する。素子主面４０１は、厚さ方向ｚ上方を向き、素子裏面４０２は、厚さ方向ｚ下方を向く。つまり、素子主面４０１は、基材主面２０１と同じ方向を向き、素子裏面４０２は、基材裏面２０２と同じ方向を向く。素子裏面４０２は、導通支持部材１に対向する。複数の素子側面４０３～４０６はそれぞれ、厚さ方向ｚにおいて素子主面４０１および素子裏面４０２に挟まれ、これらに繋がる。一対の素子側面４０３，４０４は、第１方向ｘに互いに離間し、且つ、第１方向ｘにおいて互いに反対側を向く。一対の素子側面４０５，４０６は、第２方向ｙに互いに離間し、且つ、第２方向ｙにおいて互いに反対側を向く。

　半導体発光素子４は、たとえば縦型構造である。半導体発光素子４は、主面電極４１および裏面電極４２を有する。半導体発光素子４は、主面電極４１および裏面電極４２間に流れる電流により発光する。図７に示すように、主面電極４１は、素子主面４０１に形成される。主面電極４１には、ワイヤ５が接合される。主面電極４１は、ワイヤ５を介して、ワイヤボンディング部３２１に導通する。図７に示すように、裏面電極４２は、素子裏面４０２に形成される。裏面電極４２は、導電性接合材４９を介してダイボンディング部３１１に導通する。

　ワイヤ５は、互いに離間する２つの部位を電気的に接続する。ワイヤ５は、ボンディングワイヤである。ワイヤ５は、たとえば金、アルミニウムまたは銅のいずれかを含む。

　ワイヤ５は、一対の接合部５１，５２および接続部５３を含む。接合部５１は、ワイヤ５のうち主面電極４１に接合された部位である。接合部５２は、ワイヤ５のうちワイヤボンディング部３２１に接合された部位である。接続部５３は、ワイヤ５のうち一対の接合部５１，５２を接続する部位である。図示された例において、ワイヤ５のループ形状は、三角形状であるが、台形形状であってもよい。

　第１樹脂部６１は、導通支持部材１に支持される。第１樹脂部６１は、半導体発光素子４およびワイヤ５を覆う。第１樹脂部６１は、透光性樹脂材料および吸光性粉末を含む。第１樹脂部６１は、透光性樹脂材料に吸光性粉末を混ぜたものであり、第１樹脂部６１において、透光性樹脂材料に吸光性粉末が分散されている。

　透光性樹脂材料は、たとえばエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂を含む。本実施形態において、透光性樹脂材料は、透明であるが、半透明であってもよい。また、透光性樹脂材料は、蛍光材料を含んでいてもよい。この場合、半導体発光素子４からの光によって蛍光材料が励起されることにより、半導体発光装置Ａ１は、半導体発光素子４からの光とは異なる波長域の光を発する。

　吸光性粉末は、半導体発光素子４からの光を吸光するものである。第１樹脂部６１における吸光性粉末の含有割合が多い程、半導体発光素子４から発せられた光の光度が低減する。本実施形態では、第１樹脂部６１における吸光性粉末の含有割合は、たとえば０．１％以上１０％以下（好ましくは０．５％以上０．７％以下）である。本実施形態における吸光性粉末は、たとえばチタンブラック（酸窒化チタン）である。吸光性粉末がチタンブラックである例において、吸光性粉末の透過率は、カーボンブラックの透過率と比べて、赤色光および赤外線の各波長に対して低く、紫光および紫外線の各波長に対して高い。また、吸光性粉末の粒径は、何ら限定されないが、たとえば６２ｎｍ以上７５ｎｍ以下である。なお、吸光性粉末は、半導体発光素子４からの光を吸光する材料であればよい。たとえばチタンブラックではなくカーボンブラックであってもよい。

　第１樹脂部６１は、平面視において矩形状である。第１樹脂部６１は、第１樹脂主面６１１、第１樹脂裏面６１２および複数の第１樹脂側面６１３～６１６を有する。第１樹脂主面６１１および第１樹脂裏面６１２は、厚さ方向ｚに離間する。第１樹脂主面６１１は、厚さ方向ｚ上方を向き、第１樹脂裏面６１２は、厚さ方向ｚ下方を向く。複数の第１樹脂側面６１３～６１６はそれぞれ、厚さ方向ｚにおいて、第１樹脂主面６１１および第１樹脂裏面６１２に挟まれ、これらに繋がる。一対の第１樹脂側面６１３，６１４は、第１方向ｘに離間する。一対の第１樹脂側面６１３，６１４は、第１方向ｘにおいて、互いに反対側を向く。一対の第１樹脂側面６１３，６１４は、一対の素子側面４０３，４０４と第１方向ｘにおいてそれぞれ同じ方向を向く。一対の第１樹脂側面６１５，６１６は、第２方向ｙに離間する。一対の第１樹脂側面６１５，６１６は、第２方向ｙにおいて、互いに反対側を向く。一対の第１樹脂側面６１５，６１６は、一対の素子側面４０５，４０６と第２方向ｙにおいてそれぞれ同じ方向を向く。

