WO2023162667A1

WO2023162667A1 - 作業機

Info

Publication number: WO2023162667A1
Application number: PCT/JP2023/003913
Authority: WO
Inventors: 健宮澤; 駿介奥村
Original assignee: 工機ホールディングス株式会社
Priority date: 2022-02-28
Filing date: 2023-02-07
Publication date: 2023-08-31

Abstract

吊下時に非動作状態にする。グラインダ１０では、ハウジング２０内に設けられたスライドバー６４がオフ位置からオン位置へ移動することで、スイッチ６２がオフ状態からオン状態へ切替えられる。ここで、ハウジング２０には、モータ停止レバー６８が移動可能に設けられており、モータ停止レバー６８は、吊下具７２と連結可能に構成されている。そして、吊下具７２から後側への引張力が入力されることで、モータ停止レバー６８が初期位置から引出位置へ移動する。このとき、オン位置のスライドバー６４の被支持部６４Ｃが、左側へ移動して、スイッチ６２がオン状態からオフ状態に切替わる。具体的には、モータ停止レバー６８の引出位置では、モータ停止レバー６８によるオン位置のスライドバー６４に対する姿勢維持状態が解除され、スライドバー６４の姿勢が変更されて、スイッチ６２がオン状態からオフ状態に切替わる。

Description

作業機

本発明は、作業機に関するものである。

下記特許文献１に記載のディスクグラインダ（作業機）では、ハンドルハウジングのトリガレバーを操作することで、モータが駆動して、ディスクグラインダの先端部に取付けられた砥石が回転する。これにより、ディスクグラインダによって加工材に対する研磨加工等を施すことができる。また、ディスクグラインダでは、作業性を向上するために、トリガレバー等の操作部を操作位置に保持して、モータの駆動状態を維持するものもある。

特開２０２０－１２１４０６号公報

ところで、ディスクグラインダのような作業機では、作業者が作業機を手に持った状態で作業を行う。このため、作業者の不注意等により、作業機が作業者の手から離れて地面へ落下する可能性がある。このため、例えば、吊下具等をディスクグラインダに連結しておくことで、ディスクグラインダの地面への落下を防止することができる。つまり、仮にディスクグラインダが作業者の手から離れた場合でも、吊下具によってディスクグラインダが吊下状態になり、ディスクグラインダの地面への落下を防止することができる。これにより、例えば、ディスクグラインダの破損等を抑制できる。

ここで、例えば、トリガレバーが操作位置に保持されたままで、ディスクグラインダが吊下状態にされたときには、モータの駆動が継続される。しかしながら、このときには、ディスクグラインダが作業者の手から離れた状態であるため、ディスクグラインダによる加工を行わない状態である。このため、この状態では、モータの駆動を停止させて、ディスクグラインダを非動作状態（作業者が作業する前の初期状態）に戻すことが好ましい。

本発明は、上記事実を考慮して、吊下時に非動作状態にすることができる作業機を提供することを目的とする。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記ハウジングに収容され、前記モータを駆動するオン状態又は前記モータを停止させるオフ状態に切替可能に構成されたスイッチと、前記ハウジングに支持された吊下具と、を有し、前記吊下具が引っ張られるとオン状態の前記スイッチをオフ状態とするように構成された作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記ハウジングに初期位置と引出位置との間で移動可能に設けられる伝達機構を有し、前記伝達機構は、前記初期位置に位置するとき前記吊下具を介して引っ張られることで前記初期位置から前記引出位置に移動して状態の前記スイッチをオフ状態とするように構成される作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、駆動と停止を切り替え可能に構成されたモータと、前記モータを収容するハウジングと、前記ハウジングに初期位置と引出位置との間で移動可能に設けられ、吊下具と接続された伝達機構と、を備え、前記伝達機構は、前記初期位置に位置するとき前記モータの駆動と停止の切換えを許容し、前記引出位置に位置するとき前記モータの駆動を規制し、前記吊下具を介して引っ張られることで前記初期位置から前記引出位置に変位可能であって、かつ前記引出位置に変位したあとで前記初期位置に戻ることが可能に構成されている作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記ハウジングに収容され、前記モータを駆動するオン状態又は前記モータを停止させるオフ状態に切替可能に構成されたスイッチと、作業者からの操作に基づいてオフ位置からオン位置へ移動することで、前記スイッチをオフ状態からオン状態へ切替える切替部と、前記切替部をオン位置でロックするオンロック機構と、前記ハウジングに支持された吊下具と、を有し、前記吊下具が引っ張られると前記オンロック機構の前記切替部に対するロック状態を解除するように構成された作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記ハウジングの内部に移動可能に設けられた切替部であって、作業者からの操作に基づいてオフ位置からオン位置へ移動することで、前記スイッチをオフ状態からオン状態へ切替える切替部を有する作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記切替部は、作業者からの操作に基づいてオフ位置からオン位置へ移動することで、前記スイッチと前記切替部の相対位置が変化して前記スイッチをオフ状態からオン状態へ切替えるよう構成され、前記吊下具が引っ張られることで、前記切替部と前記スイッチの相対位置が変化して前記スイッチが前記オン状態から前記オフ状態に切替わるよう構成された作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記初期位置では、前記伝達機構によって前記オン位置における前記切替部の姿勢を維持し、前記引出位置では、前記伝達機構による前記オン位置の前記切替部に対する姿勢維持状態が解除され且つ前記切替部の姿勢が変更されて、前記スイッチがオン状態からオフ状態に切替わる作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記ハウジングには、前記切替部に一体移動可能に連結された操作部が操作可能に設けられており、前記オン位置において、前記操作部が前記ハウジングと係合して、前記操作部及び前記切替部が、前記オン位置に保持されると共に、前記伝達機構が、前記初期位置から前記引出位置へ移動することで、前記操作部と前記ハウジングとの係合状態が解除される作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記切替部は、第１方向に延在されており、前記切替部の第１方向一方側端部に、前記操作部が連結され、前記切替部の第１方向他方側端部には、第１方向に対して直交する第２方向の一方側へ延出されたスイッチ押圧部が設けられており、前記切替部のオン位置では、前記スイッチ押圧部が、前記スイッチを第１方向一方側へ押圧しており、前記伝達機構が、前記切替部の第１方向他方側端部を第２方向の他方側から支持することで、前記切替部の姿勢を維持している作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチは、スイッチ支持部材に支持されており、前記スイッチ支持部材は、前記ハウジングに前記第１方向に移動可能に設けられると共に、前記伝達機構に連動可能に連結されており、前記スイッチ支持部材が、前記伝達機構の前記初期位置から前記引出位置への移動に連動して、第１方向一方側へ移動する作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチ押圧部は、連結部材によって前記伝達機構に連結されており、前記伝達機構が前記初期位置から前記引出位置への移動することで、前記連結部材によって、前記スイッチ押圧部が、第１方向他方側へ引っ張られて、第１方向他方側へ変位する作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記伝達機構は、第１方向に延在されると共に、第１方向に移動可能に前記ハウジングに連結されており、前記伝達機構の第１方向一方側部分が、前記ハウジングの内部において前記ハウジングと前記切替部との間に配置されて前記切替部を支持しており、前記伝達機構の第１方向他方側端部には、前記ハウジングの外部において前記吊下具と連結可能に構成された吊下連結部が形成されている作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記伝達機構の第１方向一方側端部には、ストッパ部が設けられており、前記伝達機構の引出位置において、前記ストッパ部が、前記ハウジングに当接することで、前記伝達機構の引出位置側への移動が規制される作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態は、前記伝達機構の第１方向一方側端部には、第２方向一方側の側面において、傾斜面が形成されており、前記傾斜面は、第１方向一方側へ向かうに従い、第２方向他方側に傾斜している作業機である。

