JPH1182389A - ターボ形流体機械 - Google Patents
ターボ形流体機械Info
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- JPH1182389A JPH1182389A JP24643197A JP24643197A JPH1182389A JP H1182389 A JPH1182389 A JP H1182389A JP 24643197 A JP24643197 A JP 24643197A JP 24643197 A JP24643197 A JP 24643197A JP H1182389 A JPH1182389 A JP H1182389A
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- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ディフューザ内の逆流が防止されディフューザ
の流れが幅方向に一様化されるとともに、ディフューザ
における減速も大きくなり、ディフューザを高性能かつ
広い作動範囲に維持しつつ、ディフューザひいては流体
機械を小形化し、製作コストを低減しうるターボ形流体
機械を提供する。 【解決手段】羽根車3と、羽根車3の下流に位置し対向
する側板側ディフューザ板5,心板側ディフューザ板6
で流路壁面が構成され、その流路幅が下流に向かって大
きくなるディフューザ4を備えたターボ形流体機械にお
いて、ディフューザ4のいずれか一方の流路壁面に、流
路幅より羽根高さが低く、かつ出口における羽根高さが
出口流路幅の40〜60%である案内羽根7を、円形翼
列状に設けた。
の流れが幅方向に一様化されるとともに、ディフューザ
における減速も大きくなり、ディフューザを高性能かつ
広い作動範囲に維持しつつ、ディフューザひいては流体
機械を小形化し、製作コストを低減しうるターボ形流体
機械を提供する。 【解決手段】羽根車3と、羽根車3の下流に位置し対向
する側板側ディフューザ板5,心板側ディフューザ板6
で流路壁面が構成され、その流路幅が下流に向かって大
きくなるディフューザ4を備えたターボ形流体機械にお
いて、ディフューザ4のいずれか一方の流路壁面に、流
路幅より羽根高さが低く、かつ出口における羽根高さが
出口流路幅の40〜60%である案内羽根7を、円形翼
列状に設けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターボ形流体機械
に係り、特に、ターボ圧縮機あるいは送風機などの高性
能を維持しつつ小形化するのに好適なターボ形流体機械
に関するものである。
に係り、特に、ターボ圧縮機あるいは送風機などの高性
能を維持しつつ小形化するのに好適なターボ形流体機械
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来のターボ圧縮機あるいは送
風機においては、羽根車の下流には運動エネルギを圧力
エネルギに変換するため羽根なしディフューザや羽根付
きディフューザが設けられている。ディフューザの下流
には、ディフューザから吐出される流れを集めるための
スクロールケーシングあるいは次段に流れを導くための
戻り流路が設けられる。
風機においては、羽根車の下流には運動エネルギを圧力
エネルギに変換するため羽根なしディフューザや羽根付
きディフューザが設けられている。ディフューザの下流
には、ディフューザから吐出される流れを集めるための
スクロールケーシングあるいは次段に流れを導くための
戻り流路が設けられる。
【0003】従来の遠心圧縮機のディフューザは、羽根
車の下流に、向かい合う一対のディフューザ板で流路壁
面が構成され、流路幅は下流に向かって一定である羽根
なしディフューザが知られている。しかし、羽根なしデ
ィフューザを用いた遠心圧縮機は、作動範囲は広いが効
率が低いという欠点があった。
車の下流に、向かい合う一対のディフューザ板で流路壁
面が構成され、流路幅は下流に向かって一定である羽根
なしディフューザが知られている。しかし、羽根なしデ
ィフューザを用いた遠心圧縮機は、作動範囲は広いが効
率が低いという欠点があった。
【0004】また、一対のディフューザ板の間に高さが
一定で流路幅とほぼ等しい案内羽根を円形翼列状に設け
たディフューザ、いわゆる羽根付きディフューザも知ら
れている。この羽根付きディフューザを用いた遠心圧縮
機は、設計流量点の効率は高いが、作動範囲は狭いとい
う欠点があった。
一定で流路幅とほぼ等しい案内羽根を円形翼列状に設け
たディフューザ、いわゆる羽根付きディフューザも知ら
れている。この羽根付きディフューザを用いた遠心圧縮
機は、設計流量点の効率は高いが、作動範囲は狭いとい
う欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さらに、例えば、ソ連
特許第522343号には、ディフューザの側板側壁面
を流路幅が下流に向かって大きくなるように傾けるとと
もに側板側流路壁面上に高さが入口幅の10〜20%で
ある案内羽根を設けた例が開示されている。このディフ
ューザでは、流路幅が下流に向かって拡大されているた
め、平行壁羽根なしディフューザの場合よりも半径方向
の圧力勾配が大きくなり、ディフューザ内で流れは圧力
勾配に打ち勝てなくなり、側板側で逆流が発生しやすく
なる問題がある。
特許第522343号には、ディフューザの側板側壁面
を流路幅が下流に向かって大きくなるように傾けるとと
もに側板側流路壁面上に高さが入口幅の10〜20%で
ある案内羽根を設けた例が開示されている。このディフ
ューザでは、流路幅が下流に向かって拡大されているた
め、平行壁羽根なしディフューザの場合よりも半径方向
の圧力勾配が大きくなり、ディフューザ内で流れは圧力
勾配に打ち勝てなくなり、側板側で逆流が発生しやすく
なる問題がある。
【0006】そこで、ソ連特許第522343号記載の
発明では、流れを整流するために、側板側に案内羽根が
設けられているが、羽根高さが入口幅の10〜20%と
低いものであるため、整流作用はほとんどなく、逆流を
防止することについて配慮されていなかった。その結
果、このディフューザを用いた圧縮機は性能が低いとい
う問題があった。
発明では、流れを整流するために、側板側に案内羽根が
