WO2023162018A1 - 気体軸受装置 - Google Patents

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英朗 西田
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直道 柴田
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Abstract

一実施形態に係る気体軸受装置は、回転軸の周囲に設けられ、該回転軸との間に環状隙間を形成するハウジングと、環状隙間に回転軸を囲むように設けられたトップフォイルと、環状隙間においてトップフォイルの外側にトップフォイルを囲むように設けられてトップフォイルを弾性的に支持するように構成されたバックアップフォイル部材と、を備え、バックアップフォイル部材は、回転軸の軸方向における中心位置を少なくとも含む中央側領域に配置される、複数層のバックアップフォイルからなる中央側バックアップフォイルと、軸方向において中央側領域の両側に位置する端部側領域に配置される、単層又は中央側領域よりも枚数の少ない複数層のバックアップフォイルからなる端部側バックアップフォイルと、で構成される。

Description

気体軸受装置
 本開示は、気体軸受装置に関する。
 電動コンプレッサなどの回転機械では、圧縮空気への潤滑油の混入などによる圧縮空気の汚染を避けるため、オイルレス軸受の一種である気体軸受を採用している場合がある。気体軸受は、回転軸と軸受面との間に気体膜を形成させて回転軸を支持するが、潤滑剤が気体であるため、油軸受より軸受負荷能力が低い。従って、回転軸と軸受との間にできるだけ効率的に気膜圧力を発生させる必要があり、そのため、軸受面を気膜圧力に追従して変形可能な薄板(トップフォイル)で形成し、トップフォイルの背面を板状のバックアップフォイルで弾性的に支持している。
 気体軸受の軸受面に発生する圧力分布は、回転軸の軸方向(以下、単に「軸方向」とも言う。)において中央側領域が高圧となる。そのため、中央側領域がバックアップフォイル側に変形し、逆に端部側領域が回転軸側に反り返る変形が起こりやすい。そのため、トップフォイルの端部側領域が回転軸に接触して摩耗しあるいは損傷するおそれがある。
 特許文献1には、気体軸受において、軸方向におけるトップフォイルの端部側領域が回転軸に片当たりするのを防止するため、トップフォイルやバックアップフォイルの端部側領域の板厚を中央側領域の板厚より薄くする方法が開示されている。これによって、これらフォイル部材の端部側領域の剛性を減らし、軸受面に作用する気膜圧力によってトップフォイルの端部側領域が回転軸から離れる方向の変位を大きくすることによって、端部側領域の軸受隙間を確保し、片当たりによる摩耗や損傷をなくすようにしている。
特開2005-9556号公報
 特許文献1に開示された手段は、トップフォイルやバックアップフォイルの軸方向中央側領域と軸方向端部側領域とで板厚を異ならせる板厚調整という精密加工が必要となり、トップフォイル及びバックアップフォイルの加工が面倒になるという問題がある。
 本発明は、上述の事情に鑑み、トップフォイル及びバックアップフォイルの面倒な加工が不要な簡易な方法で、トップフォイルの摩耗や損傷を防止可能することを目的とする。
 上記目的を達成するため、本開示に係る気体軸受装置の一態様は、回転軸の周囲に設けられ、該回転軸との間に環状隙間を形成するハウジングと、前記環状隙間に前記回転軸を囲むように設けられたトップフォイルと、前記環状隙間において前記トップフォイルの外側に前記トップフォイルを囲むように設けられて前記トップフォイルを弾性的に支持するように構成されたバックアップフォイル部材と、を備え、前記バックアップフォイル部材は、前記回転軸の軸方向における中心位置を少なくとも含む中央側領域に配置される、複数層のバックアップフォイルからなる中央側バックアップフォイルと、前記軸方向において前記中央側領域の両側に位置する端部側領域に配置される、単層又は前記中央側領域よりも枚数の少ない複数層の前記バックアップフォイルからなる端部側バックアップフォイルと、で構成される。
 本開示に係る気体軸受装置の一態様によれば、軸方向における中央側バックアップフォイル及び端部側バックアップフォイルを夫々構成するバックアップフォイルの枚数を調整することで、中央側バックアップフォイルの曲げ剛性を端部側バックアップフォイルの曲げ剛性より大きくすることができる。そのため、トップフォイルの軸受面に付加される気膜圧力による中央側トップフォイルの変形を抑制できるため、トップフォイルの端部側領域が回転軸に接触して摩耗や損傷が起るのを防止できると共に、トップフォイル及びバックアップフォイルの夫々の板厚調整が不要となり、これらフォイル部材の製造を低コスト化できる。
一実施形態に係る気体軸受装置を示す正面視断面図(図2中のC―C線に沿う断面図)である。 図1中のA―A線に沿う模式的側面視断面図である。 図1中のB―B線に沿う模式的側面視断面図である。 一実施形態に係る気体軸受装置を示す正面視断面図(図5中のE―E線に沿う断面図)である。 図4中のD―D線に沿う模式的側面視断面図である。 一実施形態に係るトップフォイルを展開した正面図である。 図6に示すトップフォイルを展開した側面図である。 一実施形態に係るトップフォイルを展開した背面図である。 図8に示されるトップフォイルを備える気体軸受装置の一部を拡大した正面視断面図である。 一実施形態に係る気体軸受装置の模式的側面視断面図である。 一実施形態に係る気体軸受装置の模式的側面視断面図である。 従来の気体軸受装置の模式的側面視断面図である。
 以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
 例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
 例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
 例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
 一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
<第1及び第2の実施形態>
