WO2023058332A1

WO2023058332A1 - エアブローガン

Info

Publication number: WO2023058332A1
Application number: PCT/JP2022/031130
Authority: WO
Inventors: 祐二高橋; 浩司塩田; 武廣煙山
Original assignee: 株式会社コガネイ
Priority date: 2021-10-05
Filing date: 2022-08-17
Publication date: 2023-04-13
Also published as: CN117980076A; TW202315684A; JPWO2023058332A1

Abstract

傾斜した接続面１４が先端に設けられ作業者に把持されるグリップケース部１２と、グリップケース部１２に対して相対的に回転自在であってエアを吐出する吐出ノズル２１が組み込まれる先端ケース部１３とからなる本体ケース１１と、吐出ノズルにエアを吐出する開状態と吐出を停止する閉状態とに切り換えられ手動バルブ３１と、手動バルブ３１を開状態と閉状態とに操作するトリガレバー３４と、を有し、先端ケース部１３はグリップケース部１２に対して真っ直ぐに伸びたストレート位置と、グリップケース部１２に対して傾斜した傾斜位置とのいずれにも切り換えられる。

Description

エアブローガン

　本発明は、エアを対象物に向けて吐出する吐出ノズルをグリップ部に対して真っ直ぐな状態と折り曲げた状態のいずれにも切り換えて使用できるエアブローガンに関する。

　被加工物や塗装表面等の対象物に圧縮エアを吹き付けて、対象物の表面の切粉や塵埃等を除去するために、エアブローガンが使用される。エアブローガンは、作業者に把持されるグリップ部とグリップ部の先端に設けられる吐出ノズルとを有している。特許文献１に記載されるエアブローガンは、吐出ノズルがグリップ部の先端部にグリップ部に対してほぼ９０度の吐出角度となって傾斜して設けられている。このエアブローガンは、対象物に向けて間欠的にエアを吐出する間欠エアブローガンつまりパルスブローガンである。

特許第６５９１６８６号公報

　エアブローガンを用いて対象物の表面の塵埃等を除去する際には、対象物の表面に吐出ノズルを直角としてエアを吹き付けることが多い。このため、特許文献１に記載のエアローガンのように、吐出ノズルがグリップ部に対して直角となっているのが多くのエアブローガンの形態である。

　エアを吐出する対象物の表面が部材に形成された穴の底面の場合や、対象物の表面の周囲に障害物が配置されている場合等があり、吐出ノズルがグリップ部に対して傾斜していると、吹き付け作業を容易に行うことができない場合がある。

　本発明の目的は、吐出ノズルのグリップ部に対する作業位置を複数に切り換えることができるエアブローガンを提供することにある。

　本発明のエアブローガンは、第１の接続面が先端に設けられ作業者に把持されるグリップケース部と、前記第１の接続面に相対的に回転自在の第２の接続面が基端に設けられるとともにエアを吐出する吐出ノズルが組み込まれ、前記グリップケース部とともに本体ケースを形成する先端ケース部と、前記グリップケース部に設けられ、前記吐出ノズルにエアを吐出する開状態と吐出を停止する閉状態とに切り換えられる手動バルブと、前記グリップケース部に設けられ、前記手動バルブを開状態と閉状態とに操作するトリガレバーと、を有し、前記第１の接続面は、前記グリップケース部の長手方向軸線に対して傾斜し、前記第の２の接続面は、前記先端ケース部の長手方向軸線に対して傾斜し、前記先端ケース部は、前記グリップケース部に対して伸びたストレート位置と、前記グリップケース部に対して傾斜した傾斜位置とのいずれにも切り換えられる。

　エアを吹き付ける対象物に応じて、吐出ノズルが設けられた先端ケース部をグリップケース部に対して真っ直ぐに伸びたストレート位置と、グリップケース部に対して傾斜する傾斜位置とのいずれにも切り換えることができるので、一台のエアブローガンにより種々の対象物に対してエアの吹き付け作業を行うことができる。

