WO2022260021A1

WO2022260021A1 - 垂直離着陸機載置装置及び垂直離着陸機駐機システム

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Publication number: WO2022260021A1
Application number: PCT/JP2022/022863
Authority: WO
Inventors: 木下幹巳
Original assignee: エアロファシリティー株式会社
Priority date: 2021-06-07
Filing date: 2022-06-06
Publication date: 2022-12-15
Also published as: JPWO2022260021A1

Abstract

【課題】垂直離着陸機の離着陸時及び地上移動時の騒音や強風を遮蔽でき、かつ、速やかに離陸準備などが可能な垂直離着陸機載置装置を提供することと、垂直離着陸機を効率よく離着陸させるために、垂直離着陸機載置装置と連動した垂直離着陸機駐機システムを提供すること。【解決手段】垂直離着陸機載置装置であって、垂直離着陸機を上面に載置できる略水平に設置される平板状の載置台と、前記垂直離着陸機が前記載置台に載置された状態で、前記垂直離着陸機の周囲を囲むように設けられた、垂直離着陸機の動作時に生じる音及び／または風を遮る遮蔽壁とを有すること。及び、載置台を移動させる載置台移動部とを有すること。更に、垂直離着陸機載置装置と連動した駐機場システムを提供すること。

Description

垂直離着陸機載置装置及び垂直離着陸機駐機システム

　本発明は、垂直離着陸機の離着陸にも供することができる垂直離着陸機載置装置であって、音や風を遮蔽する遮蔽壁を有し、及び／または垂直離着陸機を載置した載置台を移動でき、垂直離着陸機を効率的に駐機できる装置及びシステムに関する。

　近年、ＶＴＯＬ（Vertical Take-Off and Landing aircraft）と呼ばれる垂直離着陸機の需要が拡大しつつある。垂直離着陸機は全く滑走しないで垂直方向に離着陸する航空機（飛行体）であり、有人機では、「空飛ぶクルマ」「空飛ぶタクシー」として実用化に近づいており、無人機ではドローンによる物品の配送などに広く使われ始めている。

　なお、本発明において、通常運航におけるヘリコプターは、垂直離着陸機には含まれないものとする。ヘリコプターは、通常時は垂直ではなくやや斜めに離着陸を行う（離着陸勾配）こと、航空法上もそのような観点からヘリポートの規制は、離着陸勾配を考慮したものになっていることなどからである。

　ここで、垂直離着陸機の離着陸時には、騒音及び吹き下ろし風の発生が著しく、その防止や低減が望まれている。

　また、垂直離着陸機の離着陸を速やかに行うために、垂直離着陸機の移動を迅速に行うことができる移動手段、移動方法も望まれている。

　例えば、特許文献１には、発着台と、その周囲に配置された壁とからなるヘリコプターの発着場であって、発着時の爆音や風を防止できるという技術思想が開示されているが、この発明のヘリコプターの発着場は、先に述べたヘリコプターの通常運航に用いることができない違法なものであることから、本発明の先行技術とはなり得ない。

特開昭６４－２４９０５号公報

　解決しようとする課題は、垂直離着陸機の離着陸時及び地上移動時の騒音や強風を遮蔽でき、かつ、速やかに離陸準備などが可能な垂直離着陸機載置装置を提供することである。

　更に、本発明の解決しようとするもう一つの課題は、垂直離着陸機を効率よく離着陸させるために、垂直離着陸機載置装置と連動した垂直離着陸機駐機システムを提供することである。

　本発明の第１の態様は、垂直離着陸機を載置する垂直離着陸機載置装置であって、
－垂直離着陸機を上面に載置できる略水平の面を有する載置台と、
－前記垂直離着陸機が前記載置台に載置された状態で、前記垂直離着陸機の周囲を囲むように設けられた、垂直離着陸機の動作時に生じる音及び／または風を遮る遮蔽壁と
を有することを特徴とする。

　ここで、垂直離着陸機とは、垂直に離着陸する飛行体を言い、有人・無人を問わず、また、動力も、エンジンによるもの、電気によるもの、及びその他の動力源によるもののいずれであってもよい。

　載置台とは、パレットなどと呼ばれてもよく、上部の水平に設置される平面に垂直離着陸機を載置できるもので、厚みを有する平板状であって、上部平面の形状は正方形が好適ではあるが、その他の多角形、円形、楕円形など、どのような形状であってもよい。

　載置台は、垂直離着陸機の着陸・離陸に用いられる、いわゆる着陸帯としても使用できることが好適であり、そのために必要な上面の面積を有していることが望ましい。

　但し、載置台の周囲に段差なく設けられたプラットホームを有する場合には、その部分も含め、垂直離着陸機の離着陸の用に供してもよいが、最も狭くても、垂直離着陸機を完全に載置できる面積を有することが必要である。

　載置台は、垂直離着陸機の離着陸の際の衝撃を吸収または緩和する衝撃吸収材料または衝撃緩和材料を含んでいることが好適である。

　垂直離着陸機の場合、載置台（着陸帯）のすぐ近くに防音壁（遮風壁）を設置できる。このことから、遮蔽壁は、垂直離着陸機の周囲になるべく近接して設けられており、壁面の外周の形状は載置台の上面形状に合わせて正方形を含む多角形や曲線図形であって、載置台の外縁付近から屹立し、鉛直方向上方に延伸するものであることが好適である。