設けられているが、羽根高さが入口幅の10〜20%と
低いものであるため、整流作用はほとんどなく、逆流を
防止することについて配慮されていなかった。その結
果、このディフューザを用いた圧縮機は性能が低いとい
う問題があった。
【0007】ところで、一般にディフューザについて
は、圧縮機のコスト低減のため小形化の要求が強い。従
来の羽根なしあるいは羽根付きディフューザで小形化を
図る、つまりディフューザ出口径を小さくすると、ディ
フューザの流路幅が一定であるため、ディフューザ出口
の流速が高くなる。ディフューザ下流の要素(例えば、
スクロール、戻り流路等)の損失はディフューザ出口の
運動エネルギ(動圧)に比例するから、下流の前記要素
の損失が増加し圧縮機の効率が低下するという問題点が
あった。
は、圧縮機のコスト低減のため小形化の要求が強い。従
来の羽根なしあるいは羽根付きディフューザで小形化を
図る、つまりディフューザ出口径を小さくすると、ディ
フューザの流路幅が一定であるため、ディフューザ出口
の流速が高くなる。ディフューザ下流の要素(例えば、
スクロール、戻り流路等)の損失はディフューザ出口の
運動エネルギ(動圧)に比例するから、下流の前記要素
の損失が増加し圧縮機の効率が低下するという問題点が
あった。
【0008】また、上記ソ連特許第522343号記載
のターボ圧縮機は、小形化は可能であるが、前述のよう
に整流作用が期待できずディフューザの性能が低いた
め、圧縮機性能も低くなるという問題があった。
のターボ圧縮機は、小形化は可能であるが、前述のよう
に整流作用が期待できずディフューザの性能が低いた
め、圧縮機性能も低くなるという問題があった。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、本発明の目的は、ディフュー
ザ内の逆流が防止されディフューザの流れが幅方向に一
様化されるとともに、ディフューザにおける減速も大き
くなり、ディフューザを高性能かつ広い作動範囲に維持
しつつ、ディフューザひいては流体機械を小形化し、製
作コストを低減しうるターボ形流体機械を提供すること
にある。
るためになされたもので、本発明の目的は、ディフュー
ザ内の逆流が防止されディフューザの流れが幅方向に一
様化されるとともに、ディフューザにおける減速も大き
くなり、ディフューザを高性能かつ広い作動範囲に維持
しつつ、ディフューザひいては流体機械を小形化し、製
作コストを低減しうるターボ形流体機械を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るターボ形流体機械の第一の構成は、羽
根車と、この羽根車の下流に位置し、対向する一対のデ
ィフューザ板で流路壁面が構成され、その流路幅が下流
に向かって大きくなるディフューザを備えたターボ形流
体機械において、上記ディフューザのいずれか一方の流
路壁面に、流路幅より羽根高さが低く、かつ出口におけ
る羽根高さが該ディフューザの出口流路幅の40〜60
%に形成された案内羽根を、円形翼列状に設けたもので
ある。ここで、ディフューザの案内羽根の接線方向から
測った出口における羽根角度を入口羽根角度より小さく
し、ディフューザの案内羽根の羽根高さを該ディフュー
ザの入口から出口に向かって高くなるように形成したも
のである。
に、本発明に係るターボ形流体機械の第一の構成は、羽
根車と、この羽根車の下流に位置し、対向する一対のデ
ィフューザ板で流路壁面が構成され、その流路幅が下流
に向かって大きくなるディフューザを備えたターボ形流
体機械において、上記ディフューザのいずれか一方の流
路壁面に、流路幅より羽根高さが低く、かつ出口におけ
る羽根高さが該ディフューザの出口流路幅の40〜60
%に形成された案内羽根を、円形翼列状に設けたもので
ある。ここで、ディフューザの案内羽根の接線方向から
測った出口における羽根角度を入口羽根角度より小さく
し、ディフューザの案内羽根の羽根高さを該ディフュー
ザの入口から出口に向かって高くなるように形成したも
のである。
【0011】また、上記目的を達成するために、本発明
に係るターボ形流体機械の第二の構成は、羽根車と、こ
の羽根車の下流に位置し、対向する一対のディフューザ
板で流路壁面が構成され、その流路幅が下流に向かって
大きくなるディフューザを備えたターボ形流体機械にお
いて、ディフューザの対向する両流路壁面に、それぞれ
流路幅より高さが低い案内羽根を円形翼列状に設け、か
つ、ディフューザ出口における前記二つの案内羽根の高
さの和を該ディフューザの出口流路幅の40〜60%と
したものである。
に係るターボ形流体機械の第二の構成は、羽根車と、こ
の羽根車の下流に位置し、対向する一対のディフューザ
板で流路壁面が構成され、その流路幅が下流に向かって
大きくなるディフューザを備えたターボ形流体機械にお
いて、ディフューザの対向する両流路壁面に、それぞれ
流路幅より高さが低い案内羽根を円形翼列状に設け、か
つ、ディフューザ出口における前記二つの案内羽根の高
さの和を該ディフューザの出口流路幅の40〜60%と
したものである。
【0012】ここで、ディフューザの案内羽根の接線方
向から測った出口における羽根角度を入口羽根角度より
小さくし、ディフューザの対向する両流路壁面に設けた
二つの案内羽根のいずれか一つの羽根高さを該ディフュ
ーザの入口から出口に向かって高くなるように形成した
ものである。
向から測った出口における羽根角度を入口羽根角度より
小さくし、ディフューザの対向する両流路壁面に設けた
二つの案内羽根のいずれか一つの羽根高さを該ディフュ
ーザの入口から出口に向かって高くなるように形成した
ものである。
【0013】上述の構成における、案内羽根のディフュ
ーザ出口における羽根高さがディフューザの出口流路幅
の40〜60%に限定した根拠について説明する。流路
幅が下流に向かって大きくなるディフューザにおける流
体流れの動向を、本発明者らが調査した結果、出口流路
幅の40%程度までの範囲に流体流れの剥離域、すなわ
ち逆流領域が大となることが認められ、案内羽根による
整流が望まれる。案内羽根の羽根高さが出口流路幅の4
0%未満に小さくなることは、上記ソ連特許第5223
43号記載のターボ圧縮機のように、整流作用が期待で
きないことになる。
ーザ出口における羽根高さがディフューザの出口流路幅
