WO2023157475A1 - 回折格子の製造方法および回折格子 - Google Patents

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Abstract

回折格子の性能を向上させる。その手段として、(a)第1面および当該第1面の反対側の第2面を備えた基板を用意する工程、(b)基板の第1面上に、基板側とは反対側の第3面に正弦波状の第1溝を備えたフォトレジスト膜を形成する工程、(c)無電解めっき法を用いて、フォトレジスト膜の第3面上に、正弦波状の第1溝を埋め込む反射金属膜を形成する工程、を有し、反射金属膜を備えた回折格子を形成する、回折格子の製造方法を用いる。

Description

回折格子の製造方法および回折格子
 本発明は、回折格子の製造方法および回折格子に関し、特に、シリコンウエハに塗布したフォトレジスト上に形成した回折格子の溝形状を金属膜に転写する製造方法において、溝形状を忠実に再現することに好適な回折格子の製造方法に関する。
 回折格子は分析装置の分光器などに使用されている、様々な波長の混ざった光(白色光など)を狭帯域の波長毎に分ける光学素子であり、表面に反射膜が蒸着された光学材料表面に微細な溝が刻まれたものである。
 回折格子には、例えばブレーズド(鋸歯波状)回折格子、正弦波状回折格子およびラミナー回折格子がある。ブレーズド回折格子は、金属膜を成膜したガラス基板にルーリングエンジン等の加工機械で溝を1本ずつ刻線することでマスタ回折格子を作成し、刻線した溝形状を樹脂、金属に転写することで製造される。正弦波回折格子の製造方法については、フォトリソグラフィー技術を用いた方法が、例えば、特許文献1(特開2003-172639号公報)に開示されている。
 正弦波状回折格子の波長分解性能は回折格子に刻まれている溝の刻線本数(1mmあたりの溝本数)によって決まるため、装置の波長分解能を上げるためには刻線本数の多い回折格子が必要となる。
 また、ラミナー回折格子はブレーズド回折格子および正弦波回折格子に比べて回折効率が低いため、軟X線、真空紫外領域で使用する回折格子には高効率化が求められている。
特開2003-172639号公報
 従来のルーリングエンジンなどの機械加工を用いた方法では、工具を用いて溝1本ずつ刻線する。このため製造に時間が掛かることが課題であった。刻線できる溝形状は工具によって決まるため、刻線本数が多い正弦波状回折格子の製作は困難である。また、従来のレプリカ技術を用いて金属膜に形状を転写しようとした場合、アスペクト比の高い正弦波状溝の底には金属が入らず、溝の転写は困難である。正弦波状溝の底に金属が入らない場合、反射金属膜の表面の溝の形状が正弦波状とならず変形しているため、回折効率が低下する。
 本発明はこのような課題を解決するために想起されたものであり、本発明の目的は、回折格子の性能を向上させることにある。
 本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
 一実施の形態である回折格子の製造方法は、(a)第1面および当該第1面の反対側の第2面を備えた基板を用意する工程、(b)前記基板の前記第1面上に、前記基板側とは反対側の第3面に正弦波状の第1溝を備えたフォトレジスト膜を形成する工程、(c)無電解めっき法を用いて、前記フォトレジスト膜の前記第3面上に、前記正弦波状の第1溝を埋め込む第1金属膜を形成する工程、を有し、前記第1金属膜を備えた回折格子を形成するものである。
 また、一実施の形態である回折格子は、基板と、前記基板上に形成され、前記基板側とは反対側の表面に正弦波状の溝を備えた第1金属膜と、を有し、前記第1金属膜の前記正弦波状の溝の溝幅は、100nm以下であるものである。
 本発明によれば、回折格子の性能を向上できる。
実施の形態1に係る回折格子の製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るフォトレジスト膜に溝を形成する製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るフォトレジスト膜に溝を形成する製造方法を示す断面図である。 図3に続く製造方法を示す断面図である。 図4に続く製造方法を示す断面図である。 図5に続く製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係る回折格子の製造方法を示す断面図である。 図7に続く製造方法を示す断面図である。 図8に続く製造方法を示す断面図である。 図9に続く製造方法を示す断面図である。 図10に続く製造方法を示す断面図である。 図11に続く製造方法を示す断面図である。 