 図1は、一実施形態に係る気体軸受装置10(10A)の正面視断面図(図2中のC―C線に沿う断面図)であり、図2は、図1中のA―A線に沿う模式的側面視断面図であり、図3は、図1中のB―B線に沿う模式的側面視断面図である。図4は、別な実施形態に係る気体軸受装置10(10B)の一部を示す正面視断面図(図5中のE―E線に沿う断面図)であり、図5は、図4中のD―D線に沿う模式的側面視断面図である。
 図1~図5に示す気体軸受装置10(10A、10B)において、回転機械(不図示。例えば、電動コンプレッサ、過給機等)に設けられた回転軸102はハウジング12の内部に収容され、回転軸102の外周面と回転軸102の周囲に設けられるハウジング12の内周面12aとの間に環状隙間Sが形成されている。環状隙間Sの内側領域に回転軸102を囲むようにトップフォイル20が設けられ、トップフォイル20の外側にトップフォイル20を囲むようにバックアップフォイル部材30が設けられている。
 図1及び図4に図示された実施形態では、回転軸102は、軸方向に沿って延在する中心軸線Oを中心として矢印a方向に回転する。
 なお、図1~図12において、矢印b方向は回転軸102の軸方向を示し、矢印c方向は回転軸102の周方向(以下、単に「周方向」とも言う。)を示している。
 図1に示されるように、トップフォイル20は、断面視において、回転軸102の周方向に沿って延在する円弧部22と、円弧部22の一端から径方向外側に沿って延在する被固定部24とを含んでいる。円弧部22は、周方向の大部分の領域に延在し、例えば、全円周領域を100%としたとき、75~95%の領域に延在する。円弧部22の一端22cと他端22dとの間には合口部(隙間)xが形成されている。そして、トップフォイル20は、回転軸102の軸方向に沿って延在しており、合口部xを除いて略円筒形状に形成されている。円弧部22の内周面22aは軸受面を形成し、回転軸102の外周面と円弧部22の内周面22aとの間に気体膜が形成されて回転軸102を潤滑支持している。被固定部24は、回転軸102の径方向に沿って延在し、その端部24aは、ハウジング12の内周面12aに形成された溝部16に挿入されている。
 バックアップフォイル部材30は、トップフォイル20の外側からトップフォイル20を囲むように設けられ、トップフォイル20を弾性的に支持するように構成されている。トップフォイル20は、回転軸102とトップフォイル20との間に形成される気体膜がトップフォイル20の内周面22aに作用する圧力に応じて回転軸102の径方向に変形し、バックアップフォイル部材30は、変形するトップフォイル20を弾性的に支持することにより、上記気体膜が回転軸102とトップフォイル20との間に保持される。
 バックアップフォイル部材30は、回転軸102の軸方向における中心位置Pcを少なくとも含む中央側領域Rcを構成する中央側バックアップフォイル34と、中央側領域Rcに対して軸方向両側に位置する端部側領域Reを構成する端部側バックアップフォイル36(36a、36b)と、で構成されている。中心位置Pcは、軸方向において、バックアップフォイル部材30の一端から他端までの長さを2等分する位置である。中央側バックアップフォイル34は、板状のバックアップフォイル32が2層以上積層されて構成され、端部側バックアップフォイル36は、単層のバックアップフォイル32又は中央側バックアップフォイル34を構成する複数層のバックアップフォイル32の枚数よりも枚数が少ない複数層のバックアップフォイル32で構成されている。
 一実施形態では、トップフォイル20は、0.1~0.2mmの板厚を有し、バックアップフォイル32はトップフォイル20の板厚より大きい板厚を有する。
 これらの実施形態によれば、中央側バックアップフォイル34及び端部側バックアップフォイル36におけるバックアップフォイル32の夫々の積層数を中央側バックアップフォイル34のほうが多くなるように調整することで、中央側バックアップフォイル34の曲げ剛性を端部側バックアップフォイル36の曲げ剛性より大きくすることができる。これによって、中央側領域Rcでトップフォイル20を支持する中央側バックアップフォイル34の支持強度を、端部側領域Reでトップフォイル20を支持する端部側バックアップフォイル36の支持強度より高めることができる。そのため、気膜圧力によって中央側領域Rcのトップフォイル20が中央側バックアップフォイル34側に変形するのを抑制できる。これによって、トップフォイル20の端部側領域Reが回転軸102側に反り返る変形を抑制できるため、端部側領域Reにおけるトップフォイル20が回転軸102に接触して摩耗し又は損傷するのを防止できる。
 また、バックアップフォイル部材30を構成するバックアップフォイル32の積層数を調整することにより、バックアップフォイル部材30の軸方向における中央側及び端部側の各領域の曲げ剛性を調整できるため、個々のバックアップフォイル32の板厚調整が不要になる。従って、バックアップフォイル32の加工が容易になる。さらに、バックアップフォイル32を複数層に配置する場合、これら複数層間に発生する摩擦によって、バックアップフォイル部材30の曲げ剛性を効率良く増加できる。
 図12は、比較例として、従来の気体軸受装置100の一部を示す模式的側面視断面図である。気体軸受装置100は、回転軸102がハウジング112の内部に収容され、回転軸102とハウジング112の内周面112aとの間に環状隙間Sが形成される。そして、気体軸受装置100は、回転軸102を囲むように設けられたトップフォイル120と、トップフォイル120の外側にトップフォイル120を囲むように設けられ、波状に曲げ加工されたバックアップフォイル部材130と、を備えている。バックアップフォイル部材130は、板厚が軸方向に沿って均一の1枚のバックアップフォイルからなり、軸方向において均一な曲げ剛性を有している。
 気体軸受装置100において、回転軸102とトップフォイル120との間に気体膜が形成され、該気体膜からトップフォイル120に加わる気膜圧力は、軸方向において中央側領域で高い圧力分布Pdとなる。そのため、トップフォイル120の軸方向における中央側領域Rcはバックアップフォイル部材130側に押され、逆に端部側領域Reが、図12中の符号120’で示すように、回転軸102側に反る変形が発生する。これによって、トップフォイル120の端部側領域Reが回転軸102に接触して摩耗し又は損傷するおそれがある。