本発明の１又はそれ以上の実施形態によれば、吊下時に非動作状態にすることができる。

本実施形態に係るディスクグラインダを示す左側から見た側面図である。図１に示されるディスクグラインダの内部を示す左側から見た側断面図である。図１に示されるスイッチ機構のハウジングへの取付状態を示す上側から見た断面図（図１の３―３線断面図）である。図３に示されるモータ停止レバーのテールカバーへの取付状態を示す左側から見た断面図（図１の４―４線断面図）である。図３に示されるスイッチ機構を示す左斜め後方から見た斜視図である。図３に示されるスイッチレバー及びスライドバーがオン位置に移動した状態を示す断面図ある。図６に示されるモータ停止レバーが初期位置から引出位置へ引出されて、スイッチがオン状態からオン状態に切替わった状態を示す拡大断面図である。本実施形態に係るディスクグラインダのスイッチ機構の変形例１を示す下側から見た斜視図である。（Ａ）は、スイッチ機構の変形例１におけるモータ停止レバーが初期位置に配置された状態を示す下側から見た下面図であり、（Ｂ）は、（Ａ）のモータ停止レバーが引出位置に移動した状態を示す下面図である。（Ａ）は、スイッチ機構の変形例２におけるモータ停止レバーが初期位置に配置された状態を示す下側から見た下面図であり、（Ｂ）は、（Ａ）のモータ停止レバーが引出位置に移動した状態を示す下面図である。

以下、図面を用いて、本実施形態に係る作業機としてのディスクグラインダ１０（以下、単にグラインダ１０という）について説明する。なお、図面において適宜示される矢印ＵＰ、矢印ＦＲ、及び矢印ＬＨは、それぞれグラインダ１０の上側、前側、及び左側を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、グラインダ１０の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。そして、前後方向が本発明の第１方向に対応し、左右方向が本発明の第２方向に対応する。

グラインダ１０は、加工材に対して研磨加工等を施す工具として構成されている。図１及び図２に示されるように、グラインダ１０は、ハウジング２０と、モータ４４と、スイッチ機構６０と、を含んで構成されている。以下、グラインダ１０の各構成について説明する。

（ハウジング２０について）　ハウジング２０は、グラインダ１０の外郭を構成している。ハウジング２０は、全体として前後方向に延在された中空柱状に形成されている。ハウジング２０は、グラインダ１０の後端側外周部を構成するテールカバー２２と、前後方向に延在されたモータハウジング２４と、モータハウジング２４の前側に配置されたギヤハウジング３０と、を含んで構成されている。

テールカバー２２は、前側へ開放された有底円筒状に形成されている。テールカバー２２の後端部には、電源コード１２が設けられており、電源コード１２がテールカバー２２から後側へ延出している。電源コード１２は、外部からの商用電力を、後述するモータ４４に供給する。図１、図３、及び図４に示されるように、テールカバー２２には、後述するモータ停止レバー６８をガイドするためのレバーガイド部２２Ａが形成されている。レバーガイド部２２Ａは、テールカバー２２の後端側部分の左側面、且つ、上下方向中間部に設けられ、後述するモータ停止レバー６８の一部を収容または一部と当接してモータ停止レバー６８をガイドするように構成されている。レバーガイド部２２Ａは、左側及び後側へ開放され且つ前後方向に沿った溝状に形成されている。また、レバーガイド部２２Ａの前方には、テールカバー２２の内部とレバーガイド部２２Ａの内部とを連通するための連通孔２２Ｂが前後方向に貫通形成されている。連通孔２２Ｂは、テールカバー２２の内部と外部を連通するものであり、レバーガイド部２２Ａと前後方向に接続されている。連通孔２２Ｂは、上下方向を長手方向とする略矩形状に形成されており、連通孔２２Ｂの上下寸法とレバーガイド部２２Ａの幅寸法（上下寸法）とが一致している。また、テールカバー２２の内周部には、連通孔２２Ｂの前側開口部の上下方向両側において、ストッパ面２２Ｃが形成されており、ストッパ面２２Ｃは、前後方向に直交する面に沿って配置されている。後述するモータ停止レバー６８は、右側面と上下の側面とがレバーガイド部２２Ａに当接可能に構成されており、これによってモータ停止レバー６８の前後方向の動きがレバーガイド部２２Ａでガイドされている。また、後述するモータ停止レバー６８は、上下左右を連通孔２２Ｂ（の内壁）に囲われており、モータ停止レバー６８の上下左右側面は連通孔２２Ｂと当接可能に構成されており、これによってモータ停止レバー６８の前後方向の動きが連通孔２２Ｂでガイドされている。モータ停止レバー６８は、前後で異なる２箇所（レバーガイド部２２Ａ、連通孔２２Ｂ）によってガイドされることで前後方向の動きが正確になるよう構成されているが、１箇所（連通孔２２Ｂ）のみでガイドするようにしてもよい。

図１～図３に示されるように、モータハウジング２４は、モータハウジング２４の後部を構成するスイッチ保持部２６と、モータハウジング２４の前部を構成するハウジング筒部２８と、を含んで構成されており、ハウジング筒部２８が、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。そして、スイッチ保持部２６が、テールカバー２２の内部に収容された状態で、ハウジング筒部２８の後端部がテールカバー２２の前端部内に篏合されて、モータハウジング２４とテールカバー２２とが連結されている。ハウジング筒部２８は、グラインダ１０の外郭の前後方向中間部を構成している。モータハウジング２４は分割不能（単一部品）として構成されている。すなわちハウジング筒部２８は筒状であって分割不能な部分である。

スイッチ保持部２６は、後述するスイッチ６２のスイッチ本体６２Ａを収容するためのスイッチ収容部２６Ａを有しており、スイッチ収容部２６Ａは、右側へ開放された略矩形箱形状に形成されている。また、スイッチ収容部２６Ａの後部は、後述するスライドバー６４のスイッチ押圧部６４Ｄを収容するために、左側へ開放されている。スイッチ保持部２６は、モータハウジング２４の一部である。すなわち、スイッチ６２がモータハウジング２４に支持されている。

