WO2022270274A1 - 多段遠心流体機械 - Google Patents
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Abstract
本発明の多段遠心流体機械は、旋回失速を防止することは勿論、従来の性能及び信頼性を維持したまま、より小型化するために、回転軸と、該回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸に設置された複数の羽根車と、少なくとも前記羽根車の1段に付いて、前記羽根車の半径方向外側に設置された第1のディフューザと、次段へ作動流体を導くリターンベンドと、該リターンベンドの下流側に接続され、半径方向内向きに前記作動流体を導くリターンベーンとを備えた多段遠心流体機械であって、前記第1のディフューザの下流側に、入口から出口まで流路幅が徐々に狭くなり、かつ、軸方向に流れを転向する2つの対向する壁面を備えた第2のディフューザを設け、前記第2のディフューザの下流には、直線部と湾曲部で構成された前記リターンベンドが配置されていることを特徴とする。
Description
本発明は多段遠心流体機械に係り、特に、比較的小容量のガスを取り扱い、ディフューザを備えている遠心圧縮機や遠心ブロワ等に好適な多段遠心流体機械に関する。
一般に、高圧のガスを扱う高圧多段遠心流体機械では、騒音や羽根車の損傷及び軸系の振動など遠心圧縮機の安定運転を妨げる現象が、通常の多段遠心流体機械と比較して発生しやすい。それらの現象の一つに旋回失速が挙げられる。
高圧多段遠心流体機械での旋回失速は、主に低比速度の羽根車段において発生する。その発生メカニズムは、ディフューザ内で生じる流れの逆流に起因すると考えられている。ディフューザ内の流れは減速流れであり、逆圧力勾配により流れの壁面からの剥離が発生しやすい。
この現象は、ディフューザの流路幅の羽根車出口半径に対する比が大きくなるに従い、より下流側で発生しやすくなる。この流れの剥離が次第に大きくなり、旋回失速へと発達すると考えられている。
旋回失速の発生が懸念される多段遠心流体機械においては、特許文献1や特許文献2に記載されたような2種類のディフューザを使った技術がある。
これら特許文献1や特許文献2に記載された技術は、第1のディフューザとして、羽根車の下流側に、流路高さが一定の小弦節比の羽根付ディフューザ又は羽根なしの第1のディフューザを備え、その下流側に第2のディフューザとして、流れ方向に流路幅が減少する羽根なしディフューザを備えている。この構造によって、旋回失速を防止しつつ、圧縮機効率の向上が図られている。
ところで、上述したディフューザを備えた多段遠心流体機械においては、製作コストの低減が求められているが、この製作コスト低減を図るため、例えば、ディフューザを小径化しようとすると、第1のディフューザ又は第2のディフューザの径比を小さくしなければならない。
しかしながら、第1のディフューザには、小弦節比の羽根つきのディフューザを採用されることがあり、ディフューザを小径化するためには羽根を短くしなければならず、その機能を損なう恐れがある。一方、第2のディフューザを小径化すると短い区間で流路幅を小さくすることになるため、圧力損失が大きくなり効率が低下する。
また、前段の羽根車から次段の羽根車へ作動流体が短絡して流れるのを防止する段間シール部を設けるため、羽根車とリターンベーン間に距離を設けなければならないが、リターンベンドを円弧のみで構成すると半径方向に大きくなり、多段遠心流体機械が大きくなってしまうという課題があった。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、旋回失速を防止することは勿論、従来の性能及び信頼性を維持したまま、より小型化が可能な多段遠心流体機械を提供することにある。
本発明の多段遠心流体機械は、上記目的を達成するために、回転軸と、該回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸に設置された複数の羽根車と、少なくとも前記羽根車の1段に付いて、前記羽根車の半径方向外側に設置された第1のディフューザと、次段へ作動流体を導くリターンベンドと、該リターンベンドの下流側に接続され、半径方向内向きに前記作動流体を導くリターンベーンとを備えた多段遠心流体機械であって、前記第1のディフューザの下流側に、入口から出口まで流路幅が徐々に狭くなり、かつ、軸方向に流れを転向する2つの対向する壁面を備えた第2のディフューザを設け、前記第2のディフューザの下流側には、直線部と湾曲部で構成された前記リターンベンドが配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、旋回失速を防止することは勿論、従来の性能及び信頼性を維持したまま、より小型化が可能な多段遠心流体機械を得ることができる。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の多段遠心流体機械を説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