 図1に図示される実施形態では、バックアップフォイル部材30を構成するバックアップフォイル32の各々は、断面視において、回転軸102の周方向に沿って延在する凹凸形成部38と、凹凸形成部38の一端から回転軸102の径方向外側に延在し、端部40aが溝部16に挿入される被固定部40とを含んでいる。凹凸形成部38は、周方向の大部分の領域に延在し、例えば、全円周領域を100%としたとき、75~97%の領域に延在し、凹凸形成部38側の端部38aとトップフォイル20の被固定部24との間に隙合口部(隙間)yが形成されている。そして、バックアップフォイル32の各々は、回転軸102の軸方向に沿って延在しており、隙間yを除いて略円筒形状に形成されている。バックアップフォイル32の被固定部40側の端部40aは溝部16に挿入されている。
 図2及び図3に図示される実施形態では、中央側バックアップフォイル34は、内側バックアップフォイル32aと、回転軸102に対して内側バックアップフォイル32aの外側に配置された外側バックアップフォイル32bとが2層に積層されて構成され、両端部側バックアップフォイル36は、外側バックアップフォイル32bのみの単層のバックアップフォイル32で構成されている。
 なお、中央側バックアップフォイル34及び端部側バックアップフォイル36に用いられるバックアップフォイル32の積層数は上記実施形態に限定されない。即ち、別な実施形態では、端部側バックアップフォイル36が複数層のバックアップフォイル32で構成され、中央側バックアップフォイル34が、端部側バックアップフォイル36におけるバックアップフォイル32の積層数より多い積層数のバックアップフォイル32で構成される。
 図1及び図4に図示される実施形態では、各々のバックアップフォイル32の凹凸形成部38は、回転軸102の周方向に沿って凹凸が繰り返すように曲げ加工されている。個々の凹凸は軸方向に沿って延在し、かつ回転軸102の径方向に向かって突出又は後退するように屈曲して山谷を形成している。この山谷は、図1及び図4に図示された実施形態では、サインカーブのような波状に形成されているが、別な凹凸形状であってもよい。例えば、矩形状の凹凸であってもよいし、あるいは放物線のような形状をしていてもよい。このように形成された凹凸の山部41がトップフォイル20の背面に接し、谷部42がハウジング12の内周面12aに接するように配置され、トップフォイル20を弾性的に支持している。
 図1~図5に図示される気体軸受装置10(10A、10B)では、ハウジング12の内周面12aに軸方向に沿って延在する溝部16が形成されている。トップフォイル20の被固定部24側の端部24a及びバックアップフォイル32の被固定部40側の端部40aは、夫々溝部16に挿入されて溝部16に固定される。これら端部24a及び40aを溝部16に固定する手段として、例えば、図1及び図4に図示されるように、溝部16の形状及び寸法に合った形状及び寸法のスペーサ18を溝部16に圧入して固定する。
 トップフォイル20及びバックアップフォイル部材30は、上述のように端部24a及び40aが溝部16に固定されるとともに、スナップリング(不図示)などの軸方向の移動を抑制する手段によって軸方向位置が規制されている。
 図1及び図4に図示される実施形態では、トップフォイル20の端部22dと、各々のバックアップフォイル32の端部38aは自由端となっている。このため、トップフォイル20は、回転軸102との間に形成される気体膜から受ける気膜圧力に対してさらに自由に変形でき、バックアップフォイル部材30は、変形するトップフォイル20の変形にさらに柔軟に対応して弾性的に支持できる。
 図1~3に図示される気体軸受装置10Aでは、外側バックアップフォイル32bは、中央側領域Rcから端部側領域Reまで一体のバックアップフォイル32で形成されている。これによって、バックアップフォイル部材30の製造工程を簡素化でき、かつ環状隙間Sに配設するときのハンドリングが容易になる。
 一実施形態では、図4及び図5に示されるように、中央側バックアップフォイル34を構成する複数のバックアップフォイル32の各々と、端部側バックアップフォイル36(36a、36b)を構成するバックアップフォイル32の各々とは、互いに別体に構成されている。即ち、図4及び図5に図示される気体軸受装置10Bでは、中央側バックアップフォイル34を構成する2層のバックアップフォイル32の内、回転軸102に近い側に配置されている内側バックアップフォイル32aは、中央側領域Rcだけに配置される。内側バックアップフォイル32aの外側に積層される外側バックアップフォイルは、中央側領域Rcに配置されたバックアップフォイル32d、及び両端部側領域Reに配置されたバックアップフォイル32c及び32eを含み、バックアップフォイル32c、32d及び32eの各々は、別体に構成されている。
 また、バックアップフォイル部材30の凹凸形成部38を構成するバックアップフォイル32の各々は、上述のように、周方向に沿って凹凸が繰り返すように曲げ加工されて山部41及び谷部42を形成している。さらに、中央側バックアップフォイル34の凹凸形成部38を構成するバックアップフォイル32の凹凸のピッチは、端部側バックアップフォイル36の凹凸形成部38を構成するバックアップフォイル32の凹凸のピッチより小さく形成されている。
 この実施形態によれば、中央側バックアップフォイル34の凹凸形成部38を構成するバックアップフォイル32の各々の凹凸のピッチを端部側バックアップフォイル36の凹凸形成部38を構成するバックアップフォイル32の各々の凹凸のピッチより小さくすることで、図1~図3に図示された実施形態と比べて、端部側バックアップフォイル36の曲げ剛性に対して中央側バックアップフォイル34の曲げ剛性をさらに大きくすることができる。これによって、トップフォイル20の端部側領域Reの回転軸102側への反り返りをさらに効果的に抑制できる。また、中央側バックアップフォイル34及び端部側バックアップフォイル36を構成するバックアップフォイル32は、夫々別体に構成されているため、互いに異なるピッチの凹凸を形成する加工が容易である。