ハウジング筒部２８の前端部には、径方向外側へ張出されたハウジング連結部２８Ａが形成されており、ハウジング連結部２８Ａは、正面視で略矩形状に形成されている。図１及び図３に示されるように、ハウジング筒部２８における前端側部分の左部には、後述するスイッチレバー６６を取付けるためのレバー取付部２８Ｂが形成されている。レバー取付部２８Ｂは、平面視で略クランク状に形成されて、ハウジング筒部２８に対して左側へ突出しており、レバー取付部２８Ｂの前端部が、ハウジング連結部２８Ａに接続されている。レバー取付部２８Ｂには、取付孔２８Ｃが貫通形成されている。また、レバー取付部２８Ｂの前端部には、左側へ隆起されたプレート部２８Ｄが一体に形成されており、プレート部２８Ｄは、略矩形プレート状に形成されている。プレート部２８Ｄの前後方向中間部には、上下方向に延在された係合リブ２８Ｅが一体に形成されている。また、レバー取付部２８Ｂの上下方向両側には、前後方向に延在されたガイドリブ２８Ｆがそれぞれ形成されている。

図１及び図２に示されるように、ギヤハウジング３０は、左右方向から見て、略三角形を成す中空状に形成されると共に、下側へ開放されている。ギヤハウジング３０の後端部には、被連結部３０Ａが形成されており、被連結部３０Ａは、ハウジング筒部２８のハウジング連結部２８Ａに対応する略矩形筒状に形成されている。そして、ハウジング連結部２８Ａが被連結部３０Ａの内部に篏合されて、被連結部３０Ａの外周部が、図示しない位置において、ハウジング連結部２８Ａに締結固定されている。ギヤハウジング３０の下側には、パッキングランド３２が設けられている。パッキングランド３２は、上下方向を軸方向とする段付き円筒状に形成されて、ギヤハウジング３０に固定されている。

ギヤハウジング３０内には、スピンドル３４が設けられており、スピンドル３４は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。スピンドル３４の上端部は、ギヤハウジング３０に固定された軸受３６によって回転可能に支持され、スピンドル３４の上下方向中間部が、パッキングランド３２に固定された軸受３８によって回転可能に支持されている。スピンドル３４の下端部（軸方向一方側端部）には、先端工具としての砥石４０が取付けられており、後述するモータ４４の駆動力によって、砥石４０がスピンドル３４と共に回転することで、加工材に対して研磨加工等を施すようになっている。また、パッキングランド３２の下端部には、ホイルガード４２が着脱可能に固定されており、ホイルガード４２によって、砥石４０の一部が覆われている。

（モータ４４について）　図２に示されるように、モータ４４は、ブラシレスモータとして構成されて、ハウジング２０におけるハウジング筒部２８内に収容されている。モータ４４は、回転軸４４Ａを含んで構成されており、回転軸４４Ａは、前後方向を軸方向として配置されている。そして、回転軸４４Ａの後端部が、スイッチ保持部２６に固定された第１モータ軸受４６によって回転可能に支持されており、回転軸４４Ａの前端側部分が、ギヤハウジング３０に固定された第２モータ軸受４８によって回転可能に支持されている。回転軸４４Ａの前端部は、ギヤハウジング３０内に配置されており、回転軸４４Ａの前端部には、ピニオンギヤ５０が固定されている。ピニオンギヤ５０は、スピンドル３４の上端側部分に設けられたベベルギヤ５２に噛合されており、モータ４４の駆動力が、ベベルギヤ５２によってスピンドル３４に伝達される構成になっている。モータ４４は、図示しない制御部に電気的に接続されており、制御部によってモータ４４が駆動する構成になっている。

（スイッチ機構６０について）　図１、及び図３～図６に示されるように、スイッチ機構６０は、モータ４４を駆動状態又は停止状態に切替える機構部として構成されている。スイッチ機構６０は、スイッチ６２と、切替部としてのスライドバー６４と、操作部としてのスイッチレバー６６と、停止部としてのモータ停止レバー６８と、を含んで構成されている。モータ停止レバー６８は、吊下具７２とスイッチ６２とに接続され、吊下具７２に入力される力によって変位する伝達機構の一部（伝達部材）である。伝達機構には、吊下具７２とモータ停止レバー６８とを接続する連結リング７４も含まれる。なお、モータ停止レバー６８そのものを本発明における伝達機構としてもよい。

（スイッチ６２について）　スイッチ６２は、テールカバー２２内に収容されて、モータハウジング２４のスイッチ保持部２６によって保持されている。スイッチ６２は、略直方体ブロック状のスイッチ本体６２Ａと、スイッチ本体６２Ａから後側へ突出されたプランジャ６２Ｂと、を含んで構成されている。スイッチ本体６２Ａが、スイッチ保持部２６のスイッチ収容部２６Ａに収容され、プランジャ６２Ｂがスイッチ収容部２６Ａの後部に配置されている。そして、プランジャ６２Ｂが前側へ押圧されることで、スイッチ６２がオフ状態からオン状態に切替わる。スイッチ６２は、制御部に電気的に接続されており、後述するスライドバー６４によるプランジャ６２Ｂへの押圧状態に応じた出力信号を制御部に出力し、制御部によってモータ４４が駆動状態又は停止状態に切替わる。スイッチ本体６２Ａには、プランジャ６２Ｂを後方へ付勢する機構（例えばスプリング）が内蔵されており、プランジャ６２Ｂは常に後方へ付勢されている。従って、プランジャ６２Ｂが前側へ押圧する際は、プランジャ６２Ｂに加えられている後方への付勢力に抗して前方へ押圧する必要がある。

（スライドバー６４について）　スライドバー６４は、前後方向に延在され且つ左右方向を板厚方向とする略長尺板状に形成されている。スライドバー６４は、ハウジング筒部２８及びテールカバー２２の内部における左端部に収容されると共に、ハウジング筒部２８及びテールカバー２２の内周面に隣接して配置されている。詳しくは、スライドバー６４の前端部が、ハウジング筒部２８のレバー取付部２８Ｂの右側に配置され、スライドバー６４の後端部が、テールカバー２２のレバーガイド部２２Ａの前側に配置されている。スライドバー６４の前端部は、後述するスイッチレバー６６によってハウジング筒部２８に前後方向にスライド可能に連結されており、スライドバー６４の後端部は、モータハウジング２４のスイッチ保持部２６によって前後方向にスライド可能に支持されている。具体的には、スライドバー６４が、オフ位置（図３に示される位置）と、オフ位置から前側へ移動したオン位置（図６に示される位置）と、の間を移動可能に構成されている。以下、スライドバー６４がオフ位置に配置された状態として説明する。

スライドバー６４の前端部には、後述するスイッチレバー６６を連結するためのレバー連結部６４Ａが形成されている。レバー連結部６４Ａは、スライドバー６４に対して左側へオフセットした位置に配置されている。レバー連結部６４Ａには、連結孔６４Ｂが貫通形成されており、連結孔６４Ｂは左側から見て、後側へ開放された略Ｃ字形状に形成されている。

