WO2022239662A1 - 水耕栽培用パネル - Google Patents

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Abstract

水耕栽培用パネル(栽培パネル(10))は、栽培する植物を配置可能な1つ以上の開口部(定植孔(12))が形成された複数の板状部(11)と、蛇腹状に形成され前記複数の板状部の間を伸縮可能な状態で接続する1つ以上の蛇腹部(13)と、を備える。水耕栽培用パネル(栽培パネル(10))は、複数の板状部(11)と、複数の板状部(11)との間を接続する蛇腹部(13)とが、全体として板状をなす。水耕栽培用パネル(栽培パネル(10))によれば、栽培装置において植物の育成に適した環境を維持するために必要な作業を容易化できる。

Description

水耕栽培用パネル
 本発明は、植物工場等の栽培装置などにおいて植物を栽培するために利用可能な栽培パネルに関する。
 一般に、水耕栽培により植物を生産する植物工場等の栽培装置においては、植物の育成に必要な養分や水分を含む養液を満たした栽培プールの上方に栽培パネルを配置し、栽培パネルに植物の苗などを一定の間隔で配置して、植物を栽培する(例えば、特許文献1参照。)。
 したがって、栽培中の多数の植物はそれらの間隔が一定であり、各植物の成長に伴って隣接する植物同士の隙間が減少し成長の妨げになる。そこで、移植作業により、植物同士の間隔を大きくして、隣接する植物が互いに干渉することなく余裕を持って成長できるように環境作りを行う必要がある。
日本国特開平2-222625号公報
 特許文献1の水耕栽培法においては、栽培槽を仕切り壁で長手方向に仕切って、互いに連通する往路及び復路を形成し、移動可能な定植パネルを、往路端から順次敷設し、仕切壁に沿って移動させ、復路の終端において植物を収穫する。また、この定植パネルは、隣接する角柱状植物支持体同士を柔らかい遮光フィルムで連結し、かつ、複数の角柱状植物支持体の端部を支持する枠体が伸縮可能に構成される。この構成により、隣接する植物同士の間隔を移動可能な方向に調整することが可能である。
 しかしながら、特許文献1の技術では移動可能な方向に対しては植物同士の間隔を調整できるが、幅方向の間隔は調整できない。したがって、植物の移植作業を行わずに植物を栽培することを前提とする場合には、幅方向の植物の間隔を最初から十分に大きく空けておかないと、成長に伴って植物同士の隙間が小さくなり成長に悪影響が生じることが予想される。
 したがって、苗のようにそれぞれの植物が小さい時期であっても、植物を配置する密度を高めることができず、植物同士の大きすぎる隙間が植物工場の中で広い空間を占有することになる。そのため、植物工場の生産効率向上の妨げになる。
 また、特許文献1に記載の技術では、定植パネルが、角柱状植物支持体同士を柔らかい遮光フィルムで連結して構成されることから、水面上に安定して浮かせるために、スライド枠体又はステーを使用して、パネルの形状を維持している。このため、植物工場で使用する部品の数が多くなり、作業工程も複雑になる傾向がある。したがって、作業性があまり良くなく、かつ、植物工場の部品コストやランニングコストを削減することが困難であった。
 さらに、特許文献1の技術では、長さが26mの大型の栽培槽を用いていることから、水面に浮かんだ定植パネルを移動させたり、ステーを着脱して定植パネルを伸縮させたりする作業が、比較的容易に行える。しかし、例えば幅が1m程度の小型のラックの棚板の上で植物を栽培するような場合には、大型の水槽は利用できず、特許文献1の技術は適用が困難である。したがって、植物の成長に合わせて隣接する植物同士の間隔を変更するためには、作業者が成長した植物を1株ずつ取り出して、別の場所の水槽などの設備まで持ち運んで移植することとなる。そのため、栽培する植物の数が多いと移植作業の手間が増えるのは避けられない。
 本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、栽培装置において植物の育成に適した環境を維持するために必要な作業を容易化し、植物を育成するために使用する部品などのコストを低減し、かつ、植物を育成するために必要な空間を削減することにある。
 前述した目的を達成するために、本発明に係る水耕栽培用パネルは、下記(1)~(7)を特徴としている。
