WO2023013257A1 - 電解質測定用構造およびそれを用いたフロー型イオン選択性電極、ならびに電解質測定装置 - Google Patents

電解質測定用構造およびそれを用いたフロー型イオン選択性電極、ならびに電解質測定装置 Download PDF

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  • This connection structure can be fitted with a channel connecting portion 1707 provided in another ion selective electrode 1791 to connect channels of a plurality of ion selective electrodes.
  • a channel connecting portion 1707 provided in another ion selective electrode 1791 to connect channels of a plurality of ion selective electrodes.
  • two connected channels are shown as one for convenience.
  • the sealing material 1708 is formed with a flat sheet portion for sealing and a protrusion that fits into the recess 1710 for fixing.
  • This sealant 1708 has a structure in which the width of the protrusion of the sealant 1708 is made larger than the width of the recess 1710 in comparison with the sealant 1608 of FIG.
  • these electrolyte measurement structures 100 are brought closer to each other, and as shown in FIG. Then, the two electrolyte measurement structures 100 are fixed in a predetermined arrangement, and the respective flow paths 101a are connected.
  • the channel connecting portion 102 and the channel connecting portion 103 are connected via a sealing material, and the sample liquid for measurement flows from one channel 101a to the other channel 101a. In this case, it is possible to prevent the sample liquid from leaking to the outside.
  • the flow path connection portion 103 may not be provided when used in the flow path connection structures 1256 and 1264 of FIG. 12, which will be described later.
  • the adhesion strength of the sealing material is measured by using a sheet sample of the same material and area as the sealing material and a plate material of the same material as the housing. A flexible adhesive was applied to the sample, fixed to a jig connected to a tensile tester, the jig was lifted, and the maximum load until the sample came off was measured and obtained.

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Abstract

試料液の滞留による測定値への影響を低減でき、正確な測定を行うとともに、イオン選択性電極の交換作業を円滑に行うことができる電解質測定構造を提供する。 シール材を介して他の電解質測定用構造と接続可能であり、貫通する流路401aを有する本体401と、シール材405を本体401に固定する固定用凹みを有する固定構造404と、シール材405とを有し、シール材405は、シート領域と固定構造に固定される突起領域とが一体成型された弾性体であり、シール材405が固定構造404に固定された状態で、かつ他の電解質測定用構造と接していない状態において、シート領域の表面で最も突出している第1箇所の突出量が、突起領域の表面で最も突出している第2箇所の突出量よりも大きい電解質測定用構造。

Description

電解質測定用構造およびそれを用いたフロー型イオン選択性電極、ならびに電解質測定装置
 本発明は、溶液中の電解質濃度を測定するための電解質測定用構造、および、その電解質測定用構造を備えたフロー型イオン選択性電極、ならびに電解質測定装置に関する。
 イオン選択性電極は、試料液を検出部に接触させた際の検出部電極に生じる起電力と参照電極との電位差を計測することにより、試料液中の測定対象イオンの濃度が定量できる装置である。