　なお、載置台の周囲にプラットホームが設けられている場合には、遮蔽壁を載置台上ではなくて、プラットホームに設けるようにしてもよい。

　更に、遮蔽壁の延伸方向は、鉛直上方ではなく、一部または全部の遮蔽壁が上部に向かうにつれ外に広がる、あるいは内に狭まる形状であってもよく、垂直離着陸機の周囲を開放部なしで遮蔽することが好適であるが、一部に開放個所や、開口部、窓部、扉部などの外部と通じる部分を設けてもよく、更に、遮蔽壁の上部を覆う、可動の天井を設けてもよい。

　また、遮蔽壁は、一部または全部を取り外す、あるいは外側に向け、あるいは、内側に向けて倒す（可倒式）、あるいはスライドさせるなどの方法で、全てをあるいは一部を開放することができる構造であってもよい。

　この態様の載置台と遮蔽壁とを有する垂直離着陸機載置装置では、垂直離着陸機の周囲を遮蔽壁で囲ったから、垂直離着陸機の離陸、着陸、アイドリング、動作試験などの際にも、周囲に漏れる音や風を遮ることができ、環境にやさしい垂直離着陸機載置装置を実現することができる。

　次に、本発明の第２の態様は、垂直離着陸機を載置する垂直離着陸機載置装置であって、
－垂直離着陸機を上面に載置できる略水平の面を有する載置台と、
－前記垂直離着陸機を前記載置台に載置された状態で、前記載置台を移動させる載置台移動部と
を有することを特徴とする。

　ここで、載置台移動部は、載置台の下方にあり、載置台を保持し、水平方向に延伸する1対（２本）のレールと、レール上でレールの延伸方向に滑動しうる載置台をレールの延伸方向に牽引する牽引機構とを有していることが好適であるが、レールの本数などは限定されない。

　また、載置台移動部は、その方法に限定されず、レールを用いず、載置台の下部に車輪やころ軸受などを設けて滑動できるようにしてもよく、移動手段も牽引ではなく、後方から載置台を押し出すような方式でもよく、これらの方法は、動力を用いる方法のほか、人力によって行われてもよい。

　また、載置台の移動は、水平面で行われることが通例であるが、傾斜面で行われ、下降時には動力を用いない方法もあり得るし、更には垂直の移動としてリフトやエレベータなどの昇降手段を用いる場合もあり得る。

　更に、載置台にエンジンやモータなどの自走手段を搭載してもよく、あるいは載置台とは別に、昇降機能を有する自走車を載置台の下部に差し込み、垂直離着陸機の載置された載置台を若干持ちあげて浮上させ所定の場所まで移動した後に、載置台を下降させて自走車を抜きとるような、いわゆるＡＧＶ（Automatic Guided Vehicle）あるいは無人搬送車の技術思想を用いてもよい。

　なお、通常、垂直離着陸機の離着陸場所（着陸帯）と駐機場との間の移動は、垂直離着陸機を地表面から少し（５０ｃｍ－１ｍ程度）浮上させた状態で、垂直離着陸機の動力によって移動させる（ホバー移動ということもある）ため、その間にも、音や風の発生があり、周囲環境に与える影響が大きい。

　なお、「ホバー移動」とは航空法での「飛行（フライト）」に当たらない。航空法では離陸および着陸は「着陸帯」からスタートし「着陸帯」で終了するものである。

　この態様の垂直離着陸機載置装置では、垂直離着陸機の動力を停止した状態で載置台に垂直離着陸機を載置した状態で、着陸後、あるいは離陸前の垂直離着陸機を駐機場などへ、あるいは駐機場などから迅速に移動させることができ、離陸までの時間の短縮ができ、かつ、移動中の垂直離着陸機による音や風の発生がないため、周囲環境に与える影響が少ない。

　次に、本発明の第３の態様は、垂直離着陸機を載置する垂直離着陸機載置装置であって、
－垂直離着陸機を上面に載置できる略水平の面を有する載置台と、
－前記垂直離着陸機が前記載置台に載置された状態で、前記垂直離着陸機の周囲を囲むように設けられた、垂直離着陸機の動作時に生じる音及び／または風を遮る遮蔽壁と
－前記垂直離着陸機を前記載置台に載置された状態で、前記載置台を移動させる載置台移動部と
を有することを特徴としてもよい。

　本発明のこの態様は、本発明の第１の態様と本発明の第２の態様とを合わせたものであり、垂直離着陸機の離陸までの時間が短くて済み、かつ、垂直離着陸機の載置台での離着陸時の音や風については遮蔽壁で遮蔽でき、また、離着陸前後の移動の際の音や風については、垂直離着陸機の動力を止め、載置台移動部で移動することにより発生させないことで、環境にやさしい垂直離着陸機載置装置を提供することができる。

　なお、遮蔽壁は、載置台の移動、特に、垂直離着陸機が離着陸する場所への出入りの際には、遮蔽壁の一部が開放され、そこから載置台が出入りするようにし、出入りが完了したら遮蔽壁を元に戻すようにすることが好ましい。

　また、本発明のこの態様に係る説明は、第１の態様及び第２の態様に記載された説明が同様に適用できる。

　次に、本発明の第４の態様は、垂直離着陸機の駐機システムであって、
－本発明の第２の態様または第３の態様の垂直離着陸機載置装置と、
－複数の垂直離着陸機を所定の駐機場所に駐機できる移動手段を有する駐機場と、
－前記載置台移動部と前記駐機場の移動手段との間で、垂直離着陸機が載置された前記載置台を授受できることを特徴としてもよい。

