WO2023026610A1

WO2023026610A1 - モータ

Info

Publication number: WO2023026610A1
Application number: PCT/JP2022/020670
Authority: WO
Inventors: 寒宇白川; 裕一西川; 佑基濱田; 空奥井
Original assignee: 日本電産株式会社
Priority date: 2021-08-24
Filing date: 2022-05-18
Publication date: 2023-03-02
Also published as: DE112022004077T5; CN117897889A

Abstract

本発明のモータの一つの態様は、軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータ、およびロータと隙間を介して対向するステータを有するモータ本体と、モータ本体を収容するハウジングと、ハウジングを軸方向一方側から覆うカバーと、電子部品を有し、ハウジングとカバーとの間に収容された制御部と、カバーに固定されたウエイト部材と、を備える。

Description

モータ

　本発明は、モータに関する。
　本願は、２０２１年８月２４日に出願された日本出願特願２０２１－１３６２０２号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　回路基板を覆うカバーが設けられたモータが知られている。例えば、特許文献１には、そのようなモータを備え、自動車用のブレーキ倍力装置等に適用される電動アクチュエータが記載されている。

特開２０１５－１８０１５５号公報

　上記のようなモータにおいては、モータの駆動に基づいて発生する振動の所定周波数とカバーの固有振動数とが一致した際に、カバーが共振して騒音が発生する恐れがある。

　本発明は、上記事情に鑑みて、モータ本体の振動に対してカバーが共振することを抑制できる構造を有するモータを提供することを目的の一つとする。

　本発明のモータの一つの態様は、軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータ、および前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータ本体と、前記モータ本体を収容するハウジングと、前記ハウジングを軸方向一方側から覆うカバーと、電子部品を有し、前記ハウジングと前記カバーとの間に収容された制御部と、前記カバーに固定されたウエイト部材と、を備える。

　本発明の一つの態様によれば、モータにおいて、モータ本体の振動に対してカバーが共振することを抑制できる。

図１は、第１実施形態のモータを示す断面図である。図２は、第１実施形態のモータを示す斜視図である。図３は、第１実施形態のモータを上側から見た図である。図４は、第１実施形態のモータの一部を示す断面図である。図５は、第２実施形態のモータの一部を示す断面図である。図６は、第３実施形態のモータの一部を示す断面図である。

　各図には、以下に説明する各実施形態のモータにおける中心軸Ｊを仮想的に示している。以下の説明においては、中心軸Ｊの軸方向を単に「軸方向」と呼ぶ。中心軸Ｊを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Ｊを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。各図に示すＺ軸は、中心軸Ｊが延びる方向を示している。以下の説明においては、軸方向のうちＺ軸の矢印が向く側（＋Ｚ側）を「上側」と呼び、軸方向のうちＺ軸の矢印が向く側と逆側（－Ｚ側）を「下側」と呼ぶ。

　また、各図に示すＸ軸は、軸方向と直交する第１方向を示している。以下の説明においては、Ｘ軸に平行な方向を「第１方向Ｘ」と呼ぶ。第１方向ＸのうちＸ軸の矢印が向く側（＋Ｘ側）を「第１方向Ｘの一方側」と呼び、第１方向ＸのうちＸ軸の矢印が向く側と逆側（－Ｘ側）を「第１方向Ｘの他方側」と呼ぶ。各図に示すＹ軸は、軸方向および第１方向Ｘの両方と直交する第２方向を示している。以下の説明においては、Ｙ軸に平行な方向を「第２方向Ｙ」と呼ぶ。第２方向ＹのうちＹ軸の矢印が向く側（＋Ｙ側）を「第２方向Ｙの一方側」と呼び、第２方向ＹのうちＹ軸の矢印が向く側と逆側（－Ｙ側）を「第２方向Ｙの他方側」と呼ぶ。

　以下の各実施形態において、上側は「軸方向一方側」に相当し、下側は「軸方向他方側」に相当する。なお、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。

＜第１実施形態＞
　図１に示すように、モータ１００は、ハウジング２０と、モータ本体５０と、上側ベアリング３３と、下側ベアリング３４と、カバー６０と、制御部８０と、コネクタ部９０と、を備える。モータ本体５０は、軸方向に延びる中心軸Ｊを中心として回転可能なロータ３０と、ロータ３０と隙間を介して対向するステータ４０と、を有する。