 イオン選択性電極のうち、フロー型イオン選択性電極は、試料液が流れる流路を内蔵し、流路中に検出部が設けられている。このため、流路に流れる試料液を変更することにより、連続して測定対象イオンの濃度を測定可能である。
 また、測定対象イオンの異なるフロー型イオン選択性電極を複数連結したり、電極内の流路中に異なるイオンを測定対象とする検出部を複数設けたりすることにより、異なるイオン種についてそれぞれのイオン濃度を同時に測定することが可能である。
 このような利点から、フロー型イオン選択性電極は、医療分野の臨床検査に用いられており、電解質濃度測定の専用機だけでなく、生化学自動分析装置内においても電解質濃度測定ユニットとして搭載されている。なお、電解質濃度測定ユニット内のイオン選択性電極は、一般に消耗品であり、例えば、2、3か月で寿命となるため、所定期間が経過する度に新品との交換が必要となる。
 電解質濃度測定ユニットへのイオン選択性電極の取り付け方法としては、特許文献1に開示されているように、複数のイオン選択性電極を積み重ね、それぞれの流路の接続部分にOリングを用いる方法が良く知られている。
 図15は、特許文献1で開示されている、イオン選択性電極の流路接続部の従来構造の一例を示す概略図である。このイオン選択性電極は、筐体を形成する本体1501を貫通する流路1502を有し、その一端に接続構造が凸状に形成されている。この接続構造は、シール材を固定するための凹部1510が形成されている固定構造に、シール材であるOリング1508が保持されて構成されている。
 この接続構造を、他のイオン選択電極1591に設けられた流路接続部1507と嵌合し、複数のイオン選択電極の流路を接続したものとできる。図15では、接続された2つの流路を便宜的に一体として示している。この流路1502とOリング1508までは通常ある程度の距離をもって配置されるため、イオン選択電極同士の間には間隙1531が生じる。この間隙1531に、流路1502を流れる試料液の一部が流れ込み、滞留する。滞留した試料液は、複数の検体を順番に測定するような場合、次の測定のための試料液が流れてきた際に徐々に流路に放出されていく。
 このような構造の場合、滞留した試料液が、本来の測定対象である試料液に混ざり込むため、それが測定結果に影響を及ぼす場合がある。すなわち、試料液の量が多い場合は、測定結果に影響を及ぼす可能性が少ないが、試料液が少ない場合には、測定結果に影響を及ぼし、正確な測定を妨げる可能性がある。
 また、電解質濃度測定ユニットの1検体当たりの試薬消費量は微量であるが、連続稼働するとその消費量は多くなり、一日数回の頻度で試薬ボトル交換が必要となる。試薬ボトルの交換は再立ち上げによる検体計測のスループット低下につながるため、交換作業の低減がユーザーから強く求められている。なお、試薬液量を少なくすると液残りの比率が高くなるため、測定値への影響が大きくなる。
 このような課題を解決する技術として、平坦なシート部とイオン選択性電極の凹部に固定する凸部からなる突起部を有するシール材を用いることにより、流路とシール材の間隙を小さくして液残りを抑制する技術が特許文献2に開示されている。
 図16は、特許文献2で開示されている、イオン選択性電極の流路接続部の従来構造の一例を示す概略図である。このイオン選択性電極は、筐体を形成する本体1601を貫通する流路1602を有し、その一端に接続構造が凸状に形成されている。この接続構造は、シール材を固定するための凹部1610が形成されている固定構造に、シール材1608が保持されて構成されている。
 この接続構造を、他のイオン選択電極1691に設けられた流路接続部1607と嵌合し、複数のイオン選択電極の流路を接続したものとできる。図16では、接続された2つの流路を便宜的に一体として示している。ここで、シール材1608は、シールのための平坦なシート部と、固定のために凹部1610にはめ込まれる突起を有して形成されている。このような構造であると、シール材1608により流路近傍までシールされ、流路とシール材の間の間隙1631の体積を非常に小さくでき、流路1602を流れる試料液の一部が滞留する量を効果的に低減できる。
特開昭62-86548号公報 国際公開第2015/115303号
 しかし、このようなイオン選択性電極は、上記のように所定期間が経過する度に新品との交換が必要となる。この構造の場合、電極交換時にイオン選択性電極同士を引き離す際に、シール材1608がイオン選択性電極1691側にくっついて脱落してしまうことがあることがわかった。
 これは、シール材1608と接続先のイオン選択性電極筐体1691の接触面積が大きくなっており、2、3か月程度の使用期間中にシール材と接続先のイオン選択性電極筐体の固着が進むことが原因と考えられる。このような脱落が生じてしまうと、交換作業が煩雑になってしまう。
 そこで、本発明者らは、特許文献2の技術に対して、シール材をイオン選択性電極に確実に保持させるために上記シール材の突起部の幅を固定用の凹部の幅より大きくして、固定構造での固定力を向上させることを考えた。
 図17に、シール材を固定されるべきイオン選択性電極に確実に保持させるように上記シール材の構造を変化させた場合の流路接続部の一例を示す。このイオン選択性電極は、筐体を形成する本体1701を貫通する流路1702を有し、その一端に接続構造が凸状に形成されている。この接続構造は、シール材を固定するための凹部1710が形成されている固定構造に、シール材1708が保持されて構成されている。
 この接続構造を、他のイオン選択電極1791に設けられた流路接続部1707と嵌合し、複数のイオン選択電極の流路を接続したものとできる。図17では、接続された2つの流路を便宜的に一体として示している。ここで、シール材1708は、シールのための平坦なシート部と、固定のために凹部1710にはめ込まれる突起を有して形成されている。このシール材1708は、固定構造に確実に保持させるために、図16のシール材1608に対し、シール材1708の突起の幅を凹部1710の幅よりも大きくさせた構造としている。