吐出ノズルをグリップ部に対して真っ直ぐに伸ばした状態における一実施の形態のエアブローガンを示す斜視図である。吐出ノズルを図１の状態からグリップ部に対して傾斜した状態に切り換えたエアブローガンを示す斜視図である。パルスブローユニットが装着されるとともに吐出ノズルがグリップ部に対して真っ直ぐに設定された状態におけるエアブローガンの内部を示す一部切欠き側面図である。（Ａ）はパルスブローユニットが装着されるとともに吐出ノズルがグリップ部に対して傾斜された状態におけるエアブローガンの内部を示す一部切欠き側面図であり、（Ｂ）はパルスブローユニットを取り外してエアブローガンに装着することができる連続ブローユニットを示す正面図である。図４（Ａ）における５－５線に沿う断面図である。図４における６部の拡大断面図であり、（Ａ）はロック部材がロック位置の状態を示し、（Ｂ）はロック部材がロック解除位置の状態を示す。（Ａ）は手動バルブに設けられた接続部と接続部に装着される回転継手の分解斜視図であり、（Ｂ）は手動バルブの接続部と回転継手との組立状態を示す断面図である。（Ａ）はノズルホルダに設けられた接続部と接続部に装着される回転継手の分解斜視図であり、（Ｂ）はノズルホルダに設けられた接続部と回転継手との組立状態を示す断面図である。連続ブローユニットが装着されたエアブローガンのグリップ部の内部を示す側面図である。エアブローガンの空気圧回路図であり、（Ａ）はエアブローガンにパルスブローユニットが装着された場合を示し、（Ｂ）はエアブローガンに連続ブローユニットが装着された場合を示す。パルスブローユニットが装着された場合のエアブローガンの作動を示す空気圧回路図であり、（Ａ）はエアブローガンにエアが外部から供給されていない状態を示し、（Ｂ）は外部からエアが供給された瞬間を示し、（Ｃ）は手動バルブが操作されてノズルからエアが吐出された状態を示し、（Ｄ）はノズルからエアが吐出されてから所定の時間が経過してエアの吐出が停止した状態を示す。

　以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図１および図２に示されるように、エアブローガン１０はガン本体としての本体ケース１１を有し、本体ケース１１は作業者により把持されるグリップケース部１２と、グリップケース部１２に対して相対的に回転自在に装着される先端ケース部１３とを備えている。グリップケース部１２は２つのケース半体１２ａ、１２ｂを突き合わせることにより組み立てられ、先端ケース部１３は２つのケース半体１３ａ、１３ｂを突き合わせることにより組み立てられる。グリップケース部１２と先端ケース部１３とにより構成される本体ケース１１の内部には、エアブローガンを構成するための機器を収容するスペースが形成される。

　図３および図４（Ａ）に示されるように、傾斜した第１の接続面１４がグリップケース部１２の先端に設けられ、グリップケース部１２の長手方向軸線Ｐに対する接続面１４の第１の傾斜角αは５５度である。第１の接続面１４が突き当てられる第２の接続面１５が先端ケース部１３の基端に設けられ、先端ケース部１３の長手方向軸線Ｑに対する接続面１５の第２の傾斜角βも同様に５５度である。図５に示されるように、環状突起部１６が先端ケース部１３に設けられ、環状突起部１６は接続面１５から突出している。環状突起部１６が回転自在に嵌合される円形の嵌合孔１７がグリップケース部１２に形成されている。なお、第１の傾斜角と第２の傾斜角は、長手方向軸線Ｐ、Ｑと、接続面１４、１５のなす角のうち角度９０度未満のものをいう。

　図１および図３に示されるように、第１の傾斜角αと第２の傾斜角βが向かい合う状態にすると、先端ケース部１３はグリップケース部１２に対して伸びたストレート位置になる。これに対して、図２および図４（Ａ）に示されるように、グリップケース部１２を先端ケース部１３に対して１８０度回転させ、第１の傾斜角αと第２の傾斜角βが隣り合う状態にすると、先端ケース部１３はグリップケース部１２に対して傾斜した傾斜位置となる。先端ケース部１３をグリップケース部１２に対して１８０度回転させても同様の傾斜位置となる。このように、先端ケース部１３とグリップケース部１２との一方を他方に対して相対的に回転させることにより、先端ケース部１３をストレート位置に切り換えると、本体ケース１１は伸びたストレート形状になる。一方、先端ケース部１３を傾斜位置に切り換えると、本体ケース１１は折れ曲がった屈曲形状になる。