　ロータ３０は、シャフト３１と、ロータ本体３２と、を有する。シャフト３１は、軸方向に延びる中心軸Ｊを中心とする円柱状である。シャフト３１の下側の端部は、後述する出力軸孔２３ｂを通じてハウジング２０の下側へ突出している。ロータ本体３２は、シャフト３１の外周面に固定されている。図示は省略するが、ロータ本体３２は、シャフト３１の外周面に固定されたロータコアと、ロータコアに固定されたマグネットと、を有する。

　上側ベアリング３３および下側ベアリング３４は、シャフト３１を中心軸Ｊ回りに回転可能に支持している。下側ベアリング３４は、ステータ４０の下側において、ハウジング２０に保持されている。上側ベアリング３３は、ステータ４０の上側において、ハウジング２０に保持されている。

　ステータ４０は、ロータ３０の径方向外側に位置する。ステータ４０は、ロータ３０を囲む環状である。ステータ４０は、複数のコイル４１と、ステータコア４２と、を有する。ステータコア４２の外周面は、ハウジング２０の内周面に固定されている。複数のコイル４１は、例えば、図示しないインシュレータを介してステータコア４２に取り付けられている。

　ハウジング２０は、モータ本体５０を収容する。ハウジング２０は、ロータ３０およびステータ４０を収容する下部ハウジング２４と、下部ハウジング２４の上側に位置する上部ハウジング２５と、を有する。

　本実施形態において下部ハウジング２４は、金属製の板部材がプレス加工されて作られた板金部材である。下部ハウジング２４は、軸方向に延びる筒部２１と、筒部２１の下端に位置する底壁部２３と、上側に開口する開口部２４ａと、を有する。本実施形態において筒部２１は、中心軸Ｊを中心とする円筒状である。筒部２１の内周面には、ステータ４０が固定されている。なお、筒部２１の形状は、円筒状に限られず、例えば、多角形の筒形としてもよい。底壁部２３は、ステータ４０の下側に位置する。底壁部２３は、下側ベアリング３４を保持するベアリング保持部２３ａと、底壁部２３を軸方向に貫通する出力軸孔２３ｂと、を有する。

　上部ハウジング２５は、例えば、アルミニウム等からなる金属部材である。上部ハウジング２５は、下部ハウジング２４の上側に位置するヒートシンク部２５ａと、ヒートシンク部２５ａから径方向外側へ延びるコネクタ保持部２５ｂと、を有する。

　ヒートシンク部２５ａは、径方向の中央部に貫通孔２５ｆを有する環状である。貫通孔２５ｆには、シャフト３１の上端部が挿入されている。ヒートシンク部２５ａの上面には、制御部８０が配置されている。制御部８０は、図示しない伝熱部材を介してヒートシンク部２５ａと熱的に接続されている。ヒートシンク部２５ａは、制御部８０から伝わる熱を放散させ、制御部８０を冷却する。ヒートシンク部２５ａは、下面に開口する円筒状のベアリング保持部２５ｄを有する。ベアリング保持部２５ｄの内側には、上側ベアリング３３が保持されている。ヒートシンク部２５ａは、下面から下側に突出する筒状部２５ｅを有する。筒状部２５ｅは、下部ハウジング２４の上向きの開口部２４ａに上側から挿入されている。ヒートシンク部２５ａと下部ハウジング２４とは、図示しないボルトにより互いに固定されている。

　図１および図２に示すように、コネクタ保持部２５ｂは、ヒートシンク部２５ａから筒部２１の外周面よりも径方向外側に突出している。本実施形態においてコネクタ保持部２５ｂは、ヒートシンク部２５ａから第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）に突出している。コネクタ保持部２５ｂは、軸方向に見て、概ね矩形枠状である。図１に示すように、コネクタ保持部２５ｂは、コネクタ保持部２５ｂを軸方向に貫通するコネクタ挿入孔２５ｃを有する。コネクタ挿入孔２５ｃには、下側からコネクタ部９０が挿入されて保持されている。

　上部ハウジング２５は、上部ハウジング２５の外周面に位置する段差部２６を有する。段差部２６は、上部ハウジング２５の周方向に沿って延びている。段差部２６は、径方向外側を向く第１面２６ａと、第１面２６ａの下端から径方向外側に広がる上向きの第２面２６ｂと、を有する。