 図4及び図5に図示されている実施形態において、例えば、端部側バックアップフォイル36を構成するバックアップフォイル32c及び32eと、中央側バックアップフォイル34を構成するバックアップフォイル32a及び32dとは、必ずしも同一の板厚でなくてもよい。即ち、端部側バックアップフォイル36を構成するバックアップフォイル32c及び32eの各々の板厚が中央側バックアップフォイル34を構成するバックアップフォイル32a及び32dの板厚の合計値より少なければよい。これによって、中央側バックアップフォイル34の曲げ剛性を端部側バックアップフォイル36の曲げ剛性より大きくすることができるため、トップフォイル20の端部側領域Reの回転軸102側への反り返りを抑制できる。
 さらに、図4及び図5に図示されている実施形態において、中央側バックアップフォイル34を構成する内側バックアップフォイル32aと外側バックアップフォイル32dとは、軸方向において同一長さを有しているが、両者は軸方向において異なる長さを有していてもよい。
 また、図4及び図5に図示されている実施形態では、内側バックアップフォイル32aと外側バックアップフォイル32dとは、両端面が軸方向において同一位置にあるが、該両端面は軸方向において互いに異なる位置にあってもよい。
 また、図5に図示される実施形態では、端部側バックアップフォイル36を構成するバックアップフォイル32c及び32eは、山部41がトップフォイル20の背面22bに接し、かつ谷部42がハウジング12の内周面12aに接するような凹凸形状を有している。この実施形態においても、中央側バックアップフォイル34の曲げ剛性を端部側バックアップフォイル36の曲げ剛性より大きくできる。
 一実施形態では、中央側バックアップフォイル34及び端部側バックアップフォイル36(36a、36b)を構成するバックアップフォイル32の各々は、軸方向に亘り同一の板厚を有するバックアップフォイル32で構成される。
 即ち、図1~図3に図示される気体軸受装置10Aでは、バックアップフォイル32a及び32bは少なくとも軸方向に沿って同一の板厚を有し、図4及び図5に図示される気体軸受装置10Bでは、バックアップフォイル32a、32c、32d及び32eは少なくとも軸方向に沿って同一の板厚を有する。
 この実施形態によれば、中央側バックアップフォイル34及び端部側バックアップフォイル36を構成するバックアップフォイル32を製造する場合に、板厚が均一な板材を用い、切断などの簡易な加工ですべてのバックアップフォイル32を製造でき、板厚調整が不要になる。従って、バックアップフォイル部材30の製造がさらに容易になる。
 一実施形態では、トップフォイル20の内の中央側領域Rcを形成し、中央側バックアップフォイル34によって支持される中央側トップフォイル26の軸方向の曲げ剛性が、周方向の曲げ剛性より大きくなるように構成されている。
 この実施形態によれば、中央側トップフォイル26の軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きいため、中央側トップフォイル26の内周面(軸受面)22aに加わる気膜圧力による中央側トップフォイル26の変形を抑制できる。これによって、トップフォイル20の端部側領域Reが回転軸102側に反り返る変形を小さく抑えることができる。
 別な実施形態では、トップフォイル20は、中央側トップフォイル26のみならず、端部側領域Reにおいても、軸方向の曲げ剛性を周方向の曲げ剛性より大きくするように構成される。これによって、トップフォイル20の軸方向の曲げ剛性をさらに増加できるため、端部側領域Reの回転軸102側への反り返りをさらに有効に抑制できる。
 トップフォイル20の軸方向の曲げ剛性を周方向の曲げ剛性より大きくする手段として、例えば、トップフォイル20を軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きい異方性材料(例えば、CFRP材)で構成する。これによって、特に、軸方向の曲げ剛性を高めるための加工が不要になる。
<トップフォイルの第1変形例>
 図6及び図7は、一実施形態に係るトップフォイル20aの円弧部22のみを展開した正面図及び側面図であり、これらの図において被固定部24の図示は省略されている。
 この実施形態に係るトップフォイル20aは、少なくとも中央側トップフォイル26を構成する円弧部22が、周方向の少なくとも一部において周方向に沿って凹凸23を有する凹凸形状に形成される。このように、中央側トップフォイル26の円弧部22を凹凸形状に形成するという簡易な曲げ加工によって、中央側トップフォイル26の軸方向の曲げ剛性を周方向の曲げ剛性より大きくすることができる。そのため、トップフォイル20aを構成する材料の選択の自由度を広げることができ、安価な材料を用いることが可能になるため、低コスト化できる。
 図6及び図7に図示される実施形態では、円弧部22の周方向の全領域において凹凸形状が形成される。これによって、円弧部22の曲げ剛性をさらに増加できる。
 また、図6及び図7に図示される実施形態は、凹凸23が、中央側領域Rcだけでなく、端部側領域Reの円弧部22にも形成されている。これによって、トップフォイル20aの曲げ剛性を最大限に増加できる。
 図6及び図7に示されるように、トップフォイル20aの円弧部22は、矢印b方向が回転軸102の軸方向となるように環状隙間Sに配置され、矢印c方向が回転軸102の周方向となるように環状隙間Sに配置される。
 図6及び図7に図示されるトップフォイル20aの円弧部22では、個々の凹凸23は軸方向に沿って延在する凹凸であり、かつ回転軸102の径方向に向かって突出又は後退して山谷を形成している。凹凸23の形状は、図6及び図7に図示されるように、平坦面で構成される矩形状の凹凸であってもよく、あるいは別な形状の凹凸であってもよい。例えば、サインカーブのような波状の凹凸であってもよいし、あるいは放物線のような形状の凹凸であってもよい。
<第3の実施形態>
<トップフォイルの第2変形例>
 図8は、一実施形態に係るトップフォイル20bの円弧部22の背面22bを展開した正面図であり、図9は、トップフォイル20bを備える気体軸受装置10Cの一部を拡大した正面視断面図である。
 この実施形態に係るトップフォイル20bは、中央側トップフォイル26の円弧部22の背面22b(中央側バックアップフォイル34に面する面)に複数の棒状部材50が設けられている。複数の棒状部材50の各々は、軸方向(矢印b方向)に沿って延在し、周方向に沿って離散して配置されている。この実施形態では、棒状部材50を備えることで、中央側トップフォイル26の軸方向の曲げ剛性を周方向より増加できる。これによって、トップフォイル20の端部側領域Reが回転軸102側に反り返る変形を効果的に抑制できる。