　折れ曲がった状態におけるグリップケース部１２の長手方向軸線Ｐと先端ケース部１３の長手方向軸線Ｑとの成す折り曲げ角度θは、傾斜角αと傾斜角βの和に等しい１１０（α＋β）度となる。角度α、βをそれぞれ４５度にすれば、折り曲げ角度θは９０度となる。このように、それぞれの接続面１４、１５の傾斜角度を変化させることにより、本体ケース１１の折り曲げ角度θは種々の角度に設定される。また、傾斜角αと傾斜角βが等しい場合、ストレート形状における折り曲げ角度は１８０度となり先端ケース部１３の長手方向軸線Ｑとグリップケース部１２の長手方向軸線Ｐが同軸状ないし平行状態で真っすぐに伸びた状態となる。なお、傾斜角度αとβを異なる角度として、ストレート形状における折り曲げ角度θを１８０度を除く角度としてもよい。

　図２および図３に示されるように、先端ケース部１３の基部にはロックボタンつまりロック部材１８が設けられ、ロック部材１８の径方向外部端は先端ケース部１３の外部に露出している。ロック片１９がロック部材１８の径方向内方端に設けられ、ロック片１９はグリップケース部１２の接続面１４を横切ってグリップケース部に突出している。第１のロック溝２０ａと第２のロック溝２０ｂが、図５に示されるように、先端ケース部１３の回転方向に１８０度ずらしてグリップケース部１２に形成されている。

　ロック部材１８を先端ケース部１３の外方に向けて突出させる方向に、図示しないばね力が加えられており、ばね力に抗してロック部材１８を先端ケース部１３の内方に向けて押し付けると、ロック片１９は環状突起部１６に形成された切欠き部１６ａに入り込んで、先端ケース部１３のグリップケース部１２に対する回転が許容される。図４（Ａ）および図５に示されるように、先端ケース部１３がグリップケース部１２に対して傾斜した位置になると、ロック片１９がロック溝２０ａに入り込んで、先端ケース部１３のグリップケース部１２に対する相対回転が規制される。これにより、本体ケース１１は屈曲形状を保持する。図６（Ａ）はロック片１９がロック溝２０ａに入り込んだロック状態を示す。図６（Ｂ）に示されるように、ロック部材１８を押し込んでロック片１９をロック溝２０ａから退避させると、ロックが解除されて先端ケース部１３はグリップケース部１２に対して相対回転自在となる。

　ロック片１９によるロックが解除された状態のもとで、先端ケース部１３を傾斜位置からストレート位置にグリップケース部１２に対して相対的に１８０度回転させると、ロック片１９がロック溝２０ｂに入り込んで、先端ケース部１３のグリップケース部１２に対する相対回転が規制される。これにより、本体ケース１１は真っ直ぐに伸びたストレート形状を保持する。ロック片１９がロック溝２０ｂに入り込んだロック状態のもとで、ロック部材１８が押し込まれると、ロックが解除されて先端ケース部１３をストレート位置から傾斜位置に向けて相対回転させることができる。

　ロック部材１８は先端ケース部１３に設けられているが、ロック部材１８をグリップケース部１２に設けるようにしてもよい。

　導電材料製の吐出ノズル２１が本体ケース１１の先端ケース部１３の先端面から突出して設けられている。吐出ノズル２１は、図３に示されるように、先端ケース部１３に設けられた絶縁材料製のノズルホルダ２２に装着されている。導電材料製のエア吐出口２３が吐出ノズル２１に取り付けられており、エア吐出口２３に形成された吐出孔２４は、吐出ノズル２１に形成された吐出流路２５に連通し、吐出流路２５はノズルホルダ２２に形成された連通室２６に連通している。ノズル側の接続部２７がノズルホルダ２２に設けられており、ノズル側の接続部２７の内部には連通室２６に連通する案内孔が設けられている。

　手動バルブ３１がグリップケース部１２の内部に組み込まれている。バルブ側の接続部２８が手動バルブ３１に設けられ、接続部２８と接続部２７の間には、手動バルブ３１から流出したエアを吐出ノズル２１に案内するためのガイドチューブ２９が設けられている。手動バルブ３１は２ポート２位置方向制御弁であり、接続部２８が設けられたバルブハウジング３２を有している。バルブハウジング３２に軸方向に往復動自在に主弁が組み込まれ、主弁の手動操作端部３３がグリップケース部１２の背面側に突出している。トリガレバー３４がグリップケース部１２の背面に設けられており、トリガレバー３４の下端部が支持ピン３５によりグリップケース部１２に回動自在に支持されている。係合片３６がトリガレバー３４の上端部に設けられ、係合片３６はグリップケース部１２のストッパ３７に係合する。