(1) 栽培する植物を配置可能な1つ以上の開口部が形成された複数の板状部と、
 蛇腹状に形成され前記複数の板状部の間を伸縮可能な状態で接続する1つ以上の蛇腹部と、を備え、
 前記複数の板状部と、前記複数の板状部の間を接続する前記蛇腹部とが、全体として板状をなす、
 水耕栽培用パネル。
(2) 前記開口部が、第一軸方向、及び前記第一軸方向と交わる第二軸方向に沿ってそれぞれ複数配置され、
 前記蛇腹部は、前記第一軸方向に並んだ複数の前記開口部の間隔を調整可能な第一蛇腹部と、前記第二軸方向に並んだ複数の前記開口部の間隔を調整可能な第二蛇腹部とを含む、
 上記(1)に記載の水耕栽培用パネル。
(3) 前記板状部、及び前記蛇腹部が同じ材質の材料で構成され、
 前記板状部、及び前記蛇腹部は一体成形により一体化されている、
 上記(1)又は(2)に記載の水耕栽培用パネル。
(4) 前記蛇腹部は、前記板状部と比べて厚みが小さい、
 上記(3)に記載の水耕栽培用パネル。
(5) 少なくとも2つの前記板状部の端部に、栽培プールの容器周縁部と係合可能なフランジ部を有する、
 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の水耕栽培用パネル。
(6) 前記板状部の端部に、隣接する他の水耕栽培用パネルを連結するための連結部を有する、
 上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の水耕栽培用パネル。
(7) 前記板状部は、栽培プールの底部に向かって突出する1つ以上の突起部を有する、
 上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の水耕栽培用パネル。
 上記(1)の構成の水耕栽培用パネルによれば、その全体が板状に形成されているので、蛇腹部の伸縮状態にかかわらず、植物が配置された状態の水耕栽培用パネルを容易に移動させることができる。つまり、植物が成長して移植が必要になった場合には、作業者が、多数の植物が配置された状態の水耕栽培用パネルを持ち上げて運び、別の場所に一度に移動させることができる。このため、作業性が大幅に改善される。
 また、植物が成長する前は前記蛇腹部を折り畳んで配置することにより、高密度の状態で植物を栽培できる。また、植物が成長して植物同士の間隔が狭まった際には、前記蛇腹部を伸張させるだけで、水耕栽培用パネルを交換することなく、隣接する植物間の間隔を拡大できる。したがって、植物を1株ずつ移植する作業が不要となり、植物間の隙間を十分に確保するための作業が容易になる。また、植物育成に必要な水耕栽培用パネルの数を削減できる。
 本開示において、「蛇腹」とは、少なくとも1つの凸部と少なくとも1つの凹部とを有し、凸部と凹部とが交互に連続し、Z字状の断面を有する構造を意味し、「蛇腹部」は、この蛇腹構造を有する部分を意味する。「蛇腹部」は、複数の板状部との各接続箇所が屈曲可能であってもよく、前記接続箇所を除く少なくとも2箇所が屈曲されて、前記凸部及び前記凹部が形成される。
 上記(2)の構成の水耕栽培用パネルによれば、前記第一軸方向、及び前記第二軸方向のそれぞれについて、前記蛇腹部の変形により隣接する植物の間隔を調整できる。したがって、植物が成長する前は前記蛇腹部を折り畳んで配置することにより、水耕栽培用パネルの幅方向及び長さ方向のどちらについても高密度の状態で植物を配置できるので、栽培に必要な空間を大幅に削減できる。
 上記(3)の構成の水耕栽培用パネルによれば、全体が一体化されているので、形状の変化等が生じにくく全体を持ち上げて運ぶことが容易である。つまり、成長した植物を水耕栽培用パネルごとまとめて別の場所に移植できるので作業が容易になる。また、前記板状部、及び前記蛇腹部が同じ材質の材料で構成されているので、一体成形をする際の制約が少なくなり、容易にこの水耕栽培用パネルを製造できる。
 上記(4)の構成の水耕栽培用パネルによれば、同じ材質の材料を用いて前記板状部および前記蛇腹部の両方を構成する場合でも、前記板状部の剛性を十分に確保しつつ、前記蛇腹部が変形できるように構成することが容易になる。
 上記(5)の構成の水耕栽培用パネルによれば、前記栽培プール内の養液の水面よりも上方の位置に植物を配置することが容易になる。すなわち、水耕栽培用パネルを水面に浮かべる必要がないので、植物の根以外の部位が養液内に常時浸るのを避けることができる。したがって、水耕栽培用パネルの下面に藻が生えることを防止でき、植物の生育に適した環境を維持できる。