図1に、本発明の多段遠心流体機械100の実施例1の全体構成を示す。
図1に示すように、本実施例の多段遠心流体機械100は、複数の羽根車1a、1b、1c、1d、1eと、羽根付きの第1のディフューザ2a、2b、2c、2d、2e及び羽根なしの第2のディフューザ3a、3b、3c、3d、3eとからなる複数のディフューザと、により多段に形成された圧縮機段を軸方向に積み重ねて概略構成されている。
即ち、回転軸8には、複数の羽根車1a、1b、1c、1d、1eが軸方向に積み重ねられており、回転軸8の両端部は、軸受10a及び10bにより回転可能に支持されている。各羽根車1a、1b、1c、1d、1eの下流側である半径方向外側には羽根付きの第1のディフューザ2a、2b、2c、2d、2eが、更に、その半径方向外側には羽根なしの第2のディフューザ3a、3b、3c、3d、3eが設けられている。最終段を除く各段の羽根なしの第2のディフューザ3a、3b、3c、3dは、次段へ作動流体11を導くリターンベンド4に接続されており、リターンベンド4の下流側には、半径方向内向きに作動流体11を導くリターンベーン5が形成されている。最終段の羽根なしの第2のディフューザ3eの下流側には、最終段の羽根車1eから流出する作動流体11を集めて吐出配管(図示せず)から吐出するための吐出流路6が形成されている。
羽根付きの第1のディフューザ2a、2b、2c、2d、2e、羽根なしの第2のディフューザ3a、3b、3c、3d、3e、リターンベンド4、リターンベーン5及び吐出流路6は静止部材であり、圧縮機ケーシング7に取付け若しくは一体に形成されている。
なお、多段遠心流体機械100の各段間には、前段の羽根車(例えば1a)から次段の羽根車(例えば1b)へ、作動流体11が短絡して流れるのを防止する段間シール部12が設置されている。
次に、このように構成された多段遠心流体機械100の作用について説明する。
図1に示す多段遠心流体機械100において、吸込口9から吸い込まれた作動流体11は、1段目の羽根車1aで昇圧され、羽根付きの第1のディフューザ2a、羽根なしの第2のディフューザ3aを経て更に昇圧された後、リターンベンド4により作動流体11流れ方向を半径方向外側から半径方向内側に変えられ、リターンベーン5を通って2段目の羽根車1bへ導かれる。
以下、このような作動流体11の流れを各段で繰り返すことにより順次昇圧されて、最終段の羽根なしの第2のディフューザ3eを経た後、吐出流路6を通り吐出配管へ導かれる。
図2に、図1に示した多段遠心流体機械100の1段分を示す。
図2に示すように、本実施例の多段遠心流体機械100の1段は、1段目の羽根車1aの下流側に位置し、流路幅が一定の1段目の第1のディフューザ2aと、この1段目の第1のディフューザ2aの下流側に位置し、流路幅を狭くしながら軸方向に流れを転向する羽根なしの1段目の第2のディフューザ3aと、羽根なしの1段目の第2のディフューザ3aの下流側に位置し、作動流体11の流れを軸方向(図2の右方向)から半径方向内向き(図2の下方向)に転向するリターンベンド4と、リターンベンド4の下流側に位置し、作動流体11の旋回成分を取り除き、次段へと導くためのリターンベーン5とで構成されている。
そして、1段目の第1のディフューザ2aの入口流路と出口流路の軸方向幅は同じであり、1段目の第1のディフューザ2aの出口は、羽根なしの1段目の第2のディフューザ3aの入口でもある。羽根なしの1段目の第2のディフューザ3aの出口流路幅は入口流路幅よりも小さくなっており、羽根なしの1段目の第2のディフューザ3aの流路幅は下流側ほど小さく、即ち、羽根なしの1段目の第2のディフューザ3aの流路幅は下流側に向って段階的に狭くなっている。
このようなディフューザを用いることにより、特に、低比速度段において顕著な旋回失速の発生を防止できる。これは、以下のような理由による。
図3は、図5の従来の多段遠心流体機械の一部の平行壁羽根なしディフューザ2´における流れの臨界流入角αcrtの特性を示している。流入角αは、ディフューザ2´の入口(羽根車出口)における流れ方向が接線方向となす角度αと定義される。
図3の横軸はディフューザ2´の流路幅bと羽根車1´の出口半径rimpとの比b/rimpを示しており、縦軸は旋回失速の発生限界のディフューザ2´の臨界流入角αcrtを示している。