　制御部８０は、上部ハウジング２５の上面に配置されている。本実施形態において制御部８０は、軸方向と交差する方向に広がる回路基板８１と、回路基板８１に取り付けられた電子部品８２と、を有する。電子部品８２は、複数設けられている。本実施形態において複数の電子部品８２は、回路基板８１の上面に取り付けられている。複数の電子部品８２は、コンデンサ、およびインバータ回路を構成するトランジスタなどを含む。図示は省略するが、回路基板８１には、ステータ４０から延びる図示しないコイル線が電気的に接続されている。

　コネクタ部９０は、コネクタ保持部２５ｂに保持されている。コネクタ部９０は、コネクタ保持部２５ｂから下側に突出している。コネクタ部９０は、モータ本体５０に対して軸方向と直交する第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）に突出した位置に配置されている。コネクタ部９０は、樹脂製の保持部９１と、保持部９１に保持された複数のバスバー９２と、を有する。各バスバー９２の一端は、回路基板８１に電気的に接続されている。各バスバー９２の他端は、コネクタ部９０に設けられた図示しない凹部内に露出している。コネクタ部９０に設けられた図示しない凹部は、下側に開口している。バスバー９２の他端は、コネクタ部９０に接続される図示しない外部電源等に電気的に接続される。

　カバー６０は、下側に開口する容器状である。本実施形態においてカバー６０は、金属製の板部材がプレス加工されて作られた板金部材である。カバー６０は、ハウジング２０を上側から覆っている。本実施形態においてカバー６０は、上部ハウジング２５の上端部に取り付けられている。カバー６０とハウジング２０とによって、制御部８０を収容する収容空間Ｓが構成されている。つまり、制御部８０は、ハウジング２０とカバー６０との間に収容されている。

　図３に示すように、カバー６０は、第１部分６０ａと、第１部分６０ａの第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）に繋がる第２部分６０ｂと、を有する。第１部分６０ａは、軸方向に見て、中心軸Ｊを中心とする略円形状である。第２部分６０ｂは、軸方向に見て、略矩形状である。カバー６０は、天板部６１と、筒部６２と、フランジ部６３と、突出筒部６４と、を有する。

　図１に示すように、天板部６１は、制御部８０の上側に位置する。天板部６１は、板面が軸方向を向く板状である。天板部６１は、径方向に広がっている。図３に示すように、天板部６１は、第１部分６０ａに設けられた円弧部６１ａと、第２部分６０ｂに設けられた突出板部６１ｂと、を有する。円弧部６１ａは、周方向に延びる円弧状である。円弧部６１ａは、突出筒部６４の径方向外側において突出筒部６４に沿って配置されている。

　突出板部６１ｂは、突出筒部６４から第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）に突出する部分である。突出板部６１ｂは、軸方向に見て、略矩形状である。突出板部６１ｂにおける第１方向Ｘの他方側（－Ｘ側）の端部は、突出筒部６４および円弧部６１ａに繋がっている。図１に示すように、突出板部６１ｂの少なくとも一部は、軸方向に見て、コネクタ部９０と重なっている。本実施形態においては、突出板部６１ｂのうち第１方向Ｘの一方側の部分が軸方向に見てコネクタ部９０と重なっている。

　図１および図２に示すように、筒部６２は、天板部６１の径方向外周縁部から下側に突出している。筒部６２は、段差部２６に径方向外側から嵌め合わされている。図１に示すように、筒部６２は、制御部８０を径方向外側から囲んでいる。筒部６２は、傾斜部６２ａと、本体部６２ｂと、を有する。傾斜部６２ａは、天板部６１の径方向外周縁部から下側かつ斜め径方向外側に延びている。本体部６２ｂは、傾斜部６２ａの径方向外周縁部から下側に延びている。本体部６２ｂの下端部は、段差部２６の第１面２６ａを径方向外側から囲んでいる。本体部６２ｂの下端部における内周面は、例えば、第１面２６ａに接着剤で固定されている。

　フランジ部６３は、筒部６２の下端部から径方向外側に突出している。フランジ部６３は、筒部６２の下端部の全周に亘って設けられた環状である。フランジ部６３は、段差部２６の第２面２６ｂの上側に位置する。フランジ部６３は、例えば、第２面２６ｂに接着剤によって固定されている。