スライドバー６４の後端部には、後述するモータ停止レバー６８によって支持される被支持部６４Ｃが形成されている。被支持部６４Ｃは、スライドバー６４に対して右側へオフセットした位置に配置されており、被支持部６４Ｃの前端部が平面視で略クランク状に形成されて、スライドバー６４に接続されている。被支持部６４Ｃの後端部には、スイッチ押圧部６４Ｄが一体に形成されている。スイッチ押圧部６４Ｄは、前後方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されて、被支持部６４Ｃから右側へ延出している。スイッチ押圧部６４Ｄの先端部（右端部）は、スイッチ保持部２６のスイッチ収容部２６Ａの後部内に左側から挿入されて、スイッチ収容部２６Ａによって前後方向にスライド可能に支持されている。また、スイッチ押圧部６４Ｄの先端部は、スイッチ６２のプランジャ６２Ｂの後側に隣接配置されている。そして、スライドバー６４がオフ位置からオン位置にスライドすることで、スイッチ押圧部６４Ｄによってプランジャ６２Ｂが押圧されて、スイッチ６２がオフ状態からオン状態に切替わる。また、被支持部６４Ｃとスイッチ押圧部６４Ｄとの接続部である角部には、面取部６４Ｅが形成されている。

スライドバー６４の左側面における前後方向中間部には、バネ収容部６４Ｆが形成されている。バネ収容部６４Ｆは、左側へ開放された凹状に形成されると共に、左側から見て、前後方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。バネ収容部６４Ｆには、圧縮コイルスプリングとして構成されたリターンスプリング７０が収容されている。リターンスプリング７０の前端部は、ハウジング筒部２８の後端面に係止され、リターンスプリング７０の後端部は、バネ収容部６４Ｆの後面に係止され、リターンスプリング７０が、スライドバー６４を後側（オフ位置側）へ付勢している。

（スイッチレバー６６について）　スイッチレバー６６は、上側から見た断面視で略クランク形板状に形成されている。スイッチレバー６６は、モータハウジング２４のレバー取付部２８Ｂの左側で且つ上下一対の係合リブ２８Ｅの間に配置され、前後方向に移動可能にレバー取付部２８Ｂに取付けられている。スイッチレバー６６の後部側部分には、右側へ突出した連結軸６６Ａが一体に形成されている。連結軸６６Ａは、前後方向から見て、略Ｔ字形状に形成されており、連結軸６６Ａの先端部が、上下方向両側へ突出している。そして、連結軸６６Ａの左右方向中間部が、レバー取付部２８Ｂの取付孔２８Ｃ内を前後方向にスライド可能に挿通されている。また、連結軸６６Ａの左右方向中間部が、スライドバー６４の連結孔６４Ｂを挿通して、スライドバー６４とスイッチレバー６６とが前後方向に一体移動可能に連結されている。すなわち、スイッチレバー６６が、スライドバー６４と共に、オフ位置とオン位置との間にスライド可能に構成されている。そして、スイッチレバー６６のオフ位置では、連結軸６６Ａが、モータハウジング２４の取付孔２８Ｃの内周面に当接して、スイッチレバー６６及びスライドバー６４がオフ位置に保持されている。

連結軸６６Ａの先端部における上下方向両側へ突出した部分は、支点部６６Ｂ（図５参照）として構成されている。支点部６６Ｂは、上側から見て、左側へ凸となる略半円状に形成されて、スライドバー６４のレバー連結部６４Ａの右側に隣接配置されている。これにより、スイッチレバー６６の左側への移動が制限されている。スイッチレバー６６の前端部には、右側へ屈曲されたフック部６６Ｃが形成されており、フック部６６Ｃが、モータハウジング２４のプレート部２８Ｄの後端部に当接している。そして、リターンスプリング７０の付勢力が連結軸６６Ａに伝達されて、スイッチレバー６６が、平面視で、前側へ向かうに従い右側へ若干傾斜した状態に保持されている。また、スイッチレバー６６は、支点部６６Ｂを支点として揺動可能に構成されている。具体的には、スイッチレバー６６の後端部を右側へ押圧することで、スイッチレバー６６が支点部６６Ｂを支点として揺動して、フック部６６Ｃが左側へ変位する。そして、スイッチレバー６６を、揺動させながら、オン位置にスライドすることで、フック部６６Ｃが、係合リブ２８Ｅの前側に配置され且つ係合リブ２８Ｅと係合するようになっている。これにより、スイッチレバー６６及びスライドバー６４のオン位置が保持される構成になっている。すなわち、スイッチ６２がオン状態に維持されるようになっている（以下、この状態をオンロック状態という）。フック部６６Ｃと係合リブ２８Ｅは、操作力を解除してもスイッチレバー６６をオン位置（スイッチ６２をオン状態）で保持することが可能なオンロック機構の一部である。

（モータ停止レバー６８について）　モータ停止レバー６８は、テールカバー２２に設けられており、吊下具７２とテールカバー２２（グラインダ１０）とを連結する連結部材として構成されている。また、前述したように、モータ停止レバー６８は、吊下具７２とスイッチ６２とを接続する部材（または機構）である。モータ停止レバー６８は、前後方向に延在され且つ左右方向を板厚方向とする略長尺板状に形成されている。モータ停止レバー６８は、テールカバー２２のレバーガイド部２２Ａに前後方向に移動可能に収容されると共に、連通孔２２Ｂ内に前後方向に移動可能に挿入されている。詳しくは、モータ停止レバー６８は、初期位置（図１、図３、及び図６に示される位置）と、初期位置から後側へ移動した引出位置（図７に示される位置）と、の間で移動可能に構成されている。そして、通常状態では、モータ停止レバー６８は、初期位置に配置されており、吊下具７２からの後側への引張力が入力されたときには、モータ停止レバー６８が後側へ引出されて、引出位置へスライドするようになっている。本発明においては、初期位置は初期状態、引出位置は動作状態とそれぞれ言い換えてもよい。

モータ停止レバー６８の前端部には、上下一対のストッパ部６８Ａが形成されており、ストッパ部６８Ａは、モータ停止レバー６８に対して上下方向両側へ突出している。ストッパ部６８Ａの後面は、前後方向に対して直交する面に沿って形成されている。モータ停止レバー６８の前端部の右側面には、傾斜面６８Ｂが形成されており、傾斜面６８Ｂは、上側から見た平面視で、前側へ向かうに従い左側へ傾斜している。

そして、モータ停止レバー６８の初期位置では、モータ停止レバー６８の前部が、スライドバー６４の被支持部６４Ｃの左側に隣接配置されて、モータ停止レバー６８を左側から支持している。すなわち、モータ停止レバー６８は、スライドバー６４の後端部の左側への移動を制限して、スライドバー６４の姿勢を維持する部材として構成されている。なお、モータ停止レバー６８の板厚は、スライドバー６４の被支持部６４Ｃの右側へのオフセット量と略一致している。