図3に示す特性図は、ディフューザ2´の流路幅bと羽根車1´の出口半径rimpとの比b/rimpが大きいほど、ディフューザ2´の臨界流入角αcrtが大きくなることを示しており、ある流路幅比b/rimpのディフューザ2´で、その流入角αが図中に示す臨界流入角αcrtよりも小さくなると、旋回失速が発生することを示している。
以上のことから、旋回失速を防止するためには、ディフューザ2´への流入角αを大きくすればよいことがわかる。このためには、ディフューザ2´の入口流路幅を小さくし、流れの縦断面速度を大きくするとよい。
しかし、高圧多段遠心流体機械において、羽根車1´の出口のすぐ下流側でディフューザ2´の入口の流路幅を小さくすることは、ディフューザ2´部における摩擦損失を増加させ、圧縮機の効率を低下させる可能性がある。
この解決策として、羽根車1の下流側に流路幅が一定の第1のディフューザ2を備え、この第1のディフューザ2の下流側に、入口から出口まで流路幅が流れ方向に徐々に減少する第2のディフューザ3を備える方法が知られている。
羽根車1のすぐ下流側のディフューザ前半部を、流路幅が一定の第1のディフューザ2で構成することにより、摩擦損失を増加させることがない。また、ディフューザ後半部を、入口から出口まで流路幅が流れ方向に徐々に減少する第2のディフューザ3で構成することにより、流れ角を大きくすることができるので、壁面境界層の発達が抑えられて作動流体11の流れが安定して流れの逆流を防ぎ、旋回失速の発生を防止することができる。
しかしながら、この解決策の問題点は、流路幅を狭くする第2のディフューザ3を設けなければならず、これにより、多段遠心流体機械が半径方向に大きくなってしまう点にある。
本実施例では、図4に示すように、第2のディフューザ3において、羽根車1の心板側に対応する側の壁面3hを1円弧で描き、第2のディフューザ3の出口幅b3eが入口幅b3sよりも狭くなるように回転軸8と平行な直線部壁面3s2が形成され、この回転軸8と平行な直線部壁面3s2と連続して羽根車1の側壁側に対応する側の壁を接円で結んだ湾曲部壁面3s1が形成されている。
流路幅を狭くすると流れ角が大きくなるので境界層の発達が抑えられ、作動流体11の流れが安定化し、旋回失速を抑制できることが知られているが、これと同時に作動流体11の流れを半径方向から軸方向に転向することで、多段遠心流体機械段100を小さくすることができる。
なお、本実施例では、第2のディフューザ3の流路幅の絞り比である第2のディフューザ3の出口幅b3eと第2のディフューザ3の入口幅b3sの比b3e/b3sを約0.5とした。
この第2のディフューザ3の流路幅の絞り比b3e/b3sが小さいと、第2のディフューザ3部での作動流体11の平均流れ角が大きくなり、旋回失速の防止効果が高まるとともに、旋回失速に対する信頼性が向上する。
しかしながら、第2のディフューザ3の流路幅の絞り比b3e/b3sを小さくすると、第2のディフューザ3の下流における流路幅も低くなり、濡れ縁長さが増加して摩擦損失が大きくなる。このことから、第2のディフューザ3の流路幅の絞り比b3e/b3sは0.3~0.6が望ましく、好ましくは0.5程度である。
また、本実施例では、羽根車1の心板側に対応する側の壁面3hの曲率半径比ρ1/b3sを約0.85とした(但し、ρ1は、羽根車1の側壁側に対応する側の第2のディフューザ3の湾曲部壁面曲率半径である)。
この羽根車1の心板側に対応する側の壁面3hの曲率半径比ρ1/b3sを小さくすると、多段遠心流体機械段100をより小さくすることができるが、小さくしすぎると作動流体11の流れが剥離し、圧力損失が生じて効率が下がってしまうため、羽根車1の心板側に対応する側の壁面3hの曲率半径比ρ1/b3sは0.7~1.0が望ましく、好ましくは0.85以上がよい。
上述したように、多段遠心流体機械100では、段間にシール部12を設ける必要があるので、第2のディフューザ3とリターンベーン5は、軸方向に一定の距離を設けなければならない。
本実施例では、第2のディフューザ3とリターンベンド4の接続部に直線部を設け、第2のディフューザ3とリターンベンド4の湾曲部の距離を離すことで、第2のディフューザ3とリターンベーン5の軸方向距離を取れるようにした。
本実施例では、リターンベンド4の直線部を構成する壁面4s1と4h1を軸方向に平行な壁とし、断面積A(図4の符号A4s)と断面積B(図4の符号A4m)が等しくなるようにしているが、断面積Bが断面積Aより小さくなっても構わない。反対に、断面積Bが断面積Aより大きくなると作動流体11の流れが減速し、境界層が発達して剥離しやすくなるので避けた方が良い。
また、製作コスト面からは、本実施例のように、リターンベンド4の直線部を構成する壁面4s1と4h1を軸方向に平行な壁とすることが望ましい。