図12に続く製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係るフォトレジストに熱を加えてフォトレジストを変形させる製造方法を示す図である。 図14に続く製造方法を示す断面図である。 実施の形態2に係る回折格子の製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る回折格子の製造方法を示す断面図である。 図17に続く製造方法を示す断面図である。 ブレーズド回折格子の溝断面形状の概略図である。 正弦波状回折格子の溝断面形状の概略図である。 ラミナー回折格子の溝断面形状の概略図である。 フォトレジストで製作した正弦波状の溝に反射金属膜が均一に成膜した状態を示す図である。 フォトレジストで製作した正弦波状の溝に反射金属膜が先端集中して成膜した状態を示す図である。 フォトレジストで製作した正弦波状の溝に反射金属膜が均一に成膜した場合、およびフォトレジストで製作した正弦波状の溝に反射金属膜が均一に成膜した場合の回折効率を示すグラフである。
 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
 <改善の余地>
 以下に、図19~図24を用いて、改善の余地の詳細について説明する。
 回折格子は、刻まれている溝の形状によりいくつかの種類に分類される。初めにブレーズド(鋸歯波状)回折格子について説明する。図19にブレーズド回折格子201の溝断面形状の概略図を示す。分光光度計など分光分析装置では光源のエネルギーを有効に利用して高いS/N比で計測を行うことが求められるため、特定の回折次数の回折光のみを効率的によく取り出すことができる反射型のブレーズド回折格子が好んで用いられる。ブレーズド回折格子を製造する方法としては、金属膜を成膜したガラス基板にルーリングエンジン等の加工機械で溝を1本ずつ刻線することでマスタ回折格子を作成し、刻線した溝形状を樹脂、金属に転写することが考えられる。
 次に正弦波状回折格子について説明する。図20に正弦波状回折格子202の溝断面形状を示す。正弦波状回折格子は広い波長範囲で回折効率がブロードであること、および、回折効率のピーク波長が溝深さと溝幅で決定されるなど、ブレーズド回折格子とは異なる光学特性をもつ。正弦波状回折格子は高周波誘導プラズマ(Inductively Coupled Plasma、以下の文章ではICPと省略する)発光分光装置などに使用される。ICP発光分光装置の波長分解能は回折格子に刻まれている溝の刻線本数(1mmあたりの溝本数)によって決まるため、装置の波長分解能を上げるためには刻線本数の多い回折格子が必要となる。
 次にラミナー回折格子について説明する。図21にラミナー回折格子203の溝断面形状の概略図を示す。ラミナー回折格子は波長0.1nm~200nmの軟X線、真空紫外(Vacuum Ultra Violet、以下の文章ではVUVと省略する)領域の反射率が大きいため、軟X線、VUV用の分光器またはその波長帯での材料分析などの研究用途に使用されている。ラミナー回折格子はブレーズド回折格子および正弦波回折格子などに比べて回折効率が低いため、軟X線、真空紫外領域で使用する回折格子には高効率化が求められている。すなわち、第1の改善の余地として、回折効率の高い回折格子を実現するという課題がある。
 また、ルーリングエンジンなどの機械加工を用いた方法では、工具を用いて溝1本ずつ刻線する。このため製造に時間が掛かる問題がある。また、軟X線、真空紫外領域で使用する回折格子は刻線本数が多いものである必要がある(例えば10000本/mm以上)。この場合、刻線される溝は微細であるため、正弦波状回折格子を製造することが考えられる。ここで、機械加工を用いた方法では刻線できる溝形状が工具によって決まるため、刻線本数が多い正弦波状回折格子の製作は困難である。また、周知のレプリカ技術を用いて金属膜に形状を転写しようとした場合、アスペクト比の高い正弦波状溝の底には金属が入らず、溝を転写することが困難である。
 すなわち、高アスペクト比の正弦波状溝を回折格子として利用するためには、図22に示すようにフォトレジスト膜101で製作した正弦波状の溝に反射金属膜501を均一に成膜する必要がある。言い換えれば、フォトレジスト膜101の上面の正弦波状の溝に沿って、隙間なく反射金属膜501を埋め込む必要がある。
 これに対し、特許文献1で開示されている方法では、金属膜の成膜に真空蒸着法を用いている。この方法では、例えば、刻線本数が10000本/mm以上、溝幅(ピッチ)が100nm以下となるような回折格子を製造する場合には、図23に示すように反射金属膜501が溝の先端に集中してキノコ状になる。すなわち、フォトレジスト膜101の上面の正弦波状の溝の底部には反射金属膜501が埋め込まれず、反射金属膜501はフォトレジスト膜101の上面の凹凸の先端部分に集中して成膜される。
