WO2023074739A1 - セラミック焼結体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、セラミック粉末、焼結助剤及びバインダー樹脂を含むグリーンシートを複数積層したグリーンシート積層体を脱脂する工程を備えるセラミック焼結体の製造方法であって、シートの厚み方向に設けられた複数のグリーンシート積層体と、個々のグリーンシート積層体の両面に設けられた仕切り部材とを備えた構造体であり、かつ前記グリーンシート積層体間に設けられた2つの仕切り部材の間には、バインダー樹脂の分解に伴い発生する分解ガスが通過できる空間部が設けられている構造体を準備し、前記脱脂する工程を、前記構造体を加熱することにより行うセラミック焼結体の製造方法である。 本発明によれば、生産効率に優れ、かつ脱脂する際に、グリーンシートの反りや割れ、並びに脱脂残りを抑制することが可能なセラミック焼結体の製造方法を提供することができる。

Description

セラミック焼結体の製造方法
 本発明は、セラミック焼結体の製造方法に関する。
 窒化ケイ素、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素などのセラミック粉末を焼結したセラミック焼結体は、一般に高熱伝導性、高絶縁性、高強度等の優れた特性を有するため、各種工業材料として注目されている。
 例えば、窒化ケイ素焼結体は、電気自動車、水素自動車、ハイブリッド自動車などのエコカーや、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーの分野におけるパワー半導体素子用の絶縁基板などに用いられる。
 セラミック焼結体を得る方法としては、セラミック粉末を顆粒に造粒した後、乾燥プレスにより成形してプレス成形体を得て焼成する方法や、セラミック粉末を湿式成形してグリーンシートを得て、これを脱脂して、焼成する方法などがある。後者のグリーンシートの製造は、セラミック粉末、バインダー樹脂、焼結助剤、及び有機溶媒等をボールミル等で混合して、ドクターブレード法等によりシート成形する方法が一般に採用されている。シート成形後、バインダー樹脂を加熱により分解させて除去する脱脂工程、及びセラミック粉末を焼結するための焼成工程を経て、セラミック焼結体が得られる。
 特許文献1には窒化ケイ素質焼結体に関する発明が記載されており、その製造方法として、脱脂工程及び焼成工程を、生産効率の観点などから、複数のグリーンシート成形体の間に分離材(窒化ホウ素粉末)を介在させて、重ねた状態で行うことが記載されている。このように、複数のグリーンシートを重ねて脱脂工程及び焼成工程を行うことは、特許文献2~4においても記載されている。
国際公開第2019/235593号 国際公開第2021/095843号 特開2020-93978号公報 特開2015-199657号公報
 しかしながら、複数のグリーンシートを重ねて脱脂工程を行う場合、特にグリーンシートの積層枚数が多くなるほど、グリーンシートの反りや割れが発生したり、あるいは脱脂が十分に行われず、脱脂残り(バインダー樹脂の残り)が確認されるなどの不具合が発生することが分かった。
 そこで本発明は、生産効率に優れ、かつ脱脂する際に、グリーンシートの反りや割れ、並びに脱脂残りを抑制し、これにより焼成後の焼結体の反りや割れ並びに脱脂残りによる悪影響を防止することが可能なセラミック焼結体の製造方法を提供することを課題とする。
 本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、グリーンシートを複数積層したグリーンシート積層体を脱脂する工程を備えるセラミック焼結体の製造方法であって、シートの厚み方向に設けられた複数のグリーンシート積層体と、個々のグリーンシート積層体の両面に設けられた仕切り部材とを備え、かつ前記グリーンシート積層体間に設けられた2つの仕切り部材の間には、バインダー樹脂の分解に伴い発生する分解ガスが通過できる空間部が設けられている構造体を準備し、前記脱脂する工程を、前記構造体を加熱することにより行う製造方法によって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
 本発明の要旨は、以下の[1]~[6]である。
[1]セラミック粉末、焼結助剤及びバインダー樹脂を含むグリーンシートを複数積層したグリーンシート積層体を脱脂する工程を備えるセラミック焼結体の製造方法であって、シートの厚み方向に設けられた複数のグリーンシート積層体と、個々のグリーンシート積層体の両面に設けられた仕切り部材とを備え、かつ前記グリーンシート積層体間に設けられた2つの仕切り部材の間には、バインダー樹脂の分解に伴い発生する分解ガスが通過できる空間部が設けられている構造体を準備し、前記脱脂する工程を、前記構造体を加熱することにより行うセラミック焼結体の製造方法。
[2]前記空間部が、2つの仕切り部材の間に設けたスペーサーにより形成されている、上記[1]に記載のセラミック焼結体の製造方法。
[3]前記空間部が、2つの仕切り部材の間に溝付きの板を設けることにより形成されている、上記[1]に記載のセラミック焼結体の製造方法。
[4]前記グリーンシート積層体が、前記グリーンシートを10枚以上40枚未満積層したものである、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