　第１樹脂部６１の大きさの一例は、次の通りである。第１樹脂部６１の厚さ（第１樹脂主面６１１と第１樹脂裏面６１２との厚さ方向ｚに沿う寸法）は、２０μｍ以上４００μｍ以下である。第１樹脂部６１の第１方向ｘの寸法（一対の第１樹脂側面６１３，６１４の第１方向ｘに沿う寸法）は、３９０μｍ以上１．４ｍｍ以下である。第１樹脂部６１の第２方向ｙの寸法（一対の第１樹脂側面６１５，６１６の第２方向ｙに沿う寸法）は、３９０μｍ以上６５０μｍ以下である。

　また、第１樹脂部６１は、たとえば、次の寸法関係がある。それは、第１樹脂部６１のうちの半導体発光素子４の上方を覆う部分の厚さ（以下「被覆厚」という）が、第１樹脂部６１のうちの半導体発光素子４の側方を覆う部分の幅（以下「被覆幅」という）に対して、１％以上１０３％以下である。本実施形態では、被覆厚として、素子主面４０１と第１樹脂主面６１１との厚さ方向ｚに沿う距離ｄ１（図７参照）が用いられ、被覆幅として、素子側面４０４と第１樹脂側面６１４との第１方向ｘに沿う距離ｄ２（図７参照）が用いられる。つまり、本実施形態では、距離ｄ１は、距離ｄ２に対して１％以上１０３％以下である。なお、被覆幅は、素子側面４０４と第１樹脂側面６１４との第１方向ｘに沿う距離ｄ２ではなく、第１樹脂側面６１３と素子側面４０３との第１方向ｘに沿う距離を用いてもよいし、第１樹脂側面６１５と素子側面４０５との第２方向ｙに沿う距離を用いてもよいし、第１樹脂側面６１６と素子側面４０６との第２方向ｙに沿う距離を用いてもよい。本実施形態における被覆幅は、これらの距離（距離ｄ２を含む）のうち、相対的に一番大きい値である距離ｄ２を用いているが、この構成と異なり、相対的に一番小さい値であってもよい。または、第１樹脂部６１に吸光性粉末が含まれない場合における迷光の発生箇所を基に、被覆幅とする長さを決めてもよい。

　ケース７は、図３および図５～図７に示すように、基材主面２０１に配置される。ケース７は、導通支持部材１に対して、厚さ方向ｚにおいて半導体発光素子４が配置される側に配置される。図１および図２に示すように、ケース７は、枠体である。ケース７は、平面視において、半導体発光素子４および第１樹脂部６１を囲む。ケース７の材料は、何ら限定されないが、たとえばエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などである。ケース７の色は、何ら限定されないが、好ましくは黒色である。

　ケース７は、上面７１、複数の外面７３１～７３４および複数の内面７４１～７４４を有する。上面７１は、図１および図２に示すように、矩形環状である。図示された例では、図７に示すように、上面７１は、第１樹脂主面６１１と面一である。この例とは異なり、第１樹脂主面６１１が、上面７１に対して厚さ方向ｚ下方に窪んでいてもよいし、上面７１に対して厚さ方向ｚ上方に突き出ていてもよい。複数の外面７３１～７３４はそれぞれ、上面７１に繋がる。一対の外面７３１，７３２は、第１方向ｘにおいて互いに離間する。一対の外面７３１，７３２は、第１方向ｘにおいて互いに反対側を向く。一対の外面７３３，７３４は、第２方向ｙにおいて互いに離間する。一対の外面７３３，７３４は、第２方向ｙにおいて互いに反対側を向く。複数の外面７３１～７３４は、複数の基材側面２０３～２０６とそれぞれ面一である。一対の内面７４１～７４４はそれぞれ、上面７１に繋がる。一対の内面７４１，７４２は、第１方向ｘにおいて互いに反対側を向く。一対の内面７４１，７４２は、第１方向ｘにおいて互いに向かい合う。一対の内面７４３，７４４は、第２方向ｙにおいて離間する。一対の内面７４３，７４４は、第２方向ｙにおいて互いに向かい合う。複数の内面７４１～７４４は、複数の第１樹脂側面６１３～６１６にそれぞれ接する。

