WO2023047236A1 - 電子機器、及び通信システム - Google Patents

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Abstract

多機能な表示装置または電子機器を提供する。VR表示とAR表示を切り替えることのできる電子機器を提供する。 電子機器は、第1の表示装置と、第2の表示装置と、レンズと、スクリーンと、装着具と、筐体と、を有する。装着具は、筐体を頭部に固定させる機能を有する。筐体は、視界を遮るように閉じた第1の形態と、前方が視認できるように開いた第2の形態と、に変形する機能を有する。また電子機器は、第1の形態において、レンズ及びスクリーンを介して第1の表示装置に表示された第1の画像を提供する機能と、第2の形態において、第2の表示装置からスクリーンに投影された第2の画像を提供する機能と、を有する。

Description

電子機器、及び通信システム
 本発明の一態様は、表示装置に関する。本発明の一態様は、表示装置を備える電子機器に関する。本発明の一態様は、電子機器の通信システムに関する。
 なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置、入出力装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法、を一例として挙げることができる。半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。
 拡張現実(AR:Augmented Reality)又は仮想現実(VR:Virtual Reality)用の表示装置が設けられる電子機器として、ウェアラブル型の電子機器、及び据え置き型の電子機器などが普及しつつある。ウェアラブル型の電子機器としては、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、眼鏡型の電子機器等がある。据え置き型の電子機器としては、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head−Up Display)等がある。
 HMD等、表示部と使用者の距離が近い電子機器では使用者が画素を視認しやすく、粒状感を強く感じてしまうことから、ARまたはVRでの没入感、または臨場感が薄れる場合がある。このため、HMDには、使用者に画素を視認されないように微細な画素を備える表示装置を設けることが好ましい。特許文献1では、微細で高速駆動が可能なトランジスタを用いることにより、微細な画素を有するHMDを実現する方法が開示されている。
特開2000−2856号公報
 本発明の一態様は、多機能な表示装置または電子機器を提供することを課題の一とする。または、VR表示とAR表示を切り替えることのできる表示装置または電子機器を提供することを課題の一とする。または、新規な構成を有するウェアラブルな電子機器を提供することを課題の一とする。または、視認性の高い表示装置または電子機器を提供することを課題の一とする。または、低消費電力な表示装置または電子機器を提供することを課題の一とする。または、直感的な操作が可能な表示装置または電子機器を提供することを課題の一とする。または、小型化が容易な電子機器を提供することを課題の一とする。または、軽量化が容易な電子機器を提供することを課題の一とする。
 本発明の一形態は、新規な構成の表示装置、または新規な構成の電子機器を提供することを課題の一とする。または、本発明の一形態は、新規な構成の表示装置の駆動方法、または新規な構成の電子機器の駆動方法を提供することを課題の一とする。または、本発明の一形態は、新規な構成の表示装置の駆動方法、または新規な構成の電子機器の駆動方法を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、先行技術の問題点の少なくとも一を、少なくとも軽減することを課題の一とする。
 なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
 本発明の一態様は、第1の表示装置と、第2の表示装置と、レンズと、スクリーンと、装着具と、筐体と、を有する電子機器である。装着具は、筐体を頭部に固定させる機能を有する。筐体は、視界を遮るように閉じた第1の形態と、前方が視認できるように開いた第2の形態と、に変形する機能を有する。また電子機器は、第1の形態において、レンズ及びスクリーンを介して第1の表示装置に表示された第1の画像を提供する機能と、第2の形態において、第2の表示装置からスクリーンに投影された第2の画像を提供する機能と、を有する。
 また、本発明の他の一態様は、第1の表示装置と、第2の表示装置と、レンズと、スクリーンと、装着具と、筐体と、通信部と、を有する電子機器である。装着具は、筐体を頭部に固定させる機能を有する。筐体は、視界を遮るように閉じた第1の形態と、前方が視認できるように開いた第2の形態と、に変形する機能を有する。電子機器は、第1の形態において、レンズ及びスクリーンを介して第1の表示装置に表示された第1の画像を提供する機能と、第2の形態において、第2の表示装置からスクリーンに投影された第2の画像を提供する機能と、を有する。通信部は、有線、または無線で、端末機と通信する機能を有する。第1の表示装置に供給する第1の画像データ、及び第2の表示装置に供給する第2の画像データは、それぞれ端末機から供給される。
 また、上記いずれかにおいて、筐体は、開閉する第1の部分と、第1のスクリーンに固定された第2の部分と、を有することが好ましい。さらに、第1の表示装置及びレンズは、第1の部分に設けられ、第2の表示装置は、第2の部分に設けられることが好ましい。
 また、上記いずれかにおいて、第1の表示装置は、表示領域の面積が、第2の表示装置よりも大きいことが好ましい。
 また、上記いずれかにおいて、第2の表示装置は、精細度が第1の表示装置よりも高いことが好ましい。
 また、上記いずれかにおいて、第1の表示装置及び第2の表示装置は、それぞれ精細度が3000ppi以上10000ppi以下であることが好ましい。
 また、上記いずれかにおいて、第1の表示装置は、表示領域の大きさが、対角1.3インチ以上1.7インチ以下であることが好ましい。
 また、上記いずれかにおいて、さらに一対の第1のカメラと、一対の第2のカメラと、を有することが好ましい。このとき、第1のカメラは、筐体の前方を撮像する機能を有し、第2のカメラは、ユーザーの目を撮像する機能を有することが好ましい。さらに電子機器は、第1のカメラを用いて、ジェスチャー情報を取得する機能と、第2のカメラを用いて、虹彩の情報、または視線の動きの情報を取得する機能と、を有することが好ましい。
 また、上記において、さらに一対の第3のカメラを有することが好ましい。第3のカメラは、筐体の前方を撮像する機能を有することが好ましい。このとき、第3のカメラは、第1のカメラよりも画角が狭いことが好ましい。
 また、本発明の他の一態様は、上記電子機器と、端末機と、サーバと、を有する通信システムである。通信システムは、電子機器と前記端末機とが通信可能な状態であり、端末機とサーバとが、ネットワークを介して接続される。
 本発明の一態様によれば、多機能な表示装置または電子機器を提供することができる。または、VR表示とAR表示を切り替えることのできる表示装置または電子機器を提供することができる。または、新規な構成を有するウェアラブルな電子機器を提供することができる。または、視認性の高い表示装置または電子機器を提供することができる。または、低消費電力な表示装置または電子機器を提供することができる。または、直感的な操作が可能な表示装置または電子機器を提供することができる。または、小型化が容易な電子機器を提供することができる。または、軽量化が容易な電子機器を提供することができる。
 また、本発明の一形態によれば、新規な構成の表示装置、または新規な構成の電子機器を提供することができる。または、本発明の一形態によれば、新規な構成の表示装置の駆動方法、または新規な構成の電子機器の駆動方法を提供することができる。または、本発明の一形態によれば、新規な構成の表示装置、または新規な構成の表示システムを提供することができる。また、本発明の一態様によれば、先行技術の問題点の少なくとも一を、少なくとも軽減することができる。
 なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
図1A及び図1Bは、電子機器の構成例を示す図である。
図2は、電子機器の構成例を示す図である。
図3A及び図3Bは、電子機器の構成例を示す図である。
図4は、電子機器の構成例を示すブロック図である。
図5A及び図5Bは、電子機器及び端末機の構成例を示す図である。
図6Aは、電子機器及び端末機の構成例を示す図である。図6Bは、電子機器の構成例を示す図である。
図7A及び図7Bは、電子機器の構成例を示す図である。
図8A及び図8Bは、電子機器の構成例を示す図である。
図9A及び図9Bは、電子機器の構成例を示す図である。
図10は、電子機器及び端末機の構成例を示すブロック図である。
図11A乃至図11Cは、電子機器及び端末機の構成例を示す図である。
図12は、電子機器の動作方法を説明するフローチャートである。
図13は、電子機器の動作方法を説明するフローチャートである。
図14A乃至図14Cは、電子機器の画像の一例を示す図である。
図15A乃至図15Dは、電子機器の画像の一例を示す図である。
図16Aおよび図16Bは、表示装置の構成例を示す図である。
図17は、表示装置の構成例を示す図である。
図18A乃至図18Cは、表示モジュールの斜視図である。
図19Aおよび図19Bは、表示装置の構成例を示す図である。
図20A乃至図20Dは、表示装置の構成例を示す図である。
図21A乃至図21Dは、表示装置の構成例を示す図である。
図22は、表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図23Aおよび図23Bは、表示装置の構成例を示す図である。
図24Aおよび図24Bは、表示装置の動作例を示す図である。
図25Aおよび図25Bは、表示装置の構成例を示す図である。
図26A乃至図26Dは、表示装置の構成例を示す図である。
図27A乃至図27Cは、表示装置の構成例を示す図である。
図28は、表示装置の構成例を示すブロック図である。
図29は、表示装置の構成例を示すブロック図である。
図30Aおよび図30Bは、表示装置の構成例を示す図である。
図31は、表示装置の構成例を示す図である。
図32は、表示装置の構成例を示す図である。
図33A乃至図33Cは、表示装置の構成例を示す図である。
図34A乃至図34Fは、画素の構成例を示す図である。
図35A及び図35Bは、表示装置の構成例を示す図である。
図36は、表示装置の構成例を示す図である。
図37は、表示装置の構成例を示す図である。
図38は、表示装置の構成例を示す図である。
図39は、表示装置の構成例を示す図である。
図40は、表示装置の構成例を示す図である。
図41は、表示装置の構成例を示す図である。
図42は、表示装置の構成例を示す図である。
図43A乃至図43Fは、発光デバイスの構成例を示す図である。
図44A乃至図44Cは、発光デバイスの構成例を示す図である。
 以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
 なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
 なお、本明細書で説明する各図において、各構成要素の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
 なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
 なお、本明細書において、EL層とは発光素子の一対の電極間に設けられ、少なくとも発光性の物質を含む層(発光層とも呼ぶ)、または発光層を含む積層体を示すものとする。
 本明細書等において、表示装置の一態様である表示パネルは表示面に画像等を表示(出力)する機能を有するものである。したがって表示パネルは出力装置の一態様である。
 また、本明細書等では、表示パネルの基板に、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)などのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG(Chip On Glass)方式等によりICが実装されたものを、表示パネルモジュール、表示モジュール、または単に表示パネルなどと呼ぶ場合がある。
(実施の形態1)
 本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置、及び表示装置を備える電子機器について説明する。
 本発明の一態様は、頭部に装着可能な電子機器である。電子機器は、様々な表示モードで表示する機能を有する。例えば、AR表示モードと、VR表示モードとを切り替えることができる。AR表示モードは、スクリーン越しに視認される現実の風景を、当該スクリーンに表示された画像に重ねて表示することができるモードである。VRモードは、視界を遮断して現実の風景を視認できない状態で、画像を表示することのできるモードである。
 本発明の一態様の電子機器は、開閉可能な機構を有する筐体と、頭部に装着するための装着具と、を有する。筐体内には、2つの表示装置(第1の表示装置、第2の表示装置)を有する。VRモードでは、筐体を閉じてユーザーの視界を遮った状態で、筐体の内側に配置された第1の表示装置の表示部に表示された画像をユーザーに提示する。また、ARモードでは、筐体を開いてユーザーが透光性のスクリーン越しに現実の風景を視認できる状態で、第2の表示装置からスクリーンに投影された画像をユーザーに提示する。
 また、筐体には、複数のイメージセンサ(カメラ)を設けることが好ましい。筐体の外側に向けられたカメラにより手元を撮像することで、手の動き(ジェスチャー)を情報として取得することができ、ジェスチャー操作が可能となるため、直感的な操作が可能となる。また、筐体の内側に向けられたカメラにより、ユーザーの目を撮像することで、認証処理、健康管理、または視線追跡(アイトラッキング)に用いる目の情報、視線の動きの情報などを取得することができる。当該情報は、電子機器自体で処理してもよいし、電子機器とは別の端末機またはサーバに送信され、処理されもよい。
 第1の表示装置及び第2の表示装置は、極めて精細度が高いことが好ましい。例えば、精細度が1000ppi以上、好ましくは2000ppi以上、より好ましくは3000ppi以上、さらに好ましくは4000ppi以上、さらに好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以上であって、10000ppi以下、9000ppi以下、または8000ppi以下である表示装置を用いることができる。
 第1の表示装置及び第2の表示装置は、画素数(解像度)が多いほど好ましい。例えば、HD(画素数1280×720)、FHD(画素数1920×1080)、WQHD(画素数2560×1440)といった解像度とすることができる。また、第1の表示装置及び第2の表示装置は、WQXGA(画素数2560×1600)、4K2K(画素数3840×2160)、8K4K(画素数7680×4320)といった極めて高い解像度を有していることが好ましい。特に4K2K、8K4K、又はそれ以上の解像度とすることが好ましい。なお、第1の表示装置及び第2の表示装置の表示領域のアスペクト比が1:1またはその近傍である場合には、上記に限られず、信号線の本数及び走査線の本数が共に1000本以上とすることが好ましい。
 第1の表示装置及び第2の表示装置の画面比率(アスペクト比)については、特に限定はない。例えば、第1の表示装置及び第2の表示装置としては、それぞれ1:1(正方形)、4:3、16:9、16:10など様々な画面比率に対応することができる。
 また、直視型として用いる第1の表示装置は、表示領域の大きさ(面積)が第2の表示装置よりも大きいことが好ましい。これにより、直視用の光学系が有するレンズなどを薄くすることができるだけでなく、レンズによる画像の歪も小さくできる。例えば第1の表示装置は、対角のサイズが0.5インチ以上、好ましくは0.7インチ以上、より好ましくは1インチ以上、さらに好ましくは1.3インチ以上であって、2インチ以下、または1.7インチ以下のサイズとすることが好ましい。具体的には、1.5インチまたはその近傍のサイズとすることが好ましい。
 一方、投影型として用いる第2の表示装置は、スクリーンに画像を拡大して投影することが可能であるため、小型の表示装置を用いることで、電子機器の軽量化につながる。また、第2の表示装置の精細度は、第1の表示装置の精細度よりも高いことが好ましい。これにより、スクリーンに拡大して表示された画像であっても、粒状感を感じさせることなく、没入感を損なわない画像を表示することができる。
 ここで、電子機器は、情報端末機(以下、端末機ともよぶ)と有線、または無線での通信が可能な構成とすることが好ましい。端末機は、コンピュータ、ゲーム機、スマートフォン、タブレット端末機、腕時計型端末機などの情報端末機を用いることができる。電子機器と、端末機とは、通信によるデータのやりとりを行い、一方の端末機の画面に表示される画像データの一部または全部を、電子機器の第1の表示装置または第2の表示装置に表示することができる。すなわち、第1の表示装置に供給する画像データ(第1の画像データ)と、第2の表示装置に供給する画像データ(第2の画像データ)とは、端末機から電子機器に供給される。電子機器に表示される画像は、アップコンバート、またはダウンコンバートなどの加工方法により、加工された画像であってもよい。
 また、端末機は電子機器と通信するための第1の通信部と、インターネット、イントラネットなどの通信網と接続し、通信を行うための第2の通信部と、を有することが好ましい。例えば、電子機器で表示するコンテンツは、端末機を通じて電子機器に送られ、実行される。
 端末機には、電子機器の各コンポーネントの制御を行う機能を持たせることができる。例えば、端末機には、電子機器が有する第1の表示装置、第2の表示装置、複数のカメラ、各種センサなどの制御を行う機能を持たせることができる。端末機は、電子機器を駆動するための各種デバイスドライバ、及びアプリケーションソフトウェアなどをインストールすることにより、電子機器の制御が可能な状態とすることができる。これにより、電子機器自体は大規模な演算を行う必要がなくなるため、構成を簡略化でき、電子機器の小型化、軽量化が容易となる。頭部に装着する電子機器は、出来るだけ軽量であることが好ましい。
 また、端末機は、電子機器に電力を供給するためのバッテリ、及び当該バッテリを充電するための回路などを有していることが好ましい。端末機から電子機器に電力を供給する構成とすることで、電子機器を軽量にできるため、ユーザーの負担を軽減できる。また、電子機器にもバッテリを設けてもよい。電子機器にもバッテリを設けることで、電子機器単体でも駆動することができる。なお、電子機器に搭載するバッテリは、端末機よりも小さい容量とすることで、電子機器の重量の増加を低減できるため好ましい。
 以下では、より具体的な例について図面を参照して説明する。
[電子機器の構成例]
 図1A、図1Bに、電子機器500の断面概略図を示す。図1Aは、VRモードの形態に対応し、図1Bは、ARモードの形態に対応する。
 電子機器500は、携帯情報端末としての機能を有し、インターネットに接続することで様々なプログラムを実行すること、及び様々なコンテンツを再生すること、などができる。例えば、電子機器500は、ARモードで拡張現実のコンテンツを表示する機能、及びVRモードで仮想現実のコンテンツを表示する機能を有する。なお、電子機器500は、AR、VRの他に、代替現実(SR:Substitutional Reality)、または複合現実(MR:Mixed Reality)のコンテンツを表示する機能を有していてもよい。
 電子機器500は、片手または両手を用いたジェスチャー操作により、直感的に操作することができる。例えば従来のスマートフォン、またはタブレット端末等では、一方の手で本体を把持し、当該把持している手、または他方の手の指で画面を操作する必要があり、画面が小さい機器であっても、少なくとも一方の手が塞がってしまうといった不便さがあった。一方、本発明の一態様の電子機器500では、ハンズフリーな操作を行うことができるため、好ましい。
 電子機器500は、筐体501、光学部材504、装着具505等を有する。筐体501は、第1の部分502と第2の部分503を有する。第2の部分503は、光学部材504及び装着具505と固定される。第1の部分502は、開閉する機構を有する。
 第1の部分502は、表示装置511と、レンズ512を有する。ユーザーは光学部材504及びレンズ512を介して表示装置511に表示された画像を見ることができる。
 また第1の部分502は、表示装置511とレンズ512との距離、またはこれらの角度を調整する機構を有することが好ましい。これによりピント調整、画像の拡大、縮小を行うことができる。例えば、表示装置511またはレンズ512の一方または双方が、高軸方向に移動可能な構成とすればよい。
 第2の部分503は、表示装置521と、反射板522を有する。また、光学部材504の内部には、スクリーンとして機能する反射面523が形成されている。反射面523はハーフミラーとして機能し、光を透過する。図1B中の矢印で示すように、表示装置521から出た光は、反射板522により反射され、光学部材504に入射される。当該光は光学部材504内を全反射し、反射面523に到達することで、反射面523に画像が投影される。ユーザーは反射面523を透過した透過像に重ねて、反射面523に投影された画像を見ることができる。
 装着具505は、ユーザーの頭部に固定することができれば、様々な形態をとることができる。図1A等では、メガネのつる(テンプルなどともいう)のような形状として例示しているがこれに限定されない。装着具505は、使用者が装着できればよく、例えば、ヘルメット型、またはバンド型の形状としてもよい。
 図2には、電子機器500を上部から見た時の模式図を示している。図2に示すように、電子機器500は、光学部材504、装着具505、表示装置511、及びレンズ512をそれぞれ一対ずつ有する。なお表示装置511は一対ではなく、一つの表示装置としてもよい。
 電子機器500は、外側を撮像するための2種類の撮像装置(カメラ531、カメラ532)を有する。カメラ531は、筐体501の前方を撮像する機能を有し、例えば電子機器500から距離約1mの範囲を撮像するための広角レンズを備える。カメラ531は、主にユーザーの手の動きによりジェスチャー操作を行うための画像を撮像するための撮像装置である。また、カメラ532は、主に風景を撮像するための撮像装置であり、カメラ531よりも望遠のレンズを有する。すなわち、カメラ532は、カメラ531よりも焦点距離が長く、且つ、画角が狭い。カメラ531及びカメラ532は、焦点距離を変化させるズーム機構を有していてもよい。その場合は、カメラ531の最大焦点距離よりも、カメラ532の最大焦点距離が大きくなるように、カメラ532を選択すればよい。
 図2では、電子機器500がカメラ531及びカメラ532をそれぞれ一対ずつ有する構成を示している。これにより、ステレオ撮像が可能となり、3D映像を撮像できるほか、対象物の距離を算出することもできる。なお電子機器500は、カメラ531及びカメラ532を、それぞれ一つずつ有する構成としてもよい。
 また、電子機器500は、内側を撮像するための一対の撮像装置(カメラ533)を有する。一対のカメラ533は、それぞれ右目または左目を撮像するためのカメラである。カメラ533は、赤外光に感度を有することが好ましい。カメラ533により、ユーザーの右目と左目をそれぞれ撮像することができるため、その画像を虹彩認証、ヘルスケア、アイトラッキングなどに用いることができる。なおここでは示さないが、照明のための赤外光を発する光源を有することが好ましい。なお電子機器500は、両目を撮像するカメラ533を一つ有する構成としてもよい。
 図2には、カメラ531、カメラ532、及びカメラ533の撮像範囲の一例を一点鎖線でそれぞれ示している。
 なお、ここではカメラ531を有する例を示したが、カメラ531として、対象物の距離を測定することのできる測距センサ(以下、検知部ともよぶ)を設けてもよい。すなわち、カメラ531は、検知部の一態様である。検知部としては、例えばイメージセンサ、またはライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)などの距離画像センサを用いることができる。カメラによって得られた画像と、距離画像センサによって得られた画像とを用いることにより、より多くの情報を取得し、より高精度なジェスチャー操作を可能とすることができる。
 続いて、図5A、図5B、及び図6Aには、電子機器500と、端末機550を有する例を示す。電子機器500は、ケーブル520を介して、端末機550と接続されている。ここでは、端末機550として、スマートフォンを用いた場合の例を示している。
 電子機器500は、端末機550から出力される映像コンテンツを表示することができる。電子機器500は、映像表示機としての機能を有するともいえる。例えば、AR、VRに加えて、SRまたはMRのコンテンツを表示する機能を有していてもよい。
 また、電子機器500は、携帯情報端末としての機能を有していてもよい。例えば電子機器500は、それ自体でインターネットに接続することで様々なプログラムを実行すること、及び様々なコンテンツを再生すること、などができてもよい。