[5]前記仕切り部材が窒化ホウ素板である、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
[6]前記仕切り部材の厚さが1~5mmである、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
 本発明によれば、生産効率に優れ、かつ脱脂する際に、グリーンシートの反りや割れ、並びに脱脂残りを抑制し、これにより焼成後の焼結体の反りや割れ並びに脱脂残りによる悪影響を防止することが可能なセラミック焼結体の製造方法を提供することができる。
本発明における構造体の一実施形態を模式的に示す断面図である。 スペーサーの形状を説明する断面図である。 スペーサーの配置方法を説明する上面図である。 本発明における構造体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 溝付きの板の形状を説明する断面図である。 本発明における構造体の他の実施形態(実施例1及び2で使用した構造体)を模式的に示す断面図である。 本発明における構造体の他の実施形態(実施例3で使用した構造体)を模式的に示す断面図である。 実施例4で使用した構造体を模式的に示す断面図である。 比較例1で使用した構造体の断面及び実験結果を模式的に示す図である。 比較例2で使用した構造体を模式的に示す断面図である。
[セラミック焼結体の製造方法]
 本発明のセラミック焼結体の製造方法は、セラミック粉末、焼結助剤及びバインダー樹脂を含むグリーンシートを複数積層したグリーンシート積層体を脱脂する工程を備えるセラミック焼結体の製造方法であって、シートの厚み方向に設けられた複数のグリーンシート積層体と、個々のグリーンシート積層体の両面に設けられた仕切り部材とを備えた構造体であり、かつ前記グリーンシート積層体間に設けられた2つの仕切り部材の間には、バインダー樹脂の分解に伴い発生する分解ガスが通過できる空間部が設けられている構造体を準備し、前記脱脂する工程を、前記構造体を加熱することにより行うことを特徴とする。
 以下、本発明のセラミック焼結体の製造方法について図面を用いて説明するが、本発明は図面の内容に限定されない。
 本発明のセラミック焼結体の製造方法は、以下説明する特定の構造を有する構造体を作製し、これを用いて脱脂する工程(脱脂工程)を行うことを特徴とする。
 図1には構造体10の断面を模式的に示している。構造体10は、グリーンシートの厚み方向に設けられた複数のグリーンシート積層体11A(図1ではグリーンシート積層体11Aの数は2つ)と、個々のグリーンシート積層体11Aの両面に設けられた仕切り部材12(仕切り部材12a~12d)と、グリーンシート積層体間に設けられた2つの仕切り部材12b及び12cの間に設けられた空間部14により構成されている。該空間部14は、2つの仕切り部材12b及び12cの間に設けられたスペーサー13により形成されている。
 グリーンシート積層体11Aは、セラミック粉末、焼結助剤及びバインダー樹脂を含むグリーンシート11aを複数積層したものである。図1では、具体的にはグリーンシート11aを10枚積層してグリーンシート積層体11Aを形成させている。
 このように、複数のグリーンシート11aを積層したグリーンシート積層体11Aを複数用いて脱脂工程を行うことで、一度に多くのグリーンシートを脱脂して、焼成できるため生産効率が向上する。しかしながら、このように多数のグリーンシートを一度に脱脂する際に、従来開示されていた方法を適用すると、グリーンシートの反りや割れ、並びに脱脂残りなどの不具合が発生しやすいという問題があった。
 ところが、本発明によれば、生産効率に優れ、かつ脱脂する際に、グリーンシートの反りや割れ、並びに脱脂残りを抑制することが可能となる。
 本発明がこのような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように推定される。従来の方法では、グリーンシートを脱脂する際に、グリーンシートの数が多いため、バインダー樹脂の分解に起因して生じる分解ガスが原因で、グリーンシートの反りや割れなどの形状変化、並びに脱脂残りが生じていたものと考えられる。一方本発明では、分解ガスが発生しても、該分解ガスが空間部14により構造体10の外部に排出されるため、分解ガスに起因する不具合が生じないものと推察される。
<スペーサー>
 空間部14は、2つの仕切り部材の間に設けた複数のスペーサー13により形成されている。
 スペーサー13の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.1~5mmであり、より好ましくは0.5~3mmである。スペーサーの厚みがこれら下限値以上であると、形成される空間部14の体積が大きくなり、脱脂工程における分解ガスの排出が効果的に行われ、グリーンシートの割れや反り、並びに脱脂残りが抑制されやすくなる。一方で、スペーサーの厚みがこれら上限値以下であると、構造体10全体のサイズを小さくでき、生産性が向上する。
