WO2023054208A1

WO2023054208A1 - 乗り物用シート

Info

Publication number: WO2023054208A1
Application number: PCT/JP2022/035530
Authority: WO
Inventors: 聡一郎亀井; 陽一立川; 修一阿久津
Original assignee: テイ・エステック株式会社
Priority date: 2021-09-28
Filing date: 2022-09-22
Publication date: 2023-04-06
Also published as: JPWO2023054208A1; EP4410596A1

Abstract

シート本体の状態を切り替える装置の構成部品をバランス良く強固に組み付けることが可能な乗り物用シートを提供する。　乗り物用シートは、シート本体を「通常状態」と「移動状態」の間で切り替え可能なシートである。乗り物用シートは、シート本体の移動動作をロックするロック装置９０と、ロック装置を覆うロックカバー９８、９９と、乗り物用シートに取り付けられるレバー取り付け部材７０と、レバー取り付け部材に取り付けられ、ロック装置のロック状態を解除する操作レバー５０とを備えている。レバー取り付け部材７０は、ロックカバー９８の第１被嵌合部９８ｂに嵌合する第１嵌合部７６と、ロックカバー９９の第２被嵌合部９９ｂに嵌合する第２嵌合部７７とを有している。第１嵌合部、第２嵌合部は、ロックカバーの嵌合方向とは直交する方向に延びて、互いに交差する方向に延びている。

Description

乗り物用シート

　本発明は、乗り物用シートに係り、特に、シートバック及びシートクッションを有するシート本体を通常状態から切り替えることが可能な乗り物用シートに関する。

　従来、シート本体を「通常状態」と、通常状態から移動させた「移動状態」との間で切り替え可能な車両用シートが知られている。「移動状態」とは、例えば、シート本体を車体フロア側へ収納移動させた「収納状態」、シート本体を通常状態からシート前後方向の所定位置にスライド移動させた「スライド移動状態」、シート本体（シートバック）を通常状態から所定位置まで後傾させた「リクライニング状態」等が挙げられる。
　上記車両用シートの中には、「通常状態」のときにシート本体の移動動作をロックするロック装置（ロック部材）と、ロック装置のロック状態を解除するために操作される操作レバーと、を備えた車両用シートが存在する（例えば、特許文献１参照）。

　特許文献１に記載の車両用シートでは、シート本体を「通常状態」と「収納状態」との間で切り替え可能なシートである。
　当該車両用シートは、ロック装置（ロック部材）と、ロック装置を覆うロックカバーと、車両用シートに取り付けられるレバー取り付け部材と、レバー取り付け部材に取り付けられ、ロック装置のロック状態を解除するために動作する操作レバーと、を備えている。
　ロックカバー及びレバー取り付け部材は、シート幅方向において複数の嵌合部によって組み付けられており、これら嵌合部がシート側面視において同じ方向に延びている。

特表２０１４－５０６８５１号公報

　ところで、特許文献１のような乗り物用シートでは、シート本体を「通常状態」と「移動状態」との間で切り替えるための切り替え装置（ロック装置）の各構成部品をバランス良く強固に組み付けることが求められていた。
　例えば、切り替え装置の構成部品同士（ロックカバー及びレバー取り付け部材）を工夫して嵌合させることで、様々な方向から荷重が加わった場合であっても強固な構造にすることが求められていた。

　本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、シート本体の状態を切り替える装置の構成部品を従来よりもバランス良く強固に組み付けることが可能な乗り物用シートを提供することにある。
　また、本発明の他の目的は、シート本体の状態を切り替える装置において構成部品の組み付け構造を簡素化した乗り物用シートを提供することにある。

　前記課題は、本発明の乗り物用シートによれば、シートバック及びシートクッションを有するシート本体を備え、前記シート本体を通常状態と、前記通常状態から移動させた移動状態との間で切り替え可能な乗り物用シートであって、前記通常状態のときに前記シート本体の移動動作をロックするロック装置と、前記ロック装置を覆うロックカバーと、前記乗り物用シートに取り付けられるレバー取り付け部材と、前記レバー取り付け部材に取り付けられ、前記ロック装置のロック状態を解除するために動作する操作レバーと、を備え、前記レバー取り付け部材は、前記ロックカバーに設けられた第１被嵌合部に嵌合する第１嵌合部と、前記ロックカバーに設けられた第２被嵌合部に嵌合する第２嵌合部と、を有し、前記第１嵌合部、前記第２嵌合部は、それぞれ前記ロックカバーの嵌合方向とは直交する方向に延びており、互いに交差する方向に延びていることを特徴とする、により解決される。
　上記構成により、シート本体の状態を切り替える装置の各構成部品をバランス良く強固に組み付けることが可能な乗り物用シートを実現できる。また、当該装置の構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　詳しく述べると、レバー取り付け部材は、複数の嵌合部によってロックカバーに嵌合し、第１嵌合部、第２嵌合部が、それぞれロックカバーの嵌合方向とは直交する方向に延びており、互いに交差する方向に延びている。このように、第１嵌合部と第２嵌合部が異なる方向に延びていることで、例えば様々な方向から荷重が加わった場合であっても従来と比較して強固な嵌合構造にすることができる。

　このとき、前記移動状態は、前記シートバックを車体フロア側へ収納移動させた収納状態であって、前記ロック装置は、車体又は前記乗り物用シートに設けられたストライカに対して着脱可能に係合し、前記シートバックの収納動作をロックするロック位置と、ロック解除位置との間で移動するロック部材を備え、前記第１嵌合部、前記第２嵌合部は、互いに直交する方向に延びていると良い。
　上記構成により、シート本体を収納可能な乗り物用シートにおいて、各構成部品をよりバランス良く強固に組み付けることができる。

　このとき、前記ロックカバーは、前記レバー取り付け部材にシート幅方向から組み付けられ、前記第１嵌合部と、前記第２嵌合部とは、上下方向において異なる位置に配置され、シート前後方向において異なる位置に配置されていると良い。
　また、前記ロック装置及び前記操作レバーを連結し、前記操作レバーの動作に対応して前記ロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する連結部材を備え、前記レバー取り付け部材は、前記ロックカバーに設けられた第３被嵌合部に嵌合する第３嵌合部をさらに有し、前記第３嵌合部は、前記連結部材に対して前記第１嵌合部及び前記第２嵌合部側とは反対側に配置されていると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材及びロックカバーをよりバランス良く強固に組み付けることができる。

　このとき、前記第１嵌合部と前記第３嵌合部が、同じ方向に長尺となるように延びていると良い。
　また、前記ロックカバーは、前記レバー取り付け部材にシート幅方向から組み付けられ、前記第２嵌合部は、シート前後方向において前記第１嵌合部及び前記第３嵌合部の間に配置されていると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材及びロックカバーをよりバランス良く強固に組み付けることができる。

　このとき、前記ロックカバーは、前記ロック装置を覆う第１ロックカバーと、前記第１ロックカバーの側面に取り付けられる第２ロックカバーと、を有し、前記第１被嵌合部及び前記第３被嵌合部は、前記第１ロックカバーに形成され、前記第２被嵌合部は、前記第２ロックカバーに形成されていると良い。
　上記のようにレバー取り付け部材と、第１ロックカバーと、第２ロックカバーとが複数の嵌合部によって嵌合しているため、これら構成部品を安定して強固に組み付けることができる。

　このとき、前記第１嵌合部、前記第２嵌合部、及び前記第３嵌合部が同じ方向に嵌合されることで、前記レバー取り付け部材と前記ロックカバーが組み付けられると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材に対するロックカバーの組み付け作業が容易になる。また、組み付け作業を自動化することも容易になる。

　このとき、前記ロックカバーは、前記ロックカバーの外縁部分の側面から前記ロック装置側に突出するように形成され、前記ロック装置を囲むように配置されているカバーフランジを有し、前記第１嵌合部、前記第２嵌合部、及び前記第３嵌合部は、前記ロックカバーの側面において前記カバーフランジよりも外側に配置されていると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材に対しロックカバーの外側部分（外縁部分）を嵌合させることができ、ロックカバーの嵌合強度を高めることができる。

　このとき、前記ロックカバーは、前記ロックカバーの外縁部分の側面から前記ロック装置側に突出するように形成され、前記カバーフランジ及び前記第１嵌合部を連結する第１補強部と、前記ロックカバーの外縁部分の側面から前記ロック装置側に突出するように形成され、前記カバーフランジ及び前記第３嵌合部を連結する第２補強部と、を有していると良い。
　上記構成により、これら第１嵌合部、第３嵌合部の嵌合強度を高めることができる。

　このとき、前記ロック装置及び前記操作レバーを連結し、前記操作レバーの動作に対応して前記ロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する連結部材と、前記連結部材に取り付けられ、前記連結部材の位置を保持する位置保持部材と、を備え、前記連結部材は、前記ロック装置及び前記操作レバーの間で延びており、前記位置保持部材は、前記連結部材の延出方向に延びており、前記連結部材に沿うようにして前記連結部材に取り付けられていると良い。
　上記構成により、ロック装置をコンパクトな構造とする乗り物用シートを実現できる。特に、当該装置において構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　詳しく述べると、連結部材の位置を保持する位置保持部材が、連結部材の延出方向に延びており、連結部材に沿うようにして連結部材に取り付けられている。そのため、従来と比較して連結部材及び位置保持部材をコンパクトに配置することができる。また、連結部材に対し位置保持部材を組み付け易くなる。

　このとき、前記移動状態は、前記シートバックを車体フロア側へ収納移動させた収納状態であって、前記ロック装置は、車体又は前記乗り物用シートに設けられたストライカに対して着脱可能に係合し、前記シートバックの収納動作をロックするロック位置と、ロック解除位置との間で移動するロック部材を備え、前記位置保持部材は、可撓性を有し、前記位置保持部材の延出方向とは直交する方向に撓むことで、前記連結部材の位置を保持していると良い。
　上記構成により、シート本体を収納可能な乗り物用シートにおいて各構成部品をコンパクトに配置することができる。

　このとき、前記ロック装置及び前記操作レバーを連結し、前記操作レバーの動作に対応して前記ロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する連結部材と、前記連結部材に組み付けられ、前記連結部材を前記ロック装置側又は前記操作レバー側へ付勢する付勢部材と、を備え、前記連結部材は、前記付勢部材を組み付けるための組み付け部を有し、前記連結部材の本体部と、前記組み付け部とが一体に形成されていると良い。
　上記構成により、ロック装置をシンプルな構造とした乗り物用シートを実現できる。また、当該装置の構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　詳しく述べると、連結部材は、付勢部材を組み付けるための組み付け部を有し、連結部材の本体部と、組み付け部とが一体に形成されている。そのため、構成部品同士（連結部材及び付勢部材）を組み付ける際にできる限り別部材を不要にすることができる。また、連結部材に対し付勢部材を組み付け易くなる。

　このとき、前記移動状態は、前記シートバックを車体フロア側へ収納移動させた収納状態であって、前記ロック装置は、車体又は前記乗り物用シートに設けられたストライカに対して着脱可能に係合し、前記シートバックの収納動作をロックするロック位置と、ロック解除位置との間で移動するロック部材を備え、前記組み付け部は、前記連結部材の前記本体部の側面から前記付勢部材に向かって突出する組み付け突起であって、前記付勢部材の一端部に組み付けられると良い。
　上記構成により、シート本体を収納可能な乗り物用シートにおいて各構成部品をコンパクトに配置することができる。

　このとき、前記レバー取り付け部材及び前記操作レバーの間に配置され、前記操作レバーを覆うカバー部材と、前記レバー取り付け部材及び前記カバー部材の間に設けられ、前記操作レバーを囲むように配置される板状のプレート部材と、を備え、前記操作レバーは、前記シート本体の被覆材となる表皮材の外面に形成された表皮開口穴から露出するように設けられ、前記表皮材において前記表皮開口穴の外周部分が、前記カバー部材及び前記プレート部材によって挟まれており、前記レバー取り付け部材は、前記レバー取り付け部材の本体部から前記プレート部材側に向かって突出し、前記プレート部材の側面に当接することで前記プレート部材を支持すると良い。
　上記構成により、シート本体の状態を切り替える装置において構成部品の組み付け構造を簡素化した乗り物用シートを実現できる。
　詳しく述べると、レバー取り付け部材は、レバー取り付け部材の本体部からプレート部材側に向かって突出し、プレート部材の側面に当接することでプレート部材を支持するプレート支持部を有している。そのため、レバー取り付け部材にプレート部材を組み付けるにあたって、プレート部材側に別途加工を行う必要がなくなる。つまり、従来よりも組み付け構造を簡素化することができる。