　ここで、載置台移動部と、駐機場の移動手段とは共用として、駐機場内に載置台移動部が入り込んでくるようにしてもよい。

　また、駐機場は平面に展開され、マトリックス状に駐機スペースが設けられ、その駐機スペースから、あるいはその駐機スペースへと垂直離着陸機が移動手段によって移動されることが好適であるが、上方または下方に積層できる立体駐機場であってもよく、移動手段として、リフト、エレベータなどを用いるようにしてもよい。

　また、本発明の第５の態様は、第２の態様または第３の態様の垂直離着陸機載置装置に用いられる、垂直離着陸機を上面に載置できる載置台であって、
最上部の弾性を有する材料からなる第一層と、
前記第一層の下方に設けられる、下方に向けて開放された格子状枠体を有する第二層と、
前記格子状枠体の個々の枠に収められ、前記格子状枠体よりも下方に突出する、弾性体からなる第三層と、
前記第二層の外側部を内部に隙間なく収容する、上方に開放された四角筒状の第四層と
からなることを特徴としてもよい。

　このようにすると、垂直離着陸機の着陸の際の集中衝撃荷重を、第一層の弾性体によって緩和し、第二層の格子状枠体によって分散し、更に第三層の弾性体によって吸収することができ、更に、第四層によって、第三層を収容している第二層を拘束しているため、剪断方向（水平方向）の動きが抑えられ、垂直離着陸機にとっては着陸時の衝撃が少なく、快適で安全な着陸が実現でき、また載置台にとっても垂直離着陸機による衝撃での損傷を生じず、長期間使用可能な設備を実現することができる。

　なお、このような垂直離着陸機を上面に載置できる載置台は、これまでの態様に記載された垂直離着陸機載置装置あるいは垂直離着陸機載置システムにおいて用いることもできるし、単体の垂直離着陸機用の載置台としても、有効に利用することができる。

また、本発明の第６の態様は、第２の態様または第３の態様の垂直離着陸機載置装置であって、前記載置台移動部が、前記載置台とは分離可能で、ジャッキアップ機能を有し、前記載置台の下部空間に潜り込み、前記載置台をジャッキアップして運搬できることを特徴としてもよい。

　ここで、載置台移動部は、ＡＧＶと呼ばれるような無人の自走車であり、対象物の下部に進入して、その上面を上方に突出（ジャッキアップあるいはリフトアップ）させ、対象物を宙に浮かせて運搬する形態のものが好適であるが、それに限定せず、フォークリフトや人力によるジャッキなど、様々な手段を用いることができる。

　このようにすると、垂直離着陸機の離着陸時は、ジャッキアップしない状態で、載置台移動部は、載置台と離れて、あるいは載置台の下で空隙を有して、待機しているため、載置台移動部が離着陸時の衝撃荷重を受けることはなく、構造が簡素化される。

また、本発明の第７の態様は、第２の態様または第３の態様の垂直離着陸機載置装置であって、前記載置台が、前記載置台移動部とは分離可能で、前記垂直離着陸機の着陸時の衝撃を吸収しうる弾性体を含む載置台座面と、１又は複数の前記載置台座面を支持する載置台フレームとを有し、前記載置台フレームの脚部によって、自立しうることを特徴としてもよい。

このようにすると、載置台と載置台移動部が分離でき、かつ、載置台は自立できることから、載置台移動部によって、垂直離着陸機を載置した状態、あるいは載置しない状態で、適切な位置（離着陸場、駐機場、メンテナンス場など）に移動させ、その場所で待機させることができるため、運用上、極めて有効である。

また、載置台座面には、衝撃を吸収しうる弾性体を有しており、かつ、１枚または複数枚（好適には４枚）の座面を載置台フレームにはめ込んだため、垂直離着陸機の特に着陸時の衝撃を吸収あるいは緩和することができ、載置台フレームなどの構造が簡素化できる。

なお、載置台座面の構造は、本発明の第５の態様に記載されたような格子状枠体によって弾性体を支持するものが好適であるが、これに限定されず、弾性体を支持できる構造であればどのようなものであってもよい。

　上記のように、本発明の垂直離着陸機載置装置、垂直離着陸機駐機システムは、垂直離着陸機の音や風による環境問題を低減できるとともに、速やかな垂直離着陸機の離着陸を可能とすることができる。

本発明の第１の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図である。本発明の第１の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図である。本発明の第１の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図である。本発明の第１の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の側面図である。本発明の第２の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図である。本発明の第２の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の側面図である。本発明の第２の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図である。本発明の第２の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の側面図である。本発明の第３の実施形態の垂直離着陸機駐機システムの説明図である。本発明の第３の実施形態の垂直離着陸機駐機システムの説明図である。本発明の第３の実施形態の垂直離着陸機駐機システムの説明図である。本発明の第３の実施形態の垂直離着陸機駐機システムの説明図である。本発明の垂直離着陸機載置装置の第１の実施例の載置台の斜視図である。本発明の載置装置の第１の実施例の載置台の一部斜視図である。本発明の垂直離着陸機載置装置の第２の実施例の載置台の断面図である。本発明の載置装置の第２の実施例の載置台の断面図である。本発明の載置装置の第２の実施例の載置台の斜視図である。本発明の載置装置の第２の実施例の載置台フレームの斜視図である。本発明の載置装置の第２の実施例の載置台運搬用ＡＧＶの斜視図である。本発明の載置装置の第２の実施例の載置台座板の構造の説明図である。本発明の載置装置の第２の実施例の載置台とその周辺のイラストである。本発明の載置装置の第２の実施例の載置台とその周辺のイラストである。本発明の載置装置の第２の実施例の載置台とその周辺のイラストである。本発明の垂直離着陸機駐機システムの第２の実施例のイラストである。本発明の垂直離着陸機駐機システムの第２の実施例のイラストである。