 スペーサー13が配置される領域(面積)については特に限定されないが、例えば、仕切り部材12cの一方の面(スペーサー13が配置される面)全体の面積に対して、スペーサー13が配置される面積の割合が例えば10~80%、好ましくは15~60%、より好ましくは20~40%とするとよい。スペーサー13が配置される面積の割合がこれら上限値以下であると、空間部14の体積が大きくなり、脱脂工程における分解ガスの排出が効果的に行われ、グリーンシートの割れや反り、並びに脱脂残りが抑制されやすくなる。一方、スペーサー13が配置される面積の割合がこれら下限値以上であると、スペーサーにより仕切り部材を安定的に保持しやすくなり、グリーンシートの形状が安定化しやすくなる。
 スペーサー13は、仕切り部材12b及び12cに接触するように配置される。スペーサー13の形状は、図2に示す13aのように平板であってもよいし、13b~13dのように平板の両面に溝が形成されていてもよい。溝が形成されたスペーサーを用いると、空間部だけでなく、溝の部分からも分解ガスの排出が行われるため、グリーンシートの割れや反り、並びに脱脂残りが抑制されやすくなる。
 溝の形状は特に限定されるものではないが、例えば、図2の13bのような断面V字型、13cのような断面U字型、13dのような断面凹型などの形状が例示される。溝は、分解ガスの排出を効果的に行う観点から、スペーサーの一端から他端まで連続的に形成されていることが好ましい。
 なお、図2の13b~13dは、スペーサーの両面に溝が形成されているが、片面にのみ溝が形成されているスペーサーであってもよい。分解ガスの排出を効率的に行う観点からは、両面に溝が形成されているスペーサーが好ましい。
 スペーサー13の配置方法は特に限定されないが、例えば以下の態様が例示される。図3には、仕切り部材12上にスペーサーを配置する態様を模式的に示す上面図を示す。例えば、図3の左図に示すように、スペーサーが設けられる仕切り部材12の表面に、細長板状のスペーサー13をその長手方向に対して垂直方向に複数並べて配置することができる。また、別の態様として、図3の右図に示すように、略正方形の板状のスペーサー13を仕切り部材12の表面の中央部に一個と、該中央部に配置されたスペーサー13から略等距離に、仕切り部材12の右上部、左上部、右下部、左下部にそれぞれスペーサー13を一個ずつ、計5つのスペーサー13を配置することができる。
 なお、図3に示したスペーサーの配置方法や、スペーサーの形状は一例であって、本発明は、図3に示す態様に限定されるものではない。
 スペーサーは、特に限定されないが、仕切り部材と同じ材質のものを使用することが好ましい。スペーサーは、窒化ホウ素板、窒化ケイ素板などのセラミック製であることが好ましく、中でも窒化ホウ素板であることがより好ましい。スペーサーが窒化ホウ素板であると、耐熱性に優れるため、脱脂工程及び焼成工程を連続して実施しやすくなる。
<仕切り部材>
 本発明における構造体は、グリーンシート積層体の両面に設けられる仕切り部材を備えている。仕切り部材は、グリーンシート積層体の両面に接触するように設けられており、脱脂工程及び焼成工程においてグリーンシートの形状を適切に保持する。また、脱脂工程及び焼成工程は、カーボン材により構成された容器内で行われることが多く、仕切り部材により、該カーボン材とグリーンシートとの接触を防ぐことができる。
 仕切り部材の材質は、窒化ホウ素板、窒化ケイ素板などのセラミック製であることが好ましく、中でも窒化ホウ素板であることがより好ましい。仕切り部材が窒化ホウ素板であると、耐熱性に優れるため、脱脂工程及び焼成工程を連続して実施しやすくなる。また、窒化ホウ素板は、グリーンシートに含有される窒化ケイ素などのセラミック粉末と反応しにくいことからも、仕切り部材として好適に使用される。
 仕切り部材の厚さは、好ましくは1~5mmであり、より好ましくは2~3mmである。仕切り部材の厚さが、これら下限値以上であると仕切り部材がグリーンシートの形状を保持し、グリーンシートとカーボン材との接触を防止し易くなる。仕切り部材の厚さがこれら上限値以下であると、構造体全体のサイズを小さくでき、生産性が向上する。また、仕切り部材の厚さがこれら上限値以下であると、例えば仕切り部材が窒化ホウ素板である場合には、窒化ホウ素板が多孔質体であることにより、グリーンシートから生じる分解ガスが仕切り部材内部を通過して、空間部に移動しやすくなり、構造体外部へ分解ガスを排出しやすくなる。そのため、グリーンシートの割れや反りを高度に抑制し、脱脂残りも抑制されやすくなる。そのため、仕切り部材は窒化ホウ素板であることが特に好ましい。
 仕切り部材のサイズ(幅、長さ)は特に制限されないが、幅は170~230mm程度であり、長さは220~300mm程度である。
<溝付きの板>
 図1では、2つの仕切り部材の間に設けたスペーサーにより空間部を形成する態様を示したが、図4のように、2つの仕切り部材の間に溝付きの板を設けることにより空間部を形成してもよい。
 図4では、構造体20の断面図を模式的に示している。図4で示す構造体20は、2つの仕切り部材12b及び12cの間に溝付きの板15が設けられており、その他の構成は図1と同様である。
 溝付きの板15の断面V字型の溝16aの部分が空間部となり、この部分からグリーンシートから生じる分解ガスが構造体外に排出され、グリーンシートの割れや反り、並びに脱脂残りを抑制しやすくなる。
 図4では、溝付きの板15は、その両表面に溝16aが複数形成されているが、片面のみに溝が複数形成されている溝付きの板を用いてもよい。ただし、両面に溝が複数形成されている溝付きの板を用いた方が、分解ガスの排出が効果的に行われるため、本発明の効果を発揮しやすくなる。