 この実施形態では、棒状部材50は中央側トップフォイル26の円弧部22の背面22bだけに設けられているが、別な実施形態では、中央側領域Rc及び端部側領域Reを含めた円弧部22の背面22bの全域に亘って設けてもよい。これによって、トップフォイル20bの軸方向の曲げ剛性全体をさらに増加できる。
 棒状部材50の横断面は、例えば、円形又は矩形、もしくはその他の形状を有する。
 また、図8に図示された実施形態では、複数の棒状部材50は、回転軸102の軸方向(矢印b方向)に沿ってほぼ平行に延在するように配置されているが、回転軸102の軸方向に対して多少傾いていてもよい。例えば、軸方向に対して30°以内の傾きで取り付けられる。
 図9に図示される実施形態では、中央側バックアップフォイル34の凹凸形成部38の山部41が中央側トップフォイル26の円弧部22の背面22bに接し、中央側バックアップフォイル34の谷部42がハウジング12の内周面12aに接するように配置されている。そして、複数の山部41の間の周方向中間位置(例えば、山部41間の距離をほぼ2等分する位置)で、中央側トップフォイル26の円弧部22の背面22bに各棒状部材50が軸方向に沿って延在するように配置されている。この実施形態によれば、中央側バックアップフォイル34の凹凸形成部38と干渉することなく、中央側トップフォイル26の円弧部22の背面22bに棒状部材50を配設できる。
 一実施形態では、図8に示される気体軸受装置10Cにおいて、複数の棒状部材50は、中央側トップフォイル26の円弧部22を構成する材料の熱膨張係数より小さい熱膨張係数をもつ材料で構成されている。
 この実施形態によれば、棒状部材50の熱膨張係数が中央側トップフォイル26の円弧部22の熱膨張係数より小さいために、気体軸受装置10Cを備える回転機械(不図示)が稼動し、気体軸受装置10Cが非稼動時(常温)より昇温すると、中央側トップフォイル26の円弧部22と棒状部材50との熱膨張係数の違いにより、中央側トップフォイル26は、特に軸方向端部側において、回転軸102から離れる方向へ反り返る変形を起す。これによって、トップフォイル20bの軸方向端部側領域Reが回転軸102側に反り返る変形が抑制されるため、トップフォイル20bの端部側領域Reが回転軸102に接触するのを抑制できる。
<バックアップフォイル部材の第1変形例>
 一実施形態では、中央側バックアップフォイル34を構成するバックアップフォイル32の各々は、少なくとも凹凸形成部38において、軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きくなるように構成される。
 この実施形態によれば、中央側バックアップフォイル34の軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きいため、中央側トップフォイル26を外側から支持する中央側バックアップフォイル34の支持強度を高めることができる。これによって、トップフォイル20の内周面22a(軸受面)が受ける気膜圧力によって起こる中央側トップフォイル26が回転軸102から離れる方向に変形するのを抑制できる。そのため、トップフォイル20の端部側領域Reが回転軸102側に反り返る変形を抑制でき、これによって、トップフォイル20の端部側領域Reが回転軸102に接触して摩耗し又は損傷するのを抑制できる。
 一実施形態では、中央側バックアップフォイル34を構成するバックアップフォイル32の各々は、少なくとも凹凸形成部38において、軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きい異方性材料(例えば、CFRP材など)で構成される。
 この実施形態によれば、中央側バックアップフォイル34を構成する材料自体が、軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きい異方性材料で構成されるため、中央側バックアップフォイル34の軸方向の曲げ剛性を大きくするための加工が不要になる。そのため、バックアップフォイル部材30の製造を低コスト化できる。
<第4の実施形態>
 図10は、さらに別な実施形態に係る気体軸受装置10Dの模式的正面視断面図であり、気体軸受装置10Aに係る図2に相当する模式的側面視断面図である。
 図10に示されるように、気体軸受装置10Dは、静止時(気体軸受装置10Dを備える回転機械の非稼動時。即ち常温時)において、凹凸形成部38の中央側バックアップフォイル34によって支持される中央側トップフォイル26と回転軸102との間の隙間Gcは、凹凸形成部38の端部側バックアップフォイル36(36a、36b)によって支持される端部側トップフォイル28(28a、28b)と回転軸102との間の隙間Geよりも小さくなるように構成される(Gc<Ge)。
 この実施形態によれば、気体軸受装置10Dを備える回転機械の非稼動時において、端部側トップフォイル28と回転軸102との隙間Geが中央側トップフォイル26と回転軸102との隙間Gcより大きいため、中央側トップフォイル26に加わる気膜圧力による中央側トップフォイル26の変形に起因して端部側トップフォイル28が回転軸102側に反る変形が起っても、トップフォイル20の端部側領域Reが回転軸102に接触するのを抑制できる。
 図10に図示される実施形態は、円弧部22の中央側トップフォイル26の板厚を円弧部22の両端部側トップフォイル28(28a、28b)の板厚より大きく構成し、かつトップフォイル20の背面22bを回転軸102に対してほぼ平行な平坦面としたことで、中央隙間Gc<端部隙間Geとなるように構成した実施形態である。
 中央側トップフォイル26の板厚を両端部側トップフォイル28の板厚より大きく構成する手段として、例えば、トップフォイル20をコーティング剤(例えば、固体潤滑剤など)でコーティング処理し、その際、中央側トップフォイル26と端部側トップフォイル28とでコーティング厚さを変えることで、上記隙間調整を可能にする。