 しかしながら、この場合、シール材1708の突起を凹部1710にはめ込んだ際に、突起部が押しつぶされるため、シール材1708の突起部の上部(シール材の周縁領域)が盛り上がった構造となってしまった。そのため、流路と繋がる他のイオン選択性電極とシール材の間の間隙1731が増加してしまい、特許文献2では解決していた液残りの問題が再発して、測定結果に影響を及ぼしてしまう懸念があった。
 上記課題を解決するために、本発明の一例である電解質測定用構造は、筐体およびシール材を有する、電解質測定用構造であって、前記電解質測定用構造は、前記シール材を介して、他の電解質測定用構造と接続可能であり、前記筐体は、貫通する流路を有する本体と、前記シール材を前記本体に固定する固定構造と、を有し、前記固定構造は、前記流路と接続した第1穴を有する第1突起と、前記第1突起の外周に形成された第2突起と、を有し、前記第1突起と前記第2突起とによって前記シール材を脱着可能に固定するための固定用凹みが形成されている。前記シール材は、前記他の電解質測定用構造に接するよう設計された表面と、前記固定構造と接するように設計された裏面と、を備え、シート状の領域であるシート領域と、前記シート領域の外周側面に設けられて前記固定用凹みに挟まれる突起である突起領域と、が一体成型された弾性体であり、前記シート領域は、前記シール材が前記固定構造に固定された状態において、前記第1穴に対応する位置に配置される、第2穴を有し、前記シール材が前記固定構造に固定された状態で、かつ前記他の電解質測定用構造と接していない状態において、以下で定義される第1突出量は第2突出量よりも大きい:第1突出量は、前記シート領域の表面で最も突出している第1箇所の突出量、第2突出量は、前記突起領域の表面で最も突出している第2箇所の突出量、ことを特徴とする。
 また、本発明の一例であるフロー型イオン選択性電極および電解質測定装置は、上記の電解質測定用構造を含むことを特徴とする。
 本発明の実施形態によれば、接続していた電解質測定用構造同士を引き離す際に、シール材と他の電解質測定用構造との癒着を低減して電極交換時のシール材脱落を防ぎつつ、接続時(測定時)の試料液が滞留する間隙を効果的に低減できる。これにより、試料液の滞留による測定値への影響を低減でき、正確な測定を行うとともに、電極の交換作業を円滑に行うことができる。
電解質測定用構造の一構成例を示す概略図。 図1Aで示した電解質測定用構造の断面図。 電解質測定用構造の接続の一例を説明する概略図。 電解質測定用構造の接続の一例を説明する概略図。 イオン選択性電極の一構成例を示す概略図。 電解質測定用構造の他の構成例を示す概略図。 図4Aで示した電解質測定用構造の断面図。 図4Aで示した電解質測定用構造の流路接続部を拡大した図。 図4Aのシール部材を電解質測定用構造から取り外した際の断面図。 他の電解質測定用構造の流路接続部を拡大した図。 他のシール部材を電解質測定用構造から取り外した際の断面図。 さらに他のシール部材を電解質測定用構造から取り外した際の断面図。 シミュレーションによる液残り量算出結果を示す図。 シール材の保持力、癒着力測定の一結果を示す図。 シール材をイオン選択性電極筐体に取り付けた状態での表面凹凸形状測定の一結果を示す図。 電解質濃度測定偏差確認実験の一結果を示す図。 電解質測定装置の一構成例を示す概略図。 流路接続部の変形例を説明する概略図。 流路接続部の変形例を説明する概略図。 流路接続部の変形例を説明する概略図。 従来のイオン選択性電極の流路接続部の一例を示す概略図。 従来のイオン選択性電極の流路接続部の他の例を示す概略図。 従来のイオン選択性電極の流路接続部の変形例を示す概略図。
 以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面のハッチングは、説明のために付しているものもあり、必ずしも断面を示しているものではない。また、断面図においても、断面のハッチングを省略している場合もある。
 図1Aおよび図1Bは、電解質測定用構造の一構成例を説明するための概略図である。
 ここで示した電解質測定用構造100は、貫通する流路101aを有するプラスチック製の本体101と、流路101aと他の電解質測定用構造の流路とを接続する流路接続部102と、を有して形成されている。ここで、図1Aは流路の軸方向から見た面(流路接続部102側の面)を、図1Bは図1Aの鎖線A-A’断面(流路に平行な面)をそれぞれ示した概略図である。
 流路接続部102は、例えば、流路101aの一端に凸状に設けられており、また、流路101aの他端には、流路接続部102と嵌合するように凹状の流路接続部103が設けられている。ここで、流路接続部102は、シール材とそのシール材を固定する固定構造とで構成されるが、これらの構造については後で詳細に説明する。
 このような流路接続部を有しているため、同一構造の電解質測定用構造を用意すると、それらの流路接続部を接続することができる。接続の操作について、図2Aおよび図2Bを参照しながら説明する。図2Aは、電解質測定用構造の接続前の状態を示した図であり、まず、2つの電解質測定用構造100を用意し、1つの電解質測定用構造100の流路接続部102と、他の電解質測定用構造100の流路接続部103とを対向させて配置する。
 そして、これら電解質測定用構造100を互いに近づけていき、図2Bに示したように、流路接続部102を流路接続部103に嵌合させ、押し付ける。そうすると、2つの電解質測定用構造100が所定の配置で固定され、それぞれの流路101aが接続される。このとき、後述するように、この流路接続部102と流路接続部103は、シール材を介して接続され、一方の流路101aから他方の流路101aへ、測定用の試料液が流れる際に、試料液が外部に漏れることを防ぐことができる。なお、流路接続部103は、後述する図12の流路連結構造1256、1264に用いる場合には、設けなくてもよい場合がある。