 ここで、図1B、及び図5Bでは、反射板522と反射面523を用いて、表示装置521を用いた画像表示を行う例を示したが、異なる構成とすることもできる。例えば、図6Bでは、光学部材524と光学部材525を用いた構成を示している。表示装置521は、下側に向けて画像(光)を射出するように配置される。表示装置521から出た光の一部は、光学部材524により光学部材525側に反射され、光学部材525に投影される。光学部材525に反射された光の一部は、光学部材524を透過してユーザーの目に到達する。これにより、表示装置521の映像を実際の背景に重ねて表示することができる。
 また、表示装置521の表面側には、レンズ526を設けてもよい。さらに、表示装置521とレンズ526との間に、マイクロレンズアレイを設けてもよい。
 光学部材524、及び光学部材525は、偏光板、円偏光板、レンズ、ハーフミラーなどを有する構成とすることができる。例えば、光学部材524は、ビームスプリッタとして機能し、所定の偏光の光を透過し、他の偏光の光を反射する機能を有する。光学部材525は、光学部材524から反射した光を集光及び反射するとともに、光学部材524を透過するように偏光させる機能を有する。
 図3A、図3Bには、上記とは異なる電子機器500の構成例を示す。
 図3A、図3Bに示す電子機器は、装着具505がバンド状の形状を有する。これにより、図1A等に示す構成に比べてずれにくいため、アトラクションなど、運動量の比較的大きいコンテンツを楽しむ場合には、好適である。なお、ここでは図示していないが、装着具505の部分506と対向する位置(後頭部側)にバッテリなどを内蔵してもよい。部分506の重さと、バッテリの重さとのバランスを図ることで、電子機器500の重心を調整することができ、装着感を向上させることができる。
 また装着具505は、ユーザーの額を覆う部分506を有する。部分506を有することで、よりずれにくくすることができる。また、部分506の額に触れる部分に電極を設け、当該電極により脳波を測定することもできる。
 図7A、図7Bには、上記とは異なる電子機器500の構成例を示す。図7Aに示すように、第1の部分502は、閉じた状態のときに、顔の前方だけでなく側方も覆う形状を有する。これにより、ユーザーの視界を外光から遮蔽できるため、臨場感、及び没入感を高めることができる。例えば、表示するコンテンツによっては、ユーザーが感じる恐怖感を高めることもできる。
 また、図7A、図7Bでは、装着具505の後頭部側にバッテリ507が内蔵されている例を示している。さらに図7A、図7Bでは、装着具505にケーブル520が接続されている例を示している。
 また、図8A、図8Bには、上記と異なる電子機器500の構成例を示す。図8Aは第1の部分502を閉じた状態、図8Bは第1の部分502を開いた状態を、それぞれ示している。
 図8A及び図8Bに示す電子機器500は、装着具505が耳に掛けて固定する形態である。装着具505は、骨伝導を利用したスピーカー、マイク、またはその両方としての機能を有していてもよい。すなわち、装着具505はその内部に骨伝導を利用したスピーカー、マイク、またはその両方を備え、少なくとも頭部の一部に接する構成とすることができる。
 図9A、図9Bには、上記と異なる電子機器500の構成例を示す。
 筐体501の、第2の部分503には、端末機550を挿入するスロットが設けられている。当該スロットに端末機550を挿入することにより、電子機器500と端末機550とが通信可能な状態となる。このように、電子機器500が、端末機550を保持できる機構を有することで、ユーザーは、端末機550を入れておくためのポケット等を有する衣服を選択すること、またはカバンなどを装着することが不要となるため好ましい。
 また、ここでは端末機550が表示部を有するスマートフォンである場合を示している。このとき、端末機550の画面を、第2の部分503に設けられる表示装置521として用いてもよい。すなわち、端末機550の画面が下側に位置する様に、スロットに挿入し、画面に表示された画像を、光学部材504が有する反射面523に投影する構成としてもよい。このような構成とすることで、電子機器500の構成を簡略化でき、低コスト化、軽量化、及び小型化が容易となる。
 また、図9Bに示すように、第1の部分502は、脱着可能な構成としてもよい。図9Bでは、第1の部分502、及び端末機550を取り外したときの様子を示している。
[電子機器のハードウェア構成の例]
 図4は、電子機器500の一部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。電子機器500は、制御部551、記憶部552、カメラ531、カメラ533、開閉センサ553、表示装置511、表示装置521、通信部554等を有する。各構成(コンポーネント)はバスラインを介して互いに電気的に接続されている。
 なお以下では、説明を容易にするため、電子機器500が有する制御部551以外の構成要素について区別しない場合には、これらを単にコンポーネントなどと呼ぶことがある。
 制御部551は、例えば中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)として機能することができる。制御部551は、各コンポーネントを制御する機能を有する。
 記憶部552は、プログラムデータ、システムデータ、ユーザーデータなど、様々なデータを格納することができる。制御部551は、記憶部552からデータを読み出すこと、及び記憶部552にデータを格納すること、ができる。
 開閉センサ553は、筐体501の第1の部分502の開閉状態を取得し、その情報を制御部551に出力する機能を有する。開閉センサ553は、機械的、光学的、または電気的なスイッチを有し、筐体501の開閉状態を取得することができる。
 脳波センサ555は、ユーザーの脳波を取得して、その情報を制御部551に出力する機能を有する。脳波センサは、例えばユーザーの額に接触する電極を一以上有する。脳波センサ555は、α波、β波、θ波、及びδ波などの脳波について、周波数と振幅の情報を取得することができる。制御部551は、脳波の情報からユーザーの覚醒状態などを推定し、覚醒状態に応じて処理を実行することができる。
 制御部551と各コンポーネントとは、バスラインを介して信号の伝達が行われる。制御部551は、バスラインを介して接続された各コンポーネントから入力される信号を処理する機能、及び各コンポーネントへ出力する信号を生成する機能等を有し、バスラインに接続された各コンポーネントを統括的に制御することができる。
 なお、制御部551、または他のコンポーネントが有するIC等に、チャネル形成領域に酸化物半導体を用い、極めて低いオフ電流が実現されたトランジスタを利用することもできる。当該トランジスタは、オフ電流が極めて低いため、当該トランジスタを記憶素子として機能する容量素子に流入した電荷(データ)を保持するためのスイッチとして用いることで、データの保持期間を長期にわたり確保することができる。この特性を制御部551のレジスタ、キャッシュメモリなどに用いることで、必要なときだけ制御部551を動作させ、他の場合には直前の処理の情報を当該記憶素子に待避させることにより、使用しないときには制御部551の電源を遮断する、いわゆるノーマリーオフコンピューティングが可能となり、電子機器500の低消費電力化を図ることができる。
 制御部551は、プロセッサにより種々のプログラムからの命令を解釈し実行することで、各種のデータ処理及びプログラム制御を行う。プロセッサにより実行しうるプログラムは、プロセッサが有するメモリ領域に格納されていてもよいし、記憶部552に格納されていてもよい。
 制御部551としては、CPUのほか、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等の他のマイクロプロセッサを単独で、または組み合わせて用いることができる。またこれらマイクロプロセッサをFPGA(Field Programmable Gate Array)またはFPAA(Field Programmable Analog Array)といったPLD(Programmable Logic Device)によって実現した構成としてもよい。
 制御部551はメインメモリを有していてもよい。メインメモリは、RAM(Random Access Memory)、などの揮発性メモリ、または、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリを備えることができる。
 メインメモリに設けられるRAMとしては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)が用いられ、制御部551の作業空間として仮想的にメモリ空間が割り当てられ利用される。記憶部552に格納されたオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータ等は、実行のためにRAMにロードされる。RAMにロードされたこれらのデータ、プログラム、及びプログラムモジュール等は、制御部551に直接アクセスされ、操作される。
 一方、ROMには書き換えを必要としないBIOS(Basic Input/Output System)、及びファームウェア等を格納することができる。ROMとしては、マスクROM、OTPROM(One Time Programmable Read Only Memory)、またはEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等を用いることができる。EPROMとしては、紫外線照射により記憶データの消去を可能とするUV−EPROM(Ultra−Violet Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリなどが挙げられる。
 また、制御部551は、CPUよりも並列演算に特化したプロセッサを有することが好ましい。例えば、GPU、TPU(Tensor Processing Unit)、NPU(Neural Processing Unit)などの、並列処理可能なプロセッサコアを多数(数十~数百個)有するプロセッサを有することが好ましい。これにより、制御部551は特にニューラルネットワークに係る演算を高速で行うことができる。
 記憶部552としては、例えば、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistive RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)などの不揮発性の記憶素子が適用された記憶装置、またはDRAM(Dynamic RAM)、またはSRAM(Static RAM)などの揮発性の記憶素子が適用された記憶装置等を用いてもよい。また例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)などの記録メディアドライブを用いてもよい。
 通信部554は、無線により外部の通信機器とデータのやり取りを行うことができる。例えば通信部554、アンテナを介して通信を行うことができる。通信部554の通信手段(通信方法)としては、例えばWorld Wide Web(WWW)の基盤であるインターネット、イントラネット、エクストラネット、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等のコンピュータネットワークに各装置を接続させ、通信を行うことができる。無線通信を行う場合、通信プロトコル又は通信技術として、LTE(Long Term Evolution)、GSM(Global System for Mobile Communication:登録商標)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)、CDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)、W−CDMA(登録商標)などの通信規格、またはWi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等のIEEEにより通信規格化された仕様を用いることができる。
 図10は、電子機器500と、端末機550について、それらの一部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。電子機器500は、制御部551、表示装置511、表示装置521、カメラ531、カメラ533、通信部558、開閉センサ553、脳波センサ555、音声出力部556、マイク557などを有する。各構成(コンポーネント)はバスライン(図示しない)を介して互いに電気的に接続されている。
 制御部551は、中央演算装置として機能し、各コンポーネントを制御する機能を有する。例えば、制御部551は、通信部558を介して端末機550から送信された命令に応じて、各コンポーネントを制御する。また、各コンポーネントから出力されたデータを、通信部558を介して端末機550に出力する機能を有する。
 音声出力部556としては、スピーカー、骨伝導スピーカーなどの内蔵スピーカーを用いてもよい。また、無線、または有線により、イヤホン、ヘッドホン、外部スピーカーなどに音声データを出力する構成としてもよい。
 端末機550は制御部571、記憶部572、通信部573、通信部574、表示装置575、カメラ576、及びセンサ577等を有する。なお、端末機550の構成はこれに限られず、端末機の種類に応じて、様々なコンポーネントを有していてもよい。
 通信部574としては、通信部554の記載を参照することができる。
 通信部573は、電子機器500の通信部558と通信を行う機能を有する。有線接続による通信を行う場合には、通信部573は接続端子を含む構成とすることができる。例えばUSB(Universal Serial Bus)などの汎用の外部接続端子を用いることができる。
 通信部573として、無線接続により通信部558と通信を行う場合には、ハードウェアとしては通信部574と共有することができる。
 制御部571としては、制御部551の記載を参照することができる。端末機550が有する制御部571は、電子機器500の制御部551よりも演算性能の高いプロセッサを用いることが好ましい。
 記憶部572としては、記憶部552の記載を参照することができる。
 センサ577としては、端末機550の種類に応じて様々なセンサを用いることができる。例えば、タッチセンサ、照度センサ、加速度センサ、指紋センサ、温度センサ、湿度センサ、地磁気センサ、GPSなどの各種センサを用いることができる。
[端末機及び電子機器の具体例]
 図11A乃至図11Cは、端末機と電子機器の具体例である。
 図11Aに、端末機550Aと、電子機器500Aを示している。端末機550Aと電子機器500Aは、それぞれ無線通信機能を有する。
 端末機550Aは、スマートフォンとして機能する携帯情報端末機である。端末機550Aは、筐体570と、通信部574と、表示装置575と、を有する。ここでは、通信部574が通信部573を兼ねる場合の例を示している。すなわち、通信部574は、ネットワークを介してサーバ等と通信する機能と、電子機器500Aと通信する機能の両方を有する。なお、図11Aでは、端末機550Aを操作している、ユーザーの右手530Rを示している。
 また、電子機器500Aは図8Aの構成を参照できる。電子機器500Aと端末機550Aとの無線通信としては、通信部574と、通信部558との間で行うことができる。
 図11Aでは、イヤホン579に音声を出力する機能を有する。ここでは、端末機550Aから無線通信によりイヤホン579に音声情報を出力する例を示している。なお、これに限られず、電子機器500Aからイヤホン579に音声情報を出力してもよい。
 図11Bに示す端末機550Bは、腕時計型の携帯情報端末としての機能を有する。端末機550Bは、筐体570と、表示装置575と、通信部573と、通信部574と、バンド578と、を有する。また、図11Bには、ユーザーの右手530Rと、左手530Lと、を示している。端末機550Bと電子機器500Bとは、通信部573及び通信部558を介して無線通信が可能である。
 電子機器500Bは、骨伝導を利用した音声出力機能を有する。ここでは、装着具505が振動することにより、骨伝導を利用して音声をユーザーに提供する例を示している。
 図11Cに示す端末機550Cは、ゲーム機として機能する。端末機550Cは、少なくとも筐体570内に、通信部574と、制御部571と、を有する。通信部574は、通信部573を兼ねる。また図11Cには、コントローラ580を示している。コントローラ580は、無線通信機能を有し、端末機550Cと接続されている。
 端末機550Cは、プロセッサ、及び、ストレージなどを有する。ユーザーは、端末機550Cでアプリケーションを起動することにより、様々なゲームコンテンツを遊ぶことができる。また、端末機550Cはゲームコンテンツだけでなく、動画再生アプリケーション、画像再生アプリケーション、音楽再生アプリケーション、インターネットブラウザなどのアプリケーションを実行することができる。また、端末機550Cは、パーソナルコンピュータとして使用することもできる。
 なお、ここではコントローラ580を用いる場合の例を示したが、電子機器500Cのカメラを用いたジェスチャーコントロールにより、ゲームを楽しむ場合には、コントローラ580を用いなくてもよい。
 電子機器500Cは、有線のイヤホン579を備える。イヤホン579は、装着具505とケーブルを介して接続されている。
 なお、電子機器と端末機の組み合わせは図11A乃至図11Cで示した組み合わせに限定されない。すなわち、例えば、電子機器500Aは、端末機550A、端末機550B、及び端末機550Cのいずれとも接続することができる。
 このように、電子機器500と端末機550とは、有線または無線で通信することができる。そのため、電子機器500は、表示装置511及び表示装置521に表示するための映像コンテンツ(画像データ)を生成する機能を、端末機550に移すことができる。また、電子機器500が有する複数のカメラで撮像したデータ、及び各種センサで取得したデータを処理する機能を、端末機550に移すことができる。このように、高い演算能力が必要な処理を端末機550に任せることにより、電子機器500の構成を簡略化することができるため、低コスト化、軽量化、及び小型化が容易となる。
 例えば、虹彩認証を行う場合には、電子機器500の内部で処理を完結してもよいし、電子機器500では撮像のみを行い、認証にかかる処理は端末機550で行ってもよい。具体的には、電子機器500は、電子機器500のカメラ533で取得した、ユーザーの目及びその周辺の画像データを端末機550に出力し、端末機550の制御部571は、端末機550の記憶部572等に格納されている真のユーザーの認証データを照合することにより、認証を行ってもよい。
 また、電子機器500及び端末機550にて高い演算能力が必要な処理を行わずに、ネットワークを介して接続されたサーバにて、当該処理を行ってもよい。このような処理は、シンクライアントとも呼称され、ユーザー側(クライアント側)の端末(ここでは、端末機550及び電子機器500)では、限られた処理のみ実行し、アプリケーションの実行、及び管理などの高度な処理についてはサーバ側にて実行することで、クライアント側の端末の処理の規模を低減することができる。これにより、電子機器500だけでなく、端末機550についても、高い演算性能を有する演算装置を用いる必要がないため、低コスト化、軽量化、及び小型化が容易となる。
 例えば、AR表示およびVR表示を行う際に、ヘッドトラッキング機能及びアイトラッキング機能を用いて、頭部の動き、及び視線の動きに合わせた映像を生成する処理を行う必要があり、当該処理を、サーバにより行うことができる。このような処理を実行する場合には、高速かつ低遅延である第5世代移動通信システム(通称5G)を用いることで、遅延を限りなく減らすことができ、頭部及び目の動きに対して映像が遅延することに伴う、いわゆるVR酔いを軽減することができるため好ましい。
[電子機器の動作方法について]
 続いて、図4で例示した電子機器500の動作方法の一例について、フローチャートを用いて説明する。図12に、フローチャートを示す。図12に示すフローチャートは、電子機器500の起動時にかかる動作方法のフローチャートである。図12に示すフローチャートは、ステップS01乃至ステップS09を有する。
 ステップS01において、処理が開始される。このとき、電子機器500は電源が入った状態であるとする。
 ステップS02において、電子機器500が装着される。制御部551は、加速度センサの出力データ、各種カメラの撮像データなどにより、電子機器500が装着された状態であることを取得する。
 ステップS03において、開閉センサ553が、筐体501の開閉状態を取得し、その情報を制御部551に出力する。
 ステップS04において、カメラ533がユーザーの目を撮像し、撮像データを制御部551に出力する。
 ステップS05において、制御部551は、撮像データを基に認証処理を実行する。例えば、制御部551は撮像データを用いて虹彩認証の認証処理を実行することができる。具体的には、撮像した虹彩の画像の特徴点と、あらかじめ記憶部552の保持された真のユーザーの虹彩の特徴点とを照合し、これらが同一人物のものであるかどうかを判定する。そして、ステップS06において、認証された(認証成功)場合にはステップS07に移行する。
 ステップS06において、認証されなかった場合には、ステップS04に戻る。なお、所定の回数認証に失敗した場合には、警告を出すなどの処理を実行してもよい。
 ステップS07において、筐体501が開状態である場合には、ステップS08に移行し、閉状態である場合には、ステップS09に移行する。
 ステップS08において、ARモードを実行する。具体的には、表示装置521に画像が表示される。
 ステップS09において、VRモードを実行する。具体的には、表示装置511に画像が表示される。
 なお、ステップS03は、ステップS02より後であって、ステップS07より前であればどの時点で行ってもよい。また、ステップS03を、他のステップと並行して行ってもよい。
 続いて、図10等で例示した電子機器500及び端末機550を有する構成について、動作方法の例を示す。図13に示すフローチャートは、電子機器500の起動時にかかる動作方法のフローチャートである。図13に示すフローチャートは、ステップS11乃至ステップS19を有する。
 ステップS11において、処理が開始される。このとき、電子機器500は電源が入った状態であるとする。また、電子機器500と、端末機550とは接続状態であるとする。
 ステップS12において、電子機器500が装着される。制御部551または制御部571は、加速度センサの出力データ、各種カメラの撮像データなどにより、電子機器500が装着された状態であることを取得する。
 ステップS13において、開閉センサ553が、筐体501の開閉状態を取得し、その情報を制御部551に出力する。制御部551は、その情報を、通信部558を介して端末機550の制御部571に出力する。
 ステップS14において、カメラ533がユーザーの目を撮像し、撮像データを制御部551に出力する。
 ステップS15において、制御部551または制御部571は、撮像データを基に認証処理を実行する。例えば、制御部551または制御部571は撮像データを用いて虹彩認証の認証処理を実行することができる。具体的には、撮像した虹彩の画像の特徴点と、あらかじめ記憶部572等に保持された真のユーザーの虹彩の特徴点とを照合し、これらが同一人物のものであるかどうかを判定する。そして、ステップS16において、認証された(認証成功)場合にはステップS17に移行する。
 ステップS16において、認証されなかった場合には、ステップS14に戻る。なお、所定の回数認証に失敗した場合には、警告を出すなどの処理を実行してもよい。
 ステップS17において、筐体501が開状態である場合には、ステップS18に移行し、閉状態である場合には、ステップS19に移行する。
 ステップS18において、ARモードを実行する。具体的には、表示装置521に画像が表示される。
 ステップS19において、VRモードを実行する。具体的には、表示装置511に画像が表示される。
 なお、ステップS13は、ステップS12より後であって、ステップS17より前であればどの時点で行ってもよい。また、ステップS13を、他のステップと並行して行ってもよい。
 以上が、動作方法の例についての説明である。
[画像の例]
 以下では、本発明の一態様の表示システムによって、ユーザーが体験できる操作の例と、ユーザーに提示することのできる画像の一例について説明する。
 図14Aには、ユーザー540が電子機器500を装着した状態で、ジェスチャー操作をしている様子を示している。また、ユーザー540は、端末機550をポケットに有している。電子機器500と端末機550とは通信状態である。このとき、電子機器500は筐体が開いた状態であるため、ユーザー540は、ARモードで表示された画像を見ることができる。なお、電子機器500のみで使用する場合には、ユーザー540は、端末機550、及び端末機550を収納するポケットを必ずしも持っていなくてもよい。
 図14Bは、図14Aに示す、ユーザー540の視界560の例を示している。視界560には、床、壁、ドアなどの現実の室内の風景に重ねて、画像情報561が示されている。ここでは、画像情報561として、スマートフォンまたはタブレット端末の画面を模した画像が示されている。
 ユーザーは、スマートフォンを操作する様に、空中に浮かぶように見える画像情報561を操作することができるため、違和感なく使用することができる。また、図14Cに示すように画像情報561の端を操作することで、画像情報561を縦長の状態から横長の状態に回転させることができる。
 図15Aは、ユーザー540が電子機器500を装着した状態で、ブドウを食べようとしている様子を示している。このとき、電子機器500は筐体が開いた状態であるため、ユーザー540は、ARモードで表示された画像を見ることができる。