　グリップケース部１２はトリガレバー３４が設けられた面を背面とすると、手動操作端部３３はトリガレバー３４の背面に接触している。バルブハウジング３２内に組み込まれたばね部材により、手動バルブ３１の主弁にはトリガレバー３４に向かう方向のばね力が加えられている。これにより、係合片３６がストッパ３７に係合する方向にトリガレバー３４に押付力が加えられる。係合片３６がグリップケース部１２のストッパ３７に係合しているときは、手動バルブ３１は閉状態つまりオフ状態であり、トリガレバー３４が作業者により押し込み操作されると、主弁が駆動されて手動バルブ３１は開状態つまりオン状態に切り換えられる。手動バルブ３１がオン状態に切り換えられると、手動バルブ３１の出力ポートから圧縮エアが流出する。これにより、バルブハウジング３２に一体の接続部２８と、ノズルホルダ２２に一体の接続部２７の間に設けられたガイドチューブ２９の内部流路によりノズルホルダ２２の連通室２６を介して吐出流路２５に圧縮エアが流出する。

　図７（Ａ）は手動バルブ３１のバルブハウジング３２に設けられた接続部２８と接続部２８に装着される回転継手４２の分解斜視図であり、（Ｂ）は接続部２８と回転継手４２との組立状態を示す断面図である。

　円筒形状の回転継手４２が接続部２８に形成された取付孔２８ａに回転自在に装着され、回転継手４２にはガイドチューブ２９の一端部が取り付けられる。環状溝４３が回転継手４２の外周部に形成され、環状溝４３に係合するＵ字形状のストッパピン４４が接続部２８に形成された取付孔４５に挿入される。ストッパピン４４が環状溝４３に係合することにより、回転継手４２が取付孔２８ａから外れることが防止され、回転継手４２はストッパピン４４に接触した状態で回転可能である。ガイドチューブ２９が捩り力を受けると、回転継手４２がガイドチューブ２９と共に回転するので、ガイドチューブ２９の捩れ発生が抑制され、ガイドチューブ２９は真っ直ぐに伸びた状態を保持する。回転継手４２と取付孔２８ａの間はシール部材４１によりシールされる。

　図８（Ａ）はノズルホルダ２２に設けられた接続部２７と接続部２７に装着される回転継手４６の分解斜視図であり、（Ｂ）は接続部２７と回転継手４６との組立状態を示す断面図である。

　円筒形状の回転継手４６が接続部２７に形成された取付孔２７ａに回転自在に装着され、回転継手４６にはガイドチューブ２９の他端部が取り付けられる。環状溝４７が回転継手４６の外周部に形成され、環状溝４７に係合するＵ字形状のストッパピン４８が接続部２７に形成された取付孔４９に挿入される。ストッパピン４８が環状溝４７に係合することにより、回転継手４６が取付孔２７ａから外れることが防止され、回転継手４６はストッパピン４８に接触した状態で回転可能である。ガイドチューブ２９が捩り力を受けると、回転継手４６がガイドチューブ２９と共に回転するので、ガイドチューブ２９の捩れ発生が抑制される。回転継手４６と取付孔２７ａの間はシール部材４１によりシールされる。

　このように、ガイドチューブ２９の両端部に回転継手４２、４６を取り付けると、先端ケース部１３とグリップケース部１２との一方を他方に対して相対的に回転させたときに、ガイドチューブ２９は捩り力を受けるが、回転継手４２、４６がガイドチューブ２９と共に回転することにより、ガイドチューブ２９は捩られることなく、真っ直ぐに伸びた状態を維持する。これにより、ガイドチューブ２９のエア流路は狭められることなく、手動バルブ３１から吐出されたエアは流通抵抗が高められることなく円滑に流出される。両方の接続部２７、２８に回転継手４２、４６を設けているが、何れか一方のみに回転継手を設けるようにしても、ガイドチューブ２９の捩れ発生を抑制することができる。ただし、両方の接続部２７、２８に回転継手４２、４６を設けると、捩れ発生の抑制効果をより高めることができる。また、回転継手４２、４６を接続部２７，２８に設けられた取付孔２７ａ、２８ａに装着することで、接続部２７、２８に回転継手４２、４６を装着したときの体積を小さくすることができるので、エアブローガン１０を小形にすることができる。

　図２に示されるように、ユニット交換蓋３８がグリップケース部１２の右側面側に位置させてケース半体１２ｂに設けられている。ユニット収容室３９を開閉するためのユニット交換蓋３８をグリップケース部１２から取り外すと、図３および図４（Ａ）に示されるように、グリップケース部１２に形成されたユニット収容室３９が外部に露出される。ユニット交換蓋３８は、図示しないねじ部材や係合爪によって、ケース半体１２ｂに固定して装着される。