 図24に、波長と回折効率との関係をグラフで示す。図24の横軸は波長であり、縦軸は回析効率である。図24では、正弦波状の溝に反射金属膜501を均一につけた場合(図22参照)の回折効率を実線で示し、反射金属膜501が溝の先端に集中してキノコ状になった場合(図23参照)の回折効率を破線で示す。図23に示すように、反射金属膜501が溝の先端に集中してキノコ状になった場合には、図23の溝に反射金属膜501を均一につけた場合に比べて、反射金属膜501の表面形状が正弦波状ではなく変形しているため、回折効率が低下する。
 このように、第2の改善の余地として、刻線本数が10000本/mm以上、溝幅が100nm以下となるような回折格子を製造しようとすると、反射金属膜501の表面を正弦波状に形成することが困難であり、回折効率が低下する課題がある。
 そこで、本願の各実施の形態では、上述した改善の余地を解決する工夫を施している。以下では、この工夫を施した実施の形態における技術的思想について説明する。
 (実施の形態1)
 以下、図1~図15を用いて、本実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態でいう回折格子の溝幅(ピッチ)は、回折格子の表面に一方向に並ぶ複数の溝が形成されている場合に、当該方向において繰り返し形成された凹凸の周期を指す。例えば、正弦波回折格子の場合、回折格子の溝幅は、当該方向において隣り合う凸部の中心(頂点)同士の間の距離を指す。
 図1に、本実施の形態である回折格子の製造フローを示す。本実施の形態の回折格子の製造方法は下記に示す、ステップS11~S17で構成される。
 すなわち、まず図7に示すように、基板(シリコン基板)102にフォトレジスト膜101で溝を形成する(ステップS11)。次に、図8に示すように、フォトレジスト膜101に無電解めっき法を用いて反射金属膜(無電解めっき膜)103を成膜する(ステップS12)。次に、図9に示すように、反射金属膜103に接着剤104を塗布する(ステップS13)。次に、図10に示すように、反射金属膜103とガラス基板105を接着する(ステップS14)。次に、図11に示すように、基板102をフォトレジスト膜101から剥離する(ステップS15)。次に、図12に示すように、反射金属膜103に残ったフォトレジスト膜101を除去する(ステップS16)。次に、図13に示すように、反射金属膜103の溝が形成されている面に保護膜106を成膜する(ステップS17)。以上により、本実施の形態の回折格子がほぼ完成する。
 ここで、ステップS11の工程、つまり、表面に正弦波状の溝を有するフォトレジスト膜101の形成工程について、図2~図6を用いて説明する。図2に、フォトレジスト膜101の製造フローを示す。
 ここではまず、図3に示すように、基板102にフォトレジスト膜101を塗布する(ステップS1)。次に、図4に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて矩形の回折格子の溝を形成する(ステップS2)。次に、図5に示すように、フォトレジスト膜101に熱をかけ、溝を変形させる(ステップS3)。次に、図6に示すように、フォトレジスト膜101の最表面に浸水処理を行う(ステップS4)。以上により、表面に正弦波状の溝を有するフォトレジスト膜101を形成する。
 続いて、各ステップの詳細について説明する。
 ステップS1に関し、基板102は、第1面と、第1面の反対側の第2面とを備えたシリコン基板である。フォトレジストは、光または電子線などとの反応方法から、大きく分けてネガ型とポジ型に分けられる。ネガ型は露光されると現像液に対して溶解性が低下し現像後に露光部分が残る。これに対してポジ型では露光されると現像液に対して溶解性が増大し露光部分が現像時に除去される。ステップS1で使用するフォトレジスト膜101については、ネガ型およびポジ型のどちらを使用してもよい。
 ステップS2では半導体の製造に用いられているフォトリソグラフィー技術を用いて溝形状を形成する。フォトリソグラフィー技術では、基板102の上にフォトレジスト(感光性有機物質)膜101を塗布し(ステップS1)、これをフォトマスクに描画したマスクパターンを露光し、現像することでフォトレジスト膜101にマスクパターンの転写を行う(ステップS2)。