一方、モータ停止レバー６８の引出位置では、モータ停止レバー６８によるスライドバー６４の被支持部６４Ｃに対する支持状態が解除される設定になっている（図７参照）。すなわち、モータ停止レバー６８の引出位置では、被支持部６４Ｃの左側への移動を許可する設定になっている。また、詳細については後述するが、スライドバー６４がオン位置に配置された状態で、モータ停止レバー６８が引出位置に移動したときには、スイッチ６２のプランジャ６２Ｂのスイッチ押圧部６４Ｄへの押圧によって、スライドバー６４の後端部が、左側へ変位するようにスライドバー６４の姿勢が変更されて、スイッチ押圧部６４Ｄの押圧状態が解除される設定になっている。また、モータ停止レバー６８の引出位置では、モータ停止レバー６８のストッパ部６８Ａの後面が、テールカバー２２のストッパ面２２Ｃに当接して、モータ停止レバー６８がテールカバー２２の連通孔２２Ｂから後側へ引出されることを防止する構成になっている。さらに、モータ停止レバー６８の引出位置では、前後方向において、モータ停止レバー６８の傾斜面６８Ｂの先端部が、オフ位置のスライドバー６４の面取部６４Ｅと重なる位置に配置される設定になっている（図７参照）。

また、モータ停止レバー６８の後端部には、吊下用連結部６８Ｃが形成されており、吊下用連結部６８Ｃは、モータ停止レバー６８から左側へ突出している。吊下用連結部６８Ｃには、吊下用孔部６８Ｄが上下方向に貫通形成されている。吊下用孔部６８Ｄには、吊下具７２の連結リング７４が挿入されており、吊下具７２がモータ停止レバー６８に連結されている。吊下具７２には、図示しないストラップの一端部が挿通されており、グラインダ１０による作業時には、ストラップの他端部を、掛け部材に固定するようになっている。これにより、仮に、グラインダ１０が作業者の手から離れた場合には、グラインダ１０がストラップによって吊下状態になり、グラインダ１０の地面への落下を防止するようになっている。なお、吊下用連結部６８Ｃに直接図示しないストラップの一端部が挿通するように構成してもよく、すなわちモータ停止レバー６８が吊下具として機能するように構成してもよい。

（作用効果）　次に、本実施の形態のグラインダ１０の作用及び効果について説明する。

上記のように構成されたグラインダ１０による加工時には、作業者が、モータハウジング２４のハウジング筒部２８やテールカバー２２を把持する。そして、作業者によって、スイッチレバー６６をオフ位置からオン位置へスライドすることで、スライドバー６４が、スイッチレバー６６と共に、オフ位置からオン位置へスライドする。これにより、スライドバー６４のスイッチ押圧部６４Ｄがスイッチ６２のプランジャ６２Ｂを前側へ押圧して、スイッチ６２がオフ状態からオン状態に切替わる。このため、制御部によって、モータ４４が駆動すると共に、スピンドル３４及び砥石４０が回転する。したがって、グラインダ１０によって、研磨加工を施すことができる。なお、スイッチレバー６６のオン位置では、スイッチレバー６６のフック部６６Ｃが、モータハウジング２４の係合リブ２８Ｅに係合して、グラインダ１０がオンロック状態になる。グラインダ１０のオンロック状態を解除するには、作業者がスイッチレバー６６の後端を右方向に押圧することでスイッチレバー６６を上側から見て反時計周り方向に揺動（回転）させる。その結果フック部６６Ｃと係合リブ２８Ｅの係合が解除されてオンロック状態が解除される。

また、グラインダ１０を用いた作業では、作業者がグラインダ１０を手で持って行う。ここで、グラインダ１０には、吊下具７２に連結されたモータ停止レバー６８が設けられている。このため、仮に、グラインダ１０が作業者の手から離れて落下した場合には、吊下具７２に固定されたストラップによって、グラインダ１０が吊下状態になる。これにより、グラインダ１０の地面への落下が抑制される。

また、グラインダ１０の重心位置はモータ４４の辺りに設定されているため、グラインダ１０が吊下状態になるときには、グラインダ１０の前側が鉛直方向下側へ向くようにグラインダ１０が吊下げられて、モータ停止レバー６８に後方側（鉛直方向上側）への引張力が作用する。このため、当該引張力によってモータ停止レバー６８が、初期位置から引出位置へ引出される。これにより、モータ停止レバー６８によるスライドバー６４の被支持部６４Ｃに対する支持状態が解除される。

ここで、スライドバー６４のスイッチ押圧部６４Ｄは、被支持部６４Ｃから右側へ延出しており、スイッチ押圧部６４Ｄの先端部が、スイッチ６２のプランジャ６２Ｂを前側へ押圧している。このため、スライドバー６４のオン位置では、プランジャ６２Ｂからスイッチ押圧部６４Ｄに作用する反力によって、平面視で時計回りの回転モーメントがスイッチ押圧部６４Ｄの先端部に作用している（図６の矢印Ａ参照）。すなわち、スライドバー６４の後端部である被支持部６４Ｃには、被支持部６４Ｃを左側へ変位させる力が作用している。

そして、上述のように、グラインダ１０の吊下状態では、モータ停止レバー６８が引出位置に引出されて、モータ停止レバー６８によるスライドバー６４の被支持部６４Ｃに対する支持状態が解除される。このため、被支持部６４Ｃの左側への変位が許可された状態になる。これにより、グラインダ１０の吊下状態では、スライドバー６４の後端部が左側へ変位する（反る）ように、スライドバー６４の姿勢が変更されて、スイッチ押圧部６４Ｄによるスイッチ６２への押圧状態が解除される（図７参照）。その結果、スイッチ６２がオフ状態からオン状態に切替わり、モータ４４の駆動が停止される。

また、スライドバー６４の後端部が左側へ反るように、スライドバー６４の姿勢が変更されるときには、スライドバー６４の前端部が右側へ変位するようになる。これにより、スライドバー６４のレバー連結部６４Ａが、スイッチレバー６６の連結軸６６Ａを右側へ引っ張るようになり、スイッチレバー６６の後端部が右側へ変位するように（右方向へ付勢されることで）スイッチレバー６６が揺動する。すなわち、スイッチレバー６６が、上側から見て、反時計周りに揺動する。このときのスイッチレバー６６の動作（反時計回り方向の揺動）は、上述した作業者によるオンロック解除動作時の動きと同様になる。その結果、スイッチレバー６６のフック部６６Ｃとハウジング筒部２８の係合リブ２８Ｅとの係合状態が解除される。すなわち、グラインダ１０のオンロック状態が解除される。よって、リターンスプリング７０の付勢力によってスライドバー６４及びスイッチレバー６６がオン位置からオフ位置へスライドする。また、このときには、スライドバー６４の後端部の面取部６４Ｅが、モータ停止レバー６８の傾斜面６８Ｂの先端部の右側に配置される。

そして、モータ停止レバー６８を、前側へ押して、引出位置から初期位置へ移動させることで、モータ停止レバー６８が初期位置に戻されて、モータ停止レバー６８の前部によってスライドバー６４の被支持部６４Ｃを左側から支持する。なお、モータ停止レバー６８を引出位置から前側へスライドさせるときには、モータ停止レバー６８の傾斜面６８Ｂがスライドバー６４の面取部６４Ｅを当接することで、スライドバー６４の後端が右側へ付勢されて、モータ停止レバー６８がスライドバー６４の被支持部６４Ｃとテールカバー２２との間に挿入される。傾斜面６８Ｂまたは面取部６４Ｅは、モータ停止レバー６８を初期位置に戻す際のガイドとして機能する。