の40〜60%に限定した根拠について説明する。流路
幅が下流に向かって大きくなるディフューザにおける流
体流れの動向を、本発明者らが調査した結果、出口流路
幅の40%程度までの範囲に流体流れの剥離域、すなわ
ち逆流領域が大となることが認められ、案内羽根による
整流が望まれる。案内羽根の羽根高さが出口流路幅の4
0%未満に小さくなることは、上記ソ連特許第5223
43号記載のターボ圧縮機のように、整流作用が期待で
きないことになる。
【0014】一方、案内羽根の羽根高さが出口流路幅の
60%以上に大きくなることは、通常の羽根付きディフ
ューザ同様になり、羽根による摩擦損失が大となり、作
動範囲が狭くなるという問題がある。したがって、案内
羽根のディフューザ出口における羽根高さはディフュー
ザの出口流路幅の40〜60%にすることによって、デ
ィフューザ内の逆流が防止されディフューザの流れが幅
方向に一様化されるとともに、ディフューザにおける減
速も大きくなり、ディフューザを高性能かつ広い作動範
囲に維持できるものである。
60%以上に大きくなることは、通常の羽根付きディフ
ューザ同様になり、羽根による摩擦損失が大となり、作
動範囲が狭くなるという問題がある。したがって、案内
羽根のディフューザ出口における羽根高さはディフュー
ザの出口流路幅の40〜60%にすることによって、デ
ィフューザ内の逆流が防止されディフューザの流れが幅
方向に一様化されるとともに、ディフューザにおける減
速も大きくなり、ディフューザを高性能かつ広い作動範
囲に維持できるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態を図
1ないし図8を参照して説明する。 〔実施の形態 1〕図1は、本発明の一実施形態を示す
遠心圧縮機の縦断面図、図2は、図1のAーA矢視図、
図3は、ディフューザ流路形状とディフューザ出口流れ
分布の説明図、図4は、ディフューザ出口の速度三角形
である。図1に示すように、回転軸1には、羽根車3が
羽根車固定ナット13を用いて取り付けられており、羽
根車3の下流となる半径方向外方にはディフューザ4が
設けられている。図1において、14は吸込み管、16
はケーシングを示す。
1ないし図8を参照して説明する。 〔実施の形態 1〕図1は、本発明の一実施形態を示す
遠心圧縮機の縦断面図、図2は、図1のAーA矢視図、
図3は、ディフューザ流路形状とディフューザ出口流れ
分布の説明図、図4は、ディフューザ出口の速度三角形
である。図1に示すように、回転軸1には、羽根車3が
羽根車固定ナット13を用いて取り付けられており、羽
根車3の下流となる半径方向外方にはディフューザ4が
設けられている。図1において、14は吸込み管、16
はケーシングを示す。
【0016】ディフューザ4は、対向して流路壁面を形
成する、向かい合う一対の側板側ディフューザ板5,心
板側ディフューザ板6と、側板側ディフューザ板5の流
路表面に円形翼列状に取り付けられた案内羽根7とで構
成される。側板側ディフューザ板5の流路表面は、ディ
フューザ4の流路幅が下流に向かって大きくなるよう
に、半径方向に対し傾きをもつものである。また、案内
羽根7の高さは流路幅より小さく、羽根高さは、該ディ
フューザ4の入口から出口に向かって、すなわち下流に
向かって高く形成されている。案内羽根7のディフュー
ザ4出口における羽根高さは該ディフューザ出口流路幅
の約50%に形成されている。
成する、向かい合う一対の側板側ディフューザ板5,心
板側ディフューザ板6と、側板側ディフューザ板5の流
路表面に円形翼列状に取り付けられた案内羽根7とで構
成される。側板側ディフューザ板5の流路表面は、ディ
フューザ4の流路幅が下流に向かって大きくなるよう
に、半径方向に対し傾きをもつものである。また、案内
羽根7の高さは流路幅より小さく、羽根高さは、該ディ
フューザ4の入口から出口に向かって、すなわち下流に
向かって高く形成されている。案内羽根7のディフュー
ザ4出口における羽根高さは該ディフューザ出口流路幅
の約50%に形成されている。
【0017】案内羽根7は、図2に示すように、接線方
向から測った入口における羽根角度、すなわち入口羽根
角度βinは、羽根車3出口の平均流れ角にほぼ等し
く、出口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより小
さくなっている。ディフューザ4下流にはディフューザ
4から吐出された流れを集めるためのスクロールケーシ
ング15が設けられている。
向から測った入口における羽根角度、すなわち入口羽根
角度βinは、羽根車3出口の平均流れ角にほぼ等し
く、出口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより小
さくなっている。ディフューザ4下流にはディフューザ
4から吐出された流れを集めるためのスクロールケーシ
ング15が設けられている。
【0018】遠心圧縮機を運転すると、流体は吸込み管
14から羽根車3に吸い込まれ、羽根車3内でエネルギ
を与えられたのち、羽根車3から吐き出される。羽根車
3から吐き出された高速の流体はディフューザ4に流入
する。ディフューザ4で流れは減速され整流されたの
ち、スクロールケーシング15に流入する。この実施の
形態の効果を、図3,4を参照して、従来技術と比較し
ながら説明する。
14から羽根車3に吸い込まれ、羽根車3内でエネルギ
を与えられたのち、羽根車3から吐き出される。羽根車
3から吐き出された高速の流体はディフューザ4に流入
する。ディフューザ4で流れは減速され整流されたの
ち、スクロールケーシング15に流入する。この実施の
形態の効果を、図3,4を参照して、従来技術と比較し
ながら説明する。
【0019】図3は、ディフューザ流路形状とディフュ
ーザ出口の流れ(子午面速度)分布を示すもので、図3
(a)は、ディフューザの流路幅が一定の場合、図3
(b)は、ディフューザの流路幅が下流に向かって大で
案内羽根がない従来技術の場合、図3(c)は、ディフ
ューザの流路幅が下流に向かって大で案内羽根を設けた
本実施形態の場合を示す。図3(b),(c)のディフ
ューザは、図3(a)に示すディフューザの流路幅が一
定のものにくらべ、半径方向の長さを小さくしてコンパ