 また、図3は、図1Aおよび図1Bに示した電解質測定用構造100を用いた、イオン選択性電極の一構成例を示す概略図である。図3は、図1Bに対応する断面で見た図である。
 この図3に示すように、このイオン選択性電極300は、流路101aに検出部となる感応膜301が接している。感応膜301から見て流路101aと反対側には、内部液302が充填され、内部液302には、電極303が接触している。電極303は、例えば、銀/塩化銀電極で作製されている。
 感応膜301は、ナトリウム、カリウムなどの陽イオン選択電極とする場合は、例えば、クラウンエーテルなどのイオフォノアを含む膜など、陽イオンの選択透過性を有する膜を用いることができる。感応膜301は、塩素、炭酸などの陰イオン選択性電極とする場合は、イオノフォアを含む膜の他に、塩化銀、臭化銀などのハロゲン化銀やイオン交換膜など、陰イオンの選択透過性を有する膜を用いることができる。また、感応膜301は、参照電極とする場合は、多孔質ガラス、セラミックなどを用いることができる。感応膜301について上記説明したが、膜の材質としては、公知のものを使用できこれらに限るものではない。
 次に、上記説明した流路接続部について、以下、詳細に説明する。
 図4A~図4Dは、流路接続部の構成をより具体的に示した電解質測定用構造を説明するための概略図であり、図4Cおよび図4Dでは、特に、シール材の構成の一例を具体的に示している。
 ここで、図4Aは電解質測定用構造を、流路の軸方向から見た面(流路接続部402側の面)を、図4Bは図4Aの鎖線A-A’断面(流路に平行な面)をそれぞれ示した概略図である。また、図4Cは、流路接続部402の構造を拡大して示した概略図であり、図4Dは、電解質測定用構造からシール材を取り外したときの、シール材の断面形状を示した概略図である。
 ここで示した電解質測定用構造は、貫通する流路401aを有するプラスチック製の本体401と、流路401aの一端に形成された流路接続部402と、流路401aの他端に形成された流路接続部403と、を有する。また、流路接続部402は、固定構造404と、シール材405とで構成されている。なお、本体401に設けられた固定構造404を説明するために、図4Bおよび図4Cにおいて、便宜的に本体401と固定構造404との境界を破線で示したが、本体401と固定構造404は一体または別体のいずれで形成されていてもよく、これらを合わせて、電解質測定用構造の筐体とも言う。この場合、筐体にシール材405が取り付けられて、電解質測定用構造となる。
 この電解質測定用構造の本体401は、貫通する流路401aを有している。この流路401aは、測定用の試料液を通液させる流路であり、本体401に貫通穴として形成されている。また、本体401には、流路接続部402、403以外の位置合わせ用の突起をさらに有していてもよい。
 流路401aの一端には、この流路401aを他の電解質測定用構造の流路と接続する流路接続部402が設けられ、流路401aの他端には、さらに他の電解質測定用構造の流路と接続する流路接続部403が設けられている。
 流路接続部402は、例えば、流路401aの一端に、固定構造404と、シール材405とで構成された凸状に設けられ、流路接続部403は、流路401aの他端に流路接続部402が嵌合するように凹状に設けられて構成される。
 ここで、固定構造404は、図4Cに示したように、流路401aと接続した第1穴406を有する第1突起404aと、この第1突起404aの外周に形成された第2突起404bとを有する。そして、第1突起404aと第2突起404bによって、シール材405を着脱可能に固定するための固定用凹み404cが形成されている。すなわち、シール材405の突起部分が、第1突起404aの側面と第2突起404bの側面とで挟まれて固定される。なお、第1穴406は、その穴の全部または一部が流路401aと繋がっており、試料液が通液可能となっていればよい。
 シール材405は、弾性体等の電解質測定用構造の筐体よりも柔らかい材質で形成され、筐体(固定構造404)から脱着可能な部材である。このシール材405は、他の電解質測定用構造に接するよう設計された表面(図4C、図4Dに示した図においては、上側の面)と、固定構造404(第1突起404a)と接するように設計された裏面(図4C、図4Dに示した図においては、下側の面)と、を備えている。
 すなわち、シール材405の表面は、筐体と別の電解質測定用構造が連結するときに、当該別の電解質測定用構造と接する面である。シール材405の裏面は、その電解質測定用構造の固定構造と接する面である。したがって、複数の電解質測定用構造を連結する際に、シール材405の表面が他の電解質測定用構造に、裏面が固定構造404に、それぞれ接して押し付けられることで、流路401aを通過する試料液を外部に漏らさないようにできる。
 このシール材405は、シート状の領域であるシート領域405aと、シート領域405aの外周側面に設けられ、固定用凹み404cに挟まれる突起状の突起領域405bと、が一体成型されてなる。
 シート領域405aは、固定構造404の固定用凹み404cの内側(流路401a側)を覆う部分であり、シール材405が固定構造404に固定された状態において、第1穴406に対応する位置に配置される第2穴407を有する。この第2穴407の設けられる位置は、固定構造404に固定されたときに、その穴の全部または一部が第1穴406と接続され、試料液が通液可能となっていればよい。