 溝付きの板15における溝の数は特に限定されないが、隣り合う溝の間隔が例えば2~30mm、好ましは10~25mmとなるように溝を形成するとよい。
 溝の幅は、特に限定さればいが、例えば1~20mmであり、好ましくは1~6mmである。
 また、溝の深さは特に限定されないが、例えば0.1~2mm、好ましくは0.1~1mmであり、より好ましくは0.2~0.5mmである。なお、溝の深さとは、溝付きの板15の最表面から溝の最深部までの厚み方向の距離を意味する。
 図4では、溝付きの板15が備える溝16aの形状は断面V字型であるが、溝の形状は特に限定されない。図5に示すように、溝付きの板15が備える溝の形状は、上記した断面V字型の溝16aであってもよいし、断面U字型の溝16bであってもよいし、断面凹型の溝16cであってもよい。また溝の形状は16a~16c以外の形状であってもよい。
 溝付きの板15の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.1~5mmであり、より好ましくは0.5~3mmである。溝付きの板15の厚みがこれら下限値以上であると、一定の深さの溝が形成し易くなることにより、空間部の体積が大きくなり、脱脂工程における分解ガスの排出が効果的に行われ、グリーンシートの割れや反り、並びに脱脂残りが抑制されやすくなる。一方で、溝付きの板15の厚みがこれら上限値以下であると、構造体20全体のサイズを小さくでき、生産性が向上する。
 溝付きの板のサイズ(幅、長さ)は特に制限されないが、上記した仕切り部材のサイズと同等のサイズとすることが好ましい。
 溝付きの板15は、特に限定されないが、仕切り部材と同じ材質のものを使用することが好ましい。溝付き板15は、窒化ホウ素板、窒化ケイ素板などのセラミック製であることが好ましく、中でも窒化ホウ素板であることがより好ましい。溝付き板15が窒化ホウ素板であると、耐熱性に優れるため、脱脂工程及び焼成工程を連続して実施しやすくなる。
 以上説明した図1及び図4では、グリーンシート積層体11Aが、グリーンシートの厚み方向に2つ設けられた構造体を示したが、グリーンシート積層体11Aの数は3以上であってもよい。例えば、図6に示すように、構造体30が、シートの厚み方向に設けられた4つのグリーンシート積層体11Aを備えていてもよい。図6の構造体30の場合も図1の構造体10と同様に、個々のグリーンシート積層体11Aの両面には仕切り部材12a~12hが設けられている。さらに、グリーンシート積層体11A間に設けられた2つの仕切り部材の間、すなわち、仕切り部材12b及び12cの間、仕切り部材12d及び12eの間、仕切り部材12f及び12gの間のそれぞれには、複数のスペーサー13が設けられており、これにより空間部が形成されている。該空間部により、バインダー樹脂の分解に伴う分解ガスが通過することで、構造体30の外部に分解ガスを排出でき、脱脂工程において、グリーンシートの割れや反り、並びに脱脂残りが抑制されやすくなる。
 図6では、複数のスペーサー13が設けられている態様を示したが、図7のように、スペーサー13の代わりに、溝付き板15を使用してもよい。図7においても同様に、グリーンシート積層体11A間に設けられた2つの仕切り部材の間、すなわち、仕切り部材12b及び12cの間、仕切り部材12d及び12eの間、仕切り部材12f及び12gの間のそれぞれには、溝付き板15が設けられている。該溝付きの板15の溝の部分が空間部となり、構造体30の外部に分解ガスを排出でき、脱脂工程において、グリーンシートの割れや反り、並びに脱脂残りが抑制されやすくなる。
 構造体におけるグリーンシート積層体の数は、特に限定されないが、生産効率向上の観点及び分解ガスによる不具合を抑制する観点などから、好ましくは2~20であり、より好ましくは2~12であり、さらに好ましくは3~10である。
 グリーンシート積層体は、グリーンシートを複数積層して形成される。グリーンシート積層体は、生産効率向上の観点及び分解ガスによる不具合を抑制する観点などから、グリーンシートを10枚以上40枚未満積層したものであることがより好ましく、10~30枚積層したものであることがさらに好ましく、10~20枚積層したものであることがさらに好ましい。
<グリーンシート>
 上記したグリーンシート積層体は、グリーンシートを複数積層して形成されている。グリーンシートの厚みは、特に制限されないが、取り扱い性などの観点から、例えば0.1~50mmであり、好ましくは0.1~10mm、より好ましくは0.3~5mmであり、さらに好ましくは0.3~3mmであり、さらに好ましくは0.3~1mmである。
 グリーンシートのサイズ(幅、長さ)は、上記した仕切り部材のサイズと同程度か、あるいは仕切り部材のサイズよりも小さくすることが好ましく、例えば、幅は170~200mmが好ましく、長さは220~260mmであることが好ましい。
 グリーンシートは、セラミック粉末、焼結助剤、及びバインダー樹脂を含有する。以下、グリーンシートに含まれる各成分について説明する。
(セラミック粉末)
 セラミック粉末としては、特に制限されないが、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末などの窒化物系セラミックス粉末が好ましく、中でも窒化ケイ素粉末が好ましい。