　本発明によれば、シート本体の状態を切り替える装置の各構成部品をバランス良く強固に組み付けることが可能な乗り物用シートを実現できる。また、当該装置の構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　また本発明によれば、シート本体を収納可能な乗り物用シートにおいて、各構成部品をよりバランス良く強固に組み付けることができる。
　また本発明によれば、レバー取り付け部材及びロックカバーをよりバランス良く強固に組み付けることができる。また、これら構成部品を安定して組み付けることができる。
　また本発明によれば、レバー取り付け部材に対するロックカバーの組み付け作業が容易になる。また、組み付け作業を自動化することも容易になる。
　また本発明によれば、ロックカバーの嵌合強度を高めることができる。
　また本発明によれば、ロック装置をコンパクトな構造とする乗り物用シートを実現できる。特に、当該装置において構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　また本発明によれば、シート本体を収納可能な乗り物用シートにおいて各構成部品をコンパクトに配置することができる。
　また本発明によれば、ロック装置をシンプルな構造とした乗り物用シートを実現できる。また、当該装置の構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　また本発明によれば、シート本体を収納可能な乗り物用シートにおいて各構成部品をコンパクトに配置することができる。
　また本発明によれば、シート本体の状態を切り替える装置において構成部品の組み付け構造を簡素化した乗り物用シートを実現できる。

第１実施形態の乗り物用シートの斜視図である。シートフレームの斜視図である。操作レバー、カバー部材、プレート部材、レバー取り付け部材、ロック部材及びロックカバーの斜視図である。図３を別の角度から見たときの斜視図である。図３の分解斜視図である（その１）。図３の分解斜視図である（その２）。プレート部材及びレバー取り付け部材の組み付け状態を示す図である。表皮材がプレート部材及びレバー取り付け部材の間に挟まれた状態を示す図である。表皮材、操作レバー、カバー部材、プレート部材及びレバー取り付け部材の断面図である。操作レバー、レバー取り付け部材、連結リンク及び位置保持部材の側面図である。連結リンク及び位置保持部材の斜視図である。連結リンク及び位置保持部材の側面図である。レバー取り付け部材、連結リンク及び位置保持部材の斜視図であって、位置保持部材がレバー取り付け部材に当接した状態を示す図である。連結リンク、ロック部材及び付勢バネの斜視図であって、連結リンクの組み付け状態を示す図である。レバー取り付け部材及びロックカバーが嵌合した状態を示す図である。ロックカバー、第２ロックカバーの嵌合部を示す図である。操作レバー及びロック部材が「ロック位置」にいる状態を示す図である。操作レバー及びロック部材が「中間位置」にいる状態を示す図である。操作レバー及びロック部材が「ロック解除位置」にいる状態を示す図である。変形例のカバー部材及びレバー取り付け部材の側面図である。第２実施形態の乗り物用シートの斜視図である。切り替え装置の斜視図である。図２２を別の角度から見たときの斜視図である。切り替え装置の側面図であって、ロック装置（ロックカバー）に緩衝部材が取り付けられた状態を示す図である。緩衝部材、ロックカバー（第１ロックカバー）の分解斜視図である。緩衝部材、ロックカバーの組図である。緩衝部材の斜視図である。図２６のＸＸＶＩＩＩ－ＸＸＶＩＩＩ断面図である。変形例１の緩衝部材が、ロックカバーに取り付けられた状態を示す図である。緩衝部材、ロックカバーの分解斜視図である。緩衝部材の斜視図である。変形例２の緩衝部材、ロックカバーの分解斜視図である。緩衝部材の斜視図である。変形例３の緩衝部材、ロックカバーの分解斜視図である。緩衝部材の斜視図である。変形例４の緩衝部材、ロックカバーの分解斜視図である。緩衝部材の斜視図である。

　以下、本発明に係る実施形態について図１～図３７を参照して説明する。
　本実施形態は、シート本体を「通常状態」と「移動状態」の間で切り替え可能な乗り物用シートであって、シート本体の移動動作をロックするロック部材と、ロック部材のロック状態を解除するために動作する操作レバーと、ロック部材及び操作レバーを連結し、操作レバーの動作に対応してロック部材をロック解除するように作用する連結リンクと、連結リンクに取り付けられ、連結リンクの位置を保持する位置保持部材と、を備えており、位置保持部材が、連結リンクの延出方向に延びており、連結リンクに沿うようにして連結リンクに取り付けられていることを主な特徴とする乗り物用シートに関するものである。
　なお、乗り物用シートのシートバックに対して乗員が着座する側がシート前方側となる。

　＜第１実施形態＞
　　＜＜シートの全体構成＞＞
　本実施形態の乗り物用シートＳは、図１に示すように、例えば車両の後部座席に相当するリアシートである。なお、車両前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシートとしても利用可能である。
　乗り物用シートＳは、着座者が着座可能な「通常状態」と、シート本体を車体フロア側に収納させた「収納状態」との２種類の形態のシートアレンジが可能なシートである。
　具体的には、乗り物用シートＳは、「通常状態」のときに乗員が図１に示す操作レバー５０を操作すると、シート本体（シートバック）が前倒れして折り畳まれ、車体フロアに収納された「収納状態」へ切り替わる。また、「収納状態」のときに乗員が手動でシート本体を上方に起こすことで「通常状態」へ復帰する。

　乗り物用シートＳは、図１、図２に示すように、シートバック１と、シートクッション２と、ヘッドレスト３とを有するシート本体と、シートクッション２及び車体フロアの間に取り付けられ、シートクッション２を支持する支持脚３０と、シートバック１を回動可能に支持する支持ベース３５と、シートバック１のシート幅方向の外側面に取り付けられ、シート本体を「通常状態」から「収納状態」へ切り替えるための切り替え装置４０と、から主に構成されている。

　シートバック１は、図１に示すように、乗員の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となる図２に示すバックフレーム１０にパッド材１ａを載置して、表皮材１ｂで被覆することで構成されている。
　なお、シートバック１の上面においてシート幅方向の左側部分には、操作レバー５０が取り付けられている。
　シートクッション２は、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となる図２に示すクッションフレーム２０にパッド材２ａを載置して、表皮材２ｂで被覆することで構成されている。
　ヘッドレスト３は、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、芯材となる不図示のピラーにパッド材を載置して表皮材で被覆することで構成されている。

　バックフレーム１０は、図２に示すように、矩形状の枠状体からなり、パイプ材で構成された枠状のメインフレーム１１と、メインフレーム１１のシート後方に取り付けられる板状のパネルフレーム１２と、メインフレーム１１の枠内にそれぞれ取り付けられ、上下方向に延びる連結フレーム１３と、シート幅方向に延びて、着座者を支持するための弾性支持部材１４と、から主に構成されている。

　メインフレーム１１の下方部分の外側面には、支持ベース３５と連結するための左右の車体連結ブラケット１５が取り付けられている。
　また、メインフレーム１１の上方部分の外側面には、車体に設けられた図１に示すストライカ４１に連結するための切り替え装置４０が取り付けられている。

　車体連結ブラケット１５は、図２に示すように、上下方向に延出する板金部材からなり、その上方部分がメインフレーム１１の外側面に取り付けられ、その下方部分が支持ベース３５の内側面に対して回動可能となるように取り付けられている。
　車体連結ブラケット１５は、シート幅方向においてバックフレーム１０とクッションフレーム２０の間に挟まれている。
　左側の車体連結ブラケット１５の下方部分には、シート幅方向において支持ベース３５に軸支されたシート回動軸１６が設けられ、右側の車体連結ブラケット１５の下端部には、支持ベース３５に対してバックフレーム１０を回動可能に連結するリクライニング装置１７が取り付けられている。

　リクライニング装置１７は、図２に示すように、右側の車体連結ブラケット１５のシート幅方向の外側面に取り付けられている。
　リクライニング装置１７は、バックフレーム１０をシート回動軸１６を中心として前方側に回動させて収納状態に付勢する不図示の渦巻きバネを備えている。
　この渦巻きバネは、その一端部がバックフレーム１０側に係止され、その他端部が支持ベース３５側に係止されて構成されている。
　リクライニング装置１７は、操作レバー５０の操作に伴ってシートバック１のロック状態が解除されることで作動し、渦巻きバネの付勢力によってバックフレーム１０を前方側に回動させて車体フロア側に折り畳むことができる。

　クッションフレーム２０は、図２に示すように、矩形状の枠状体からなり、左右側方に配置される左右のサイドフレーム２１と、各サイドフレーム２１の前方部分を連結する前方連結フレーム２２と、各サイドフレーム２１の前後方向の略中央部分を連結する中央連結フレーム２３と、前方連結フレーム２２と中央連結フレーム２３を連結する板状フレームとしてのパンフレーム２４と、から主に構成されている。

　サイドフレーム２１は、シート前後方向に延びる断面Ｕ字形状の板金部材からなり、その前方部分が前方連結フレーム２２と連結され、その後方部分が車体連結ブラケット１５を介してバックフレーム１０の外側面に取り付けられている。
　なお、左側のサイドフレーム２１の後端部分には、バックフレーム１０に対してクッション回動軸２６を中心としてクッションフレーム２０を回動可能に連結するクッション回動装置２５が取り付けられている。

　前方連結フレーム２２は、Ｕ字形状体のパイプ部材であって、そのシート幅方向の内側面には、クッションフレーム２０に対して脚回動軸２８を中心として支持脚３０を回動可能に連結する脚回動装置２７が取り付けられている。

　支持脚３０は、図２に示すように、シートクッション２を下方から支持するＵ字形状体のパイプ部材であって、左右側方に配置された脚本体部３１と、各脚本体部３１の下端部を連結する脚連結部３２と、を備えている。
　脚本体部３１の上端部は、クッションフレーム２０の前後方向の中央部分の内側面に連結されている。また、脚連結部３２のシート幅方向の中央部は、車体フロア上にある不図示の脚保持部材に着脱可能に保持されている。
　支持脚３０の上端部は、支持脚３０の下端部よりもシート前方に張り出しており、支持脚３０の下端部から上端部に向かって前方に上方傾斜している。

　支持ベース３５は、図２に示すように、シートバック１を下方から支持する部材であって、シート前後方向に長尺なＬ字形状体の板金部材からなる。
　支持ベース３５は、シート幅方向の側方に配置されて車体フロアと連結されている。
　具体的には、支持ベース３５は、車体フロア上面に連結された連結壁部３６と、連結壁部３６の内側端部から上方へ屈曲して延出し、車体連結ブラケット１５の下端部分にシート回動軸１６を介して連結される外側壁部３７と、を備えている。

　　＜＜切り替え装置＞＞
　切り替え装置４０は、図１、図２に示すように、乗り物用シートＳを「通常状態」から「収納状態」へ切り替えるための装置であって、シートバック１（バックフレーム１０）の上方部分に取り付けられている。
　乗り物用シートＳは、「通常状態（使用状態）」から、乗員が操作レバー５０を操作すると、切り替え装置４０によるシートバック１のロック状態が解除される。シートバック１のロック解除に伴って図２に示すリクライニング装置１７が動作し、具体的には不図示の渦巻きバネの付勢力によってシートバック１を前方側へ回動させて折り畳むことができる。
　また、シートバック１の回動動作に伴って図２に示すクッション回動装置２５及び脚回動装置２７がそれぞれ動作し、具体的には不図示の渦巻きバネの付勢力によって支持脚３０を脚回動軸２８を中心としてシートクッション２側へ回動させて折り畳むことができる。

　上記一連の動作によって、シート本体が車体フロアに収納され、乗り物用シートＳが「通常状態」から「収納状態」へ切り替わる。
　乗り物用シートＳを「収納状態」から「通常状態」へ復帰させたい場合には、乗員がシート本体を不図示の渦巻きバネの付勢力に抗して手で持ち上げる等して、切り替え装置４０のロック部材９１をストライカ４１に係合させて、シートバック１をロック状態に切り替えれば良い。
　なお、ストライカ４１は、車体部材の一部であって、車体に固定されている。

　切り替え装置４０は、図３～図６に示すように、「通常状態」のときにシート本体の移動動作をロックするロック装置９０と、ロック装置９０のロック状態を解除するために動作する操作レバー５０と、ロック装置９０及び操作レバー５０を連結し、操作レバー５０の動作に対応してロック装置９０をロック解除するように作用する連結リンク８０と、連結リンク８０に取り付けられ、連結リンク８０の位置を保持する位置保持部材８９と、を備えている。
　操作レバー５０は、シートバック１の上面に設けられたカバー部材６０及びレバー取り付け部材７０に格納されている。そして、レバー取り付け部材７０に対してレバー回動軸５１を介して回動可能に取り付けられている。
　ロック装置９０は、ロックカバー９８、９９によって覆われ、ロックカバー９８、９９に格納されている。

　　＜＜操作レバー、カバー部材、プレート部材、レバー取り付け部材＞＞
　操作レバー５０は、図３～図６に示すように、ロック装置９０のロック状態を解除するために回動操作されるレバーであって、シートバック１の側方部分に取り付けられている。
　詳しく述べると、操作レバー５０は、シートバック１の外側面に設けられたカバー部材６０及びレバー取り付け部材７０に格納されている。そして、レバー取り付け部材７０に対してレバー回動軸５１を介して回動可能に取り付けられている。
　操作レバー５０は、シート前後方向に長尺なレバーであって、その前端部分が「基端部分」に相当し、その後端部分が「先端部分」に相当する。

　操作レバー５０は、図３、図１７に示す「通常位置（ロック位置）」と、通常位置から回動させた図１９に示す「回動位置（ロック解除位置）」との間で回動可能となるように取り付けられている。
　なお、操作レバー５０は、操作レバー５０及びロック装置９０の間に介在する連結リンク８０によって、回動位置側から通常位置側へ付勢されている。