 突起領域405bは、固定構造404の固定用凹み404cに対応した位置に設けられ、シート領域405aの外周側面に、固定用凹み404cに挟まれるようにシート領域から突出して形成されている。なお、シール材405は上記のように固定用凹み404cにおいて押圧されて固定することが好ましい。この場合には、シール材405の突起領域405bの幅を固定用凹み404cの幅よりも大きくなるように形成すればよい。このようにすると、突起領域405bが、第1突起404aの側面と第2突起404bの側面とで押圧されて固定され、固定力を高く保持できる。
 このシール材405は、固定構造404に固定された状態で、かつ他の電解質測定用構造と接していない状態において、以下で定義される第1突出量が第2突出量よりも大きいものとする。ここで、第1突出量は、シート領域405aの表面で最も突出している部分を第1箇所としたとき、その第1箇所の突出量であり、第2突出量は、突起領域405bの表面で最も突出している部分を第2箇所としたとき、その第2箇所の突出量である。
 これらの突出量は、複数の電解質測定用構造を脱着するときの脱着方向の突出量と言うこともでき、例えば、固定構造404の第1穴406の中心軸に沿った方向の突出量とすることが好ましい。
 より具体的には、シール材405の他の電解質測定用構造と接する面(表面)において、固定構造の突起表面(図4Cにおける第1突起404aの上側の面)を基準面としたとき、その基準面からの垂直方向の距離を突出量とする。さらに、シート領域405aの表面で最も突出量が大きい部分を第1箇所、突起領域405bの表面で最も突出量が大きい部分を第2箇所とする。このとき、第1箇所の突出量が、第2箇所の突出量よりも大きくなるようにシール材を形成しておく。
 図4A~図4Dで示したシール材405は、第1箇所がシート領域405aの第2穴407に隣接した部分であり、第2箇所が突起領域405bの全領域(突出量が同一)の例である。このとき、第1箇所の突出量が、第2箇所の突出量よりも大きくなっており、他の電解質測定用構造と接続したとき、第1箇所で確実にシールされ、第2箇所は他の電解質測定用構造とは接触していないか、接触していても圧力が弱い。
 そのため、接続状態から、電解質測定用構造同士を引き離す際に、他の電解質測定用構造の筐体と接触するシール材の表面(特に、シート領域405aの表面)が、突起領域405b側から離れていき、シール材405と他の電解質測定用構造とが固着することを抑制できる。
 シール材405のシート領域405aにおいては、上記突出量の関係は、第2穴407側から、シート領域405aの外周に行くに従い、平均厚さが小さくなるように形成されており、上記突出量と厚さがおおよそ同一の関係となっている。なお、本明細書における平均厚さは、シール材405の第2穴を中心として、同一距離で形成される円周方向の厚さの平均値を意味する。
 このとき、第2穴407を基準として、シート領域405aの第1箇所より遠い箇所(外周側の箇所)の突出量は、第1箇所の突出量よりも小さいことが好ましい。このようにすることで、他の電解質測定用構造との接触面積を小さくして、固着することをより抑制できる。また、上記第1箇所が、第2穴407に隣接する箇所に設けられていることがより好ましく、この場合、さらに他の電解質測定用構造との接触面積を小さくして、固着することをより抑制できる。
 なお、シール材405は、図4Dに示したように、電解質測定用構造(固定構造404)から取り外すと、シート領域405aの外周に設けられている突起領域405b(突起領域の上部)の形状が変化する例を示している。本明細書において、この形状が変化する部分(肩が落ちている部分)を、シール材405の「周縁領域」と称する。
 すなわち、図4Dにおいて、この周縁領域は、シール材の表面において、シート領域405aの表面の平均勾配(突出量の変動割合)が、突起領域405bの表面の平均勾配(突出量の変動割合)より小さくなっている。すなわち、シート領域405aの傾斜よりも、突起領域405bの傾斜が大きい。
 この傾斜は、例えば、シート領域405aにおいては、固定構造に固定したときの第1突起との接触面(シート領域405aの裏面)を水平面としたとき、その水平面に対する傾斜角度で表わすことができ、2~10度が好ましい。また、突起領域405bの傾斜角度は、該水平面に対して、20~40度が好ましい。
 このように、図4Dでは、突起領域405bの周縁領域が落ち込んでいるが、これを電解質測定用構造(固定構造404)に固定するとき、好ましくは突起領域405bが固定用凹み404cにより押圧されるように形成している。そのため、その押圧により弾性変形し、盛り上がって、図4Cに示したように、突起領域405bにおける突出量は突起領域405bの全領域でほぼ等しくなる。なお、この例は一例であり、上記説明したように、シート領域405aの第1箇所の突出量に対して、第2箇所の突出量が小さい関係を維持していれば、突起領域405bの突出量はどのように変動してもよい。
 また、上記平均勾配の関係は、本実施形態においては、満たしていてもいなくてもどちらでもよいが、満たしていると、シール材405が取り付けられたときの突起領域405bの表面(シール材405の周縁領域)の突出量の増加を抑制でき、好ましい。
 なお、シート領域405aにおいて、最も突出量の大きい第1箇所から突起領域の接続部分まで、図4Dに示したように、その平均厚さおよび平均突出量が徐々に小さくなっていることが好ましい。このとき、電解質測定用構造同士を引き離す際に、シート領域405aの周辺側が離れている最中の離間力が効率的に働く。一方で、外周にいくほど厚みが薄くなり、突出量も小さくなるので、早く離間し、他の電解質測定用構造に固着し、持っていかれることがより軽減する。
 さらに、図4Cでは、シート部312と第1突起309が密着している構造となっているが、必ずしも密着する必要はなく、図5に示したように、突起領域405bが固定用凹み404cに固定される際に、シート領域405aが変形して第1突起404aとの間に空間ができるような場合でも、流路401aに近い部分で接触していれば、流路401aを通る試料液の滞留を効果的に抑制できる。