 マスクパターンの露光を行う露光装置の波長には248nm(KrFエキシマレーザー)、193nm(ArFエキシマレーザー)などがあるが、ここではどの波長の露光装置を用いてもよく、使用する露光装置の波長に限定はされない。ここでは、フォトレジスト膜101の膜厚および露光装置の露光量を調整し、溝の底面のフォトレジスト膜101が残るように露光を行う。また露光する形状は例えば図14に示すような矩形形状とする。図14には例として矩形形状を示しているが、他の形状の例としては台形形状がある。台形形状の場合にも矩形形状と同様の効果を得ることができる。すなわち、ここでは、フォトレジスト膜101の表面に複数並ぶ矩形または台形の溝を形成する。
 ステップS3では現像後のフォトレジスト膜101の回折格子を加熱してレジストを溶かし、図14に矢印で示す方向にレジストを流動させることによって、フォトレジスト膜101を図15に示すような正弦波状に変形させる。すなわち、フォトレジスト膜101の表面に複数並ぶ矩形または台形の溝を加熱処理により変形させることで、正弦波状の溝を形成する。フォトレジスト膜101を加熱する際には、例えばフォトレジストのガラス転移温度に達するまで加熱を行う。
 ステップS3の加熱装置には、例えば電熱線に電流を流して熱を発生させてプレートを加熱するホットプレート、または、ガス若しくはヒータで加熱室内の空気を熱するオーブンなどを用いる。ただし、フォトレジスト膜101を加熱し流動化できる加熱機構を有している装置であればよく、ホットプレートおよびオーブンに限定はされない。これによりフォトレジスト膜101に形成される正弦波状の溝の頂点と最下面との間の距離、つまり正弦波状の溝の深さは、例えば100nm程度である。
 ステップS4の親水処理には、酸素プラズマを用いたアッシング処理を行う。アッシング処理を行うことにより、カルボニル基、カルボキシル基など官能基(OH基)を有する親水面107を形成できるため、化学的にフォトレジスト膜101の親水性を向上できる。
 ステップS12には自己触媒型の無電解めっき法を用いる。無電解めっき法では溶液中で金属を成膜するため、図23を用いて説明した比較例で真空蒸着法を用いた場合のように、金属膜が凸部の先端に集中することはない。すなわち、無電解めっき法では、フォトレジスト膜101の表面の凹凸に沿って反射金属膜103を均一に成膜できるため、フォトレジスト膜101の表面に作製した正弦波状の溝形状を忠実に再現できる。成膜する反射金属膜103の材料には、例えば金(Au)、銅(Cu)、銀(Ag)などを用いる。
 ステップS13に使用する接着剤104には、例えば、エポキシ樹脂を用いる。
 ステップS14に使用するガラス基板105の材料には、例えば、合成石英ガラスまたはホウケイ酸塩ガラス(BK7)などを用いる。
 ステップS15、S16では、基板102およびフォトレジスト膜101を除去することで、反射金属膜103の正弦波状の面を露出させる。
 ステップS17の保護膜106には、例えば透過波長帯が広く、熱的衝撃や機械的衝撃に耐性のあるフッ化マグネシウムを用いる。保護膜106は、例えば蒸着法で形成できる。例えば、真空紫外(波長110nm~200nm)用回折格子において保護膜にフッ化マグネシウムを保護膜に用いた場合には、金属膜の酸化等の影響による回折効率の低下を防げる。フッ化マグネシウムの回折効率低下を防ぐ効果については、透過波長帯(波長110nm~7500nm程度)であれば紫外、可視、赤外のどの波長帯でも同様の効果を得られる。保護膜106は、このような光に対して透過性を有するものである。
 以上の工程により形成された本実施の形態の回折格子は、図13に示すように、第1面と、第1主面の反対側の第2主面を備えたガラス基板105を有する。ガラス基板105の第1面上には、接着剤104を介して、反射金属膜である反射金属膜103が形成されている。接着剤104側とは反対側の反射金属膜103の面には、ガラス基板105の第1主面に沿う所定の方向に並ぶ複数の凹凸が形成されており、当該凹凸は、凸部と凹部とが繰り返し配置されて正弦波状の溝を構成している。正弦波状の溝が形成された反射金属膜103の面は、保護膜106により覆われている。
 本実施の形態の回折格子は、刻線本数を10000本/mm以上にすることが可能である。すなわち、溝幅(ピッチ)Wは100nm以下である。また、ガラス基板105の第1主面に対して垂直な方向(垂直方向、縦方向)における正弦波状の溝の頂点と最下面との間の距離、つまり正弦波状の溝の深さDは、例えば100nm程度である。
 (実施の形態の効果)
 本実施の形態では、図7に示す正弦波状の溝を備えたフォトレジスト膜101を形成した後、図12に示すように、無電解めっき法により反射金属膜103を形成している。このとき、当該溝の正弦波状の面に沿って反射金属膜103を形成できるため、刻線本数が10000本/mm以上、溝幅が100nm以下である微細な正弦波状の溝を備えた回折格子を実現できる。したがって、回折効率の高い回折格子を実現でき、上述した第1の改善の余地および第2の改善の余地を解消できる。よって、本実施の形態では、回折格子の性能を向上できる。