　半導体発光装置Ａ１の作用効果は、次の通りである。

　半導体発光装置Ａ１は、半導体発光素子４を覆う第１樹脂部６１を備える。第１樹脂部６１は、透光性樹脂材料および吸光性粉末を含む。この構成によれば、半導体発光素子４からの光は、第１樹脂部６１の吸光性粉末に吸収されて減少する。したがって、半導体発光素子４からの拡散光、および、各部位の界面（たとえば、第１樹脂部６１と導通支持部材１との界面および第１樹脂部６１とケース７との界面など）で反射した反射光などを低減させることができる。つまり、半導体発光装置Ａ１は、迷光を低減できる。このため、半導体発光装置Ａ１を、より明瞭な点光源として発光させることが可能となる。

　半導体発光装置Ａ１では、第１樹脂部６１における吸光性粉末の含有割合が０．１％以上１０％以下である。この吸光性粉末の含有割合が多い程、迷光を低減する効果を得られるが、一方で、光度低下を招く。反対に、この吸光性粉末の含有割合が少ない程、光度低下を抑制できるが、一方で、迷光を低減する効果が弱くなる。そこで、半導体発光装置Ａ１では、第１樹脂部６１における吸光性粉末の含有割合を上記範囲（０．１％以上１０％以下）内にすることで、迷光を低減しつつ、光度の低下を抑制できる。

　半導体発光装置Ａ１では、第１樹脂部６１の吸光性粉末は、チタンブラックである。この構成によれば、赤色光または赤外線の各波長に対する透過率が、カーボンブラックである場合よりも低い。つまり、半導体発光装置Ａ１は、第１樹脂部６１の吸光性粉末がカーボンブラックである場合よりも、赤色光または赤外線の迷光を低減できる。したがって、半導体発光装置Ａ１は、半導体発光素子４が赤色光または赤外線を発する構成において、迷光を低減することに有効である。また、チタンブラックは、カーボンブラックよりも電気絶縁性に優れているので、半導体発光装置Ａ１は、第１樹脂部６１の吸光性粉末がカーボンブラックである場合よりも、電気絶縁性を向上する。

　半導体発光装置Ａ１では、ケース７は、黒色樹脂を含む。この構成によれば、ケース７と第１樹脂部６１との界面における光の反射が低減される。したがって、半導体発光装置Ａ１は、さらに迷光を低減できる。

　半導体発光装置Ａ１では、素子主面４０１と第１樹脂主面６１１との厚さ方向ｚに沿う距離ｄ１（上記被覆厚）は、素子側面４０４と第１樹脂側面６１４との第１方向ｘに沿う距離ｄ２（上記被覆幅）に対して１％以上１０３％以下である。半導体発光素子４は第１樹脂部６１に覆われているため、半導体発光素子４から厚さ方向ｚ上方に発せられた光は第１樹脂部６１の吸光性粉末によって低減される。つまり、半導体発光素子４から厚さ方向ｚ上方に照射される光の光度が低下する。そこで、半導体発光装置Ａ１では、迷光を低減できる適度な被覆幅（たとえば距離ｄ２）を確保した上で、距離ｄ１を距離ｄ２に対して上記範囲（１％以上１０３％以下）内にすることで、上記被覆厚を小さくしている。これにより、半導体発光装置Ａ１は、迷光を低減する上で適度な被覆幅を確保しつつ、厚さ方向ｚ上方における光度低下を抑制できる。つまり、半導体発光装置Ａ１は、指向性の向上を図ることができる。

　以下に、本開示の半導体発光装置の他の実施形態および変形例について、説明する。なお、各実施形態および各変形例における各部の構成は、技術的な矛盾が生じない範囲において相互に組み合わせ可能である。

　図８および図９は、第１実施形態の変形例にかかる半導体発光装置Ａ１１を示している。半導体発光装置Ａ１１は、半導体発光装置Ａ１と比較して、第１樹脂部６１に凹部６１９が形成されている点で異なる。

　図９に示すように、凹部６１９は、第１樹脂主面６１１から厚さ方向ｚ下方に窪む。凹部６１９は、半導体発光素子４の厚さ方向ｚ上方に配置される。図示された例では、凹部６１９は、角錐台状である。この構成と異なり、凹部６１９は、円錐台状であってもよい。

　凹部６１９は、底部６１９ａおよび壁部６１９ｂを含む。図９に示すように、底部６１９ａは、厚さ方向ｚにおいて、第１樹脂主面６１１と第１樹脂裏面６１２との間に位置する。本実施形態では、底部６１９ａは、厚さ方向ｚにおいて、ワイヤ５の頂部５４よりも厚さ方向ｚ上方に位置する。図８に示すように、底部６１９ａは、平面視において、半導体発光素子４に重なる。図示された例では、底部６１９ａは、平面視矩形状である。底部６１９ａの平面視形状は、矩形に限定されず、円形、楕円形、多角形であってもよい。壁部６１９ｂは、底部６１９ａと第１樹脂主面６１１とに繋がる。図示された例では、壁部６１９ｂは、厚さ方向ｚに対して傾斜するが、厚さ方向ｚに平行であってもよい。

