JP2009289441A - Ledランプおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性を効率よく高めてLEDの劣化を防止することができるLEDランプおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】基板1と、この基板1上に設けられた金属配線3と、この金属配線3上に実装されるLEDチップ43と、を備えるLEDランプA1であって、金属配線3と異なる金属を主成分とし、金属配線3と部分的に重なるように形成された金属放熱膜2をさらに備え、金属放熱膜2の表面部分は、インプランテーションを施すことにより凹凸状とされている。
【選択図】 図2
【解決手段】基板1と、この基板1上に設けられた金属配線3と、この金属配線3上に実装されるLEDチップ43と、を備えるLEDランプA1であって、金属配線3と異なる金属を主成分とし、金属配線3と部分的に重なるように形成された金属放熱膜2をさらに備え、金属放熱膜2の表面部分は、インプランテーションを施すことにより凹凸状とされている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、LEDを光源とし、蛍光ランプの代替として利用するのに適したLEDランプ、およびその製造方法に関する。
図5は、従来のLEDランプの一例を断面図で示している(たとえば特許文献1参照)。同図に示されたLEDランプXは、長矩形状の基板91と、基板91上に搭載された複数のLED92と、基板91を収容する管93と、端子94と、LED92を点灯させるための回路95を備えている。基板91上には複数のLED92および端子94に接続される図示しない配線パターンが形成されている。このLEDランプXは、端子94を一般用蛍光灯照明器具のソケットの差込口に嵌合させることにより、複数のLED92を発光させることができるように構成されている。LED92は、低消費電力であるとともに長寿命であることから、LEDランプXを蛍光ランプの代替として利用すれば、コスト面および環境面において改善が期待できる。なお、一般用蛍光灯照明器具とは、主に屋内の一般照明に広く用いられる照明器具であり、たとえば日本国内においては、商用100V電源を用い、JIS C7617に定められた直管形蛍光ランプまたはJIS C7618に定められた環形蛍光ランプが取り付けられる照明器具をいう。
しかしながら、上記従来のLEDランプXにおいては、複数のLED92が長時間点灯状態にあると、LED92で発せられた熱によって当該LED92の劣化を招くおそれがあり、好ましくない。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、放熱性を効率よく高めてLEDの劣化を防止することができるLEDランプおよびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の側面によって提供されるLEDランプは、基板と、この基板上に設けられた金属配線と、この金属配線上に実装されるLEDと、を備えるLEDランプであって、上記金属配線と異なる金属を主成分とし、上記金属配線と部分的に重なるように形成された金属放熱膜をさらに備え、上記金属放熱膜の表面部分は、凹凸状とされていることを特徴としている。
このような構成によれば、LEDの点灯時に発生する熱については、LEDが実装される金属配線を介して金属放熱膜に伝わり、外部に逃がすことができる。ここで、金属放熱膜の表面部分は凹凸状とされていることから、金属放熱膜の形成領域面積に比して表面積を大きく確保することが可能であり、放熱効果を効率よく高めることができる。したがって、本発明のLEDランプにおいては、長時間連続点灯してもLEDの劣化を抑制することが可能となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属放熱膜は、上記金属配線よりも軟質な金属を主成分とする。このような構成によれば、金属放熱膜の表面を比較的容易に凹凸状とすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属配線は、Cuを主成分とする。好ましくは、上記金属放熱膜の上記表面部分は、アルミニウム膜に不純物をインプランテーションにより添加することにより、凹凸状に形成されている。好ましくは、上記不純物は、Ar、P、Bからなる群より選択される。このような構成によれば、金属放熱膜が薄膜であっても、その表面に凹凸を適切に形成することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属放熱膜は、上記基板と上記金属配線との間に介在しており、上記金属配線との接触部は凹凸状とされている。