クト化を図るためにディフューザの流路幅を下流に向か
って大にしているものである。
ーザ出口の流れ(子午面速度)分布を示すもので、図3
(a)は、ディフューザの流路幅が一定の場合、図3
(b)は、ディフューザの流路幅が下流に向かって大で
案内羽根がない従来技術の場合、図3(c)は、ディフ
ューザの流路幅が下流に向かって大で案内羽根を設けた
本実施形態の場合を示す。図3(b),(c)のディフ
ューザは、図3(a)に示すディフューザの流路幅が一
定のものにくらべ、半径方向の長さを小さくしてコンパ
クト化を図るためにディフューザの流路幅を下流に向か
って大にしているものである。
【0020】図4は、ディフューザ出口の速度三角形で
あり、横軸方向の破線を周方向速度Cuとし、横軸に直
交する縦軸方向の破線を子午面速度Cmとすれば、その
対辺となる実線矢印が流体の絶対速度Cabsを示すも
のである。図4では、図3の(a),(b),(c)に
それぞれ対応する絶対速度Cabsを、実線矢印a,
b,cで示している。なお、実線矢印bでは、図3
(b)に示す逆流域を除いた主流域の絶対速度Cabs
を示している。
あり、横軸方向の破線を周方向速度Cuとし、横軸に直
交する縦軸方向の破線を子午面速度Cmとすれば、その
対辺となる実線矢印が流体の絶対速度Cabsを示すも
のである。図4では、図3の(a),(b),(c)に
それぞれ対応する絶対速度Cabsを、実線矢印a,
b,cで示している。なお、実線矢印bでは、図3
(b)に示す逆流域を除いた主流域の絶対速度Cabs
を示している。
【0021】図3(b)に示すように、従来の案内羽根
がないディフューザでは、ディフューザの流路幅を下流
に向かって大きくすると、図3(a)に示す流路幅が一
定の場合に比べて、半径方向の圧力勾配が大きくなり流
れは圧力勾配に打ち勝てなくなり、側板側ディフューザ
板(壁面)5から逆流が発生し、ディフューザの損失が
大幅に増加する。さらに逆流が発生すると、ディフュー
ザの有効流路面積が小さくなるためディフューザでの減
速は小さくなり、図4に実線矢印bで示すようにディフ
ューザ出口の絶対速度Cabsが大きくなる。
がないディフューザでは、ディフューザの流路幅を下流
に向かって大きくすると、図3(a)に示す流路幅が一
定の場合に比べて、半径方向の圧力勾配が大きくなり流
れは圧力勾配に打ち勝てなくなり、側板側ディフューザ
板(壁面)5から逆流が発生し、ディフューザの損失が
大幅に増加する。さらに逆流が発生すると、ディフュー
ザの有効流路面積が小さくなるためディフューザでの減
速は小さくなり、図4に実線矢印bで示すようにディフ
ューザ出口の絶対速度Cabsが大きくなる。
【0022】ディフューザ4下流の要素(スクロールケ
ーシング15等)の損失は、ディフューザ4出口の流れ
の運動エネルギー(動圧)に比例するため、スクロール
ケーシング15の損失も増加することになる。その結
果、圧縮機性能は、大幅に低下することになる。前述の
ソ連特許第522343号のように、傾けたディフュー
ザ板表面に高さの低い案内羽根を設けたディフューザに
おいても、案内羽根に逆流を防止する作用はほとんどな
いので、羽根なしディフューザの場合と同様、ディフュ
ーザ、出口要素の損失が増加し、圧縮機性能は大幅に低
下する。
ーシング15等)の損失は、ディフューザ4出口の流れ
の運動エネルギー(動圧)に比例するため、スクロール
ケーシング15の損失も増加することになる。その結
果、圧縮機性能は、大幅に低下することになる。前述の
ソ連特許第522343号のように、傾けたディフュー
ザ板表面に高さの低い案内羽根を設けたディフューザに
おいても、案内羽根に逆流を防止する作用はほとんどな
いので、羽根なしディフューザの場合と同様、ディフュ
ーザ、出口要素の損失が増加し、圧縮機性能は大幅に低
下する。
【0023】これに対して、本実施形態の場合には、逆
流の発生しそうな側板側ディフューザ板(壁面)5に流
路幅より高さが低く出口における羽根高さが出口流路幅
の約50%である案内羽根7が設けられているので、側
板側の流れは案内羽根7に導かれ、逆流を回避すること
ができる。このように、本実施形態では、ディフューザ
4の側板側での流れの逆流が防止されるので、ディフュ
ーザ4の損失が大幅に減少することになる。
流の発生しそうな側板側ディフューザ板(壁面)5に流
路幅より高さが低く出口における羽根高さが出口流路幅
の約50%である案内羽根7が設けられているので、側
板側の流れは案内羽根7に導かれ、逆流を回避すること
ができる。このように、本実施形態では、ディフューザ
4の側板側での流れの逆流が防止されるので、ディフュ
ーザ4の損失が大幅に減少することになる。
【0024】さらに、本実施の形態では逆流が防止さ
れ、側板側にも流体が流れるようになるので、案内羽根
のない心板側の流路6を流れる流体、つまり子午面速度
が減少する。その結果、ディフューザ4出口の心板側の
流れ角は入口よりも小さくなる。本実施の形態では、出
口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより小さいの
で、案内羽根7のある部分の流れ角も小さくなり、その
結果、流れは幅方向に一様化される。結局、本実施の形
態では、図3(c),図4の実線矢印cに示すように、
ディフューザ出口の絶対速度は、案内羽根がない場合の
図3(b),図4の実線矢印bに比べて大幅に小さくな
り、図3(a)、図4の実線矢印aに示す流路幅が一定
の平行壁の場合の絶対速度と同程度になる。
れ、側板側にも流体が流れるようになるので、案内羽根
のない心板側の流路6を流れる流体、つまり子午面速度
が減少する。その結果、ディフューザ4出口の心板側の
流れ角は入口よりも小さくなる。本実施の形態では、出
口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより小さいの
で、案内羽根7のある部分の流れ角も小さくなり、その
結果、流れは幅方向に一様化される。結局、本実施の形
態では、図3(c),図4の実線矢印cに示すように、
ディフューザ出口の絶対速度は、案内羽根がない場合の
図3(b),図4の実線矢印bに比べて大幅に小さくな
り、図3(a)、図4の実線矢印aに示す流路幅が一定
の平行壁の場合の絶対速度と同程度になる。
【0025】また、ディフューザの減速が大きくなるの