　本発明の第１の実施形態の垂直離着陸機載置装置１について図面を用いて説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
図１は本発明の第１の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図であり、図２は本発明の第１の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図（遮蔽壁開状態）である。

　垂直離着陸機載置装置１は、垂直離着陸機Ｖを上面に載置できる載置台１０、載置台１０の外周部分に略鉛直方向に起立する遮蔽壁２０、遮蔽壁２０の一部には載置台１０を移動させる際に開かれる両開き扉２１ａ、２１ｂが設けられている。

　載置台１０は垂直離着陸機Ｖを載置するのに十分な強度の金属などの素材をベースに適切な構造で構成されており、載置台１０の上面のスペースは垂直離着陸機Ｖを載置するのに十分な寸法である。

　図３は本発明の第１の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図（載置台移動状態）であり、垂直離着陸機Ｖを載置した載置台１０が遮蔽壁２０を残して移動させられた状態を示している。

　なお、載置台１０にゴムなどの弾性体を用いた衝撃吸収部材または衝撃緩和部材を含んでいてもよく、また、この部分に吸音材、あるいは防振材を含んでいてもよい。

　遮蔽壁２０は、単に囲いまたは塀と呼んでもよく、載置台１０の外周部を囲うように起立しており、上方へ向かってやや開いていく形状が望ましい。

　また、遮蔽壁２０は、金属製あるいは樹脂製で、遮音効果の高い材質であるか、あるいは吸音材などを貼り付けるなどして遮音効果を高めてもよい。

　図４は本発明の第１の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の側面図であり、載置台１０の下部に複数の車輪１１が設けられている。図に示すように、載置台１０は、図示しない移動手段で遮蔽壁２０から、開かれた両開き扉２１ａ、２１ｂを通って外部へと移動させることができる。

　ここで、車輪１１を用いて載置台１０の移動が行われるが、その移動の駆動源は、載置台１０自身に内蔵するモータなどによるか、図示しない動力を用いる牽引手段や押圧手段、あるいは、人力によるものであってもよい。

　なお、垂直離着陸機載置装置には、別の実施形態があり、その構成につき説明する。
図５は本発明の第２の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図（遮蔽壁付き載置台）であり、図６は本発明の第２の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の側面図である。

　この実施形態では、載置台１０の一部として遮蔽壁２０ａが設けられており、遮蔽壁２０ａが、遮蔽の必要がない場合で水平に倒された状態を示している。すなわち、可倒式の遮蔽壁２０ａである。

　また、遮蔽壁２０ａを含んだ状態の載置台１０の下部にも車輪１１が設けられている。

　図７は本発明の第２の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の説明図（遮蔽壁起立時）であり、図８は本発明の第２の実施形態に係る垂直離着陸機載置装置の遮蔽壁起立時の側面図である。

　可倒式の遮蔽壁２０ａを使用する際には、図示するように、水平状態から、上方に起立させることができる。

　なお、この場合では起立した際の角度は、水平面から直角（鉛直）ではなく、やや上部が開くような形（水平面から６０度程度）になっている。この方が、実用上、便利な場合もあり得る。

　次に、本発明の第３の実施形態の垂直離着陸機駐機システム１０００につき、構成を説明する。図９から図１２は本発明の第３の実施形態の垂直離着陸機駐機システム１０００の説明図である。

　このシステム１０００は、垂直離着陸機Ｖの離着陸の用に供される載置台１０，載置台１０の外周付近に設けられた遮蔽壁２０、載置台１０の移動の経路となる誘導路３０を含んでいる。なお、離着陸のために載置台１０が設置される場所を離着陸場８０とする。

　誘導路３０の延伸方向には、駐機場７０がある。駐機場７０は水平面状であり、複数機の駐機が可能となっている。

　また、図中のＶ１からＶ８は、それぞれ載置台１０に載置された垂直離着陸機Ｖの１台めから８台め（垂直離着陸機の図示は省略）を示すものであり、格子状に描かれているのは、垂直離着陸機Ｖの駐機場内の誘導路３０を示し、その交点が駐機場所を示すものであるが、交点に限定せず経路中のいずれの場所であってもよい。

　この実施形態では、先の実施形態における車輪１１の代わりに、あるいは車輪１１に加えて、載置台１０をレールで構成される誘導路３０の上を種々の駆動手段で移動させるようになっている。

　なお、誘導路３０の構成はレールによるものに限定せず、レールなしで、車輪（前方からの牽引あるいは後方からのプッシュ方式）によるもの、自走車によるもの、ＡＧＶによるものなど、誘導手段（ガイドや床面に貼付されたテープの有無など）によらず、どのようなものでもよく、駐機場７０内の適切な位置に垂直離着陸機Ｖを駐機できればよい。