本発明の第2の側面によって提供されるLEDランプの製造方法は、基板と、この基板上に設けられた金属配線と、この金属配線に実装されるLEDと、上記金属配線に部分的に重なり、その表面部分が凹凸状とされた金属放熱膜と、を備えるLEDランプの製造方法であって、上記金属放熱膜の形成は、上記金属配線を構成する金属とは異なる金属によって形成された金属膜にインプランテーションを施すことによって行うことを特徴としている。このような製造方法によれば、本発明の第1の側面によって提供されるLEDランプを効率よく、かつ適切に製造することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2は、本発明に係るLEDランプの一例を示している。本実施形態のLEDランプA1は、基板1、金属放熱膜2、金属配線3、複数のLEDモジュール4、キャップ5、および端子6を備えている。このLEDランプA1は、図示しない円筒形のケースに収容され、たとえば蛍光ランプの代替として一般用蛍光灯照明器具に取り付けられて用いられる。なお、図1においては、金属放熱膜2および金属配線3の記載を省略している。
基板1は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなり、平板状のプリント配線基板である。図2に示すように、基板1上には、金属放熱膜2および金属配線3が部分的に重なるように形成されている。なお、基板1には、LEDモジュール4を点灯させるための回路(図示せず)が設けられている。
金属放熱膜2は、たとえばAlなどの金属配線3よりも軟質な金属を主成分とする金属薄膜であり、図2の左右一対において紙面に垂直な方向に延びている。金属放熱膜2の厚さは、たとえば500〜5,000Åである。金属放熱膜2の表面部分は、凹凸状とされており、その表面粗さは、たとえば10〜100Å程度である。金属放熱膜2の形成は、たとえば以下の手順によって行う。まず、基板1上に、Alをスパッタリング法によって成膜する。次いで、Al膜にインプランテーション法によって、たとえばAr、P、Bなどのイオンソースを30〜200KeV程度の加速電圧で打ち込む。これにより、Al膜の表面が凹凸状にされる。Al膜の表面粗さは、イオンビームの加速電圧を変化させることにより調整可能である。次いで、マスクを利用したエッチングによって不要部分を除去する。このようにして、表面部分が凹凸状とされた金属放熱膜2を形成することができる。
金属配線3は、各LEDモジュール4に電流を流すためのものであり、図2の左右一対において紙面に垂直な方向に延びている。金属配線3は、金属放熱膜2に部分的に重なるように形成されている。金属配線3は、たとえばCuを主成分とする金属をスパッタリング法によって成膜し、マスクを利用したエッチングによって不要部分を除去して形成されたものである。一対の金属配線3は、後述するLEDモジュール4の一対の電極42A,42Bと接続される部分である。
LEDモジュール4は、基板41、1対の電極42A,42B、LEDチップ43、ボンディングワイヤ44、および樹脂パッケージ45を備え、表面実装用のパッケージ型に構成されたものである。基板41は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる絶縁基板である。1対の電極42A,42Bは、基板41の両端縁に離間配置されており、それぞれが基板41の表面から側面を経て裏面にわたる領域を覆っている。電極42A,42Bは、たとえば複数のメッキ層が所望領域に順次積層されて形成されたものであり、電極42A,42Bのうち基板41の裏面を覆う部分は、LEDモジュール4を面実装するための実装端子として用いられる。
LEDチップ43は、LEDランプA1の光源であり、たとえば青色光などの可視光を発光可能に構成されている。LEDチップ43は、たとえばpn型の半導体素子であり、底面に形成されたn側電極が図示しない銀ペーストを介して電極42Aに導通している。また、LEDチップ43の上面に形成されたp側電極は、ボンディングワイヤ44を介して電極42Bに導通している。樹脂パッケージ45は、LEDチップ43およびボンディングワイヤ44を保護するためのものである。樹脂パッケージ45は、LEDチップ43からの光に対して透光性を有するたとえばエポキシ樹脂を用いてモールド成形されている。なお、LEDチップ43が青色光を発する場合、樹脂パッケージ45に青色光によって励起される黄色光を発する蛍光材料を混入すれば、LEDモジュール4から白色光を出射させることができる。