　突出筒部６４は、天板部６１から上側に突出している。突出筒部６４は、第１部分６０ａに設けられている。本実施形態において突出筒部６４は、中心軸Ｊを中心とし、下側に開口する円筒状である。突出筒部６４は、蓋壁部６４ａと、周壁部６４ｂと、を有する。蓋壁部６４ａは、中心軸Ｊを中心とする円板状である。周壁部６４ｂは、蓋壁部６４ａの径方向外周縁部から下側に突出している。周壁部６４ｂは、中心軸Ｊを中心とし、下側に開口する円筒状である。周壁部６４ｂの下端部は、円弧部６１ａの内周縁部、および突出板部６１ｂのうち第１方向Ｘの他方側（－Ｘ側）の端部に繋がっている。

　突出筒部６４は、電子部品８２の少なくとも一部を内部に収容している。本実施形態において突出筒部６４は、複数の電子部品８２の上側部分を内部に収容している。少なくとも一部が突出筒部６４の内部に収容される電子部品８２は、回路基板８１に取り付けられた電子部品８２のうちでも軸方向の寸法が比較的大きい電子部品８２である。軸方向の寸法が比較的大きい電子部品８２とは、例えば、コンデンサなどである。

　モータ１００は、カバー６０に固定されたウエイト部材７０を備える。本実施形態においてウエイト部材７０は、板面が軸方向を向く板状の部材である。図３に示すように、ウエイト部材７０は、軸方向に見て、第１方向Ｘに沿った辺および第２方向Ｙに沿った辺を有する矩形状である。そのため、ウエイト部材７０を軸方向に見て円形状などにする場合に比べて、ウエイト部材７０を作りやすい。

　本実施形態においてウエイト部材７０は、金属製である。ウエイト部材７０を構成する金属は、特に限定されない。ウエイト部材７０を構成する金属は、例えば、鉄、鉛、および銅などである。ウエイト部材７０を構成する金属は、合金であってもよい。図４に示すように、本実施形態においてウエイト部材７０の表面は、腐食防止剤７１でコーティングされている。これにより、金属製のウエイト部材７０が錆びるなどして腐食することを抑制できる。腐食防止剤７１は、ウエイト部材７０の腐食を抑制できるならば、どのような種類の材料であってもよく、金属であってもよいし、樹脂であってもよいし、ガラスおよびセラミックなどの非金属の無機物であってもよい。また、腐食防止剤７１は、どのような方法によってウエイト部材７０の表面にコーティングされてもよい。

　本実施形態においてウエイト部材７０は、カバー６０の外面に配置されている。ウエイト部材７０は、突出板部６１ｂに配置されている。ウエイト部材７０は、突出板部６１ｂの上側の面に接着剤７２によって固定されている。接着剤７２を用いることで、ウエイト部材７０を好適にかつ容易にカバー６０に固定できる。また、ウエイト部材７０を固定するためにボルトなどの固定部材を用いる場合に比べて、モータ１００を軽量化しやすい。

　ウエイト部材７０は、突出板部６１ｂのうち第１方向Ｘにおいて突出筒部６４に近い側（－Ｘ側）に配置されている。ウエイト部材７０は、突出筒部６４から第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）に離れて配置されている。

　なお、本明細書において「ウエイト部材が突出板部のうち第１方向において突出筒部に近い側に配置されている」とは、ウエイト部材の第１方向の中心位置が、突出板部の第１方向の中心位置よりも第１方向において突出筒部に近い位置であればよい。

　図１に示すように、ウエイト部材７０の少なくとも一部は、モータ本体５０よりも第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）に突出した位置に配置されている。本実施形態においては、ウエイト部材７０のうち第１方向Ｘの一方側の部分がステータ４０よりも第１方向Ｘの一方側に位置する。ウエイト部材７０のうち第１方向Ｘの他方側（－Ｘ側）の部分は、軸方向に見て、ステータ４０と重なる位置に配置されている。

　ウエイト部材７０の少なくとも一部は、軸方向に見て、コネクタ部９０と重なっている。本実施形態においては、ウエイト部材７０のうち第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）の端部が、軸方向に見て、コネクタ部９０と重なっている。ウエイト部材７０の全体は、例えば、軸方向に見て、回路基板８１と重なっている。