 中央側トップフォイル26の板厚を両端部側トップフォイル28の板厚より大きく構成する別な加工手段として、端部側トップフォイル28のみディンプルなどの凹凸を形成する。これによって、端部側トップフォイル28と回転軸102との間の平均隙間を中央側トップフォイル26の隙間Gcより大きくする。この場合、該凹凸の粗さは、例えば0.01mmのオーダとする。また、凹凸を形成する方法として、ショットピーニング法などを用いることができる。
 別な実施形態では、トップフォイル20が軸方向全域で均一な板厚を有し、かつ端部側トップフォイル28(28a、28b)が中央側トップフォイル26よりも回転軸102から離れた側に反った形状を有することで、中央隙間Gc<端部隙間Geの関係を満たすようにしてもよい。
<第5の実施形態>
 図11は、さらに別な態様に係る気体軸受装置10Eの正面視断面図であり、気体軸受装置10Aに係る図2に相当する模式的側面視断面図である。
 図11に示されるように、気体軸受装置10Eは、図10に示される実施形態と同様に、静止時において、円弧部22の中央側トップフォイル26と回転軸102との間の隙間Gcは、円弧部22の端部側トップフォイル28(28a、28b)と回転軸102との間の隙間Geよりも小さくなるように構成されている(Gc<Ge)。
 さらに、中央側トップフォイル26は、熱膨張係数が異なる内側層44及び外側層46が互いに固着されて構成されている。内側層44は外側層46の内側、即ち、外側層46より回転軸102寄りに形成され、外側層46は内側層44より回転軸102から離れた側で内側層44に積層される。内側層44を構成する材料の熱膨張係数は、外側層46を構成する材料の熱膨張係数より小さい。
 この実施形態によれば、気体軸受装置10Eを備える回転機械(不図示)の稼動中にトップフォイル20が常温から昇温した場合、昇温した中央側トップフォイル26は、内側層44及び外側層46の熱膨張係数の違いにより、図11中の二点鎖線(符号28(28a、28b)’)で示されるように、端部側トップフォイル28(28a、28b)を含むトップフォイル20の軸方向全域の背面22bが回転軸102に対してほぼ平行に変形する。このように、軸方向全域で回転軸102とトップフォイル20との間の隙間を均一化することで、気体軸受装置10Eの軸受機能を良好に保持できる。
 上記実施形態に係る気体軸受装置10Eは、トップフォイル20の内中央側トップフォイル26のみを熱膨張係数が異なる2つの内側層44及び外側層46で構成しているが、別な実施形態では、端部側トップフォイル28(28a、28b)を含めたトップフォイル20の軸方向全域を熱膨張係数が異なる内側層44及び外側層46で構成してもよい。
 図11に図示される実施形態は、中央側トップフォイル26の板厚を端部側トップフォイル28の板厚より大きくすることで、中央隙間Gc<端部隙間Geの関係を満たしているが、別な実施形態では、トップフォイル20が軸方向において均一な板厚を有し、かつ端部側トップフォイル28(28a、28b)が回転軸102から離れた側に反った形状を有していてもよい。
 上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
 1)一態様に係る気体軸受装置は、回転軸(102)の周囲に設けられ、該回転軸(102)との間に環状隙間(S)を形成するハウジング(12)と、前記環状隙間(S)に前記回転軸(102)を囲むように設けられたトップフォイル(20)と、前記環状隙間(S)において前記トップフォイル(20)の外側に前記トップフォイル(20)を囲むように設けられて前記トップフォイル(20)を弾性的に支持するように構成されたバックアップフォイル部材(30)と、を備え、前記バックアップフォイル部材(30)は、前記回転軸(102)の軸方向における中心位置(Pc)を少なくとも含む中央側領域(Rc)に配置される、複数層のバックアップフォイル(32)からなる中央側バックアップフォイル(34)と、前記軸方向において前記中央側領域(Rc)の両側に位置する端部側領域(Re)に配置される、単層又は前記中央側領域(Rc)よりも枚数の少ない複数層のバックアップフォイルからなる端部側バックアップフォイル(36(36a、36b))と、で構成される。
 このような構成によれば、中央側バックアップフォイル(34)及び端部側バックアップフォイル(36)を構成するバックアップフォイル(32)の夫々の枚数を調整するだけで、中央側バックアップフォイル(34)の曲げ剛性を端部側バックアップフォイル(36)の曲げ剛性より大きくすることができると共に、バックアップフォイル部材(30)を構成するバックアップフォイル(32)の板厚調整が不要となるため、バックアップフォイル部材(30)を製造するためのバックアップフォイル(32)の加工が容易になる。
 このように、中央側領域(Rc)におけるトップフォイル(20)に対するバックアップフォイル部材(30)の支持強度を高めることができるため、トップフォイル(20)の中央側領域(Rc)がバックアップフォイル部材(30)側に変形するのを抑制できる。従って、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)側に反り返る変形を抑制できるため、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)に接触して摩耗し又は損傷するのを抑制できる。
 さらに、少なくとも中央側バックアップフォイル(34)を複数層に配置するため、これら複数層間に発生する摩擦によって、中央側バックアップフォイル(34)の曲げ剛性を効率良く増加できる。
 2)別な態様に係る気体軸受装置は、1)に記載の気体軸受装置において、前記中央側バックアップフォイル(34)の各々と、前記端部側バックアップフォイル(36(36a、36b))の各々とは、互いに別体に構成されると共に、前記回転軸(102)の周方向に沿って凹凸形状に形成され、前記中央側バックアップフォイル(34)の各々の凹凸のピッチは、前記端部側バックアップフォイル(36)の各々の凹凸のピッチより小さい。
 このような構成によれば、中央側バックアップフォイル(34)の凹凸のピッチを端部側バックアップフォイル(36)の凹凸のピッチより小さくすることで、中央側バックアップフォイル(34)の曲げ剛性を端部側バックアップフォイル(36)の曲げ剛性と比べてさらに大きくすることができる。また、中央側バックアップフォイル(34)と端部側バックアップフォイル(36)とは、夫々別体に構成されているため、夫々のバックアップフォイルにおいて互いに異なるピッチの凹凸を形成する加工が容易である。