で、ディフューザ出口の動圧も小さくなり、スクロール
ケーシングの損失も減少する。その結果、従来の出口半
径の等しい羽根がないディフューザに比べて、圧縮機性
能は大幅に向上することになる。また、出口径の大きい
平行壁羽根なしディフューザを用いた従来の遠心圧縮機
と比較しても、ディフューザで逆流が発生せず、同程度
の減速が得られるので、同程度の性能を維持することが
できる。その結果、遠心圧縮機の大幅な小形化が可能に
なり、製作コストが大幅に低減されることになる。
で、ディフューザ出口の動圧も小さくなり、スクロール
ケーシングの損失も減少する。その結果、従来の出口半
径の等しい羽根がないディフューザに比べて、圧縮機性
能は大幅に向上することになる。また、出口径の大きい
平行壁羽根なしディフューザを用いた従来の遠心圧縮機
と比較しても、ディフューザで逆流が発生せず、同程度
の減速が得られるので、同程度の性能を維持することが
できる。その結果、遠心圧縮機の大幅な小形化が可能に
なり、製作コストが大幅に低減されることになる。
【0026】本実施の形態では、案内羽根7のディフュ
ーザ4出口における羽根高さはディフューザ出口流路幅
の約50%に形成された例を説明したが、案内羽根は、
ディフューザ出口における羽根高さが該ディフューザの
出口流路幅の40〜60%に形成されたものであれば、
前述と同様の効果が期待される。
ーザ4出口における羽根高さはディフューザ出口流路幅
の約50%に形成された例を説明したが、案内羽根は、
ディフューザ出口における羽根高さが該ディフューザの
出口流路幅の40〜60%に形成されたものであれば、
前述と同様の効果が期待される。
【0027】〔実施の形態 2〕図5は、本発明の第2
の実施形態を示す多段遠心圧縮機の縦断面図である。図
中、図1と同一符号のものは第1の実施形態と同等部を
示す。図5に示す実施の形態では、回転軸1Aには複数
の羽根車3,12等が取り付けられ、前段側の羽根車3
の半径方向外方にはディフューザ4が設けられている。
ディフューザ4は向かい合う一対の側板側ディフューザ
板5,心板側ディフューザ板6と、側板側ディフューザ
板5の流路表面に円形翼列状に取り付けられた案内羽根
7とで構成されている。
の実施形態を示す多段遠心圧縮機の縦断面図である。図
中、図1と同一符号のものは第1の実施形態と同等部を
示す。図5に示す実施の形態では、回転軸1Aには複数
の羽根車3,12等が取り付けられ、前段側の羽根車3
の半径方向外方にはディフューザ4が設けられている。
ディフューザ4は向かい合う一対の側板側ディフューザ
板5,心板側ディフューザ板6と、側板側ディフューザ
板5の流路表面に円形翼列状に取り付けられた案内羽根
7とで構成されている。
【0028】側板側ディフューザ板5の流路表面は、半
径方向に対し傾きをもち、ディフューザ4の流路幅は下
流に向かって大きくなっている。また、案内羽根7の高
さは流路幅より小さく、羽根高さは下流に向かって高く
なり、ディフューザ出口の羽根高さはディフューザ出口
幅の40〜60%に形成されている。案内羽根7の接線
方向から測った羽根角度における、その入口羽根角度β
inは、羽根車出口の平均流れ角にほぼ等しく、出口羽
根角度βoutは入口羽根角度βinより小さくなって
いる。
径方向に対し傾きをもち、ディフューザ4の流路幅は下
流に向かって大きくなっている。また、案内羽根7の高
さは流路幅より小さく、羽根高さは下流に向かって高く
なり、ディフューザ出口の羽根高さはディフューザ出口
幅の40〜60%に形成されている。案内羽根7の接線
方向から測った羽根角度における、その入口羽根角度β
inは、羽根車出口の平均流れ角にほぼ等しく、出口羽
根角度βoutは入口羽根角度βinより小さくなって
いる。
【0029】ディフューザ4の下流には、ディフューザ
4から吐出された流れを次段に導くためのリターンベン
ド8と一対のディフューザ板6,10と、それらの間に
案内羽根11を円形翼列状に設けた戻り流路チャンネル
部9により構成される戻り流路が設けられている。
4から吐出された流れを次段に導くためのリターンベン
ド8と一対のディフューザ板6,10と、それらの間に
案内羽根11を円形翼列状に設けた戻り流路チャンネル
部9により構成される戻り流路が設けられている。
【0030】本実施の形態においても、ディフューザ4
では、側板側の流れは案内羽根7で導かれ、逆流が防止
されてディフューザの流れが幅方向に一様化されるとと
もに、ディフューザ4における減速も大きくなる。した
がって、出口径の大きい平行壁羽根なしディフューザを
用いた従来の遠心圧縮機と比較しても、同程度の性能を
維持することができる。その結果、遠心圧縮機の大幅な
小形化が可能になり、製作コストが大幅に低減されるこ
とになる。
では、側板側の流れは案内羽根7で導かれ、逆流が防止
されてディフューザの流れが幅方向に一様化されるとと
もに、ディフューザ4における減速も大きくなる。した
がって、出口径の大きい平行壁羽根なしディフューザを
用いた従来の遠心圧縮機と比較しても、同程度の性能を
維持することができる。その結果、遠心圧縮機の大幅な
小形化が可能になり、製作コストが大幅に低減されるこ
とになる。
【0031】〔実施の形態 3〕図6は、本発明の第3
の実施形態を示す遠心圧縮機のディフューザ部拡大断面
図である。図中、図1と同一符号のものは第1の実施形
態と同等部を示す。図6に示す実施の形態では、羽根車
3の半径方向外方にディフューザ4Aが設けられてい
る。ディフューザ4Aは、向かい合う一対の側板側ディ
フューザ板5,心板側ディフューザ板6と、子午面内で
半径方向を向いた心板側ディフューザ板6の流路表面に
円形翼列状に取り付けられた案内羽根7Aとで構成され
ている。
の実施形態を示す遠心圧縮機のディフューザ部拡大断面
図である。図中、図1と同一符号のものは第1の実施形
態と同等部を示す。図6に示す実施の形態では、羽根車
3の半径方向外方にディフューザ4Aが設けられてい
る。ディフューザ4Aは、向かい合う一対の側板側ディ
フューザ板5,心板側ディフューザ板6と、子午面内で
半径方向を向いた心板側ディフューザ板6の流路表面に
円形翼列状に取り付けられた案内羽根7Aとで構成され
ている。
【0032】側板側ディフューザ板5の流路表面は半径