　図３に示すように、軸方向および第１方向Ｘの両方と直交する第２方向Ｙにおけるウエイト部材７０の位置は、カバー６０の第２方向Ｙの中心位置を含む。図３においては、カバー６０の第２方向Ｙの中心位置を仮想線ＩＬ１で示している。仮想線ＩＬ１は、第１方向Ｘに延びる仮想線であり、軸方向に見て、カバー６０の第２方向Ｙの中心、および中心軸Ｊを通っている。本実施形態においては、ウエイト部材７０の第２方向Ｙの中心位置が、カバー６０の第２方向Ｙの中心位置と同じである。つまり、軸方向に見て、仮想線ＩＬ１は、ウエイト部材７０の第２方向Ｙの中心を通っている。

　軸方向および第１方向Ｘの両方と直交する第２方向Ｙにおいて、ウエイト部材７０の寸法Ｌ１は、突出筒部６４の寸法Ｌ２よりも小さい。そのため、ウエイト部材７０が突出筒部６４に対して第２方向Ｙに突出することを抑制できる。これにより、ウエイト部材７０が他の機器などに干渉することを抑制できる。ウエイト部材７０における第２方向Ｙの一方側（＋Ｙ側）の端部は、突出筒部６４における第２方向Ｙの一方側の端部よりも第２方向Ｙの他方側（－Ｙ側）に位置する。ウエイト部材７０における第２方向Ｙの他方側の端部は、突出筒部６４における第２方向Ｙの他方側の端部よりも第２方向Ｙの一方側に位置する。つまり、突出筒部６４は、ウエイト部材７０よりも第２方向Ｙの両側に突出している。ウエイト部材７０の全体は、第１方向Ｘに見て、突出筒部６４と重なっている。

　図４に示すように、ウエイト部材７０の軸方向の寸法は、天板部６１の軸方向の寸法、すなわち天板部６１の厚さよりも大きい。ウエイト部材７０の軸方向の寸法は、突出筒部６４の軸方向の寸法よりも小さい。ウエイト部材７０の上側の端部は、突出筒部６４の上側の端部よりも下側に位置する。そのため、ウエイト部材７０を設けても、モータ１００が軸方向に大型化することを抑制できる。また、ウエイト部材７０が突出筒部６４よりも上側に突出しないため、ウエイト部材７０が他の機器などに干渉することをより抑制できる。

　本実施形態においてウエイト部材７０の全体は、軸方向および第１方向Ｘの両方と直交する第２方向Ｙに見て、仮想線ＩＬ２とカバー６０との間に配置されている。仮想線ＩＬ２は、第２方向Ｙに見て、突出筒部６４の上側の端部における第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）の縁部と突出板部６１ｂにおける第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）の端部とを結ぶ仮想線である。仮想線ＩＬ２は、第１方向Ｘの一方側に向かうに従って下側に位置する向きに斜めに延びている。仮想線ＩＬ２は、第２方向Ｙに見て、突出筒部６４における蓋壁部６４ａと周壁部６４ｂとの接続部と、突出板部６１ｂと筒部６２との接続部とに接する仮想直線である。ウエイト部材７０の全体は、仮想線ＩＬ２よりも下側に位置する。ウエイト部材７０の全体は、第２方向Ｙに見て、仮想線ＩＬ２と突出筒部６４と突出板部６１ｂとに囲まれた領域内に位置する。ウエイト部材７０の全体が仮想線ＩＬ２とカバー６０との間に配置されることで、ウエイト部材７０の全体を突出筒部６４の陰に配置することができ、ウエイト部材７０が他の機器などに干渉することをより抑制できる。

　本実施形態によれば、モータ１００は、カバー６０に固定されたウエイト部材７０を備える。そのため、ウエイト部材７０の質量が加えられることにより、ウエイト部材７０を含むカバー６０の固有振動数を変化させることができる。これにより、モータ本体５０の振動の周波数に応じてウエイト部材７０の質量を調整することで、ウエイト部材７０を含むカバー６０の固有振動数を、モータ本体５０の振動の周波数に対してずらすことができる。したがって、モータ本体５０の振動に対してカバー６０が共振することを抑制できる。そのため、カバー６０が振動することを好適に抑制でき、モータ１００から騒音が生じることを好適に抑制できる。