 3)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、1)又は2)に記載の気体軸受装置において、前記中央側バックアップフォイル(34)の各々および前記端部側バックアップフォイル(36(36a、36b))の各々は、同一の板厚を有する。
 このような構成によれば、中央側バックアップフォイル(34)及び端部側バックアップフォイル(36)を構成するすべてのバックアップフォイル(32)は、均一な板厚を有する板材を用いて、切断などの簡易な加工だけで容易に製造できる。
 4)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、1)乃至3)の何れかに記載の気体軸受装置において、前記トップフォイル(20)の内の前記中央側バックアップフォイル(34)によって支持される中央側トップフォイル(26)は、前記軸方向の曲げ剛性が前記回転軸の周方向の曲げ剛性より大きい。
 このような構成によれば、上記中央側トップフォイル(26)は、軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きいため、中央側トップフォイル(26)の軸受面(22a)に加わる気膜圧力による中央側トップフォイル(26)の変形を抑制できる。これによって、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)側に反り返る変形を小さく抑えることができる。
 5)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、4)に記載の気体軸受装置において、前記中央側トップフォイル(26)は、前記周方向の少なくとも一部において前記周方向に沿って凹凸形状に形成される。
 このような構成によれば、中央側トップフォイル(26)を周方向に沿って凹凸形状に形成するという曲げ加工を行うだけで、中央側トップフォイル(26)の軸方向の曲げ剛性を周方向の曲げ剛性より大きくできるため、トップフォイル(20)を構成する材料の選択の自由度を広げることができる。従って、安価な材料を用いることが可能になるため低コスト化できる。
 6)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、4)又は5)に記載の気体軸受装置において、前記中央側トップフォイル(26)の背面(22b)に設けられ、前記軸方向に延在するとともに前記周方向に離散して配置された複数の棒状部材(50)をさらに備える。
 このような構成によれば、中央側トップフォイル(26)の背面(22b)に上記棒状部材(50)を設けることによって、中央側トップフォイル(26)の軸方向の曲げ剛性を高めることができるため、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)側に反り返る変形を効果的に抑制できる。
 7)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、6)に記載の気体軸受装置において、前記複数の棒状部材(50)の熱膨張係数は、前記中央側トップフォイル(26)を構成する材料の熱膨張係数より小さい。
 このような構成によれば、上記棒状部材(50)の熱膨張係数が中央側トップフォイル(26)の熱膨張係数より小さいために、気体軸受装置(10)を備える回転機械が稼動中に昇温すると、中央側トップフォイル(26)と棒状部材(50)との熱膨張係数の違いにより、中央側トップフォイル(26)は、回転軸(102)から離れる方向へ反る変形を起す。これによって、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)側に反る変形が抑制されるため、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)に接触するのを効果的に抑制できる。
 8)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、1)乃至7)の何れかに記載の気体軸受装置において、前記中央側バックアップフォイル(34)の各々は、前記軸方向の曲げ剛性が前記回転軸(102)の周方向の曲げ剛性より大きい。
 このような構成によれば、中央側バックアップフォイル(34)は、軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きいため、中央側トップフォイル(26)を外側から支持する中央側バックアップフォイル(34)の支持強度を高めることができる。これによって、中央側トップフォイル(26)に加わる気膜圧力に対する中央側トップフォイル(26)の変形を抑制できるため、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)側に反る変形を抑制できる。そのため、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)に接触するのを抑制できる。
 9)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、8)に記載の気体軸受装置において、前記中央側バックアップフォイル(34)の各々は、前記軸方向の曲げ剛性が前記回転軸(102)の周方向の曲げ剛性より大きい異方性材料で構成される。
 このような構成によれば、中央側バックアップフォイル(34)は、軸方向の曲げ剛性が周方向の曲げ剛性より大きい異方性材料で構成されるため、中央側バックアップフォイル(34)の軸方向の曲げ剛性を大きくするための加工が不要になるため低コスト化できる。
 10)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、1)乃至9)の何れかに記載の気体軸受装置において、静止時において、前記トップフォイル(20)の内の前記中央側バックアップフォイル(34)によって支持される中央側トップフォイル(26)における前記回転軸(102)との間の隙間(Gc)は、前記トップフォイル(20)の内の前記端部側バックアップフォイル(36(36a、36b))によって支持される端部側トップフォイル(28(28a、28b))における前記回転軸(102)との間の隙間(Ge)よりも小さい。