 このようなシール材405としては、その平均厚さは、使用する電解質測定用構造に応じて調整すればよく限定されるものではないが、例えば、シート領域405aと突起領域405bの接続部分の厚さを0.1~0.5mm、シート領域405aの第2穴407に隣接する部分の厚さを0.2~0.6mm(ただし、シート領域405aと突起領域405bの接続部分の厚さより0.05mm以上厚いこととする)、突起領域405bの固定用凹みに嵌め込む幅を1.0~1.2mm、の場合が例示できる。
 さらに具体的には、シート領域405aと突起領域405bの接続部分(境界)の厚さを0.4mmとし、シート領域405aの第2穴407に隣接する部分の厚さを0.5mmとするような場合を例示できる。このとき、突起領域405bの周縁領域において、その表面がシート領域405aの表面よりも突出しないように肩を落とした構造とすることが好ましい。
 なお、図4A~Dでは、固定構造404は円柱状の凸部となっており、シール材405は円盤状のシート領域の外周側面に、円環状の突起領域が一体成型された形状をそれぞれ示しているが、これらの形状に限定されるわけではない。ただし、シール性能、製造や取り扱いのし易さから、シール材405は、図4A~Dで示したような円形を基本形状とするものが好ましい。
 また、他の構造として、図6に示したように、シール材405は、電解質測定用構造から取り外された状態で、シール材405の表面が、シート領域405aにおいては勾配を有することなく平面(平坦)になっており、シール材405の裏面が勾配を有するように形成されたものも例示できる。この図6では、シート領域405aの平均厚さが、図4Dで示したシール材405と同様に変動するものを示しており、シール材405の裏面において、シート領域405aが第2穴407に近づくほど、固定構造404側に突出した構造となっている。この図6のシール材405を筐体に取り付けた場合、その構造は図4Cで示した電解質測定用構造と同一となる。
 また、シール材405は、上記のように弾性体で構成され、電解質測定用構造の筐体より柔らかい材質から形成されている。ところで、シール材405が、柔らかすぎる場合、突起領域405bが固定用凹み404cで固定されにくくなり、硬すぎる場合、突起領域405bが固定用凹み404cにはまらなくなる。そのため、シール材405の材料としては、ゴム硬度が60~80であることが好ましい。
 なお、シール材405を弾性体で形成する場合、実際には、図7で示したように、その表面が滑らかな曲率を有して形成されることが、製造上の観点からも好ましい。なお、このように曲率を有して形成する場合、試料液が通過する領域を全て含み、第2穴の軸方向に延長した部分を第2穴407とみなすことが好ましい。すなわち、シール部材の第2穴407の内側面が、第2穴の中心方向にせり出した形状の場合、そのせり出した部分も含め第2穴とする。
 このとき、第1箇所が第2穴に隣接した位置に配置され、最後に離間する第1箇所が最も小さくなり、シール材405の最も中心側に位置するため、滞留する試料液を低減しつつ、複数の電解質測定用構造の連結を解除するときに、シール材が他の電解質測定用構造に固着し持っていかれることを、より顕著に抑制できる。
 また、図7において、シート領域405aと突起領域405bとは、突起領域405bを形成する起点(シート部材の裏面において、シート領域の平坦面から突起領域の形成準備のために曲率を有して変化する起点)となっている部分を境界とする。
 上記説明した構成とすることで、滞留する試料液を低減しつつ、複数の電解質測定用構造の連結を解除するときに、シール材が他の電解質測定用構造に固着し持っていかれることを抑制できる。なお、この持っていかれる現象は、例えば、シール材が持つ粘着力、試液が乾燥することにより生じる接着力、または試液がシール材と他の電解質測定用構造との間のシーラントの働きをすることで、連結解除時に吸盤のような働きをしてしまう、といった事態で発生すると考えられる。特に、シール材が持つ粘着力は、シール材と電解質測定用構造との接触初期には、シール材を構成する高分子が接着界面に拡散、吸着することによる二次結合(水素結合やファンデルワールス力などの物理的相互作用)によって弱い結合であるが、その後、時間の経過とともに、一次結合(化学的な相互作用)が生成することにより、より強固な固着へと発展していくと考えられる。
 本実施形態では、その持っていかれる現象を軽減する作用として、連結解除の際に、まずは突出量の少ない突起領域が固定用凹みによるしっかり固定されることによって、シート領域より先に他の電解質測定用構造との間の距離が大きくなり離れ(シール材は弾性変形しつつ)、その後、シート領域が離れていく。そのため、従来技術の特許文献2のようにシール材の表面が一度にまとめて離れるときと比べて、大きな力が働くことがない。また、外側から先に離れていき外気が入り込むので、吸盤のような作用も軽減できる。
 上記説明した電解質測定用構造は、図3に示したように、感応膜と、内部液と、電極と、を設けることでイオン選択性電極とできる。
 図8は、図16に示した流路接続部の従来構造と、図4Cに示した本実施形態の流路接続部の構造とについて、有限要素法による大変形解析により、液残りの割合すなわち流路部分体積に対する、間隙部分体積の比率を算出した結果を示す。
 シール材のモデルは非線形のNeo-Hooken(Beomkeun Kim et.al.:International Journal of Precision Engineering and Manufacturing,13,pp.759-764(2012))モデルを用い、設定パラメータの初期せん断弾性係数は3.3MPa、ポアソン比は0.4999とした。回転体であるため、二次元の軸対象モデルで計算を行った。解析はANSYS Workbench 19.2(ANSYS社製)を用いた。
 流路接続部の従来構造では、液残りの割合が約0.9%であるのに対して、本実施形態の流路接続部の構造では、液残りの割合が約0.5%と低減できる。