　例えば、カバー６０の一部を折り曲げるなどしてカバー６０の剛性を高めることによっても、モータ本体５０からカバー６０に伝わる振動を或る程度抑制することは可能である。しかしながら、この場合、カバー６０の固有振動数は変化しない、またはほとんど変化しないため、カバー６０の共振は抑制できないことが本発明者らの解析などにより分かっている。カバー６０が共振する場合には、カバー６０の振動の振幅が大きくなるため、上述した折り曲げなどによりカバー６０の剛性が高くなっていても、カバー６０の振動を十分に抑制することが困難である。これに対して、本実施形態によれば、上述したようにウエイト部材７０をカバー６０に取り付けることで、ウエイト部材７０を含めたカバー６０の質量を変化させることができ、ウエイト部材７０を含めたカバー６０の固有振動数を変化させることができる。これにより、モータ本体５０の振動に対してカバー６０が共振することを好適に抑制でき、カバー６０が振動することを好適に抑制できる。

　また、本実施形態によれば、天板部６１は、突出筒部６４から第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）に突出する突出板部６１ｂを有する。突出板部６１ｂの少なくとも一部は、軸方向に見て、コネクタ部９０と重なっている。ウエイト部材７０は、突出板部６１ｂに配置されている。突出筒部６４からコネクタ部９０と重なる位置まで突出する突出板部６１ｂは、カバー６０が振動する際に振動の腹になりやすい部分であり、カバー６０のうちでも比較的大きく振動しやすい部分である。そのため、突出板部６１ｂに対してウエイト部材７０を設けることで、ウエイト部材７０を含めた突出板部６１ｂの固有振動数を好適に変化させることができ、突出板部６１ｂが共振により振動することを好適に抑制できる。したがって、カバー６０が振動することをより好適に抑制できる。

　また、本実施形態によれば、ウエイト部材７０は、突出板部６１ｂのうち第１方向Ｘにおいて突出筒部６４に近い側（－Ｘ側）に配置されている。そのため、ウエイト部材７０をカバー６０の第１方向Ｘの中央部に寄せて配置しやすい。カバー６０の第１方向Ｘの中央部は、カバー６０のうちでも特に振動しやすい。したがって、ウエイト部材７０をカバー６０の第１方向Ｘの中央部に寄せて配置できることで、カバー６０が振動することをより抑制できる。例えば、本実施形態に示すカバー６０の構造では、突出筒部６４と突出板部６１ｂとの接続部分において特に振動が大きくなりやすいことが、本発明者らの解析などにより分かっている。そのため、突出筒部６４に近づけてウエイト部材７０を配置することで、ウエイト部材７０を突出筒部６４と突出板部６１ｂとの接続部分に近づけて配置することができ、カバー６０が振動することをより好適に抑制することができる。

　また、本実施形態によれば、ウエイト部材７０の少なくとも一部は、モータ本体５０よりも第１方向Ｘの一方側（＋Ｘ側）に突出した位置に配置されている。そのため、ウエイト部材７０を第１方向Ｘの一方側に延ばして、ウエイト部材７０の第１方向Ｘの寸法を或る程度大きくしやすい。これにより、ウエイト部材７０の質量を好適に大きくしやすく、ウエイト部材７０を含めたカバー６０の固有振動数を好適に変化させることができる。また、ウエイト部材７０のうちカバー６０に固定される固定面の面積を大きくしやすい。これにより、ウエイト部材７０をカバー６０に対して安定して固定しやすい。

　また、本実施形態によれば、ウエイト部材７０の少なくとも一部は、軸方向に見て、コネクタ部９０と重なっている。そのため、ウエイト部材７０を第１方向Ｘの一方側に延ばして、ウエイト部材７０の第１方向Ｘの寸法を或る程度大きくしやすい。これにより、ウエイト部材７０の質量を好適に大きくしやすく、ウエイト部材７０を含めたカバー６０の固有振動数を好適に変化させることができる。また、ウエイト部材７０のうちカバー６０に固定される固定面の面積を大きくしやすい。これにより、ウエイト部材７０をカバー６０に対して安定して固定しやすい。

　また、本実施形態によれば、軸方向および第１方向Ｘの両方と直交する第２方向Ｙにおけるウエイト部材７０の位置は、カバー６０の第２方向Ｙの中心位置を含む。カバー６０の第２方向Ｙの中心は、カバー６０が振動する際に振動の腹となりやすく、振動が大きくなりやすい。そのため、第２方向Ｙにおいてウエイト部材７０をカバー６０の中心位置を含む箇所に配置することで、カバー６０が振動することをより好適に抑制できる。