　操作レバー５０は、図３～図５に示すように、操作レバー５０の外面を形成し、シート前後方向に湾曲しながら延びている上壁部５０ａと、上壁部５０ａの前端部から下方へ延びている前壁部５０ｂと、上壁部５０ａの左右側方部から下方へ延びており、上壁部５０ａ及び前壁部５０ｂに連結されている左右の側壁部５０ｃと、左右の側壁部５０ｃから下方へさらに延びている左右の第２側壁部５０ｄと、左右の第２側壁部５０ｄを連結するとともに、左右の第２側壁部５０ｄからシート後方に向かって突出している底壁部５０ｅと、左右の第２側壁部５０ｄ及び底壁部５０ｅを連結する補強壁部５０ｆと、を有している。

　操作レバー５０は、左右の側壁部５０ｃに形成され、各側壁部５０ｃからシート幅方向の外側に向かって突出する左右のレバー回動軸５１を有している。
　左右のレバー回動軸５１は、図５、図６、図１０に示すように、カバー部材６０を貫通し、レバー取り付け部材７０の左右側方に形成された軸支持部７１に軸支されている。

　操作レバー５０は、上壁部５０ａの後端部及び左右の側壁部５０ｃの後端部によって形成され、乗員が指を引っ掛けるためのレバー操作部５２を有している。レバー操作部５２は、カバー部材６０の上面に略面一となるように形成されている。
　また、操作レバー５０は、上壁部５０ａの前端部に形成され、操作レバー５０の回動動作を規制するレバー規制部５３を有している。レバー規制部５３は、カバー部材６０の前端部に形成されたレバー当接部６３に当接可能に配置されており、レバー当接部６３に当接することで操作レバー５０の動作を規制する。

　操作レバー５０は、左右の第２側壁部５０ｄに形成され、各第２側壁部５０ｄからシート幅方向の外側に向かって突出する左右の係合部５４（リンク係合部）を有している。
　左右の係合部５４は、図５、図６、図１０に示すように、カバー部材６０を貫通し、レバー取り付け部材７０の開口部７３に対向し、連結リンク８０のレバー係合部８２に連結される。
　具体的には、左右の係合部５４は、凹部形状を有する係合穴であって、凸形状のレバー係合部８２（レバー係合凸部）に連結される。

　カバー部材６０は、図３～図６に示すように、操作レバー５０を支持するカバープレートであって、レバー取り付け部材７０の内部に収容された状態でレバー取り付け部材７０に取り付けられている。
　具体的には、カバー部材６０は、表皮材１ｂの一部（表皮材１ｂに形成された開口穴の外周部分）をレバー取り付け部材７０とで挟み込むように構成されている。そうすることで、操作レバー５０周辺の外観の見栄えが良好になる。

　カバー部材６０は、図５に示すように、その底面が開放された箱形状を有している。
　詳しく述べると、カバー部材６０は、シート幅方向に所定の間隔を空けて配置された左右の側壁部６０ａと、左右の側壁部６０ａの前端部を連結する前壁部６０ｂと、左右の側壁部６０ａの後端部を連結する後壁部６０ｃと、左右の側壁部６０ａ及び後壁部６０ｃそれぞれの下端部を連結する底壁部６０ｄと、を有している。
　また、カバー部材６０は、左右の側壁部６０ａの上端部からシート幅方向の外側へ張り出している左右の側方フランジ部６０ｅと、前壁部６０ｂの上端部から前方へ張り出している前方フランジ部６０ｆと、後壁部６０ｃの上端部から後方へ張り出している後方フランジ部６０ｇと、を有している。

　カバー部材６０の底壁部６０ｄの前方部分及び右側方部分には、上下方向に貫通した略Ｌ字形状のカバー開口部６１が形成されている。
　カバー開口部６１は、底壁部６０ｄから左右の側壁部６０ａの下方部分にわたって切り欠き形成された開口穴である。
　上記カバー開口部６１を通じて、操作レバー５０の下方部分がカバー部材６０を貫くように組み付けられている。また、レバー回動軸５１、係合部５４がカバー部材６０を貫くように組み付けられている。

　カバー部材６０は、図５に示すように、左右の側壁部７０ａ、前壁部６０ｂから外側に向かって突出し、レバー取り付け部材７０（係合凸部７２）に係合する左右のカバー係合穴６２、前方のカバー係合穴６２を有している。
　左右のカバー係合穴６２（被係合部）は、シート幅方向においてレバー取り付け部材７０の係合凸部７２（係合部）と係合される。前方のカバー係合穴６２は、前後方向において係合凸部７２と係合される。
　なお、カバー部材６０のうち、前壁部６０ｂ及び前方フランジ部６０ｆの連結部分が、操作レバー５０（レバー規制部５３）に当接するレバー当接部６３となる。

　カバー部材６０は、左右の側方フランジ部６０ｅ、前方フランジ部６０ｆ及び後方フランジ部６０ｇの内側端部の底面に形成され、レバー取り付け部材７０側に向かって突出し、カバー支持部７４に支持される支持突起６４を有している。
　支持突起６４は、これらフランジ部６０ｅ、６０ｆ、６０ｇの縁部分（内縁部分）に沿って間隔を空けて複数形成されている。

　上記構成において、図１に示すように、操作レバー５０及びカバー部材６０が、シートバック１の外面から一部露出するようにしてバックフレーム１０（レバー取り付け部材７０）に対して組み付けられている。
　そして、操作レバー５０がロック位置にいるときに、シートバック１の外面と、操作レバー５０の外面と、カバー部材６０の外面とが略面一となっている。
　そうすることで、乗り物用シートＳの意匠性を損なうことなく、シートバック１の上方部分に操作レバー５０をコンパクトに配置することができる。

　プレート部材６５は、図３～図９に示すように、表皮材２ｂを保持するための枠状のプレート体であって、レバー取り付け部材７０上に取り付けられている。
　プレート部材６５は、上下方向においてカバー部材６０及びレバー取り付け部材７０の間に設けられ、操作レバー５０を囲むように配置されている。

　具体的には、プレート部材６５は、図７に示すように、レバー取り付け部材７０の側方フランジ部７０ｅ、前方フランジ部７０ｆ及び後方フランジ部７０ｇによって下方から支持されている。また、レバー取り付け部材７０のプレート支持部７５によって側方から支持されている。

　プレート部材６５は、図８、図９に示すように、表皮材２ｂを下方から支持している。具体的には、プレート部材６５及びカバー部材６０が、上下方向から表皮材２ｂの表皮開口穴２ｃの外周部分を挟持している。
　なお、操作レバー５０は、表皮材２ｂの外面に形成された表皮開口穴２ｃから露出するように取り付けられる。

　レバー取り付け部材７０は、図３～図６に示すように、操作レバー５０を回動可能に支持する格納プレートであって、バックフレーム１０の上方部分の側方位置に取り付けられている。

　レバー取り付け部材７０は、図５に示すように、箱形状を有している。
　詳しく述べると、レバー取り付け部材７０は、シート幅方向に間隔を空けて配置された左右の側壁部７０ａと、左右の側壁部７０ａの前端部を連結する前壁部７０ｂと、左右の側壁部７０ａの後端部を連結する後壁部７０ｃと、左右の側壁部７０ａ、前壁部７０ｂ及び後壁部６０ｃそれぞれの下端部を連結する底壁部７０ｄと、を有している。
　また、レバー取り付け部材７０は、左右の側壁部７０ａの上端部からシート幅方向の外側へ張り出している左右の側方フランジ部７０ｅと、前壁部７０ｂの上端部から前方へ張り出している前方フランジ部７０ｆと、後壁部７０ｃの上端部から後方へ張り出している後方フランジ部７０ｇと、を有している。

　レバー取り付け部材７０は、左右の側壁部７０ａの前方部分に形成され、レバー回動軸５１を軸支する左右の軸支持部７１（軸支持穴）を有している。
　また、レバー取り付け部材７０は、左右の側壁部７０ａの後方部分に形成され、各側壁部７０ａからシート幅方向の外側に突出し、カバー係合穴６２に係合する左右の係合凸部７２を有している。
　また、レバー取り付け部材７０は、左右の側壁部７０ａの中央部分に設けられ、操作レバー５０の係合部５４に対向する位置に形成される開口部７３を有している。
　開口部７３は、左右の側壁部７０ａの下端部から上方へ向かって切り欠き形成され、上下方向に長尺な開口穴であって、連結リンク８０（連結リンク８０の上方部分）をシート幅方向の外側から挿通させることが可能となっている。
　当該開口部７３を利用することで、操作レバー５０の係合部５４に対し、連結リンク８０（レバー係合部８２）を連結することができる。

　レバー取り付け部材７０は、図５に示すように、フランジ部７０ｅ、７０ｆ、７０ｇそれぞれの内側端部の上面に形成され、カバー部材６０側に向かって突出し、カバー部材６０の支持突起６４に組み付けられるカバー支持部７４を有している。
　カバー支持部７４は、組み付け突起であって、これらフランジ部７０ｅ、７０ｆ、７０ｇの縁部分（内縁部分）に沿って間隔を空けて複数形成されている。

　レバー取り付け部材７０は、図５、図７に示すように、フランジ部７０ｅ、７０ｆ、７０ｇそれぞれの内側端部の上面に形成され、プレート部材６５側に向かって突出し、プレート部材６５の内側面に当接することでプレート部材を支持するプレート支持部７５を有している。
　プレート支持部７５は、カバー支持部７４に隣接して設けられており、具体的には、カバー支持部７４よりも外側に配置されている。
　プレート支持部７５は、プレート部材６５の内側面に沿って間隔を空けて複数形成され、プレート部材６５の内側面に沿って延びている。

　レバー取り付け部材７０は、図５、図６、図１０に示すように、左右の側壁部７０ａの下端部に形成され、ロックカバー９８、９９に設けられた被嵌合部９８ｂ、９８ｃ、９９ｂ（嵌合凸部）に嵌合する嵌合部７６、７７、７８（嵌合穴）を有している。
　第１嵌合部７６は、第１ロックカバー９８の上端部にある第１被嵌合部９８ｂに嵌合する。
　第２嵌合部７７は、第１嵌合部７６よりも後方位置に配置され、第２ロックカバー９９の上端部にある第２被嵌合部９９ｂに嵌合する。
　第３嵌合部７８は、第２嵌合部７７よりも後方位置に配置され、第１ロックカバー９８の上端部にある第３被嵌合部９８ｃに嵌合する。

　レバー取り付け部材７０は、図７、図１７に示すように、その後壁部７０ｃからシート後方側に向かって張り出している張り出し部７９を有している。
　張り出し部７９は、表皮材２ｂにおいて表皮開口穴２ｃの外周部分に当接することで、表皮材２ｂを支持する部分である。
　張り出し部７９は、シート側面視において中空状に形成されている。
　具体的には、張り出し部７９は、上下方向において異なる位置に配置され、後壁部７０ｃの後面からそれぞれシート後方側へ張り出す上壁部７９ａ及び底壁部７９ｂと、上壁部７９ａの後端部及び底壁部７９ｂの後端部を連結し、表皮材２ｂを支持する支持壁部７９ｃと、を有している。

　上記構成において、図５、図７に示すように、複数のプレート支持部７５のうち、最も上方位置にあるプレート支持部７５が、レバー取り付け部材７０の本体部よりも上方位置に配置されている。
　そうすることで、レバー取り付け部材７０にプレート部材６５をより強固に組み付けることができる。

　上記構成において、図５に示すように、レバー取り付け部材７０は、カバー部材６０の外側面に設けられたカバー係合穴６２（被係合部）に係合する係合凸部７２を有している。そして、複数の係合凸部７２が、複数のプレート支持部７５の間に配置されている。
　そうすることで、レバー取り付け部材７０に対しカバー部材６０を安定して係合させることができる。

　上記構成において、図５に示すように、レバー取り付け部材７０は、係合凸部７２の周囲に形成され、カバー係合穴６２を係合凸部７２に係合させる位置に位置決めするための位置決め部７２ａを有している。位置決め部７２ａは、凹形状の位置決め凹部である。
　そうすることで、レバー取り付け部材７０に対しカバー部材６０を係合させ易くすることができる。

　　＜＜連結リンク（連結部材）＞＞
　連結リンク８０は、図１０～図１５に示すように、操作レバー５０及びロック装置９０（伝達部材９２）を連結し、操作レバー５０の動作に対応してロック装置９０をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する樹脂製の連結部材である。
　連結リンク８０は、可撓性を有する板状の位置保持部材８９によって保持されている。

　連結リンク８０は、操作レバー５０及びロック装置９０の間で上下方向に長尺に延びており、操作レバー５０とロック装置９０とに連結され、レバー取り付け部材７０の内部に格納されている。
　詳しく述べると、図１０に示すように、連結リンク８０の上方部分は、レバー取り付け部材７０の外側面に形成された開口部７３を通じてレバー取り付け部材７０の内部に入り込み、操作レバー５０（係合部５４）に連結されている。
　また、連結リンク８０の下方部分は、ロックカバー９８、９９によって側方から覆われており、ロック装置９０（伝達部材９２、付勢バネ９６）に連結されている。