　半導体発光装置Ａ１１においても、半導体発光装置Ａ１と同様に、第１樹脂部６１は、透光性樹脂材料および吸光性粉末を含むので、迷光を低減できる。このため、半導体発光装置Ａ１１を、より明瞭な点光源として発光させることが可能となる。

　半導体発光装置Ａ１１では、第１樹脂部６１には、凹部６１９が形成されている。この構成によれば、第１樹脂部６１は、半導体発光素子４の厚さ方向ｚ上方の部分が薄くなる。したがって、半導体発光素子４から厚さ方向ｚ上方に照射される光に対して、第１樹脂部６１の吸光性粉末による光度低下が抑制される。つまり、半導体発光装置Ａ１１は、迷光を抑制しつつ、厚さ方向ｚ上方における光度低下を抑制できる。

　図１０および図１１は、第２実施形態にかかる半導体発光装置Ａ２を示している。半導体発光装置Ａ２は、半導体発光装置Ａ１と比較して、第２樹脂部６２をさらに備える点で異なる。

　第２樹脂部６２は、第１樹脂部６１の第１樹脂主面６１１上に配置される。第２樹脂部６２は、第１樹脂部６１と同様に、ケース７に囲まれる。半導体発光素子４からの光の波長に対して、第２樹脂部６２の吸光度は、第１樹脂部６１の吸光度よりも低い。つまり、第１樹脂部６１の吸光度は、第２樹脂部６２の吸光度よりも高い。本実施形態では、第２樹脂部６２は、透光性樹脂を含む。この透光性樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂が用いられる。この透光性樹脂は、透明であるが、半透明であってもよい。また、この透光性樹脂は、酸化チタンまたは蛍光材料を含んでいてもよい。第２樹脂部６２は、第１樹脂部６１と異なり、吸光性粉末を含んでいないが、上記吸光度の関係を満たせば、第２樹脂部６２は、吸光性粉末を含んでいてもよい。

　第２樹脂部６２は、図１０および図１１に示すように、第２樹脂主面６２１、第２樹脂裏面６２２および複数の第２樹脂側面６２３～６２６を有する。第２樹脂主面６２１および第２樹脂裏面６２２は、厚さ方向ｚに互いに離間し、且つ、互いに反対側を向く。第２樹脂裏面６２２は、第２樹脂主面６２１に接する。複数の第２樹脂側面６２３～６２６はそれぞれ、厚さ方向ｚにおいて、第２樹脂主面６２１および第２樹脂裏面６２２に挟まれ、これらに繋がる。一対の第２樹脂側面６２３，６２４は、第１方向ｘにおいて互いに離間する。一対の第２樹脂側面６２３，６２４は、第１方向ｘにおいて互いに反対側を向く。第２樹脂側面６２３は、第１樹脂側面６１３と面一であり、ケース７の内面７４１に接する。第２樹脂側面６２４は、第１樹脂側面６１４と面一であり、ケース７の内面７４２に接する。一対の第２樹脂側面６２５，６２６は、第２方向ｙにおいて互いに離間する。一対の第２樹脂側面６２５，６２６は、第２方向ｙにおいて互いに反対側を向く。第２樹脂側面６２５は、第１樹脂側面６１５と面一であり、ケース７の内面７４３に接する。第２樹脂側面６２６は、第１樹脂側面６１６と面一であり、ケース７の内面７４４に接する。

　半導体発光装置Ａ２では、第１樹脂部６１と第２樹脂部６２との界面（第１樹脂主面６１１および第２樹脂裏面６２２）は、厚さ方向ｚにおいて、素子主面４０１と素子裏面４０２との間に位置する。このため、第１樹脂部６１は、各素子側面４０３～４０６のうちの厚さ方向ｚ下方部分（たとえば厚さ方向ｚ下方側の半分）を覆う。また、第２樹脂部６２は、各素子側面４０３～４０６のうちの厚さ方向ｚ上方部分（たとえば厚さ方向ｚ上方側の半分）、および、素子主面４０１を覆う。