 窒化ケイ素粉末を用いると、高強度であり、かつ熱伝導性及び絶縁性に優れる焼結体が得られる。窒化ケイ素粉末は、一般に入手できるものを使用することができ、還元窒化法、直接窒化法、イミド分解法など種々の製法で製造された窒化ケイ素粉末を特に制限なく使用することができる。
 セラミック粉末の平均粒径D50は、特に限定されるものではないが、焼結の進行のし易さなどの観点から、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは1~3μmである。平均粒径D50は、レーザ回折散乱法により測定した50%体積基準での値である。
 セラミック粉末の比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは2~20m/gであり、より好ましくは5~15m/gである。比表面積は、窒素ガス吸着によるBET1点法を用いて測定される。
 セラミック粉末が窒化ケイ素粉末である場合、窒化ケイ素粉末のβ化率は80%以上であることが好ましい。β化率が80%以上の窒化ケイ素粉末は、厳密な製造条件を設定しなくても得ることができるため、比較的低コストで製造することができる。したがって、β化率の高い窒化ケイ素粉末を使用することで、窒化ケイ素焼結体の全体の製造コストを抑制することができる。また、β化率を高く設定することで、α窒化ケイ素粒子が焼成時にβ窒化ケイ素粒子に変態を起こす際に取り込む酸素量をさらに少なく抑えることが出来る。ここで窒化ケイ素粉末のβ化率は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。
 なお、窒化ケイ素粉末のβ化率とは、窒化ケイ素粉末におけるα相とβ相の合計に対するβ相のピーク強度割合[100×(β相のピーク強度)/(α相のピーク強度+β相のピーク強度)]を意味し、CuKα線を用いた粉末X線回折(XRD)測定により求められる。より詳細には、C.P.Gazzara and D.R.Messier:Ceram.Bull.,56(1977),777-780に記載された方法により、窒化ケイ素粉末のα相とβ相の重量割合を算出することで求められる。
(焼結助剤)
 焼結助剤としては、金属酸化物、酸素を持たない化合物などが挙げられ、金属酸化物と酸素を持たない化合物とを併用することが好ましい。金属酸化物を用いることにより、セラミック粉末の焼結が進行し易くなり、より緻密で強度が高い焼結体を得やすくなる。酸素を持たない化合物を使用することで、熱伝導率の高いセラミック焼結体を得やすくなる。
 金属酸化物としては、イットリア(Y)、マグネシア(MgO)、セリア(CeO)などが挙げられる。これらの中でも、イットリアが好ましい。金属酸化物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 上記酸素を持たない化合物としては、希土類元素又はマグネシウム元素を含む炭窒化物系の化合物(以下、特定の炭窒化物系の化合物ともいう)が好ましい。このような、特定の炭窒化物系の化合物を用いることで、熱伝導率が高いセラミック焼結体を得やすくなる。
 希土類元素を含む炭窒化物系の化合物において、希土類元素としては、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Sm(サマリウム)、Ce(セリウム)などが好ましい。
 希土類元素を含む炭窒化物系の化合物としては、例えば、YSiC、YbSiC、CeSiC、などが挙げられ、これらの中でも、熱伝導率が高いセラミック焼結体を得やすくする観点から、YSiC、YbSiCが好ましい。
 マグネシウム元素を含む炭窒化物系の化合物としては、例えば、MgSiCなどが挙げられる。
 これら特定の炭窒化物系の化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 上記した希土類元素又はマグネシウム元素を含む炭窒化物系の化合物の中でも、特に好ましい化合物は、YSiC、MgSiCである。
 焼結助剤に含まれる、前記特定の炭窒化物系の化合物を代表とする酸素を持たない化合物と金属酸化物との質量比(酸素を持たない化合物/金属酸化物)は、好ましくは0.2~4であり、より好ましくは0.6~3である。このような範囲であると、緻密で、熱伝導率が高いセラミック焼結体を得やすくなる。
 グリーンシートにおける焼結助剤の含有量は、特に制限されないが、セラミック粉末100質量部に対して、好ましくは3~50質量部であり、より好ましくは3~30質量部であり、さらに好ましくは5~15質量部である。
<バインダー樹脂>
 グリーンシートはバインダー樹脂を含有し、バインダー樹脂によりセラミック粉末を結着させている。
 バインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メチルセルロース、アルギン酸、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂などが挙げられる。
 グリーンシートにおけるバインダー樹脂の含有量は、セラミック粉末100質量部に対して、好ましくは1~40質量部であり、より好ましくは5~30質量部である。
 グリーンシートには、セラミック粉末、バインダー樹脂、及び焼結助剤以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、可塑剤、分散剤として用いられる界面活性剤などが挙げられる。