また、本実施例では、リターンベンド4の湾曲部を構成する内側の壁面4h2の曲率半径比ρ2/b4mを約0.85とした(但し、ρ2は、羽根車1の側壁側に対応する側のリターンベンド4の湾曲部壁面曲率半径である)。
このリターンベンド4の湾曲部を構成する内側の壁面4h2の曲率半径比ρ2/b4mを大きくすると、作動流体11の流れの剥離を抑えられるが、リターンベンド4の下流に設けられるリターンベーン5の入口と出口の径比が小さくなることで、リターンベーン5の出口で旋回流れが残りやすくなり、次の段の圧力上昇が下がってしまう。
一方で、リターンベンド4の湾曲部を構成する内側の壁面4h2の曲率半径比ρ2/b4mを小さくしすぎると、作動流体11の流れが剥離し、圧力損失が生じて効率が下がってしまうため、リターンベンド4の湾曲部を構成する内側の壁面4h2の曲率半径比ρ2/b4mは0.7~1.0が望ましく、好ましくは0.85以上がよい。
また、本実施例では、リターンベンド4の出口幅b4eをリターンベンド4の直線部の出口流路幅b4mと等しくしたが、リターンベンド4の出口幅b4eは、リターンベンド4の出口面積A4eがリターンベンド4の直線部の出口面積A4mより小さくなれば良い。何故なら、リターンベンド4の出口面積A4eがリターンベンド4の直線部出口面積A4mより大きくなると、作動流体11bの流れが減速し境界層が発達するので、リターンベンド4の湾曲部で流れの剥離が生じやすくなるからである。
以上述べたように、本実施例によれば、多段遠心流体機械100において、第1のディフューザ2の下流側に、流路幅を狭くしながら流れを半径方向から軸方向に転向する第2のディフューザ3を設け、この第2のディフューザ3の下流側に、直線部と湾曲部で構成したリターンベンド4を設けることで、低比速度の羽根車段において顕著に発生する旋回失速を防止し、従来の性能と信頼性を維持したまま、より小型の多段遠心流体機械100を得ることができる。
従って、本実施例の多段遠心流体機械100によれば、性能に大きく寄与している第1のディフューザ2を変更せず、流路幅を小さくすることで旋回失速の発生を抑制する第2ディフューザ3と流れを転向するリターンベンド4を一体化した新しい第2のディフューザ3と、直線部と湾曲部を有したリターンベンド4を備えることで、従来の効率と旋回失速の発生を抑制する機能を失うことなく、より小さい多段遠心流体機械100とすることができる。
なお、上述した本実施例では、一軸多段式の多段遠心流体機械100を例に説明したが、本発明の多段遠心流体機械は、多段遠心ポンプ等の他の多段遠心流体機械にも適用が可能である。
また、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換える事が可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加える事も可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をする事が可能である。
例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換える事が可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加える事も可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をする事が可能である。
1、1´、1a、1b、1c、1d、1e…羽根車、2、2a、2b、2c、2d、2e…第1のディフューザ、2´…ディフューザ、3、3a、3b、3c、3d、3e…第2のディフューザ、4、4´…リターンベンド、5…リターンベーン、6…吐出流路、7…圧縮機ケーシング、8…回転軸、9…吸込口、10a、10b…軸受、11…作動流体、12…段間シール部、100…多段遠心流体機械、b3s…第2のディフューザの入口幅、b3e…第2のディフューザの出口幅、3h…羽根車の心板側に対応する側の第2のディフューザの壁面、3s1…羽根車の側壁側に対応する側の第2のディフューザの湾曲部壁面、3s2…羽根車の側壁側に対応する側の第2のディフューザの直線部壁面、ρ1…羽根車の側壁側に対応する側の第2のディフューザの湾曲部壁面曲率半径、b4m…リターンベンドの直線部出口幅、b4e…リターンベンドの湾曲部出口幅、4h1…羽根車の心板側に対応する側のリターンベンドの直線部壁面、4h2…羽根車の心板側に対応する側のリターンベンドの湾曲部壁面、4s1…羽根車の側壁側に対応する側のリターンベンドの直線部壁面、4s2…羽根車の側壁側に対応する側のリターンベンドの湾曲部壁面、ρ2…羽根車の側壁側に対応する側のリターンベンドの湾曲部壁面曲率半径、A4s…リターンベンドの直線部入口流路面積、A4m…リターンベンドの直線部出口流路面積、A4e…リターンベンドの湾曲部出口流路面積。