 図15Bは、ユーザー540の視界560の例を示している。電子機器500は、ブドウの実を撮像した情報から、甘い実を判定し、現実の実に重ねて色を付けて目印として示すことができる。また、ユーザーの視界内には、選別した実の情報を示す画像情報562と、視界の外周には、メニューアイコンとして機能する画像563等が表示されている。
 図15Cは、ユーザー540が電子機器500を装着した状態で、ジェスチャー操作をしている様子を示している。このとき、電子機器500は筐体が閉じた状態であるため、ユーザー540は、VRモードで表示された画像を見ることができる。
 図15Dは、ユーザー540の視界560の例を示している。ユーザーは仮想空間に表示されたオブジェクト564を用いて、3Dモデリング(造形)を行っている。視界560に映る右手540R及び左手540Lは、ユーザー540の右手及び左手と同じ動きをする画像である。オブジェクト564を掴む、つまむ、引っ張る、ねじるなどの様々な操作により、オブジェクト564を変形させることで造形することができる。また、メニューアイコン565を押すことで、ナイフ、ヘラなどの造形道具を使用することもできる。
 このように、本発明の一態様の電子機器500は、一つのデバイスでARモードとVRモードの両方を体験することができる。さらに、電子機器500は、筐体の開閉といった極めて単純な方法で、ARモードとVRモードを切り替えることができる。
 本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせることができる。
 本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
 以下では、実施の形態1で例示した電子機器の表示装置に適用可能な表示装置の構成例について図面を参照して説明する。
 図16Aは、実施の形態1で例示した電子機器の表示装置に適用可能な表示装置10Aの斜視図である。表示装置10Aは、表示装置511及び表示装置521に適用することができる。
 表示装置10Aは、基板11、基板12を有する。表示装置10Aは、基板11と基板12との間に設けられる素子で構成される表示部13を有する。表示部13は、表示装置10Aにおける画像を表示する領域である。表示部13は、複数の画素230を有する。画素230は、画素回路51および発光素子61(図示しない)を有する。
 また、画素230を1920×1080画素のマトリクス状に配置すると、いわゆるフルハイビジョン(「2K解像度」、「2K1K」、または「2K」などとも言われる)の解像度で表示可能な表示部13を実現できる。また、例えば、画素230を3840×2160画素のマトリクス状に配置すると、いわゆるウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、または「4K」などとも言われる)の解像度で表示可能な表示部13を実現できる。また、例えば、画素230を7680×4320画素のマトリクス状に配置すると、いわゆるスーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、または「8K」などとも言われる)の解像度で表示可能な表示部13を実現できる。画素230を増やすことで、16Kさらには32Kの解像度で表示可能な表示部13を実現することも可能である。
 また、表示部13の画素密度(精細度)は、1000ppi以上10000ppi以下が好ましい。例えば、2000ppi以上6000ppi以下であってもよいし、3000ppi以上5000ppi以下であってもよい。
 なお、表示部13の画面比率(アスペクト比)については、特に限定はない。表示部13は、例えば、1:1(正方形)、4:3、16:9、16:10など様々な画面比率に対応することができる。
 なお、本明細書等において、素子という用語を「デバイス」と言い換えることができる場合がある。例えば、表示素子、発光素子、および液晶素子は、表示デバイス、発光デバイス、および液晶デバイスと言い換えることができる。
 表示装置10Aは、端子部14を介して外部より各種信号および電源電位が入力され、表示部13に設けられた表示素子を用いて画像表示を行うことができる。表示素子としては様々な素子を用いることができる。代表的には、有機EL素子およびLED素子などの光を射出する機能を有する発光素子、液晶素子、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを適用できる。
 基板11と基板12との間には、複数の層が設けられ、各層には回路動作を行うためのトランジスタ、または光を射出する表示素子が設けられる。複数の層においては、表示素子の動作を制御する機能を有する画素回路、画素回路を制御する機能を有する駆動回路、駆動回路を制御する機能を有する機能回路等が設けられる。
 図16Bに、基板11と基板12との間に設けられる各層の構成を模式的に示した斜視図を示している。
 基板11上には、層20が設けられる。層20は、駆動回路30、機能回路40、および入出力回路80を有する。層20は、チャネル形成領域22にシリコンを有するトランジスタ21(Siトランジスタともいう)を有する。基板11は、一例としては、シリコン基板である。シリコン基板は、ガラス基板と比較して熱伝導性が高いため好ましい。駆動回路30、機能回路40、および入出力回路80を同じ層に設けることで、駆動回路30、機能回路40、および入出力回路80を電気的に接続する配線を短くすることができる。よって、機能回路40が駆動回路30を制御するための制御信号の充放電時間が短くなり、消費電力を低減できる。また、入出力回路80が、機能回路40および駆動回路30に信号を供給する時のための充放電時間が短くなり、消費電力を低減できる。
 トランジスタ21は、例えばチャネル形成領域に単結晶シリコンを有するトランジスタ(「c−Siトランジスタ」ともいう)とすることができる。特に、層20に設けられるトランジスタとして、チャネル形成領域に単結晶シリコンを有するトランジスタを用いると、当該トランジスタのオン電流を大きくすることができる。よって、層20が有する回路を高速に駆動させることができるため、好ましい。またSiトランジスタは、チャネル長が3nm以上10nm以下といった微細加工で形成することができるため、CPU、アプリケーションプロセッサ、またはGPUなどのアクセラレータなどが表示部と一体に設けられた表示装置10Aとすることができる。
 また、層20に、チャネル形成領域に多結晶シリコンを有するトランジスタ(「Poly−Siトランジスタ」ともいう)を設けてもよい。多結晶シリコンとして、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)を用いてもよい。なお、チャネル形成領域にLTPSを有するトランジスタを「LTPSトランジスタ」ともいう。また、層20にOSトランジスタを設けてもよい。
 駆動回路30として、シフトレジスタ、レベルシフタ、インバータ、ラッチ、アナログスイッチ、および論理回路等の様々な回路を用いることができる。駆動回路30は、例えば、ゲートドライバ回路、ソースドライバ回路等を有する。この他に、演算回路、メモリ回路、および電源回路等を有していてもよい。ゲートドライバ回路、ソースドライバ回路、およびその他の回路を、表示部13に重ねて配置することが可能となるため、これら回路と、表示部13とを並べて配置する場合と比較して、表示装置10Aの表示部13の外周に存在する非表示領域(額縁ともいう)の幅を極めて狭くすることができ、表示装置10Aの小型化が実現できる。
 機能回路40は、例えば、表示装置10Aにおける各回路の制御、および各回路を制御するための信号を生成するためのアプリケーションプロセッサの機能を有する。また機能回路40は、GPUなどの画像データを補正するための回路、およびCPUを有していてもよい。また機能回路40は、画像データ等を表示装置10Aの外部から受信するためのインターフェースとしての機能を有するLVDS(Low Voltage Differential Signaling)回路、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)回路、およびD/A(Digital to Analog)変換回路等を有していてもよい。また機能回路40は、画像データを圧縮・伸長するための回路、および電源回路等を有していてもよい。
 層20上には、層50が設けられる。層50は、複数の画素回路51を含む画素回路群55を有する。層50にOSトランジスタを設けてもよい。画素回路51はOSトランジスタを含んで構成してもよい。なお層50は、層20上に積層して設けることができる。
 層50にSiトランジスタを設けてもよい。例えば、画素回路51をチャネル形成領域に単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを有するトランジスタを含んで構成してもよい。多結晶シリコンとしては、LTPSを用いてもよい。例えば、別の基板に層50を形成し、層20と貼り合わせることも可能である。
 また、例えば、画素回路51を異なる半導体材料を用いた複数種類のトランジスタで構成してもよい。画素回路51が、異なる半導体材料を用いた複数種類のトランジスタで構成される場合、トランジスタの種類毎に異なる層にトランジスタを設けてもよい。例えば、画素回路51が、Siトランジスタと、OSトランジスタで構成される場合、SiトランジスタとOSトランジスタを重ねて設けてもよい。トランジスタを重ねて設けることで、画素回路51の占有面積が低減される。よって、表示装置10Aの精細度を高めることができる。なお、LTPSトランジスタとOSトランジスタを、組み合わせる構成をLTPOと呼称する場合がある。
 OSトランジスタであるトランジスタ52として、チャネル形成領域54にインジウム、元素M(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、またはスズ)、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物を有するトランジスタを用いることが好ましい。このようなOSトランジスタは、オフ電流が非常に低いという特性を有する。よって、特に画素回路に設けられるトランジスタとしてOSトランジスタを用いると、画素回路に書き込まれたアナログデータを長期間保持することができるため好ましい。
 層50上には、層60が設けられる。層60上には、基板12が設けられる。基板12は、透光性を有する基板あるいは透光性を有する材料でなる層であることが好ましい。層60は、複数の発光素子61が設けられる。なお層60は、層50上に積層して設ける構成とすることができる。発光素子61としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともいう)などを用いることができる。ただし、発光素子61は、これに限定されず、例えば無機材料からなる無機EL素子を用いても良い。なお、「有機EL素子」と「無機EL素子」をまとめて「EL素子」と呼ぶ場合がある。発光素子61は、量子ドットなどの無機化合物を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
 図16Bに示すように本発明の一態様の表示装置10Aは、発光素子61と、画素回路51と、駆動回路30および機能回路40と、を積層した構成とすることができるため、画素の開口率(有効表示面積比)を極めて高くすることができる。例えば画素の開口率は、40%以上100%未満、好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上95%以下とすることができる。また、画素回路51を極めて高密度に配置することが可能で、画素の精細度を極めて高くすることができる。例えば、表示装置10Aの表示部13(画素回路51および発光素子61が積層されて設けられる領域)では、2000ppi以上、好ましくは3000ppi以上、より好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以上であって、20000ppi以下、または30000ppi以下の精細度で、画素を配置することが可能となる。
 このような表示装置10Aは、極めて高精細であることから、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、またはメガネ型のAR向け機器に好適に用いることができる。例えば、レンズ等の光学部材を通して表示装置10Aの表示部を視認する構成の場合であっても、表示装置10Aは極めて高精細な表示部を有するためにレンズで表示部を拡大しても画素が視認されず、没入感の高い表示を行うことができる。
 なお、表示装置10Aを装着型のVRまたはAR用の表示装置として用いる場合、表示部13の対角サイズは、0.1インチ以上5.0インチ以下、好ましくは0.5インチ以上2.0インチ以下、さらに好ましくは、1インチ以上1.7インチ以下とすることができる。例えば、表示部13の対角サイズを1.5インチ、または1.5インチ近傍にしてもよい。表示部13の対角サイズを2.0インチ以下とすることで、露光装置(代表的にはスキャナー装置)の1回の露光処理で処理することが可能となるため、製造プロセスの生産性を向上させることができる。
 また、本発明の一態様に係る表示装置10Aは、装着型の電子装置以外にも適用できる。この場合、表示部13の対角サイズは2.0インチを越えてもかまわない。表示部13の対角サイズに応じて、画素回路51に用いるトランジスタの構成を適宜選択してもよい。例えば、画素回路51に単結晶Siトランジスタを用いる場合、表示部13の対角サイズは0.1インチ以上3インチ以下が好ましい。また、画素回路51にLTPSトランジスタを用いる場合、表示部13の対角サイズは0.1インチ以上30インチ以下が好ましく、1インチ以上30インチ以下がより好ましい。また、画素回路51にLTPOを用いる場合、表示部13の対角サイズは0.1インチ以上50インチ以下が好ましく1インチ以上50インチ以下がより好ましい。また、画素回路51にOSトランジスタを用いる場合、表示部13の対角サイズは0.1インチ以上200インチ以下が好ましく、50インチ以上100インチ以下がより好ましい。
 単結晶Siトランジスタを用いた表示装置は、単結晶Si基板の大型化が困難であるため、大型化が非常に困難である。また、表示装置にLTPSトランジスタを用いる場合は、製造工程にてレーザ結晶化装置を用いるため、大型化(代表的には、対角サイズにて30インチを超える画面サイズ)への対応が難しい。一方でOSトランジスタは、製造工程にてレーザ結晶化装置などを用いる制約がない、または比較的低温のプロセス温度(代表的には450℃以下)で製造することが可能なため、比較的大面積(代表的には、対角サイズにて50インチ以上100インチ以下)の表示装置まで対応することが可能である。また、LTPOについては、LTPSトランジスタを用いる場合と、OSトランジスタを用いる場合との間の対角サイズ(代表的には、1インチ以上50インチ以下)に対応することが可能となる。
 駆動回路30および機能回路40の具体的な構成例について、図17を参照して説明する。図17は、表示装置10Aにおける画素回路51、駆動回路30および機能回路40を接続する複数の配線、および表示装置10A内のバス配線等を図示して示すブロック図である。
 図17に示す表示装置10Aにおいて、層50は、複数の画素回路51がマトリクス状に配置されている。
 また、図17に示す表示装置10Aにおいて、層20は、駆動回路30、機能回路40、および入出力回路80が配置されている。駆動回路30は、一例として、ソースドライバ回路31、デジタルアナログ変換回路(DAC:Digital to Analog Converter)32、増幅回路35、ゲートドライバ回路33、およびレベルシフタ34を有する。機能回路40は、一例として、記憶装置41、GPU(AIアクセラレータ)42、EL補正回路43、タイミングコントローラ44、CPU45、センサコントローラ46、および電源回路47を有する。機能回路40は、アプリケーションプロセッサの機能を有する。
 入出力回路80は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)などの伝送方式に対応し、入出力回路80は端子部14を介して入力される制御信号および画像データなどを、駆動回路30および機能回路40に振り分ける機能を有する。また、入出力回路80は、表示装置10Aの情報を、端子部14を介して外部に出力する機能を有する。
 また、図17の表示装置10Aでは、駆動回路30に含まれる回路、および機能回路40に含まれる回路のそれぞれが、バス配線BSLと電気的に接続する構成を例示している。
 ソースドライバ回路31は、一例として、画素230が有する画素回路51に対して、画像データを送信する機能を有する。そのため、ソースドライバ回路31は、配線SLを介して、画素回路51に電気的に接続されている。なおソースドライバ回路31は、複数設けてもよい。
 デジタルアナログ変換回路32は、一例として、後述するGPU、補正回路などによってデジタル処理された画像データをアナログデータに変換する機能を有する。アナログデータに変換された画像データはオペアンプなどの増幅回路35により増幅され、ソースドライバ回路31を介して、画素回路51に送信される。なお、ソースドライバ回路31、デジタルアナログ変換回路32、画素回路51の順に画像データが送信される構成としてもよい。また、デジタルアナログ変換回路32および増幅回路35は、ソースドライバ回路31に含まれていてもよい。
 ゲートドライバ回路33は、一例として、画素回路51において、画像データの送信先となる画素回路を選択する機能を有する。そのため、ゲートドライバ回路33は、配線GLを介して、画素回路51に電気的に接続されている。なおゲートドライバ回路33は、ソースドライバ回路31と対応して、複数設けてもよい。
 レベルシフタ34は、一例として、ソースドライバ回路31、デジタルアナログ変換回路32、ゲートドライバ回路33などに対して入力される信号を適切なレベルに変換する機能を有する。
 記憶装置41は、一例として、画素回路51に表示させる画像データを保存する機能を有する。なお、記憶装置41は、画像データをデジタルデータまたはアナログデータとして保存する構成とすることができる。
 また、記憶装置41に画像データを保存する場合、記憶装置41としては不揮発性メモリとすることが好ましい。この場合、記憶装置41としては、例えば、NAND型メモリなどを適用することができる。
 また、記憶装置41にGPU42、EL補正回路43、CPU45などで生じる一時データを保存する場合、記憶装置41としては揮発性メモリとすることが好ましい。この場合、記憶装置41としては、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などを適用することができる。
 GPU42は、一例として、記憶装置41から読み出された画像データを、画素回路51に出力するための処理を行う機能を有する。特に、GPU42は、並列にパイプライン処理を行う構成となっているため、画素回路51に出力する画像データを高速に処理することができる。また、GPU42は、エンコードされた画像を復元するためのデコーダとしての機能も有することができる。
 また、機能回路40には、表示装置10Aの表示品位を高めることができる回路が複数含まれていてもよい。当該回路としては、例えば、表示される画像の色ムラを検出して、当該色ムラを補正して最適な画像にする補正回路(調色、調光)を設けてもよい。例えば、表示素子に有機ELが用いられた発光デバイスが適用されている場合、機能回路40に、該発光デバイスの特性に応じて画像データを補正するEL補正回路を設けてもよい。機能回路40には、一例として、EL補正回路43を含めている。
 また、上記で説明した画像補正には、人工知能を用いてもよい。例えば、画素回路に流れる電流(または画素回路に印加される電圧)をモニタリングして取得し、表示された画像をイメージセンサなどで取得し、電流(または電圧)と画像を人工知能の演算(例えば、人工ニューラルネットワークなど)の入力データとして扱い、その出力結果で当該画像の補正の有無を判断させてもよい。
 また、人工知能の演算は、画像補正だけでなく、画像データの解像度を高めるアップコンバート処理にも適用できる。一例として、図17のGPU42は、各種補正の演算を行うためのブロック(色ムラ補正回路42a、アップコンバート回路42bなど)を図示している。
 画像データのアップコンバート処理を行なうためのアルゴリズムとしては、Nearest neighbor法、Bilinear法、Bicubic法、RAISR(Rapid and Accurate Image Super−Resolution)法、ANR(Anchored Neighborhood Regression)法、A+法、SRCNN(Super−Resolution Convolutional Neural Network)法などから選択して行うことができる。
 アップコンバート処理は、注視点に応じて決定される領域ごとに、アップコンバート処理に用いるアルゴリズムを変える構成としてもよい。例えば、注視点および注視点近傍の領域のアップコンバート処理を、処理速度が遅いが高精度なアルゴリズムで行ない、当該領域以外の領域のアップコンバート処理を、処理速度は速いが低精度なアルゴリズムで行なえばよい。当該構成とすることで、アップコンバート処理に必要な時間を短縮できる。また、アップコンバート処理に必要な消費電力を低減できる。
 また、アップコンバート処理に限らず、画像データの解像度を下げるダウンコンバート処理を行なってもよい。画像データの解像度が表示部13の解像度よりも大きい場合、画像データの一部が表示部13に表示されない場合がある。このような場合、ダウンコンバート処理を行なうことで、当該画像データ全体を表示部13に表示できる。
 タイミングコントローラ44は、一例として、画像を表示させる駆動周波数(フレーム周波数、フレームレート、またはリフレッシュレートなど)を制御する機能を有する。例えば、表示装置10Aで静止画を表示させる場合、タイミングコントローラ44によって駆動周波数を下げることで、表示装置10Aの消費電力を低減できる。
 CPU45は、一例として、オペレーティングシステムの実行、データの制御、各種演算、およびプログラムの実行など、汎用の処理を行う機能を有する。CPU45は、例えば、記憶装置41における画像データの書き込み動作または読み出し動作、画像データの補正動作、後述するセンサへの動作、などの命令を行う役割を有する。また、例えば、CPU45は、機能回路40に含まれる回路の少なくとも一に制御信号を送信する機能を有してもよい。
 センサコントローラ46は、一例として、センサを制御する機能を有する。また、図17では、当該センサに電気的に接続するための配線として、配線SNCLを図示している。
 当該センサとしては、例えば、表示部13に備えることができるタッチセンサとすることができる。または、当該センサとしては、例えば、照度センサとすることができる。
 電源回路47は、一例として、画素回路51、駆動回路30、および機能回路40などに供給する電圧を生成する機能を有する。なお、電源回路47は、電圧を供給する回路を選択する機能を有してもよい。例えば、電源回路47は、静止画を表示させている期間では、CPU45、GPU42などに対しての電圧供給を停止することによって、表示装置10A全体の消費電力を低減することができる。
 以上説明したように本発明の一態様の表示装置は、表示素子と、画素回路と、駆動回路および機能回路40と、を積層した構成とすることができる。周辺回路である駆動回路および機能回路を画素回路と重ねて配置することができ、額縁の幅を極めて狭くすることができるため、小型化が図られた表示装置とすることができる。また本発明の一態様の表示装置は、各回路を積層した構成とすることにより、各回路間を接続する配線を短くすることができるため、軽量化が図られた表示装置とすることができる。また本発明の一態様の表示装置は、画素の精細度が高められた表示部を有することができるため、表示品位に優れた表示装置とすることができる。
<表示モジュールの構成例>
 続いて、表示装置10Aを含む表示モジュールの構成例について説明する。
 図18A乃至図18Cは、表示モジュール70の斜視図である。表示モジュール70は、表示装置10Aの端子部14にFPC74(FPC:Flexible printed circuit)を備えた構造を有する。FPC74は絶縁体でできたフィルムに配線を備えた構造を有する。また、FPC74は、可撓性を有する。FPC74は、外部から表示装置10Aにビデオ信号、制御信号、および電源電位などを供給するための配線として機能する。また、FPC74上にICが実装されていてもよい。
 図18Bに示す表示モジュール70は、プリント配線板71上に表示装置10Aを備える構成を有する。プリント配線板71は、絶縁体でできた基板の内部または表面、もしくは、内部と表面に配線を備えた構造を有する。
 図18Bに示す表示モジュール70では、表示装置10Aの端子部14と、プリント配線板71の端子部72がワイヤ73を介して電気的に接続している。ワイヤ73はワイヤボンディングで形成できる。また、ワイヤボンディングとしては、ボールボンディングまたはウェッジボンディングを用いることができる。
 ワイヤ73の形成後、樹脂材料などでワイヤ73を覆ってもよい。なお、表示装置10Aとプリント配線板71の電気的な接続は、ワイヤボンディング以外の方法で行なってもよい。例えば、表示装置10Aとプリント配線板71の電気的な接続を、異方性導電接着剤またはバンプなどで実現してもよい。