　具体的には、連結リンク８０は、図１１、図１２に示すように、上下方向に長尺な本体部８１と、本体部８１の上方部分の側面（左側面）から突出し、操作レバー５０（係合部５４）に係合するレバー係合部８２と、本体部８１の下方部分の側面（左側面）から突出し、ロック装置９０（伝達部材９２）に連結するロック連結部８３と、本体部８１の下方部分のうち、ロック連結部８３側とは反対側の側面（右側面）から突出し、付勢バネ９６を組み付けるバネ組み付け部８４と、を備えている。
　また、連結リンク８０は、本体部８１の中央部分の左右側面から後方へ突出し、位置保持部材８９を取り付けるための取り付け部８５と、本体部８１の中央部分の後面から後方へ突出し、位置保持部材８９の係合穴８９ｃ（被係合部）に係合させるための係合凸部８６（係合部）と、をさらに備えている。

　レバー係合部８２は、図１０、図１１、図１３に示すように、例えばスナップフィット形状の係合突起であって、本体部８１の側面から操作レバー５０に向かって突出し、係合部５４に係合するものである。
　具体的には、レバー係合部８２は、上下方向に長軸を有する断面略楕円形状の係合本体部８２ａと、係合本体部８２ａの先端部からさらに突出し、係合本体部８２ａの幅方向の外側に広がるように形成される係合爪８２ｂと、を有している。
　レバー係合部８２の幅方向の中央部分には、レバー係合部８２の突出方向に沿って形成されたスリット孔８２ｃが形成されている。

　上記構成において、操作レバー５０の係合部５４（係合穴）は、連結リンク８０の延出方向（上下方向）における幅が、連結リンク８０の延出方向とは交差する方向（前後方向）における幅よりも大きくなっている。
　つまり、係合部５４は、レバー係合部８２の形状（上下に長尺な楕円形状）に対応した穴形状を有している。より具体的には、係合部５４の上下方向における幅は、レバー係合部８２の上下方向における幅よりもやや大きくなるように形成されている。
　そうすることで、操作レバー５０に対し連結リンク８０を取り付け易くすることができる。すなわち、操作レバー５０に対し、連結リンク８０の上下方向の位置を調整しながら、連結リンク８０を取り付けることができる。また、連結リンク８０を取り付けた後は、スナップフィット嵌合によって連結リンク８０を強固に連結することができる。

　ロック連結部８３は、図１１、図１５に示すように、例えばスナップフィット形状の連結突起であって、本体部８１の側面から伝達部材９２に向かって突出し、連結穴９２ａに係合するものである。
　なお、ロック連結部８３は、レバー係合部８２と同様の形状を有し、係合本体部８３ａと、係合爪８３ｂと、スリット孔８３ｃと、を有している。

　バネ組み付け部８４は、図１１、図１４に示すように、組み付け突起であって、本体部８１の側面から付勢バネ９６に向かって突出し、付勢バネ９６の上端部に組み付けられるものである。
　バネ組み付け部８４は、その突出先端部８４ａに向かうに従って幅広となるように形成されている。そして、バネ組み付け部８４において付勢バネ９６が組み付けられる部分が、突出先端部８４ａよりも幅狭となっている。
　そうすることで、付勢バネ９６が、付勢バネ９６の取り付け方向においてバネ組み付け部８４から外れ難くなる。

　取り付け部８５は、図１１、図１２に示すように、フック形状からなり、本体部８１の左右側面からそれぞれ後方へ突出する左右の取り付け本体部８５ａと、左右の取り付け本体部８５ａの先端部から上方へ突出するフック部８５ｂと、を有している。
　上記構成により、取り付け部８５に対し位置保持部材８９を上方から取り付けることができる。そして、取り付け部８５は、位置保持部材８９を下方から支持することができる。また、本体部８１及び取り付け部８５が、位置保持部材８９をシート前後方向で挟むように保持することができる。

　係合凸部８６は、取り付け部８５（左右の取り付け本体部８５ａ）の間に設けられ、取り付け部８５よりもやや下方位置に配置されている。
　係合凸部８６に対し位置保持部材８９（係合穴８９ｃ）を後方から取り付けることができる。そして、係合凸部８６は、位置保持部材８９をシート幅方向で位置ズレしないように保持することができる。さらに言えば、取り付け部８５及び係合凸部８６が、シート幅方向において位置保持部材８９を挟むように保持することができる。

　上記構成において、図１１に示すように、連結リンク８０は、本体部８１のシート幅方向の側面に形成され、連結リンク８０の延出方向に沿って延びている補強部８７をさらに備えている。
　補強部８７は、凹形状の補強凹部である。
　このとき、レバー係合部８２、ロック連結部８３及びバネ組み付け部８４は、上下方向において補強部８７とは異なる位置に配置されている。
　そうすることで、連結リンク８０全体の剛性をバランス良く高めることができる。また、連結リンク８０においてレバー係合部８２、ロック連結部８３及びバネ組み付け部８４の肉厚を確保することもできる。

　上記構成において、図１１に示すように、補強部８７には、連結リンク８０（本体部８１）を貫通する貫通穴８８が形成されている。
　そして、貫通穴８８と、バネ組み付け部８４（ロック連結部８３）とが、連結リンク８０の側面に並ぶように配置されている。
　そうすることで、貫通穴８８によって連結リンク８０を軽量化することができる。特に、連結リンク８０においてバネ組み付け部８４、ロック連結部８３が形成された部分を避けて連結リンク８０を軽量化することができる。

　　＜＜位置保持部材＞＞
　位置保持部材８９は、図１０～図１３に示すように、可撓性を有する樹脂製の板状部材であって、連結リンク８０の延出方向（上下方向）に長尺に延びており、連結リンク８０に沿うようにして連結リンク８０のみに取り付けられている。
　位置保持部材８９は、位置保持部材８９の延出方向（上下方向）とは直交する方向に撓むことで、連結リンク８０の位置を保持している。
　位置保持部材８９は、連結リンク８０（取り付け部８５）に収納されて取り付けられている。

　位置保持部材８９は、連結リンク８０の外面（後面）に沿って配置され、上下方向に延びている本体部８９ａと、本体部８９ａの中央部分から左右外側へ突出し、連結リンク８０（取り付け部８５）に取り付けられる左右の突出部８９ｂと、本体部８９ａの中央部分において突出部８９ｂよりもやや下方位置に形成され、係合凸部８６に係合する係合穴８９ｃと、を備えている。
　また、位置保持部材８９は、本体部８９ａの上端部を後方側へ折り曲げて形成される撓み部８９ｄと、本体部８９ａの下端部を後方側へ屈曲させて形成される屈曲部８９ｅと、をさらに備えている。
　詳しく述べると、撓み部８９ｄは、本体部８９ａの上端部を後方側へ折り返すことで形成され、本体部８９ａとシート前後方向で対向する位置に配置されている。また、撓み部８９ｄは、連結リンク８０とシート前後方向で対向する位置に配置されている。

　上記構成において、図１２に示すように、位置保持部材８９のシート前後方向の長さは、連結リンク８０のシート前後方向の長さよりも短くなっている。
　そうすることで、位置保持部材８９をコンパクトに配置することができる。

　上記構成において、図１０、図１３に示すように、位置保持部材８９は、連結リンク８０とともに、レバー取り付け部材７０の開口部７３を通過してその内部に配置されている。そして、連結リンク８０のレバー係合部８２が、操作レバー５０（係合部５４）に係合されている。
　このとき、開口部７３は、シート幅方向において操作レバー５０から離れるに従って幅広となるように形成されている。
　そうすることで、開口部７３を利用して、操作レバー５０に連結リンク８０を組み付けることが容易になる。

　上記構成において、図１３に示すように、レバー取り付け部材７０の開口部７３の内側面は、平面状に形成された第１内側面７３ａと、第１内側面７３ａよりもシート幅方向の外側に設けられ、傾斜状に広がるように形成された第２内側面７３ｂと、を有している。
　そして、位置保持部材８９の撓み部８９ｄは、開口部７３のうち、第１内側面７３ａに当接して撓むことで連結リンク８０の位置を保持している。
　そうすることで、位置保持部材８９が連結リンク８０の位置を好適に保持することができる。

　上記構成において、図１１に示すように、位置保持部材８９は、連結リンク８０においてロック装置９０に組み付けられる部分（ロック連結部８３）と、操作レバー５０に係合される部分（レバー係合部８２）の間に配置されている。
　そうすることで、位置保持部材８９が、連結リンク８０の位置をバランス良く保持することができる。

　上記構成において、図１１に示すように、連結リンク８０では、本体部８１と、レバー係合部８２と、ロック連結部８３と、バネ組み付け部８４とが一体に形成されている。
　そうすることで、切り替え装置４０の部品点数を削減することができる。

　なお、本実施形態では、連結リンク８０と位置保持部材８９が別体として形成されているが、特に限定されるものではない。
　変形例として、連結リンク８０と位置保持部材８９が、同じ材料（同じ樹脂材料）から一体に形成されていても良い。
　そうすることで、構成部品の部品数を削減することができる。

　　＜＜ロック装置＞＞
　ロック装置９０は、図３、図６、図１７～図１９に示すように、シート幅方向に延びるロック回動軸９４を中心として回動可能に取り付けられ、図１７に示すストライカ４１に対して着脱可能に係合されるロック部材９１と、ロック部材９１よりも上方に配置され、シート幅方向に延びる第２ロック回動軸９５を中心として回動可能に取り付けられ、操作レバー５０（連結リンク８０）の動作をロック部材９１に伝達する伝達部材９２と、ロック部材９１（伝達部材９２）よりもシート幅方向の内側に配置され、伝達部材９２の動作をロック部材９１に伝達する第２伝達部材９３と、を備えている。
　また、ロック装置９０は、連結リンク８０よりも下方位置に配置され、連結リンク８０に組み付けられ、連結リンク８０をロック部材９１側へ付勢する付勢バネ９６をさらに備えている。
　ロック部材９１と伝達部材９２は、シート幅方向において重なる位置に配置されている。

　伝達部材９２は、連結リンク８０を介して操作レバー５０と連結されており、操作レバー５０の動作に伴って回動する。伝達部材９２の回動動作に伴って、第２伝達部材９３が回動する。第２伝達部材９３の回動動作に伴って、ロック部材９１が「ロック位置」と「ロック解除位置」の間で回動する。
　ロック部材９１、伝達部材９２、第２伝達部材９３について詳細は後述する。

　　＜＜ロックカバー＞＞
　ロックカバー９８、９９は、図３、図４、図６に示すように、ロック部材９１、伝達部材９２、第２伝達部材９３及び付勢バネ９６を側方から覆うカバーである。
　ロックカバー９８、９９は、レバー取り付け部材７０よりも下方位置に配置され、レバー取り付け部材７０の側面（右側面）にシート幅方向から組み付けられている。
　詳しく述べると、第１ロックカバー９８は、図６に示すように、レバー取り付け部材７０に組み付けられ、ロック回動軸９４、第２ロック回動軸９５を軸支している。
　また、第２ロックカバー９９は、第１ロックカバー９８よりも外側に配置され、レバー取り付け部材７０、第１ロックカバー９８に組み付けられ、ロック回動軸９４、第２ロック回動軸９５を軸支している。

　第１ロックカバー９８は、図３、図４、図６に示すように、箱形状の樹脂製カバーであって、本体部９８ａと、本体部９８ａの上端部の後方部分からレバー取り付け部材７０に向かって突出し、第１嵌合部７６に嵌合する第１被嵌合部９８ｂと、本体部９８ａの上端部の前方部分からレバー取り付け部材７０に向かって突出し、第３嵌合部７８に嵌合する第３被嵌合部９８ｃと、を有している。
　また、第１ロックカバー９８は、本体部９８ａの側面に形成され、ロック回動軸９４を軸支する軸支持穴９８ｄと、本体部９８ａの側面において軸支持穴９８ｄよりも上方位置に形成され、第２ロック回動軸９５を軸支する第２軸支持穴９８ｅと、本体部９８ａの側面にそれぞれ形成され、第２ロックカバー９９（被組み立て部９９ｅ、第２被組み立て部９９ｆ）にそれぞれ組み付けられるカバー組み立て部９８ｆ、第２カバー組み立て部９８ｇと、をさらに有している。

　カバー組み立て部９８ｆは、組み立て突起であって、上下方向において軸支持穴９８ｄ及び第２軸支持穴９８ｅの間に配置されており、前後方向において第１被嵌合部９８ｂ及び第３被嵌合部９８ｃの間に配置されている。
　第２カバー組み立て部９８ｇは、上下方向に長尺に延びており、前後方向において第１被嵌合部９８ｂ及び第３被嵌合部９８ｃの間に配置されている。

　第２ロックカバー９９は、プレート状の金属製カバーであって、本体部９９ａと、本体部９９ａの上端部からレバー取り付け部材７０に向かって突出し、第２嵌合部７７に嵌合する第２被嵌合部９９ｂと、本体部９９ａの側面にそれぞれ形成され、ロック回動軸９４を軸支する軸支持穴９９ｃと、第２ロック回動軸９５を軸支する第２軸支持穴９９ｄと、を有している。
　また、第２ロックカバー９９は、本体部９９ａの側面にそれぞれ形成され、第１ロックカバー９８（カバー組み立て部９８ｆ、第２カバー組み立て部９８ｇ）にそれぞれ組み付けられる被組み立て部９９ｅ、第２被組み立て部９９ｆをさらに有している。
　被組み立て部９９ｅは組み立て突起である。第２被組み立て部９９ｆは、本体部９９ａの端部を折り曲げることで形成された折り曲げ部である。