　なお、駐機場に設けられる載置台１０には、垂直離着陸機Ｖを載置しないものもあってもよく、新たに着陸する垂直離着陸機Ｖに対応するようにしてもよい。

　次に、本発明の垂直離着陸機載置装置及び垂直離着陸機駐機システムの運用を説明する。　　　　

　図９に白矢印で示すように、載置台１０の上方から、垂直離着陸機Ｖ１が垂直に降下し載置台１０に着陸しようとしている。この状態では、遮蔽壁２０は四周を囲われている。

　次に、図１０に示すように垂直離着陸機Ｖ１が載置台１０に着陸したら、駐機場７０では、誘導路３０の上を黒矢印で示すように今度離陸する垂直離着陸機Ｖ２を載置した載置台１０が駐機スペースを出て、垂直離着陸機Ｖ１を載置した載置台１０の駐機スペースを空け、離陸のスタンバイをする。

　次に、図１１に示すように、遮蔽壁２０の両開き扉２１ａ、２１ｂを開け、垂直離着陸機Ｖ１を載置した載置台１０を駐機場７０へ向かわせるよう準備する。

　次に、図１２に示すように、垂直離着陸機Ｖ１を載置した載置台１０を最初に垂直離着陸機Ｖ２を載置した載置台１０の居た場所に向かわせ、一方、垂直離着陸機Ｖ２を載置した載置台１０を離着陸場８０へと向かわせる。

　この後は、載置台１０の両開き扉２１ａ、２１ｂは閉じられて、垂直離着陸機Ｖ２が離陸し、その後は同様の手順で、着陸・離陸が繰り返される。

　次に、載置台１０の更に具体的な構造について、第１の実施例を図面を用いて説明する。この実施例は、載置台１０の厚さ方向をなるべく薄い構造で仕上げることを狙いとしている。載置台１０の厚さが薄くできれば、載置台１０の移動などの際の機構が簡略化され、更には垂直離着陸機載置装置全体の構成も簡略化できることから、経済的メリットも大きい。　　　　

　図１３は本発明の垂直離着陸機載置装置の第１の実施例の載置台の分解斜視図であり、図１４は本発明の垂直離着陸機載置装置の第１の実施例の載置台の一部断面の斜視図である。

　載置台１０は上下方向に４層の構造となっている。最上部の第一層Ｌ１は衝撃緩衝のための高い弾性を有する材料、好適にはゴム材で構成される平板である。

　なお、垂直離着陸機Ｖの降着装置はタイヤ式とスキッド式とがあり、スキッド式の場合は停止時に自重によりスキッド幅が開くことが予想される。すなわち、開こうとするスキッドによって第一層Ｌ１の上面を横方向に引っ張る力が働くことになる。そのためゴム材であって表面の摩擦力が強くないものがより好適である。

　第二層Ｌ２は、上側の、剛性の高い、金属材、繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）、またはエンジニアリングプラスチック材などの平板である上側第二層Ｌ２ａと、下側の、剛性の高い金属材、繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）、またはエンジニアリングプラスチック材などを格子状枠体（升目状あるいは障子の桟のような形状と言ってもよい）で形成した下側第二層Ｌ２ｂとからなり、これらの上側第二層Ｌ２ａと下側第二層Ｌ２ｂとは溶接などの方法で固定結合されている。

　なお、第二層Ｌ２の素材の金属としては鋼鉄（スチール）材が簡便であるが、垂直離着陸機Ｖがマグネットメーターなど地磁気を感知するセンシティブな機器類を搭載する場合には、磁化しにくいアルミニウムやステンレスなどを用いることがより好適である。

　第三層Ｌ３は、第二層Ｌ２の下側に設けられ、この載置台１０全体のクッション（衝撃吸収機能）を果たすものであり、複数の分離した部分から形成される。

　材質としてはゴム、スプリング、梱包などに用いられるエアー緩衝材、エアーベッドのような衝撃吸収材、発泡材などの高弾性の素材であることが好適であり、図に示すように、ゴムなどのように、形状が成形できる材質であれば、平面寸法は、下側第二層Ｌ２ｂの格子状枠体の個々の枠（区画）にすっぽりと収まる寸法が好ましい。

　なお、その他の材質の場合も、格子状枠体の個々の枠（区画）に、なるべく隙間なく収まる寸法であることが好ましい。

　また、上下方向は、第三層Ｌ３を下側第二層Ｌ２ｂの格子状枠体の個々の枠内に上下方向の空隙なく収めた場合に、第二層Ｌ２よりもやや突出する寸法とする。

　具体的には、格子状枠体の個々の枠の深さは１５ｃｍ程度、第三層Ｌ３の厚み（高さ）は無荷重時に２０ｃｍ程度であり、５ｃｍ程度が突出している状態となる。なお、この寸法は一例であり、載置台１０の大きさ、垂直離着陸機Ｖの重量、第三層の材質などで大きく変化する。

　第四層Ｌ４は第三層Ｌ３の下方に設けられ、第三層Ｌ３が下側第二層Ｌ２ｂに収められた状態の、下側第二層Ｌ２ｂの平面視で外周部を隙間を少なく収容できるような、上部が開放された四角筒の形状をしている。

　この構造は、弁当箱と蓋との関係（上下は逆）であり、第四層Ｌ４が下側第二層Ｌ２ｂに隙間なくかぶせられている状態である。

　図１４は組立後の載置台１０を示しており、第一層Ｌ１第二層Ｌ２、第四層Ｌ４は断面で示され、第三層Ｌ３は断面ではなく、個々の弾性体の外形を示している。

　次に、このような構造の載置台１０の機能につき説明する。載置台１０には垂直離着陸機Ｖの着陸時にタイヤまたはスキッドと接する部分に大きな集中衝撃荷重がかかるが、まず、第一層Ｌ１の弾性体により、その衝撃が緩和（吸収）され、集中荷重も分散される。