　半導体発光装置Ａ２では、ワイヤ５の厚さ方向ｚ上方側の頂部５４は、第１樹脂部６１上に位置し、第２樹脂部６２に覆われている。

　半導体発光装置Ａ２においても、半導体発光装置Ａ１と同様に、第１樹脂部６１は、透光性樹脂材料および吸光性粉末を含んでいるので、迷光を低減できる。このため、半導体発光装置Ａ２を、より明瞭な点光源として発光させることが可能となる。なお、半導体発光装置Ａ２においては、半導体発光素子４から半導体発光素子４の側方（厚さ方向ｚに直交する方向）に放出される光の一部、および、導通支持部材１と第１樹脂部６１と界面における反射光が、第１樹脂部６１の吸光性粉末によって低減されるので、これらの光に起因する迷光が低減される。

　半導体発光装置Ａ２では、第１樹脂部６１上に第２樹脂部６２が配置されている。半導体発光素子４の素子主面４０１は、第１樹脂部６１から露出し、第２樹脂部６２に覆われている。この構成によれば、半導体発光素子４から厚さ方向ｚ上方に発せられた光は、光度があまり低下することなく、半導体発光装置Ａ２から照射される。つまり、半導体発光装置Ａ２は、厚さ方向ｚ上方における光度低下を抑制できる。

　図１２は、第２実施形態の第１変形例にかかる半導体発光装置Ａ２１を示している。半導体発光装置Ａ２１は、半導体発光装置Ａ２と比較して、次の点で異なる。それは、図１２に示すように、半導体発光装置Ａ２１の第１樹脂部６１の厚さが、半導体発光装置Ａ２の第１樹脂部６１の厚さよりも大きい。一方で、半導体発光装置Ａ２１の第２樹脂部６２の厚さが、半導体発光装置Ａ２の第２樹脂部６２の厚さよりも小さい。

　半導体発光装置Ａ２１では、第１樹脂部６１と第２樹脂部６２との界面（第１樹脂主面６１１および第２樹脂裏面６２２）は、厚さ方向ｚにおいて、半導体発光素子４の素子主面４０１と同じ位置にある。このため、第１樹脂部６１は、各素子側面４０３～４０６をすべて覆う。また、第２樹脂部６２は、素子主面４０１を覆う。

　半導体発光装置Ａ２１では、半導体発光装置Ａ２と同様に、ワイヤ５の厚さ方向ｚ上方側の頂部５４は、第１樹脂部６１上に位置し、第２樹脂部６２に覆われている。

　半導体発光装置Ａ２１においても、半導体発光装置Ａ２と同様に、迷光を低減することができる。このため、半導体発光装置Ａ２１を、より明瞭な点光源として発光させることが可能となる。なお、半導体発光装置Ａ２１においては、半導体発光素子４の各素子側面４０３～４０６はすべて、第１樹脂部６１に覆われているので、第１樹脂部６１の吸光性粉末によって、半導体発光素子４から半導体発光素子４の側方（厚さ方向ｚに直交する方向）に放出される光を、半導体発光装置Ａ２よりも低減できる。つまり、半導体発光装置Ａ２１は、半導体発光装置Ａ２よりも迷光を低減できる。また、半導体発光装置Ａ２１においても、半導体発光装置Ａ２と同様に、半導体発光素子４の素子主面４０１が、第１樹脂部６１から露出するので、厚さ方向ｚ上方における光度の低下を抑制できる。

　図１３は、第２実施形態の第２変形例にかかる半導体発光装置Ａ２２を示している。半導体発光装置Ａ２２は、半導体発光装置Ａ２１と比較して、次の点で異なる。それは、図１３に示すように、半導体発光装置Ａ２２の第１樹脂部６１の厚さが、半導体発光装置Ａ２１の第１樹脂部６１の厚さよりも大きい。一方で、半導体発光装置Ａ２２の第２樹脂部６２の厚さが、半導体発光装置Ａ２１の第２樹脂部６２の厚さよりも小さい。

　半導体発光装置Ａ２２では、第１樹脂部６１と第２樹脂部６２との界面（第１樹脂主面６１１および第２樹脂裏面６２２）は、ワイヤ５の頂部５４よりも厚さ方向ｚ上方に位置する。このため、第１樹脂部６１は、素子主面４０１および各素子側面４０３～４０６をすべて覆う。つまり、半導体発光素子４はすべて、第１樹脂部６１に覆われている。なお、図示された例とは異なり、第１樹脂部６１と第２樹脂部６２との界面は、厚さ方向ｚにおいて、頂部５４と同じ位置であってもよい。