 上記(6)の構成の水耕栽培用パネルによれば、独立した複数のパネルを同じ栽培プール上に並べて配置する場合に、それら複数のパネルを連結できるので、全体の形状の保持が容易になる。
 上記(7)の構成の水耕栽培用パネルによれば、植物の自重などにより前記蛇腹部が変形しやすい場合でも、下面を前記突起部で支持することで変形を抑制することが容易になる。
 本発明の水耕栽培用パネルによれば、栽培装置において植物の育成に適した環境を維持するために必要な作業や、植物を育成するために使用する部品などのコストを低減すると共に、植物を育成するために必要な空間を削減できる。
 以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1(a)及び図1(b)は、それぞれ本発明の実施形態における栽培パネルの主要部の収縮状態を示す平面図及び縦断面図である。 図2(a)及び図2(b)は、それぞれ本発明の実施形態における栽培パネルの主要部の伸張状態を示す平面図及び縦断面図である。 図3は、本発明の実施形態における栽培パネルの全体の外観を示す斜視図である。 図4は、栽培プールに装着した状態の栽培パネルを示す縦断面図である。 図5は、複数の栽培パネルを連結した状態を示す縦断面図である。 図6は、ラックの外観を示す斜視図である。 図7は、ラック上で植物を栽培している状態の例を示す正面図である。 図8は、植物の成長状態に応じた栽培パネルの変形例を示す縦断面図である。 図9は、変形例-1の栽培パネルにおける主要部の収縮状態を示す平面図である。 図10は、変形例-1の栽培パネルにおける主要部の伸張状態を示す平面図である。 図11は、変形例-2の栽培パネルにおける使用状態を示す縦断面図である。 図12は、変形例-3の栽培パネルにおける使用状態を示す縦断面図である。
 本発明に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<栽培パネルの主要部の構成>
 本発明の実施形態における栽培パネル10の主要部の構成を図1(a)、図1(b)、図2(a)、及び図2(b)に示す。図1(a)は収縮状態の平面図、図1(b)は収縮状態の縦断面図、図2(a)は伸張状態の平面図、図2(b)は伸張状態の縦断面図である。また、栽培パネル10の全体の外観を図3に示す。尚、栽培パネル10は、水耕栽培用パネルの一例である。
 図3に示すように、この栽培パネル10は平面形状がほぼ矩形で全体的に平板形状となるように一体成形されている。図3の栽培パネル10は、一例として、X軸方向の寸法が60cm程度、Y軸方向の寸法が30cm程度、Z軸方向の寸法が0.3~5mm程度になっている。また、栽培パネル10には、円形の定植孔12が32箇所に一定の間隔で形成されている。これらの定植孔12は、栽培する植物の苗を1株ずつ配置し植え付けるために利用される。したがって、この栽培パネル10を1枚利用することで、32株の植物を平面上に一定間隔で並べて栽培することができる。
 栽培パネル10の主要部位は、例えば図1(a)に示すように、平面形状が矩形の多数の板状部11と、隣接する2つの板状部11の間を連結する多数の蛇腹部13とで構成されている。各定植孔12は、Z軸方向に開口し、板状部11に一定の間隔で形成されている。各定植孔12の直径は例えば5cm程度である。
 各蛇腹部13は、2つの板状部11との各接続箇所が屈曲可能であり、これらの接続箇所を除く3箇所が屈曲されて、蛇腹を構成する少なくとも1つの凸部及び少なくとも1つの凹部が形成される。各蛇腹部13は、一般的な蛇腹と同じように折り畳みで変形できるように構成されている。つまり、各蛇腹部13はその変形による収縮/伸張によりX軸方向の長さが可変である。したがって、X軸方向に互いに隣接する複数の板状部11の間隔や、X軸方向に互いに隣接する複数の定植孔12の間隔は、蛇腹部13の変形により調整可能である。
 各板状部11及び各蛇腹部13を構成する材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂材料を利用できる。板状部11及び蛇腹部13は、同じ種類の樹脂材料を用いて構成し得る。これにより、栽培パネル10を一体成形する際の制約が少なくなり、製造が容易になる。尚、板状部11と蛇腹部13とを同じ材質、又は別の材質でそれぞれ構成し、両者を組み立てて、栽培パネル10を製造してもよい。