 このような構成によれば、気体軸受装(10)を備える回転機械の非稼動時において、端部側トップフォイル(28)と回転軸(102)との隙間(Ge)が中央側トップフォイル(26)と回転軸(102)との隙間(Gc)より大きいため、中央側トップフォイル(26)に加わる気膜圧力による中央側トップフォイル(26)の変形に起因して端部側トップフォイル(36)が回転軸(102)側に反る変形が起っても、トップフォイル(20)の端部側領域(Re)が回転軸(102)に接触するのを抑制できる。
 11)さらに別な態様に係る気体軸受装置は、10)に記載の気体軸受装置において、前記中央側トップフォイル(26)は、熱膨張係数が異なる二つの層(44、46)が互いに固着されて構成され、前記二つの層(44、46)の内の内側の層(44)を構成する材料の熱膨張係数は、前記二つの層(44、46)の内の外側の層(46)を構成する材料の熱膨張係数より小さい。
 このような構成によれば、気体軸受装置(10)を備える回転機械の稼動中に気体軸受装置(10)が昇温した場合、昇温した中央側トップフォイル(26)は、上記2つの層(44、46)の熱膨張係数の違いにより、端部側トップフォイル(28)を含むトップフォイル(20)の軸方向全域が回転軸(102)に対してほぼ平行に変形する。このように、軸方向全域で回転軸(102)とトップフォイル(20)との間の隙間を均一化することで、気体軸受装置(10)の軸受機能を良好に保持できる。
 10(10A、10B、10C、10D、10E)、100  気体軸受装置
 12、112  ハウジング
  12a、112a  内周面
 16  溝部
 18  スペーサ
 20(20a、20b)、120、120’  トップフォイル
  22  円弧部
   22a  内周面(軸受面)
   22b  背面
   22c  一端
   22d  他端
   23  凹凸
  24  被固定部
   24a  端部
  26  中央側トップフォイル
  28(28a、28b)  端部側トップフォイル
 30、130  バックアップフォイル部材
  32(32a、32b、32c、32d、32e)  バックアップフォイル
  34  中央側バックアップフォイル
  36(36a、36b)  端部側バックアップフォイル
  38  凹凸形成部
   38a  端部
  40  被固定部
   40a  端部
  41  山部
  42  谷部
  44  内側層
  46  外側層
 50  棒状部材
 102  回転軸
 Gc  中央隙間
 Ge  端部隙間
 O   中心軸線
 Pc  中心位置
 Pd  圧力分布
 Rc  中央側領域
 Re  端部側領域
 S   環状隙間
 x、y  隙間

 

Claims (11)

  1.  回転軸の周囲に設けられ、該回転軸との間に環状隙間を形成するハウジングと、
     前記環状隙間に前記回転軸を囲むように設けられたトップフォイルと、
     前記環状隙間において前記トップフォイルの外側に前記トップフォイルを囲むように設けられて前記トップフォイルを弾性的に支持するように構成されたバックアップフォイル部材と、を備え、
     前記バックアップフォイル部材は、
      前記回転軸の軸方向における中心位置を少なくとも含む中央側領域に配置される、複数層のバックアップフォイルからなる中央側バックアップフォイルと、
      前記軸方向において前記中央側領域の両側に位置する端部側領域に配置される、単層又は前記中央側領域よりも枚数の少ない複数層の前記バックアップフォイルからなる端部側バックアップフォイルと、で構成される、
    気体軸受装置。
  2.  前記中央側バックアップフォイルの各々と、前記端部側バックアップフォイルの各々とは、互いに別体に構成されると共に、前記回転軸の周方向に沿って凹凸形状に形成され、
     前記中央側バックアップフォイルの各々の凹凸のピッチは、前記端部側バックアップフォイルの各々の凹凸のピッチより小さい、
    請求項1に記載の気体軸受装置。
  3.  前記中央側バックアップフォイルの各々および前記端部側バックアップフォイルの各々は、同一の板厚を有する、
    請求項1又は2に記載の気体軸受装置。
  4.  前記トップフォイルの内の前記中央側バックアップフォイルによって支持される中央側トップフォイルは、前記軸方向の曲げ剛性が前記回転軸の周方向の曲げ剛性より大きい、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の気体軸受装置。
  5.  前記中央側トップフォイルは、前記周方向の少なくとも一部において前記周方向に沿って凹凸形状に形成された、
    請求項4に記載の気体軸受装置。
  6.  前記中央側トップフォイルの背面に設けられ、前記軸方向に延在するとともに前記周方向に離散して配置された複数の棒状部材を備える、
    請求項4又は5に記載の気体軸受装置。
  7.  前記複数の棒状部材の熱膨張係数は、前記中央側トップフォイルを構成する材料の熱膨張係数より小さい、
    請求項6に記載の気体軸受装置。
  8.  前記中央側バックアップフォイルの各々は、前記軸方向の曲げ剛性が前記回転軸の周方向の曲げ剛性より大きい、
    請求項1乃至7の何れか一項に記載の気体軸受装置。
  9.  前記中央側バックアップフォイルの各々は、前記軸方向の曲げ剛性が前記回転軸の周方向の曲げ剛性より大きい異方性材料で構成される、
    請求項8に記載の気体軸受装置。
  10.  静止時において、前記トップフォイルの内の前記中央側バックアップフォイルによって支持される中央側トップフォイルにおける前記回転軸との間の隙間は、前記トップフォイルの内の前記端部側バックアップフォイルによって支持される端部側トップフォイルにおける前記回転軸との間の隙間よりも小さい、
    請求項1乃至9の何れか一項に記載の気体軸受装置。
  11.  前記中央側トップフォイルは、熱膨張係数が異なる二つの層が互いに固着されて構成され、前記二つの層の内の内側の層を構成する材料の熱膨張係数は、前記二つの層の内の外側の層を構成する材料の熱膨張係数より小さい、
    請求項10に記載の気体軸受装置。

     
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