　また、本実施形態によれば、ウエイト部材７０は、突出板部６１ｂの上側の面に固定されている。そのため、ウエイト部材７０がカバー６０とハウジング２０との間の収容空間Ｓに配置されない。これにより、ウエイト部材７０が収容空間Ｓに配置される場合に比べて収容空間Ｓが狭くなることを抑制でき、収容空間Ｓに制御部８０を好適に配置できる。また、ウエイト部材７０をカバー６０の外部から固定することができるため、ウエイト部材７０の固定が容易である。このようにウエイト部材７０をモータ１００の外部に露出する箇所に配置した場合であっても、上述したようにウエイト部材７０の表面を腐食防止剤７１でコーティングすることにより、ウエイト部材７０が腐食することを抑制できる。

＜第２実施形態＞
　以下、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。図５に示すように、本実施形態のモータ２００において、ウエイト部材２７０は、カバー６０の内面に配置されている。そのため、ウエイト部材２７０がモータ２００の外部に出っ張らないため、モータ２００が大型化することを抑制できる。

　本実施形態においてウエイト部材２７０は、突出板部６１ｂの下側の面に固定されている。ウエイト部材２７０は、収容空間Ｓにおいて、回路基板８１の上側に間隔を空けて対向して配置されている。ウエイト部材２７０のその他の構成は、第１実施形態のウエイト部材７０のその他の構成と同様である。モータ２００のその他の構成は、第１実施形態のモータ１００のその他の構成と同様である。

＜第３実施形態＞
　以下、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。図６に示すように、本実施形態のモータ３００のカバー３６０において、天板部３６１における突出板部３６１ｂは、軸方向に窪む凹部３６１ｃを有する。凹部３６１ｃは、プレス加工などにより突出板部３６１ｂの一部を下側に窪ませて作られている。図示は省略するが、凹部３６１ｃの軸方向に見た形状は、ウエイト部材３７０の軸方向に見た形状と同様である。

　本実施形態においてウエイト部材３７０は、凹部３６１ｃ内に嵌め合わされている。そのため、ウエイト部材３７０の取り付け時、カバー３６０に対するウエイト部材３７０の位置決めが容易である。また、凹部３６１ｃが設けられることで、突出板部３６１ｂの剛性を向上できる。これにより、カバー３６０が振動することをより抑制できる。本実施形態においては、ウエイト部材３７０の下側部分が凹部３６１ｃ内に上側から嵌め合わされている。ウエイト部材３７０の下面は、例えば、凹部３６１ｃの底面に接着剤で固定されている。

　カバー３６０のその他の構成は、第１実施形態のカバー６０のその他の構成と同様である。ウエイト部材３７０のその他の構成は、第１実施形態のウエイト部材７０のその他の構成と同様である。モータ３００のその他の構成は、第１実施形態のモータ１００のその他の構成と同様である。

　本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。ウエイト部材を構成する材料は、特に限定されない。ウエイト部材を構成する材料は、金属以外の材料であってもよい。ウエイト部材の形状は、特に限定されない。ウエイト部材は、例えば、円柱状であってもよいし、四角柱状以外の多角柱状などであってもよい。ウエイト部材の表面は、腐食防止剤でコーティングされていなくてもよい。ウエイト部材が金属製の場合、ウエイト部材の表面には、電気防食処理が施されていてもよい。この場合においても、ウエイト部材が腐食することを抑制できる。ウエイト部材のカバーに対する固定方法は、特に限定されない。ウエイト部材は、カバーに対してボルトなどの固定部材を用いて固定されてもよいし、カバーの一部をカシメることによってカバーに固定されてもよい。

　ウエイト部材は、カバーのいずれの箇所に固定されていてもよい。ウエイト部材は、図１に二点鎖線で示すウエイト部材１７０、および図５に二点鎖線で示すウエイト部材４７０のように、突出筒部６４に固定されていてもよい。図１に示すように、ウエイト部材１７０は、突出筒部６４のうち蓋壁部６４ａの上面に固定されている。つまり、ウエイト部材１７０は、カバー６０の外面に固定されている。図５に示すように、ウエイト部材４７０は、蓋壁部６４ａの下面に固定されている。つまり、ウエイト部材４７０は、カバー６０の内面に固定されている。