　上記構成において、図１５、図１６に示すように、第１嵌合部７６（第１被嵌合部９８ｂ）、第２嵌合部７７（第２被嵌合部９９ｂ）は、それぞれロックカバー９８、９９の嵌合方向（シート幅方向）とは直交する方向に延びており、互いに交差（直交）する方向に延びている。
　また、第１嵌合部７６と、第２嵌合部７７とは、上下方向において異なる位置に配置され、シート前後方向において異なる位置に配置されている。
　そうすることで、レバー取り付け部材７０に対するロックカバー９８、９９の嵌合強度を向上させることができる。

　上記構成において、図１６に示すように、第３嵌合部７８（第３被嵌合部９８ｃ）は、連結リンク８０に対して第１嵌合部７６（第１被嵌合部９８ｂ）及び第２嵌合部７７（第２被嵌合部９９ｂ）側とは反対側に配置されている。
　また、第１嵌合部７６と第３嵌合部７８が、同じ方向に長尺となるように延びている。
　また、第２嵌合部７７は、シート前後方向において第１嵌合部７６及び第３嵌合部７８の間に配置されている。
　そうすることで、レバー取り付け部材７０に対するロックカバー９８、９９の嵌合強度を高めることができる。

　上記構成において、図６、図１５に示すように、第１嵌合部７６、第２嵌合部７７及び第３嵌合部７８が同じ方向（シート幅方向）に嵌合されることで、レバー取り付け部材７０とロックカバー９８、９９が組み付けられている。
　そうすることで、レバー取り付け部材７０に対するロックカバー９８、９９の組み付け作業が容易になる。また、組み付け作業を自動化することも容易になる。

　上記構成において、図１６に示すように、第１ロックカバー９８は、その外縁部分の側面からロック部材９１（伝達部材９２）側に突出するように形成され、ロック部材９１（伝達部材９２）を囲むように配置されているカバーフランジ９８ｈを有している。
　そして、第１嵌合部７６、第２嵌合部７７、第３嵌合部７８は、第１ロックカバー９８の側面においてカバーフランジ９８ｈよりも外側に配置されている。
　このように、レバー取り付け部材７０に対し第１ロックカバー９８の外側部分（外縁部分）を嵌合させることで、第１ロックカバー９８の嵌合強度を高めることができる。

　上記構成において、図１６に示すように、第１ロックカバー９８は、その外縁部分の側面からロック部材９１側に突出するようにそれぞれ形成され、カバーフランジ９８ｈ及び第１被嵌合部９８ｂを連結する第１補強部９８ｉと、カバーフランジ９８ｈ及び第３被嵌合部９８ｃを連結する第２補強部９８ｊと、を有している。
　そうすることで、これら被嵌合部９８ｂ、９８ｃの嵌合強度を高めることができる。

　　＜＜ロック部材のロック構造＞＞
　ロック部材９１は、図１７～図１９に示すように、ロック回動軸９４を中心として「ロック位置」と、ロック位置よりも下方に移動した「ロック解除位置」との間で回動する部材である。そして、「ロック位置」にいるときに伝達部材９２に当接し、伝達部材９２によって移動規制され、ロック位置に配置されている。
　具体的には、ロック部材９１は、ストライカ４１に係合するストライカ係合部９１ａと、ストライカ係合部９１ａとはロック回動軸９４を間に挟んで反対側に配置され、伝達部材９２に当接する当接部９１ｂと、を有している。
　また、ロック部材９１は、ストライカ係合部９１ａとはロック回動軸９４を間に挟んで反対側に配置され、シート幅方向に延びる連結ピン９７によって第２伝達部材９３に接続されている。

　伝達部材９２は、図１７～図１９に示すように、第２ロック回動軸９５を中心として回動し、ロック部材９１を移動規制する「規制位置」と、ロック部材９１から離間した「規制解除位置」との間で切り替わる部材である。
　具体的には、伝達部材９２は、連結リンク８０（ロック連結部８３）に連結される連結穴９２ａと、連結穴９２ａとは第２ロック回動軸９５を間に挟んで反対側（下方側）に配置され、第２伝達部材９３側に突出する突起９２ｂと、を有している。
　伝達部材９２は、突起９２ｂが第２伝達部材９３に形成された突起挿通孔９３ｂに挿通されることで、第２伝達部材９３に接続されている。

　第２伝達部材９３は、図１７～図１９に示すように、ロック部材９１及び伝達部材９２の間に介在し、伝達部材９２の動作をロック部材９１に伝達する部材である。
　具体的には、第２伝達部材９３は、連結ピン９７を軸支するピン支持穴９３ａと、ピン支持穴９３ａよりも上方位置に設けられ、突起９２ｂに接続される突起挿通孔９３ｂと、ピン支持穴９３ａ及び突起挿通孔９３ｂの間に設けられ、付勢バネ９６の下端部を支持するバネ支持部９３ｃと、を有している。

　上記構成において、図１７に示すように、操作レバー５０及びロック装置９０が「ロック位置」にいるとき、操作レバー５０は、レバー取り付け部材７０の内部に収納されており、ロック部材９１は、ストライカ４１に係合している。
　伝達部材９２は、ロック部材９１に当接し、ロック部材９１を保持している。

　そして、図１８、図１９に示すように、操作レバー５０がシート前方側へ回動操作されると、ロック装置９０が「中間位置」を経て「ロック解除位置」へ移動する。
　詳しく述べると、まず、連結リンク８０が、操作レバー５０の回動動作に伴って上方へ引っ張られ、付勢バネ９６の付勢力に抗して上方へ移動する。
　連結リンク８０の上方移動に伴って、伝達部材９２は、第２ロック回動軸９５を中心として上方へ回動し、突起９２ｂを介して第２伝達部材９３を上方へ引っ張る。このとき、伝達部材９２は、ロック部材９１から離間した状態となる。
　伝達部材９２の回動動作に伴って、第２伝達部材９３は上方へ移動し、連結ピン９７を介してロック部材９１を上方へ引っ張る。
　第２伝達部材９３の上方移動に伴って、ロック部材９１は、ロック回動軸９４を中心として回動し、ストライカ４１から離間するように移動する。
　そうすることで、ロック部材９１は、ストライカ４１に係合したロック状態からロック解除状態へ切り替わる。

　なお、操作レバー５０が乗員によって操作された状態から解放されると、付勢バネ９６の付勢力によって操作レバー５０は、再びレバー取り付け部材７０の内部に収納された位置に戻る。また、ロック部材９１についても、再びストライカ４１に係合する位置（係合可能な位置）に戻る。
　すなわち、操作レバー５０及びロック装置９０が「ロック位置」に戻る。

　　＜＜その他＞＞
　上記実施形態において、シート本体の「移動状態」が、「収納状態」に相当するものとして説明されているが、特に限定されるものではない。
　例えば、「移動状態」が、シート本体（シートバック）を所定位置まで後傾させた「リクライニング状態」に相当するものであっても良い。あるいは、シート本体を通常状態よりもシート前後方向へ移動させた「前後移動状態」、シート本体（シートバック）を所定位置まで跳ね上げた「チップアップ状態」に相当するものであっても良い。
　また例えば、乗り物用シートＳがハイトリンク装置を備えているならば、「移動状態」とは、シート本体の高さ位置を変更させた「高さ変更状態」であっても良い。
　また例えば、乗り物用シートＳがオットマン装置を備えているならば、「移動状態」とは、シート本体の一部となる脚支持部材を展開させた「オットマン展開状態」であっても良い。

　上記実施形態において、図１に示すように、操作レバー５０は、シートバック１の上面の左側部分に取り付けられているが、特に限定されず変更可能である。
　例えば、操作レバー５０が、シートバック１の上面の右側部分に取り付けられていても良いし、シートバック１の左外側面、右外側面又は後面に取り付けられていても良い。
　また例えば、操作レバー５０が、シートクッション２の前面、底面又は後面に取り付けられていても良い。あるいは、シートクッション２の左外側面又は右外側面に取り付けられていても良い。

　上記実施形態において、図３に示すように、操作レバー５０がシート前後方向に長尺なレバーであって、その前端部分（基端部分）においてレバー回動軸５１が軸支されているが、特に限定されず変更可能である。
　例えば、操作レバー５０の後端部分にレバー回動軸が軸支されていても良い。その場合には、操作レバー５０の後端部分が「基端部分」に相当し、その前端部分が「先端部分」に相当することになる。
　また例えば、操作レバー５０がシート幅方向に長尺なレバーであって、そのシート幅方向の一端部分においてシート前後方向に長尺なレバー回動軸が軸支されていても良い。その場合には、操作レバー５０の一端部分が「基端部分」に相当し、その他端部分が「先端部分」に相当することになる。

　上記実施形態において、図１０に示すように、付勢バネ９６は、上下方向に長尺な付勢スプリング（引っ張りスプリング）であったが、特に限定されるものではない。
　すなわち、連結リンク８０をロック装置９０側に付勢することが可能な付勢部材であれば適宜変更可能である。

　上記実施形態において、図１９に示すように、付勢バネ９６は、連結リンク８０をロック装置９０側へ付勢しているが、特に限定されるものではない。
　例えば、付勢バネ９６は、連結リンク８０を操作レバー５０側へ付勢するものであっても良い。その場合には、操作レバー５０が、図１４～図１６に示すようにロック装置９０側とは反対側へ操作されるのではなく、付勢バネ９６の付勢力に抗してロック装置９０側へ押し出すように操作されると良い。

　上記実施形態において、図６に示すように、ロック装置９０を覆うロックカバーは、第１ロックカバー９８と、第２ロックカバー９９とに分かれているが、特に限定されるものではない。
　例えば、ロックカバーが１つから構成されても良いし、３つ以上の複数のロックカバーから構成されても良い。

　上記実施形態において、図１５、図１６に示すように、第１ロックカバー９８の第１被嵌合部９８ｂと、第２ロックカバー９９の第２被嵌合部９９ｂとは、互いに直交する方向に延びているが、特に限定されるものではなく、互いに交差する方向に延びていれば良い。

　上記実施形態において、図７に示すように、レバー取り付け部材７０のプレート支持部７５は、枠状のプレート部材６５の内側面に当接することでプレート部材６５を支持しているが、特に限定されるものではない。
　例えば、プレート支持部７５は、プレート部材６５の外側面に当接することでプレート部材６５を支持していても良い。

　上記実施形態において、図２０に示す変形例のように、カバー部材６０、レバー取り付け部材７０をそれぞれカバー部材１６０、レバー取り付け部材１７０としても良い。
　レバー取り付け部材１７０は、カバー部材１６０の外側面に設けられた掛け止め爪１６２に掛け止められる掛け止め部１７４を有している。
　掛け止め部１７４は、レバー取り付け部材１７０の側壁部１７０ａに形成された掛け止穴１７４ａと、側方フランジ部１７０ｅの底面に形成された掛け止め支持部１７４ｂと、から構成されている。
　そうすることで、掛け止め爪及び被掛け止め部（例えば掛け止め穴）による簡易な構造によって、各構成部品を組み付けることができる。

　　＜＜付記１＞＞
　本発明の乗り物用シートによれば、シートバック及びシートクッションを有するシート本体を備え、前記シート本体を通常状態と、前記通常状態から移動させた移動状態との間で切り替え可能な乗り物用シートであって、前記乗り物用シートに設けられ、前記通常状態のときに前記シート本体の移動動作をロックするロック装置と、前記乗り物用シートに設けられ、前記ロック装置のロック状態を解除するために動作する操作レバーと、前記ロック装置及び前記操作レバーを連結し、前記操作レバーの動作に対応して前記ロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する連結部材と、前記連結部材に取り付けられ、前記連結部材の位置を保持する位置保持部材と、を備え、前記連結部材は、前記ロック装置及び前記操作レバーの間で延びており、前記位置保持部材は、前記連結部材の延出方向に延びており、前記連結部材に沿うようにして前記連結部材に取り付けられていると良い。
　上記構成により、シート本体の状態を切り替えるための装置（ロック装置）をコンパクトな構造とする乗り物用シートを実現できる。特に、当該装置において構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　詳しく述べると、連結部材の位置を保持する位置保持部材が、連結部材の延出方向に延びており、連結部材に沿うようにして連結部材に取り付けられている。そのため、従来と比較して連結部材及び位置保持部材をコンパクトに配置することができる。また、連結部材に対し位置保持部材を組み付け易くなる。

　このとき、前記連結部材は、前記連結部材の延出方向から前記位置保持部材を取り付けるための取り付け部と、前記延出方向とは異なる方向から、前記位置保持部材に設けられた被係合部を係合させるための係合部と、を有していると良い。
　上記構成により、連結部材に対し位置保持部材をより組み付け易くなる。