 また、図18Bに示す表示モジュール70は、プリント配線板71の端子部72がFPC74と電気的に接続している。例えば、表示装置10Aの端子部14が備える電極のピッチと、FPC74が備える電極のピッチが異なる場合は、プリント配線板71を介して、端子部14とFPC74を電気的に接続してもよい。具体的には、プリント配線板71に形成された配線を用いて、端子部14が備える複数の電極の間隔(ピッチ)を、端子部72が備える複数の電極の間隔に変換できる。すなわち、端子部14が備える電極のピッチとFPC74が備える電極のピッチが異なる場合においても、両者の電極の電気的な接続を実現できる。
 また、プリント配線板71には、抵抗素子、容量素子、半導体素子などの様々な素子を設けることができる。
 また、図18Cに示す表示モジュール70のように、端子部72をプリント配線板71の下面(表示装置10Aが設けられていない側の面)に設けられた接続部75と電気的に接続してもよい。例えば、接続部75をソケット形式の接続部にすることで、表示モジュール70と他の機器との脱着を容易に行える。
<画素回路の構成例>
 図19Aおよび図19Bでは、画素回路51の構成例、および画素回路51に接続される発光素子61について示す。図19Aは各素子の接続を示す図、図19Bは、駆動回路を備える層20、画素回路が有する複数のトランジスタを備える層50、発光素子を備える層60の上下関係を模式的に示す図である。
 図19Aおよび図19Bに一例として示す画素回路51は、トランジスタ52A、トランジスタ52B、トランジスタ52C、および容量53を備える。トランジスタ52A、トランジスタ52B、トランジスタ52Cは、OSトランジスタで構成することができる。トランジスタ52A、トランジスタ52B、トランジスタ52Cの各OSトランジスタは、バックゲート電極を備えていることが好ましく、この場合、バックゲート電極にゲート電極と同じ信号を与える構成、バックゲート電極にゲート電極と異なる信号を与える構成とすることができる。
 トランジスタ52Bは、トランジスタ52Aと電気的に接続されるゲート電極と、発光素子61と電気的に接続される第1の電極と、配線ANOと電気的に接続される第2の電極と、を備える。配線ANOは、発光素子61に電流を供給するための電位を与えるための配線である。
 トランジスタ52Aは、トランジスタ52Bのゲート電極と電気的に接続される第1の端子と、ソース線として機能する配線SLと電気的に接続される第2の端子と、ゲート線として機能する配線GL1の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を有するゲート電極と、を備える。
 トランジスタ52Cは、配線V0と電気的に接続される第1の端子と、発光素子61と電気的に接続される第2の端子と、ゲート線として機能する配線GL2の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を有するゲート電極と、備える。配線V0は、基準電位を与えるための配線、および画素回路51を流れる電流を駆動回路30または機能回路40に出力するための配線である。
 容量53は、トランジスタ52Bのゲート電極と電気的に接続される導電膜と、トランジスタ52Cの第2の電極と電気的に接続される導電膜を備える。
 発光素子61は、トランジスタ52Bの第1の電極に電気的に接続される第1の電極と、配線VCOMに電気的に接続される第2の電極と、を備える。配線VCOMは、発光素子61に電流を供給するための電位を与えるための配線である。
 これにより、トランジスタ52Bのゲート電極に与えられる画像信号に応じて発光素子61が射出する光の強度を制御することができる。またトランジスタ52Cを介して与えられる配線V0の基準電位によって、トランジスタ52Bのゲート−ソース間電圧のばらつきを抑制することができる。
 また配線V0から、画素パラメータの設定に用いることのできる電流値を出力することができる。より具体的には、配線V0は、トランジスタ52Bに流れる電流、または発光素子61に流れる電流を、外部に出力するためのモニター線として機能させることができる。配線V0に出力された電流は、ソースフォロア回路などにより電圧に変換され、外部に出力される。または、A−Dコンバータなどによりデジタル信号に変換され、機能回路40等に出力することができる。
 なお本発明の一態様で説明する発光素子は、有機EL素子(OLED(Organic Light Emitting Diode)ともいう)などの自発光型の表示素子をいう。なお画素回路に電気的に接続される発光素子は、LED(Light Emitting Diode)、マイクロLED、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザ等の、自発光性の発光素子とすることが可能である。
 なお図19Bに一例として示す構成では、画素回路51と、駆動回路30と、を電気的に接続する配線を短くすることができるため、当該配線の配線抵抗を小さくすることができる。よって、データの書き込みを高速に行うことができるため、表示装置10Aを高速に駆動させることができる。これにより、表示装置10Aが有する画素回路51を多くしても十分なフレーム期間を確保することができるため、表示装置10Aの画素密度を高めることができる。また、表示装置10Aの画素密度を高めることにより、表示装置10Aにより表示される画像の精細度を高めることができる。例えば、表示装置10Aの画素密度を、1000ppi以上とすることができ、または5000ppi以上とすることができ、または7000ppi以上とすることができる。よって、表示装置10Aは、例えばAR、またはVR用の表示装置とすることができ、HMD等、表示部とユーザの距離が近い電子装置に好適に適用することができる。
 なお図19Aおよび図19Bでは、計3つのトランジスタを有する画素回路51を一例として示したが本発明の一態様はこれに限らない。以下では、画素回路51に適用可能な画素回路の構成例、および駆動方法例について説明する。
 図20Aに示す画素回路51Aは、トランジスタ52A、トランジスタ52B、および容量53を図示している。また図20Aでは、画素回路51Aに接続される発光素子61を図示している。また、画素回路51Aには、配線SL、配線GL、配線ANO、および配線VCOMが電気的に接続されている。画素回路51Aは、図19Aに示す画素回路51からトランジスタ52Cを除き、かつ、配線GL1および配線GL2を配線GLに置き換えた構成を有している。
 トランジスタ52Aは、ゲートが配線GLと、ソースおよびドレインの一方が配線SLと、他方がトランジスタ52Bのゲート、および容量C1の一方の電極と、それぞれ電気的に接続されている。トランジスタ52Bは、ソースおよびドレインの一方が配線ANOと、他方が発光素子61のアノードと、それぞれ電気的に接続されている。容量C1は、他方の電極が発光素子61のアノードと電気的に接続されている。発光素子61は、カソードが配線VCOMと電気的に接続されている。
 図20Bに示す画素回路51Bは、画素回路51Aに、トランジスタ52Cを追加した構成である。また画素回路51Bには、配線V0が電気的に接続されている。
 図20Cに示す画素回路51Cは、上記画素回路51Aのトランジスタ52Aおよびトランジスタ52Bに、一対のゲートが電気的に接続されたトランジスタを適用した場合の例である。また、図20Dに示す画素回路51Dは、画素回路51Bに当該トランジスタを適用した場合の例である。これにより、トランジスタが流すことのできる電流を増大させることができる。なお、ここでは全てのトランジスタに、一対のゲートが電気的に接続されたトランジスタを適用したが、これに限られない。また、一対のゲートを有し、且つこれらが異なる配線と電気的に接続されるトランジスタを適用してもよい。例えば、ゲートの一方とソースとが電気的に接続されたトランジスタを用いることで、信頼性を高めることができる。
 図21Aに示す画素回路51Eは、上記の画素回路51Bに、トランジスタ52Dを追加した構成である。また、画素回路51Eには、ゲート線として機能する配線GL1、配線GL2、および配線GL3が電気的に接続されている。なお、本実施の形態などにおいて、配線GL1、配線GL2、および配線GL3をまとめて配線GLと呼ぶ場合がある。よって、配線GLは1本に限らず、複数本の場合がある。
 トランジスタ52Dは、ゲートが配線GL3と、ソースおよびドレインの一方がトランジスタ52Bのゲートと、他方が配線V0と、それぞれ電気的に接続されている。また、トランジスタ52Aのゲートが配線GL1と、トランジスタ52Cのゲートが配線GL2と、それぞれ電気的に接続されている。
 トランジスタ52Cとトランジスタ52Dを同時に導通状態とさせることで、トランジスタ52Bのソースとゲートが同電位となり、トランジスタ52Bを非導通状態とすることができる。これにより、発光素子61に流れる電流を強制的に遮断することができる。このような画素回路は、表示期間と消灯期間を交互に設ける表示方法を用いる場合に適している。
 図21Bに示す画素回路51Fは、上記画素回路51Eに容量53Aを追加した場合の例である。容量53Aは保持容量として機能する。
 図21Cに示す画素回路51G、および図21Dに示す画素回路51Hは、それぞれ上記画素回路51Eまたは画素回路51Fに、一対のゲートを有するトランジスタを適用した場合の例である。トランジスタ52A、トランジスタ52C、トランジスタ52Dには、一対のゲートが電気的に接続されたトランジスタが適用され、トランジスタ52Bには、一方のゲートがソースと電気的に接続されたトランジスタが適用されている。
 次いで画素回路51Eが適用された表示装置の駆動方法の一例について説明する。なお、画素回路51F、51G、および51Hが適用された表示装置についても、同様の駆動方法を適用できる。
 図22に、画素回路51Eが適用された表示装置の駆動方法にかかるタイミングチャートを示す。ここでは、k行目のゲート線である配線GL1[k]、配線GL2[k]および配線GL3[k]、並びにk+1行目のゲート線である配線GL1[k+1]、配線GL2[k+1]、配線GL3[k+1]の電位の推移を示している。また、図22には、ソース線として機能する配線SLに与えられる信号のタイミングを示している。
 ここでは、一水平期間を点灯期間と、消灯期間と、に分けて表示する駆動方法の例を示している。また、k行目の水平期間と、k+1行目の水平期間とは、ゲート線の選択期間だけずれている。
 k行目の点灯期間において、まず配線GL1[k]および配線GL2[k]にハイレベル電位が与えられ、配線SLにソース信号が与えられる。これにより、トランジスタ52Aとトランジスタ52Cが導通状態となり、配線SLからトランジスタ52Bのゲートにソース信号に対応する電位が書き込まれる。その後、配線GL1[k]および配線GL2[k]にローレベル電位が与えられることで、トランジスタ52Aとトランジスタ52Cが非導通状態となり、トランジスタ52Bのゲート電位が保持される。
 続いて、k+1行目の点灯期間に遷移し、上記と同様の動作によりデータが書き込まれる。
 続いて、消灯期間について説明する。k行目の消灯期間において、配線GL2[k]と配線GL3[k]にハイレベル電位が与えられる。これにより、トランジスタ52Cとトランジスタ52Dが導通状態となるため、トランジスタ52Bのソースとゲートに同電位が供給されることで、トランジスタ52Bにはほとんど電流が流れなくなる。これにより、発光素子61が消灯する。k行目に位置する全ての副画素が消灯することになる。k行目の副画素は、次の点灯期間まで消灯状態が維持される。
 続いて、k+1行目の消灯期間に遷移し、上記と同様にk+1行目の副画素全てが消灯状態となる。
 このように、一水平期間中常時点灯しているのではなく、一水平期間中に消灯期間を設ける駆動方法をデューティ駆動とも呼ぶことができる。デューティ駆動を用いることで、動画を表示する際の残像現象を低減することができるため、動画表示性能の高い表示装置を実現できる。特にVR機器などでは、残像を低減することで、いわゆるVR酔いを軽減することができる。
 デューティ駆動において、一水平期間に対する点灯期間の割合を、デューティ比と呼ぶことができる。例えばデューティ比が50%のとき、点灯期間と消灯期間が同じ長さであることを意味する。なお、デューティ比は自由に設定することが可能であり、例えば0%より高く、100%以下の範囲で適宜調整することができる。
 また上述した画素回路とは異なる構成について、図23A、図23Bを参照して説明する。
 図23Aに、画素230のブロック図を示す。図23Aに示す画素は、スイッチングトランジスタ(Switching Tr)、駆動トランジスタ(Driving Tr)、発光素子(LED)に加えて、記憶回路MEM(Memory)を有する。
 記憶回路MEMには、配線SL2およびトランジスタ52Aを介してデータDataWが供給される。画像データDataに加えて、データDataWが画素に供給されることで、発光素子に流れる電流が大きくなり、表示装置は高い輝度を表現することができる。
 図23Bに、画素回路51Iの具体的な回路図を示す。
 図23Bに示す画素回路51Iは、トランジスタ52w、トランジスタ52A、トランジスタ52B、トランジスタ52C、容量53s、容量53wを有する。また図23Bでは、画素回路51Iに接続される発光素子61を図示している。
 トランジスタ52wはスイッチングトランジスタとして機能する。トランジスタ52Bは駆動トランジスタとして機能する。トランジスタ52wのソースまたはドレインの一方は、容量53wの一方の電極と電気的に接続される。容量53wの他方の電極は、トランジスタ52Aのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ52Aのソースまたはドレインの一方は、トランジスタ52Bのゲートと電気的に接続される。トランジスタ52Bのゲートは、容量53sの一方の電極と電気的に接続される。容量53sの他方の電極は、トランジスタ52Bのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ52Bのソースまたはドレインの一方は、トランジスタ52Cのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ52Cのソースまたはドレインの一方は、発光素子61の一方の電極と電気的に接続される。図23Bに示す各トランジスタは、ゲートと電気的に接続されたバックゲートを有するが、バックゲートの接続はこれに限定されない。また、トランジスタにバックゲートを設けなくてもよい。
 ここで、容量53wの他方の電極、トランジスタ52Aのソースまたはドレインの一方、トランジスタ52Bのゲート、および容量53sの一方の電極が接続されるノードをノードNMとする。また、容量53sの他方の電極、トランジスタ52Bのソースまたはドレインの一方、トランジスタ52Cのソースまたはドレインの一方、および発光素子61の一方の電極が接続されるノードをノードNAとする。
 トランジスタ52wのゲートは、配線GL1と電気的に接続される。トランジスタ52Cのゲートは、配線GL1と電気的に接続される。トランジスタ52Aのゲートは、配線GL2に電気的に接続される。トランジスタ52wのソースまたはドレインの他方は、配線SL1と電気的に接続される。トランジスタ52Cのソースまたはドレインの他方は、配線V0と電気的に接続される。トランジスタ52Aのソースまたはドレインの他方は、配線SL2と電気的に接続される。なお、本実施の形態などでは、配線SL1および配線SL2をまとめて配線SLと呼ぶ場合がある。よって、配線SLは1本に限らず、複数本の場合がある。
 トランジスタ52Bのソースまたはドレインの他方は、配線ANOと電気的に接続される。発光素子61の他方の電極は、配線VCOMと電気的に接続される。
 配線GL1および配線GL2は、トランジスタの動作を制御するための信号線としての機能を有することができる。配線SL1は、画素に画像データDataを供給する信号線としての機能を有することができる。配線SL2は、記憶回路MEMにデータDataWを書き込むための信号線としての機能を有することができる。例えば、配線SL2は、画素に補正信号を供給する信号線としての機能を有することができる。配線V0は、トランジスタ52Bの電気特性を取得するためのモニター線としての機能を有する。また、配線V0からトランジスタ52Cを介して容量53sの他方の電極に特定の電位を供給することにより、画像信号の書き込みを安定化させることもできる。
 トランジスタ52Aおよび容量53wは、記憶回路MEMを構成する。ノードNMは記憶ノードであり、トランジスタ52Aを導通状態にすることで、配線SL2から供給されるデータDataWをノードNMに書き込むことができる。トランジスタ52Aに極めてオフ電流が低いOSトランジスタを用いることで、ノードNMの電位を長時間保持することができる。
 画素回路51Iにおいて、配線SL1から供給される画像データDataは、トランジスタ52wを介して容量53wに供給される。トランジスタ52wのソースまたはドレインの一方とノードNMは容量結合している。よって、データDataWが書き込まれているノードNMの電位は、画像データDataに応じて変化する。また、ノードNAとノードNMは、容量53sを介して容量結合している。よって、ノードNAの電位は、データDataWおよび画像データDataに応じて変化する。
 なお、トランジスタ52wは、画像データDataの供給を受けるか否かを決定する選択トランジスタとして機能する。トランジスタ52Cは、ノードNAの電位を配線V0と等しくするか否かを決定するリセットトランジスタとして機能する。
 また、本発明の一態様の表示装置は、画素回路群55と重ねて設けた機能回路40を用いて、不良画素を検出することができる。この不良画素の情報を用いることで、不良画素による表示欠陥を補正し、正常な表示を行うことができる。
 以下で例示する補正方法の一部または全部を、表示装置の外部に設けられた回路により実行してもよい。また、補正方法の一部を機能回路40で実行し、他の一部を表示装置の外部に設けられた回路で実行してもよい。
 以下では、より具体的な補正方法の例を示す。図24Aは、以下で説明する補正方法にかかるフローチャートである。
 まず、ステップE1にて補正動作を開始する。
 続いて、ステップE2にて、画素の電流を読み出す。例えば、画素と電気的に接続されるモニター線に、電流を出力するように、各画素を駆動することができる。
 後述する表示装置10Bなどの様に、画素回路群55が複数の区画59に分けられる場合、電流の読み出し動作は、区画59毎に同時に行うことができる。画素回路群55が複数の区画59に分割されていることにより、全画素の電流の読み出し動作を極めて短時間で実施することができる。
 続いて、ステップE3にて、読み出した電流を電圧に変換する。このとき、後の処理でデジタル信号を扱う場合には、ステップE3にてデジタルデータに変換することができる。例えば、アナログ−デジタル変換回路(ADC)を用いることで、アナログデータをデジタルデータに変換することができる。
 続いて、ステップE4にて、取得したデータに基づいて、各画素の画素パラメータを取得する。画素パラメータとしては、例えば駆動トランジスタのしきい値電圧、または電界効果移動度、発光素子の閾値電圧、所定の電圧における電流値などが挙げられる。
 続いて、ステップE5にて、各画素について、画素パラメータに基づいて異常であるか否かの判定を行う。例えば、画素パラメータの値が所定のしきい値を超えた(または下回った)場合に、その画素が異常画素であると認定する。
 異常としては、入力されたデータ電位に対して著しく輝度が低い暗点欠陥、または、著しく輝度が高い輝点欠陥などがある。
 ステップE5において、異常画素のアドレスと、欠陥の種類を特定し、取得することができる。
 続いて、ステップE6において、補正処理を行う。
 補正処理の一例について図24Bを用いて説明する。図24Bには、3×3個の画素回路51および発光素子61を一組とする画素を模式的に示している。ここで、中央の画素が、暗点欠陥がある画素151であるとする。図24Bでは、画素151が消灯し、その周囲の画素150が所定の輝度で点灯している様子を模式的に示している。
 暗点欠陥は、画素に入力するデータ電位を高める補正を行ったとしても、画素の輝度が正常な輝度に達する見込みのない欠陥である。そこで、図24Bに示すように、暗点欠陥がある画素151の周囲の画素150に対して、輝度を高める補正を行う。これにより、暗点欠陥が発生した場合であっても、正常な画像を表示することができる。
 なお、輝点欠陥の場合には、周囲の画素の輝度を下げることで、輝点欠陥を目立たなくすることができる。
 特に、高い精細度(例えば1000ppi以上)の表示装置の場合には、近接する複数の画素を分離して視認することは困難であるため、このような周囲の画素で異常画素を補うような補正方法を用いることは特に有効である。
 一方、暗点欠陥、輝点欠陥などの異常が発生した画素には、データ電位を入力しないように補正することが好ましい。
 このように、各画素について補正パラメータを設定することができる。補正パラメータを入力される画像データに適用することで、表示装置10Aに最適な画像を表示するための、補正画像データを生成することができる。
 また、異常画素および異常画素の周囲の画素だけでなく、異常画素と判定されなかった画素についても、画素パラメータにばらつきが存在するため、画像を表示した際に、当該ばらつきに起因したムラが視認されてしまう場合がある。そこで、異常画素と判定されなかった画素については、画素パラメータのばらつきをキャンセル(平準化)するように、補正パラメータを設定することができる。例えば、一部または全ての画素についての画素パラメータの中央値または平均値などに基づいた基準値を設定し、所定の画素の画素パラメータについて、基準値からの差分をキャンセルするための補正値を、当該画素の補正パラメータとして設定することができる。
 また、異常画素の周囲の画素については、補正データとして、異常画素を補うための補正量と、画素パラメータのばらつきをキャンセルするための補正量の両方を考慮した補正データを設定することが好ましい。
 続いて、ステップE7にて、補正動作を終了する。
 以降は、上記補正動作にて取得した補正パラメータと、入力される画像データに基づいて、画像の表示を行うことができる。
 なお、補正動作のステップの一つに、ニューラルネットワークを用いてもよい。当該ニューラルネットワークにおいては、例えば、機械学習によって取得された推論結果に基づき、補正パラメータを決定することができる。例えば、ニューラルネットワークを用いて補正パラメータを決定する場合、補正のための詳細なアルゴリズムを用いなくても、異常画素が目立たないように高精度の補正を行うことができる。
 以上が、補正方法についての説明である。
<変形例1>
 図25Aおよび図25Bに表示装置10Aの変形例である表示装置10Bの斜視図を示す。図25Bは表示装置10Bが有する各層の構成を説明するための斜視図である。説明の繰り返しを減らすため、主に表示装置10Aと異なる点について説明する。
 表示装置10Bは、複数の画素回路51を含む画素回路群55と駆動回路30が重ねて設けられている。表示装置10Bにおいて、画素回路群55は複数の区画59に分けられ、駆動回路30は複数の区画39に分けられる。複数の区画39はそれぞれがソースドライバ回路31とゲートドライバ回路33を有する。
 図26Aに、表示装置10Bが有する画素回路群55の構成例を示す。図26Bに、表示装置10Bが有する駆動回路30の構成例を示す。区画59および区画39は、それぞれm行n列(mおよびnは、それぞれ1以上の整数)のマトリクス状に配置されている。本明細書等において、1行1列目の区画59を区画59[1,1]と示し、m行n列目の区画59を区画59[m,n]と示す。同様に、1行1列目の区画39を区画39[1,1]と示し、m行n列目の区画39を区画39[m,n]と示す。図26Aおよび図26Bは、mが4で、nが8の場合を示している。すなわち、画素回路群55と駆動回路30が、それぞれ32分割されている。
 複数の区画59のそれぞれは、複数の画素回路51、複数の配線SL、および複数の配線GLを有する。複数の区画59のそれぞれにおいて、複数の画素回路51の一は、複数の配線SLの少なくとも一、および複数の配線GLの少なくとも一と、電気的に接続される。
 区画59の一と区画39の一は重ねて設けられる(図26C参照)。例えば、区画59[i,j](iは1以上m以下の整数。jは1以上n以下の整数)と区画39[i,j]は重ねて設けられる。区画39[i,j]が有するソースドライバ回路31[i,j]は、区画59[i,j]が有する配線SLと電気的に接続する。区画39[i,j]が有するゲートドライバ回路33[i,j]は、区画59[i,j]が有する配線GLと電気的に接続する。ソースドライバ回路31[i,j]およびゲートドライバ回路33[i,j]は、区画59[i,j]が有する複数の画素回路51を制御する機能を有する。
 区画59[i,j]と区画39[i,j]を重ねて設けることで、区画59[i,j]が有する画素回路51と、区画39[i,j]が有するソースドライバ回路31およびゲートドライバ回路33との接続距離(配線長)を極めて短くできる。その結果、配線抵抗および寄生容量が減るため、充放電にかかる時間が少なくなり、高速駆動が実現できる。また、消費電力を低減できる。また、小型化および軽量化が実現できる。
 また、表示装置10Bは、区画39毎にソースドライバ回路31およびゲートドライバ回路33を有する構成である。よって、区画39に対応する区画59毎に表示部13を分割し、画像データの書き換えを行うことができる。例えば、表示部13のうち、画像に変化が生じた区画のみ画像データを書き換え、変化のない区画は画像データを保持することが可能となり、消費電力の低減が実現できる。