　それでもまだ大きな集中衝撃荷重がかかっているため、上側第二層Ｌ２ａと下側第二層Ｌ２ｂとによる格子状構造とすることで、集中荷重の更なる分散がなされる。

　更に、第三層Ｌ３のクッション材によって、衝撃荷重が十分に緩和（吸収）される。

　なお、載置台１０の上側第二層Ｌ２ａが第四層Ｌ４に少ない隙間で収容されていることから、下側第二層Ｌ２ｂの弾性体に与える剪断力（水平方向にずれる力）は少なくなり、載置台１０上面の水平状態の維持や、下側第二層Ｌ２ｂの損傷の発生の防止が実現でき、安定した運用が可能となる。

　更に、載置台１０にかかる荷重が水平面上で不均一であると、載置台１０上面の水平が保たれない恐れもあるが、荷重の大きな個所では第三層Ｌ３の圧縮量が大きくなり、第四層Ｌ４の底部に上側第二層Ｌ２ａが直接接触するようになれば、それ以上は水平状態を損なうことはなく、載置台１０を安全に利用することができる。

　このようにして、垂直離着陸機Ｖにとっては着陸時の衝撃が少なく、快適で安全な着陸が実現でき、また載置台１０にとっても垂直離着陸機Ｖによる衝撃での損傷を生じず、長期間使用可能な設備を実現することができる。

　また、この構造の載置台１０を移動させるために、第四層Ｌ４の底面に図示しないキャスターを設け、人力あるいは動力（有人／無人走行車、牽引機構など）によって移動させるようにすればよい。

　あるいは、第四層Ｌ４の形状を、底面に空間を有するように形成するか、あるいは別部材による足部を設けて空間を有するように形成するなどの方法で形成した空間に、無人搬送車（ＡＧＶとも言う）を潜り込ませ、無人搬送車の有する浮上機能により載置台１０を浮上させて移動させてもよい。

　なお、この実施例の載置台１０の移動方法は、これまで説明した方法に限定せず、安全に、正確に、かつ、速やかに移動できる方法であればどのような方法でもよい。

　また、載置台の別の具体的な構造について、第２の実施例を図面を用いて説明する。この実施例は、載置台を移動させるＡＧＶと組み合わせた構造となっている。

　図１５は本発明の垂直離着陸機載置装置の第２の実施例の載置台の断面図であり、離着陸時の状態を表している。また、図１６は本発明の垂直離着陸機載置装置の第２の実施例の載置台の断面図で、運搬時（移動時）を表している。

　この実施例は、載置台移動部（ＡＧＶ）５０が、載置台１０の下部空間に潜り込み、載置台１０に載置された垂直離着陸機Ｖと載置台１０とを、垂直離着陸機Ｖの離着陸以外の状態で、リフトアップして運搬するものである。

　垂直離着陸機Ｖを載置する載置台１０は、後に詳述するように、載置台フレーム１５と載置台座板１６とを有しており、その載置台フレーム１５をＡＧＶ５０によって持ち上げることによって、垂直離着陸機Ｖを載置したまま、ＡＧＶ５０に設けられた車輪５０１を用いて運搬（移動）が可能になっている。

　ここで、垂直離着陸機Ｖの離着陸時、特に着陸時には衝撃荷重がかかるため、ＡＧＶ５０は載置台１０の下方で、載置台１０とは空隙を有して待機しており、衝撃荷重は載置台１０が受けるようにしている。

着陸後は、ＡＧＶ５０が、垂直離着陸機Ｖを載置した載置台１０を下方からジャッキアップあるいはリフトアップし、運搬を行う。なお、ＡＧＶ５０におけるジャッキアップあるいはリフトアップの機構は周知のものでよい。

　図１７は本発明の垂直離着陸機載置装置の第２の実施例の載置台１０の斜視図である。ここで、載置台１０は、載置台フレーム１５と載置台座板１６とを有しており、図１８は同じく第２の実施例の載置台１０の載置台フレーム１５のみの斜視図である。

　載置台フレーム１５は、金属製または強化プラスチックなどの、衝撃に対する高い耐荷重を有する材質・形状及び寸法のもので、平面視で略正方形であり、外周部１５１、水平梁部１５２、脚部１５３などから構成される。

　載置台フレーム１５は、外周部１５１及び水平梁部１５２にて、４区画に仕切られ、各区画には、載置台座面１６を水平に保持するような支持部を有している。

　脚部１５３は、外周部１５１の各辺の両端と中央部、及び水平梁部１５２の交差部に設けられるが、そのうち、外周部１５１の１つの辺の中央部は、ＡＧＶ５０の進入のため、設けないものとして、総数は８本である。

　脚部１５３の長さ（地表面から載置台座板１６の底面までの高さ）はＡＧＶ５０が接触せずに進入できる高さとする。

　載置台座板１６は、載置台フレーム１５の４区画に収容できる寸法であり、図中では、理解しやすいように、４枚のうち、１枚を取り外した状態としてある。

　図１９は本発明の垂直離着陸機載置装置の第２の実施例の載置台１０の運搬用のＡＧＶ５０の斜視図である。ここで、ＡＧＶ５０の形状は略直方体の一部を切り欠いた形状（ＡＧＶ切欠き部５０２）であって、平面視で凹の字形をしている。この切り欠いた部分は、載置台１０の下に進入して、載置台１０の中央部分まで到達するための部分である。