　半導体発光装置Ａ２２では、ワイヤ５の厚さ方向ｚ上方側の頂部５４は、第１樹脂部６１に覆われている。つまり、ワイヤ５はすべて、第１樹脂部６１に覆われている。

　半導体発光装置Ａ２２においても、各半導体発光装置Ａ２，Ａ２１と同様に、迷光を低減することができる。このため、半導体発光装置Ａ２２を、より明瞭な点光源として発光させることが可能となる。なお、半導体発光装置Ａ２２においては、半導体発光素子４の素子主面４０１は、第１樹脂部６１に覆われているが、半導体発光装置Ａ１よりも半導体発光素子４上方の第１樹脂部６１の厚さが小さいので、半導体発光装置Ａ１よりも厚さ方向ｚ上方に照射される光の光度低下を抑制できる。また、半導体発光装置Ａ２２においては、ワイヤ５の頂部５４が、第１樹脂部６１に覆われている（ワイヤ５はすべて、第１樹脂部６１に覆われている）。この構成によれば、ワイヤ５が第１樹脂部６１によって見え難くなるので、半導体発光装置Ａ２２の見栄えをよくすることができる。

　図１４および図１５は、第２実施形態の第３変形例にかかる半導体発光装置Ａ２３を示している。半導体発光装置Ａ２３は、各半導体発光装置Ａ２，Ａ２１，Ａ２２と比較して、次の点で異なる。すなわち、図１４および図１５に示すように、第１樹脂部６１と第２樹脂部６２との位置関係が異なる。

　半導体発光装置Ａ２３では、第１樹脂部６１は、枠状に形成されている。第１樹脂部６１は、平面視において、第２樹脂部６２を囲む。第２樹脂部６２は、半導体発光素子４の厚さ方向ｚ上方に配置される。

　半導体発光装置Ａ２３では、第１樹脂部６１と第２樹脂部６２との界面（各第２樹脂側面６２３～６２６）は、平面視において、各素子側面４０３～４０６に重なる。このため、第１樹脂部６１は、各素子側面４０３～４０６をすべて覆う。また、第２樹脂部６２は、素子主面４０１を覆う。図示された例とは異なり、第１樹脂部６１と第２樹脂部６２との界面は、平面視において、各素子側面４０３～４０６よりも半導体発光素子４の内方に位置していてもよい。

　半導体発光装置Ａ２３においても、各半導体発光装置Ａ２，Ａ２１，Ａ２２と同様に、迷光を低減することができる。このため、半導体発光装置Ａ２３を、より明瞭な点光源として発光させることが可能となる。また、半導体発光装置Ａ２３は、各半導体発光装置Ａ２，Ａ２１，Ａ２２と同様に、厚さ方向ｚ上方に照射される光の光度低下を抑制できる。

　第１実施形態、第２実施形態およびこれらの変形例において、導通支持部材１の構成は、上記した例に限定されず、たとえば図１６または図１７に示す構成としてもよい。図１６および図１７はそれぞれ、半導体発光装置Ａ１において、導通支持部材１の構成を変えた例を示している。なお、半導体発光装置Ａ１ではなく、各半導体発光装置Ａ１１，Ａ２，Ａ２１～Ａ２３において、導通支持部材１の構成を同様に変えてもよい。

　図１６に示す導通支持部材１は、側部３３の代わりに貫通部３７を含み、且つ、側部３４の代わりに貫通部３８を含む。各貫通部３７，３８は、基材２を厚さ方向ｚに貫通する。貫通部３７は、主面電極部３１および裏面電極部３５にそれぞれ接している。よって、主面電極部３１と裏面電極部３５とが、貫通部３７を介して導通する。貫通部３８は、主面電極部３２および裏面電極部３６にそれぞれ接している。よって、主面電極部３２と裏面電極部３６とが、貫通部３８を介して導通する。

　図１７に示す導通支持部材１は、第１リード１１、第２リード１２および絶縁部１９を含む。第１リード１１および第２リード１２は、板状の金属部材である。第１リード１１および第２リード１２は、互いに離間する。第１リード１１には、導電性接合材４９を介して半導体発光素子４が接合される。第２リード１２には、ワイヤ５が接合される。絶縁部１９は、第１リード１１と第２リード１２とを絶縁する。絶縁部１９の材料は、何ら限定されないが、たとえばエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂を含む。

　図１６および図１７に示す構成であっても、半導体発光装置Ａ１と同様に、迷光を低減できる。

　第１実施形態、第２実施形態およびこれらの変形例において、ケース７を備える例を示したが、たとえば図１８に示すように、ケース７を備えていなくてもよい。図１８は、半導体発光装置Ａ１においてケース７を設けない例を示している。なお、半導体発光装置Ａ１ではなく、各半導体発光装置Ａ１１，Ａ２，Ａ２１～Ａ２３において、ケース７を設けなくてもよい。図１８に示す構成では、第１樹脂部６１の各第１樹脂側面６１３，６１４が、厚さ方向ｚに平行する例を示しているが、当該第１樹脂側面６１３，６１４が厚さ方向ｚに対して傾斜していてもよい。この場合、たとえば、各第１樹脂側面６１３，６１４は、厚さ方向ｚ上方に向かうにつれて、厚さ方向ｚに直交する平面での面積が小さくなるように傾斜していてもよい。同様に、第１樹脂部６１の各第１樹脂側面６１５，６１６は、厚さ方向ｚに平行していてもよいし、厚さ方向ｚに対して傾斜していてもよい。