 本実施の形態などでは、区画59毎に分割された表示部13の1つを副表示部19と呼ぶ。よって、副表示部19は区画39毎に分割されているともいえる。図25および図26を用いて説明した表示装置10Bでは、表示部13が32個の副表示部19に分割される場合を示している(図25A参照)。副表示部19は図19等に示した画素230を複数含む。具体的には、1つの副表示部19は、複数の画素回路51を含む区画59の1つと、複数の発光素子61と、を含む。また、1つの区画39は、1つの副表示部19に含まれる複数の画素230を制御する機能を有する。
 また、表示装置10Bは、機能回路40が有するタイミングコントローラ44によって、画像表示時の駆動周波数を副表示部19毎に任意に設定できる。機能回路40は、複数の区画39および複数の区画59それぞれの動作を制御する機能を有する。すなわち、機能回路40は、マトリクス状に配置された複数の副表示部19それぞれの駆動周波数および動作タイミングを制御する機能を有する。また、機能回路40は、副表示部間の同期調整を行なう機能を有する。
 また、区画39毎にタイミングコントローラ441および入出力回路442を設けてもよい(図26D参照)。入出力回路442としては、例えば、I2C(Inter−Integrated Circuit)インターフェースなどを用いることができる。図26では、区画39[i,j]が有するタイミングコントローラ441を、タイミングコントローラ441[i,j]と示している。また、区画39[i,j]が有する入出力回路442を、入出力回路442[i,j]と示している。
 例えば、機能回路40は、入出力回路442[i,j]に、ゲートドライバ回路33[i,j]の走査方向および駆動周波数の設定信号、ならびに、解像度を低くする際の画像データ間引き画素数(画像データの書き換え時に、書き換えを行なわない画素の数)などの動作パラメータを供給する。ソースドライバ回路31[i,j]およびゲートドライバ回路33[i,j]は、当該動作パラメータに従って動作する。
 また、副表示部19が後述する受光素子を有する場合、入出力回路442は、受光素子で光電変換された情報を機能回路40に出力する。
 本発明の一態様の電子装置における表示装置10Bは、画素回路51と駆動回路30を積層し、ユーザの視線の動きに応じて副表示部19毎の駆動周波数を異ならせることで、低消費電力化を図ることができる。
 図27Aに、4行8列の副表示部19を有する表示部13を示す。また図27Aでは、注視点Gを中心にする第1領域S1乃至第3領域S3を示している。CPU45は、複数の副表示部19のそれぞれを、第1領域S1または第2領域S2と重なる第1区域29Aと、第3領域S3と重なる第2区域29Bのいずれかに振り分ける。すなわち、CPU45は、複数の区画39のそれぞれを、第1区域29Aまたは第2区域29Bに振り分ける。この場合、第1領域S1または第2領域S2と重なる第1区域29Aは、注視点Gと重なる領域を含む。また、第2区域29Bは第1区域29Aの外側に位置する副表示部19を含む(図27B参照)。
 複数の区画39それぞれが有する駆動回路(ソースドライバ回路31およびゲートドライバ回路33)の動作は機能回路40により制御される。例えば、第2区域29Bは、前述した安定注視野、誘導視野、および補助視野が含まれる第3領域S3と重なる区域であり、ユーザの識別力が低い区域である。よって、画像表示時において、単位時間当たりの画像データの書き換え回数(以下、「画像書き換え回数」ともいう)を、第1区域29Aより第2区域29Bを少なくしても、ユーザが感じる実質的な表示品位(以下、「実質的な表示品位」ともいう)の低下は少ない。すなわち、第2区域29Bに含まれる副表示部19の駆動周波数(「第2駆動周波数」ともいう)を第1区域29Aに含まれる副表示部19の駆動周波数(「第1駆動周波数」ともいう)よりも低くしても、実質的な表示品位の低下は少ない。
 駆動周波数を低くすると、表示装置の消費電力を低減できる。その一方で、駆動周波数を低くすると、表示品位も低下する。特に、動画表示時の表示品位が低下する。本発明の一態様によれば、第2駆動周波数を第1駆動周波数よりも低くすることで、ユーザの視認性が低い区域の消費電力を低減しつつ、実質的な表示品位の低下を抑制できる。本発明の一態様によれば、表示品位の維持と消費電力の低減を両立できる。
 第1駆動周波数は、30Hz以上500Hz以下、好ましくは60Hz以上500Hz以下とすればよい。第2駆動周波数は第1駆動周波数以下が好ましく、第1駆動周波数の1/2以下がより好ましく、第1駆動周波数の1/5以下がより好ましい。
 また、第3領域S3に重なる副表示部19のうち、第1区域29Aからより遠い区域を第3区域29Cと設定し(図27C参照)、第3区域29Cに含まれる副表示部19の駆動周波数(「第3駆動周波数」ともいう)を第2区域29Bよりも低くしてもよい。第3駆動周波数は第2駆動周波数以下が好ましく、第2駆動周波数の1/2以下がより好ましく、第2駆動周波数の1/5以下がより好ましい。画像書き換え回数を著しく少なくすることで、消費電力をさらに低減できる。また、必要に応じて、画像データの書き換えを停止してもよい。画像データの書き換えを停止することで、消費電力をさらに低減できる。
 このような駆動方法を行なう場合、画素回路51を構成するトランジスタにオフ電流が極めて少ないトランジスタを用いると好適である。例えば、画素回路51を構成するトランジスタにOSトランジスタを用いると好適である。OSトランジスタはオフ電流が著しく低いため、画素回路51に供給された画像データを長期間保持できる。特にトランジスタ52AにOSトランジスタを用いると好適である。
 また、表示部13に表示する映像シーンが変わる場合など、直前の画像よりも明るさ、コントラスト、または色調などが大きく異なる画像が表示される場合がある。このような場合、第1区域29Aと、第1区域29Aよりも駆動周波数が低い区域の間で、画像が切り換わるタイミングにずれが生じるため、両区域間で明るさ、コントラスト、または色調などが大きく異なり、実質的な表示品位が損なわれる恐れがある。このように映像シーンが変わる場合などでは、一旦、第1区域29A以外の区域も第1区域29Aと同じ駆動周波数で画像データの書き換えを行ない、その後に第1区域29A以外の区域の駆動周波数を低下させればよい。
 また、注視点Gの変動量が一定量を越えたと判断した場合、第1区域29A以外の区域も第1区域29Aと同じ駆動周波数で画像データの書き換えを行ない、変動量が一定量以内であると判断した場合に、第1区域29A以外の区域の駆動周波数を低下させてもよい。また、注視点Gの変動量が少ないと判断した場合、第1区域29A以外の区域の駆動周波数をさらに低下させてもよい。
 また、表示装置10Bが、画像データを一時的に保持する記憶装置であるフレームメモリを有さない場合、もしくは、表示部13全体に対して1つのフレームメモリを有する場合、第2駆動周波数および第3駆動周波数は、どちらも第1駆動周波数の整数分の1にする必要がある。
 複数の副表示部19それぞれに対応するフレームメモリを設けることで、第2駆動周波数および第3駆動周波数を第1駆動周波数の整数分の1に限らず、任意の値に設定できる。第2駆動周波数および第3駆動周波数を任意の値に設定することによって、駆動周波数の設定自由度を高めることができる。よって、実質的な表示品位の低下を低減できる。
 図28は、副表示部19毎にフレームメモリ443を有する表示装置10Bの構成例を説明するブロック図である。図28において、入出力回路80は、画像情報入力部461およびクロック信号入力部462を有する。また、機能回路40は、画像データ一時記憶部463、動作パラメータ設定部464、内部クロック信号生成部465、画像処理部466、メモリコントローラ467、および複数のフレームメモリ443を有する。
 複数のフレームメモリ443の一は、複数の副表示部19の一に表示する画像データを保持する機能を有する。例えば、フレームメモリ443[1,1]は、副表示部19[1,1]に表示する画像データを保持する機能を有する。同様に、フレームメモリ443[m,n]は、副表示部19[m,n]に表示する画像データを保持する機能を有する。
 また、複数の副表示部19の一は、複数の区画39の一と電気的に接続される。図28において、複数の区画39のそれぞれは、ソースドライバ回路31、ゲートドライバ回路33、タイミングコントローラ441、および入出力回路442を有する。
 画像情報入力部461には、表示部13に表示する画像データ、および表示装置10Bの動作パラメータが外部から供給される。クロック信号入力部462には、クロック信号が外部から供給される。また、該クロック信号は、クロック信号入力部462を介して内部クロック信号生成部465に供給される。
 内部クロック信号生成部465は、外部から供給されたクロック信号を用いて、表示装置10B内で用いるクロック信号(「内部クロック信号」ともいう)を生成する機能を有する。内部クロック信号は、画像データ一時記憶部463、動作パラメータ設定部464、メモリコントローラ467、区画39などに供給され、表示装置10Bを構成する各回路などの動作タイミングを揃えるために用いられる。
 画像情報入力部461を介して入力された画像データは、画像データ一時記憶部463に供給される。また、画像情報入力部461を介して入力された動作パラメータは、動作パラメータ設定部464に供給される。
 画像データ一時記憶部463は、供給された画像データを保持し、内部クロック信号に同期して、該画像データを画像処理部466に供給する。画像データ一時記憶部463を設けることで、外部から画像データが供給されるタイミングと、該画像データを表示装置10B内部で処理するタイミングのずれを解消できる。
 動作パラメータ設定部464は、供給された動作パラメータを保持する機能を有する。動作パラメータは、複数の副表示部19それぞれについて、駆動周波数、走査方向、解像度の設定などを決定する情報を含む。
 画像処理部466は、画像データ一時記憶部463に保持されている画像データの演算処理を行なう機能を有する。例えば、画像データのコントラスト調整、明るさ調整、およびガンマ補正などを行なう機能を有する。また、画像処理部466は、画像データ一時記憶部463に保持されている画像データを、副表示部19毎に分割する機能を有する。
 メモリコントローラ467は、複数のフレームメモリ443の動作を制御する機能を有する。画像処理部466で副表示部19毎に分割された画像データは、複数のフレームメモリ443のそれぞれに記憶される。また、複数のフレームメモリ443は、それぞれに対応する区画39からの読み出し要求信号(read)に応じて、区画39に画像データを供給する機能を有する。
 なお、図29に示すように、記憶装置41をフレームメモリ443として用いてもよい。すなわち、記憶装置41に副表示部19毎に分割された画像データを記憶してもよい。
 また、フレームメモリ443は、機能回路40以外に設けてもよい。また、フレームメモリ443を表示装置10B以外の半導体装置に設けてもよい。
 なお、表示部13に設定する区域は、第1区域29A、第2区域29B、および第3区域29Cの3つに限定されない。表示部13に4以上の区域を設定してもよい。表示部13に複数の区域を設定し、段階的に駆動周波数を低くすることで、実質的な表示品位の低下をより少なくすることができる。
 また、第1区域29Aに表示する画像に対して、前述したアップコンバート処理を行なってもよい。第1区域29Aにアップコンバート処理された画像を表示することで、表示品位を高めることができる。また、第1区域29A以外の区域に表示する画像に対して、前述したアップコンバート処理を行なってもよい。第1区域29A以外の区域にアップコンバート処理された画像を表示することで、第1区域29A以外の区域の駆動周波数を低下させた場合の実質的な表示品位の低下をより少なくすることができる。
 なお、第1区域29Aに表示する画像のアップコンバート処理を高精度なアルゴリズムで行ない、第1区域29A以外の区域に表示する画像のアップコンバート処理を低精度なアルゴリズムで行なってもよい。このような場合においても、第1区域29A以外の区域の駆動周波数を低下させた場合の実質的な表示品位の低下をより少なくすることができる。
 また、副表示部19毎に行う画像データの書き換えを、全ての副表示部19で同時に行うことで、高速書き換えが実現できる。すなわち、区画39毎に行う画像データの書き換えを、全ての区画39で同時に行うことで、高速書き換えが実現できる。
 一般に、ソースドライバ回路は、線順次駆動の場合、ゲートドライバ回路が1行分の画素を選択している間に、1行分の全ての画素に、同時に画像データを書き込む。例えば、表示部13が副表示部19に分割されておらず、解像度が4000×2000画素である場合、ゲートドライバ回路が1行分の画素を選択している間に、ソースドライバ回路は4000個の画素に画像データを書き込む必要がある。フレーム周波数が120Hzの場合、1フレームの時間は約8.3msecである。よって、ゲートドライバ回路は2000行の画素を約8.3msecで選択する必要があり、1行分の画素が選択される時間、つまり、1画素当たりの画像データの書き込み時間は約4.17μsecとなる。すなわち、表示部の解像度が高くなるほど、また、フレーム周波数が高くなるほど、十分な画像データの書き換え時間の確保が難しくなる。
 本実施の形態で例示した表示装置10Bは、表示部13が行方向に4分割されている。よって、1つの副表示部19において、1画素当たりの画像データの書き込み時間を、表示部13が分割されていない場合より4倍長くできる。本発明の一態様によれば、フレーム周波数を240Hz、さらには360Hzにした場合でも画像データの書き換え時間の確保が容易になるため、表示品位の高い表示装置が実現できる。
 また、本実施の形態で例示した表示装置10Bは、表示部13が行方向に4分割されているため、ソースドライバ回路と画素回路を電気的に接続する配線SLの長さが4分の1になる。このため、配線SLの抵抗値および寄生容量がそれぞれ4分の1になり、画像データの書き込み(書き換え)に必要な時間を短くすることができる。
 加えて、本実施の形態で例示した表示装置10Bは、表示部13が列方向に8分割されているため、ゲートドライバ回路と画素回路を電気的に接続する配線GLの長さが8分の1になる。このため、配線GLの抵抗値および寄生容量がそれぞれ8分の1になり、信号の劣化および遅延が改善し、画像データの書き換え時間の確保が容易になる。
 本発明の一態様に係る表示装置10Bによれば、十分な画像データの書き込み時間の確保が容易であるため、表示画像の高速書き換えが実現できる。よって、表示品位の高い表示装置が実現できる。特に、動画表示に優れた表示装置が実現できる。
<変形例2>
 図30Aおよび図30Bに表示装置10Aの変形例である表示装置10Cの斜視図を示す。なお、表示装置10Cは表示装置10Bの変形例でもある。図30Bは表示装置10Cが有する各層の構成を説明するための斜視図である。説明の繰り返しを減らすため、主に表示装置10Aおよび表示装置10Bと異なる点について説明する。
 複数の画素回路51を含む画素回路群55、駆動回路30(30a乃至30d)、機能回路40、および端子部14は、同じ層に設けてもよい。表示装置10Cは、層20に画素回路群55、駆動回路30、機能回路40、および端子部14を設けている。画素回路群55、駆動回路30、および機能回路40を同じ層に設けることで、それぞれを電気的に接続する配線を短くすることができる。よって、配線抵抗および寄生容量が低減され、消費電力が低減される。
 例えば、表示装置10Cに用いるトランジスタとして、c−Siトランジスタを用いる場合、層20として単結晶シリコン基板を用いて、画素回路群55、駆動回路30、機能回路40、および端子部14を設けることができる。また、層20として単結晶シリコン基板を用いることで、基板11を省略できる。よって、表示装置10Cの軽量化が実現できる。また、表示装置10Cの生産コストが低減できる。よって、表示装置10Cの生産性が向上する。
 なお、表示装置10Cに用いるトランジスタは、c−Siトランジスタに限らない。表示装置10Cに用いるトランジスタとして、Poly−Siトランジスタ、またはOSトランジスタなどの様々なトランジスタを用いることができる。
 また、図30A、図30Bに示す表示装置10Cは、表示部13がm行n列のマトリクス状に配置された副表示部19で構成されている。よって、画素回路群55は、m行n列のマトリクス状に配置された区画59に分けられる。図31に層20の平面レイアウト図を示す。図31ではmが4、nが8である場合の区画59を示している。
 表示装置10Cでは、駆動回路30が駆動回路30a、駆動回路30b、駆動回路30c、および駆動回路30dの4つの領域に分けて設けられている。駆動回路30a、駆動回路30b、駆動回路30c、および駆動回路30dは、画素回路群55の外側に設けられる。具体的には、画素回路群55外周の4辺のうち、第1の辺側に駆動回路30aが設けられ、画素回路群55を介して第1の辺と向かい合う第3の辺側に駆動回路30cが設けられ、第2の辺側に駆動回路30bが設けられ、画素回路群55を介して第2の辺と向かい合う第4の辺側に駆動回路30dが設けられている。
 駆動回路30aおよび駆動回路30cは、それぞれが16個のゲートドライバ回路33を有する。駆動回路30bおよび駆動回路30dは、それぞれが16個のソースドライバ回路31を有する。ゲートドライバ回路33の1つは、区画59の1つに含まれる複数の画素回路51と電気的に接続される。ソースドライバ回路31の1つは、区画59の1つに含まれる複数の画素回路51と電気的に接続される。
 図31では、区画59[1,1]と電気的に接続するゲートドライバ回路33をゲートドライバ回路33[1,1]と示し、区画59[1,1]と電気的に接続するソースドライバ回路31をソースドライバ回路31[1,1]と示している。同様に、区画59[4,8]と電気的に接続するゲートドライバ回路33をゲートドライバ回路33[4,8]と示し、区画59[4,8]と電気的に接続するソースドライバ回路31をソースドライバ回路31[4,8]と示している。
 また、駆動回路30aがゲートドライバ回路33[1,1]乃至ゲートドライバ回路33[1,4]、ゲートドライバ回路33[2,1]乃至ゲートドライバ回路33[2,4]、ゲートドライバ回路33[3,1]乃至ゲートドライバ回路33[3,4]、およびゲートドライバ回路33[4,1]乃至ゲートドライバ回路33[4,4]を有する。また、駆動回路30bがソースドライバ回路31[1,1]乃至ソースドライバ回路31[1,8]、およびソースドライバ回路31[2,1]乃至ソースドライバ回路31[2,8]を有する。また、駆動回路30cがゲートドライバ回路33[1,5]乃至ゲートドライバ回路33[1,8]、ゲートドライバ回路33[2,5]乃至ゲートドライバ回路33[2,8]、ゲートドライバ回路33[3,5]乃至ゲートドライバ回路33[3,8]、およびゲートドライバ回路33[4,5]乃至ゲートドライバ回路33[4,8]を有する。また、駆動回路30dがソースドライバ回路31[3,1]乃至ソースドライバ回路31[3,8]、およびソースドライバ回路31[4,1]乃至ソースドライバ回路31[4,8]を有する。
 層20に設ける画素回路群55、駆動回路30、および機能回路40の配置は、図31に示す構成に限定されない。例えば、図32に示す構成でもよい。図32では、駆動回路30が駆動回路30aおよび駆動回路30bの2つの領域に分けて設けられている。例えば、駆動回路30aに32個のゲートドライバ回路33(ゲートドライバ回路33[1,1]乃至ゲートドライバ回路33[4,8])が設けられ、駆動回路30bに32個のソースドライバ回路31(ソースドライバ回路31[1,1]乃至ソースドライバ回路31[4,8])が設けられている。
 なお、本発明の一態様に係る表示装置10Bおよび表示装置10Cでは、表示部13を32の副表示部19に分割する場合を例示した。ただし、本発明の一態様に係る表示装置10Bおよび表示装置10Cの表示部13を、32分割に限らず、16分割、64分割、または128分割などにしてもよい。表示部13の分割数を増やすと、ユーザーが感じる実質的な表示品位の低下をより少なくすることができる。
(実施の形態3)
 本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器に適用することのできる表示装置の構成例について説明する。以下で例示する表示装置は、上記実施の形態1の表示装置511及び表示装置521等に適用することができる。
 本発明の一態様は、発光素子(発光デバイスともいう)を有する表示装置である。表示装置は、発光色の異なる2つ以上の発光素子を有する。発光素子は、それぞれ一対の電極と、その間にEL層を有する。発光素子は、有機EL素子(有機電界発光素子)であることが好ましい。発光色の異なる2つ以上の発光素子は、それぞれ異なる発光材料を含むEL層を有する。例えば、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)の光を発する3種類の発光素子を有することで、フルカラーの表示装置を実現できる。
 発光色がそれぞれ異なる複数の発光素子を有する表示装置を作製する場合、少なくとも発光材料を含む層(発光層)をそれぞれ島状に形成する必要がある。EL層の一部または全部を作り分ける場合、メタルマスクなどのシャドーマスクを用いた蒸着法により島状の有機膜を形成する方法が知られている。しかしながらこの方法では、メタルマスクの精度、メタルマスクと基板との位置ずれ、メタルマスクのたわみ、及び蒸気の散乱などによる成膜される膜の輪郭の広がりなど、様々な影響により、島状の有機膜の形状及び位置に設計からのずれが生じるため、表示装置の高精細化、及び高開口率化が困難である。また、蒸着の際に、層の輪郭がぼやけて、端部の厚さが薄くなることがある。つまり、島状の発光層は場所によって厚さにばらつきが生じることがある。また、大型、高解像度、または高精細な表示装置を作製する場合、メタルマスクの寸法精度の低さ、及び熱などによる変形により、製造歩留まりが低くなる懸念がある。そのため、ペンタイル配列などの特殊な画素配列方式を採用することなどにより、疑似的に精細度(画素密度ともいう)を高める対策が取られていた。
 なお、本明細書等において、島状とは、同一工程で形成された同一材料を用いた2以上の層が物理的に分離されている状態であることを示す。例えば、島状の発光層とは、当該発光層と、隣接する発光層とが、物理的に分離されている状態であることを示す。
 本発明の一態様は、EL層をファインメタルマスク(FMM)などのシャドーマスクを用いることなく、フォトリソグラフィにより、微細なパターンに加工する。これにより、これまで実現が困難であった高い精細度と、大きな開口率を有する表示装置を実現できる。さらに、EL層を作り分けることができるため、極めて鮮やかで、コントラストが高く、表示品位の高い表示装置を実現できる。なお、例えば、EL層をメタルマスクと、フォトリソグラフィと、の双方を用いて微細なパターンに加工してもよい。
 また、EL層の一部または全部を物理的に分断することができる。これにより、隣接する発光素子間で共通に用いる層(共通層ともいう)を介した、発光素子間のリーク電流を抑制することができる。これにより、意図しない発光に起因したクロストークを防ぐことができ、コントラストの極めて高い表示装置を実現できる。特に、低輝度における電流効率の高い表示装置を実現できる。
 本発明の一態様は、白色発光の発光素子と、カラーフィルタとを組み合わせた表示装置とすることもできる。この場合、異なる色の光を呈する画素(副画素)に設けられる発光素子に、それぞれ同じ構成の発光素子を適用することができ、全ての層を共通層とすることができる。さらに、それぞれのEL層の一部または全部を、フォトリソグラフィにより分断する。これにより、共通層を介したリーク電流が抑制され、コントラストの高い表示装置を実現できる。特に、導電性の高い中間層を介して、複数の発光層を積層したタンデム構造を有する素子では、当該中間層を介したリーク電流を効果的に防ぐことができるため、高い輝度、高い精細度、及び高いコントラストを兼ね備えた表示装置を実現できる。
 さらに、少なくとも島状の発光層の側面を覆う絶縁層を設けることが好ましい。当該絶縁層は、島状のEL層の上面の一部を覆う構成としてもよい。当該絶縁層としては、水及び酸素に対してバリア性を有する材料を用いることが好ましい。例えば、水または酸素を拡散しにくい、無機絶縁膜を用いることができる。これにより、EL層の劣化を抑制し、信頼性の高い表示装置を実現できる。
 さらに、隣接する2つの発光素子間には、いずれの発光素子のEL層も設けられない領域(凹部)を有する。当該凹部を覆って共通電極、または共通電極及び共通層を形成する場合、共通電極がEL層の端部の段差により分断されてしまう現象(段切れともいう)が生じ、EL層上の共通電極が絶縁してしまう場合がある。そこで、隣接する2つの発光素子間に位置する局所的な段差を、平坦化膜として機能する樹脂層により埋める構成(LFP:Local Filling Planarizationともいう)とすることが好ましい。当該樹脂層は、平坦化膜としての機能を有する。これにより、共通層または共通電極の段切れを抑制し、信頼性の高い表示装置を実現できる。
 以下では、本発明の一態様の表示装置の、より具体的な構成例について、図面を参照して説明する。
[構成例1]
 図33Aに、本発明の一態様の表示装置100の上面概略図を示す。表示装置100は、基板101上に、赤色を呈する発光素子110R、緑色を呈する発光素子110G、及び青色を呈する発光素子110Bをそれぞれ複数有する。図33Aでは、各発光素子の区別を簡単にするため、各発光素子の発光領域内にR、G、Bの符号を付している。
 発光素子110R、発光素子110G、及び発光素子110Bは、それぞれマトリクス状に配列している。図33Aは、一方向に同一の色の発光素子が配列する、いわゆるストライプ配列を示している。なお、発光素子の配列方法はこれに限られず、Sストライプ配列、デルタ配列、ベイヤー配列、ジグザグ配列などの配列方法を適用してもよいし、ペンタイル配列、ダイヤモンド配列などを用いることもできる。