　このとき、前記連結部材は、上下方向から前記位置保持部材を取り付けるための前記取り付け部と、前記取り付け部よりも下方位置に配置され、シート前後方向から前記被係合部を係合させるための前記係合部と、を有し、前記位置保持部材の下端部が、前記連結部材側とは反対側へ屈曲していると良い。
　上記構成により、連結部材の係合部に対し位置保持部材の被係合部を係合し易くなる。

　このとき、前記連結部材は、連結リンクであって、前記ロック装置及び前記操作レバーの間で上下方向に長尺に延びており、前記位置保持部材は、前記連結部材に沿うように上下方向に長尺に延びており、前記位置保持部材のシート前後方向の長さは、前記連結部材のシート前後方向の長さよりも短いと良い。
　上記構成により、位置保持部材をコンパクトに配置することができる。

　このとき、前記位置保持部材は、板状に形成され、前記連結部材の外面に沿って配置されていると良い。
　上記構成により、位置保持部材を比較的薄く形成することができる。そのため、位置保持部材をコンパクトに配置することができる。

　このとき、前記乗り物用シートに取り付けられ、前記操作レバーを取り付けるためのレバー取り付け部材を備え、前記操作レバーは、前記レバー取り付け部材の内部に格納され、前記レバー取り付け部材にレバー回動軸を介して回動可能に取り付けられ、前記レバー取り付け部材の外側面には、前記連結部材を通過させ、前記操作レバーに前記連結部材を連結させるための開口部が形成され、前記開口部は、前記操作レバーから離れるに従って幅広となるように形成されていると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材に設けられた開口部を利用して、操作レバーに連結部材を組み付けることが容易になる。

　このとき、前記位置保持部材は、前記連結部材とともに前記開口部を通過して前記レバー取り付け部材の内部に配置され、前記開口部の内側面は、平面状に形成された第１の内側面と、前記第１の内側面よりも外側に設けられ、傾斜状に広がるように形成された第２の内側面と、を有し、前記位置保持部材は、可撓性を有する撓み部を備え、前記撓み部が前記開口部の前記第１の内側面に当接して撓むことで前記連結部材の位置を保持していると良い。
　上記構成により、位置保持部材の撓み部が、レバー取り付け部材のうち、平面状に形成された第１の内側面に当接して撓むことになる。そのため、位置保持部材が連結部材の位置を保持し易くなる。

　このとき、前記連結部材は、連結リンクであって、前記ロック装置及び前記操作レバーの間で上下方向に長尺に延びており、前記位置保持部材は、前記連結部材に沿うように上下方向に長尺に延びており、前記連結部材のみに取り付けられていると良い。
　上記構成により、連結部材及び位置保持部材をよりコンパクトに配置することができる。また、連結部材及び位置保持部材の組み付け構造を簡素化することができる。

　このとき、前記連結部材と前記位置保持部材は、同じ樹脂材料から一体に形成されていると良い。
　上記構成により、構成部品の部品数を削減することができる。

　　＜＜付記２＞＞
　また、本発明の乗り物用シートによれば、シートバック及びシートクッションを有するシート本体を備え、前記シート本体を通常状態と、前記通常状態から移動させた移動状態との間で切り替え可能な乗り物用シートであって、前記乗り物用シートに設けられ、前記通常状態のときに前記シート本体の移動動作をロックするロック装置と、前記乗り物用シートに設けられ、前記ロック装置のロック状態を解除するために動作する操作レバーと、前記ロック装置及び前記操作レバーを連結し、前記操作レバーの動作に対応して前記ロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する連結部材と、前記連結部材に組み付けられ、前記連結部材を前記ロック装置側又は前記操作レバー側へ付勢する付勢部材と、を備え、前記連結部材は、前記付勢部材を組み付けるための組み付け部を有し、前記連結部材の本体部と、前記組み付け部とが一体に形成されていると良い。
　上記構成により、シート本体の状態を切り替えるための装置（ロック装置）をシンプルな構造とした乗り物用シートを実現できる。また、当該装置の構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　詳しく述べると、連結部材は、付勢部材を組み付けるための組み付け部を有し、連結部材の本体部と、組み付け部とが一体に形成されている。そのため、構成部品同士（連結部材及び付勢部材）を組み付ける際にできる限り別部材を不要にすることができる。また、連結部材に対し付勢部材を組み付け易くなる。

　このとき、前記連結部材は、連結リンクであって、前記ロック装置及び前記操作レバーの間で上下方向に長尺に延びており、前記付勢部材は、付勢バネであって、前記連結部材よりも下方位置に配置され、前記組み付け部は、前記連結部材の下方部分に配置され、前記付勢部材の上端部に組み付けられると良い。
　上記のように連結部材及び付勢部材が上下方向に並ぶように配置されるため、シート前後方向において連結部材及び付勢部材をコンパクトに配置することができる。

　このとき、前記組み付け部は、前記連結部材の前記本体部の側面から前記付勢部材に向かって突出し、前記組み付け部の突出先端部に向かうに従って幅広となるように形成され、前記組み付け部において前記付勢部材が組み付けられる部分が、前記組み付け部の突出先端部よりも幅狭となっていると良い。
　上記構成により、連結部材に対し付勢部材を強固に組み付けることができる。また、付勢部材が連結部材から外れてしまうことを抑制できる。

　このとき、前記連結部材は、前記ロック装置及び前記操作レバーの間で上下方向に長尺に延びており、前記連結部材は、前記連結部材の側面に形成され、前記連結部材の延出方向に沿って延びている補強部を有し、前記補強部は、凹形状の補強凹部又は凸形状の補強凸部であって、前記組み付け部は、前記連結部材の側面に形成され、上下方向において前記補強部とは異なる位置に配置されていると良い。
　上記構成により、シンプルな構成で連結部材の剛性を高めることができる。
　また上記のように組み付け部と補強部が異なる位置に配置されているため、補強部が凹形状の場合には、組み付け部の肉厚を確保することができる。あるいは、補強部が凸形状の場合には、連結部材（補強部）を小型化することができる。

　このとき、前記補強部には、前記連結部材を貫通する貫通穴が形成され、前記組み付け部と、前記貫通穴とが、前記連結部材の側面に並ぶように配置されていると良い。
　上記のように連結部材が貫通穴を有していることで、連結部材を軽量化することができる。また上記構成により、連結部材をシンプルな構成にすることができる。

　このとき、前記連結部材は、前記操作レバーに設けられた係合穴に係合させるための凸状のレバー係合部を有し、前記連結部材の延出方向における前記係合穴の幅は、前記連結部材の延出方向とは交差する方向における前記係合穴の幅よりも大きくなっていると良い。
　上記構成により、操作レバーに対し連結部材を取り付け易くできる。すなわち、操作レバーに対し、連結部材の延出方向の位置を調整しながら、連結部材を取り付けることができる。

　このとき、前記連結部材に取り付けられ、前記連結部材の位置を保持する位置保持部材を備え、前記連結部材は、前記ロック装置及び前記操作レバーの間で上下方向に長尺に延びており、前記位置保持部材は、前記連結部材において前記ロック装置に組み付けられる部分と、前記操作レバーに係合される部分の間に配置されていると良い。
　上記構成により、連結部材のガタツキを抑制することができる。また、連結部材に対し位置保持部材をコンパクトに配置することができる。

　このとき、前記連結部材は、前記位置保持部材を取り付けるための取り付け部を有し、前記位置保持部材は、前記取り付け部に収納されて取り付けられていると良い。
　上記構成により、連結部材に対し位置保持部材を組み付け易くなる。また、位置保持部材をより安定して組み付けることができる。

　このとき、前記位置保持部材は、板状に形成され、前記連結部材の延出方向に延びており、前記連結部材の外面に沿って配置されていると良い。
　上記構成により、位置保持部材を薄くすることができ、切り替え装置の大型化を抑制することができる。また、位置保持部材をコンパクトに配置することができる。

　　＜＜付記３＞＞
　また、本発明の乗り物用シートによれば、シートバック及びシートクッションを有するシート本体を備え、前記シート本体を通常状態と、前記通常状態から移動させた移動状態との間で切り替え可能な乗り物用シートであって、前記通常状態のときに前記シート本体の移動動作をロックするロック装置と、前記ロック装置を覆うロックカバーと、前記乗り物用シートに取り付けられるレバー取り付け部材と、前記レバー取り付け部材に取り付けられ、前記ロック装置のロック状態を解除するために動作する操作レバーと、を備え、前記レバー取り付け部材は、前記ロックカバーに設けられた第１被嵌合部に嵌合する第１嵌合部と、前記ロックカバーに設けられた第２被嵌合部に嵌合する第２嵌合部と、を有し、前記第１嵌合部、前記第２嵌合部は、それぞれ前記ロックカバーの嵌合方向とは直交する方向に延びており、互いに交差する方向に延びていると良い。
　上記構成により、シート本体の状態を切り替える装置の各構成部品をバランス良く強固に組み付けることが可能な乗り物用シートを実現できる。また、当該装置の構成部品の組み付け構造を簡素化することができる。
　詳しく述べると、レバー取り付け部材は、複数の嵌合部によってロックカバーに嵌合し、第１嵌合部、第２嵌合部が、それぞれロックカバーの嵌合方向とは直交する方向に延びており、互いに交差する方向に延びている。このように、第１嵌合部と第２嵌合部が異なる方向に延びていることで、例えば様々な方向から荷重が加わった場合であっても従来と比較して強固な嵌合構造にすることができる。

　　＜＜付記４＞＞
　また、本発明の乗り物用シートによれば、シートバック及びシートクッションを有するシート本体を備え、前記シート本体を通常状態と、前記通常状態から移動させた移動状態との間で切り替え可能な乗り物用シートであって、前記乗り物用シートに設けられ、前記通常状態のときに前記シート本体の移動動作をロックするロック装置と、前記乗り物用シートに取り付けられるレバー取り付け部材と、前記レバー取り付け部材に取り付けられ、前記ロック装置のロック状態を解除するために動作する操作レバーと、前記レバー取り付け部材及び前記操作レバーの間に配置され、前記操作レバーを覆うカバー部材と、前記レバー取り付け部材及び前記カバー部材の間に設けられ、前記操作レバーを囲むように配置される板状のプレート部材と、を備え、前記操作レバーは、前記シート本体の被覆材となる表皮材の外面に形成された表皮開口穴から露出するように設けられ、前記表皮材において前記表皮開口穴の外周部分が、前記カバー部材及び前記プレート部材によって挟まれており、前記レバー取り付け部材は、前記レバー取り付け部材の本体部から前記プレート部材側に向かって突出し、前記プレート部材の内側面又は外側面に当接することで前記プレート部材を支持する突出部を有していると良い。
　上記構成により、シート本体の状態を切り替える装置において構成部品の組み付け構造を簡素化した乗り物用シートを実現できる。
　詳しく述べると、レバー取り付け部材は、レバー取り付け部材の本体部からプレート部材側に向かって突出し、プレート部材の側面に当接することでプレート部材を支持するプレート支持部を有している。そのため、レバー取り付け部材にプレート部材を組み付けるにあたって、プレート部材側に別途加工を行う必要がなくなる。つまり、従来よりも組み付け構造を簡素化することができる。

　このとき、前記移動状態は、前記シートバックを車体フロア側へ収納移動させた収納状態であって、前記ロック装置は、車体又は前記乗り物用シートに設けられたストライカに対して着脱可能に係合し、前記シートバックの収納動作をロックするロック位置と、ロック解除位置との間で移動するロック部材を備え、前記プレート支持部は、前記プレート部材の側面に沿って延びていると良い。
　上記構成により、シート本体を収納可能な乗り物用シートにおいて、レバー取り付け部材にプレート部材を強固に組み付けることができる。

　このとき、前記プレート支持部は、前記プレート部材の側面に沿って間隔を空けて複数形成され、複数の前記プレート支持部のうち、最も上方に位置している前記プレート支持部は、前記レバー取り付け部材の本体部よりも上方位置に配置されていると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材にプレート部材をより強固に組み付けることができる。

　このとき、前記レバー取り付け部材は、前記カバー部材の側面に設けられた被係合部に係合する係合部を有し、前記プレート支持部は、前記プレート部材の側面に沿って間隔を空けて複数形成され、前記係合部は、複数の前記プレート支持部の間に配置されていると良い。
　上記のように係合部は複数のプレート支持部の間に配置されているため、レバー取り付け部材に対しカバー部材を安定して係合させることができる。

　このとき、前記係合部は、前記カバー部材の側面に設けられた係合穴に係合する係合凸部であって、前記レバー取り付け部材は、前記係合凸部の周囲に形成され、前記係合穴を前記係合凸部に係合させる位置に位置決めするための位置決め部を有していると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材に対しカバー部材を係合させ易くすることができる。

　このとき、前記レバー取り付け部材は、前記レバー取り付け部材の本体部から前記カバー部材側に向かって突出し、前記カバー部材の面に当接することで前記カバー部材を支持するカバー支持部を有し、前記カバー支持部は、前記プレート支持部に隣接して設けられていると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材（カバー支持部）がカバー部材に当接し、レバー取り付け部材に対しカバー部材を安定して係合させることができる。
　また上記構成により、カバー支持部がカバー部材側に向かって突出するため、レバー取り付け部材及びカバー部材の間にスペースを確保することができる。当該スペースを利用してプレート部材や表皮材を間に嵌め込むことができる。