 また、各板状部11は平板形状を保持するためにある程度の剛性を必要とし、各蛇腹部13は形状の変化を許容し且つある程度の形状保持も可能とするように構成する。一例として、折り曲げが不要な箇所である板状部11の厚みは5mm程度とし、折り曲げが必要な蛇腹部13の厚みは板状部11よりも小さい0.3mm程度とする。
 各蛇腹部13を折り畳むように変形させた場合には、図1(a)及び図1(b)に示すように栽培パネル10全体の寸法をX軸方向に縮小することができる。また、栽培パネル10にX軸方向の張力を与えて各蛇腹部13を伸張させるように変形させた場合には、図2(a)及び図2(b)に示すように栽培パネル10全体の寸法をX軸方向に伸張させることができる。つまり、各蛇腹部13の変形により、X軸方向の定植孔12間の間隔を図1(a)、図1(b)の状態から図2(a)、図2(b)の状態に、又はその反対方向に変更することができる。
<栽培パネルの細部および使用状態の例>
-<栽培プールへの装着>
 栽培プール20に装着した状態の栽培パネル10を図4に示す。
 図4に示すように、栽培パネル10のX軸方向の両端部にはフランジ部10a、10bが形成されている。また、図4の例では使用する栽培プール20のX軸方向の容器寸法が栽培パネル10のX軸方向の寸法と同等になっている。
 そのため、栽培プール20の容器周縁部20aにフランジ部10a、10bを引っ掛けるように載せるだけで、図4のように栽培パネル10を栽培プール20上に装着することができる。
 栽培プール20を利用して植物を水耕栽培する際には、植物の育成に必要な養分及び水分を含む養液21が図4のように栽培プール20内に導入される。養液21は必要に応じて栽培プール20内を通る経路で循環される。
 図4に示した例では、栽培パネル10は養液21の水面から上方に離間した状態で栽培プール20に装着されている。したがって、栽培パネル10の各定植孔12に植え付ける植物の根以外の部位が栽培プール20内の養液21と常時接触するのを避けることができる。よって、栽培パネル10の下面に藻が生えるのを防止でき、植物の育成に適した環境を維持できる。
-<複数の栽培パネルの連結>
 複数の栽培パネル10(10-1、10-2)を連結した状態の例を図5に示す。
 図5に示した例では、各栽培パネル10のY軸方向の両端部に、板状部11から下方(Z軸方向)に突出した連結部10c及び10dが形成されている。したがって、複数の栽培パネル10をY軸方向に隣接する状態で並べた場合には、図5に示すように一方の栽培パネル10-1の連結部10dと、他方の栽培パネル10-2の連結部10cとを互いに係合させて連結することができる。
 したがって、図5のような構造の栽培パネル10を利用する場合には、1つの栽培プール20上に複数の栽培パネル10を並べて配置する場合に、お互いの位置がずれないように、あるいは間に隙間ができないように配置することが容易になる。
<植物の栽培環境の具体例>
-<ラックの利用>
 ラック25の外観の例を図6に示す。
 植物工場等の栽培装置においては、限られた比較的狭い空間の中でより多くの植物を栽培することが必要になる。したがって、図6に示すように上下方向に並んで配置された複数の棚板26を有するラック25を利用して、立体的な空間内に植物を高密度で配置可能にする。
 図6の例では、ラック25のX軸方向の寸法が120cm程度である。したがって、各段の棚板26上に、例えば図4に示したような栽培プール20をX軸方向に2つ並べて配置することができる。
-<ラック上での栽培例>
 ラック25上で植物23を栽培している状態の例を図7に示す。
 図7に示した例では、1つの棚板26の上に栽培プール20が配置され、栽培プール20の上部に栽培パネル10が装着されている。また、栽培パネル10上の各定植孔12の箇所にそれぞれ植物23が植え付けられている。実際には、例えばスポンジなどを介して植物23の苗が各定植孔12の箇所に固定される。
 栽培プール20の内部空間は所定の養液21で満たされている。栽培パネル10上の各植物23は、養液21の水面より上方に配置されているが、根の部位は栽培パネル10から下方に突出して養液21中に浸された状態になっている。
 また、人工光を発生するLEDランプ27が各植物23の上方に配置されている。また、LEDランプ27が発生する人工光を効率よく植物23に照射するために、ラック25の天井面、及び両側面の各部位に反射板28を設けてある。