 可塑剤としては、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類などが挙げられる。可塑剤は2種以上を混合して使用してもよい。
 界面活性剤としては、カルボキシル化トリオキシエチレントリデシルエーテル、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンモノステアレート、カルボキシル化ヘプタオキシエチレントリデシルエーテル、テトラグリセリンモノオレート、ヘキサグリセリンモノオレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンオレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等が挙げられる。なお、これら界面活性剤は、2種以上を混合して使用してもよい。
 グリーンシートは、上記したセラミック粉末、焼結助剤、バインダー樹脂、及び溶媒を含有する成形用組成物をシート成形することで得られる。成形用組成物は、上記したその他の成分を含んでもいてもよい。
 溶媒の種類は特に限定されず、使用するセラミック粉末及びバインダー樹脂の種類に応じて適宜選択すればよく、有機溶媒又は水を使用することができる。
 有機溶媒としては、例えば、アセトン等のケトン類、エタノール及びブタノール等のアルコール類、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、あるいはトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
 成形用組成物中の溶媒の含有量は、例えば、セラミック粉末の量、焼結助剤の量及びバインダー樹脂の合計100質量部に対し、通常、50~150質量部の範囲から選択することができる。
 なお、成形用組成物中におけるセラミック粉末100質量部に対する焼結助剤の量やバインダー樹脂の量については、グリーンシートにおいて説明した量と同様である。
 成形用組成物は、セラミック粉末、焼結助剤、バインダー樹脂、及び溶媒を混合して得られるスラリー状の組成物である。成形用組成物を調製後、シート成形し、乾燥することでグリーンシートが得られる。
 シート成形する方法は、特に限定されないがドクターブレード法によりシート成形することが好ましい。
 乾燥温度は、使用する溶媒に応じて適宜選択すればよく、例えば室温(25℃)~150℃程度とすればよい。
<脱脂工程>
 本発明のセラミック焼結体の製造方法は、上記した構造体を加熱することにより行う脱脂工程を備える。
 脱脂工程における加熱は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、空気中で行ってもよいが、空気中で行うことが好ましい。なお、本明細書において、不活性ガス雰囲気とは窒素雰囲気下又はアルゴン雰囲気下を意味することとする。
 脱脂工程における加熱温度は、セラミック粉末及びバインダー樹脂の種類や雰囲気の違いによって適宜選択すればよいが、例えば450~650℃の範囲から任意に選択される。また、加熱時間は、例えば1~7200分程度、特に好ましくは2000~6000分程度である。
 本発明では、上記の通り、構造体に空間部を設けており脱脂工程におけるバインダー樹脂の分解に伴い発生する分解ガスを排出しやすいため、分解ガスによる種々の不具合を防止できる。そのため、生産効率の観点から、脱脂工程における加熱温度を比較的高めに設定することも可能である。
 脱脂工程及び焼成工程は、例えば、上記した構造体を熱源付きのカーボン製の容器などに導入して行うことができる。
<焼成工程>
 上記のとおりグリーンシート積層体を備える構造体を加熱する脱脂工程を行った後、焼成工程を行うことで、セラミック粉末を焼結させる。
 焼成工程は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、空気中で行ってもよいが、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。焼成は常圧で行ってもよいし、加圧下で行ってもよい。
 焼成温度は、特に限定されないが、焼結の進行のし易さやセラミック粉末の分解抑制などの観点から、例えば1200~1900℃である。また、焼成時間は特に限定されないが、3~20時間程度とすることが好ましい。
 焼成温度は、セラミック粉末の種類に応じて適宜設定することが好ましく、例えばセラミック粉末が窒化ケイ素粉末であれば、焼成温度は1700~1900℃であることが好ましく、セラミック粉末が窒化アルミニウム粉末であれば、焼成温度は1700~1800℃が好ましく、セラミック粉末が窒化ホウ素粉末であれば、焼成温度は1700~1800℃が好ましい。
 上記した脱脂工程及び焼成工程により、構造体中のグリーンシートは、板状のセラミック焼結体となる。本発明は、脱脂工程において、グリーンシートの割れや反りが抑制されるため、焼成工程を経て得られるセラミック焼結体は形状安定性が良好であり、生産効率も優れたものとなる。また、本発明では、脱脂工程において脱脂残りを抑制するため、焼成工程において得られるセラミック焼結体は、脱脂残りを原因とする不純物が少なく、高品質な焼結体となる。
 本発明のセラミック焼結体は、原料であるセラミック粉末の種類に応じて、各種工業材料に使用することができる。