方向に対し傾きをもち、ディフューザ4Aの流路幅は下
流に向かって大きくなっている。また、案内羽根7Aの
高さは流路幅より小さく、羽根高さは下流に向かって高
くなり、ディフューザ出口羽根高さはディフューザ4A
の出口幅の40〜60%に形成されている。案内羽根7
Aの接線方向から測った羽根角度における、その入口羽
根角度βinは、羽根車出口の平均流れ角にほぼ等し
く、出口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより小
さくなっている。
方向に対し傾きをもち、ディフューザ4Aの流路幅は下
流に向かって大きくなっている。また、案内羽根7Aの
高さは流路幅より小さく、羽根高さは下流に向かって高
くなり、ディフューザ出口羽根高さはディフューザ4A
の出口幅の40〜60%に形成されている。案内羽根7
Aの接線方向から測った羽根角度における、その入口羽
根角度βinは、羽根車出口の平均流れ角にほぼ等し
く、出口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより小
さくなっている。
【0033】この実施の形態では、案内羽根がない場合
には心板側を多くの流体が流れようとするが、案内羽根
7Aがあるために流れは案内羽根7Aに導かれる。案内
羽根7Aの羽根角度は入口から出口に向かって小さくな
っているので、流れは案内羽根部を流れにくくなる。そ
の結果、流れは案内羽根のない側板側も流れるようにな
り逆流は防止され、ディフューザ4A内の流れは幅方向
に一様化されることになる。
には心板側を多くの流体が流れようとするが、案内羽根
7Aがあるために流れは案内羽根7Aに導かれる。案内
羽根7Aの羽根角度は入口から出口に向かって小さくな
っているので、流れは案内羽根部を流れにくくなる。そ
の結果、流れは案内羽根のない側板側も流れるようにな
り逆流は防止され、ディフューザ4A内の流れは幅方向
に一様化されることになる。
【0034】このように、第3の実施の形態でも逆流が
防止され、ディフューザ4Aの流れが幅方向に一様化さ
れるとともにディフューザでの減速も大きくなるので、
従来の羽根なしディフューザや羽根高さの低い案内羽根
を用いたディフューザに比べて、圧縮機性能は大幅に向
上することになる。また、出口径の大きい平行壁羽根な
しディフューザを用いた従来の遠心圧縮機と比較して
も、同程度の性能を維持することができる。その結果、
遠心圧縮機の大幅な小形化が可能になり、製作コストが
大幅に低減されることになる。
防止され、ディフューザ4Aの流れが幅方向に一様化さ
れるとともにディフューザでの減速も大きくなるので、
従来の羽根なしディフューザや羽根高さの低い案内羽根
を用いたディフューザに比べて、圧縮機性能は大幅に向
上することになる。また、出口径の大きい平行壁羽根な
しディフューザを用いた従来の遠心圧縮機と比較して
も、同程度の性能を維持することができる。その結果、
遠心圧縮機の大幅な小形化が可能になり、製作コストが
大幅に低減されることになる。
【0035】さらに、第3の実施の形態では、子午面内
で半径方向を向いた心板側ディフューザ板6の流路表面
に案内羽根7Aを設けたので、半径方向に傾けられた側
板側ディフューザ板5に案内羽根を設けた図4の実施形
態よりもディフューザの製作コストが低くなるという本
実施形態特有の効果もある。
で半径方向を向いた心板側ディフューザ板6の流路表面
に案内羽根7Aを設けたので、半径方向に傾けられた側
板側ディフューザ板5に案内羽根を設けた図4の実施形
態よりもディフューザの製作コストが低くなるという本
実施形態特有の効果もある。
【0036】〔実施の形態 4〕図7は、本発明の第4
の実施形態を示す遠心圧縮機のディフューザ部拡大断面
図である。図中、図1と同一符号のものは第1の実施形
態と同等部を示す。図7に示す実施の形態では、羽根車
3の半径方向外方に設けたディフューザ4Bは、向かい
合う一対の側板側ディフューザ板5B,心板側ディフュ
ーザ板6Bと、子午面内で半径方向を向いた側板側ディ
フューザ板5Bの流路表面に円形翼列状に取り付けられ
た案内羽根7Bとで構成されている。
の実施形態を示す遠心圧縮機のディフューザ部拡大断面
図である。図中、図1と同一符号のものは第1の実施形
態と同等部を示す。図7に示す実施の形態では、羽根車
3の半径方向外方に設けたディフューザ4Bは、向かい
合う一対の側板側ディフューザ板5B,心板側ディフュ
ーザ板6Bと、子午面内で半径方向を向いた側板側ディ
フューザ板5Bの流路表面に円形翼列状に取り付けられ
た案内羽根7Bとで構成されている。
【0037】心板側ディフューザ板6Bの流路表面は半
径方向に対し傾けられており、ディフューザ4Bの流路
幅は下流に向かって大きくなっている。また、案内羽根
7Bの高さは流路幅より小さく、羽根高さは下流に向か
って高くなり、出口羽根高さはディフューザ4Bの出口
幅の40〜60%に形成されている。案内羽根7Bのの
接線方向から測った羽根角度における、その入口羽根角
度βinは、羽根車出口の平均流れ角にほぼ等しく、出
口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより小さくな
っている。
径方向に対し傾けられており、ディフューザ4Bの流路
幅は下流に向かって大きくなっている。また、案内羽根
7Bの高さは流路幅より小さく、羽根高さは下流に向か
って高くなり、出口羽根高さはディフューザ4Bの出口
幅の40〜60%に形成されている。案内羽根7Bのの
接線方向から測った羽根角度における、その入口羽根角
度βinは、羽根車出口の平均流れ角にほぼ等しく、出
口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより小さくな
っている。
【0038】第4の実施の形態でも、図6の場合と同じ
作用により逆流が防止されディフューザ4Bの流れが幅
方向に一様化されるとともにディフューザ4Bにおける
減速も大きくなるので、従来の羽根なしディフューザや
羽根高さの低い案内羽根を用いたディフューザに比べ
て、圧縮機性能は大幅に向上することになる。また、出
口径の大きい平行壁羽根なしディフューザを用いた従来
の遠心圧縮機と比較しても、同程度の性能を維持するこ
とができる。その結果、遠心圧縮機の大幅な小形化が可