以上説明したように、グラインダ１０では、ハウジング２０内に設けられたスライドバー６４がオフ位置からオン位置へ移動することで、スイッチ６２がオフ状態からオン状態に切替わる。ここで、ハウジング２０には、モータ停止レバー６８が移動可能に設けられており、モータ停止レバー６８は、吊下具７２と連結可能に構成されている。そして、吊下具７２から後側への引張力が入力されることで、モータ停止レバー６８が初期位置から引出位置に移動する。このとき、オン位置のスライドバー６４の被支持部６４Ｃが、左側へ移動して、スイッチ６２がオン状態からオフ状態に切替わる。具体的には、モータ停止レバー６８の引出位置では、モータ停止レバー６８によるオン位置のスライドバー６４に対する姿勢維持状態が解除され、スライドバー６４の姿勢が変更されて、スイッチ６２がオン状態からオフ状態に切替わる。したがって、グラインダ１０の吊下状態のときには、モータ４４の駆動を停止させて、グラインダ１０を非動作状態とすることができる。また、グラインダ１０の吊下状態のときには、スライドバー６４の被支持部６４Ｃが左側へ移動した状態（退避状態）であるため、スライドバー６４を前後させてもスイッチ６２をオン状態とすることができない。すなわち、吊下状態のグラインダ１０においてはモータ４４の起動も規制される。

また、ハウジング筒部２８には、スイッチレバー６６が操作可能に設けられており、スイッチレバー６６は、スライドバー６４と一体移動可能に連結されている。スイッチレバー６６のオン位置では、スイッチレバー６６のフック部６６Ｃが、ハウジング筒部２８の係合リブ２８Ｅに係合して、スイッチレバー６６及びスライドバー６４がオン位置に保持される。これにより、グラインダ１０をオンロック状態にして、作業を行うことができる。さらに、モータ停止レバー６８が引出位置に移動したときには、上述のように、スイッチレバー６６と係合リブ２８Ｅとの係合状態が解除される。これにより、グラインダ１０が吊下状態にされたときには、駆動状態のモータ４４を停止させ、且つスイッチレバー６６及びスライドバー６４をオフ位置に戻すことができる。

また、スライドバー６４では、スイッチ押圧部６４Ｄが被支持部６４Ｃの後端部から右側へ延出しており、スイッチ押圧部６４Ｄがスイッチ６２のプランジャ６２Ｂを前側へ押圧することで、スイッチ６２がオン状態に切替わる。そして、モータ停止レバー６８が、被支持部６４Ｃの左側に隣接配置されて、被支持部６４Ｃを支持し、スライドバー６４の姿勢を維持している。一方、モータ停止レバー６８の引出位置では、モータ停止レバー６８におけるスライドバー６４の姿勢維持状態が解除される。これにより、モータ停止レバー６８の引出位置では、スイッチ６２のプランジャ６２Ｂからスイッチ押圧部６４Ｄに作用する反力によって、オン位置のスライドバー６４の被支持部６４Ｃを左側へ変位させて、スライドバー６４によるスイッチ６２への押圧状態を解除することができる。

また、モータ停止レバー６８は、テールカバー２２に前後方向に移動可能に連結されている。そして、モータ停止レバー６８の前部が、テールカバー２２とスライドバー６４の被支持部６４Ｃとの間に配置されて、被支持部６４Ｃを支持している。これにより、被支持部６４Ｃの外部への露出を防止しつつ、モータ停止レバー６８によってスライドバー６４を支持することができる。よって、スライドバー６４に対する保護性能をテールカバー２２によって確保しつつ、モータ停止レバー６８によってスライドバー６４の姿勢を維持することができる。また、モータ停止レバー６８の後端部には、テールカバー２２の外部に露出された吊下用連結部６８Ｃが形成されている。これにより、吊下具７２の連結リング７４を吊下用連結部６８Ｃの吊下用孔部６８Ｄに挿入させて、モータ停止レバー６８と吊下具７２とを連結することができる。

また、モータ停止レバー６８の前端部には、上下一対のストッパ部６８Ａが設けられている。モータ停止レバー６８の引出位置では、ストッパ部６８Ａが、テールカバー２２のストッパ面２２Ｃに当接して、モータ停止レバー６８の後側への移動が規制される。これにより、モータ停止レバー６８のテールカバー２２からの脱落を防止できる。

また、モータ停止レバー６８の前端部の右側面には、傾斜面６８Ｂが形成されており、傾斜面６８Ｂが、平面視で前側へ向かうに従い左側に傾斜している。これにより、引出位置のモータ停止レバー６８を前側へ移動させるときに、傾斜面６８Ｂによってスライドバー６４の被支持部６４Ｃを右側へ押し上げて、モータ停止レバー６８をスライドバー６４の左側に隣接配置することができる。

しかも、スライドバー６４のオフ位置で且つモータ停止レバー６８の引出位置では、前後方向において、スライドバー６４の面取部６４Ｅがモータ停止レバー６８の傾斜面６８Ｂと重なる位置に配置されている。したがって、引出位置のモータ停止レバー６８を前側へ移動させるときに、モータ停止レバー６８がスライドバー６４に引っ掛かることを抑制しつつ、モータ停止レバー６８を前側へ移動させることができる。すなわち、グラインダ１０（本発明）においては、引っ張られたあと引出位置となったモータ停止レバー６８を初期位置に戻すことで、作業者によるスイッチレバー６６（スイッチ６２）への操作によって再度モータ４４の起動及び停止を制御することができるようになる。また、グラインダ１０においては吊り下げ時にオンロック機構が解除されるよう構成したので、モータ停止レバー６８を初期位置に戻した際にモータ４４が意図せず再起動することも抑制できる。なお、スプリング等の弾性体によってモータ停止レバー６８は常に前方へ付勢されるように構成してもよい。その場合、モータ停止レバー６８の初期位置への復元用の弾性体（スプリング）は、吊り下げ時（グラインダ１０の重量を受けたとき）において伸長し、非吊り下げ時（受ける負荷がグラインダ１０の重量未満の場合）において圧縮、または伸長しないように構成するとよい。

（スイッチ機構６０の変形例１について）　次に、図８及び図９を用いてスイッチ機構６０の変形例１について説明する。なお、図８及び図９では、本実施形態と同様に構成されている部材については、同一の符号を付している。スイッチ機構６０の変形例１では、スイッチ支持部材としての支持フレーム８０が追加されている。支持フレーム８０は、上側から見て、前側へ開放された略Ｕ字形枠状に形成されて、ハウジング２０のスイッチ保持部２６に前後方向にスライド可能に設けられている。具体的には、支持フレーム８０は、正規位置（図９（Ａ）に示される位置）と、正規位置から前側へ移動した離間位置（図９（Ｂ）に示される位置）と、の間を移動可能に構成されている。また、スイッチ６２が、支持フレーム８０に支持されて、支持フレーム８０と一体に正規位置と離間位置との間を移動可能に構成されている。さらに、支持フレーム８０の左側部は、スライドバー６４のスイッチ押圧部６４Ｄに形成された第１孔部６４Ｇを挿通している。