 発光素子110R、発光素子110G、及び発光素子110Bとしては、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、またはQLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)を用いることが好ましい。EL素子が有する発光物質としては、例えば蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、及び熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料)が挙げられる。EL素子が有する発光物質としては、有機化合物だけでなく、無機化合物(量子ドット材料など)を用いることができる。
 また、図33Aには、共通電極113と電気的に接続する接続電極111Cを示している。接続電極111Cは、共通電極113に供給するための電位(例えばアノード電位、またはカソード電位)が与えられる。接続電極111Cは、発光素子110Rなどが配列する表示領域の外に設けられる。
 接続電極111Cは、表示領域の外周に沿って設けることができる。例えば、表示領域の外周の一辺に沿って設けられていてもよいし、表示領域の外周の2辺以上にわたって設けられていてもよい。すなわち、平面視において、表示領域の形状が長方形である場合には、接続電極111Cの形状は、帯状(長方形)、L字状、コの字状(角括弧状)、または四角形などとすることができる。
 図33B、図33Cはそれぞれ、図33A中の一点鎖線A1−A2、一点鎖線A3−A4に対応する断面概略図である。図33Bには、発光素子110R、発光素子110G、及び発光素子110Bの断面概略図を示し、図33Cには、接続電極111Cと共通電極113とが接続される接続部140の断面概略図を示している。
 発光素子110Rは、画素電極111R、有機層112R、共通層114、及び共通電極113を有する。発光素子110Gは、画素電極111G、有機層112G、共通層114、及び共通電極113を有する。発光素子110Bは、画素電極111B、有機層112B、共通層114、及び共通電極113を有する。共通層114と共通電極113は、発光素子110R、発光素子110G、及び発光素子110Bに共通に設けられる。
 発光素子110Rが有する有機層112Rは、少なくとも赤色の光を発する発光性の有機化合物を有する。発光素子110Gが有する有機層112Gは、少なくとも緑色の光を発する発光性の有機化合物を有する。発光素子110Bが有する有機層112Bは、少なくとも青色の光を発する発光性の有機化合物を有する。有機層112R、有機層112G、及び有機層112Bは、それぞれEL層とも呼ぶことができ、少なくとも発光性の有機化合物を含む層(発光層)を有する。
 以下では、発光素子110R、発光素子110G、及び発光素子110Bに共通する事項を説明する場合には、発光素子110と呼称して説明する場合がある。同様に、有機層112R、有機層112G、及び有機層112Bなど、アルファベットで区別する構成要素についても、これらに共通する事項を説明する場合には、アルファベットを省略した符号を用いて説明する場合がある。
 有機層112、及び共通層114は、それぞれ独立に電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、及び正孔輸送層のうち、一以上を有することができる。例えば、有機層112が、画素電極111側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の積層構造を有し、共通層114が電子注入層を有する構成とすることができる。
 画素電極111R、画素電極111G、及び画素電極111Bは、それぞれ発光素子毎に設けられている。また、共通電極113及び共通層114は、各発光素子に共通な一続きの層として設けられている。各画素電極と共通電極113のいずれか一方に可視光に対して透光性を有する導電膜を用い、他方に反射性を有する導電膜を用いる。各画素電極を透光性、共通電極113を反射性とすることで、下面射出型(ボトムエミッション型)の表示装置とすることができ、反対に各画素電極を反射性、共通電極113を透光性とすることで、上面射出型(トップエミッション型)の表示装置とすることができる。なお、各画素電極と共通電極113の双方を透光性とすることで、両面射出型(デュアルエミッション型)の表示装置とすることもできる。
 共通電極113上には、発光素子110R、発光素子110G、及び発光素子110Bを覆って、保護層121が設けられている。保護層121は、上方から各発光素子に水などの不純物が拡散することを防ぐ機能を有する。
 画素電極111の端部はテーパ形状を有することが好ましい。画素電極の端部がテーパ形状を有する場合、画素電極の側面に沿って設けられる有機層112も、テーパ形状を有する。画素電極の側面をテーパ形状とすることで、画素電極の側面に沿って設けられるEL層の被覆性を高めることができる。また、画素電極の側面をテーパ形状とすることで、作製工程中の異物(例えば、ゴミ、またはパーティクルなどともいう)を、洗浄などの処理により除去することが容易となり好ましい。
 なお、本明細書等において、テーパ形状とは、構造の側面の少なくとも一部が、基板面に対して傾斜して設けられている形状のことを指す。例えば、傾斜した側面と基板面とがなす角(テーパ角ともいう)が90°未満である領域を有すると好ましい。
 有機層112は、フォトリソグラフィ法により島状に加工されている。そのため、有機層112は、その端部において、上面と側面との成す角が90度に近い形状となる。一方、FMM(Fine Metal Mask)などを用いて形成された有機膜は、その厚さが端部に近いほど徐々に薄くなる傾向があり、例えば端部まで1μm以上10μm以下の範囲にわたって、上面がスロープ状に形成されるため、上面と側面の区別が困難な形状となる。
 隣接する2つの発光素子間には、絶縁層125、樹脂層126、層128を有する。
 隣接する2つの発光素子間において、互いの有機層112の側面が、樹脂層126を挟んで対向して設けられている。樹脂層126は、隣接する2つの発光素子の間に位置し、それぞれの有機層112の端部、及び2つの有機層112の間の領域を埋めるように設けられている。樹脂層126の上面は、滑らかな凸状の形状を有しており、樹脂層126の上面を覆って、共通層114及び共通電極113が設けられている。
 樹脂層126は、隣接する2つの発光素子間に位置する段差を埋める平坦化膜として機能する。樹脂層126を設けることにより、共通電極113が有機層112の端部の段差により分断されてしまう現象(段切れともいう)が生じ、有機層112上の共通電極が絶縁してしまうことを防ぐことができる。樹脂層126は、LFP(Local Filling Planarization)層ともいうことができる。
 樹脂層126としては、有機材料を有する絶縁層を好適に用いることができる。例えば、樹脂層126として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等を適用することができる。また、樹脂層126として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂などの有機材料を用いてもよい。
 また、樹脂層126として、感光性の樹脂を用いることができる。感光性の樹脂としてはフォトレジストを用いてもよい。感光性の樹脂は、ポジ型の材料、またはネガ型の材料を用いることができる。
 樹脂層126は、可視光を吸収する材料を含んでいてもよい。例えば、樹脂層126自体が可視光を吸収する材料により構成されていてもよいし、樹脂層126が、可視光を吸収する顔料を含んでいてもよい。樹脂層126としては、例えば、赤色、青色、または緑色の光を透過し、他の光を吸収するカラーフィルタとして用いることのできる樹脂、またはカーボンブラックを顔料として含み、ブラックマトリクスとして機能する樹脂などを用いることができる。
 絶縁層125は、有機層112の側面に接して設けられている。また絶縁層125は、有機層112の上端部を覆って設けられている。また絶縁層125の一部は、基板101の上面に接して設けられている。
 絶縁層125は、樹脂層126と有機層112との間に位置し、樹脂層126が有機層112に接することを防ぐための保護膜として機能する。有機層112と樹脂層126とが接すると、樹脂層126の形成時に用いられる有機溶媒などにより有機層112が溶解する可能性がある。そのため、本実施の形態に示すように、有機層112と樹脂層126との間に絶縁層125を設ける構成とすることで、有機層の側面を保護することが可能となる。
 絶縁層125としては、無機材料を有する絶縁層とすることができる。絶縁層125には、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜などの無機絶縁膜を用いることができる。絶縁層125は単層構造であってもよく積層構造であってもよい。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜、インジウムガリウム亜鉛酸化物膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜などが挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜及び窒化アルミニウム膜などが挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜などが挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などが挙げられる。特にALD法により形成した酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜などの酸化金属膜、または酸化シリコン膜などの無機絶縁膜を絶縁層125に適用することで、ピンホールが少なく、EL層を保護する機能に優れた絶縁層125を形成することができる。
 なお、本明細書などにおいて、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。例えば、酸化窒化シリコンと記載した場合は、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンと記載した場合は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
 絶縁層125の形成は、スパッタリング法、CVD法、PLD法、ALD法などを用いることができる。絶縁層125は、被覆性が良好なALD法を用いて形成することが好ましい。
 また、絶縁層125と、樹脂層126との間に、反射膜(例えば、銀、パラジウム、銅、チタン、及びアルミニウムなどの中から選ばれる一または複数を含む金属膜)を設け、発光層から射出される光を上記反射膜により反射させる構成としてもよい。これにより、光取り出し効率を向上させることができる。
 層128は、有機層112のエッチング時に、有機層112を保護するための保護層(マスク層、犠牲層ともいう)の一部が残存したものである。層128には、上記絶縁層125に用いることのできる材料を用いることができる。特に、層128と絶縁層125とに同じ材料を用いると、加工のための装置等を共通に用いることができるため、好ましい。
 特にALD法により形成した酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜などの酸化金属膜、または酸化シリコン膜などの無機絶縁膜はピンホールが少ないため、EL層を保護する機能に優れ、絶縁層125及び層128に好適に用いることができる。
 共通電極113を覆って保護層121が設けられている。
 保護層121としては、例えば、少なくとも無機絶縁膜を含む単層構造または積層構造とすることができる。無機絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜などの酸化物膜または窒化物膜が挙げられる。または、保護層121としてインジウムガリウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムスズ酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物などの半導体材料または導電性材料を用いてもよい。
 保護層121としては、無機絶縁膜と、有機絶縁膜の積層膜を用いることもできる。例えば、一対の無機絶縁膜の間に、有機絶縁膜を挟んだ構成とすることが好ましい。さらに有機絶縁膜が平坦化膜として機能することが好ましい。これにより、有機絶縁膜の上面を平坦なものとすることができるため、その上の無機絶縁膜の被覆性が向上し、バリア性を高めることができる。また、保護層121の上面が平坦となるため、保護層121の上方に構造物(例えばカラーフィルタ、タッチセンサの電極、またはレンズアレイなど)を設ける場合に、下方の構造に起因する凹凸形状の影響を軽減できるため好ましい。
 図33Cには、接続電極111Cと共通電極113とが電気的に接続する接続部140を示している。接続部140では、接続電極111C上において、絶縁層125及び樹脂層126に開口部が設けられる。当該開口部において、接続電極111Cと共通電極113とが電気的に接続されている。
 なお、図33Cには、接続電極111Cと共通電極113とが電気的に接続する接続部140を示しているが、接続電極111C上に共通層114を介して共通電極113が設けられていてもよい。特に共通層114にキャリア注入層を用いた場合などでは、当該共通層114に用いる材料の電気抵抗率が十分に低く、且つ厚さも薄く形成できるため、共通層114が接続部140に位置していても問題は生じない場合が多い。これにより、共通電極113と共通層114とを同じ遮蔽マスクを用いて形成することができるため、製造コストを低減できる。
 以上が、表示装置の構成例についての説明である。
[画素のレイアウト]
 以下では、主に、図33Aとは異なる画素レイアウトについて説明する。発光素子(副画素)の配列に特に限定はなく、様々な方法を適用することができる。
 また、平面視において、副画素の形状としては、例えば、三角形、四角形(長方形、正方形を含む)、五角形などの多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などが挙げられる。ここで、副画素の形状は、発光素子の発光領域の形状に相当する。
 図34Aに示す画素150には、Sストライプ配列が適用されている。図34Aに示す画素150は、発光素子110a、110b、110cの、3つの副画素から構成される。例えば、発光素子110aを青色の発光素子とし、発光素子110bを赤色の発光素子とし、発光素子110cを緑色の発光素子としてもよい。
 図34Bに示す画素150は、平面視において、角が丸い略台形の形状を有する発光素子110aと、角が丸い略三角形の形状を有する発光素子110bと、角が丸い略四角形または略六角形の形状を有する発光素子110cと、を有する。また、発光素子110aは、発光素子110bよりも発光面積が広い。このように、各発光素子の形状及びサイズはそれぞれ独立に決定することができる。例えば、信頼性の高い発光素子ほど、サイズを小さくすることができる。例えば、発光素子110aを緑色の発光素子とし、発光素子110bを赤色の発光素子とし、発光素子110cを青色の発光素子としてもよい。
 図34Cに示す画素124a、124bには、ペンタイル配列が適用されている。図34Cでは、発光素子110a及び発光素子110bを有する画素124aと、発光素子110b及び発光素子110cを有する画素124bと、が交互に配置されている例を示す。例えば、発光素子110aを赤色の発光素子とし、発光素子110bを緑色の発光素子とし、発光素子110cを青色の発光素子としてもよい。
 図34D及び図34Eに示す画素124a、124bは、デルタ配列が適用されている。画素124aは上の行(1行目)に、2つの発光素子(発光素子110a、110b)を有し、下の行(2行目)に、1つの発光素子(発光素子110c)を有する。画素124bは上の行(1行目)に、1つの発光素子(発光素子110c)を有し、下の行(2行目)に、2つの発光素子(発光素子110a、110b)を有する。例えば、発光素子110aを赤色の発光素子とし、発光素子110bを緑色の発光素子とし、発光素子110cを青色の発光素子としてもよい。
 図34Dは、平面視において、各発光素子が角の丸い略四角形の形状を有する例であり、図34Eは、各発光素子が円形の形状を有する例である。
 図34Fは、各色の発光素子がジグザグに配置されている例である。具体的には、上面視において、列方向に並ぶ2つの発光素子(例えば、発光素子110aと発光素子110b、または、発光素子110bと発光素子110c)の上辺の位置がずれている。例えば、発光素子110aを赤色の発光素子とし、発光素子110bを緑色の発光素子とし、発光素子110cを青色の発光素子としてもよい。
 フォトリソグラフィ法では、加工するパターンが微細になるほど、光の回折の影響を無視できなくなるため、露光によりフォトマスクのパターンを転写する際に忠実性が損なわれ、レジストマスクを所望の形状に加工することが困難になる。そのため、フォトマスクのパターンが矩形であっても、角が丸まったパターンが形成されやすい。したがって、発光素子の平面視における形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。
 さらに、本発明の一態様の表示パネルの作製方法では、レジストマスクを用いてEL層を島状に加工する。EL層上に形成したレジスト膜は、EL層の耐熱温度よりも低い温度で硬化する必要がある。そのため、EL層の材料の耐熱温度及びレジスト材料の硬化温度によっては、レジスト膜の硬化が不十分になる場合がある。硬化が不十分なレジスト膜は、加工時に所望の形状から離れた形状をとることがある。その結果、EL層の平面視における形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。例えば、平面視における形状が正方形であるレジストマスクを形成しようとした場合に、円形の形状のレジストマスクが形成され、EL層の平面視における形状が円形になることがある。
 なお、EL層の平面視における形状を所望の形状とするために、設計パターンと、転写パターンとが、一致するように、あらかじめマスクパターンを補正する技術(OPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)技術)を用いてもよい。具体的には、OPC技術では、マスクパターン上の図形コーナー部などに補正用のパターンを追加する。
 以上が、画素のレイアウトに関する説明である。
 本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
 本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器に適用することのできる表示装置(表示パネル)の他の構成例について説明する。以下で例示する表示装置(表示パネル)は、上記実施の形態1の表示装置511及び表示装置521等に適用することができる。
 本実施の形態の表示装置は、高精細な表示装置とすることができる。例えば、本発明の一態様の表示装置は、腕時計型、及び、ブレスレット型などの情報端末機(ウェアラブル機器)の表示部、並びに、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、及び、メガネ型のAR向け機器などの頭部に装着可能なウェアラブル機器の表示部に用いることができる。
[表示モジュール]
 図35Aに、表示モジュール280の斜視図を示す。表示モジュール280は、表示装置200Aと、FPC290と、を有する。なお、表示モジュール280が有する表示パネルは表示装置200Aに限られず、後述する表示装置200B乃至表示装置200Fのいずれかであってもよい。
 表示モジュール280は、基板291及び基板292を有する。表示モジュール280は、表示部281を有する。表示部281は、画像を表示する領域である。
 図35Bに、基板291側の構成を模式的に示した斜視図を示している。基板291上には、回路部282と、回路部282上の画素回路部283と、画素回路部283上の画素部284と、が積層されている。また、基板291上の画素部284と重ならない部分に、FPC290と接続するための端子部285が設けられている。端子部285と回路部282とは、複数の配線により構成される配線部286により電気的に接続されている。
 画素部284は、周期的に配列した複数の画素284aを有する。図35Bの右側に、1つの画素284aの拡大図を示している。画素284aは、赤色の光を発する発光素子110R、緑色の光を発する発光素子110G、及び、青色の光を発する発光素子110Bを有する。
 画素回路部283は、周期的に配列した複数の画素回路283aを有する。1つの画素回路283aは、1つの画素284aが有する3つの発光デバイスの発光を制御する回路である。1つの画素回路283aには、1つの発光デバイスの発光を制御する回路が3つ設けられる構成としてもよい。例えば、画素回路283aは、1つの発光デバイスにつき、1つの選択トランジスタと、1つの電流制御用トランジスタ(駆動トランジスタ)と、容量素子と、を少なくとも有する構成とすることができる。このとき、選択トランジスタのゲートにはゲート信号が、ソースにはソース信号が、それぞれ入力される。これにより、アクティブマトリクス型の表示パネルが実現されている。
 回路部282は、画素回路部283の各画素回路283aを駆動する回路を有する。例えば、ゲート線駆動回路、及び、ソース線駆動回路の一方または双方を有することが好ましい。このほか、演算回路、メモリ回路、及び電源回路等の少なくとも一つを有していてもよい。また、回路部282に設けられるトランジスタが画素回路283aの一部を構成してもよい。すなわち、画素回路283aが、画素回路部283が有するトランジスタと、回路部282が有するトランジスタと、により構成されていてもよい。
 FPC290は、外部から回路部282にビデオ信号及び電源電位等を供給するための配線として機能する。また、FPC290上にICが実装されていてもよい。
 表示モジュール280は、画素部284の下側に画素回路部283及び回路部282の一方または双方が重ねて設けられた構成とすることができるため、表示部281の開口率(有効表示面積比)を極めて高くすることができる。例えば表示部281の開口率は、40%以上100%未満、好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上95%以下とすることができる。また、画素284aを極めて高密度に配置することが可能で、表示部281の精細度を極めて高くすることができる。例えば、表示部281には、2000ppi以上、好ましくは3000ppi以上、より好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以上であって、20000ppi以下、または30000ppi以下の精細度で、画素284aが配置されることが好ましい。
 このような表示モジュール280は、極めて高精細であることから、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、またはメガネ型のAR向け機器に好適に用いることができる。例えば、レンズを通して表示モジュール280の表示部を視認する構成の場合であっても、表示モジュール280は極めて高精細な表示部281を有するためにレンズで表示部を拡大しても画素が視認されず、没入感の高い表示を行うことができる。また、表示モジュール280はこれに限られず、比較的小型の表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。例えば腕時計などの装着型の電子機器の表示部に好適に用いることができる。
[表示装置200A]
 図36Aに示す表示装置200Aは、基板301、発光素子110R、110G、110B、容量240、及び、トランジスタ310を有する。
 基板301は、図35A及び図35Bにおける基板291に相当する。
 トランジスタ310は、基板301にチャネル形成領域を有するトランジスタである。基板301としては、例えば単結晶シリコン基板などの半導体基板を用いることができる。トランジスタ310は、基板301の一部、導電層311、低抵抗領域312、絶縁層313、及び、絶縁層314を有する。導電層311は、ゲート電極として機能する。絶縁層313は、基板301と導電層311の間に位置し、ゲート絶縁層として機能する。低抵抗領域312は、基板301に不純物がドープされた領域であり、ソースまたはドレインの一方として機能する。絶縁層314は、導電層311の側面を覆って設けられる。
 また、基板301に埋め込まれるように、隣接する2つのトランジスタ310の間に素子分離層315が設けられている。
 また、トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に容量240が設けられている。
 容量240は、導電層241と、導電層245と、これらの間に位置する絶縁層243を有する。導電層241は、容量240の一方の電極として機能し、導電層245は、容量240の他方の電極として機能し、絶縁層243は、容量240の誘電体として機能する。
 導電層241は絶縁層261上に設けられ、絶縁層254に埋め込まれている。導電層241は、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層243は導電層241を覆って設けられる。導電層245は、絶縁層243を介して導電層241と重なる領域に設けられている。