 例えば、窒化ケイ素焼結体の場合は、ターボチャージャーローター、ディーゼルエンジンのグロープラグやホットプラグ、タペット、インジェクターリンクなどの自動車部品、研削用チップ、ガスタービン用タービンブレードや燃焼室壁などの熱機関および熱交換器部材、熱電対保護管、ノズル、ノズルカバー、塑性加工用ローター、アルミ溶湯部品、研磨布ドレッシングプレート、モーターシャフト、軸受、釣具糸道などの耐摩耗性部品、IC用検査台、クランパー、チャック、突き上げ台などの半導体製造装置部品、高周波トランジスタやパワーデバイス用の電気絶縁基板などとして利用することができる。
 さらに、炭化ケイ素繊維と複合材料にすることで、高信頼性が要求されるジェットエンジン用のタービンブレードとしても利用することができる。
 以下、本発明をさらに具体的に説明するため実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
 実施例及び比較例においては、以下の材料を用いた。
 仕切り部材として窒化ホウ素板(厚み3mm、幅200mm、長さ260mm)を用いた。
 スペーサーAとして正方形状の窒化ホウ素板(厚み1mm、幅50mm、長さ50mm)を用いた。
 スペーサーBとして細長状の窒化ホウ素板(厚み1mm、幅25mm、長さ260mm)を用いた。
 溝付き板として、断面V字型の溝が両面に形成された窒化ホウ素板(厚み1mm、幅200mm、長さ260mm)を用いた。溝は、窒化ホウ素板の長さ方向に一端から他端まで形成され、溝の深さは0.3mm、溝の幅は2mmであり、隣接する溝同士の間隔は18mmであった。
(セラミック粉末)
 セラミック粉末として、以下の窒化ケイ素粉末を用いた。
 窒化ケイ素粉末
 平均粒径D50 1.8μm
 比表面積 7m/g
 β化率 99%
(焼結助剤)
1.酸素を持たない化合物  YSiC粉末、MgSiC粉末
 YSiC粉末については、イットリア(信越化学工業株式会社製)、窒化ケイ素粉末(上記記載の自社製粉末)および炭素粉末(三菱化学製)を、下記反応式を用い加熱合成を行い作製した。
 8Si+6Y+15C+2N→6YSiC+9CO
 MgSiC粉末についても同様に、下記反応式を用いて加熱合成を行い作製した。
  Si+MgSiN+C→MgSi
2.金属酸化物
 イットリア(Y)・・信越化学工業株式会社製
(バインダー)
 バインダーとして、水系樹脂バインダーであるポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社)を用いた。
(グリーンシートの製造)
 窒化ケイ素粉末100質量部、酸素を含まない化合物YSiC 2質量部、MgSiC 5質量部、イットリア3質量部、及び水を樹脂ポットに導入し、窒化ケイ素ボールを用いて、24時間ボールミルで粉砕混合を行った。なお、水はスラリーの濃度が60wt%となるように予め秤量し、樹脂ポット内に投入した。粉砕混合後、水系樹脂バインダーを22質量部添加し、さらに12時間混合を行いスラリー状の成形用組成物を得た。次いで、該成形用組成物を真空脱泡機(サヤマ理研製)により粘度調整を行った。その後、この粘度調整した成形用組成物をドクターブレード法によりシート成形を行い、厚み0.4mmのグリーンシートを得た。得られたグリーンシートを幅200mm、長さ260mmに裁断して、各実施例及び比較例に用いた。
[実施例1]
 上記のとおり製造したグリーンシートを10枚積層したグリーンシート積層体を4つ作製した。そして、上記した仕切り部材、スペーサーAを用いて、図6に示すようにグリーンシート積層体をシートの厚み方向に4個備える構造体30を作製した。この際、各仕切り部材間に設けられるスペーサーAの個数はそれぞれ5個であり、図3の右図に示す態様で配置した。
 次いで、該構造体を熱源付きのカーボン製の容器に導入し、乾燥空気中で550℃の温度で72時間加熱し脱脂工程を行った。その後、窒素雰囲気及び0.02MPa・Gの圧力下において、1780℃で9時間焼成を行った。
 脱脂工程後のグリーンシート及び焼成後の焼結体を観察した結果、反り及び割れは確認されず、脱脂残りも確認されなかった。
[実施例2]
 上記のとおり製造したグリーンシートを10枚積層したグリーンシート積層体を4つ作製した。そして、上記した仕切り部材、スペーサーBを用いて、図6に示すようにグリーンシート積層体をシートの厚み方向に4個備える構造体30を作製した。この際、各仕切り部材間に設けられるスペーサーBの個数はそれぞれ3個であり、図3の左図に示す態様で配置した。
 次いで、該構造体を熱源付きのカーボン製の容器に導入し、乾燥空気中で550℃の温度で脱脂工程を行った。その後、窒素雰囲気及び0.02MPa・Gの圧力下において、1780℃で9時間焼成を行った。
 焼成後にグリーンシートを観察した結果、シートの反り及び割れは確認されず、脱脂残りも確認されなかった。
[実施例3]
 上記のとおり製造したグリーンシートを10枚積層したグリーンシート積層体を作製した。そして、上記した仕切り部材、溝付き板を用いて、図7に示すようにグリーンシート積層体をシートの厚み方向に4個備える構造体40を作製した。
 次いで、該構造体を熱源付きのカーボン製の容器に導入し、乾燥空気中で550℃の温度で脱脂工程を行った。その後、窒素雰囲気及び0.02MPa・Gの圧力下において、1780℃で9時間焼成を行った。