　第１実施形態、第２実施形態およびこれらの変形例において、半導体発光素子４は、縦型構造である例を示したが、半導体発光素子４は、横型構造であってもよい。この場合、半導体発光素子４の２つの電極がそれぞれ素子主面４０１に配置されているので、２つの電極の一方と主面電極部３１とが第１ワイヤで電気的に接続され、２つの電極の他方と主面電極部３２とが第２ワイヤで電気的に接続される。

　本開示にかかる半導体発光装置は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の半導体発光装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、本開示は、以下の付記に記載された実施形態を含む。
　付記１．
　半導体発光素子と、
　前記半導体発光素子を支持する導通支持部材と、
　前記半導体発光素子を覆う第１樹脂部と、
を備え、
　前記第１樹脂部は、透光性樹脂材料および吸光性粉末を含む、半導体発光装置。
　付記２．
　前記導通支持部材は、基材および配線部を有し、
　前記基材は、厚さ方向の一方を向く基材主面を有し、
　前記半導体発光素子は、前記基材主面に搭載され、
　前記配線部は、前記半導体発光素子に導通する、付記１に記載の半導体発光装置。
　付記３．
　前記基材は、前記厚さ方向において前記基材主面と反対側を向く基材裏面を有し、
　前記配線部は、前記基材裏面に形成された裏面電極部を含む、付記２に記載の半導体発光装置。
　付記４．
　前記半導体発光素子は、前記厚さ方向において前記基材主面と同じ方向を向く素子主面と、前記厚さ方向に直交する第１方向の一方を向く素子側面とを有し、
　前記第１樹脂部は、前記厚さ方向において前記素子主面と同じ方向を向く第１樹脂主面と、前記第１方向において前記素子側面と同じ方向を向く第１樹脂側面と、を有する、付記２または付記３に記載の半導体発光装置。
　付記５．
　前記素子主面と前記第１樹脂主面との前記厚さ方向に沿う距離は、前記素子側面と前記第１樹脂側面との前記第１方向に沿う距離に対して１％以上１０３％以下である、付記４に記載の半導体発光装置。
　付記６．
　前記半導体発光素子と前記配線部とを電気的に接続するワイヤをさらに備え、
　前記半導体発光素子は、前記素子主面に主面電極を有し、
　前記ワイヤは、前記主面電極に接合される、付記４または付記５に記載の半導体発光装置。
　付記７．
　前記第１樹脂主面上に配置された第２樹脂部をさらに備える、付記６に記載の半導体発光装置。
　付記８．
　前記ワイヤの前記厚さ方向の一方側の頂部は、前記第１樹脂部上に位置し、且つ、前記第２樹脂部に覆われている、付記７に記載の半導体発光装置。
　付記９．
　前記第１樹脂部は、前記素子側面を覆い、
　前記第２樹脂部は、前記素子主面を覆う、付記８に記載の半導体発光装置。
　付記１０．
　前記第１樹脂部の吸光度は、前記第２樹脂部の吸光度よりも高い、付記７ないし付記９のいずれかに記載の半導体発光装置。
　付記１１．
　前記第２樹脂部は、透光性樹脂を含む、付記７ないし付記１０のいずれかに記載の半導体発光装置。
　付記１２．
　前記基材主面に配置されたケースをさらに備え、
　前記ケースは、前記厚さ方向に見て前記半導体発光素子および前記第１樹脂部を囲む、付記４ないし付記１１のいずれかに記載の半導体発光装置。
　付記１３．
　前記ケースは、黒色樹脂を含む、付記１２に記載の半導体発光装置。
　付記１４．
　赤色光または赤外線の波長に対して、前記吸光性粉末の透過率は、カーボンブラックの透過率よりも低い、付記１ないし付記１３のいずれかに記載の半導体発光装置。
　付記１５．
　前記吸光性粉末は、チタンブラックである、付記１ないし付記１４のいずれかに記載の半導体発光装置。
　付記１６．
　前記第１樹脂部における前記吸光性粉末の含有割合は、０．１％以上１０％以下である、付記１ないし付記１５のいずれかに記載の半導体発光装置。