このような構成のLEDモジュール4は、たとえば図2における紙面の垂直方向に延びるバー状のLEDモジュール集合体を分割することにより、得ることができる。LEDモジュール4は、一対の金属配線3に対して、電極42A,42Bを位置合わせしてハンダ付けすることによって接合固定されている。本実施形態においては、複数のLEDモジュール4が紙面の垂直方向にライン状に配列されている。
キャップ5は、基板1の長手方向の両端に接続されており、端子6を保持している。各キャップ5に保持される端子6は、それぞれ一対の金属配線3のいずれかと導通している。各端子6を蛍光灯照明器具のソケットの差込口に嵌合させることにより、複数のLEDモジュール4に電力を供給し、LEDチップ43を発光させることができる。
次に、LEDランプA1の作用について説明する。
本実施形態のLEDランプA1によれば、金属配線3に部分的に重なるように金属放熱膜2が設けられているため、LEDチップ43の点灯時に発生する熱は、金属配線3を介して金属放熱膜2に伝わり、外部に逃げることになる。ここで、金属放熱膜2の表面部分は凹凸状とされていることから、金属放熱膜2の形成領域面積に比して表面積を大きく確保することが可能であり、放熱効果を効率よく高めることができる。その結果、LEDランプA1においては、長時間連続点灯してもLEDモジュール4の劣化を抑制することが可能となり、蛍光ランプの代替照明として利用するのに適している。
本実施形態においては、金属放熱膜2は、金属配線3を構成するCuよりも軟質なAlを主成分としているため、金属放熱膜2の表面を比較的容易に凹凸状とすることができる。また、本実施形態では、金属放熱膜2の表面の凹凸は、インプランテーションを施すことによって形成されたものであるため、金属放熱膜2が薄膜であっても、その表面に凹凸を適切に形成することができる。
金属放熱膜2は、基板1と金属配線3との間に介在しており、金属配線3との接触部も凹凸状とされている。このため、金属放熱膜2と金属配線3とは、比較的に広い面積で接触しており、当該接触部にオーミックコンタクトを適切に形成することができる。これにより、配線抵抗の低抵抗化が期待できる。
図3および図4は、本発明に係るLEDランプの他の例を示している。なお、図3および図4において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
図3に示されたLEDランプA2は、金属放熱膜2が部分的に金属配線3上に重なるように形成されている点において、金属放熱膜2が基板1と金属配線3との間に介在する構成とされていた上記実施形態と異なる。
LEDランプ2の製造においては、基板1上に金属配線3および金属放熱膜2を順次形成する。金属配線3の形成は、上記実施形態と同様に、たとえばCuを主成分とする金属をスパッタリング法によって成膜し、マスクを利用したエッチングによって不要部分を除去することにより行う。金属放熱膜2の形成は、たとえば、Alをスパッタリング法によって成膜し、Al膜表面にインプランテーションを施した後に、マスクを利用したエッチングによって不要部分を除去することにより行う。そして、金属配線3上にLEDモジュール4を実装する。
本実施形態のLEDランプA2によれば、金属配線3に部分的に重なるように金属放熱膜2が設けられているため、LEDチップ43の点灯時に発生する熱は、金属配線3を介して金属放熱膜2に伝わり、外部に逃げることになる。ここで、金属放熱膜2の表面部分は凹凸状とされていることから、金属放熱膜2の形成領域面積に比して表面積を大きく確保することが可能であり、放熱効果を効率よく高めることができる。その結果、LEDランプA2においては、長時間連続点灯してもLEDモジュール4の劣化を抑制することが可能となり、蛍光ランプの代替照明として利用するのに適している。
図4に示されたLEDランプA3は、基板1の裏面側において放熱部材7が追加的に設けられている点、およびこれにともなって種々の設計変更が施されている点において、上記実施形態のLEDランプA1と異なる。
LEDランプA3においては、基板1の適所に、金属配線3とともに厚さ方向に貫通するスルーホール11が形成されており、各スルーホール11の内面は、金属膜12で覆われている。基板1の裏面には、金属膜13が形成されている。金属膜12は、金属配線3と金属膜13とを導通させるように形成されている。金属膜12,13は、たとえばCuによって形成されている。
放熱部材7は、たとえばAlからなり、基板1の長手方向に沿って延びる細長ブロック状とされている。放熱部材7の表面には複数の凹部71が形成されており、凹凸を有する形状となっている。凹部71は、基板1の長手方向に沿って放熱部材7の全長にわたって形成されている。これらの凹部71は、放熱部材7を形成する際に用いる金型に凸部を設けることによって形成することができる。放熱部材7は、基板1の裏面にたとえばネジなどを用いて取り付けられている。放熱部材7の上面72は、金属膜13に接している。