 焼成後にグリーンシートを観察した結果、シートの反り及び割れは確認されず、脱脂残りも確認されなかった。
[実施例4]
 上記のとおり製造したグリーンシートを20枚積層したグリーンシート積層体を2つ作製した。そして、上記した仕切り部材、スペーサーAを用いて、図8に示すようにグリーンシート積層体11Aをシートの厚み方向に2個備える構造体であって、グリーンシート積層体11A間に設けられた2つの仕切り部材12b及び12cの間に空間部が形成されている構造体50を作製した。この際、仕切り部材間に設けられるスペーサーA(図8ではスペーサー13)は図3の右図に示す態様で配置した。
 次いで、該構造体を熱源付きのカーボン製の容器に導入し、乾燥空気中で550℃の温度で72時間加熱し脱脂工程を行った。その後、窒素雰囲気及び0.02MPa・Gの圧力下において、1780℃で9時間焼成を行った。
 脱脂工程後のグリーンシート及び焼成後の焼結体を観察した結果、反り及び割れは確認されず、脱脂残りも確認されなかった。
[比較例1]
 上記のとおり製造したグリーンシートを40枚積層したグリーンシート積層体11Aを作製した。そして、上記した仕切り部材を用いて、図9の左図に示すように、グリーンシート積層体11Aを2つの仕切り部材12の間に配置した構造体60を作製した。
 次いで、該構造体を熱源付きのカーボン製の容器に導入し、乾燥空気中で550℃の温度で脱脂工程を行った。その後、窒素雰囲気及び0.02MPa・Gの圧力下において、1780℃で9時間焼成を行った。
 脱脂工程後のグリーンシート及び焼成後の焼結体を観察した結果、反り及び割れ並びに脱脂残りが確認された。
 焼成後に焼結体を観察した結果を図9の右図として模式的に示す。図9の右図のXで示すような焼結体の反りや割れが確認された。また、Yで示すように、焼結体上に脱脂残りも確認された。
[比較例2]
 上記のとおり製造したグリーンシートを10枚積層したグリーンシート積層体11Aを4つ作製した。そして、上記した仕切り部材を用いて、図10に示すようにグリーンシート積層体11Aをシートの厚み方向に4個備える構造体70を作製した。該構造体70は、図10に示すように仕切り部材12(12a~12f)とグリーンシート積層体11Aとが交互に積層されており、上記した実施例と異なり、グリーンシート積層体11A間には空間部が設けられていない。
 次いで、該構造体70を熱源付きのカーボン製の容器に導入し、乾燥空気中で550℃の温度で72時間加熱し脱脂工程を行った。その後、窒素雰囲気及び0.02MPa・Gの圧力下において、1780℃で9時間焼成を行った。
 脱脂工程後のグリーンシート及び焼成後の焼結体を観察した結果、比較例1と同様に反り及び割れ並びに脱脂残りが確認された。具体的には、4段目の積層体(仕切り部材12aと12bの間の積層体)には、グリーンシート及び焼結体の反り及び割れが確認された。3段目の積層体(仕切り部材12bと12cの間の積層体)、2段目の積層体(仕切り部材12cと12dの間の積層体)、及び1段目の積層体(仕切り部材12dと12fの間の積層体)には、脱脂残りが確認された。
10         構造体
11a        グリーンシート
11A        グリーンシート積層体
12         仕切り部材
12a~12g    仕切り部材
13         スペーサー
13a~13d    スペーサー
14         空間部
15         溝付きの板
16a~16c    溝
20,30,40,50,60,70 構造体

Claims (6)

  1.  セラミック粉末、焼結助剤及びバインダー樹脂を含むグリーンシートを複数積層したグリーンシート積層体を脱脂する工程を備えるセラミック焼結体の製造方法であって、
     シートの厚み方向に設けられた複数のグリーンシート積層体と、個々のグリーンシート積層体の両面に設けられた仕切り部材とを備え、かつ前記グリーンシート積層体間に設けられた2つの仕切り部材の間には、バインダー樹脂の分解に伴い発生する分解ガスが通過できる空間部が設けられている構造体を準備し、
     前記脱脂する工程を、前記構造体を加熱することにより行うセラミック焼結体の製造方法。
  2.  前記空間部が、2つの仕切り部材の間に設けたスペーサーにより形成されている、請求項1に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  3.  前記空間部が、2つの仕切り部材の間に溝付きの板を設けることにより形成されている、請求項1に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  4.  前記グリーンシート積層体が、前記グリーンシートを10枚以上40枚未満積層したものである、請求項1~3のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  5.  前記仕切り部材が窒化ホウ素板である、請求項1~4のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  6.  前記仕切り部材の厚さが1~5mmである、請求項1~5のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
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