能になり、製作コストが大幅に低減されることになる。
作用により逆流が防止されディフューザ4Bの流れが幅
方向に一様化されるとともにディフューザ4Bにおける
減速も大きくなるので、従来の羽根なしディフューザや
羽根高さの低い案内羽根を用いたディフューザに比べ
て、圧縮機性能は大幅に向上することになる。また、出
口径の大きい平行壁羽根なしディフューザを用いた従来
の遠心圧縮機と比較しても、同程度の性能を維持するこ
とができる。その結果、遠心圧縮機の大幅な小形化が可
能になり、製作コストが大幅に低減されることになる。
【0039】さらに、第4の実施の形態でも、子午面内
で半径方向を向いた側板側ディフューザ板5Bの流路表
面に案内羽根7Bを設けたので、半径方向から傾けられ
たディフューザ板に案内羽根を設けた図4の場合よりも
ディフューザの製作コストが低くなるという効果もあ
る。
で半径方向を向いた側板側ディフューザ板5Bの流路表
面に案内羽根7Bを設けたので、半径方向から傾けられ
たディフューザ板に案内羽根を設けた図4の場合よりも
ディフューザの製作コストが低くなるという効果もあ
る。
【0040】〔実施の形態 5〕図8は、本発明の第5
の実施形態を示すディフューザ部拡大断面図である。図
中、図1と同一符号のものは第1の実施形態と同等部を
示す。図8に示す実施の形態では、羽根車3の半径方向
外方に設けたディフューザ4Cは、向かい合う一対の側
板側ディフューザ板5,心板側ディフューザ板6と、デ
ィフューザ4Cの流路幅が下流に向かって大きくなるよ
うに、子午面内で半径方向に対し傾きをもつ側板側ディ
フューザ板5の流路表面に、円形翼列状に取り付けられ
た案内羽根7、および子午面内で半径方向を向いた心板
側ディフューザ板6の流路表面の出口付近に円形翼列状
に取り付けられた案内羽根17とから構成されている。
の実施形態を示すディフューザ部拡大断面図である。図
中、図1と同一符号のものは第1の実施形態と同等部を
示す。図8に示す実施の形態では、羽根車3の半径方向
外方に設けたディフューザ4Cは、向かい合う一対の側
板側ディフューザ板5,心板側ディフューザ板6と、デ
ィフューザ4Cの流路幅が下流に向かって大きくなるよ
うに、子午面内で半径方向に対し傾きをもつ側板側ディ
フューザ板5の流路表面に、円形翼列状に取り付けられ
た案内羽根7、および子午面内で半径方向を向いた心板
側ディフューザ板6の流路表面の出口付近に円形翼列状
に取り付けられた案内羽根17とから構成されている。
【0041】案内羽根7の高さは流路幅より小さく、羽
根高さは下流に向かって高くなり、出口羽根高さはディ
フューザ4Cの出口幅の40%程度に形成されている。
案内羽根7の接線方向から測った角度における、その入
口羽根角度βinは、羽根車出口の平均流れ角にほぼ等
しく、出口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより
小さくなっている。案内羽根17は、羽根高さが流路幅
の約20%と一定であり、出口羽根角度は案内羽根7の
出口羽根角度とほぼ等しい。
根高さは下流に向かって高くなり、出口羽根高さはディ
フューザ4Cの出口幅の40%程度に形成されている。
案内羽根7の接線方向から測った角度における、その入
口羽根角度βinは、羽根車出口の平均流れ角にほぼ等
しく、出口羽根角度βoutは入口羽根角度βinより
小さくなっている。案内羽根17は、羽根高さが流路幅
の約20%と一定であり、出口羽根角度は案内羽根7の
出口羽根角度とほぼ等しい。
【0042】第5の実施形態においても、ディフューザ
4Cでは側板側の流れは案内羽根7で導かれ、逆流が防
止されてディフューザの流れが幅方向に一様化されると
ともに、ディフューザ4Cにおける減速も大きくなるの
で、出口径の大きい平行壁羽根なしディフューザを用い
た従来の遠心圧縮機と比較しても、同程度の性能を維持
することができる。その結果、遠心圧縮機の大幅な小形
化が可能になり、製作コストが大幅に低減されることに
なる。
4Cでは側板側の流れは案内羽根7で導かれ、逆流が防
止されてディフューザの流れが幅方向に一様化されると
ともに、ディフューザ4Cにおける減速も大きくなるの
で、出口径の大きい平行壁羽根なしディフューザを用い
た従来の遠心圧縮機と比較しても、同程度の性能を維持
することができる。その結果、遠心圧縮機の大幅な小形
化が可能になり、製作コストが大幅に低減されることに
なる。
【0043】なお、ディフューザの出口幅と入口幅の比
が大きい場合、すなわち、ディフューザの流路幅の下流
に向かっての拡大が特に大きいような場合、図1〜7の
各実施の形態(案内羽根が片側のディフューザ板にある
のみ)では、流れを一様化できない場合もある。しか
し、図8の実施の形態では、出口付近に別の案内羽根1
7が設けられているため、図1〜7の各実施形態の場合
よりも流れの幅方向の一様化作用が強く、ディフューザ
の性能がさらに向上する。
が大きい場合、すなわち、ディフューザの流路幅の下流
に向かっての拡大が特に大きいような場合、図1〜7の
各実施の形態(案内羽根が片側のディフューザ板にある
のみ)では、流れを一様化できない場合もある。しか
し、図8の実施の形態では、出口付近に別の案内羽根1
7が設けられているため、図1〜7の各実施形態の場合
よりも流れの幅方向の一様化作用が強く、ディフューザ
の性能がさらに向上する。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ディフューザ内の逆流が防止されディフューザの
流れが幅方向に一様化されるとともに、ディフューザに
おける減速も大きくなり、ディフューザを高性能かつ広
い作動範囲に維持しつつ、ディフューザひいては流体機
械を小形化し、製作コストを低減しうるターボ形流体機
械を提供することができる。
れば、ディフューザ内の逆流が防止されディフューザの
流れが幅方向に一様化されるとともに、ディフューザに
おける減速も大きくなり、ディフューザを高性能かつ広
い作動範囲に維持しつつ、ディフューザひいては流体機
械を小形化し、製作コストを低減しうるターボ形流体機
械を提供することができる。
【図1】本発明の一実施形態を示す遠心圧縮機の縦断面
図である。
図である。
【図2】図1のAーA矢視図である。
【図3】ディフューザ流路形状とディフューザ出口流れ