 なお、栽培パネル10は全体を遮光性の材料で構成してある。したがって、LEDランプ27からの人工光が養液21に届くのを防止できる。これにより、養液21中に藻が生えるのを避けることができる。
-<栽培パネルの変形>
 実際の栽培装置では大量の植物を同時に栽培することになるので、基本的には大きさが同等の多数(例えば32株)の植物23を1つの栽培パネル10に載せて栽培することが想定される。植物23が成長して大きくなった場合には、植物23間の間隔を空けるために、通常は移植が必要になる。しかし、本実施形態の栽培パネル10を利用して植物23を栽培すれば、各蛇腹部13を伸張させて栽培パネル10を変形させることにより、植物23B同士の間隔を空けられるため、植物23が成長して大きくなった場合に、1株ずつ移植を行う必要がない。
 しかしながら、植物23が成長して大きくなり、植物23B同士の間隔が大きくなるように栽培パネル10を変形させる場合、栽培するためにより広いスペースが必要になる。そこで、スペースをより効率的に利用するため、例えば、パネルに栽培する植物を全て同じ時期に栽培するのではなく、栽培時期を何段階かにずらして栽培することが想定される。例えば、成長した一部の植物を収穫後に、伸張されていたパネル部分を収縮させた状態で、空いた定植孔にて新しく栽培を始める一方で、成長して大きくなった植物が配置されているパネル部分を伸張する運用が想定される。植物の成長状態に応じた栽培パネル10の変形の例を図8に示す。
 図8に示した例では、成長前の小さい植物23Aと、成長後の大きい植物23Bとを1つの栽培パネル10上に混載した状態でこれらの植物23A、23Bを栽培している場合を想定している。
 図8に示すように、小さい植物23Aについては小さい間隔で配置してもそれらの生育状況に問題は生じない。したがって、栽培パネル10上で小さい植物23Aを配置した箇所については、蛇腹部13(13A)をX軸方向に収縮させるように栽培パネル10を変形することで植物23A同士の間隔を小さくしてある。
 また、大きい植物23Bについては、間隔を大きくしないと隣接する植物23B同士が物理的に干渉したり人工光の照射を受けにくくなるため、生育に悪影響が生じる可能性が高い。したがって、栽培パネル10上で植物23Bを配置した箇所については、蛇腹部13(13B)をX軸方向に伸張させるように作業者が張力を加えて栽培パネル10を変形することで、植物23B同士の間隔を大きくしてある。
 したがって、図8に示すように1つの栽培パネル10を利用するだけで、小さい植物23Aと大きい植物23Bとを、良好な栽培環境で同時に栽培することが可能である。
 例えば、収縮状態でX軸方向の寸法が60cmの栽培パネル10は、蛇腹部13を伸張することでX軸方向の寸法を120cm程度まで引き伸ばすことができる。したがって、寸法が60cmの栽培プール20から寸法が120cmの別の栽培プールに、植物23と共に栽培パネル10の全体を移し替えるだけの簡単な作業で、植物23同士の間隔を拡大できる。このように、植物23を1株ずつ移植する作業が不要になるので移植作業性が大幅に改善する。
<変形例-1>
 変形例-1における栽培パネル10Aの主要部を図9及び図10に示す。図9及び図10は、それぞれ栽培パネル10Aの収縮状態および伸張状態をそれぞれ表す。
 図9、図10に示した栽培パネル10Aにおいては、それぞれ矩形形状に形成された複数の板状部11Aが、X軸方向及びY軸方向に並べて配置してある。また、各板状部11Aはそれぞれ1つの定植孔12を有している。
 また、X軸方向に隣接している2つの板状部11A同士の間は、それぞれ第一蛇腹部14を介して接続されている。また、Y軸方向に隣接している2つの板状部11A同士の間は、それぞれ第二蛇腹部15を介して接続されている。
 第一蛇腹部14は、前述の蛇腹部13と同様に、折り畳みで変形できるように構成されている。そして、各第一蛇腹部14はその変形による収縮/伸張によりX軸方向の長さが可変である。したがって、X軸方向に互いに隣接する複数の板状部11Aの間隔や、X軸方向に互いに隣接する複数の定植孔12の間隔は、第一蛇腹部14の変形で可変になっている。