 容量240を覆って、絶縁層255aが設けられ、絶縁層255a上に絶縁層255bが設けられ、絶縁層255b上に絶縁層255cが設けられている。
 絶縁層255a、絶縁層255b、及び絶縁層255cには、それぞれ無機絶縁膜を好適に用いることができる。例えば、絶縁層255a及び絶縁層255cに酸化シリコン膜を用い、絶縁層255bに窒化シリコン膜を用いることが好ましい。これにより、絶縁層255bは、エッチング保護膜として機能させることができる。本実施の形態では、絶縁層255cの一部がエッチングされ、凹部が形成されている例を示すが、絶縁層255cに凹部が設けられていなくてもよい。
 絶縁層255c上に発光素子110R、発光素子110G、及び、発光素子110Bが設けられている。発光素子110R、発光素子110G、及び、発光素子110Bの構成は、実施の形態1を参照できる。
 表示装置200Aは、発光色ごとに、発光デバイスを作り分けているため、低輝度での発光と高輝度での発光で色度の変化が小さい。また、有機層112R、112G、112Bがそれぞれ離隔しているため、高精細な表示パネルであっても、隣接する副画素間におけるクロストークの発生を抑制することができる。したがって、高精細であり、かつ、表示品位の高い表示パネルを実現することができる。
 隣り合う発光素子の間の領域には、絶縁層125、樹脂層126、及び層128が設けられる。
 発光素子の画素電極111R、画素電極111G、及び、画素電極111Bは、絶縁層255a、絶縁層255b、及び、絶縁層255cに埋め込まれたプラグ256、絶縁層254に埋め込まれた導電層241、及び、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層255cの上面の高さと、プラグ256の上面の高さは、一致または概略一致している。プラグには各種導電材料を用いることができる。
 また、発光素子110R、110G、及び110B上には保護層121が設けられている。保護層121上には、接着層171によって基板170が貼り合わされている。
 隣接する2つの画素電極111間には、画素電極111の上面端部を覆う絶縁層が設けられていない。そのため、隣り合う発光素子の間隔を極めて狭くすることができる。したがって、高精細、または、高解像度の表示装置とすることができる。
[表示装置200B]
 図37に示す表示装置200Bは、それぞれ半導体基板にチャネルが形成されるトランジスタ310Aと、トランジスタ310Bとが積層された構成を有する。なお、以降の表示パネルの説明では、先に説明した表示パネルと同様の部分については説明を省略することがある。
 表示装置200Bは、トランジスタ310B、容量240、発光デバイスが設けられた基板301Bと、トランジスタ310Aが設けられた基板301Aとが、貼り合された構成を有する。
 ここで、基板301Bの下面に絶縁層345が設けられ、基板301A上に設けられた絶縁層261の上には絶縁層346が設けられている。絶縁層345、346は、保護層として機能する絶縁層であり、基板301B及び基板301Aに不純物が拡散することを抑制することができる。絶縁層345、346としては、保護層121または絶縁層332に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
 基板301Bには、基板301B及び絶縁層345を貫通するプラグ343が設けられる。ここで、プラグ343の側面を覆って、保護層として機能する絶縁層344を設けることが好ましい。
 また、基板301Bは、絶縁層345の下側に、導電層342が設けられる。導電層342は、絶縁層335に埋め込まれており、導電層342と絶縁層335の下面は平坦化されている。また、導電層342はプラグ343と電気的に接続されている。
 一方、基板301Aには、絶縁層346上に導電層341が設けられている。導電層341は、絶縁層336に埋め込まれており、導電層341と絶縁層336の上面は平坦化されている。
 導電層341及び導電層342としては、同じ導電材料を用いることが好ましい。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。特に、導電層341及び導電層342に、銅を用いることが好ましい。これにより、Cu−Cu(カッパー・カッパー)直接接合技術(Cu(銅)のパッド同士を接続することで電気的導通を図る技術)を適用することができる。
[表示装置200C]
 図38に示す表示装置200Cは、導電層341と導電層342を、バンプ347を介して接合する構成を有する。
 図38に示すように、導電層341と導電層342の間にバンプ347を設けることで、導電層341と導電層342を電気的に接続することができる。バンプ347は、例えば、金(Au)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、錫(Sn)などを含む導電材料を用いて形成することができる。また例えば、バンプ347として半田を用いる場合がある。また、絶縁層345と絶縁層346の間に、接着層348を設けてもよい。また、バンプ347を設ける場合、絶縁層335及び絶縁層336を設けない構成にしてもよい。
[表示装置200D]
 図39に示す表示装置200Dは、トランジスタの構成が異なる点で、表示装置200Aと主に相違する。
 トランジスタ320は、チャネルが形成される半導体層に、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)が適用されたトランジスタ(OSトランジスタ)である。
 トランジスタ320は、半導体層321、絶縁層323、導電層324、一対の導電層325、絶縁層326、及び、導電層327を有する。
 基板331は、図35A及び図35Bにおける基板291に相当する。
 基板331上に、絶縁層332が設けられている。絶縁層332は、基板331から水または水素などの不純物がトランジスタ320に拡散すること、及び半導体層321から絶縁層332側に酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層332としては、例えば酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、窒化シリコン膜などの、酸化シリコン膜よりも水素または酸素が拡散しにくい膜を用いることができる。
 絶縁層332上に導電層327が設けられ、導電層327を覆って絶縁層326が設けられている。導電層327は、トランジスタ320の第1のゲート電極として機能し、絶縁層326の一部は、第1のゲート絶縁層として機能する。絶縁層326の少なくとも半導体層321と接する部分には、酸化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層326の上面は、平坦化されていることが好ましい。
 半導体層321は、絶縁層326上に設けられる。半導体層321は、半導体特性を示す金属酸化物(酸化物半導体ともいう)膜を有することが好ましい。一対の導電層325は、半導体層321上に接して設けられ、ソース電極及びドレイン電極として機能する。
 一対の導電層325の上面及び側面、並びに半導体層321の側面等を覆って絶縁層328が設けられ、絶縁層328上に絶縁層264が設けられている。絶縁層328は、半導体層321に絶縁層264等から水または水素などの不純物が拡散すること、及び半導体層321から酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層328としては、上記絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
 絶縁層328及び絶縁層264に、半導体層321に達する開口が設けられている。当該開口の内部に、半導体層321の上面に接する絶縁層323と、導電層324とが埋め込まれている。導電層324は、第2のゲート電極として機能し、絶縁層323は第2のゲート絶縁層として機能する。
 導電層324の上面、絶縁層323の上面、及び絶縁層264の上面は、それぞれ高さが一致または概略一致するように平坦化処理され、これらを覆って絶縁層329及び絶縁層265が設けられている。
 絶縁層264及び絶縁層265は、層間絶縁層として機能する。絶縁層329は、トランジスタ320に絶縁層265等から水または水素などの不純物が拡散することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層329としては、上記絶縁層328及び絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
 一対の導電層325の一方と電気的に接続するプラグ274は、絶縁層265、絶縁層329、及び絶縁層264に埋め込まれるように設けられている。ここで、プラグ274は、絶縁層265、絶縁層329、絶縁層264、及び絶縁層328のそれぞれの開口の側面、及び導電層325の上面の一部を覆う導電層274aと、導電層274aの上面に接する導電層274bとを有することが好ましい。このとき、導電層274aとして、水素及び酸素が拡散しにくい導電材料を用いることが好ましい。
[表示装置200E]
 図40に示す表示装置200Eは、それぞれチャネルが形成される半導体に酸化物半導体を有するトランジスタ320Aと、トランジスタ320Bとが積層された構成を有する。
 トランジスタ320A、トランジスタ320B、及びその周辺の構成については、上記表示装置200Dを参照することができる。
 なお、ここでは、酸化物半導体を有するトランジスタを2つ積層する構成としたが、これに限られない。例えば3つ以上のトランジスタを積層する構成としてもよい。
[表示装置200F]
 図41に示す表示装置200Fは、基板301にチャネルが形成されるトランジスタ310と、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物を含むトランジスタ320とが積層された構成を有する。
 トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に導電層251が設けられている。また導電層251を覆って絶縁層262が設けられ、絶縁層262上に導電層252が設けられている。導電層251及び導電層252は、それぞれ配線として機能する。また、導電層252を覆って絶縁層263及び絶縁層332が設けられ、絶縁層332上にトランジスタ320が設けられている。また、トランジスタ320を覆って絶縁層265が設けられ、絶縁層265上に容量240が設けられている。容量240とトランジスタ320とは、プラグ274により電気的に接続されている。
 トランジスタ320は、画素回路を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ310は、画素回路を構成するトランジスタ、または当該画素回路を駆動するための駆動回路(ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路)を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ310及びトランジスタ320は、演算回路または記憶回路などの各種回路を構成するトランジスタとして用いることができる。
 このような構成とすることで、発光デバイスの直下に画素回路だけでなく駆動回路等を形成することができるため、表示領域の周辺に駆動回路を設ける場合に比べて、表示パネルを小型化することが可能となる。
[表示装置200G]
 図42に示す表示装置200Gは、基板301にチャネルが形成されるトランジスタ310と、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物を含むトランジスタ320Aと、トランジスタ320Bとが積層された構成を有する。
 トランジスタ320Aは、画素回路を構成するトランジスタとして用いることができる。トランジスタ310は、画素回路を構成するトランジスタ、または当該画素回路を駆動するための駆動回路(ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路)を構成するトランジスタとして用いることができる。トランジスタ320Bは、画素回路を構成するトランジスタとして用いてもよいし、上記駆動回路を構成するトランジスタとして用いてもよい。また、トランジスタ310、トランジスタ320A、及びトランジスタ320Bは、演算回路または記憶回路などの各種回路を構成するトランジスタとして用いることができる。
 本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
 本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に用いることができる発光デバイス(発光素子)について説明する。
 本明細書等において、メタルマスク、またはFMM(ファインメタルマスク、高精細なメタルマスク)を用いて作製されるデバイスをMM(メタルマスク)構造のデバイスと呼称する場合がある。また、本明細書等において、メタルマスク、またはFMMを用いることなく作製されるデバイスをMML(メタルマスクレス)構造のデバイスと呼称する場合がある。
 本明細書等では、発光波長が異なる発光デバイスで少なくとも発光層を作り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。SBS構造は、発光デバイスごとに材料及び構成を最適化することができるため、材料及び構成の選択の自由度が高まり、輝度の向上及び信頼性の向上を図ることが容易となる。
 本明細書等において、正孔または電子を、「キャリア」といって示す場合がある。具体的には、正孔注入層または電子注入層を「キャリア注入層」といい、正孔輸送層または電子輸送層を「キャリア輸送層」といい、正孔ブロック層または電子ブロック層を「キャリアブロック層」という場合がある。なお、上述のキャリア注入層、キャリア輸送層、及びキャリアブロック層は、それぞれ、断面形状、または特性などによって明確に区別できない場合がある。また、1つの層が、キャリア注入層、キャリア輸送層、及びキャリアブロック層のうち2つまたは3つの機能を兼ねる場合がある。
 本明細書等において、発光デバイス(発光素子ともいう)は、一対の電極間にEL層を有する。EL層は、少なくとも発光層を有する。ここで、EL層が有する層(機能層ともいう)としては、発光層、キャリア注入層(正孔注入層及び電子注入層)、キャリア輸送層(正孔輸送層及び電子輸送層)、及び、キャリアブロック層(正孔ブロック層及び電子ブロック層)などが挙げられる。
 発光デバイスとしては、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)、またはQLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)を用いることが好ましい。発光デバイスが有する発光物質としては、例えば、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料)、及び、無機化合物(量子ドット材料等)が挙げられる。また、発光デバイスとして、マイクロLED(Light Emitting Diode)などのLEDを用いることもできる。
 発光デバイスの発光色は、赤外、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄、または白などとすることができる。また、発光デバイスにマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度を高めることができる。
 図43Aに示すように、発光デバイスは、一対の電極(下部電極761及び上部電極762)の間に、EL層763を有する。EL層763は、層780、発光層771、及び、層790などの複数の層で構成することができる。
 発光層771は、少なくとも発光物質(発光材料ともいう)を有する。
 下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、層780は、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)、及び、電子ブロック性の高い物質を含む層(電子ブロック層)のうち一つまたは複数を有する。また、層790は、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)、及び、正孔ブロック性の高い物質を含む層(正孔ブロック層)のうち一つまたは複数を有する。下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層780と層790は互いに上記と逆の構成になる。
 一対の電極間に設けられた層780、発光層771、及び層790を有する構成は単一の発光ユニットとして機能することができ、本明細書では図43Aの構成をシングル構造と呼ぶ。
 また、図43Bは、図43Aに示す発光デバイスが有するEL層763の変形例である。具体的には、図43Bに示す発光デバイスは、下部電極761上の層781と、層781上の層782と、層782上の発光層771と、発光層771上の層791と、層791上の層792と、層792上の上部電極762と、を有する。
 下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、例えば、層781を正孔注入層、層782を正孔輸送層、層791を電子輸送層、層792を電子注入層とすることができる。また、下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層781を電子注入層、層782を電子輸送層、層791を正孔輸送層、層792を正孔注入層とすることができる。このような層構造とすることで、発光層771に効率よくキャリアを注入し、発光層771内におけるキャリアの再結合の効率を高めることができる。
 なお、図43C及び図43Dに示すように、層780と層790との間に複数の発光層(発光層771、772、773)が設けられる構成もシングル構造のバリエーションである。なお、図43C及び図43Dでは、発光層を3層有する例を示すが、シングル構造の発光デバイスにおける発光層は、2層であってもよく、4層以上であってもよい。また、シングル構造の発光デバイスは、2つの発光層の間に、バッファ層を有していてもよい。
 また、図43E及び図43Fに示すように、複数の発光ユニット(発光ユニット763a及び発光ユニット763b)が電荷発生層785(中間層ともいう)を介して直列に接続された構成を本明細書ではタンデム構造と呼ぶ。なお、タンデム構造をスタック構造と呼んでもよい。タンデム構造とすることで、高輝度発光が可能な発光デバイスとすることができる。また、タンデム構造は、シングル構造と比べて、同じ輝度を得るために必要な電流を低減できるため、信頼性を高めることができる。
 なお、図43D及び図43Fは、表示装置が、発光デバイスと重なる層764を有する例である。図43Dは、層764が、図43Cに示す発光デバイスと重なる例であり、図43Fは、層764が、図43Eに示す発光デバイスと重なる例である。
 層764としては、色変換層及びカラーフィルタ(着色層)の一方または双方を用いることができる。
 図43C及び図43Dにおいて、発光層771、発光層772、及び発光層773に、同じ色の光を発する発光物質、さらには、同じ発光物質を用いてもよい。例えば、発光層771、発光層772、及び発光層773に、青色の光を発する発光物質を用いてもよい。青色の光を呈する副画素においては、発光デバイスが発する青色の光を取り出すことができる。また、赤色の光を呈する副画素及び緑色の光を呈する副画素においては、図43Dに示す層764として色変換層を設けることで、発光デバイスが発する青色の光をより長波長の光に変換し、赤色または緑色の光を取り出すことができる。
 また、発光層771、発光層772、及び発光層773に、それぞれ発光色の異なる発光物質を用いてもよい。発光層771、発光層772、及び発光層773がそれぞれ発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。例えば、シングル構造の発光デバイスは、青色の光を発する発光物質を有する発光層、及び、青色よりも長波長の可視光を発する発光物質を有する発光層を有することが好ましい。
 例えば、シングル構造の発光デバイスが3層の発光層を有する場合、赤色(R)の光を発する発光物質を有する発光層、緑色(G)の光を発する発光物質を有する発光層、及び、青色(B)の光を発する発光物質を有する発光層を有することが好ましい。発光層の積層順としては、陽極側から、R、G、B、または、陽極側からR、B、Gなどとすることができる。このとき、RとGまたはBとの間にバッファ層が設けられていてもよい。
 また、例えば、シングル構造の発光デバイスが2層の発光層を有する場合、青色(B)の光を発する発光物質を有する発光層、及び、黄色の光を発する発光物質を有する発光層を有することが好ましい。この構成をBYシングルと呼称する場合がある。
 図43Dに示す層764として、カラーフィルタを設けてもよい。白色光がカラーフィルタを透過することで、所望の色の光を得ることができる。
 白色の光を発する発光デバイスは、2種類以上の発光物質を含むことが好ましい。白色発光を得るには、2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるような発光物質を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する発光デバイスを得ることができる。また、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。
 また、図43E及び図43Fにおいて、発光層771と、発光層772とに、同じ色の光を発する発光物質、さらには、同じ発光物質を用いてもよい。
 例えば、各色の光を呈する副画素が有する発光デバイスにおいて、発光層771と、発光層772に、それぞれ青色の光を発する発光物質を用いてもよい。青色の光を呈する副画素においては、発光デバイスが発する青色の光を取り出すことができる。また、赤色の光を呈する副画素及び緑色の光を呈する副画素においては、図43Fに示す層764として色変換層を設けることで、発光デバイスが発する青色の光をより長波長の光に変換し、赤色または緑色の光を取り出すことができる。
 また、各色の光を呈する副画素に、図43Eまたは図43Fに示す構成の発光デバイスを用いる場合、副画素によって、異なる発光物質を用いてもよい。具体的には、赤色の光を呈する副画素が有する発光デバイスにおいて、発光層771と、発光層772に、それぞれ赤色の光を発する発光物質を用いてもよい。同様に、緑色の光を呈する副画素が有する発光デバイスにおいて、発光層771と、発光層772に、それぞれ緑色の光を発する発光物質を用いてもよい。青色の光を呈する副画素が有する発光デバイスにおいて、発光層771と、発光層772に、それぞれ青色の光を発する発光物質を用いてもよい。このような構成の表示装置は、タンデム構造の発光デバイスが適用されており、かつ、SBS構造であるといえる。そのため、タンデム構造のメリットと、SBS構造のメリットの両方を併せ持つことができる。これにより、高輝度発光が可能であり、信頼性の高い発光デバイスを実現することができる。
 また、図43E及び図43Fにおいて、発光層771と、発光層772とに、発光色の異なる発光物質を用いてもよい。発光層771が発する光と、発光層772が発する光が補色の関係である場合、白色発光が得られる。図43Fに示す層764として、カラーフィルタを設けてもよい。白色光がカラーフィルタを透過することで、所望の色の光を得ることができる。
 なお、図43E及び図43Fにおいて、発光ユニット763aが1層の発光層771を有し、発光ユニット763bが1層の発光層772を有する例を示すが、これに限られない。発光ユニット763a及び発光ユニット763bは、それぞれ、2層以上の発光層を有していてもよい。
 また、図43E及び図43Fでは、発光ユニットを2つ有する発光デバイスを例示したが、これに限られない。発光デバイスは、発光ユニットを3つ以上有していてもよい。
 具体的には、図44A乃至図44Cに示す発光デバイスの構成が挙げられる。
 図44Aは、発光ユニットを3つ有する構成である。なお、発光ユニットを2つ有する構成を2段タンデム構造と、発光ユニットを3つ有する構成を3段タンデム構造と、それぞれ呼称してもよい。
 また、図44Aに示すように、複数の発光ユニット(発光ユニット763a、発光ユニット763b、及び発光ユニット763c)が電荷発生層785を介して、それぞれ直列に接続された構成である。また、発光ユニット763aは、層780aと、発光層771と、層790aと、を有し、発光ユニット763bは、層780bと、発光層772と、層790bと、を有し、発光ユニット763cは、層780cと、発光層773と、層790cと、を有する。
 なお、図44Aに示す構成においては、発光層771、発光層772、及び発光層773は、それぞれ同じ色の光を発する発光物質を有すると好ましい。具体的には、発光層771、発光層772、及び発光層773が、それぞれ赤色(R)の発光物質を有する構成(いわゆるR\R\Rの3段タンデム構造)、発光層771、発光層772、及び発光層773が、それぞれ緑色(G)の発光物質を有する構成(いわゆるG\G\Gの3段タンデム構造)、または発光層771、発光層772、及び発光層773が、それぞれ青色(B)の発光物質を有する構成(いわゆるB\B\Bの3段タンデム構造)とすることができる。