分布の説明図である。
分布の説明図である。
【図4】ディフューザ出口の速度三角形である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す多段遠心圧縮機
の縦断面図である。
の縦断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す遠心圧縮機のデ
ィフューザ部拡大断面図である。
ィフューザ部拡大断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を示す遠心圧縮機のデ
ィフューザ部拡大断面図である。
ィフューザ部拡大断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態を示すディフューザ部
拡大断面図である。
拡大断面図である。
1,1A…回転軸、3…羽根車、4,4A,4B,4C
…ディフューザ、5,5B…側板側ディフューザ板、
6,6B…心板側ディフューザ板、7,7A,7B…案
内羽根、8…リターンベンド、9…戻り流路チャンネル
部、10…戻り流路仕切板、11…案内羽根、12…次
段羽根車、14…吸込み管、15…スクロールケーシン
グ、16…ケーシング、17…案内羽根。
…ディフューザ、5,5B…側板側ディフューザ板、
6,6B…心板側ディフューザ板、7,7A,7B…案
内羽根、8…リターンベンド、9…戻り流路チャンネル
部、10…戻り流路仕切板、11…案内羽根、12…次
段羽根車、14…吸込み管、15…スクロールケーシン
グ、16…ケーシング、17…案内羽根。
Claims (5)
- 【請求項1】 羽根車と、この羽根車の下流に位置し、
対向する一対のディフューザ板で流路壁面が構成され、
その流路幅が下流に向かって大きくなるディフューザを
備えたターボ形流体機械において、 上記ディフューザのいずれか一方の流路壁面に、流路幅
より羽根高さが低く、かつ出口における羽根高さが該デ
ィフューザの出口流路幅の40〜60%に形成された案
内羽根を、円形翼列状に設けたことを特徴とするターボ
形流体機械。 - 【請求項2】 ディフューザの案内羽根の羽根高さを該
ディフューザの入口から出口に向かって高くなるように
形成したことを特徴とする請求項1記載のターボ形流体
機械。 - 【請求項3】 羽根車と、この羽根車の下流に位置し、
対向する一対のディフューザ板で流路壁面が構成され、
その流路幅が下流に向かって大きくなるディフューザを
備えたターボ形流体機械において、 ディフューザの対向する両流路壁面に、それぞれ流路幅
より高さが低い案内羽根を円形翼列状に設け、かつ、デ
ィフューザ出口における前記二つの案内羽根の羽根高さ
の和を該ディフューザの出口流路幅の40〜60%とし
たこと特徴とするターボ形流体機械。 - 【請求項4】 ディフューザの対向する両流路壁面に設
けた二つの案内羽根のいずれか一つの羽根高さを該ディ
フューザの入口から出口に向かって高くなるように形成
したことを特徴とする請求項4記載のターボ形流体機
械。 - 【請求項5】 ディフューザの案内羽根の接線方向から
測った羽根角度における出口羽根角度を入口羽根角度よ
り小さくしたことを特徴とする請求項1または3記載の
もののいずれかのターボ形流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24643197A JPH1182389A (ja) | 1997-09-11 | 1997-09-11 | ターボ形流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24643197A JPH1182389A (ja) | 1997-09-11 | 1997-09-11 | ターボ形流体機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1182389A true JPH1182389A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17148388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24643197A Pending JPH1182389A (ja) | 1997-09-11 | 1997-09-11 | ターボ形流体機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1182389A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102042266A (zh) * | 2009-10-22 | 2011-05-04 | 株式会社日立工业设备技术 | 涡轮式流体机械 |
US20110189011A1 (en) * | 2008-08-06 | 2011-08-04 | Continental Automotive Gmbh | Turbocharger having an insertion plate |
EP2806170A4 (en) * | 2012-01-17 | 2015-11-18 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | centrifugal |
CN106812726A (zh) * | 2016-12-29 | 2017-06-09 | 西安航天泵业有限公司 | 一种多级离心泵导叶 |
JP2021124046A (ja) * | 2020-02-04 | 2021-08-30 | 三菱重工業株式会社 | 遠心圧縮機のディフューザ構造及び遠心圧縮機 |
-
1997
- 1997-09-11 JP JP24643197A patent/JPH1182389A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110189011A1 (en) * | 2008-08-06 | 2011-08-04 | Continental Automotive Gmbh | Turbocharger having an insertion plate |
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