 一方、第二蛇腹部15も折り畳みで変形できるが、折り畳みの方向が第一蛇腹部14とは異なっている。すなわち、各第二蛇腹部15はその変形による収縮/伸張によりY軸方向の長さが可変である。したがって、Y軸方向に互いに隣接する複数の板状部11Aの間隔や、Y軸方向に互いに隣接する複数の定植孔12の間隔は、第二蛇腹部15の変形で可変になっている。
 つまり、栽培パネル10Aは、X軸方向に対して伸縮できるし、Y軸方向に対しても伸縮できる。したがって、各第一蛇腹部14を収縮させると共に各第二蛇腹部15を収縮させることで、栽培パネル10Aを図9に示す形状にすることができる。また、各第一蛇腹部14を伸張させると共に各第二蛇腹部15を伸張させることで、栽培パネル10Aを図10に示す形状に拡大することができる。
 そのため、栽培パネル10Aにおいては、互いに隣接する複数の定植孔12の間隔をX軸方向及びY軸方向のどちらに対しても調整することができる。なお、第一蛇腹部14と第二蛇腹部15とが交差する箇所にある各蛇腹交差部16については、複雑な形状に折り畳む必要があるが、厚みの薄い(例えば0.3mm)樹脂材料を用いて構成することにより、折り畳みが容易になる。
 また、図9、図10に示した栽培パネル10Aにおいても、各板状部11A、第一蛇腹部14、第二蛇腹部15、及び蛇腹交差部16は材質が同一の樹脂材料を用いて、一体成形により構成してある。
<変形例-2>
 変形例-2の栽培パネル10Bにおける使用状態を図11に示す。
 例えば、図9、図10に示した栽培パネル10Aの場合には、変形可能な第一蛇腹部14及び第二蛇腹部15が存在する。このため、例えば栽培パネル10Aのサイズが大きい場合には、栽培パネル10Aの自重や栽培する植物23の重量などの影響で栽培パネル10の形状に撓みが生じ、植物23の位置が自然に下がる可能性がある。そのような撓みを低減するための機能が図11の栽培パネル10Bに備わっている。
 図11に示すように、栽培パネル10Bは下面に、栽培プール20の底部に向かって(Z軸方向に)突出した複数の突起部10eを有している。例えば、栽培パネル10Bに撓みが生じて各突起部10eの位置が下がると、突起部10eの下端が栽培プール20の容器底部に当接するので、突起部10eの位置がそれ以上下がることはなく、栽培パネル10Bの撓みが抑制される。突起部10eは、一例としてYZ平面に延びる矩形板状を有するが、形状は特に限定されない。
<変形例-3>
 変形例-3の栽培パネル10Cにおける使用状態を図12に示す。
 図12に示した例では、各栽培パネル10Cは栽培プール20内で養液21の水面に浮かんだ状態で配置されている。栽培パネル10Cは養液21に比べて比重が小さい材料で構成されているので、そのまま水面に浮かべることができる。
 図12の例では、X軸方向の寸法が60cm弱の2つの栽培パネル10CをX軸方向に2つ並べた状態で、寸法が120cmの栽培プール20の中に配置してある。なお、図12の栽培パネル10Cにおいては前述のフランジ部10a、10bは不要である。
<栽培パネルの利点>
 図1~図3に示した栽培パネル10を用いて植物23を栽培する場合には、移植の作業をしなくても、X軸方向に隣接する複数の植物23の間隔を植物23の成長に合わせて調整できる。すなわち、成長前は植物23を狭い空間に高密度で配置することができ、成長後は植物23の生育環境を良好に維持するために間隔を大きく開けることが可能である。また、例えば植物23の成長に合わせて大きさが異なる別の栽培プール20に植物23を移植する場合には、栽培パネル10単位で多数の植物23をまとめて移植できるので、効率よく移植作業ができる。例えば栽培プール20とは別の場所で、植物23を収穫、加工する際にも、栽培パネル10単位で多数の植物23をまとめて移動できるため、作業効率が向上する。
 また、図9及び図10に示した栽培パネル10Aを用いる場合には、X軸方向及びY軸方向の2つの軸方向に対して植物23の間隔を調整できるので、図1~図3の栽培パネル10の場合よりも更に高密度で植物23を配置することが可能になる。
 本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
<補足説明>
 ここで、上述した本発明の実施形態に係る栽培パネルの特徴をそれぞれ以下[1]~[7]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 栽培する植物(23)を配置可能な1つ以上の開口部(定植孔12)が形成された複数の板状部(11)と、