モータ停止レバー６８の前端部には、前後方向に延在された前側延出部６８Ｅが一体に設けられている。前側延出部６８Ｅは、モータ停止レバー６８に対して右側にオフセットした位置に配置されており、前側延出部６８Ｅの後端部が、左側に屈曲されて、モータ停止レバー６８の前端部に接続されている。なお、前側延出部６８Ｅの後端部は、スライドバー６４の被支持部６４Ｃに形成された第２孔部６４Ｈ内を挿通しており、前側延出部６８Ｅが被支持部６４Ｃの右側に配置されている。

モータ停止レバー６８の前端側部分には、支持突起６８Ｆが形成されている。支持突起６８Ｆは、モータ停止レバー６８から右側へ突出し、スライドバー６４の被支持部６４Ｃの左側に隣接配置されて、被支持部６４Ｃを左側から支持している。また、スイッチ機構６０の変形例１では、モータ停止レバー６８の初期位置から引出位置への移動量が、本実施形態と比べて短く設定されている（図９（Ａ）及び（Ｂ）参照）。

また、モータ停止レバー６８と支持フレーム８０とは、リンク８２によって連動可能に連結されている。リンク８２は、左右方向に延在されており、リンク８２の長手方向中間部には、上下方向を軸方向とするリンクピン８２Ａが設けられている。そして、リンクピン８２Ａがハウジング２０に回転可能に支持されている。リンク８２の一端部（左端部）は、モータ停止レバー６８に形成された連結溝６８Ｇに挿入され、リンク８２とモータ停止レバー６８とが前後方向に係合している。リンク８２の他端部（右端部）は、支持フレーム８０の後左側角部に上下方向を軸方向として回転可能に連結されている。これにより、支持フレーム８０がモータ停止レバー６８の前後方向の移動に連動して正規位置と離間位置との間を移動する構成になっている。具体的には、モータ停止レバー６８の初期位置では、支持フレーム８０が正規位置に配置され、モータ停止レバー６８の引出位置では、支持フレーム８０が離間位置に配置される。

また、モータ停止レバー６８の前側延出部６８Ｅの前端部には、ロックレバー８４が設けられている。ロックレバー８４は、上下方向から見て、略Ｖ字形状に形成され、ロックレバー８４の一端部が、前側延出部６８Ｅの前端部に上下方向を軸方向として回転可能に連結されている。そして、支持フレーム８０の正規位置では、ロックレバー８４の他端側部分が支持フレーム８０の前端部とスイッチ保持部２６との間に配置され、支持フレーム８０の前側への移動が阻止される構成になっている。一方、モータ停止レバー６８が、初期位置から引出位置へ移動することで、ロックレバー８４が下側から見て時計回りに回転して、ロックレバー８４の他端側部分が前側へ変位することで、支持フレーム８０の前側への移動が許可される構成になっている。

そして、スイッチ機構６０の変形例１においても、本実施の形態と同様に、スライドバー６４のオン位置において、モータ停止レバー６８が初期位置から引出位置へ移動すると、モータ停止レバー６８によるスライドバー６４に対する姿勢維持状態が解除される。このため、スライドバー６４の被支持部６４Ｃが左側へ変位するようにスライドバー６４の姿勢が変更されて、スイッチ６２がオン状態からオフ状態に切替わる。したがって、スイッチ機構６０の変形例１においても、グラインダ１０の吊下状態のときには、モータ４４の駆動を停止させて、グラインダ１０を非動作状態に戻すことができる。

また、スイッチ機構６０の変形例１では、モータ停止レバー６８が初期位置から引出位置へ移動すると、スイッチ６２を支持する支持フレーム８０が、モータ停止レバー６８の移動に連動して、正規位置から前側へ移動する。すなわち、スイッチ６２のプランジャ６２Ｂが、スライドバー６４のスイッチ押圧部６４Ｄから離間する方向へ移動する。これにより、スイッチ機構６０の変形例１では、モータ停止レバー６８の引出位置において、スライドバー６４の姿勢を変更させつつ、スイッチ６２をスイッチ押圧部６４Ｄに対して離間させることができる。したがって、スイッチ６２をオン状態からオフ状態に効果的に切替えることができる。なお、本変形例１の場合、モータ停止レバー６８によるスライドバー６４に対する姿勢維持状態が解除される点と、支持フレーム８０が前方へ移動する点の両方でスイッチ６２をオフ状態とするよう構成したが、支持フレーム８０が前方へ移動する点のみによってスイッチ６２をオフ状態とするよう構成してもよい。すなわち、スライドバー６４を動作させず、スイッチ６２の位置を変位させることでスライドバー６４とスイッチ６２の相対位置を変化させて、プランジャ６２Ｂへの押圧状態を変化させるように構成してもよい。

（スイッチ機構６０の変形例２について）　次に、図１０を用いてスイッチ機構６０の変形例２について説明する。なお、図１０では、本実施の形態と同様に構成されている部材については、同一の符号を付している。変形例２では、スライドバー６４において、スイッチ押圧部６４Ｄが、別体で構成されると共に、上下方向を軸方向とする連結ピン８６によってスライドバー６４の後端部に連結されている。詳しくは、連結ピン８６が、スイッチ押圧部６４Ｄの左端部及びスライドバー６４の後端部に圧入されて、スイッチ押圧部６４Ｄがスライドバー６４に相対回転不能に連結されている。

また、変形例２では、スイッチ機構６０において、連結部材８８が追加されており、連結部材８８は、引張コイルスプリングやワイヤ等によって構成されている。連結部材８８の一端部は、スイッチ押圧部６４Ｄの後面に連結され、連結部材８８の他端部は、モータ停止レバー６８の前後方向中間部の右面に連結されている。

ここで、変形例２では、後側への引張力がモータ停止レバー６８に作用して、モータ停止レバー６８が引出位置へ移動するときには、連結部材８８によって、スイッチ押圧部６４Ｄを後側へ引っ張って、スイッチ押圧部６４Ｄに作用する引張力によって、スイッチ押圧部６４Ｄが、連結ピン８６を中心に後側へ傾倒するように設定されている。すなわち、連結ピン８９によるスイッチ押圧部６４Ｄのスライドバー６４への相対回転不能状態が解除されて、スイッチ押圧部６４Ｄがスライドバー６４に対して相対回転するようになっている。