　図３および図４（Ａ）に示すパルスブローユニット５１と、図４（Ｂ）および図９に示す連続ブローユニット６１のいずれをも選択的にユニット収容室３９に配置することができる。図４（Ｂ）は連続ブローユニット６１をユニット収容室３９から取り出した状態を示す正面図である。

　パルスブローユニット５１は、図３および図４（Ａ）に示すように、外部から供給された圧縮エアをパルス状の間欠的なエアに変換する切換バルブ５２を有している。切換バルブ５２は２ポート２位置方向制御弁であり、バルブハウジング５３に軸方向に往復動自在に組み込まれる主弁を有し、主弁の一端部に小径ピストンが設けられ、他端部に大径ピストンが設けられている。小径ピストンが組み込まれる小径パイロット室と、大径ピストンが組み込まれる大径パイロット室がバルブハウジング５３に形成されている。

　外部から切換バルブ５２に圧縮エアが供給される間欠用入力端部５４がバルブハウジング５３に設けられており、間欠用入力端部５４内の流路は切換バルブ５２の入力ポートに連通している。間欠用入力端部５４は入力継手５５を有し、チューブ等からなる図示しないエア供給部材が入力継手５５に着脱自在に装着される。エア供給部材は圧縮エアの供給源からの圧縮エアを間欠用入力端部５４に案内する。間欠用入力端部５４は大径フランジ部５６を有しており、入力継手５５と大径フランジ部５６との間の小径部５７は、グリップケース部１２に形成された入力端取付部としての係合孔５８に着脱自在に取り付けられる。

　間欠出力端部５９がバルブハウジング５３に設けられており、間欠出力端部５９内の流路は切換バルブ５２の出力ポートに連通している。間欠出力端部５９の突出部は手動バルブ３１のバルブハウジング３２に形成された装着部としての嵌合孔６０に着脱自在に装着される。

　パルスブローユニット５１の切換バルブ５２は、図１１を参照して後述するように、外部から間欠用入力端部５４に供給されたエアを、間欠的なパルス状のエアに変換して間欠出力端部５９に出力する。

　係合孔５８は、ケース半体１２ａの下端部に形成された半円形の孔と、ユニット交換蓋３８の下端部に形成された図示しない半円形の孔とにより形成される。ユニット交換蓋３８をグリップケース部１２から取り外すと、パルスブローユニット５１をグリップケース部１２内のユニット収容室３９から取り出すことができる。そのときには、間欠出力端部５９は嵌合孔６０から外される。嵌合孔６０にシール部材を設けると、間欠出力端部５９と嵌合孔６０との間をシールすることができる。

　連続ブローユニット６１は、図４（Ｂ）および図９に示すように、内部に流路が設けられたチューブ部材６２を有し、外部から圧縮エアが供給される連続用入力端部６３がチューブ部材６２の下端部に設けられている。連続用入力端部６３は入力継手６４を有し、チューブ等からなる図示しないエア供給部材が入力継手６４に着脱自在に装着される。連続用入力端部６３は大径フランジ部６５を有しており、入力継手６４と大径フランジ部６５との間の小径部６６は、グリップケース部１２に形成された入力端取付部としての係合孔５８に着脱自在に取り付けられる。

　チューブ部材６２の上端部は、連続出力端部６７を構成しており、連続出力端部６７は、手動バルブ３１のバルブハウジング３２に形成された装着部としての嵌合孔６０に着脱自在に装着される。連続ブローユニット６１の小径部６６の外径は、パルスブローユニット５１の小径部５７の外径とほぼ同一である。また、連続ブローユニット６１の連続出力端部６７の外径は、パルスブローユニット５１の間欠出力端部５９の外径とほぼ同一である。さらに、連続ブローユニット６１の大径フランジ部６５と連続出力端部６７の先端との間の長さは、パルスブローユニット５１の大径フランジ部５６と間欠出力端部５９の先端との間の長さと、ほぼ同一である。

　したがって、間欠用入力端部５４と連続用入力端部６３のいずれをも係合孔５８に係合することができ、間欠出力端部５９と連続出力端部６７のいずれをも手動バルブ３１の嵌合孔６０に嵌合させることができる。したがって、パルスブローユニット５１と連続ブローユニット６１のいずれをも選択的にグリップケース部１２のユニット収容室３９に配置することができる。これにより、エアブローガン１０はパルスブローガンと連続ブローガンのいずれにも機能することができる。