 なお、それぞれ同じ色の光を発する発光物質としては、上記の構成に限定されない。例えば、図44Bに示すように、複数の発光物質を有する発光ユニットを積層したタンデム型の発光デバイスとしてもよい。図44Bは、複数の発光ユニット(発光ユニット763a、及び発光ユニット763b)が電荷発生層785を介して、それぞれ直列に接続された構成である。また、発光ユニット763aは、層780aと、発光層771a、発光層771b、及び発光層771cと、層790aと、を有し、発光ユニット763bは、層780bと、発光層772a、発光層772b、及び発光層772cと、層790bと、を有する。
 図44Bに示す構成においては、発光層771a、発光層771b、及び発光層771cを、補色の関係となる発光物質を選択し白色発光(W)が可能な構成とする。また、発光層772a、発光層772b、及び発光層772cを、補色の関係となる発光物質を選択し白色発光(W)が可能な構成とする。すなわち、図44Cに示す構成においては、W\Wの2段タンデム構造である。なお、発光層771a、発光層771b、及び発光層771cの補色の関係となる発光物質の積層順については、特に限定はない。実施者が適宜最適な積層順を選択することができる。また、図示しないが、W\W\Wの3段タンデム構造、または4段以上のタンデム構造としてもよい。
 また、タンデム構造の発光デバイスを用いる場合、黄色(Y)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとを有するB\Yの2段タンデム構造、赤色(R)と緑色(G)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとを有するR・G\Bの2段タンデム構造、青色(B)の光を発する発光ユニットと、黄色(Y)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとをこの順で有するB\Y\Bの3段タンデム構造、青色(B)の光を発する発光ユニットと、黄緑色(YG)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとをこの順で有するB\YG\Bの3段タンデム構造、青色(B)の光を発する発光ユニットと、緑色(G)の光を発する発光ユニットと、青色(B)の光を発する発光ユニットとをこの順で有するB\G\Bの3段タンデム構造などが挙げられる。
 また、図44Cに示すように、1つの発光物質を有する発光ユニットと、複数の発光物質を有する発光ユニットと、を組み合わせてもよい。
 具体的には、図44Cに示す構成においては、複数の発光ユニット(発光ユニット763a、発光ユニット763b、及び発光ユニット763c)が電荷発生層785を介して、それぞれ直列に接続された構成である。また、発光ユニット763aは、層780aと、発光層771と、層790aと、を有し、発光ユニット763bは、層780bと、発光層772a、発光層772b、及び発光層772cと、層790bと、を有し、発光ユニット763cは、層780cと、発光層773と、層790cと、を有する。
 例えば、図44Cに示す構成において、発光ユニット763aが青色(B)の光を発する発光ユニットであり、発光ユニット763bが赤色(R)、緑色(G)、及び黄緑色(YG)の光を発する発光ユニットであり、発光ユニット763cが青色(B)の光を発する発光ユニットである、B\R・G・YG\Bの3段タンデム構造などを適用することができる。
 例えば、発光ユニットの積層数と色の順番としては、陽極側から、B、Yの2段構造、Bと発光ユニットXとの2段構造、B、Y、Bの3段構造、B、X、Bの3段構造が挙げられ、発光ユニットXにおける発光層の積層数と色の順番としては、陽極側から、R、Yの2層構造、R、Gの2層構造、G、Rの2層構造、G、R、Gの3層構造、または、R、G、Rの3層構造などとすることができる。また、2つの発光層の間に他の層が設けられていてもよい。
 なお、図43C、図43Dにおいても、図43Bに示すように、層780と、層790とを、それぞれ独立に、2層以上の層からなる積層構造としてもよい。
 また、図43E及び図43Fにおいて、発光ユニット763aは、層780a、発光層771、及び、層790aを有し、発光ユニット763bは、層780b、発光層772、及び、層790bを有する。
 下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、層780a及び層780bは、それぞれ、正孔注入層、正孔輸送層、及び、電子ブロック層のうち一つまたは複数を有する。また、層790a及び層790bは、それぞれ、電子注入層、電子輸送層、及び、正孔ブロック層のうち一つまたは複数を有する。下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、層780aと層790aは互いに上記と逆の構成になり、層780bと層790bも互いに上記と逆の構成になる。
 下部電極761が陽極であり、上部電極762が陰極である場合、例えば、層780aは、正孔注入層と、正孔注入層上の正孔輸送層と、を有し、さらに、正孔輸送層上の電子ブロック層を有していてもよい。また、層790aは、電子輸送層を有し、さらに、発光層771と電子輸送層との間の正孔ブロック層を有していてもよい。また、層780bは、正孔輸送層を有し、さらに、正孔輸送層上の電子ブロック層を有していてもよい。また、層790bは、電子輸送層と、電子輸送層上の電子注入層と、を有し、さらに、発光層771と電子輸送層との間の正孔ブロック層を有していてもよい。下部電極761が陰極であり、上部電極762が陽極である場合、例えば、層780aは、電子注入層と、電子注入層上の電子輸送層と、を有し、さらに、電子輸送層上の正孔ブロック層を有していてもよい。また、層790aは、正孔輸送層を有し、さらに、発光層771と正孔輸送層との間の電子ブロック層を有していてもよい。また、層780bは、電子輸送層を有し、さらに、電子輸送層上の正孔ブロック層を有していてもよい。また、層790bは、正孔輸送層と、正孔輸送層上の正孔注入層と、を有し、さらに、発光層771と正孔輸送層との間の電子ブロック層を有していてもよい。
 また、タンデム構造の発光デバイスを作製する場合、2つの発光ユニットは、電荷発生層785を介して積層される。電荷発生層785は、少なくとも電荷発生領域を有する。電荷発生層785は、一対の電極間に電圧を印加したときに、2つの発光ユニットの一方に電子を注入し、他方に正孔を注入する機能を有する。
 次に、発光デバイスに用いることができる材料について説明する。
 下部電極761と上部電極762のうち、光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。また、表示装置が赤外光を発する発光デバイスを有する場合には、光を取り出す側の電極には、可視光及び赤外光を透過する導電膜を用い、光を取り出さない側の電極には、可視光及び赤外光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
 また、光を取り出さない側の電極にも可視光を透過する導電膜を用いてもよい。この場合、反射層と、EL層763との間に当該電極を配置することが好ましい。つまり、EL層763の発光は、当該反射層によって反射されて、表示装置から取り出されてもよい。
 発光デバイスの一対の電極を形成する材料としては、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを適宜用いることができる。当該材料としては、具体的には、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、インジウム、スズ、モリブデン、タンタル、タングステン、パラジウム、金、白金、銀、イットリウム、ネオジムなどの金属、及びこれらを適宜組み合わせて含む合金が挙げられる。また、当該材料としては、インジウムスズ酸化物(In−Sn酸化物、ITOともいう)、In−Si−Sn酸化物(ITSOともいう)、インジウム亜鉛酸化物(In−Zn酸化物)、及びIn−W−Zn酸化物などを挙げることができる。また、当該材料としては、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、及び、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)が挙げられる。その他、当該材料としては、上記例示のない元素周期表の第1族または第2族に属する元素(例えば、リチウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウム)、ユウロピウム、イッテルビウムなどの希土類金属及びこれらを適宜組み合わせて含む合金、グラフェン等が挙げられる。
 発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する一対の電極の一方は、可視光に対する透過性及び反射性を有する電極(半透過・半反射電極)を有することが好ましく、他方は、可視光に対する反射性を有する電極(反射電極)を有することが好ましい。発光デバイスがマイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
 なお、半透過・半反射電極は、反射電極として用いることができる導電層と、可視光に対する透過性を有する電極(透明電極ともいう)として用いることができる導電層と、の積層構造とすることができる。
 透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光デバイスの透明電極には、可視光(波長400nm以上750nm未満の光)の透過率が40%以上である電極を用いることが好ましい。半透過・半反射電極の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10−2Ωcm以下が好ましい。
 発光デバイスは少なくとも発光層を有する。また、発光デバイスは、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、電子ブロック材料、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。例えば、発光デバイスは、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電荷発生層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち1層以上を有する構成とすることができる。
 発光デバイスには低分子化合物及び高分子化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
 発光層は、1種または複数種の発光物質を有する。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもできる。
 発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、及び量子ドット材料などが挙げられる。
 蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、及びナフタレン誘導体などが挙げられる。
 燐光材料としては、例えば、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、またはピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、白金錯体、及び希土類金属錯体等が挙げられる。
 発光層は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料等)を有していてもよい。1種または複数種の有機化合物としては、正孔輸送性の高い物質(正孔輸送性材料)及び電子輸送性の高い物質(電子輸送性材料)の一方または双方を用いることができる。正孔輸送性材料としては、後述の、正孔輸送層に用いることができる正孔輸送性の高い材料を用いることができる。電子輸送性材料としては、後述の、電子輸送層に用いることができる電子輸送性の高い材料を用いることができる。また、1種または複数種の有機化合物として、バイポーラ性材料、またはTADF材料を用いてもよい。
 発光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)を用いた発光を効率よく得ることができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現できる。
 正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料としては、芳香族アミン化合物、及び、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料などが挙げられる。
 正孔輸送性材料としては、後述の、正孔輸送層に用いることができる正孔輸送性の高い材料を用いることができる。
 アクセプター性材料としては、例えば、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、及び、酸化レニウムが挙げられる。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。また、フッ素を含む有機アクセプター性材料を用いることもできる。また、キノジメタン誘導体、クロラニル誘導体、及び、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプター性材料を用いることもできる。
 例えば、正孔注入性の高い材料として、正孔輸送性材料と、上述の元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物(代表的には酸化モリブデン)とを含む材料を用いてもよい。
 正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体など)、芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)等の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
 電子ブロック層は、発光層に接して設けられる。電子ブロック層は、正孔輸送性を有し、かつ、電子をブロックすることが可能な材料を含む層である。電子ブロック層には、上記正孔輸送性材料のうち、電子ブロック性を有する材料を用いることができる。
 電子ブロック層は、正孔輸送性を有するため、正孔輸送層と呼ぶこともできる。また、正孔輸送層のうち、電子ブロック性を有する層を、電子ブロック層と呼ぶこともできる。
 電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
 正孔ブロック層は、発光層に接して設けられる。正孔ブロック層は、電子輸送性を有し、かつ、正孔をブロックすることが可能な材料を含む層である。正孔ブロック層には、上記電子輸送性材料のうち、正孔ブロック性を有する材料を用いることができる。
 正孔ブロック層は、電子輸送性を有するため、電子輸送層と呼ぶこともできる。また、電子輸送層のうち、正孔ブロック性を有する層を、正孔ブロック層と呼ぶこともできる。
 電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
 また、電子注入性の高い材料のLUMO準位は、陰極に用いる材料の仕事関数の値との差が小さい(具体的には0.5eV以下)ことが好ましい。
 電子注入層には、例えば、リチウム、セシウム、イッテルビウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF、xは任意数)、8−(キノリノラト)リチウム(略称:Liq)、2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPP)、2−(2−ピリジル)−3−ピリジノラトリチウム(略称:LiPPy)、4−フェニル−2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPPP)、リチウム酸化物(LiO)、炭酸セシウム等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物を用いることができる。また、電子注入層は、2以上の積層構造としてもよい。当該積層構造としては、例えば、1層目にフッ化リチウムを用い、2層目にイッテルビウムを設ける構成が挙げられる。
 電子注入層は、電子輸送性材料を有していてもよい。例えば、非共有電子対を備え、電子不足型複素芳香環を有する化合物を、電子輸送性材料に用いることができる。具体的には、ピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも1つを有する化合物を用いることができる。
 なお、非共有電子対を備える有機化合物の最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位は、−3.6eV以上−2.3eV以下であると好ましい。また、一般にCV(サイクリックボルタンメトリ)、光電子分光法、光吸収分光法、逆光電子分光法等により、有機化合物の最高被占有軌道(HOMO:highest occupied Molecular Orbital)準位及びLUMO準位を見積もることができる。
 例えば、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:BPhen)、2,9−ジ(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBPhen)、ジキノキサリノ[2,3−a:2’,3’−c]フェナジン(略称:HATNA)、2,4,6−トリス[3’−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(略称:TmPPPyTz)等を、非共有電子対を備える有機化合物に用いることができる。なお、NBPhenはBPhenと比較して、高いガラス転移点(Tg)を備え、耐熱性に優れる。
 電荷発生層は、上述の通り、少なくとも電荷発生領域を有する。電荷発生領域は、アクセプター性材料を含むことが好ましく、例えば、上述の正孔注入層に適用可能な、正孔輸送性材料とアクセプター性材料とを含むことが好ましい。
 また、電荷発生層は、電子注入性の高い材料を含む層を有することが好ましい。当該層は、電子注入バッファ層と呼ぶこともできる。電子注入バッファ層は、電荷発生領域と電子輸送層との間に設けられることが好ましい。電子注入バッファ層を設けることで、電荷発生領域と電子輸送層との間の注入障壁を緩和することができるため、電荷発生領域で生じた電子を電子輸送層に容易に注入することができる。
 電子注入バッファ層は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含むことが好ましく、例えば、アルカリ金属の化合物またはアルカリ土類金属の化合物を含む構成とすることができる。具体的には、電子注入バッファ層は、アルカリ金属と酸素とを含む無機化合物、または、アルカリ土類金属と酸素とを含む無機化合物を有することが好ましく、リチウムと酸素とを含む無機化合物(酸化リチウム(LiO)など)を有することがより好ましい。その他、電子注入バッファ層には、上述の電子注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。
 電荷発生層は、電子輸送性の高い材料を含む層を有することが好ましい。当該層は、電子リレー層と呼ぶこともできる。電子リレー層は、電荷発生領域と電子注入バッファ層との間に設けられることが好ましい。電荷発生層が電子注入バッファ層を有さない場合、電子リレー層は、電荷発生領域と電子輸送層との間に設けられることが好ましい。電子リレー層は、電荷発生領域と電子注入バッファ層(または電子輸送層)との相互作用を防いで、電子をスムーズに受け渡す機能を有する。
 電子リレー層としては、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)などのフタロシアニン系の材料、または、金属−酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体を用いることが好ましい。
 なお、上述の電荷発生領域、電子注入バッファ層、及び電子リレー層は、断面形状、または特性などによって明確に区別できない場合がある。
 なお、電荷発生層は、アクセプター性材料の代わりに、ドナー性材料を有していてもよい。例えば、電荷発生層としては、上述の電子注入層に適用可能な、電子輸送性材料とドナー性材料とを含む層を有していてもよい。
 発光ユニットを積層する際、2つの発光ユニットの間に電荷発生層を設けることで、駆動電圧の上昇を抑制することができる。
 本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせることができる。
 本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
500A:電子機器、500B:電子機器、500C:電子機器、500:電子機器、501:筐体、502:第1の部分、503:第2の部分、504:光学部材、505:装着具、506:部分、507:バッテリ、511:表示装置、512:レンズ、520:ケーブル、521:表示装置、522:反射板、523:反射面、524:光学部材、525:光学部材、526:レンズ、530L:左手、530R:右手、531:カメラ、532:カメラ、533:カメラ、540L:左手、540R:右手、540:ユーザー、550A:端末機、550B:端末機、550C:端末機、550:端末機、551:制御部、552:記憶部、553:開閉センサ、554:通信部、555:脳波センサ、556:音声出力部、557:マイク、558:通信部、560:視界、561:画像情報、562:画像情報、563:画像、564:オブジェクト、565:メニューアイコン、570:筐体、571:制御部、572:記憶部、573:通信部、574:通信部、575:表示装置、576:カメラ、577:センサ、578:バンド、579:イヤホン、580:コントローラ

Claims (10)

  1.  第1の表示装置と、第2の表示装置と、レンズと、スクリーンと、装着具と、筐体と、を有する電子機器であって、
     前記装着具は、前記筐体を頭部に固定させる機能を有し、
     前記筐体は、視界を遮るように閉じた第1の形態と、前方が視認できるように開いた第2の形態と、に変形する機能を有し、
     前記第1の形態において、前記レンズ及び前記スクリーンを介して前記第1の表示装置に表示された第1の画像を提供する機能と、
     前記第2の形態において、前記第2の表示装置から前記スクリーンに投影された第2の画像を提供する機能と、を有する、
     電子機器。
  2.  第1の表示装置と、第2の表示装置と、レンズと、スクリーンと、装着具と、筐体と、通信部と、を有する電子機器であって、
     前記装着具は、前記筐体を頭部に固定させる機能を有し、
     前記筐体は、視界を遮るように閉じた第1の形態と、前方が視認できるように開いた第2の形態と、に変形する機能を有し、
     前記第1の形態において、前記レンズ及び前記スクリーンを介して前記第1の表示装置に表示された第1の画像を提供する機能と、
     前記第2の形態において、前記第2の表示装置から前記スクリーンに投影された第2の画像を提供する機能と、を有し、
     前記通信部は、有線、または無線で、端末機と通信する機能を有し、
     前記第1の表示装置に供給する第1の画像データ、及び前記第2の表示装置に供給する第2の画像データは、それぞれ前記端末機から供給される、
     電子機器。
  3.  請求項1または請求項2において、
     前記筐体は、開閉する第1の部分と、前記スクリーンに固定された第2の部分と、を有し、
     前記第1の表示装置及び前記レンズは、前記第1の部分に設けられ、
     前記第2の表示装置は、前記第2の部分に設けられる、
     電子機器。
  4.  請求項1または請求項2において、
     前記第1の表示装置は、表示領域の面積が、前記第2の表示装置よりも大きい、
     電子機器。
  5.  請求項1または請求項2において、
     前記第2の表示装置は、精細度が前記第1の表示装置よりも高い、
     電子機器。
  6.  請求項1または請求項2において、
     前記第1の表示装置及び前記第2の表示装置は、それぞれ精細度が3000ppi以上10000ppi以下である、
     電子機器。
  7.  請求項1または請求項2において、
     前記第1の表示装置は、表示領域の大きさが、対角1.3インチ以上1.7インチ以下である、
     電子機器。
  8.  請求項1または請求項2において、
     一対の第1のカメラと、一対の第2のカメラと、を有し、
     前記第1のカメラは、前記筐体の前方を撮像する機能を有し、
     前記第2のカメラは、ユーザーの目を撮像する機能を有し、
     前記第1のカメラを用いて、ジェスチャー情報を取得する機能と、
     前記第2のカメラを用いて、虹彩の情報、または視線の動きの情報を取得する機能と、を有する、
     電子機器。
  9.  請求項8において、
     一対の第3のカメラを有し、
     前記第3のカメラは、前記筐体の前方を撮像する機能を有し、
     前記第3のカメラは、前記第1のカメラよりも画角が狭い、
     電子機器。
  10.  請求項2に記載の電子機器と、前記端末機と、サーバと、を有し、
     前記電子機器と、前記端末機とが、通信可能な状態であり、
     前記端末機と、前記サーバとが、ネットワークを介して接続される、
     通信システム。
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