 蛇腹状に形成され前記複数の板状部の間を伸縮可能な状態で接続する1つ以上の蛇腹部(13)と、を備え、
 前記複数の板状部と、前記複数の板状部の間を接続する前記蛇腹部とが、全体として板状をなす、
 栽培パネル(10)。
[2] 前記開口部が、第一軸方向、及び前記第一軸方向と交わる第二軸方向に沿ってそれぞれ複数配置され、
 前記蛇腹部は、前記第一軸方向に並んだ複数の前記開口部の間隔を調整可能な第一蛇腹部(14)と、前記第二軸方向に並んだ複数の前記開口部の間隔を調整可能な第二蛇腹部(15)とを含む、
 上記[1]に記載の栽培パネル(10A)。
[3] 前記板状部、及び前記蛇腹部が同じ材質の材料で構成され、
 前記板状部、及び前記蛇腹部は一体成形により一体化されている、
 上記[1]又は[2]に記載の栽培パネル。
[4] 前記蛇腹部は、前記板状部と比べて厚みが小さい、
 上記[3]に記載の栽培パネル。
[5] 少なくとも2つの前記板状部の端部に栽培プール(20)の容器周縁部と係合可能なフランジ部(10a、10b)を有する、
 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の栽培パネル。
[6] 前記板状部の端部に、隣接する他の栽培パネルを連結するための連結部(10c、10d)を有する、
 上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の栽培パネル。
[7] 前記板状部は、栽培プール(20)の底部に向かって突出する1つ以上の突起部(10e)を有する、
 上記[1]乃至[6]のいずれかに記載の栽培パネル。
 なお、本出願は、2021年5月13日出願の日本特許出願(特願2021-081584)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
 10,10A,10B,10C,10-1,10-2 栽培パネル
 10a,10b フランジ部
 10c,10d 連結部
 10e 突起部
 11,11A 板状部
 12 定植孔
 13,13A,13B 蛇腹部
 14 第一蛇腹部
 15 第二蛇腹部
 16 蛇腹交差部
 20 栽培プール
 20a 容器周縁部
 21 養液
 23,23A,23B 植物
 25 ラック
 26 棚板
 27 LEDランプ
 28 反射板

Claims (7)

  1.  栽培する植物を配置可能な1つ以上の開口部が形成された複数の板状部と、
     蛇腹状に形成され前記複数の板状部の間を伸縮可能な状態で接続する1つ以上の蛇腹部と、を備え、
     前記複数の板状部と、前記複数の板状部の間を接続する前記蛇腹部とが、全体として板状をなす、
     水耕栽培用パネル。
  2.  前記開口部が、第一軸方向、及び前記第一軸方向と交わる第二軸方向に沿ってそれぞれ複数配置され、
     前記蛇腹部は、前記第一軸方向に並んだ複数の前記開口部の間隔を調整可能な第一蛇腹部と、前記第二軸方向に並んだ複数の前記開口部の間隔を調整可能な第二蛇腹部とを含む、
     請求項1に記載の水耕栽培用パネル。
  3.  前記板状部、及び前記蛇腹部が同じ材質の材料で構成され、
     前記板状部、及び前記蛇腹部は一体成形により一体化されている、
     請求項1又は請求項2に記載の水耕栽培用パネル。
  4.  前記蛇腹部は、前記板状部と比べて厚みが小さい、
     請求項3に記載の水耕栽培用パネル。
  5.  少なくとも2つの前記板状部の端部に、栽培プールの容器周縁部と係合可能なフランジ部を有する、
     請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の水耕栽培用パネル。
  6.  前記板状部の端部に、隣接する他の水耕栽培用パネルを連結するための連結部を有する、
     請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の水耕栽培用パネル。
  7.  前記板状部は、栽培プールの底部に向かって突出する1つ以上の突起部を有する、
     請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の水耕栽培用パネル。
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