　図１０（Ａ）はエアブローガン１０にパルスブローユニット５１が装着された場合におけるエアブローガン１０の空気圧回路図であり、図１０（Ｂ）はエアブローガン１０に連続ブローユニット６１が装着された場合におけるエアブローガン１０の空気圧回路図である。

　手動バルブ３１は、図１０に示されるように、２ポート２位置方向制御弁であり、トリガレバー３４により手動バルブ３１が操作されると、手動バルブ３１の入力ポートと流出配管の流路とが連通して手動バルブ３１はオン状態になり、手動バルブ３１を通過した圧縮エアは、吐出ノズル２１から吐出される。一方、トリガレバー３４がばね部材６８のばね力により戻されると、手動バルブ３１はオフ状態になり、手動バルブ３１の入力ポートとガイドチューブ２９の内部流路との連通が遮断される。

　パルスブローユニット５１がユニット収容室３９内に装着されると、間欠出力端部５９は手動バルブ３１の入力ポート７１に連通し、間欠用入力端部５４はエア供給源７２に接続されたチューブ等からなるエア供給部材に連通する。パルスブローユニット５１は、図１０（Ａ）に示されるように、２ポート２位置方向制御弁である切換バルブ５２を有し、主弁の一端部に設けられた小径ピストンは小径パイロット室７３に組み込まれ、主弁の他端部に設けられた大径ピストンは大径パイロット室７４に組み込まれている。

　小径パイロット室７３はパイロット流路７５により間欠用入力端部５４の流路に連通し、大径パイロット室７４はパイロット流路７６により間欠出力端部５９の流路に連通する。パイロット流路７６を流れるエアの流量は可変式の絞り弁７７により調整される。ばね部材７８により主弁には入力ポートと出力ポートとの連通を遮断する方向のばね力が加えられている。絞り弁７７の操作ノブ７９がパルスブローユニット５１に設けられており、図１に示されるように、外部から操作ノブ７９を操作するための貫通孔８０がグリップケース部１２に設けられている。操作ノブ７９は貫通孔８０の奥に配置されている。貫通孔８０は、グリップケース部１２に設けられていればよく、ケース半体１２ａや１２ｂに設けてもよいし、ユニット交換蓋３８に設けてもよい。また、連続ブローガンとして使用するときは、シールやプラグを用いて貫通孔８０を塞いでもよい。

　一方、連続ブローユニット６１がユニット収容室３９内に装着されると、図１０（Ｂ）に示されるように、連続出力端部６７は手動バルブ３１の入力ポート７１に連通し、連続用入力端部６３はエア供給源７２に接続されたエア供給部材に連通する。これにより、エア供給源７２からの圧縮エアは手動バルブ３１の入力ポート７１に直接供給される。

　図１１はパルスブローユニット５１がユニット収容室３９に装着された場合のエアブローガン１０の作動を示す空気圧回路である。図１１（Ａ）はエア供給源７２からエアが供給されていない状態を示し、このときには、手動バルブ３１とパルスブローユニット５１の切換バルブ５２とがオフ状態である。エア供給源７２からエアが供給されていないときはいずれもオフ状態となる。図１１（Ｂ）はエア供給源７２からエアが切換バルブ５２の入力ポートに供給された直後の状態を示し、パイロット流路７５により小径パイロット室７３に供給されるエアにより、切換バルブ５２は入力ポートと出力ポートとが連通したオン状態となる。

　これにより、パイロット流路７６によりエアが大径パイロット室７４に供給される。エア供給源７２からの圧縮エアは、小径パイロット室７３と大径パイロット室７４に供給されるが、面積の大きい大径パイロット室７４に供給されたエアとばね力とにより、切換バルブ５２はオフに切り換えられる。切り換えられる時間は、可変式の絞り弁７７を調整することにより設定される。このように、切換バルブ５２の入力ポートにエアが供給されていても、手動バルブ３１がオンに操作されないと、切換バルブ５２はオフ状態を維持する。