 図9は、図16に示した流路接続部の従来構造と図4Cに示した本実施形態の流路接続部の構造とについて、シール材の保持力、癒着力の測定結果を示す。
 シール材の保持力は、シール材を筐体の凹部もしくは固定用凹みにはめ込んだ後にシール材の表面に速硬化性接着剤を塗布し、引張試験機に連結する治具に固着させ、治具を上昇させシール材が外れるまでの最大荷重を測定し、求めた。
 シール材の癒着力は、シール材と同材料、同面積のシート状サンプルおよび、筐体と同材料の板材を用いて、一定時間サンプルと板材を加圧接触させた後、サンプル上面に速硬化性接着剤を塗布し、引張試験機に連結する治具に固着させ、治具を上昇させサンプルが外れるまでの最大荷重を測定し、求めた。
 図9の縦軸は保持力と癒着力の差を表しており、保持力が癒着力より大きいと正の値となる。流路接続部の従来構造に比べ、本実施形態の流路接続部の構造では、保持力が癒着力より大きく勝っている。このことは、電極交換時にシール材が脱落してしまうことを防ぎ、交換作業が煩雑になってしまうことを防ぐことができることを示している。
 図10は、図16に示した流路接続部の従来構造と図4Cに示した本実施形態の流路接続部の構造とについて、シール材をイオン選択性電極筐体に取り付けた状態での表面凹凸形状の測定結果を示す。
 図10の横軸の中央(0点)は、流路中心を示す。従来構造では、周辺部が突出した形状となっているが、本実施形態の構造では、流路中心付近が最も突出していることがわかった。本実施形態のような構造であれば、イオン選択性電極と電解質測定用構造を接続させる際に、シール材が流路付近より接触し始めるため、流路近傍で確実にシールされる。流路と繋がる部分において、他の電解質測定用構造とシール材との間の間隙の体積を小さくできるため、流路を流れる試料液の一部が滞留する量を効果的に低減できる。
 図12は、図1の電解質測定用構造を用いた電解質測定装置の一例を示す概略図である。
測定ユニット1251には、記録演算部1271、制御部1272、表示部1273が接続されている。測定ユニット1251は、希釈槽1270およびイオン選択性電極1261、1262、1263および参照電極1255および流路連結構造1254、1256、1260、1264および電位計測部1265および配管1252、1257、1266およびポンプ1258および分注ノズル1267、1268、1269および参照液1253および廃液タンク1259を有する。
 ここで、電解質測定用構造は、イオン選択性電極1261、1262、1263および参照電極1255および流路連結構造1254、1256、1260、1264である。
 分注ノズルにより、血液や尿などの検体、希釈液、内部標準液を希釈槽1270に分注吐出する。希釈槽1270内の溶液をポンプ1266により吸引する。
 希釈槽1270から吸引された溶液は配管1266を通じてイオン選択性電極1263、1262、1261の流路に導入され、さらに配管1257とポンプ1258を通じて廃液タンク1259に廃液される。一方、参照液1253は、配管1252を通じて参照電極1255の流路に導入され、さらに配管1257とポンプ1258を通じて廃液タンク1259に廃液される。電極の端子は、電位計測部1265に接続されている。
 図11は、図15に示した流路接続部の従来構造(従来構造1)と、図16に示した流路接続部の従来構造(従来構造2)と、図4Cに示した本実施形態の流路接続部の構造と、について、図12に示した電解質測定装置を用いて行った、電解質濃度測定偏差確認実験の結果を示す。
 実験では、濃カリウム溶液(80mmol/Lまたは100mmol/L)の濃度を測定した際の測定値の偏差を評価した。濃度測定は用いる電極の個体差が反映されること、および、従来構造2の測定と本実施形態の構造の評価で異なる電極を用いらざるを得なかったことから、それぞれの測定において、電極筐体を共通として、シール材に従来構造1のシール材を用いたときのカリウム濃度の測定値の偏差を評価し、この値に対する当該構造のシール材を用いたときのカリウム濃度の測定値の偏差の比率を、規格化偏差とした。
 本実施形態の構造での規格化偏差は約0.6であり、従来構造2の規格化偏差は約0.8に比べ偏差が低減している。
 <変形例>
 図13Aおよび図13Bは、本発明の電解質測定用構造の流路接続部について、他の構成例を示す概略図である。
 図13Aは、シール材を電解質測定用構造に取り付けた状態での流路接続部の概略図を示している。この図に描かれていない範囲の構造については、上記で説明した構造(図4A~図4C)と同じである。
 この構造では、第2穴407に隣接する位置におけるシート領域405aの平均厚さは、シート領域405aの突起領域405bとの接続部分における平均厚さよりも大きい。また、この図13Aでは、シート領域405aにおいて、第1箇所が、第2穴から外周方向に幅を有して形成されており、第1箇所の厚さの領域が大きくなっている。そのため、複数の電解質測定用構造を引き離す際に、最後に離間する第1箇所の厚さを増やすことで、離間開始時から終了までのシール材の弾性体復元力により第1箇所以外の離間を支援することができる。
 また、図13Bに示すように、シート領域405aの表面に凹凸構造1301を有してもよい。ただし、この凹凸構造の深さは、第2穴407に隣接する位置におけるシート領域405aの平均厚さとシート領域405aの突起領域405bとの接続部分の平均厚さの差よりも浅いものとする。
 このような構造であれば、電解質測定用構造を接続させる際に、シール材が流路付近より接触し始めるため、流路近傍でシールされる。流路と繋がる他の電解質測定用構造とシール材との間の間隙の体積を小さくできるため、流路を流れる試料液の一部が滞留する量を効果的に低減できる。