　このとき、前記レバー取り付け部材は、前記レバー取り付け部材の本体部からシート前後方向の一方側に向かって張り出し、前記表皮材において前記表皮開口穴の外周部分に当接することで前記表皮材を支持する張り出し部を有していると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材の張り出し部に表皮材の前後方向の一端部を支持させて、表皮材を突っ張らせることができる。そうすることで、表皮材にシワが発生してしまうことを抑制できる。

　このとき、前記張り出し部は、上下方向において異なる位置に配置され、前記レバー取り付け部材の本体部の後面からそれぞれシート後方側へ張り出す上壁部及び底壁部と、前記上壁部の後端部及び前記底壁部の後端部を連結し、前記表皮材を支持する支持壁部と、を有し、シート側面視において中空状に形成されていると良い。
　上記のように、レバー取り付け部材の張り出し部が中空状に形成されているため、レバー取り付け部材を軽量化することができる。

　このとき、前記プレート部材は、枠状のプレート体であって、前記プレート支持部は、前記プレート部材の内側面に当接することで前記プレート部材を支持し、前記プレート部材の内側面に沿って延びており、間隔を空けて複数配置されていると良い。
　上記構成により、レバー取り付け部材に対し枠状のプレート部材を簡易な構造で組み付けることができる。また、プレート部材を強固に組み付けることもできる。

　このとき、前記レバー取り付け部材は、前記カバー部材の側面に設けられた被掛け止め部に掛け止められる掛け止め部を有し、前記掛け止め部及び前記被掛け止め部の一方は、掛け止め爪であって、前記掛け止め部及び前記被掛け止め部の他方に掛け止められると良い。
　上記構成により、掛け止め爪及び被掛け止め部（例えば掛け止め穴）による簡易な構造によって、各構成部品を組み付けることができる。

　＜第２実施形態＞　　
　次に、第２実施形態の乗り物用シートＳ２について、図２１～図３７に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１と重複する内容については説明を省略する。
　乗り物用シートＳ２では、乗り物用シートＳ１と比較して、ロック装置（ロックカバー）に緩衝部材を取り付けている点が主に異なっている。

　乗り物用シートＳ２は、車体のストライカに着脱可能に連結することで、シート本体の状態を切り替える切り替え装置と、当該ストライカに当接する緩衝部材とを備えており、当該緩衝部材を好適に取り付けることが可能なシートを実現するものである。

　乗り物用シートＳ２は、図２１に示すように、シートバック２０１及びシートクッション２０２を有するシート本体と、シートバック２０１の外側面に取り付けられ、シート本体を「通常状態」から「収納状態」へ切り替える切り替え装置２４０と、を備えている。

　切り替え装置２４０は、図２２、図２３に示すように、シート本体の移動動作をロックするロック装置２９０と、ロック装置２９０のロック状態を解除する操作レバー２５０と、ロック装置２９０及び操作レバー２５０を連結する連結リンク２８０と、連結リンク２８０の位置を保持する位置保持部材２８９と、を備えている。
　操作レバー２５０は、カバー部材２６０及びレバー取り付け部材２７０に格納されている。
　ロック装置２９０は、ストライカ２４１に係合されるロック部材２９１と、伝達部材２９２と、第２伝達部材２９３と、ロック回動軸２９４と、第２ロック回動軸２９５と、付勢バネ２９６と、連結ピン２９７と、を備えている。
　ロック装置２９０は、第１ロックカバー２９８、第２ロックカバー２９９によって覆われている。詳しく述べると、第１ロックカバー２９８、第２ロックカバー２９９は、ロック部材２９１、伝達部材２９２、第２伝達部材２９３及び付勢バネ２９６を側方から覆うカバーである。

　図２４～図２８に示すように、第１ロックカバー２９８においてストライカ２４１が当接する部分には、緩衝部材３００を着脱可能に取り付けるための取り付け溝２９８ｋが形成されている。
　詳しく述べると、第１ロックカバー２９８には、緩衝部材３００を取り付ける取り付け溝２９８ｋと、緩衝部材３００を保持する取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍ及び取り付け孔２９８ｎと、が形成されている。

　取り付け溝２９８ｋは、図２４、図２５に示すように、シート幅方向においてロック部材２９１（当接部２９１ｂ）に対向する位置に形成されている。
　図２５に示すように、取り付け溝２９８ｋの内側面のうち、上面、底面には取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍが形成されている。取り付け溝２９８ｋの内側面の前面には取り付け孔２９８ｎが形成されている。そして、取り付け溝２９８ｋの内側面の後面には開口２９８ｏが形成されている。

　緩衝部材３００は、図２５～図２８に示すように、弾性部材（可撓性部材）であって、シート幅方向の外側から第１ロックカバー２９８の取り付け溝２９８ｋに取り付けられる。
　緩衝部材３００は、図２７に示すように、上下方向に長尺な立体状の本体部３０１と、本体部３０１の長尺方向の両端部から互いに反対側に突出している突出部３０２、３０３と、本体部３０１の長尺方向（長さ方向）及び短尺方向（幅方向）それぞれと直交する方向（高さ方向）に突出している突起部３０４と、を備えている。
　なお、緩衝部材３００において突起部３０４の周辺部分には、突起部３０４を全周囲むように形成された逃がし溝３０５が形成されている。

　緩衝部材３００が取り付け溝２９８ｋに取り付けられたとき、緩衝部材３００は、第１ロックカバー２９８から張り出すことなく、取り付け溝２９８ｋの内部に収納される。
　このとき、図２６に示すように、本体部３０１は、上下方向において取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍの間に挟まれて配置される。
　突出部３０２（３０３）は、シート前後方向において第１ロックカバー２９８（本体部２９８ａ）及び取り付け突起２９８ｌ（２９８ｍ）の間に挟まれて配置される。
　突起部３０４は、図２６、図２８に示すように、取り付け孔２９８ｎに納まるように取り付けられる。言い換えれば、突起部３０４は、取り付け孔２９８ｎに嵌め込まれる。

　緩衝部材３００（本体部３０１）は、図２６、図２８に示すように、第１ロックカバー２９８の開口２９８ｏから露出し、開口２９８ｏから後方に突出している。
　つまりは、緩衝部材３００（本体部３０１）が、ストライカ２４１にシート前後方向で対向する位置に配置され、ストライカ２４１に当接可能となっている。

　上記のように、第１ロックカバー２９８（取り付け溝２９８ｋ）に緩衝部材３００が取り付けられることで、緩衝部材３００を安定して取り付けることができる。
　また、取り付け部材を別途必要としないため、緩衝部材３００を容易に取り付けることができ、また緩衝部材３００を容易に取り外すことができる。
　また、緩衝部材３００を取り付ける構造と、緩衝部材３００を取り付けない構造との両方のパターンに対応させることができる。つまりは互換性を持たせることができる。
　また、緩衝部材３００の露出部分を極力減らすことで、緩衝部材３００を好適に保持することができる。

　また上記のように、緩衝部材３００において突起部３０４の周辺部分には、逃がし溝３０５が形成されている。
　そうすることで、第１ロックカバー２９８の取り付け孔２９８ｎの縁部分に緩衝部材３００が意図せず接触してしまい、緩衝部材３００の一部が削れることを抑制できる。すなわち、緩衝部材３００の抜けを抑制することができる。

　　＜＜緩衝部材、ロックカバーの変形例１＞＞
　次に、緩衝部材、ロックカバーの変形例１について、図２９～図３１に基づいて説明する。
　なお、上述の乗り物用シートＳ１、Ｓ２と重複する内容については説明を省略する。

　図３０、図３１に示すように、第１ロックカバー２９８においてストライカ２４１が当接する部分には、緩衝部材４００を着脱可能に取り付ける取り付け溝２９８ｋが形成されている。
　詳しく述べると、第１ロックカバー２９８には、取り付け溝２９８ｋと、緩衝部材３００を保持するための取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍ及び取り付け凸部２９８ｎと、が形成されている。

　緩衝部材４００は、図３０、図３１に示すように、上下方向に長尺な立体状の本体部４０１と、突出部４０２、４０３と、第２突出部４０４、４０５と、取り付け穴４０６（切り欠き穴）と、掛け止め突起４０７、４０８と、を備えている。
　突出部４０２、４０３は、本体部４０１の長尺方向の両端部から互いに反対側に突出している。また、第２突出部４０４、４０５は、本体部４０１の長尺方向の両端部から互いに反対側に突出している。
　突出部４０２と、第２突出部４０４とは、本体部４０１の高さ方向において異なる位置に形成されている。
　取り付け穴４０６は、本体部４０１の外側面のうち、突出部４０２、第２突出部４０４とは異なる位置に形成されている。
　掛け止め突起４０７、４０８は、それぞれ突出部４０２、４０３の長さ方向の一端部に形成されている。

　緩衝部材４００が取り付け溝２９８ｋに取り付けられたとき、緩衝部材４００は、第１ロックカバー２９８から張り出すことなく、取り付け溝２９８ｋに収納される。
　このとき、本体部４０１は、上下方向において取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍの間に挟まれて配置される。
　突出部４０２（４０３）及び第２突出部４０４（４０５）は、シート前後方向において取り付け突起２９８ｌ（２９８ｍ）を間に挟むように配置される。
　取り付け穴４０６は、取り付け凸部２９８ｎと嵌合する。
　掛け止め突起４０７、４０８は、取り付け溝２９８ｋの縁部分に掛け止めされる。

　上記変形例１の場合であっても、ロックカバー２９８（取り付け溝２９８ｋ）に緩衝部材４００を安定して取り付けることができる。

　　＜＜緩衝部材、ロックカバーの変形例２＞＞
　次に、緩衝部材、ロックカバーの変形例２について、図３２～図３３に基づいて説明する。

　第１ロックカバー２９８においてストライカ２４１が当接する部分には、緩衝部材５００を取り付ける取り付け溝２９８ｋが形成されている。
　詳しく述べると、第１ロックカバー２９８には、取り付け溝２９８ｋと、緩衝部材３００を保持するための取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍ及び取り付け凸部２９８ｎと、が形成されている。

　緩衝部材５００は、上下方向に長尺な立体状の本体部５０１と、突出部５０２、５０３と、第２突出部５０４、５０５と、取り付け穴５０６（切り欠き穴）と、掛け止め突起５０７、５０８と、を備えている。
　緩衝部材５００が取り付け溝２９８ｋに取り付けられたとき、取り付け穴５０６は、取り付け凸部２９８ｎと嵌合する。
　掛け止め突起５０７、５０８は、取り付け溝２９８ｋの縁部分（掛け止め溝２９８ｐ）に掛け止めされる。

　上記変形例２の場合であっても、ロックカバー２９８（取り付け溝２９８ｋ）に緩衝部材５００を安定して取り付けることができる。

　　＜＜緩衝部材、ロックカバーの変形例３＞＞
　次に、緩衝部材、ロックカバーの変形例３について、図３４～図３５に基づいて説明する。

　第１ロックカバー２９８においてストライカ２４１が当接する部分には、緩衝部材６００を取り付ける取り付け溝２９８ｋが形成されている。
　詳しく述べると、第１ロックカバー２９８には、取り付け溝２９８ｋと、緩衝部材３００を保持するための取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍ及び取り付け凸部２９８ｎと、が形成されている。

　緩衝部材６００は、上下方向に長尺な立体状の本体部６０１と、突出部６０２、６０３と、第２突出部６０４、６０５と、取り付け穴６０６（貫通穴）と、を備えている。
　緩衝部材６００が取り付け溝２９８ｋに取り付けられたとき、取り付け穴６０６は、取り付け凸部２９８ｎと嵌合する。
　掛け止め突起６０７、６０８は、取り付け溝２９８ｋの縁部分（掛け止め溝２９８ｐ）に掛け止めされる。

　上記変形例３の場合であっても、ロックカバー２９８（取り付け溝２９８ｋ）に緩衝部材６００を安定して取り付けることができる。

　　＜＜緩衝部材、ロックカバーの変形例４＞＞
　次に、緩衝部材、ロックカバーの変形例４について、図３６～図３７に基づいて説明する。

　第１ロックカバー２９８においてストライカ２４１が当接する部分には、緩衝部材７００を取り付ける取り付け溝２９８ｋが形成されている。
　詳しく述べると、第１ロックカバー２９８には、取り付け溝２９８ｋと、緩衝部材３００を保持するための取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍと、が形成されている。

　緩衝部材７００は、上下方向に長尺な立体状の本体部７０１と、突出部７０２、７０３と、取り付け凹部７０４、７０５と、を備えている。
　緩衝部材７００が取り付け溝２９８ｋに取り付けられたとき、取り付け凹部７０４、７０５は、それぞれ取り付け突起２９８ｌ、２９８ｍと嵌合する。

　上記変形例４の場合であっても、ロックカバー２９８（取り付け溝２９８ｋ）に緩衝部材７００を安定して取り付けることができる。

　上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる車両用シートについて説明したが、特に限定されることなく、二輪車用の二輪シート、電車やバス等の車両用シート、飛行機や船等の乗り物用シートのほか、作業用の事務イス、車イス、ショッピングカートの子供用イス等の種々のシートに対して利用することができる。