　図１１（Ｃ）に示されるように、手動バルブ３１がオン状態に切り換えられると、切換バルブ５２と手動バルブ３１を介して吐出ノズル２１からエアが吐出される。切換バルブ５２を通過した圧縮エアは、手動バルブ３１を通過する流れと、大径パイロット室７４に流入する流れとに分岐する。大径パイロット室７４に流入するエアによって、大径パイロット室７４に供給されるエアにより主弁には切換バルブ５２をオフする方向に推力が加えられる。小径パイロット室７３に供給されるエアにより主弁には切換バルブ５２をオンする方向に推力が加えられる。大径パイロット室７４の圧力により主弁をオフする方向の推力が大きくなると、図１１（Ｄ）に示されるように、切換バルブ５２はオフ状態に切り換えられる。これにより、吐出ノズル２１からのエアの吐出は停止される。

　図１１（Ｄ）に示されるように、切換バルブ５２がオフに切り換えられると、大径パイロット室７４内のエアは吐出ノズル２１に向けて排出される。排出速度は絞り弁７７により調整される。大径パイロット室７４内の圧力が低下すると、図１１（Ｃ）に示されるように、切換バルブ５２はオンに切り換えられる。このように、切換バルブ５２がオン状態とオフ状態とを繰り返すことで、パルスブローが発生し、吐出ノズル２１から吐出される。

　図３に示すように、吐出ノズル２１には絶縁材料からなるチューブ８１が組み込まれ、チューブ８１により吐出ノズル２１の内側に吐出流路２５が形成されている。放電針からなる放電電極８２が絶縁材料製のノズルホルダ２２に装着されている。放電電極８２はノズルホルダ２２に固定される台座８３を有し、先端部は吐出流路２５の内部に突出している。吐出ノズル２１は対向電極を構成しており、対向電極としての吐出ノズル２１と、放電電極８２との間でコロナ放電を発生させると、吐出流路２５内を流れる圧縮エアはイオン化される。

　電線ケーブル８４が本体ケース１１のグリップケース部１２に取り付けられ、先端ケース部１３の内部にトランス基板８５が設けられ、グリップケース部１２の内部にスイッチ基板８７が設けられる。電線ケーブル８４はスイッチ基板８７に接続され、スイッチ基板８７はトランス基板８５に接続されている。電線ケーブル８４はスイッチ基板８７に接続され、スイッチ基板８７はトランス基板８５に接続されている。トランス基板８５に設けられた電源ユニット８６からは吐出ノズル２１からなる対向電極と放電電極８２との間に交流高電圧が印加される。これにより、放電電極の尖った先端部の周りにコロナ放電が発生する。放電電極８２にプラスの高電圧が印加されたときには放電電極は近傍の空気の電子を吸収するので、近傍の空気はプラスの電荷を持つイオンとなる。これに対して、放電電極８２にマイナスの高電圧が印加されたときには放電電極からは電子が放出されるので、近傍の空気はマイナスの電荷を持つイオンとなる。電子部品等の帯電した部材にイオン化空気を吹き付けると、帯電が中和され、部材への異物付着が防止される。

　電気スイッチ８７ａがグリップケース部１２の内部に設けられている。電気スイッチ８７ａは、トリガレバー３４の背面に接触しており、トリガレバー３４が作業者に押し込み操作されると、電気スイッチ８７ａはオンになり、吐出流路２５内を流れる圧縮エアはイオン化される。

　ＬＥＤからなる照明器具８８が先端ケース部１３に設けられており、エアの吐出先を照明器具８８により照明することができる。

　上述したエアブローガン１０は、図１に示すように、吐出ノズル２１が設けられた先端ケース部１３をグリップケース部１２に対して真っ直ぐに伸ばすと、本体ケース１１がストレート形状となる。ストレート形状のエアブローガン１０により、例えば、穴の底面にエアを吹き付ける場合等に好適である。このときには、図１に示されるように、トリガレバー３４とロック部材１８と本体ケース１１の同じ面に隣り合って並んだ状態となる。一方、図２に示すように、先端ケース部１３をグリップケース部１２に対して１８０度回転させると、本体ケース１１は屈曲形状になり、作業者は対象物に向かった状態でエアを吹き付ける場合に好適である。このときには、トリガレバー３４はロック部材１８に対して１８０度ずれた位置となる。このように、エアブローガン１０は、ストレート形状として使用することができるとともに、屈曲形状としても使用することができ、エア吹き付けを行う対象物に対応させて本体ケース１１の形状を切り換えることができる。

　また、本体ケース１１のユニット収容室３９にパルスブローユニット５１を配置すると、エアを間欠的に対象物に吹き付けることができる。一方、パルスブローユニット５１に代えて連続ブローユニット６１をユニット収容室３９に配置すると、エアを連続的に対象物に吹き付けることができる。このように、１台のエアブローガン１０をパルスブローガンと連続ブローガンのいずれとしても適用することができる。