　また、ＡＧＶ５０は、破線で示すように底部に３組の車輪５０１ａ、５０１ｂ、５０１ｃを有しており、図示しない駆動機構を遠隔で操作することにより、自在に移動ができるようになっている。

　更に、ＡＧＶ５０は、その上面を上昇させるジャッキアップ（あるいはリフトアップ）機能（図示せず）を内蔵しており、必要に応じて、上面を昇降できるようになっている。

　図２０は本発明の垂直離着陸機載置装置の第２の実施例の載置台座板１６の構造の説明図であり、ここでは４枚のうちの１枚分の構造を示している。

　載置台座板１６の最上部は上面が垂直離着陸機Ｖを載置する載置面であり、下方が開放された略直方体の空箱状の形状の上層部１６１であり、その内部に縦の仕切り板１６２ａ、横の仕切り板１６２ｂからなる格子状構造１６２を収容できるようになっている。

　更に、その格子状構造１６２のそれぞれの区画の内部には弾性体、好適にはコイルスプリング１６３が収容されている。

　更に、その下側に底板１６４が設けられており、その底板１６４と載置台フレーム１５の外周部１５１の側面及び水平梁部１５２の側面にて、箱状の構造を形成し、コイルスプリング１６３の水平方向の移動を規制している。

　なお、上層部１６１の更に上方に第１の実施例で説明した、衝撃緩衝のための高い弾性を有する材料、好適にはゴム材で構成される平板の第一層Ｌ１に相当するものを設けてもよい。更に衝撃吸収効果を上げることがでできる。

　図２１から図２３は本発明の垂直離着陸機載置装置の第２の実施例の載置台とその周辺を示したイラストである。

　図２１は中央に載置台１０を配した平面視で略正方形のプラットホーム６０を示している。ここでは乗員乗客の乗降、荷物の積み込み、離着陸区画の特定などの目的で、載置台１０の上面とプラットホーム６０の上面とが略面一となるようになっている。

　図２２はプラットホーム６０周辺の詳細を示した斜視図であり、垂直離着陸機Ｖが着陸しようとしている状態を示している。この際は、プラットホーム６０は全面が略面一になっており、垂直離着陸機Ｖの安全な着陸を可能としている。

　但し、プラットホーム６０の一部は、垂直離着陸機Ｖを着陸後に移動させるためのＡＧＶ５０が進入するための進入路６０１が形成されており、進入路６０１は、上面の板部の下方に空間があり、ＡＧＶ５０が、矢印で示すように、その空間を通って載置台１０の方へ向かい、載置台１０の直下で空隙をもって待機する。

　図２３はプラットホーム６０周辺の詳細を示した斜視図であり、垂直離着陸機Ｖが着陸した後に移動する状態を示している。垂直離着陸機Ｖを載置した載置台１０は、ＡＧＶ５０によってリフトアップ（ジャッキアップ）され、持ち上げられた状態で移動する。なお、その際には、進入路６０１の部分の上面の板部を図示しないジャッキなどで地表方向へ降下させるなどの手段で開放し、垂直離着陸機Ｖを載置した載置台１０を持ち上げて保持するＡＧＶ５０の矢印方向への移動（搬出）を可能にしている。

　なお、進入路６０１を開放する手段は、その他にも、上面の板部を跳ね上げ、あるいは跳ね下げ、スライドするなどの公知の技術を用いて実現すればよい。

　また、プラットホーム６０の外周部には、壁部６０２を有している。この壁部６０２は、プラットホーム６０と外部との区切りであるが、垂直離着陸機Ｖの動作時に生じる音及び／または風を遮る遮蔽壁として機能するようにしてもよい。

　なお、遮蔽壁としては、更に載置台１０に近接した位置に、形状・寸法（高さ）、材質などを選定して設けるようにしてもよい。

　なお、第２の実施例の載置台は、垂直離着陸機駐機システムの一部として用いることができる。図２４は本発明の垂直離着陸機駐機システムの第２の実施例のイラストで、屋外の駐機場７０を示しており、例えば、プラットホーム６０から、垂直離着陸機Ｖを載置した載置台１０を、ＡＧＶ５０が駐機スペース（図の中には「３０」と表示されている場所）に駐機させようとしているところを示している。

　なお、この駐機場には垂直離着陸機Ｖを載置していない、空の載置台１０ｅも置かれており（図の中には「４０」と表示されている）、次に着陸する垂直離着陸機Ｖのために、この空の載置台１０ｅを所定のプラットホームに移動させることができる。

　また、離陸のために駐機場７０からプラットホーム６０に向かう際は、プラットホーム６０ではスペースを空けておき、垂直離着陸機Ｖを載置した載置台１０を、載置台１０の下方に潜り込ませたＡＧＶ５０によってジャッキアップ（リフトアップ）された状態で、ＡＧＶ５０を自走させることにより運搬すればよい。

　図２５は本発明の垂直離着陸機駐機システムの第２の実施例のイラストで、屋根付きの駐機場７１を示しており、風雨を避けて安全に駐機ができるようになっている。ここには、載置台１０に載置された状態の垂直離着陸機Ｖが駐機しており、指示があればプラットホーム６０に向かうことができるようになっている。