　本実施形態では、主として本発明に係る乗り物用シートに関して説明した。
　ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。

＜第１実施形態＞
Ｓ１　乗り物用シート
　Ｓａ　シートフレーム
１　シートバック
　１ａ、２ａ　パッド材
　１ｂ、２ｂ　表皮材
２　シートクッション
３　ヘッドレスト
１０　バックフレーム
１１　メインフレーム
１２　パネルフレーム
１３　連結フレーム
１４　弾性支持部材
１５　車体連結ブラケット
１６　シート回動軸
１７　リクライニング装置
２０　クッションフレーム
２１　サイドフレーム
２２　前方連結フレーム
２３　後方連結フレーム
２４　パンフレーム
２５　クッション回動装置
２６　クッション回動軸
２７　脚回動装置
２８　脚回動軸
３０　支持脚
３１　脚本体部
３２　脚連結部
３５　支持ベース
３６　連結壁部
３７　外側壁部
４０　切り替え装置
４１　ストライカ
５０　操作レバー
　５０ａ　上壁部
　５０ｂ　前壁部
　５０ｃ　側壁部
　５０ｄ　第２側壁部
　５０ｅ　底壁部
　５０ｆ　補強壁部
５１　レバー回動軸
５２　レバー操作部
５３　レバー規制部
５４　係合部（リンク係合部、係合穴）
６０　カバー部材
　６０ａ　側壁部
　６０ｂ　前壁部
　６０ｃ　後壁部
　６０ｄ　底壁部
　６０ｅ　側方フランジ部
　６０ｆ　前方フランジ部
　６０ｇ　後方フランジ部
６１　カバー開口部
６２　カバー係合穴（被係合部、係合穴部）
６３　レバー当接部
６４　組み付け突起
６５　プレート部材
７０　レバー取り付け部材
　７０ａ　側壁部
　７０ｂ　前壁部
　７０ｃ　後壁部
　７０ｄ　底壁部
　７０ｅ　側方フランジ部
　７０ｆ　前方フランジ部
　７０ｇ　後方フランジ部
７１　軸支持部
７２　係合爪（係合部、係合凸部）
　７２ａ　位置決め部（位置決め凹部）
７３　開口部（開口穴）
　７３ａ　第１内側面
　７３ｂ　第２内側面
７４　カバー組み付け部（組み付け突起）
７５　プレート支持部（支持突起）
７６　第１嵌合部（嵌合穴）
７７　第２嵌合部（嵌合穴）
７８　第３嵌合部（嵌合穴）
７９　張り出し部
　７９ａ　上壁部
　７９ｂ　底壁部
　７９ｃ　支持壁部
８０　連結リンク（連結部材）
８１　本体部
８２　レバー係合部（レバー係合凸部）
　８２ａ、８３ａ　係合本体部
　８２ｂ、８３ｂ　係合爪
　８２ｃ、８３ｃ　スリット孔
８３　ロック連結部（連結凸部）
８４　バネ組み付け部（組み付け部）
　８４ａ　突出先端部
８５　取り付け部
　８５ａ　取り付け本体部
　８５ｂ　フック部
８６　係合凸部（係合部、位置保持部材の係合部）
８７　補強部
８８　貫通穴
８９　位置保持部材
　８９ａ　本体部
　８９ｂ　突出部
　８９ｃ　係合穴
　８９ｄ　撓み部
　８９ｅ　屈曲部
９０　ロック装置
９１　ロック部材
　９１ａ　ストライカ係合部
　９１ｂ　当接部
９２　伝達部材
　９２ａ　連結穴
　９２ｂ　突起
９３　第２伝達部材
　９３ａ　ピン支持穴
　９３ｂ　突起挿通孔
　９３ｃ　バネ支持部
９４　ロック回動軸
９５　第２ロック回動軸
９６　付勢バネ（付勢部材）
９７　連結ピン
９８　第１ロックカバー
　９８ａ　本体部
　９８ｂ　第１被嵌合部（嵌合凸部）
　９８ｃ　第３被嵌合部（嵌合凸部）
　９８ｄ　軸支持穴
　９８ｅ　第２軸支持穴
　９８ｆ　カバー組み立て部（組み立て突起）
　９８ｇ　第２カバー組み立て部
　９８ｈ　カバーフランジ
　９８ｉ　第１補強部
　９８ｊ　第２補強部
９９　第２ロックカバー
　９９ａ　本体部
　９９ｂ　第２被嵌合部（嵌合凸部）
　９９ｃ　軸支持穴
　９９ｄ　第２軸支持穴
　９９ｅ　被組み立て部（組み立て突起）
　９９ｆ　第２被組み立て部（折り曲げ部）
１６０　カバー部材
１６２　掛け止め爪（被掛け止め部）
１７０　レバー取り付け部材
　１７０ａ　側壁部
　１７０ｅ　側方フランジ部
１７４　掛け止め部
　１７４ａ　掛け止め穴
　１７４ｂ　掛け止め支持部
＜第２実施形態＞
Ｓ２　乗り物用シート
２０１　シートバック
２０２　シートクッション
２４０　切り替え装置
２４１　ストライカ
２５０　操作レバー
２６０　カバー部材
２７０　レバー取り付け部材
２８０　連結リンク
２８９　位置保持部材
２９０　ロック装置
２９１　ロック部材
　２９１ａ　ストライカ係合部
　２９１ｂ　当接部
２９２　伝達部材
２９３　第２伝達部材
２９４　ロック回動軸
２９５　第２ロック回動軸
２９６　付勢バネ
２９７　連結ピン
２９８　第１ロックカバー
　２９８ａ　本体部
　２９８ｋ　取り付け溝
　２９８ｌ、２９８ｍ　取り付け突起、
　２９８ｎ　取り付け孔、取り付け凸部
　２９８ｏ　開口
　２９８ｐ　掛け止め溝
２９９　第２ロックカバー
３００　緩衝部材
３０１　本体部
３０２、３０３　突出部
３０４　突起部
３０５　逃がし溝
４００　緩衝部材
４０１　本体部
４０２、４０３　突出部
４０４、４０５　第２突出部
４０６　取り付け穴（切り欠き穴）
４０７、４０８　突出部
５００　緩衝部材
５０１　本体部
５０２、５０３　突出部
５０４、５０５　第２突出部
５０６　取り付け穴（切り欠き穴）
５０７、５０８　掛け止め突起
６００　緩衝部材
６０１　本体部
６０２、６０３　突出部
６０４、６０５　第２突出部
６０６　取り付け穴（貫通穴）
６０７、６０８　掛け止め突起
７００　緩衝部材
７０１　本体部
７０２、７０３　突出部
７０４、７０５　取り付け凹部

Claims

　シートバック及びシートクッションを有するシート本体を備え、
　前記シート本体を通常状態と、前記通常状態から移動させた移動状態との間で切り替え可能な乗り物用シートであって、
　前記通常状態のときに前記シート本体の移動動作をロックするロック装置と、
　前記ロック装置を覆うロックカバーと、
　前記乗り物用シートに取り付けられるレバー取り付け部材と、
　前記レバー取り付け部材に取り付けられ、前記ロック装置のロック状態を解除するために動作する操作レバーと、を備え、
　前記レバー取り付け部材は、
　前記ロックカバーに設けられた第１被嵌合部に嵌合する第１嵌合部と、
　前記ロックカバーに設けられた第２被嵌合部に嵌合する第２嵌合部と、を有し、
　前記第１嵌合部、前記第２嵌合部は、それぞれ前記ロックカバーの嵌合方向とは直交する方向に延びており、互いに交差する方向に延びていることを特徴とする乗り物用シート。
　前記移動状態は、前記シートバックを車体フロア側へ収納移動させた収納状態であって、
　前記ロック装置は、車体又は前記乗り物用シートに設けられたストライカに対して着脱可能に係合し、前記シートバックの収納動作をロックするロック位置と、ロック解除位置との間で移動するロック部材を備え、
　前記第１嵌合部、前記第２嵌合部は、互いに直交する方向に延びていることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。
　前記ロックカバーは、前記レバー取り付け部材にシート幅方向から組み付けられ、
　前記第１嵌合部と、前記第２嵌合部とは、上下方向において異なる位置に配置され、シート前後方向において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。
　前記ロック装置及び前記操作レバーを連結し、前記操作レバーの動作に対応して前記ロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する連結部材を備え、
　前記レバー取り付け部材は、前記ロックカバーに設けられた第３被嵌合部に嵌合する第３嵌合部をさらに有し、
　前記第３嵌合部は、前記連結部材に対して前記第１嵌合部及び前記第２嵌合部側とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。
　前記第１嵌合部と前記第３嵌合部が、同じ方向に長尺となるように延びていることを特徴とする請求項４に記載の乗り物用シート。
　前記ロックカバーは、前記レバー取り付け部材にシート幅方向から組み付けられ、
　前記第２嵌合部は、シート前後方向において前記第１嵌合部及び前記第３嵌合部の間に配置されていることを特徴とする請求項４に記載の乗り物用シート。
　前記ロックカバーは、前記ロック装置を覆う第１ロックカバーと、前記第１ロックカバーの側面に取り付けられる第２ロックカバーと、を有し、
　前記第１被嵌合部及び前記第３被嵌合部は、前記第１ロックカバーに形成され、
　前記第２被嵌合部は、前記第２ロックカバーに形成されていることを特徴とする請求項４に記載の乗り物用シート。
　前記第１嵌合部、前記第２嵌合部、及び前記第３嵌合部が同じ方向に嵌合されることで、前記レバー取り付け部材と前記ロックカバーが組み付けられることを特徴とする請求項４に記載の乗り物用シート。
　前記ロックカバーは、前記ロックカバーの外縁部分の側面から前記ロック装置側に突出するように形成され、前記ロック装置を囲むように配置されているカバーフランジを有し、
　前記第１嵌合部、前記第２嵌合部、及び前記第３嵌合部は、前記ロックカバーの側面において前記カバーフランジよりも外側に配置されていることを特徴とする請求項４に記載の乗り物用シート。
　前記ロックカバーは、
　前記ロックカバーの外縁部分の側面から前記ロック装置側に突出するように形成され、前記カバーフランジ及び前記第１嵌合部を連結する第１補強部と、
　前記ロックカバーの外縁部分の側面から前記ロック装置側に突出するように形成され、前記カバーフランジ及び前記第３嵌合部を連結する第２補強部と、を有していることを特徴とする請求項９に記載の乗り物用シート。
　前記ロック装置及び前記操作レバーを連結し、前記操作レバーの動作に対応して前記ロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する連結部材と、
　前記連結部材に取り付けられ、前記連結部材の位置を保持する位置保持部材と、を備え、
　前記連結部材は、前記ロック装置及び前記操作レバーの間で延びており、
　前記位置保持部材は、前記連結部材の延出方向に延びており、前記連結部材に沿うようにして前記連結部材に取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。
　前記移動状態は、前記シートバックを車体フロア側へ収納移動させた収納状態であって、
　前記ロック装置は、車体又は前記乗り物用シートに設けられたストライカに対して着脱可能に係合し、前記シートバックの収納動作をロックするロック位置と、ロック解除位置との間で移動するロック部材を備え、
　前記位置保持部材は、可撓性を有し、前記位置保持部材の延出方向とは直交する方向に撓むことで、前記連結部材の位置を保持していることを特徴とする請求項１１に記載の乗り物用シート。
　前記ロック装置及び前記操作レバーを連結し、前記操作レバーの動作に対応して前記ロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り替えるように作用する連結部材と、
　前記連結部材に組み付けられ、前記連結部材を前記ロック装置側又は前記操作レバー側へ付勢する付勢部材と、を備え、
　前記連結部材は、前記付勢部材を組み付けるための組み付け部を有し、
　前記連結部材の本体部と、前記組み付け部とが一体に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。
　前記移動状態は、前記シートバックを車体フロア側へ収納移動させた収納状態であって、
　前記ロック装置は、車体又は前記乗り物用シートに設けられたストライカに対して着脱可能に係合し、前記シートバックの収納動作をロックするロック位置と、ロック解除位置との間で移動するロック部材を備え、
　前記組み付け部は、前記連結部材の前記本体部の側面から前記付勢部材に向かって突出する組み付け突起であって、前記付勢部材の一端部に組み付けられることを特徴とする請求項１３に記載の乗り物用シート。
　前記レバー取り付け部材及び前記操作レバーの間に配置され、前記操作レバーを覆うカバー部材と、
　前記レバー取り付け部材及び前記カバー部材の間に設けられ、前記操作レバーを囲むように配置される板状のプレート部材と、を備え、
　前記操作レバーは、前記シート本体の被覆材となる表皮材の外面に形成された表皮開口穴から露出するように設けられ、
　前記表皮材において前記表皮開口穴の外周部分が、前記カバー部材及び前記プレート部材によって挟まれており、
　前記レバー取り付け部材は、前記レバー取り付け部材の本体部から前記プレート部材側に向かって突出し、前記プレート部材の側面に当接することで前記プレート部材を支持するプレート支持部を有していることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。