さらに、放熱部材7には、基板1の長手方向に沿って貫通する複数の通気孔73が形成されている。複数の通気孔73は、基板1から遠ざかるにつれて数が増えるように配置されている。このため、放熱部材7の通気孔73による開孔率は、基板1に近いほど小さく、基板1から遠いほど大きくなっている。
本実施形態のLEDランプA3によれば、LEDチップ43の点灯時に発生する熱は、金属配線3、金属膜12,13を介して放熱部材7にも伝わり、外部に逃げることになる。放熱部材7は、凹部71および複数の通気孔73によって外気との接触面積が広くなっているため、放熱効率をより一層高めることができる。
本発明に係るLEDランプは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDランプの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
金属放熱膜を構成する材料としては、上記実施形態で挙げたAlに限定されるものではなく、たとえばMoあるいはITO(酸化インジウム錫)などの他の材料を用いてもよい。LEDとしては、上記実施形態で説明したパッケージ型のものに限定されるものではなく、たとえばベアチップを金属配線上に搭載する構成としてしてもよい。この場合、たとえば一方の金属配線3にべアッチップをボンディングし、このベアチップの上面電極と他方の金属配線3とをボンディングワイヤによって接続するとともに、複数ずつのべアチップおよびボンディングワイヤを一括して透光性樹脂によってモールド成形すればよい。
A1,A2,A3 LEDランプ
1 基板
2 金属放熱膜
3 金属配線
4 LEDモジュール
5 キャップ
6 端子
7 放熱部材
11 スルーホール
12 金属膜
13 金属膜
41 基板
42A,42B 電極
43 LEDチップ(LED)
44 ボンディングワイヤ
45 樹脂パッケージ
71 凹部
72 上面
73 通気孔
1 基板
2 金属放熱膜
3 金属配線
4 LEDモジュール
5 キャップ
6 端子
7 放熱部材
11 スルーホール
12 金属膜
13 金属膜
41 基板
42A,42B 電極
43 LEDチップ(LED)
44 ボンディングワイヤ
45 樹脂パッケージ
71 凹部
72 上面
73 通気孔
Claims (3)
- 基板と、
この基板上に設けられた金属配線と、
この金属配線上に実装されるLEDと、を備えるLEDランプであって、
上記金属配線と異なる金属を主成分とし、上記金属配線と部分的に重なるように形成された金属放熱膜をさらに備え、
上記金属放熱膜の表面部分は、凹凸状とされていることを特徴とする、LEDランプ。 - 上記金属放熱膜は、上記金属配線よりも軟質な金属を主成分とする、請求項1に記載のLEDランプ。
- 基板と、この基板上に設けられた金属配線と、この金属配線に実装されるLEDと、上記金属配線に部分的に重なり、その表面部分が凹凸状とされた金属放熱膜と、を備えるLEDランプの製造方法であって、
上記金属放熱膜の形成は、上記金属配線を構成する金属とは異なる金属によって形成された金属膜にインプランテーションを施すことによって行うことを特徴とする、LEDランプの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008137876A JP2009289441A (ja) | 2008-05-27 | 2008-05-27 | Ledランプおよびその製造方法 |
US12/471,634 US7973332B2 (en) | 2008-05-26 | 2009-05-26 | Lamp and method of making the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
US8723215B2 (en) | 2011-02-16 | 2014-05-13 | Rohm Co., Ltd. | LED module |
KR101563993B1 (ko) * | 2014-10-08 | 2015-10-28 | 주식회사 미오 | Led광원의 조도 조절이 용이한 led모니터 |
WO2023176291A1 (ja) * | 2022-03-17 | 2023-09-21 | ローム株式会社 | 半導体発光装置 |
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2008
- 2008-05-27 JP JP2008137876A patent/JP2009289441A/ja active Pending
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