Claims (9)
- 回転軸と、該回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸に設置された複数の羽根車と、少なくとも前記羽根車の1段に付いて、前記羽根車の半径方向外側に設置された第1のディフューザと、次段へ作動流体を導くリターンベンドと、該リターンベンドの下流側に接続され、半径方向内向きに前記作動流体を導くリターンベーンとを備えた多段遠心流体機械であって、
前記第1のディフューザの下流側に、入口から出口まで流路幅が徐々に狭くなり、かつ、軸方向に流れを転向する2つの対向する壁面を備えた第2のディフューザを設け、前記第2のディフューザの下流側には、直線部と湾曲部で構成された前記リターンベンドが配置されていることを特徴とする多段遠心流体機械。 - 請求項1に記載の多段遠心流体機械であって、
複数の前記羽根車の下流側である半径方向外側には前記第1のディフューザが、更に、前記第1のディフューザの半径方向外側には前記第2のディフューザが設けられ、最終段を除く各段の前記第2のディフューザは前記リターンベンドに接続されており、前記リターンベンドの下流側には前記リターンベーンが形成され、最終段の前記第2のディフューザの下流側には、最終段の前記羽根車から流出する前記作動流体を集めて吐出するための吐出流路が形成されていることを特徴とする多段遠心流体機械。 - 請求項1に記載の多段遠心流体機械であって、
前記多段遠心流体機械の1段は、1段目の前記羽根車の下流側に位置し、流路幅が一定の1段目の前記第1のディフューザと、1段目の前記第1のディフューザの下流側に位置し、流路幅を狭くしながら軸方向に流れを転向する1段目の前記第2のディフューザと、1段目の前記第2のディフューザの下流側に位置し、前記作動流体の流れを軸方向から半径方向内向きに転向する前記リターンベンドと、該リターンベンドの下流側に位置し、前記作動流体の旋回成分を取り除き、次段へと導くための前記リターンベーンとで構成され、
1段目の前記第1のディフューザの入口流路と出口流路の軸方向幅は同じであると共に、1段目の前記第2のディフューザの出口流路幅は入口流路幅よりも小さく、かつ、1段目の前記第2のディフューザの流路幅は下流側に向って段階的に狭くなっていることを特徴とする多段遠心流体機械。 - 請求項2に記載の多段遠心流体機械であって、
前記第2のディフューザは、前記羽根車の心板側に対応する側の壁面を1円弧で描き、前記第2のディフューザの出口幅が入口幅よりも狭くなるように前記回転軸と平行な直線部壁面が形成され、前記回転軸と平行な直線部壁面と連続して前記羽根車の側壁側に対応する側の壁を接円で結んだ湾曲部壁面が形成されていることを特徴とする多段遠心流体機械。 - 請求項1に記載の多段遠心流体機械であって、
前記第2のディフューザの下流側に設置される前記リターンベンドが直線部と湾曲部で構成され、前記リターンベンドの直線部の出口断面積を、前記リターンベンドの直線部の入口断面積以下にしたことを特徴とする多段遠心流体機械。 - 請求項1に記載の多段遠心流体機械であって、
前記第2のディフューザの下流側に設置される前記リターンベンドが直線部と湾曲部で構成され、前記リターンベンドの湾曲部の出口断面積を、前記リターンベンドの直線部の出口断面積以下にしたことを特徴とする多段遠心流体機械。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の多段遠心流体機械であって、
前記第2のディフューザの流路幅の絞り比である前記第2のディフューザの出口幅(b3e)と前記第2のディフューザの入口幅(b3s)の比b3e/b3sを、0.3~0.6としたことを特徴とする多段遠心流体機械。 - 請求項7に記載の多段遠心流体機械であって、
前記羽根車の心板側に対応する側の壁面の曲率半径比ρ1/b3sを、0.7~1.0としたことを特徴とする多段遠心流体機械。
(但し、ρ1は前記羽根車の側壁側に対応する側の前記第2のディフューザの湾曲部壁面曲率半径、b3sは前記第2のディフューザの入口幅) - 請求項8に記載の多段遠心流体機械であって、
前記リターンベンドの湾曲部を構成する内側の壁面の曲率半径比ρ2/b4mを0.7~1.0としたことを特徴とする多段遠心流体機械。
(但し、ρ2は前記羽根車の側壁側に対応する側の前記リターンベンドの湾曲部壁面曲率半径、b4mは前記リターンベンドの直線部出口幅)
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