 図14は、電解質測定用構造の流路接続部について、本発明のさらに他の構成例を示す概略図である。シール材を電解質測定用構造に取り付けた状態での流路接続部の拡大図を示している。この図に描かれていない範囲の構造については、上記で説明した構造(図4A~図4C)と同じである。
 この構造では、シート領域405aの第2穴407から外周に向かって平均厚さが小さくなる部分を一部に有し、その途中で、一転した外周に向かって平均厚さが大きくなる部分を有する例を示している。
 このような場合でも、シート領域405aにおける第1箇所の突出量が、突起領域405bにおける第2箇所の突出量よりも、大きい関係を保持していれば、電解質測定用構造と接続させる際に、シール材405が流路付近より接触し始めるため、流路近傍でシールされる。この例でも、上記本実施形態と同等の効果を奏することができ、流路と繋がる他の電解質測定用構造とシール材との間の間隙の体積を小さくできるため、流路を流れる試料液の一部が滞留する量を効果的に低減できる。
 以上より、電解質測定用構造によれば、これを用いてイオン選択性電極を構成でき、また複数の電解質測定用構造を接続して電解質測定装置を構成したとき、その電解質測定用構造の交換時にシール材が脱落することを抑制でき、流路接続部の間隙に滞留する試料液量を低減させて、測定結果への影響を低減できる、という2つの有利な効果の両立が可能である。
 なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100:電解質測定用構造
101、401:本体
101a、401a:流路
102、402:流路接続部
103、403:流路接続部
300:イオン選択性電極
301:感応膜
302:内部液
303:電極
404:固定構造
404a:第1突起
404b:第2突起
404c:固定用凹み
405:シール材
405a:シート領域
405b:突起領域
406:第1穴
407:第2穴
1251:測定ユニット
1252、1257、1266:配管
1253:参照液
1254、1256、1260、1264:流路連結構造
1255:参照電極
1258:ポンプ
1259:廃液タンク
1261、1262、1263:イオン選択性電極
1265:電位計測部
1267、1268、1269:分注ノズル
1270:希釈槽
1271:記録演算部
1272:制御部
1273:表示部

Claims (10)

  1.  筐体およびシール材を有する、電解質測定用構造であって、
     前記電解質測定用構造は、前記シール材を介して、他の電解質測定用構造と接続可能であり、
     前記筐体は、貫通する流路を有する本体と、前記シール材を前記本体に固定する固定構造と、を有し、
     前記固定構造は、前記流路と接続した第1穴を有する第1突起と、前記第1突起の外周に形成された第2突起と、を有し、前記第1突起と前記第2突起とによって前記シール材を脱着可能に固定するための固定用凹みが形成され、
     前記シール材は、前記他の電解質測定用構造に接するよう設計された表面と、前記固定構造と接するように設計された裏面と、を備え、シート状の領域であるシート領域と、前記シート領域の外周側面に設けられて前記固定用凹みに挟まれる突起である突起領域と、が一体成型された弾性体であり、
     前記シート領域は、前記シール材が前記固定構造に固定された状態において、前記第1穴に対応する位置に配置される、第2穴を有し、
     前記シール材が前記固定構造に固定された状態で、かつ前記他の電解質測定用構造と接していない状態において、以下で定義される第1突出量は第2突出量よりも大きい:
      第1突出量は、前記シート領域の表面で最も突出している第1箇所の突出量、
      第2突出量は、前記突起領域の表面で最も突出している第2箇所の突出量、
    ことを特徴とする電解質測定用構造。
  2.  請求項1に記載の電解質測定用構造であって、
     前記シール材の前記突起領域は、前記固定用凹みを形成する前記第1突起と前記第2突起の各側面に挟まれ、押圧され固定される、ことを特徴とする電解質測定用構造。
  3.  請求項1に記載の電解質測定用構造であって、
     前記第2穴を基準として、前記シート領域の第1箇所より遠い箇所の突出量は、前記第1箇所の突出量よりも小さい、
    電解質測定用構造。
  4.  請求項1に記載の電解質測定用構造であって、
     前記第1箇所が、前記第2穴に隣接する箇所である、
    ことを特徴とする電解質測定用構造。
  5.  請求項4に記載の電解質測定用構造であって、
     前記第2穴を形成する前記シール材の内側面は、前記第2穴中心方向にせり出している、
    電解質測定構造。
  6.  請求項4に記載の電解質測定用構造であって、
     前記第1箇所の厚さは、前記シート領域の前記突起領域との接続部分における平均厚さよりも大きい、ことを特徴とする電解質測定用構造。
  7.  請求項4に記載の電解質測定用構造であって、
    前記シール材が前記固定構造から取り外された状態では、
     前記シート領域において、前記第1箇所から前記突起領域まで、その平均厚さおよび平均突出量が徐々に小さくなっている、ことを特徴とする電解質測定用構造。
  8.  請求項4に記載の電解質測定用構造であって、
     前記シール材が前記固定構造から外されている状態で、前記第2穴の中心軸を通過する断面で断面視したとき、以下で定義される第1勾配は第2勾配よりも小さい:
      前記第1勾配は、前記シート領域の表面の平均勾配、
      前記第2勾配は、前記突起領域の表面の平均勾配、
    ことを特徴とする電解質測定用構造。
  9.  請求項1から8のいずれかに記載の電解質測定用構造を含む、フロー型イオン選択性電極。
  10.  請求項1から8のいずれかに記載の電解質測定用構造を含む、電解質測定装置。
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