　ウエイト部材は、複数設けられていてもよい。この場合、上述した各ウエイト部材のうち２つ以上の任意のウエイト部材が設けられてもよい。例えば、図１に示すウエイト部材７０とウエイト部材１７０とが共に設けられていてもよい。この場合、ウエイト部材７０の質量を突出板部６１ｂの共振を抑制するために適した質量として、ウエイト部材１７０の質量を蓋壁部６４ａの共振を抑制するために適した質量とすることで、突出板部６１ｂおよび蓋壁部６４ａが共振することをそれぞれ好適に抑制できる。したがって、カバー６０が振動することをより好適に抑制できる。

　本発明が適用されるモータの用途は、特に限定されない。モータは、例えば、車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。以上、本明細書において説明した構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。

　２０…ハウジング、３０…ロータ、４０…ステータ、５０…モータ本体、６０，３６０…カバー、６１，３６１…天板部、６１ｂ，３６１ｂ…突出板部、６４…突出筒部、７０，１７０，２７０，３７０，４７０…ウエイト部材、７１…腐食防止剤、７２…接着剤、８０…制御部、８２…電子部品、９０…コネクタ部、１００，２００，３００…モータ、３６１ｃ…凹部、ＩＬ２…仮想線、Ｊ…中心軸、Ｘ…第１方向、Ｙ…第２方向

Claims

　軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータ、および前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータ本体と、
　前記モータ本体を収容するハウジングと、
　前記ハウジングを軸方向一方側から覆うカバーと、
　電子部品を有し、前記ハウジングと前記カバーとの間に収容された制御部と、
　前記カバーに固定されたウエイト部材と、
　を備える、モータ。
　前記モータ本体に対して軸方向と直交する第１方向の一方側に突出した位置に配置されたコネクタ部を備え、
　前記カバーは、
　　前記制御部の軸方向一方側に位置する天板部と、
　　前記天板部から軸方向一方側に突出し、前記電子部品の少なくとも一部を内部に収容する突出筒部と、
　を有し、
　前記天板部は、前記突出筒部から前記第１方向の一方側に突出する突出板部を有し、
　前記突出板部の少なくとも一部は、軸方向に見て、前記コネクタ部と重なり、
　前記ウエイト部材は、前記突出板部に配置されている、請求項１に記載のモータ。
　前記ウエイト部材は、前記突出板部のうち前記第１方向において前記突出筒部に近い側に配置されている、請求項２に記載のモータ。
　前記ウエイト部材の少なくとも一部は、前記モータ本体よりも前記第１方向の一方側に突出した位置に配置されている、請求項２または３に記載のモータ。
　前記ウエイト部材の少なくとも一部は、軸方向に見て、前記コネクタ部と重なっている、請求項２から４のいずれか一項に記載のモータ。
　軸方向および前記第１方向の両方と直交する第２方向における前記ウエイト部材の位置は、前記カバーの前記第２方向の中心位置を含む、請求項２から５のいずれか一項に記載のモータ。
　前記突出板部は、軸方向に窪む凹部を有し、
　前記ウエイト部材は、前記凹部内に嵌め合わされている、請求項２から６のいずれか一項に記載のモータ。
　前記ウエイト部材は、前記突出板部の軸方向一方側の面に固定されている、請求項２から７のいずれか一項に記載のモータ。
　軸方向および前記第１方向の両方と直交する第２方向において、前記ウエイト部材の寸法は、前記突出筒部の寸法よりも小さい、請求項８に記載のモータ。
　前記ウエイト部材の軸方向一方側の端部は、前記突出筒部の軸方向一方側の端部よりも軸方向他方側に位置する、請求項８または９に記載のモータ。
　前記ウエイト部材の全体は、軸方向および前記第１方向の両方と直交する第２方向に見て、前記突出筒部の軸方向一方側の端部における前記第１方向の一方側の縁部と前記突出板部における前記第１方向の一方側の端部とを結ぶ仮想線と前記カバーとの間に配置されている、請求項８から１０のいずれか一項に記載のモータ。
　前記ウエイト部材は、前記カバーの内面に配置されている、請求項１から７のいずれか一項に記載のモータ。
　前記ウエイト部材は、接着剤によって固定されている、請求項１から１２のいずれか一項に記載のモータ。
　前記ウエイト部材は、金属製であって、
　前記ウエイト部材の表面は、腐食防止剤でコーティングされている、請求項１から１３のいずれか一項に記載のモータ。