Ａ１，Ａ１１，Ａ２，Ａ２１，Ａ２２，Ａ２３：半導体発光装置
１：導通支持部材　　　　１１：第１リード
１２：第２リード　　　　１９：絶縁部
２：基材　　　　２０１：基材主面
２０２：基材裏面　　　　２０３～２０６：基材側面
２０３ａ，２０４ａ：スルーホール部　　　　３：配線部
３１：主面電極部　　　　３１１：ダイボンディング部
３１２：第１端縁部　　　　３１３：第１連結部
３２：主面電極部　　　　３２１：ワイヤボンディング部
３２２：第２端縁部　　　　３２３：第２連結部
３３，３４：側部　　　　３５，３６：裏面電極部
３７，３８：貫通部　　　　４：半導体発光素子
４０１：素子主面　　　　４０２：素子裏面
４０３～４０６：素子側面　　　　４１：主面電極
４２：裏面電極　　　　４９：導電性接合材
５：ワイヤ　　　　５１：接合部
５２：接合部　　　　５３：接続部
５４：頂部　　　　６１：第１樹脂部
６１１：第１樹脂主面　　　　６１２：第１樹脂裏面
６１３～６１６：第１樹脂側面　　　　６１９：凹部
６１９ａ：底部　　　　６１９ｂ：壁部
６２：第２樹脂部　　　　６２１：第２樹脂主面
６２２：第２樹脂裏面　　　　６２３～６２６：第２樹脂側面
７：ケース　　　　７１：上面
７３１～７３４：外面　　　　７４１～７４４：内面

Claims

　半導体発光素子と、
　前記半導体発光素子を支持する導通支持部材と、
　前記半導体発光素子を覆う第１樹脂部と、
を備え、
　前記第１樹脂部は、透光性樹脂材料および吸光性粉末を含む、半導体発光装置。
　前記導通支持部材は、基材および配線部を有し、
　前記基材は、厚さ方向の一方を向く基材主面を有し、
　前記半導体発光素子は、前記基材主面に搭載され、
　前記配線部は、前記半導体発光素子に導通する、請求項１に記載の半導体発光装置。
　前記基材は、前記厚さ方向において前記基材主面と反対側を向く基材裏面を有し、
　前記配線部は、前記基材裏面に形成された裏面電極部を含む、請求項２に記載の半導体発光装置。
　前記半導体発光素子は、前記厚さ方向において前記基材主面と同じ方向を向く素子主面と、前記厚さ方向に直交する第１方向の一方を向く素子側面とを有し、
　前記第１樹脂部は、前記厚さ方向において前記素子主面と同じ方向を向く第１樹脂主面と、前記第１方向において前記素子側面と同じ方向を向く第１樹脂側面と、を有する、請求項２または請求項３に記載の半導体発光装置。
　前記素子主面と前記第１樹脂主面との前記厚さ方向に沿う距離は、前記素子側面と前記第１樹脂側面との前記第１方向に沿う距離に対して１％以上１０３％以下である、請求項４に記載の半導体発光装置。
　前記半導体発光素子と前記配線部とを電気的に接続するワイヤをさらに備え、
　前記半導体発光素子は、前記素子主面に主面電極を有し、
　前記ワイヤは、前記主面電極に接合される、請求項４または請求項５に記載の半導体発光装置。
　前記第１樹脂主面上に配置された第２樹脂部をさらに備える、請求項６に記載の半導体発光装置。
　前記ワイヤの前記厚さ方向の一方側の頂部は、前記第１樹脂部上に位置し、且つ、前記第２樹脂部に覆われている、請求項７に記載の半導体発光装置。
　前記第１樹脂部は、前記素子側面を覆い、
　前記第２樹脂部は、前記素子主面を覆う、請求項８に記載の半導体発光装置。
　前記第１樹脂部の吸光度は、前記第２樹脂部の吸光度よりも高い、請求項７ないし請求項９のいずれかに記載の半導体発光装置。
　前記第２樹脂部は、透光性樹脂を含む、請求項７ないし請求項１０のいずれかに記載の半導体発光装置。
　前記基材主面に配置されたケースをさらに備え、
　前記ケースは、前記厚さ方向に見て前記半導体発光素子および前記第１樹脂部を囲む、請求項４ないし請求項１１のいずれかに記載の半導体発光装置。
　前記ケースは、黒色樹脂を含む、請求項１２に記載の半導体発光装置。
　赤色光または赤外線の波長に対して、前記吸光性粉末の透過率は、カーボンブラックの透過率よりも低い、請求項１ないし請求項１３のいずれかに記載の半導体発光装置。
　前記吸光性粉末は、チタンブラックである、請求項１ないし請求項１４のいずれかに記載の半導体発光装置。
　前記第１樹脂部における前記吸光性粉末の含有割合は、０．１％以上１０％以下である、請求項１ないし請求項１５のいずれかに記載の半導体発光装置。