そして、スイッチ機構６０の変形例２においても、本実施の形態と同様に、スライドバー６４のオン位置において、モータ停止レバー６８が初期位置から引出位置へ移動すると、モータ停止レバー６８によるスライドバー６４に対する姿勢維持状態が解除される。このため、スライドバー６４の被支持部６４Ｃが左側へ変位するようにスライドバー６４の姿勢が変更されて、スイッチ６２がオン状態からオフ状態に切替わる。したがって、スイッチ機構６０の変形例２においても、グラインダ１０の吊下状態のときには、モータ４４の駆動を停止させて、グラインダ１０を非動作状態に戻すことができる。なお、本実施の形態では、スイッチ６２のプランジャ６２Ｂが押圧された状態をオン状態、押圧されていない状態をオフ状態として説明したが、これに限られず、スイッチとしてはセンサ等の別手段を用いてもよい。例えば、磁気センサを利用したスイッチでもよく、その場合、例えばオン状態とは検出可能な程度に磁性体が磁気センサに近接している状態である。また、距離センサでもよく、その場合、例えばオン状態とは検出可能な程度に検出対象（例えばスライドバー６４）が距離センサに近接している状態である。すなわち、本発明におけるスイッチのオン状態とは、スイッチのプランジャが押圧されている場合に限られない。

また、スイッチ機構６０の変形例２では、モータ停止レバー６８が引出位置へ移動すると、連結部材８８によって、スイッチ押圧部６４Ｄが、後側へ引っ張られて、連結ピン８６を中心に後側へ傾倒する。すなわち、スイッチ押圧部６４Ｄが、スイッチ６２のプランジャ６２Ｂから離間する方向に変位する。これにより、スイッチ機構６０の変形例２では、モータ停止レバー６８の引出位置において、スライドバー６４の姿勢を変更させつつ、スイッチ押圧部６４Ｄをスイッチ６２に対して離間させることができる。したがって、スイッチ６２をオン状態からオフ状態に効果的に切替えることができる。

１０…ディスクグラインダ（作業機）、２０…ハウジング、４４…モータ、６２…スイッチ、６４…スライドバー（切替部）、６４Ｄ…スイッチ押圧部、６６…スイッチレバー（操作部）、６８…モータ停止レバー（停止部、伝達機構）、６８Ａ…ストッパ部、６８Ｂ…傾斜面、７２…吊下具、８０…支持フレーム（スイッチ支持部材）、８８…連結部材

Claims

モータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングに収容され、前記モータを駆動するオン状態又は前記モータを停止させるオフ状態に切替可能に構成されたスイッチと、
前記ハウジングに支持された吊下具と、を有し、
前記吊下具が引っ張られるとオン状態の前記スイッチをオフ状態とするように構成された作業機。
前記ハウジングに初期位置と引出位置との間で移動可能に設けられる伝達機構を有し、前記伝達機構は、前記初期位置に位置するとき前記吊下具を介して引っ張られることで前記初期位置から前記引出位置に移動してオン状態の前記スイッチをオフ状態とするように構成される請求項１に記載の作業機。
駆動と停止を切り替え可能に構成されたモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングに初期位置と引出位置との間で移動可能に設けられ、吊下具と接続された伝達機構と、
を備え、
前記伝達機構は、
前記初期位置に位置するとき前記モータの駆動と停止の切換えを許容し、前記引出位置に位置するとき前記モータの駆動を規制し、
前記吊下具を介して引っ張られることで前記初期位置から前記引出位置に変位可能であって、かつ前記引出位置に変位したあとで前記初期位置に戻ることが可能に構成されている作業機。
モータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングに収容され、前記モータを駆動するオン状態又は前記モータを停止させるオフ状態に切替可能に構成されたスイッチと、
作業者からの操作に基づいてオフ位置からオン位置へ移動することで、前記スイッチをオフ状態からオン状態へ切替える切替部と、
前記切替部をオン位置でロックするオンロック機構と、
前記ハウジングに支持された吊下具と、を有し、
前記吊下具が引っ張られると前記オンロック機構の前記切替部に対するロック状態を解除するように構成された作業機。
前記ハウジングの内部に移動可能に設けられた切替部であって、作業者からの操作に基づいてオフ位置からオン位置へ移動することで、前記スイッチをオフ状態からオン状態へ切替える切替部を有する請求項２に記載の作業機。
前記切替部は、作業者からの操作に基づいてオフ位置からオン位置へ移動することで、前記スイッチと前記切替部の相対位置が変化して前記スイッチをオフ状態からオン状態へ切替えるよう構成され、
前記吊下具が引っ張られることで、前記切替部と前記スイッチの相対位置が変化して前記スイッチが前記オン状態から前記オフ状態に切替わるよう構成された請求項５に記載の作業機。
前記初期位置では、前記伝達機構によって前記オン位置における前記切替部の姿勢を維持し、
前記引出位置では、前記伝達機構による前記オン位置の前記切替部に対する姿勢維持状態が解除され且つ前記切替部の姿勢が変更されて、前記スイッチがオン状態からオフ状態に切替わる請求項６に記載の作業機。
前記ハウジングには、前記切替部に一体移動可能に連結された操作部が操作可能に設けられており、
前記オン位置において、前記操作部が前記ハウジングと係合して、前記操作部及び前記切替部が、前記オン位置に保持されると共に、
前記伝達機構が、前記初期位置から前記引出位置へ移動することで、前記操作部と前記ハウジングとの係合状態が解除される請求項５に記載の作業機。
前記切替部は、第１方向に延在されており、
前記切替部の第１方向一方側端部に、前記操作部が連結され、前記切替部の第１方向他方側端部には、第１方向に対して直交する第２方向の一方側へ延出されたスイッチ押圧部が設けられており、
前記切替部のオン位置では、前記スイッチ押圧部が、前記スイッチを第１方向一方側へ押圧しており、
前記伝達機構が、前記切替部の第１方向他方側端部を第２方向の他方側から支持することで、前記切替部の姿勢を維持している請求項８に記載の作業機。
前記スイッチは、スイッチ支持部材に支持されており、
前記スイッチ支持部材は、前記ハウジングに前記第１方向に移動可能に設けられると共に、前記伝達機構に連動可能に連結されており、
前記スイッチ支持部材が、前記伝達機構の前記初期位置から前記引出位置への移動に連動して、第１方向一方側へ移動する請求項９に記載の作業機。
前記スイッチ押圧部は、連結部材によって前記伝達機構に連結されており、
前記伝達機構が前記初期位置から前記引出位置への移動することで、前記連結部材によって、前記スイッチ押圧部が、第１方向他方側へ引っ張られて、第１方向他方側へ変位する請求項９に記載の作業機。
前記伝達機構は、第１方向に延在されると共に、第１方向に移動可能に前記ハウジングに連結されており、
前記伝達機構の第１方向一方側部分が、前記ハウジングの内部において前記ハウジングと前記切替部との間に配置されて前記切替部を支持しており、
前記伝達機構の第１方向他方側端部には、前記ハウジングの外部において前記吊下具と連結可能に構成された吊下連結部が形成されている請求項９～請求項１１の何れか１項に記載の作業機。
前記伝達機構の第１方向一方側端部には、ストッパ部が設けられており、
前記伝達機構の引出位置において、前記ストッパ部が、前記ハウジングに当接することで、前記伝達機構の引出位置側への移動が規制される請求項１２に記載の作業機。
前記伝達機構の第１方向一方側端部には、第２方向一方側の側面において、傾斜面が形成されており、前記傾斜面は、第１方向一方側へ向かうに従い、第２方向他方側に傾斜している請求項９～請求項１３の何れか１項に記載の作業機。