　さらに、対象物が帯電した部材である場合には、エアをイオン化して対象物に吹き付けることができ、対象物に静電気による異物の付着を防止することができる。一方、対象物が帯電されてなければ、イオン化されていないエアを対象物に吹き付けることができる。エアブローガン１０をイオン化しないエアを吹き付ける形態とするには、絶縁製のチューブ８１および放電電極８２等を設けない形態のエアブローガンとすることができる。

　本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、回転継手４２、４６の一部分が接続部２７、２８に対してガイドチューブ２９とともに回転自在であってもよい。

　本発明のエアブローガンは、被加工物や塗装表面等の対象物に圧縮エアを吹き付けて、対象物の表面に付着した切粉や塵埃等を除去するために使用される。

Claims

　第１の接続面が先端に設けられ作業者に把持されるグリップケース部と、
　前記第１の接続面に相対的に回転自在の第２の接続面が基端に設けられるとともにエアを吐出する吐出ノズルが組み込まれ、前記グリップケース部とともに本体ケースを形成する先端ケース部と、
　前記グリップケース部に設けられ、前記吐出ノズルにエアを吐出する開状態と吐出を停止する閉状態とに切り換えられる手動バルブと、
　前記グリップケース部に設けられ、前記手動バルブを開状態と閉状態とに操作するトリガレバーと、を有し、
　前記第１の接続面は、前記グリップケース部の長手方向軸線に対して傾斜し、前記第２の接続面は、前記先端ケース部の長手方向軸線に対して傾斜し、
　前記先端ケース部は、前記グリップケース部に対して伸びたストレート位置と、前記グリップケース部に対して傾斜した傾斜位置とのいずれにも切り換えられる、エアブローガン。
　請求項１に記載のエアブローガンにおいて、
　前記グリップケース部の先端と前記先端ケース部の基端とを横切って配置され、前記吐出ノズルを支持するノズルホルダに形成された連通室と前記手動バルブの出力ポートとを連通するガイドチューブを有し、
　前記ガイドチューブと前記出力ポートとの接続部と、前記ガイドチューブと前記連通室との接続部との少なくとも何れか一方に前記ガイドチューブと共に前記接続部に対して回転可能な回転継手を設けた、エアブローガン。
　請求項１または２に記載のエアブローガンにおいて、
　前記先端ケース部が前記ストレート位置に切り換えられたとき、および前記先端ケース部が前記傾斜位置に切り換えられたときに、前記先端ケース部の前記グリップケース部に対する回転を規制するロック部材を有する、エアブローガン。
　請求項１～３いずれか１項に記載のエアブローガンにおいて、
　外部から間欠用入力端部に供給されたエアを間欠的に間欠出力端部から前記手動バルブに出力するパルスブローユニットと、外部から連続用入力端部に供給されたエアを連続的に連続出力端部から前記手動バルブに出力する連続ブローユニットとのいずれも選択的に収容するユニット収容室を前記グリップケース部に形成し、
　エアを対象物に向けて連続的に吐出する連続ブローガンと、間欠的に吐出するパルスブローガンとのいずれにも適用できるエアブローガン。
　請求項４に記載のエアブローガンにおいて、
　前記手動バルブは、前記間欠出力端部と前記連続出力端部とのいずれも選択的に装着される装着部を有し、前記グリップケース部は、前記間欠用入力端部と前記連続用入力端部とのいずれも選択的に取り付けられる入力端取付部を有する、エアブローガン。
　請求項２に記載のエアブローガンにおいて、
　前記ノズルホルダを前記先端ケース部に設け、
　前記手動バルブから流出したエアを前記吐出ノズルに設けられた吐出流路に案内する連通室を前記ノズルホルダに形成し、
　前記吐出ノズルを対向電極として当該対向電極との間でコロナ放電を発生させることにより、前記吐出流路を流れるエアをイオン化する放電電極を前記ノズルホルダに設けた、
エアブローガン。
　請求項１～６のいずれか１項に記載のエアブローガンにおいて、
　前記グリップケース部の長手方向軸線に対する前記第１の接続面の第1の傾斜角と、前記先端ケース部の長手方向軸線に対する前記第２の接続面とがなす第２の傾斜角が等しく、
　前記ストレート位置において、前記先端ケース部の長手方向軸線と前記グリップケース部の長手方向軸線が平行となるエアブローガン。