 (実施の形態2)
 以下、実施の形態2について図16~図18を用いて説明する。図16に、本実施の形態である回折格子の製造フローを示す。
 ここではまず、図7に示すように、基板102にフォトレジスト膜101で溝を形成する(ステップS21)。次に、図8に示すように、フォトレジスト膜101に無電解めっき法を用いて反射金属膜(無電解めっき膜)103を成膜する(ステップS22)。次に、図17に示すように、反射金属膜103上に、電解めっき法を用いて反射金属膜(電解めっき膜)204を成膜する(ステップS22)。この後の工程は、図1に示すステップS13~S17と同様である。すなわち、次に、反射金属膜204に接着剤104を塗布する(ステップS24)。次に、反射金属膜204とガラス基板105を接着する(ステップS25)。次に、基板102をフォトレジスト膜101から剥離する(ステップS26)。次に、反射金属膜103に残ったフォトレジスト膜101を除去する(ステップS27)。次に、図18に示すように、反射金属膜103の溝が形成されている面に保護膜106を成膜する(ステップS28)。以上により、本実施の形態の回折格子がほぼ完成する。
 本実施の形態では、ステップS22でフォトレジスト膜101上に無電解めっき法を用いて反射金属膜103を成膜した後に、ステップS23で反射金属膜103上に反射金属膜204を成膜する点が前記実施の形態1とは異なる。反射金属膜204の材料には、例えば、金(Au)を用いる。電解めっき法を用いて反射金属膜204を成膜することにより、前記実施の形態1に比べて金属膜を厚く成膜することが可能となる。
 金属膜を厚く成膜することにより、例えば軟X線用回折格子では金属膜を透過する軟X線の透過量を低減できるため、回折効率および迷光などの光学性能を向上することが可能となる。
 以上、本発明者らによってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
 本発明は、回折格子の製造方法および回折格子に幅広く利用することができる。
101  フォトレジスト膜
102  基板
103、204、501  反射金属膜
104  接着剤
105  ガラス基板
106  保護膜
107  親水面
201  ブレーズド回折格子
202  正弦波状回折格子
203  ラミナー回折格子

Claims (6)

  1. (a)第1面および当該第1面の反対側の第2面を備えた基板を用意する工程、
    (b)前記基板の前記第1面上に、前記基板側とは反対側の第3面に正弦波状の第1溝を備えたフォトレジスト膜を形成する工程、
    (c)無電解めっき法を用いて、前記フォトレジスト膜の前記第3面上に、前記正弦波状の第1溝を埋め込む第1金属膜を形成する工程、
    を有し、
     前記第1金属膜を備えた回折格子を形成する、回折格子の製造方法。
  2.  請求項1に記載の回折格子の製造方法において、
     前記フォトレジスト膜の前記第3面に接する前記第1金属膜の第4面は、正弦波状の第2溝を有し、
     前記正弦波状の第2溝の溝幅は、100nm以下である、回折格子の製造方法。
  3.  請求項1に記載の回折格子の製造方法において、
    (d)前記(c)工程の後、前記基板および前記フォトレジスト膜を除去することで、前記第1金属膜の第4面を露出する工程、
    (e)前記第1金属膜の前記第4面を覆う保護膜を形成する工程、
    をさらに有し、
     前記保護膜は、フッ化マグネシウムを含む、回折格子の製造方法。
  4.  請求項1に記載の回折格子の製造方法において、
    (f)前記(c)工程の後、電解めっき法を用いて、前記第1金属膜上に第2金属膜を形成する工程、
    をさらに有する、回折格子の製造方法。
  5.  請求項1に記載の回折格子の製造方法において、
     前記(b)工程は、
     (b1)前記基板の前記第1面上に、前記第3面に並ぶ複数の矩形または台形の第3溝を備えた前記フォトレジスト膜を形成する工程、
     (b2)前記フォトレジスト膜を加熱することで複数の前記第3溝を変形させ、これにより前記第3面に正弦波状の前記第1溝を形成する工程、
    を有する、回折格子の製造方法。
  6.  基板と、
     前記基板上に形成され、前記基板側とは反対側の表面に正弦波状の溝を備えた第1金属膜と、
    を有し、
     前記第1金属膜の前記正弦波状の溝の溝幅は、100nm以下である、回折格子。
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