　次に、本発明の垂直離着陸機載置装置及び垂直離着陸機駐機システムの第２の実施例の運用について説明する。

　図１５に示すように、垂直離着陸機Ｖの離着陸時、特に、着陸時は衝撃荷重が大きいため、ＡＧＶ５０は載置台１０の下部に空隙を有して位置していてもよいし、載置台１０から離れていてもよいが、いずれの場合でも、載置台フレーム１５の脚部１５３がしっかり着地しており、載置台１０において、垂直離着陸機Ｖの着陸時の荷重を受け止めるようになっている。

　すなわち、機体着陸時には着陸帯（載置台１０）は垂直離着陸機Ｖの機体重量の数倍の衝撃荷重に耐えなければならない。もし、載置台１０をＡＧＶ５０でジャッキアップした状態で着陸させると、ＡＧＶ５０の耐荷重を大きくしなければならないが、これまでの説明のように、着陸時は、載置台フレーム１５で衝撃荷重を受けるようにすれば、ＡＧＶ５０は衝撃荷重を意識せず、垂直離着陸機Ｖの機体と載置台１０の合計静荷重を運搬できる能力を有すればよい。

　載置台１０については、第１の実施例と類似の構造であり、上層部１６１の内部の格子状構造１６２に収容されたコイルスプリング１６３と底板１６４とで衝撃荷重を吸収するようになっている。

　載置台１０の全体としては、このような載置台座板１６が４枚に分割して設けられている上に、載置台１０の中心部にも脚部１５３を設け、水平枠部１５２を十字に配したことから、静荷重及び衝撃荷重に耐えられるようになっている。

　その上で、ＡＧＶ５０による運搬を可能としたことから、垂直離着陸機Ｖの離発着の利便性が大きく向上し、また、離発着時間の短縮も期待できる。

　なお、先に説明したプラットホームとしては、載置台１０を中央部に配するのではなく、端部付近に配するようにしてもよい。

　載置台１０を端部付近に設置した場合、プラットホーム６０に進入路６０１を設ける必要がなく、構成が簡略化できる。

　本発明の垂直離着陸機載置装置及び垂直離着陸機駐機システムは、今後、需要が増大する垂直離着陸機の離着陸に際して、素早い運航と、周辺環境にやさしい運用ができるため大いに産業上の利用可能性を有する。

Ｖ　　　　垂直離着陸機
１　　　　垂直離着陸機載置装置
１０　　　載置台
Ｌ１　　　載置台第一層
Ｌ２　　　載置台第二層
Ｌ３　　　載置台第三層
Ｌ４　　　載置台第四層
２０　　　遮蔽壁
２１　　　両開き扉
３０　　　誘導路
５０　　　ＡＧＶ
６０　　　プラットホーム
７０　　　駐機場
８０　　　離着陸場　
１００　　載置台
１０００　垂直離着陸機駐機システム

Claims

－垂直離着陸機を上面に載置できる略水平の面を有する載置台と、
－前記垂直離着陸機が前記載置台に載置された状態で、前記垂直離着陸機の周囲を囲むように設けられた、垂直離着陸機の動作時に生じる音及び／または風を遮る遮蔽壁と
を有する、垂直離着陸機を載置する垂直離着陸機載置装置。
－垂直離着陸機を上面に載置できる略水平の面を有する載置台と、
－前記垂直離着陸機を前記載置台に載置された状態で、前記載置台を移動させる載置台移動部と
を有する、垂直離着陸機を載置する垂直離着陸機載置装置。
－垂直離着陸機を上面に載置できる略水平の面を有する載置台と、
－前記垂直離着陸機が前記載置台に載置された状態で、前記垂直離着陸機の周囲を囲むように設けられた、垂直離着陸機の動作時に生じる音及び／または風を遮る遮蔽壁と
－前記垂直離着陸機を前記載置台に載置された状態で、前記載置台を移動させる載置台移動部と
を有する、垂直離着陸機を載置する垂直離着陸機載置装置。
－請求項２または請求項３に記載の垂直離着陸機載置装置と、
－複数の垂直離着陸機を所定の駐機場所に駐機できる移動手段を有する駐機場と、
－前記載置台移動部と前記駐機場の移動手段との間で、垂直離着陸機が載置された前記載置台を授受できることを特徴とする垂直離着陸機の駐機システム。
請求項２または請求項３に記載の垂直離着陸機載置装置に用いられる載置台であって、
最上部の弾性を有する材料からなる第一層と、
前記第一層の下方に設けられる、下方に向けて開放された格子状枠体を有する第二層と、
前記格子状枠体の個々の枠に収められ、前記格子状枠体よりも下方に突出する、弾性体からなる第三層と、
前記第二層の外側部を内部に隙間なく収容する、上方に開放された四角筒状の第四層と
からなる、垂直離着陸機を上面に載置できる載置台。
前記載置台移動部が、前記載置台とは分離可能で、ジャッキアップ機能を有し、前記載置台の下部空間に潜り込み、前記載置台をジャッキアップして運搬できることを特徴とする請求項２または請求項３に記載の垂直離着陸機載置装置。
前記載置台が、前記載置台移動部とは分離可能で、前記垂直離着陸機の着陸時の衝撃を吸収しうる弾性体を含む載置台座面と、１又は複数の前記載置台座面を支持する載置台フレームとを有し、前記載置台フレームの脚部によって、自立しうることを特徴とする請求項２または請求項３に記載の垂直離着陸機載置装置。